IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ 株式会社GSユアサの特許一覧

<>
  • 特許-蓄電装置 図1
  • 特許-蓄電装置 図2
  • 特許-蓄電装置 図3
  • 特許-蓄電装置 図4
  • 特許-蓄電装置 図5
  • 特許-蓄電装置 図6
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-05-13
(45)【発行日】2024-05-21
(54)【発明の名称】蓄電装置
(51)【国際特許分類】
   H01M 50/209 20210101AFI20240514BHJP
   H01M 50/264 20210101ALI20240514BHJP
   H01M 50/291 20210101ALI20240514BHJP
   H01M 50/289 20210101ALI20240514BHJP
   H01M 50/588 20210101ALI20240514BHJP
   H01M 50/593 20210101ALI20240514BHJP
【FI】
H01M50/209
H01M50/264
H01M50/291
H01M50/289 101
H01M50/588
H01M50/593
【請求項の数】 5
(21)【出願番号】P 2021509268
(86)(22)【出願日】2020-03-18
(86)【国際出願番号】 JP2020012112
(87)【国際公開番号】W WO2020196189
(87)【国際公開日】2020-10-01
【審査請求日】2023-01-27
(31)【優先権主張番号】P 2019063339
(32)【優先日】2019-03-28
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(73)【特許権者】
【識別番号】507151526
【氏名又は名称】株式会社GSユアサ
(74)【代理人】
【識別番号】100153224
【弁理士】
【氏名又は名称】中原 正樹
(72)【発明者】
【氏名】宮脇 康貴
【審査官】冨士 美香
(56)【参考文献】
【文献】特開2015-005362(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01M 50/20
H01M 50/50
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
容器を有する蓄電素子と、
前記蓄電素子の第一方向の一方側に配置されるスペーサ本体部を有するスペーサと、
前記蓄電素子の前記第一方向と交差する第二方向の一方側に配置されるサイド本体部を有するサイド部材と、を備え、
前記蓄電素子は、前記容器から、前記第一方向及び前記第二方向と交差する第三方向の一方側に突出する電極端子を有し、
前記サイド部材は、前記サイド本体部から、前記電極端子に向けて前記第二方向の他方側に突出する第一サイド突出部を有し、
前記スペーサは、前記電極端子及び前記第一サイド突出部の間に配置され、前記スペーサ本体部から、前記電極端子及び前記第一サイド突出部の少なくとも一方よりも前記第三方向の一方側に突出する第一スペーサ突出部を有し、
前記サイド部材は、前記第一サイド突出部とで前記容器を挟む位置に配置され、前記サイド本体部から、前記第二方向の他方側に突出する第二サイド突出部をさらに有し、
前記スペーサは、前記第二サイド突出部の前記第二方向の他方側に配置され、前記スペーサ本体部から、前記第三方向の他方側に突出する第二スペーサ突出部をさらに有する
蓄電装置。
【請求項2】
容器を有する蓄電素子と、
前記蓄電素子の第一方向の一方側に配置されるスペーサ本体部を有するスペーサと、
前記蓄電素子の前記第一方向と交差する第二方向の一方側に配置されるサイド本体部を有するサイド部材と、を備え、
前記蓄電素子は、前記容器から、前記第一方向及び前記第二方向と交差する第三方向の一方側に突出する電極端子を有し、
前記サイド部材は、前記サイド本体部から、前記電極端子に向けて前記第二方向の他方側に突出する第一サイド突出部を有し、
前記スペーサは、前記電極端子及び前記第一サイド突出部の間に配置され、前記スペーサ本体部から、前記電極端子及び前記第一サイド突出部の少なくとも一方よりも前記第三方向の一方側に突出する第一スペーサ突出部を有し、
前記容器は、前記第一サイド突出部の前記第三方向の他方側に配置され、前記第二方向の一方側に突出する容器突出部を有する
蓄電装置。
【請求項3】
前記サイド部材は、前記第一サイド突出部とで前記容器を挟む位置に配置され、前記サイド本体部から、前記第二方向の他方側に突出する第二サイド突出部をさらに有し、
前記スペーサは、前記第二サイド突出部の前記第二方向の他方側に配置され、前記スペーサ本体部から、前記第三方向の他方側に突出する第二スペーサ突出部をさらに有する
請求項に記載の蓄電装置。
【請求項4】
前記スペーサは、前記第一サイド突出部及び前記容器突出部の間に配置され、前記第三方向において前記容器突出部が当接する第一当接部をさらに有する
請求項2または3に記載の蓄電装置。
【請求項5】
前記スペーサは、前記サイド本体部及び前記容器突出部の間に配置され、前記第二方向において前記容器突出部が当接する第二当接部をさらに有する
請求項2~4のいずれか一項に記載の蓄電装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、蓄電素子と、蓄電素子の側方に配置されるサイド部材とを備える蓄電装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、蓄電素子と、蓄電素子の側方に配置されるサイド部材とを備える蓄電装置が広く知られている。特許文献1には、複数のバッテリセル(蓄電素子)と、当該複数のバッテリセルの側面に沿って配置された一対のラダーフレーム(サイド部材)と、を備えるバッテリモジュール(蓄電装置)が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2012-256466号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上記従来のような構成の蓄電装置では、蓄電素子とサイド部材とが短絡してしまうおそれがある。上記特許文献1に開示された蓄電装置(バッテリモジュール)では、蓄電素子(バッテリセル)の容器を上下で挟むように、サイド部材(ラダーフレーム)の上縁及び下縁に上部フランジ及び下部フランジが形成されている。このため、上部フランジが蓄電素子の電極端子の近傍に配置されることとなり、外部から振動または衝撃を受けた際等に、上部フランジと蓄電素子の電極端子とが短絡してしまうおそれがある。この短絡が上部フランジを介して正負の電極端子間で発生すると、蓄電素子の短絡となり不安全状態の要因となり得る。本願発明者は、このように、上記従来のような構成の蓄電装置では、外部から振動または衝撃を受けた際等に、蓄電素子とサイド部材とが短絡してしまうおそれがあることを見出した。
【0005】
本発明は、蓄電素子とサイド部材との短絡発生の可能性を低減できる蓄電装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の一態様に係る蓄電装置は、容器を有する蓄電素子と、前記蓄電素子の第一方向の一方側に配置されるスペーサ本体部を有するスペーサと、前記蓄電素子の前記第一方向と交差する第二方向の一方側に配置されるサイド本体部を有するサイド部材と、を備え、前記蓄電素子は、前記容器から、前記第一方向及び前記第二方向と交差する第三方向の一方側に突出する電極端子を有し、前記サイド部材は、前記サイド本体部から、前記電極端子に向けて前記第二方向の他方側に突出する第一サイド突出部を有し、前記スペーサは、前記電極端子及び前記第一サイド突出部の間に配置され、前記スペーサ本体部から、前記電極端子及び前記第一サイド突出部の少なくとも一方よりも前記第三方向の一方側に突出する第一スペーサ突出部を有する。
