(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-05-13
(45)【発行日】2024-05-21
(54)【発明の名称】収納ボックス
(51)【国際特許分類】
A47B 61/00 20060101AFI20240514BHJP
A47B 61/02 20060101ALI20240514BHJP
【FI】
A47B61/00 501D
A47B61/00 501A
A47B61/02 501E
(21)【出願番号】P 2021164367
(22)【出願日】2021-10-05
【審査請求日】2022-10-11
(73)【特許権者】
【識別番号】521241683
【氏名又は名称】有限会社ヤスダ工芸
(74)【代理人】
【識別番号】100149261
【氏名又は名称】大内 秀治
(72)【発明者】
【氏名】安田 芳與
【審査官】七字 ひろみ
(56)【参考文献】
【文献】実開平07-017142(JP,U)
【文献】特開2003-250641(JP,A)
【文献】実開昭52-051712(JP,U)
【文献】実開昭62-153924(JP,U)
【文献】特開2017-194619(JP,A)
【文献】特開2004-283415(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A47B 61/00-61/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
少なくとも上板、底板、左側板及び右側板を外壁として含む収納ボックス本体と、被収納物を吊り下げるためのハンガーパイプとを有する収納ボックスであって、
前記左側板及び前記右側板の一方又は両方には、前記ハンガーパイプを貫通させる貫通孔が形成され、
前記ハンガーパイプは、前記貫通孔を介して前記左側板又は前記右側板よりも外側に延在可能に配置され、
前記収納ボックス本体の背面側には、補強板が設けられ、
前記収納ボックス本体の背面側は、前記補強板以外に背面開口部が形成され,
前記被収納物としての衣装がハンガーを介して前記ハンガーパイプに吊り下げられた際、前記衣装は、前記背面開口部を介して前記左側板及び右側板よりも背面側にはみ出る
ことを特徴とする収納ボックス。
【請求項2】
少なくとも上板、底板、左側板及び右側板を外壁として含む収納ボックス本体と、被収納物を吊り下げるためのハンガーパイプとを有する収納ボックスであって、
前記左側板及び前記右側板の両方には、前記ハンガーパイプを貫通させる貫通孔が形成され、
前記ハンガーパイプは、前記貫通孔を介して前記左側板よりも外側に延在可能且つ前記右側板よりも外側に延在可能に配置されて前記左側板よりも外側及び前記右側板よりも外側それぞれにおいて前記被収納物を吊り下げ可能であ
り、
前記左側板及び前記右側板それぞれには、複数の前記貫通孔が前記収納ボックス本体の前後方向に並んで且つ互いに連通して設けられる
ことを特徴とする収納ボックス。
【請求項3】
少なくとも上板、底板、左側板及び右側板を外壁として含む収納ボックス本体と、被収納物を吊り下げるためのハンガーパイプとを有する収納ボックスであって、
前記左側板及び前記右側板の両方には、前記ハンガーパイプを貫通させる貫通孔が形成され、
前記左側板及び前記右側板それぞれの前記貫通孔は、前記ハンガーパイプの最大外径よりも大きく、
前記ハンガーパイプは、前記左側板及び前記右側板それぞれの前記貫通孔に挿入されて前記ハンガーパイプの両端が前記左側板及び前記右側板の外側に位置した状態で前記左側板及び前記右側板により支持され、
前記ハンガーパイプは、前記貫通孔を介して前記左側板よりも外側に延在可能且つ前記右側板よりも外側に延在可能に配置され
、
前記左側板及び前記右側板それぞれには、複数の前記貫通孔が前記収納ボックス本体の前後方向に並んで且つ互いに連通して設けられる
ことを特徴とする収納ボックス。
【請求項4】
請求項1~3のいずれか1項に記載の収納ボックスにおいて、
前記ハンガーパイプは、伸縮式であり、前記左側板又は前記右側板よりも外側において伸縮可能である
ことを特徴とする収納ボックス。
【請求項5】
請求項1~
4のいずれか1項に記載の収納ボックスにおいて、
