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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-05-13
(45)【発行日】2024-05-21
(54)【発明の名称】チロシンキナーゼ阻害剤及びその応用
(51)【国際特許分類】
   C07D 215/233 20060101AFI20240514BHJP
   A61K 31/5377 20060101ALI20240514BHJP
   A61P 29/00 20060101ALI20240514BHJP
   A61P 35/00 20060101ALI20240514BHJP
   A61P 43/00 20060101ALI20240514BHJP
   C07D 401/12 20060101ALI20240514BHJP
   C07D 413/12 20060101ALI20240514BHJP
【FI】
C07D215/233
A61K31/5377
A61P29/00
A61P35/00
A61P43/00 111
C07D401/12
C07D413/12 CSP
【請求項の数】 12
(21)【出願番号】P 2019515307
(86)(22)【出願日】2017-06-22
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2019-10-17
(86)【国際出願番号】 CN2017089501
(87)【国際公開番号】W WO2018049861
(87)【国際公開日】2018-03-22
【審査請求日】2020-06-22
【審判番号】
【審判請求日】2022-04-05
(31)【優先権主張番号】201610822529.0
(32)【優先日】2016-09-13
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(73)【特許権者】
【識別番号】520169694
【氏名又は名称】ラノヴァ メディシンズ リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】110002262
【氏名又は名称】TRY国際弁理士法人
(72)【発明者】
【氏名】ソン,ファン
(72)【発明者】
【氏名】チャン,ヨウニ
【合議体】
【審判長】井上 典之
【審判官】野田 定文
【審判官】宮崎 大輔
(56)【参考文献】
【文献】特表2012-521348(JP,A)
【文献】特表2013-537197(JP,A)
【文献】中国特許出願公開第104817497(CN,A)
【文献】Anti-Cancer Agents in Medicinal Chemistry,2010,Vol.10,No.1,p.7-27
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
C07D
CAplus/REGISTRY(STN)
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
一般式(I)を有する化合物、またはその薬学的に許容される塩であって、
前記式で、
Kは
ハロゲン化アルカン基(halogenated alkane group)である
またはN-R6ラジカルから選択され、
ここで、前記シクロアルカン基、前記ハロゲン化アルカン基を表す部分構造式において、前記b、dは、数字1、または2であり、E、Gは、水素、またはハロゲン(halogen)であり、前記N-R6におけるR6は、水素であり、
R1、R2、R5は、それぞれ水素、またはハロゲンであり、R3は水素であり、R4は低級アルコキシ基であり、
Xは、C-Hであり、
Yは、O、または空であり、Mは、Oまたは空であり、
a、cは、それぞれ数字0、1、2、または3であり、eは、数字1または2である、前記一般式(I)を有する化合物またはその薬学的に許容可能な塩。
【請求項2】
のいずれかであることを特徴とする
化合物またはその薬学的に許容可能な塩
【請求項3】
のいずれかであることを特徴とする
化合物またはその薬学的に許容可能な塩
【請求項4】
前記一般式(I)の化合物は、
であることを特徴とする
請求項1に記載の化合物またはその薬学的に許容可能な塩
【請求項5】
安全有効量の請求項1~4のいずれか一項に記載の化合物と薬学的に許容される担体を含む、医薬組成物。
【請求項6】
請求項1~4のいずれか一項に記載の化合物を含む、チロシンキナーゼ(tyrosine kinase)阻害剤。
