IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ 三菱電機ビルテクノサービス株式会社の特許一覧

特許7487831位置情報管理システム、管理装置、位置情報管理方法、及びプログラム
<>
  • 特許-位置情報管理システム、管理装置、位置情報管理方法、及びプログラム 図1
  • 特許-位置情報管理システム、管理装置、位置情報管理方法、及びプログラム 図2
  • 特許-位置情報管理システム、管理装置、位置情報管理方法、及びプログラム 図3
  • 特許-位置情報管理システム、管理装置、位置情報管理方法、及びプログラム 図4
  • 特許-位置情報管理システム、管理装置、位置情報管理方法、及びプログラム 図5
  • 特許-位置情報管理システム、管理装置、位置情報管理方法、及びプログラム 図6
  • 特許-位置情報管理システム、管理装置、位置情報管理方法、及びプログラム 図7
  • 特許-位置情報管理システム、管理装置、位置情報管理方法、及びプログラム 図8
  • 特許-位置情報管理システム、管理装置、位置情報管理方法、及びプログラム 図9
  • 特許-位置情報管理システム、管理装置、位置情報管理方法、及びプログラム 図10
  • 特許-位置情報管理システム、管理装置、位置情報管理方法、及びプログラム 図11
  • 特許-位置情報管理システム、管理装置、位置情報管理方法、及びプログラム 図12
  • 特許-位置情報管理システム、管理装置、位置情報管理方法、及びプログラム 図13
  • 特許-位置情報管理システム、管理装置、位置情報管理方法、及びプログラム 図14
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-05-13
(45)【発行日】2024-05-21
(54)【発明の名称】位置情報管理システム、管理装置、位置情報管理方法、及びプログラム
(51)【国際特許分類】
   G06Q 50/10 20120101AFI20240514BHJP
   G01S 19/14 20100101ALI20240514BHJP
【FI】
G06Q50/10
G01S19/14
【請求項の数】 14
(21)【出願番号】P 2023124133
(22)【出願日】2023-07-31
【審査請求日】2023-07-31
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】000236056
【氏名又は名称】三菱電機ビルソリューションズ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110003199
【氏名又は名称】弁理士法人高田・高橋国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】鈴木 直彦
(72)【発明者】
【氏名】横井 康弘
【審査官】平井 嗣人
(56)【参考文献】
【文献】特開2023-006192(JP,A)
【文献】特開2004-357216(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06Q 10/00-99/00
G01S 19/14-19/19
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
移動体の位置を含む位置情報を検出する測位装置と、
前記位置情報に前記移動体の1又は複数の属性を含む属性情報を関連付けて記憶する記憶部と、
前記位置情報に基づいて、前記属性情報に含まれる前記1又は複数の属性のそれぞれの公開可否を判定する判定部と、
前記判定部において公開可と判定された属性に前記位置情報を関連付けて外部システムへ配信する出力部と、
を備える位置情報管理システム。
【請求項2】
前記記憶部は、前記属性情報において前記1又は複数の属性のそれぞれが、プライバシー保護対象とされる保護対象属性かどうかの分類が予め記憶され、
前記判定部は、
前記位置情報に含まれる前記移動体の位置がプライバシー設定エリアに属する場合、前記保護対象属性を公開不可と判定する
ように構成される請求項1に記載の位置情報管理システム。
【請求項3】
前記判定部は、
前記1又は複数の属性のうち前記保護対象属性を除く属性を公開可と判定し、
前記位置情報に含まれる前記移動体の位置が前記プライバシー設定エリアに属しない場合、前記保護対象属性を公開可と判定する
ように構成される請求項2に記載の位置情報管理システム。
【請求項4】
前記移動体は、人又は移動型ロボットを含む請求項1から請求項3の何れか1項に記載の位置情報管理システム。
【請求項5】
前記外部システムの状態を含む外部システム情報を取得する外部情報取得部を備え、
前記判定部は、前記外部システム情報に基づいて、前記1又は複数の属性のそれぞれの公開可否を判定する
ように構成される請求項2又は請求項3に記載の位置情報管理システム。
【請求項6】
前記外部システム情報が前記外部システムの緊急状態を示す情報を含む場合、前記判定部は、前記保護対象属性を公開可と判定する
ように構成される請求項5に記載の位置情報管理システム。
【請求項7】
前記外部システム情報が前記外部システムの異常状態を示す情報を含む場合、前記判定部は、前記1又は複数の属性の全てを公開不可と判定する
ように構成される請求項5に記載の位置情報管理システム。
【請求項8】
前記移動体の前記1又は複数の属性の少なくとも一部を取得する属性情報取得装置を更に備え、
前記記憶部は、前記属性情報取得装置において取得された属性を含む前記属性情報に前記位置情報を関連付けて記憶する
ように構成される請求項1から請求項3の何れか1項に記載の位置情報管理システム。
【請求項9】
前記属性情報取得装置は、前記移動体を撮像するカメラ装置を含み、前記カメラ装置によって撮像された前記移動体のカメラ画像に基づいて、前記移動体の属性を取得する
ように構成される請求項8に記載の位置情報管理システム。
【請求項10】
前記移動体は、携帯端末を所持した人又は移動型ロボットであり、
前記属性情報取得装置は、前記携帯端末又は前記移動型ロボットから前記1又は複数の属性の少なくとも一部を取得する
ように構成される請求項8に記載の位置情報管理システム。
【請求項11】
前記出力部は、前記判定部において公開可と判定された属性情報に前記移動体の位置及びその周囲を含む範囲の位置情報を関連付けて前記外部システムへ配信する
ように構成される請求項1から請求項3の何れか1項に記載の位置情報管理システム。
【請求項12】
移動体の位置を含む位置情報を取得する情報取得部と、
前記位置情報に前記移動体の1又は複数の属性を含む属性情報を関連付けて記憶する記憶部と、