【0007】
本発明は、このような蓄電装置として実現できるだけでなく、当該蓄電装置が備えるスペーサとしても実現できる。
【発明の効果】
【0008】
本発明における蓄電装置によれば、蓄電素子とサイド部材との短絡発生の可能性を低減できる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1図1は、実施の形態に係る蓄電装置の外観を示す斜視図である。
図2図2は、実施の形態に係る蓄電装置を分解した場合の各構成要素を示す分解斜視図である。
図3図3は、実施の形態に係る蓄電素子の構成を示す斜視図である。
図4図4は、実施の形態に係るサイド部材の構成を示す斜視図である。
図5図5は、実施の形態に係るスペーサの構成を示す斜視図及び正面図である。
図6図6は、実施の形態に係る蓄電素子とスペーサとサイド部材との位置関係を示す正面図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
本発明の一態様に係る蓄電装置は、容器を有する蓄電素子と、前記蓄電素子の第一方向の一方側に配置されるスペーサ本体部を有するスペーサと、前記蓄電素子の前記第一方向と交差する第二方向の一方側に配置されるサイド本体部を有するサイド部材と、を備え、前記蓄電素子は、前記容器から、前記第一方向及び前記第二方向と交差する第三方向の一方側に突出する電極端子を有し、前記サイド部材は、前記サイド本体部から、前記電極端子に向けて前記第二方向の他方側に突出する第一サイド突出部を有し、前記スペーサは、前記電極端子及び前記第一サイド突出部の間に配置され、前記スペーサ本体部から、前記電極端子及び前記第一サイド突出部の少なくとも一方よりも前記第三方向の一方側に突出する第一スペーサ突出部を有する。
【0011】
これによれば、蓄電装置において、サイド部材は、蓄電素子の電極端子に向けて突出する第一サイド突出部を有しており、スペーサは、電極端子及び第一サイド突出部の間に、これらの少なくとも一方よりも突出する第一スペーサ突出部を有している。このように、サイド部材の第一サイド突出部が、蓄電素子の電極端子に向けて突出して配置されているため、電極端子と第一サイド突出部とが短絡してしまうおそれがある。このため、スペーサにおいて、電極端子及び第一サイド突出部の間に、これらの少なくとも一方よりも突出する第一スペーサ突出部を配置する。これにより、電極端子及び第一サイド突出部の間の電気的絶縁性の向上を図ることができるため、蓄電素子とサイド部材との短絡発生の可能性を低減できる。
【0012】
前記サイド部材は、前記第一サイド突出部とで前記容器を挟む位置に配置され、前記サイド本体部から、前記第二方向の他方側に突出する第二サイド突出部をさらに有し、前記スペーサは、前記第二サイド突出部の前記第二方向の他方側に配置され、前記スペーサ本体部から、前記第三方向の他方側に突出する第二スペーサ突出部をさらに有してもよい。
【0013】
これによれば、蓄電装置において、サイド部材は、第一サイド突出部とで蓄電素子の容器を挟む位置に第二方向の他方側に突出する第二サイド突出部を有しており、スペーサは、第二サイド突出部の第二方向の他方側に第二スペーサ突出部を有している。このように、サイド部材の第二サイド突出部が、第一サイド突出部とで蓄電素子の容器を挟む位置に配置されているため、蓄電素子の容器と第二サイド突出部とが短絡してしまうおそれがある。このため、スペーサにおいて、第二サイド突出部の第二方向の他方側に第二スペーサ突出部を配置する。これにより、容器及び第二サイド突出部の間の電気的絶縁性の向上を図ることができるため、蓄電素子とサイド部材との短絡発生の可能性を低減できる。
【0014】
前記容器は、前記第一サイド突出部の前記第三方向の他方側に配置され、前記第二方向の一方側に突出する容器突出部を有してもよい。
【0015】
これによれば、蓄電素子の容器が、サイド部材の第一サイド突出部の第三方向の他方側に、第二方向の一方側に突出する容器突出部を有していることで、蓄電素子の第二方向における幅が広がる。このため、蓄電素子とスペーサとの接触面積が増えて、蓄電素子の第三方向への移動が抑制される。これにより、蓄電素子とサイド部材との短絡発生の可能性を低減できる。
【0016】
前記スペーサは、前記第一サイド突出部及び前記容器突出部の間に配置され、前記第三方向において前記容器突出部が当接する第一当接部をさらに有してもよい。
【0017】
これによれば、スペーサは、サイド部材の第一サイド突出部と蓄電素子の容器の容器突出部との間に、第三方向において容器突出部が当接する第一当接部を有している。このように、スペーサの第一当接部に容器突出部が当接することで、蓄電素子が第三方向に移動するのをより抑制できるため、蓄電素子とサイド部材との短絡発生の可能性をより低減できる。スペーサの第一当接部が、第一サイド突出部及び容器突出部の間に配置されることで、第一サイド突出部及び容器突出部の間の電気的絶縁性の向上を図ることができるため、蓄電素子とサイド部材との短絡発生の可能性を低減できる。
【0018】
前記スペーサは、前記サイド本体部及び前記容器突出部の間に配置され、前記第二方向において前記容器突出部が当接する第二当接部をさらに有してもよい。
【0019】
これによれば、スペーサは、サイド部材のサイド本体部と蓄電素子の容器の容器突出部との間に、第二方向において容器突出部が当接する第二当接部を有している。このように、スペーサの第二当接部が、サイド本体部及び容器突出部の間に配置されることで、サイド本体部及び容器突出部の間の電気的絶縁性の向上を図ることができるため、蓄電素子とサイド部材との短絡発生の可能性を低減できる。スペーサの第二当接部に容器突出部が当接することで、蓄電素子が第二方向に移動するのをより抑制できる。
【0020】
以下、図面を参照しながら、本発明の実施の形態(及びその変形例)に係る蓄電装置について説明する。以下で説明する実施の形態は、包括的または具体的な例を示すものである。以下の実施の形態で示される数値、形状、材料、構成要素、構成要素の配置位置及び接続形態、製造工程、製造工程の順序などは、一例であり、本発明を限定する主旨ではない。各図において、寸法等は厳密に図示したものではない。
【0021】
以下の説明及び図面中において、1つの蓄電素子における一対の電極端子の並び方向、1つの蓄電素子の容器における一対の短側面の対向方向、一対のサイド部材の並び方向、または、蓄電素子とサイド部材との並び方向を、X軸方向と定義する。複数の蓄電素子の並び方向、複数のスペーサの並び方向、一対のエンド部材の並び方向、蓄電素子とスペーサとエンド部材との並び方向、1つの蓄電素子の容器における一対の長側面の対向方向、または、蓄電素子、スペーサ若しくはエンド部材の厚み方向を、Y軸方向と定義する。蓄電素子の容器本体と蓋との並び方向、蓄電素子とバスバー保持部材とバスバーとの並び方向、または、上下方向を、Z軸方向と定義する。これらX軸方向、Y軸方向及びZ軸方向は、互いに交差(本実施の形態では直交)する方向である。使用態様によってはZ軸方向が上下方向にならない場合も考えられるが、以下では説明の便宜のため、Z軸方向を上下方向として説明する。
【0022】
