(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-05-13
(45)【発行日】2024-05-21
(54)【発明の名称】ジョブ管理装置、及び、画像形成システム
(51)【国際特許分類】
G06F 3/12 20060101AFI20240514BHJP
B41J 29/38 20060101ALI20240514BHJP
H04N 1/00 20060101ALI20240514BHJP
【FI】
G06F3/12 340
G06F3/12 317
G06F3/12 361
G06F3/12 359
G06F3/12 374
G06F3/12 353
G06F3/12 385
B41J29/38 202
H04N1/00 912
H04N1/00 002C
(21)【出願番号】P 2020137890
(22)【出願日】2020-08-18
【審査請求日】2023-05-17
(73)【特許権者】
【識別番号】000001270
【氏名又は名称】コニカミノルタ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000925
【氏名又は名称】弁理士法人信友国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】大山 博之
【審査官】豊田 真弓
(56)【参考文献】
【文献】特開2006-155162(JP,A)
【文献】特開2015-221544(JP,A)
【文献】特開2003-208283(JP,A)
【文献】特開2014-112289(JP,A)
【文献】特開2019-212070(JP,A)
【文献】特開2009-076004(JP,A)
【文献】特開2007-011694(JP,A)
【文献】特開2006-155573(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06F 3/12
B41J 29/38
H04N 1/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
少なくとも3つ以上の画像形成装置と通信し、前記画像形成装置に印刷ジョブのジョブデータを分散して送信し、前記印刷ジョブの分散印刷の実行を指示する制御部を備え、
前記制御部は、
前記印刷ジョブを取得する印刷設定部と、
通信可能に接続された、第1の画像形成装置、第2の画像形成装置、及び、第3の画像形成装置の状態を監視する画像形成装置管理部と、
前記印刷ジョブを実行する前記画像形成装置の数に分割した一次分割ジョブを生成
し、前記一次分割ジョブを、予め設定されたページ数、又は、部数ごとに分割単位で分割して二次分割ジョブを作成するジョブ分割管理部と、
前記一次分割ジョブを、前記第1の画像形成装置、前記第2の画像形成装置、及び、前記第3の画像形成装置に分散して送信する印刷ジョブ管理部と、含み、
前記制御部は、前記印刷ジョブ管理部において前記第1の画像形成装置と前記第2の画像形成装置とに前記一次分割ジョブを送信して分散印刷の実行を指示した後に、前記第1の画像形成装置、及び、前記第2の画像形成装置に送信した前記一次分割ジョブの一部のジョブデータを前記第3の画像形成装置に送信し、前記第3の画像形成装置に前記分散印刷の実行を指示
し、
前記印刷ジョブ管理部は、前記ページ数に基づいて前記一次分割ジョブを前記二次分割ジョブに分割するように設定されている場合、前記一次分割ジョブに対してフェイスアップ印刷又はフェイスダウン印刷の指示を行う
ジョブ管理装置。
【請求項2】
前記制御部は、前記印刷ジョブ管理部において前記第1の画像形成装置と前記第2の画像形成装置とに複数の前記二次分割ジョブを送信して分散印刷の実行を指示した後、前記第1の画像形成装置、及び、前記第2の画像形成装置に送信した複数の前記二次分割ジョブのジョブデータうち、一部の前記二次分割ジョブのジョブデータを前記第3の画像形成装置に送信し、前記第3の画像形成装置に前記分散印刷の実行を指示する
請求項1に記載のジョブ管理装置。
【請求項3】
前記印刷ジョブ管理部は、前記第3の画像形成装置に前記二次分割ジョブを送信する際に、前記第1の画像形成装置に送信した前記二次分割ジョブのジョブデータを一部を、前記第2の画像形成装置に再分散する
請求項2に記載のジョブ管理装置。
【請求項4】
前記画像形成装置管理部は、前記一次分割ジョブを前記二次分割ジョブに分割するための前記分割単位の値の設定を受け付ける
請求項1に記載のジョブ管理装置。
【請求項5】
ユーザーに提示する前記印刷ジョブの情報を管理する提示管理部を含み、
前記ジョブ分割管理部は、前記一次分割ジョブを前記第1の画像形成装置と前記第2の画像形成装置とに分散して分散印刷を行う第1の完了時間と、前記第1の画像形成装置、及び、前記第2の画像形成装置に送信した前記一次分割ジョブの一部のジョブデータを前記第3の画像形成装置に分散して処理する第2の完了時間とを算出し、
前記第1の完了時間に対する前記第2の完了時間の短縮時間を算出し、
前記提示管理部は、前記短縮時間をユーザーに提示する
請求項1から4のいずれかに記載のジョブ管理装置。
【請求項6】
前記印刷ジョブ管理部
は、前記第3の画像形成装置に送信した前記ジョブデータを、前記第1の画像形成装置、及び、第2の画像形成装置において取り消す
請求項1から5のいずれかに記載のジョブ管理装置。
【請求項7】
ジョブ管理装置と、前記ジョブ管理装置と通信可能に接続された画像形成装置と、を有し、
前記ジョブ管理装置は、前記画像形成装置に印刷ジョブのジョブデータを分散して送信し、前記印刷ジョブの分散印刷の実行を指示する制御部を備え、
前記制御部は、
前記印刷ジョブを取得する印刷設定部と、
通信可能に接続された、第1の画像形成装置、第2の画像形成装置、及び、第3の画像形成装置の状態を監視する画像形成装置管理部と、
前記印刷ジョブを実行する前記画像形成装置の数に分割した一次分割ジョブを生成
し、前記一次分割ジョブを、予め設定されたページ数、又は、部数ごとに分割単位で分割して二次分割ジョブを作成するジョブ分割管理部と、
前記一次分割ジョブを、前記第1の画像形成装置、前記第2の画像形成装置、及び、前記第3の画像形成装置に分散して送信する印刷ジョブ管理部と、含み、
前記制御部は、前記印刷ジョブ管理部において前記第1の画像形成装置と前記第2の画像形成装置とに前記一次分割ジョブを送信して分散印刷の実行を指示した後に、前記第1の画像形成装置、及び、前記第2の画像形成装置に送信した前記一次分割ジョブの一部のジョブデータを前記第3の画像形成装置に送信し、前記第3の画像形成装置に前記分散印刷の実行を指示
し、
前記印刷ジョブ管理部は、前記ページ数に基づいて前記一次分割ジョブを前記二次分割ジョブに分割するように設定されている場合、前記一次分割ジョブに対してフェイスアップ印刷又はフェイスダウン印刷の指示を行う
画像形成システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、印刷ジョブを複数の画像形成装置に分散することが可能なジョブ管理装置、及び、このジョブ管理装置を備える画像形成システムに係わる。
【背景技術】
【0002】
近年、デジタル印刷において、大量の印刷ジョブを扱う際に、複数の画像形成装置に印刷ジョブを分散して送信し、効率化を図る方法が提案されている。このような、複数の画像形成装置に印刷ジョブを分散する処理は、いわゆる、分散印刷、クラスター印刷等と呼ばれている。
【0003】
複数の画像形成装置を用いて分散印刷を行う画像形成システムにおいて、印刷ジョブを画像形成装置に分散した後に、印刷ジョブを登録した1台の画像形成装置が印刷続行不可能になる場合がある。この場合、その画像形成装置に送信した印刷ジョブをキャンセルし、別の画像形成装置に再分散して送信する方法が提案されている(例えば、特許文献1参照)。この画像形成システムでは、エラーが発生した画像形成装置を別の画像形成装置で補うことにより、時間の損失を最小限にし、分散印刷の効率化を図っている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
上記の画像形成システムでは、ジョブの分散対象となった画像形成装置が減少した場合の対処について提案されている。そして、分散印刷による効率の低下を抑制することができる。しかしながら、分散印刷の効率を上げるためには、印刷ジョブを実行する画像形成装置の数を増やす必要がある。上記の画像形成システムでは、一度印刷ジョブを分散対象となる画像形成装置に分散して送信してしてしまうと、印刷ジョブを実行する画像形成装置の数を増やすことができない。このため、上記の画像形成システムでは、分散印刷の効率をさらに上げることができない。
