(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-05-13
(45)【発行日】2024-05-21
(54)【発明の名称】全固体電池モジュール、電子機器および全固体電池モジュールの製造方法
(51)【国際特許分類】
H02J 7/00 20060101AFI20240514BHJP
H01M 10/44 20060101ALI20240514BHJP
H01M 10/0562 20100101ALI20240514BHJP
【FI】
H02J7/00 A
H01M10/44 P
H01M10/0562
(21)【出願番号】P 2021575671
(86)(22)【出願日】2021-01-08
(86)【国際出願番号】 JP2021000421
(87)【国際公開番号】W WO2021157281
(87)【国際公開日】2021-08-12
【審査請求日】2022-06-21
(31)【優先権主張番号】P 2020016867
(32)【優先日】2020-02-04
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(73)【特許権者】
【識別番号】000006231
【氏名又は名称】株式会社村田製作所
(74)【代理人】
【識別番号】100123973
【氏名又は名称】杉浦 拓真
(74)【代理人】
【識別番号】100082762
【氏名又は名称】杉浦 正知
(72)【発明者】
【氏名】森 靖
【審査官】右田 勝則
(56)【参考文献】
【文献】特開2017-157447(JP,A)
【文献】特開2007-306787(JP,A)
【文献】特表2003-503992(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H02J 7/00
H01M 10/44
H01M 10/0562
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
全固体電池と、
前記全固体電池の正極に接続される第1の電気経路と、
前記全固体電池の負極に接続される第2の電気経路と、
前記全固体電池が実装された回路基板と、
前記第1の電気経路または前記第2の電気経路上に接続される充放電制御スイッチと、
前記充放電制御スイッチのオン/オフを制御
し、前記全固体電池が電位を有しない状態では前記充放電制御スイッチをオフする保護ICと、
を有し、
前記充放電制御スイッチと前記正極との間または前記充放電制御スイッチと前記負極との間に、所定の充電端子が接続されている
全固体電池モジュール。
【請求項2】
ケースと、
前記ケース内に収納される全固体電池モジュールと、
を有し、
前記全固体電池モジュールは、
全固体電池と、
前記全固体電池の正極に接続される第1の電気経路と、
前記全固体電池の負極に接続される第2の電気経路と、
前記全固体電池が実装された回路基板と、
前記第1の電気経路または前記第2の電気経路上に接続される充放電制御スイッチと、
前記充放電制御スイッチのオン/オフを制御
し、前記全固体電池が電位を有しない状態では前記充放電制御スイッチをオフする保護ICと、
を有し、
前記充放電制御スイッチと前記正極との間または前記充放電制御スイッチと前記負極との間に、所定の充電端子が接続されている
電子機器。
【請求項3】
前記充電端子は、前記ケースの外部からの使用を制限する処理が施されている
請求項2に記載の電子機器。
【請求項4】
前記充電端子が前記ケースから外部に露出しないように構成されている
請求項3に記載の電子機器。
【請求項5】
前記充電端子と前記全固体電池の正極または負極との間に第3の電気経路が設けられており、前記第3の電気経路が切断可能とされている
請求項3に記載の電子機器。
【請求項6】
電位を有しない全固体電池を、充放電制御スイッチのオン/オフを制御
し、前記全固体電池が電位を有しない状態では前記充放電制御スイッチをオフする保護ICを有する回路基板に実装する工程と、
前記全固体電池の正極に接続される第1の電気経路上または前記全固体電池の負極に接続される第2の電気経路上に接続される前記充放電制御スイッチと、前記全固体電池の正極または負極との間に接続される所定の充電端子を介して前記全固体電池を充電し活性化させる工程と
を含む全固体電池モジュールの製造方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、全固体電池モジュール、電子機器および全固体電池モジュールの製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
