(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-05-13
(45)【発行日】2024-05-21
(54)【発明の名称】端末機器及びネットワーク機器
(51)【国際特許分類】
H04W 28/16 20090101AFI20240514BHJP
H04W 16/28 20090101ALI20240514BHJP
H04W 28/04 20090101ALI20240514BHJP
H04W 76/15 20180101ALI20240514BHJP
H04L 27/26 20060101ALI20240514BHJP
H04B 7/06 20060101ALI20240514BHJP
H04B 7/08 20060101ALI20240514BHJP
H04L 1/14 20060101ALI20240514BHJP
【FI】
H04W28/16
H04W16/28 150
H04W28/04
H04W76/15
H04L27/26 113
H04B7/06 960
H04B7/08 810
H04L1/14
(21)【出願番号】P 2023040344
(22)【出願日】2023-03-15
(62)【分割の表示】P 2021544536の分割
【原出願日】2019-01-31
【審査請求日】2023-03-15
(73)【特許権者】
【識別番号】000004237
【氏名又は名称】日本電気株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100103894
【氏名又は名称】家入 健
(72)【発明者】
【氏名】ユエン ファン
(72)【発明者】
【氏名】ワン ガン
【審査官】吉江 一明
(56)【参考文献】
【文献】特開2018-166346(JP,A)
【文献】特開2017-060176(JP,A)
【文献】Enhancements on multi-TRP/panel transmission,R1-1812243,2018年11月03日
【文献】Multi-TRP Enhancements,R1-1900905,2019年01月12日,pp.1-26
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04W 04/00 ー 99/00
H04L 27/26
H04B 7/06
H04B 7/08
H04L 1/14
3GPP TSG RAN WG1-4
SA WG1-4
CT WG1,4
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
端末機器であって、
第1ネットワーク機器から、第1制御情報を受信する手段と、
前記第1制御情報が示す第1パラメータと、予め定められたオフセット値に基づいて、第2パラメータを決定する手段と、
前記第1パラメータに基づき、第1TCI(Transmission Configuration Indicator)に対応する第1通信を実行し、前記第2パラメータに基づき、第2TCIに対応する第2通信を実行する手段と
を有し、
前記第1通信と前記第2通信は、同一トランスポートブロックに対応する、
端末機器。
【請求項2】
前記第1制御情報は、DCI(下りリンク制御情報)フォーマットで受信される、
請求項1に記載の端末機器。
【請求項3】
前記第1制御情報は、前記第1通信の第1RV(冗長バージョン)と前記第2通信の第2RVに対応する値を示し、
前記第2RVの第2の値は、前記第1RVの第1の値にオフセットを加えた値である、
請求項1又は2に記載の端末機器。
【請求項4】
前記予め定められたオフセット値は、RRC(Radio Resource Control)シグナリングによって設定される、
請求項1乃至3のいずれか1項に記載の端末機器。
【請求項5】
前記第1パラメータは、前記第1通信についての第1TDRA(時間領域リソース割当)を示し、前記第2パラメータは、前記第2通信についての第2TDRAを示し、前記第2通信の第2持続時間は前記第1通信の第1持続時間と同じである、
請求項1乃至4のいずれか1項に記載の端末機器。
【請求項6】
前記予め定められたオフセット値は0以上である、
請求項1乃至5のいずれか1項に記載の端末機器。
【請求項7】
前記第1通信は前記第1ネットワーク機器との間で実行し、前記第2通信は第2ネットワーク機器との間で実行する、
請求項1乃至6のいずれか1項に記載の端末機器。
【請求項8】
第1ネットワーク機器であって、
端末機器へ、第1制御情報を送信する手段と、
前記第1制御情報が示す第1パラメータに基づき、第1TCI(Transmission Configuration Indicator)に対応する第1通信を実行する手段と、を有し、
第2TCIに対応する第2通信は、前記第1パラメータと予め定められたオフセット値に基づく第2パラメータに基づいて実行され、
前記第1通信と前記第2通信は、同一トランスポートブロックに対応する、
第1ネットワーク機器。
【請求項9】
前記第1制御情報は、DCI(下りリンク制御情報)フォーマットで送信される、
請求項8に記載の第1ネットワーク機器。
【請求項10】
前記第1制御情報は、前記第1通信の第1RV(冗長バージョン)と前記第2通信の第2RVに対応する値を示し、
前記第2RVの第2の値は、前記第1RVの第1の値にオフセットを加えた値である、
請求項8又は9に記載の第1ネットワーク機器。
【請求項11】
前記予め定められたオフセット値は、RRC(Radio Resource Control)シグナリングによって設定される、
請求項8乃至10のいずれか1項に記載の第1ネットワーク機器。
【請求項12】
前記第1パラメータは、前記第1通信についての第1TDRA(時間領域リソース割当)を示し、前記第2パラメータは、前記第2通信についての第2TDRAを示し、前記第2通信の第2持続時間は前記第1通信の第1持続時間と同じである、
請求項8乃至11のいずれか1項に記載の第1ネットワーク機器。
【請求項13】
前記予め定められたオフセット値は0以上である、
請求項8乃至12のいずれか1項に記載の第1ネットワーク機器。
【請求項14】
前記第2通信は第2ネットワーク機器と前記端末機器との間で実行される、
請求項8乃至13のいずれか1項に記載の第1ネットワーク機器。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示の実施形態は一般的に通信分野に関し、より具体的にはマルチTRP通信に関する。
【背景技術】
【0002】
3GPP(登録商標)規格の最新の発展は、E-UTRAN(Evolved UMTS Terrestrial Radio Access Network)及びEPC(Evolved Packet Core)ネットワークのロングタームエボリューション(LTE)と称され、一般には「4G」とも称される。また、「5G New Radio(NR)」という用語は、さまざまなアプリ及びサービスをサポートすることが期待される進化し続ける通信技術を指す。5G NRは、遅延、信頼性、セキュリティ、スケーラビリティ(例えばモノのインターネット(IoTz)に関する)及びその他の要件に関連する新たな要件を満たすために、第三世代パートナーシッププロジェクト(3GPP)によって発表された継続的なモバイルブロードバンドの進化の一部である。5G NRのいくつかの側面は、4G ロングタームエボリューション(LTE)規格に基づくことが可能である。
【0003】
最近では、マルチTRP/パネル/ビームを有する超高信頼・低遅延通信(URLLC)の信頼性/ロバスト性の向上について、理想的なバックホールの状況も含めて検討が行われている。同じデータ(例えば同じトランスポートブロック(TB)を送信する物理下りリンク共有チャネル(PDSCH)/物理上りリンク共有チャネル(PUSCH)については、TRP/パネル/ビームの数、TBの繰り返し(repetition)の設定/指示メカニズムが検討されている。また、他の機能向上も排除されていない。物理下りリンク制御チャネル(PDCCH)/物理上りリンク制御チャネル(PUCCH)については、TRP/パネル/ビームの数、及び下りリンク制御情報(DCI)/上りリンク制御情報(UCI)の繰り返し/ダイバーシティについて検討されている。また、その他の機能向上についても除外されていない。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
一般に、本開示の例示的な実施形態は、マルチTRP通信のための解決手段を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0005】
第1の態様において、通信のための方法が提供される。該方法は、端末機器において第1ネットワーク機器及び第2ネットワーク機器のうち少なくとも1つから、制御情報を受信することを含む。該方法はさらに、第1ネットワーク機器と端末機器との間で第1データの通信を行うための第1パラメータ、及び、第2ネットワーク機器と端末機器との間で第1データと同じである第2データの通信を行うための第2パラメータを制御情報から決定することを含む。該方法はさらに、第1パラメータ及び第2パラメータに基づき、第1ネットワーク機器と第1データの通信を実行し、第2ネットワーク機器と第2データの通信を実行することを含む。
【0006】
第2の態様において、通信のための方法が提供される。該方法は、第1ネットワーク機器において、第1ネットワーク機器と端末機器との間で第1データの通信を行うための第1パラメータ、及び、第2ネットワーク機器と端末機器との間で第1データと同じである第2データの通信を行うための第2パラメータを決定することを含む。該方法はさらに、第1パラメータ及び第2パラメータを端末機器が決定するための制御情報を生成することを含む。該方法はさらに、端末機器に制御情報を送信することを含む。
【0007】
第3の態様では、端末機器が提供される。端末機器は、プロセッサと、命令を記憶するメモリとを備える。メモリ及び命令は、プロセッサと共に、端末機器に、第1ネットワーク機器及び第2ネットワーク機器のうち少なくとも1つから、制御情報を受信させるように設定されている。メモリ及び命令はさらに、プロセッサと共に、端末機器に、第1ネットワーク機器と端末機器との間で第1データの通信を行うための第1パラメータ、及び、第2ネットワーク機器と端末機器との間で第1データと同じである第2データの通信を行うための第2パラメータを制御情報から決定させるように設定されている。メモリ及び命令はさらに、プロセッサと共に、端末機器に、第1パラメータ及び第2パラメータに基づき、第1ネットワーク機器と第1データの通信を実行させ、第2ネットワーク機器と第2データの通信を実行させるように設定されている。
【0008】
第4の態様では、ネットワーク機器が提供される。ネットワーク機器は、プロセッサと、命令を記憶するメモリとを備える。メモリ及び命令はさらに、プロセッサと共に、ネットワーク機器に、ネットワーク機器と端末機器との間で第1データの通信を行うための第1パラメータ、及び、別のネットワーク機器と端末機器との間で第1データと同じである第2データの通信を行うための第2パラメータを決定させるように設定されている。メモリ及び命令はさらに、プロセッサと共に、ネットワーク機器に、端末機器が第1パラメータ及び第2パラメータを決定するための制御情報を生成させるように設定されている。メモリ及び命令はさらに、プロセッサと共に、ネットワーク機器に、制御情報を端末機器に対して送信させるように設定されている。
