IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ トヨタ自動車株式会社の特許一覧

特許7487714表示制御装置、表示システム、表示方法及び表示プログラム
<>
  • 特許-表示制御装置、表示システム、表示方法及び表示プログラム 図1
  • 特許-表示制御装置、表示システム、表示方法及び表示プログラム 図2
  • 特許-表示制御装置、表示システム、表示方法及び表示プログラム 図3
  • 特許-表示制御装置、表示システム、表示方法及び表示プログラム 図4
  • 特許-表示制御装置、表示システム、表示方法及び表示プログラム 図5
  • 特許-表示制御装置、表示システム、表示方法及び表示プログラム 図6
  • 特許-表示制御装置、表示システム、表示方法及び表示プログラム 図7
  • 特許-表示制御装置、表示システム、表示方法及び表示プログラム 図8
  • 特許-表示制御装置、表示システム、表示方法及び表示プログラム 図9
  • 特許-表示制御装置、表示システム、表示方法及び表示プログラム 図10
  • 特許-表示制御装置、表示システム、表示方法及び表示プログラム 図11
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-05-13
(45)【発行日】2024-05-21
(54)【発明の名称】表示制御装置、表示システム、表示方法及び表示プログラム
(51)【国際特許分類】
   G09G 5/00 20060101AFI20240514BHJP
   B60K 35/22 20240101ALI20240514BHJP
   B60K 35/235 20240101ALI20240514BHJP
   B60K 35/40 20240101ALI20240514BHJP
【FI】
G09G5/00 550C
B60K35/22
B60K35/235
B60K35/40
【請求項の数】 4
(21)【出願番号】P 2021141710
(22)【出願日】2021-08-31
(65)【公開番号】P2023035095
(43)【公開日】2023-03-13
【審査請求日】2023-05-17
(73)【特許権者】
【識別番号】000003207
【氏名又は名称】トヨタ自動車株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001519
【氏名又は名称】弁理士法人太陽国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】稲田 智洋
(72)【発明者】
【氏名】村木 均至
【審査官】塚本 丈二
(56)【参考文献】
【文献】特開2020-091663(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2019/0333396(US,A1)
【文献】特開2020-112698(JP,A)
【文献】特開2019-125188(JP,A)
【文献】特開2020-117105(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2020/0081525(US,A1)
【文献】国際公開第2020/031915(WO,A1)
【文献】韓国公開特許第10-2017-0051978(KR,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G09G 5/00-5/42
B60K 35/00-35/90
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
プロセッサを備え、
前記プロセッサは、
移動体に固定された第一表示部及び人体に装着される第二表示部において、透過される実像を対象に重畳表示されるコンテンツを決定し、
所定の条件に基づいて前記コンテンツを前記第一表示部及び前記第二表示部の何れの表示部に表示させるかを選択し、
選択された前記表示部において前記対象に合わせて前記コンテンツを重畳表示させ、且つ、
前記移動体から前記対象までの距離が所定値よりも大きい場合は、前記コンテンツを前記第二表示部に表示させる
ように構成されている表示制御装置。
【請求項2】
請求項1に記載の表示制御装置と、
前記移動体である車両に搭載された前記第一表示部としてのヘッドアップディスプレイと、
前記車両の乗員の瞳に装着された前記第二表示部としてのスマートコンタクトレンズと、
を備える表示システム。
【請求項3】
移動体に固定された第一表示部及び人体に装着される第二表示部において、透過される実像を対象に重畳表示されるコンテンツを決定し、
所定の条件に基づいて前記コンテンツを前記第一表示部及び前記第二表示部の何れの表示部に表示させるかを選択し、
選択された前記表示部において前記対象に合わせて前記コンテンツを重畳表示させ、且つ、
