(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-05-13
(45)【発行日】2024-05-21
(54)【発明の名称】推定装置、推定方法、およびプログラム
(51)【国際特許分類】
H04N 21/442 20110101AFI20240514BHJP
H04N 21/262 20110101ALI20240514BHJP
G06Q 30/0241 20230101ALI20240514BHJP
【FI】
H04N21/442
H04N21/262
G06Q30/0241
(21)【出願番号】P 2022532218
(86)(22)【出願日】2020-06-26
(86)【国際出願番号】 JP2020025308
(87)【国際公開番号】W WO2021260933
(87)【国際公開日】2021-12-30
【審査請求日】2022-12-12
(73)【特許権者】
【識別番号】000004237
【氏名又は名称】日本電気株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100109313
【氏名又は名称】机 昌彦
(74)【代理人】
【識別番号】100149618
【氏名又は名称】北嶋 啓至
(72)【発明者】
【氏名】藤原 将平
【審査官】益戸 宏
(56)【参考文献】
【文献】特開2009-088777(JP,A)
【文献】特開2004-178240(JP,A)
【文献】特開2016-005015(JP,A)
【文献】特開2017-062525(JP,A)
【文献】特許第6552759(JP,B1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04N 21/00 - 21/858
G06Q 30/00 - 30/08
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
番組に関する番組関連情報と広告に関する広告関連情報とを取得する取得手段と、
過去に放送された番組と広告に関する前記番組関連情報および前記広告関連情報を用いた学習によって生成された、前記番組と前記広告の相関関係の指標である関連度を推定する推定モデルに、相関関係の推定対象の前記番組と前記広告に関する前記番組関連情報および前記広告関連情報を入力して、相関関係の推定対象の前記番組と前記広告の前記関連度を推定する関連度推定手段と、
相関関係の推定対象の前記番組と前記広告に関して、前記番組の前記番組関連情報と前記広告の前記広告関連情報に共通して含まれるキーワードを集計した集計データを生成する集計データ生成手段と、
相関関係の推定対象の前記番組と前記広告の前記関連度を含む表示情報として、作案対象期間のタイムテーブルを構成する複数の番組枠の各々に、前記番組枠で放送予定の番組と、前記作案対象期間に放送予定の広告との前記関連度を対応付けたタイムテーブル画像を含む第1表示情報と、前記第1表示情報に含まれる前記タイムテーブル画像において選択された前記番組枠で放送予定の前記番組に対応する前記集計データが表示される第2表示情報とを生成する表示情報生成手段と、
前記表示情報生成手段によって生成された前記第1表示情報および前記第2表示情報を出力する出力手段と、を備える推定装置。
【請求項2】
前記番組関連情報は、過去に放送された前記番組の番組放送データ、電子番組表データ、および番組メタデータのうち少なくともいずれかを含む当事者データと、過去に放送された前記番組に関する投稿データおよび検索データのうち少なくともいずれかを含む第三者データとを含む、請求項1に記載の推定装置。
【請求項3】
前記広告関連情報は、過去に放送された前記広告の広告放送データ、広告メタデータ、および広告主メタデータのうち少なくともいずれかを含む関係者データと、過去に放送された前記広告に関する前記第三者データとを含む、請求項2に記載の推定装置。
【請求項4】
前記表示情報生成手段は、前記作案対象期間に放送予定の前記番組に対応付けられた前記キーワードごとに、前記番組に前記キーワードが登場する回数、前記番組に前記キーワードが登場する時間、前記キーワードに対する投稿数、および前記キーワードに対する反応数のうち少なくともいずれかを含む前記集計データが表示される前記第2表示情報を生成し、
前記出力手段は、前記表示情報生成手段によって生成された前記第2表示情報を出力する請求項
1に記載の推定装置。
【請求項5】
前記表示情報生成手段は、前記作案対象期間に放送予定の前記番組に含まれる少なくとも一つの広告機会の近傍の時間帯における前記キーワードの登場回数に応じて、前記少なくとも一つの広告機会をランク付けした前記集計データが表示される前記第2表示情報を生成し、
前記出力手段は、前記表示情報生成手段によって生成された前記第2表示情報を出力する請求項
1乃至4のいずれか一項に記載の推定装置。
【請求項6】
コンピュータが、
番組に関する番組関連情報と広告に関する広告関連情報とを取得し、
過去に放送された番組と広告に関する前記番組関連情報および前記広告関連情報を用いた学習によって生成された、前記番組と前記広告の相関関係の指標である関連度を推定する推定モデルに、相関関係の推定対象の前記番組と前記広告に関する前記番組関連情報および前記広告関連情報を入力して、相関関係の推定対象の前記番組と前記広告の前記関連度を推定
し、
相関関係の推定対象の前記番組と前記広告に関して、前記番組の前記番組関連情報と前記広告の前記広告関連情報に共通して含まれるキーワードを集計した集計データを生成し、
相関関係の推定対象の前記番組と前記広告の前記関連度を含む表示情報として、作案対象期間のタイムテーブルを構成する複数の番組枠の各々に、前記番組枠で放送予定の番組と、前記作案対象期間に放送予定の広告との前記関連度を対応付けたタイムテーブル画像を含む第1表示情報と、前記第1表示情報に含まれる前記タイムテーブル画像において選択された前記番組枠で放送予定の前記番組に対応する前記集計データが表示される第2表示情報とを生成し、
生成された前記第1表示情報および前記第2表示情報を出力する推定方法。
【請求項7】
番組に関する番組関連情報と広告に関する広告関連情報とを取得する処理と、
過去に放送された番組と広告に関する前記番組関連情報および前記広告関連情報を用いた学習によって生成された、前記番組と前記広告の相関関係の指標である関連度を推定する推定モデルに、相関関係の推定対象の前記番組と前記広告に関する前記番組関連情報および前記広告関連情報を入力して、相関関係の推定対象の前記番組と前記広告の前記関連度を推定する処理と、
相関関係の推定対象の前記番組と前記広告に関して、前記番組の前記番組関連情報と前記広告の前記広告関連情報に共通して含まれるキーワードを集計した集計データを生成する処理と、
相関関係の推定対象の前記番組と前記広告の前記関連度を含む表示情報として、作案対象期間のタイムテーブルを構成する複数の番組枠の各々に、前記番組枠で放送予定の番組と、前記作案対象期間に放送予定の広告との前記関連度を対応付けたタイムテーブル画像を含む第1表示情報と、前記第1表示情報に含まれる前記タイムテーブル画像において選択された前記番組枠で放送予定の前記番組に対応する前記集計データが表示される第2表示情報とを生成する処理と、
生成された前記第1表示情報および前記第2表示情報を出力する処理と、をコンピュータに実行させるプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、番組と広告の相関関係の指標である関連度を推定する推定装置等に関する。
【背景技術】
【0002】
テレビジョン放送(以下、テレビ放送と呼ぶ)においては、広告する内容を含むコマーシャルメッセージ(以下、CM:Commercial Message)が放送される。テレビ放送で放送されるCMの取引契約には、タイム契約やスポット契約、放送外契約等がある。これらの契約のうち、スポット契約に基づいて放送されるCMは、組み合わせ方が様々であり、個別条件指定により決定される。スポット契約に基づいてCMが放送される時間帯は、作案と呼ばれる作業において決定される。CMの放送枠(広告枠とも呼ぶ)を提供する放送局(受注側)は、広告主や広告代理店(発注側)から提示された条件(契約条件とも呼ぶ)と当該放送局の番組テーブル等とを照らし合わせて作案を行う。
【0003】
特許文献1には、特定のターゲットの含有率が所定の閾値以上である広告枠から構成される有効領域を識別するための情報を用いて、広告枠を最適化する手法が開示されている。特許文献1の手法では、所定の期間の全広告枠に対して有効領域の広告枠によって取得が期待される延べ視聴率(取得GRP(Gross Rating Point))比率の総和が所定の値となるように、所定の期間の全広告枠の取得GRP比率を調整する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
