(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-05-13
(45)【発行日】2024-05-21
(54)【発明の名称】TWSイヤホンのペアリング方法とチップ
(51)【国際特許分類】
H04R 1/10 20060101AFI20240514BHJP
H04L 7/00 20060101ALI20240514BHJP
【FI】
H04R1/10 104Z
H04L7/00 990
(21)【出願番号】P 2022175903
(22)【出願日】2022-11-01
【審査請求日】2022-11-01
(31)【優先権主張番号】202210004845.2
(32)【優先日】2022-01-04
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(73)【特許権者】
【識別番号】522412976
【氏名又は名称】深▲セン▼市中科藍訊科技股▲フン▼有限公司
【氏名又は名称原語表記】Shenzhen Bluetrum Technology Co., Ltd.
【住所又は居所原語表記】1301-1 Building A, Zhihui Square, No.4068 Qiaoxiang Road, Gaofa Community, Shahe Street, Nanshan District, Shenzhen, 518052, Guangdong, P.R.China
(74)【代理人】
【識別番号】110001139
【氏名又は名称】SK弁理士法人
(74)【代理人】
【識別番号】100130328
【氏名又は名称】奥野 彰彦
(74)【代理人】
【識別番号】100130672
【氏名又は名称】伊藤 寛之
(72)【発明者】
【氏名】▲デン▼校斌
【審査官】堀 洋介
(56)【参考文献】
【文献】特開2005-286919(JP,A)
【文献】特開2020-057929(JP,A)
【文献】特表2021-522731(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2019/0098675(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04R 1/10
H04L 7/00
H04R 3/00- 3/14
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1のTWSイヤホンに適用されるTWSイヤホンのペアリング方法であって、
第2のTWSイヤホンから送信されるペアリング情報を受信し、前記ペアリング情報から、前記第2のTWSイヤホンが動作状態に入るときの第2時刻を確定することと、
前記第1のTWSイヤホンが動作状態に入るときの第1時刻を取得することと、
前記第1時刻、前記第2時刻および予め設定された持続時間閾値に基づいて、前記第1のTWSイヤホンと前記第2のTWSイヤホンとの間のペアリングを制御することと、を含
み、
上述した前記第1時刻、前記第2時刻および予め設定された持続時間閾値に基づいて、前記第1のTWSイヤホンと前記第2のTWSイヤホンとの間のペアリングを制御することは、
前記第1時刻と前記第2時刻との時間差の絶対値を計算することと、
前記絶対値が前記予め設定された持続時間閾値以下であるか否かを判断することと、
前記絶対値が前記予め設定された持続時間閾値以下であれば、前記第1のTWSイヤホンを前記第2のTWSイヤホンとペアリングするように制御することと、を含むことを特徴とするTWSイヤホンのペアリング方法。
【請求項2】
前記第1のTWSイヤホンが動作状態に入ると検出すると、現在のローカル時間を第1時刻として記録することをさらに含むことを特徴とする請求項1に記載のTWSイヤホンのペアリング方法。
【請求項3】
上述した前記第1時刻、前記第2時刻および予め設定された持続時間閾値に基づいて、前記第1のTWSイヤホンと前記第2のTWSイヤホンとの間のペアリングを制御することは、
前記絶対値が前記予め設定された持続時間閾値よりも大きいであれば、予め設定された持続時間における各前記第2のTWSイヤホンのRSSI強度および各前記第2のTWSイヤホンに対応する絶対値を確定することと、
各前記第2のTWSイヤホンに対応するRSSI強度および絶対値に基づいて、前記第1のTWSイヤホンと前記第2のTWSイヤホンとの間のペアリングを制御することと、をさらに含むことを特徴とする
請求項1に記載のTWSイヤホンのペアリング方法。
【請求項4】
上述した各前記第2のTWSイヤホンに対応するRSSI強度および絶対値に基づいて、前記第1のTWSイヤホンと前記第2のTWSイヤホンとのペアリングを制御することは、
各前記第2のTWSイヤホンに対応するRSSI強度および絶対値をそれぞれ正規化し、それぞれ第1の正規化値と第2の正規化値を得ることと、
前記第1の正規化値と第1の重み因子、および前記第2の正規化値と第2の重み因子から、各前記第2のTWSイヤホンに対応する加重和を計算することと、
各前記加重和に基づいて、前記第1のTWSイヤホンと前記第2のTWSイヤホンとのペアリングを制御することと、を含むことを特徴とする
請求項3に記載のTWSイヤホンのペアリング方法。
【請求項5】
上述した各前記加重和に基づいて、前記第1のTWSイヤホンと前記第2のTWSイヤホンとのペアリングを制御することは、
各前記加重和に基づいて、加重和が予め設定された加重閾値以上である第2のTWSイヤホンを選別できるか否かを判断することと、
選別できれば、選別された加重和が予め設定された加重閾値以上の第2のTWSイヤホンをペアリング対象のTWSイヤホンとし、各前記ペアリング対象のTWSイヤホンのうち、最大の加重和に対応するペアリング対象のTWSイヤホンを目的のTWSイヤホンとして選択し、前記第1のTWSイヤホンを前記目的のTWSイヤホンとペアリングするように制御することと、
選別できなければ、前記第1のTWSイヤホンを各前記第2のTWSイヤホンとのペアリングを拒否させるように制御することと、を含むことを特徴とする
請求項4に記載のTWSイヤホンのペアリング方法。
【請求項6】
前記ペアリング情報は、外部の暗号化メッセージおよび公開鍵を含み、前記ペアリング情報から、前記第2のTWSイヤホンが動作状態に入るときの第2時刻を確定する前に、
前記公開鍵により、前記外部の暗号化メッセージを復号化し、グローバル一意識別子およびID識別子を得ることと、
前記グローバル一意識別子がローカルグローバル一意識別子にマッチングするか否か、且つ前記ID識別子がローカルID識別子にマッチングするか否かを判断することと、