前記移動体から前記対象までの距離が所定値よりも大きい場合は、前記コンテンツを前記第二表示部に表示させる
処理をコンピュータが実行する表示方法。
【請求項4】
移動体に固定された第一表示部及び人体に装着される第二表示部において、透過される実像を対象に重畳表示されるコンテンツを決定し、
所定の条件に基づいて前記コンテンツを前記第一表示部及び前記第二表示部の何れの表示部に表示させるかを選択し、
選択された前記表示部において前記対象に合わせて前記コンテンツを重畳表示させ、且つ、
前記移動体から前記対象までの距離が所定値よりも大きい場合は、前記コンテンツを前記第二表示部に表示させる
処理をコンピュータに実行させる表示プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、表示制御装置、表示システム、表示方法及び表示プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、フロントガラスに画像を重畳するAR-HUDが開示され、特許文献2には、コンタクトレンズに表示部を備えたスマートコンタクトレンズが開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2019-138773号公報
【文献】米国特許出願公開第2016/0097940号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
HUDやコンタクトレンズをAR表示器とする場合、HUDは視野角が限定され、コンタクトレンズは表示の精度が得られない。
【0005】
本発明は、異なる表示部のそれぞれの特徴を補間してユーザーにとって視認しやすい表示を提供する表示制御装置、表示システム、表示方法及び表示プログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
請求項1に記載の表示制御装置は、プロセッサを備え、前記プロセッサは、移動体に固定された第一表示部及び人体に装着される第二表示部において、透過される実像を対象に重畳表示されるコンテンツを決定し、所定の条件に基づいて前記コンテンツを前記第一表示部及び前記第二表示部の何れの表示部に表示させるかを選択し、選択された前記表示部において前記対象に合わせて前記コンテンツを重畳表示させ、且つ、前記移動体から前記対象までの距離が所定値よりも大きい場合は、前記コンテンツを前記第二表示部に表示させるように構成されている。
【0007】
請求項1に記載の表示制御装置では、プロセッサが第一表示部及び第二表示部の各々の表示部に対してコンテンツを表示するように構成されている。ここで、第一表示部は、車両等の移動体に固定され、第二表示部は頭部又は瞳等の人体に対して装着されている。当該表示制御装置においてプロセッサは、所定の条件に基づいてコンテンツを表示させる表示部を選択し、選択された表示部において透過される実像に対してコンテンツを重畳表示させる。当該表示制御装置によれば、異なる表示部のそれぞれの特徴を補間してユーザーにとって視認しやすい表示を提供することができる。加えて、第一表示部において遠方の表示対象に対してコンテンツの視点距離がずれる場合であっても、第二表示部によりコンテンツの表示を補完することができる。
【0014】
請求項に記載の表示システムは、請求項1に記載の表示制御装置と、前記移動体である車両に搭載された前記第一表示部としてのヘッドアップディスプレイと、前記車両の乗員の瞳に装着された前記第二表示部としてのスマートコンタクトレンズと、を備えている。
【0015】
請求項に記載の表示システムによれば、車両において特徴の異なる表示部を使い分けることで、乗員に対して視認しやすい表示を提供することができる。
【0016】
請求項に記載の表示方法は、移動体に固定された第一表示部及び人体に装着される第二表示部において、透過される実像を対象に重畳表示されるコンテンツを決定し、所定の条件に基づいて前記コンテンツを前記第一表示部及び前記第二表示部の何れの表示部に表示させるかを選択し、選択された前記表示部において前記対象に合わせて前記コンテンツを重畳表示させ、且つ、前記移動体から前記対象までの距離が所定値よりも大きい場合は、前記コンテンツを前記第二表示部に表示させる処理をコンピュータが実行する。
【0017】
請求項に記載の表示方法では、コンピュータが第一表示部及び第二表示部の各々の表示部に対してコンテンツを表示するように構成されている。ここで、第一表示部及び第二表示部の態様については上述のとおりである。当該表示方法においてコンピュータは、所定の条件に基づいてコンテンツを表示させる表示部を選択し、選択された表示部において透過される実像に対してコンテンツを重畳表示させる。当該表示方法によれば、異なる表示部のそれぞれの特徴を補間してユーザーにとって視認しやすい表示を提供することができる。加えて、第一表示部において遠方の表示対象に対してコンテンツの視点距離がずれる場合であっても、第二表示部によりコンテンツの表示を補完することができる。