特許文献1の手法では、視聴率や放送日時、タイムランクなどのように、番組の内容とは独立した情報に基づいて、広告枠を最適化する。特許文献1の手法では、番組の内容と関係のあるCMが、その番組の番組枠において放送されるとは限らない。そのため、特許文献1の手法では、番組の内容に興味のある視聴者に対して、番組の内容に関係のあるCMを効果的に提供できるとは限らなかった。
【0006】
本発明の目的の一例は、上述した課題を解決するため、相関関係の推定対象の番組と広告の関連度を高精度で予測できる推定装置等を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の一態様の推定装置は、番組に関する番組関連情報と広告に関する広告関連情報とを取得する取得部と、過去に放送された番組と広告に関する番組関連情報および広告関連情報を用いた学習によって生成された、番組と広告の相関関係の指標である関連度を推定する推定モデルに、相関関係の推定対象の番組と広告に関する番組関連情報および広告関連情報を入力して、相関関係の推定対象の番組と広告の関連度を推定する関連度推定部と、を備える。
【0008】
本発明の一態様の推定方法においては、コンピュータが、番組に関する番組関連情報と広告に関する広告関連情報とを取得し、過去に放送された番組と広告に関する番組関連情報および広告関連情報を用いた学習によって生成された、番組と広告の相関関係の指標である関連度を推定する推定モデルに、相関関係の推定対象の番組と広告に関する番組関連情報および広告関連情報を入力して、相関関係の推定対象の番組と広告の関連度を推定する。
【0009】
本発明の一態様のプログラムは、番組に関する番組関連情報と広告に関する広告関連情報とを取得する処理と、過去に放送された番組と広告に関する番組関連情報および広告関連情報を用いた学習によって生成された、番組と広告の相関関係の指標である関連度を推定する推定モデルに、相関関係の推定対象の番組と広告に関する番組関連情報および広告関連情報を入力して、相関関係の推定対象の番組と広告の関連度を推定する処理と、をコンピュータに実行させる。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、相関関係の推定対象の番組と広告の関連度を高精度で予測できる推定装置等を提供することが可能になる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【
図1】第1の実施形態に係る関連度推定システムの構成の一例を示すブロック図である。
【
図2】第1の実施形態に係る関連度推定システムに含まれる学習装置の構成の一例を示すブロック図である。
【
図3】第1の実施形態に係る関連度推定システムに含まれる推定装置の構成の一例を示すブロック図である。
【
図4】第1の実施形態に係る関連度推定システムに含まれる推定装置が推定した関連度を端末装置の画面に表示させる一例を示す概念図である。
【
図5】第1の実施形態に係る関連度推定システムに含まれる推定装置が推定した関連度をタイムテーブルの番組枠に対応付けて表示させる一例を示す概念図である。
【
図6】第1の実施形態に係る関連度推定システムに含まれる推定装置が推定した関連度をタイムテーブルの番組枠に対応付けて表示させる別の一例を示す概念図である。
【
図7】第1の実施形態に係る関連度推定システムに含まれる学習装置の動作の一例について説明するためのフローチャートである。
【
図8】第1の実施形態に係る関連度推定システムに含まれる推定装置の動作の一例について説明するためのフローチャートである。
【
図9】第2の実施形態に係る関連度推定システムの構成の一例を示すブロック図である。
【
図10】第2の実施形態に係る関連度推定システムに含まれる推定装置の構成の一例を示すブロック図である。
【
図11】第2の実施形態に係る関連度推定システムに含まれる推定装置が生成する第1表示情報の表示例を示す概念図である。
【
図12】第2の実施形態に係る関連度推定システムに含まれる推定装置が生成する第2表示情報の表示例を示す概念図である。
【
図13】第2の実施形態に係る関連度推定システムに含まれる推定装置が生成する第2表示情報に含まれる特徴量詳細データの一例を示す概念図である。
【
図14】第2の実施形態に係る関連度推定システムに含まれる推定装置が生成する第2表示情報に含まれる特徴量詳細データの一例を示す概念図である。
【
図15】第2の実施形態に係る関連度推定システムに含まれる推定装置が生成する第2表示情報に含まれる特徴量詳細データの一例を示す概念図である。
【
図16】第2の実施形態に係る関連度推定システムに含まれる推定装置が生成する第2表示情報に含まれる特徴量詳細データの一例を示す概念図である。
【
図17】第2の実施形態に係る関連度推定システムに含まれる推定装置が生成する第2表示情報に含まれる特徴量詳細データの一例を示す概念図である。
【
図18】第2の実施形態に係る関連度推定システムに含まれる学習装置の集計データの生成処理の一例について説明するためのフローチャートである。
【
図19】第2の実施形態に係る関連度推定システムに含まれる推定装置の動作の一例について説明するためのフローチャートである。
【
図20】第2の実施形態に係る関連度推定システムに含まれる推定装置の表示情報生成部の動作の一例について説明するためのフローチャートである。
【
図21】第2の実施形態に係る関連度推定システムに含まれる推定装置の表示情報生成部の動作の別の一例について説明するためのフローチャートである。
【
図22】第3の実施形態に係る関連度推定システムの構成の一例を示すブロック図である。
【
図23】第4の実施形態の学習装置の構成の一例を示すブロック図である。
【
図24】第5の実施形態の推定装置の構成の一例を示すブロック図である。
【
図25】各実施形態の装置を実現するハードウェア構成の一例を示すブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下に、本発明を実施するための形態について図面を用いて説明する。ただし、以下に述べる実施形態には、本発明を実施するために技術的に好ましい限定がされているが、発明の範囲を以下に限定するものではない。なお、以下の実施形態の説明に用いる全図においては、特に理由がない限り、同様箇所には同一符号を付す。また、以下の実施形態において、同様の構成・動作に関しては繰り返しの説明を省略する場合がある。また、図面中の矢印の向きは、一例を示すものであり、信号等の向きを限定するものではない。
【0013】
(第1の実施形態)
まず、第1の実施形態に係る関連度推定システムについて図面を参照しながら説明する。本実施形態の関連度推定システムは、テレビジョン放送(以下、テレビ放送と呼ぶ)される番組とコマーシャルメッセージ(CM:Commercial Message)の相関関係の指標である関連度を計算する。関連度は、番組に関連する情報(番組関連情報とも呼ぶ)から抽出された特徴量と、CM(広告)に関連する情報(広告関連情報)から抽出された特徴量とが一致する数や時間等に関する度合を数値化した評価指標である。例えば、関連度は、テレビ放送される番組の番組枠に挿入されるコマーシャルメッセージ(CM:Commercial Message)の作案において参照される。以下においては、CMと広告を同じ意味で表現する場合がある。
【0014】
(構成)
図1は、本実施形態の関連度推定システム1の構成の一例を示すブロック図である。関連度推定システム1は、学習装置11と推定装置12を備える。なお、関連度推定システム1は、単一の装置(関連度推定装置)として構成してもよい。
【0015】
学習装置11は、過去の番組に関する番組関連情報と、過去の広告に関する広告関連情報とのデータセットを正解データとして入力する。例えば、番組関連情報と広告関連情報は、CMの作案を行う作業者が操作する端末装置(図示しない)において、データセットに編集される。例えば、番組関連情報と広告関連情報は、専用サーバでデータセットに編集されてもよい。番組関連情報と広告関連情報のデータセットを正解データにする手法には、特に限定を加えない。
【0016】
番組関連情報は、放送局が保持するデータ(1stパーティデータ)と、外部提供データ(3rdパーティデータ)とを含む。例えば、1stパーティデータ(当事者データとも呼ぶ)は、番組制作会社が使用するサーバ等から、インターネット等のネットワーク経由で取得される。1stパーティデータは、番組制作会社から取得された情報を放送局側の端末装置(図示しない)において入力されてもよい。例えば、3rdパーティデータ(第三者データとも呼ぶ)は、API(Application Programming Interface)等を通じて、SNSの投稿データ等から、放送する番組名などの特定のハッシュタグで選別することによって取得される。
【0017】