【0006】
上述した問題の解決のため、本発明においては、分散印刷の効率化が可能なジョブ管理装置、及び、画像形成システムを提供する。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明のジョブ管理装置は、少なくとも3つ以上の画像形成装置と通信し、画像形成装置に印刷ジョブのジョブデータを分散して送信し、印刷ジョブの分散印刷の実行を指示する制御部を備える。記制御部は、印刷ジョブを取得する印刷設定部と、通信可能に接続された、第1の画像形成装置、第2の画像形成装置、及び、第3の画像形成装置の状態を監視する画像形成装置管理部と、印刷ジョブを実行する画像形成装置の数に分割した一次分割ジョブを生成するジョブ分割管理部と、一次分割ジョブを、第1の画像形成装置、第2の画像形成装置、及び、第3の画像形成装置に分散して送信する印刷ジョブ管理部と含む。さらに、制御部は、印刷ジョブ管理部において第1の画像形成装置と第2の画像形成装置とに一次分割ジョブを送信して分散印刷の実行を指示した後に、第1の画像形成装置、及び、第2の画像形成装置に送信した一次分割ジョブの一部のジョブデータを第3の画像形成装置に送信し、第3の画像形成装置に分散印刷の実行を指示する。
また、本発明の画像形成システムは、上記ジョブ管理装置と、ジョブ管理装置と通信可能に接続された画像形成装置とを有する。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、分散印刷の効率化が可能なジョブ管理装置、及び、画像形成システムを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図1】画像形成システムの概略構成を示す図である。
【
図2】ジョブ管理装置のハードウェア構成を示すブロック図である。
【
図3】ジョブ管理装置の制御部の機能構成を示すブロック図である。
【
図4】ジョブ管理装置が行う分散印刷処理のフローチャートである。
【
図5】ジョブ管理装置が行う分散印刷処理のフローチャートである。
【
図7】印刷ジョブの一覧と画像形成装置の一覧を表示する画面の例である。
【
図8】ジョブ管理装置による分散印刷処理を説明するための図である。
【
図9】ジョブ管理装置による分散印刷処理を説明するための図である。
【
図10】ジョブ管理装置による分散印刷処理を説明するための図である。
【
図11】ユーザーに対して表示するメッセージの例を示す図である。
【
図12】ジョブ管理装置が行う分散印刷処理のフローチャートである。
【
図13】ジョブ管理装置が行う分散印刷処理のフローチャートである。
【
図14】ジョブ管理装置による分散印刷処理を説明するための図である。
【
図15】ジョブ管理装置による分散印刷処理を説明するための図である。
【
図16】ジョブ管理装置による分散印刷処理を説明するための図である。
【
図17】ジョブ管理装置による分散印刷処理を説明するための図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、本発明を実施するための形態の例を説明するが、本発明は以下の例に限定されるものではない。
【0011】
[画像形成システムの構成]
図1に、本実施の形態のジョブ管理装置を含む画像形成システムの概略構成図を示す。
図1に示す画像形成システム1は、ジョブ管理装置10と、複数の画像形成装置20,30,40とが、LAN(Local Area Network)等のネットワーク2を介して通信可能に接続されている。
図1では、画像形成システム1として3台の画像形成装置20,30,40が接続されている例を示しているが、画像形成装置の数は限定されない。また、ネットワーク2は有線であっても無線であってもよい。
【0012】
画像形成システム1において、画像形成装置20,30,40は、ネットワークに接続されたジョブ管理装置10から印刷ジョブを受信する。そして、受信した印刷ジョブに応じた各種の画像形成を行う。画像形成装置20,30,40としては、従来公知の画像形成装置を適用できる。
【0013】
[ジョブ管理装置の構成]
次に、上述のジョブ管理装置10のハードウェア構成のブロック図を
図2に示す。
ジョブ管理装置10は、CPU(Central Processing Unit)901、ROM(Read Only Memory)902、及び、RAM(Random Access Memory)903を有する制御部900と、通信インターフェース(I/F)部904と、表示装置905と、記憶装置906と、入力装置907とを備える。制御部900は、バスを介して通信I/F部904、表示装置905、記憶装置906、及び、入力装置907と接続されている。
【0014】
CPU901は、ROM902又は記憶装置906に記憶されている制御用プログラムを読み出して実行し、各種演算処理を行う。RAM903は、CPU901に作業用のメモリー空間を提供し、一時データを記憶する。ROM902は、CPU901により実行される各種制御用のプログラムや設定データ等を格納する。なお、ROM902に代えてEEPROM(Electrically Erasable Programmable Read Only Memory)やフラッシュメモリー等の書き換え可能な不揮発性メモリーが用いられてもよい。
【0015】
これらのCPU901、RAM903及びROM902を備える制御部900は、各種制御用プログラムに従ってジョブ管理装置10の各部を統括制御する。例えば、制御部900は、入力装置907等から入力された印刷ジョブに対する所定の条件設定を受け付けて記憶装置906に記憶させる。また、記憶装置906に記憶された印刷ジョブを通信I/F部904を通じて画像形成装置20,30,40に送信する。
【0016】
記憶装置906は、DRAM(Dynamic Random Access Memory)等で構成され、オペレーティングシステムや各種アプリケーションソフト、通信I/F部904を介して外部から入力された印刷ジョブが記憶される。なお、これらの画像データ等はRAM903に記憶されてもよい。また、ジョブ管理装置10のワークフローアプリケーション804(後述する
図3参照)のプログラムは記憶装置906に格納されており、必要に応じてRAM903にロードされ、CPU901で処理され、処理結果が表示装置905に表示される。
【0017】
通信I/F部904は、制御部900からの制御信号に従い、ネットワーク上の画像形成装置20,30,40等と通信を行って印刷ジョブの情報等を送受信する。
【0018】
入力装置907は、例えば、マウス、キーボード、表示装置905の画面に重ねられて配置されたタッチパネル等の入力デバイスを備え、これらの入力デバイスに対する入力操作を操作信号に変換して制御部900に出力する。ユーザーは、入力装置907を用いて、表示装置905にアイコンとして表示された情報を操作する。
【0019】
表示装置905は、LCD(Liquid Crystal Display)等の表示部を備え、ジョブ管理装置10の状態や、タッチパネルへの入力操作の内容を示す操作画面等を表示する。また、表示装置905にの表示画面上において、各種のファイルの投入、ファイル投入条件テーブルの入力、編集、及び、画像形成装置20,30,40への印刷ジョブの送信等の操作が入力装置907によって行なわれる。こららの表示画面上での操作は、記憶装置906やROM902に格納されたワークフローアプリケーションがRAM903にロードされ、CPU901によって処理される。
【0020】
[ジョブ管理装置の制御部の機能構成]
次に、ジョブ管理装置10の制御部900の機能構成を表すブロック図を
図3に示す。
図3は、ジョブ管理装置10として、パーソナルコンピュータ(PC;personal computer)801を用いた例を示している。PC801において、オペレーティングシステム802上にワークフローアプリケーション804がインストールされている。また、ワークフローアプリケーション804において、UI(User Interface)表示モジュール805によってブラウザー803のUI表示が制御される。
【0021】
ワークフローアプリケーション804は、UI表示モジュール805、プリンター管理モジュール809、記憶領域813、ジョブ分割管理モジュール816、印刷設定モジュール820、及び、印刷ジョブ管理モジュール823を含む。なお、UI表示モジュール805は、ジョブ管理装置10の制御部900における提示管理部の一形態例である。プリンター管理モジュール809は、画像形成装置管理部の一形態例である。ジョブ分割管理モジュール816は、ジョブ分割管理部の一形態例である。印刷設定モジュール820は、印刷設定部の一形態例である。印刷ジョブ管理モジュール823は、印刷ジョブ管理部の一形態例である。