マッチングすれば、前記ペアリング情報から、前記第2のTWSイヤホンが動作状態に入るときの第2時刻を確定するステップに進むことと、
マッチングしなければ、前記ペアリング情報を廃棄することと、をさらに含むことを特徴とする請求項1に記載のTWSイヤホンのペアリング方法。
【請求項7】
前記ペアリング情報は、イヤホン特性パラメータをさらに含み、前記ペアリング情報から、前記第2のTWSイヤホンが動作状態に入るときの第2時刻を確定する前に、
前記イヤホン特性パラメータが特性マッチング条件を満たすか否かを判断することと、
満たせば、前記ペアリング情報から、前記第2のTWSイヤホンが動作状態に入るときの第2時刻を確定するステップに進むことと、
満たさなければ、前記ペアリング情報を廃棄することと、をさらに含むことを特徴とする
請求項6に記載のTWSイヤホンのペアリング方法。
【請求項8】
第2のTWSイヤホンに適用されるTWSイヤホンのペアリング方法であって、
前記第2のTWSイヤホンが動作状態に入るときの第2時刻を確定することと、
前記第2時刻をペアリング情報にパッケージングすることと、
前記ペアリング情報を第1のTWSイヤホンに送信し、前記第1のTWSイヤホンが、前記ペアリング情報から、前記第2のTWSイヤホンが動作状態に入る第2時刻および前記第1のTWSイヤホンが動作状態に入る第1時刻を確定し、かつ、前記第1時刻、前記第2時刻および予め設定された持続時間閾値に基づいて、前記第1のTWSイヤホンと前記第2のTWSイヤホンとの間のペアリングを制御するようにすることと、を含
み、
上述した前記第1時刻、前記第2時刻および予め設定された持続時間閾値に基づいて、前記第1のTWSイヤホンと前記第2のTWSイヤホンとの間のペアリングを制御することは、
前記第1時刻と前記第2時刻との時間差の絶対値を計算することと、
前記絶対値が前記予め設定された持続時間閾値以下であるか否かを判断することと、
前記絶対値が前記予め設定された持続時間閾値以下であれば、前記第1のTWSイヤホンを前記第2のTWSイヤホンとペアリングするように制御することと、を含むことを特徴とするTWSイヤホンのペアリング方法。
【請求項9】
少なくとも1つのプロセッサと、
前記少なくとも1つのプロセッサに通信接続されるメモリと、を含み、
前記メモリには、前記少なくとも1つのプロセッサにより実行可能なコマンドが記憶され、前記コマンドが前記少なくとも1つのプロセッサにより実行されることで、前記少なくとも1つのプロセッサは、
請求項1~請求項8のいずれか一項に記載のTWSイヤホンのペアリング方法を実行することができる
ことを特徴とするチップ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、TWSイヤホンの技術分野に関し、具体的には、TWSイヤホンのペアリング方法とチップに関する。
【背景技術】
【0002】
TWS(完全ワイヤレスステレオ、True Wireless Stereo)イヤホンは、接続ワイヤを必要としない真のワイヤレスブルートゥース(登録商標)イヤホンであり、左イヤホンと右イヤホンとの間は、ブルートゥース(登録商標)通信の方式を採用する。TWSイヤホンは、モノラル動作モードをサポートし、バイノーラルステレオモードをサポートしてもよい。
【0003】
従来のTWSイヤホンは、使用前に左右のイヤホンをペアリングする必要がある。従来技術では、一方のTWSイヤホンが自身のペアリング情報を放送し、他方のTWSイヤホンがペアリング情報に従って認証を行い、認証に合格した後、上記2つのTWSイヤホンをペアリングすることができるTWSイヤホンのペアリング方法が提供される。しかし、TWSイヤホンの周囲にTWS機器が多い場合、TWSイヤホンは、放送状態での周囲のイヤホンとクロストークペアリング又はミスペアリングしやすく、ペアリング効率が低減する。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明に係る実施例は、TWSイヤホンのペアリング方法とチップを提供し、TWSイヤホンのペアリング効率の向上に役立つことを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
第1の側面において、本発明に係る実施例は、第1のTWSイヤホンに適用されるTWSイヤホンのペアリング方法であって、
第2のTWSイヤホンから送信されるペアリング情報を受信し、前記ペアリング情報から、前記第2のTWSイヤホンが動作状態に入るときの第2時刻を確定することと、
前記第1のTWSイヤホンが動作状態に入るときの第1時刻を取得することと、
前記第1時刻、前記第2時刻および予め設定された持続時間閾値に基づいて、前記第1のTWSイヤホンと前記第2のTWSイヤホンとの間のペアリングを制御することと、を含む方法を提供する。
【0006】
選択的には、前記方法は、前記第1のTWSイヤホンが動作状態に入ると検出すると、現在のローカル時間を第1時刻として記録することをさらに含む。
【0007】
選択的には、上述した前記第1時刻、前記第2時刻および予め設定された持続時間閾値に基づいて、前記第1のTWSイヤホンと前記第2のTWSイヤホンとの間のペアリングを制御することは、
前記第1時刻と前記第2時刻との時間差の絶対値を計算することと、
前記絶対値が前記予め設定された持続時間閾値以下であるか否かを判断することと、
前記絶対値が前記予め設定された持続時間閾値以下であれば、前記第1のTWSイヤホンを前記第2のTWSイヤホンとペアリングするように制御することと、を含む。
【0008】
選択的には、上述した前記第1時刻、前記第2時刻および予め設定された持続時間閾値に基づいて、前記第1のTWSイヤホンと前記第2のTWSイヤホンとの間のペアリングを制御することは、
前記絶対値が前記予め設定された持続時間閾値よりも大きいであれば、予め設定された持続時間における各前記第2のTWSイヤホンのRSSI強度および各前記第2のTWSイヤホンに対応する絶対値を確定することと、
各前記第2のTWSイヤホンに対応するRSSI強度および絶対値に基づいて、前記第1のTWSイヤホンと前記第2のTWSイヤホンとの間のペアリングを制御することと、をさらに含む。
【0009】
選択的には、上述した各前記第2のTWSイヤホンに対応するRSSI強度および絶対値に基づいて、前記第1のTWSイヤホンと前記第2のTWSイヤホンとのペアリングを制御することは、
各前記第2のTWSイヤホンに対応するRSSI強度および絶対値をそれぞれ正規化し、それぞれ第1の正規化値と第2の正規化値を得ることと、