【0009】
第5の態様において、命令が記憶されているコンピュータ可読媒体が提供される。前記命令は、デバイスの少なくとも1つのプロセッサで実行された場合に、デバイスに、第1の態様の方法を実行させる。
【0010】
第6の態様において、命令が記憶されているコンピュータ可読媒体が提供される。前記命令は、デバイスの少なくとも1つのプロセッサで実行された場合に、デバイスに、第2の態様の方法を実行させる。
【0011】
発明の概要部分は、本開示の実施形態の重要な又は本質的な特徴を特定することを意図したものではなく、本開示の範囲を制限することも意図していないことは理解されるべきである。本開示のその他の特徴は、以下の説明により容易に理解されるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0012】
以下、図面において本開示のいくつかの実施形態をさらに詳細に説明し、本開示の上述及びその他の目的、特徴、利点を、さらに明らかにする。
【0013】
【
図1】本開示の実施形態を実現可能な通信環境の模式図である。
【0014】
【
図2】本開示のいくつかの実施形態にかかる例示的方法のフローチャートである。
【0015】
【
図3】本開示のいくつかの実施形態にかかる、第1ネットワーク機器及び第2ネットワーク機器から送信(transmit)される制御情報の2つのコピーと、第1ネットワーク機器から送信される第1データ及び第2ネットワーク機器から送信される第2データとの関連付けの例を示す図である。
【0016】
【
図4A】本開示のいくつかの実施形態にかかる、第1ネットワーク機器及び第2ネットワーク機器のための通信リソース割当の例を示す図である。
【0017】
【
図4B】本開示のいくつかの実施形態にかかる、第1ネットワーク機器及び第2ネットワーク機器のための通信リソース割当の例を示す図である。
【0018】
【
図4C】本開示のいくつかの実施形態にかかる、第1ネットワーク機器及び第2ネットワーク機器のための通信リソース割当の例を示す図である。
【0019】
【
図5】本開示のいくつかの実施形態にかかる、第1ネットワーク機器用の第1周波数リソースと、第2ネットワーク機器用の第2周波数リソースとの間の正のオフセットの例、及び、第1周波数リソースと第2周波数リソースとの間の負のオフセットの例を示す図である。
【0020】
【
図6】本開示のいくつかの実施形態にかかる、第1ネットワーク機器用のMCSと第2ネットワーク機器用のMCSとが同一である例、及び、第1ネットワーク機器用のMCSと第2ネットワーク機器用のMCSとが異なる例を示す図である。
【0021】
【
図7A】1つのネットワーク機器についてのスロット内ホッピング(intra-slot hopping)の例と、1つのネットワーク機器についてのスロット間ホッピング(inter-slot hopping)の例を示す図である。
【0022】
【
図7B】1つのネットワーク機器についてのスロット内ホッピングの例と、1つのネットワーク機器についてのスロット間ホッピングの例を示す図である。
【0023】
【
図8A】本開示のいくつかの実施形態にかかる、2つのネットワーク機器のためのスロット内ホッピングの例を示す図である。
【0024】
【
図8B】本開示のいくつかの実施形態にかかる、2つのネットワーク機器のためのスロット内ホッピングの例を示す図である。
【0025】
【
図9A】本開示のいくつかの実施形態にかかる、2つのネットワーク機器のためのスロット間ホッピングの例を示す図である。
【0026】
【
図9B】本開示のいくつかの実施形態にかかる、2つのネットワーク機器のためのスロット間ホッピングの例を示す図である。
【0027】
【
図9C】本開示のいくつかの実施形態にかかる、2つのネットワーク機器のためのスロット間ホッピングの例を示す図である。
【0028】
【
図9D】本開示のいくつかの実施形態にかかる、2つのネットワーク機器のためのスロット間ホッピングの例を示す図である。
【0029】
【
図10】本開示のいくつかの実施形態にかかる別の例示的方法のフローチャートを示す図である。
【0030】
【
図11】本開示のいくつかの実施形態を実現するのに適したデバイスの概略ブロック図である。
【0031】
図全体において、同一又は類似の参照符号は、同一又は類似の要素を表す。
【発明を実施するための形態】
【0032】
以下、いくつかの例示的実施形態を参照して、本開示の原理を説明する。理解すべき点として、これらの実施形態は、単に説明を目的として記述され、当業者が本開示を理解し実現する際の助けとなるものであり、本開示の範囲に対する何らかの制限を示唆するものではない。本明細書で説明する開示内容は、以下に説明する方法以外に、さまざまな方法で実施可能である。
【0033】
以下の説明及び請求項において、別に定義がある場合を除き、文中で使用される全ての技術・科学用語は、本開示が属する分野の当業者が通常理解するものと同じ意味を有する。
【0034】
本明細書で使用されているように、用語「送信/受信ポイント」(transmission/reception point)は通常、ユーザ端末と通信する局を指すことができる。しかしながら送信/受信ポイントは、例えば基地局(BS)、セル、ノードB、進化型Node B(eNB),次世代NodeB(gNB),送受信ポイント(TRP)、セクタ、サイト、BTS(Base Transceiver System)、アクセスポイント(AP)、中継ノード(RN)、リモート無線ヘッド(RRH)、無線ユニット(RU),アンテナ等の異なる用語で称することができる。
【0035】
すなわち、本開示の文脈では、送受信ポイント、基地局(BS)又はセルは、符号分割多元接続(CDMA)におけるBSC(Base Station Controller)、WCDMA(登録商標)におけるノードB、LTEにおけるeNB又はセクタ(サイト)、NRにおけるgNB又はTRP等によってカバーされるエリア又は機能の一部を指す包括的(inclusive)概念であると解釈することができる。したがって、送信/受信ポイント、基地局(BS)及び/又はセルの概念は、各種カバーエリア、例えばメガセル(megacell)、マクロセル、ミクロセル、ピコセル、フェムトセル等を含むことができる。また、このような概念は中継ノード(RN)、リモート無線ヘッド(RRH)又は無線ユニット(RU)の通信範囲を含むことができる。
【0036】
本開示の文脈において、ユーザ端末及び送信/受信ポイントは、包括的な意味を有する2つの送信/受信主体であってよく、本明細書に開示された技術及び技術的概念を実施するためのものであり、特定の用語又は表現に限定されなくてもよい。また、ユーザ端末及び送信/受信ポイントは、包括的な意味を有する上りリンク又は下りリンクの送信/受信主体であってもよく、本実施形態に関連して開示された技術及び技術的概念を具体化するためのものであり、特定の用語又は表現に限定されなくてもよい。本明細書において、上りリンク(UL)送信/受信は、データをユーザ端末から基地局に送信する方式である。代わりに、下りリンク(DL)送信/受信は、データを基地局からユーザ端末に送信する方式である。
【0037】
文中で使用される場合、文中で他に明記していない限り、単数形式である「1」、「1つ」(a、an)及び「該」、「前記」(the)は、複数形式を含むことを意味する。用語「含む」(includes)及びその変形は、「…を含むが、これらに限定されない」(includes, but is not limited to)という意味のオープンタームであると解釈されるべきである。用語「…に基づいて」(based on)は、「少なくとも部分的に基づく」(based at least in part on)と解釈されるべきである。用語「1つの実施形態」(one embodiment)及び「実施形態」(an embodiment)は、「少なくとも1つの実施形態」(at least one embodiment)と解釈されるべきである。用語「別の実施形態」(another embodiment)は、「少なくとも1つの別の実施形態」(at least one other embodiment)と解釈されるべきである。用語「第1」(first)、「第2」(second)等は、異なるか又は同一の対象を示すことができる。以下の文中には、明示、暗示を問わず、その他の定義も含まれ得る。
【0038】
いくつかの例示において、値、手順(procedure)又は装置は、「最適」(best)、「最低」(lowest)、「最高」(highest)、「最小」(minimum)、「最大」(maximum)等と称される。理解すべき点として、こうした説明は、使用される複数の機能の代替手段の中から、選択可能であると示すことを意図しており、こうした選択は、他の選択と比べて、より優れていたり、より小さかったり、より高かったり、又はより好ましかったりする必要はない。
【0039】
図1は、本開示の実施形態を実現可能な通信環境100の模式図である。通信環境100は、2つのネットワーク機器110、120と、端末機器130とを有する。端末機器130は無線通信リンクを介して、ネットワーク機器110、120のうち1つ又は2つと通信を行うことができる。いくつかの実施形態では、ネットワーク機器110、120は、端末機器130に協働でサービスを提供する2つの基地局であってもよい。この場合、ネットワーク機器110、120は通信リンク155を介して互いに通信することができる。
【0040】
他のいくつかの実施形態では、ネットワーク機器110、120は、端末機器130にサービスを提供する1つの基地局の異なる送受信ユニットであってもよい。さらに他のいくつかの実施形態では、ネットワーク機器110、120は、2つのTRP、2つのパネル、2つのセル、又は1つのTRP/パネル/セル内の2組のアンテナポート/エレメント(element)であってもよい。本明細書で使用されるように、端末機器と通信する複数のネットワーク機器に関わる無線通信(通信環境100など)は、マルチTRP通信とも称することができる。
【0041】
図1に示すネットワーク機器の数及び端末機器の数は、説明用にすぎず、何らかの制限を示唆するものではないことは理解されるはずである。実際に、通信環境100は、本開示の実施形態の実施に適した任意の適切な数のネットワーク機器及び任意の適切な数の端末機器を含むことができる。すなわち、本開示の実施形態は、端末機器と2つ以上のネットワーク機器とが通信を行うシナリオに適用することができる。
【0042】
文中で使用される用語「ネットワーク機器」(network device)又は「基地局」(BS:base station)とは、端末機器が通信可能なセル又はカバー範囲を、提供又はホスト(host)可能なデバイスを指す。ネットワーク機器の例には、ノードB(NodeB又はNB)、進化型NodeB(eNodeB又はeNB)、次世代NodeB(gNB)、送信/受信ポイント(TRP)、リモートラジオユニット(RRU)、無線ヘッド(RH)、リモート無線ヘッド(RRH)、フェムトノード、ピコノード等の低電力ノードが含まれるが、これらに限定されない。