【0022】
UI表示モジュール805は、例えば、ジョブ表示モジュール806、プリンター表示モジュール807、及び、メッセージ表示モジュール808から構成される。
プリンター管理モジュール809は、例えば、プリンター情報管理モジュール810、分散印刷グループ管理モジュール811、及び、プリンター状態管理モジュール812から構成される。
記憶領域813は、例えば、各種設定記憶領域814、及び、印刷設定記憶領域815から構成される。
ジョブ分割管理モジュール816は、例えば、ジョブ分散計算モジュール817、ジョブ分割実行モジュール818、及び、ジョブ再分散処理モジュール819から構成される。
印刷設定モジュール820は、例えば、印刷設定反映モジュール821、及び、印刷設定変更モジュール822から構成される。
印刷ジョブ管理モジュール823は、例えば、印刷ジョブ送信モジュール824、及び、印刷ジョブキャンセルモジュール825から構成される。
【0023】
UI表示モジュール805のジョブ表示モジュール806は、表示装置905等に、印刷ジョブの一覧等の印刷ジョブに関する情報を表示する。プリンター表示モジュール807は、表示装置905等に、ジョブ管理装置10とネットワーク2を介して通信可能な画像形成装置の一覧等の画像形成装置に関する情報を表示する。メッセージ表示モジュール808は、ユーザーに対し、状況に応じた所定のメッセージを表示する。例えば、ユーザーに、実行中の分散印刷ジョブに対して新たに画像形成装置を追加するかどうか、分散印刷が完了するまでの時間等のメッセージを表示する。これらの表示メッセージは、例えば、記憶領域813の各種設定記憶領域814に記憶されている。
【0024】
印刷設定モジュール820の印刷設定反映モジュール821は、例えば、表示装置905に表示されたジョブに対して、ユーザーが印刷設定の操作を行った際に、この印刷設定を受け付ける。そして、印刷設定を記憶領域813の印刷設定記憶領域815に記憶させる。
印刷設定変更モジュール822は、ジョブに対して既に設定されている印刷設定がユーザーの操作によって変更された場合に、印刷設定の変更を受け付ける。そして、印刷設定の変更を記憶領域813の印刷設定記憶領域815に記憶させる。
印刷設定モジュール820が管理する印刷設定としては、例えば、一般的な印刷設定である、部数又はページ数、記録材の種類、サイズ、白黒/カラー印刷、及び、片面/両面印刷の他に、分散印刷に関する設定や、再分散印刷を許可するかどうかの設定等が挙げられる。
【0025】
プリンター管理モジュール809のプリンター情報管理モジュール810は、ネットワークを通じてジョブ管理装置10に接続された、通信可能な全ての画像形成装置を管理する。そして、分散印刷グループ管理モジュール811は、プリンター情報管理モジュール810が管理する画像形成装置の中から、分散印刷を実行する複数の画像形成装置(分散印刷グループ)を管理する。
プリンター状態管理モジュール812は、分散印刷グループ管理モジュール811で管理されている分散印刷を実行している画像形成装置の他に、実行中の分割印刷において分散印刷グループに追加可能な画像形成装置があるか監視する。分散印刷グループに追加可能な画像形成装置がある場合、プリンター状態管理モジュール812は、メッセージ表示モジュール808を通じて表示装置905に、分散印刷グループに画像形成装置を追加して分散印刷を行うか確認するメッセージを表示する。
【0026】
ジョブ分割管理モジュール816のジョブ分散計算モジュール817は、印刷ジョブの分割方法、及び、分割ジョブの各画像形成装置への割り当てを決定する分散処理の計算、並びに、各画像形成装置に分散した分割ジョブの終了時間を計算する。
ジョブ分割実行モジュール818は、ジョブ分散計算モジュール817による分散処理の計算結果に基づいて、受信した印刷ジョブを分割する。分割した印刷ジョブ(分割ジョブ)は、印刷ジョブ管理モジュール823の印刷ジョブ送信モジュール824が各画像形成装置に送信する。
【0027】
印刷ジョブ管理モジュール823の印刷ジョブ送信モジュール824は、ジョブ分割管理モジュール816によって分割されたジョブを、分散印刷グループ管理モジュール811によって管理されている分散印刷グループの画像形成装置に送信する。
【0028】
ジョブ分割管理モジュール816のジョブ再分散処理モジュール819は、分散印刷グループに画像形成装置を追加する際に、ジョブの再分割方法及び各画像形成装置へ割り当てを決定する再分散処理、並びに、分散印刷の終了時間を再計算する。この再分散処理の計算は、例えば、プリンター状態管理モジュール812が分散印刷グループに追加可能な画像形成装置を見つけた場合に実行する。
【0029】
再分散処理によって印刷ジョブ(分割ジョブ)が再分散される場合、印刷ジョブ管理モジュール823の印刷ジョブキャンセルモジュール825は、すでに分散印刷グループの画像形成装置に送信されている再分散の対象となった分割ジョブをキャンセルする。そして、印刷ジョブ送信モジュール824は、ジョブ再分散処理モジュール819が算出した再分散する分割ジョブを、各画像形成装置に送信する。
【0030】
[ジョブ管理装置の処理フロー:部数分割]
次に、上述のジョブ管理装置10において、印刷ジョブの分散印刷を行う処理について説明する。
図4及び
図5に、ジョブ管理装置10が行う分散印刷処理のフローチャートを示す。なお、
図4及び
図5は、印刷ジョブを部数ごとに分割して分散印刷を行う例について説明する。
【0031】
まず、ジョブ管理装置10の表示装置905に表示された印刷ジョブの一覧から、ユーザーが任意の印刷ジョブを選択する(ステップS101)。そして、ユーザーが、ジョブ管理装置10に登録されている画像形成装置の分散印刷グループに対して、選択した印刷ジョブの分散印刷の実行を指示する(ステップS102)。これにより、ジョブ管理装置印刷ジョブ管理モジュール823は、分散印刷グループの各画像形成装置を用いた分散印刷の指示を受け付ける。
【0032】
次に、ジョブ分割管理モジュール816は、印刷設定反映モジュール821、記憶領域813等において、印刷ジョブの再分散印刷が許可されているかどうか判定する(ステップS103)。
再分散印刷が許可されていない場合(ステップS103のNO)、ジョブ分散計算モジュール817は、分散印刷グループ管理モジュール811から分散印刷グループに登録されている画像形成装置の台数pを取得する(ステップS104)。さらに、ジョブ分散計算モジュール817は、印刷設定反映モジュール821、記憶領域813等から、印刷ジョブの部数Bを取得する(ステップS105)。
そして、ジョブ分散計算モジュール817は、[部数B/台数p]によって画像形成装置1台当たりの印刷部数bを計算する(ステップS106)。
【0033】
ジョブ分割実行モジュール818は、ジョブ分散計算モジュール817が算出した印刷部数bごとに印刷ジョブのジョブデータを分割し、p個に分割したジョブデータ(一次分割ジョブ)を生成する(ステップS107)。そして、印刷ジョブ送信モジュール824が、分散印刷グループに登録されている各画像形成装置に一次分割ジョブを送信する(ステップS108)。
一次分割ジョブを送信後、本フローチャートによる処理を終了する。なお、ステップS104からステップS108は従来公知の分散印刷と同様の処理である。
【0034】
再分散印刷が許可されている場合(ステップS103のYES)、ジョブ分散計算モジュール817は、印刷設定モジュール820から印刷ジョブの分割単位の部数Tを取得する(ステップS109)。そして、ジョブ分散計算モジュール817は、分散印刷グループ管理モジュール811から分散印刷グループに登録されている画像形成装置の台数pを取得する(ステップS110)。さらに、ジョブ分散計算モジュール817は、印刷設定反映モジュール821、記憶領域813等から、印刷ジョブの部数Bを取得する(ステップS111)。
【0035】
次に、ジョブ分散計算モジュール817は、[部数B/台数p]によって画像形成装置1台当たりの印刷部数bを計算する(ステップS112)。そして、ジョブ分割実行モジュール818は、ジョブ分散計算モジュール817が算出した印刷部数bごとに印刷ジョブのジョブデータを分割し、p個のジョブデータ(一次分割ジョブ)を生成する(ステップS113)。さらに、ジョブ分割実行モジュール818は、一次分割ジョブである1台当たりの印刷部数bを、分割単位の部数Tごとに分割したジョブデータ(二次分割ジョブ)を生成する(ステップS114)。
印刷ジョブ送信モジュール824は、分散印刷グループに登録されている各画像形成装置に二次分割ジョブを送信する(ステップS115)。