前記第1の正規化値と第1の重み因子、および前記第2の正規化値と第2の重み因子から、各前記第2のTWSイヤホンに対応する加重和を計算することと、
各前記加重和に基づいて、前記第1のTWSイヤホンと前記第2のTWSイヤホンとのペアリングを制御することと、を含む。
【0010】
選択的には、上述した各前記加重和に基づいて、前記第1のTWSイヤホンと前記第2のTWSイヤホンとのペアリングを制御することは、
各前記加重和に基づいて、加重和が予め設定された加重閾値以上である第2のTWSイヤホンを選別できるか否かを判断することと、
選別できれば、選別された加重和が予め設定された加重閾値以上の第2のTWSイヤホンをペアリング対象のTWSイヤホンとし、各前記ペアリング対象のTWSイヤホンのうち、最大の加重和に対応するペアリング対象のTWSイヤホンを目的のTWSイヤホンとして選択し、前記第1のTWSイヤホンを前記目的のTWSイヤホンとペアリングするように制御することと、
選別できなければ、前記第1のTWSイヤホンを各前記第2のTWSイヤホンとのペアリングを拒否させるように制御することと、を含む。
【0011】
選択的には、前記ペアリング情報は、外部の暗号化メッセージおよび公開鍵を含み、前記ペアリング情報から、前記第2のTWSイヤホンが動作状態に入るときの第2時刻を確定する前に、前記方法は、
前記公開鍵により、前記外部の暗号化メッセージを復号化し、グローバル一意識別子およびID識別子を得ることと、
前記グローバル一意識別子がローカルグローバル一意識別子にマッチングするか否か、且つ前記ID識別子がローカルID識別子にマッチングするか否かを判断することと、
マッチングすれば、前記ペアリング情報から、前記第2のTWSイヤホンが動作状態に入るときの第2時刻を確定するステップに進むことと、
マッチングしなければ、前記ペアリング情報を廃棄することと、をさらに含む。
【0012】
選択的には、前記ペアリング情報は、イヤホン特性パラメータをさらに含み、前記ペアリング情報から、前記第2のTWSイヤホンが動作状態に入るときの第2時刻を確定する前に、前記方法は、
前記イヤホン特性パラメータが特性マッチング条件を満たすか否かを判断することと、
満たせば、前記ペアリング情報から、前記第2のTWSイヤホンが動作状態に入るときの第2時刻を確定するステップに進むことと、
満たさなければ、前記ペアリング情報を廃棄することと、をさらに含む。
【0013】
第2の側面において、本発明に係る実施例は、第2のTWSイヤホンに適用されるTWSイヤホンのペアリング方法であって、
前記第2のTWSイヤホンが動作状態に入るときの第2時刻を確定することと、
前記第2時刻をペアリング情報にパッケージングすることと、
前記ペアリング情報を第1のTWSイヤホンに送信し、前記第1のTWSイヤホンが、前記ペアリング情報から、前記第2のTWSイヤホンの動作状態に入る第2時刻および前記第1のTWSイヤホンの動作状態に入る第1時刻を確定し、かつ、前記第1時刻、前記第2時刻および予め設定された持続時間閾値に基づいて、前記第1のTWSイヤホンと前記第2のTWSイヤホンとの間のペアリングを制御するようにすることと、を含む方法を提供する。
【0014】
第3の側面において、本発明に係る実施例は、上記TWSイヤホンのペアリング方法を電子機器に実行させるためのコンピュータ実行可能なコマンドが記憶される記憶媒体を提供する。
【0015】
第4の側面において、本発明に係る実施例は、
少なくとも1つのプロセッサと、
前記少なくとも1つのプロセッサに通信接続されるメモリと、を含み、
前記メモリには、前記少なくとも1つのプロセッサにより実行可能なコマンドが記憶され、前記コマンドが前記少なくとも1つのプロセッサにより実行されることで、前記少なくとも1つのプロセッサは、上記TWSイヤホンのペアリング方法を実行することができるチップを提供する。
【0016】
第5の側面において、本発明に係る実施例は、第1のTWSイヤホン又は第2のTWSイヤホンとすることができるTWSイヤホンであって、
少なくとも1つのプロセッサと、
前記少なくとも1つのプロセッサに通信接続されるメモリと、を含み、
前記メモリには、前記少なくとも1つのプロセッサにより実行可能なコマンドが記憶され、前記コマンドが前記少なくとも1つのプロセッサにより実行されることで、前記少なくとも1つのプロセッサは、上記TWSイヤホンのペアリング方法を実行することができるTWSイヤホンを提供する。
【0017】
本発明に係る実施例が提供するTWSイヤホンのペアリング方法において、第2のTWSイヤホンから送信されるペアリング情報を受信し、ペアリング情報から第2のTWSイヤホンが動作状態に入るときの第2時刻を確定し、第1のTWSイヤホンが動作状態に入るときの第1時刻を取得し、第1時刻、第2時刻および予め設定された持続時間閾値に基づいて、第1のTWSイヤホンと第2のTWSイヤホンとの間のペアリングを制御するため、本実施例は、第1のTWSイヤホンと第2のTWSイヤホンとの間のペアリングを効果的かつ確実に自動制御することができ、クロストークペアリング又はミスペアリングの現象を極力回避し、かつ、ペアリング操作が簡単であり、TWSイヤホンのペアリング効率の向上に役立つ。
【図面の簡単な説明】
【0018】
1つ又は複数の実施例をそれに対応する添付図面における図によって例示的に説明し、これらの例示的な説明は、実施例を限定するものではなく、添付図面において、同じ参照符号を付した要素は、類似の要素を表し、添付の図面における各図は、特に明記されない限り、縮尺制限がなされるものではない。
【
図1】本発明に係る実施例により提供されるTWSイヤホンシステムの構造模式図である。
【
図2】本発明に係る実施例により提供されるTWSイヤホンのペアリング方法のフローチャート図である。
【
図3】
図2に示されるS24の第1のフローチャート図である。
【
図4】本発明に係る実施例により提供されるTWSイヤホングループのシーン模式図である。
【
図5】
図2に示されるS24の第2のフローチャート図である。
【
図6】
図5に示されるS245のフローチャート図である。
【
図7】
図6に示されるS2453のフローチャート図である。
【
図8】本発明の別の実施例により提供されるTWSイヤホンのペアリング方法のフローチャート図である。
【
図9】本発明のさらなる実施例により提供されるTWSイヤホンのペアリング方法のフローチャート図である。
【