以下の説明において、X軸プラス方向とは、各図におけるX軸の矢印方向を示し、X軸マイナス方向とは、X軸プラス方向とは反対方向を示す。Y軸方向及びZ軸方向についても同様である。さらに、以下では、Y軸方向を第一方向、X軸方向を第二方向、Z軸方向を第三方向とも呼ぶ場合がある。また、Y軸プラス方向を第一方向の一方側とする場合、Y軸マイナス方向は第一方向の他方側となり、Y軸マイナス方向を第一方向の一方側とする場合、Y軸プラス方向は第一方向の他方側となる。第二方向及び第三方向についても同様である。さらに、平行及び直交などの、相対的な方向または姿勢を示す表現は、厳密には、その方向または姿勢ではない場合も含む。2つの方向が直交している、とは、当該2つの方向が完全に直交していることを意味するだけでなく、実質的に直交していること、すなわち、例えば数%程度の差異を含むことも意味する。以下の実施の形態の説明では、図1に示される蓄電装置10を、Y軸プラス方向に向かって見た場合として説明する。
【0023】
(実施の形態)
[1 蓄電装置10の全般的な説明]
まず、蓄電装置10の構成について、説明する。図1は、本実施の形態に係る蓄電装置10の外観を示す斜視図である。図2は、本実施の形態に係る蓄電装置10を分解した場合の各構成要素を示す分解斜視図である。
【0024】
蓄電装置10は、外部からの電気を充電し、また外部へ電気を放電できる装置であり、本実施の形態では、略直方体形状を有している。蓄電装置10は、電力貯蔵用途または電源用途などに使用される電池モジュール(組電池)である。具体的には、蓄電装置10は、自動車、自動二輪車、ウォータークラフト、スノーモービル、農業機械、建設機械、または、電気鉄道用の鉄道車両等の移動体の駆動用またはエンジン始動用等のバッテリ等として用いられる。上記の自動車としては、電気自動車(EV)、ハイブリッド電気自動車(HEV)、プラグインハイブリッド電気自動車(PHEV)及びガソリン自動車が例示される。上記の電気鉄道用の鉄道車両としては、電車、モノレール及びリニアモーターカーが例示される。蓄電装置10は、家庭用または発電機用等に使用される定置用のバッテリ等としても用いることができる。
【0025】
図1及び図2に示すように、蓄電装置10は、複数の蓄電素子100と、複数のスペーサ200と、一対のエンド部材300と、一対のサイド部材400(400a、400b)と、バスバー保持部材500と、複数のバスバー600と、基板700と、を備えている。
【0026】
蓄電素子100は、電気を充電し、また、電気を放電できる二次電池(単電池)であり、より具体的には、リチウムイオン二次電池などの非水電解質二次電池である。蓄電素子100は、扁平な直方体形状(角形)の形状を有しており、スペーサ200に隣接して配置されている。つまり、複数の蓄電素子100のそれぞれが、複数のスペーサ200のそれぞれと交互に配置され、Y軸方向(第一方向)に並べられている。本実施の形態では、12個の蓄電素子100のそれぞれを挟む位置に、13個のスペーサ200がそれぞれ配置されている。
【0027】
蓄電素子100の個数は12個には限定されず、12個以外の複数個であってもよいし、1個でもよい。蓄電素子100の形状は、特に限定されず、直方体形状以外の多角柱形状、円柱形状、楕円柱形状、長円形柱形状等、どのような形状であってもよいし、ラミネート型の蓄電素子とすることもできる。蓄電素子100は、非水電解質二次電池には限定されず、非水電解質二次電池以外の二次電池であってもよいし、キャパシタであってもよい。蓄電素子100は、二次電池ではなく、使用者が充電をしなくても蓄えられている電気を使用できる一次電池であってもよい。さらに、蓄電素子100は、固体電解質を用いた電池であってもよい。この蓄電素子100の構成の詳細な説明については、後述する。
【0028】
スペーサ200は、蓄電素子100のY軸プラス方向またはY軸マイナス方向(第一方向の一方側または他方側)に配置され、蓄電素子100と他の部材とを電気的に絶縁する矩形状かつ板状のスペーサである。具体的には、スペーサ200は、隣り合う2つの蓄電素子100の間、及び、端部の蓄電素子100とエンド部材300との間に配置され、当該2つの蓄電素子100の間、及び、端部の蓄電素子100とエンド部材300との間を絶縁する。本実施の形態では、12個の蓄電素子100に対応して13個のスペーサ200が配置されているが、蓄電素子100の個数が12個以外の場合には、スペーサ200の個数も蓄電素子100の個数に応じて変更される。
【0029】
スペーサ200は、蓄電素子100の長側面(後述の長側面部121)に加え、後述のスペーサ側壁部220(図5参照)によって、蓄電素子100の短側面(後述の短側面部122)のY軸マイナス方向側またはY軸プラス方向側の略半分も、覆うように形成されている。このような構成により、蓄電素子100を挟む2つのスペーサ200が、蓄電素子100の短側面を覆うこととなるため、蓄電素子100とサイド部材400との間の電気的絶縁性を確保できている。特に、本実施の形態では、蓄電素子100を挟む2つのスペーサ200のスペーサ側壁部220同士が重なることで、当該2つのスペーサ200によって蓄電素子100の短側面の全面が覆われる構成となっている。
【0030】
スペーサ200は、ポリカーボネート(PC)、ポリプロピレン(PP)、ポリエチレン(PE)、ポリフェニレンサルファイド樹脂(PPS)、ポリフェニレンエーテル(PPE(変性PPEを含む))、ポリエチレンテレフタラート(PET)、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)、テトラフルオロエチレン・パーフルオロアルキルビニルエーテル(PFA)、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、ポリブチレンテレフタレート(PBT)、ポリエーテルサルフォン(PES)、ABS樹脂、及びそれらの複合材料等の絶縁性の樹脂材料等で形成されている。スペーサ200は、電気的絶縁性を有するものであれば樹脂以外の材料で形成されていてもよく、セラミック、または、マイカ片を集積し結合することで構成されるダンマ材等で形成されていてもよい。複数のスペーサ200の全てが同じ材質の材料で形成されていなくてもよい。スペーサ200の構成のさらに詳細な説明については、後述する。
【0031】
エンド部材300及びサイド部材400は、複数の蓄電素子100の並び方向(Y軸方向、第一方向)において、蓄電素子100を外方から圧迫する部材である。つまり、エンド部材300及びサイド部材400は、複数の蓄電素子100を当該並び方向の両側から挟み込むことで、複数の蓄電素子100に含まれるそれぞれの蓄電素子100を当該並び方向の両側から圧迫する。
【0032】
具体的には、エンド部材300は、複数の蓄電素子100のY軸方向両側に配置され、複数の蓄電素子100を、当該複数の蓄電素子100の並び方向(Y軸方向)の両側から挟み込んで保持する扁平なブロック状のエンドプレート(挟持部材)である。エンド部材300は、強度確保の観点等から、アルミニウム、アルミニウム合金、ステンレス鋼、鉄、メッキ鋼板等の金属製(導電性)の材料等で形成されている。エンド部材300の材質は特に限定されず、例えば強度の高い絶縁性の材料で形成されていてもよいし、絶縁処理が施されていたりしていてもよい。エンド部材300は、ブロック状のエンドプレートではなく、板状のエンドプレート等であってもよい。
【0033】
サイド部材400は、複数の蓄電素子100のX軸方向の両側(第一方向と交差する第二方向の両側)に配置され、両端がエンド部材300に取り付けられて、複数の蓄電素子100を拘束する長尺状かつ平板状のサイドプレート(拘束部材、拘束バー)である。つまり、サイド部材400は、複数の蓄電素子100及び複数のスペーサ200を跨ぐようにY軸方向に延設されて配置され、当該複数の蓄電素子100及び複数のスペーサ200に対して、これらの並び方向(Y軸方向)における拘束力を付与する。
