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特許7487685情報処理装置、情報処理方法、およびプログラム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-05-13
(45)【発行日】2024-05-21
(54)【発明の名称】情報処理装置、情報処理方法、およびプログラム
(51)【国際特許分類】
   G06Q 30/06 20230101AFI20240514BHJP
【FI】
G06Q30/06
【請求項の数】 20
(21)【出願番号】P 2021024128
(22)【出願日】2021-02-18
(65)【公開番号】P2022126201
(43)【公開日】2022-08-30
【審査請求日】2023-02-23
(73)【特許権者】
【識別番号】000003207
【氏名又は名称】トヨタ自動車株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002860
【氏名又は名称】弁理士法人秀和特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】松谷 慎太郎
【審査官】酒井 優一
(56)【参考文献】
【文献】特開2007-265285(JP,A)
【文献】特開2012-221213(JP,A)
【文献】特開2002-041901(JP,A)
【文献】特開2018-165963(JP,A)
【文献】特開2021-018633(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06Q 10/00-99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
定商品の発注をユーザから受け付けたタイミングで、前記ユーザの所有している前記特定商品の在庫量の推定値を取得することと、
取得された前記推定値が、前記ユーザが前記特定商品を発注すると想定される所定の閾値以上である場合、前記ユーザの所有している前記特定商品の現在の在庫量を確認するための処理を実行することと、
実行する制御部を備える、
報処理装置。
【請求項2】
前記推定値は、前記特定商品をセンシングするセンサが検出した前記特定商品の在庫量に関する検出値に基づく値である、
求項1に記載の情報処理装置。
【請求項3】
前記センサは、前記特定商品の重量を検出する重量センサである、
求項2に記載の情報処理装置。
【請求項4】
前記センサは、前記特定商品における非接触ICチップを読み取るセンサである、
求項2に記載の情報処理装置。
【請求項5】
前記特定商品の現在の在庫量の確認するための処理は、前記センサ、又は前記センサ以外の前記特定商品の在庫量に関する検出値を検出するセンサに対して前記特定商品の現在の在庫量の確認を指示することである、
求項2から4のいずれか一項に記載の情報処理装置。
【請求項6】
前記制御部は、前記ユーザの前記特定商品の発注履歴に基づいて前記推定値を推測することをに実行する、
求項1に記載の情報処理装置。
【請求項7】
前記特定商品の現在の在庫量の確認するための処理は、前記ユーザに対して前記特定商品の現在の在庫量の通知を依頼することである、
求項1から6のいずれか一項に記載の情報処理装置。
【請求項8】
コンピュータが実行する情報処理方法であって、
定商品の発注をユーザから受け付けたタイミングで、前記ユーザの所有している前記特定商品の在庫量の推定値を取得することと、
取得された前記推定値が、前記ユーザが前記特定商品を発注すると想定される所定の閾値以上である場合、前記ユーザの所有している前記特定商品の現在の在庫量を確認するための処理を実行することと、
含む、
報処理方法。
【請求項9】
前記推定値は、前記特定商品をセンシングするセンサが検出した前記特定商品の在庫量に関する検出値に基づく値である、
求項8に記載の情報処理方法。
【請求項10】
前記センサは、前記特定商品の重量を検出する重量センサである、
求項9に記載の情報処理方法。
【請求項11】
前記センサは、前記特定商品における非接触ICチップを読み取るセンサである、
求項9に記載の情報処理方法。
【請求項12】
前記特定商品の現在の在庫量の確認するための処理は、前記センサ、又は前記センサ以外の前記特定商品の在庫量に関する検出値を検出するセンサに対して前記特定商品の現在の在庫量の確認を指示することである、