【請求項7】
前記チロシンキナーゼは、C-MET、VEGFR、KDR、RON、KIT、PDGF、FGF、SRCキナーゼを含むことを特徴とする
請求項6に記載のチロシンキナーゼ阻害剤。
【請求項8】
癌治療薬の製造における請求項1~4のいずれか一項に記載の化合物の使用。
【請求項9】
前記癌は、肺癌、胃癌、卵巣癌、大腸癌悪性神経膠腫を含むことを特徴とする
請求項8に記載の使用。
【請求項10】
抗炎症薬の製造における請求項1~4のいずれか一項に記載の化合物の使用。
【請求項11】
癌治療薬の製造における請求項5に記載の医薬組成物の使用。
【請求項12】
抗炎症薬の製造における請求項5に記載の医薬組成物の使用。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、医薬技術分野に関し、具体的に、チロシンキナーゼ阻害剤及びその応用に関する。
【背景技術】
【0002】
タンパク質キナーゼは、ホスホトランスフェラーゼ(phosphotransferase)として、アデノシン三リン酸(adenosine triphosphate)ATPのガンマリン酸を特定のアミノ酸残基に移動させて、タンパク質のリン酸化を達成して生理的および生化学的機能を達成する。
タンパク質キナーゼは、シグナル伝達において重要な機能をする。異常タンパク質キナーゼは、通常の信号伝達を行うことができず、腫瘍細胞の増殖、細胞死滅、炎症、心血管疾患などのタンパク質キナーゼのような病理学的変化を誘発することができる。タンパク質キナーゼは、主に蛋白質のチロシンキナーゼ(tyrosine kinase)PTKsと受容体チロシンキナーゼRTKsの2つに分類される。MET族タンパク質キナーゼ中のROS1/C-METは、RTPsの重要なサブラインであり、hHGFRとRONとも呼ばれる。ROS1/C-METは、開始腫瘍細胞の生長と代謝に重要な役割を果たすことができ、様々な薬物の臨床研究のターゲットである。
従って、ROS1/C-METキナーゼ阻害剤は、特に小分子化合物のチロシンキナーゼ阻害剤は、生物医学技術分野で早急に必要である。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
本発明の解決しようとする課題は、C-MET、VEGF、KDR、RON、KIT、PDGF、FGF、SRCなど様々なシグナル伝達に関与しているキナーゼの活性を抑制することができ、細胞の増殖を効果的に抑制することができ、癌の臨床治療でより良い効果を得ることができるチロシンキナーゼ阻害剤を提供するものである。
【課題を解決するための手段】
【0004】
上記のような技術的課題を解決するために、本発明は、下記のような技術的解決手段によって実現される。
本発明の一態様において、一般式(I)を有する化合物またはその薬学的に許容可能な塩を提供する。
【0005】
前記式で、
Kは: シクロアルカン基
ハロゲン化アルカン基
またはN-R6のラジカルから選択され、前記b、dは、数字1、2、3または4であり、E、Gは、水素、ハロゲン、ヒドロキシ基、アルコキシ基、ケトン、メルカプト基、アルキルメルカプト基中の1つであるが、E、Gが異なる場合、水素であり、R6は、水素、低級ハロゲン化アルカン基、低級ハロゲン化シクロアルカン基、低級アルカン基、低級シクロアルカン基中の1つである。
【0006】
R1、R2、R3、R4、R5は、それぞれ水素、ハロゲン、低級ハロゲン化アルカン基、低級ハロゲン化シクロアルカン基、低級アルカン基、低級シクロアルカン基、ヒドロキシ基、低級アルコキシ基、低級シクロアルコキシ基、低級オレフィン基、低級アルキン基中の1つまたは複数である。
【0007】
Xは、C-R、C-(CN)、N中の1つであり、前記Rは水素、ハロゲン、低級ハロゲン化アルカン基、低級ハロゲン化シクロアルカン基、低級アルカン基、低級シクロアルカン基、ヒドロキシ基、低級アルコキシ基、低級シクロアルコキシ、低級オレフィン基、低級アルキン基中の1つであり、
Yは、O、S、N-R6中の1つまたは空であり、Mは、Oまたは空であり、
a、cは、それぞれ数字0、1、2、または3であり、eは、数字1または2である。
【0008】
好ましくは、前記E及びGのうちの少なくとも1つは、ハロゲンFである。
【0009】
好ましくは、前記Yは、Oまたは空である。
【0010】
好ましくは、前記一般式(I)化合物は、下記の具体的な構造の化合物を含む。
【0011】
【化4】
【0012】
【化5】
【0013】