【0034】
本実施の形態では、当該複数の蓄電素子100及び複数のスペーサ200のX軸方向両側方に、一対のサイド部材400が配置されている。当該一対のサイド部材400のそれぞれが、Y軸方向両端部において、一対のエンド部材300のX軸方向端部に取り付けられている。これにより、一対のサイド部材400は、当該複数の蓄電素子100及び複数のスペーサ200を、X軸方向の両側及びY軸方向の両側から挟み込んで拘束する。以下では、X軸マイナス方向側のサイド部材400をサイド部材400aとも称し、X軸プラス方向側のサイド部材400をサイド部材400bとも称する。
【0035】
サイド部材400は、Z軸方向に並ぶ複数の接合部材460によって、エンド部材300に接合されている。本実施の形態では、接合部材460は、サイド部材400を貫通してエンド部材300に締結されるボルトである。サイド部材400は、エンド部材300と同様に、強度確保の観点等から、アルミニウム、アルミニウム合金、ステンレス鋼、鉄、メッキ鋼板等の金属製(導電性)の材料等で形成されている。サイド部材400は、板状のサイドプレートではなく、ブロック状または棒状の部材等であってもよい。サイド部材400の構成の詳細な説明については、後述する。
【0036】
バスバー保持部材500は、バスバー600及び基板700等を保持し、当該バスバー600等と他の部材との電気的な絶縁、及び、当該バスバー600等の位置規制を行うことができる板状部材(バスバープレート、バスバーフレーム)である。バスバー保持部材500は、PC、PP、PE等のスペーサ200と同様の絶縁性の樹脂材料等で形成されている。
【0037】
バスバー600は、複数の蓄電素子100上に配置され、複数の蓄電素子100の電極端子(後述の電極端子140)同士を電気的に接続する導電性の板状部材である。本実施の形態では、複数のバスバー600を用いて、隣り合う蓄電素子100の電極端子のうちの正極端子と負極端子とを順に接続することで、複数の蓄電素子100を直列に接続している。端部に配置されるバスバー600には、蓄電装置10の端子である外部端子610(正極外部端子、負極外部端子)が接続されている。本実施の形態では、バスバー600と電極端子とはレーザー溶接で接続されている。また、バスバー600は、蓄電素子100の電圧等を検出すための配線の接続部も備えており、接続部はZ軸プラス方向に折り曲げられている。バスバー600は、銅、銅合金、アルミニウム、アルミニウム合金等の金属製の導電部材等で形成されている。蓄電素子100同士の接続形態は特に限定されず、いずれかの蓄電素子100が並列接続されていてもよい。バスバー600と電極端子との接続方法は、レーザー溶接以外の溶接でもよいし、電極端子の形状に合わせてネジ締結等であってもよい。
【0038】
基板700は、バスバー保持部材500に載置される回路基板であり、蓄電素子100の充電状態または放電状態を監視するための電子部品、ヒューズ、リレー、シャント抵抗、コネクタ等が配置されている。基板700には、コネクタを介して、配線710が接続されている。本実施の形態では、蓄電装置10のY軸プラス方向の端部において、配線710が集束されて基板700に接続されている。配線710は、蓄電素子100の電圧計測用の配線、及び、温度計測用の配線等を有しており、配線の一端はバスバー600の接続部に接続されている。
【0039】
[2 蓄電素子100の構成の説明]
次に、蓄電素子100の構成について、詳細に説明する。図3は、本実施の形態に係る蓄電素子100の構成を示す斜視図である。
【0040】
図3に示すように、蓄電素子100は、容器110と、一対の電極端子140(正極端子及び負極端子)と、一対のガスケット150と、を備えている。容器110の内方には、電極体、集電体(正極集電体及び負極集電体)、及び電解液(非水電解質)等が収容されているが、これらの図示は省略する。当該電解液としては、蓄電素子100の性能を損なうものでなければその種類に特に制限はなく、様々なものを選択できる。集電体の側方等にスペーサが配置されていてもよいし、容器110の外面を覆う絶縁シートが配置されていてもよい。
【0041】
容器110は、開口が形成された容器本体120と、容器本体120の開口を閉塞する蓋体130とを有する直方体形状(角形)の容器である。容器本体120は、容器110の本体部を構成する矩形筒状で底を備える部材であり、Y軸方向両側の側面に一対の長側面部121を有し、X軸方向両側の側面に一対の短側面部122を有し、Z軸マイナス方向側に底面部123を有している。短側面部122は、一対の長側面部121及び底面部123に隣接し、長側面部121よりも面積が小さい矩形状の平面である。底面部123は、一対の長側面部121及び一対の短側面部122に隣接する矩形状の平面である。長側面部121は、一対の短側面部122及び底面部123に隣接し、短側面部122よりも面積が大きい矩形状の平面である。蓋体130は、容器110の蓋部(上面部)を構成する矩形状の板状部材であり、容器本体120のZ軸プラス方向側に配置されている。蓋体130には、容器110内方の圧力が上昇した場合に当該圧力を開放するガス排出弁131、及び、容器110内方に電解液を注液するための注液部132等も設けられている。
【0042】
このような構成により、容器110は、電極体等を容器本体120の内方に収容後、容器本体120と蓋体130とが溶接等によって接合されることにより、内部が密封される構造となっている。容器110(容器本体120及び蓋体130)の材質は、特に限定されないが、例えばステンレス鋼、アルミニウム、アルミニウム合金、鉄、メッキ鋼板など溶接可能(接合可能)な金属であるのが好ましい。
【0043】
さらに、容器110は、外方に突出する容器突出部110aを有している。容器突出部110aは、蓋体130及び容器本体120の蓋体130側(Z軸プラス方向側)の端部の全周に亘って形成された突出部分である。蓋体130は容器110の上面部であるため、容器突出部110aは、容器110の上面部の一部を含む。つまり、容器突出部110aは、一対の長側面部121のZ軸プラス方向側の端部に一対の長側面突出部111を有し、一対の短側面部122のZ軸プラス方向側の端部に一対の短側面突出部112を有している。一対の長側面突出部111は、X軸方向に延設され、かつ、Z軸プラス方向に向かうほどY軸方向に徐々に広がる(Z軸方向に対して傾斜した)形状を有している。一対の短側面部122は、Y軸方向に延設され、かつ、Z軸プラス方向に向かうほどX軸方向に徐々に広がる(Z軸方向に対して傾斜した)形状を有している。このように、容器突出部110aは、一対の長側面突出部111、一対の短側面突出部112及び蓋体130の外周部分とで形成された、Z軸プラス方向に向かうほど、外方に徐々に突出するテーパ形状の部位である。
【0044】
このような容器突出部110aは、以下の理由により、容器110に形成される。容器本体120と蓋体130との溶接部分を厚くして、容器本体120と蓋体130との溶接を容易にできるようにしたり溶接強度を高くしたりするために、容器本体120の蓋体130側の端部に容器突出部110aを形成する場合がある。容器本体120の開口を広げて、容器本体120に電極体等の内容物を入れやすいように、容器本体120の蓋体130側の端部に容器突出部110aを形成する場合がある。容器110を他の部材に対して位置決めするために、当該他の部材と係合または嵌合等させるための容器突出部110aを形成する場合がある。この場合、容器110は容器本体120の中央部が膨れやすいため、膨れにくい容器本体120の端部(本実施の形態では、蓋体130側の端部)に容器突出部110aを形成するのが好ましい。
【0045】