求項9から11のいずれか一項に記載の情報処理方法。
【請求項13】
前記ユーザの前記特定商品の発注履歴に基づいて前記推定値を推測することをに含む、
求項8に記載の情報処理方法。
【請求項14】
前記特定商品の現在の在庫量の確認するための処理は、前記ユーザに対して前記特定商品の現在の在庫量の通知を依頼することである、
求項8から13のいずれか一項に記載の情報処理方法。
【請求項15】
情報処理方法をコンピュータに実行させるプログラムであって、
前記情報処理方法は、
定商品の発注をユーザから受け付けたタイミングで、前記ユーザの所有している前記特定商品の在庫量の推定値を取得することと、
取得された前記推定値が、前記ユーザが前記特定商品を発注すると想定される所定の閾値以上である場合、前記ユーザの所有している前記特定商品の現在の在庫量を確認するための処理を実行することと、
含む、
ログラム。
【請求項16】
前記推定値は、前記特定商品をセンシングするセンサが検出した前記特定商品の在庫量に関する検出値に基づく値である、
求項15に記載のプログラム。
【請求項17】
前記センサは、前記特定商品の重量を検出する重量センサである、
求項16に記載のプログラム。
【請求項18】
前記特定商品の現在の在庫量の確認するための処理は、前記センサ、又は前記センサ以外の前記特定商品の在庫量に関する検出値を検出するセンサに対して前記特定商品の現在の在庫量の確認を指示することである、
求項16または17に記載のプログラム。
【請求項19】
前記情報処理方法は、前記ユーザの前記特定商品の発注履歴に基づいて前記推定値を推測することをに含む、
求項15に記載のプログラム。
【請求項20】
前記特定商品の現在の在庫量の確認するための処理は、前記ユーザに対して前記特定商品の現在の在庫量の通知を依頼することである、
求項15から19のいずれか一項に記載のプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、情報処理装置、情報処理方法、およびプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、店舗情報処理装置が開示されている。特許文献1に開示されている店舗情報処理装置は、購買履歴から算出した特定分類の商品の購入周期から顧客の特定分類の商品の次回購買日を予測する。そして、店舗情報処理装置は、次回購買日が近づくと特定分類の商品の購買を促す情報を顧客に通知する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2003-132258号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本開示は、ユーザが有する特定商品の在庫量の正確な管理を行うことを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本開示の第1の態様に係る情報処理装置は、
ユーザが有する特定商品の発注を前記ユーザから受け付けたタイミングで、前記特定商品の在庫量の推定値を取得することと、
取得された前記推定値が、前記ユーザが前記特定商品を発注すると想定される所定の閾値以上である場合、前記特定商品の現在の在庫量を確認するための処理を実行することと、
を実行する制御部を備える。
【0006】
本開示の第2の態様に係る情報処理方法は、
コンピュータが実行する情報処理方法であって、
ユーザが有する特定商品の発注を前記ユーザから受け付けたタイミングで、前記特定商品の在庫量の推定値を取得することと、
取得された前記推定値が、前記ユーザが前記特定商品を発注すると想定される所定の閾値以上である場合、前記特定商品の現在の在庫量を確認するための処理を実行することと、
を含む。
【0007】
本開示の第3の態様に係るプログラムは、
情報処理方法をコンピュータに実行させるプログラムであって、
前記情報処理方法は、
ユーザが有する特定商品の発注を前記ユーザから受け付けたタイミングで、前記特定商品の在庫量の推定値を取得することと、
取得された前記推定値が、前記ユーザが前記特定商品を発注すると想定される所定の閾値以上である場合、前記特定商品の現在の在庫量を確認するための処理を実行することと、
を含む。
【発明の効果】
【0008】
本開示により、ユーザが有する特定商品の在庫量の正確な管理を行うことが可能となる