前記位置情報に基づいて、前記属性情報に含まれる前記1又は複数の属性のそれぞれの公開可否を判定する判定部と、
前記判定部において公開可と判定された属性に前記位置情報を関連付けて外部システムへ配信する出力部と、
を備える管理装置。
【請求項13】
コンピュータによって実行され、外部システムへ配信する移動体の位置情報を前記コンピュータが管理する位置情報管理方法であって、
前記移動体の位置を含む位置情報を検出するステップと、
前記位置情報に前記移動体の1又は複数の属性を含む属性情報を関連付けるステップと、
前記位置情報に基づいて、前記属性情報に含まれる前記1又は複数の属性のそれぞれの公開可否を判定するステップと、
公開可と判定された属性に前記位置情報を関連付けて外部システムへ配信するステップと、
を備える位置情報管理方法。
【請求項14】
外部システムへ配信する移動体の位置情報を管理することをコンピュータに実行させるプログラムであって、
前記移動体の位置を含む位置情報を検出し、
前記位置情報に前記移動体の1又は複数の属性を含む属性情報を関連付け、
前記位置情報に基づいて、前記属性情報に含まれる前記1又は複数の属性のそれぞれの公開可否を判定し、
公開可と判定された属性に前記位置情報を関連付けて外部システムへ配信する
ことをコンピュータに実行させるように構成されるプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、移動体の位置情報を管理する位置情報管理システムの技術に関する。
【背景技術】
【0002】
人又は物の位置情報を測位して活用する技術が知られている。特許文献1には、特定範囲の領域に存在する移動局のみに情報の公開を限定する技術が開示されている。この技術では、移動局の位置情報を定期的に検出し、移動局が公開範囲に属している場合にのみ当該移動局に対して情報を公開する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2004-328130号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
管理エリアにおいて人又はロボット等の移動体の位置情報を外部システムへ配信して活用するシステムが知られている。このようなシステムにおいて、移動体の位置情報に当該移動体の属性情報を無条件に関連付けて配信すると、プライバシーの観点で問題が生じる場面が考えられる。上記特許文献1の技術は、移動局の位置情報を定期的に検出してサーバに送信することは記載されているが、プライバシーに配慮して当該移動局の属性情報の公開可否を決めることはされていない。
【0005】
本開示は、上述のような課題を解決するためになされたもので、プライバシーに配慮しつつ移動体の属性情報の活用を図る上で有利な技術を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示の位置情報管理システムは、移動体の位置を含む位置情報を検出する測位装置と、位置情報に移動体の1又は複数の属性を含む属性情報を関連付けて記憶する記憶部と、位置情報に基づいて、属性情報に含まれる1又は複数の属性のそれぞれの公開可否を判定する判定部と、判定部において公開可と判定された属性に位置情報を関連付けて外部システムへ配信する出力部と、を備えるものである。
【0007】
また、本開示の管理装置は、移動体の位置を含む位置情報を取得する情報取得部と、位置情報に移動体の1又は複数の属性を含む属性情報を関連付けて記憶する記憶部と、位置情報に基づいて、属性情報に含まれる1又は複数の属性のそれぞれの公開可否を判定する判定部と、判定部において公開可と判定された属性に位置情報を関連付けて外部システムへ配信する出力部と、を備えるものである。
【0008】
また、本開示の位置情報管理方法は、コンピュータによって実行され、外部システムへ配信する移動体の位置情報をコンピュータが管理する位置情報管理方法であって、移動体の位置を含む位置情報を検出するステップと、位置情報に移動体の1又は複数の属性を含む属性情報を関連付けるステップと、位置情報に基づいて、属性情報に含まれる1又は複数の属性のそれぞれの公開可否を判定するステップと、公開可と判定された属性に位置情報を関連付けて外部システムへ配信するステップと、を備えるものである。

【0009】
さらに、本開示のプログラムは、外部システムへ配信する移動体の位置情報を管理することをコンピュータに実行させるプログラムであって、移動体の位置を含む位置情報を検出し、位置情報に移動体の1又は複数の属性を含む属性情報を関連付け、位置情報に基づいて、属性情報に含まれる1又は複数の属性のそれぞれの公開可否を判定し、公開可と判定された属性に位置情報を関連付けて外部システムへ配信することをコンピュータに実行させるように構成されるものである。
【発明の効果】
【0010】
本開示の技術によれば、プライバシーに配慮しつつ移動体の属性情報の活用を図る上で有利な技術を提供することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1】実施の形態1に係る位置情報管理システムの概要を説明するための概念図である。
図2】実施の形態1に係る位置情報管理システムの構成の一例を示すブロック図である。
図3】メモリに格納されるデータの各種情報の一例である。
図4】移動体としての自然人の管理テーブルの具体例を示す図である。
図5】移動体としての移動型ロボットの管理テーブルの具体例を示す図である。
図6】管理装置のプロセッサがプログラムを実行することによって実現される機能を示す機能ブロック図である。
図7】実施の形態1に係る位置情報管理システムにおいて実行されるルーチンのフローチャートである。
図8】管理装置のハードウェア資源の変形例を示す図である。
図9】管理装置のプロセッサがプログラムを実行することによって実現される機能を示す機能ブロック図である。
図10】実施の形態2に係る位置情報管理システムにおいて管理される自然人の管理テーブルの具体例を示す図である。
図11】実施の形態2に係る位置情報管理システムにおいて管理される移動型ロボットの管理テーブルの具体例を示す図である。
図12】実施の形態2に係る位置情報管理システムにおいて実行されるルーチンのフローチャートである。
図13】実施の形態2に係る位置情報管理システムにおいて実行される公開可否判定処理のフローチャートである。
図14】実施の形態3に係る位置情報管理システムの構成の一例を示すブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、図面を参照して本開示の実施の形態について説明する。なお、各図において共通する要素には、同一の符号を付して、重複する説明を省略する。
【0013】
実施の形態1.
