(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-05-13
(45)【発行日】2024-05-21
(54)【発明の名称】溶接装置
(51)【国際特許分類】
H02K 15/04 20060101AFI20240514BHJP
B23K 37/00 20060101ALI20240514BHJP
B23K 9/038 20060101ALI20240514BHJP
B23K 9/00 20060101ALI20240514BHJP
【FI】
H02K15/04 E
B23K37/00 A
B23K9/038 A
B23K9/00 501N
(21)【出願番号】P 2021092370
(22)【出願日】2021-06-01
【審査請求日】2023-07-11
(73)【特許権者】
【識別番号】000004260
【氏名又は名称】株式会社デンソー
(74)【代理人】
【識別番号】110003214
【氏名又は名称】弁理士法人服部国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】原田 智樹
(72)【発明者】
【氏名】浅野 晨平
【審査官】保田 亨介
(56)【参考文献】
【文献】特開2015-171260(JP,A)
【文献】特開2016-103880(JP,A)
【文献】特開2019-129562(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B23K9/00
9/02-9/038
31/00-33/00
37/00-37/08
H02K15/00-15/02
15/04-15/16
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
溶接のための空間(47)を有する基台(5)と、
前記基台に隣接する位置に設けられ、ワーク(2)に対し垂直方向に接近及び離間可能な溶接トーチを含む溶接ユニット(10)と、
前記溶接トーチのアプローチのための穴(48、49)を形成し、前記基台に対し脱着可能及び前記ワークの種類に応じて交換可能な治具本体(42)と、
前記治具本体に回動可能に支持され、ワークの被溶接部に当接可能な外電極(33)と、
前記治具本体に回動可能に支持され、ワークの被溶接部に当接可能な内電極(53)と、
ワークを載置可能であって
、ワークを上下移動可能かつ回転可能な昇降ユニット(12)と、を備える溶接装置。
【請求項2】
前記外電極は、ワークの被溶接部に当接可能な径内方向に延びる内爪(331)を有する請求項1に記載の溶接装置。
【請求項3】
前記基台は、ワークの被溶接部に前記内爪を当接して前記被溶接部を仮固定す
る外電極稼働用シリンダ(26)を備える請求項2に記載の溶接装置。
【請求項4】
前記内電極は、ワークの被溶接部に当接可能な径外方向に延びる外爪(531)を有する請求項1から3のいずれか一項に記載の溶接装置。
【請求項5】
前記基台は、ワークの被溶接部に前記外爪を当接して前記被溶接部を仮固定する内電極稼働用サーボモータ(21)を備える請求項4に記載の溶接装置。
【請求項6】
前記治具本体は、前記外爪による定圧を作用または解除する内電極定圧チャック及びアンチャック用揺動レバー(30)を備える請求項4又は5に記載の溶接装置。
【請求項7】
前記基台は、ワークに当接可能なカムフォロワ(37)、及び前記カムフォロワに動力を伝達するワーク位置決め用サーボモータ(23)を備える請求項1から6のいずれか一項に記載の溶接装置。
【請求項8】
前記基台は、ワークに当接可能な回転止め用爪(36)、及び前記回転止め用爪に動力を伝達するワーク回転方向決め用シリンダ(28)を備える請求項1から7のいずれか一項に溶接装置。
【請求項9】
前記基台は、前記治具本体に回動可能に支持される外電極を案内する外電極稼働用ガイドレール(35)を備える請求項1から8のいずれか一項に記載の溶接装置。
【請求項10】
さらに、前記昇降ユニットに溶接前のワークを搬入及び溶接後のワークを搬出する搬出入部(