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】第1実施形態における管理システムの概略構成を示す図である。
図2】第1実施形態における管理サーバの機能構成の一例を概略的に示すブロック図である。
図3】在庫データベースに格納されている在庫情報のテーブル構成の一例を示す図である。
図4】確認処理のフローチャートである。
図5】第2実施形態における管理システムの概略構成を示す図である。
図6】第2実施形態における管理サーバの機能構成の一例を概略的に示すブロック図である。
図7】履歴データベースに格納されている履歴情報のテーブル構成の一例を示す図である。
図8】推測処理のフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0010】
本開示の第1の態様に係る情報処理装置は、ユーザが有する特定商品の在庫量の管理を行う情報処理装置である。情報処理装置は、特定商品の在庫量の推定値(以下、単に「推定値」と称する場合がある。)に基づいて、特定商品の在庫量の管理を行う。ここで、推定値は、例えば、特定商品をセンシングするセンサによって検出された特定商品の在庫量に関する検出値に基づく値である。また、推定値は、例えば、ユーザによる特定商品の発注履歴に基づいて推測した特定商品の在庫量に基づく値である。
【0011】
このとき、推定値が、ユーザが有している特定商品の実際の在庫量と異なっている場合がある。この場合において、特定商品の実際の在庫量が、推定値よりも少なくなってしまうことが想定される。そうすると、推定値においては特定商品の在庫量は十分であるのにも関わらず、特定商品の実際の在庫量が少ないためにユーザが特定商品の発注を行うことが想定される。情報処理装置は、特定商品の発注をユーザから受け付けることにより、特定商品の実際の在庫量が少なくなっていることを把握することができる。
【0012】
そこで、情報処理装置における制御部は、特定商品の発注をユーザから受け付けたタイミングで、推定値を取得する。そして、情報処理装置における制御部は、取得した推定値が所定の閾値以上である場合、特定商品の現在の在庫量を確認するための処理を実行する。ここで、特定商品の現在の在庫量を確認するための処理は、例えば、特定商品の在庫量に関する検出値を検出するセンサに対して特定商品の現在の在庫量の確認を指示することである。また、特定商品の現在の在庫量を確認するための処理は、例えば、ユーザに対して特定商品の現在の在庫量の通知を依頼することである。ここで、所定の閾値は、ユーザが特定商品を発注すると想定される特定商品の在庫量である。
【0013】
以上説明したように、推定値に誤りがある場合がある。そのため、情報処理装置が管理している特定商品の在庫量(推定値)は十分であるのにも関わらず、特定商品の実際の在庫量が少なくなっているため、ユーザが特定商品を発注する場合がある。この場合において、情報処理装置は、特定商品の現在の在庫量を確認するための処理を実行する。これにより、情報処理装置は、センサによって確認された、またはユーザによって通知された特定商品の現在の在庫量を取得することが可能となる。そうすると、情報処理装置が誤った推定値に基づいて特定商品の在庫量の管理をすることが抑制される。その結果、ユーザが有する特定商品の在庫量の正確な管理を行うことが可能となる。
【0014】
以下、本開示の具体的な実施形態について図面に基づいて説明する。本実施形態に記載
されている構成部品の寸法、材質、形状、および、その相対配置等は、特に記載がない限りは本開示の技術的範囲をそれらのみに限定する趣旨のものではない。
【0015】
<第1実施形態>
(システムの概要)
本実施形態における管理システム1について、図1に基づいて説明する。図1は、本実施形態における管理システム1の概略構成を示す図である。管理システム1は、ユーザ端末100とセンサ200と管理サーバ300とを含んで構成される。管理システム1においては、ユーザ端末100とセンサ200と管理サーバ300とがネットワークN1によって相互に接続される。ネットワークN1には、例えば、インターネット等の世界規模の公衆通信網であるWAN(Wide Area Network)または、携帯電話等の電話通信網が採用されてもよい。
【0016】
(センサ)