1-1.位置情報管理システムの全体構成の概要
図1は、実施の形態1に係る位置情報管理システムの概要を説明するための概念図である。実施の形態1に係る位置情報管理システム100は、施設等の管理エリアを移動する移動体の位置情報に当該移動体の1又は複数の属性を含む属性情報を関連付けて配信するシステムである。移動体は、施設を利用する自然人又は移動型のロボットが例示される。移動型ロボットは、自律移動可能なロボットに限らず、オペレータの操作によって移動するロボットを含む。図1には、移動体としての利用者Aが施設内を移動する場合を例示している。
【0014】
移動体が自然人である場合、属性情報は、性別、社員ID等の所属組織の識別情報、氏名、年齢、及びその他身体的特徴、等が例示される。移動体が移動型ロボットである場合、属性情報は、ロボット種別、製造番号、製造メーカー、サイズ、機能、等が例示される。
【0015】
位置情報管理システム100は、少なくとも1つの測位装置60と、管理装置10と、を備えている。測位装置60は、移動体の位置を検出する位置情報検出部として機能する装置である。測位装置60によって検出される位置は、例えば三次元絶対座標系の座標である。図1において、測位装置60は、例えば移動体としての利用者Aが所持するGPS(Global Positioning System)機能付きの携帯端末の機能の一部として構成されている。携帯端末は、例えばスマートフォン、タブレット等が例示される。測位装置60は、インターネット等の通信ネットワーク70を介して管理装置10と通信可能に構成されている。測位装置60によって検出された利用者Aの位置情報は、当該利用者Aを識別する固有の識別IDに対応付けた上で管理装置10に送信される。
【0016】
管理装置10は、例えばクラウド上のクラウドサーバである。或いは、管理装置10は、自社運用のオンプレミスサーバである。管理装置10は、移動体の固有の識別IDに属性情報が対応付けられた移動体属性テーブルを予め記憶している。また、移動体属性テーブルにおいて、属性情報の各属性項目は、状況に応じて外部システム80への一般公開を制限すべきプライバシー保護対象とされる保護対象属性かどうかの分類が記憶されている。ここでの外部システム80は、エレベーター等のビル設備の管理を行うシステム、組織の人員管理を行うシステム、等が例示される。管理装置10は、測位装置60から送信される位置情報を受信するとともに、移動体属性テーブルを用いて当該位置情報に属性情報を関連付けた管理テーブルを生成して記憶する。
【0017】
ここで、位置情報管理システム100から外部システム80へ配信される公開情報は、例えばオフィスビル等の施設の管理エリアにおいて、社員のそれぞれの所在を把握するために利用される。このような場合、社員ID又は氏名等の保護対象属性についても位置情報に関連付けて外部システム80へ公開することが求められる。一方において、管理エリアのうち、例えばトイレ周辺等のプライバシーに配慮すべきエリアでは、個人を特定し得る保護対象属性について位置情報に関連付けて外部システム80へ公開することは好ましくない。このため、プライバシーに配慮すべきエリアでは、例えば混雑状況を把握するための属性情報として性別が含まれていれば十分といえる。
【0018】
そこで、図1に例示する位置情報管理システム100において、管理装置10は、管理エリアにおいてプライバシーに配慮すべきエリアかどうかのプライバシー属性を予め設定している。図1に示す例では、トイレ及びその周辺のエリアがプライバシーに配慮すべきプライバシー設定エリアとして設定されている。管理装置10は、利用者Aがプライバシー設定エリアではないプライバシー非設定エリア内の位置P1にいる場合、管理テーブルにおけるプライバシー保護対象の保護対象属性を公開項目に含めた公開情報を生成する。一方、管理装置10は、利用者がプライバシー設定エリア内の位置P2にいる場合、管理テーブルにおけるプライバシー保護対象の保護対象属性を公開項目から除外した公開情報を生成する。管理装置10は、インターネット等の通信ネットワーク70を介して外部システム80と通信可能に構成されている。生成した公開情報は、通信ネットワーク70を介して外部システム80に配信される。
【0019】
以上のような位置情報管理システム100の動作によれば、利用者が位置する管理エリアのプライバシー属性に応じて、外部システム80に配信する公開情報に含まれる利用者の属性情報を選択することができる。これにより、利用者のプライバシーに配慮しつつ属性情報の活用を図ることが可能となる。
【0020】
1-2.位置情報管理システム100の構成例
図2は、実施の形態1に係る位置情報管理システムの構成の一例を示すブロック図である。位置情報管理システム100は、上述した少なくとも1つの測位装置60と、管理装置10と、を備えている。
【0021】
管理装置10は、コンピュータとしての処理装置の機能を備える。典型的には、管理装置10は、少なくとも1つのプロセッサ20と少なくとも1つのメモリ30とを備えている。メモリ30は各種情報を記憶する記憶部として機能する。メモリ30としては、揮発性メモリ、不揮発性メモリ、等が例示される。メモリ30には、プロセッサ20で実行可能な少なくとも1つのプログラム300とそれに関連する種々のデータ302とが記憶されている。プロセッサ20は、プログラム300を実行する。プログラム300は、コンピュータ読み取り可能な記録媒体に記録されていてもよい。
【0022】
データ302は各種情報を含む。図3は、メモリに格納されるデータの各種情報の一例である。データ302は、位置情報と、移動体属性テーブルと、管理テーブルと、プライバシー属性情報と、公開情報と、を含む。
【0023】
位置情報は、測位装置60から入力される情報から得られる移動体の位置を示す情報に当該移動体の識別IDを対応付けた情報である。移動体属性テーブルは、移動体の識別IDに当該移動体の属性が対応付けられた情報である。移動体属性テーブルは、予めメモリ30に記憶されている。
