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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-05-13
(45)【発行日】2024-05-21
(54)【発明の名称】センサー用光導波路
(51)【国際特許分類】
   G01D 5/26 20060101AFI20240514BHJP
   G01B 11/16 20060101ALI20240514BHJP
   G02B 6/125 20060101ALI20240514BHJP
【FI】
G01D5/26 D
G01B11/16 Z
G02B6/125 301
【請求項の数】 5
(21)【出願番号】P 2020133317
(22)【出願日】2020-08-05
(65)【公開番号】P2022029807
(43)【公開日】2022-02-18
【審査請求日】2023-07-04
(73)【特許権者】
【識別番号】000002141
【氏名又は名称】住友ベークライト株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100091292
【弁理士】
【氏名又は名称】増田 達哉
(74)【代理人】
【識別番号】100091627
【弁理士】
【氏名又は名称】朝比 一夫
(72)【発明者】
【氏名】寺田 信介
(72)【発明者】
【氏名】兼田 幹也
(72)【発明者】
【氏名】今井 洋武
(72)【発明者】
【氏名】木下 遼太
(72)【発明者】
【氏名】藤原 誠
【審査官】吉田 久
(56)【参考文献】
【文献】特開平10-221659(JP,A)
【文献】特開2001-7002(JP,A)
【文献】特開昭61-196119(JP,A)
【文献】特開平6-82278(JP,A)
【文献】特開2009-229134(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G01D 5/26-5/38
G01B 11/00-11/30
G02F 1/00-1/125
G02B 6/125
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
被着体に取り付けられ、前記被着体の機械的または熱的な変化を検出するセンシングシステムに用いられるセンサー用光導波路であって、
入射コア部と、
出射コア部と、
互いに並列する第1センシングコア部および第2センシングコア部と、
前記入射コア部を分岐して前記第1センシングコア部と前記第2センシングコア部とに接続する分岐部と、
前記第1センシングコア部と前記第2センシングコア部とを合流させて前記出射コア部に接続する結合部と、
を備える単位コア部を少なくとも1つ有し、
前記第1センシングコア部および前記第2センシングコア部は、互いに径が異なることを特徴とするセンサー用光導波路。
【請求項2】
前記単位コア部は、
前記第1センシングコア部および前記第2センシングコア部と並列する第3センシングコア部を有し、
前記第3センシングコア部の径は、前記第1センシングコア部の径と前記第2センシングコア部の径との和より大きい請求項に記載のセンサー用光導波路。
【請求項3】
被着体に取り付けられ、前記被着体の機械的または熱的な変化を検出するセンシングシステムに用いられるセンサー用光導波路であって、
入射コア部と、
出射コア部と、
互いに並列する第1センシングコア部および第2センシングコア部と、
前記入射コア部を分岐して前記第1センシングコア部と前記第2センシングコア部とに接続する分岐部と、
前記第1センシングコア部と前記第2センシングコア部とを合流させて前記出射コア部に接続する結合部と、
前記第1センシングコア部に設けられ、前記第1センシングコア部を伝搬する光の光量を減少させる第1減光部と、
を備える単位コア部を少なくとも1つ有することを特徴とするセンサー用光導波路。
【請求項4】
前記単位コア部は、
前記第2センシングコア部と並列する第3センシングコア部および第4センシングコア部と、
前記第2センシングコア部に設けられ、前記第2センシングコア部を伝搬する光の光量を減少させる第2減光部と、
前記第3センシングコア部に設けられ、前記第3センシングコア部を伝搬する光の光量を減少させる第3減光部と、
を有し、
前記結合部は、前記第1減光部による減光後の光量と、前記第2減光部による減光後の光量と、前記第3減光部による減光後の光量と、前記第4センシングコア部を伝搬する光の光量と、を合わせて前記出射コア部に結合させるように構成されている請求項に記載のセンサー用光導波路。
【請求項5】
被着体に取り付けられ、前記被着体の機械的または熱的な変化を検出するセンシングシステムに用いられるセンサー用光導波路であって、
入射コア部と、
出射コア部と、
互いに並列する第1センシングコア部および第2センシングコア部と、
前記入射コア部を分岐して前記第1センシングコア部と前記第2センシングコア部とに接続する分岐部と、
前記第1センシングコア部と前記第2センシングコア部とを合流させて前記出射コア部に接続する結合部と、
を備える第1単位コア部、第2単位コア部および第3単位コア部を有し、
前記第1単位コア部、前記第2単位コア部および前記第3単位コア部は、この順で並んでおり、
前記第2単位コア部は、前記第2単位コア部の前記第1センシングコア部を分岐して、分岐後の一方を前記第1単位コア部の前記第2センシングコア部に結合させ、分岐後の他方を前記第2単位コア部の前記第2センシングコア部に結合させる構造を有し、
前記第3単位コア部は、前記第3単位コア部の前記第1センシングコア部を分岐して、分岐後の一方を前記第2単位コア部の前記第2センシングコア部に結合させ、分岐後の他方を前記第3単位コア部の前記第2センシングコア部に結合させる構造を有することを特徴とするセンサー用光導波路。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、センサー用光導波路に関するものである。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、建築物のような構造物の健全性を評価するため、構造物の歪を計測するセンシングシステムが開示されている。このセンシングシステムは、光源と、受光部と、光分岐器と、光学フィルターと、センサーと、を備えている。このようなセンシングシステムでは、センサーを構造物に取り付け、センサーにおける透過光の損失量に基づいて、構造物の歪を計測する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2006-010449号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1に記載のセンシングシステムでは、センサーが光ファイバーで構成されている。このため、センサーで歪を計測することができるのは、センサー周辺の線状の領域に限られる。このような制約に鑑み、より広い範囲で歪を計測することへの要請がある。
【0005】
また、センサー同士を並列させることにより、センサーを並べた方向において歪の位置情報を取得することができる。しかしながら、位置情報の分解能を十分に高めるためには、多数のセンサーが必要になる。
【0006】
本発明の目的は、より広い範囲で、または、より高い分解能で、被着体の機械的または熱的な変化を検出するセンシングシステムを実現可能なセンサー用光導波路を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
このような目的は、下記(1)~(5)の本発明により達成される。
(1) 被着体に取り付けられ、前記被着体の機械的または熱的な変化を検出するセンシングシステムに用いられるセンサー用光導波路であって、
入射コア部と、
出射コア部と、
互いに並列する第1センシングコア部および第2センシングコア部と、
