(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-05-13
(45)【発行日】2024-05-21
(54)【発明の名称】外部加熱式エアロゾル生成装置及びそのエアロゾル生成装置に使用されるシガレット
(51)【国際特許分類】
A24D 1/20 20200101AFI20240514BHJP
A24D 1/02 20060101ALI20240514BHJP
A24F 40/42 20200101ALI20240514BHJP
【FI】
A24D1/20
A24D1/02
A24F40/42
(21)【出願番号】P 2021526245
(86)(22)【出願日】2020-12-30
(86)【国際出願番号】 KR2020019396
(87)【国際公開番号】W WO2021177574
(87)【国際公開日】2021-09-10
【審査請求日】2021-07-21
(31)【優先権主張番号】10-2020-0026119
(32)【優先日】2020-03-02
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
【前置審査】
(73)【特許権者】
【識別番号】519217032
【氏名又は名称】ケーティー アンド ジー コーポレイション
(74)【代理人】
【識別番号】110000877
【氏名又は名称】弁理士法人RYUKA国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】アン、キ ジン
(72)【発明者】
【氏名】キム、スー ホ
(72)【発明者】
【氏名】キム、ジョン ヨル
(72)【発明者】
【氏名】パク、チャン ジン
(72)【発明者】
【氏名】ヤン、ジン チュル
【審査官】川口 聖司
(56)【参考文献】
【文献】韓国公開特許第10-2019-0093027(KR,A)
【文献】特表2019-531086(JP,A)
【文献】特開平09-217054(JP,A)
【文献】特表2018-531587(JP,A)
【文献】中国実用新案第209546905(CN,U)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A24C 1/00- 5/60
A24D 1/00- 3/18
A24F 1/00-47/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
加熱された場合に保湿剤蒸気を生成するエアロゾル基材部と、
加熱された場合にニコチン蒸気を発生させる媒質部と、
前記エアロゾル基材部を取り囲んでいる基材部ラッパーと、
前記媒質部を取り囲んでいる媒質部ラッパーと、
前記媒質部ラッパーによって取り囲まれた媒質部と前記媒質部を除いた要素を一括して取り囲む外皮を含み、
前記エアロゾル基材部は、前記外皮の外側の前記エアロゾル基材部の位置に設けられるヒータにより、前記外皮を介して加熱され、
前記媒質部は、前記ヒータにより、前記エアロゾル基材部及び前記媒質部ラッパーの少なくとも一方を介して間接的に加熱され、
前記媒質部ラッパー、及び前記基材部ラッパーは、
既設定の厚さ及び熱伝導率を有する金属と
、クエン酸カリウムまたはクエン酸ナトリウムのうち少なくとも一つを含む熱伝導性向上物質がパールコーティングされた紙
と、の合紙(laminated paper)で構成されたシガレット。
【請求項2】
前記エアロゾル基材部は、保湿剤を含有する紙から構成される、請求項1に記載のシガレット。
【請求項3】
前記保湿剤蒸気及び前記ニコチン蒸気を混合したエアロゾルが通過する際に、前記エアロゾルを冷却する冷却部を備え、
前記冷却部は、個別ラッパーで覆われない、請求項1または2に記載のシガレット。
【請求項4】
前記厚さは、
6.3μm~30μmに任意に決定された値である請求項1~
3のいずれか一項に記載のシガレット。
【請求項5】
前記厚さは、
6μm~30μmに任意に決定された値である請求項1~
3のいずれか一項に記載のシガレット。
【請求項6】
前記金属は、アルミニウムである請求項1~
5のいずれか一項に記載のシガレット。
【請求項7】
前記金属は、銅である請求項1~
6のいずれか一項に記載のシガレット。
【請求項8】
加熱された場合に、保湿剤蒸気を生成するエアロゾル基材部と、
加熱された場合に、ニコチン蒸気を発生させる媒質部と、
前記エアロゾル基材部を取り囲んでいる基材部ラッパーと、
前記媒質部を取り囲んでいる媒質部ラッパーと、
前記媒質部ラッパーによって取り囲まれた媒質部と前記媒質部を除いた要素を一括して取り囲む外皮と、を含み、
前記エアロゾル基材部は、前記外皮の外側の前記エアロゾル基材部の位置に設けられるヒータにより、前記外皮を介して加熱され、
前記媒質部は、前記ヒータにより、前記エアロゾル基材部及び前記媒質部ラッパーの少なくとも一方を介して間接的に加熱され、
前記媒質部ラッパー、及び前記基材部ラッパーは、
クエン酸カリウムまたはクエン酸ナトリウムのうち少なくとも一つを含む熱伝導性向上物質がパールコーティングされるとともに、活性炭素繊維(ACF: Activated Carbon Fiber)を内添させた紙である
シガレット。
【請求項9】
前記保湿剤蒸気及び前記ニコチン蒸気を混合したエアロゾルが通過する際に、前記エアロゾルを冷却する冷却部を備え、
前記冷却部は、個別ラッパーで覆われない、請求項
8に記載のシガレット。
【請求項10】
前記紙は、
前記活性炭素繊維を25%~50%のうち、任意に決定された比率で内添させた請求項
8または9に記載のシガレット。
【請求項11】
前記紙は、
前記活性炭素繊維を内添させて既設定の多孔性値(porosity value)を有する請求項
8から10のいずれか一項に記載のシガレット。
【請求項12】
請求項1~
11のいずれか一項に記載のシガレットと、
前記シガレットの前記エアロゾル基材部を前記シガレットの側面から直接加熱し、前記媒質部を直接加熱しない前記ヒータを含むエアロゾル生成装置と、を備えるシステム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、外部加熱式エアロゾル生成装置及びそのエアロゾル生成装置に使用されるシガレットに係わる発明であって、さらに具体的には、エアロゾル生成装置に含まれたヒータがシガレットに直接接触せず、シガレットを加熱し、エアロゾルを生成させうるエアロゾル生成装置及びそのエアロゾル生成装置に使用されるシガレットに係わる発明に関する。
【背景技術】
【0002】
最近、一般的なシガレットの短所を克服する代替方法に係わる需要が増加している。例えば、シガレットを燃焼させてエアロゾルを生成させる方法ではない、シガレット内のエアロゾル生成物質が加熱されることで、エアロゾルが生成する方法に係わる需要が増加している。これにより、加熱式シガレットまたは加熱式エアロゾル生成装置に係わる研究が活発に進められている。
【0003】
エアロゾル生成装置の中でも、挿入されたシガレットをシガレットの外部で加熱してユーザが吸入可能なエアロゾルを生成させる外部加熱式エアロゾル生成装置が存在する。外部加熱式エアロゾル生成装置は、エアロゾル生成基質を含むシガレットが挿入されれば、挿入されたシガレットに直接ヒータを接触してエアロゾルを生成させず、外部から熱を加えてエアロゾルを生成するところに特徴があり、ヒータの熱エネルギーがシガレットに円滑に伝達されず、ユーザがエアロゾル生成装置を通じてパフを開始する初期パフ区間において十分な量の霧化量が確保されない限界がある。
【0004】