【0043】
文中で使用される用語「端末機器」(terminal device)は、無線又は有線での通信能力を有する全てのデバイスを指す。端末機器の例として、ユーザ端末(UE)、パーソナルコンピュータ、デスクトップコンピュータ、移動電話、携帯電話、スマートフォン、携帯情報端末(PDA)、携帯コンピュータ、画像取込デバイス(例えばデジタルカメラ)、ゲーム機器、音楽保存再生装置、又は無線若しくは有線によるインターネットへのアクセス・閲覧等を有効にするインターネットアプライアンスが含まれるが、これらに限定されない。議論しやすいように、以下の文では、参考用にUEを端末機器の例示として、いくつかの実施形態を説明する。また、用語「端末機器」及び「ユーザ端末」(UE)は、本開示の文脈では互換的に使用することができる。
【0044】
通信環境100における通信は、任意の適切な規格に適合させることができる。ここで任意の適切な規格には、移動通信用グローバルシステム(GSM)、EC-GSM-IoT(Extended coverage GSM IoT)、ロングタームエボリューション(LTE)、LTE エボリューション(LTE Evolution)、LTE-アドバンスト(LTE-A)、広帯域符号分割多元接続(WCDMA)、符号分割多元接続(CDMA)、GSM EDGE無線アクセスネットワーク(GERAN)等が含まれるが、これらに限定されない。また、現時点で既知の、又は将来開発される任意の世代の通信プロトコルに基づき、通信を実行することができる。通信プロトコルの例として、第1世代(1G)、第2世代(2G)、2.5G、2.75G、第3世代(3G)、第4世代(4G)、4.5G、第5世代(5G)の通信プロトコルが含まれるが、これらに限定されない。
【0045】
通常、第1ネットワーク機器110及び端末機器130は、両者の間で第1データ135の通信を実行することができる。例えば、第1ネットワーク機器110は端末機器130に対して第1データ135を送信することができ、端末機器130は第1ネットワーク機器110から第1データ135を受信することができる。このような通信は下りリンク送信(downlink transmission)として知られている。例えば、NRではPDSCHチャネルで第1データ135を送信することができる。或いは、端末機器130は第1ネットワーク機器110に第1データ135を送信することができ、第1ネットワーク機器110は端末機器130から第1データ135を受信することができる。このような通信は上りリンク送信(uplink transmission)として知られている。例えば、NRではPUSCHチャネルで第1データ135を送信することができる。いくつかの実施形態において、第1データ135及び第2データ145は、ユーザプレーンデータ、制御プレーンデータ等、ネットワーク機器と端末機器との間で送信可能な任意のデータを含むことができる。
【0046】
第1ネットワーク機器110と端末機器130との間で第1データ135の通信を行う前に、第1ネットワーク機器110は端末機器130に第1の下りリンク制御情報又は第1の上りリンク制御情報を送信することができる。例えば、端末機器130は第1の下りリンク制御情報から、第1ネットワーク機器110が第1データ135をどのように送信するか、例えば時間周波数リソース、変調符号化方式(MCS)、冗長バージョン(RV:redundancy version)、擬似コロケーション(QCL)設定、及び、第1データ135送信用の他の任意の可能パラメータ等を決定することができる。NRではPDCCHで下りリンク及び上りリンクの制御情報を送信することができる。
【0047】
同様に、端末機器130は第1の上りリンク制御情報から、端末機器130が第1データ135をどのように送信するか、例えば時間周波数ソース、RV、MCS、及び第1データ135送信用の任意の他の可能パラメータ等を決定することができる。言い換えると、第1の下りリンク制御情報又は第1の上りリンク制御情報は、第1ネットワーク機器110と端末機器130との間で第1データ135の通信を行うためのパラメータを示すことができる。
【0048】
同様に、第2ネットワーク機器120及び端末機器130は両者の間で第2データ145の通信を実行することができる。例えば、第2ネットワーク機器120は端末機器130に対して第2データ145を送信することができ、端末機器130は第2ネットワーク機器120から第2データ145を受信することができる。このような通信は下りリンク送信として知られている。例えば、NRでは別のPDSCHチャネルで第2データ145を送信することができる。或いは、端末機器130は第2ネットワーク機器120に第2データ145を送信することができ、第2ネットワーク機器120は端末機器130から第2データ145を受信することができる。このような通信は上りリンク送信として知られている。例えば、NRでは別のPUSCHチャネルで第2データ145を送信することができる。
【0049】
第2ネットワーク機器120と端末機器130との間で第2データ145の通信を行う前に、第2ネットワーク機器120は端末機器130に第2の下りリンク制御情報又は第2の上りリンク制御情報を送信することができる。例えば、端末機器130は第2の下りリンク制御情報から、第2ネットワーク機器120が第2データ145をどのように送信するか、例えば時間周波数リソース、RV、MCS、QCL設定、及び、第2データ145送信用の他の任意の可能パラメータ等を決定することができる。
【0050】
同様に、端末機器130は第2の上りリンク制御情報から、端末機器130が第2データ145をどのように送信するか、例えば時間周波数リソース、MCS、及び第2データ145送信用の任意の他の可能パラメータ等を決定することができる。言い換えると、第2の下りリンク制御情報又は第2の上りリンク制御情報は、第2ネットワーク機器120と端末機器130との間で第2データ145の通信を行うためのパラメータを示すことができる。
【0051】
いくつかの状況では、第1データ135は第2データ145と同じであってもよい。例えば、こうすることで同じデータの通信の信頼性及びロバスト性を向上させることができ、また、URLLC方式で使用することができる。しかしながら、第1のネットワーク機器110及び第2のネットワーク機器120には、例えば、URLLC送信のような、2つのネットワーク機器から又は2つのネットワーク機器への同じデータの送信をスケジューリングするための効率的な解決手段がない。現在の仕様では、データ(TBなど)の繰り返し(repeating)は、マルチTRPでは考慮されていない。
【0052】
上述の問題及び従来の解決手段に存在する他の潜在的問題に対し、本開示の実施形態はマルチTRP通信のための解決手段を提供し、特に、マルチTRP通信のための制御情報の新しい設計を提供する。いくつかの実施形態では、繰り返されるデータ(TBなど)は同じ制御情報(単一のDCIなど)によって示すことができ、また、TRP間制約が導入されることで、制御情報のペイロード(payload)が制限される。例えば、1つのDCIが、マルチTRP送信のために、TBを繰り返しスケジューリングすることができる。DCIは、3GPP仕様のリリース15で定義されているように、DCIのペイロードを増加することがない。
【0053】
言い換えると、
図1に示すように、第1ネットワーク機器110及び第2ネットワーク機器120のうちいずれか1つ又は両方は、同じ制御情報125を端末機器130に送信することができる。端末機器130は制御情報125から、第1データ135の通信のための第1パラメータ112、及び、第2データ145の通信のための第2パラメータ122を決定することができる。以下、本開示の実施形態の原理及び実施について詳細に説明する。
【0054】
図2は、本開示のいくつかの実施形態にかかる例示的方法200のフローチャートを示す。方法200は端末機器、例えば
図1に示す端末機器130で実施することができる。追加で又は代替として、方法200は
図1で示されていない他の端末機器で実施されてもよい。議論を目的として一般性を損なうことなく、端末機器130により実行される方法200について
図1を参照しつつ説明する。
【0055】
ブロック210において、端末機器130は第1ネットワーク機器110及び第2ネットワーク機器120のうち少なくとも1つから、制御情報125を受信する。上述したように、端末機器130は制御情報125から、第1データ135の通信のための第1パラメータ112、及び、第2データ145の通信のための第2パラメータ122の両方を決定する。したがって、第1ネットワーク機器110及び第2ネットワーク機器120のいずれか1つが、制御情報125を端末機器130に送信する必要がある。しかしながら、第1ネットワーク機器110及び第2ネットワーク機器120の両方がいずれも制御情報125を端末機器130に送信すると、端末機器130が制御情報125を受信する信頼性がより高くなることから、第1データ135及び第2データ145の両方を受信することができる。
図3を参照しつつさらに説明を行う。
【0056】
図3は、本開示のいくつかの実施形態にかかる、第1ネットワーク機器110及び第2ネットワーク機器120から送信される制御情報125の2つのコピーと、第1ネットワーク機器110から送信される第1データ135及び第2ネットワーク機器120から送信される第2データ145の両方との関連付けの例を示す図である。図に示すように、第1ネットワーク機器110及び第2ネットワーク機器120の一つから送信された制御情報125の第1コピー125-1は、第1データ135及び第2データ145の両方と関連付けられる。言い換えると、端末機器130は制御情報125の第1コピー125-1に基づき、第1データ135及び第2データ145の両方を受信することができる。
【0057】
同様に、第1ネットワーク機器110及び第2ネットワーク機器120のもう1つから送信された制御情報125の第2コピー125-2は、第1データ135及び第2データ145の両方と関連付けられる。言い換えると、端末機器130は制御情報125の第2コピー125-2に基づき、第1データ135及び第2データ145の両方を受信することができる。したがって、制御情報125の第1コピー125-1及び第2コピー125-2のいずれか一方が欠落又は紛失した場合でも、端末機器130は、第1データ135及び第2データ145の両方を受信することができる。第1コピー125-1及び第2コピー125-2は、異なる集約レベル(Aggregation Level)のPDCCHで送信することができる。例えば、第1コピー125-1は、集約レベル4のPDCCHで送信することができ、第2コピー125-2は、集約レベル8のPDCCHで送信することができる。ロバスト性を確保するために、対応するネットワーク機器と端末機器との間のチャネルに送信を適合させる。
【0058】