【0018】
請求項に記載の表示プログラムは、移動体に固定された第一表示部及び人体に装着される第二表示部において、透過される実像を対象に重畳表示されるコンテンツを決定し、所定の条件に基づいて前記コンテンツを前記第一表示部及び前記第二表示部の何れの表示部に表示させるかを選択し、選択された前記表示部において前記対象に合わせて前記コンテンツを重畳表示させ、且つ、前記移動体から前記対象までの距離が所定値よりも大きい場合は、前記コンテンツを前記第二表示部に表示させる処理をコンピュータに実行させる。
【0019】
請求項に記載の表示プログラムは、コンピュータが第一表示部及び第二表示部の各々の表示部に対してコンテンツを表示するように構成されている。ここで、第一表示部及び第二表示部の態様については上述のとおりである。当該表示プログラムが実行されるコンピュータは、所定の条件に基づいてコンテンツを表示させる表示部を選択し、選択された表示部において透過される実像に対してコンテンツを重畳表示させる。当該表示プログラムによれば、異なる表示部のそれぞれの特徴を補間してユーザーにとって視認しやすい表示を提供することができる。加えて、第一表示部において遠方の表示対象に対してコンテンツの視点距離がずれる場合であっても、第二表示部によりコンテンツの表示を補完することができる。
【発明の効果】
【0020】
本発明によれば、異なる表示部のそれぞれの特徴を補間してユーザーにとって視認しやすい表示を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0021】
図1】第1の実施形態に係る表示システムの概略構成を示す図である。
図2】第1の実施形態の車両のハードウェア構成を示すブロック図である。
図3】第1の実施形態の表示制御装置におけるROMの構成を示すブロック図である。
図4】第1の実施形態の表示制御装置におけるCPUの機能構成を示すブロック図である。
図5】第1の実施形態に係るスマートコンタクトレンズのハードウェア構成を示す図である。
図6】第1の実施形態における表示処理の流れを示すフローチャートである。
図7】第1の実施形態における選択処理の流れを示すフローチャートである。
図8】第1の実施形態において、ヘッドアップディスプレイによる表示を説明する図である。
図9】第1の実施形態において、スマートコンタクトレンズによる表示を説明する図である。
図10】第2の実施形態に係る表示システムの概略構成を示す図である。
図11】第2の実施形態における選択処理の流れを示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0022】
以下、図面を用いて本発明の実施形態である表示システム10について説明する。
【0023】
[第1の実施形態]
(全体構成)
図1に示されるように、第1の実施形態の表示システム10は、表示制御装置20、ヘッドアップディスプレイ24、スマートコンタクトレンズ14及びスマートフォン16を含んで構成されている。ヘッドアップディスプレイ24及びスマートコンタクトレンズ14は、車両12の乗員に対して、車両12の各種機能に係る表示を提供する表示部DSとして提供されている。また、本実施形態のヘッドアップディスプレイ24及びスマートコンタクトレンズ14は、AR(Augmented Reality:拡張現実)技術を用いて、画像や文字等のコンテンツを車外の風景に重畳させて表示することを可能としている。ヘッドアップディスプレイ24は、第一表示部の一例であり、スマートコンタクトレンズ14は第二表示部の一例である。
【0024】
表示制御装置20及びヘッドアップディスプレイ24はその主たる構成がダッシュボード12A(図8及び図9参照)の内部に収容されている。スマートコンタクトレンズ14は乗員の瞳に装着されている。スマートフォン16は乗員が所持している。
【0025】
ヘッドアップディスプレイ24は表示制御装置20と電気的に接続されている。また、スマートコンタクトレンズ14は、スマートフォン16を介して表示制御装置20と通信可能に接続されている。
【0026】
(車両)
図2に示されるように、車両12は、表示制御装置20、ECU22及びヘッドアップディスプレイ24を少なくとも含んで構成されている。また、車両12は、GPS装置30、外部カメラ34及び視線カメラ36が搭載されている。
【0027】
ECU22は、カーナビゲーションECU22A、ADAS(Advanced Driver Assistance System)-ECU22B、及びボデーECU22Cを含む。
【0028】
カーナビゲーションECU22Aは、カーナビゲーションシステムを制御する。カーナビゲーションECU22Aには、GPS装置30が接続されている。GPS装置30は車両12の現在位置を測定する装置である。GPS装置30は、GPS衛星からの信号を受信する図示しないアンテナを含んでいる。なお、GPS装置30は、表示制御装置20に対して直接接続されていてもよい。