例えば、番組関連情報に含まれる1stパーティデータは、番組放送データ、番組EPG(Electronic Programming Guide)データ、および番組メタデータのうち少なくともいずれかを含む。番組放送データは、番組の内容に関するデータである。例えば、番組放送データには、番組の放送時間や、ジャンル、出演者、BGM(BackGround Music)、コンテンツ等が含まれる。番組EPGデータ(電子番組表データとも呼ぶ)は、番組の出演者やジャンル、キーワード等の放送局側が編集したデータであり、番組表や番組編成として視聴者に提供される。番組メタデータは、番組の管理上使われるデータであり、番組の製作者側が素材を搬入する際に放送局に提示される。
【0018】
例えば、番組関連情報に含まれる3rdパーティデータは、SNS(Social Networking Service)投稿データ、ブラウザ/SNS検索データ、および視聴者アンケートデータのうち少なくともいずれかを含む。SNS投稿データ(投稿データとも呼ぶ)は、ハッシュタグ等を用いて検索される番組名や出演者等の番組に関するデータである。ブラウザ/SNS検索データ(検索データとも呼ぶ)は、クッキー等を用いて取得される番組に関するデータである。視聴者アンケートデータは、毎日/毎週放送されるレギュラー番組のように、過去に放送された番組に関して、放送局が公式アプリなどを通じて視聴者から回収された番組に関するデータである。
【0019】
広告関連情報は、広告主が保持するデータ(2ndパーティデータ)と、外部提供データ(3rdパーティデータ)とを含む。例えば、2ndパーティデータ(関係者データとも呼ぶ)は、広告主が使用するサーバ等から、インターネット等のネットワーク経由で取得される。2ndパーティデータは、広告主から取得された情報を放送局側の端末装置(図示しない)において入力されてもよい。例えば、3rdパーティデータは、API等を通じて、SNSの投稿データ等から、放送する番組名などの特定のハッシュタグで選別することによって取得される。
【0020】
例えば、広告関連情報に含まれる2ndパーティデータは、CM放送データ、CMメタデータ、および広告主メタデータのうち少なくともいずれかを含む。CM放送データ(広告放送データとも呼ぶ)は、CMの内容に関するデータである。例えば、CM放送データには、CMのジャンルや、広告主名、出演者、BGM、コンテンツ等が含まれる。CMメタデータ(広告メタデータとも呼ぶ)は、CMの管理上使われるデータである。例えば、CMメタデータは、素材広告主名や、CM素材名、商品名、CM作品名等を含む。広告主メタデータは、広告主に関するデータである。例えば、広告主メタデータは、広告主の会社名や業種等を含む。また、2ndパーティデータは、企業イメージや企業カラーなどに関するデータを含んでもよい。
【0021】
例えば、広告関連情報に含まれる3rdパーティデータは、SNS投稿データや、ブラウザ/SNS検索データ等を含む。広告関連情報の3rdパーティデータに含まれるSNS投稿データやブラウザ/SNS検索データは、番組関連情報の3rdパーティデータに含まれるSNS投稿データやブラウザ/SNS検索データと同様である。
【0022】
学習装置11は、番組関連情報と広告関連情報を用いた機械学習によって、推定モデルを生成する。例えば、学習装置11は、メトリックラーニングの手法を用いて、番組関連情報と広告関連情報から抽出される特徴の関係性を考慮した特徴量空間を学習することによって、推定モデルを生成する。例えば、学習装置11は、ディープメトリックラーニングの手法を用いて、番組関連情報と広告関連情報から抽出される特徴を表現した特徴量ベクトル間の距離が類似度を反映するように特徴量空間を学習することによって、推定モデルを生成する。例えば、学習装置11は、機械学習によって、番組関連情報および広告関連情報の各々から抽出される特徴量の一致する数や時間等に関する度合を数値化した関連度を出力する推定モデルを生成する。学習装置11が生成する推定モデルは、番組関連情報と広告関連情報の各々から抽出される特徴量間の関連度を推定するように構成されてもよい。学習装置11によって生成された推定モデルは、相関関係の推定対象である番組と広告の関連度の推定に用いられる。
【0023】
推定装置12は、相関関係の推定対象の番組と広告に関する番組関連情報と広告関連情報(推定対象データとも呼ぶ)を取得する。例えば、推定装置12は、作案対象期間に放送予定の少なくとも一つの番組の番組関連情報と、その作案対象期間に挿入予定の広告の広告関連情報を、相関関係の推定対象データとして取得する。例えば、推定装置12は、作案を行う作業者が操作する端末装置(図示しない)から推定対象データを取得したり、データベースから推定対象データを取得したりする。
【0024】
推定装置12は、相関関係の推定対象の番組と広告に関する推定対象データから特徴量を抽出する。推定装置12は、推定対象データから抽出された特徴量を推定モデルに入力する。推定モデルからは、番組と広告の関連度が出力される。推定装置12は、推定モデルから出力された関連度を出力する。すなわち、推定装置12は、相関関係の推定対象である番組と広告に関する番組関連情報と広告関連情報から抽出された特徴量を推定モデルに入力して、それらの番組と広告の関連度を予測する。例えば、推定装置12から出力される関連度は、作案を行う作業者が操作する端末装置(図示しない)の画面に表示される。作業者は、画面に表示された関連度を参照し、作案を行うことができる。なお、推定装置12から出力される関連度は、画面に表示されずに、記憶装置(図示しない)に格納されたり、その他の用途に用いられたりしてもよい。
【0025】
〔学習装置〕
次に、学習装置11の詳細について図面を参照しながら説明する。
図2は、学習装置11の構成の一例を示すブロック図である。学習装置11は、特徴量抽出部111、モデル構築部112、およびモデル記憶部113を有する。
【0026】
特徴量抽出部111(取得部とも呼ぶ)は、予め用意された正解データ1~nを取得する(nは自然数)。正解データ1~nの各々は、番組関連情報と広告関連情報のデータセットである。特徴量抽出部111は、取得した正解データ1~nに含まれる番組関連情報および広告関連情報から特徴量を抽出する。例えば、特徴量抽出部111は、取得した番組関連情報や広告関連情報に含まれる映像データやSNSデータなどのメタデータから特徴量を抽出する。例えば、特徴量抽出部111は、画像認識と音声認識のうち少なくともいずれかを用いる画音認識によって、番組関連情報や広告関連情報から特徴量を抽出する。例えば、特徴量抽出部111は、Web APIやテキスト解析等によって、番組関連情報や広告関連情報から特徴量を抽出する。
【0027】
例えば、正解データ1~nには、予め定められた所定の条件の下で、過去に放送された番組と広告の組み合わせのうち、所定の条件を満たす番組と広告に関する番組関連情報および広告関連情報のデータセットが選択される。例えば、所定の条件として、CMの放送後に、対象のサービスや商品の売り上げが一定数増加したことがあげられる。例えば、所定の条件として、CMの放送後に、そのCMのスポンサーのホームページや、対象のサービスや商品の検索/アクセス回数が一定数増加したことがあげられる。なお、所定の条件は、番組と広告の関連度を推定できれば、これらの例に限定されない。
【0028】
モデル構築部112は、正解データ1~nから抽出された特徴量を特徴量抽出部111から取得する。モデル構築部112は、正解データ1~nから抽出された特徴量を用いて機械学習を行い、番組と広告の関連度を推定するための推定モデルを生成する。モデル構築部112は、入力された番組と広告の組み合わせの関連性が高くなるように、特徴量抽出部111によって抽出されたそれぞれの特徴量に基づいて学習する。例えば、モデル構築部112は、機械学習によって、正解データ1~nから抽出される特徴量の一致する数や時間等に関する度合を数値化した関連度を出力する推定モデルを生成する。
【0029】
例えば、モデル構築部112は、メトリックラーニングやディープメトリックラーニングなどの手法を用いて、入力された正解データ1~nを特徴量空間にプロットし、対象の距離に応じて推定モデルを生成する。例えば、モデル構築部112は、メトリックラーニングの手法を用いて、正解データ1~nから抽出される特徴の関係性を考慮した特徴量空間を学習する。例えば、モデル構築部は、ディープメトリックラーニングの手法を用いて、正解データ1~nから抽出される特徴を表現した特徴量ベクトル間の距離が類似度を反映するように特徴量空間を学習する。
【0030】
モデル記憶部113は、モデル構築部112が構築した推定モデルを記憶する。モデル記憶部113に記憶された推定モデルは、推定装置12による番組と広告の関連度の推定に用いられる。
【0031】
〔推定装置〕
次に、推定装置12の詳細について図面を参照しながら説明する。
図3は、推定装置12の構成の一例を示すブロック図である。推定装置12は、特徴量抽出部121、相関関係推定部122、相関関係記憶部123、入出力部124を有する。
図3には、推定装置12に接続される端末装置13を図示する。