いくつかの実施形態において、制御情報125は、3GPP仕様で定義される各種DCIフォーマット(例えばDCIフォーマット1_1)の1つと類似するフォーマットを有することができる。この場合、制御情報125を、3GPP仕様で定義されている他の様々な既存のDCIと区別するために、第1のネットワーク機器110及び第2のネットワーク機器120は、制御情報125を送信する際に、固有(unique)の無線ネットワーク一時識別子(RNTI:Radio Network Temporary Identity)を用いて制御情報125をスクランブル(scramble)してもよい。固有のRNTIは、セル無線ネットワーク一時識別子(C-RNTI:Cell Radio Network Temporary Identity)とは異なり、端末機器130専用のものである。したがって、制御情報125を受信したことに応じて、端末機器130は、固有のRNTIを用いて制御情報125をデスクランブル(descramble)することができる。デスクランブルが成功すると、端末機器130は、第1のネットワーク機器110と通信するための第1パラメータ112と、第2のネットワーク装置120と通信するための第2パラメータ122の両方が、制御情報125によって運ばれていることを知る。
【0059】
ブロック220において、端末機器130は制御情報125から第1パラメータ112及び第2パラメータ122を決定する。該第1パラメータ112は、第1ネットワーク機器110と端末機器130との間で第1データ135の通信を行うためのものであり、該第2パラメータ122は、第2ネットワーク機器120と端末機器130との間で第2データ145の通信を行うためのものである。第1データ135及び第2データ145は同じであり、例えば同じトランスポートブロック(TB)からのものである。ネットワーク機器110及び第2ネットワーク機器120が、制御情報125において第1パラメータ112及び第2パラメータ122をどのように明示的又は暗示的に示すかによって、端末機器130は、制御情報125から第1パラメータ112及び第2パラメータ122を決定するための様々な方法を有することができる。
【0060】
例示として、端末機器130は、制御情報125に示される第1パラメータ112を取得することができる。その後、端末機器130は第1パラメータ112と第2パラメータ122との間の予め定義された関係に基づき、第2パラメータ122を決定することができる。言い換えると、制御情報125によって第1パラメータ112のみを示すことができ、第2パラメータ122は、予め定義された関係と、示された第1パラメータ112とに基づき取得することができる。こうすることで、制御情報125のペイロードを減らすことができ、また、端末機器130が簡単な方法で第1パラメータ112及び第2パラメータ122を決定することができる。いくつかの実施形態では、この方法によって、第1データ135の通信のための第1リソース割当と、第1データ135の通信のための第2リソース割当を示すことができる。以下、
図4A~
図4Cを参照しつつ詳細な説明を行う。
【0061】
図4A~
図4Cは、本開示のいくつかの実施形態にかかる、第1ネットワーク機器110及び第2ネットワーク機器120のための通信リソース割当の様々な例を示す。
図4A~
図4Cでは、横軸が時間リソースを表し、縦軸が周波数リソースを表す。
図4Aに示すように、スロット401の期間415では、第1周波数リソース410を用いて第1データ135を送信することができ、また、第1周波数リソース410との間に予め定義されたオフセット425を有する第2周波数リソース420を用いて第2データ145を送信することができる。
【0062】
いくつかの実施形態において、スロット401は3GPP仕様(例えば5G NR)で定義されるようなスロットであってもよい。オフセット425はRRCシグナリングにより予め設定されていてもよい。予め定義されたオフセット425は端末機器130にすでに知られているため、制御情報125で第1周波数リソース410のみを示すことができ、その結果、制御情報125のペイロードが制限される。オフセット425は、リソースブロックを単位としてカウントすることができ、第1周波数リソース410のリソースブロックの最低又は最高のインデックスから開始することができる。例示では、期間415のために、スロット401内の開始・継続時間が1つだけ示されているが、これは第1データ135と第2データ145についても同じである。
【0063】
すなわち、
図4Aの例では、第1パラメータ112が第1周波数リソース410であり、第2パラメータ122が第2周波数リソース420であってもよい。端末機器130は、第1周波数リソース410、及び、第1の周波数リソース410と第2の周波数リソース420との間の予め定義されたオフセット425に基づいて、第2の周波数リソース420を決定することができる。この方法では、制御情報125において、1つの周波数リソースのみを動的に示せばよい。注意すべき点として、予め定義されたオフセット425は、正のオフセットであってもよいし負のオフセットであってもよい。これについては、
図5を参照してさらに説明する。
【0064】
図5は、本開示のいくつかの実施形態にかかる、第1ネットワーク機器110用の第1周波数リソースと第2ネットワーク機器120用の第2周波数リソースとの間の正のオフセット510の例、及び、第1周波数リソースと第2周波数リソースとの間の負のオフセット520の例を示す。
図5では、横軸が時間リソースを表し、縦軸が周波数リソースを表す。スロット501に示すように、第1データ135の周波数リソースと第2データ145の周波数リソースとの間の予め定義されたオフセット510は正のオフセットであるため、第1周波数リソースと第2周波数リソースはオフセット510によって分離されている。これに対して、スロット503に示すように、第1データ135の周波数リソースと第2データ145の周波数リソースとの間の予め定義されたオフセット520は、負のオフセットである。この場合、第1周波数リソースと第2周波数リソースは互いに重なっていてもよい。このようにして、第2周波数リソースの可能な範囲を拡張することができる。
【0065】
採用されるMCS及び/又はランク指標(RI)も、第2の周波数リソースの決定に影響を与えることができる。
図6は、本開示のいくつかの実施形態にかかる、第1ネットワーク機器110用のMCS及びRIと第2ネットワーク機器120用のMCS及びRIとが同じである例、及び、第1ネットワーク機器110用のMCS及びRIと第2ネットワーク機器120用のMCS及びRIとが異なる例を示す。
図6では、横軸は時間リソースを表し、縦軸が周波数リソースを表す。
図6に示すように、端末機器130は、第1ネットワーク機器110が例示のスロット601で第1データ135を送信するための第1周波数リソース610を、制御情報125から取得することができる。端末機器130はその後、予め定義されたオフセット615に基づき、第2ネットワーク機器120が例示のスロット601で第2データ145を送信するための第2周波数リソース620を決定することができる。
【0066】
第2周波数リソース620の量が第1周波数リソース610の量と同じになるよう設定されている場合、第1データ135及び第2データ145に対し、送信用のMCS及びRIは同じものとして示すことができる。つまり、制御情報125(例えば、DCI)において、MCS及びRIの値が1つだけ示されることになり、DCIのオーバーヘッドが低減される。これは、例示のスロット601において第1周波数リソース610及び第2周波数リソース620が共有(share)する同じ高さによって模式的に示されている。
【0067】
第2周波数リソース620の量が第1周波数リソース610の量と異なり得る場合、制御情報125は2つのMCS及び/又は2つのRIを示すが、第1周波数リソース610についての1つのリソース割当のみを示すことができる。第2データ145用のMCS及びRIは、差分の方法で導き出すことができる。すなわち、第2データ145用のMCS及びRIと、第1データ135用のMCS及びRIとの差分値のみが示される。RIの値は、復調用参照信号(DMRS:Demodulation Reference Signal)の指示から暗黙に導き出すことができる。言い換えると、第1ネットワーク機器110が採用するMCS及び/又はRIが、第2ネットワーク機器120が採用するMCS及び/又はRIと異なる場合、第1データ135と第2データ145のTBサイズが同じであるため、第1周波数リソース610の量が第2周波数リソース620の量と異なるようにすることができる。すなわち、第1データ135を送信するための第1ネットワーク機器110の第1MCS及び/又はRIが、第2データ145を送信するための第2ネットワーク機器120の第2MCS及び/又はRIと異なると端末機器130が決定した場合、端末機器130は、第2周波数リソースの第2の量が第1周波数リソースの第1の量と異なると決定することができる。
【0068】
例えば、スロット603に示すように、第1ネットワーク機器110により採用されたMCSのインデックス(例えば、3GPP仕様で定義されたMCSのインデックス)が、第2ネットワーク機器120により採用されたMCSのインデックスより大きいと仮定する。この場合、端末機器130は、例えば第1データ135について示されるMCS及び/又はRIの差異やTBサイズといった要因を考慮することで、第2周波数リソース630の第2の量が第1周波数リソース610の第1の量と異なると決定することができる。これは、例示のスロット603において第1周波数リソース610の高さが第2周波数リソース630の高さより低いことで模式に示されている。したがって、第1周波数リソース及び第2周波数リソースの量を、より合理的に決定することができる。
【0069】
或いは、第2周波数リソース620の量が第1周波数リソース610の量と異なり得る場合、制御情報125は、2つのリソース割当と、第1データ135用の1つのMCS及び/又は1つのRIのみとを示してもよい。端末機器130は、TBサイズと、第1ネットワーク機器110が第1データ135を送信するための第1MCS及び/又はRIとに基づき、第2ネットワーク機器120が第2データ145を送信するための第2MCS及び/又はRIと、第2周波数リソース620とを決定する。例えば、第1データ135用と第2データ145用のRIは同じであると仮定するが、第1データ135用と第2データ145用のMCSは異なると決定することができる。
【0070】
上述の内容では、第1データ135を送信するための第1周波数リソースと、第2データ145を送信するための第2周波数リソースとの予め定義された関係の例示として、予め定義されたオフセットを説明した。他のいくつかの実施形態では、第1周波数リソース及び第2周波数リソースは、他の予め定義された関係を有してもよい。例えば、
図4Bは、第1データ135を送信するための周波数リソースが、第2データ145を送信するための周波数リソースと交互配置されていることが示されている。
【0071】
特に、スロット403の期間415では、周波数リソース450を用いて第1データ135の第1部分137が送信され、周波数リソース455を用いて第2データ145の第1部分147が送信され、周波数リソース460を用いて第1データ135の第2部分139が送信され、周波数リソース465を用いて第2データ145の第2部分149が送信される。
