(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-05-13
(45)【発行日】2024-05-21
(54)【発明の名称】車両用表示制御装置、車両用表示制御システム、及び車両用表示制御方法
(51)【国際特許分類】
B60K 35/22 20240101AFI20240514BHJP
B60W 60/00 20200101ALI20240514BHJP
B60W 50/14 20200101ALI20240514BHJP
B60K 35/81 20240101ALI20240514BHJP
B60K 35/215 20240101ALI20240514BHJP
【FI】
B60K35/22
B60W60/00
B60W50/14
B60K35/81
B60K35/215
(21)【出願番号】P 2020120107
(22)【出願日】2020-07-13
【審査請求日】2022-10-20
(73)【特許権者】
【識別番号】000004260
【氏名又は名称】株式会社デンソー
(74)【代理人】
【氏名又は名称】矢作 和行
(74)【代理人】
【識別番号】100121991
【氏名又は名称】野々部 泰平
(74)【代理人】
【識別番号】100145595
【氏名又は名称】久保 貴則
(72)【発明者】
【氏名】三宅 祐輔
【審査官】角田 貴章
(56)【参考文献】
【文献】特開2019-167094(JP,A)
【文献】特開2007-052719(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2016/0082888(US,A1)
【文献】特開2019-119338(JP,A)
【文献】特開2020-071415(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B60K 35/00
-37/06
B60W 60/00
B60W 50/14
G02B 27/01
G09F 9/00
G01C 21/00
-21/36
G01C 23/00
-25/00
B60R 11/00
B60R 11/02
B60R 11/04
B60R 11/06
B60R 16/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
自動運転が可能な車両で用いられ、
前記自動運転に関する前記車両の走行状態及び前記車両の運転者の状態の少なくともいずれかの状態である自動運転関連状態を特定する状態特定部(101)と、
前記車両に設けられる運転者専用の第1表示器(92)とは異なる、前記車両の運転者以外の同乗者が視認可能な、前記車両に設けられる第2表示器(93)での表示を制御する同乗者表示制御部(132)と、
前記同乗者からの要求を取得する同乗者要求取得部(102)とを備え、
前記同乗者表示制御部は、前記状態特定部で特定した前記自動運転関連状態を文字及び画像の少なくともいずれかを用いて示す同乗者側グラフィックを、前記第2表示器に表示させるものであり、
前記状態特定部で特定する前記自動運転関連状態に応じて定まる前記同乗者側グラフィックの、前記同乗者に対する重要度を特定する重要度特定部(104)を備え、
前記同乗者表示制御部は、前記同乗者からの前記同乗者側グラフィックの表示の要求を前記同乗者要求取得部で取得した場合に、前記同乗者側グラフィックを前記第2表示器に表示させる一方、前記同乗者からの前記同乗者側グラフィックの表示の要求を前記同乗者要求取得部で取得していない場合には、前記重要度特定部で特定する前記重要度に応じて、前記同乗者側グラフィックを前記第2表示器に表示させるか否かを切り替える車両用表示制御装置。
【請求項2】
請求項
1において、
前記第1表示器での表示を制御する運転者表示制御部(131)を備え、
前記運転者表示制御部は、前記状態特定部で特定した前記自動運転関連状態を、文字及び画像の少なくともいずれかを用いて示す運転者側グラフィックを、前記第1表示器に表示させる車両用表示制御装置。
【請求項3】
請求項
2において、
前記状態特定部は、前記自動運転関連状態として少なくとも前記運転者の対応が要求される状態及び前記運転者の状態を特定するものであって、
前記状態特定部で前記自動運転関連状態として、前記運転者の対応が要求される状態を特定した場合に、前記運転者表示制御部は、前記運転者の対応が要求される理由を示す前記運転者側グラフィック及びその対応を要求する旨の前記運転者側グラフィックを、前記第1表示器に表示させ、前記同乗者表示制御部は、前記第1表示器でのそれらの運転者側グラフィックの表示よりも遅れたタイミングで、前記運転者の対応が要求される理由及び前記運転者の状態を示す前記同乗者側グラフィックを、前記第2表示器に表示させる車両用表示制御装置。
【請求項4】
自動運転が可能な車両で用いられ、
前記自動運転に関する前記車両の走行状態及び前記車両の運転者の状態の少なくともいずれかの状態である自動運転関連状態を特定する状態特定部(101)と、
前記車両に設けられる運転者専用の第1表示器(92)とは異なる、前記車両の運転者以外の同乗者が視認可能な、前記車両に設けられる第2表示器(93)での表示を制御する同乗者表示制御部(132)と、
前記同乗者からの要求を取得する同乗者要求取得部(102)とを備え、
前記同乗者表示制御部は、前記状態特定部で特定した前記自動運転関連状態を文字及び画像の少なくともいずれかを用いて示す同乗者側グラフィックを、前記第2表示器に表示させるものであり、前記同乗者からの前記同乗者側グラフィックの表示の要求を前記同乗者要求取得部で取得していない場合には、前記同乗者側グラフィックを前記第2表示器に表示させない一方、前記同乗者からの前記同乗者側グラフィックの表示の要求を前記同乗者要求取得部で取得した場合に、前記同乗者側グラフィックを前記第2表示器に表示させる
ものであり、
前記第1表示器での表示を制御する運転者表示制御部(131)を備え、
前記運転者表示制御部は、前記状態特定部で特定した前記自動運転関連状態を、文字及び画像の少なくともいずれかを用いて示す運転者側グラフィックを、前記第1表示器に表示させるものであり、
前記状態特定部は、前記自動運転関連状態として少なくとも前記運転者の対応が要求される状態及び前記運転者の状態を特定するものであって、
前記状態特定部で前記自動運転関連状態として、前記運転者の対応が要求される状態を特定した場合に、前記運転者表示制御部は、前記運転者の対応が要求される理由を示す前記運転者側グラフィック及びその対応を要求する旨の前記運転者側グラフィックを、前記第1表示器に表示させ、前記同乗者表示制御部は、前記第1表示器でのそれらの運転者側グラフィックの表示よりも遅れたタイミングで、前記運転者の対応が要求される理由及び前記運転者の状態を示す前記同乗者側グラフィックを、前記第2表示器に表示させる車両用表示制御装置。
【請求項5】
請求項
2~4
のいずれか1項において、
前記運転者表示制御部及び前記同乗者表示制御部は、前記状態特定部で特定する同一の前記自動運転関連状態についての前記運転者側グラフィック及び前記同乗者側グラフィックを前記第1表示器及び第2表示器にそれぞれ表示させるものであって、
前記同乗者表示制御部は、前記状態特定部で特定する同一の前記自動運転関連状態について、前記運転者表示制御部で前記第1表示器に表示させる前記運転者側グラフィックと異なる、前記同乗者にとって必要と推定される情報を含む前記同乗者側グラフィックを、前記第2表示器に表示させる車両用表示制御装置。
【請求項6】
請求項
2~
5のいずれか1項において、
前記運転者表示制御部及び前記同乗者表示制御部は、前記状態特定部で特定する同一の前記自動運転関連状態についての前記運転者側グラフィック及び前記同乗者側グラフィックを前記第1表示器及び第2表示器にそれぞれ表示させる車両用表示制御装置。
【請求項7】
請求項
2~
6のいずれか1項において、
前記状態特定部は、前記自動運転関連状態として少なくとも前記運転者の状態を特定するものであって、
前記状態特定部で前記自動運転関連状態として、前記運転者が運転できない状態である運転不可状態を特定した場合に、前記同乗者表示制御部は、前記運転者の状態を確認するように要求する旨の前記同乗者側グラフィックを、前記第2表示器に表示させる車両用表示制御装置。
【請求項8】
請求項5又は
6において、
前記同乗者表示制御部は、前記状態特定部で特定する同一の前記自動運転関連状態について、前記運転者表示制御部で前記第1表示器に表示させる前記運転者側グラフィックと異なる、前記同乗者にとって必要と推定される情報を含む、その運転者側グラフィックよりも情報が簡略化された前記同乗者側グラフィックを、前記第2表示器に表示させる車両用表示制御装置。
【請求項9】
請求項
8において、
前記状態特定部は、少なくとも前記自動運転での前記車両の他車への追従状態を特定するものであって、
前記同乗者表示制御部は、前記状態特定部で特定する同一の前記追従状態について、前記運転者表示制御部で前記第1表示器に表示させる前記運転者側グラフィックと異なる、前記車両の追従対象としている車両の認識及び目標車間距離の維持が行われていることの認識の少なくともいずれかを前記同乗者が行うのに必要と推定される情報を含む、その運転者側グラフィックよりも情報が簡略化された前記同乗者側グラフィックを、前記第2表示器に表示させる車両用表示制御装置。
【請求項10】
自動運転が可能な車両で用いられ、
前記自動運転に関する前記車両の走行状態及び前記車両の運転者の状態の少なくともいずれかの状態である自動運転関連状態を特定する状態特定部(101)と、
前記車両に設けられる運転者専用の第1表示器(92)とは異なる、前記車両の運転者以外の同乗者が視認可能な、前記車両に設けられる第2表示器(93)での表示を制御する同乗者表示制御部(132)と、
前記同乗者からの要求を取得する同乗者要求取得部(102)とを備え、
前記同乗者表示制御部は、前記状態特定部で特定した前記自動運転関連状態を文字及び画像の少なくともいずれかを用いて示す同乗者側グラフィックを、前記第2表示器に表示させるものであり、前記同乗者からの前記同乗者側グラフィックの表示の要求を前記同乗者要求取得部で取得していない場合には、前記同乗者側グラフィックを前記第2表示器に表示させない一方、前記同乗者からの前記同乗者側グラフィックの表示の要求を前記同乗者要求取得部で取得した場合に、前記同乗者側グラフィックを前記第2表示器に表示させる
ものであり、
前記第1表示器での表示を制御する運転者表示制御部(131)を備え、
前記運転者表示制御部は、前記状態特定部で特定した前記自動運転関連状態を、文字及び画像の少なくともいずれかを用いて示す運転者側グラフィックを、前記第1表示器に表示させるものであり、
前記運転者表示制御部及び前記同乗者表示制御部は、前記状態特定部で特定する同一の前記自動運転関連状態についての前記運転者側グラフィック及び前記同乗者側グラフィックを前記第1表示器及び第2表示器にそれぞれ表示させるものであり、
前記同乗者表示制御部は、前記状態特定部で特定する同一の前記自動運転関連状態について、前記運転者表示制御部で前記第1表示器に表示させる前記運転者側グラフィックと異なる、前記同乗者にとって必要と推定される情報を含む、その運転者側グラフィックよりも情報が簡略化された前記同乗者側グラフィックを、前記第2表示器に表示させるものであり、
前記状態特定部は、少なくとも前記自動運転での前記車両の他車への追従状態を特定するものであって、
前記同乗者表示制御部は、前記状態特定部で特定する同一の前記追従状態について、前記運転者表示制御部で前記第1表示器に表示させる前記運転者側グラフィックと異なる、前記車両の追従対象としている車両の認識及び目標車間距離の維持が行われていることの認識の少なくともいずれかを前記同乗者が行うのに必要と推定される情報を含む、その運転者側グラフィックよりも情報が簡略化された前記同乗者側グラフィックを、前記第2表示器に表示させる車両用表示制御装置。
【請求項11】
請求項
10において、
前記運転者表示制御部及び前記同乗者表示制御部は、前記状態特定部で特定する同一の前記自動運転関連状態についての前記運転者側グラフィック及び前記同乗者側グラフィックを前記第1表示器及び第2表示器にそれぞれ表示させるものであって、
前記同乗者表示制御部は、前記状態特定部で特定する同一の前記自動運転関連状態について、前記運転者表示制御部で前記第1表示器に表示させる前記運転者側グラフィックと異なる、前記同乗者にとって必要と推定される情報を含む前記同乗者側グラフィックを、前記第2表示器に表示させる車両用表示制御装置。
【請求項12】
自動運転が可能な車両で用いられ、
前記自動運転に関する前記車両の走行状態及び前記車両の運転者の状態の少なくともいずれかの状態である自動運転関連状態を特定する状態特定部(101)と、
前記車両に設けられる運転者専用の第1表示器(92)とは異なる、前記車両の運転者以外の同乗者が視認可能な、前記車両に設けられる第2表示器(93)での表示を制御する同乗者表示制御部(132)と、