センサ200は、ユーザ10の有する特定商品をセンシングし、特定商品の在庫量を検出するセンサである。センサ200は、例えば、ユーザ10の自宅に設けられており、ユーザ10の自宅に存在する特定商品の在庫量を検出する。また、本実施形態においては、センサ200は、特定商品の重量を検出値として検出する重量センサである。この場合において、センサ200は、ネットワークN1を経由して、特定商品の重量を特定商品の在庫量として管理サーバ300に送信する。なお、特定商品は、所定の場所に存在する商品であればよく、必ずしも、ユーザ10の自宅に存在する商品でなくてもよい。特定商品は、例えば、ユーザ10の職場に存在する商品であってもよい。
【0017】
(管理サーバ)
管理サーバ300は、ユーザ10が有する特定商品(以下、単に「特定商品」と称する場合がある。)の在庫量の管理を行うサーバ装置である。また、管理サーバ300は、特定商品の発注をユーザ10から受け付けるサーバ装置である。
【0018】
管理サーバ300は、センサ200から受信した特定商品の重量(以下、「第1在庫量」と称する場合がある。)に基づいて、特定商品の在庫量の管理を行う。つまり、管理サーバ300は、センサ200から受信した特定商品の重量を特定商品の在庫量の推定値として、該推定値に基づいて特定商品の在庫量の管理を行う。
【0019】
管理サーバ300は、第1在庫量が所定の閾値よりも少なくなった場合には、ユーザ10に特定商品の発注を提案する通知をユーザ10に対して行う。具体的には、管理サーバ300は、ネットワークN1を経由して、ユーザ10に特定商品の発注を提案する情報(以下、「提案情報」と称する場合がある。)をユーザ端末100に送信する。ここで、所定の閾値は、ユーザ10が特定商品の発注を行うと想定される特定商品の在庫量である。
【0020】
ここで、例えば、センサ200にセンシングエラーが生じ、センサ200が誤った重量を検出してしまう場合が想定される。また、例えば、センサ200が特定商品以外の重量を検出してしまうことによって、誤った重量が検出される場合が想定される。これにより、管理サーバ300が把握している第1在庫量が、ユーザ10が有する特定商品の実際の在庫量(以下、「第2在庫量」と称する場合がある。)と異なっている場合が想定される。つまり、ユーザ10が有していると管理サーバ300が推定している特定商品の在庫量(第1在庫量)が第2在庫量と異なっている場合が想定される。この場合において、第1在庫量が十分であるにも関わらず、第2在庫量が少なくなってしまったことによりユーザ10が特定商品の発注を行うことが想定される。
【0021】
そこで、管理サーバ300は、第1在庫量が十分であるにも関わらず、特定商品の発注
をユーザ10から受け付けた場合に、特定商品の現在の在庫量の確認の指示をセンサ200に対して行う。そうすると、センサ200は、特定商品の重量を改めて検出する。このように、センサ200が特定商品の誤った重量を検出したタイミングとは異なるタイミングで特定商品の重量を検出することによって、センサ200が特定商品の誤った重量を検出することが抑制される。なお、本実施形態における第1在庫量が、本開示に係る「特定商品の在庫量の推定値」に相当する。
【0022】
管理サーバ300は、プロセッサ310、主記憶部320、補助記憶部330、および通信インタフェース(通信I/F)340を有するコンピュータを含んで構成される。プロセッサ310は、例えば、CPU(Central Processing Unit)またはDSP(Digital Signal Processor)である。主記憶部320は、例えば、RAM(Random Access Memory)である。補助記憶部330は、例えば、ROM(Read Only Memory)である。また、補助記憶部330は、例えば、HDD(Hard Disk Drive)、またはCD-ROM、DVDディスク、もしくはブルーレイディスクのようなディスク記録媒体である。また、補助記憶部330は、リムーバブルメディア(可搬記憶媒体)であってもよい。ここで、リムーバブルメディアとして、例えば、USBメモリまたはSDカードが例示される。通信I/F340は、例えば、LAN(Local Area Network)インターフェースボード、または無線通信のための無線通信回路である。
【0023】