前記左側板及び前記右側板の一方又は両方の外面側には、ズボン掛け又は帽子掛けが設けられる
ことを特徴とする収納ボックス。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、衣装等の被収納物を収納する収納ボックスに関する。
【背景技術】
【0002】
衣装を吊すためのパイプハンガーを有する収納ボックスが知られている(特許文献1及び特許文献2)。特許文献1は、横幅の大小の収納家具でも内部部材の共通化ができる収納家具セットを提供することを課題としている([0004]、要約)。当該課題を解決するため、特許文献1(要約、
図1~
図3)の収納家具セットは、横幅の大小の収納家具(A,B)よりなるものであって、横幅の大の収納家具(B)を内部に横幅の小の収納家具(A)と同じ内寸法の収納空間(5)ができるように縦仕切り板(3)にて仕切る。小の収納家具(A)と同じハンガーパイプ(1)、引き出し(2)、棚板等を上記収納空間(5)に装着する。また、特許文献1では、ハンガーパイプ(1)が上下動自在且つ前後動自在な移動ハンガー装置(6)が設けられる([0006]、
図3)。
【0003】
特許文献2は、組立に要するボルトやビス止めの数を極力減らし、組立が容易な組立式クローゼットハンガーを提供することを課題としている([0006]、要約)。当該課題を解決するため、特許文献2の組立式クローゼットハンガーは、左右に配置される側壁パネル(1、2)と、支柱(3)の両側に揺動自在に取り付けられたハンガーパイプ(31、31、32)と、このハンガーパイプ(31、31)の先端に取り付けられた舌片と、側壁パネル(1、2)に取り付けられ舌片が嵌め込まれる連結金具(6)とを備える。側壁パネル(1、2)の連結金具(6)にハンガーパイプ(31、31、32)の舌片を嵌め込み、左右の側壁パネル(1、2)間にハンガーパイプ(31、31、32)が取り付けられる。支柱(3)の上端の両側には、ハンガーパイプ(31、31)が配置され、支柱(3)の一方の側の中部には、ハンガーパイプ(32)が配置される([0017]、
図1~
図3)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】特開2000-236960号公報
【文献】特開2014-204803号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
上記のように、特許文献1では、大小の収納家具(A,B)それぞれにハンガーパイプ(1)が設けられる(要約)。各ハンガーパイプ(1)は、収納家具(A,B)の内部に配置される(
図1~
図3)。また、特許文献2の組立式クローゼットハンガーには、ハンガーパイプ(31、31、32)が設けられる(要約)。各ハンガーパイプ(31、31、32)は、組立式クローゼットハンガーの内部に配置される(
図1~
図3)。
【0006】
このように、ハンガーパイプを収納ボックス(収納家具、組立式クローゼットハンガー)の内部に配置する構成では、ハンガーパイプの長さは、収納ボックスの幅に制限されることとなる。そのため、より多くの衣装を吊すためにハンガーパイプを長くしようとすると、収納ボックスの幅を広げる必要又は収納ボックスの数を増やす必要が生じる。また、収納ボックスの配置スペースの関係で、収納ボックスの幅又は数が制限される場合、収納ボックスの幅以上の範囲で衣装をハンガーパイプに吊すことはできない。特許文献2では、この点に関連して、ハンガーパイプ(31、31)を上側に、ハンガーパイプ(32)を下側に配置するが([0017]、
図1~
図3)、衣装等の整理効率の観点又は収納ボックスのコンパクト化の観点からすると、改善の余地がある。
【0007】
本発明は上記のような課題を考慮してなされたものであり、衣装等の整理効率又は収納ボックスのコンパクト化を向上可能な収納ボックスを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明に係る収納ボックスは、
少なくとも上板、底板、左側板及び右側板を外壁として含む収納ボックス本体と、
被収納物を吊り下げるためのハンガーパイプと
を有するものであって、
前記左側板及び前記右側板の一方又は両方には、前記ハンガーパイプを貫通させる貫通孔が形成され、