電池を基板にリフロー装置で実装する場合、他の電子部品もリフロー前のため、電気的に接続されていない。リフロー時に電池が充電状態であると、半田ペーストが溶けて電子部品と基板ランドとが接続された際に、電子部品に電池からの電位がかかる。IC(Integrated Circuit)等の電子部品は通常、実装された後、グランドが接続された状態で電源が入ることを前提に作られているため、グランドが接続されていない状態で他の端子に電位が印加されると故障する可能性がある。かかる点に鑑み、下記の特許文献1に記載の技術では、略0Vの放電状態の電池を基板に実装した後に、当該電池を充電するようにしている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1に記載の技術では、電池を略0Vの放電状態にする必要がある。一度、充電された電池を略0Vまで放電してしまうことは、電池を劣化させる虞がある。また、今後、普及が見込まれる全固体電池は、基板にそのまま実装されることが多くなると考えられる。全固体電池を含むモジュールは、通常、安全性を確保するための動作を行う保護ICを有している。保護ICには、0V程度の電池への充電を禁止する機能が搭載されていることが一般的である。このため、0V程度の全固体電池をリフロー等によって基板に実装したとしても、保護ICの動作によって当該全固体電池を充電することができず、電池として使用を開始することができないという問題があった。
【0005】
したがって、本発明は、全固体電池を劣化させることなく、且つ、当該全固体電池を安全に使用開始することができる全固体電池モジュール、電子機器および全固体電池モジュールの製造方法を提供することを目的の一つとする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、
全固体電池と、
全固体電池の正極に接続される第1の電気経路と、
全固体電池の負極に接続される第2の電気経路と、
全固体電池が実装された回路基板と、
第1の電気経路または第2の電気経路上に接続される充放電制御スイッチと、
充放電制御スイッチのオン/オフを制御し、全固体電池が電位を有しない状態では充放電制御スイッチをオフする保護ICと、
を有し、
充放電制御スイッチと正極との間または充放電制御スイッチと負極との間に、所定の充電端子が接続されている
全固体電池モジュールである。
【0007】
本発明は、
ケースと、
ケース内に収納される全固体電池モジュールと、
を有し、
全固体電池モジュールは、
全固体電池と、
全固体電池の正極に接続される第1の電気経路と、
全固体電池の負極に接続される第2の電気経路と、
全固体電池が実装された回路基板と、
第1の電気経路または第2の電気経路上に接続される充放電制御スイッチと、
充放電制御スイッチのオン/オフを制御し、全固体電池が電位を有しない状態では充放電制御スイッチをオフする保護ICと、
を有し、
充放電制御スイッチと正極との間または充放電制御スイッチと負極との間に、所定の充電端子が接続されている
電子機器である。
【0008】
本発明は、
電位を有しない全固体電池を、充放電制御スイッチのオン/オフを制御し、全固体電池が電位を有しない状態では充放電制御スイッチをオフする保護ICを有する回路基板に実装する工程と、
全固体電池の正極に接続される第1の電気経路上または全固体電池の負極に接続される第2の電気経路上に接続される充放電制御スイッチと、全固体電池の正極または負極との間に接続される所定の充電端子を介して全固体電池を充電し活性化させる工程と
を含む全固体電池モジュールの製造方法である。
【発明の効果】
【0009】
本発明の少なくとも実施形態によれば、全固体電池を劣化させることなく、且つ、当該全固体電池を安全に使用開始することができる。なお、本明細書で例示された効果により本発明の内容が限定して解釈されるものではない。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【
図1】
図1は、一般的な全固体電池モジュールの構成を説明するための図である。
【
図2】
図2は、一実施形態にかかる全固体電池モジュールの構成例を示す図である。
【
図3】
図3は、一実施形態にかかる充電端子が使用できないようにされた処理の一例が説明される際に参照される図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、本発明の実施形態等について図面を参照しながら説明する。なお、説明は以下の順序で行われる。
<一般的な全固体電池モジュールの構成>
<一実施形態>