前記入射コア部を分岐して前記第1センシングコア部と前記第2センシングコア部とに接続する分岐部と、
前記第1センシングコア部と前記第2センシングコア部とを合流させて前記出射コア部に接続する結合部と、
を備える単位コア部を少なくとも1つ有し、
前記第1センシングコア部および前記第2センシングコア部は、互いに径が異なることを特徴とするセンサー用光導波路。
【0009】
(2) 前記単位コア部は、
前記第1センシングコア部および前記第2センシングコア部と並列する第3センシングコア部を有し、
前記第3センシングコア部の径は、前記第1センシングコア部の径と前記第2センシングコア部の径との和より大きい上記(1)に記載のセンサー用光導波路。
【0010】
(3) 被着体に取り付けられ、前記被着体の機械的または熱的な変化を検出するセンシングシステムに用いられるセンサー用光導波路であって、
入射コア部と、
出射コア部と、
互いに並列する第1センシングコア部および第2センシングコア部と、
前記入射コア部を分岐して前記第1センシングコア部と前記第2センシングコア部とに接続する分岐部と、
前記第1センシングコア部と前記第2センシングコア部とを合流させて前記出射コア部に接続する結合部と、
前記第1センシングコア部に設けられ、前記第1センシングコア部を伝搬する光の光量を減少させる第1減光部と、
を備える単位コア部を少なくとも1つ有することを特徴とするセンサー用光導波路。
【0011】
(4) 前記単位コア部は、
前記第2センシングコア部と並列する第3センシングコア部および第4センシングコア部と、
前記第2センシングコア部に設けられ、前記第2センシングコア部を伝搬する光の光量を減少させる第2減光部と、
前記第3センシングコア部に設けられ、前記第3センシングコア部を伝搬する光の光量を減少させる第3減光部と、
を有し、
前記結合部は、前記第1減光部による減光後の光量と、前記第2減光部による減光後の光量と、前記第3減光部による減光後の光量と、前記第4センシングコア部を伝搬する光の光量と、を合わせて前記出射コア部に結合させるように構成されている上記(3)に記載のセンサー用光導波路。
【0012】
(5) 被着体に取り付けられ、前記被着体の機械的または熱的な変化を検出するセンシングシステムに用いられるセンサー用光導波路であって、
入射コア部と、
出射コア部と、
互いに並列する第1センシングコア部および第2センシングコア部と、
前記入射コア部を分岐して前記第1センシングコア部と前記第2センシングコア部とに接続する分岐部と、
前記第1センシングコア部と前記第2センシングコア部とを合流させて前記出射コア部に接続する結合部と、
を備える第1単位コア部、第2単位コア部および第3単位コア部を有し、
前記第1単位コア部、前記第2単位コア部および前記第3単位コア部は、この順で並んでおり、
前記第2単位コア部は、前記第2単位コア部の前記第1センシングコア部を分岐して、分岐後の一方を前記第1単位コア部の前記第2センシングコア部に結合させ、分岐後の他方を前記第2単位コア部の前記第2センシングコア部に結合させる構造を有し、
前記第3単位コア部は、前記第3単位コア部の前記第1センシングコア部を分岐して、分岐後の一方を前記第2単位コア部の前記第2センシングコア部に結合させ、分岐後の他方を前記第3単位コア部の前記第2センシングコア部に結合させる構造を有することを特徴とするセンサー用光導波路。
【発明の効果】
【0013】
本発明によれば、より広い範囲で、または、より高い位置分解能で、被着体の機械的または熱的な変化を検出するセンシングシステムを実現可能なセンサー用光導波路が得られる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
図1】第1実施形態に係るセンサー用光導波路を示す平面図である。
図2図1に示すセンサー用光導波路の部分拡大斜視図である。
図3図1に示すセンサー用光導波路の使用方法を説明するための断面図である。
図4図1に示すセンサー用導波路の使用方法を説明するための平面図である。
図5】第2実施形態に係るセンサー用光導波路を示す平面図である。
図6】第3実施形態に係るセンサー用光導波路を示す平面図である。
図7】第4実施形態に係るセンサー用光導波路を示す平面図である。
図8図7に示すセンサー用光導波路の使用方法を説明するための平面図である。
図9図7に示すセンサー用光導波路の使用方法を説明するための平面図である。
図10】第5実施形態に係るセンサー用光導波路を示す平面図である。
図11】第5実施形態に係るセンサー用光導波路を示す平面図である。
図12】第6実施形態に係るセンサー用光導波路を示す平面図である。
図13図12に示すセンサー用光導波路の使用方法を説明するための平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、本発明のセンサー用光導波路について添付図面に示す好適実施形態に基づいて詳細に説明する。
【0016】
1.第1実施形態
まず、第1実施形態に係るセンサー用光導波路について説明する。
【0017】
図1は、第1実施形態に係るセンサー用光導波路を示す平面図である。図2は、図1に示すセンサー用光導波路の部分拡大斜視図である。図3は、図1に示すセンサー用光導波路の使用方法を説明するための断面図である。図4は、図1に示すセンサー用導波路の使用方法を説明するための平面図である。なお、各図では、互いに直交する3つの軸として、X軸、Y軸およびZ軸を設定し、矢印で示している。また、Z軸を表す矢印の先端側を「上」といい、基端側を「下」という。
【0018】
本実施形態に係るセンサー用光導波路1は、図2の下方から、第1カバー層18、クラッド層11、コア層13、クラッド層12、および第2カバー層19がこの順で積層されたシート状をなす積層体である。各層は、X-Y面と平行に広がっている。コア層13中には、図1に示すように、長尺状のコア部14と、コア部14の側面に隣接する複数の側面クラッド部15と、が形成されている。長尺状のコア部14は、3つの単位コア部10に分かれている。各単位コア部10は、Y軸に沿って延在するとともに、X軸に沿って並んでいる。
【0019】
センサー用光導波路1の外縁の形状は、特に限定されず、正方形、六角形のような多角形、真円、楕円、長円のような円形、その他の形状であってもよいが、図1では長方形である。そして、前述したコア層13のうち、Y軸と直交する2つの端面に、コア部14の両端が露出している。
【0020】
このようなセンサー用光導波路1は、図3に示すように、第1カバー層18の下面を接着面101として、被着体9に接着するように用いられる。接着面101と被着体9との間には、必要に応じて図3に示す接着層2を介在させてもよい。接着層2の接着性を利用して、センサー用光導波路1を被着体9に固定することができる。
【0021】
センサー用光導波路1は、被着体9に貼り付けられることにより、被着体9の機械的または熱的な変化を検出するセンシングシステムを実現する。具体的には、このセンシングシステムでは、被着体9にセンサー用光導波路1を貼り付けた状態で、センサー用光導波路1のコア部14に光を連続的または断続的に入射する。光を入射している状態で、被着体9に機械的または熱的な変化があると、コア部14から出射する光量、すなわち出射光量が変化する。機械的または熱的な変化は、被着体9の異常に伴って発生することが多い。したがって、コア部14から出射する光量の変化を捉えることにより、被着体9の異常を検出し得るセンシングシステムを実現することができる。
【0022】
以下、センサー用光導波路1の各部についてさらに詳述する。
1.1.コア層
コア部14は、図2に示すように、その側面が、側面クラッド部15およびクラッド層11、12で囲まれている。そして、コア部14の屈折率は、側面クラッド部15やクラッド層11、12の屈折率よりも高くなっている。これにより、コア部14に光を閉じ込めて伝搬させることができる。