図3の例では、入出力部124は、端末装置13に接続される。端末装置13は、関連度推定システム1に含まれてもよい。また、入出力部124は、入力と出力の構成を別々にしてもよい。
【0032】
特徴量抽出部121(取得部とも呼ぶ)は、相関関係の推定対象である番組および広告に関する番組関連情報と広告関連情報(推定対象データとも呼ぶ)を入力する。例えば、特徴量抽出部121は、広告主により指定された作案対象期間のタイムテーブルに含まれる番組枠に放送される番組に関する番組関連情報と、広告主により指定された作案対象期間に挿入予定の広告に関する広告関連情報とを入力する。特徴量抽出部111は、取得された番組関連情報および広告関連情報の各々から特徴量を抽出する。特徴量抽出部121は、学習装置11の特徴量抽出部111と同様の構成である。
【0033】
相関関係推定部122は、相関関係の推定対象である番組および広告に関する番組関連情報および広告関連情報の各々から抽出された特徴量を推定モデルに入力し、番組と広告の関連度を推定する。相関関係推定部122は、推定した関連度を相関関係記憶部123に記憶させる。例えば、相関関係推定部122は、番組関連情報およびCM関連情報の特徴量を推定モデルに入力し、番組関連情報および広告関連情報から抽出された特徴量ごとの関連度を算出するように構成してもよい。
【0034】
相関関係記憶部123は、相関関係推定部122によって推定された関連度を記憶する。相関関係記憶部123は、番組と広告の組み合わせに応じた関連度をデータベース等の形式で記憶する。相関関係記憶部123は、番組関連情報および広告関連情報から抽出される特徴量ごとの関連度を記憶してもよい。
【0035】
入出力部124は、端末装置13からの要求に応じて、広告主からの放送依頼を受けた広告と、広告主から指定された放送期間内に放送される番組の各々との関連度を相関関係記憶部123から取得する。入出力部124は、取得した関連度を端末装置13に出力する。例えば、入出力部124は、端末装置13からの要求に応じた関連度を相関関係記憶部123から取得し、取得した関連度を端末装置13に出力する。
【0036】
図4は、関連度推定システム1が推定した関連度を、端末装置13の画面に表示させる例である。
図4の例では、関連度推定システム1が推定した関連度を示す値(135.3)が画面に表示される。
【0037】
図5は、関連度推定システム1が推定した番組枠ごとの関連度を、複数の番組枠によって構成されるタイムテーブル140に含まれる番組枠の各々に対応付けて、端末装置13の画面に表示させる例である。
図5の例では、関連度推定システム1が推定した番組枠ごとの関連度が、タイムテーブル140を構成する番組枠の各々に対応付けて表示される。例えば、広告主からの引合データで指定された放送期間のタイムテーブル140が、端末装置13の画面に表示される。
【0038】
図6は、
図5の例において、関連度の値に応じて、タイムテーブル140の番組枠の表示形式を変更する例である。
図6の例では、タイムテーブル140の各番組枠において、関連度の値に応じてランク分けをする。
図6の例では、タイムテーブル140における関連度の値が、上位90~100パーセント(%)、上位70~90%、上位50~70%のランクを同じ表示形式で表示させる。
図6のようにランク分けすれば、タイムテーブル140において、CMと関連性の深い番組コンテンツを含む番組枠を、目立つ色や模様で示したり、枠で囲って目立たせたりすることによって、関連度の大小関係が視覚化される。
【0039】
(動作)
次に、本実施形態に係る関連度推定システム1の動作について図面を参照しながら説明する。以下においては、正解データから抽出された特徴量を学習して推定モデルを生成する学習フェーズと、推定対象データを推定モデルに入力して関連度を推定する推定フェーズに大別して説明する。
【0040】
〔学習フェーズ〕
図7は、学習フェーズについて説明するためのフローチャートである。学習フェーズの説明においては、学習装置11を動作主体として説明する。
【0041】
図7において、まず、学習装置11は、正解データを取得する(ステップS111)。
【0042】
次に、学習装置11は、取得された正解データから特徴量を抽出する(ステップS112)。
【0043】
次に、学習装置11は、抽出された特徴量を用いた機械学習によって、推定モデルを生成する(ステップS113)。なお、学習装置11は、検証データを用いて推定モデルの汎用性を検証したり、テストデータを用いて推定モデルのテストを行ったりした結果に応じて、推定モデルを学習しなおしてもよい。
【0044】
次に、学習装置11は、生成された推定モデルを記憶する(ステップS114)。
【0045】
〔推定フェーズ〕
図8は、推定フェーズについて説明するためのフローチャートである。推定フェーズの説明においては、推定装置12を動作主体として説明する。
【0046】
図8において、まず、推定装置12は、相関関係の推定対象である番組と広告に関する推定対象データを取得する(ステップS121)。
【0047】
次に、推定装置12は、取得された推定対象データから特徴量を抽出する(ステップS122)。
【0048】
次に、推定装置12は、抽出された特徴量を推定モデルに入力し、番組と広告の関連度を推定する(ステップS123)。
【0049】
次に、推定装置12は、推定モデルを用いて推定された関連度を、番組と広告に関連付けて記憶する(ステップS124)。
【0050】
以上のように、本実施形態の関連度推定システムは、学習装置と推定装置とを備える。
【0051】
学習装置は、特徴量抽出部、モデル構築部、およびモデル記憶部を有する。特徴量抽出部は、過去に放送された番組および広告の番組関連情報および広告関連情報を取得する。特徴量抽出部は、取得された番組関連情報および広告関連情報から特徴量を抽出する。モデル構築部は、抽出された特徴量を用いた学習によって、番組と広告の相関関係の指標である関連度を推定する推定モデルを生成する。モデル記憶部は、モデル構築部によって生成された推定モデルを記憶する。
【0052】
推定装置は、特徴量抽出部、相関関係推定部、相関関係記憶部、および入出力部(出力部とも呼ぶ)を有する。特徴量抽出部は、番組に関する番組関連情報と、広告に関する広告関連情報とを取得する。特徴量抽出部は、取得された番組関連情報および広告関連情報から特徴量を抽出する。相関関係推定部は、抽出された特徴量を推定モデルに入力して、相関関係の推定対象の番組と広告の関連度を推定する。相関関係記憶部は、相関関係推定部によって推定された、相関関係の推定対象の番組と広告の関連度を記憶する。出力部は、相関関係記憶部に記憶された、番組と広告の関連度を出力する。
【0053】
本実施形態の一態様の学習装置は、番組関連情報から抽出された特徴量と、広告関連情報から抽出された特徴量と、を用いた学習によって推定モデルを生成する。例えば、番組関連情報は、当事者データと第三者データを含む。例えば、広告関連情報は、関係者データと第三者データを含む。例えば、当事者データは、過去に放送された番組の番組放送データ、電子番組表データ、および番組メタデータのうち少なくともいずれかを含む。例えば、関係者データは、過去に放送された広告の広告放送データ、広告メタデータ、および広告主メタデータのうち少なくともいずれかを含む。例えば、第三者データは、過去に放送された番組に関する投稿データおよび検索データのうち少なくともいずれかを含む。推定装置は、モデル構築部によって生成された推定モデルに、相関関係の推定対象の番組と広告に関する番組関連情報および広告関連情報を入力して、相関関係の推定対象の番組と広告の関連度を推定する。
【0054】
一般的な広告の作案では、放送される番組の内容や番組に対する世間の印象と、CM(広告)との間の関連性は考慮されない。例えば、アルコール飲料のCMが子供向けの番組の番組枠で放送されないように、そのような番組が放送される番組枠に放送されるCMに禁止ジャンルを設けて制限したり、放送時間帯を絞ったりすることで、広告効果の低減を避ける工夫がされることはある。しかし、関連性の高い番組と広告が紐づけされることはなかったため、宣伝効率の悪い放送契約が結ばれる場合もあった。
【0055】
本実施形態の手法では、番組およびCMの映像や、SNS等のサードパーティデータなどを利用して特徴量を抽出することで、番組およびCMのコンテンツに踏み込んで互いの関連性を計測する。例えば、本実施形態の手法では、番組およびCMの映像データからの特徴量の抽出は、映像解析や音声解析による自動化が可能である。そのため、本実施形態の手法によれば、番組およびCMに関する膨大な特徴量を用いた学習によって、相関関係の推定対象の番組と広告の関連度を高精度で予測する推定モデルを構築できる。その結果、本実施形態の手法によれば、番組と広告の関連度を高精度で予測できるため、番組の内容に興味のある視聴者に対して、番組の内容に関係のあるCMを効果的に視聴させることが可能になる。また、本実施形態によれば、視聴率が低いためにCMが放送されなかったような番組であっても、番組と広告の関連度に応じて、CMが放送される機会が増えるという、これまでにはなかった新しい効果が生まれる。