前記同乗者からの要求を取得する同乗者要求取得部(102)とを備え、
前記同乗者表示制御部は、前記状態特定部で特定した前記自動運転関連状態を文字及び画像の少なくともいずれかを用いて示す同乗者側グラフィックを、前記第2表示器に表示させるものであり、前記同乗者からの前記同乗者側グラフィックの表示の要求を前記同乗者要求取得部で取得していない場合には、前記同乗者側グラフィックを前記第2表示器に表示させない一方、前記同乗者からの前記同乗者側グラフィックの表示の要求を前記同乗者要求取得部で取得した場合に、前記同乗者側グラフィックを前記第2表示器に表示させる
ものであり、
前記第1表示器での表示を制御する運転者表示制御部(131)を備え、
前記運転者表示制御部は、前記状態特定部で特定した前記自動運転関連状態を、文字及び画像の少なくともいずれかを用いて示す運転者側グラフィックを、前記第1表示器に表示させるものであり、
前記運転者表示制御部及び前記同乗者表示制御部は、前記状態特定部で特定する同一の前記自動運転関連状態についての前記運転者側グラフィック及び前記同乗者側グラフィックを前記第1表示器及び第2表示器にそれぞれ表示させるものであって、
前記同乗者表示制御部は、前記状態特定部で特定する同一の前記自動運転関連状態について、前記運転者表示制御部で前記第1表示器に表示させる前記運転者側グラフィックと異なる、前記同乗者にとって必要と推定される情報を含む前記同乗者側グラフィックを、前記第2表示器に表示させるものであり、
前記同乗者表示制御部は、前記状態特定部で特定する同一の前記自動運転関連状態について、前記運転者表示制御部で前記第1表示器に表示させる前記運転者側グラフィックと異なる、前記同乗者にとって必要と推定される情報を含む、その運転者側グラフィックよりも情報が簡略化された前記同乗者側グラフィックを、前記第2表示器に表示させるものであり、
前記状態特定部は、少なくとも前記自動運転での前記車両の他車への追従状態を特定するものであって、
前記同乗者表示制御部は、前記状態特定部で特定する同一の前記追従状態について、前記運転者表示制御部で前記第1表示器に表示させる前記運転者側グラフィックと異なる、前記車両の追従対象としている車両の認識及び目標車間距離の維持が行われていることの認識の少なくともいずれかを前記同乗者が行うのに必要と推定される情報を含む、その運転者側グラフィックよりも情報が簡略化された前記同乗者側グラフィックを、前記第2表示器に表示させる車両用表示制御装置。
【請求項13】
請求項
10~
12のいずれか1項において、
前記状態特定部は、前記自動運転関連状態として少なくとも前記運転者の状態を特定するものであって、
前記状態特定部で前記自動運転関連状態として、前記運転者が運転できない状態である運転不可状態を特定した場合に、前記同乗者表示制御部は、前記運転者の状態を確認するように要求する旨の前記同乗者側グラフィックを、前記第2表示器に表示させる車両用表示制御装置。
【請求項14】
自動運転が可能な車両で用いられ、
前記車両に設けられる運転者専用の第1表示器(92)と、
前記第1表示器とは異なる、前記車両の運転者以外の同乗者が視認可能な、前記車両に設けられる第2表示器(93)と、
請求項1~1
3のいずれか1項に記載の車両用表示制御装置(10)とを含む車両用表示制御システム。
【請求項15】
自動運転が可能な車両で用いられる車両用表示制御方法であって、
少なくとも1つのプロセッサにより実行される、
前記自動運転に関する前記車両の走行状態及び前記車両の運転者の状態の少なくともいずれかの状態である自動運転関連状態を特定する状態特定工程と、
前記車両に設けられる運転者専用の第1表示器(92)とは異なる、前記車両の運転者以外の同乗者が視認可能な、前記車両に設けられる第2表示器(93)での表示を制御する同乗者表示制御工程と、
前記同乗者からの要求を取得する同乗者要求取得工程とを含み、
前記同乗者表示制御工程では、前記状態特定工程で特定した前記自動運転関連状態を文字及び画像の少なくともいずれかを用いて示す同乗者側グラフィックを、前記第2表示器に表示させるものであり、
前記状態特定工程で特定する前記自動運転関連状態に応じて定まる前記同乗者側グラフィックの、前記同乗者に対する重要度を特定する重要度特定工程を含み、
前記同乗者表示制御工程では、前記同乗者からの前記同乗者側グラフィックの表示の要求を前記同乗者要求取得工程で取得した場合に、前記同乗者側グラフィックを前記第2表示器に表示させる一方、前記同乗者からの前記同乗者側グラフィックの表示の要求を前記同乗者要求取得工程で取得していない場合には、前記重要度特定工程で特定する前記重要度に応じて、前記同乗者側グラフィックを前記第2表示器に表示させるか否かを切り替える車両用表示制御方法。
【請求項16】
自動運転が可能な車両で用いられる車両用表示制御方法であって、
少なくとも1つのプロセッサにより実行される、
前記自動運転に関する前記車両の走行状態及び前記車両の運転者の状態の少なくともいずれかの状態である自動運転関連状態を特定する状態特定工程と、
前記車両に設けられる運転者専用の第1表示器(92)とは異なる、前記車両の運転者以外の同乗者が視認可能な、前記車両に設けられる第2表示器(93)での表示を制御する同乗者表示制御工程と、
前記同乗者からの要求を取得する同乗者要求取得工程とを含み、
前記同乗者表示制御工程では、前記状態特定工程で特定した前記自動運転関連状態を文字及び画像の少なくともいずれかを用いて示す同乗者側グラフィックを、前記第2表示器に表示させるものであり、前記同乗者からの前記同乗者側グラフィックの表示の要求を前記同乗者要求取得工程で取得していない場合には、前記同乗者側グラフィックを前記第2表示器に表示させない一方、前記同乗者からの前記同乗者側グラフィックの表示の要求を前記同乗者要求取得工程で取得した場合に、前記同乗者側グラフィックを前記第2表示器に表示させる
ものであり、
前記第1表示器での表示を制御する運転者表示制御工程を含み、
前記運転者表示制御工程では、前記状態特定工程で特定した前記自動運転関連状態を、文字及び画像の少なくともいずれかを用いて示す運転者側グラフィックを、前記第1表示器に表示させるものであり、
前記状態特定工程では、前記自動運転関連状態として少なくとも前記運転者の対応が要求される状態及び前記運転者の状態を特定するものであって、
前記状態特定工程で前記自動運転関連状態として、前記運転者の対応が要求される状態を特定した場合に、前記運転者表示制御工程では、前記運転者の対応が要求される理由を示す前記運転者側グラフィック及びその対応を要求する旨の前記運転者側グラフィックを、前記第1表示器に表示させ、前記同乗者表示制御工程では、前記第1表示器でのそれらの運転者側グラフィックの表示よりも遅れたタイミングで、前記運転者の対応が要求される理由及び前記運転者の状態を示す前記同乗者側グラフィックを、前記第2表示器に表示させる車両用表示制御方法。
【請求項17】
自動運転が可能な車両で用いられる車両用表示制御方法であって、
少なくとも1つのプロセッサにより実行される、
前記自動運転に関する前記車両の走行状態及び前記車両の運転者の状態の少なくともいずれかの状態である自動運転関連状態を特定する状態特定工程と、
前記車両に設けられる運転者専用の第1表示器(92)とは異なる、前記車両の運転者以外の同乗者が視認可能な、前記車両に設けられる第2表示器(93)での表示を制御する同乗者表示制御工程と、
前記同乗者からの要求を取得する同乗者要求取得工程とを含み、
前記同乗者表示制御工程では、前記状態特定工程で特定した前記自動運転関連状態を文字及び画像の少なくともいずれかを用いて示す同乗者側グラフィックを、前記第2表示器に表示させるものであり、前記同乗者からの前記同乗者側グラフィックの表示の要求を前記同乗者要求取得工程で取得していない場合には、前記同乗者側グラフィックを前記第2表示器に表示させない一方、前記同乗者からの前記同乗者側グラフィックの表示の要求を前記同乗者要求取得工程で取得した場合に、前記同乗者側グラフィックを前記第2表示器に表示させる
ものであり、
前記第1表示器での表示を制御する運転者表示制御工程を含み、
前記
運転者表示制御工程では、前記状態特定工程で特定した前記自動運転関連状態を、文字及び画像の少なくともいずれかを用いて示す運転者側グラフィックを、前記第1表示器に表示させるものであり、
前記運転者表示制御工程及び前記同乗者表示制御工程では、前記状態特定工程で特定する同一の前記自動運転関連状態についての前記運転者側グラフィック及び前記同乗者側グラフィックを前記第1表示器及び第2表示器にそれぞれ表示させるものであり、
前記同乗者表示制御工程では、前記状態特定工程で特定する同一の前記自動運転関連状態について、前記運転者表示制御工程で前記第1表示器に表示させる前記運転者側グラフィックと異なる、前記同乗者にとって必要と推定される情報を含む、その運転者側グラフィックよりも情報が簡略化された前記同乗者側グラフィックを、前記第2表示器に表示させるものであり、
前記状態特定工程では、少なくとも前記自動運転での前記車両の他車への追従状態を特定するものであって、
前記同乗者表示制御工程では、前記状態特定工程で特定する同一の前記追従状態について、前記運転者表示制御工程で前記第1表示器に表示させる前記運転者側グラフィックと異なる、前記車両の追従対象としている車両の認識及び目標車間距離の維持が行われていることの認識の少なくともいずれかを前記同乗者が行うのに必要と推定される情報を含む、その運転者側グラフィックよりも情報が簡略化された前記同乗者側グラフィックを、前記第2表示器に表示させる車両用表示制御方法。
【請求項18】
自動運転が可能な車両で用いられる車両用表示制御方法であって、
少なくとも1つのプロセッサにより実行される、
前記自動運転に関する前記車両の走行状態及び前記車両の運転者の状態の少なくともいずれかの状態である自動運転関連状態を特定する状態特定工程と、
前記車両に設けられる運転者専用の第1表示器(92)とは異なる、前記車両の運転者以外の同乗者が視認可能な、前記車両に設けられる第2表示器(93)での表示を制御する同乗者表示制御工程と、
前記同乗者からの要求を取得する同乗者要求取得工程とを含み、
前記同乗者表示制御工程では、前記状態特定工程で特定した前記自動運転関連状態を文字及び画像の少なくともいずれかを用いて示す同乗者側グラフィックを、前記第2表示器に表示させるものであり、前記同乗者からの前記同乗者側グラフィックの表示の要求を前記同乗者要求取得工程で取得していない場合には、前記同乗者側グラフィックを前記第2表示器に表示させない一方、前記同乗者からの前記同乗者側グラフィックの表示の要求を前記同乗者要求取得工程で取得した場合に、前記同乗者側グラフィックを前記第2表示器に表示させる
ものであり、
前記第1表示器での表示を制御する運転者表示制御工程を含み、
前記運転者表示制御工程では、前記状態特定工程で特定した前記自動運転関連状態を、文字及び画像の少なくともいずれかを用いて示す運転者側グラフィックを、前記第1表示器に表示させるものであり、
前記運転者表示制御工程及び前記同乗者表示制御工程は、前記状態特定工程で特定する同一の前記自動運転関連状態についての前記運転者側グラフィック及び前記同乗者側グラフィックを前記第1表示器及び第2表示器にそれぞれ表示させるものであって、
前記同乗者表示制御工程では、前記状態特定工程で特定する同一の前記自動運転関連状態について、前記運転者表示制御工程で前記第1表示器に表示させる前記運転者側グラフィックと異なる、前記同乗者にとって必要と推定される情報を含む前記同乗者側グラフィックを、前記第2表示器に表示させるものであり、
前記同乗者表示制御工程では、前記状態特定工程で特定する同一の前記自動運転関連状態について、前記運転者表示制御工程で前記第1表示器に表示させる前記運転者側グラフィックと異なる、前記同乗者にとって必要と推定される情報を含む、その運転者側グラフィックよりも情報が簡略化された前記同乗者側グラフィックを、前記第2表示器に表示させるものであり、
前記状態特定工程では、少なくとも前記自動運転での前記車両の他車への追従状態を特定するものであって、
前記同乗者表示制御工程では、前記状態特定工程で特定する同一の前記追従状態について、前記運転者表示制御工程で前記第1表示器に表示させる前記運転者側グラフィックと異なる、前記車両の追従対象としている車両の認識及び目標車間距離の維持が行われていることの認識の少なくともいずれかを前記同乗者が行うのに必要と推定される情報を含む、その運転者側グラフィックよりも情報が簡略化された前記同乗者側グラフィックを、前記第2表示器に表示させる車両用表示制御方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、車両用表示制御装置、車両用表示制御システム、及び車両用表示制御方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