【0029】
ADAS-ECU22Bは、先進運転支援システムを統括制御する。ADAS-ECU22Bには、少なくとも車両12の前方を撮像する外部センサである外部カメラ34が接続されている。ADAS-ECU22Bには、外部カメラ34の他に、車両12の周辺環境の検出に用いられるセンサ群として、探査波を送信し反射波を受信するミリ波レーダ、及び車両12の前方をスキャンするライダ(Laser Imaging Detection and Ranging)等が接続されている。また、ADAS-ECU22Bには、ブレーキ及びアクセルの各々を駆動させる図示しないアクチュエータが接続されている。なお、外部カメラ34は、表示制御装置20に対して直接接続されていてもよい。
【0030】
ボデーECU22Cは、ワイパーやライト類を制御する。ボデーECU22Cには、例えば、前照灯、ウィンカ等のスイッチが接続されている。
【0031】
ヘッドアップディスプレイ24は、投影装置26及びアクチュエータ28を含んで構成されている。アクチュエータ28は、投影装置26から投影された画像を反射するミラーの角度、及び当該ミラーと投影装置26との距離を調整するための駆動装置である。
【0032】
視線カメラ36は、少なくとも乗員の顔を撮像するカメラであって、乗員の視線を検出する。視線カメラ36は、後述する入出力I/F20Fに接続されている。
【0033】
ヘッドアップディスプレイ24は、フロントウインドウ12Bに所定の領域の投影面PAを有し(図8及び図9参照)、投影装置26から投影された画像が表示される。この投影面PAは、ヘッドアップディスプレイ24の表示領域に相当する。なお、ヘッドアップディスプレイ24の投影面は、フロントウインドウ12Bに限らず、ダッシュボード12Aに設けられたコンバイナ(反射板)が投影面であってもよい
【0034】
本実施形態の表示制御装置20は、外部カメラ34の撮像画像を基にヘッドアップディスプレイ24に表示させるコンテンツの位置を設定する。この際、視線カメラ36の映像を基に乗員のアイポイントの三次元座標を取得し、取得した三次元座標に基づいて撮像画像の撮影場所が乗員のアイポイントに補正される。これにより、ヘッドアップディスプレイ24では、コンテンツの表示対象となる実像に対し、当該対象に合わせてコンテンツを重畳表示させることができる。なお、外部カメラ34の撮像画像に基づいて走行中の走行路、他の車両及び歩行者を仮想空間上に配置すると共に、仮想空間における表示対象に対してコンテンツの位置を設定してもよい。この場合もヘッドアップディスプレイ24では、コンテンツの表示対象となる実像に対し、当該対象に合わせてコンテンツを重畳表示させることができる。
【0035】
表示制御装置20は、CPU(Central Processing Unit)20A、ROM(Read Only Memory)20B、RAM(Random Access Memory)20C、無線通信I/F(Interface)20D、車内通信I/F20E及び入出力I/F20Fを含んで構成されている。CPU20A、ROM20B、RAM20C、無線通信20D、車内通信I/F20E及び入出力I/F20Fは、内部バス20Gを介して相互に通信可能に接続されている。
【0036】
CPU20Aは、中央演算処理ユニットであり、各種プログラムを実行したり、各部を制御したりする。すなわち、CPU20Aは、ROM20Bからプログラムを読み出し、RAM20Cを作業領域としてプログラムを実行する。
【0037】
ROM20Bは、各種プログラム及び各種データを記憶している。図3に示されるように、本実施形態のROM20Bは、処理プログラム100、及び画像データ110を記憶している。なお、処理プログラム100及び画像データ110は、HDD(Hard Disk Drive)又はSSD(Solid State Drive)等のストレージに記憶されていてもよい。
【0038】
表示プログラムとしての処理プログラム100は、後述する表示処理及び選択処理を行うためのプログラムである。画像データ110は、ヘッドアップディスプレイ24に表示させる画像であるコンテンツを記憶したデータである。
【0039】
図2に示されるように、RAM20Cは、作業領域として一時的にプログラム又はデータを記憶する。
【0040】
無線通信I/F20Dは、スマートフォン16又はスマートグラス18と接続するためのインタフェースである。無線通信I/F20Dでは、Bluetooth(登録商標)、Wi-Fi(登録商標)等の通信規格が用いられる。
【0041】
車内通信I/F20Eは、各ECU22と接続するためのインタフェースである。当該インタフェースは、CAN(Controller Area Network)プロトコルによる通信規格が用いられている。車内通信I/F20Eは、外部バス20Hを介して各ECU22と接続されている。
【0042】
入出力I/F20Fは、ヘッドアップディスプレイ24を構成する投影装置26及びアクチュエータ28と通信するためのインタフェースである。