【0056】
(第2の実施形態)
次に、第2の実施形態に係る関連度推定システムについて図面を参照しながら説明する。本実施形態の関連度推定システムは、番組と広告の関連度に関する表示情報を生成する点において、第1の実施形態の関連度推定システムとは異なる。本実施形態の推定装置は、第1の実施形態の学習装置によって生成された推定モデルに、相関関係の推定対象である番組と広告の番組関連情報と広告関連情報のデータセット(推定対象データ)から抽出された特徴量を入力し、それらの番組と広告の関連度を推定する。
【0057】
また、本実施形態の推定装置は、推定対象データから抽出される特徴量に関する集計データを生成する。集計データは、相関関係の推定対象である番組と広告に関して、番組関連情報から抽出される特徴量と、広告関連情報から抽出される特徴量のうち、一致する特徴量(キーワードとも呼ぶ)に関するパラメータを集計したデータである。
【0058】
(構成)
図9は、本実施形態の関連度推定システム2の構成の一例を示すブロック図である。関連度推定システム2は、学習装置21と推定装置22を備える。学習装置21は、第1の実施形態の学習装置11と同様の構成であるため、詳細な説明は省略する。推定装置22は、第1の実施形態の推定装置12と全く同じではないものの、同様の機能を有する。以下においては、第1の実施形態と同様の機能については、説明を簡略化する。なお、関連度推定システム2は、単一の装置(関連度推定装置)として構成してもよい。
【0059】
〔推定装置〕
図10は、推定装置22の構成の一例を示すブロック図である。推定装置22は、特徴量抽出部221、相関関係推定部222、相関関係記憶部223、入出力部224、表示情報生成部225、集計データ生成部226、集計データ記憶部227を有する。特徴量抽出部221、相関関係推定部222、および相関関係記憶部223は、第1の実施形態の対応する構成と同様であるため、説明を省略する。なお、集計データを表示させない場合は、集計データ生成部226と集計データ記憶部227を省略してもよい。
図10には、推定装置22に接続される端末装置23を図示する。
図10の例では、入出力部224は、端末装置23に接続される。端末装置23は、関連度推定システム2に含まれてもよい。また、入出力部224に関しては、入力と出力の構成を別々にしてもよい。
【0060】
入出力部224は、端末装置23からの要求を受け付ける。例えば、入出力部224は、端末装置23から表示情報(第1表示情報や第2表示情報)の要求を端末装置23から受け付ける。例えば、第1表示情報は、作案対象期間のタイムテーブルを構成する複数の番組枠の各々に、番組枠で放送予定の番組と、作案対象期間に放送予定の広告との関連度を対応付けたタイムテーブル画像を含む。例えば、第2表示情報は、作案対象期間に放送予定の番組の番組関連情報から抽出された特徴量と、その作案対象期間に放送予定の広告から抽出された特徴量に関する集計データを含む。入出力部224は、端末装置23から要求された第1表示情報や第2表示情報を生成する指示を表示情報生成部225に出力する。また、第2表示情報の要求を端末装置23から取得した場合、入出力部224は、集計データ生成部226に集計データを取得する指示を出す。
【0061】
集計データ生成部226は、番組関連情報から抽出された特徴量と、広告関連情報から抽出された特徴量とを用いて、集計データを生成する。例えば、集計データ生成部226は、後述するCMチャンスランキングや特徴量詳細データ等の集計データを生成する。集計データ生成部226は、生成された集計データを集計データ記憶部227に記憶させる。
【0062】
例えば、集計データ生成部226は、番組関連情報と広告関連情報から抽出された特徴量の一致する度合等に基づいて、CMの挿入効果の高さをランク付けしたCMチャンスランキングを生成する。例えば、集計データ生成部226は、番組に含まれる複数のCMチャンス(広告機会とも呼ぶ)に関して、CMチャンスランキングを生成する。例えば、集計データ生成部226は、番組関連情報および広告関連情報から抽出された特徴量のうち一致する特徴量をキーワードとし、そのキーワードに関する詳細データ(特徴量詳細データとも呼ぶ)を生成する。キーワードは、関連度の推定対象の番組と広告に関する番組関連情報と広告関連情報に共通に含まれる特徴量である。例えば、集計データ生成部226は、キーワードごとの登場回数、登場時間、SNSへの投稿数、SNSにおけるリアクション数(反応数とも呼ぶ)等に関する特徴量詳細データを、番組ごとに生成する。例えば、集計データ生成部226は、特徴量詳細データとして、CMチャンスの近傍の時間帯におけるキーワードの登場回数をランク付けした情報(例えば、グラフ)を番組ごとに生成する。例えば、集計データ生成部226は、特徴量詳細データとして、作案対象期間に含まれる番組の放送時間帯に過去に放送された番組における、キーワードに関する投稿数の時間推移を示すグラフを生成する。
【0063】
一般的な番組には、少なくとも1回のCMチャンスが含まれる。例えば、19時~22時のゴールデンタイムにおける1時間程度の番組には、1分程度のCMチャンスが3~4回含まれる。例えば、集計データ生成部226は、作案対象期間の番組枠で放送される各々の番組に関して、CMチャンスの近傍の時間帯におけるキーワードの登場回数をランク付けする。例えば、集計データ生成部226は、CMチャンスの前後5分程度の時間帯におけるキーワードの登場回数をCMチャンスごとにランク付けする。例えば、CMを作案する作業者は、番組に含まれるCMチャンスの近傍の時間帯におけるキーワードの登場回数のランキングを参照し、ランクの高いキーワードが含まれるCMをそのCMチャンスに割り当てることができる。CMチャンスの近傍の時間帯において登場回数が多いキーワードと関連度の高い特徴量が多く含まれるCMがそのCMチャンスにおいて放送されれば、そのCMの内容に視聴者が興味を持ち、そのCMの商品やサービスの宣伝効果が高まる。
【0064】
集計データ記憶部227は、集計データ生成部226によって生成された集計データを記憶する。集計データ記憶部227に記憶された集計データは、第2表示情報の生成に用いられる。
【0065】
表示情報生成部225は、タイムテーブルに含まれる複数の番組枠に対応する関連度を相関関係記憶部223から取得する。表示情報生成部225は、タイムテーブルに含まれる複数の番組枠の各々に、それらの番組枠に対応する関連度が表示されるタイムテーブル画像を含む第1表示情報を生成する。第1表示情報は、タイムテーブルを構成する番組枠のうち少なくともいずれかに関連度が対応付けられた画像情報である。例えば、表示情報生成部225は、タイムテーブルに含まれる番組枠で放送される番組の関連度がそろったタイミングや、端末装置23から第1表示情報の要求を受けたタイミングにおいて第1表示情報を生成する。表示情報生成部225は、生成された第1表示情報を入出力部224に出力する。
【0066】
図11は、端末装置23の画面に表示させる第1表示情報の一例(第1表示情報240)を示す概念図である。第1表示情報240は、タイムテーブルに関する画像(タイムテーブル画像241)を少なくとも含む。第1表示情報240は、作業者による操作を受け付けるGUI(Graphical User Interface)である。
図11には、作業者による操作を受け付けるためのポインタ205が図示されている。例えば、タイムテーブル画像241は、番組枠に対する広告の挿入や、挿入される広告の時間単位、作案結果の決定などの入力を受け付ける。例えば、タイムテーブル画像241には、タイムテーブル以外に、タイムテーブルの各番組枠に挿入される広告の時間単位が設定されるコンボボックスや、作案結果の決定を受け付けるためのボタンが含まれてもよい。
【0067】
例えば、第1表示情報240には、タイムテーブル画像241に加えて、契約情報を含む契約情報画像や、作案結果の内容を含む作案結果画像が表示される。例えば、契約情報画像は、契約の識別番号(契約コード)、発注側の名称(広告主)、契約金額、視聴率の条件(契約秒数、視聴率の目標値)、参考時間帯の号数(参考号数)、契約対象期間等の項目を含む。通常、契約情報画像は、引合データに含まれる契約情報に基づき、画面上の操作によって変更されない。例えば、作案結果画像は、挿入される広告の正価や、掛率、発注側と受注側との間で予め設定された視聴指標に関する条件、広告単価等を含む。なお、第1表示情報240は、契約情報画像や作案結果画像を含まなくてもよいし、契約情報画像や作案結果画像以外の領域を含んでもよい。また、第1表示情報240におけるタイムテーブル画像241や、契約情報画像、作案結果画像のレイアウトは、
図11の例に限定されず、任意に構成できる。
【0068】
また、表示情報生成部225は、入出力部224からの指示に応じて、端末装置23によって要求された番組の集計データを集計データ記憶部227から取得する。表示情報生成部225は、取得された集計データを含む第2表示情報を生成する。