図10】本発明に係る実施例により提供される電子機器の回路構造模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
本発明の目的、技術方案および利点をより明確にするために、以下、添付の図面および実施例を組み合わせて、本発明をさらに詳細に説明する。ここに述べる具体的な実施例は、本発明を解釈するためのものに過ぎず、本発明を限定するものではないことを理解されたい。本発明における実施例を基礎とし、当業者が創造的な労働を費やすことがない場合に得られる全ての他の実施例は、いずれも本発明の保護範囲に属する。
【0020】
矛盾がなければ、本発明の実施例における各特徴を互いに組み合わせることができ、いずれも本発明の保護範囲に含まれることに留意されたい。なお、装置模式図において機能モジュールの区画が行われ、フローチャートにおいて論理シーケンスが示されたが、いくつかの場合に、装置模式図におけるモジュール区画、又はフローチャートにおけるシーケンスとは異なるものにより、示された又は述べたステップを実行することができる。また、本発明で採用される「第1」、「第2」、「第3」などの用語は、データおよび実行順序を限定するものではなく、機能および作用が基本的に同一である同一項又は類似項を区別するものに過ぎない。
【0021】
図1を参照すると、TWSイヤホンシステム100は、第1のTWSイヤホン11、第2のTWSイヤホン12および充電ケース13を含み、充電ケース13は、それぞれ第1のTWSイヤホン11および第2のTWSイヤホン12を収容するための2つの収容溝を提供し、充電ケース13は、第1のTWSイヤホン11および第2のTWSイヤホン12に充電することができる。
【0022】
第1のTWSイヤホン11は、第2のTWSイヤホン12とブルートゥース(登録商標)通信接続を確立し、第1のTWSイヤホン11と第2のTWSイヤホン12とは、ブルートゥース(登録商標)通信接続に基づいて互いに通信する。
【0023】
いくつかの実施例において、第1のTWSイヤホン11は、マスターイヤホンであってもよく、第2のTWSイヤホン12は、スレーブイヤホンであってもよく、例えば、第1のTWSイヤホン11は、自身のペアリング情報を放送し、第2のTWSイヤホン12は、第1のTWSイヤホン11のペアリング情報をスキャンし、第2のTWSイヤホン12は、第1のTWSイヤホン11のペアリング情報を成功して認証する場合、第1のTWSイヤホン11とペアリングすることができ、そのうち、第1のTWSイヤホン11がマスターイヤホンであり、第2のTWSイヤホン12がスレーブイヤホンである。当然のことながら、いくつかの実施例はまた、いくつかの規則に従って、第1のTWSイヤホン11および第2のTWSイヤホン12において、マスターイヤホンとスレーブイヤホンをカスタマイズして選択することができる。
【0024】
いくつかの実施例において、第1のTWSイヤホン11は、スレーブイヤホンであってもよく、第2のTWSイヤホン12は、マスターイヤホンであってもよい。例えば、第2のTWSイヤホン12は、自身のペアリング情報を放送し、第1のTWSイヤホン11は、第2のTWSイヤホン12のペアリング情報をスキャンし、第1のTWSイヤホン11は、第2のTWSイヤホン12のペアリング情報を成功して認証する場合、第1のTWSイヤホン11は、第2のTWSイヤホン12とペアリングすることができ、そのうち、第1のTWSイヤホン11がスレーブイヤホンであり、第2のTWSイヤホン12がマスターイヤホンである。
【0025】
いくつかの実施例において、第1のTWSイヤホン11又は第2のTWSイヤホン12が充電ケース13に置かれて充電する場合、ユーザが充電ケース13から第1のTWSイヤホン11又は第2のTWSイヤホン12を取り出すと、第1のTWSイヤホン11又は第2のTWSイヤホン12は、動作状態に入り始め、例えば、第1のTWSイヤホン11又は第2のTWSイヤホン12は初期化を開始し、バック接続(back-connecting)操作又はペアリング操作を実行し、そのうち、バック接続操作とは、2つのTWSイヤホンが以前にペアリングに成功した後、1つのTWSイヤホンが動作状態に入るとき、このTWSイヤホンが以前のもう1つのTWSイヤホンのペアリング情報を検索し始め、検索される場合、ペアリングを行い、このプロセスをバック接続操作と見なすことができる。検索されない場合、適切なTWSイヤホンを検索してペアリングを行う。そのため、TWSイヤホンが充電ケースから取り出されるとき、TWSイヤホンは自動的に動作状態に入る。
【0026】
いくつかの実施例において、上述実施例と異なる点としては、TWSイヤホンが充電ケースから取り出されるとき、TWSイヤホンはまだ動作状態に入ることがなく、動作状態に入る前にユーザからの操作を待つ必要があり、例えば、第1のTWSイヤホン11又は第2のTWSイヤホン12が充電ケース13において充電するとき、ユーザは、充電ケース13から第1のTWSイヤホン11又は第2のTWSイヤホン12を取り出した後、第1のTWSイヤホン11又は第2のTWSイヤホン12の起動ボタンに触れる必要があり、それにより、第1のTWSイヤホン11又は第2のTWSイヤホン12は、動作状態に入ることができる。
【0027】
第1のTWSイヤホン11又は第2のTWSイヤホン12は、動作状態に入ると、以下の各実施例で説明するTWSイヤホンのペアリング方法を実行するように、現在のローカル時間を記録する必要がある。
【0028】
第1のTWSイヤホンは、左イヤホンであってもよいし、第2のTWSイヤホンは、右イヤホンであってもよく、又は、第1のTWSイヤホンは、右イヤホンであってもよいし、第2のTWSイヤホンは、左イヤホンであってもよく、本発明には、第1のTWSイヤホンおよび第2のTWSイヤホンのマスタースレーブタイプが限定されず、第1のTWSイヤホンおよび第2のTWSイヤホンの左右タイプも限定されないことが理解される。
【0029】
本発明に係る実施例は、第1のTWSイヤホンに適用されるTWSイヤホンのペアリング方法を提供する。
図2を参照すると、TWSイヤホンのペアリング方法は、以下を含む。
【0030】
S21:第2のTWSイヤホンから送信されるペアリング情報を受信する。
本ステップにおいて、ペアリング情報は、第2のTWSイヤホンが第1のTWSイヤホンとペアリングする情報であり、そのうち、ペアリング情報は、TWSプロトコルを満たすデータフォーマットを用いてもよく、例えば、ペアリング情報は、第2のTWSイヤホンのブルートゥース(登録商標)アドレスに関連するアクセスコード(Access Code)、伝送制御用のヘッダー(Header)および送信するデータ内容が携帯されるペイロード(Payload)を含み、ユーザがデザインニーズに応じてペイロードにおけるデータ内容をカスタマイズすることができることが理解される。