霧化量を増大させるために、ヒータの加熱温度をむやみに高く設定すれば、ヒータに電力を提供するバッテリの寿命が短縮されるだけではなく、均一なタバコ味をユーザに提供し難くなるので、加熱温度を適切に保持しつつも、ユーザに一貫した喫煙感を提供することができる技術の必要性が求められている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明が解決しようとする技術的課題は、外部加熱式エアロゾル生成装置にシガレットが挿入されてから、エアロゾル生成装置のヒータが加熱されるとき、ヒータの熱エネルギーがシガレットに効率よく伝達されるシガレット及びそのシガレットが使用されるエアロゾル生成装置を提供するところにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
前記技術的課題を解決するための本発明の一実施例によるシガレットは、加熱を通じて媒質部に含まれた媒質からエアロゾルが生成されるシガレットであって、前記シガレットは、前記媒質部を取り囲んでいる媒質部ラッパー;及び前記媒質部ラッパーによって取り囲まれた媒質部と前記媒質部を除いた要素を一括して取り囲む外皮;を含み、前記媒質部ラッパーは、既設定の厚さ及び熱伝導率を有する金属と紙との合紙で構成された。
【0007】
前記技術的課題を解決するための本発明の他の一実施例によるシガレットは、加熱を通じてエアロゾル基材部及び媒質部に含まれたエアロゾル生成基材及び媒質部からエアロゾルが生成されるシガレットであって、前記シガレットは、前記エアロゾル基材部を取り囲んでいる基材部ラッパー;前記媒質部を取り囲んでいる媒質部ラッパー;及び前記基材部ラッパー及び媒質部ラッパーによってそれぞれ取り囲まれたエアロゾル基材部及び媒質部と残りの要素を一括して取り囲む外皮;を含み、前記基材部ラッパー及び媒質部ラッパーは、既設定の厚さ及び熱伝導率を有する金属と紙との合紙で構成した。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、初期パフ(initial puff)時にも、エアロゾル生成装置を使用するユーザに十分な霧化量のエアロゾルを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図1】エアロゾル生成装置にシガレットが挿入された例を示す図面である。
【
図2】エアロゾル生成装置にシガレットが挿入された例を示す図面である。
【
図3】エアロゾル生成装置にシガレットが挿入された他の例を示す図面である。
【
図6】
図3の装置で使用される二重媒質シガレットの一例を示す図面である。
【
図7】既存のシガレットでの温度上昇曲線と二重媒質シガレットの温度上昇曲線を比較した結果を示す図面である。
【
図8】本発明を適用したときの二重媒質シガレットの温度変化曲線の他の一例を示す図面である。
【
図9】本発明を適用したときの二重媒質シガレットの温度変化曲線のさらに他の一例を示す図面である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
前記技術的課題を解決するための本発明の一実施例によるシガレットは、加熱を通じて媒質部に含まれた媒質からエアロゾルが生成されるシガレットであって、前記シガレットは、前記媒質部を取り囲んでいる媒質部ラッパー、及び前記媒質部ラッパーによって取り囲まれた媒質部と前記媒質部を除いた要素を一括して取り囲む外皮を含み、前記媒質部ラッパーは、既設定の厚さ及び熱伝導率を有する金属と紙が合紙(laminated paper)で構成された。
【0011】
前記シガレットにおいて、前記厚さは、6.3μm~30μmに任意に決定された値である。
【0012】
前記シガレットにおいて、前記金属は、アルミニウムである。
【0013】
前記シガレットにおいて、前記厚さは、6μm~30μmに任意に決定された値である。
【0014】
前記シガレットにおいて、前記金属は、銅である。
【0015】
前記技術的課題を解決するための本発明の他の一実施例によるシガレットは、加熱を通じて媒質部に含まれた媒質からエアロゾルが生成されるシガレットであって、前記シガレットは、前記媒質部を取り囲んでいる媒質部ラッパー、及び前記媒質部ラッパーによって取り囲まれた媒質部と前記媒質部を除いた要素を一括して取り囲む外皮を含み、前記媒質部ラッパーは、活性炭素繊維(ACF: Activated Carbon Fiber)を内添させた紙である。
【0016】
前記シガレットにおいて、前記紙は、前記活性炭素繊維を25%~50%のうち、任意に決定された比率で内添させた。
【0017】
前記シガレットにおいて、前記紙は、前記活性炭素繊維を内添させて既設定の多孔性値(porosity value)を有する。
【0018】
前記技術的課題を解決するための本発明のさらに他の一実施例によるエアロゾル生成装置は、前記シガレットのうち、いずれか1つによるシガレットを通じてエアロゾルを生成する外部加熱式エアロゾル生成装置でもある。
【0019】
前記技術的課題を解決するための本発明の前述した実施例と他の一実施例によるシガレットは、加熱を通じてエアロゾル基材部及び媒質部に含まれたエアロゾル生成基材及び媒質部からエアロゾルが生成されるシガレットであって、前記シガレットは、前記エアロゾル基材部を取り囲んでいる基材部ラッパー;前記媒質部を取り囲んでいる媒質部ラッパー;及び前記基材部ラッパー及び媒質部ラッパーによってそれぞれ取り囲まれたエアロゾル基材部及び媒質部と残りの要素を一括して取り囲む外皮;を含み、前記基材部ラッパー及び媒質部ラッパーは、既設定の厚さ及び熱伝導率を有する金属と紙が合紙(laminated paper)で構成された。
【0020】
前記シガレットにおいて、前記厚さは、6.3μm~30μmに任意に決定された値である。
【0021】
前記シガレットにおいて、前記金属は、アルミニウムである。
【0022】
前記シガレットにおいて、前記厚さは、6μm~30μmに任意に決定された値である。
【0023】
前記シガレットにおいて、前記金属は、銅である。
【0024】
前記技術的課題を解決するための選択的一実施例は、加熱を通じてエアロゾル基材部及び媒質部に含まれたエアロゾル生成基材及び媒質部からエアロゾルが生成されるシガレットであって、前記シガレットは、前記エアロゾル基材部を取り囲んでいる基材部ラッパー;前記媒質部を取り囲んでいる媒質部ラッパー;及び前記基材部ラッパー及び媒質部ラッパーによってそれぞれ取り囲まれたエアロゾル基材部及び媒質部と残り要素を一括して取り囲む外皮;を含み、前記基材部ラッパー及び媒質部ラッパーは、活性炭素繊維(ACF: Activated Carbon Fiber)を内添させた紙である。
【0025】
前記シガレットにおいて、前記紙は、前記活性炭素繊維を25%~50%のうち、任意に決定された比率で内添させた。
【0026】
前記シガレットにおいて、前記紙は、前記活性炭素繊維を内添させて既設定の多孔性値(porosity value)を有する。
【0027】
前記技術的課題を解決するための外部加熱式エアロゾル生成装置の一例は、前記シガレットを通じてエアロゾルを生成する外部加熱式エアロゾル生成装置であって、前記装置は、前記シガレットが前記装置のヒータに結合されれば、前記ヒータで前記シガレットのエアロゾル基材部を加熱して間接的に前記媒質部に含まれた媒質の温度を上昇させる。
【0028】
実施例で使用される用語は、本発明での機能を考慮しながら、可能な限り、現在広く使用される一般的な用語を選択したが、それは、当分野に係わる技術者の意図、判例、または新たな技術の出現などによっても異なる。また、特定の場合は、出願人が任意に選定した用語もあり、その場合、当該発明の説明部分において、詳細にその意味を記載する。したがって、本発明で使用される用語は、単なる用語の名称ではない、その用語が有する意味と本発明の全般にわたる内容に基づいて定義されねばならない。