【0043】
図4に示されるように本実施形態の表示制御装置20では、CPU20Aが、処理プログラム100を実行することで、取得部200、決定部210、選択部220及び表示制御部230として機能する。
【0044】
取得部200は、車両12における撮像画像、及び車両12の制御等に係る車両情報を取得する機能を有している。例えば、取得部200は、外部カメラ34及び視線カメラ36の撮像画像を取得する。また例えば、取得部200は、カーナビゲーションECU22Aから目的地までの進路を取得する。また例えば、取得部200は、ADAS-ECU22Bから車両12の速度、加速度、ヨーレイト等を取得する。
【0045】
決定部210は、ヘッドアップディスプレイ24、及びスマートコンタクトレンズ14に表示させるコンテンツを決定する機能を有している。例えば、決定部210は、画像データ110からカーナビゲーションに使用する矢印等の画像をコンテンツとして決定する。また例えば、決定部210は、車速に対応する数字の画像をコンテンツとして決定する。
【0046】
選択部220は、所定の条件に基づいて決定部210が決定したコンテンツをヘッドアップディスプレイ24及びスマートコンタクトレンズ14の何れの表示部DSに表示させるかを選択する機能を有している。選択部220は、後述する選択処理を実行することで、表示させるコンテンツの各々について、ヘッドアップディスプレイ24及びスマートコンタクトレンズ14の何れの表示部DSに表示させるかを選択する。
【0047】
表示制御部230は、コンテンツを選択部220により選択された表示部DSに表示させる機能を有している。
【0048】
(スマートコンタクトレンズ)
スマートコンタクトレンズ14は、車両12の乗員の瞳に装着され、瞳に対して画像を表示させるウェアラブルデバイスである。図5に示されるように、スマートコンタクトレンズ14は、制御ユニット40、表示ユニット42、カメラユニット44、電源ユニット46、通信ユニット48及びセンサ49を含んで構成されている。
【0049】
制御ユニット40は、スマートコンタクトレンズ14を構成する表示ユニット42、カメラユニット44、電源ユニット46、通信ユニット48及びセンサ49の各部を制御する。制御ユニット40は、CPU、ROM及びRAMを有するマイクロコンピュータとして構成されている。
【0050】
表示ユニット42は、乗員に対して提示する画像や文字等のコンテンツを表示する表示部として機能する。本実施形態の表示ユニット42は、画像を生成する複数の発光素子を備えている。なお、表示ユニット42は、例えば、発光素子としてのLEDとマイクロレンズとを組み合わせて画像を網膜に投影する方式、発光素子としてホログラフィック光学素子を使用する方式が採用され、視点距離の影響を受けにくいデバイスとして機能する。また、本実施形態の表示ユニット42は、乗員の眼球表面で反射した光を受光する視線検出用の複数の受光素子を備えている。
【0051】
カメラユニット44は、瞳の外部を撮像する撮像部として機能する。カメラユニット44は、撮像レンズ、及び撮像レンズを駆動する駆動部を含んで構成されている。
【0052】
電源ユニット46は、制御ユニット40、表示ユニット42、カメラユニット44、通信ユニット48及びセンサ49を駆動させる駆動源である。なお、スマートコンタクトレンズ14では、電源ユニット46を設けずにワイヤレス給電を行ってもよい。
【0053】
通信ユニット48は、外部のスマートフォン16又は表示制御装置20と通信を行う通信部として機能する。通信ユニット48には、例えば、Bluetooth(登録商標)等の近距離無線通信規格が適用される。通信ユニット48は、表示ユニット42に表示させるコンテンツのデータを受信する。また、通信ユニット48は、カメラユニット44が撮像した撮像画像のデータ及び後述するセンサ49が取得したデータを送信する。なお、本実施形態の通信ユニット48はスマートフォン16を介して表示制御装置20に接続されているが、これに限らず、通信ユニット48は表示制御装置20に対して直接接続されていてもよい。
【0054】
センサ49は、乗員の瞳における涙液の電気抵抗を測定する。涙液の電気抵抗値を測定することにより、表示制御装置20では涙液量を測定することができる。
【0055】
本実施形態のスマートコンタクトレンズ14は、カメラユニット44の撮像画像を基に表示ユニット42に表示させるコンテンツの位置を設定する。これにより、スマートコンタクトレンズ14では、コンテンツの表示対象となる実像に対して、当該対象に合わせてコンテンツを重畳表示させることができる。
【0056】
(スマートフォン)
スマートフォン16は、乗員が所持する通信端末である。スマートフォン16は、スマートコンタクトレンズ14及び表示制御装置20の双方と無線通信により接続される。
【0057】
(制御の流れ)