【0023】
コア層13において、コア部14の光路に直交する面内における屈折率分布は、いかなる分布であってもよく、例えば屈折率が不連続的に変化した、いわゆるステップインデックス(SI)型の分布であってもよく、屈折率が連続的に変化した、いわゆるグレーデッドインデックス(GI)型の分布であってもよい。
【0024】
Y-Z面によるコア部14の断面形状、つまりコア部14の横断面形状は、特に限定されないが、例えば、真円、楕円形、長円形等の円形、三角形、四角形、五角形、六角形等の多角形、その他の異形状が挙げられる。
【0025】
コア層13の平均厚さは、特に限定されないが、1~200μm程度であるのが好ましく、5~100μm程度であるのがより好ましく、10~70μm程度であるのがさらに好ましい。これにより、コア部14に必要とされる光学的特性および機械的強度が確保される。
【0026】
コア層13の構成材料(主材料)としては、例えば、アクリル系樹脂、メタクリル系樹脂、ポリカーボネート、ポリスチレン、エポキシ系樹脂やオキセタン系樹脂のような環状エーテル系樹脂、ポリアミド、ポリイミド、ポリベンゾオキサゾール、ポリシラン、ポリシラザン、シリコーン系樹脂、フッ素系樹脂、ポリウレタン、ポリオレフィン系樹脂、ポリブタジエン、ポリイソプレン、ポリクロロプレン、PETやPBTのようなポリエステル、ポリエチレンサクシネート、ポリサルフォン、ポリエーテル、また、ベンゾシクロブテン系樹脂やノルボルネン系樹脂等の環状オレフィン系樹脂のような各種樹脂材料等が挙げられる。なお、樹脂材料には、異なる組成のものを組み合わせた複合材料も用いられる。また、本明細書において「主材料」とは、構成材料の50質量%以上を占める材料のことをいい、好ましくは70質量%以上を占める材料のことをいう。
【0027】
1.2.クラッド層
クラッド層11、12の平均厚さは、それぞれ1~200μm程度であるのが好ましく、3~100μm程度であるのがより好ましく、5~60μm程度であるのがさらに好ましい。これにより、クラッド層11、12に必要とされる光学的特性および機械的強度が確保される。
【0028】
また、クラッド層11、12の主材料は、例えば、前述したコア層13の構成材料として挙げた材料から適宜選択して用いられる。
【0029】
なお、クラッド層11、12は、必要に応じて設けられればよく、省略されてもよい。このとき、例えばコア層13が外気(空気)に曝されていれば、その外気がクラッド層11、12として機能する。
【0030】
本実施形態に係るセンサー用光導波路1は、コア層13と第1カバー層18との間に設けられているクラッド層11と、コア層13と第2カバー層19との間に設けられているクラッド層12と、を有しているので、コア部14とその外部との間で、安定した屈折率差を形成し、維持することができる。このため、コア部14の伝送効率をより高めることができる。
【0031】
クラッド層11、12のいずれか一方または双方は、側面クラッド部15と一体になっていてもよい。
【0032】
1.3.カバー層
第1カバー層18は、クラッド層11の下面に設けられている。第2カバー層19は、クラッド層12の上面に設けられている。このような第1カバー層18および第2カバー層19を設けることにより、コア層13やクラッド層11、12を保護し、外部環境等に起因したコア部14の伝送効率の低下を抑制することができる。
【0033】
第1カバー層18および第2カバー層19の平均厚さは、特に限定されないが、1~200μm程度であるのが好ましく、3~100μm程度であるのがより好ましく、5~50μm程度であるのがさらに好ましい。
【0034】
第1カバー層18および第2カバー層19は、互いに同じ構成であっても互いに異なる構成であってもよい。例えば、第1カバー層18および第2カバー層19は、平均厚さが互いに同じでもよいし、互いに異なっていてもよい。第1カバー層18および第2カバー層19の少なくとも一方は、必要に応じて設けられればよく、省略されていてもよい。
【0035】
第1カバー層18および第2カバー層19の主材料としては、例えば、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリエチレンナフタレート(PEN)、ポリエチレン、ポリプロピレンのようなポリオレフィン、ポリイミド、ポリアミド等の各種樹脂を含む材料が挙げられる。
【0036】
このうち、第1カバー層18および第2カバー層19の主材料は、それぞれポリイミド系樹脂であるのが好ましい。ポリイミド系樹脂は、弾性率が比較的大きく、熱分解温度も高いことから、外力や外部環境に対する十分な耐久性を有している。
【0037】
なお、第1カバー層18および第2カバー層19の構成材料には、必要に応じて、フィラー、酸化防止剤、紫外線吸収剤、着色剤、保存安定剤、可塑剤、滑剤、劣化防止剤、帯電防止剤等が添加されていてもよい。このうち、フィラーを添加することにより、第1カバー層18および第2カバー層19の熱膨張係数を調整することができる。
【0038】
1.4.接着層
図3に示す接着層2は、センサー用光導波路1を被着体9に貼り付けるとき、双方の間を接着する。接着層2は、被着体9に設けられていてもよいが、図3に示すように、あらかじめセンサー用光導波路1側に設けておくようにしてもよい。すなわち、センサー用光導波路1は、第1カバー層18の下面に設けられた、未硬化の接着層2を備えていてもよい。これにより、センサー用光導波路1を被着体9に貼り付ける作業を効率よく行うことができる。
【0039】
接着層2を構成する接着剤としては、例えば、アクリル系接着剤、ウレタン系接着剤、シリコーン系接着剤、エポキシ系接着剤の他、ポリエステル系、変性オレフィン系の各種ホットメルト接着剤等が挙げられる。
【0040】
未硬化の接着層2は、未硬化の状態が液状であっても、固形または半固形であってもよく、硬化反応が一部進行している状態であってもよい。また、接着層2の硬化原理は、熱硬化性であっても、光硬化性であってもよい。さらに、未硬化の接着層2は、第1カバー層18の下面全体に設けられていてもよいし、一部のみに設けられていてもよい。硬化後の接着層2の厚さは、特に限定されないが、1~100μmであるのが好ましく、5~60μmであるのがより好ましい。
【0041】
1.5.単位コア部
前述したように、図1に示すコア層13は、3つの単位コア部10を有している。図1では、3つの単位コア部10を、単位コア部10a、10b、10cとする。以下、単位コア部10aについて代表に説明するが、この説明は、単位コア部10b、10cでも同様であるため、その説明を省略する。
【0042】
単位コア部10aは、途中で4つに分岐した後、再び1つに結合するパターンを有している。具体的には、図1に示す単位コア部10aは、入射コア部141と、出射コア部142と、互いに並列する第1センシングコア部143、第2センシングコア部144、第3センシングコア部145および第4センシングコア部146と、を有している。なお、以下の説明では、これら4つをまとめて「第1センシングコア部143等」ということがある。
【0043】
第1センシングコア部143等の長さは、特に限定されないが、例えば1cm以上500m以下程度とされ、より好ましくは5cm以上100m以下程度とされる。
【0044】
また、単位コア部10aは、分岐部16および結合部17を有している。分岐部16は、入射コア部141を分岐して第1センシングコア部143等に接続する。結合部17は、第1センシングコア部143等を結合して出射コア部142に接続する。
【0045】
以上のような単位コア部10aでは、入射コア部141の入射面1410から光が入射すると、分岐部16で4つに分配され、分配後の光は第1センシングコア部143等を伝搬する。その後、分配後の光は、結合部17で再び1つに混合され、混合後の光は、出射コア部142の出射面1420から出射する。このような構成によれば、より広い範囲に光路を広げることができ、センシングシステムのセンシングエリアを容易に広げることができる。