【0031】
S22:ペアリング情報から、第2のTWSイヤホンが動作状態に入るときの第2時刻を確定する。
本ステップにおいて、第2時刻は、第2のTWSイヤホンが動作状態に入るときの時刻であり、例えば、第2のTWSイヤホンは、充電ケースから取り出された後、自動的に動作状態に入り、そうすると、第2のTWSイヤホンは、現在のローカル時間を第2時刻として記録し始める。また、第2のTWSイヤホンが充電ケースから取り出された後、ユーザが第2のTWSイヤホンに触れて起動させた後、第2のTWSイヤホンは動作状態に入り、そうすると、第2のTWSイヤホンは、現在のローカル時間を第2時刻として記録し始める。
【0032】
いくつかの実施例において、第2のTWSイヤホンは、第2時刻をペイロードにパッケージングすることができ、第2時刻は、第2のTWSイヤホンのペアリング情報に伴って第1のTWSイヤホンにより受信される。
【0033】
いくつかの実施例において、第2のTWSイヤホンは、第2時刻をローカルに記憶する。
【0034】
いくつかの実施例において、ペアリング情報には、第2時刻がパッケージングされた署名データであるタイムスタンプが付けられ、第1のTWSイヤホンはペアリング情報によってタイムスタンプを抽出し、第1のTWSイヤホンは、ペアリング情報を分析し、そこからタイムスタンプを抽出する。続いて、第1のTWSイヤホンは、タイムスタンプによって第2のTWSイヤホンが動作状態に入る第2時刻を抽出する。
【0035】
S23:第1のTWSイヤホンが動作状態に入るときの第1時刻を取得する。
本ステップにおいて、第1時刻は、第1のTWSイヤホンが動作状態に入るときの時刻であり、例えば、第1のTWSイヤホンは、充電ケースから取り出された後、自動的に動作状態に入り、そうすると、第1のTWSイヤホンは、現在のローカル時間を第1時刻として記録し始める。また、第1のTWSイヤホンが充電ケースから取り出された後、ユーザが第1のTWSイヤホンに触れて起動させた後、第1のTWSイヤホンは動作状態に入り、そうすると、第1のTWSイヤホンは、現在のローカル時間を第1時刻として記録し始める。
【0036】
本ステップにおいて、第1のTWSイヤホンは、第1時刻をローカルに記憶する。
【0037】
S24:第1時刻、第2時刻および予め設定された持続時間閾値に基づいて、第1のTWSイヤホンと第2のTWSイヤホンとの間のペアリングを制御する。
本ステップにおいて、予め設定された持続時間閾値は、ユーザによってエンジニアリング経験に応じてカスタマイズすることができ、例えば、予め設定された持続時間閾値は、10秒、30秒、60秒又は5分間などである。
【0038】
本実施例は、第1のTWSイヤホンと第2のTWSイヤホンとの間のペアリングを効果的かつ確実に自動制御することができ、クロストークペアリング又はミスペアリングの現象を極力回避し、かつ、ペアリング操作が簡単であり、TWSイヤホンのペアリング効率の向上に役立つ。
【0039】
いくつかの実施例において、
図3を参照すると、S24は、以下を含む。
S241:第1時刻と第2時刻との時間差の絶対値を計算する。
S242:絶対値が予め設定された持続時間閾値以下であるか否かを判断する。
S243:絶対値が予め設定された持続時間閾値以下であれば、第1のTWSイヤホンを第2のTWSイヤホンとペアリングするように制御する。
【0040】
ステップS241において、第1のTWSイヤホンは、以下の算式によって第1時刻と第2時刻との時間差の絶対値を計算する。
|T1-T2|=ΔTであり、ただし、T1が第1時刻であり、T2が第2時刻であり、ΔTが第1時刻と第2時刻との時間差の絶対値である。
【0041】
ステップS242において、第1のTWSイヤホンは、以下の算式によって絶対値が予め設定された持続時間閾値以下であるか否かを判断し、ΔT≦Ts?を判断し、ただし、Tsは、予め設定された持続時間閾値である。
【0042】
ステップS243において、ΔT≦Tsであれば、第1のTWSイヤホンは、第2のTWSイヤホンとペアリングする。通常、仮にTWSイヤホンが充電ケースから取り出された後に自動的に動作状態に入る前提で、ユーザは、第1のTWSイヤホンおよび第2のTWSイヤホンを同時に使用する必要があるとき、第1のTWSイヤホンを取り出す第1の取出操作と、第2のTWSイヤホンを取り出す第2の取出操作との間の間隔を短くにし、この間隔は、他のTWSイヤホンと区別できるほど短い。
【0043】
例えば、
図4を参照すると、仮に第1のTWSイヤホン41および第2のTWSイヤホン42の周囲に、第3のTWSイヤホン43、第4のTWSイヤホン44、第5のTWSイヤホン45および第6のTWSイヤホン46も存在し、ここで、第1のTWSイヤホン41および第2のTWSイヤホン42は、第1の充電ケース47に置かれてもよく、第3のTWSイヤホン43および第4のTWSイヤホン44は、第2の充電ケース48に置かれてもよく、第5のTWSイヤホン45および第6のTWSイヤホン46は、第3の充電ケース49に置かれてもよい。
【0044】
予め設定された持続時間閾値を30秒とする。
【0045】
ユーザAは、時刻t1に第1の充電ケース47から第2のTWSイヤホン42を取り出し、時刻t2に第1の充電ケース47から第1のTWSイヤホン41を取り出し、そのうち、第2のTWSイヤホン42はペアリング情報を放送し、第1のTWSイヤホン41はペアリング情報を聴取し、そのうち、t2-t1=15秒である。
【0046】
ユーザBは、時刻t3に第2の充電ケース48から第4のTWSイヤホン44を取り出し、時刻t4に第2の充電ケース48から第3のTWSイヤホン43を取り出し、そのうち、第4のTWSイヤホン44はペアリング情報を放送し、第3のTWSイヤホン43はペアリング情報を聴取し、そのうち、t1<t3<t2、t4>t2であり、かつ、t4-t3=28秒であり、t4-t1=33秒である。
【0047】
ユーザCは、時刻t5に第3の充電ケース49から第6のTWSイヤホン46を取り出し、時刻t6に第3の充電ケース49から第5のTWSイヤホン45を取り出し、そのうち、第6のTWSイヤホン46はペアリング情報を放送し、第5のTWSイヤホン45はペアリング情報を聴取し、そのうち、t4<t5<t6であり、かつ、t6-t5=20秒であり、t6-t1=48秒である。
【0048】