管理サーバ300において、補助記憶部330には、オペレーティングシステム(OS)、各種プログラム、および各種情報テーブル等が格納されている。また、管理サーバ300において、プロセッサ310が、補助記憶部330に記憶されたプログラムを主記憶部320にロードして実行することによって、後述するような各種の機能を実現することができる。ただし、管理サーバ300における一部または全部の機能はASICまたはFPGAのようなハードウェア回路によって実現されてもよい。なお、管理サーバ300は、必ずしも単一の物理的構成によって実現される必要はなく、互いに連携する複数台のコンピュータによって構成されてもよい。なお、センサ200は、管理サーバ300と同様、コンピュータを含んで構成される。また、本実施形態における管理サーバ300が、本開示に係る「情報処理装置」に相当する。
【0024】
(ユーザ端末)
ユーザ端末100は、ユーザ10に関連する端末である。ユーザ端末100は、ユーザ10が使用するコンピュータ、または携帯情報端末等である。ユーザ10は、第2在庫量が少なくなると、ユーザ端末100を使用して特定商品の発注を行う。また、ユーザ端末100は、提案情報を管理サーバ300から受信すると、特定商品の発注を行うことを提案する表示を表示する。これにより、ユーザ10は、特定商品の発注を行うことを促され、特定商品の発注を行う。ユーザ10がユーザ端末100を使用して特定商品の発注を行うと、ユーザ端末100は、ネットワークN1を経由して、特定商品を発注するための情報(以下、「発注情報」と称する場合がある。)を管理サーバ300に送信する。管理サーバ300は、発注情報をユーザ10から受信することにより、特定商品の発注をユーザ10から受け付ける。
【0025】
(機能構成)
次に、本実施形態における管理システム1を構成する、管理サーバ300の機能構成について図2に基づいて説明する。図2は、本実施形態における管理サーバ300の機能構成の一例を概略的に示すブロック図である。
【0026】
管理サーバ300は、制御部301、通信部302、および在庫データベース303(在庫DB303)を含んで構成される。制御部301は、管理サーバ300を制御するた
めの演算処理を行う機能を有する。制御部301は、管理サーバ300におけるプロセッサ310によって実現できる。通信部302は、管理サーバ300をネットワークN1に接続する機能を有する。通信部302は、管理サーバ300における通信I/F340によって実現できる。
【0027】
在庫DB303は、特定商品の在庫に関する在庫情報を格納するためのデータベースである。在庫DB303は、管理サーバ300における補助記憶部330によって実現できる。制御部301は、通信部302によって、一定の期間ごとに繰り返し特定商品の重量をセンサ200から受信する。制御部301は、特定商品の重量に基づいて、在庫情報を生成し、在庫DB303に格納する。このとき、在庫DB303に在庫情報が既に格納されている場合には、既存の在庫情報を新たに生成した在庫情報に置き換える。
【0028】
図3は、在庫DB303に格納されている在庫情報のテーブル構成の一例を示す図である。図3に示すように、在庫情報は、ユーザIDフィールド、商品IDフィールド、および第1在庫量フィールドを有する。ユーザIDフィールドには、ユーザ10を特定するための識別子(ユーザID)が入力される。商品IDフィールドには、商品を特定するための識別子(商品ID)が入力される。ここで、商品IDフィールドには、特定商品に対応する商品IDが入力される。第1在庫量フィールドには、センサ200から受信した特定商品の重量が第1在庫量として入力される。
【0029】
制御部301は、通信部302によって、発注情報を受信する。制御部301は、発注情報を受信すると、在庫DB303から第1在庫量を取得する。そして、制御部301は、所定の判別処理を実行する。所定の判別処理は、第1在庫量が所定の閾値以上であるか否かを判別する処理である。所定の判別処理において肯定判定がされた場合、制御部301は、在庫DB303に格納されている在庫情報に誤りがあり、第1在庫量が十分であるにも関わらず、第2在庫量が少なくなっていることを把握することができる。そこで、情報処理装置は、所定の判別処理において肯定判定がされた場合、制御部301は、通信部302を経由して、特定商品の現在の在庫量の確認を指示するための情報(以下、「指示情報」と称する場合がある。)をセンサ200に送信する。
【0030】
(確認処理)