【0046】
図4は、図3に示す被着体9に貼り付けられたセンサー用光導波路1を上方から見たときの平面図である。被着体9に貼り付けられることにより、センサー用光導波路1は、被着体9の表面の機械的または熱的な影響を敏感に受けることになる。被着体9の表面に例えば亀裂等が発生すると、それに伴ってセンサー用光導波路1には、伸び、歪み、曲がり、破断等の変形が発生する。以下、これらの変形を省略して単に「破断」という。図4では、一例として、被着体9の亀裂がセンサー用光導波路1に進展し、単位コア部10aの第1センシングコア部143の一部が破断している状態を示している。この破断部1430は、空隙であるため、第1センシングコア部143を伝搬する光が破断部1430で遮られる。その結果、第1センシングコア部143を伝搬する光は、結合部17まで伝搬することができない。したがって、平常時に比べて、出射面1420から出射する光量(出射光量)が減少する。
【0047】
ここで、一例として、単位コア部10a、10b、10cに対し、それぞれ100の光量で光を入射し、各分岐部16で、4つに等分配される場合について考える。以下、各種の損失は考慮していない。他の実施形態でも同様である。
【0048】
単位コア部10b、10cでは、破断等が発生していないので、出射光量も100となる。この出射光量は、単位コア部10b、10cのみでなく、単位コア部10aでも、平常時の出射光量となる。各図では、光量の数値を四角で囲んで示している。単位コア部10aでは、第1センシングコア部143を伝搬する光が破断部1430によって遮られる。このため、光量25が減少し、出射光量は75となる。このため、単位コア部10b、10cに比べて、単位コア部10aの光量が少ないことを検出することができる。これにより、被着体9のうち、単位コア部10aに対応する位置に、何らかの機械的または熱的な変化が発生したことを検出することができる。その結果、被着体9に例えば異常が発生したことを検出することができる。
【0049】
また、上記の例では、破断部1430で光量25の全てが失われているが、被着体9の異常モードによっては、光量25の一部のみが失われる場合もあり得る。したがって、事前に、出射光量の減少幅と異常モードとの関係を把握しておくことにより、異常の位置だけでなく、異常モードを推定することも可能になる。
【0050】
一方、破断部1430が第1センシングコア部143だけでなく、第2センシングコア部144にも及んでいた場合、出射光量は50となる。このような出射光量の変化を捉えることにより、異常が発生している領域の大きさも推定することが可能になる。
【0051】
なお、センサー用光導波路1では、被着体9に生じた亀裂等の機械的変化だけでなく、発熱等の熱的変化も捉えることができる。つまり、被着体9において、センサー用光導波路1を伝搬する光量を変化させ得る事象が起これば、センシングシステムにおいてそれを検出することができる。機械的変化としては、例えば、亀裂、伸縮、隆起、陥没等が挙げられる。また、熱的変化としては、例えば、発熱、吸熱等が挙げられる。
【0052】
以上、単位コア部10について説明したが、その構成は上記に限定されない。例えば、分岐部16における分岐数は、4に限定されず、2または3であっても、5以上であってもよい。また、分岐部16における分配比は、等分配に限定されず、互いに異なっていてもよい。さらにコア層13が有する単位コア部10の数は、3に限定されず、1または2であっても、4以上であってもよい。
【0053】
また、図示した第1センシングコア部143等は、いずれも直線状に延びているが、途中で曲がっていてもよいし、さらに分岐していてもよいし、互いに交差していてもよい。
【0054】
さらに、センサー用光導波路1のうち、第1センシングコア部143等に対応する部分のみを被着体9に接着し、残りの部分は接着されていなくてもよい。
【0055】
また、センサー用光導波路1は、入射コア部141の光路を変換するミラー等の光路変換部、出射コア部142の光路を変換するミラー等の光路変換部、入射コア部141や出射コア部142の近傍に取り付けられるコネクター等を備えていてもよい。
【0056】
さらに、センサー用光導波路1は、複数のコア層13が積層されてなる多層構造を有していてもよい。
【0057】
以上のように、本実施形態に係るセンサー用光導波路1は、被着体9に取り付けられ、被着体9の機械的または熱的な変化を検出するセンシングシステムに用いられる光導波路である。センサー用光導波路1は、単位コア部10を少なくとも1つ有している。この単位コア部10は、入射コア部141と、出射コア部142と、互いに並列する第1センシングコア部143および第2センシングコア部144と、分岐部16と、結合部17と、を備えている。そして、分岐部16は、入射コア部141を分岐して第1センシングコア部143および第2センシングコア部144に接続する。また、結合部17は、第1センシングコア部143および第2センシングコア部144を合流させて出射コア部142に接続する。
【0058】
このような構成によれば、単位コア部10が分岐部16を備え、広い範囲に広がっているため、第1センシングコア部143および第2センシングコア部144に破断が発生した場合、出射光量の変化によってそれを検出することができる。このため、センサー用光導波路1を被着体9に取り付けることにより、より広い範囲で、被着体9の機械的または熱的な変化を検出し得るセンシングシステムを実現することができる。特に分岐部16を設けることにより、1セットの発光部および受光部であっても、より広い範囲で被着体9の異常を検出することができるので、センシングシステムの構造の簡素化および低コスト化に寄与することができる。
【0059】
1.6.センシングシステム
センシングシステムは、図示しないが、光を射出する発光部、光を受光する受光部、受光量に基づいて検出結果を出力する制御部等を備える。
【0060】
発光部としては、例えば、半導体レーザー、ガスレーザー、発光ダイオード等が挙げられる。
受光部としては、例えば、フォトダイオード、フォトトランジスター等が挙げられる。
【0061】
制御部は、受光量に基づいて検出結果を出力する。このような制御部は、例えば、内部バスで互いに接続されたプロセッサー、メモリーおよび外部インターフェース等を備えるデバイスで構成される。制御部は、メモリーに記憶されているプログラムをプロセッサーで実行することにより動作する。動作内容としては、例えば、メモリーに記憶しておいた、受光量の減少幅と被着体9に過去に発生した変化との関係に基づき、被着体9の異常の有無や内容を推定して報知する動作等が挙げられる。
【0062】
なお、センサー用光導波路1と発光部または受光部との間を光ファイバーで接続してもよい。その場合、発光部、受光部および制御部を収納した制御ユニットを、センサー用光導波路1からより遠方に設置することが可能になる。このため、制御ユニットを設置することが困難な場所、例えば非常に狭い場所にもセンサー用光導波路1を配置することが可能になる。この場合、センサー用光導波路1と光ファイバーとの接続には、光コネクターを用いてもよいし、接着剤等を用いて直接接続してもよい。
【0063】
2.第2実施形態
次に、第2実施形態に係るセンサー用光導波路について説明する。
図5は、第2実施形態に係るセンサー用光導波路を示す平面図である。
【0064】
以下、第2実施形態について説明するが、以下の説明では、第1実施形態との相違点を中心に説明し、同様の事項についてはその説明を省略する。なお、図5において、第1実施形態と同様の構成については、先に説明したのと同じ符号を付している。
【0065】
図5に示すセンサー用光導波路1Aは、分岐部16および結合部17の構成が異なる以外、図1に示すセンサー用光導波路1と同様である。
【0066】