車両の加減速及び/又は操舵を自動で制御する自動運転が知られている。また、車両において自動運転が行われる場合に、車両の乗員に自車の走行状態を知らせる技術も知られている。特許文献1には、自車のインスツルメントパネルの車幅方向に沿って並ぶ発光スポットの発光態様から自車の自動運転に関する走行状態を知らせる技術が開示されている。特許文献1には、この発光スポットの点灯基準位置を変更することにより、現在の自車の自動化レベルを提示する技術が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
自車のインスツルメントパネルの車幅方向に沿って並ぶ発光スポットの発光は、運転者だけでなく助手席の乗員も確認しやすい。よって、特許文献1に開示の技術では、自車の自動運転に関する同一の走行状態を、助手席の乗員も知ることが可能になる。自車の自動運転に関する走行状態については、運転者以外の同乗者(以下、単に同乗者)も、これを知りたい要求がある。これは、同乗者であっても、自車の自動運転機能が正常に動作しているかを不安に感じるためである。
【0005】
しかしながら、特許文献1に開示の技術では、自車の自動運転に関する走行状態を同乗者が知るためには、走行状態と発光スポットの発光態様との対応関係を予め記憶しておかなければならない手間が生じる。また、発光スポットの発光態様では、パターンが限られるため、自動運転に関する車両の走行状態等の自動運転に関連する状態(以下、自動運転関連状態)についての詳細な内容を同乗者に伝えることが難しい。
【0006】
この開示のひとつの目的は、自車の自動運転に関する、より詳細な自動運転関連状態を、同乗者により容易に認識させることを可能とする車両用表示制御装置、車両用表示制御システム、及び車両用表示制御方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記目的は独立請求項に記載の特徴の組み合わせにより達成され、また、下位請求項は、開示の更なる有利な具体例を規定する。特許請求の範囲に記載した括弧内の符号は、ひとつの態様として後述する実施形態に記載の具体的手段との対応関係を示すものであって、本開示の技術的範囲を限定するものではない。
【0008】
上記目的を達成するために、本開示の第1の車両用表示制御装置は、自動運転が可能な車両で用いられ、自動運転に関する車両の走行状態及び車両の運転者の状態の少なくともいずれかの状態である自動運転関連状態を特定する状態特定部(101)と、車両に設けられる運転者専用の第1表示器(92)とは異なる、車両の運転者以外の同乗者が視認可能な、車両に設けられる第2表示器(93)での表示を制御する同乗者表示制御部(132)と、同乗者からの要求を取得する同乗者要求取得部(102)と、状態特定部で特定する自動運転関連状態に応じて定まる同乗者側グラフィックの、同乗者に対する重要度を特定する重要度特定部(104)とを備え、同乗者表示制御部は、状態特定部で特定した自動運転関連状態を文字及び画像の少なくともいずれかを用いて示す同乗者側グラフィックを、第2表示器に表示させるものであり、同乗者からの同乗者側グラフィックの表示の要求を同乗者要求取得部で取得した場合に、同乗者側グラフィックを第2表示器に表示させる一方、同乗者からの同乗者側グラフィックの表示の要求を同乗者要求取得部で取得していない場合には、重要度特定部で特定する重要度に応じて、同乗者側グラフィックを第2表示器に表示させるか否かを切り替える。
上記目的を達成するために、本開示の第2の車両用表示制御装置は、自動運転が可能な車両で用いられ、自動運転に関する車両の走行状態及び車両の運転者の状態の少なくともいずれかの状態である自動運転関連状態を特定する状態特定部(101)と、車両に設けられる運転者専用の第1表示器(92)とは異なる、車両の運転者以外の同乗者が視認可能な、車両に設けられる第2表示器(93)での表示を制御する同乗者表示制御部(132)と、同乗者からの要求を取得する同乗者要求取得部(102)とを備え、同乗者表示制御部は、状態特定部で特定した自動運転関連状態を文字及び画像の少なくともいずれかを用いて示す同乗者側グラフィックを、第2表示器に表示させるものであり、同乗者からの同乗者側グラフィックの表示の要求を同乗者要求取得部で取得していない場合には、同乗者側グラフィックを第2表示器に表示させない一方、同乗者からの同乗者側グラフィックの表示の要求を同乗者要求取得部で取得した場合に、同乗者側グラフィックを第2表示器に表示させるものであり、第1表示器での表示を制御する運転者表示制御部(131)を備え、運転者表示制御部は、状態特定部で特定した自動運転関連状態を、文字及び画像の少なくともいずれかを用いて示す運転者側グラフィックを、第1表示器に表示させるものであり、状態特定部は、自動運転関連状態として少なくとも運転者の対応が要求される状態及び運転者の状態を特定するものであって、状態特定部で自動運転関連状態として、運転者の対応が要求される状態を特定した場合に、運転者表示制御部は、運転者の対応が要求される理由を示す運転者側グラフィック及びその対応を要求する旨の運転者側グラフィックを、第1表示器に表示させ、同乗者表示制御部は、第1表示器でのそれらの運転者側グラフィックの表示よりも遅れたタイミングで、運転者の対応が要求される理由及び運転者の状態を示す同乗者側グラフィックを、第2表示器に表示させる。
上記目的を達成するために、本開示の第3の車両用表示制御装置は、自動運転が可能な車両で用いられ、自動運転に関する車両の走行状態及び車両の運転者の状態の少なくともいずれかの状態である自動運転関連状態を特定する状態特定部(101)と、車両に設けられる運転者専用の第1表示器(92)とは異なる、車両の運転者以外の同乗者が視認可能な、車両に設けられる第2表示器(93)での表示を制御する同乗者表示制御部(132)と、同乗者からの要求を取得する同乗者要求取得部(102)とを備え、同乗者表示制御部は、状態特定部で特定した自動運転関連状態を文字及び画像の少なくともいずれかを用いて示す同乗者側グラフィックを、第2表示器に表示させるものであり、同乗者からの同乗者側グラフィックの表示の要求を同乗者要求取得部で取得していない場合には、同乗者側グラフィックを第2表示器に表示させない一方、同乗者からの同乗者側グラフィックの表示の要求を同乗者要求取得部で取得した場合に、同乗者側グラフィックを第2表示器に表示させるものであり、第1表示器での表示を制御する運転者表示制御部(131)を備え、運転者表示制御部は、状態特定部で特定した自動運転関連状態を、文字及び画像の少なくともいずれかを用いて示す運転者側グラフィックを、第1表示器に表示させるものであり、運転者表示制御部及び同乗者表示制御部は、状態特定部で特定する同一の自動運転関連状態についての運転者側グラフィック及び同乗者側グラフィックを第1表示器及び第2表示器にそれぞれ表示させるものであり、同乗者表示制御部は、状態特定部で特定する同一の自動運転関連状態について、運転者表示制御部で第1表示器に表示させる運転者側グラフィックと異なる、同乗者にとって必要と推定される情報を含む、その運転者側グラフィックよりも情報が簡略化された同乗者側グラフィックを、第2表示器に表示させるものであり、状態特定部は、少なくとも自動運転での車両の他車への追従状態を特定するものであって、同乗者表示制御部は、状態特定部で特定する同一の追従状態について、運転者表示制御部で第1表示器に表示させる運転者側グラフィックと異なる、車両の追従対象としている車両の認識及び目標車間距離の維持が行われていることの認識の少なくともいずれかを同乗者が行うのに必要と推定される情報を含む、その運転者側グラフィックよりも情報が簡略化された同乗者側グラフィックを、第2表示器に表示させる。
上記目的を達成するために、本開示の第4の車両用表示制御装置は、自動運転が可能な車両で用いられ、自動運転に関する車両の走行状態及び車両の運転者の状態の少なくともいずれかの状態である自動運転関連状態を特定する状態特定部(101)と、車両に設けられる運転者専用の第1表示器(92)とは異なる、車両の運転者以外の同乗者が視認可能な、車両に設けられる第2表示器(93)での表示を制御する同乗者表示制御部(132)と、同乗者からの要求を取得する同乗者要求取得部(102)とを備え、同乗者表示制御部は、状態特定部で特定した自動運転関連状態を文字及び画像の少なくともいずれかを用いて示す同乗者側グラフィックを、第2表示器に表示させるものであり、同乗者からの同乗者側グラフィックの表示の要求を同乗者要求取得部で取得していない場合には、同乗者側グラフィックを第2表示器に表示させない一方、同乗者からの同乗者側グラフィックの表示の要求を同乗者要求取得部で取得した場合に、同乗者側グラフィックを第2表示器に表示させるものであり、第1表示器での表示を制御する運転者表示制御部(131)を備え、運転者表示制御部は、状態特定部で特定した自動運転関連状態を、文字及び画像の少なくともいずれかを用いて示す運転者側グラフィックを、第1表示器に表示させるものであり、運転者表示制御部及び同乗者表示制御部は、状態特定部で特定する同一の自動運転関連状態についての運転者側グラフィック及び同乗者側グラフィックを第1表示器及び第2表示器にそれぞれ表示させるものであって、同乗者表示制御部は、状態特定部で特定する同一の自動運転関連状態について、運転者表示制御部で第1表示器に表示させる運転者側グラフィックと異なる、同乗者にとって必要と推定される情報を含む同乗者側グラフィックを、第2表示器に表示させるものであり、同乗者表示制御部は、状態特定部で特定する同一の自動運転関連状態について、運転者表示制御部で第1表示器に表示させる運転者側グラフィックと異なる、同乗者にとって必要と推定される情報を含む、その運転者側グラフィックよりも情報が簡略化された同乗者側グラフィックを、第2表示器に表示させるものであり、状態特定部は、少なくとも自動運転での車両の他車への追従状態を特定するものであって、同乗者表示制御部は、状態特定部で特定する同一の追従状態について、運転者表示制御部で第1表示器に表示させる運転者側グラフィックと異なる、車両の追従対象としている車両の認識及び目標車間距離の維持が行われていることの認識の少なくともいずれかを同乗者が行うのに必要と推定される情報を含む、その運転者側グラフィックよりも情報が簡略化された同乗者側グラフィックを、第2表示器に表示させる。
【0009】
上記目的を達成するために、本開示の第1の車両用表示制御方法は、自動運転が可能な車両で用いられる車両用表示制御方法であって、少なくとも1つのプロセッサにより実行される、自動運転に関する車両の走行状態及び車両の運転者の状態の少なくともいずれかの状態である自動運転関連状態を特定する状態特定工程と、車両に設けられる運転者専用の第1表示器(92)とは異なる、車両の運転者以外の同乗者が視認可能な、車両に設けられる第2表示器(93)での表示を制御する同乗者表示制御工程と、同乗者からの要求を取得する同乗者要求取得工程とを含み、同乗者表示制御工程では、状態特定工程で特定した自動運転関連状態を文字及び画像の少なくともいずれかを用いて示す同乗者側グラフィックを、第2表示器に表示させるものであり、状態特定工程で特定する自動運転関連状態に応じて定まる同乗者側グラフィックの、同乗者に対する重要度を特定する重要度特定工程を含み、同乗者表示制御工程では、同乗者からの同乗者側グラフィックの表示の要求を同乗者要求取得工程で取得した場合に、同乗者側グラフィックを第2表示器に表示させる一方、同乗者からの同乗者側グラフィックの表示の要求を同乗者要求取得工程で取得していない場合には、重要度特定工程で特定する重要度に応じて、同乗者側グラフィックを第2表示器に表示させるか否かを切り替える。
上記目的を達成するために、本開示の第2の車両用表示制御方法は、自動運転が可能な車両で用いられる車両用表示制御方法であって、少なくとも1つのプロセッサにより実行される、自動運転に関する車両の走行状態及び車両の運転者の状態の少なくともいずれかの状態である自動運転関連状態を特定する状態特定工程と、車両に設けられる運転者専用の第1表示器(92)とは異なる、車両の運転者以外の同乗者が視認可能な、車両に設けられる第2表示器(93)での表示を制御する同乗者表示制御工程と、同乗者からの要求を取得する同乗者要求取得工程とを含み、同乗者表示制御工程では、状態特定工程で特定した自動運転関連状態を文字及び画像の少なくともいずれかを用いて示す同乗者側グラフィックを、第2表示器に表示させるものであり、同乗者からの同乗者側グラフィックの表示の要求を同乗者要求取得工程で取得していない場合には、同乗者側グラフィックを第2表示器に表示させない一方、同乗者からの同乗者側グラフィックの表示の要求を同乗者要求取得工程で取得した場合に、同乗者側グラフィックを第2表示器に表示させるものであり、第1表示器での表示を制御する運転者表示制御工程を含み、運転者表示制御工程では、状態特定工程で特定した自動運転関連状態を、文字及び画像の少なくともいずれかを用いて示す運転者側グラフィックを、第1表示器に表示させるものであり、状態特定工程では、自動運転関連状態として少なくとも運転者の対応が要求される状態及び運転者の状態を特定するものであって、状態特定工程で自動運転関連状態として、運転者の対応が要求される状態を特定した場合に、運転者表示制御工程では、運転者の対応が要求される理由を示す運転者側グラフィック及びその対応を要求する旨の運転者側グラフィックを、第1表示器に表示させ、同乗者表示制御工程では、第1表示器でのそれらの運転者側グラフィックの表示よりも遅れたタイミングで、運転者の対応が要求される理由及び運転者の状態を示す同乗者側グラフィックを、第2表示器に表示させる。