次に、本実施形態に係る管理システム1において、管理サーバ300における制御部301によって実行される確認処理について、図4に基づいて説明する。図4は、確認処理のフローチャートである。確認処理は、第1在庫量に誤りがあるか否かを判別し、第1在庫量に誤りがある場合に特定商品の現在の在庫量を確認するための処理を行う処理である。確認処理は、管理サーバ300がセンサ200から発注情報を受信すると実行される。つまり、特定商品の発注をユーザ10から受け付けたとき、制御部301は、確認処理の実行を開始する。
【0031】
確認処理においては、まずS101において、第1在庫量が在庫DB303に格納されている在庫情報から取得される。次に、S102において、所定の判別処理が実行される。つまり、第1在庫量が所定の閾値以上であるか否かの判別が行われる。S102において、否定判定がされた場合、第1在庫量は所定の閾値以下である。つまり、第1在庫量と第2在庫量とは、共に、ユーザ10が特定商品を発注すると想定される在庫量である。そのため、確認処理は終了される。
【0032】
また、S102において、肯定判定がされた場合、制御部301は、第1在庫量に誤りがあることを把握することができる。そこで、S103において、特定商品の現在の在庫量を確認するために、指示情報がセンサ200に送信される。そして、確認処理は終了される。
【0033】
センサ200は、指示情報を管理サーバ300から受信すると、特定商品の重量を検出し、該重量を管理サーバ300に送信する。そして、管理サーバ300は、センサ200が改めて検出した特定商品の重量に基づいて、在庫情報を生成し、在庫DB303に格納する。つまり、管理サーバ300は、在庫情報における特定商品の誤った在庫量(重量)を、センサ200が改めて検出した特定商品の重量に更新する。
【0034】
以上説明したように、所定の判別処理において肯定判定がされた場合、指示情報がセンサ200に送信される。これにより、管理サーバ300は、第1在庫量に誤りがある場合に、センサ200が改めて検出した特定商品の重量をセンサ200から受信することができる。これにより、管理サーバ300は、センサ200が改めて検出した特定商品の重量に基づいて、在庫情報を修正することができる。そうすると、管理サーバ300が特定商品の誤った在庫量に基づいて特定商品の在庫量を管理することが抑制される。その結果、特定商品の在庫量の正確な管理を行うことが可能となる。
【0035】
(変形例)
なお、本実施形態においては、センサ200は、特定商品の重量を検出する重量センサである。しかしながら、センサ200は、特定商品をセンシングし、特定商品の在庫量に関する検出値を検出するセンサであれば、必ずしも、重量センサでなくてもよい。センサ200は、例えば、特定商品における非接触ICチップを読み取るセンサであってもよい。この場合において、センサ200は、特定商品に設けられたRF(Radio Frequency)タグを読み取るRFID(Radio Frequency IDentifier)リーダによって実現できる。センサ200は、特定商品のRFタグを読み取ることによって特定商品の個数を検出する。そして、センサ200は、特定商品の個数を特定商品の在庫量として管理サーバ300に送信する。
【0036】
また、本実施形態における確認処理では、管理サーバ300は、所定の判別処理において肯定判定がされた場合、指示情報をセンサ200に送信する。しかしながら、管理サーバ300は、確認処理において所定の判別がされた場合、必ずしも、指示情報をセンサ200に送信しなくてもよい。管理サーバ300は、指示情報をセンサ200に送信する代わりに、依頼情報をユーザ端末100に送信してもよい。ここで、依頼情報は、ユーザに対して特定商品の在庫量の通知を依頼するための情報である。この場合において、依頼情報を受信したユーザ端末100は、特定商品の現在の在庫量を通知することをユーザ10に依頼するための表示を行う。この表示により、ユーザ10は、特定商品の現在の在庫量を管理サーバ300に通知することを促される。ユーザ10は、特定商品の現在の在庫量(第2在庫量)をユーザ端末100に入力する。ユーザ端末100は、入力された第2在庫量を管理サーバ300に送信する。このようにしても、管理サーバ300は、特定商品の在庫量の正確な管理を行うことが可能となる。
【0037】