<変形例>
以下に説明する実施形態等は本発明の好適な具体例であり、本発明の内容がこれらの実施形態等に限定されるものではない。
【0012】
<一般的な全固体電池モジュールの構成>
始めに、本発明の理解を容易とするために、
図1を参照しつつ、一般的な全固体電池モジュールについて説明する。
図1に示すように、一般的な全固体電池モジュール(全固体電池モジュール1)は、保護IC2と、全固体電池3と、充電制御スイッチ4と、放電制御スイッチ5とを有している。全固体電池3の正極側からはパワーラインPL1が導出されており、当該パワーラインPL1には正極端子T1が接続されている。また、全固体電池3の負極側からはパワーラインPL2が導出されており、当該パワーラインPL2には負極端子T2が接続されている。
【0013】
全固体電池モジュール1は、全固体電池3が電位を有しない状態(0Vまたは略0Vの状態)で回路基板6に実装される。実装後、全固体電池3を電池として使用できる状態とする処理、すなわち、全固体電池3を活性化させる処理として、全固体電池3を充電する処理(以下、初期充電と適宜、称する)が行われる。初期充電は、正極端子T1および負極端子T2に対して充電装置を接続して行われる。初期充電は、例えば、全固体電池モジュール1の出荷前に行われる。
【0014】
しかしながら、全固体電池3が電位を有しない状態であるため、保護IC2が充電制御スイッチ4をオフにして全固体電池3への充電を禁止している。このため、全固体電池3に対する初期充電を行うことができず、全固体電池3を有する全固体電池モジュール1を使用開始することができないという問題がある。かかる問題に鑑みてなされた本発明の一実施形態について、以下、詳細に説明する。
【0015】
<一実施形態>
[全固体電池モジュールの構成例]
図2は、本実施形態にかかる全固体電池モジュール(全固体電池モジュール100)の構成例を示す図である。
図2に示すように、全固体電池モジュール100は、保護IC12と、全固体電池13と、充放電制御スイッチ14とを有している。充放電制御スイッチ14は、充電制御スイッチ14Aと、放電制御スイッチ14Bとを有している。
【0016】
全固体電池13の正極には、第1の電気経路(電気回路の経路を意味する)の一例であるパワーラインPLAが接続されており、当該パワーラインPLAを介して正極端子TAが導出されている。また、全固体電池13の負極には、第2の電気経路の一例であるパワーラインPLBが接続されており、当該パワーラインPLBを介して負極端子TBが導出されている。また、全固体電池モジュール100は、全固体電池13が実装される回路基板16を有している。
【0017】
保護IC12は、充放電制御スイッチ14を適宜、オン/オフすることにより、充放電を制御する充放電制御部として機能する。例えば、保護IC12が全固体電池13に異常等なく問題なく充放電できると判断した場合には充電制御スイッチ14Aと放電スイッチ14Bとをオンにする。また、保護IC12は、全固体電池13の電圧が過充電禁止電圧に達した場合等の充電を禁止する必要がある場合には、少なくとも充電制御スイッチ14Aをオフする。また、保護IC12は、全固体電池13の電圧が過放電禁止電圧に達した場合等の放電を禁止する必要がある場合には、少なくとも放電制御スイッチ14Bをオフする。また、保護IC12は、全固体電池13が深放電して再充電禁止領域に達した場合には、充電制御スイッチ14Aおよび放電制御スイッチ14Bをオフして充放電を停止する。なお、保護IC12が、過電流検出等の他の公知の保護動作を行うようにしてもよい。
【0018】
全固体電池13としては、例えば、リチウムイオン全固体電池、ナトリウムイオン全固体電池、カルシウムイオン全固体電池等の金属イオン全固体電池が挙げられる。本実施形態では、全固体電池13として、公知の構造や公知の材料を有する全固定電池を適用することができる。なお、本明細書において全固体電池とは、少なくとも固体電解質層を有する二次電池をいい、その全ての構成が固体である必要は無い。
【0019】
充電制御スイッチ14Aおよび放電制御スイッチ14Bは、保護IC12によってオン/オフが制御されるスイッチである。充電制御スイッチ14Aおよび放電制御スイッチ14Bとしては、例えば、FET(Field Effect Transistor)を使用することができる。なお、本実施形態では、充放電制御スイッチ14は、パワーラインPLA上に接続されている。
【0020】
本実施形態にかかる全固体電池モジュール100の特徴の一つとして、充放電制御スイッチ14と全固体電池13の正極との間に、第3の電気経路の一例であるパワーラインPLCが接続されている。パワーラインPLCを介して、端子TCが導出されている。端子TCは、初期充電を行う際に使用される所定の充電端子である。