【0024】
管理テーブルは、移動体の位置情報に当該移動体の属性情報を時刻毎に関連付けたテーブルである。図4は、移動体としての自然人の管理テーブルの具体例を示す図である。また、図5は、移動体としての移動型ロボットの管理テーブルの具体例を示す図である。これらの図に示すように、管理テーブルは、移動体の識別ID、位置情報、移動距離、及び属性情報が時刻毎に記憶されている。管理テーブルは、位置情報と移動体属性テーブルとに基づいて、後述する情報管理処理によって生成される。
【0025】
プライバシー属性情報は、管理エリアの地図上においてプライバシー設定エリアとプライバシー非設定エリアとが分類された地図情報である。プライバシー属性情報は、予めメモリ30に記憶されている。
【0026】
公開情報は、管理テーブルに記憶されている情報のうち、外部システム80に公開する情報を抽出した情報である。公開情報は、後述する公開可否判定処理によって生成される。
【0027】
再び図2に戻り、通信装置40は、通信ネットワーク70を介して測位装置60又は外部システム80とデータの送受信を行い、受信したデータをメモリ30に格納する機能を有する機能ブロックである。典型的には、通信装置40は、測位装置60から位置情報を受信し、メモリ30に格納する。また、通信装置40は、通信ネットワーク70を介して公開情報を外部システム80へ送信する。
【0028】
表示装置50は、各種情報を表示するディスプレイである。表示装置50は、例えば、通信ネットワーク70を介して測位装置60から受信した位置情報を表示する。
【0029】
プロセッサ20がプログラム300を実行することにより、プロセッサ20による各種処理が実現される。図6は、管理装置のプロセッサがプログラムを実行することによって実現される機能を示す機能ブロック図である。図6に示すように、プロセッサ20は、情報取得部21と、位置・属性情報管理部22と、公開可否判定部23と、外部システム出力部24と、を備える。以下、図1から図5も参照しながら、管理装置10が公開情報を生成して外部システム80へ配信する場合を例に、プロセッサ20の機能について説明する。
【0030】
情報取得部21は、測位装置60から位置情報を取得する処理を実行するための機能ブロックである。この処理は、以下「情報取得処理」と呼ばれる。情報取得処理によって取得された位置情報は、メモリ30に格納される。
【0031】
位置・属性情報管理部22は、移動体の識別IDごとに位置情報に属性情報を関連付けた管理テーブルを管理する情報管理処理を実行するための機能ブロックである。情報管理処理において、位置・属性情報管理部22は、位置情報の識別IDに対応する属性情報を関連付けた管理テーブルをメモリ30に格納する。
【0032】
公開可否判定部23は、管理テーブルに格納されている属性情報の各項目の公開可否を判定する処理を実行するための機能ブロックである。この処理は、以下「公開可否判定処理」と呼ばれる。公開可否判定処理において、公開可否判定部23は、移動体の位置情報とプライバシー属性情報とに基づいて、属性情報の各項目の公開可否を判定する。典型的には、公開可否判定部23は、位置情報から判断される移動体の位置がプライバシー設定エリアに属する場合、プライバシー保護対象の保護対象属性を公開不可と判定する。一方、公開可否判定部23は、位置情報から判断される移動体の位置がプライバシー設定エリアに属しない場合、プライバシー保護対象の保護対象属性を公開可能と判定する。そして、公開可否判定部23は、公開可否判定処理の判定結果に基づいて公開情報を生成する。
【0033】
外部システム出力部24は、公開情報を外部システム80へ出力する出力処理を実行するための機能ブロックである。出力処理において、外部システム出力部24は、通信ネットワーク70を介して公開情報を外部システム80へ配信する。
【0034】
1-3.実施の形態1に係る位置情報管理システムにおいて実行される具体的処理
次に、フローチャートを参照しながら、プロセッサ20の各機能ブロックにおいて実行される処理について詳細に説明する。図7は、実施の形態1に係る位置情報管理システムにおいて実行されるルーチンのフローチャートである。図7に示すルーチンは、プロセッサ20において予め定められた制御周期で繰り返し実行される。なお、図7に示すルーチンの処理は、移動体の位置情報を管理する位置情報管理方法の一部を表してもいる。
【0035】
ステップS10では、プロセッサ20の情報取得部21において、情報取得処理が実行される。典型的には、情報取得部21は、ステップS100において、測位装置60から出力された位置情報を受信したかどうかを判定する。その結果、判定の成立が認められない場合、本ルーチンの処理は終了され、判定の成立が認められた場合、処理はステップS12に進む。
【0036】
ステップS12では、プロセッサ20の位置・属性情報管理部22において、情報管理処理が実行される。典型的には、位置・属性情報管理部22は、ステップS120において、情報取得処理によって取得された位置情報に移動体属性テーブルの属性情報を関連付けた管理テーブルを生成し、メモリ30のデータ302に格納する。ステップS12の処理が完了すると、処理はステップS14に進む。
【0037】
ステップS14では、プロセッサ20の公開可否判定部23において公開可否判定処理が実行される。典型的には、公開可否判定部23は、ステップS140において、情報取得処理によって取得された移動体の位置情報がプライバシー設定エリア内に属するかどうかを判定する。その結果、判定の成立が認められない場合、属性情報のプライバシーの配慮が不要でありプライバシー保護対象の保護対象属性が公開可能と判断されて、処理はステップS142に進む。ステップS142において、公開可否判定部23は、管理テーブルにおいてプライバシー保護対象とされる保護対象属性を公開可とした公開情報を生成する。
【0038】