3)を備える、請求項1から9のいずれか一項に記載の溶接装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、回転電機の巻線を形成させる溶接装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、回転電機のステータコアを製造するとき用いる溶接では、ワークに対して動力線と呼ばれる部品をアーク溶接を用いて接合する。ワークに対して水平方向に駆動させる電極により被溶接部をチャックすることで溶接を行う。
溶接の品質を担保するため、被溶接部を定寸で挟み、溶接位置を仮固定し、定圧で押すことで溶接の隙間を無くす必要がある。
【0003】
特許文献1の回転電機巻線の溶接装置では、溶接個所にアースを取るためのアース電極を被溶接部の環状配列の径方向に移動させて位置決めする段取装置と、アース電極を被溶接部の環状配列の直径と同一径に位置決めされた段取位置で段取装置とともに公転させるプーリ盤と、を備える。
従来の溶接装置では、動力線が溶接位置に干渉する高さに位置する形態のワークに対し、水平方向への溶接アプローチを行うことが困難であった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
動力線に干渉しない極小スペースで溶接ができ、品種変更に対応できる溶接方法が求められる。
【0006】
本発明は、上述の課題に鑑みてなされたものであり、その目的は、複数の多様な品種のワークに対応する溶接装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の溶接装置は、溶接のための空間(47)を有する基台(5)と、前記基台に隣接する位置に設けられ、ワーク(2)に対し垂直方向に接近及び離間可能な溶接トーチを含む溶接ユニット(10)と、前記溶接トーチのアプローチのための穴(48、49)を形成し、前記基台に対し脱着可能及び前記ワークの種類に応じて交換可能な治具本体(42)と、前記治具本体に回動可能に支持され、ワークの被溶接部に当接可能な外電極(33)と、前記治具本体に回動可能に支持され、ワークの被溶接部に当接可能な内電極(53)と、ワークを載置可能であって、ワークを上下移動可能かつ回転可能な昇降ユニット(12)と、を備える構成を採用する。
【0008】
本発明の溶接装置によれば、治具本体と外電極と内電極とを備える電極治具ユニット(11)は、前記基台に対し脱着可能及びワークの種類に応じて交換可能である。
したがって、一つの溶接装置で、高さ、大きさ、外径、動力線の位置などの異なる多様な品種のワークに対応することができる。
【0009】
交換可能な電極治具ユニットは、駆動部を設けず、基台に対し交換可能な構成である。これより、多様な品種のワークにも適応でき、ワークの求める広範囲の溶接位置に適応することができる。
【0010】
基台に対し、ワークを上下させ、ワークの被溶接部に対して上から下への垂直方向へのアプローチを行う。これより、動力線に干渉することなく電極挿入が可能となる。
【0011】
被溶接部を位置決めするとき、被溶接部を周方向にチャックする(挟み込む)径外方向の外電極と径内方向の内電極とがワークの中心軸周りに回転可能な構成を採用している。これより、被溶接部の周辺が極小スペースにおいても、高度の溶接品質を実現する。
【0012】
溶接位置に近接する電極については、外電極が回転し、外電極回転方向と逆方向へ内電極が回転することにより、定寸で被溶接部をチャックし(挟み込み)、その後、外電極に対し内電極を径外方向へ定圧でクランプする(押し込む)。これより、溶接位置の位置合わせを高精度に行うことができる。
【0013】
複数の多様な品種のワークについて、広範な範囲の空間において溶接のための電極を挿入できる。ワーク本体に溶接電極を接近させるとき、干渉する動力線などの障害物を回避し、空間を有効活用して溶接電極を挿入することができる。
【0014】
したがって、ワークの特性に対応する電極治具ユニットを選択し、この電極治具ユニットを基台に対し取り付けることによって、大きさ、高さ、重量、及び、外径などの異なるワークについて、ワークの細部であっても高精度に的確に溶接することができる。
【0015】
本発明の溶接装置によると、垂直方向での溶接アプローチであり、動力線の位置が溶接位置と同等の高さのワークも、動力線が干渉することなしに、溶接することができる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【