【0029】
明細書全体において、ある部分がある構成要素を「含む」とするとき、それは、特別に反対となる記載がない限り、他の構成要素を除くものではなく、他の構成要素をさらに含んでもよいということを意味する。また、明細書に記載された「…部」、「…モジュール」などの用語は、少なくとも1つの機能や動作を処理する単位を意味し、それは、ハードウェアまたはソフトウェアによって具現されるか、ハードウェアとソフトウェアとの結合によっても具現される。
【0030】
以下、添付図面に基づいて、本発明の実施例について、本発明が属する技術分野で通常の知識を有する者が容易に実施可能なように詳細に説明する。しかし、本発明は、多様な互いに異なる形態にも具現され、ここで説明する実施例に限定されない。
【0031】
以下では、図面を参照して、本発明の実施例を詳細に説明する。
【0032】
図1及び
図2は、エアロゾル生成装置にシガレットが挿入された例を示す図面である。
【0033】
図1及び
図2を参照すれば、エアロゾル生成装置10は、バッテリ120、制御部110、ヒータ130及び蒸気化器180を含む。また、エアロゾル生成装置10の内部空間には、シガレット200が挿入されうる。
【0034】
図1及び
図2に図示されたエアロゾル生成装置10には、本実施例に係わる構成要素が図示されている。したがって、
図1及び
図2に図示された構成要素以外に他の汎用的な構成要素がエアロゾル生成装置10にさらに含まれるということを、本実施例に係わる技術分野で通常の知識を有する者であれば、理解できるであろう。
【0035】
また、
図1及び
図2には、エアロゾル生成装置10にヒータ130が含まれていると図示されているが、必要に応じて、ヒータ130は、省略されうる。
【0036】
図1には、バッテリ120、制御部110、蒸気化器180及びヒータ130が一列に配置されているように図示されている。また、
図2には、蒸気化器180及びヒータ130が並列に配置されているように図示されている。しかし、エアロゾル生成装置10の内部構造は、
図1または
図2に図示されたところに限定されない。すなわち、エアロゾル生成装置10の設計によって、バッテリ120、制御部110、蒸気化器180及びヒータ130の配置は、変更されうる。
【0037】
シガレット200がエアロゾル生成装置10に挿入されれば、エアロゾル生成装置10は、蒸気化器180を作動させ、蒸気化器180からエアロゾルを発生させうる。蒸気化器180によって生成されたエアロゾルは、シガレット200を通過してユーザに伝達される。蒸気化器180に係わるさらに詳細な説明は、後述される。
【0038】
バッテリ120は、エアロゾル生成装置10の動作に用いられる電力を供給する。例えば、バッテリ120は、ヒータ130または蒸気化器180が加熱されるように電力を供給し、制御部110の動作に必要な電力を供給することができる。また、バッテリ120は、エアロゾル生成装置10に設けられたディスプレイ、センサ、モータなどの動作に必要な電力を供給することができる。
【0039】
制御部110は、エアロゾル生成装置10の動作を全般的に制御する。具体的に、制御部110は、バッテリ120、ヒータ130及び蒸気化器180だけではなく、エアロゾル生成装置10に含まれた他の構成の動作を制御する。また、制御部110は、エアロゾル生成装置10の構成それぞれの状態を確認し、エアロゾル生成装置10が動作可能な状態であるか否かを判断することもできる。
【0040】
制御部110は、少なくとも1つのプロセッサを含む。プロセッサは、多数の論理ゲートのアレイとして具現され、汎用的なマイクロプロセッサと該マイクロプロセッサで実行可能なプログラムが保存されたメモリの組み合わせによっても具現される。また、他の形態のハードウェアとしても具現可能であるということを、本実施例が属する技術分野で通常の知識を有する者であれば、理解できるであろう。
【0041】
ヒータ130は、バッテリ120から供給された電力によって加熱されうる。例えば、シガレットがエアロゾル生成装置10に挿入されれば、ヒータ130は、シガレットの外部に位置する。したがって、加熱されたヒータ130は、シガレット内のエアロゾル生成物質の温度を上昇させうる。
【0042】
ヒータ130は、電気抵抗性ヒータでもある。例えば、ヒータ130には、導電性トラック(track)を含み、導電性トラックに電流が流れることにより、ヒータ130が加熱されうる。しかし、ヒータ130は、前述した例に限定されず、希望温度まで加熱されるものであれば、制限なしに該当しうる。ここで、希望温度は、エアロゾル生成装置10に予め設定されていてもよく、ユーザによって所望の温度に設定されていてもよい。
【0043】
一方、他の例において、ヒータ130は、誘導加熱式ヒータでもある。具体的に、ヒータ130には、シガレットを誘導加熱方式で加熱するための導電性コイルを含み、シガレットは、誘導加熱式ヒータによって加熱されるサセプタを含んでもよい。
【0044】
図1及び
図2には、ヒータ130がシガレット200の外部に配置されているように図示されているが、これに限定されない。例えば、ヒータ130は、管状加熱要素、板状加熱要素、針状加熱要素、または棒状加熱要素を含み、加熱要素の形状によってシガレット200の内部または外部を加熱することができる。
【0045】
また、エアロゾル生成装置10には、ヒータ130が複数個配置される。この際、複数個のヒータ130は、シガレット200の内部に挿入されるように配置されてもよく、シガレット200の外部に配置されてもよい。また、複数個のヒータ130のうち、一部は、シガレット200の内部に挿入されるように配置され、残りは、シガレット200の外部に配置されうる。また、ヒータ130の形状は、
図1及び
図2に図示された形状に限定されず、多様な形状にも作製される。
【0046】
蒸気化器180は、液状組成物を加熱してエアロゾルを生成し、生成されたエアロゾルは、シガレット200を通過してユーザに伝達されうる。すなわち、蒸気化器180によって生成されたエアロゾルは、エアロゾル生成装置10の気流通路に沿って移動し、気流通路は、蒸気化器180によって生成されたエアロゾルがシガレットを通過してユーザに伝達されるようにも構成される。
【0047】
例えば、蒸気化器180は、液体保存部、液体伝達手段、及び加熱要素を含んでもよいが、それらに限定されない。例えば、液体保存部、液体伝達手段、及び加熱要素は、独立してモジュールとしてエアロゾル生成装置10に含まれてもよい。
【0048】
液体保存部は、液状組成物を保存することができる。例えば、液状組成物は、揮発性タバコ香成分を含むタバコ含有物質を含む液体でもあり、非タバコ物質を含む液体でもある。液体保存部は、蒸気化器180から/に脱/付着するようにも作製され、蒸気化器180と一体としても作製される。
【0049】
例えば、液状組成物は、水、ソルベント、エタノール、植物抽出物、香料、香味剤、またはビタミン混合物を含んでもよい。香料は、メントール、ペパーミント、スペアミントオイル、各種果物の香り成分などを含むが、それらに制限されるものではない。香味剤は、ユーザに多様な香味または風味を提供する成分を含んでもよい。ビタミン混合物は、ビタミンA、ビタミンB、ビタミンC及びビタミンEのうち、少なくとも1つが混合されたものでもあるが、それらに制限されない。また、液状組成物は、グリセリン及びプロピレングリコールのようなエアロゾル形成剤を含んでもよい。
【0050】
液体伝達手段は、液体保存部の液状組成物を加熱要素として伝達することができる。例えば、液体伝達手段は、綿繊維、セラミック繊維、ガラスファイバ、多孔性セラミックのような芯(wick)にもなるが、それらに限定されない。