図4Bに示すように、周波数リソース450、455、460及び465は1つずつ交互に配置されている。いくつかの実例では、周波数リソース450及び460を第1の櫛(first comb)、周波数リソース455及び465を第2の櫛(second comb)と称してもよい。
【0072】
図4Bの例示では、端末機器130は、制御情報125に示される第1リソースのセット450及び460から第1周波数リソース450を決定することができ、その後、第1組のリソース450及び460と交互配置される第2組のリソース455及び460から第2周波数リソース455を決定することができる。このように、制御情報125では一セットの周波数リソースのみを示せばよい。理解されるように、第1データ135を送信するための周波数リソースの具体的な数、及び、第2データ145を送信するための周波数リソースの具体的な数は例にすぎず、何らかの限定を示唆するものではない。他の実施形態において、第1リソースのセット及び第2リソースのセットは任意の数の周波数リソースを含むことができる。
【0073】
図4A及び
図4Bに示す例において、第1データ135を送信するための期間及び第2データ145を送信するための期間は、期間415の同じ部分であるが、これは制御情報125において示すことができる。他のいくつかの実施形態では、異なる期間において第1データ135及び第2データ145を送信してもよい。
図4Cを参照してこれを説明すると、
図4Cの例示では、第1のパラメータ112が第1期間435を備え、第2のパラメータ122が第2期間445を備えることができる。端末機器130は第1期間435を、制御情報125に示される期間415の第1部分として決定することができる。そして、端末機器130は第2期間445を、期間415の別の第2部分として決定してもよい。いくつかの実施形態において、第1期間435及び第2期間445はそれぞれ、制御情報125に示される期間415の半分であってもよい。この方法により、第1データ135及び第2データ145を、時間領域において、よりフレキシブルに通信することができる。
【0074】
制御情報125(例えばDCI)では、第1データ135及び第2データ145についてそれぞれ、期間435及び445の開始・持続時間を示すことができる。例えば、制御情報125(例えばDCI)は、開始及び長さの2つの値(SLIV:start and length indication value)を示すことができる。これらの値はそれぞれ、第1データ135及び第2データ145のための期間435、445の開始・持続時間を示す。DCIが示す2つのSLIV値は、2つの別々のDCIフィールドを持つことができ、各DCIフィールドのコードポイント(code points)のビットは、個別にSLIV値を示す。
【0075】
或いは、DCIフィールドは、SLIV値のペアについてのインデックスを示してもよい。この場合、該SLIV値のペアは、2つのSLIV値を含む上位レイヤによって設定される。SLIV値のペアを示すDCIの例は、以下の表1に示すとおりである。ここで、該SLIV値のペアにおける第1SLIV及び第2SLIVは、それぞれ、第1データ及び第2データのためのものである。また、DCIフィールドは、第1データ135のためのSLIV値(即ち、第1期間435)のインデックスを示し、第1データ135のための開始・持続時間(即ち、第1期間435)に対する固定の時間オフセット470に基づき、第2データ145のためのSLIV値(即ち、第2期間445)を導き出すことができる。この場合、第1データ135及び第2データ145のための持続時間は同じになるように設定されてもよい。いくつかの実施形態において、時間オフセットは0に設定されてもよい。
表1 DCIが示すSLIV値のペア
【0076】
上述したように、端末機器130が制御情報125から第1パラメータ112及び第2パラメータ122を決定する方法には、複数の方法があり得る。いくつかの実施形態において、端末機器130は制御情報125に示される第1パラメータ112を取得し、その後、第2パラメータ122が第1パラメータ112と同じであると決定することができる。例えば、これらの同じである第1パラメータ112及び第2パラメータ122は、以下に関連するパラメータを備えることができる:ハイブリッド自動再送要求(HARQ)ID、肯定応答(ACK)/否定応答(NACK)リソース指標(ARI)、新規データインジケータ(NDI:New data indicator)、下りリンク割当インデックス(DAI)、DMRSシード等、及びこれらの任意の組合せである。このように、第1ネットワーク機器110及び第2ネットワーク機器120の両方が共有するいくつかのパラメータは、制御情報125で1回だけ示されるので、制御情報125のペイロードを減らすことができる。
【0077】
第1データ135及び第2データ145が、時間及び周波数のリソース割当において、どのリソース要素によっても重なっていない場合、第1データ135及び第2データ145を受信するために、制御情報125(例えばDCI)にて同じDMRSポートを示すことができる。例えば、第1データ135及び第2データ145は両方とも、DMRSポートインデックス0及び1を用いて示すことができる。このインデックスは、2層伝送の場合のデータ受信におけるチャネル推定のためのものであり、第1データ135及び第2データ145の両方に対して、RI=2である。この場合、端末機器130に対し1組のDMRSポート(ポートインデックス0、1)だけを示せばよいので、DCIのオーバーヘッドを削減することができる。しかしながら、周波数又は時間リソース割当に基づくと、第1データ135及び第2データ145について、同じDMRSを受信するためのQCL設定の送信構成指標(TCI)が異なる。このため端末機器130は、第1データ135及び第2データ145を受信するために、異なるQCLの仮定を適用してもよい。
【0078】
例えば
図4Aに示すように、第1データ135及び第2データ145のための周波数リソース割当410及び420は、同じDMRSポートセットを共有することができるが、第1データ135及び第2データ145のためのQCL設定のTCI指標は異なる。TCI指標に基づき、周波数リソース割当410に属するDMRSには、あるQCL設定が適用され、周波数リソース割当420に属するDMRSには、同じDMRSポートインデックスであっても、別のQCL設定が適用される。同様に、第1データ135と第2データ145とが時間リソース割当において重なっていない場合、異なる時間リソース割当に属するDMRSを受信するために、第1時間リソース割当における第1データ135及び第2時間リソース割当における第2データ145に対し、TCIによって示されるQCL設定が異なるようにすることができる。
【0079】
第1データ135及び第2データ145のRVは同じであってもよいし異なっていてもよい。PDSCH送信におけるTBに対し、NRはRV=0、1、2、3をサポートする。制御情報125(例えばDCI)によって示される2つのRV値には、2つの別々のDCIフィールドを用いて設定されることができ、各DCIフィールドのコードポイントのビットは、個別にRV値を示す。或いは、DCIフィールドは、RV値ペア(RV value pair)のためのインデックスを示してもよい。ここで、RV値のペアは、2つのRV値を含む上位レイヤによって設定される。すなわち、RV1は第1データ135用であり、RV2は第2データ145用である。RV値のペアを示すDCIの例示は、以下の表2又は表3に示すとおりである。表3において、RV2の値は、RV1から一定の値だけ増えている。いくつかのRVペアは有用でなく示されない可能性があるため、RV値の1つのペアを示すことで、DCIオーバーヘッドを削減することができる。
表2 DCIが示すRV値ペア
表3 DCIが示すRV値ペア
【0080】
端末機器130が制御情報125から第1パラメータ112及び第2パラメータ122を決定するための各種方法の別の例示として、端末機器130は、制御情報125に示される第1パラメータ112及び第2パラメータ122を取得することができる。言い換えると、第1ネットワーク機器110及び第2ネットワーク機器120は、制御情報125において、第1パラメータ112及び第2パラメータ122を明確に示すことができる。
【0081】
例えば、制御情報125において明確に示される第1パラメータ112及び第2パラメータ122は、MCS、RV、QCL等、及びその任意の組合せと関連するパラメータを備えることができる。この方法により、端末機器130は、制御情報125から直接、異なるネットワーク機器と関連付けられるこれらのパラメータを取得することができる。いくつかの実施形態では、第1パラメータ112と第1ネットワーク機器110との関連付け、及び第2パラメータ122と第2ネットワーク機器120との関連付けを暗示的に示すために、制御情報125において第1パラメータ112を第2パラメータ122の前に並べることができる。
【0082】
上述したように、制御情報125は3GPP仕様で定義される各種DCIフォーマットを採用することができる。例えば、制御情報125は、以下の表4に示すように、3GPP仕様で定義されたDCIフォーマット1_1を再利用してもよい。
表4 DCIフォーマット1_1の再利用
【0083】
表4において、記号(notation)のfl(RA)及びf2(RA)はそれぞれ、第1ネットワーク機器110と関連付けられる第1データ135についての第1リソース割当、第2ネットワーク機器120と関連付けられる第2データ145についての第2リソース割当を表す。3GPP仕様には他の記号も定義されて記載されている。QCL_1及びQCL_2は、NR TS 38.214において定義されるタイプと同じであってもよい。すなわち、QCL_1及びQCL_2は全てタイプA、タイプD又はタイプA+Dであってもよい。代替として又は追加で、制御情報125のために新たなDCIフォーマットを定義してもよい。次の表5は、このような新しいDCIフォーマットの例示である。
表5 新しいDCIフォーマット
【0084】
表5において、アンテナポートセット、周波数領域リソース割当、時間領域リソース割当、変調符号化方式及び冗長バージョンのフィールドのうちいずれか1つは、それぞれ、第1ネットワーク機器110と関連付けられる第1データ135の送信、及び第2ネットワーク機器120と関連付けられる第2データ145の送信のうちのいずれか1つ又は両方を示すように、RRCによって設定することができる。3GPP仕様には他の記号も定義されて記載されている。
【0085】
図2に戻り、ブロック230において、端末機器130は第1パラメータ112及び第2パラメータ122に基づき、第1ネットワーク機器110と第1データ135の通信を実行し、第2ネットワーク機器120と第2データ145の通信を実行する。いくつかの実施形態において、端末機器130は第1パラメータ112及び第2パラメータ122に基づき、第1ネットワーク機器110から第1データ135を受信し、第2ネットワーク機器120から第2データ145を受信することができる。他のいくつかの実施形態では、端末機器130は第1パラメータ112及び第2パラメータ122に基づき、第1データ135を第1ネットワーク機器110に送信し、第2データ145を第2ネットワーク機器120に送信することができる。言い換えると、本開示の実施形態は下りリンク通信及び上りリンク通信の両方に適用される。