以上の説明から分かるように、異なるユーザが充電ケースからTWSイヤホンを取り出す時間は、一般的に異なり、異なる充電ケースからの2つのTWSイヤホンの時間差の絶対値も大きく、そのため、絶対値と予め設定された持続時間閾値とを比較することで、ペアリング可能なTWSイヤホンを効果的で確実に確定することができる。前述したように、第1のTWSイヤホン41にとって、t2-t1=15秒であり、15秒は、予め設定された持続時間閾値30秒よりも小さい。t4-t1=33秒であり、33秒は、予め設定された持続時間閾値30秒よりも大きい。t6-t1=48秒であり、48秒は、予め設定された持続時間閾値30秒よりも大きい。
【0049】
そのため、第1のTWSイヤホン41にとって、第1のTWSイヤホン41は、第4のTWSイヤホン44又は第6のTWSイヤホン46とペアリングすることなく、第2のTWSイヤホン42とペアリングする。このような方法によって、本実施例は、ペアリングの信頼性およびペアリング効率の向上に役立ち、ユーザ体験を高めることができる。
【0050】
いくつかの実施例において、第1のTWSイヤホンの周囲に複数の第2のTWSイヤホンがあるとき、複数の第2のTWSイヤホンからペアリング可能なものを正確で確実に探すことができるために、
図5を参照し、S24は、さらに以下を含む。
S244:絶対値が予め設定された持続時間閾値よりも大きいであれば、予め設定された持続時間における各第2のTWSイヤホンのRSSI強度および各第2のTWSイヤホンに対応する絶対値を確定する。
S245:各第2のTWSイヤホンに対応するRSSI強度および絶対値に基づいて、第1のTWSイヤホンと第2のTWSイヤホンとの間のペアリングを制御する。
【0051】
ステップS244において、第2のTWSイヤホンがペアリング情報を放送するとき、第1のTWSイヤホンは、ペアリング情報を受信し、第2のTWSイヤホンのRSSI強度を検出することもできる。第1のTWSイヤホンは、複数の第2のTWSイヤホンが存在し、かつ各第2のTWSイヤホンにより放送されるペアリング情報を探すことができる場合、第1のTWSイヤホンは、各第2のTWSイヤホンのRSSI強度、および各第2のTWSイヤホンに対応する絶対値を検出することができるので、第1のTWSイヤホンは、以降にペアリング可能な第2のTWSイヤホンを確実に選択できるように、予め設定された持続時間におけるすべての第2のTWSイヤホンのRSSI強度および絶対値を収集することができる。
【0052】
ステップS245において、第1のTWSイヤホンは、任意の適切なアルゴリズムを参照して、各第2のTWSイヤホンに対応するRSSI強度と絶対値に基づいて、第1のTWSイヤホンと第2のTWSイヤホンとの間のペアリングを制御する。
【0053】
いくつかの実施例において、ステップS245は、以下を含む。各第2のTWSイヤホンに対応するRSSI強度に基づいて、予め設定された強度閾値よりも大きいRSSI強度が存在するか否かを判断し、存在すれば、予め設定された強度閾値よりも大きいRSSI強度に対応する第2のTWSイヤホンを候補TWSイヤホンとして選択し、各候補TWSイヤホンから最大の絶対値に対応する第2のTWSイヤホンを目的のTWSイヤホンとして選択し、第1のTWSイヤホンを制御して目的のTWSイヤホンとペアリングさせる。存在しなければ、ペアリング情報を探し続ける。
【0054】
例えば、第1のTWSイヤホンの周囲に、第2のTWSイヤホンB1、第2のTWSイヤホンB2、第2のTWSイヤホンB3、第2のTWSイヤホンB4、第2のTWSイヤホンB5、第2のTWSイヤホンB6が存在する。第2のTWSイヤホンB1、第2のTWSイヤホンB3、第2のTWSイヤホンB5のRSSI強度がいずれも予め設定された強度閾値よりも小さいので、第1のTWSイヤホンは、第2のTWSイヤホンB1、第2のTWSイヤホンB3、第2のTWSイヤホンB5を廃棄し、第2のTWSイヤホンB2、第2のTWSイヤホンB4、第2のTWSイヤホンB6を候補TWSイヤホンとして選択する。
【0055】
第2のTWSイヤホンB2、第2のTWSイヤホンB4、第2のTWSイヤホンB6のうち、第2のTWSイヤホンB4の絶対値が最も大きいため、第1のTWSイヤホンは、第2のTWSイヤホンB4を目的のTWSイヤホンとして選択し、かつ第1のTWSイヤホンは第2のTWSイヤホンB4とペアリングする。このような方法により、第1のTWSイヤホンは、ペアリング可能な第2のTWSイヤホンを比較的確実に選別することができる。
【0056】
いくつかの実施例において、上記実施例と異なる点としては、
図6を参照すると、ステップS245は、以下を含む。
S2451:各第2のTWSイヤホンに対応するRSSI強度および絶対値をそれぞれ正規化し、それぞれ第1の正規化値と第2の正規化値を得る。
S2452:第1の正規化値と第1の重み因子、および第2の正規化値と第2の重み因子から、各第2のTWSイヤホンに対応する加重和を計算する。
S2453:各加重和に基づいて、第1のTWSイヤホンと第2のTWSイヤホンとのペアリングを制御する。
【0057】
ステップS2451において、上記例示を参照すると、第1のTWSイヤホンの周囲に、第2のTWSイヤホンB1、第2のTWSイヤホンB2、第2のTWSイヤホンB3、第2のTWSイヤホンB4、第2のTWSイヤホンB5、第2のTWSイヤホンB6が存在する。
【0058】
第2のTWSイヤホンB1のRSSI強度がr1であり、絶対値がd1である。第2のTWSイヤホンB2のRSSI強度がr2であり、絶対値がd2である。第2のTWSイヤホンB3のRSSI強度がr3であり、絶対値がd3である。第2のTWSイヤホンB4のRSSI強度がr4であり、絶対値がd4である。第2のTWSイヤホンB5のRSSI強度がr5であり、絶対値がd5である。第2のTWSイヤホンB6のRSSI強度がr6であり、絶対値がd6である。
【0059】
以下に示すように、第1のTWSイヤホンは、以下の算式によって、各第2のTWSイヤホンに対応するRSSI強度および絶対値を正規化する。
ηi=tanh(ri) 式1
ζi=tanh(di) 式2
ψ=α*ηi+β*ζi 式3
1=α+β 式4
ただし、ηiは第2のTWSイヤホンBiに対応する第1の正規化値であり、ζiは第2のTWSイヤホンBiに対応する第2の正規化値であり、riは第2のTWSイヤホンBiに対応するRSSI強度であり、diは第2のTWSイヤホンBiに対応する絶対値であり、αは第1の重み因子であり、βは第2の重み因子であり、ψは加重和である。
【0060】