【0036】
次に、プリンター状態管理モジュール812は、分散印刷グループ以外の画像形成装置の状態を監視する(ステップS116)。そして、プリンター状態管理モジュール812は、分散印刷に追加可能な画像形成装置があるかどうか判定する(ステップS117)。
【0037】
分散印刷に追加可能な画像形成装置がない場合(ステップS117のNO)、分散印刷グループ管理モジュール811は、各画像形成装置において分散印刷が全て終了したかどうかを判定する(ステップS118)。そして、分散印刷が終了していない場合(ステップS118のNO)、分散印刷グループ以外の画像形成装置の状態を監視(ステップS116)と、追加可能な画像形成装置があるかどうかの判定(ステップS117)を繰り返す。
【0038】
分散印刷に追加可能な画像形成装置がある場合(ステップS117のYES)、分散印刷グループ管理モジュール811は、分散印刷グループの各画像形成装置の印刷状況を確認する(ステップS119)。そして、分散印刷グループ管理モジュール811は、各画像形成装置において、未印刷の二次分割ジョブがあるかどうかを判定する(ステップS120)。
【0039】
未印刷の二次分割ジョブがある場合(ステップS120のYES)、ジョブ再分散処理モジュール819は、プリンター状態管理モジュール812が検出した画像形成装置を分散印刷グループに追加した場合に、各画像形成装置へ再分散させる二次分割ジョブを計算する(ステップS121)。そして、ジョブ再分散処理モジュール819は、二次分割ジョブを再分散させない場合の完了時間(第1の完了時間)と、再分散して印刷(再分散印刷)した場合の完了時間(第2の完了時間)とを計算し、第1の完了時間に対する第2の完了時間(短縮時間)を算出する(ステップS122)。
【0040】
次に、プリンター状態管理モジュール812は、メッセージ表示モジュール808を通じて表示装置905に、分散印刷グループに画像形成装置を追加して分散印刷(再分散印刷)を行うか確認するメッセージを表示し、ユーザーが再分散印刷を承認するかどうか判定する(ステップS123)。
ユーザーが再分散印刷を承認する場合(ステップS123のYES)、印刷ジョブキャンセルモジュール825は、二次分割ジョブを再分散させる計算(再分散計算)の結果から、他の画像形成装置で実行する二次分割ジョブを、元の画像形成装置から消去する(ステップS124)。そして、印刷ジョブ送信モジュール824は、再分散計算の結果から、再分散させる二次分割ジョブを各画像形成装置に再送信する(ステップS125)。二次分割ジョブを再送信後、ステップS116の処理に戻る。
【0041】
未印刷の二次分割ジョブがない場合(ステップS120のNO)、分散印刷が終了した場合(ステップS118のYES)、又は、ユーザーが再分散印刷を承認しない場合(ステップS123のNO)は、本フローチャートによる処理を終了する。
【0042】
[ジョブ管理装置の分散印刷処理:部数分割]
次に、上述の
図4及び
図5に示すフローチャートに示す処理による、ジョブ管理装置10における印刷ジョブの設定画面の表示態様、及び、印刷ジョブの分散印刷処理の具体例について
図6から
図11を用いて説明する。
【0043】
(分散印刷設定画面の表示態様)
図6及び
図7に、ジョブ管理装置10のUI表示モジュール805による、表示装置905での表示態様の具体例を示す。
図6は、ユーザーによる分散印刷の設定画面の例である。
図6では、分散印刷の設定画面として、分散印刷の設定名101、各設定名における分散印刷の設定項目(名称102、プリンター種103、分割単位104)、及び、分散印刷を行う画像形成装置(プリンター)一覧105が表示されている。
【0044】
分散印刷の設定名101は、分散印刷の設定条件ごとにユーザーによって設定される。
図6では、印刷ジョブを印刷色ごとに分割して分散印刷を行う設定の「カラー分散印刷」、印刷ジョブを部数で分割して分散印刷を行う「部数分散印刷」、及び、印刷ジョブをページ数で分割して分散印刷を行う「ページ分散印刷」の3つ分散印刷設定がジョブ管理装置10に登録されている例を示している。
【0045】
ユーザーは、条件設定や条件変更等を行う場合には、分散印刷の設定名101から任意の設定名を選択する。
図6では、「部数分散印刷」が選択された例を示している。ユーザーによって部数分散印刷が選択された場合には、選択した分散印刷設定の名称102、使用するプリンター種103、及び、分割単位104が表示される。
【0046】
プリンター種103は、分散印刷に使用する画像形成装置(プリンター)の種類を選択する項目である。
図6ではプリンターの種類として白黒プリンターが選択されている。ユーザーは、分散印刷の目的に応じて、白黒プリンターやカラープリンター、その他のプリンター等を選択できる。
【0047】
分割単位104は、二次分割単位となる分割単位としての部数Tを選択する。
図6では、分割単位の部数Tとして50部が選択された例を示している。分割単位は、ユーザーによって任意に部数T(例えば、10部、100部等)を設定することができる。また、ユーザーは、分割単位104において分割なしを選択することもできる。この場合には、印刷ジョブの二次分割を行わずに分散印刷が実行される。なお、ページ分散印刷の設定の場合には、分割単位はページ数T(例えば、10ページ、50ページ、100ページ等)となる。
【0048】
プリンター種103において選択されたプリンター種の一覧がプリンター一覧105に表示される。
図6では、プリンター種として白黒プリンターが選択されているため、ジョブ管理装置10と通信可能な画像形成装置のうちから、白黒プリンターがプリンター一覧105に表示される。また、
図6では、白黒プリンターとして、プリンターA、プリンターB、プリンターC、プリンターD、及び、プリンターEが検出された場合を示している。
【0049】
さらに、
図6では、プリンターA、プリンターB、プリンターC、及び、プリンターDが印刷ジョブを受け付け可能であり、プリンターEが他の印刷ジョブを実行中(印刷中)の場合を示している。このため、印刷ジョブを受け付け可能なプリンターA、プリンターB、プリンターC、及び、プリンターDに選択済みを表すチェックマークが表示されている。そして、プリンターEには、選択済みを表すチェックマークが表示されていない。従って、この分散印刷の設定では、プリンターA、プリンターB、プリンターC、及び、プリンターDが、印刷ジョブの分散印刷を行う分散印刷グループに登録される。なお、このプリンターA、プリンターB、プリンターC、及び、プリンターDの選択は、ユーザのよって任意に設定可能であり、いずれかのプリンターの選択を外すこともできる。
【0050】
これらの分散印刷の設定は、印刷設定モジュール820によって管理される。そして、記憶領域813の印刷設定記憶領域815に記憶される。また、プリンターの検出、及び、選択は、プリンター管理モジュール809(プリンター情報管理モジュール810、分散印刷グループ管理モジュール811)によって行われる。
【0051】
(印刷ジョブの表示態様)
図7は、ジョブ管理装置10が受信している印刷ジョブの一覧と、画像形成装置(プリンター)の一覧を表示する画面の例である。
図7に示す表示画面は、受信ボックス201、プリンター204、及び、分散印刷205が表示されている。
受信ボックス201は、ジョブ管理装置10に登録された印刷ジョブの一覧が表示されている。プリンター204には、印刷ジョブを実行可能なプリンターの一覧(プリンターA、プリンターB、プリンターC、プリンターD、及び、プリンターE)が表示されている。分散印刷205は、上記
図6で設定された分散印刷の名称の一覧(部数分散印刷206、ページ分散印刷207)が表示されている。
【0052】
ユーザーは、実行する印刷ジョブを受信ボックス201に表示された印刷ジョブの一覧から選択する。
図7では、選択された印刷ジョブ202と、選択されていない印刷ジョブ群203とを表示している。そして、ユーザーは選択した印刷ジョブを、プリンター204、又は、分散印刷205の表示領域内にドラッグアンドドロップする。
【0053】
印刷ジョブが、プリンター204に表示されたプリンターA、プリンターB、プリンターC、プリンターD、又は、プリンターEのいずれかの表示領域内にドラッグアンドドロップされた場合には、分散印刷は行われずに選択されたいずれかのプリンターによって印刷ジョブが行われる。
また、印刷ジョブが、分散印刷205に表示された部数分散印刷206、又は、ページ分散印刷207の表示領域内にドラッグアンドドロップされた場合には、印刷ジョブを部数ごと、又は、ページごとに分割して複数のプリンターで分散印刷を行うために、ジョブ管理装置10において分散印刷処理が行われる。