電極端子140は、容器110の蓋体130に配置される蓄電素子100の端子(正極端子及び負極端子)であり、集電体を介して、電極体の正極板及び負極板に電気的に接続されている。つまり、電極端子140は、電極体に蓄えられている電気を蓄電素子100の外部空間に導出し、電極体に電気を蓄えるために蓄電素子100の内部空間に電気を導入するための金属製の部材である。電極端子140は、容器110の蓋体130から、Z軸プラス方向(第一方向及び第二方向と交差する第三方向の一方側)に突出して配置されている。電極端子140は、バスバー600と溶接されるために平板状となっているが、ネジ締結できるようにボルト端子を備えていてもよい。電極端子140は、アルミニウム、アルミニウム合金、銅、銅合金などで形成されている。
【0046】
ガスケット150は、電極端子140と蓋体130との間、及び、蓋体130と集電体との間に配置され、電極端子140と蓋体130との間、及び、蓋体130と集電体との間の電気的な絶縁性及び気密性を確保するための部材である。ガスケット150は、PP、PE、PPS、PET、PEEK、PFA、PTFE、PBT、PES、ABS樹脂などの絶縁性の材料等で形成されている。
【0047】
電極体は、正極板と負極板とセパレータとが積層されて形成された蓄電要素(発電要素)である。電極体が有する正極板は、アルミニウムまたはアルミニウム合金などの金属からなる長尺帯状の集電箔である正極基材層上に正極活物質層が形成されたものである。負極板は、銅または銅合金などの金属からなる長尺帯状の集電箔である負極基材層上に負極活物質層が形成されたものである。正極活物質層に用いられる正極活物質、負極活物質層に用いられる負極活物質としては、リチウムイオンを吸蔵放出可能なものであれば、適宜公知の材料を使用できる。集電体は、電極端子140と電極体とに電気的に接続される導電性と剛性とを備えた部材(正極集電体及び負極集電体)である。正極集電体は、正極板の正極基材層と同様、アルミニウムまたはアルミニウム合金などで形成され、負極集電体は、負極板の負極基材層と同様、銅または銅合金などで形成されている。
【0048】
本実施の形態では、蓄電装置10のX軸プラス方向側についてみる場合は、X軸プラス方向が第二方向の一方側と解釈され、蓄電装置10のX軸マイナス方向側についてみる場合は、X軸マイナス方向が第二方向の一方側と解釈される。
【0049】
[3 サイド部材400の構成の説明]
次に、サイド部材400の構成について、詳細に説明する。図4は、本実施の形態に係るサイド部材400の構成を示す斜視図である。具体的には、図4の(a)は、図2におけるX軸プラス方向側のサイド部材400bの構成を示す斜視図である。図4の(b)は、図4の(a)のサイド部材400bをX軸方向反対側から見た場合の構成を示す斜視図である。X軸プラス方向側のサイド部材400bとX軸マイナス方向側のサイド部材400aとは、同一形状をしており、Z軸まわりに180°回転させた場合に同じ構成を有する。
【0050】
図4に示すように、サイド部材400は、サイド本体部410と、サイド接続部420及び430と、第一サイド突出部440と、第二サイド突出部450と、を備えている。以下では、X軸プラス方向側のサイド部材400bについて説明することとし、X軸マイナス方向側のサイド部材400aについては、以下の説明のX軸方向の向きを逆にしたものであるため、詳細な説明を省略する。
【0051】
図4についての以下の説明では、X軸プラス方向を第二方向の一方側として説明する。
【0052】
図4に示すサイド本体部410は、サイド部材400bの本体を構成する矩形状かつ平板状の部位であり、YZ平面に平行、かつ、Y軸方向に延設されて配置されている。後述の図6にも示すように、サイド部材400bのサイド本体部410は、蓄電素子100のX軸プラス方向(第二方向の一方側)に配置される。具体的には、サイド本体部410は、蓄電素子100及びスペーサ200のX軸プラス方向に配置される。つまり、サイド部材400bのサイド本体部410は、蓄電素子100及びスペーサ200のX軸プラス方向側に配置されている。
【0053】
サイド接続部420は、サイド部材400bのY軸マイナス方向側の端部であり、サイド本体部410のY軸マイナス方向側の端縁からY軸マイナス方向側に延設されて配置されている。つまり、サイド接続部420は、サイド本体部410から連続してY軸マイナス方向側に延設された、YZ平面に平行、かつ、Z軸方向に延びる矩形状かつ平板状の部位である。サイド接続部420には、サイド接続部420をX軸方向に貫通する、Z軸方向に並ぶ2つの円形状の貫通孔420aが形成されている。この貫通孔420aに接合部材460が挿入されてエンド部材300の端部と締結されることで、サイド接続部420がエンド部材300に接続(固定)される。
【0054】
サイド接続部430は、サイド部材400bのY軸プラス方向側の端部であり、サイド本体部410のY軸プラス方向側の端縁からY軸プラス方向側に延設されて配置されている。つまり、サイド接続部430は、サイド本体部410から連続してY軸プラス方向側に延設された、YZ平面に平行、かつ、Z軸方向に延びる矩形状かつ平板状の部位である。サイド接続部430には、サイド接続部430をX軸方向に貫通する、Z軸方向に並ぶ2つの円形状の貫通孔430aが形成されている。この貫通孔430aに接合部材460が挿入されてエンド部材300の端部と締結されることで、サイド接続部430がエンド部材300に接続(固定)される。
【0055】
第一サイド突出部440は、サイド部材400bのZ軸プラス方向側の端部であり、サイド本体部410のZ軸プラス方向側の端部からX軸方向に突出して配置されている。具体的には、第一サイド突出部440は、XY平面に平行、かつ、Y軸方向に延設されて配置された矩形状かつ平板状の部位である。後述の図6(a)のX軸プラス方向側のサイド部材400bにも示すように、第一サイド突出部440は、サイド本体部410から、蓄電素子100の電極端子140に向けてX軸マイナス方向(第二方向の他方側)に突出して配置される。
【0056】
第二サイド突出部450は、サイド部材400bのZ軸マイナス方向側の端部であり、サイド本体部410のZ軸マイナス方向側の端部からX軸方向に突出して配置されている。具体的には、第二サイド突出部450は、XY平面に平行、かつ、Y軸方向に延設されて配置された矩形状かつ平板状の部位である。後述の図6(a)のX軸プラス方向側のサイド部材400bにも示すように、第二サイド突出部450は、第一サイド突出部440とで蓄電素子100の容器110を挟む位置に配置され、サイド本体部410から、X軸マイナス方向(第二方向の他方側)に突出して配置されている。
【0057】
[4 スペーサ200の構成の説明]
次に、スペーサ200の構成について、詳細に説明する。図5は、本実施の形態に係るスペーサ200の構成を示す斜視図及び正面図である。具体的には、図5の(a)は、図2に示したスペーサ200の構成を示す斜視図である。図5の(b)は、スペーサ200のX軸マイナス方向側かつZ軸プラス方向側の端部を、Y軸マイナス方向側から見た場合の構成を拡大して示す正面図であり、図5の(c)は、図5の(b)の部位を図5の(a)の反対側(Y軸プラス方向側)から見た斜視図である。図5の(d)は、スペーサ200のX軸マイナス方向側かつZ軸マイナス方向側の端部を、Y軸マイナス方向側から見た場合の構成を拡大して示す正面図であり、図5の(e)は、図5の(d)の部位を図5の(a)の反対側(Y軸プラス方向側)から見た斜視図である。
【0058】