ステップS2451において、第1のTWSイヤホンは、式1によって、各前記第2のTWSイヤホンに対応する第1の正規化値を計算する。第1のTWSイヤホンは、式2によって、各前記第2のTWSイヤホンに対応する第2の正規化値を計算する。
【0061】
ステップS2452において、第1のTWSイヤホンは、式3と式4によって、各第2のTWSイヤホンに対応する加重和を計算する。
【0062】
ステップS2453において、第1のTWSイヤホンは、任意の適切なアルゴリズムを参照して、各加重和に基づいて、第1のTWSイヤホンと第2のTWSイヤホンとのペアリングを制御する。
【0063】
いくつかの実施例において、
図7を参照すると、S2453は、以下を含む。
S71:各加重和に基づいて、加重和が予め設定された加重閾値以上である第2のTWSイヤホンを選別できるか否かを判断し、選別できれば、S72を実行し、選別できなければ、S75を実行する。
S72:選別できれば、選別された加重和が予め設定された加重閾値以上の第2のTWSイヤホンをペアリング対象のTWSイヤホンとし、S73を実行する。
S73:各ペアリング対象のTWSイヤホンのうち、最大の加重和に対応するペアリング対象のTWSイヤホンを目的のTWSイヤホンとして選択し、S74を実行する。
S74:第1のTWSイヤホンを目的のTWSイヤホンとペアリングするように制御する。
S75:選別できなければ、第1のTWSイヤホンを各第2のTWSイヤホンとのペアリングを拒否させるように制御する。
【0064】
上記例示を参照すると、第1のTWSイヤホンの周囲に、第2のTWSイヤホンB1、第2のTWSイヤホンB2、第2のTWSイヤホンB3、第2のTWSイヤホンB4、第2のTWSイヤホンB5、第2のTWSイヤホンB6が存在する。
【0065】
第2のTWSイヤホンB1の加重和がψ1であり、第2のTWSイヤホンB2の加重和がψ2であり、第2のTWSイヤホンB3の加重和がψ3であり、第2のTWSイヤホンB4の加重和がψ4であり、第2のTWSイヤホンB5の加重和がψ5であり、第2のTWSイヤホンB6の加重和がψ6である。
【0066】
そのうち、加重和ψ1、加重和ψ3および加重和ψ6が予め設定された加重閾値よりも小さく、加重和ψ2、加重和ψ4および加重和ψ5が予め設定された加重閾値よりも大きいので、第1のTWSイヤホンは、第2のTWSイヤホンB2、第2のTWSイヤホンB4および第2のTWSイヤホンB5をペアリング対象のTWSイヤホンとする。
【0067】
加重和ψ2、加重和ψ4および加重和ψ5のうち、加重和ψ4が最も大きいため、第1のTWSイヤホンは、第2のTWSイヤホンB4を目的のTWSイヤホンとして選択し、かつ、第1のTWSイヤホンは第2のTWSイヤホンB4とペアリングする。
【0068】
本実施例は、RSSI強度および時間差の絶対値という2つの要素を考慮して総合的に評価するので、第1のTWSイヤホンがペアリング可能な第2のTWSイヤホンをより確実で正確に探すことができることに役立つ。
【0069】
第1の重み因子、第2の重み因子および予め設定された加重閾値は、ユーザによってエンジニアリング経験に応じてカスタマイズすることができることが理解される。
【0070】
いくつかの実施例において、ペアリング情報は、外部の暗号化メッセージおよび公開鍵を含み、ペアリング情報から、第2のTWSイヤホンが動作状態に入るときの第2時刻を確定する前に、
図8を参照すると、TWSイヤホンのペアリング方法は、さらに以下を含む。
S25:公開鍵により、外部の暗号化メッセージを復号化し、グローバル一意識別子およびID識別子を得る。
S26:グローバル一意識別子がローカルグローバル一意識別子にマッチングするか否か、且つID識別子がローカルID識別子にマッチングするか否かを判断し、マッチングすれば、ステップS22に進み、マッチングしなければ、S27を実行する。
S27:ペアリング情報を廃棄する。
【0071】
例えば、本実施例は、グローバル一意識別子およびID識別子をペイロードに書き込み、各製品に特定のグローバル一意識別子を有するため、同じ製品のグローバル一意識別子は同一であり、ID識別子はブルートゥース(登録商標)協会により各メーカーに割り当てられる一意の識別子である。いくつかの実施例において、グローバル一意識別子およびID識別子は、16byte文字列を構成することができ、本実施例は、公開鍵に適用することができ、AES暗号化アルゴリズムによって上記文字列を暗号化し、外部の暗号化メッセージを生成し、ここで、いくつかの実施例において、公開鍵は、2byteの既知の擬似乱数である。
【0072】
第1のTWSイヤホンは、ペアリング情報を受信し、ペアリング情報から外部の暗号化メッセージを抽出し、そして既知の公開鍵を用いて外部の暗号化メッセージを復号化し、グローバル一意識別子およびID識別子を得ることができる。続いて、第1のTWSイヤホンは、グローバル一意識別子およびローカルグローバル一意識別子に対してマッチングを行い、ID識別子およびローカルID識別子に対してマッチングを行い、両者が同時にマッチングする場合、この第2のTWSイヤホンが自社製のTWSイヤホンに属することが表明され、それにより、外部メーカーにより製造されるTWSイヤホンをフィルタリングし、第1のTWSイヤホンと第2のTWSイヤホンとのペアリングの信頼性およびペアリング効率をさらに補強することができ、他の設備による偽装ペアリングや悪意のある攻撃を防止することができ、ペアリングのセキュリティを高めることができる。
【0073】
いくつかの実施例において、ペアリング情報は、イヤホン特性パラメータをさらに含み、前記ペアリング情報から、前記第2のTWSイヤホンが動作状態に入るときの第2時刻を確定する前に、
図9を参照すると、TWSイヤホンのペアリング方法は、さらに以下を含む。
S29:イヤホン特性パラメータが特性マッチング条件を満たすか否かを判断し、満たせば、ステップS22に進み、満たさなければ、S30を実行する。
S30:ペアリング情報を廃棄する。
【0074】
イヤホン特性パラメータは、チャンネル特性パラメータ、機能特性パラメータなどを含み、特性マッチング条件は、ユーザにより製品特性に応じてカスタマイズすることができ、例えば、特性マッチング条件は、2つのTWSイヤホンのチャンネル特性パラメータが異なり、又は2つのTWSイヤホンの機能特性パラメータが同じであることを含み、2つのTWSイヤホンのチャンネル特性パラメータが異なり、又は2つのTWSイヤホンの機能特性パラメータが同じである場合、第1のTWSイヤホンおよび第2のTWSイヤホンは、特性マッチング条件を満たし、逆には満たさない。