本発明の別の態様において、安全有効量の前記化合物及び薬学的に許容される担体を含む薬物組成物をさらに提供する。
前記許容される担体は、無毒性であり、投与を補助することができ、化合物の治療効果に悪影響を及ぼさない。これらの担体は、当業者によって通常に獲得されることができる任意の固体賦形剤、液体賦形剤、半固体賦形剤またはエアロゾル組成物中の気体賦形剤であることができる。固体薬物賦形剤は、デンプン、セルロース、タルク、ブドウ糖、ラクトース、スクロース、ゼラチン、麦芽、米、小麦粉、白亜、シリカゲル、ステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸ナトリウム、ステアリルグリセリルエステル、塩化ナトリウム、無水スキムミルクなどを含む。液体と半固体賦形剤は、グリセリン、プロピレングリコール、水、エタノール及び石油、動物性、植物性または例えばピーナッツ油、大豆油、鉱油、ゴマ油などの合成油から選択されることができ、好ましい液体担体は、特に注射可能な溶液のための液体担体は、水、生理食塩水、ブドウ糖水溶液およびグリコールを含む。そのほか、香味剤、甘味料などの他の補助剤を組成物に添加することも可能である。
【0014】
本発明の化合物は、治療的有効量で投与され、その投与方式は、経口投与、全身投与(例えば、皮膚透過、鼻吸入または座薬)または非経口投与(例えば、筋肉内、静脈内または皮下)であってもよい。好ましい投与方式は経口であり、病気の程度に応じて調整することができる。
本発明の化合物の実際の投与量(即ち、活性成分)は、治療される病気の重症度、治療される対象の年齢および相対的健康度、使用された化合物の有効性、投与経路及び形態、並びに他の要素など多数の要因に依存する。
本発明の薬物組成物の様々な剤型は、薬学分野の通常の方法によって製造することができる。例えば、化合物は、1つまたは様々な担体と混合された後、錠剤、丸剤、カプセル、半固体、粉末、徐放型剤型、溶液、懸濁液、製剤、エアロゾルなどの必要な剤型で製剤化することができる。
【0015】
本発明の別の態様において、前記化合物を含むチロシンキナーゼ阻害剤をさらに提供する。
前記チロシンキナーゼは、C-MET、VEGF、KDR、RON、KIT、PDGF、FGF、SRCキナーゼを含む。
本発明の別の態様において、癌治療薬物の製造における前記化合物の応用をさらに提供する。
チロシンキナーゼは、現在の効果が最も顕著な抗腫瘍薬のターゲットであり、本発明の化合物は、顕著なチロシンキナーゼ阻害活性を有し、実験を通じて、これらの化合物が、様々な癌細胞増殖に抑制作用を持っていることが証明されたため、本発明の化合物は、様々な癌の治療に適用される。特に、肺癌、胃癌、卵巣癌、大腸癌、悪性神経膠腫の治療効果がより良い。
本発明の別の態様において、炎症治療薬物の製造における前記化合物の応用をさらに提供する
【発明の効果】
【0016】
本発明の化合物は、C-MET、VEGF、KDR、RON、KIT、PDGF、FGF、SRCなど、さまざまな信号伝達キナーゼと良好な生物学的活性作用を持ち、様々なシグナル伝達経路と関連されるため、癌、炎症、リンパ浮腫、糖尿病などの様々な病気について治療効果を有する。
本発明のチロシンキナーゼ阻害剤は、C-MET、VEGF、KDRなど、様々なシグナル伝達キナーゼの生物学的活性を抑制することができ、細胞の増殖を効果的に抑制することができ、癌のような様々な病気について良好な治療効果を持ち、特に、肺癌、胃癌、卵巣癌、悪性神経膠腫などについて著しい治療効果を持ち、応用の見通しが非常に広範囲である。
【図面の簡単な説明】
【0017】
図1】本発明の実施例10のヒト肺腺癌細胞HCC78の増殖抑制フィッティンググラフである。
図2】本発明の実施例10のヒト悪性神経膠腫細胞U87MGの増殖抑制フィッティンググラフである。
図3】本発明の実施例10のヒト胃癌細胞MKN-45の増殖抑制フィッティンググラフである。
図4】本発明の実施例10のヒト肺腺癌細胞HCC78の増殖抑制フィッティンググラフである。
図5】本発明の実施例10のヒト卵巣癌細胞SK-OV-3の増殖抑制フィッティンググラフである。
図6】本発明の実施例10のヒト大腸癌細胞HCT116の増殖抑制フィッティンググラフである。
図7】本発明の実施例10のヒト肺腺癌細胞A549の増殖抑制フィッティンググラフである。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下、図面と具体的な実施形態を結びつけて、本発明をより詳細に説明する。
【0019】
実施例1:チロシンキナーゼ阻害剤化合物24の合成