図1】本発明の第一実施形態による溶接装置の部分斜視図。
【
図2】本発明の第一実施形態による溶接装置の部分正面図。
【
図3】本発明の第一実施形態による被溶接部と動力線を示すワークの部分切欠正面図。
【
図4】本発明の第一実施形態による溶接装置の電極治具ユニットの斜視図。
【
図5】本発明の第一実施形態による溶接装置の電極治具ユニットの平面図。
【
図6】本発明の第一実施形態による溶接装置の電極治具ユニットの底面図。
【
図7】本発明の第一実施形態による溶接装置の電極駆動部の斜視図。
【
図8】本発明の第一実施形態による溶接装置の電極駆動部の部分斜視図。
【
図9】本発明の第一実施形態による溶接装置の電極駆動部の別角度からみた部分斜視図。
【
図10】本発明の第一実施形態による基台に取り付けた電極治具ユニットの斜視図。
【
図11】本発明の第一実施形態による外電極と内電極の動作を説明するための拡大平面図。
【
図12】本発明の第一実施形態による溶接装置及びワークの部分拡大斜視図。
【
図13】本発明の第一実施形態による多品種によるワークの動力線存在可能範囲を示す模式的平面図。
【
図15】本発明の第一実施形態による溶接方法の一例を説明するフローチャート。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下、本発明の実施形態による溶接装置を図面に基づいて説明する。
(第一実施形態)
本発明の第一実施形態について
図1から
図15に基づいて説明する。
【0018】
本実施形態の溶接装置は、回転電機のステータコアを製造するときに使用するワークを製造対象とする。
図3に示すように、製造対象となるワーク2は、基本形が円筒形のステータコア46と当該ステータコアの図示しないティースに巻回される巻線に相当する。巻線は、線材が接続される前のもので、ステータコア46の一方の端面461で線材の後述する導体セグメント81、82が被溶接部31として突き出している。
【0019】
ワーク2の上端径外方向に突き出す動力線7の径内方向の空間でTIG溶接する場合、符号85に示す電極挿入可能範囲に外電極33を挿入する。
本実施形態の溶接装置は、導体セグメント81、82の端末同士を接合して回転電機のステータコアの巻線を形成させる。
図1に示すように、溶接装置は、搬出入部3と、加工部4とを備える。ワーク2は、搬出入部3から加工部4に搬入され、溶接後に加工部4から搬出される。符号9は操作者を示す。
【0020】
搬出入部3は、案内レール15、16上を移動するパレット17上に載置するワーク2を加工部4に搬入し、溶接ユニット10による溶接後のワーク2を加工部4から搬出方向へ搬出する。
加工部4は、
図1及び
図2に示すように、基台5、溶接ユニット10、電極治具ユニット11、及び昇降ユニット12を備える。
【0021】
溶接ユニット10は、基台5に近接する位置に設けられる図示しないTIG(Tungsten Inert Gas)溶接する溶接トーチ、溶加棒、シールドガス供給装置等を備えている。溶接トーチは導体セグメントの端末同士が当接する被溶接部をTIG溶接する。
図7及び
図8に示すように、基台5は、2個の電極治具位置決めシリンダ24を備えている。この基台5に対し、
図4、
図5及び
図6示す電極治具ユニット11を取り付ける。
図2及び
図10は、基台5に電極治具ユニット11が取付けられている状態を示している。
【0022】
電極治具ユニット11は、被溶接対象となる導体セグメントをもつワークの特性に応じたものが選択される。
電極治具ユニット11は、溶接するための空間を形成する穴48、49を有する板状の治具本体42と、この治具本体42に対し、相互に独立して回動可能な外電極33と内電極53とを備えている。ここに穴48、49は、溶接トーチのアプローチのための逃がし穴として機能する。
【0023】
電極治具位置決めシリンダ24は、シリンダの稼働に伴い図示しないピストンが上下する。このピストンの高さ位置を決め、
図4に示す電極治具ユニット11の治具本体42の連結用ピン挿入穴40に図示しないピンを挿入し、基台5に対する治具本体42の位置決めを行う。これにより、電極治具ユニット11は、基台5に対し脱着可能になっている。基台5に電極治具ユニット11を取り付けたとき、治具本体42に形成されるアース接続部41を基台5に電気的に接触させ、基台5と電極治具ユニット11の機械的接続とアース接続を行う。