【0054】
(印刷ジョブの分散印刷:一次分割ジョブ)
図8に、
図4に示すフローチャートのステップS104からステップS108までの処理を説明するための図を示す。
図8では、分散印刷を行うのプリンター(分散印刷グループ)の台数pを、プリンターA、プリンターB、プリンターC、及び、プリンターDの4台とし、印刷ジョブの部数Bを1000部とした例である。
【0055】
ジョブ分散計算モジュール817は、プリンターの台数p(4台)と印刷ジョブの部数B(1000部)を取得し、[B/p=1000/4]によって各プリンターに割り当てる部数bを250部と算出する。そして、ジョブ分割実行モジュール818は、印刷ジョブ(1000部)を、250部ずつの分割ジョブ(一次分割ジョブ)に分割する。さらに、印刷ジョブ送信モジュール824が、250部の分割ジョブを、分散印刷グループに登録されているプリンターA、プリンターB、プリンターC、及び、プリンターDに、それぞれ送信する。
これにより、
図8に示すように、合計1000部の印刷ジョブが、各プリンターに250部ずつの分割ジョブとして送信される。そして、各プリンターが250部の分割ジョブを実行する。
【0056】
(印刷ジョブの分散印刷:二次分割ジョブ)
次に、
図4に示すフローチャートのステップS109からステップS115までの処理を説明する。
図9に、ステップS109からステップS115までの処理を説明するための図を示す。なお、
図9では、上述の
図8と同様に分散印刷グループのプリンター台数pを4台、印刷ジョブの部数Bを1000部としている。
【0057】
まず、ジョブ分散計算モジュール817は、上述の設定画面(
図6)の分割単位104で設定された、二次分割単位となる分割単位から部数Tの50部を取得する。さらに、ジョブ分散計算モジュール817は、プリンターの台数p(4台)と印刷ジョブの部数B(1000部)を取得し、[B/p=1000/4]によって各プリンターに割り当てる部数bを250部と算出する。
【0058】
そして、ジョブ分割実行モジュール818は、ジョブ分散計算モジュール817の算出結果に基づいて、印刷ジョブ(1000部)を250部ずつの分割ジョブ(一次分割ジョブ)に分割する。さらに、ジョブ分割実行モジュール818は、一次分割ジョブ(250部)を分割単位として設定された部数Tの50部ごとに分割し、各プリンターごとに50部の二次分割ジョブを5個生成する。
さらに、印刷ジョブ送信モジュール824が分散印刷グループに登録されているプリンターA、プリンターB、プリンターC、及び、プリンターDに、50部の二次分割ジョブを5個ずつ送信する。
これにより、
図9に示すように、合計1000部の印刷ジョブが、各プリンターA~Dに50部ずつ5個の二次分割ジョブとして送信される。
【0059】
(印刷ジョブの分散印刷:再分散)
次に、
図4に示すフローチャートのステップS116からステップS125までの処理を説明する。
図10に、ステップS116からステップS125までの処理を説明するための図を示す。なお、
図10では、上述の
図8と同様に分散印刷グループのプリンター台数pを4台、印刷ジョブの部数Bを1000部としている。
【0060】
まず、上述の
図9と同様に分散印刷グループとして4台のプリンター(プリンターA、プリンターB、プリンターC、及び、プリンターD)に、50部の二次分割ジョブが5個ずつ登録されている。この状態において、プリンター状態管理モジュール812が、分散印刷に追加可能なプリンターEを検出した場合を
図10に示す。
【0061】
図10に示すように、プリンターEで実行されていた印刷が終了し、プリンターEにおいて新たに印刷が実行可能となった場合には、分散印刷グループで行われている印刷ジョブを、プリンターEに分散することができる。このため、プリンター状態管理モジュール812によって、新たに印刷ジョブを実行可能なプリンターEが検出された場合には、分散印刷グループ管理モジュール811が、分散印刷グループの各プリンターでの印刷の実行状態を確認する。
【0062】
そして、各プリンターにおいて、未実行の印刷ジョブ(二次分割ジョブ)がある場合には、ジョブ再分散処理モジュール819がプリンターEへ再分散させる二次分割ジョブを計算し、プリンターEに二次分割ジョブを再分散した場合の完了時間を計算する。
【0063】
さらに、メッセージ表示モジュール808は、ユーザーに対してプリンターEを分散印刷グループに追加した分散印刷(再分散印刷)を行うか確認するメッセージを表示装置905に表示する。このユーザーに分散印刷(再分散印刷)の実行を確認するメッセージの表示例を
図11に示す。
図11に示すメッセージ301では、分散印刷にプリンターEを追加すること、プリンターEを追加することにより分散印刷の完了時間が約30分短縮する情報、及び、ユーザーによる選択項目(はい/いいえ)が表示されている。
【0064】
図11に示すメッセージ301において、ユーザーが再分散印刷を許可(「はい」の項目を選択)した場合には、
図10に示すように、プリンターEを分散印刷グループに追加する。そして、プリンターA、プリンターB、プリンターC、及び、プリンターDからプリンターEに再分散(送信)する二次分割ジョブを、印刷ジョブキャンセルモジュール825がキャンセルする。さらに、印刷ジョブ送信モジュール824は、再分散する二次分割ジョブを各プリンターEに送信する。これにより、プリンターA、プリンターB、プリンターC、及び、プリンターDに登録されていた二次分割ジョブの一部が、プリンターEに送信される。
【0065】
図10に示す例では、プリンターA、プリンターB、プリンターC、及び、プリンターDに5個ずつ登録されていた二次分割ジョブから、それぞれ1個をプリンターEに再分散している。これにより、プリンターA、プリンターB、プリンターC、プリンターD、及び、プリンターEに、それぞれ4個の二次分割ジョブが登録されていた状態となる。従って、再分散後は、各プリンターが実行する二次分割ジョブが5個から4個に減少している。このため、二次分割ジョブの再分散によって、全ての印刷ジョブを完了するまでの時間を短縮することができる。
【0066】
このように、印刷ジョブを分散印刷グループの複数のプリンターに分散する際に、印刷ジョブを一次分割ジョブに分割し、さらに、一次分割ジョブを二次分割ジョブに分割することにより、分散印刷の実行開始後であっても、印刷ジョブの再分散を行うことができる。このため、分散印刷の効率化が可能となる。
【0067】
なお、印刷ジョブの再分散の際には、各プリンターに登録される印刷ジョブ(二次分割ジョブ)の数が同じになるように、また、印刷ジョブの完了時間が同じになるように、再分散する二次分割ジョブを算出することが好ましい。
また、新たにプリンターが追加された時点において、実行順序(送信順、登録順)の先順にある二次分割ジョブは既に各プリンターで実行されている場合がある。このため、追加されたプリンターに再分散する二次分割ジョブは、予め登録されていたプリンターにおいて実行順序の後順側から選択することが好ましい。
【0068】
[ジョブ管理装置の処理フロー:ページ分割]
次に、上述のジョブ管理装置10において、印刷ジョブをページごとに分割する分散印刷処理について説明する。
図12及び
図13に、印刷ジョブをページごとに分割する分散印刷処理のフローチャートを示す。なお、
図12及び
図13に示す処理は、上述の
図4及び
図5に示すフローチャートの処理における分割単位を部数からページ数に変更したことを除き、一部の処理が同じ処理である。このため、以下の説明では、
図4及び
図5に示すフローチャートの説明と重複する内容を省略する。
【0069】
まず、上述の
図4に示すステップS101からステップS103と同様に、印刷ジョブの選択(ステップS201)、印刷ジョブの分散印刷の実行を指示(ステップS202)、及び、再分散印刷の許可判定(ステップS203)を実行する。
【0070】
再分散印刷が許可されていない場合(ステップS203のNO)、上述のステップS104と同様に、画像形成装置の台数pを取得する(ステップS204)。さらに、ジョブ分散計算モジュール817は、印刷設定反映モジュール821、記憶領域813等から、印刷ジョブのページ数Bを取得する(ステップS205)。そして、ジョブ分散計算モジュール817は、[ページ数B/台数p]によって画像形成装置1台当たりの印刷ページ数bを計算する(ステップS206)。
【0071】
ジョブ分割実行モジュール818は、ジョブ分散計算モジュール817が算出した印刷ページ数bごとに印刷ジョブを分割し、p個の分割ジョブを生成する(ステップS207)。そして、印刷ジョブ送信モジュール824が、分散印刷グループに登録されている各画像形成装置に分割ジョブを送信する(ステップS208)。