【0020】
【化6】
ここで、化合物Aは、
【0021】
【化7】
であり、
以下のステップを含む。
ステップ1:1.3g、7mmolのトランス-1,2-シクロプロパンジカルボン酸ジエチルエステル(trans-1,2-cyclopropanedicarboxylic acid diethyl ester)である化合物19を50mlのメタノールに溶解させ、そして、前記溶液に1Nの1mol/L水酸化ナトリウム溶液を添加し、室温下で一晩撹拌した。そして、一晩攪拌した反応液を水で希釈し、酢酸エチル(ethyl acetate)で抽出した。抽出して獲得された有機相を飽和食塩水で洗浄し、水で洗浄した後、無水硫酸ナトリウムを添加して乾燥させ、そして濃縮蒸発乾燥させた。蒸発乾燥させた後、シリカゲルカラムクロマトグラフィーで前記濃縮して蒸発された有機相を精製させて、1g、77%収率の黄色の油性物20を獲得し、化合物20は、トランス-1,2-シクロプロパンジカルボン酸モノエチルエステル(Trans-1,2-cyclopropanedicarboxylic acid monoethyl ester)であり、具体的な反応式は下記の通りである。
【0022】
【化8】
【0023】
ステップ2:1g、6mmolの化合物20を30mLのジメチルホルムアミドDMFに溶解させ、そして前記溶液に4.6g、12mmolのポリペプチド縮合試薬HATU及び3mLのトリエチルアミン(triethylamine)を添加して、室温で0.5h攪拌した後、0.6g、6mmolのモルホリン(morpholine)を添加し、室温下で一晩撹拌した。そして、一晩攪拌した反応液を水で希釈した後、酢酸エチルで抽出した。抽出して獲得された有機相を飽和食塩水で洗浄し、水で洗浄した後、無水硫酸ナトリウムを添加して乾燥させ、そして濃縮して蒸発させた。蒸発乾燥させた後、シリカゲルカラムクロマトグラフィーで前記濃縮して蒸発された有機相を精製させて、1g、77%収率の無色の液体化合物21を獲得し、化合物21は、(1s,2s)-2-モルホリン-4-カルボニル)シクロプロパンエチルエステル((1s,2s)-2-morpholine-4-carbonyl)cyclopropaneethyl ester)であり、具体的な反応式は下記の通りである。
【0024】
【化9】
【0025】
ステップ3:1g、4mmolの化合物21を30mLのTHFに溶解させ、アイスバス下で1Nの1mol/L水素化アルミニウムリチウムLAH溶液を添加し、室温で2h撹拌した。そして均一に攪拌した反応液を硫酸ナトリウム十水和物にクエンチングさせ、濾過する。抽出して獲得された有機相を飽和食塩水で洗浄し、水で洗浄した後、無水硫酸ナトリウムを添加して乾燥させ、そして濃縮して蒸発させた。シリカゲルカラムクロマトグラフィー精製させ、蒸発乾燥させた後、シリカゲルカラムクロマトグラフィーで前記濃縮して蒸発された有機相を精製させ、0.5g、66%収率の無色の液体化合物22を獲得し、化合物22は、(1s,2s)-2-モルホリンメチル)シクロプロピルメタノール((1s,2s)-2-morpholinemethyl)cyclopropylmethanol)であり、具体的な反応式は下記の通りである。
【0026】
【化10】
【0027】
ステップ4:0.3g、1.7mmolの化合物22を30mLのジクロロメタン(dichloromethane)に溶解させ、そして前記溶液に0.3g、3.4mmolのN-メチルピロール(N-methylpyrrole)と0.3g、1.7mmolのp-トルエンスルホニルクロリド(p-toluenesulfonyl chloride)を添加し、室温下で一晩撹拌した。そして一晩攪拌した反応液を水で希釈した後、酢酸エチルで抽出した。抽出して獲得された有機相を飽和食塩水で洗浄し、水で洗浄した後、無水硫酸ナトリウムを添加して乾燥させ、そして濃縮して蒸発させた。蒸発乾燥させた後、シリカゲルカラムクロマトグラフィーで前記濃縮して蒸発された有機相を精製させて、0.1g、18%収率の白色固体の化合物23を獲得し、化合物23は、((1s,2s)-2-モルホリンメチル)シクロプロピル-p-メチルベンゼンスルホン酸メチル((1s,2s)-2-morpholinemethyl)cyclopropyl-p-methyl benzenesulfonic acid methyl ester)であり、具体的な反応式は下記の通りである。
【0028】
【化11】
【0029】