【0069】
例えば、表示情報生成部225は、CMチャンスランキングや、特徴量詳細データ、特徴量詳細データを検索するための検索ウィンドウなどが含まれる第2表示情報を生成する。第2表示情報は、選択された番組の集計データを含む画像情報である。例えば、表示情報生成部225は、番組枠(番組)の選択や更新の指示を入出力部224から受け付けたタイミングや、集計データ生成部226から集計データを取得したタイミングにおいて第2表示情報を生成する。
【0070】
例えば、
図11のように、タイムテーブル画像241のいずれかの番組枠がポインタ205で選択されると、その番組枠で放送される番組に含まれる特徴量に関する第2表示情報の要求が、関連度推定システム2の推定装置22の入出力部224に送信される。そして、その要求に応じて送信されてきた第2表示情報が、端末装置23の画面に表示される。
【0071】
図12は、第1表示情報240に重ねられて、第2表示情報250が端末装置23の画面に表示される例である。第2表示情報250は、第1領域270、第2領域280、および第3領域290を含む。例えば、第1領域270には、選択された番組に含まれる複数のCMチャンスに関して、CMの挿入効果の高さをランク付けしたCMチャンスランキングを含む画像(CMチャンスランキング画像とも呼ぶ)が表示される。例えば、第2領域280には、特徴量(キーワード)を検索するための画像(検索画像とも呼ぶ)が表示される。第2領域280に表示される検索ウィンドウは、キーワードの選択を受け付けるGUIとして機能する。例えば、第3領域290には、第2領域280に表示された検索ウィンドウにおいて選択されたキーワードに関する詳細データを含む画像(特徴量詳細データ画像)を含む特徴量詳細データが表示される。
【0072】
図13は、第1領域270に表示されるCMチャンスランキング画像の一例(CMチャンスランキング画像271)である。CMチャンスランキング画像271は、作案対象期間に挿入予定の広告に関して、選択された番組枠において放送される番組中の4つのCMチャンスが、宣伝効果が高い順にランク付けされたCMチャンスランキングを含む。CMチャンスランキング画像271においては、1番目(1st)のCMチャンスの宣伝効果が最も高く、三番目(3rd)のCMチャンスの宣伝効果が最も低い。
【0073】
図14は、第2領域280に表示される検索ウィンドウの一例(検索ウィンドウ281)である。検索ウィンドウ281は、作案対象期間に挿入予定の広告に関して、選択された番組から抽出されたキーワードや、それらのキーワードの関連度の合計値、お気に入りへの追加有無等を示す目印(
図14では星印)等を含む。
図14の例では、破線の枠で囲まれた一番上のキーワード(AAA)が選択されている。また、検索ウィンドウ281は、表示されるキーワードの順番を並び替えたり、ジャンルを選択したり、閲覧履歴を表示させたりするためのリストボックスを含む。なお、
図14の検索ウィンドウ281は一例であって、第2領域280に表示される検索ウィンドウには、キーワードを選択する機能があればよい。
【0074】
図15は、第3領域290に表示される特徴量詳細データ画像の一例(特徴量詳細データ画像291)である。特徴量詳細データ画像291は、第2領域280の検索ウィンドウにおいて選択されたキーワードの番組内での登場回数、登場時間、SNSへの投稿数、SNSにおけるリアクション数(反応数とも呼ぶ)等に関する特徴量詳細データを含む。
【0075】
図16は、第3領域290に表示される特徴量詳細データ画像の別の一例(特徴量詳細データ画像292)である。特徴量詳細データ画像292は、選択された番組内において、選択されたキーワードがCMチャンスの近傍の時間帯に登場する回数をランク付けしたグラフを含む。
【0076】
図17は、第3領域290に表示される特徴量詳細データ画像のさらに別の一例(特徴量詳細データ画像293)である。特徴量詳細データ画像293は、選択された番組枠で放送された過去の番組の放送時間帯において、選択されたキーワードに関する投稿数の時間推移を示すグラフを含む。例えば、
図15~
図17の特徴量詳細データは、第3領域290に個別に表示されてもよいし、第3領域290にいくつかまとめて表示されてもよい。
【0077】
(動作)
次に、本実施形態に係る関連度推定システム2の動作について図面を参照しながら説明する。以下においては、集計データ生成処理、推定フェーズ、サブ画面表示処理、およびサブ画面更新処理に大別して説明する。集計データ生成処理は、相関関係の推定対象の番組と広告に関する番組関連情報および広告関連情報から抽出されたキーワードを用いて集計データを生成する処理である。推定フェーズは、推定対象データを推定モデルに入力して関連度を推定するフェーズである。サブ画面表示処理は、サブ画面を表示する処理である。サブ画面更新処理は、サブ画面の表示を更新する処理である。正解データから抽出された特徴量を学習して推定モデルを生成する学習フェーズは、第1の実施形態と同様であるので、説明を省略する。
【0078】
〔集計データ生成処理〕
図18は、相関関係の推定対象の番組と広告に関する番組関連情報および広告関連情報から抽出された特徴量を用いて集計データを生成する、集計データ生成処理について説明するためのフローチャートである。集計データ生成処理の説明においては、推定装置22に含まれる集計データ生成部226を動作主体として説明する。
【0079】
図18において、まず、集計データ生成部226は、相関関係の推定対象の番組と広告の番組関連情報および広告関連情報に共通して含まれる特徴量(キーワード)を番組ごとに取得する(ステップS211)。
【0080】
次に、集計データ生成部226は、取得されたキーワードに関する集計データを番組ごとに生成する(ステップS212)。
【0081】
次に、集計データ生成部226は、番組に関連付けて、生成された集計データを集計データ記憶部227に記憶させる(ステップS213)。集計データ記憶部227に記憶された集計データは第2表示情報の生成に用いられる。
【0082】
〔推定フェーズ〕
図19は、推定フェーズについて説明するためのフローチャートである。推定フェーズの説明においては、推定装置22を動作主体として説明する。
【0083】
図19において、まず、推定装置22は、相関関係の推定対象である番組と広告に関する推定対象データを取得する(ステップS221)。
【0084】
次に、推定装置22は、取得された推定対象データから特徴量を抽出する(ステップS222)。
【0085】
次に、推定装置22は、抽出された特徴量を推定モデルに入力し、番組と広告の関連度を推定する(ステップS223)。
【0086】
次に、推定装置22は、推定モデルを用いて推定された関連度を、番組と広告に関連付けて記憶する(ステップS224)。
【0087】
ここで、第1表示情報を生成する場合(ステップS225でYes)、推定装置22は、記憶された関連度を用いて、タイムテーブルの各番組枠に関連度が表示されるタイムテーブル画像を含む第1表示情報を生成する(ステップS226)。例えば、第1表示情報を生成するタイミングは、タイムテーブルに含まれる番組枠で放送される番組の関連度がそろったタイミングや、端末装置23から第1表示情報の要求を受けたタイミングである。一方、第1表示情報を生成しない場合(ステップS225でNo)、
図19のフローチャートに沿った処理は終了である。
【0088】
ステップS226の後、推定装置22は、生成された第1表示情報を端末装置23に出力する(ステップS227)。端末装置23の画面には、生成された第1表示情報が表示される。
【0089】
〔第2表示情報生成〕
図20は、第2表示情報を生成する処理について説明するためのフローチャートである。
図20のフローチャートに沿った説明においては、表示情報生成部225を動作の主体として説明する。
【0090】
図20において、まず、表示情報生成部225は、第1表示情報において選択された番組の第2表示情報を生成する指示を入出力部224から受け付ける(ステップS231)。
【0091】
次に、表示情報生成部225は、選択された番組の集計データを集計データ記憶部227から取得する(ステップS232)。
【0092】
次に、表示情報生成部225は、取得された集計データを用いて、第2表示情報を生成する(ステップS233)。
【0093】
次に、表示情報生成部225は、生成された第2表示情報を入出力部224に出力する(ステップS234)。入出力部224に出力された第2表示情報は、端末装置23に出力される。端末装置23の画面には、生成された第2表示情報が表示される。例えば、端末装置23の画面には、第1表示情報に重ねられて、第2表示情報が表示される。
【0094】
〔第2表示情報更新〕
図21は、第2表示情報を更新する処理について説明するためのフローチャートである。
図21のフローチャートに沿った説明においては、表示情報生成部225を動作の主体として説明する。
【0095】