一方、ステップS140の判定の成立が認められた場合、属性情報のプライバシーの配慮が必要でありプライバシー保護対象の保護対象属性が公開不可と判断されて、処理はステップS144に進む。ステップS144において、公開可否判定部23は、管理テーブルにおいてプライバシー保護対象とされる保護対象属性を公開不可とした公開情報を生成する。公開可否判定処理において生成された公開情報は、メモリ30のデータ302に保存される。ステップS14の処理が完了すると、処理はステップS16に進む。
【0039】
ステップS16では、プロセッサ20の外部システム出力部24において出力処理が実行される。典型的には、外部システム出力部24は、公開可否判定処理において生成された公開情報を、通信ネットワーク70を介して外部システム80へ配信する。
【0040】
以上説明した位置情報管理システム100によれば、移動体の位置情報に基づいて、プライバシーに配慮すべき属性情報の公開可否を判定することができる。これにより、プライバシーに配慮しつつ、移動体の属性情報を公開して活用することが可能となる。
【0041】
また、移動体が移動型ロボットである場合においては、移動型ロボットの位置情報に基づいて、プライバシーに配慮すべき属性情報の公開可否を判定することができる。これにより、例えば複数メーカーの移動型ロボットが共存する場合において、移動型ロボットが移動するエリアに応じた属性情報の秘匿が可能となる。
【0042】
1-4.変形例
実施の形態の位置情報管理システム100は、以下のように変形した態様を適用してもよい。なお、以下の変形例は、後述する他の実施の形態の位置情報管理システムに対しても適用することができる。
【0043】
1-4-1.測位装置60
測位装置60は、例えばUWB(Ultra Wide Band)等の近距離無線通信を用いて一定範囲内の移動体の位置を検知する装置として構成されていてもよい。この場合、測位装置60は、UWB信号を発信するUWB端末とUWB信号を受信する受信専用タグと、受信専用タグが受信したUWB信号に基づいて移動体の位置を検出する情報処理機能と、を含む。測位装置60のUWB端末は、管理エリアにおいて間隔を開けて複数設置される。情報処理機能は、例えば管理装置10のプロセッサ20がプログラムを実行することによって実現される。これにより、受信専用タグを所有した移動体が管理エリアを移動すると、当該移動体の位置を高精度に測位することができる。また、近距離無線通信は、UWBの他、Bluetooth(登録商標)等を利用したビーコン装置、又はRFIDを用いた装置でもよい。なお、この変形例の測位装置60のように、情報取得処理において測位装置60から管理装置10へ入力される情報が移動体の位置そのものではなく、移動体の位置を推測するための電波強度、測距・測角値などの情報である場合、管理装置10は、情報処理機能を実現することによって当該入力情報から移動体の位置情報を検出する。そして、位置・属性情報管理部22は、ステップS120において、情報取得処理によって検出された位置情報に移動体属性テーブルの属性情報を関連付けた管理テーブルを生成し、メモリ30のデータ302に格納する。
【0044】
或いは、測位装置60は、カードリーダとして構成されていてもよい。カードリーダは、例えば社員或いはロボット等の特定の移動体が所有するIDカードが近接したことを検出して、検出したIDカードと無線で交信する非接触式のカードリーダである。IDカードとの交信によって、カードリーダは、IDカードとの間でデータの送受信を行うことができる。例えば、カードリーダは、管理エリア内において区画された区画エリアへ入室するための入口の壁面に設けられ、当該区画エリア内へ入室する際の認証に用いられる固定設置型のカードリーダである。区画エリアへ入室する移動体は、入室前にIDカードをカードリーダに近接させる。カードリーダは、IDカードのカードメモリに格納されていた固有の識別IDを読み取る。カードリーダにおいて識別IDが読み取られた場合、当該識別IDの移動体が、カードリーダの設置位置にいると判断することができる。
【0045】
或いは、測位装置60は、施設に設置されたカメラの画像を解析して移動体の位置を検出する装置でもよい。
【0046】
なお、測位装置60が携帯端末として構成される場合、測位装置60は測位精度を向上させるために、加速度センサ、ジャイロセンサ等のセンサを備えていてもよい。また、測位装置60は、測位した位置情報を表示するためのディスプレイを備えていてもよい。
【0047】
1-4-2.管理装置10のハードウェア資源
図8は、管理装置10のハードウェア資源の変形例を示す図である。図8に示す例では、管理装置10は、例えばプロセッサ20、メモリ30、及び専用ハードウェア32を含む処理回路34を備える。図8は、管理装置10が有する機能の一部を専用ハードウェア32によって実現する例を示す。管理装置10が有する機能の全部を専用ハードウェア32によって実現しても良い。専用ハードウェア32として、単一回路、複合回路、プログラム化したプロセッサ、並列プログラム化したプロセッサ、ASIC、FPGA、又はこれらの組み合わせを採用できる。
【0048】
1-4-3.公開可否判定処理
プライバシーの配慮の観点から、公開情報に含まれる移動体の位置情報は、正確な位置座標まで含めることが望まれない状況も考えられる。そこで、公開可否判定部23において実行される公開可否判定処理では、移動体の位置情報として、位置座標にその周囲を含めた範囲を用いてもよい。このような範囲としては、例えば位置座標を中心として予め定められた範囲、等が例示される。なお、公開情報に含める位置情報として位置座標を用いる位置範囲を用いるかの選択は、移動体属性テーブルにおいて移動体ごとに個別に選択可能に構成されていてもよいし、全ての移動体に対して一括に定められていてもよい。このような公開可否判定処理によれば、移動体のプライバシーに対する更なる配慮が可能となる。
【0049】
2.実施の形態2.