前記ハンガーパイプは、前記貫通孔を介して前記左側板又は前記右側板よりも外側に延在可能に配置される
ことを特徴とする。
【0009】
本発明によれば、ハンガーパイプは、貫通孔を介して左側板又は右側板よりも外側に延在可能に配置される。これにより、収納ボックス本体の内部のみならず、収納ボックス本体の外部でも、衣装等の被収納物をハンガーパイプに吊り下げることが可能となる。これにより、収納ボックス本体の幅に対してより多くの衣装等を吊り下げることが可能となり、衣装等の整理効率を向上できる。換言すると、必要とされるハンガーパイプの長さに対して収納ボックス本体の幅を短くすることが可能となり、収納ボックス本体をコンパクト化できる。
【0010】
前記ハンガーパイプは、伸縮式であり、前記左側板又は前記右側板よりも外側において伸縮可能であってもよい。これにより、必要時のみハンガーパイプを延ばし、不要時はハンガーパイプを短くすることが可能となる。従って、収納ボックスが必要とする空間を効率化できる。
【0011】
前記収納ボックス本体の背面側には、補強板が設けられてもよい。また、前記収納ボックス本体の背面側は、前記補強板以外に背面開口部が形成されてもよい。さらに、前記被収納物としての衣装がハンガーを介して前記ハンガーパイプに吊り下げられた際、前記衣装は、前記背面開口部を介して前記左側板及び右側板よりも背面側にはみ出てもよい。これにより、背面開口部を介して衣装等を背面側にはみ出させることが可能となる。従って、収納ボックス本体の奥行きが比較的短くても大きな衣装等を収納ボックス本体内に収納可能となる。
【0012】
前記左側板及び前記右側板それぞれには、複数の前記貫通孔が前記収納ボックス本体の前後方向に並んで設けられてもよい。これにより、ハンガーパイプの前後方向位置及びこれに伴う衣装等の前後方向吊り下げ位置を調整可能となる。従って、ユーザの利便性を向上できる。特に、収納ボックス本体の背面側に背面開口部が設けられる場合、ハンガーパイプの前後方向位置を調整することで、収納ボックス本体の背面側に衣装等がはみ出す量を調整可能となる。また、前記複数の貫通孔は、互いに連通して設けられてもよい。
【0013】
前記左側板及び前記右側板の一方又は両方の外面側には、ズボン掛け又は帽子掛けが設けられてもよい。これにより、ズボン又は帽子を整理し易くなる。
【0014】
前記収納ボックス本体内部の下側には、引き出しが配置されてもよい。また、前記パイプハンガーの下側及び前記引き出しの上側には、収納ケースが配置されてもよい。これにより、引き出しには例えば下着を収納し、収納ケースにはハンガーパイプに吊り下げることが好まれない衣装(セーター等)を収納することで、衣装等をさらに効率的に整理することが可能となる。
前記ハンガーパイプを貫通させる貫通孔が前記左側板及び前記右側板の両方に形成される場合、前記ハンガーパイプは、前記貫通孔を介して前記左側板よりも外側に延在可能且つ前記右側板よりも外側に延在可能に配置されてもよい。
前記ハンガーパイプを貫通させる貫通孔が前記左側板及び前記右側板の両方に形成される場合、前記左側板及び前記右側板それぞれの前記貫通孔は、前記ハンガーパイプの最大外径よりも大きくてもよい。また、前記ハンガーパイプは、前記左側板及び前記右側板それぞれの前記貫通孔に挿入されて前記ハンガーパイプの両端が前記左側板及び前記右側板の外側に位置した状態で前記左側板及び前記右側板により支持されて前記左側板よりも外側及び前記右側板よりも外側それぞれにおいて前記被収納物を吊り下げ可能でもよい。
【発明の効果】
【0015】
本発明によれば、衣装等の整理効率又は収納ボックスのコンパクト化を向上可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【
図1】本発明の一実施形態に係る収納ボックスの第1状態を示す斜視図である。
【
図2】前記実施形態に係る前記収納ボックスの第2状態を示す斜視図である。
【
図3】衣装をハンガーパイプに掛けた状態の前記実施形態に係る前記収納ボックスの側面断面図である。
【
図4】前記実施形態の左側板の一部を拡大して示す側面図である。
【
図5】前記左側板の一部の変形例を拡大して示す側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