図6は、本実施の形態に係る蓄電素子100とスペーサ200とサイド部材400との位置関係を示す正面図である。具体的には、図6の(a)は、蓄電素子100とスペーサ200とサイド部材400とを組み付けた状態を、Y軸マイナス方向側から見た場合の構成を示す正面図である。図6の(b)は、図6の(a)の構成のX軸マイナス方向側かつZ軸プラス方向側の端部を、Y軸マイナス方向側から見た場合の構成を拡大して示す正面図である。なお、図6の(a)および(b)の図は、サイド部材400は断面視となっている。
【0059】
図5及び図6に示すように、スペーサ200は、スペーサ本体部210と、スペーサ側壁部220と、を有している。スペーサ本体部210は、スペーサ200の本体を構成する矩形状かつ平板状の部位であり、XZ平面に平行に配置されている。上述の通り、スペーサ本体部210は、蓄電素子100のY軸方向の両側(第一方向の両側)に配置される。図6では、スペーサ本体部210が蓄電素子100のY軸プラス方向側に配置されている(スペーサ本体部210は蓄電素子100に隠れて見えない)状態を図示している。
【0060】
スペーサ側壁部220は、スペーサ200のX軸方向の端部にZ軸方向に延設されて配置され、蓄電素子100のX軸方向の端部を覆うように配置された壁部である。本実施の形態では、スペーサ本体部210のY軸マイナス方向側及びY軸プラス方向側の双方の部位を含めて、スペーサ側壁部220と定義する。スペーサ200のX軸方向の両端部に2つのスペーサ側壁部220が配置されて、蓄電素子100のX軸方向の両端部を覆っている。具体的には、当該2つのスペーサ側壁部220は、蓄電素子100の容器110の一対の短側面部122と、蓋体130のX軸方向の両端部と、底面部123のX軸方向の両端部とのY軸方向における略半分を覆うように配置される。
【0061】
特に、本実施の形態では、蓄電素子100の容器110を挟む2つのスペーサ200のスペーサ側壁部220同士が重なることで、当該2つのスペーサ側壁部220によって蓄電素子100の短側面部122の全面が隙間なく覆われる構成となっている。具体的には、図5の(a)に示すように、スペーサ側壁部220のY軸マイナス方向側の部位には、外面が凹んだ、Z軸方向に延びる段差部220aが形成されている。図5の(c)及び(e)に示すように、スペーサ側壁部220のY軸プラス方向側の部位には、内面が凹んだ、Z軸方向に延びる段差部220bが形成されている。これにより、蓄電素子100の容器110を挟む2つのスペーサ200の隣り合うスペーサ側壁部220の段差部220a及び220bが重なり合って、容器110の短側面部122の全面が隙間なく覆われる構成となっている。
【0062】
複数のスペーサ200のそれぞれのスペーサ側壁部220は、第一当接部221と、第二当接部222と、第一スペーサ突出部223と、第三当接部224と、第二スペーサ突出部225と、を有している。第一当接部221、第二当接部222、第一スペーサ突出部223、第三当接部224及び第二スペーサ突出部225のそれぞれは、スペーサ側壁部220におけるY軸マイナス方向側の部位の一部とY軸プラス方向側の部位の一部とを含んでいる。
【0063】
X軸プラス方向側のスペーサ側壁部220と、X軸マイナス方向側のスペーサ側壁部220とは、同様の構成を有している。このため、以下では、説明の便宜のため、X軸マイナス方向側のスペーサ側壁部220の構成について詳細に説明し、X軸プラス方向側のスペーサ側壁部220の構成についての説明は、省略する。また、以降のスペーサ側壁部220の説明に関連するサイド部材400は、X軸マイナス方向側のサイド部材400aである。
【0064】
図6についての以下の説明では、X軸マイナス方向を第二方向の一方側として説明する。
【0065】
第一当接部221は、スペーサ側壁部220のZ軸プラス方向側の端部に配置される、XY平面に平行な矩形状かつ平板状の部位である。第一当接部221は、X軸マイナス方向側の端部が第二当接部222のZ軸プラス方向側の端部に接続され、X軸プラス方向側の端部が第一スペーサ突出部223のZ軸マイナス方向側の端部に接続されて配置されている。
【0066】
第一当接部221は、Z軸方向において、サイド部材400aの第一サイド突出部440と容器110の容器突出部110aとの間に配置される。つまり、容器突出部110aは、第一サイド突出部440及び第一当接部221のZ軸マイナス方向(第三方向の他方側)に配置され、第一当接部221は、第一サイド突出部440のZ軸マイナス方向に配置される。これにより、第一当接部221には、Z軸プラス方向(第三方向の一方側)において容器突出部110aが当接する。つまり、Z軸方向(第三方向)において、第一当接部221の内面が容器突出部110aに当接する。本実施の形態では、第一当接部221は、容器突出部110aと対向する面(内面、Z軸マイナス方向側の面)が、Y軸マイナス方向に向かうほどZ軸プラス方向(容器突出部110aから離れる方向)に僅かに傾斜した傾斜面となっており、この傾斜面が容器突出部110aに当接する。第一当接部221は、第一サイド突出部440とは、離間した状態で配置される。
【0067】
第二当接部222は、スペーサ側壁部220のZ軸プラス方向側の端部に配置される、YZ平面に平行な矩形状かつ平板状の部位である。第二当接部222は、Z軸プラス方向側の端部が第一当接部221のX軸マイナス方向側の端部に接続されて配置されている。
【0068】
第二当接部222は、X軸方向において、サイド部材400aのサイド本体部410及び容器突出部110aの間に配置される。つまり、容器突出部110aは、X軸マイナス方向(第二方向の一方側)に突出し、かつ、第二当接部222及びサイド本体部410のX軸プラス方向に配置され、第二当接部222は、サイド本体部410のX軸プラス方向に配置される。これにより、第二当接部222は、X軸マイナス方向(第二方向の一方側)において容器突出部110aが当接する。つまり、X軸方向(第二方向)において、第二当接部222の内面が容器突出部110aに当接する。
【0069】
本実施の形態では、容器突出部110aは、第二当接部222と対向する面(短側面突出部112のX軸マイナス方向側の面)に、第二当接部222に対して傾斜した傾斜面を有しており、この傾斜面が第二当接部222に当接する。具体的には、容器突出部110aは、X軸マイナス方向側の面が、Z軸マイナス方向に向かうほどX軸プラス方向(第二当接部222から離れる方向)に傾斜している。第二当接部222は、容器突出部110aと対向する面(X軸プラス方向側の面)が、Y軸マイナス方向に向かうほどX軸マイナス方向(容器突出部110aから離れる方向)に僅かに傾斜した傾斜面となっている。本実施の形態では、図6に示すように、第二当接部222のX軸プラス方向側には、当該傾斜面を底面とする、X軸マイナス方向に凹む凹部222aが形成されており、凹部222a内に容器突出部110aが収容される。このように、第二当接部222及び容器突出部110aは、それぞれ、異なる方向に傾斜した傾斜面を有しており、当該傾斜面同士が当接する。
【0070】
第三当接部224は、スペーサ側壁部220のZ軸マイナス方向側の端部に配置される、XY平面に平行な矩形状かつ平板状の部位である。第三当接部224は、X軸プラス方向側の端部が第二スペーサ突出部225のZ軸プラス方向側の端部に接続されて配置されている。第三当接部224は、サイド部材400aの第二サイド突出部450と容器110の底面部123との間に配置される。これにより、第三当接部224には、Z軸マイナス方向において底面部123が当接する。本実施の形態では、第三当接部224は、底面部123と対向する面(Z軸プラス方向側の面)が、Y軸マイナス方向に向かうほどZ軸マイナス方向(底面部123から離れる方向)に僅かに傾斜した傾斜面となっており、この傾斜面が底面部123に当接する。
【0071】