上記目的を達成するために、本開示の第3の車両用表示制御方法は、自動運転が可能な車両で用いられる車両用表示制御方法であって、少なくとも1つのプロセッサにより実行される、自動運転に関する車両の走行状態及び車両の運転者の状態の少なくともいずれかの状態である自動運転関連状態を特定する状態特定工程と、車両に設けられる運転者専用の第1表示器(92)とは異なる、車両の運転者以外の同乗者が視認可能な、車両に設けられる第2表示器(93)での表示を制御する同乗者表示制御工程と、同乗者からの要求を取得する同乗者要求取得工程とを含み、同乗者表示制御工程では、状態特定工程で特定した自動運転関連状態を文字及び画像の少なくともいずれかを用いて示す同乗者側グラフィックを、第2表示器に表示させるものであり、同乗者からの同乗者側グラフィックの表示の要求を同乗者要求取得工程で取得していない場合には、同乗者側グラフィックを第2表示器に表示させない一方、同乗者からの同乗者側グラフィックの表示の要求を同乗者要求取得工程で取得した場合に、同乗者側グラフィックを第2表示器に表示させるものであり、第1表示器での表示を制御する運転者表示制御工程を含み、運転者表示制御工程では、状態特定工程で特定した自動運転関連状態を、文字及び画像の少なくともいずれかを用いて示す運転者側グラフィックを、第1表示器に表示させるものであり、運転者表示制御工程及び同乗者表示制御工程では、状態特定工程で特定する同一の自動運転関連状態についての運転者側グラフィック及び同乗者側グラフィックを第1表示器及び第2表示器にそれぞれ表示させるものであり、同乗者表示制御工程では、状態特定工程で特定する同一の自動運転関連状態について、運転者表示制御工程で第1表示器に表示させる運転者側グラフィックと異なる、同乗者にとって必要と推定される情報を含む、その運転者側グラフィックよりも情報が簡略化された同乗者側グラフィックを、第2表示器に表示させるものであり、状態特定工程では、少なくとも自動運転での車両の他車への追従状態を特定するものであって、同乗者表示制御工程では、状態特定工程で特定する同一の追従状態について、運転者表示制御工程で第1表示器に表示させる運転者側グラフィックと異なる、車両の追従対象としている車両の認識及び目標車間距離の維持が行われていることの認識の少なくともいずれかを同乗者が行うのに必要と推定される情報を含む、その運転者側グラフィックよりも情報が簡略化された同乗者側グラフィックを、第2表示器に表示させる。
上記目的を達成するために、本開示の第4の車両用表示制御方法は、自動運転が可能な車両で用いられる車両用表示制御方法であって、少なくとも1つのプロセッサにより実行される、自動運転に関する車両の走行状態及び車両の運転者の状態の少なくともいずれかの状態である自動運転関連状態を特定する状態特定工程と、車両に設けられる運転者専用の第1表示器(92)とは異なる、車両の運転者以外の同乗者が視認可能な、車両に設けられる第2表示器(93)での表示を制御する同乗者表示制御工程と、同乗者からの要求を取得する同乗者要求取得工程とを含み、同乗者表示制御工程では、状態特定工程で特定した自動運転関連状態を文字及び画像の少なくともいずれかを用いて示す同乗者側グラフィックを、第2表示器に表示させるものであり、同乗者からの同乗者側グラフィックの表示の要求を同乗者要求取得工程で取得していない場合には、同乗者側グラフィックを第2表示器に表示させない一方、同乗者からの同乗者側グラフィックの表示の要求を同乗者要求取得工程で取得した場合に、同乗者側グラフィックを第2表示器に表示させるものであり、第1表示器での表示を制御する運転者表示制御工程を含み、運転者表示制御工程では、状態特定工程で特定した自動運転関連状態を、文字及び画像の少なくともいずれかを用いて示す運転者側グラフィックを、第1表示器に表示させるものであり、運転者表示制御工程及び同乗者表示制御工程は、状態特定工程で特定する同一の自動運転関連状態についての運転者側グラフィック及び同乗者側グラフィックを第1表示器及び第2表示器にそれぞれ表示させるものであって、同乗者表示制御工程では、状態特定工程で特定する同一の自動運転関連状態について、運転者表示制御工程で第1表示器に表示させる運転者側グラフィックと異なる、同乗者にとって必要と推定される情報を含む同乗者側グラフィックを、第2表示器に表示させるものであり、同乗者表示制御工程では、状態特定工程で特定する同一の自動運転関連状態について、運転者表示制御工程で第1表示器に表示させる運転者側グラフィックと異なる、同乗者にとって必要と推定される情報を含む、その運転者側グラフィックよりも情報が簡略化された同乗者側グラフィックを、第2表示器に表示させるものであり、状態特定工程では、少なくとも自動運転での車両の他車への追従状態を特定するものであって、同乗者表示制御工程では、状態特定工程で特定する同一の追従状態について、運転者表示制御工程で第1表示器に表示させる運転者側グラフィックと異なる、車両の追従対象としている車両の認識及び目標車間距離の維持が行われていることの認識の少なくともいずれかを同乗者が行うのに必要と推定される情報を含む、その運転者側グラフィックよりも情報が簡略化された同乗者側グラフィックを、第2表示器に表示させる。
【0010】
以上の構成によれば、自動運転に関する車両の走行状態及び車両の運転者の状態の少なくともいずれかの状態である自動運転関連状態を、車両に設けられる運転者専用の第1表示器とは異なる、車両の運転者以外の同乗者が視認可能な、車両に設けられる第2表示器に表示させることになる。第2表示器は、同乗者が視認可能であって、運転者専用の第1表示器とは異なるので、運転者専用の第1表示器に表示される場合よりも、同乗者が表示を認識しやすくなる。また、第2表示器に表示させる同乗者側グラフィックは、自動運転関連状態を文字及び画像の少なくともいずれかを用いて示すので、自動運転関連状態についての詳細な内容を同乗者により理解しやすく表示することが可能になる。その結果、自車の自動運転に関する、より詳細な自動運転関連状態を、同乗者により容易に認識させることが可能になる。
【0011】
上記目的を達成するために、本開示の車両用表示制御システムは、自動運転が可能な車両で用いられ、車両に設けられる運転者専用の第1表示器(92)と、第1表示器とは異なる、車両の運転者以外の同乗者が視認可能な、車両に設けられる第2表示器(93)と、前述の車両用表示制御装置(10)とを含む。
【0012】
これによれば、前述の車両用表示制御装置を含むので、自車の自動運転に関する、より詳細な自動運転関連状態を、同乗者により容易に認識させることが可能になる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【
図1】車両用システム1の概略的な構成の一例を示す図である。
【
図2】HCU10の概略的な構成に一例を示す図である。
【
図3】追従状態についての同乗者側グラフィックの一例について説明するための図である。
【
図4】自動化レベルの変化を示す同乗者側グラフィックの一例について説明するための図である。
【
図5】対応要求状態のうちの運転者への運転交代が要求される状態を示す同乗者側グラフィックの一例について説明するための図である
【
図6】HCU10での表示制御関連処理の流れの一例を示すフローチャートである。
【
図7】対応要求時処理の流れの一例を示すフローチャートである。
【
図8】運転不可時処理の流れの一例を示すフローチャートである。
【
図9】運転者側グラフィックと同乗者側グラフィックとで表示中心の位置を異ならせる一例について説明するための図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
図面を参照しながら、開示のための複数の実施形態を説明する。なお、説明の便宜上、複数の実施形態の間において、それまでの説明に用いた図に示した部分と同一の機能を有する部分については、同一の符号を付し、その説明を省略する場合がある。同一の符号を付した部分については、他の実施形態における説明を参照することができる。
【0015】
(実施形態1)
<車両用システム1の概略構成>
以下、本開示の実施形態1について図面を用いて説明する。
図1に示す車両用システム1は、自動運転が可能な車両(以下、自動運転車両)で用いられる。車両用システム1は、
図1に示すように、HCU(Human Machine Interface Control Unit)10、通信モジュール20、ロケータ30、地図データベース(以下、地
図DB)40、車両状態センサ50、周辺監視センサ60、車両制御ECU70、自動運転ECU80、DSM(Driver Status Monitor)91、第1表示器92、第2表示器93、及び操作デバイス94を含んでいる。この車両用システム1が車両用表示制御システムに相当する。車両用システム1を用いる車両は、必ずしも自動車に限るものではないが、以下では自動車に用いる場合を例に挙げて説明を行う。
【0016】
実施形態1での自動運転車両は、前述したように自動運転が可能な車両であればよい。自動運転の度合い(以下、自動化レベル)としては、例えばSAEが定義しているように、複数のレベルが存在し得る。自動化レベルは、例えば以下のようにレベル0~5に区分される。
【0017】
レベル0は、システムが介入せずに運転者が全ての運転タスクを実施するレベルである。運転タスクは、例えば操舵、加減速、及び周辺監視とする。レベル0は、いわゆる手動運転に相当する。レベル1は、システムが操舵と加減速とのいずれかを支援するレベルである。レベル1は、いわゆる運転支援に相当する。レベル2は、システムが操舵と加減速とのいずれをも支援するレベルである。レベル2は、いわゆる部分運転自動化に相当する。レベル1~2も自動運転の一部であるものとする。
【0018】
例えば、レベル1~2の自動運転は、安全運転に係る監視義務(以下、単に監視義務)が運転者にある自動運転とする。監視義務としては、目視による周辺監視がある。レベル1~2の自動運転は、セカンドタスクが許可されない自動運転と言い換えることができる。セカンドタスクとは、運転者に対して許可される運転以外の行為であって、予め規定された特定行為である。セカンドタスクは、セカンダリアクティビティ,アザーアクティビティ等と言い換えることもできる。セカンドタスクは、自動運転システムからの運転操作の引き継ぎ要求にドライバが対応することを妨げてはならないとされる。一例として、動画等のコンテンツの視聴,スマートフォン等の操作,読書,食事等の行為が、セカンドタスクとして想定される。
【0019】
レベル3は、高速道路等の特定の場所ではシステムが全ての運転タスクを実施可能であり、緊急時に運転者が運転操作を行うレベルである。レベル3では、システムから運転交代の要求があった場合に、運転手が迅速に対応可能であることが求められる。レベル3は、いわゆる条件付運転自動化に相当する。レベル4は、対応不可能な道路,極限環境等の特定状況下を除き、システムが全ての運転タスクを実施可能なレベルである。レベル4は、いわゆる高度運転自動化に相当する。レベル5は、あらゆる環境下でシステムが全ての運転タスクを実施可能なレベルである。レベル5は、いわゆる完全運転自動化に相当する。
【0020】
例えば、レベル3~5の自動運転は、監視義務が運転者にない自動運転とする。レベル3~5の自動運転は、セカンドタスクが許可される自動運転と言い換えることができる。本実施形態では、レベル3以上の自動化レベルとレベル2以下の自動化レベルとの切り替えで監視義務の有無が切り替わるものとする。よって、レベル3以上の自動化レベルからレベル2以下の自動化レベルに切り替わる場合に、安全運転に係る監視が運転者に要求されることになるものとする。一方、運転者への運転交代については、レベル2以上の自動化レベルからレベル1以下の自動化レベルに切り替わる場合に要求される構成としてもよい。
【0021】
実施形態1での自動運転車両は、自動化レベルの切り替えが可能でない自動運転車両であってもよいし、自動化レベルの切り替えが可能な自動運転車両であってもよい。自動化レベルは、レベル0~5のうちの一部のレベル間でのみ切り替え可能な構成であってもよい。以降では、自動運転車両が少なくとも自動化レベル3の自動運転と、自動化レベル2以下の自動運転と、手動運転とを切り替え可能な場合を例に挙げて説明を行う。
【0022】