分割ジョブを送信後、本フローチャートによる処理を終了する。なお、ステップS204からステップS208は従来の分散印刷と同様の処理である。
【0072】
再分散印刷が許可されている場合(ステップS203のYES)、ジョブ分散計算モジュール817は、印刷設定モジュール820から印刷ジョブの分割単位T(ページ数)を取得する(ステップS209)。そして、ジョブ分散計算モジュール817は、分散印刷グループ管理モジュール811から分散印刷グループに登録されている画像形成装置の台数pを取得する(ステップS210)。さらに、ジョブ分散計算モジュール817は、印刷設定反映モジュール821、記憶領域813等から、印刷ジョブのページ数Bを取得する(ステップS211)。
【0073】
次に、ジョブ分散計算モジュール817は、[ページ数B/台数p]によって画像形成装置1台当たりの印刷ページ数bを計算する(ステップS212)。そして、ジョブ分割実行モジュール818は、ジョブ分散計算モジュール817が算出した印刷ページ数bごとに印刷ジョブを分割し、p個の分割ジョブ(一次分割ジョブ)を生成する(ステップS213)。
【0074】
次に、印刷設定モジュール820(印刷設定反映モジュール821、印刷設定変更モジュール822)は、分割したp個の一次分割ジョブに対し、プリンターでの排紙方向を、フェイスアップ印刷、又は、フェイスダウン印刷のいずれかに決定する(ステップS214)。そして、印刷設定モジュール820は、フェイスアップ印刷と決定した一次分割ジョブに対して正順印刷の指定を行い、フェイスアップ印刷と決定した一次分割ジョブに対して逆順印刷の指定を行う(ステップS215)。
【0075】
さらに、ジョブ分割実行モジュール818は、一次分割ジョブである1台当たりの印刷ページ数bを、分割単位のページ数Tごとに分割して分割ジョブ(二次分割ジョブ)を生成する(ステップS216)。そして、印刷ジョブ送信モジュール824は、分散印刷グループに登録されている各画像形成装置に、上記の排紙方向、ページ順に設定された二次分割ジョブを送信する(ステップS217)。
【0076】
次に、上述の
図4に示すステップS116からステップS120と同様に、分散印刷グループ以外の画像形成装置の状態監視(ステップS218)、分散印刷に追加可能な画像形成装置の判定(ステップS219)、分散印刷の終了判定(ステップS220)、分散印刷グループの各画像形成装置の印刷状況の確認(ステップS221)、及び、未印刷の二次分割ジョブがあるかどうかの判定(ステップS222)を実行する。
【0077】
未印刷の二次分割ジョブがある場合(ステップS222のYES)、ジョブ再分散処理モジュール819は、プリンター状態管理モジュール812が検出した画像形成装置を分散印刷グループに追加した場合に、ページ順が最大限につながるように各画像形成装置にへ再分散させる二次分割ジョブを計算する(ステップS223)。そして、ジョブ再分散処理モジュール819は、二次分割ジョブを再分散させない場合の完了時間(第1の完了時間)と、二次分割ジョブをページ順が最大限につながるように再分散して印刷(再分散印刷)した場合の完了時間(第2の完了時間)とを計算し、第1の完了時間に対する第2の完了時間(短縮時間)を算出する(ステップS224)。
【0078】
次に、上述の
図4に示すステップS123からステップS125と同様に、ユーザーによる再分散印刷の承認判定(ステップS225)、他の画像形成装置に移動させる二次分割ジョブの消去(ステップS226)、移動させる二次分割ジョブの各画像形成装置への再送信(ステップS227)を実行する。二次分割ジョブを再送信後は、ステップS218の処理に戻る。
未印刷の二次分割ジョブがない場合(ステップS222のNO)、分散印刷が終了した場合(ステップS220のYES)、又は、ユーザーが再分散印刷を承認しない場合(ステップS225のNO)は、本フローチャートによる処理を終了する。
【0079】
[ジョブ管理装置の分散印刷処理:ページ分割]
次に、上述の
図12及び
図13に示すフローチャートに示す処理による、印刷ジョブの分散印刷処理の具体例について
図14から
図17を用いて説明する。なお、ジョブ管理装置10における印刷ジョブの設定画面の表示態様については、上述の
図6、
図7、及び、
図11と同様である。
【0080】
例えば、ユーザーは、
図6に示す画面において、「ページ分散印刷」を選択し、表示された各項目を操作して分散印刷の条件設定を行う。そして、ユーザーは、
図7に示す画面において、印刷ジョブを、分散印刷205のページ分散印刷207の表示領域内にドラッグアンドドロップする。これにより、ジョブ管理装置10において分散印刷処理が行われる。
【0081】
また、
図4に示すフローチャートのステップS204からステップS208までの処理は、上述の
図8に示す構成において部数をページ数に置き換えることによって同様の分散印刷処理る処理をおなうことができる。このため、ステップS204からステップS208までの処理については、説明を省略する。
【0082】
(印刷ジョブの分散印刷:二次分割ジョブ)
図14に、
図12に示すフローチャートのステップS209からステップS217までの処理を説明するための図を示す。
図14では、分散印刷を行うのプリンター(分散印刷グループ)の台数pを、プリンターA、プリンターB、プリンターC、及び、プリンターDの4台とし、印刷ジョブのページ数Bを1000ページ、分割単位を50ページに設定した例である。
【0083】
ジョブ分散計算モジュール817は、プリンターの台数p(4台)と印刷ジョブのページ数B(1000ページ)を取得し、[B/p=1000/4]によって各プリンターに割り当てるページ数bを250ページと算出する。そして、ジョブ分割実行モジュール818は、印刷ジョブ(1000ページ)を、250ページずつ印刷する分割ジョブ(一次分割ジョブ)に分割する。すなわち、1000ページの印刷ジョブを、1~250ページを印刷する一次分割ジョブ、251~500ページを印刷する一次分割ジョブ、501~750ページを印刷する一次分割ジョブ、及び、751~1000ページを印刷する一次分割ジョブに分割する。
【0084】
次に、分割した各一次分割ジョブに対して、各プリンターでの排紙面の向きを設定する。ページ数の順序に従って、一次分割ジョブを交互にフェイスアップ印刷と、フェイスダウン印刷とに設定することが好ましい。例えば、
図14に示すように、1~250ページを印刷する一次分割ジョブをフェイスダウン印刷に指定し、1ページから250ページの順に印刷するように設定する。また、251~500ページを印刷する一次分割ジョブをフェイスアップ印刷に指定し、500ページから251ページの順に印刷するように設定るする。同様に、501~750ページを印刷する一次分割ジョブをフェイスダウン印刷に指定し、751~1000ページを印刷する一次分割ジョブをフェイスアップ印刷に指定する。このように、排紙面の向きを設定することにより、後述する印刷ジョブ(二次分割ジョブ)の再分散の際に、ページ順が最大限につながるように、二次分割ジョブを再分散させることが可能となる。印刷後に排紙された記録材のページ順の連続性を向上させ、ユーザによるソート作業を軽減することができる。
【0085】
さらに、ジョブ分割実行モジュール818は、一次分割ジョブ(250ページ)を分割単位として設定されたページ数Tの50ページごとに分割し、各プリンターごとに50ページの二次分割ジョブを5個生成する。すなわち、1~250ページを印刷する一次分割ジョブを、1~50ページを印刷する二次分割ジョブ、51~100ページを印刷する二次分割ジョブ、101~150ページを印刷する二次分割ジョブ、151~200ページを印刷する二次分割ジョブ、及び、201~250ページを印刷する二次分割ジョブに分割する。また、251~500ページを印刷する一次分割ジョブはフェイスアップ印刷に指定されているため、500~451ページを印刷する二次分割ジョブ、450~401ページを印刷する二次分割ジョブ、400~351ページを印刷する二次分割ジョブ、350~301ページを印刷する二次分割ジョブ、及び、300~251ページを印刷する二次分割ジョブに分割する。同様に、501~750ページを印刷する一次分割ジョブ(フェイスダウン印刷)、及び、751~1000ページを印刷する一次分割ジョブ(フェイスアップ印刷)についても、それぞれ排紙面の方向に従って、50ページごとの二次分割ジョブに分割する。
【0086】
さらに、印刷ジョブ送信モジュール824が分散印刷グループに登録されているプリンターA、プリンターB、プリンターC、及び、プリンターDに、一次分割ジョブの単位ごとに分割された50ページの二次分割ジョブを5個ずつ送信する。これにより、