実施の形態2に係る位置情報管理システムは、外部システム80の状態に基づいて、公開情報を調整する機能に特徴を有している。以下、実施の形態2の位置情報管理システムにおいて、実施の形態1で開示される例と相違する点について特に詳しく説明する。実施の形態2で説明しない特徴については、実施の形態1で開示される例のいずれの特徴が採用されてもよい。
【0050】
2-1.実施の形態2に係る位置情報管理システムの機能
図9は、管理装置のプロセッサがプログラムを実行することによって実現される機能を示す機能ブロック図である。図9に示すように、プロセッサ20は、図6に示す機能に加えて、更に外部情報取得部25を備える。外部情報取得部25は、外部システム80からから外部システム情報を取得する処理を実行するための機能ブロックである。この処理は、以下「外部システム情報取得処理」と呼ばれる。ここでの外部システム情報は、配信先の外部システム80の宛先情報、及び状態情報、等を含む。状態情報は、外部システム80が稼働中であることを示す正常状態、システムダウン等による異常状態、及び災害時等の緊急状態、等の状態を示す。外部システム情報取得処理によって取得された外部システム情報は、メモリ30に格納される。
【0051】
位置・属性情報管理部22は、情報管理処理において、位置情報の識別IDに対応する属性情報及び外部システム情報を関連付けた管理テーブルをメモリ30に格納する。図10は、実施の形態2に係る位置情報管理システムにおいて管理される自然人の管理テーブルの具体例を示す図である。また、図11は、実施の形態2に係る位置情報管理システムにおいて管理される移動型ロボットの管理テーブルの具体例を示す図である。これらの管理テーブルは、移動体の識別ID、位置情報、移動距離、属性情報に加えて、更に外部システムの宛先及び状態が時刻毎に記憶されている。
【0052】
公開可否判定部23は、公開可否判定処理において、移動体の位置情報及び外部システム情報に基づいて、属性情報の各項目の公開可否を判定する。典型的には、公開可否判定部23は、位置情報から判断される移動体の位置がプライバシー設定エリアに属する場合において、外部システム情報の状態情報が緊急状態である場合、プライバシー保護対象の保護対象属性であっても公開可と判定する。これにより、例えば外部システム80がエレベーター等の管理システムである場合において、エレベーターの閉じ込め等の災害時における個人情報の特定が可能となる。これにより、緊急状態における人位置利用アプリケーション等の救済アプリケーションへの活用が容易になる。
【0053】
或いは、公開可否判定部23は、位置情報から判断される移動体の位置がプライバシー設定エリアに属する場合において、外部システム情報の状態情報が異常状態である場合、外部システム80への情報公開を取り止めるべく無効な公開情報を生成する。
【0054】
2-2.実施の形態2に係る位置情報管理システムにおいて実行される具体的処理
次に、フローチャートを参照しながら、プロセッサ20の各機能ブロックにおいて実行される処理について詳細に説明する。図12は、実施の形態2に係る位置情報管理システムにおいて実行されるルーチンのフローチャートである。図12に示すルーチンは、プロセッサ20において予め定められた制御周期で繰り返し実行される。なお、図12に示すルーチンの処理は、移動体の位置情報を管理する位置情報管理方法の一部を表してもいる。
【0055】
ステップS20では、プロセッサ20の情報取得部21において、情報取得処理が実行される。典型的には、情報取得部21は、ステップS200において、測位装置60から出力された位置情報を受信したかどうかを判定する。その結果、判定の成立が認められない場合、本ルーチンの処理は終了され、判定の成立が認められた場合、処理はステップS22に進む。
【0056】
ステップS22では、プロセッサ20の外部情報取得部25において、外部システム情報取得処理が実行される。典型的には、外部情報取得部25は、ステップS220において、外部システム80から外部システム情報を取得する。ステップS22の処理が完了すると、処理はステップS24に進む。
【0057】
ステップS24では、プロセッサ20の位置・属性情報管理部22において、情報管理処理が実行される。典型的には、位置・属性情報管理部22は、ステップS20の情報取得処理によって取得された位置情報に、移動体属性テーブルの属性情報とステップS22の外部システム情報取得処理によって取得された外部システム情報とを関連付けた管理テーブルを生成し、メモリ30のデータ302に保存する。ステップS24の処理が完了すると、処理はステップS26に進む。
【0058】
ステップS26では、プロセッサ20の公開可否判定部23において公開可否判定処理が実行される。図13は、実施の形態2に係る位置情報管理システムにおいて実行される公開可否判定処理のフローチャートである。公開可否判定処理において、公開可否判定部23は、ステップS260において、外部システム80の状態情報が異常状態かどうかを判定する。その結果、判定の成立が認められた場合、外部システム80への情報公開を取り止めるべきと判断されて、処理はステップS262に進む。ステップS262において、公開可否判定部23は、無効な公開情報を生成する。
【0059】
一方、ステップS260において判定の成立が認められない場合、処理はステップS264に進む。ステップS264において、公開可否判定部23は、外部システム80の状態情報が緊急状態かどうかを判定する。その結果、判定の成立が認められた場合、処理はステップS266に進む。ステップS266において、公開可否判定部23は、管理テーブルにおいてプライバシー保護対象とされる保護対象属性を公開不可とした公開情報を生成する。