通信モジュール20は、他車との間で、無線通信を介して情報の送受信を行う。つまり、車車間通信を行う。通信モジュール20は、路側に設置された路側機との間で、無線通信を介して情報の送受信を行ってもよい。つまり、路車間通信を行ってもよい。路車間通信を行う場合、通信モジュール20は、路側機を介して、自車の周辺車両から送信されるその周辺車両の情報を受信してもよい。また、通信モジュール20は、自車の外部のセンタとの間で、無線通信を介して情報の送受信を行ってもよい。つまり、広域通信を行ってもよい。
【0023】
ロケータ30は、GNSS(Global Navigation Satellite System)受信機及び慣性センサを備えている。GNSS受信機は、複数の測位衛星からの測位信号を受信する。慣性センサは、例えばジャイロセンサ及び加速度センサを備える。ロケータ30は、GNSS受信機で受信する測位信号と、慣性センサの計測結果とを組み合わせることにより、ロケータ30を搭載した自車の車両位置(以下、自車位置)を逐次測位する。自車位置は、例えば緯度経度の座標で表されるものとする。なお、自車位置の測位には、車両に搭載された車速センサから逐次出力される信号から求めた走行距離も用いる構成としてもよい。
【0024】
地
図DB40は、不揮発性メモリであって、リンクデータ,ノードデータ,道路形状,構造物等の地図データを格納している。地図データは、道路形状及び構造物の特徴点の点群からなる3次元地図であってもよい。地図データとして、道路形状及び構造物の特徴点の点群からなる3次元地図を用いる場合、ロケータ30は、GNSS受信機を用いない構成としてもよい。例えば、ロケータ30は、この3次元地図と、道路形状及び構造物の特徴点の点群を検出するLIDAR(Light Detection and Ranging/Laser Imaging Detection and Ranging)若しくは周辺監視カメラ等の周辺監視センサ60での検出結果とを用いて、自車位置を特定する構成としてもよい。なお、3次元地図は、REM(Road Experience Management)によって撮像画像をもとに生成されたものであってもよい。
【0025】
なお、通信モジュール20は、外部サーバから配信される地図データを例えば広域通信で受信し、地
図DB40に格納してもよい。この場合、地
図DB40を揮発性メモリとし、通信モジュール20が自車位置に応じた領域の地図データを逐次取得する構成としてもよい。
【0026】
車両状態センサ50は、自車の各種状態を検出するためのセンサ群である。車両状態センサ50としては、車速を検出する車速センサ,操舵角を検出する操舵センサ等がある。車両状態センサ50は、検出したセンシング情報を車内LANへ出力する。なお、車両状態センサ50で検出したセンシング情報は、自車に搭載されるECUを介して車内LANへ出力される構成であってもよい。
【0027】
周辺監視センサ60は、自車の周辺環境を監視する。一例として、周辺監視センサ60は、歩行者,他車等の移動物体、及び路上の落下物等の静止物体といった自車周辺の障害物を検出する。他にも、自車周辺の走行区画線等の路面標示を検出する。周辺監視センサ60は、例えば、自車周辺の所定範囲を撮像する周辺監視カメラ、自車周辺の所定範囲に探査波を送信するミリ波レーダ、ソナー、LIDAR等のセンサである。周辺監視カメラは、逐次撮像する撮像画像をセンシング情報として自動運転ECU80へ逐次出力する。ソナー、ミリ波レーダ、LIDAR等の探査波を送信するセンサは、障害物によって反射された反射波を受信した場合に得られる受信信号に基づく走査結果をセンシング情報として自動運転ECU80へ逐次出力する。周辺監視センサ60で検出したセンシング情報は、自動運転ECU80を介して車内LANへ出力される構成とすればよい。
【0028】
車両制御ECU70は、自車の走行制御を行う電子制御装置である。走行制御としては、加減速制御及び/又は操舵制御が挙げられる。車両制御ECU70としては、操舵制御を行う操舵ECU、加減速制御を行うパワーユニット制御ECU及びブレーキECU等がある。車両制御ECU70は、自車に搭載された電子制御スロットル、ブレーキアクチュエータ、EPS(Electric Power Steering)モータ等の各走行制御デバイスへ制御信号を出力することで走行制御を行う。
【0029】
自動運転ECU80は、例えばプロセッサ、メモリ、I/O、これらを接続するバスを備え、メモリに記憶された制御プログラムを実行することで自動運転に関する処理を実行する。ここで言うところのメモリは、コンピュータによって読み取り可能なプログラム及びデータを非一時的に格納する非遷移的実体的記憶媒体(non-transitory tangible storage medium)である。また、非遷移的実体的記憶媒体は、半導体メモリ又は磁気ディスクなどによって実現される。
【0030】
自動運転ECU80は、第1自動運転ECU81及び第2自動運転ECU82を備える。第1自動運転ECU81及び第2自動運転ECU82が、それぞれプロセッサ、メモリ、I/O、これらを接続するバスを備えるものとして以降の説明を行う。なお、仮想化技術によって共通のプロセッサが第1自動運転ECU81及び第2自動運転ECU82の機能を担う構成としてもよい。
【0031】
第1自動運転ECU81は、前述のレベル2以下の自動運転の機能を担う。言い換えると、第1自動運転ECU81は、監視義務のある自動運転を、実施可能にする。例えば、第1自動運転ECU81は、自車の縦方向制御及び横方向制御の少なくともいずれかを実行可能である。縦方向とは、自車の前後方向と一致する方向である。横方向とは、自車の幅方向と一致する方向である。第1自動運転ECU81は、縦方向制御として、自車の加減速制御を実行する。第1自動運転ECU81は、横方向制御として、自車の操舵制御を実行する。第1自動運転ECU81は、機能ブロックとして、第1環境認識部、ACC制御部、及びLTA制御部等を備える。
【0032】
第1環境認識部は、周辺監視センサ60から取得するセンシング情報に基づき、自車の周囲の走行環境を認識する。一例として、第1環境認識部は、自車の走行車線の左右の区画線等の情報から、走行車線における自車の詳細な位置を認識する。他にも、第1環境認識部は、自車の周囲の車両の位置及び速度を認識する。なお、第1環境認識部は、後述の第2環境認識部と同様の構成としてもよい。
【0033】
ACC制御部は、目標速度での自車の定速走又は先行車への追従走行を実現するACC(Adaptive Cruise Control)制御を実行する。ACC制御部は、第1環境認識部で認識した自車の周囲の車両の位置及び速度を用いて、ACC制御を実行すればよい。ACC制御部は、車両制御ECU70で加減速制御を行わせることでACC制御を実行すればよい。LTA制御部は、自車の車線内走行を維持するLTA(Lane Tracing Assist)制御を実行する。LTA制御部は、第1環境認識部で認識した走行車線における自車の詳細な位置を用いて、LTA制御を実行すればよい。LTA制御部は、車両制御ECU70で操舵制御を行わせることでLTA制御を実行すればよい。なお、ACC制御は縦方向制御の一例である。LTA制御は横方向制御の一例である。
【0034】
第1自動運転ECU81は、ACC制御およびLTA制御の両方を実行することで、レベル2の自動運転を実現する。第1自動運転ECU81は、ACC制御及びLTA制御のいずれか一方を実行することで、レベル1の自動運転を実現してもよい。
【0035】
一方、第2自動運転ECU82は、前述のレベル3以上の自動運転の機能を担う。言い換えると、第2自動運転ECU82は、監視義務のない自動運転を、実施可能にする。第2自動運転ECU82は、機能ブロックとして、第2環境認識部、行動判断部、及び軌道生成部等を備える。
【0036】
第2環境認識部は、周辺監視センサ60から取得するセンシング情報、ロケータ30から取得する自車位置、地
図DB40から取得する地図データ、及び通信モジュール20で取得する他車の情報等に基づき、自車の周囲の走行環境を認識する。一例として、第2環境認識部は、これらの情報を用いて、実際の走行環境を再現した仮想空間を生成する。
【0037】
第2環境認識部は、自車の走行地域における手動運転エリア(以下、MDエリア)の判別を行う。第2環境認識部は、自車の走行地域における自動運転エリア(以下、ADエリア)の判別を行う。第2環境認識部は、ADエリアにおけるST区間の判別を行う。第2環境認識部は、ADエリアにおける非ST区間の判別を行う。
【0038】
MDエリアは、自動運転が禁止されるエリアである。言い換えると、MDエリアは、自車の縦方向制御、横方向制御、及び周辺監視の全てを運転者が実行すると規定されたエリアである。例えば、MDエリアは、一般道路とすればよい。
【0039】
ADエリアは、自動運転が許可されるエリアである。言い換えると、ADエリアは、縦方向制御、横方向制御、及び周辺監視のうちの1つ以上を、自車が代替すること可能と規定されたエリアである。例えば、ADエリアは、高速道路,自動車専用道路とすればよい。
【0040】
ADエリアは、レベル2以下の自動運転が可能な非ST区間と、レベル3以上の自動運転が可能なST区間とに区分される。本実施形態では、レベル1の自動運転が許可される非ST区間と、レベル2の自動運転が許可される非ST区間とを分けて区分しないものとする。ST区間は、例えば渋滞が発生している走行区間(以下、渋滞区間)とすればよい。また、ST区間は、例えば高精度地図が整備された走行区間とすればよい。非ST区間は、ST区間に該当しない区間とすればよい。
【0041】
行動判断部は、第2環境認識部での走行環境の認識結果に基づいて、自車に予定される行動(以下、将来行動)を判断する。行動判断部は、自動運転によって自車を走行させるための将来行動を判断する。行動判断部は、目的地に到着するために自車が取るべき振る舞いの類型を将来行動として決定すればよい。この類型としては、例えば直進,右折,左折,車線変更等が挙げられる。
【0042】
また、行動判断部は、運転者への運転制御権の移譲(つまり、運転交代)が必要であると判断した場合に、交代要請を生成し、HCU10へと提供する。運転者への運転制御権の移譲が必要となる場合の一例としては、自車がADエリアからMDエリアに移る場合が挙げられる。他にも、センサロスト,通信不具合等で第2環境認識部での走行環境の認識に不具合が生じた場合が挙げられる。
【0043】
軌道生成部は、第2環境認識部での走行環境の認識結果、及び行動判断部で決定された将来行動に基づき、自動運転を実行可能な区間での自車の走行軌道を生成する。走行軌道には、例えば進行に応じた自車の目標位置および各目標位置での目標速度等が含まれる。軌道生成部は、生成した走行軌道を、自動運転において自車が従う制御指令として車両制御ECU70に逐次提供する。
【0044】
以上の自動運転ECU80を含んで構成される自動運転システムにより、自車においてレベル2以下、及びレベル3以上の自動運転が実行可能となる。また、例えば自動運転ECU80は、必要に応じて自車の自動運転の自動化レベルを切り替える構成とすればよい。一例として、自車がADエリアのうちのST区間から非ST区間に移る場合に、レベル3以上の自動運転からレベル2以下の自動運転に切り替えればよい。また、自動運転ECU80は、監視義務のない自動運転から監視義務のある自動運転に切り替える場合に、周辺監視要請を生成し、HCU10へと提供する構成とすればよい。
【0045】
DSM(Driver Status Monitor)91は、近赤外光源及び近赤外カメラと、これらを制御する制御ユニット等とによって構成されている。DSM91は、近赤外カメラを自車の運転席側に向けた姿勢にて、例えばインスツルメントパネルの上面に配置される。DSM91は、近赤外光源によって近赤外光を照射された運転者の頭部を、近赤外カメラによって撮影する。近赤外カメラによる撮像画像は、制御ユニットによって画像解析される。制御ユニットは、撮像画像を画像解析して抽出した運転者の特徴量をもとに、覚醒度,運転不可状態等の運転者の状態を検出する。DSM91は、検出した運転者の状態をHCU10へ出力する。
【0046】
第1表示器92は、自車に設けられる表示器である。第1表示器92は、自車の運転席正面に表示面が位置するように設けられる。第1表示器92は、運転者専用の表示器である。第1表示器92としては、液晶ディスプレイ,有機ELディスプレイ,ヘッドアップディスプレイ(以下、HUD)等の種々のディスプレイを用いることができる。第1表示器92の例としては、メータパネルに設けられるメータMID(Multi Information Display)等が挙げられる。
【0047】
第2表示器93は、自車に設けられる表示器である。第2表示器93は、自車の運転者以外の同乗者(以下、単に同乗者)が視認可能な、第1表示器92とは異なる表示器である。第2表示器93は、同乗者の着座する座席正面に設けられる構成とすればよい。例えば、第2表示器93は、表示面が助手席,後部座席の正面に設けられる構成とすればよい。後部座席の正面とは、前部座席のシートバック背面のうちの後部座席の正面にあたる領域とすればよい。第2表示器93は、後部座席の複数の同乗者を対象に、後部座席よりも前方の例えば天井等に設けられる構成としてもよい。第2表示器93としては、液晶ディスプレイ,有機ELディスプレイ,HUD等の種々のディスプレイを用いることができる。