図21において、まず、表示情報生成部225は、第2表示情報の検索ウィンドウで選択されたキーワードの集計データが表示されるように第2表示情報を更新する指示を入出力部224から受け付ける(ステップS241)。
【0096】
次に、表示情報生成部225は、選択されたキーワードの集計データを集計データ記憶部227から取得する(ステップS242)。
【0097】
次に、表示情報生成部225は、選択されたキーワードの集計データを含む集計データ画像に更新された第2表示情報を生成する(ステップS243)。
【0098】
次に、表示情報生成部225は、生成された第2表示情報を入出力部224に出力する(ステップS244)。入出力部224に出力された第2表示情報は、端末装置23に出力される。端末装置23の画面には、更新された第2表示情報が表示される。
【0099】
以上のように、本実施形態の関連度推定システムの推定装置は、特徴量抽出部、相関関係推定部、相関関係記憶部、および出力部に加えて、表示情報生成部、集計データ生成部、および集計データ記憶部を備える。
【0100】
本実施形態の一態様において、表示情報生成部は、相関関係の推定対象の番組と広告の関連度を含む表示情報を生成する。出力部は、表示情報生成部によって生成された表示情報を出力する。
【0101】
例えば、出力部から出力された表示情報は、CM(広告)の作案作業を行う作業者が操作する端末装置の画面に表示される。作業者は、端末装置の画面に表示された表示情報を参照することによって、番組と広告の関連度を認識できる。
【0102】
本実施形態の一態様において、取得部は、作案対象期間に放送予定の番組の番組関連情報と、作案対象期間に放送予定の広告の広告関連情報とを取得する。相関関係推定部は、取得された番組関連情報と広告関連情報を推定モデルに入力して、番組と広告の関連度を推定する。表示情報生成部は、作案対象期間のタイムテーブルを構成する複数の番組枠の各々に、番組枠で放送予定の番組と、作案対象期間に放送予定の広告との関連度を対応付けたタイムテーブル画像を含む第1表示情報を生成する。出力部は、生成された第1表示情報を出力する。
【0103】
例えば、出力部から出力された第1表示情報は、CM(広告)の作案作業を行う作業者が操作する端末装置の画面に表示される。作業者は、端末装置の画面に表示された第1表示情報を参照することによって、タイムテーブルに含まれる番組と広告の関連度を認識できる。
【0104】
本実施形態の一態様において、推定装置は、集計データ生成部と集計データ記憶部とを備える。集計データ生成部は、相関関係の推定対象の番組と広告に関して、番組の番組関連情報と広告の広告関連情報に共通して含まれるキーワードを集計した集計データを生成する。集計データ記憶部は、集計データ生成部によって生成された集計データを番組に対応付けて記憶する。表示情報生成部は、第1表示情報に含まれるタイムテーブル画像において選択された番組枠で放送予定の番組に対応する集計データが表示される第2表示情報を生成する。出力部は、生成された第2表示情報を出力する。
【0105】
例えば、表示情報生成部は、作案対象期間に放送予定の番組に対応付けられたキーワードごとに、集計データが表示される第2表示情報を生成する。例えば、集計データは、番組にキーワードが登場する回数、番組に前記キーワードが登場する時間、キーワードに対する投稿数、およびキーワードに対する反応数のうち少なくともいずれかを含む。出力部は、表示情報生成部によって生成された第2表示情報を出力する。
【0106】
例えば、表示情報生成部は、作案対象期間に放送予定の番組に含まれる少なくとも一つの広告機会の近傍の時間帯におけるキーワードの登場回数に応じて、少なくとも一つの広告機会をランク付けした集計データが表示される第2表示情報を生成する。入出力部は、表示情報生成部によって生成された第2表示情報を出力する。
【0107】
例えば、表示情報生成部は、集計データの表示対象のキーワードを検索するための検索ウィンドウを含む前記第2表示情報を生成する。表示情報生成部は、検索ウィンドウにおいて選択されたキーワードの集計データを含む第2表示情報を生成する。出力部は、表示情報生成部によって生成された第2表示情報を出力する。
【0108】
例えば、出力部から出力された第2表示情報は、CM(広告)の作案作業を行う作業者が操作する端末装置の画面に表示される。作業者は、端末装置の画面に表示された第2表示情報を参照することによって、広告の挿入候補の番組から抽出された特徴量に関する統計的な情報を認識できる。
【0109】
(第3の実施形態)
次に、第3の実施形態に係る関連度推定システムについて図面を参照しながら説明する。本実施形態の学習装置は、第1~第2の実施形態の関連度推定システムを簡略化した構成である。
【0110】
図22は、本実施形態の関連度推定システム3の一例を示す概念図である。関連度推定システム3は、学習装置31および推定装置32を備える。
【0111】
学習装置31は、過去に放送された番組および広告に関する番組関連情報および広告関連情報を取得する。学習装置31は、取得された番組関連情報および広告関連情報を用いた学習によって、番組と広告の相関関係の指標である関連度を推定する推定モデルを生成する。
【0112】
推定装置32は、番組に関する番組関連情報と、広告に関する広告関連情報を取得する。推定装置32は、相関関係の推定対象の番組と広告に関する番組関連情報および広告関連情報を推定モデルに入力して、相関関係の推定対象の番組と広告の関連度を推定する。
【0113】
本実施形態の関連度推定システムによれば、番組および広告に関する情報を用いた学習によって、相関関係の推定対象の番組と広告の関連度を高精度で予測する推定モデルを構築できる。その結果、本実施形態の手法によれば、番組と広告の関連度を高精度で予測できる。
【0114】
(第4の実施形態)
次に、第4の実施形態に係る学習装置について図面を参照しながら説明する。本実施形態の学習装置は、第1~第2の実施形態の学習装置を簡略化した構成である。
【0115】
図23は、本実施形態の学習装置41の一例を示す概念図である。学習装置41は、特徴量抽出部411およびモデル構築部412を備える。
【0116】
特徴量抽出部411は、過去に放送された番組および広告に関する番組関連情報および広告関連情報を取得する。特徴量抽出部411は、取得された番組関連情報および広告関連情報から特徴量を抽出する。
【0117】
モデル構築部412は、抽出された特徴量を用いた学習によって、番組と広告の相関関係の指標である関連度を推定する推定モデル400を生成する。
【0118】
本実施形態の学習装置によれば、番組および広告に関する情報を用いた学習によって、相関関係の推定対象の番組と広告の関連度を高精度で予測する推定モデルを構築できる。
【0119】
(第5の実施形態)
次に、第5の実施形態に係る推定装置について図面を参照しながら説明する。本実施形態の学習装置は、第1~第2の実施形態の推定装置を簡略化した構成である。
【0120】
図24は、本実施形態の推定装置52の一例を示す概念図である。推定装置52は、取得部521および関連度推定部522を備える。
【0121】
取得部521は、番組に関する番組関連情報と、広告に関する広告関連情報を取得する。
【0122】
関連度推定部522は、相関関係の推定対象の番組と広告に関する番組関連情報および広告関連情報を推定モデルに入力して、相関関係の推定対象の番組と広告の関連度を推定する。推定モデルは、過去に放送された番組と広告に関する番組関連情報および広告関連情報を用いた学習によって生成されたモデルである。推定モデルは、相関関係の推定対象の番組と広告に関する番組関連情報および広告関連情報が入力されると、番組と広告の相関関係の指標である関連度を出力する。
【0123】
本実施形態の推定装置によれば、番組と広告の関連度を高精度で予測する推定モデルを用いることによって、相関関係の推定対象の番組と広告の関連度を高精度で予測できる。そのため、本実施形態によれば、番組の内容に興味のある視聴者に対して、番組の内容に関係のあるCMを効果的に視聴させることが可能になる。
【0124】
(ハードウェア)
ここで、各実施形態に係る学習装置や推定装置、端末装置等の装置を実現するハードウェア構成について、
図25の情報処理装置90を一例として挙げて説明する。なお、
図25の情報処理装置90は、各実施形態の装置を実現するための構成例であって、本発明の範囲を限定するものではない。
【0125】
図25のように、情報処理装置90は、プロセッサ91、主記憶装置92、補助記憶装置93、入出力インターフェース95、および通信インターフェース96を備える。
図25においては、インターフェースをI/F(Interface)と略して表記する。プロセッサ91、主記憶装置92、補助記憶装置93、入出力インターフェース95、および通信インターフェース96は、バス98を介して互いにデータ通信可能に接続される。また、プロセッサ91、主記憶装置92、補助記憶装置93および入出力インターフェース95は、通信インターフェース96を介して、インターネットやイントラネットなどのネットワークに接続される。