【0060】
一方、ステップS264において、判定の成立が認められない場合、処理はステップS268に進む。ステップS268において、公開可否判定部23は、情報取得処理によって取得された移動体の位置情報がプライバシー設定エリア内に属するかどうかを判定する。その結果、判定の成立が認められない場合、属性情報のプライバシーの配慮が不要と判断されて、処理はステップS270に進む。ステップS270において、公開可否判定部23は、管理テーブルにおいてプライバシー保護対象とされる保護対象属性の項目を公開可とした公開情報を生成する。
【0061】
一方、ステップS268の判定の成立が認められた場合、属性情報のプライバシーの配慮が必要と判断されて、処理はステップS272に進む。ステップS272において、公開可否判定部23は、管理テーブルにおいてプライバシー保護対象とされる保護対象属性を公開不可とした公開情報を生成する。
【0062】
再び図12のフローチャートに戻り、ステップS28では、プロセッサ20の外部システム出力部24において出力処理が実行される。典型的には、外部システム出力部24は、公開可否判定処理において生成された公開情報を、通信ネットワーク70を介して外部システム80へ配信する。この際、公開情報がステップS262で生成された無効な公開情報である場合、出力処理において公開情報は配信されない。
【0063】
以上説明した実施の形態2に係る位置情報管理システム100によれば、外部システム80の状態に応じて、プライバシーに配慮すべき属性情報の公開可否を判定することができる。これにより、外部システム80の状態に配慮しつつ、移動体の属性情報において公開可能な情報を管理することが可能となる。
【0064】
3.実施の形態3.
実施の形態1に係る位置情報管理システム100において、移動体の属性情報は、メモリ30の移動体属性テーブルに予め記憶されている。ここで、移動体の属性情報のうち、性別、年齢などの外観から判断し得る情報は、カメラによって撮像されたカメラ画像から推定可能であり、必ずしも予め移動体属性テーブルに記憶させておく必要がない。
【0065】
実施の形態3に係る位置情報管理システムは、移動体の属性情報の少なくとも一部を外部装置から取得する構成に特徴を有している。以下、実施の形態3に係る位置情報管理システムにおいて、実施の形態1で開示される例と相違する点について特に詳しく説明する。実施の形態3で説明しない特徴については、実施の形態1で開示される例のいずれの特徴が採用されてもよい。
【0066】
3-1.実施の形態3の位置情報管理システムの特徴
図14は、実施の形態3に係る位置情報管理システムの構成の一例を示すブロック図である。位置情報管理システム100は、少なくとも1つの測位装置60と、管理装置10と、に加えて、更に少なくとも1つの属性情報取得装置90を備えている。属性情報取得装置90は、管理エリア内を移動する移動体を識別するとともに当該移動体の属性情報の一部を取得する。典型的には、属性情報取得装置90は、管理エリア内に設置されたカメラ装置であり、撮像されたカメラ画像に対して公知の画像解析を行うことで移動体を識別し、性別、年齢、等の属性情報を取得する。或いは、属性情報取得装置90は、移動体が所持する携帯端末の機能の一部として構成される。この場合、属性情報取得装置90は、携帯端末に記憶されている当該移動体の属性情報の少なくとも一部を取得する。或いは、移動体が移動型ロボットである場合、属性情報取得装置90は、当該移動型ロボットの機能の一部として構成される。この場合、属性情報取得装置90は、移動型ロボットに記憶されている当該移動体の属性情報の少なくとも一部を取得する。
【0067】
属性情報取得装置90は、取得した属性情報に当該移動体の識別IDを関連付けたデータを、通信ネットワーク70を介して管理装置10に送る。
【0068】
管理装置10は、情報取得部21によって実行される情報取得処理において、属性情報取得装置90から送られた属性情報を取得する。取得した属性情報は、識別IDの紐付けを行うことによって移動体属性テーブルに反映される。
【0069】
以上のような位置情報管理システムの処理によれば、移動体の属性情報の一部を外部装置から取得することができる。これにより、管理装置10の維持管理の省力化及び拡張性の向上を図ることが可能となる。
【0070】
4.その他
以上、好ましい実施の形態等について詳説したが、本開示は上述した実施の形態等に制限されることはなく、特許請求の範囲に記載された範囲を逸脱することなく、上述した実施の形態等に種々の変形及び置換を加えることができる。
【0071】
以下、本開示の諸態様を付記としてまとめて記載する。
【0072】
(付記1)
移動体の位置を含む位置情報を検出する測位装置と、
前記位置情報に前記移動体の1又は複数の属性を含む属性情報を関連付けて記憶する記憶部と、
前記位置情報に基づいて、前記属性情報に含まれる前記1又は複数の属性のそれぞれの公開可否を判定する判定部と、
前記判定部において公開可と判定された属性に前記位置情報を関連付けて外部システムへ配信する出力部と、
を備える位置情報管理システム。
(付記2)
前記記憶部は、前記属性情報において前記1又は複数の属性のそれぞれが、プライバシー保護対象とされる保護対象属性かどうかの分類が予め記憶され、
前記判定部は、
前記位置情報に含まれる前記移動体の位置がプライバシー設定エリアに属する場合、前記保護対象属性を公開不可と判定する
ように構成される付記1に記載の位置情報管理システム。
(付記3)
前記判定部は、
前記1又は複数の属性のうち前記保護対象属性を除く属性を公開可と判定し、
前記位置情報に含まれる前記移動体の位置が前記プライバシー設定エリアに属しない場合、前記保護対象属性を公開可と判定する