【0048】
操作デバイス94は、自車の乗員による操作入力を受け付ける意思入力部である。操作デバイス94は、少なくとも同乗者による操作入力を受け付けるものとする。操作デバイス94は、第1表示器92及び第2表示器93の個々に対応して設けられる構成としてもよい。操作デバイス94は、表示器と一体となったタッチスイッチであってもよいし、リモコンであってもよい。
【0049】
HCU10は、プロセッサ、揮発性メモリ、不揮発性メモリ、I/O、これらを接続するバスを備えるコンピュータを主体として構成され、DSM91と第1表示器92と第2表示器93と操作デバイス94と車内LANとに接続されている。HCU10は、不揮発性メモリに記憶された制御プログラムを実行することにより、第1表示器92及び第2表示器93での表示を制御する。このHCU10が車両用表示制御装置に相当する。なお、第1表示器92及び第2表示器93での表示の制御に関するHCU10の構成については以下で詳述する。
【0050】
<HCU10の概略構成>
続いて、
図2を用いてHCU10の概略構成についての説明を行う。HCU10は、第1表示器92及び第2表示器93での表示の制御に関して、
図2に示すように、状態特定部101、同乗者要求取得部102、表示制御部103、及び重要度特定部104を機能ブロックとして備える。また、コンピュータによってHCU10の各機能ブロックの処理が実行されることが、車両用表示制御方法が実行されることに相当する。なお、HCU10が実行する機能の一部又は全部を、一つ或いは複数のIC等によりハードウェア的に構成してもよい。また、HCU10が備える機能ブロックの一部又は全部は、プロセッサによるソフトウェアの実行とハードウェア部材の組み合わせによって実現されてもよい。
【0051】
状態特定部101は、自動運転に関する自車の走行状態及び自車の運転者の状態の少なくともいずれかの状態(以下、自動運転関連状態)を特定する。この状態特定部101での処理が状態特定工程に相当する。状態特定部101は、自車の走行状態については、自動運転ECU80で認識した走行環境及び/又は自動運転ECU80での自動運転の実施の状態から特定すればよい。自車の走行状態としては、自動運転での自車の他車への追従状態,自車の自動運転時の挙動変化,自車の自動化レベルの状態,自車の運転者の対応が要求される状態等が挙げられる。
【0052】
自動運転での自車の他車への追従状態(以下、追従状態)には、自車が追従する追従対象車両だけでなく、追従対象車両以外の自車の周辺車両の状態も含む構成とすればよい。追従状態には、自車に対する追従対象車両,周辺車両の相対位置,相対速度等も含む構成とすればよい。状態特定部101は、例えば自動運転ECU80で認識した走行環境から、追従状態を特定すればよい。
【0053】
自車の自動運転時の挙動変化(以下、挙動変化状態)には、自車の加速,減速,操舵等を含む構成とすればよい。状態特定部101は、例えば自動運転ECU80での自動運転の実施の状態から、挙動変化状態を特定すればよい。状態特定部101は、ある程度大きな挙動変化に限定して特定するために、一定量以上の挙動変化に限って特定することが好ましい。状態特定部101は、特に、自動運転での加減速,操舵の予定から、将来の挙動変化状態を特定すればよい。状態特定部101は、車両状態センサ50で逐次検出する自車の挙動の変化から、直近の過去の挙動変化状態を特定してもよい。
【0054】
自車の自動化レベルの状態(以下、自動化状態)には、自車の現在の自動化レベル,自動化レベルの変化等を含む構成とすればよい。状態特定部101は、例えば自動運転ECU80での自動運転の実施の状態から、自動化状態を特定すればよい。
【0055】
自車の運転者の対応が要求される状態(以下、対応要求状態)には、運転者への運転交代が要求される状態,運転者の周辺監視が要求される状態等を含む構成とすればよい。運転者の周辺監視が要求される状態とは、例えば監視義務のない自動運転から監視義務のある自動運転に切り替わる状態である。状態特定部101は、自動運転ECU80での自動運転の実施の状態から、対応要求状態を特定すればよい。状態特定部101は、特に、自動運転ECU80から交代要請が提供されることから、運転者への運転交代が要求される状態を特定すればよい。また、状態特定部101は、特に、自動運転ECU80から周辺監視要請が提供されることから、運転者の周辺監視が要求される状態を特定すればよい。
【0056】
なお、本実施形態では、自車の走行状態として、追従状態,挙動変化状態,自動化状態,対応要求状態を例として示すが、状態特定部101がこのうちの一部しか特定しない構成であってもよい。また、自動運転に関する自車の他の走行状態を特定する構成であってもよい。
【0057】
自車の運転者の状態(以下、運転者状態)としては、覚醒度,運転不可状態等が挙げられる。状態特定部101は、DSM91で検出した運転者の状態から特定すればよい。なお、DSM91の制御ユニットでの運転者の状態の検出の処理の一部を状態特定部101で担う構成としてもよい。本実施形態では、運転者状態として、覚醒度,運転不可状態を例として示すが、状態特定部101がこのうちの一部しか特定しない構成であってもよい。また、運転者状態として、他の状態を特定する構成であってもよい。
【0058】
同乗者要求取得部102は、同乗者からの要求を取得する。同乗者要求取得部102は、同乗者からの同乗者側グラフィックの表示の要求(以下、同乗者側グラフィック表示要求)を取得する。同乗者側グラフィックは、第2表示器93に表示するグラフィックである。同乗者側グラフィックの詳細については後述する。同乗者要求取得部102は、操作デバイス94で同乗者側グラフィックの表示を要求する旨の操作入力を受け付けた場合に操作デバイス94から出力される同乗者側グラフィック表示要求を取得する構成とすればよい。
【0059】
表示制御部103は、第1表示器92及び第2表示器93での表示を制御する。表示制御部103は、運転者表示制御部131及び同乗者表示制御部132を備える。運転者表示制御部131は、第1表示器92での表示を制御する。運転者表示制御部131は、状態特定部101で特定した自動運転関連状態を、文字及び画像の少なくともいずれかを用いて示すグラフィックを、第1表示器92に表示させる。グラフィックとは、視覚表現である。グラフィックは、画像であってもよいし、画像と文字との視覚要素の組み合わせからなるものであってもよい。画像としては、図形,記号,イラスト,写真等が挙げられる。第1表示器92に表示させるグラフィックを、以下では運転者側グラフィックと呼ぶ。
【0060】
同乗者表示制御部132は、第2表示器93での表示を制御する。この同乗者表示制御部132での処理が同乗者表示制御工程に相当する。同乗者表示制御部132は、状態特定部101で特定した自動運転関連状態を、文字及び画像の少なくともいずれかを用いて示すグラフィックを、第2表示器93に表示させる。グラフィックは、視覚表現である。第2表示器93に表示させるグラフィックを、以下では同乗者側グラフィックと呼ぶ。
【0061】
同乗者表示制御部132は、同乗者にとって必要と推定される情報を含む同乗者側グラフィックを表示させる。同乗者にとって必要と推定される情報とは、自動運転関連状態を認識するのに必要と推定される情報とすればよい。同乗者表示制御部132は、例えば運転者表示制御部131が表示させる運転者側グラフィックと同じ自動運転関連状態についての同乗者側グラフィックを表示させることができる。この場合、同乗者側グラフィックには、同じ自動運転関連状態についての情報であっても、同乗者にとって認識しやすくなるように簡略化若しくは表現の変更が行われることが好ましい。つまり、同乗者表示制御部132は、状態特定部101で特定する同一の自動運転関連状態について、運転者側グラフィックと異なる同乗者側グラフィックを第2表示器93に表示させる。なお、運転者側グラフィックと同じ表示内容であっても同乗者にとって認識しやすいと推定される場合には、同乗者側グラフィックと運転者側グラフィックとを同じ表示内容としても構わない。
【0062】
同乗者表示制御部132は、状態特定部101で特定する同一の追従状態について、運転者表示制御部131で第1表示器92に表示させる運転者側グラフィックと異なる、自車の追従対象としている車両の認識及び目標車間距離の維持が行われていることの認識の少なくともいずれかを同乗者が行うのに必要と推定される情報を含む、その運転者側グラフィックよりも情報が簡略化された同乗者側グラフィックを、第2表示器93に表示させればよい。簡略化の一例としては、運転者側グラフィックの表示内容の一部を抜粋することが挙げられる。これにより、同乗者側グラフィックの煩雑さを回避する。同乗者側グラフィックでは、自車以外の他車を示す画像の表示は、割込み車両等の注意車両,追従対象といった重要な車両に限定して表示させる構成とすればよい。運転者側グラフィックでは、注意車両,追従対象といった重要な車両も表示させる構成とすればよい。
【0063】
ここで、追従状態についての同乗者側グラフィックの一例について、
図3を用いて説明を行う。
図3のOVが自車を表す画像を示す。
図3のVfが自車の追従対象の車両を表す画像を示す。
図3のSVが追従対象の車両以外の自車の周辺車両を表す画像を示す。
【0064】
追従状態についての同乗者側グラフィックには、現在の車間距離と目標車間距離とを比較可能な情報と追従対象の車両を区別可能な情報とを少なくとも含むことが好ましい。ここで言うところの車間距離は、自車OVと追従対象Vfとの車間距離である。例えばDIで示すように、現在の車間距離と目標として設定されている車間距離とを示すテキストを、現在の車間距離と目標車間距離とを比較可能な情報として表示させればよい。例えばVfで示すように、追従対象であることを示すテキスト(
図3のTd参照)を、追従対象の車両の画像を区別可能な情報として、追従対象の車両の画像に付与して表示させればよい。なお、追従対象であることを認識しやすいように、
図3に示すように、自車を表す画像(OV参照)及び自車であることを示すテキストを表示させればよい。また、
図3のADLに示すように、自車の現在の自動化レベルを示すテキストを表示させればよい。他にも、自車に対する追従対象の位置関係を把握しやすくなるように追従対象以外の周辺車両を表す画像も表示させればよい。なお、追従対象の車両の画像を区別可能な情報としては、追従対象の車両の画像の色を追従対象以外の周辺車両と異ならせることで表現してもよい。
【0065】
一方、運転者表示制御部131は、追従状態についての運転者側グラフィックとして、
図3に示した情報の他に、燃料残量といった走行エネルギー残量,エンジン回転数等の計器情報を示すテキスト,図を表示すればよい。運転者側グラフィックには、同乗者にとっては必要性が低いが運転者にとって必要性が高い情報も表示させる。
【0066】
運転者表示制御部131は、状態特定部101で特定する挙動変化状態を示す運転者側グラフィックを第1表示器92に表示させればよい。同乗者表示制御部132は、状態特定部101で特定する同一の挙動変化状態を示す同乗者側グラフィックを第2表示器93に表示させればよい。挙動変化状態を示す運転者側グラフィック及び同乗者側グラフィックとしては、自車の挙動の変化を示すテキスト,図等を表示させればよい。挙動変化状態を示す運転者側グラフィック及び同乗者側グラフィックは、例えば同一の表示内容とすればよい。
【0067】
運転者表示制御部131は、状態特定部101で特定する自動化状態を示す運転者側グラフィックを第1表示器92に表示させる。同乗者表示制御部132は、状態特定部101で特定する同一の自動化状態を示す同乗者側グラフィックを第2表示器93に表示させる。
【0068】
ここで、自動化状態についての同乗者側グラフィックの一例について、
図4を用いて説明を行う。
図4の例は、自動化状態のうちの自動化レベルの変化を示す同乗者側グラフィックの一例である。
図4では、追従状態において自動化レベルがレベル3からレベル2に切り替わる場合の一例を示す。
図4は、Aで示すテキストを表示させる点を除けば、
図3の例と同様であるものとする。
【0069】
自動化レベルの変化を示す同乗者側グラフィックには、自動化レベルが切り替わることを説明する情報と、自動化レベルが切り替わる理由を説明する情報とを含むことが好ましい。例えば、
図4のAに、「追従対象が設定できません。自動運転LV2に切り替えます。」といったテキストを表示させればよい。また、
図4のADLに示すように、自車の現在の自動化レベルを示すテキストを表示させればよい。
【0070】
なお、自動化状態のうちの現在の自動化レベルを同乗者側グラフィックで示す場合には、
図3のADLに示すような表示を行えばよい。自動化状態を示す運転者側グラフィック及び同乗者側グラフィックは、例えば同一の表示内容としてもよい。