前述した図1に示す分岐部16では、入射コア部141を伝搬してきた光が1つの分岐点を経て4つに分配されている。これに対し、図5に示す分岐部16では、3つの分岐点16a、16b、16bを経て光が4つに分配されている。具体的には、入射コア部141は、分岐点16aで2つに分岐し、さらに、2つの分岐点16b、16bで2つずつに分岐している。このように分岐点が複数になることで、第1実施形態に比べて分岐部16における分岐損失を減らすことができる。そして、分岐損失を減らすことができれば、出射光量のレベル低下が抑制されるので、出射光量の減少幅をより精度よく検出することができる。
【0067】
また、図5に示す結合部17では、3つの結合点17a、17b、17bを経て光が1つに混合されている。具体的には、第1センシングコア部143および第2センシングコア部144は、結合点17bで1つに結合し、同様に、第3センシングコア部145および第4センシングコア部146は、結合点17bで1つに結合している。そして、2つの結合点17b、17bから延びるコア部14、14が、結合点17aで1つに結合している。このように結合点が複数になることで、結合部17における結合損失を減らすことができる。そして、結合損失を減らすことができれば、出射光量のレベル低下が抑制されるので、出射光量の減少幅をより精度よく検出することができる。
【0068】
以上のような第2実施形態においても、前記実施形態と同様の効果が得られる。
【0069】
3.第3実施形態
次に、第3実施形態に係るセンサー用光導波路について説明する。
図6は、第3実施形態に係るセンサー用光導波路を示す平面図である。
【0070】
以下、第3実施形態について説明するが、以下の説明では、第1実施形態との相違点を中心に説明し、同様の事項についてはその説明を省略する。なお、図6において、第1実施形態と同様の構成については、先に説明したのと同じ符号を付している。
【0071】
図6に示すセンサー用光導波路1Bは、第1センシングコア部143等、分岐部16および結合部17の構成が異なる以外、図1に示すセンサー用光導波路1と同様である。
【0072】
前述した図1に示すセンサー用光導波路1では、入射コア部141を伝搬してきた光が分岐部16で4つに等分配されている。これに対し、図6に示すセンサー用光導波路1Bでは、分岐部16における分配比が等分配ではなく、互いに異なっている。具体的には、第1センシングコア部143に対する分配比が10、第2センシングコア部144に対する分配比が30、第3センシングコア部145に対する分配比が60、第4センシングコア部146に対する分配比が120、となるように、分岐部16が構成されている。
【0073】
そして、このような分配比を実現するため、図6に示す分岐部16では、第1センシングコア部143に接続されている第1分岐路1601、第2センシングコア部144に接続されている第2分岐路1602、第3センシングコア部145に接続されている第3分岐路1603、および、第4センシングコア部146に接続されている第4分岐路1604の各幅を、前述した分配比に応じた幅に設定している。また、第1分岐路1601に続く第1センシングコア部143、第2分岐路1602に続く第2センシングコア部144、第3分岐路1603に続く第3センシングコア部145、および、第4分岐路1604に続く第4センシングコア部146の各幅を、前述した分配比に応じた幅に設定している。つまり、第1センシングコア部143の幅、第2センシングコア部144の幅、第3センシングコア部145の幅、第4センシングコア部146の幅の比を、10:30:60:120となるように設定している。
【0074】
このように幅を設定することで、第1センシングコア部143、第2センシングコア部144、第3センシングコア部145および第4センシングコア部146を伝搬する光量が、分配比に応じた差を持つことになる。このため、例えば、図4に示すように第1センシングコア部143に破断が発生した場合には、出射光量において、10/(10+30+60+120)≒4.5に相当する光量が減少する。この出射光量の減少幅は、第2センシングコア部144に破断が発生した場合の減少幅、第3センシングコア部145に破断が発生した場合の減少幅、および、第4センシングコア部146に破断が発生した場合の減少幅、のいずれとも異なる。すなわち、図6に示すセンサー用光導波路1Bでは、第1センシングコア部143等が、それぞれ、固有の出射光量減少幅を有する。このため、出射光量減少幅を検出することによって、単位コア部10aに破断が発生したことのみでなく、単位コア部10aに含まれる第1センシングコア部143等のうち、いずれに破断が発生したのかを検出することが可能になる。したがって、本実施形態では、被着体9の異常が発生した位置を、より高い位置分解能で特定することが可能なセンサー用光導波路1Bを実現することができる。
【0075】
なお、上記のように、第1センシングコア部143等に固有の出射光量減少幅を持たせるためには、例えば、以下の3つの要素を満たすように、分配比を設定すればよい。
【0076】
(a)センシングコア部間で分配比を互いに異ならせる
(b)任意に選択した2つ以上の分配比の和が、残る分配比のいずれとも一致しない
(c)任意に選択した2つ以上の分配比の和が、残る2つ以上の分配比の和と一致しない
【0077】
一方、本実施形態では、第1センシングコア部143等の各幅も、前述した分配比に応じた幅に設定されている。これにより、第1センシングコア部143等の伝送損失が、前述した分配比に影響するのを抑制することができる。つまり、分岐部16で設定した分配比が、第1センシングコア部143等の伝送損失によってずれてしまうのを抑制することができる。
【0078】
なお、本実施形態では、分配比に応じて前述した分岐路やセンシングコア部の幅を設定しているが、分岐路やセンシングコア部の横断面形状によっては、分配比に応じて、幅を含む概念である径を設定するようにしてもよい。
【0079】
以上のように、本実施形態に係るセンサー用光導波路1Bでは、少なくとも第1センシングコア部143および第2センシングコア部144の径が互いに異なっている。これにより、各センシングコア部に、固有の出射光量減少幅を与えることができる。その結果、出射光量減少幅を検出することによって、いずれのセンシングコア部に破断等が発生したのかを検出することが可能になる。したがって、センサー用光導波路1Bを用いることにより、被着体9の異常が発生した位置を、単位コア部10よりも狭い領域で特定することが可能なセンシングシステムを実現することができる。つまり、センサー用光導波路1Bは、被着体9の異常を検出する位置分解能がより高いセンシングシステムの実現に寄与する。
【0080】
また、本実施形態に係るセンサー用光導波路1Bでは、第1センシングコア部143および第2センシングコア部144と並列する第3センシングコア部145を少なくとも有している。そして、第3センシングコア部145の径は、第1センシングコア部143の径と第2センシングコア部144の径との和より大きい。
【0081】
このような構成によれば、センシングコア部が3つである場合も、各センシングコア部に、固有の出射光量減少幅を与えることができる。その結果、センシングコア部が3つである場合でも、いずれのセンシングコア部に破断等が発生したのかを検出することが可能になる。つまり、被着体9の異常が発生した位置をより広い範囲で、かつ、より高い位置分解能で、特定可能なセンシングシステムを実現することができる。
以上のような第3実施形態においても、前記実施形態と同様の効果が得られる。
【0082】
4.第4実施形態
次に、第4実施形態に係るセンサー用光導波路について説明する。
【0083】
図7は、第4実施形態に係るセンサー用光導波路を示す平面図である。図8および図9は、それぞれ、図7に示すセンサー用光導波路の使用方法を説明するための平面図である。