【0051】
加熱要素は、液体伝達手段によって伝達される液状組成物を加熱するための要素である。例えば、加熱要素は、金属熱線、金属熱板、セラミックヒータなどにもなるが、それらに限定されるものではない。また、加熱要素は、ニクロム線のような伝導性フィラメントで構成され、液体伝達手段に巻かれる、構造に配置されうる。加熱要素は、電流供給によって加熱され、加熱要素と接触された液体組成物に熱を伝達し、液体組成物を加熱することができる。その結果、エアロゾルが生成されうる。
【0052】
例えば、蒸気化器180は、カトマイザ(cartomizer)または霧化器(atomizer)とも称されるが、それらに限定されない。
【0053】
一方、エアロゾル生成装置10は、バッテリ120、制御部110及びヒータ130以外に汎用的な構成をさらに含んでもよい。例えば、エアロゾル生成装置10は、視覚情報の出力が可能なディスプレイ及び/または触覚情報の出力のためのモータを含んでもよい。また、エアロゾル生成装置10は、少なくとも1つのセンサ(パフ感知センサ、温度感知センサ、シガレット挿入感知センサなど)を含んでもよい。また、エアロゾル生成装置10は、シガレット200が挿入された状態でも外部空気が流入されるか、内部気体が流出される構造によっても作製されうる。
【0054】
図1及び
図2には、図示されていないが、エアロゾル生成装置10は、別途のクレードルと共に、システムを構成してもよい。例えば、クレードルは、エアロゾル生成装置10のバッテリ120の充電に用いられうる。または、クレードルとエアロゾル生成装置10が結合された状態でヒータ130が加熱される。
【0055】
シガレット200は、一般的な燃焼型シガレットと類似してもいる。例えば、シガレット200は、エアロゾル生成物質を含む第1部分とフィルタなどを含む第2部分に区分されうる。または、シガレット200の第2部分にもエアロゾル生成物質が含まれる。例えば、顆粒またはカプセルの形態に作られたエアロゾル生成物質が第2部分に挿入される。
【0056】
エアロゾル生成装置10の内部には、第1部分全体が挿入され、第2部分は、外部に露出されうる。または、エアロゾル生成装置10の内部に第1部分の一部だけ挿入され、第1部分及び第2部分の一部が挿入されうる。ユーザは、第2部分を口にした状態でエアロゾルを吸い込むことができる。この際、エアロゾルは、外部空気が第1部分を通過することで生成され、生成されたエアロゾルは、第2部分を通過してユーザの口に伝達される。
【0057】
一例として、外部空気は、エアロゾル生成装置10に形成された少なくとも1つの空気通路を通じて流入されうる。例えば、エアロゾル生成装置10に形成された空気通路の開閉及び/または空気通路の大きさは、ユーザによって調節されうる。これにより、霧化量、喫煙感などが、ユーザによって調節されうる。他の例として、外部空気は、シガレット200の表面に形成された少なくとも1つの孔(hole)を通じてシガレット200の内部に流入される。
【0058】
図3は、エアロゾル生成装置にシガレットが挿入された他の例を示す図面である。
【0059】
図3を、
図1及び
図2を通じて説明したエアロゾル生成装置と対比すれば、蒸気化器180が省略されたことが分かる。
図3に図示されたエアロゾル生成装置に挿入される二重媒質シガレット300に蒸気化器180の機能を遂行する要素が含まれているので、
図3には、
図1及び
図2に図示されたエアロゾル生成装置と異なって、蒸気化器180を含まない。
【0060】
図3によるエアロゾル生成装置10は、二重媒質シガレット300が挿入されれば、二重媒質シガレット300を外部加熱することで、二重媒質シガレット300からユーザが吸入可能なエアロゾルを生成させうる。二重媒質シガレット300については、
図6を通じて具体的に説明する。
【0061】
以下、
図4を参照して、シガレット200の一例について説明する。
【0062】
【0063】
図4を参照すれば、シガレット200は、タバコロッド210及びフィルタロッド220を含む。
図1及び
図2を参照して、前述した第1部分は、タバコロッド210を含み、第2部分は、フィルタロッド220を含む。
【0064】
図4には、フィルタロッド220が単一セグメントとして図示されているが、これに限定されない。すなわち、フィルタロッド220は、複数のセグメントで構成される。例えば、フィルタロッド220は、エアロゾルを冷却する第1セグメント及びエアロゾル内に含まれた所定の成分をフィルタリングする第2セグメントを含んでもよい。また、必要に応じて、フィルタロッド220には、他の機能を遂行する少なくとも1つのセグメントをさらに含んでもよい。
【0065】
シガレット200は、少なくとも1枚のラッパー240によっても包装される。ラッパー240には、外部空気が流入されるか、内部気体が流出される少なくとも1つの孔(hole)が形成されうる。一例として、シガレット200は、1枚のラッパー240によっても包装される。他の例として、シガレット200は、2枚以上のラッパー240によって重畳して包装される。例えば、第1ラッパーによってタバコロッド210が包装され、第2ラッパーによってフィルタロッド220が包装されうる。そして、個別ラッパーによって包装されたタバコロッド210及びフィルタロッド220が結合され、第3ラッパーによってシガレット200全体が再包装されうる。もし、タバコロッド210またはフィルタロッド220それぞれが複数のセグメントで構成されているならば、それぞれのセグメントが個別ラッパーによっても包装される。そして、個別ラッパーによって包装されたセグメントが結合されたシガレット200全体が他のラッパーによっても再包装される。
【0066】
タバコロッド210は、エアロゾル生成物質を含む。例えば、エアロゾル生成物質は、グリセリン、プロピレングリコール、エチレングリコール、ジプロピレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、テトラエチレングリコール及びオレイルアルコールのうち、少なくとも1つを含んでもよいが、それらに限定されない。また、タバコロッド210は、風味剤、湿潤剤及び/または有機酸(organic acid)のような他の添加物質を含んでもよい。また、タバコロッド210には、メントールまたは保湿剤などの加香液が、タバコロッド210に噴射されることによって添加される。
【0067】
タバコロッド210は、多様にも作製される。例えば、タバコロッド210は、シート(sheet)によっても作製され、ストランド(strand)によっても作製される。また、タバコロッド210は、タバコシートが細かく切られた刻みタバコによっても作製される。また、タバコロッド210は、熱伝導物質によっても覆い包まれる。例えば、熱伝導物質は、アルミ箔のような金属箔でもあるが、それに限定されない。一例として、タバコロッド210を取り囲む熱伝導物質は、タバコロッド210に伝達される熱を押し並べて分散させ、タバコロッドに加えられる熱伝導率を向上させ、これにより、タバコ風味を向上させうる。また、タバコロッド210を取り囲む熱伝導物質は、誘導加熱式ヒータによって加熱されるサセプタとしての機能が行える。この際、図示はされていないが、タバコロッド210は、外部を取り囲む熱伝導物質以外にも追加のサセプタをさらに含んでもよい。
【0068】
フィルタロッド220は、酢酸セルロースフィルタでもある。一方、フィルタロッド220の形状には、制限がない。例えば、フィルタロッド220は、円柱状ロッドでもあり、内部に中空を含むチューブ状ロッドでもある。また、フィルタロッド220は、リセス状ロッドでもある。もし、フィルタロッド220が複数のセグメントで構成された場合、複数のセグメントのうち、少なくとも1つが異なる形状にも作製される。