ステップ5:0.1g、0.2mmolのN-p-フルオロフェニル-N-3-フルオロ-4-(6-メトキシ-7-ヒドロキシキノリン-4-)オキシフェニルシクロプロパン-1,1-ジメチルフォルムアミド(N-p-fluorophenyl-N-3-fluoro-4-(6-methoxy-7-hydroxyquinolin-4)oxyphenylcyclopropane-1,1-dimethylformamide)である化合物Aと0.1g、0.3mmolの化合物23を10mLのアセトニトリル(acetonitrile)に溶解させ、そして前記溶液に0.2g、0.5mmolの炭酸セシウム(cesium carbonate)を添加して一晩撹拌し、還流させる。そして一晩攪拌した反応液を水で希釈した後、酢酸エチルで抽出した。抽出して獲得された有機相を飽和食塩水で洗浄し、水で洗浄した後、無水硫酸ナトリウムを添加して乾燥させ、そして濃縮して蒸発させた。蒸発乾燥させた後、逆相製法で前記濃縮して蒸発された有機相を精製させて、0.01g、8%収率の黄色固体の化合物24を獲得し、化合物24は、N-p-フルオロフェニル-N-3-フルオロ-4-[6-メトキシ-7-(1S,2S)-2-モルホリンメチルシクロプロピルメトキシキノリン-4-]オキシフェニルシクロプロパン-1,1-ジメチルホルムアミド(N-p-fluorophenyl-N-3-fluoro-4-[6-methoxy-7(1S,2S)-2-morpholinemethylcyclopropylmethoxyquinolin-4]oxyphenylcyclopropane-1,1-dimethylformamide)であり、具体的な反応式は下記の通りである。
【0030】
【化12】
【0031】
実施例2:チロシンキナーゼ阻害剤化合物5の合成
【0032】
【化13】
【0033】
以下のステップを含む。
ステップ1:1g、5.2mmolの3-(ベンジルオキシメチル)シクロブタン-1-オン(3-(benzyloxy methyl)cyclobutan-1-one)である化合物1と0.46g、5.2mmolのモルホリンを30mLのジクロロエタンに溶解させ、そして前記溶液に3.3g、15.6mmolのナトリウムボロハイドライド酢酸(sodium borohydride acetate)と酢酸1滴を添加し、一晩還流攪拌させた。そして一晩攪拌した反応液を水で希釈した後、酢酸エチルで抽出した。抽出して獲得された有機相を飽和食塩水で洗浄し、水で洗浄した後、無水硫酸ナトリウムを添加して乾燥させ、そして濃縮して蒸発させた。蒸発乾燥させた後、シリカゲルカラムクロマトグラフィーで前記濃縮して蒸発された有機相を精製させて、1g、73%収率の無色の液体化合物2を獲得し、化合物2は、(3-モルホリン-シクロブチル-1-)メチルベンジルエーテル((3-morpholine-cyclobutyl-1-)methylbenzyl ether)であり、具体的な反応式は下記の通りである。
【0034】
【化14】
【0035】
ステップ2:1g、3.8mmolの化合物2を30mLのメタノールに溶解させ、溶液に0.1gのパラジウムブラックと2mLのギ酸を添加し、一晩還流攪拌させた。そして一晩攪拌した反応液を水で希釈した後、酢酸エチルで抽出した。抽出して獲得された有機相を飽和食塩水で洗浄し、水で洗浄した後、無水硫酸ナトリウムを添加して乾燥させ、そして濃縮して蒸発させた。蒸発乾燥させた後、シリカゲルカラムクロマトグラフィーで前記濃縮して蒸発された有機相を精製させて、0.3g、46%収率の無色の液体化合物3を獲得し、化合物3は、3-モルホリン-シクロブチルメタノール(3-morpholine-cyclobutylmethanol)であり、具体的な反応式は下記の通りである。
【0036】
【化15】
【0037】
ステップ3:0.3g、1.7mmolの化合物3を30mLのジクロロメタンに溶解させ、そして前記溶液に0.3g、3.4mmolのN-メチルピロールと0.3g、1.7mmolのp-トルエンスルホニルクロリドを添加し、室温下で一晩撹拌した。そして一晩攪拌した反応液を水で希釈した後、酢酸エチルで抽出した。抽出して獲得された有機相を飽和食塩水で洗浄し、水で洗浄した後、無水硫酸ナトリウムを添加して乾燥させ、そして濃縮して蒸発させた。蒸発乾燥させた後、シリカゲルカラムクロマトグラフィーで前記濃縮して蒸発された有機相を精製させ、0.2g、35%収率の白色固体の化合物4を獲得し、化合物4は、N-p-フルオロフェニル-N-3-フルオロ-4-(6-メトキシ-7-ヒドロキシキノリン-4-)オキシフェニルシクロプロパン-1,1-ジメチルホルムアミド((N-p-fluorophenyl-N-3-fluoro-4-(6-methoxy-7-hydroxyquinolin-4-)oxyphenylcyclopropane-1,1-dimethylamide)であり、具体的な反応式は下記の通りである。