<A.一実施形態>
[A-1.構成]
(A-1-1.全体構成)
図1は、本発明の一実施形態に係る収納ボックス10の第1状態を示す斜視図である。
図2は、前記実施形態に係る収納ボックス10の第2状態を示す斜視図である。
図3は、衣装90をハンガーパイプ30に掛けた状態の本実施形態に係る収納ボックス10の側面断面図である。収納ボックス10は、衣装等の被収納物を収納するものであり、収納ボックス本体20と、ハンガーパイプ30と、引き出し40と、収納ケース50と、ズボン掛け60と、帽子掛け70とを有する。
図1及び
図2からわかるように、本実施形態のハンガーパイプ30は、収納ボックス本体20の外側に対して伸縮可能である。
【0018】
(A-1-2.収納ボックス本体20)
収納ボックス本体20は、それぞれが矩形状の上板200、底板202、左側板204L及び右側板204Rを外壁として有する。上板200は、底板202と平行であり、且つ左側板204L及び右側板204Rに対して垂直である。底板202は、上板200と平行であり、且つ左側板204L及び右側板204Rに対して垂直である。左側板204L及び右側板204Rは互いに平行である。
【0019】
図3に示すように、収納ボックス本体20の背面側には、複数の補強板206A、206B、206Cが設けられる。補強板206A、206B、206Cは、収納ボックス本体20の背面側の一部のみを覆い、補強板206A、206B、206Cがない背面部分には、背面開口部208が形成される。背面開口部208は、基準となる大きさの衣装90がハンガーパイプ30に掛けられた際、背面開口部208を介して収納ボックス本体20の背面側からはみ出ることを許容する位置に設けられる。
【0020】
本実施形態の各板200、202、204L、204R、206A、206B、206Cは木製である。或いは、各板200、202、204L、204R、206A、206B、206Cは、金属製(例えばスチール製又はアルミニウム製)であってもよい。
【0021】
図4は、本実施形態の左側板204Lの一部を拡大して示す側面図である。左側板204Lの上側には、ハンガーパイプ30用の貫通部210が設けられる。貫通部210は、ハンガーパイプ30を挿入させるために左側板204Lに設けられた1つ又は複数の貫通孔212を有する。本実施形態の貫通部210は、収納ボックス本体20の前後方向において3つの貫通孔212を連通させて並べた形状をしている。右側板204Rにも同様の貫通部210が設けられる。
【0022】
左右の貫通部210の位置は、高さ及び前後方向の位置が一致している。そのため、ハンガーパイプ30を水平に且つ左側板206L及び右側板206Rに対して垂直に配置することができる。また、本実施形態では、貫通部210は、収納ボックス本体20の前後方向において3つの貫通孔212を連通させて並べた形状をしている。そのため、ユーザは、前後方向におけるハンガーパイプ30の位置を調整可能である。
【0023】
図1~
図3からわかるように、収納ボックス本体20の正面側は、開口している。換言すると、収納ボックス本体20の正面側には、正面開口部230(
図3)が形成されている。また、
図3からわかるように、補強板206A、206B、206Cは、収納ボックス本体20の背面側の一部のみを覆い、補強板206A、206B、206Cがない部分には、背面開口部208が形成される。ハンガー92を介してハンガーパイプ30に掛けられた衣装90(ジャケット)の一側部(
図3の場合、左袖部分)は、背面開口部208を介して収納ボックス本体20の左側板204L及び右側板204Rよりも後ろ側に位置する。また、衣装90(ジャケット)の別の側部(
図3の場合、右袖部分)は、正面開口部230を介して収納ボックス本体20よりも前側に位置させてもよい。
【0024】
上記のように、3つの貫通孔212の存在により、前後方向におけるハンガーパイプ30の位置を調整可能である。そのため、ユーザは、ハンガーパイプ30の前後方向位置を調整することで、正面側及び背面側における衣装90のはみ出し量を調整することができる。
【0025】
(A-1-3.ハンガーパイプ30)
ハンガーパイプ30は、ハンガー92(
図3)を介して衣装90を吊り下げるためのものである。なお、