【0086】
第1データ135及び第2データ145の通信では、周波数ホッピング(frequency hopping)を採用することができる。
図7A~
図7Bはそれぞれ、1つのネットワーク機器についてのスロット内ホッピングの例、及び1つのネットワーク機器についてのスロット間ホッピングの例を示す。
図7A~
図7Bでは、横軸が時間リソースを表し、縦軸が周波数リソースを表す。特に
図7Aは、1つのネットワーク機器についてのスロット内ホッピングの例を示す。
図7Aの例示では、ネットワーク機器は制御情報(例えば、3GPP仕様で定義された、あるフォーマットのDCI)において、端末機器に期間715及び第1周波数リソース730を示すことができる。その後、予め定義されたホッピングルールに基づき、ネットワーク機器は第1周波数リソース730を用いて、期間715の前半部分でデータの前半部分710を送信する。
【0087】
その後、ネットワーク機器は第2周波数リソース740を用いて、期間715の後半部分でデータの後半部分720を送信する。第2周波数リソース740は、第1周波数リソース730からホッピングするための予め定義されたオフセットを有し、これも、周波数ホッピングと称することができる。注意すべき点として、第1周波数リソース730から第2周波数リソース740へのホッピングは、1つのスロット701で実行されるものであり、したがってこのようなタイプのホッピングはスロット内ホッピングと称される。
【0088】
図7Bは、1つのネットワーク機器についてのスロット間ホッピングの例を示す。
図7Aの例示と同様に、
図7Bの例示では、ネットワーク機器は制御情報(例えば、3GPP仕様で定義された、あるフォーマットのDCI)において、端末機器に期間735及び第1周波数リソース770を示すことができる。その後、予め定義されたホッピングルールに基づき、ネットワーク機器は第1周波数リソース770を用いて、第1期間735でデータの第1コピー750を送信する。
【0089】
その後、ネットワーク機器は第2周波数リソース780を用いて第2期間745においてデータの第2コピー760を送信する。第1期間735及び第2期間745は制御情報において、1つのスロット内の同じ開始・持続時間によって示される。第2周波数リソース780は、第1周波数リソース750からホッピングするための予め定義されたオフセット755を有し、これも周波数ホッピングと称することができる。注意すべき点として、第1周波数リソース770から第2周波数リソース780へのホッピングは、2つのスロット703及び705を跨いで実行されるため、このタイプのホッピングはスロット間ホッピングと称される。
【0090】
図8A~
図8Bは、本開示のいくつかの実施形態にかかる、2つのネットワーク機器のためのスロット内ホッピングの2つの例を示す。特に
図8Aは、第1ネットワーク機器110及び第2ネットワーク機器120についてのスロット内ホッピングの例を示す。
図8Aでは、横軸が時間リソースを表し、縦軸が周波数リソースを表す。
【0091】
図8Aの例示では、第1ネットワーク機器110が第1データ135の通信を実行する場合、端末機器130は制御情報125に示された期間812の第1部分814の間に、制御情報125に示された第1周波数リソース823を用いて第1データ135の第1部分810の通信を実行することができる。また、端末機器130は期間812の第2部分816の間に、第2周波数リソース827を用いて第1データ135の第2部分820の通信を実行することができる。第2周波数リソース827は、第1周波数リソース823との間に、予め定義されたオフセット825を有する。
【0092】
また、第2ネットワーク機器120が第2データ145の通信を実行する場合、端末機器130は期間812の第1部分814の間に、第2周波数リソース827を用いて、第2データ145の第1部分830の通信を実行することができる。第2データ145の第1部分830は第1データ135の第1部分810に対応する。また、端末機器130は期間812の第2部分816の間、第1周波数リソース823を用いて第2データ145の第2部分840の通信を実行することができる。第2データ145の第2部分840は第1データ135の第2部分820に対応する。
【0093】
すなわち、期間812の第1部分814及び第2部分816のいずれか1つにおいて、端末機器130は同じである第1データと第2データの同じ部分の2つのコピーを受信することができる。この方法により、端末機器130は、第1ネットワーク機器110及び第2ネットワーク機器120から送信されるデータを、比較的高い信頼性で受信することができる。
【0094】
いくつかの実施形態において、第1部分814及び第2部分816のそれぞれの持続時間は、制御情報125に示される期間812の持続時間の半分であってもよい。また、第1部分810及び第2部分820は、第1データ135の前半部分及び後半部分であってもよい。また、第1部分830及び第2部分840は、第2データ145の前半部分及び後半部分であってもよい。この他、端末機器130は、制御情報125に示される第1QCL設定を用いて、第1ネットワーク機器110から第1データ135の第1部分810及び第2部分820を受信することができ、制御情報125に示される第2QCL設定を用いて、第2ネットワーク機器120から第2データ145の第1部分830及び第2部分840を受信することができる。或いは、端末機器130は、制御情報125に示される第1QCL設定及び第2QCL設定の両方を用いて、データ持続時間の期間812を受信してもよい。
【0095】
図8Bは、第1ネットワーク機器110及び第2ネットワーク機器120のためのスロット内ホッピングの別の例を示す。
図8Bでは、横軸が時間リソースを表し、縦軸が周波数リソースを表す。
図8Bの例示において、端末機器130が第1ネットワーク機器110から第1データ135を受信する方法は、
図8Aと同じであるため、ここでは説明を繰り返さない。
【0096】
図8Aと異なり、
図8Bの例示では、第2ネットワーク機器120が第2データ145の通信を実行する場合、端末機器130は期間812の第1部分814の間、第2周波数リソース827を用いて、第2データ145の第2部分840の通信を実行することができる。その後、端末機器130は期間812の第2部分816の間、第1周波数リソース823を用いて、第2データ145の第1部分830の通信を実行することができる。すなわち、期間812の第1部分814及び第2部分816のいずれか1つにおいて、端末機器130は同じである第1データと第2データの2つの異なる部分を受信することができる。この方法により、端末機器130は期間812の第1部分814及び第2部分816のうちいずれか1つにおいて、送信された全てのデータを受信することができる。
【0097】
いくつかの実施形態において、第1部分814及び第2部分816のそれぞれの持続時間は、制御情報125に示される期間812の持続時間の半分であってもよい。また、第1部分810及び第2部分820は、第1データ135の前半部分及び後半部分であってもよい。また、第1部分830及び第2部分840は、第2データ145の前半部分及び後半部分であってもよい。この他、端末機器130は、制御情報125に示される第1QCL設定を用いて、第1ネットワーク機器110から第1データ135の第1部分810及び第2部分820を受信することができ、制御情報125に示される第2QCL設定を用いて、第2ネットワーク機器120から第2データ145の第1部分830及び第2部分840を受信することができる。或いは、端末機器130は、制御情報125に示される第1QCL設定及び第2QCL設定を用いて、データ持続時間である期間812を受信してもよい。
【0098】
図8A及び
図8Bの例示では、端末機器130は第1データ135の第1部分810及び第2データ145の第1部分830、並びに第1データ135の第2部分820及び第2データ145の第2部分840を受信することができる。第1データ135の第1部分810が第2データ145の第1部分830と同じで、第1データ135の第2部分820が第2データ145の第2部分840と同じであれば、端末機器130は、第1データ135の第1部分810と第2データ145の第1部分830とを合成し、さらに第1データ135の第2部分820と第2データ145の第2部分840とを合成することができる。いくつかの実施形態において、該合成は最大比合成(MRC)であってもよい。他のいくつかの実施形態では、該合成は、任意の合成アルゴリズムであってもよい。
【0099】
図9A~
図9Dは、本開示のいくつかの実施形態にかかる、2つのネットワーク機器のためのスロット間ホッピングの4つの例を示す。具体的には、
図9Aは、第1ネットワーク機器110及び第2ネットワーク機器120のためのスロット間ホッピングの例を示す。
図9Aでは、横軸が時間リソースを表し、縦軸が周波数リソースを表す。
図9Aの例示において、第1ネットワーク機器110と第1データ135の通信を実行する場合、端末機器130は第1期間915の間、制御情報125に示される第1周波数リソース910を用いて第1データ135の通信を実行することができる。また、端末機器130は第2期間925の間、第2周波数リソース920を用いて第2データ145の通信を実行することができ、第2周波数リソース920は、第1周波数リソース910との間に、予め定義されたオフセット935を有する。いくつかの実施形態において、予め定義されたオフセット935は0であってもよい。
【0100】
いくつかの実施形態において、制御情報125はスロット内の開始・持続時間を示すことができ、それらは第1期間915及び第2期間925の両方に適用される。すなわち、第1期間915及び第2期間925は、スロット内において、制御情報125に示される同じ開始・持続時間を有することができ、第1期間915及び第2期間925は、異なるスロット901及び903に位置することができる。例えば、第1期間915及び第2期間925は、2つの連続するスロット901及び903において対応する箇所に位置する。
【0101】
図9Bは、第1ネットワーク機器110及び第2ネットワーク機器120のためのスロット間ホッピングの別の例を示す。
図9Bでは、横軸が時間リソースを表し、縦軸が周波数リソースを表す。
図9Bの例示はスロット間スイッチホッピング(inter-slot switched hopping)とも称することができる。
図9Bのこの例示において、第1ネットワーク機器110と第1データ135の通信を実行する場合、端末機器130は第1期間948の間、制御情報125に示される第1周波数リソース940を用いて第1データ135の第1コピー135-1の通信を実行することができる。また、端末機器130は第2期間950の間、第2周波数リソース945を用いて、第1データ135の第2コピー135-2の通信を実行することができる。第2周波数リソース945は、第1周波数リソース940との間に、予め定義されたオフセット952を有する。
【0102】