【0084】
以下、第4実施形態について説明するが、以下の説明では、第1実施形態との相違点を中心に説明し、同様の事項についてはその説明を省略する。なお、図7において、第1実施形態と同様の構成については、先に説明したのと同じ符号を付している。
【0085】
図7に示すセンサー用光導波路1Cは、単位コア部10の数および分岐部16における分配数がそれぞれ異なるとともに、第1減光部31が追加されていること以外、図1に示すセンサー用光導波路1と同様である。
【0086】
図7に示すセンサー用光導波路1Cは、単位コア部10a、10b、10c、10dという4つの単位コア部10を有している。
【0087】
図7に示す分岐部16では、光を2つに等分配する。また、センサー用光導波路1Cは、第1センシングコア部143に設けられた第1減光部31を備えている。具体的には、図7に示す第1減光部31は、第1センシングコア部143の終端部に設けられた減光分岐部311と、減光分岐部311から延在する減光コア部312と、を有している。減光分岐部311は、第1センシングコア部143の末端部を2つに分岐し、一方を結合部17に接続し、他方を減光コア部312に接続する。図7に示す減光コア部312は、コア層13の端面に至らず、途中で途切れている。なお、減光コア部312は、受光部に接続されていなければ、コア層13の端面に至っていてもよい。また、図7に示す結合部17は、減光分岐部311と出射コア部142とを連結する第1結合コア部171を有している。
【0088】
第1センシングコア部143を伝搬してきた光は、減光分岐部311で2つに等分配される。分配された光の一方は、第1結合コア部171に導かれ、他方は、減光コア部312に導かれる。第1結合コア部171に導かれた光は、第2センシングコア部144を伝搬してきた光と混合され、出射コア部142から出射する。減光コア部312に導かれた光は、末端で拡散する。したがって、第1減光部31では、減光コア部312に分配された光量を減少させる機能を有する。
【0089】
図7では、単位コア部10aに対し、100の光量で光を入射した場合について図示している。入射した光は、分岐部16で2つに等分配されるため、第1センシングコア部143および第2センシングコア部144には、光量50ずつが分配されることになる。そして、第1センシングコア部143に分配された光は、減光分岐部311でさらに2つに等分配されるため、第1結合コア部171および減光コア部312に光量25ずつが分配されることになる。その結果、出射光量は75になる。この光量が平常時の出射光量となる。
【0090】
図8は、図示しない被着体9に貼り付けられたセンサー用光導波路1Cを示す平面図である。被着体9の表面に変化が生じると、それに伴ってセンサー用光導波路1には、例えば図8に示す破断部1430が発生する。この破断部1430は、空隙であるため、第1センシングコア部143を伝搬する光が破断部1430で遮られる。その結果、単位コア部10aでは平常時に比べて出射光量が減少する。具体的には、光量25が失われるため、出射光量は50となる。このため、単位コア部10b、10c、10dに比べて、単位コア部10aの光量が少ないことを検出することができる。しかも、出射光量減少幅が25であることから、第2センシングコア部144ではなく、第1センシングコア部143に破断部1430が発生したことを検出することができる。仮に、破断部1430が第2センシングコア部144に発生した場合、出射光量は25となるため、出射光量減少幅は50となるからである。したがって、センサー用光導波路1Cを用いることで、被着体9のうち、第1センシングコア部143に対応する位置に、何らかの機械的または熱的な変化が発生したことを検出することができる。
【0091】
図9は、破断部1430とは異なるモードの破断部1431が発生した場合について説明するための図である。図9に示す破断部1431は、単位コア部10aの第2センシングコア部144と、単位コア部10bの第1センシングコア部143と、にまたがるように発生している。これにより、単位コア部10aの出射光量は25となり、単位コア部10bの出射光量は50となる。したがって、出射光量に基づいて、単位コア部10aの第2センシングコア部144と、単位コア部10bの第1センシングコア部143と、に破断部1431が発生していることを特定することが可能になる。
【0092】
以上のように、本実施形態に係るセンサー用光導波路1Cは、第1センシングコア部143に設けられ、第1センシングコア部143を伝搬する光の光量を減少させる第1減光部31を有する。
【0093】
このような構成によれば、分岐部16での分配比が等分配であっても、第1センシングコア部143と第2センシングコア部144とで、破断部1430が発生したときの出射光量減少幅を異ならせることができる。このため、出射光量に基づいて、第1センシングコア部143および第2センシングコア部144のいずれに破断部1430が発生したかを特定することが可能になる。
【0094】
また、分岐部16の分配比を厳密に制御することは製造難易度が高い場合もあるため、分岐部16の分配比が等分配でもよければ、製造難易度を下げることができる。
【0095】
したがって、このようなセンサー用光導波路1Cは、製造が容易であり、かつ、被着体9の異常が発生している位置、大きさ等を特定し得るセンシングシステムを実現可能なものである。
以上のような第4実施形態においても、前記実施形態と同様の効果が得られる。
【0096】
5.第5実施形態
次に、第5実施形態に係るセンサー用光導波路について説明する。
【0097】
図10および図11は、それぞれ、第5実施形態に係るセンサー用光導波路を示す平面図である。
【0098】
以下、第5実施形態について説明するが、以下の説明では、第2実施形態との相違点を中心に説明し、同様の事項についてはその説明を省略する。なお、図10および図11において、第2実施形態と同様の構成については、先に説明したのと同じ符号を付している。
【0099】
図10および図11に示すセンサー用光導波路1Dは、第1減光部31、第2減光部32、および第3減光部33を有している。
【0100】
第1減光部31は、前述したように、第1センシングコア部143の終端部に設けられた減光分岐部311と、減光分岐部311から延在する減光コア部312と、を有している。減光分岐部311は、第1センシングコア部143を2つに分岐し、一方を結合部17に接続し、他方を減光コア部312に接続する。図10および図11に示す減光コア部312は、受光部に接続されない。なお、減光コア部312は、受光部に接続されていなければ、コア層13の端面に至っていてもよい。
【0101】
第2減光部32は、図10および図11に示すように、第2センシングコア部144の終端部に設けられた減光分岐部321と、減光分岐部321から延在する減光コア部322と、を有している。減光分岐部321は、第2センシングコア部144を2つに分岐し、一方を結合部17に接続し、他方を減光コア部322に接続する。図10および図11に示す減光コア部322は、受光部に接続されない。なお、減光コア部322は、受光部に接続されていなければ、コア層13の端面に至っていてもよい。
【0102】
第3減光部33は、図10および図11に示すように、第3センシングコア部145の終端部に設けられた減光分岐部331と、減光分岐部331から延在する減光コア部332と、を有している。減光分岐部331は、第3センシングコア部145を2つに分岐し、一方を結合部17に接続し、他方を減光コア部332に接続する。図10および図11に示す減光コア部332は、受光部に接続されない。なお、減光コア部332は、受光部に接続されていなければ、コア層13の端面に至っていてもよい。
【0103】
また、図10および図11に示す結合部17は、第1結合コア部171、第2結合コア部172、および第3結合コア部173を備えている。
【0104】