第三当接部224は、第一当接部221とで容器110を挟む位置に配置されている。このように、スペーサ200は、第一当接部221と第三当接部224とで、容器110をZ軸方向で挟み込む。サイド部材400aは、第一サイド突出部440と第二サイド突出部450とで、スペーサ200の第一当接部221及び第三当接部224をZ軸方向で挟み込む。この構成により、蓄電素子100のZ軸方向における移動が規制される。
【0072】
容器突出部110aは、第一当接部221に常に当接していなくてもよく、容器突出部110aは、通常は第一当接部221との間に隙間が形成されており、外部から振動または衝撃が加えられた場合等に第一当接部221に当接する構成でもよい。同様に、容器突出部110aは、第二当接部222に常に当接していなくてもよく、底面部123についても同様に、第三当接部224に常に当接していなくてもよい。
【0073】
第一スペーサ突出部223は、第一当接部221のX軸プラス方向側の端部からZ軸プラス方向に突出する、YZ平面に平行な矩形状かつ平板状の部位である。第一スペーサ突出部223は、スペーサ本体部210にも接続されているため、スペーサ本体部210からZ軸プラス方向に突出しているとも言える。
【0074】
第一スペーサ突出部223は、X軸方向において、蓄電素子100の電極端子140とサイド部材400aの第一サイド突出部440との間に配置される。つまり、第一スペーサ突出部223は、電極端子140及び第一サイド突出部440と離間した状態で、電極端子140及び第一サイド突出部440の間を仕切るように配置される。具体的には、第一スペーサ突出部223は、スペーサ本体部210から、電極端子140及び第一サイド突出部440の双方よりもZ軸プラス方向に突出して配置される。つまり、第一スペーサ突出部223は、スペーサ本体部210(及び第一当接部221のX軸プラス方向側の端部)からZ軸プラス方向に向けて突出し、電極端子140及び第一サイド突出部440の双方よりもZ軸プラス方向側の位置まで延設されて配置される。
【0075】
第一スペーサ突出部223は、スペーサ本体部210から、電極端子140及び第一サイド突出部440の少なくとも一方よりもZ軸プラス方向(第三方向の一方側)に突出して配置されていればよい。つまり、第一スペーサ突出部223は、電極端子140及び第一サイド突出部440のうちのZ軸マイナス方向に配置されている部材よりも、Z軸プラス方向に突出して配置されていればよい。本実施の形態では、Z軸方向における電極端子140の外表面が第一サイド突出部440よりもZ軸マイナス方向に配置されている。このため、Z軸方向における第一スペーサ突出部223の最高地点は、少なくとも電極端子140の当該外表面よりもZ軸プラス方向に突出して配置されていればよい。具体的には、図6の(b)に示すように、電極端子140の当該外表面の高さH1が、第一サイド突出部440のZ軸プラス方向の面の高さH2よりも低いため、第一スペーサ突出部223のZ軸プラス方向の面の高さH3は、電極端子140の当該外表面の高さH1よりも高い。
【0076】
電極端子140の当該外表面が第一サイド突出部440よりもZ軸プラス方向に配置されていれば、Z軸方向における第一スペーサ突出部223の最高地点は、少なくとも第一サイド突出部440よりもZ軸プラス方向に突出して配置されていればよく、電極端子140の当該外表面よりもZ軸マイナス方向に配置されていてもよい。具体的には、電極端子140の当該高さH1が第一サイド突出部440の当該高さH2よりも高ければ、第一スペーサ突出部223の当該高さH3は、少なくとも第一サイド突出部440の当該高さH2よりも高ければよく、電極端子140の当該高さH1よりも低くてもよい。
【0077】
ただし、第一スペーサ突出部223は、電極端子140及び第一サイド突出部440の双方、つまり、第一サイド突出部440よりもZ軸プラス方向に突出して配置されているのが好ましい。具体的には、第一スペーサ突出部223の当該高さH3は、電極端子140の当該高さH1及び第一サイド突出部440の当該高さH2よりも高いのが好ましい。
【0078】
第二スペーサ突出部225は、第三当接部224のX軸プラス方向側の端部からZ軸マイナス方向に突出する、YZ平面に平行な矩形状かつ平板状の部位である。第二スペーサ突出部225は、スペーサ本体部210にも接続されているため、スペーサ本体部210から、Z軸マイナス方向(第三方向の他方側)に突出しているとも言える。
【0079】
第二スペーサ突出部225は、サイド部材400aの第二サイド突出部450のX軸プラス方向(第二方向の他方側)に配置される。つまり、第二スペーサ突出部225は、第二サイド突出部450と離間した状態で、第二サイド突出部450と容器110の底面部123との間を仕切るように、Z軸マイナス方向に突出して配置される。第二スペーサ突出部225の突出量は特に限定されないが、第二スペーサ突出部225は、第二サイド突出部450のZ軸マイナス方向側の面とZ軸方向において同じ位置、または、当該面よりもZ軸マイナス方向側の位置まで延設されて配置されるのが好ましい。
【0080】
[5 効果の説明]
以上のように、本実施の形態に係る蓄電装置10によれば、サイド部材400は、蓄電素子100の電極端子140に向けて突出する第一サイド突出部440を有しており、スペーサ200は、電極端子140及び第一サイド突出部440の間に、これらの少なくとも一方よりも突出する第一スペーサ突出部223を有している。このように、第一サイド突出部440が、電極端子140に向けて突出して配置されているため、電極端子140と第一サイド突出部440とが短絡してしまうおそれがある。このため、スペーサ200において、電極端子140及び第一サイド突出部440の間に、これらの少なくとも一方よりも突出する第一スペーサ突出部223を配置する。これにより、電極端子140及び第一サイド突出部440の間の電気的絶縁性の向上を図ることができるため、蓄電素子100とサイド部材400との短絡発生の可能性を低減できる。第一スペーサ突出部223が配置されていることで、サイド部材400と電極端子140との間の絶縁距離(空間距離及び沿面距離)を延ばして電気的絶縁性の向上を図ることができ、蓄電素子100とサイド部材400との短絡発生の可能性を低減できる。
【0081】
蓄電装置10において、サイド部材400は、第一サイド突出部440とで蓄電素子100の容器110を挟む位置に、第二方向(X軸プラス方向またはX軸マイナス方向)の他方側に突出する第二サイド突出部450を有している。スペーサ200は、第二サイド突出部450の第二方向の他方側に、第二スペーサ突出部225を有している。このように、サイド部材400の第二サイド突出部450が、第一サイド突出部440とで蓄電素子100の容器110を挟む位置に配置されているため、蓄電素子100の容器110と第二サイド突出部450とが短絡してしまうおそれがある。このため、スペーサ200において、第二サイド突出部450の第二方向の他方側に、第二スペーサ突出部225を配置する。これにより、容器110及び第二サイド突出部450の間の絶縁距離(空間距離及び沿面距離)を延ばして電気的絶縁性の向上を図ることができるため、蓄電素子100とサイド部材400との短絡発生の可能性を低減できる。
【0082】
本実施の形態では、蓄電素子100の容器110は、正極電位及び負極電位のいずれにもなっていないが、金属製の容器110と他の金属部材との間は、絶縁性の向上を図ることが重要であり、絶縁距離を延ばすことに効果がある。蓄電素子100において、容器110が正極電位または負極電位を有する場合には、容器110と他の金属部材との間の絶縁性を向上させる構成は、特に有用である。
【0083】