いくつかの実施形態において、第1期間948及び第2期間950は、異なるスロット905及び907に位置することができる。制御情報125は、スロット内の開始・持続時間を示すことができ、これは第1期間948及び第2期間950の両方に適用される。すなわち、第1期間948及び第2期間950は、スロット内において、制御情報125に示される同じ開始・持続時間を有することができ、第1期間948及び第2期間950は、異なるスロット905及び907に位置することができる。例えば、第1期間948及び第2期間950は、2つの連続スロット905及び907において対応する箇所に位置する。
【0103】
また、第2ネットワーク機器120との第2データ145の通信を実行する場合、端末機器130は第1期間948の間に、第2周波数リソース945を用いて、第2データ145の第1コピー145-1の通信を実行することができる。また、端末機器130は第2期間950の間、第1周波数リソース940を用いて、第2データ145の第2コピー145-2の通信を実行することができる。いくつかの実施形態において、第1データ135及び第2データ145の送信は、TCI指標により、異なるQCL設定で示される。
【0104】
図9Cは、第1ネットワーク機器110及び第2ネットワーク機器120についてのスロット間ホッピングの別の例を示す。
図9Cでは、横軸が時間リソースを表し、縦軸が周波数リソースを表す。
図9Cの例示はスロット間マルチオフセットホッピング(inter-slot multi-offset hopping)とも称することができる。
図9Cのこの例示において、第1ネットワーク機器110と第1データ135の通信を実行する場合、端末機器130は第1期間968の間、制御情報125に示される第1周波数リソース960を用いて第1データ135の第1コピー135-1の通信を実行することができる。また、端末機器130は第2期間970の間、第2周波数リソース962を用いて第1データ135の第2コピー135-2の通信を実行することができる。該第2周波数リソース962は、第1周波数リソース960との間に、第1の予め定義されたオフセット974を有する。
【0105】
いくつかの実施形態において、第1期間968及び第2期間970は、異なるスロット909及び911に位置することができる。制御情報125は、スロット内の開始・持続時間を示すことができ、開始・持続時間は第1期間968及び第2期間970の両方に適用される。例えば、第1期間968及び第2期間970は、2つの連続スロット909及び911において対応する箇所に位置する。
【0106】
また、第2データ145の通信を実行する場合、端末機器130は第1期間968の間、第1周波数リソース960との間に第2の予め定義されたオフセット972を有する第3周波数リソース964を用いて、第2データ145の第1コピー145-1の通信を実行することができる。また、端末機器130は第2期間970の間に、第3周波数リソース964との間に第3の予め定義されたオフセット976を有する第4周波数リソース966を用いて、第2データ145の第2コピー145-2の通信を実行することができる。
【0107】
図9Dは、第1ネットワーク機器110及び第2ネットワーク機器120のためのスロット間ホッピングのさらに別の例を示す。
図9Dでは、横軸が時間リソースを表し、縦軸が周波数リソースを表す。
図9Dのこの例示において、第1ネットワーク機器110と第1データ135の通信を実行する場合、端末機器130は第1期間978の間、制御情報125に示される第1周波数リソース982を用いて第1データ135の第1コピー135-1の通信を実行することができる。また、端末機器130は第2期間980の間、第2周波数リソース984を用いて第1データ135の第2コピー135-2の通信を実行することができる。該第2周波数リソース984は、第1周波数リソース982との間に、第1の予め定義されたオフセット990を有する。
【0108】
いくつかの実施形態において、第1期間978及び第2期間980は、異なるスロット913及び915に位置することができる。制御情報125は、スロット内の開始・持続時間を示すことができ、開始・持続時間は第1期間978及び第2期間980の両方に適用される。例えば、第1期間978及び第2期間980は、2つの連続スロット913及び915において対応する箇所に位置する。
【0109】
また、第2データ145の通信を実行する場合、端末機器130は第1期間978の間、第1周波数リソース982との間に第2の予め定義されたオフセット994を有する第3周波数リソース986を用いて、第2データ145の第1コピー145-1の通信を実行することができる。また、端末機器130は第2期間980の間に、第3周波数リソース986との間に第3の予め定義されたオフセット992を有する第4周波数リソース988を用いて、第2データ145の第2コピー145-2の通信を実行することができる。いくつかの実施形態において、オフセット990の値は、オフセット992の値と同じであってもよい。いくつかの実施形態において、第1データ135及び第2データ145の送信は、TCI指標により、異なるQCL設定で示される。
【0110】
図10は、本開示のいくつかの実施形態にかかる例示的方法1000のフローチャートを示す。方法1000は、例えば
図1に示すネットワーク機器110のようなネットワーク機器で実現することができる。追加で又は代替として、方法1000は、ネットワーク機器120及び
図1には示されていない他のネットワーク機器で実現されてもよい。議論を目的として、
図1を参照しつつネットワーク機器110によって実行される方法1000を説明する。理解されるように、方法1000は、方法200に対応する方式でネットワーク機器110により実行することができる。したがって、方法1000は方法200を参照して理解することができるため、以下では詳細に説明しない。
【0111】
ブロック1010において、第1ネットワーク機器110は第1パラメータ112及び第2パラメータ122を決定する。該第1パラメータ112は、第1ネットワーク機器110と端末機器130との間で第1データ135の通信を行うためのものであり、該第2パラメータ122は、第2ネットワーク機器120と端末機器130との間で第2データ145の通信を行うためのものである。第1データ135及び第2データ145は同じである。
【0112】
いくつかの実施形態において、第1ネットワーク機器110は第1パラメータ112と第2パラメータ122との間の予め定義された関係に基づき、第2パラメータ122を決定することができる。
【0113】
いくつかの実施形態において、第1パラメータ112は第1周波数リソースを備えることができ、第2パラメータ122は第2周波数リソースを備えることができ、第1ネットワーク機器110は第1周波数リソース、及び第1周波数リソースと第2周波数リソースとの間の予め定義されたオフセットに基づき、第2周波数リソースを決定することができる。
【0114】
いくつかの実施形態において、第1データ135を送信するための第1ネットワーク機器110の第1MCSが、第2データ145を送信するための第2ネットワーク機器120の第2MCSと異なると決定したことに応じて、第1ネットワーク機器110は、第2周波数リソースの第2の量が、第1周波数リソースの第1の量と異なると決定することができる。
【0115】
いくつかの実施形態において、第1周波数リソースと第2周波数リソースとの間の予め定義されたオフセットは負のオフセットであるため、第1周波数リソースと第2周波数リソースとは互いに重なっている。
【0116】
いくつかの実施形態において、第1パラメータは第1周波数リソースを備えることができ、第2パラメータは第2周波数リソースを備えることができる。第1ネットワーク機器110は第1リソースのセットから第1周波数リソースを決定することができ、第1リソースのセットと交互配置される第2リソースのセットから第2周波数リソースを決定することができる。
【0117】
いくつかの実施形態において、第1パラメータは第1期間を備えることができ、第2パラメータは第2期間を備えることができる。また、第1ネットワーク機器110は第1期間を期間の第1部分として決定することができ、第2期間を該期間の第1部分又は別の第2部分として決定することができる。
【0118】
いくつかの実施形態において、第1ネットワーク機器110は、第1パラメータ及び第2パラメータが同じであると決定することができる。これらの実施形態では、第1パラメータ及び第2パラメータは、HARQ、ARI、NDI、DAI、DMRSシード及びDMRSポートセットのうち少なくとも1つと関連するパラメータを備えることができる。
【0119】
ブロック1020において、第1ネットワーク機器110は、端末機器130のために、第1パラメータ112及び第2パラメータ122を決定するための制御情報125を生成する。
【0120】
いくつかの実施形態において、第1ネットワーク機器110は制御情報125において、第1パラメータ112及び第2パラメータ122を示すことができる。いくつかの実施形態において、第1パラメータ112及び第2パラメータ122は、MCS、RV及びQCLのうち少なくとも1つと関連するパラメータを備えることができる。
【0121】
いくつかの実施形態において、第1ネットワーク機器110は制御情報125において第1パラメータ112を第2パラメータ122の前に配置(arrange)することができる。
【0122】
ブロック1030において、第1ネットワーク機器110は制御情報125を端末機器130に送信する。
【0123】
いくつかの実施形態において、制御情報125を送信する際、第1ネットワーク機器110は固有のRNTIを用いて制御情報125をスクランブルすることができる。
【0124】
いくつかの実施形態において、第1ネットワーク機器110は制御情報125に示される期間の第1部分の間に、制御情報125に示される第1周波数リソースを用いて、第1データ135の第1部分の通信を実行することができる。該期間の第1部分の間、第2ネットワーク機器120は、第1周波数リソースとの間に予め定義されたオフセットを有する第2周波数リソースを用いて、第2データ145の第1部分及び第2部分のうちの一方の通信を実行することができる。第2データ145の第1部分、第2部分はそれぞれ、第1データ135の第1部分、第2部分に対応することができる。
【0125】
また、これらの実施形態において、第1ネットワーク機器110は期間の第2部分の間に第2周波数リソースを用いて第1データ135の第2部分の通信を実行することができる。該期間の第2部分の間、第2ネットワーク機器120は第1周波数リソースを用いて第2データ145の第1部分及び第2部分のうちの他方の通信を実行することができる。
【0126】
いくつかの実施形態において、第1ネットワーク機器110は第1期間の間、制御情報125に示される第1周波数リソースを用いて第1データ135の通信を実行することができる。また、第2ネットワーク機器120は第2期間の間、第1周波数リソースとの間に予め定義されたオフセットを有する第2周波数リソースを用いて第2データ145の通信を実行することができる。第1期間及び第2期間は2つの連続スロットの対応する箇所に位置する。
【0127】