また、管理サーバ300は、確認処理における所定の判別処理において肯定判定がされた場合、ユーザ端末100およびセンサ200それぞれに、指示情報と依頼情報とを送信してもよい。これにより、センサ200による特定商品の現在の在庫量の送信と、ユーザ10による特定商品の現在の在庫量の通知と、の両方が行われる。その結果、管理サーバ300は、ユーザ端末100とセンサ200とのどちらか一方に指示情報を送信する場合よりも、正確な特定商品の在庫量を把握することが可能となる。
【0038】
また、指示情報は、特定商品をセンシングして特定商品の在庫量に関する検出値を検出するセンサ200以外のセンサ(以下、「別センサ」と称する場合がある。)に送信されてもよい。この場合において、別センサは、指示情報を受信すると特定商品の現在の在庫量を確認する。そして、別センサは、確認した特定商品の現在の在庫量を管理サーバ30
0に送信する。このようにしても、特定商品の現在の在庫量を検出することが可能となる。また、センサ200によって再び誤った特定商品の重量が検出される場合であっても、管理サーバ300は、別センサによって正しい特定商品の在庫量に関する検出値を取得することができる。その結果、管理サーバ300は、正確な特定商品の在庫量を把握することが可能となる。
【0039】
<第2実施形態>
本実施形態においては、管理サーバ300は、ユーザ10の特定商品の発注履歴に基づいて、特定商品の在庫量を推測する。そして、管理サーバ300は、推測した特定商品の在庫量に基づいて、特定商品の在庫量の管理を行う。つまり、管理サーバ300は、推測した特定商品の在庫量を特定商品の在庫量の推定値として、該推定値に基づいて特定商品の在庫量の管理を行う。以下、第1実施形態と異なる点のみを説明する。
【0040】
本実施形態における管理システム2について、図5に基づいて説明する。図5は、本実施形態における管理システム2の概略構成を示す図である。管理システム2は、ユーザ端末100と管理サーバ300とを含んで構成される。
【0041】
図6は、本実施形態における管理サーバ300の機能構成の一例を概略的に示すブロック図である。本実施形態における管理サーバ300は、制御部301、通信部302、在庫DB303、および履歴データベース304(履歴DB304)を含んで構成される。履歴DB304は、ユーザ10の特定商品の発注履歴に関する履歴情報を格納するためのデータベースである。履歴DB304は、管理サーバ300における補助記憶部330によって実現できる。
【0042】
図7は、履歴DB304に格納されている履歴情報のテーブル構成の一例を示す図である。図7に示すように、履歴情報は、ユーザIDフィールド、商品IDフィールド、日時フィールド、および発注量フィールドを有する。ユーザIDフィールドおよび商品IDフィールドにはそれぞれ、ユーザIDと商品IDとが入力される。また、商品IDフィールドには、特定商品に対応する商品IDが入力される。日時フィールドには、商品IDフィールドに入力されている商品IDに対応する特定商品が発注された日時が入力される。具体的には、制御部301は、ユーザ端末100が発注情報を送信した日時を日時フィールドに入力する。なお、ユーザ10が複数回特定商品の発注を行った場合、日時フィールドには日時が複数入力される。発注量フィールドには、日時フィールドに入力されている日時においてユーザ10が特定商品を発注した際の特定商品の発注量が入力される。
【0043】
制御部301は、履歴DB304に格納されている履歴情報に基づいて、ユーザ10が有する特定商品の在庫量を推測する。具体的には、制御部301は、履歴情報に基づいて、ユーザ10が過去に特定商品を発注した日時と、その際の特定商品の発注量とを取得する。そして、ユーザ10が過去に特定商品を発注した日時と、その際の特定商品の発注量とに基づいて、特定商品の一日当たりの消費量を算出する。また、制御部301は、履歴情報に基づいて、ユーザ10が最後に特定商品を発注した日時からの経過日数を算出する。制御部301は、特定商品の一日当たりの消費量と、経過日数と、に基づいて、ユーザ10が最後に特定商品を発注してからの特定商品の消費量を算出する。制御部301は、ユーザ10が最後に特定商品を発注した際の特定商品の発注量と、算出した特定商品の消費量と、に基づいて、特定商品の在庫量を第1在庫量として推測する。制御部301は、推測した第1在庫量に基づいて在庫情報を生成し、在庫DB303に在庫情報を格納する。
【0044】
なお、履歴情報に基づいてユーザ10が有する特定商品の在庫量を推測する方法は、上述の方法に限られない。履歴情報に基づいてユーザ10が有する特定商品の在庫量を推測