本実施形態の表示制御装置20において実行される表示方法としての表示処理及び選択処理の流れについて、図6及び図7を用いて説明する。表示処理及び選択処理は、CPU20Aが、取得部200、決定部210、選択部220及び表示制御部230として機能することにより実行される。
【0058】
図6のステップS100において、CPU20Aは、各カメラから撮像画像を、各ECU22から車両情報を取得する。例えば、CPU20Aは、車両情報として車両12の目的地までの進路、車両12の速度、加速度、ヨーレイト等を取得する。
【0059】
ステップS101において、CPU20Aは、各表示部DSに表示させるコンテンツとその表示位置とを決定する。
【0060】
ステップS102において、CPU20Aは、選択処理を実行する。選択処理の詳細については後述する。
【0061】
ステップS103において、CPU20Aは、選択された表示部DSに対してコンテンツを表示させる。そして、ステップS100に戻る。
【0062】
具体的に、ヘッドアップディスプレイ24にコンテンツを表示させる場合、CPU20Aは、コンテンツの画像情報を投影装置26に出力する。これにより、投影面PAでは、乗員の視点において、フロントウインドウ12Bを通じた実像に対してコンテンツが重畳表示される。例えば、図8に示されるように、表示の対象物である前方の車両に対して、先進運転支援システムが検知していることを示すコンテンツであるバウンディングボックスC1が重畳表示される。また例えば、表示の対象物である走行路に対して車両12の経路を示すコンテンツであるラインC2が重畳表示される。
【0063】
また、スマートコンタクトレンズ14にコンテンツを表示させる場合、CPU20Aは、コンテンツの画像情報及び位置情報をスマートフォン16経由でスマートコンタクトレンズ14に出力する。これにより、スマートコンタクトレンズ14では、制御ユニット40が表示ユニット42を制御して、当該表示ユニット42を通じた実像に対してコンテンツが重畳表示される。例えば、図9に示されるように、表示の対象物である前方の走行路に対して、この先の進路を示すコンテンツである矢印C3が重畳表示される。また例えば、表示の対象領域である車両12の右側方において、右後方から二輪車が接近していることを示すコンテンツである警告表示C4が重畳表示される。
【0064】
次に、ステップS102の選択処理について、図7を用いて説明する。
図7のステップS200において、CPU20Aは、S101で表示が決定されたコンテンツを取得する。
【0065】
ステップS201において、CPU20Aは、投影面PA内、すなわちヘッドアップディスプレイ24の表示領域内にコンテンツが表示されるか否かの判定を行う。換言すると、CPU20Aは、ヘッドアップディスプレイ24の視野角にコンテンツの表示が収まるか否かの判定を行う。CPU20Aは、投影面PA内にコンテンツが表示されると判定した場合(ステップS201でYESの場合)、ステップS202に進む。一方、CPU20Aは、投影面PA内にコンテンツが表示されないと判定した場合(ステップS201でNOの場合)、ステップS205に進む。
【0066】
ステップS202において、CPU20Aは、コンテンツの表示位置が車両12から所定距離以下であるか否かの判定を行う。補足すると、車両12からの距離とはコンテンツの虚像が表示される仮想の位置までの距離である。CPU20Aは、コンテンツの表示位置が車両12から所定距離以下であると判定した場合(ステップS202でYESの場合)、ステップS203に進む。一方、CPU20Aは、コンテンツの表示位置が車両12から所定距離以下ではない、すなわち所定距離を超えると判定した場合(ステップS202でNOの場合)、ステップS205に進む。
【0067】
ステップS203において、CPU20Aは、コンテンツの追従対象があるか否かの判定を行う。ここで、コンテンツの追従対象とは、コンテンツを重畳表示させる対象となる車両、歩行者、走行路、その他の構造物である。CPU20Aは、コンテンツの追従対象があると判定した場合(ステップS203でYESの場合)、ステップS204に進む。一方、CPU20Aは、コンテンツの追従対象がないと判定した場合(ステップS203でNOの場合)、ステップS205に進む。
【0068】
ステップS204において、CPU20Aは、コンテンツをヘッドアップディスプレイ24に表示させることを選択する。そして、ステップS206に進む。
【0069】
ステップS205において、CPU20Aは、コンテンツをスマートコンタクトレンズ14に表示させることを選択する。そして、ステップS206に進む。
【0070】
ステップS206において、CPU20Aは、選択すべき他のコンテンツはないか否かの判定を行う。CPU20Aは、選択すべき他のコンテンツはないと判定した場合(ステップS206でYESの場合)、選択処理を終了させる。一方、CPU20Aは、選択すべき他のコンテンツがあると判定した場合(ステップS206でNOの場合)、ステップS200に戻る。