第1結合コア部171は、第1減光部31を介して、第1センシングコア部143と第2センシングコア部144とを結合している。第2結合コア部172は、第2減光部32を介して、第2センシングコア部144と第3センシングコア部145とを結合している。第3結合コア部173は、第3減光部33を介して、第3センシングコア部145と第4センシングコア部146とを結合している。このようにして、結合部17は、第1センシングコア部143等を結合し、出射コア部142に接続している。
【0105】
図11では、単位コア部10に対し、100の光量で光を入射した場合について図示している。
【0106】
入射した光は、分岐部16で4つに等分配されるため、第1センシングコア部143等には、光量25ずつが分配されることになる。第1センシングコア部143に分配された光は、減光分岐部311で2つに等分配されるため、第1結合コア部171および減光コア部312に光量12.5ずつが分配されることになる。
【0107】
第1結合コア部171に分配された光は、第2センシングコア部144に分配された光と混合される。このため、第2センシングコア部144のうち、第1結合コア部171と第2結合コア部172との間では、光量が25+12.5=37.5となる。この光量は、減光分岐部321でさらに2つに等分配されるため、第2結合コア部172および減光コア部322に光量18.75ずつが分配されることになる。
【0108】
第2結合コア部172に分配された光は、第3センシングコア部145に分配された光と混合される。このため、第3センシングコア部145のうち、第2結合コア部172と第3結合コア部173との間では、光量が25+18.75=43.75となる。この光量は、減光分岐部331でさらに2つに等分配されるため、第3結合コア部173および減光コア部332に光量21.875ずつが分配されることになる。
【0109】
第3結合コア部173に分配された光は、第4センシングコア部146に分配された光と混合され、出射コア部142に導かれる。このため、出射光量は25+21.875=46.875となる。この光量が平常時の出射光量となる。
【0110】
このようなセンサー用光導波路1Dでは、第1センシングコア部143、第2センシングコア部144、第3センシングコア部145、および、第4センシングコア部146の間で、光が出射するまでに通過する減光部の数が互いに異なる。このため、各センシングコア部に破断が発生したとき、出射光量減少幅がセンシングコア部間で互いに異なる。つまり、出射光量減少幅の固有値が与えられることになる。例えば、図11の第1センシングコア部143に破断が発生した場合、出射光量減少幅は3.125である。同様に、第2センシングコア部144に破断が発生した場合の出射光量減少幅は6.25、第3センシングコア部145に破断が発生した場合の出射光量減少幅は12.5、第4センシングコア部146に破断が発生した場合の出射光量減少幅は25となる。したがって、この出射光量減少幅を検出することにより、被着体9の異常が発生している位置、大きさ等を検出することができる。
【0111】
以上のように、本実施形態に係るセンサー用光導波路1Dは、互いに並列する第1センシングコア部143、第2センシングコア部144、第3センシングコア部145、および、第4センシングコア部146を有する。また、センサー用光導波路1Dは、第1減光部31、第2減光部32、および第3減光部33を有している。第1減光部31は、第1センシングコア部143に設けられ、第1センシングコア部143を伝搬する光の光量を減少させる。第2減光部32は、第2センシングコア部144に設けられ、第2センシングコア部144を伝搬する光の光量を減少させる。第3減光部33は、第3センシングコア部145に設けられ、第3センシングコア部145を伝搬する光の光量を減少させる。そして、センサー用光導波路1Dが備える結合部17は、第1減光部31による減光後の光量と、第2減光部32による減光後の光量と、第3減光部33による減光後の光量と、第4センシングコア部146を伝搬する光の光量と、を合わせて、出射コア部142に結合させるように構成されている。
【0112】
このような構成によれば、センシングコア部が4つある場合でも、各センシングコア部に破断が発生したとき、出射光量減少幅をセンシングコア部間で互いに異ならせることができる。このため、出射光量減少幅を検出することにより、破断が発生しているセンシングコア部を特定することが可能になる。したがって、センサー用光導波路1Dを用いることにより、被着体9の異常等が発生している位置、大きさ等を特定可能なセンシングシステムを実現することができる。
以上のような第5実施形態においても、前記実施形態と同様の効果が得られる。
【0113】
6.第6実施形態
次に、第6実施形態に係るセンサー用光導波路について説明する。
図12は、第6実施形態に係るセンサー用光導波路を示す平面図である。図13は、図12に示すセンサー用光導波路の使用方法を説明するための平面図である。
【0114】
以下、第6実施形態について説明するが、以下の説明では、第4実施形態との相違点を中心に説明し、同様の事項についてはその説明を省略する。なお、図12および図13において、第4実施形態と同様の構成については、先に説明したのと同じ符号を付している。
【0115】
図12に示すセンサー用光導波路1Eは、単位コア部10の数が異なるとともに、光量調整部4B、4Cが追加されていること以外、図7に示すセンサー用光導波路1Cと同様である。
【0116】
図12に示すセンサー用光導波路1Eは、第1単位コア部10A、第2単位コア部10B、第3単位コア部10C、第4単位コア部10Dという4つの単位コア部10を有している。なお、これらの第1単位コア部10A、第2単位コア部10B、第3単位コア部10C、および第4単位コア部10Dは、図12のX軸に沿って多数並んでいる単位コア部10の列の一部を抜き出したものである。以下、このうちの第2単位コア部10Bおよび第3単位コア部10Cを代表に説明し、同様の構成を有する第1単位コア部10Aおよび第4単位コア部10Dについては説明を省略する。
【0117】
第2単位コア部10Bは、第1センシングコア部143に設けられた光量調整部4Bと、前述した結合部17としての結合部17Bと、を備えている。具体的には、図12に示す光量調整部4Bは、第2単位コア部10Bの第1センシングコア部143の終端部に設けられた光量調整分岐部41Bと、光量調整分岐部41Bから延在する光量調整コア部42Bと、を有している。光量調整分岐部41Bは、第2単位コア部10Bの第1センシングコア部143を2つに分岐している。そして、光量調整コア部42Bは、分岐後の一方を、第1単位コア部10Aの第2センシングコア部144に結合させている。また、結合部17Bは、結合コア部171Bを有しており、結合コア部171Bは、分岐後の他方を、第2単位コア部10Bの第2センシングコア部144に結合させている。
【0118】
第3単位コア部10Cは、第1センシングコア部143に設けられた光量調整部4Cと、前述した結合部17としての結合部17Cと、を備えている。具体的には、図12に示す光量調整部4Cは、第3単位コア部10Cの第1センシングコア部143の終端部に設けられた光量調整分岐部41Cと、光量調整分岐部41Cから延在する光量調整コア部42Cと、を有している。光量調整分岐部41Cは、第3単位コア部10Cの第1センシングコア部143を2つに分岐している。そして、光量調整コア部42Cは、分岐後の一方を、第2単位コア部10Bの第2センシングコア部144に結合させている。また、結合部17Cは、結合コア部171Cを有しており、結合コア部171Cは、分岐後の他方を、第3単位コア部10Cの第2センシングコア部144に結合させている。
【0119】