【0021】
なお、正極端子TA、負極端子TBおよび端子TCの全部または一部は、全固体電池13そのものから物理的に導出される端子でもよいし、回路基板16上に形成されているランド等であってもよい。
【0022】
以上説明した全固体電池モジュール100は、回路基板16上に他の電子部品と共に実装される。全固体電池モジュール100および他の適宜な電子部品が実装された回路基板16が、種々の電子機器に対して適用される。
【0023】
[初期充電の方法]
次に、全固体電池モジュール100に対する初期充電の方法について説明する。全固体電池モジュール100に対して初期充電を行う場合には、充電器が端子TCおよび負極端子TBに接続されて初期充電が行われる。ここで、端子TCからパワーラインPLCを経由して全固体電池13の正極までの電気経路には、充放電制御スイッチ14が存在しない。このため、充電制御スイッチ14Aがオフであったとしても初期充電を行うことができる。
【0024】
上述した初期充電後には、通常と同様に、正極端子TAおよび負極端子TBが適宜な負荷に接続されて全固体電池モジュール100が使用される。しかしながら、端子TCが使用可能な状態であると、端子TCを介して充電制御スイッチ14Aを経由しない充電が再度行われてしまったり、端子TCから電力が出力されるため、好ましくない状態となり得る。
【0025】
そこで、本実施形態では、初期充電後に、端子TCに対して、全固体電池モジュール1が収納されるケースの外部からの使用を制限する処理が施される。なお、使用を制限する処理とは、端子TCを物理的に使用できない処理の他、端子TCを実質的に使用できない処理、すなわち、端子TCを使用しても、端子TCを介して、全固体電池13に電力が供給されたり、全固体電池13の電力が出力されないようにする処理を含む。以下、かかる処理の具体例について説明する。
【0026】
例えば、
図2に示す全固体電池モジュール100が電子機器のケース(外装ケース)内に収納される。この場合には、端子TCがケースの外部に露出しないように構成される。これにより、端子TCが誤って使用されてり、ユーザーによって触れられたりすることを防止することができる。
【0027】
また、端子TCを含む箇所に粘着シートやラベル等を貼付して隠すようにしてもよい。これにより、端子TCが誤って使用されてり、ユーザーによって触れられたりすることを防止することができる。
【0028】
他の例として、切断可能とされたパワーラインPLCが切断されてもよい。パワーラインPLCは、例えば、レーザ等によってカットされ物理的に切断される。また、
図3に示すように、パワーラインPLC上にヒューズ31が接続されてもよい。ヒューズ31としては、例えば、SCP(Self Control Protector)を適用することができる。SCPは、ヒーター付ヒューズであり、電池(本例では、全固体電池13)の電力によりヒーターを加熱することでヒューズを切断するデバイスである。ヒーターに電力を供給するタイミングを変化させることにより、任意のタイミングでヒューズを切断することができる。初期充電後の適宜なタイミングで保護IC12がヒューズ31を切断するための制御を行うことにより、パワーラインPLCが切断される。これにより端子TCが使用できなくされる。
【0029】
なお、上述した処理は、必ずしも独立して行われる必要は無く、組み合わされて行われてもよい。
【0030】
[製造方法]
全固体電池モジュール100および当該全固体電池モジュール100および他の電子部品を含む電子機器は、例えば、以下のようにして製造される。
【0031】
始めの工程において、電位を有しない全固体電池13がリフロー等により回路基板16に実装される。この工程において、全固体電池13以外の電子部品が回路基板16に実装されてもよい。
次の工程において、全固体電池13の正極と接続される端子TCと、負極端子TBとを使用して、全固体電池13を充電し活性化させる初期充電にかかる処理が行われる。なお、この工程を行う際に、パワーラインPLCおよびパワーラインPLCから導出される端子TCを、充放電制御スイッチ14の接続態様に対応するように、回路基板16上にパターニングする処理が行われてもよい。
次の工程において、端子TCが使用できないようにされた処理が行われる。
【0032】
[効果]
以上、説明した本実施形態にかかる全固体電池モジュール100によれば、例えば、以下の効果を得ることができる。