【0069】
フィルタロッド220は、香味が発生するように作製される。一例として、フィルタロッド220に加香液が噴射されてもよく、加香液が塗布された別途の繊維がフィルタロッド220の内部に挿入されてもよい。
【0070】
また、フィルタロッド220には、少なくとも1つのカプセル230が含まれる。ここで、カプセル230は、香味を発生させる機能を行ってもよく、エアロゾルを発生させる機能を行ってもよい。例えば、カプセル230は、香料を含む液体を被膜で覆い包む構造でもある。カプセル230は、球状または円筒状を有するが、それに制限されない。
【0071】
もし、フィルタロッド220にエアロゾルを冷却するセグメントが含まれる場合、冷却セグメントは、高分子物質または生分解性高分子物質によっても製造される。例えば、冷却セグメントは、純粋なポリ乳酸(polylactic acid)だけで作製されるが、これに限定されない。または、冷却セグメントは、複数の穿孔が形成されたセルロースアセテートフィルタによっても作製される。しかし、冷却セグメントは、前述した例に限定されず、エアロゾルが冷却される機能を遂行可能であれば、制限なしに該当しうる。
【0072】
一方、
図4には、図示されていないが、一実施例によるシガレット200は、前端フィルタをさらに含んでもよい。前端フィルタは、タバコロッド210において、フィルタロッド220に反対になる一側に位置する。前端フィルタは、タバコロッド210の外部への離脱を防止し、喫煙中にタバコロッド210から液状化されたエアロゾルがエアロゾル発生装置(
図1及び
図2の100)に流れて行くことを防止することができる。
【0073】
【0074】
図5を参照すれば、シガレット200は、クロスチューブ205、タバコロッド210及びチューブ220a、フィルタ220bが最終ラッパー240によって覆い包まれる形態を有することが分かる。
図5で、ラッパーは、クロスチューブ205、タバコロッド210、チューブ220a、フィルタ220bをそれぞれ覆い包む個別ラッパーと個別ラッパーによって覆い包まれたクロスチューブ205、タバコロッド210、チューブ220a、フィルタ220bを1つに覆い包む最終ラッパーを含む。
【0075】
図1及び
図2を参照して、前述した第1部分は、クロスチューブ205及びタバコロッド210を含み、第2部分は、フィルタロッド220を含む。説明の便宜上、以下では、
図1及び
図2を参照して説明し、
図4での説明と重複する説明は、省略する。
【0076】
クロスチューブ205は、タバコロッド210に連結される十字形態のチューブを意味する。
【0077】
クロスチューブ205は、シガレット200がエアロゾル生成装置に挿入されれば、タバコロッド210と共に、シガレット感知センサによってセンシングされる部分であって、タバコロッド210と同じ合紙ラッパーによって覆い包まれ、シガレット感知センサが挿入されたシガレット200がエアロゾル生成装置が支援する種類のシガレット(自社で作製されたシガレット)であるか否かの把握に活用されうる。銅合紙ラッパーについては、
図7から
図9を通じて後述する。
【0078】
タバコロッド210は、エアロゾル生成装置10のヒータ130によって加熱されてエアロゾルを生成させるエアロゾル生成基質を含む。
【0079】
チューブ220aは、タバコロッド210のエアロゾル生成基質がヒータ130から十分な量のエネルギーを受けて加熱されるとき、生成されるエアロゾルをフィルタ220bに伝達させる機能を行う。チューブ220aは、セルロースアセテートトウに可塑剤であるトリアセチン(TA)を一定量以上加えて円形(circle)に成形する方式で製造されるチューブであって、クロスチューブ205と対比すれば、形態のみ異なり、タバコロッド210とフィルタ220bとを連結する点で配置上の差がある。
【0080】
フィルタ220bは、タバコロッド210で生成されたエアロゾルがチューブ220aを通じて伝達すれば、エアロゾルを通過させることで、ユーザがフィルタ220bによって濾過されたエアロゾルを吸い込ませる機能を遂行する。フィルタ220bは、セルロースアセテートトウに基づいて作製された酢酸セルロースフィルタでもある。
【0081】
最終ラッパー240は、クロスチューブ205、タバコロッド210、チューブ220a及びフィルタ220bをそれぞれ取り囲む紙であって、クロスチューブラッパー240b、タバコロッドラッパー240c、チューブラッパー240d及びフィルタラッパー240eをいずれも含んでもよい。
【0082】
図5において、クロスチューブラッパー240bは、アルミニウム材質のラッパー、チューブ部220aは、MFWまたは24Kラッパー、フィルタ220bは、耐油ハードラッパーまたはPLA(Poly Lactic Acid)材質の合紙によって覆い包まれる。タバコロッドラッパー240c及び最終ラッパー240については、以下でさらに詳細に後述する。
【0083】
タバコロッドラッパー240cは、タバコロッド210を覆い包むラッパー(wrapper)であって、ヒータ130によって伝達される熱エネルギーの効率性を極大化させるために熱伝導性向上物質がコーティング(coating)されうる。例えば、タバコロッドラッパー240cは、銀薄紙(Ag)、アルミニウム薄紙(Al)、銅薄紙(Cu)、カーボン(carbon paper)、充填剤(filler)、セラミック(AlN、Al2O3)、シリコンカーバイド(silicon carbide)、クエン酸ナトリウム(Na citrate)、クエン酸カリウム(K citrate)、アラミド繊維(aramid fiber)、ナノセルロース(nano cellulose)、ミネラル紙(mineral paper)、グラシン紙(glassine paper)、SWNT(Single-Walled Carboe Nanotube)のうち、少なくとも1つが一般ラッパーまたは離型原紙にコーティングされる方式で作製されうる。一般ラッパーは、広く知られたシガレットに適用されているラッパーを意味し、手漉紙試験を経て紙製造作業性及び熱伝導性がいずれも一定値以上を超過する検証された材質によって作製された多孔性ラッパーを意味する。
【0084】
また、本発明で最終ラッパー240は、タバコロッドラッパー240cにコーティングされる多様な物質のうち、充填剤、セラミック、シリコンカーバイド、クエン酸ナトリウム、クエン酸カリウム、アラミド繊維、ナノセルロース、SWNTのうち、少なくとも1つがMFW原紙にコーティングされる方式で作製されうる。
【0085】
図1及び
図2で説明した外部加熱式エアロゾル生成装置10に含まれるヒータ130は、制御部110によって制御される対象であって、タバコロッド210に含まれているエアロゾル生成基質を加熱させてエアロゾルを生成させ、この際、タバコロッド210に伝達される熱エネルギーは、放射熱75%、対流熱15%、伝導熱10%の比率で構成される。実施例によって、タバコロッド210に伝達される熱エネルギーを構成する放射熱、対流熱、伝導熱の比率は異なりうる。
【0086】
本発明は、ヒータ130がエアロゾル生成基質に直接接触して熱エネルギーを伝達することができない特性上、迅速なエアロゾルの生成が困難であることを克服するために、前述したようにタバコロッドラッパー240c及び最終ラッパー240に熱伝導性向上物質をコーティングし、タバコロッド210のエアロゾル生成基質に熱エネルギーが効率的に伝達するように促進することで、ヒータ130が十分に加熱される前の初期パフ時にも、ユーザに十分な量のエアロゾルを提供することができる。
【0087】