図12では、第1単位コア部10A、第2単位コア部10B、第3単位コア部10C、第4単位コア部10Dに対し、それぞれ100の光量で光を入射した場合について図示している。入射した光は、分岐部16でそれぞれ2つに等分配されるため、各第1センシングコア部143および各第2センシングコア部144には、光量50ずつが分配されることになる。
【0120】
例えば、第2単位コア部10Bでは、光量調整分岐部41Bで光量50がさらに2つに等分配されるため、結合コア部171Bおよび光量調整コア部42Bに光量25ずつが分配されることになる。
【0121】
また、第3単位コア部10Cでは、光量調整分岐部41Cで光量50がさらに2つに等分配されるため、結合コア部171Cおよび光量調整コア部42Cに光量25ずつが分配されることになる。
【0122】
そうすると、第2単位コア部10Bの第2センシングコア部144には、結合コア部171Bおよび光量調整コア部42Cが合流し、その後、出射コア部142に接続される。つまり、第2単位コア部10Bには、隣り合う第3単位コア部10Cから光量が追加される。この追加分を含めて、第2単位コア部10Bの出射光量は100になる。そして、この光量が第2単位コア部10Bの平常時の出射光量となる。これと同様に、第1単位コア部10A、第3単位コア部10C、および第4単位コア部10Dでも、隣り合う単位コア部から光量が追加され、平常時の出射光量はそれぞれ100になる。
【0123】
図13は、図示しない被着体9に貼り付けられたセンサー用光導波路1Eを示す平面図である。被着体9の表面に異常等が発生すると、それに伴ってセンサー用光導波路1Eには、例えば図13に示す破断部1432が発生する。この破断部1432は、空隙であるため、第2単位コア部10Bの第2センシングコア部144を伝搬する光、および、第3単位コア部10Cの第1センシングコア部143を伝搬する光、がそれぞれ破断部1432で遮られる。その結果、それぞれの光量50が失われる。
【0124】
一方、平常時には、前述したように、光量調整部4Cを介して、第3単位コア部10Cの第1センシングコア部143から第2単位コア部10Bの第2センシングコア部144へ、光量25が追加されるようになっている。ところが、図13では、破断部1432が第3単位コア部10Cの第1センシングコア部143にかかっているため、この光量25の追加が行われない。その結果、第2単位コア部10Bの出射光量は、本来の100から75(=50+25)が差し引かれ、25となる。
【0125】
また、第3単位コア部10Cの第1センシングコア部143の光量は0となるため、結合コア部171Cの光量も、平常時の25から0に減少する。その結果、第3単位コア部10Cの出射光量は、本来の100から25が差し引かれ、75となる。
【0126】
以上を踏まえると、図13に示すセンサー用光導波路1Eでは、各単位コア部10のうち、第1センシングコア部143が破断した場合と、第2センシングコア部144が破断した場合とで、出射光量減少幅が異なっている。このため、各単位コア部10の出射光量減少幅に基づいて、各単位コア部10のうち、第1センシングコア部143および第2センシングコア部144のいずれに破断部1432が発生したかを特定することが可能になる。
【0127】
また、特に、各単位コア部10のうち、第1センシングコア部143側に破断部1432が発生した場合には、隣り合う2つの単位コア部10の双方で、出射光量の減少を検出することができる。このため、例えば一方の単位コア部10の出射光量を検出する受光部において何らかの異常が発生した場合でも、他方の単位コア部10の出射光量を検出することで、破断部1432の発生を検出することができる。その結果、位置分解能は多少低下するものの、ロバスト性が高められるため、センシングシステムの信頼性を高めることができる。
【0128】
さらに、隣り合う単位コア部10にまたがるように破断部1432が発生した場合には、他の実施形態に比べて、出射光量減少幅が大きくなる。このため、出射光量の変化をより確実に検出することが可能なセンシングシステムを実現することができる。
【0129】
以上のように、本実施形態に係るセンサー用光導波路1Eは、単位コア部10として、少なくとも、第1単位コア部10A、第2単位コア部10Bおよび第3単位コア部10Cを有している。そして、第1単位コア部10A、第2単位コア部10Bおよび第3単位コア部10Cは、この順で並んでいる。また、第2単位コア部10Bは、第2単位コア部10Bの第1センシングコア部143を分岐して、分岐後の一方を、第1単位コア部10Aの第2センシングコア部144に結合させ、分岐後の他方を、第2単位コア部10Bの第2センシングコア部144に結合させる構造(光量調整部4Bおよび結合部17B)を有している。さらに、第3単位コア部10Cは、第3単位コア部10Cの第1センシングコア部143を分岐して、分岐後の一方を、第2単位コア部10Bの第2センシングコア部144に結合させ、分岐後の他方を、第3単位コア部10Cの第2センシングコア部144に結合させる構造(光量調整部4Cおよび結合部17C)を有している。
【0130】
このような構成によれば、各単位コア部10の出射光量減少幅に基づいて、各単位コア部10のうち、第1センシングコア部143および第2センシングコア部144のいずれに破断部1432が発生したかを特定することが可能になる。特に、隣り合う単位コア部10にまたがるように破断部1432が発生した場合には、他の実施形態に比べて、出射光量減少幅が大きくなるため、センサー用光導波路1Eは、信頼性の高いセンシングシステムの実現に寄与する。
以上のような第6実施形態においても、前記実施形態と同様の効果が得られる。
【0131】
以上、本発明のセンサー用光導波路を、図示の実施形態に基づいて説明したが、本発明はこれらに限定されるものではない。
【0132】
例えば、センサー用光導波路は、接着層を覆う保護層をさらに有していてもよい。この保護層は、センサー用光導波路を被着体に接着する作業の直前に接着層から剥がされることにより、清浄な接着面を容易に準備することを可能にする。これにより、異物の巻き込みを抑えることができ、より密着性の高い接着を行うことができる。その結果、被着体に発生する異常をより感度よく検出可能なセンサー用光導波路を実現することができる。
【符号の説明】
【0133】
1 センサー用光導波路
1A センサー用光導波路
1B センサー用光導波路
1C センサー用光導波路
1D センサー用光導波路
1E センサー用光導波路
2 接着層
4B 光量調整部
4C 光量調整部
9 被着体
10 単位コア部
10A 第1単位コア部
10B 第2単位コア部
10C 第3単位コア部
10D 第4単位コア部
10a 単位コア部
10b 単位コア部
10c 単位コア部
10d 単位コア部
11 クラッド層
12 クラッド層
13 コア層
14 コア部
15 側面クラッド部
16 分岐部
16a 分岐点
16b 分岐点
17 結合部
17B 結合部
17C 結合部
17a 結合点
17b 結合点
18 第1カバー層
19 第2カバー層
31 第1減光部
32 第2減光部
33 第3減光部
41B 光量調整分岐部
41C 光量調整分岐部
42B 光量調整コア部
42C 光量調整コア部
101 接着面
141 入射コア部
142 出射コア部
143 第1センシングコア部
144 第2センシングコア部
145 第3センシングコア部
146 第4センシングコア部
171 第1結合コア部
171B 結合コア部
171C 結合コア部
172 第2結合コア部
173 第3結合コア部
311 減光分岐部
312 減光コア部
321 減光分岐部
322 減光コア部
331 減光分岐部
332 減光コア部
1410 入射面
1420 出射面
1430 破断部
1431 破断部
1432 破断部
1601 第1分岐路
1602 第2分岐路
1603 第3分岐路
1604 第4分岐路
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13