【0071】
運転者表示制御部131は、状態特定部101で特定する対応要求状態を示す運転者側グラフィックを第1表示器92に表示させればよい。同乗者表示制御部132は、状態特定部101で特定する同一の対応要求状態を示す同乗者側グラフィックを第2表示器93に表示させればよい。対応要求状態において対応が要求されるのは運転者である。よって、運転者表示制御部131は、対応要求状態において要求される対応を運転者に促す内容の運転者側グラフィックを第1表示器92に表示させればよい。一方、同乗者側グラフィックをこの運転者側グラフィックと同一の表示内容とすると、同乗者は困惑してしまう。よって、同乗者表示制御部132は、この運転者側グラフィックとは表現を変更した同乗者側グラフィックを第2表示器93に表示させればよい。
【0072】
ここで、対応要求状態についての同乗者側グラフィックの一例について、
図5を用いて説明を行う。
図5の例は、対応要求状態のうちの運転者への運転交代が要求される状態を示す同乗者側グラフィックの一例である。運転者への運転交代が要求される状態を示す同乗者側グラフィックには、運転者への運転交代が行われることを説明する情報を含むことが好ましい。例えば、
図5のBに、「今、運転者さんへ操作を交代中です。」といったテキストを表示させればよい。また、
図5のADSに示すように、自車の現在の自動化レベルをより簡略化した自動運転中か否かを示すテキストを表示させればよい。なお、
図3のADLに示すような、自車の現在の自動化レベルを示すテキストを表示させてもよい。一方、運転者表示制御部131は、同一の対応要求状態に対しても、「ハンドルを握って下さい。」といったテキストを表示させればよい。対応要求状態のうちの運転者の周辺監視が要求される状態についても同様とすればよい。
【0073】
運転者表示制御部131は、状態特定部101で特定する運転者状態を示す運転者側グラフィックを第1表示器92に表示させればよい。同乗者表示制御部132は、状態特定部101で特定する同一の運転者状態を示す同乗者側グラフィックを第2表示器93に表示させればよい。運転者状態を示す運転者側グラフィック及び同乗者側グラフィックは、例えば同一の表示内容としてもよい。しかしながら、運転者状態の改善に同乗者の助けが必要な運転者状態の場合には、同乗者側グラフィックを同乗者に対応を求める内容に変更することが好ましい。運転者状態を示す表示は、アイコン,テキスト等とすればよい。また、同乗者側グラフィックを同乗者に対応を求める内容に変更する場合には、運転者の状態を確認することを要求するテキスト等を同乗者側グラフィックとして表示させる構成とすればよい。
【0074】
自車の自動運転について同乗者が不安を感じるシチュエーション(以下、不安シチュエーション)は多々ある。これに対して、自動運転関連状態を示す同乗者側グラフィックを同乗者表示制御部132が第2表示器93に表示させることで、同乗者のこの不安を低減することが可能になる。ここで、渋滞時におけるレベル3の自動運転を例に挙げて、同乗者が不安を感じるシチュエーションと同乗者側グラフィックの一例とについて説明を行う。ここでは、渋滞時におけるレベル3の自動運転中は、自車が追従対象との車間距離を目標車間距離に維持しつつ追従するものとする。
【0075】
まず、自車が追従対象に対して車間距離を縮める状況が、不安シチュエーションに該当すると考えられる。これは、以下の4点の理由による。1点目は、自車が手動運転に切り替わっているのに運転者が前方を確認していない可能性があるためである。2点目は、自動運転において設定されている目標車間距離通りの車間距離なのか自動運転の誤作動なのか運転者の運転操作ミスなのかが判別できないためである。3点目は、自車が直近の前方車両以外を追従対象として誤認識している可能性があるためである。4点目は、自車が直近の前方車両を正しく認識できていない可能性があるためである。
【0076】
これに対して、同乗者表示制御部132が、状態特定部101で特定する自動化状態を示す同乗者側グラフィックを表示させることで、自動運転中か手動運手中かを同乗者が知ることができる。例えば、同乗者表示制御部132は、「今は運転者さんが操作しています。」といった手動運転時の表示を行わせることで、自動運転中か手動運手中かが判別できない同乗者の不安を解消することができる。他にも、
図4に示したような自動化レベルの変化を示す同乗者側グラフィックを表示させることで、自動運転中か手動運手中かが判別できない同乗者の不安を解消することができる。なお、自動化レベルの変化を示す同乗者側グラフィックとして、「追跡ができなくなりました。手動運転に切り替えます。」といった手動運転への交代を説明するテキストを表示させる構成としてもよい。
図5に示したような運転者への運転交代が要求される状態を示す同乗者側グラフィックを表示させることでも、自動運転中か手動運手中かが判別できない同乗者の不安を解消することができる。また、
図3に示したような追従状態を示す同乗者側グラフィックを表示させることで、追従対象の追従が正常に実施されているか判別できない同乗者の不安を解消することができる。
【0077】
他にも、追従対象が変更されることで自車が車線変更を行う状況も、不安シチュエーションに該当すると考えられる。これは、以下の4点の理由による。1点目は、自車が手動運転に切り替わっているのに運転者が前方を確認していない可能性があるためである。2点目は、周辺車両に配慮して設定通り行われた動作なのか自動運転の誤作動なのか運転者の運転操作ミスなのかが判別できないためである。3点目は、自車が直近の前方車両以外を追従対象として誤認識している可能性があるためである。4点目は、自車が直近の前方車両を正しく認識できていない可能性があるためである。
【0078】
これに対して、同乗者表示制御部132が、状態特定部101で特定する自動化状態を示す同乗者側グラフィックを表示させることで、自動運転中か手動運手中かを同乗者が知ることができる。例としては、自車が追従対象に対して車間距離を縮める状況についての説明で示したのと同様の表示とすればよい。また、
図3に示したような追従状態を示す内容に加え、追従対象を変更することを説明するテキストも同乗者側グラフィックを表示させることで、追従対象の追従が正常に実施されているか判別できない同乗者の不安を解消することができる。追従対象を変更することを説明するテキストの表示例としては、「これから追従対象を変更します。」といった例,「追従対象を変更しました。」といった例が挙げられる。なお、追従対象が変更される場合には、同乗者側グラフィックにおいて、自車の画像から追従対象の画像までを結ぶ矢印の画像等も表示させることで同乗者の理解を助けてもよい。
【0079】
他にも、追従対象が車線変更を行う状況も、不安シチュエーションに該当すると考えられる。これは、以下の3点の理由による。1点目は、自車の直近の前方の追従対象がいなくなることで、自車が渋滞を抜けたと自動運転システムが誤認識して手動運転に切り替わる可能性があるためである。2点目は、車線変更した追従対象よりも前方の車両を自動運転システムが認識できていない可能性があるためである。3点目は、自車が車線変更した追従対象に追従して車線変更する可能性があるためである。
【0080】
これに対して、同乗者表示制御部132が、状態特定部101で特定する自動化状態を示す同乗者側グラフィックを表示させることで、自動運転中か手動運手中かを同乗者が知ることができる。例としては、自車が追従対象に対して車間距離を縮める状況についての説明で示したのと同様の表示とすればよい。また、
図3に示したような追従状態を示す内容に加え、追従対象を変更することを説明するテキストも同乗者側グラフィックを表示させることで、追従対象の追従が正常に実施されているか判別できない同乗者の不安を解消することができる。追従対象を変更することを説明するテキストの表示例としては、「これから追従対象を変更します。」といった例,「追従対象を変更しました。」といった例が挙げられる。なお、追従対象が変更される場合には、同乗者側グラフィックにおいて、自車の画像から追従対象の画像までを結ぶ矢印の画像等も表示させることで同乗者の理解を助けてもよい。
【0081】
他にも、渋滞が解消されても渋滞時と同様に低速で走行したり急加速したりする状況も、不安シチュエーションに該当すると考えられる。これは、以下の2点の理由による。1点目は、自車が手動運転に切り替わっているのに運転者が運転操作をしていない可能性があるためである。2点目は、渋滞が解消されたにもかかわらず、渋滞時と同じ目標車間距離を維持しようと自動運転システムが誤作動している可能性があるためである。
【0082】
これに対して、同乗者表示制御部132が、同乗者表示制御部132が、状態特定部101で特定する自動化状態を示す同乗者側グラフィックを表示させることで、自動運転中か手動運手中かを同乗者が知ることができる。例としては、自車が追従対象に対して車間距離を縮める状況についての説明で示したのと同様の表示とすればよい。また、
図4に示すような同乗者側グラフィックにおいて、Aに、「渋滞が解消されたと判断しました。手動運転に切り替えます」といったテキストを表示させてもよい。つまり、運転交代が予定される場合に、運転交代が行われることだけでなく、運転交代の理由も表示させてもよい。
【0083】
また、表示制御部103では、運転者側グラフィックと同乗者側グラフィックとの表示タイミングを、状態特定部101で特定する自動運転関連状態に応じて異ならせる構成としてもよい。
【0084】
例えば、状態特定部101で対応要求状態を特定した場合に、運転者表示制御部131は、運転者の対応が要求される理由を示す運転者側グラフィック及びその対応を要求する旨の運転者側グラフィックを、第1表示器92に表示させる。これらの運転者側グラフィックは時間的に連続して表示させてもよいし、統合して表示させてもよい。一方、同乗者表示制御部132は、第1表示器92でのそれらの運転者側グラフィックの表示よりも遅れたタイミングで、運転者の対応が要求される理由及び運転者の状態を示す同乗者側グラフィックを、第2表示器93に表示させる。運転者の状態は、状態特定部101で特定する運転者状態を用いればよい。これによれば、運転者側グラフィックの表示よりも同乗者側グラフィックの表示タイミングを遅らせることにより、運転者が要求された対応に反応したかを同乗者が確認することが可能になる。
【0085】
なお、同乗者表示制御部132は、運転者側グラフィックの表示から一定期間内に、運転者が要求された対応に反応しなかった場合に限って、運転者の状態を確認するように要求する同乗者側グラフィックを表示させる構成としてもよい。ここで言うところの一定期間は、任意に設定可能とする。これによれば、運転者が要求された対応に反応していない場合に、同乗者から改善を図らせることが可能になる。なお、要求される運転者の対応が運転交代の場合には、自車のステアリングホイールの把持等を検出することで、運転者が要求された対応に反応したか否かを同乗者表示制御部132が判断すればよい。要求される運転者の対応が周辺監視の場合には、DSM91を用いて運転者の視線方向を検出することで、運転者が要求された対応に反応したか否かを同乗者表示制御部132が判断すればよい。
【0086】
例えば、状態特定部101で運転不可状態を特定した場合に、同乗者表示制御部132は、運転者の状態を示す運転者側グラフィックと、運転者の状態を確認するように要求する旨の同乗者側グラフィックとを、第2表示器93に表示させればよい。これらの同乗者側グラフィックは時間的に連続して表示させてもよいし、統合して表示させてもよい。これによれば、運転者が運転不可状態の場合に、同乗者から改善を図らせることが可能になる。運転不可状態としては、意識不明,睡眠状態等が挙げられる。なお、状態特定部101で運転不可状態を特定した場合に、運転者表示制御部131では、運転不可状態についての運転者側グラフィックを表示させない構成としてもよい。
【0087】
また、同乗者表示制御部132は、運転者の状態を確認するように要求する旨の同乗者側グラフィックを表示させた後、運転者が運転不可状態から回復した場合には、運転者が運転不可状態から回復したことを示す旨の同乗者側グラフィックを表示させればよい。一方、一定期間内に運転者が運転不可状態から回復しなかった場合には、自動運転ECU80が自車を自動で退避走行に移らせるものとする。この際、同乗者表示制御部132は、自車が自動で退避走行に移ることを示す旨の同乗者側グラフィックを表示させればよい。
【0088】
例えば、状態特定部101で挙動変化状態を特定した場合に、運転者表示制御部131及び同乗者表示制御部132は、特定した挙動変化状態が示す挙動変化の理由及び内容を示す運転者側グラフィック及び同乗者側グラフィックを同じタイミングで第1表示器92及び第2表示器93にそれぞれ表示させればよい。ここで言うところの同じタイミングとは略同一のタイミングであればよい。挙動変化状態が特定される挙動変化としては、自車と追従対象との車間距離の変化,自車の自動での車線変更,自車の追従対象の変更等がある。これによれば、運転者であっても同乗者であっても同様に身構えた方がよい挙動変化については、運転者と同乗者とに同じタイミングで通知することが可能になる。