実施例によって、タバコロッドラッパー240cまたは最終ラッパー240のうち、いずれか1つにのみ熱伝導性向上物質がコーティングされてもよく、前述した例だけではなく、既定の熱伝導率を有する有機金属、無機金属、繊維、高分子素材がタバコロッドラッパー240cまたは最終ラッパー240にコーティングされる方式によっても本発明が具現される。
【0088】
以下では、本発明によるタバコロッドラッパー240c及び最終ラッパー240を製造する工程及びその工程によって製造されたタバコロッドラッパー240c及び最終ラッパー240の物性について説明する。
【0089】
タバコロッドラッパー240cは、前述した熱伝導性向上物質を一般ラッパーまたは離型原紙にコーティングした後、スリット(slitting)する方式によっても製造される。一般ラッパーまたは離型原紙に熱伝導性向上物質をコーティングする方式の一例として、パールコティング(Pearl Coating)方式が用いられうる。また、スリットする方式の一例として、スリットの幅は、24.5mmになり、実施例によってスリットの幅は、異なりうる。
【0090】
タバコロッドラッパー240cを製造する方式の一例として、この際、タバコロッドラッパー240cのベースとなるラッパーは、カレンダーリング(calendering)処理となった一般ラッパーが用いられうる。
【0091】
【0092】
表1は、熱伝導性向上物質がパールコティングされる前の一般ラッパーの物性の一例を示す表である。表1を参照すれば、熱伝導性向上物質がパールコティングされる前の一般ラッパーは、カレンダーリング後に原紙状態と対比して、その厚さが23.5%減少し、それ以外の物性も異なることが分かる。カレンダーリングが完了された一般ラッパーに、熱伝導性向上物質をパールコティングする方式を通じてタバコロッドラッパー240cが製造されうる。選択的一実施例として、タバコロッドラッパー240cは、一般ラッパー、離型原紙及びMFW原紙のうち、いずれか1つに基づいて、熱伝導性向上物質をコーティングした後でカレンダーリング処理を行うことで、製造される。本選択的実施例によれば、シガレット200のエアロゾル生成基質に対する熱エネルギー伝達率を増大させるために、カレンダーリング処理となったラッパーではなく、熱伝導性向上物質が先にコーティングされたラッパーにカレンダーリング処理を行うことになる。
【0093】
【0094】
表2は、熱伝導性向上物質であるクエン酸カリウムを各種ラッパーにコーティングする前後の物性を比較して示す表である。表2を参照すれば、ベースとなるラッパーの材質によって、コーティング量を1.98%~2.24%に異なって適用してタバコロッドラッパー240cの引張強度、平滑度、強度(stiffness)を既設定の比率以上変化させたことが分かる。ここで、既設定の比率は、エアロゾル生成基質に伝達する熱エネルギーを一定値以上高めるために、実験的、数学的な計算によって算出される比率値を意味する。
【0095】
【0096】
表3は、熱伝導性向上物質であるクエン酸ナトリウムを各種ラッパーにコーティングする前後の物性を比較して示す表である。表3を参照すれば、ベースとなるラッパーの材質によって、コーティング量を1.83%~2.31%に異なって適用してタバコロッドラッパー240cの引張強度、平滑度、強度を既設定の比率以上変化させたことが分かる。ここで、既設定の比率は、エアロゾル生成基質に伝達される熱エネルギーを一定値以上高めるために、実験的、数学的な計算によって算出される比率値を意味する。
【0097】
表2及び表3のようにクエン酸カリウムまたはクエン酸ナトリウムがコーティングされたラッパーは、カレンダーリングを経てタバコロッドラッパー240cによっても製造される。また、表2及び表3を通じて説明したクエン酸カリウム及びクエン酸ナトリウムは、熱伝導性向上物質の一例として、実施例によって、クエン酸カリウム及びクエン酸ナトリウムではない、他の熱伝導性向上物質が適用されうる。
【0098】
【0099】
表4は、表1から表3を通じて説明した熱伝導性向上物質がコーティングされたタバコロッドラッパー240cが適用されたタバコを通じてエアロゾル生成装置を動作させたとき、霧化量、風味度のように喫煙感と直接的に関連した指標を数値化した結果を示す表である。タバコロッドに含まれているエアロゾル生成基質に熱エネルギーが如何によく伝達されるか否かを確認するために、タバコロッドラッパー240cにのみ熱伝導性向上物質を適用し、最終ラッパー240は、一括して薄厚のペーパーインナーが適用された。表4において、一般ラッパー(対照区)は、熱伝導性向上物質が全く適用されていない一般ラッパーを意味し、本発明の効果性を確認するための実験群である。表4において、一般ラッパー(Na)及び一般ラッパー(K)は、それぞれクエン酸ナトリウム及びクエン酸カリウムが2%コーティング適用された一般ラッパーであり、離型原紙(Na)及び離型原紙(K)は、それぞれクエン酸ナトリウム及びクエン酸カリウムが2%コーティング適用された離型原紙である。一般ラッパー(パールコティング)は、クエン酸ナトリウム及びクエン酸カリウムを除いた特定の熱伝導性向上物質をパールコティング(Pearl Coating)方式で一般ラッパーに適用した実験群を意味する。
【0100】
全体として、表4によれば、一般ラッパー(対照区)に比べて熱伝導性向上物質が適用された実験群は、口部熱感に対してはほとんど差がない一方、霧化量、喫味強度、風味度に対してはさらに優れた結果を示すことが分かり、それぞれの結果は、最大9点を基準点数として相対的に算出された結果である。前述したように本発明によれば、熱伝導性向上物質をタバコロッドラッパー240cに適用して、エアロゾル生成基質に供給されるヒータ130の熱エネルギーの伝達率を増大させ、外部加熱式エアロゾル生成装置を使用するユーザに豊富な霧化量及び好適の喫煙感を提供することができる。
【0101】
表4による結果は、タバコロッドラッパー240cにだけ熱伝導性向上物質が適用された結果であって、実施例によって、最終ラッパー240にだけ熱伝導性向上物質が適用される。
【0102】
【0103】
表5は、最終ラッパー240にだけ熱伝導性向上物質が適用されたとき、ユーザが感じる喫煙感、エアロゾル生成装置を通じて生成されるエアロゾルの霧化量増大を数値化して示す表である。表5は、タバコロッドに含まれているエアロゾル生成基質に熱エネルギーが如何によく伝達されるかを確認するために、最終ラッパー240に対してのみ熱伝導性向上物質を適用し、タバコロッドラッパー240cは、一般多孔性ラッパーを採択した結果である。表5において、MFW(対照区)は、熱伝導性向上物質が全く適用されていないMFW原紙を意味し、本発明の効果性を確認するための比較実験群である。表5において、MFW(Na)及びMFW(K)は、それぞれクエン酸ナトリウム及びクエン酸カリウムが2%コーティング適用されたMFW原紙を意味する。
【0104】
表5によれば、熱伝導性向上物質が適用された最終ラッパー240は、口部熱感に対しては、熱伝導性向上物質が適用されていない対照区と差がない一方、霧化量、喫味強度、風味度に対してはさらに高い結果値を示すことが分かる。表5は、表4のように、最大9点を基準点数として相対的に算出された結果である。前述したように本発明によれば、熱伝導性向上物質を最終ラッパー240に適用し、エアロゾル生成基質に供給されるヒータ130の熱エネルギーの伝達率を増大させ、外部加熱式エアロゾル生成装置を使用するユーザに豊富な霧化量及び好適の喫煙感を提供することができる。
【0105】
図6は、
図3の装置で使用される二重媒質シガレットの一例を示す図面である。
【0106】
図6において、二重媒質シガレットという名称は、
図4及び