リフロー等によって全固体電池13を回路基板16に実装する際に、全固体電池13が電位を有しない状態であるため、他の電子部品に悪影響を与えてしまうことを防止することができる。また、実装時に全固体電池13を深放電させる必要がなく、全固体電池13が劣化してしまうことを防止することができる。
電位を有しない状態で回路基板16に実装された全固体電池13に対して、当該全固体電池13を活性化させる初期充電を行うことができる。
初期充電後には、端子TCが使用できないようにされた処理が施されるので、端子TCを使用した再充電(保護回路としての充放電制御スイッチ14を介さない充電)や、誤ってユーザーが端子TCを触れてしまうこと等を防止することができる。したがって、全固体電池モジュール100や全固体電池モジュール100が適用される電子機器の安全性を確保しつつ、使用開始することができる。
【0033】
[応用例]
本発明にかかる全固体電池モジュール100は、各種の電子機器、電動工具、電動車両等に搭載又は電力を供給するために使用することができる。
【0034】
具体的な応用例について説明する。例えば、上述した全固体電池モジュールは、携帯情報端末の機能を有するウェアラブル機器、いわゆるウェアラブル端末の電源として、使用することができる。ウェアラブル端末としては、例えば腕時計型端末、メガネ型端末などが挙げられるが、これに限定されるものではない。
【0035】
図5は、全固体電池モジュールを内蔵したウェアラブル端末の一例を示す。
図5に示すように、応用例にかかるウェアラブル端末630は、腕時計型端末であり、その内部に電池パック632を有している。電池パック632として本発明にかかる全固体電池モジュールを適用することができる。ウェアラブル端末630は、ユーザーに装着されて使用できるものである。ウェアラブル端末630は、変形が可能なフレキシブルなものであってもよい。
【0036】
図6に示すように、応用例にかかるウェアラブル端末630は、電子機器本体の電子回路631と、電池パック632とを備える。電池パック632は、電子回路631に対して電気的に接続されている。ウェアラブル端末630は、例えば、ユーザーにより電池パック632を着脱自在な構成を有している。なお、ウェアラブル端末630の構成はこれに限定されるものではなく、ユーザーにより電池パック632をウェアラブル端末630から取り外しできないように、電池パック632がウェアラブル端末630内に内蔵されている構成を有していてもよい。
【0037】
電池パック632の充電時には、電池パック632の正極端子634A、負極端子634Bがそれぞれ、充電器(図示せず)の正極端子、負極端子に接続される。一方、電池パック632の放電時(ウェアラブル端末630の使用時)には、電池パック632の正極端子634A、負極端子634Bがそれぞれ、電子回路631の正極端子、負極端子に接続される。
【0038】
(電子回路)
電子回路631は、例えば、CPU、周辺ロジック部、インターフェース部および記憶部等を備え、ウェアラブル端末630の全体を制御する。
【0039】
(電池パック)
電池パック632は、全固体電池セル610(実施形態における全固体電池13)と、充放電回路633とを備える。
【0040】
本応用例では、電池パック632として本発明にかかる全固体電池モジュールを適用した例を示したが、電子機器本体の電子回路631に本案かかる全固体電池モジュールが搭載されていてもよい。
【0041】
<変形例>
以上、本発明の一実施形態について具体的に説明したが、本発明の内容は上述した実施形態に限定されるものではなく、本発明の技術的思想に基づく各種の変形が可能である。
【0042】
図4は、変形例にかかる全固体電池モジュール(全固体電池モジュール100A)の構成例を示している。上述した一実施形態では、充放電制御スイッチ14がパワーラインPLAに接続されていたが、パワーラインPLB上に接続されていてもよい。そして、充放電制御スイッチ14と全固体電池13の負極との間に、パワーラインPLCが接続されていてもよい。パワーラインPLCを介して、端子TCが導出される。かかる全固体電池モジュール100Aの構成によっても一実施形態と同様の効果を得ることができる。
【0043】
上述した実施形態、変形例で説明した事項は、適宜組み合わせることが可能である。また、実施形態で説明された材料、工程等はあくまで一例であり、例示された材料等に本発明の内容が限定されるものではない。
【符号の説明】
【0044】
12・・・保護IC
13・・・全固体電池
14・・・充放電制御スイッチ
16・・・回路基板
100・・・全固体電池モジュール
PLA,PLB,PLC・・・パワーライン
TC・・・端子