図1及び
図2では、収納ボックス本体20の内部構造を示すために、衣装90及びハンガー92の一部を透視状態(二点鎖線)で示していることに留意されたい。
図1及び
図2において二点鎖線で示す衣装90及びハンガー92の部分のうち、収納ボックス本体20の正面開口部230から露出する部分については、実際には直接見える(実線で示すべき)ものである。
【0026】
図1に示すように、ハンガーパイプ30は、貫通部210の貫通孔212を介して左側板204L及び右側板204Rよりも外側に延在可能に配置される。なお、
図3では、ハンガーパイプ30の位置を貫通部210の貫通孔212毎に変更可能であることを示すため、実線で示す衣装90及びハンガー92と、二点鎖線で示す衣装90及びハンガー92があることに留意されたい。
【0027】
また、
図1及び
図2に示すように、ハンガーパイプ30は、伸縮式である。すなわち、ハンガーパイプ30は、中央部300と、左延長部302Lと、右延長部302Rとを有する。中央部300は、円筒状であり、左側板204L及び右側板204Rの貫通孔212に挿入されて収納ボックス本体20内で支持される。左延長部302Lは、中央部300よりも直径が小さい円筒状又は円柱状である。
【0028】
そのため、ユーザの操作により、
図1の拡張状態と、
図2の収縮状態とを切り替えることができる。拡張状態は、左延長部302Lが中央部300から離れる方向に移動した状態である。収縮状態は、左延長部302Lが中央部300の内部に収納された状態である。左延長部302Lは、直径が互いに異なる入れ子構造の複数の円筒部材を有してもよい。右延長部302Rも、左延長部302Lと同様の構成である。ハンガーパイプ30の構成は、伸縮式の物干し竿と同様であってもよい。
【0029】
本実施形態のハンガーパイプ30は、金属製(アルミニウム製、スチール製等)である。或いは、用途や構成によっては、ハンガーパイプ30は、その他の素材、例えばプラスチック製(特に強化プラスチック(FRP)製)等であってもよい。
【0030】
(A-1-4.引き出し40)
図1に示すように、引き出し40は、収納ボックス本体20内部の下側に配置される。引き出し40には、例えば、下着等が収納される。本実施形態の引き出し40は、収納ボックス本体20に固定されないが、固定されるものであってもよい。
【0031】
(A-1-5.収納ケース50)
図1に示すように、収納ケース50は、収納ボックス本体20内部において、ハンガーパイプ30の下側及び引き出し40の上側に配置される。収納ケース50には、例えば、ハンガーパイプ30には掛けられない上着(例えばセーター)等が収納される。収納ケース50は、上側又は前側が開口していてもよい。本実施形態の収納ケース50は、収納ボックス本体20又は引き出し40に固定されないが、固定されるものであってもよい。
【0032】
(A-1-6.ズボン掛け60)
図1に示すように、ズボン掛け60は、収納ボックス本体20の左側板204Lの外面側に設けられる。ズボン掛け60は、ハンガーパイプ30及び帽子掛け70の下側に配置される。ズボン掛け60は、複数本のズボン掛け棒600を有する。各ズボン掛け棒600は、その一端側が左側板204Lに形成された孔に挿入されて左側板204Lに固定される。ズボン掛け棒600は、金属製(アルミニウム製、スチール製等)である。或いは、用途や構成によっては、ズボン掛け棒600は、例えばプラスチック製(特にFRP製)等であってもよい。
【0033】
(A-1-7.帽子掛け70)
図1に示すように、帽子掛け70は、収納ボックス本体20の左側板204Lの外面側に設けられる。帽子掛け70は、ハンガーパイプ30の下側及び帽子掛け70の上側に配置される。帽子掛け70は、複数本の帽子掛け棒700を有する。各帽子掛け棒700は、両端側が左側板204Lに形成された孔に挿入されて左側板204Lに固定される。これにより、例えば、帽子掛け棒700と左側板204Lの間に帽子の鍔を挿入することにより、帽子を掛けることが可能となる。帽子掛け棒700は、金属製(アルミニウム製、スチール製等)である。或いは、用途や構成によっては、帽子掛け棒700は、例えばプラスチック製(特にFRP製)等であってもよい。
【0034】
[A-2.本実施形態の効果]