【0089】
また、同乗者表示制御部132は、同乗者側グラフィック表示要求を同乗者要求取得部102で取得した場合に、同乗者側グラフィックを第2表示器93に表示させる構成としてもよい。この場合、同乗者表示制御部132は、同乗者側グラフィック表示要求を同乗者要求取得部102で取得していない場合には、同乗者側グラフィックを第2表示器93に表示させない構成としてもよい。これによれば、同乗者が同乗者側グラフィックの表示を望まない場合には、同乗者側グラフィックを表示させずに済む。
【0090】
他にも、同乗者表示制御部132は、同乗者側グラフィック表示要求を同乗者要求取得部102で取得していない場合であっても、重要度特定部104で特定する重要度に応じて、同乗者側グラフィックを第2表示器93に表示させるか否かを切り替える構成としてもよい。
【0091】
重要度特定部104は、状態特定部101で特定する自動運転関連状態に応じて定まる同乗者側グラフィックの、同乗者に対する重要度を特定するものとする。一例として、重要度「高」と重要度「低」との2段階の重要度を特定すればよい。この場合、同乗者表示制御部132は、重要度特定部104で重要度「高」と特定した場合に、同乗者側グラフィックを第2表示器93に表示させる一方、重要度特定部104で重要度「低」と特定した場合に、同乗者側グラフィックを第2表示器93に表示させない構成とすればよい。
【0092】
自動運転関連状態に応じて定まる同乗者側グラフィックの、同乗者に対する重要度の一例としては、以下の通りである。自動運転関連状態が対応要求状態の場合には、重要度「高」と重要度特定部104が特定すればよい。一方、自動運転関連状態が挙動変化状態の場合には、重要度「低」と重要度特定部104が特定すればよい。なお、挙動変化状態が示す挙動変化が、急加速,急減速,急操舵に該当する閾値以上の場合には、重要度「高」と重要度特定部104が特定してもよい。この場合、挙動変化状態が示す挙動変化が、急加速,急減速,急操舵に該当する閾値未満の場合には、重要度「低」と重要度特定部104が特定すればよい。自動運転関連状態が運転者状態のうちの運転不可状態の場合には、重要度「高」と重要度特定部104が特定すればよい。自動運転関連状態が、運転者状態のうちの、運転者が対応要求状態において要求される対応に反応しない状態の場合にも、重要度「高」と重要度特定部104が特定すればよい。運転者が対応要求状態において要求される対応に反応しない状態については、前述した同乗者表示制御部132での判断結果を利用すればよい。
【0093】
<HCU10での表示制御関連処理>
ここで、
図6~
図8のフローチャートを用いて、HCU10での第1表示器92及び第2表示器93での表示の制御に関する処理(以下、表示制御関連処理)の流れの一例について説明を行う。
図6のフローチャートは、例えば自車の内燃機関又はモータジェネレータを始動させるためのスイッチ(以下、パワースイッチ)がオンになった場合に開始される構成とすればよい。
【0094】
まず、ステップS1では、状態特定部101が、自動運転関連状態を特定する。ステップS2では、運転者表示制御部131及び同乗者表示制御部132が、現在の追従状態,運転者状態,自動化状態等の状態についての運転者側グラフィック及び同乗者側グラフィックを同じタイミングで第1表示器92及び第2表示器93にそれぞれ表示させる。
【0095】
ステップS3では、S1で特定した自動運転関連状態が対応要求状態であった場合(S3でYES)には、ステップS4に移る。一方、S1で特定した自動運転関連状態が対応要求状態でなかった場合(S3でNO)には、ステップS5に移る。
【0096】
ステップS4では、表示制御部103が対応要求時処理を行って、ステップS9に移る。ここで、
図7のフローチャートを用いて、対応要求時処理の流れの一例について説明を行う。
【0097】
ステップS41では、運転者表示制御部131が、運転者の対応を要求する旨の運転者側グラフィックを、第1表示器92に表示させる。この際、運転者表示制御部131は、運転者の対応が要求される理由を示すテキスト等も含む運転者側グラフィックを表示させてもよい。
【0098】
ステップS42では、同乗者表示制御部132が、運転者の状態を示す同乗者側グラフィックを、第2表示器93に表示させる。この際、同乗者表示制御部132は、運転者の対応が要求される理由を示すテキスト等も含む同乗者側グラフィックを表示させることが好ましい。
【0099】
ステップS43では、S41で運転者側グラフィックを表示させてから一定期間内に、運転者が要求された対応に反応した場合(S43でYES)には、ステップS9に移る。一方、S41で運転者側グラフィックを表示させてから一定期間内に、運転者が要求された対応に反応しなかった場合(S43でNO)には、ステップS44に移る。ステップS44では、同乗者表示制御部132が、運転者の状態を確認するように要求する同乗者側グラフィックを表示させ、ステップS9に移る。
【0100】
図6に戻って、ステップS5では、S1で特定した自動運転関連状態が運転不可状態であった場合(S5でYES)には、ステップS6に移る。一方、S1で特定した自動運転関連状態が運転不可状態でなかった場合(S5でNO)には、ステップS7に移る。
【0101】
ステップS6では、表示制御部103が運転不可時処理を行って、ステップS9に移る。ここで、
図8のフローチャートを用いて、運転不可時処理の流れの一例について説明を行う。
【0102】
ステップS61では、同乗者表示制御部132が、運転者の状態を示すとともに、運転者の状態を確認するように要求する旨の同乗者側グラフィックを、第2表示器93に表示させる。
【0103】
ステップS62では、S61で同乗者側グラフィックを表示させてから一定期間内に、運転者が運転不可状態から回復した場合(S62でYES)には、ステップS63に移る。一方、S61で同乗者側グラフィックを表示させてから一定期間内に、運転者が運転不可状態から回復しなかった場合(S62でNO)には、ステップS64に移る。
【0104】
ステップS63では、同乗者表示制御部132が、運転者が運転不可状態から回復したことを示す旨の同乗者側グラフィックを、第2表示器93に表示させ、ステップS9に移る。一方、ステップS64では、同乗者表示制御部132が、自車が自動で退避走行に移ることを示す旨の同乗者側グラフィックを、第2表示器93に表示させ、ステップS9に移る。
【0105】
図6に戻って、ステップS7では、S1で特定した自動運転関連状態が挙動変化状態であった場合(S7でYES)には、ステップS8に移る。一方、S1で特定した自動運転関連状態が挙動変化状態でなかった場合(S7でNO)には、ステップS9に移る。
【0106】
ステップS8では、運転者表示制御部131及び同乗者表示制御部132が、S1で特定した挙動変化状態についての運転者側グラフィック及び同乗者側グラフィックを同じタイミングで第1表示器92及び第2表示器93にそれぞれ表示させる。
【0107】
ステップS9では、表示制御関連処理の終了タイミングであった場合(S9でYES)には、表示制御関連処理を終了する。一方、表示制御関連処理の終了タイミングでなかった場合(S9でNO)には、S1に戻って処理を繰り返す。表示制御関連処理の終了タイミングの一例としては、パワースイッチがオフになったこと等が挙げられる。
【0108】
<実施形態1のまとめ>
実施形態1の構成によれば、自動運転関連状態を、第1表示器92とは異なる、車両の運転者以外の同乗者が視認可能な第2表示器93に表示させることになる。第2表示器93は、同乗者が視認可能であって、運転者専用の第1表示器92とは異なるので、運転者専用の第1表示器92に表示される場合よりも、同乗者が表示を認識しやすくなる。また、第2表示器93に表示させる同乗者側グラフィックは、自動運転関連状態を文字及び画像の少なくともいずれかを用いて示すので、自動運転関連状態についての詳細な内容を同乗者により理解しやすく表示することが可能になる。その結果、自車の自動運転に関する、より詳細な自動運転関連状態を、同乗者により容易に認識させることが可能になる。
【0109】
また、同一の自動運転関連状態について運転者専用の第1表示器92と同じ表示を第2表示器93にも表示すると、同乗者にとっては不要な情報が多くなり、自動運転関連状態を同乗者が認識しにくくなる場合がある。これに対して、実施形態1の構成によれば、同一の自動運転関連状態についての表示であっても、同乗者側グラフィックでは、同乗者に必要な情報に絞って簡略化したり表現を変更したりする。よって、同乗者に必要な情報以外の煩雑な情報によって同乗者が自動運転関連状態を認識しにくくなる状況を生じにくくできる。その結果、自車の自動運転に関する、より詳細な自動運転関連状態を、同乗者にさらに容易に認識させることが可能になる。
【0110】
(実施形態2)
実施形態1では、同乗者表示制御部132が、自車に同乗者が存在するか否かにかかわらず第2表示器93に同乗者グラフィックを表示させる構成を示したが、必ずしもこれに限らない。例えば、同乗者表示制御部132が、自車に同乗者が存在しない場合には、第2表示器93に同乗者グラフィックを表示させない構成(以下、実施形態2)としてもよい。
【0111】
この場合、自車に同乗者が存在するか否かについては、自車の座席に設けられた着座センサで運転者以外の乗員を検出しているか否かでHCU10が判断する構成とすればよい。実施形態2の構成によれば、自車に同乗者が存在しないにもかかわらず第2表示器93に同乗者グラフィックを表示させる無駄を減らすことが可能になる。
【0112】
(実施形態3)
また、同乗者表示制御部132は、自車の周辺の状態を図で表す場合に、同乗者側グラフィックにおけるその図の表示中心を、運転者側グラフィックにおけるその図の表示中心から、自車での運転者に対する同乗者の位置する方向にずらして表示させる構成(以下、実施形態3)としてもよい。これは、自車での同乗者の位置によって異なる自車の周辺の景色の見え方に合わせて同乗者側グラフィックを表示させるためである。なお、自車の周辺の状態とは、自車と周辺車両との位置関係を表す図とすればよい。
【0113】
ここで、
図9を用いて、運転者側グラフィックと同乗者側グラフィックとで表示中心の位置を異ならせる一例についての説明を行う。
図9では、助手席の同乗者に対応する第2表示器93に表示させる同乗者側グラフィックを例に挙げて説明を行う。
図9では、同一の追従状態についての運転者側グラフィック(
図9のDr参照)と同乗者側グラフィック(
図9のPa参照)とを示す。
図9のうちの自車と周辺車両との位置関係を示す図が、上述した自車の周辺の状態を表す図にあたる。ここでは、助手席が運転席の左側にある場合を例に挙げて説明を行う。
【0114】
助手席は、運転席の左側にあるため、自車での運転者に対する同乗者の位置する方向は左側となる。よって、助手席の同乗者から見える自車周辺の景色は、運転者から見える自車周辺の景色よりも左寄りの景色となる。そこで、この同乗者に対応する第2表示器93に表示させる同乗者側グラフィックでは、
図9に示すように、自車の周辺の状態を表す図の表示中心を、運転者側グラフィックにおけるその図の表示中心よりも左寄りに表示させればよい。同乗者が後部座席の同乗者の場合は、自車の周辺の状態を表す図の表示中心を、運転者側グラフィックにおけるその図の表示中心よりも後ろ寄りに表示させればよい。これによれば、同乗者側グラフィックを同乗者から見える自車の周辺の景色に沿わせることで、自動運転関連状態を、同乗者にさらに容易に認識させることが可能になる。
【0115】
なお、本開示は、上述した実施形態に限定されるものではなく、請求項に示した範囲で種々の変更が可能であり、異なる実施形態にそれぞれ開示された技術的手段を適宜組み合わせて得られる実施形態についても本開示の技術的範囲に含まれる。また、本開示に記載の制御部及びその手法は、コンピュータプログラムにより具体化された1つ乃至は複数の機能を実行するようにプログラムされたプロセッサを構成する専用コンピュータにより、実現されてもよい。あるいは、本開示に記載の装置及びその手法は、専用ハードウェア論理回路により、実現されてもよい。もしくは、本開示に記載の装置及びその手法は、コンピュータプログラムを実行するプロセッサと1つ以上のハードウェア論理回路との組み合わせにより構成された1つ以上の専用コンピュータにより、実現されてもよい。また、コンピュータプログラムは、コンピュータにより実行されるインストラクションとして、コンピュータ読み取り可能な非遷移有形記録媒体に記憶されていてもよい。
【符号の説明】
【0116】
1 車両用システム(車両用表示制御システム)、10 HCU(車両用表示制御装置)、92 第1表示器、93 第2表示器、101 状態特定部、102 同乗者要求取得部、103 表示制御部、104 重要度特定部、131 運転者表示制御部、132 同乗者表示制御部