【0024】
基台5は、
図7、8、9に示すように、溶接するための空間を形成する穴47を有している。
基台5は、下面側に、
図10に示すように、2個のワーク位置決め用サーボモータ23を備えている。ワーク位置決め用サーボモータ23を稼働させて、溶接すべきワーク2の側面に対してカムフォロワ37を押し当てる。これにより、ワーク2の中心位置を位置決めする。
また基台5は、下面側にワーク回転方向決め用シリンダ28を備えている。ワーク回転方向決め用シリンダ28の可動部が前後することで、ワーク2の溝に回転止め用爪36を押し当てる。これにより、ワーク2の回転方向の位置決めを行う。
【0025】
さらに基台5は、
図9及び
図10に示すように、外電極稼働用シリンダ26及び外電極33を案内する外電極稼働用ガイドレール35を備える。外電極稼働用シリンダ26は、外電極33を駆動し、回転方向の位置決めを行う。
【0026】
外電極稼働用シリンダ26の可動部が前後することで、
図10に示すカムフォロワ38が移動する。それに伴い、接続されている外電極33が外電極稼働用ガイドレール35に沿って回転し、回転方向の位置決めを行う。
【0027】
外電極33は、特許請求の範囲に記載の内爪に相当する外電極内爪331が後述する導体セグメント81、82をアンチャック及びチャックする。これにより、ワークの品種又はワーク径の違いによる電極位置のずれに対応する。
【0028】
さらに、基台5は、
図7及び
図8に示すように、内電極稼働用サーボモータ21及び揺動レバー用シリンダ25を備えている。内電極稼働用サーボモータ21を駆動することで、揺動レバー用シリンダ25は、内電極53を駆動し、回転方向の位置決めを行う。
【0029】
揺動レバー用シリンダ25の駆動により図示しないカムフォロワに連動する
図4及び
図5に示す定圧チャック及びアンチャック用揺動レバー30は、回転軸55を中心として回動可能になっている。
【0030】
図8で揺動レバー用シリンダ25の駆動で図示しないカムフォロワがクランプ方向に移動すると、
図12に示す圧縮コイルばね56を圧縮して定圧チャック及びアンチャック用揺動レバー30が内電極53の外爪に相当する内電極外爪531によって導体セグメント81、82をクランプ方向に回動する。
【0031】
治具本体42に対し回動可能な回転軸55には、ロータ32と定圧チャックアンチャック用揺動レバー30の一端が固定される。定圧チャックアンチャック用揺動レバー30の他端301は、揺動レバー用シリンダ25に連結されている。
【0032】
治具本体42は、外電極33と内電極53を回動可能に支持している。
図11(A)に示すように、外電極33は、ワークの被溶接部に相当する導体セグメント81、82に当接可能な径内方向に延びる外電極内爪331を有する。内電極53は、導体セグメント81、82に外電極内爪331との当接面と反対面から当接可能な径外方向に延びる内電極外爪531を有する。外電極内爪331と内電極外爪531とで、ワーク2の線材において、溶接すべき導体セグメント81、82を挟み込み(チャックし)、前述したように仮固定することができる。
【0033】
昇降ユニット12は、
図2に示すように、搬出入部3から運ばれたワーク2を台45に載せ、上方へ電極治具ユニット11にワーク2が近接する高さまで上下移動可能である。 また、昇降ユニット12は、ワーク2の溶接位置を仮固定するため回動可能である。
【0034】
次に、TIG溶接する前、電極治具ユニット11によりワーク2の位置決めを行う工程について、
図11に基づいて、説明する。
【0035】
図11(A)に示すように、
図3に示す被溶接部31に相当する導体セグメント82と導体セグメント81とを溶接する場合、ワーク2に対し垂直方向から外電極33を挿入し、ワーク2の溶接位置に相当する導体セグメント81、82を内電極外爪531と外電極内爪331との間に挿入する。
【0036】
次いで、仮固定されるワーク2に対し矢印91方向に外電極33を
図11(B)に示す位置まで回転する。
【0037】
次いで
図11(B)に示す位置から仮固定されるワーク2に対し矢印92方向に内電極53を
図11(C)に示す位置まで回転する。これにより、導体セグメント81、82を定寸で挟みこむ(チャックする)。