図14示すように、合計1000ページの印刷ジョブが、各プリンターに50ページずつ5個の二次分割ジョブとして送信される。そして、各プリンターが50ページずつ5個の二次分割ジョブとして印刷を実行する。
【0087】
図14では、プリンターAに、1~50ページ、51~100ページ、101~150ページ、151~200ページ、及び、201~250ページを印刷する二次分割ジョブが、この順番に印刷されるように送信されている。また、プリンターBに、500~451ページ、450~401ページ、400~351ページ、350~301ページ、及び、300~251ページを印刷する二次分割ジョブが、この順番に印刷されるように送信されている。プリンターC、及び、プリンターDに対しても同様に、
図14に示す順番に印刷されるように二次分割ジョブが送信されている。
【0088】
(印刷ジョブの分散印刷:再分散処理)
次に、
図13に示すフローチャートのステップS218からステップS227までの処理を説明する。
図15に、ステップS218からステップS227までの処理を説明するための図を示す。なお、
図15では、上述の
図4と同様に分散印刷グループのプリンター台数pを4台、印刷ジョブのページ数Bを1000ページ、分割単位を50ページとしている。
【0089】
まず、上述の
図14に示すように分散印刷グループとして4台のプリンター(プリンターA、プリンターB、プリンターC、及び、プリンターD)に、50ページの二次分割ジョブが5個ずつ登録されている。この状態において、プリンター状態管理モジュール812が、分散印刷に追加可能なプリンターを検出した場合を
図15に示す。
【0090】
図15に示すように、新たに印刷ジョブを実行可能なプリンターEが検出された場合には、分散印刷グループ管理モジュール811が、分散印刷グループの各プリンターでの印刷の実行状態を確認する。そして、各プリンターにおいて、未実行の印刷ジョブ(二次分割ジョブ)がある場合には、ジョブ再分散処理モジュール819がプリンターEへ再分散させる二次分割ジョブを計算し、プリンターEに二次分割ジョブを再分散した場合の完了時間を計算する。さらに、メッセージ表示モジュール808が、ユーザーに対してプリンターEを分散印刷グループに追加した分散印刷(再分散印刷)を行うか確認するメッセージ(
図11参照)を表示装置905に表示する。
図11に示すメッセージ301において、ユーザーが再分散印刷を許可した場合には、
図15に示すように、プリンターEを分散印刷グループに追加する。このとき、分散印刷グループでは、交互に排紙面の向きを設定することが好ましいため、プリンターEには、フェイスダウン印刷が設定される。
【0091】
そして、プリンターA、プリンターB、プリンターC、及び、プリンターDからプリンターEに再分散する二次分割ジョブを、印刷ジョブキャンセルモジュール825がキャンセルする。さらに、印刷ジョブ送信モジュール824は、再分散する二次分割ジョブを各プリンターEに送信する。これにより、プリンターA、プリンターB、プリンターC、及び、プリンターDに登録されていた二次分割ジョブの一部が、プリンターEに送信される。
【0092】
図15に示す例では、プリンターA、プリンターB、プリンターC、及び、プリンターDに5個ずつ登録されていた二次分割ジョブから、それぞれ1個をプリンターEに再分散している。これにより、プリンターA、プリンターB、プリンターC、プリンターD、及び、プリンターEに、それぞれ4個の二次分割ジョブが登録されていた状態となる。従って、再分散後は、各プリンターが実行する二次分割ジョブが5個から4個に減少している。このため、二次分割ジョブの再分散によって、全ての印刷ジョブを完了するまでの時間を短縮することができる。
【0093】
また、
図15に示す例では、プリンターA、プリンターB、プリンターC、及び、プリンターDに5個ずつ登録されていた二次分割ジョブのうち、実行順序が最後の二次分割ジョブを、プリンターEに再分散している。具体的には、プリンターAから201~250ページを印刷する二次分割ジョブ、プリンターBから300~251ページを印刷する二次分割ジョブ、プリンターCから701~750ページを印刷する二次分割ジョブ、及び、プリンターDから800~751ページを印刷する二次分割ジョブを、プリンターEに再分散している。このとき、プリンターEにはフェイスダウン印刷が設定されているため、300~251ページを印刷する二次分割ジョブ、及び、800~751ページを印刷する二次分割ジョブは、251~300ページを印刷する二次分割ジョブ、及び、751~800ページを印刷する二次分割ジョブに、印刷順が変更される。
【0094】
また、プリンターA、プリンターB、プリンターC、及び、プリンターDにおいて、排紙面の向きが交互に設定されているため、実行順序が最後の二次分割ジョブは、プリンターAとプリンターBとでページ順が連続し、プリンターCとプリンターDとでページ順が連続する。このため、各プリンターから実行順序が最後の二次分割ジョブを再分散したプリンターEにおいて、201~250ページの印刷と251~300ページの印刷とは、ページ順が連続した印刷となる。さらに、701~750ページの印刷と751~800ページの印刷とは、ページ順が連続した印刷となる。また、プリンターEの印刷物(排紙)には、ページ順に1か所の切れ目が発生する。このため、ページ順の切れ目に白紙等を挿入させるように設定することが好ましい。ページ順の切れ目に白紙等を挿入することにより、ユーザーがページ順の切れ目であることを判別しやすくなる。
【0095】
このように、印刷ジョブを分散印刷グループの複数のプリンターに分散する際に、印刷ジョブを一次分割ジョブに分割し、さらに、一次分割ジョブを二次分割ジョブに分割することにより、分散印刷の実行開始後であっても、印刷ジョブの再分散を行うことができる。また、分散印刷グループに登録されたプリンターに対して、交互に排紙面の向きを設定することにより、ページ順が最大限につながるように再分散させることができる。このため、分散印刷の効率化が可能となる。
【0096】
(印刷ジョブの分散印刷:再分散処理の変形例)
次に、上述の
図15で説明する分散印刷処理の変形例について説明する。以下の分散印刷処理の変形例では、分散印刷を行うのプリンター(分散印刷グループ)の台数pを、プリンターA、プリンターB、及び、プリンターCの4台とし、二次分割ジョブを分散処理後にプリンターDが分散印刷グループに追加登録される例について説明する。
【0097】
まず、ジョブ分散計算モジュール817は、プリンターの台数p(3台)と印刷ジョブのページ数B(1000ページ)を取得し、[B/p=1000/3]によって各プリンターに割り当てるページ数bを算出する。このとき、ページ数bを算出では、一次分割ジョブのページ数が、分割単位Tで設定されている値(ここでは50ページ)の倍数となるように分割する必要がある。これは、上述の
図8に示す部数分散印刷の例や
図14に示すページ分散印刷の例においても同様である。
【0098】
また、各プリンターでの印刷ジョブの完了時間が均等になるように、[1000/3]に近い値で一次分割ジョブを生成することが好ましい。このため、
図16に示す例では印刷ジョブを、350ページ(1~350ページ)を印刷する一次分割ジョブ、350ページ(351~700ページ)を印刷する一次分割ジョブ、及び、300ページ(701~1000ページ)を印刷する一次分割ジョブに分割する。このように、分割単位Tの倍数に分割されていれば、各一次分割ジョブのページ数(部数)は、均等でなくてもよい。
【0099】
次に、分割した各一次分割ジョブに対して、各プリンターでの排紙面の向きを交互に設定する。
図16では、1~350ページを印刷する一次分割ジョブと、701~1000ページを印刷する一次分割ジョブとを、フェイスダウン印刷に設定している。また、351~700ページを印刷する一次分割ジョブをフェイスアップ印刷に設定、即ち、700~351ページを印刷する一次分割ジョブとしている。
【0100】
さらに、ジョブ分割実行モジュール818が、各一次分割ジョブを分割単位として設定されたページ数Tの50ページごとに分割して50ページごとの二次分割ジョブを生成する。例えば、1~350ページを印刷する一次分割ジョブを、1~50ページを印刷する二次分割ジョブ、51~100ページを印刷する二次分割ジョブ、101~150ページを印刷する二次分割ジョブ、151~200ページを印刷する二次分割ジョブ、201~250ページを印刷する二次分割ジョブ、251~300ページを印刷する二次分割ジョブ、及び、301~350ページを印刷する二次分割ジョブに分割する。351~700ページを印刷する一次分割ジョブ、及び、701~1000ページを印刷する一次分割ジョブに対しても、それぞれ排紙面の方向に従って、50ページごとの二次分割ジョブに分割する。