【0071】
(まとめ)
本実施形態の表示制御装置20では、CPU20Aが第一表示部としてのヘッドアップディスプレイ24、及び第二表示部としてのスマートコンタクトレンズ14の各々に対してコンテンツを表示するように構成されている。ここで、ヘッドアップディスプレイ24は、車両12に固定され、スマートコンタクトレンズ14は乗員の瞳に装着されている。本実施形態においてCPU20Aは、所定の条件に基づいてコンテンツを表示させる表示部DSを選択し、選択された表示部DSにおいて透過される実像に対してコンテンツを重畳表示させる。本実施形態の表示制御装置20によれば、異なる表示部DSのそれぞれの特徴を補間してユーザーにとって視認しやすい表示を提供することができる。
【0072】
補足すると、ヘッドアップディスプレイ24は、実像に合わせてコンテンツを重畳する場合の表示位置の精度がスマートコンタクトレンズ14に比べて優れている。他方、本実施形態のスマートコンタクトレンズ14は、網膜にコンテンツを直接投影する等することで、ヘッドアップディスプレイ24のようにコンテンツの視点距離が遠く離れた場合の違和感が生じ難い。本実施形態では、CPU20Aがコンテンツを重畳表示させる対象、車両12から表示対象までの距離、各表示部DSの視野角に対するコンテンツの表示位置の少なくとも何れか一つの条件に基づいて、何れの表示部DSにコンテンツを表示させるかを選択する。
【0073】
特に、本実施形態の表示制御装置20では、コンテンツを重畳表示させる対象が車両、歩行者、走行路、その他の構造物等である場合、位置決め精度が優位なヘッドアップディスプレイ24が選択される。
【0074】
また、本実施形態の表示制御装置20では、コンテンツの表示位置がヘッドアップディスプレイ24の視野角、つまり表示領域を超える場合、当該コンテンツを視野角の制限が少ないスマートコンタクトレンズ14に表示させる。そのため、本実施形態によれば、ヘッドアップディスプレイ24の表示領域外のコンテンツの表示をスマートコンタクトレンズ14により補完することができる。
【0075】
また、本実施形態の表示制御装置20では、車両12から表示対象までの距離が所定距離よりも大きい場合、コンテンツを視点距離の影響を受け難いスマートコンタクトレンズ14に表示させる。そのため、本実施形態によれば、ヘッドアップディスプレイ24において遠方の表示対象に対してコンテンツの視点距離がずれる場合であっても、スマートコンタクトレンズ14によりコンテンツの表示を補完することができる。
【0076】
[第2の実施形態]
第1の実施形態では、表示部DSとしてヘッドアップディスプレイ24及びスマートコンタクトレンズ14を備え、コンテンツを何れの表示部DSに表示させるかを選択していた。これに対して、第2の実施形態では、表示部DSとして、ヘッドアップディスプレイ24及びスマートコンタクトレンズ14に加えてスマートグラス18を含み、何れの表示部DSに表示させるかを選択する。以下、第1の実施形態との相違点について説明する。なお、同一の構成については同一の符号を付しており、詳細な説明は割愛する。
【0077】
図10に示されるように、本実施形態の表示制御装置20には、スマートフォン16に加えて、スマートグラス18が通信可能に接続されている。このスマートグラス18は乗員の頭部に装着されている。スマートグラス18は第二表示部の一例である。
【0078】
(スマートグラス)
スマートグラス18は、AR技術を用いて、画像や文字等のコンテンツを車外の風景に重畳させて表示するヘッドマウントディスプレイ方式のウェアラブルデバイスである。このスマートグラス18は、車両12の乗員が装着するデバイスである。図示しないが、スマートグラス18は、車室内外の映像を撮影するカメラと、透過型のディスプレイと、表示制御装置20と通信を行うための通信装置を少なくとも含んでいる。
【0079】
(制御の流れ)
本実施形態の選択処理について、図11を用いて説明する。
図11のステップS250において、CPU20Aは、S101で表示が決定されたコンテンツを取得する。
【0080】
ステップS251において、CPU20Aは、投影面PA内にコンテンツが表示されるか否かの判定を行う。CPU20Aは、投影面PA内にコンテンツが表示されると判定した場合(ステップS251でYESの場合)、ステップS252に進む。一方、CPU20Aは、投影面PA内にコンテンツが表示されないと判定した場合(ステップS251でNOの場合)、ステップS255に進む。
【0081】
ステップS252において、CPU20Aは、コンテンツの表示位置が車両12から所定距離以下であるか否かの判定を行う。CPU20Aは、コンテンツの表示位置が車両12から所定距離以下であると判定した場合(ステップS252でYESの場合)、ステップS253に進む。一方、CPU20Aは、コンテンツの表示位置が車両12から所定距離以下ではない、すなわち所定距離を超えると判定した場合(ステップS252でNOの場合)、ステップS255に進む。