図5で説明したシガレットと区別するための目的だけではなく、本発明に係わる説明を簡潔にするために名付けたものであって、実施例によって、一般のシガレットと同一に呼称されうる。
【0107】
図6を参照すれば、二重媒質シガレット300は、エアロゾル基材部310、媒質部320、冷却部330及びフィルタ部340が最終ラッパー350によって覆い包まれる形態を有することが分かる。
図6において、最終ラッパー350は、エアロゾル基材部310、媒質部320、及びフィルタ部340をそれぞれ覆い包む個別ラッパーと個別ラッパーによって覆い包まれたエアロゾル基材部310、媒質部320、及びフィルタ部340を1つに覆い包む外皮を意味する。
【0108】
エアロゾル基材部310は、パルプ(pulp)基盤の紙に保湿剤を含有させて既設定の形態に成形した部分である。エアロゾル基材部310に入る保湿剤(基材)には、プロピレングリコール及びグリセリンがある。エアロゾル基材部310の保湿剤は、原紙重さ対比で一定重量比率を有するプロピレングリコール及びグリセリンが含まれる。エアロゾル基材部310は、二重媒質シガレット300が
図3のエアロゾル生成装置10に挿入されたとき、外部加熱式ヒータ130と最も近く位置し、ヒータ130によって一定以上の温度も加熱されれば、保湿剤蒸気を生成する。
【0109】
媒質部320は、シート(sheet)、ストランド(strand)、タバコシートが細かく切られた刻みタバコ中の1つ以上を含み、ユーザに喫煙経験を提供するために、ニコチンを発生させる部分である。媒質部320は、二重媒質シガレット300が
図3のエアロゾル生成装置10に挿入されても、ヒータ130から直接加熱されず、加熱されるエアロゾル基材部310及び媒質部320を覆い包んでいる媒質部ラッパー(または、最終ラッパー)から伝導、対流、及び輻射方式によって間接加熱されうる。本発明では、媒質部320に含まれる媒質が到逹せねばならない温度がエアロゾル基材部310に含まれた保湿剤が到逹せねばならない温度よりもさらに低い特性を考慮して、外部加熱式ヒータ130でエアロゾル基材部310を加熱後に迂迴的に媒質部320の温度が上昇されるようにする。媒質部320に含まれた媒質の温度が一定以上の温度に上昇されれば、媒質部320からニコチン蒸気が生成される。
【0110】
実施例によって、二重媒質シガレット300が
図3のエアロゾル生成装置10に挿入されたとき、媒質部320の一部がヒータ130と対向する方向になってヒータ130から加熱されうる。
【0111】
冷却部330は、所定の重量の可塑剤を含むチューブフィルタによって作製され、エアロゾル基材部310及び媒質部320から生成された保湿剤蒸気及びニコチン蒸気が混合されてエアロゾル化(aerosolization)されて冷却部330を通過されつつ冷却され、エアロゾル基材部310、媒質部320、及びフィルタ部340とは異なって個別ラッパーによって覆い包まれない。
【0112】
フィルタ部340は、酢酸セルロースフィルタでもあり、フィルタ部340の形状には制限がない。フィルタ部340は、円柱状ロッドでもあり、内部に中空を含むチューブ状ロッドでもある。もし、フィルタ部340が複数のセグメントで構成された場合、複数のセグメントのうち、少なくとも1つが異なる形状にも作製される。フィルタ部340は、香味が発生するように作製される。一例として、フィルタ部340に加香液が噴射されてもよく、加香液が塗布された別途の繊維がフィルタ部340の内部に挿入されてもよい。
【0113】
また、フィルタ部340には、少なくとも1つのカプセルが含まれる。ここで、カプセルは、香味を発生させる機能を行ってもよい。例えば、カプセルは、香料を含む液体を被膜で覆い包む構造でもあり、球状または円筒状を有することができるが、それに制限されない。
【0114】
最終ラッパー350は、個別ラッパーによって覆い包まれたエアロゾル基材部310、媒質部320、及びフィルタ部340を1つに覆い包む外皮を意味し、最終ラッパー350は、後述する媒質部ラッパーと同一材質で構成されうる。
【0115】
以下では、媒質部320を覆い包む個別ラッパーとして媒質部ラッパーについて具体的に説明する。
【0116】
【0117】
表6は、媒質部ラッパーの製造方式または特性によって異なる熱伝導率に係わるデータを示す表である。
【0118】
具体的に、表6によるデータは、それぞれの方式と材料で手漉紙を製造して韓国炭素融合技術院で熱伝導率を測定した結果である。表6を参照すれば、内添方式で媒質部ラッパーを作製する場合、合紙方式で媒質部ラッパーを作製する場合よりも媒質部ラッパーの熱伝導率が顕著に低い結果が分かる。
【0119】
紙に金属を内添させるためには、パルプと共に金属パウダーが水に浮かなければならないが、金属の比重が高くて水によく分散されず、層分離が起こりつつ、50%以上の高い比率で内添がよくなされない限界がある。また、紙に金属パウダーが首尾よく内添されでも、一般ラッパー(巻紙)の重量対比で50%以上には内添され得ないが、媒質部ラッパーで熱伝逹メカニズムである格子振動(phonon vibration)が効果的に起こるためには、50%の内添率も不足なので、紙に内添される金属の種類に関係なく、有意味の熱伝導率が検出されない。
【0120】
一方、表6を参照すれば、活性炭素繊維(ACF: Activated Carbon Fiber)を紙に内添させる場合、活性炭素繊維同士が縒り合わせられる部分が相当部分存在することになり、内添される比率に比べて熱伝導率が大幅に上昇する効果があり、金属と紙とが合紙(laminated paper)された方式を用いる場合、媒質部ラッパーの熱伝導率は、前述した如何なる方式よりも相対的に高く示されることが分かる。また、同じ金属で厚さが厚くなるほど、同じ厚さでは、金属の熱伝導性が高いほど媒質部に伝達される熱効率は高く示し、表6において、20μmの厚さを有する銅を合紙方式によって媒質部ラッパーを製造する場合、他の方式によって製造された媒質部ラッパーに比べて卓越な熱伝導率を示した。合紙方式によって製造されたラッパーは、内部には金属部分が、外部には紙部分が露出されるように対象を覆い包むことになる。
【0121】
また、表6を参照すれば、紙に同一比率の活性炭素繊維を内添させても活性炭素繊維の多孔性値(porosity value)がさらに高ければ、熱伝導率もさらに高いということが分かる。ここで、多孔性値は、パーセント比率である場合、%(パーセント)、多孔性直径(porosity diameter)である場合、μm(マイクロメートル)を単位とすることができる。
【0122】
本発明は、表6のような結果に基づいて考案されたものである。一実施例として、本発明は、既設定の厚さ及び熱伝導率を有する金属と紙とが合紙で構成された媒質部ラッパーを使用して媒質部320に伝達される熱の効率を高めることができる。本発明によれば、紙に金属を合紙させる方式で製造したラッパーを媒質部ラッパーとして使用することで、ヒータの熱エネルギーが媒質部320に効果的に伝達されて、初期パフでも十分な霧化量がユーザに提供されうる。
【0123】
他の一実施例として、エアロゾル基材部310のラッパーは、前述した媒質部ラッパーと同一材質のラッパーでもある。すなわち、エアロゾル基材部310を覆い包むラッパーも既設定の厚さ及び熱伝導率を有する金属と合紙された紙でもある。本実施例によれば、媒質部320だけではなく、エアロゾル基材部310に伝達されるヒータの熱エネルギー効率も上昇し、エアロゾル生成装置は、無駄にヒータの温度を高めた状態で長時間保持しなくても、ユーザに一貫しかつ好適の喫煙感を提供するエアロゾルを生成することができる。
【0124】
図7は、既存のシガレットでの温度上昇曲線と二重媒質シガレットの温度上昇曲線とを比較した結果を示す図面である。