ように構成される付記2に記載の位置情報管理システム。
(付記4)
前記移動体は、人又は移動型ロボットを含む付記1から付記3の何れか1項に記載の位置情報管理システム。
(付記5)
前記外部システムの状態を含む外部システム情報を取得する外部情報取得部を備え、
前記判定部は、前記外部システム情報に基づいて、前記1又は複数の属性のそれぞれの公開可否を判定する
ように構成される付記2又は付記3に記載の位置情報管理システム。
(付記6)
前記外部システム情報が前記外部システムの緊急状態を示す情報を含む場合、前記判定部は、前記保護対象属性を公開可と判定する
ように構成される付記5に記載の位置情報管理システム。
(付記7)
前記外部システム情報が前記外部システムの異常状態を示す情報を含む場合、前記判定部は、前記1又は複数の属性の全てを公開不可と判定する
ように構成される付記5に記載の位置情報管理システム。
(付記8)
前記移動体の前記1又は複数の属性の少なくとも一部を取得する属性情報取得装置を更に備え、
前記記憶部は、前記属性情報取得装置において取得された属性を含む前記属性情報に前記位置情報を関連付けて記憶する
ように構成される付記1から付記7の何れか1項に記載の位置情報管理システム。
(付記9)
前記属性情報取得装置は、前記移動体を撮像するカメラ装置を含み、前記カメラ装置によって撮像された前記移動体のカメラ画像に基づいて、前記移動体の属性を取得する
ように構成される付記8に記載の位置情報管理システム。
(付記10)
前記移動体は、携帯端末を所持した人又は移動型ロボットであり、
前記属性情報取得装置は、前記携帯端末又は前記移動型ロボットから前記1又は複数の属性の少なくとも一部を取得する
ように構成される付記8に記載の位置情報管理システム。
(付記11)
前記出力部は、前記判定部において公開可と判定された属性情報に前記移動体の位置及びその周囲を含む範囲の位置情報を関連付けて前記外部システムへ配信する
ように構成される付記1から付記10の何れか1項に記載の位置情報管理システム。
(付記12)
移動体の位置を含む位置情報を取得する情報取得部と、
前記位置情報に前記移動体の1又は複数の属性を含む属性情報を関連付けて記憶する記憶部と、
前記位置情報に基づいて、前記属性情報に含まれる前記1又は複数の属性のそれぞれの公開可否を判定する判定部と、
前記判定部において公開可と判定された属性に前記位置情報を関連付けて外部システムへ配信する出力部と、
を備える管理装置。
(付記13)
外部システムへ配信する移動体の位置情報をコンピュータが管理する位置情報管理方法であって、
前記移動体の位置を含む位置情報を検出するステップと、
前記位置情報に前記移動体の1又は複数の属性を含む属性情報を関連付けるステップと、
前記位置情報に基づいて、前記属性情報に含まれる前記1又は複数の属性のそれぞれの公開可否を判定するステップと、
公開可と判定された属性に前記位置情報を関連付けて外部システムへ配信するステップと、
を備える位置情報管理方法。
(付記14)
外部システムへ配信する移動体の位置情報を管理することをコンピュータに実行させるプログラムであって、
前記移動体の位置を含む位置情報を検出し、
前記位置情報に前記移動体の1又は複数の属性を含む属性情報を関連付け、
前記位置情報に基づいて、前記属性情報に含まれる前記1又は複数の属性のそれぞれの公開可否を判定し、
公開可と判定された属性に前記位置情報を関連付けて外部システムへ配信する
ことをコンピュータに実行させるように構成されるプログラム。
(付記15)
外部システムへ配信する移動体の位置情報を管理することをコンピュータに実行させるプログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体であって、
前記プログラムは、
前記移動体の位置を含む位置情報を検出し、
前記位置情報に前記移動体の1又は複数の属性を含む属性情報を関連付け、
前記位置情報に基づいて、前記属性情報に含まれる前記1又は複数の属性のそれぞれの公開可否を判定し、
公開可と判定された属性に前記位置情報を関連付けて外部システムへ配信する
ことをコンピュータに実行させるように構成されるコンピュータ読み取り可能な記録媒体。
【符号の説明】
【0073】
10 管理装置、 20 プロセッサ、 21 情報取得部、 22 位置・属性情報管理部、 23 公開可否判定部、 24 外部システム出力部、 25 外部情報取得部、 30 メモリ、 32 専用ハードウェア、 34 処理回路、 40 通信装置、 50 表示装置、 60 測位装置、 70 通信ネットワーク、 80 外部システム、 90 属性情報取得装置、 100 位置情報管理システム、 300 プログラム、 302 データ
【要約】
【課題】プライバシーに配慮しつつ移動体の属性情報の活用を図る上で有利な技術を提供する。
【解決手段】位置情報管理システムは、移動体の位置情報を検出する測位装置と、位置情報に移動体の属性情報を関連付けて記憶する記憶部と、位置情報に基づいて、属性情報に含まれる1又は複数の属性のそれぞれの公開可否を判定する判定部と、公開可と判定された属性に位置情報を関連付けて外部システムへ配信する出力部と、を備える。属性情報は、1又は複数の属性のそれぞれが、プライバシー保護対象とされる保護対象属性かどうかが予め規定されている。判定部は、1又は複数の属性のうち保護対象属性を除く属性を公開可と判定し、移動体の位置がプライバシー設定エリアに属する場合、保護対象属性を公開不可と判定し、移動体の位置が当該プライバシー設定エリアに属しない場合、保護対象属性を公開可と判定する。
【選択図】図7
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14