蓄電素子100の容器110が、第一サイド突出部440の第三方向の他方側(Z軸マイナス方向)に、第二方向の一方側に突出する容器突出部110aを有していることで、蓄電素子100の第二方向における幅が広がる。このため、蓄電素子100の第三方向の一方側の面(スペーサ200と対向する面)の面積が増えることにより、蓄電素子100とスペーサ200の第一当接部221との接触面積が増えて、蓄電素子100の第三方向の一方側(Z軸プラス方向)への移動が抑制される。これにより、蓄電素子100とサイド部材400との短絡発生の可能性を低減できる。蓄電素子100の第一方向の一方側(Y軸プラス方向またはY軸マイナス方向)にスペーサ200が配置されて、蓄電素子100の第一方向への移動が抑制されており、蓄電素子100の第二方向の一方側にサイド部材400が配置されて、蓄電素子100の第二方向への移動が抑制されている。これらによって、蓄電素子100が第一方向、第二方向及び第三方向の三方向に移動するのを抑制できる。
【0084】
スペーサ200は、サイド部材400の第一サイド突出部440と蓄電素子100の容器110の容器突出部110aとの間に、第三方向において容器突出部110aが当接する第一当接部221を有している。このように、第一当接部221に容器突出部110aが当接することで、蓄電素子100が第三方向に移動するのをより抑制できるため、蓄電素子100とサイド部材400との短絡発生の可能性をより低減できる。第一当接部221が、第一サイド突出部440及び容器突出部110aの間に配置されることで、第一サイド突出部440及び容器突出部110aの間の電気的絶縁性の向上を図ることができるため、蓄電素子100とサイド部材400との短絡発生の可能性を低減できる。
【0085】
スペーサ200は、サイド部材400のサイド本体部410と蓄電素子100の容器110の容器突出部110aとの間に、第二方向において容器突出部110aが当接する第二当接部222を有している。このように、第二当接部222が、サイド本体部410及び容器突出部110aの間に配置されることで、サイド本体部410及び容器突出部110aの間の電気的絶縁性の向上を図ることができるため、蓄電素子100とサイド部材400との短絡発生の可能性を低減できる。第二当接部222に容器突出部110aが当接することで、蓄電素子100が第二方向に移動するのをより抑制できる。
【0086】
容器110の容器突出部110aは、スペーサ200の第二当接部222と対向する面に、第二当接部222に対して傾斜した傾斜面を有している。容器突出部110aの第二方向の面が、第二当接部222と平行な場合には、第一当接部221と容器突出部110aとを当接させるために、容器突出部110aを精度良く突出させる必要がある。このため、容器突出部110aの第二当接部222と対向する面を、第二当接部222に対して傾斜させる。これにより、第一当接部221を容器突出部110aに当接させやすくでき、蓄電素子100の第二方向への移動を容易に規制できる。したがって、蓄電素子100とサイド部材400との短絡発生の可能性をより低減できる。第一当接部221、第二当接部222及び第三当接部224が有する傾斜面についても、同様である。
【0087】
[6 変形例の説明]
以上、本発明の実施の形態に係る蓄電装置10について説明したが、本発明は、この実施の形態に限定されるものではない。つまり、今回開示された実施の形態は、全ての点で例示であって制限的なものではなく、本発明の範囲は、請求の範囲によって示され、請求の範囲と均等の意味及び範囲内での全ての変更が含まれる。
【0088】
上記実施の形態では、サイド部材400は、蓄電素子100を拘束する部材であることとした。しかし、サイド部材400は、蓄電素子100の第二方向側に配置される部材であればよく、蓄電素子100を拘束していなくてもよい。
【0089】
上記実施の形態では、サイド部材400は、導電性の材料で形成されていることとした。しかし、サイド部材400において、第一サイド突出部440及び第二サイド突出部450は導電性の材料で形成され、第一サイド突出部440及び第二サイド突出部450以外の部分は、絶縁性の材料で形成または絶縁処理が施されていてもよい。第二サイド突出部450についても、絶縁性の材料で形成または絶縁処理が施されていてもよい。
【0090】
上記実施の形態では、スペーサ200は、絶縁性の材料で形成されていることとした。しかし、スペーサ200において、第一当接部221、第二当接部222、第一スペーサ突出部223、第三当接部224及び第二スペーサ突出部225以外の部分は、他の手段で電気的絶縁性を確保できるのであれば、導電性の材料で形成されていてもよい。第一当接部221、第二当接部222及び第三当接部224についても、他の手段で電気的絶縁性を確保できるのであれば、導電性の材料で形成されていてもよい。さらに、第二スペーサ突出部225についても、導電性の材料で形成されていてもよい。つまり、少なくとも第一スペーサ突出部223が絶縁性の材料で形成されていればよい。
【0091】
上記実施の形態では、サイド部材400は、第二サイド突出部450を有し、スペーサ200は、第二スペーサ突出部225を有していることとした。しかし、サイド部材400は、第二サイド突出部450を有していなくてもよいし、スペーサ200は、第二スペーサ突出部225を有していなくてもよい。サイド部材400が第二サイド突出部450を有していない場合には、スペーサ200は、第三当接部224を有していなくてもよい。スペーサ200は、第一当接部221または第二当接部222を有しておらず、他の絶縁部材が、第一当接部221または第二当接部222の位置に配置されていてもよい。
【0092】
上記実施の形態では、蓄電素子100の容器110は、容器突出部110aを有していることとしたが、容器110は、容器突出部110aを有していなくてもよい。この場合、スペーサ200の第一当接部221及び第二当接部222は、容器110の上面(上面部)及び側面(短側面部)に当接する。
【0093】
上記実施の形態では、全てのスペーサ200が、上記の構成を有していることとした。しかし、いずれかのスペーサ200が、上記の構成を有していないことにしてもよい。蓄電素子100及びサイド部材400についても同様である。
【0094】
上記実施の形態において、蓄電装置10は、図2に示した構成要素を全て備えている必要はない。蓄電装置10は、エンド部材300、バスバー保持部材500または基板700を備えていなくてもよい。
【0095】
上記実施の形態及び上記変形例が備える各構成要素を任意に組み合わせて構築される形態も、本発明の範囲内に含まれる。
【0096】
本発明は、このような蓄電装置10として実現できるだけでなく、蓄電装置10が備えるスペーサ200としても実現できる。
【産業上の利用可能性】
【0097】
本発明は、リチウムイオン二次電池などの蓄電素子を備えた蓄電装置等に適用できる。
【符号の説明】
【0098】
10 蓄電装置
100 蓄電素子
110 容器
110a 容器突出部
111 長側面突出部
112 短側面突出部
120 容器本体
121 長側面部
122 短側面部
123 底面部
130 蓋体(上面部)
131 ガス排出弁
132 注液部
140 電極端子
150 ガスケット
200 スペーサ
210 スペーサ本体部
220 スペーサ側壁部
221 第一当接部
222 第二当接部
223 第一スペーサ突出部
224 第三当接部
225 第二スペーサ突出部
300 エンド部材
400、400a、400b サイド部材
410 サイド本体部
420、430 サイド接続部
420a、430a 貫通孔
440 第一サイド突出部
450 第二サイド突出部
460 接合部材
500 バスバー保持部材
600 バスバー
610 外部端子
700 基板
710 配線
図1
図2
図3
図4
図5
図6