する方法として、公知の方法を採用することができる。
【0045】
(推測処理)
次に、本実施形態に係る管理システム1において、管理サーバ300における制御部301によって実行される推測処理について、図8に基づいて説明する。図8は、推測処理のフローチャートである。推測処理は、特定商品の在庫量を推測するための処理である。推測処理は、一定の期間ごとに繰り返し実行される。
【0046】
推測処理においては、まずS201において、履歴情報が履歴DB304から取得される。次に、S202おいて、取得された履歴情報に基づいて、特定商品の消費量が算出される。そして、S203において、ユーザ10が最後に特定商品を発注した際の特定商品の発注量と、特定商品の消費量と、に基づいて、第1在庫量が推測される。次に、S204において、推測された第1在庫量に基づいて、在庫情報が生成され、在庫DB303に格納される。そして、推測処理は終了される。
【0047】
以上説明したように、管理サーバ300は、履歴情報に基づいて、ユーザ10が有する特定商品の在庫量を第1在庫量として推測する。そして、管理サーバ300は、推測した第1在庫量に基づいて、特定商品の在庫量の管理を行う。そうすると、特定商品の消費量の変化等により、第1在庫量が第2在庫量と異なってしまう場合がある。そこで、管理サーバ300は、ユーザ端末100から発注情報を受信すると、確認処理を実行する。確認処理における所定の判別処理において肯定判定がされた場合には、管理サーバ300は、依頼情報をユーザ端末100に送信する。これにより、管理サーバ300は、ユーザ10によって通知された特定商品の現在の在庫量を取得することが可能となる。このようにして、管理サーバ300が特定商品の誤った在庫量に基づいて、特定商品の在庫量を管理することが抑制される。その結果、特定商品の在庫量の正確な管理を行うことが可能となる。
【0048】
(変形例)
なお、本実施形態においては、管理システム2は、センサ200を含んでいない。しかしながら、管理システム2は、管理システム1と同様に、センサ200を含んでいてもよい。この場合において、管理サーバ300は、確認処理における所定の判別処理において肯定判定がされると、指示情報をセンサ200に送信する。これにより、管理サーバ300は、センサ200が確認した特定商品の現在の在庫量を取得することが可能となる。このようにしても、特定商品の在庫量の正確な管理を行うことが可能となる。
【0049】
<その他の実施形態>
上述の実施形態はあくまでも一例であって、本開示はその要旨を逸脱しない範囲内で適宜変更して実施し得る。また、本開示において説明した処理および手段は、技術的な矛盾が生じない限りにおいて、自由に組み合わせて実施することができる。
【0050】
また、1つの装置が行うものとして説明した処理が、複数の装置によって分担して実行されてもよい。あるいは、異なる装置が行うものとして説明した処理が、1つの装置によって実行されても構わない。コンピュータシステムにおいて、各機能をどのようなハードウェア構成(サーバ構成)によって実現するかは柔軟に変更可能である。
【0051】
本開示は、上記の実施形態で説明した機能を実装したコンピュータプログラムをコンピュータに供給し、当該コンピュータが有する1つ以上のプロセッサがプログラムを読み出して実行することによっても実現可能である。このようなコンピュータプログラムは、コンピュータのシステムバスに接続可能な非一時的なコンピュータ可読記憶媒体によってコンピュータに提供されてもよいし、ネットワークを介してコンピュータに提供されてもよ
い。非一時的なコンピュータ可読記憶媒体は、例えば、磁気ディスク(フロッピー(登録商標)ディスク、またはハードディスクドライブ(HDD)等)、光ディスク(CD-ROM、DVDディスク、またはブルーレイディスク等)など任意のタイプのディスク、読み込み専用メモリ(ROM)、ランダムアクセスメモリ(RAM)、EPROM、EEPROM、磁気カード、フラッシュメモリ、または光学式カードのような、電子的命令を格納するために適した任意のタイプの媒体を含む。
【符号の説明】
【0052】
1、2・・管理システム
100・・ユーザ端末
200・・センサ
300・・管理サーバ
301・・制御部
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8