【0038】
次いで
図11(C)に示す位置から
図11(D)に示す矢印93方向に外電極33の外電極内爪331に対し内電極53を径外方向に定圧で押し込み(クランプし)、導体セグメント81、82の位置を仮固定し、溶接位置の精度を高める。内電極定圧チャック及びアンチャック用揺動レバー30を稼働することで、内電極53が定圧で導体セグメント81、82をクランプする。
【0039】
次に本実施形態による溶接工程の手順を
図15に基づいて説明する。
まず、搬出入部3から加工部4にワークが搬入されると、昇降ユニット12により、ワークを上昇し(S61)、ワークの回転方向位置決めを行う(S62)。回転止め用爪36により、ワークの仮固定を行う(S63)。
【0040】
次いで、外電極をチャックし(S64)、内電極をチャック(S65)し、定圧でクランプする(S66)。
溶接ユニット10によりTIG溶接を行う(S67)。内電極をアンクランプし(S68)、内電極をアンチャックし(S69)、外電極をアンチャックし(S70)、ワークの仮固定を解除する(S71)。
【0041】
次いで、昇降ユニット12によりワークの下降を行う(S72)。搬出入部3によりワークを搬出して終了する。
本実施形態によると、次の作用効果がある。
【0042】
図2に示すように、昇降ユニット12によりワークを持ち上げ、電極治具ユニット11及び溶接ユニット10にワーク2を上方向に挿入するので、動力線7に干渉することなくワーク2を溶接位置に設置できる。
動力線7がステータコア46の上端の径外方向に突き出す形式のワークにおいて、基台5に対し昇降ユニット12によりワーク2の上下移動及び回転移動することができる。
【0043】
多様なワークの品種について、異なる高さ、外径、動力線の各種の位置のワークに対し、狭い空間においてTIG溶接することができる。
【0044】
また、さらに導体セグメントの仮固定を行うことができるため、小さな隙間、多様な外径、高さ、動力線の位置の形態のワークについて、高い精度のTIG溶接をすることができる。
【0045】
ワークの高さ、外径、重さに応じて、当該ワークの種類に対応する、外電極、内電極を備えた電極治具ユニットに交換して使用する。
【0046】
電極治具ユニットに駆動部を設けず、交換可能な構造とすることにより、ワークの品種変化による溶接位置の変化にも対応可能である。
【0047】
図4から
図9に示すように、電極治具ユニットには駆動用のシリンダやアクチュエータは備えていない。溶接装置本体に脱着可能な電極治具ユニットを取り付ける際に、電極治具ユニットは電極駆動部と接続される。
したがって、一つの溶接装置について、多様な品種のワークに簡単な操作により対応することができる。
【0048】
図13及び
図14において、斜線に示す領域50、51は、ワークの動力線存在可能範囲を示す。
【0049】
本実施形態によると、電極治具ユニットを選択することで、ワーク2のステータコアの位置に対し、高さh、径外方向長さdに示す領域50、51の広範囲における動力線の位置が許容される。適応する電極治具ユニットに交換することで、多品種のワークについて導体セグメントを溶接することができる。
【0050】
以上、本発明は、上記実施形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲において種々の形態で実施可能である。
【符号の説明】
【0051】
2 ワーク、
3 搬出入部、
4 加工部、
5 基台、
7 動力線、
10 溶接ユニット、
11 電極治具ユニット、
12 昇降ユニット、
21 内電極稼動用サーボモータ、
23 ワーク位置決め用サーボモータ、
24 電極治具位置決めシリンダ、
25 揺動レバー用シリンダ、
26 外電極稼働用シリンダ、
28 ワーク回転方向決め用シリンダ、
30 内電極定圧チャック及びアンチャック用揺動レバー、
31 被溶接部、
32 ロータ、
33 外電極、
35 外電極稼働用ガイドレール、
36 回転止め用爪、
37、38 カムフォロワ、
40 連結用ピン挿入穴、
42 治具本体、
47、48、49 穴(空間)
50 領域、
51 領域、
53 内電極、
81、82 導体セグメント(被溶接部)、
85 外電極挿入可能範囲、
331 外電極内爪(内爪)、
531 内電極外爪(外爪)。