本実施形態によれば、ハンガーパイプ30は、貫通孔212を介して左側板204L及び右側板204Rよりも外側に延在可能に配置される(
図1)。これにより、収納ボックス本体20の内部のみならず、収納ボックス本体20の外部でも、衣装90をハンガーパイプ30に吊り下げることが可能となる。これにより、収納ボックス本体20の幅に対してより多くの衣装90を吊り下げることが可能となり、衣装90の整理効率を向上できる。換言すると、必要とされるハンガーパイプ30の長さに対して収納ボックス本体20の幅を短くすることが可能となり、収納ボックス本体20をコンパクト化できる。
【0035】
本実施形態において、ハンガーパイプ30は、伸縮式であり、左側板204L又は右側板204Rよりも外側において伸縮可能である(
図1及び
図2)。これにより、必要時のみハンガーパイプ30を延ばし、不要時はハンガーパイプ30を短くすることが可能となる。従って、収納ボックス10が必要とする空間を効率化できる。
【0036】
本実施形態において、収納ボックス本体20の背面側には、補強板206A、206B、206Cが設けられる(
図1、
図3)。また、収納ボックス本体20の背面側は、補強板以外に背面開口部208が形成される(
図3)。さらに、衣装90がハンガー92を介してハンガーパイプ30に吊り下げられた際、衣装90は、背面開口部208を介して収納ボックス本体20の背面側にはみ出る(
図3)。これにより、背面開口部208を介して衣装90を背面側にはみ出させることが可能となる(
図3)。従って、収納ボックス本体20の奥行きが比較的短くても比較的大きな衣装90を収納ボックス本体20内に収納可能となる。
【0037】
本実施形態において、左側板204L及び右側板204Rそれぞれには、複数の貫通孔212が収納ボックス本体20の前後方向に並んで設けられる(
図1及び
図4)。これにより、ハンガーパイプ30の前後方向位置及びこれに伴う衣装90の前後方向吊り下げ位置を調整可能となる。従って、ユーザの利便性を向上できる。特に、収納ボックス本体20の背面側に背面開口部208が設けられる場合、ハンガーパイプ30の前後方向位置を調整することで、収納ボックス本体20の背面側に衣装90がはみ出す量を調整可能となる。
【0038】
本実施形態において、左側板204Lの外面側には、ズボン掛け60及び帽子掛け70が設けられる(
図1)。これにより、ズボン及び帽子(いずれも図示せず)を整理し易くなる。
【0039】
本実施形態において、収納ボックス本体20内部の下側には、引き出し40が配置される(
図1)。また、ハンガーパイプ30の下側及び引き出し40の上側には、収納ケース50が配置される(
図1)。これにより、引き出し40には例えば下着を収納し、収納ケース50にはハンガーパイプ30に吊り下げることが好まれない衣装(セーター等)を収納することで、衣装90等をさらに効率的に整理することが可能となる。
【0040】
<B.変形例>
なお、本発明は、上記実施形態に限らず、本明細書の記載内容に基づき、種々の構成を採り得ることはもちろんである。例えば、以下の構成を採用することができる。
【0041】
上記実施形態では、収納ボックス本体20は、上板200、底板202、左側板204L及び右側板204Rを有していた(
図1及び
図3)。しかしながら、例えば、左側板204L又は右側板204Rの外側に延在するハンガーパイプ30を用いる観点からすれば、これに限らない。例えば、収納ボックス本体20は、背面板又は前扉を有してもよい。
【0042】
上記実施形態では、ハンガーパイプ30は、左側板204L及び右側板204R両方の外側に延在するものであった(
図1)。しかしながら、例えば、左側板204L又は右側板204Rの外側に延在するハンガーパイプ30を用いる観点からすれば、これに限らない。例えば、ハンガーパイプ30は、左側板204L又は右側板204Rの一方の外側のみに延在するものであってもよい。
【0043】
上記実施形態では、ハンガーパイプ30は、伸縮式のものであった(
図1及び
図2)。しかしながら、例えば、左側板204L又は右側板204Rの外側に延在するハンガーパイプ30を用いる観点からすれば、これに限らず、ハンガーパイプ30は、非伸縮式であってもよい。なお、本明細書では、収納ボックスで一般的に用いられる用語「ハンガーパイプ」を用いたが、ハンガーパイプ30は、必ずしも中空状でなくてもよい。換言すると、ハンガーパイプ30の一部又は全部は、中実の円柱状であってもよい。