いくつかの実施形態において、第1ネットワーク機器110は第1期間の間、制御情報125に示される第1周波数リソースを用いて第1データ135のコピーの通信を実行することができる。第1期間の間、第2ネットワーク機器120は、第1周波数リソースとの間に予め定義されたオフセットを有する第2周波数リソースを用いて第2データ145のコピーの通信を実行することができる。
【0128】
また、これらの実施形態において、第1ネットワーク機器110は第2期間の間、第2周波数リソースを用いて第1データ135の第2コピーの通信を実行することができる。第2期間の間、第2ネットワーク機器120は第1周波数リソースを用いて第2データ145の第2コピーの通信を実行することができる。第1期間及び第2期間は2つの連続スロットの対応する箇所に位置する。
【0129】
いくつかの実施形態において、第1ネットワーク機器110は第1期間の間、制御情報125に示される第1周波数リソースを用いて第1データ135のコピーの通信を実行することができる。第1期間の間、第2ネットワーク機器120は、第1周波数リソースとの間に第1の予め定義されたオフセットを有する第2周波数リソースを用いて第2データ145のコピーの通信を実行することができる。
【0130】
また、これらの実施形態において、第1ネットワーク機器110は第2期間の間、第1周波数リソースとの間に第2の予め定義されたオフセットを有する第3周波数リソースを用いて、第1データ135の第2コピーの通信を実行することができる。第2期間の間、第2ネットワーク機器120は、第2周波数リソースとの間に第3の予め定義されたオフセットを有する第4周波数リソースを用いて第2データ145の第2コピーの通信を実行することができる。第1期間及び第2期間は2つの連続スロットの対応する箇所に位置する。
【0131】
図11は、本開示のいくつかの実施形態を実施するのに適したデバイス1100の概略ブロック図である。デバイス1100は、
図1に示すネットワーク機器110、120及び端末機器130の別の例示の実施形態であるとみなすことができる。したがって、デバイス1100は、ネットワーク機器110、120及び端末機器130において実現されるか、又はその少なくとも一部として実現することができる。
【0132】
図に示すように、デバイス1100は、プロセッサ1110、プロセッサ1110に結合されるメモリ1120、プロセッサ1110に結合される適切な送信機(TX)及び受信機(RX)1140、並びにTX/RX1140に結合される通信インタフェースを含む。メモリ1120は、プログラム1130の少なくとも一部を記憶する。TX/RX 1140は双方向通信に用いられる。TX/RX 1140は、通信を促進する少なくとも1つのアンテナを有するが、実際には本願で述べたアクセスノードは、複数のアンテナを有することができる。通信インタフェースは、他のネットワーク要素と通信を行う際に必要な任意のインタフェースを表すことができる。例えば、gNB又はeNB間の双方向通信用のX2インタフェース、MME(Mobility Management Entity)/サービングゲートウェイ(S-GW)とgNB又はeNBとの間の通信用のS1インタフェース、gNB又はeNBと中継ノード(RN)との間の通信用のUnインタフェース、又はgNB又はeNBと端末機器との間の通信用のUuインタフェースを表すことができる。
【0133】
プログラム1130がプログラム命令を含むと仮定すると、該プログラム命令が、関連するプロセッサ1110により実行された場合、これにより、デバイス1100は、本明細書で
図2又は
図10を参照して説明したように、本開示の実施形態に基づき動作を行うことができるようになる。本明細書の実施形態は、デバイス1100のプロセッサ1110が実行可能なコンピュータソフトウェア、ハードウェア、又はソフトウェア及びハードウェアの組合せにより実現することができる。プロセッサ1110は、本開示の各実施形態を実施するように設定することができる。また、プロセッサ1110及びメモリ1120の組合せは、本開示の各実施形態を実施するのに適した処理手段1150を構成することができる。
【0134】
メモリ1120は、ローカルの技術ネットワークに適した任意のタイプであってよく、任意の適切なデータ記憶技術により実現することができる。前記データ記憶技術の例として、コンピュータが読み取り可能な非一時的記憶媒体、半導体による記憶デバイス、磁気記憶デバイス及びシステム、光学記憶デバイス及びシステム、固定メモリ及び移動可能メモリ等が挙げられるが、これらに限定されない。デバイス1100には1つのメモリ1120しか示されていないが、デバイス1100には複数の物理上分離されるメモリモジュールを設置することができる。プロセッサ1110は、ローカルの技術ネットワークに適した任意のタイプであってよく、汎用コンピュータ、専用コンピュータ、マイクロプロセッサ、デジタル信号処理器(DSP)、及びマルチコアプロセッサ構成に基づくプロセッサのうち、1つ又は複数を含むことができるが、これらの例に限定されない。デバイス1100は複数のプロセッサ、例えば、メインプロセッサと同期するクロックに時間的に従属する特定用途向け集積回路チップを有することができる。
【0135】
本開示の装置及び/又はデバイスに含まれるコンポーネントは、ソフトウェア、ハードウェア、ファームウェア又はそれらの任意の組み合せを含む、各種方法で実現することができる。1つの実施形態において、一つ又は複数のユニットは、ソフトウェア及び/又はファームウェア、例えば記憶媒体に記憶されるマシンが実行可能な命令によって実現可能である。マシンが実行可能な命令の他に、又は代替として、装置及び/又はデバイスの一部又は全部のユニットは、少なくとも部分的に一つ又は複数のハードウェアロジックコンポーネントによって実現可能である。例えば、使用可能なハードウェアロジックコンポーネントの例証的なタイプには、フィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA)、特定用途向け集積回路(ASIC)、特定用途向け汎用品(ASSP)、システム・オン・チップシステム(SOC)、コンプレックス・プログラマブル・ロジックデバイス(CPLD)等が含まれるが、これらに限定されない。
【0136】
通常、本開示の様々な実施形態は、ハードウェア若しくは専用回路、ソフトウェア、論理又はそれらの任意の組合せにより実施することができる。いくつかの態様はハードウェアによって実現し、他の態様はコントローラ、マイクロプロセッサ又は他のコンピュータデバイスが実行するファームウェア又はソフトウェアによって実現することができる。本開示の実施形態の様々な態様は、ブロック図、フローチャートとして図示されて説明され、又は他のいくつかの図によって示されているが、理解すべき点として、本明細書に記載のブロック、装置、システム、技術又は方法は、ハードウェア、ソフトウェア、ファームウェア、専用回路若しくはロジック回路、汎用ハードウェア若しくはコントローラ若しくは他のコンピューティングデバイス、又はそれらの組合せによって実施することができるが、これらの例に限定されない。
【0137】
本開示はさらに、コンピュータが読み取り可能な非一時的記憶媒体に、有形記憶される少なくとも1つのコンピュータプログラム製品を提供する。該コンピュータプログラム製品は、コンピュータが実行可能な命令、例えばプログラムモジュールに含まれるもの、を含む。該コンピュータが実行可能な命令は、ターゲットの実プロセッサ又は仮想プロセッサ上のデバイスにおいて実行されて、
図2及び
図10のいずれかを参照して上述したプロセス又は方法を実行する。通常、プログラムモジュールは、特定のタスクを実行するか、又は特定の抽象データタイプを実現するルーチン、プログラム、ライブラリ、オブジェクト、クラス、コンポーネント、データ構造等を含む。様々な実施形態において、プログラムモジュールの機能は、要望に応じて、プログラムモジュール間で組み合わせるか、又は分割することができる。プログラムモジュールに用いられるマシンが実行可能な命令は、ローカルデバイス又は分散型デバイスにおいて実行することができる。分散型デバイスにおいて、プログラムモジュールはローカル及びリモートの記憶媒体に置くことができる。
【0138】
本開示の方法を実行するためのプログラムコードは、一種類又は複数種類のプログラミング言語の任意の組み合せにより記述することができる。これらのプログラムコードは、汎用コンピュータ、専用コンピュータ又はその他のプログラム可能なデータ処理装置のプロセッサ又はコントローラに提供可能であり、該プログラムコードがプロセッサ又はコントローラによって実行されると、フローチャート及び/又はブロック図で特定された機能/動作が実現される。プログラムコードは全てマシン上で実行することができ、部分的にマシン上で実行することができ、独立したソフトウェアパッケージとして実行することができ、マシン上で部分的に実行するとともにリモートのマシン上で部分的に実行することができ、又は全てリモートのマシン若しくはサーバ上で実行することができる。
【0139】
上述のプログラムコードは、マシン可読媒体上で体現することができ、該マシン可読媒体は、命令実行システム、装置若しくはデバイスにより使用されるプログラム、又は、それらと結合して使用されるプログラムを含むか又は記憶する任意の有形媒体であり得る。マシン可読媒体は、マシンが読み取り可能な信号媒体又はマシンが読み取り可能な記憶媒体であり得る。マシン可読媒体は、電子、磁気、光学、電磁気、赤外線、半導体の、システム、装置若しくはデバイス、又は前述の任意の適切な組み合せを含むことができるが、これらに限定されない。マシン可読記憶媒体のさらに具体的な例には、一つ若しくは複数のワイヤの電気的接続、ポータブル・コンピュータ・ディスケット、ハードディスク、ランダムアクセスメモリ(RAM)、リードオンリーメモリ(ROM)、消去・書き込み可能なリードオンリーメモリ(EPROM又はフラッシュメモリ)、光ファイバ、携帯型コンパクトディスクリードオンリーメモリ(CD-ROM)、光学的記憶装置、磁気記憶装置、又は上述の任意の適切な組み合せが含まれる。
【0140】
なお、動作について、特定の順序で説明を行ったが、所望の結果を得るために、こうした動作は、示された特定の順序で実行するか若しくは連続した順序で実行し、又は、図示された全ての動作を実行することが求められる、と理解されるべきではない。状況によっては、複数のタスク及び並行処理が有利である可能性がある。同様に、上述の議論では、いくつかの特定の実施形態の詳細が含まれるが、これらは本開示の範囲に対する制限であると解釈されるべきではなく、特定の実施形態に特定される可能性がある特徴についての説明であると解釈されるべきである。個別の実施形態の文脈において説明したいくつかの特徴は、ある一つの実現形態において組み合わせて実現されてもよい。逆に、1つの実現形態の文脈において説明された様々な特徴は、複数の実現形態において別々に、又は任意の適切なサブ的な組合せにより、実施されてもよい。
【0141】
本開示について、構造的特徴及び/又は方法論的動作に特有な言葉で説明したが、添付の特許請求の範囲によって定義される本開示は、必ずしも上述の特定の特徴又は動作に限定されないと理解されるべきである。上述した特定の特徴や動作はむしろ、請求項を実施する例示的形態として開示されている。