【0082】
ステップS253において、CPU20Aは、コンテンツの追従対象があるか否かの判定を行う。CPU20Aは、コンテンツの追従対象があると判定した場合(ステップS253でYESの場合)、ステップS254に進む。一方、CPU20Aは、コンテンツの追従対象がないと判定した場合(ステップS253でNOの場合)、ステップS256に進む。
【0083】
ステップS254において、CPU20Aは、コンテンツをヘッドアップディスプレイ24に表示させることを選択する。そして、ステップS258に進む。
【0084】
ステップS255において、CPU20Aは、コンテンツの追従対象があるか否かの判定を行う。当該判定内容は、ステップS253と同様である。CPU20Aは、コンテンツの追従対象があると判定した場合(ステップS255でYESの場合)、ステップS257に進む。一方、CPU20Aは、コンテンツの追従対象がないと判定した場合(ステップS255でNOの場合)、ステップS256に進む。
【0085】
ステップS256において、CPU20Aは、コンテンツをスマートコンタクトレンズ14に表示させることを選択する。そして、ステップS258に進む。
【0086】
ステップS257において、CPU20Aは、コンテンツをスマートグラス18に表示させることを選択する。そして、ステップS258に進む。
【0087】
ステップS258において、CPU20Aは、選択すべき他のコンテンツはないか否かの判定を行う。CPU20Aは、選択すべき他のコンテンツはないと判定した場合(ステップS258でYESの場合)、選択処理を終了させる。一方、CPU20Aは、選択すべき他のコンテンツがあると判定した場合(ステップS258でNOの場合)、ステップS250に戻る。
【0088】
第2の実施形態においても、第1の実施形態と同様の効果を得ることができる。特に、ヘッドアップディスプレイ24、スマートコンタクトレンズ14及びスマートグラス18の3種類の表示部DSを用いてコンテンツを乗員に表示させることで、各表示部DSの長所を生かした最適な表示を乗員に提供することができる。具体的にスマートグラス18を用いることで、ヘッドアップディスプレイ24よりも表示領域の制約を受け難く、スマートコンタクトレンズ14よりも表示位置の精度を確保することができる。
【0089】
[備考]
なお、上記実施形態でCPU20Aがソフトウェア(プログラム)を読み込んで実行した各種処理を、CPU以外の各種のプロセッサが実行してもよい。この場合のプロセッサとしては、FPGA(Field-Programmable Gate Array)等の製造後に回路構成を変更可能なPLD(Programmable Logic Device)、及びASIC(Application Specific Integrated Circuit)等の特定の処理を実行させるために専用に設計された回路構成を有するプロセッサである専用電気回路等が例示される。また、上述した処理を、これらの各種のプロセッサのうちの1つで実行してもよいし、同種又は異種の2つ以上のプロセッサの組み合わせ(例えば、複数のFPGA、及びCPUとFPGAとの組み合わせ等)で実行してもよい。また、これらの各種のプロセッサのハードウェア的な構造は、より具体的には、半導体素子等の回路素子を組み合わせた電気回路である。
【0090】
また、上記実施形態において、各プログラムはコンピュータが読み取り可能な非一時的記録媒体に予め記憶(インストール)されている態様で説明した。例えば、表示制御装置20における処理プログラム100は、ROM20Bに予め記憶されている。しかしこれに限らず、各プログラムは、CD-ROM(Compact Disc Read Only Memory)、DVD-ROM(Digital Versatile Disc Read Only Memory)、及びUSB(Universal Serial Bus)メモリ等の非一時的記録媒体に記録された形態で提供されてもよい。また、プログラムは、ネットワークを介して外部装置からダウンロードされる形態としてもよい。
【0091】
上記実施形態で説明した処理の流れも、一例であり、主旨を逸脱しない範囲内において不要なステップを削除したり、新たなステップを追加したり、処理順序を入れ替えたりしてもよい。
【符号の説明】
【0092】
10 表示システム
12 車両(移動体)
20 表示制御装置
14 スマートコンタクトレンズ(第二表示部、表示部)
18 スマートグラス(第二表示部、表示部)
20A CPU(プロセッサ)
24 ヘッドアップディスプレイ(第一表示部、表示部)
100 処理プログラム(表示プログラム)
C1 バウンディングボックス(コンテンツ)
C2 ライン(コンテンツ)
C3 矢印(コンテンツ)
C4 警告表示(コンテンツ)
DS 表示部
PA 投影面(表示領域)
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11