【0075】
いくつかの実施例において、イヤホン特性パラメータのフィールドは、1byteのキャラクタ特性フィールドおよび2byteの機能特性フィールドにより構成される。
【0076】
キャラクタ特性フィールドは、主に以下の状況を表すために用いられる。1、TWS機能をサポートするか。2、マスタースレーブキャラクタ。3、ペアリング記録が存在するか。4、強制にペアリングするか。5、左右のチャンネルの情報、例えば、2つのTWSイヤホンがいずれも左チャンネルであれば、ペアリングすることができない。
【0077】
機能特性フィールドは、主に以下の状況を表すために用いられる。1、AACをサポートするか。2、ブロードバンド音声をサポートするか。3、着信コールがある場合に同期して鳴ることをサポートするか、例えば、1つのTWSイヤホンがブロードバンド音声をサポートするが、もう1つのTWSがサポートしないと、ペアリングすることができない。
【0078】
以上の方法により、内部のTWS機器をさらにフィルタリングし、第1のTWSイヤホンと第2のTWSイヤホンとのペアリング信頼性およびペアリング効率をさらに補強することができる。
【0079】
上記各実施形態において、上記各ステップの間に必ずしも一定の順序があるとは限らないことに注意されたい。当業者は、本発明の実施形態の説明によれば、異なる実施形態において、上記各ステップを異なる順序で実行してもよく、すなわち、並列に実行してもよく、交換して実行してもよいなどのことを理解できる。
【0080】
図10を参照すると、
図10は、本発明に係る実施例により提供される電子機器の回路構造模式図であり、そのうち、電子機器は、チップ又はTWSイヤホンであってもよく、電子機器がTWSイヤホンである場合、第1のTWSイヤホン又は第2のTWSイヤホンとすることができる。
図10に示すように、電子機器は、1つ又は複数のプロセッサ101およびメモリ102を含む。ここで、
図10には、1つのプロセッサ101を例示する。
【0081】
プロセッサ101およびメモリ102は、バス又は他の方式により接続することができ、
図10では、バスで接続することを例示する。
【0082】
メモリ102は、不揮発性コンピュータ読み取り可能な記憶媒体として、不揮発性ソフトウェアプログラム、不揮発性コンピュータ実行可能なプログラムおよびモジュール、例えば、本発明に係る実施例におけるTWSイヤホンのペアリング方法に対応するプログラムコマンド/モジュールを記憶するために用いられることができる。プロセッサ101は、メモリ102に記憶される不揮発性ソフトウェアプログラム、コマンドおよびモジュールを実行することにより、上記方法における実施例が提供するTWSイヤホンのペアリング方法の機能を実現する。
【0083】
メモリ102は、高速ランダムアクセスメモリを含んでもよく、少なくとも1つの磁気ディスク記憶装置、フラッシュメモリ、又は他の不揮発性固体記憶装置などの不揮発性メモリを含んでもよい。いくつかの実施例において、メモリ102は、プロセッサ101に対して遠隔に設けられるメモリを選択的に含んでもよく、これらのリモートメモリは、ネットワークによってプロセッサ101に接続することができる。上記ネットワークの実例は、インターネット、企業内ネットワーク、ローカルエリアネットワーク、移動通信ネットワークおよびそれらの組み合わせを含むがこれらに限定されない。
【0084】
前記プログラムコマンド/モジュールは、前記メモリ102に記憶され、前記1つ又は複数のプロセッサ101により実行されるとき、上記任意の方法の実施例におけるTWSイヤホンのペアリング方法が実行される。
【0085】
本発明に係る実施例は、記憶媒体をさらに提供し、前記記憶媒体には、コンピュータ実行可能なコマンドが記憶され、当該コンピュータ実行可能なコマンドは、1つ又は複数のプロセッサにより実行され、例えば、
図10における1つのプロセッサ101によって、上記1つ又は複数のプロセッサは、上記任意の方法の実施例におけるTWSイヤホンのペアリング方法を実行することができる。
【0086】
本発明に係る実施例は、コンピュータプログラム製品を提供し、前記コンピュータプログラム製品は、不揮発性コンピュータ読み取り可能な記憶媒体に記憶されるコンピュータプログラムを含み、前記コンピュータプログラムは、プログラムコマンドを含み、前記プログラムコマンドが電子機器により実行されるとき、前記電子機器にいずれか一つの実施例に記載のTWSイヤホンのペアリング方法を実行させる。
【0087】
以上に述べた装置又は設備の実施例は、例示的なものに過ぎず、その中に個別の部品として説明される前記ユニットモジュールは、物理的に分離されるものであってもよく、分離されないものであってもよく、モジュールユニットとして示される部品は、物理的なユニットであってもよく、物理的なユニットではなくてもよく、すなわち、同一の箇所に位置してもよく、又は複数のネットワークモジュールユニットに分散してもよい。実際のニーズに応じてそのうちの一部又はすべてのモジュールを選択して本実施例の方案の目的を実現することができる。
【0088】
以上の実施形態の説明により、当業者であれば、各実施形態がソフトウェアおよび汎用のハードウェアプラットフォームの方式により実現することができ、もちろん、ハードウェアにより実現できることを明らかに理解することができる。このような理解に基づいて、上記技術方案は、本質的に、又は関連技術に貢献する部分が、ソフトウェア製品の形式で具現化することができ、当該コンピュータソフトウェア製品は、ROM/RAM、磁気ディスク、光学ディスクなどのコンピュータ読み取り可能な記憶媒体に記憶することができ、1台のコンピュータ機器(パーソナルコンピュータ、サーバ、又はネットワーク機器などであってもよい)に各実施例又は実施例の一部に記載の方法を実行させるためのいくつかのコマンドを含む。
【0089】
最後に説明すべきことは、以上の実施例は、本発明の技術方案を説明するためのものに過ぎず、それを制限するものではなく、本発明の文脈では、以上の実施例又は異なる実施例における技術特徴の間を組み合わせることができ、任意の順序でステップを実現することができ、上述のような本発明の異なる側面の他の変化が多く存在するが、簡略化のために、細部には提供されず、前述の実施例を参照して本発明を詳細に説明したが、当業者は、依然として前述の各実施例に記載の技術方案を補正し、又は一部の技術特徴に対して等価の置換を行うことができ、これらの補正および置換は、対応する技術方案の本質を本発明の各実施例の技術方案の範囲から逸脱させないと理解すべきである。