【0125】
さらに具体的に、
図7は、総4個のグラフを含んでおり、以下では、4個のグラフを2個ずつ対をなして解釈するようにし、
図6を参照して説明する。
【0126】
まず、
図7を参照すれば、エアロゾル基材部310及び媒質部320が一般ラッパーである場合、エアロゾル基材部310の温度は、最も高く形成され(約230℃)、媒質部320の温度は、最も低く形成されること(最大140℃近傍)が分かる。
【0127】
一方、
図7を参照すれば、エアロゾル基材部310及び媒質部320が二重アルミ箔ラッパーである場合、エアロゾル基材部310の温度が約200℃に収斂され、媒質部320の温度は、一般ラッパーを用いたときの温度よりもさらに高く形成されることが分かる。ここで、二重アルミ箔ラッパーは、本発明による合紙方式で作製されたラッパーとして合紙の主成分は、アルミニウム(aluminium)であることを意味する。
【0128】
図7は、二重媒質シガレット300が1次的にエアロゾル基材部310が外部加熱式ヒータ130から熱エネルギーを受けて加熱されれば、2次的に媒質部320がその影響を受けて加熱される方式でエアロゾルを生成し、二重アルミ箔ラッパーがエアロゾル基材部310及び媒質部320に適用されれば、一般ラッパーが適用されたときよりも、エアロゾル基材部310がヒータ130からさらに少ない熱エネルギーを受けても十分に加熱されて媒質部320を共に加熱させ、それにより、エアロゾルが生成されることを図式的に示している。
図7において、二重アルミ箔ラッパーがエアロゾル基材部310及び媒質部320に適用されたときの温度偏差は、一般ラッパーがエアロゾル基材部310及び媒質部320に適用されたときの温度偏差よりもさらに小さい。
【0129】
【0130】
数式1は、
図7の結果を数式で示したものである。数式1でAは、エアロゾル生成装置のヒータがエアロゾルを生成できるほど十分に予熱された以後に安定した状態で二重合紙ラッパーを適用したエアロゾル基材部310の温度を意味し、Bは、同じ状態の媒質部320の温度を意味し、A*及びB*は、一般ラッパーを適用したエアロゾル基材部310及び媒質部320の温度をそれぞれ意味する。
【0131】
図8は、本発明を適用したときの二重媒質シガレットの温度変化曲線の他の一例を示す図面である。
【0132】
図8は、二重媒質シガレット300を加熱する外部加熱式ヒータ130の温度が260℃であるときと、220℃であるときとのエアロゾル基材部310及び媒質部320の温度変化を一括して示す図面である。
図8を参照すれば、本発明によってエアロゾル基材部310及び媒質部320に伝達される熱エネルギーの効率が極大化され、エアロゾル基材部310の温度は、ヒータ130の温度(260℃または220℃)と近接するほど上昇していて下降することを繰り返し、エアロゾル基材部310の温度変化によって媒質部320の温度も共に変化することが分かる。
【0133】
図9は、本発明を適用したときの二重媒質シガレットの温度変化曲線のさらに他の一例を示す図面である。
【0134】
さらに具体的に、
図9は、二重媒質シガレット300からエアロゾル基材部310のラッパー及び媒質部320のラッパーを銀箔(銀と紙との合紙)、銅箔(銅と紙との合紙)にしたときの結果を可視的に示したものであり、
図9を参照すれば、同じ銀箔においても厚さが厚くなるほど、厚さと関係なく熱伝導率がさらに高くなるほど媒質部の目標温度(180℃)に到逹する時間がさらに短くなることが分かる。
【0135】
図9で説明した銀や銅よりも、表6で説明したアルミニウムや銅をエアロゾル基材部310及び媒質部320のラッパーとして使用する場合、媒質部が180℃に到逹する時間はさらに短くなる。表7は、アルミニウムと銅を厚さを異ならせて使用したときの結果を要約して示している。
【0136】
【0137】
表7は、ヒータの予熱時間40秒を含む結果であって、表7を参照すれば、銅をラッパーに合紙される金属として選択するときに媒質部の目標温度到達時間が最も短く、銅の厚さを10μmよりさらに厚くするほど、その時間は、さらに縮まるということが予想される。
【0138】
【0139】
表8は、表7のように本発明を二重媒質シガレット300に適用したときに生成されるエアロゾルの成分を分析した結果を示す表である。表8を参照すれば、媒質部320でアルミニウムの厚さが増大することで粒子状分子(TPM:Total Particulate Matter)が増大する傾向があり、銅合紙ラッパーの場合は、厚さがアルミニウム合紙ラッパーよりもさらに薄くても、さらに高いTPM値を示すことが分かる。
【0140】
初期予熱時、媒質部320の100℃到達時間は、アルミニウム合紙ラッパーが使用されたときが、銅合紙ラッパーが使用されたときよりもさらに長く、アルミニウム合紙ラッパーが使用されたときが初期熱伝逹によるPG(プロピレングリコール)とグリセリン(Gly)の移行量がさらに多い。但し、媒質部320の端部の180℃到達時間は、水平熱伝逹に優れたことから、銅合紙ラッパー使用時が、アルミニウム合紙ラッパー使用時よりも、はるかに短く、それにより、TPM、ニコチン、水分移行量がさらに多く、総合的に霧化量増大側面で、銅合紙ラッパー使用時が、アルミニウム合紙ラッパー使用時よりも、さらに効果的であるということが、表8を通じても導出される。
【0141】
本発明によれば、初期パフ(initial puff)時にも、エアロゾル生成装置を使用するユーザに十分な霧化量のエアロゾルを提供することができる。
【0142】
また、本発明による外部加熱式エアロゾル生成装置を通じてユーザが喫煙を行えば、エアロゾル生成基質に十分なヒータの熱エネルギーが伝達される効果により、既存に知られた外部加熱式エアロゾル生成装置を用いて吸煙するときよりもさらに好適な喫煙経験が可能である。
【0143】
本発明で説明する特定実行は、一実施例として、如何なる方法でも本発明の範囲を限定するものではない。明細書の簡潔さのために、従来の電子的な構成、制御システム、ソフトウェア、前記システムの他の機能的な側面の記載は省略されうる。また、図面に図示された構成要素間の線の連結または連結部材は、機能的な連結及び/または物理的または回路的連結を例示的に示したものであって、実際装置では、代替可能であるか、追加の多様な機能的な連結、物理的な連結、または回路連結としても示される。また、「必須な」、「重要に」のように具体的な言及がなければ、本発明の適用のために、必ずしも必要な構成要素ではありません。
【0144】
本発明の明細書(特に、特許請求の範囲において)において「前記」の用語及びそれと類似した指示用語の使用は、単数及び複数の両方に該当するものでもある。また、本発明で範囲(range)を記載した場合、前記範囲に属する個別的な値を適用した発明を含むものであって(これに反する記載がなければ)、発明の詳細な説明に前記範囲を構成する各個別的な値を記載したものと同一である。最後に、本発明による方法を構成する段階について明白に順序を記載するか、反する記載がなければ、前記段階は、適当な順序で行われうる。必ずしも前記段階の記載順序によって、本発明が限定されるものではない。本発明で全ての例または例示的な用語(例えば、など)の使用は、単に本発明を詳細に説明するためのものであって、特許請求の範囲によって限定されない限り、前記例または例示的な用語によって、本発明の範囲が限定されるものではない。また、当業者は、多様な修正、組み合わせ及び変更が付加された特許請求の範囲またはその均等物の範疇内で設計条件及びファクターによっても構成される。
【産業上の利用可能性】
【0145】
本発明は、次世代電子タバコ装置及びその装置に使用されるシガレットの製造に好適に適用されうる。