【0101】
さらに、印刷ジョブ送信モジュール824が分散印刷グループに登録されているプリンターA、プリンターB、及び、プリンターCに、それぞれ二次分割ジョブを送信する。これにより、
図16示すように、プリンターAに、1~50ページを印刷する二次分割ジョブ、51~100ページを印刷する二次分割ジョブ、101~150ページを印刷する二次分割ジョブ、151~200ページを印刷する二次分割ジョブ、201~250ページを印刷する二次分割ジョブ、251~300ページを印刷する二次分割ジョブ、及び、301~350ページを印刷する二次分割ジョブが送信される。同様に、プリンターB、及び、プリンターCにもそれぞれ二次分割ジョブが送信される。
そして、各プリンターが各二次分割ジョブの印刷を指示された順番に実行する。
【0102】
次に、新たに印刷ジョブを実行可能なプリンターDが検出された場合には、各プリンターでの未実行の印刷ジョブ(二次分割ジョブ)の確認、及び、ユーザーによる再分散印刷の許可を確認する。そして、プリンターDを分散印刷グループに追加し、ジョブ再分散処理モジュール819がプリンターDへ再分散させる二次分割ジョブを計算する。
【0103】
図16に示す例では、ページ順が最大限につながるように二次分割ジョブを再分散(二次分割ジョブのキャンセル、及び、送信)を実行する。例えば、プリンターAから実行順序が後順の3個の二次分割ジョブ、201~250ページ、251~300ページ、及び、301~350ページを印刷する二次分割ジョブをプリンターDに再分散している。さらに、プリンターBから実行順序が後順の2個の二次分割ジョブ、400~351ぺージ、及び、450~401ページを印刷する二次分割ジョブをプリンターDに再分散している。これにより、プリンターDには、201~250ページ、251~300ページ、、301~350ページ、並びに、351~400ぺージ、及び、401~450ページを印刷する二次分割ジョブが再分散される。すなわち、プリンターDには、201~450ページまでの連続したページ数で二次分割ジョブが再分散される。このため、プリンターDでは、再分散される二次分割ジョブを考慮して、フェイスダウン印刷が設定される。
【0104】
プリンターDに201~450ページまでの5個の二次分割ジョブを再分散した状態では、プリンターAに登録されている二次分割ジョブが4個、プリンターBに登録されている二次分割ジョブが5個、プリンターCに登録されている二次分割ジョブが6個である。このため、この状態では、各プリンターでの印刷ジョブの完了時間が均等にならない。
【0105】
そこで、上述のプリンターDへの二次分割ジョブの再分散に合わせて、プリンターA~Cの間でも、二次分割ジョブを再分散する。例えば、プリンターA~Cにおいて登録されている二次分割ジョブの数が均等になるように、最も二次分割ジョブの登録数が多いプリンターCから、最も二次分割ジョブの登録数が少ないプリンターAに、二次分割ジョブを再分散する。
図16では、プリンターCに登録された実行順序が最も後の951~1000ページを印刷する二次分割ジョブを、プリンターAに再分散している。これにより、各プリンターに登録された二次分割ジョブをが均等化され、全ての印刷ジョブを完了するまでの時間を短縮することができる。
【0106】
(印刷ジョブの分散印刷:再々分散処理)
次に、分散印刷グループにプリンターを追加した二次分割ジョブの再分散処理後に、さらに、分散印刷グループにプリンターを追加する二次分割ジョブの2度目の再分散(再々分散)処理の例について説明する。なお、この例では、上述の
図16に示す二次分割ジョブの再分散処理後における、2度目の再分散処理について説明する。このため、上述の説明と重複する説明は省略する。
【0107】
図17(a)に示す二次分割ジョブの再分散の例は、上述の
図16に示す二次分割ジョブの再分散の後に、さらに、分散印刷グループにプリンターEが追加される場合を示している。また、
図17(a)では、プリンターEに対して、プリンターAから951~1000ページを印刷する二次分割ジョブが再分散され、プリンターCから950~901ページ、900~851ページを印刷する二次分割ジョブが再分散されている。再分散される二次分割ジョブは、各プリンターに登録された二次分割ジョブの実行順序の後順から、ページ順が最大限につながるように選択される。
【0108】
図17(a)に示す状態では、プリンターAに登録される二次分割ジョブが4個、プリンターBに登録される二次分割ジョブが5個、プリンターCに登録される二次分割ジョブが3個、プリンターDに登録される二次分割ジョブが5個、プリンターEに登録される二次分割ジョブが3個である。このため、各プリンターに登録されている二次分割ジョブの数が均等ではなく、各プリンターの印刷ジョブの完了時間が均等にならない。
【0109】
そこで、
図17(b)に示すように、上述のプリンターEへの二次分割ジョブの再分散に合わせて、プリンターEが追加される前の分散印刷グループ内のプリンターA~Dの間でも、二次分割ジョブを再分散する。例えば、プリンターA~Cにおいて登録されている二次分割ジョブの数が均等になるように、最も二次分割ジョブの登録数が多いプリンターB及びプリンターDから、最も二次分割ジョブの登録数が少ないプリンターCに、二次分割ジョブを再分散する。
図17(b)では、プリンターDに登録された実行順序が最も後の401~450ページを印刷する二次分割ジョブを、プリンターCに再分散している。
【0110】
さらに、
図17(b)に示す例では、各プリンターに登録された二次分割ジョブをが均等化するために、二次分割ジョブを、さらに小さい分割単位に分割した三次分割ジョブを生成している。
図17(b)では、プリンターBに登録されている500~451ページを印刷する二次分割ジョブを、500~476ページを印刷する三次分割ジョブと、475~451ページを印刷する三次分割ジョブとに分割している。三次分割ジョブは、例えば、ジョブ分割管理モジュール816において、ジョブ分散計算モジュール817の計算を基に、ジョブ分割実行モジュール818が二次分割ジョブを分割する。
【0111】
そして、プリンターBに登録されている500~451ページを印刷する二次分割ジョブをキャンセルし、生成した475~451ページを印刷する三次分割ジョブを、プリンターBからプリンターCに再分散する。また、生成した500~476ページを印刷する三次分割ジョブをプリンターBに再分散する。
【0112】
これにより、各プリンターに登録された二次分割ジョブをが均等化され、全ての印刷ジョブを完了するまでの時間を短縮することができる。また、プリンターCにおいて、再分散(2度目)された401~450ページを印刷する二次分割ジョブと、451~475ページを印刷する二次分割ジョブとでは、ページ順が連続する。このため、排紙された記録材のページ順の連続性が向上し、ユーザによるソート作業を軽減することができる。
【0113】
なお、本発明は上述の実施形態例において説明した構成に限定されるものではなく、その他本発明の構成を逸脱しない範囲において種々の変形、変更が可能である。
【符号の説明】
【0114】
1 画像形成システム、2 ネットワーク、10 ジョブ管理装置、20 画像形成装置、101 設定名、102 名称、103 プリンター種、104 分割単位、105 プリンター一覧、201 受信ボックス、202 印刷ジョブ、203 印刷ジョブ群、204 プリンター、205 分散印刷、206 部数分散印刷、207 ページ分散印刷、301 メッセージ、801 パーソナルコンピュータ、802 オペレーティングシステム、803 ブラウザー、804 ワークフローアプリケーション、805 UI表示モジュール、806 ジョブ表示モジュール、807 プリンター表示モジュール、808 メッセージ表示モジュール、809 プリンター管理モジュール、810 プリンター情報管理モジュール、811 分散印刷グループ管理モジュール、812 プリンター状態管理モジュール、813 記憶領域、814 設定記憶領域、815 印刷設定記憶領域、816 ジョブ分割管理モジュール、817 ジョブ分散計算モジュール、818 ジョブ分割実行モジュール、819 ジョブ再分散処理モジュール、820 印刷設定モジュール、821 印刷設定反映モジュール、822 印刷設定変更モジュール、823 印刷ジョブ管理モジュール、824 印刷ジョブ送信モジュール、825 印刷ジョブキャンセルモジュール、900 制御部、901 CPU、902 ROM、903 RAM、904 通信I/F部、905 表示装置、906 記憶装置、907 入力装置