【0126】
プロセッサ91は、補助記憶装置93等に格納されたプログラムを主記憶装置92に展開し、展開されたプログラムを実行する。本実施形態においては、情報処理装置90にインストールされたソフトウェアプログラムを用いる構成とすればよい。プロセッサ91は、本実施形態に係る装置による処理を実行する。
【0127】
主記憶装置92は、プログラムが展開される領域を有する。主記憶装置92は、例えばDRAM(Dynamic Random Access Memory)などの揮発性メモリとすればよい。また、MRAM(Magnetoresistive Random Access Memory)などの不揮発性メモリを主記憶装置92として構成・追加してもよい。
【0128】
補助記憶装置93は、種々のデータを記憶する。補助記憶装置93は、ハードディスクやフラッシュメモリなどのローカルディスクによって構成される。なお、種々のデータを主記憶装置92に記憶させる構成とし、補助記憶装置93を省略することも可能である。
【0129】
入出力インターフェース95は、情報処理装置90と周辺機器とを接続するためのインターフェースである。通信インターフェース96は、規格や仕様に基づいて、インターネットやイントラネットなどのネットワークを通じて、外部のシステムや装置に接続するためのインターフェースである。入出力インターフェース95および通信インターフェース96は、外部機器と接続するインターフェースとして共通化してもよい。
【0130】
情報処理装置90には、必要に応じて、キーボードやマウス、タッチパネルなどの入力機器を接続するように構成してもよい。それらの入力機器は、情報や設定の入力に使用される。なお、タッチパネルを入力機器として用いる場合は、表示機器の表示画面が入力機器のインターフェースを兼ねる構成とすればよい。プロセッサ91と入力機器との間のデータ通信は、入出力インターフェース95に仲介させればよい。
【0131】
また、情報処理装置90には、情報を表示するための表示機器を備え付けてもよい。表示機器を備え付ける場合、情報処理装置90には、表示機器の表示を制御するための表示制御装置(図示しない)が備えられていることが好ましい。表示機器は、入出力インターフェース95を介して情報処理装置90に接続すればよい。
【0132】
以上が、各実施形態に係る装置を可能とするためのハードウェア構成の一例である。なお、
図25のハードウェア構成は、各実施形態に係る装置の演算処理を実行するためのハードウェア構成の一例であって、本発明の範囲を限定するものではない。また、各実施形態に係る装置に関する処理をコンピュータに実行させるプログラムも本発明の範囲に含まれる。さらに、各実施形態に係るプログラムを記録した記録媒体も本発明の範囲に含まれる。記録媒体は、例えば、CD(Compact Disc)やDVD(Digital Versatile Disc)などの光学記録媒体で実現できる。また、記録媒体は、USB(Universal Serial Bus)メモリやSD(Secure Digital)カードなどの半導体記録媒体や、フレキシブルディスクなどの磁気記録媒体、その他の記録媒体によって実現してもよい。
【0133】
各実施形態の装置の構成要素は、任意に組み合わせることができる。また、各実施形態の装置の構成要素は、ソフトウェアによって実現してもよいし、回路によって実現してもよい。
【0134】
以上、実施形態を参照して本発明を説明してきたが、本発明は上記実施形態に限定されるものではない。本発明の構成や詳細には、本発明のスコープ内で当業者が理解し得る様々な変更をすることができる。
【0135】
上記の実施形態の一部又は全部は、以下の付記のようにも記載されうるが、以下には限られない。
(付記1)
番組に関する番組関連情報と広告に関する広告関連情報とを取得する取得部と、
過去に放送された番組と広告に関する前記番組関連情報および前記広告関連情報を用いた学習によって生成された、前記番組と前記広告の相関関係の指標である関連度を推定する推定モデルに、相関関係の推定対象の前記番組と前記広告に関する前記番組関連情報および前記広告関連情報を入力して、相関関係の推定対象の前記番組と前記広告の前記関連度を推定する関連度推定部と、を備える推定装置。
(付記2)
前記番組関連情報は、過去に放送された前記番組の番組放送データ、電子番組表データ、および番組メタデータのうち少なくともいずれかを含む当事者データと、過去に放送された前記番組に関する投稿データおよび検索データのうち少なくともいずれかを含む第三者データとを含む、付記1に記載の推定装置。
(付記3)
前記広告関連情報は、過去に放送された前記広告の広告放送データ、広告メタデータ、および広告主メタデータのうち少なくともいずれかを含む関係者データと、過去に放送された前記広告に関する前記第三者データとを含む、付記2に記載の推定装置。
(付記4)
相関関係の推定対象の前記番組と前記広告の前記関連度を含む表示情報を生成する表示情報生成部と、
前記表示情報生成部によって生成された前記表示情報を出力する出力部と、を備える付記1乃至3のいずれか一項に記載の推定装置。
(付記5)
前記表示情報生成部は、作案対象期間のタイムテーブルを構成する複数の番組枠の各々に、前記番組枠で放送予定の番組と、前記作案対象期間に放送予定の広告との前記関連度を対応付けたタイムテーブル画像を含む第1表示情報を生成し、
前記出力部は、生成された前記第1表示情報を出力する付記4に記載の推定装置。
(付記6)
相関関係の推定対象の前記番組と前記広告に関して、前記番組の前記番組関連情報と前記広告の前記広告関連情報に共通して含まれるキーワードを集計した集計データを生成する集計データ生成部と、を更に備え、
前記表示情報生成部は、前記第1表示情報に含まれる前記タイムテーブル画像において選択された前記番組枠で放送予定の前記番組に対応する前記集計データが表示される第2表示情報を生成し、
前記出力部は、生成された前記第2表示情報を出力する付記5に記載の推定装置。
(付記7)
前記表示情報生成部は、前記作案対象期間に放送予定の前記番組に対応付けられた前記キーワードごとに、前記番組に前記キーワードが登場する回数、前記番組に前記キーワードが登場する時間、前記キーワードに対する投稿数、および前記キーワードに対する反応数のうち少なくともいずれかを含む前記集計データが表示される前記第2表示情報を生成し、
前記出力部は、前記表示情報生成部によって生成された前記第2表示情報を出力する付記6に記載の推定装置。
(付記8)
前記表示情報生成部は、前記作案対象期間に放送予定の前記番組に含まれる少なくとも一つの広告機会の近傍の時間帯における前記キーワードの登場回数に応じて、前記少なくとも一つの広告機会をランク付けした前記集計データが表示される前記第2表示情報を生成し、
前記出力部は、前記表示情報生成部によって生成された前記第2表示情報を出力する付記6または7に記載の推定装置。
(付記9)
前記表示情報生成部は、前記集計データの表示対象の前記キーワードを検索するための検索ウィンドウを含む前記第2表示情報を生成し、
前記表示情報生成部は、前記検索ウィンドウにおいて選択された前記キーワードの前記集計データを含む前記第2表示情報を生成し、
前記出力部は、前記表示情報生成部によって生成された前記第2表示情報を出力する付記4乃至8のいずれか一項に記載の推定装置。
(付記10)
コンピュータが、
番組に関する番組関連情報と広告に関する広告関連情報とを取得し、
過去に放送された番組と広告に関する前記番組関連情報および前記広告関連情報を用いた学習によって生成された、前記番組と前記広告の相関関係の指標である関連度を推定する推定モデルに、相関関係の推定対象の前記番組と前記広告に関する前記番組関連情報および前記広告関連情報を入力して、相関関係の推定対象の前記番組と前記広告の前記関連度を推定する推定方法。
(付記11)
番組に関する番組関連情報と広告に関する広告関連情報とを取得する処理と、
過去に放送された番組と広告に関する前記番組関連情報および前記広告関連情報を用いた学習によって生成された、前記番組と前記広告の相関関係の指標である関連度を推定する推定モデルに、相関関係の推定対象の前記番組と前記広告に関する前記番組関連情報および前記広告関連情報を入力して、相関関係の推定対象の前記番組と前記広告の前記関連度を推定する処理と、をコンピュータに実行させるプログラム。
【符号の説明】
【0136】
1、2、3 関連度推定システム
11、21、31、41 学習装置
12、22、32、52 推定装置
13、23 端末装置
111、411 特徴量抽出部
112、412 モデル構築部
113 モデル記憶部
121、221 特徴量抽出部
122、222 相関関係推定部
123、223 相関関係記憶部
124、224 入出力部
225 表示情報生成部
226 集計データ生成部
227 集計データ記憶部
521 取得部
522 関連度推定部