【0044】
上記実施形態では、貫通部210は、収納ボックス本体20の前後方向に並んだ3つの貫通孔212を有していた(
図4)。しかしながら、例えば、左側板204L又は右側板204Rの外側に延在するハンガーパイプ30を用いる観点からすれば、これに限らない。例えば、貫通部210は、1つ、2つ又は4つ以上の貫通孔212を有してもよい。また、複数の貫通孔212を設ける場合、貫通孔212の並ぶ方向は、前後方向に限らず、上下方向であってもよい。
【0045】
上記実施形態では、いずれかの貫通孔212に挿入した状態のまま別の貫通孔212に移動することはできなかった。換言すると、ハンガーパイプ30(中央部300)の直径は、隣り合う貫通孔212における最小高さ(上下方向における隙間の最小長さ)は、ハンガーパイプ30の直径よりも短かった(
図4)。しかしながら、例えば、いずれかの貫通孔212に挿入した状態のまま別の貫通孔212に移動するハンガーパイプ30を別の貫通孔212に移動させる観点からすれば、これに限らない。例えば、貫通部210は、
図5のような構成も可能である。
【0046】
図5は、左側板204Lの一部の変形例を拡大して示す側面図である。
図5に示す貫通部210aは、3つの貫通孔212aを有するが、貫通部210aの上側は、円状ではなく、長方形状であり、隣り合う貫通孔212aにおける最小高さ(上下方向における隙間の最小長さ)は、ハンガーパイプ30の直径よりも長い。そのため、ユーザは、ハンガーパイプ30を貫通部210a内に配置したまま、ハンガーパイプ30の位置を調整することが可能となる。
【0047】
上記実施形態では、収納ボックス本体20内に引き出し40及び収納ケース50を設けた(
図1)。しかしながら、例えば、左側板204L又は右側板204Rの外側に延在するハンガーパイプ30を用いる観点からすれば、これに限らない。例えば、引き出し40及び収納ケース50の一方又は両方を省略してもよい。
【0048】
上記実施形態では、収納ボックス本体20の左側板204Lの外面にズボン掛け60及び帽子掛け70を設けた(
図1)。しかしながら、例えば、左側板204L又は右側板204Rの外側に延在するハンガーパイプ30を用いる観点からすれば、これに限らない。例えば、ズボン掛け60及び帽子掛け70の一方又は両方の位置を変更してもよい。例えば、ズボン掛け60及び帽子掛け70の一方又は両方を右側板204Rに配置してもよい。或いは、ズボン掛け60及び帽子掛け70の一方又は両方を省略してもよい。
【0049】
上記実施形態では、収納ボックス本体20の内部には、(引き出し40及び収納ケース50を除き)単一の空間のみが存在した(
図1)。しかしながら、例えば、左側板204L又は右側板204Rの外側に延在するハンガーパイプ30を用いる観点からすれば、これに限らない。例えば、左側板204L及び右側板204Rに平行な内部仕切り板(図示せず)を収納ボックス本体20の内部に設ける構成も可能である。当該内部仕切り板は、例えば、特許文献1の
図1の縦仕切り板(3)のようなものである。その場合、ハンガーパイプ30は、内部仕切り板を貫通するように配置してもよい。
【0050】
上記実施形態では、単一の収納ボックス本体20に対して1本のハンガーパイプ30を設けた(
図1)。しかしながら、例えば、左側板204L又は右側板204Rの外側に延在するハンガーパイプ30を用いる観点からすれば、これに限らない。例えば、2つの収納ボックス本体20を設け、1本のハンガーパイプ30が2つの収納ボックス本体20に跨がって配置されてもよい。或いは、1つの収納ボックス本体20に対して複数本のハンガーパイプ30を設けてもよい。
【符号の説明】
【0051】
10…収納ボックス 20…収納ボックス本体
30…ハンガーパイプ 40…引き出し
50…収納ケース 60…ズボン掛け
70…帽子掛け 90…衣装(被収納物)
92…ハンガー 200…上板
202…底板 204L…左側板
204R…右側板
206A、206B、206C…補強板
208…背面開口部 212、212a…貫通孔