【0038】
【化16】
【0039】
ステップ4:0.1g、0.2mmolのN-p-フルオロフェニル-N-3-フルオロ-4-(6-メトキシ-7-ヒドロキシキノリン-4-)オキシフェニルシクロプロパン-1,1-ジメチルフォルムアミドである化合物Aと0.1g、0.3mmolの化合物4を10mLのアセトニトリルに溶解させ、0.2g、0.5mmolの炭酸セシウムを添加し、一晩還流攪拌させた。そして一晩攪拌した反応液を水で希釈した後、酢酸エチルで抽出した。抽出して獲得された有機相を飽和食塩水で洗浄し、水で洗浄した後、無水硫酸ナトリウムを添加して乾燥させ、そして濃縮して蒸発させた。蒸発乾燥させた後、逆相製法で前記濃縮して蒸発された有機相を精製させて、0.02g、16%収率の黄色固体の化合物5を獲得し、化合物5は、N-p-フルオロフェニル-N-3-フルオロ-4-[6-メトキシ-7-(3-モルホリン-シクロブチル)メトキシキノリン-4-]オキシフェニルシクロプロパン-1,1-ジメチルホルムアミド(N-p-fluorophenyl-N-3-fluoro-4[6-methoxy-7-(3-morpholine-cyclobutyl)methoxyquinolin-4]oxyphenylcyclopropane-1,1-dimethylformamide)であり、具体的な反応式は下記の通りである。
【0040】
【化17】
【0041】
実施例3:チロシンキナーゼ阻害剤化合物10の合成
【0042】
【化18】
【0043】
以下のステップを含む。
ステップ1:1g、5.2mmolの3-ベンジルオキシシクロブタン-1-オン(3-benzyloxycyclobutan-1-one)である化合物6と0.46g、5.2mmolのモルホリンを30mLのジクロロエタンに溶解させ、そして前記溶液に3.3g、15.6mmolのナトリウムボロハイドライド酢酸と酢酸1滴を加えて、室温下で一晩撹拌した。そして一晩攪拌した反応液を水で希釈した後、酢酸エチルで抽出した。抽出して獲得された有機相を飽和食塩水で洗浄し、水で洗浄した後、無水硫酸ナトリウムを添加して乾燥させ、そして濃縮して蒸発させた。蒸発乾燥させた後、シリカゲルカラムクロマトグラフィーで前記濃縮して蒸発された有機相を精製させて、1.1g、80%収率の無色の液体化合物7を獲得し、化合物7は、3-モルホリン-シクロブチルベンジルエーテル(3-morpholine-cyclobutylbenzyl ether)であり、具体的な反応式は下記の通りである。
【0044】
【化19】
【0045】
ステップ2:1g、3.8mmolの化合物7を30mLのメタノールに溶解させ、そして溶液に0.1gのパラジウムブラックと2mLのギ酸を添加し、一晩還流攪拌させた。そして一晩攪拌した反応液を水で希釈した後、酢酸エチルで抽出した抽出して獲得された有機相を飽和食塩水で洗浄し、水で洗浄した後、無水硫酸ナトリウムを添加して乾燥させ、そして濃縮して蒸発させた。蒸発乾燥させた後、シリカゲルカラムクロマトグラフィーで前記濃縮して蒸発された有機相を精製させて、0.3g、46%収率の無色の液体化合物8を獲得し、化合物8は、3-モルホリン-シクロブタノール(3-morpholine-cyclobutanol)であり、具体的な反応式は下記の通りである。
【0046】
【化20】
【0047】
ステップ3:0.3g、1.7mmolの化合物8を30mLのジクロロメタンに溶解させ、そして溶液に0.3g、3.4mmolのN-メチルピロールと0.3g、1.7mmolのp-トルエンスルホニルクロリドを添加し、室温下で一晩撹拌した。そして一晩攪拌した反応液を水で希釈した後、酢酸エチルで抽出した。抽出して獲得された有機相を飽和食塩水で洗浄し、水で洗浄した後、無水硫酸ナトリウムを添加して乾燥させ、そして濃縮して蒸発させた。蒸発乾燥させた後、シリカゲルカラムクロマトグラフィーで前記濃縮して蒸発された有機相を精製させて、0.1g、18%収率の白色固体の化合物9を獲得し、化合物9は、p-トルエンスルホン酸(3-モルホリン-シクロブチル)エステル(p-toluenesulfonic acid(3-morpholine-cyclobutyl)ester)であり、具体的な反応式は下記の通りである。
【0048】
【化21】
【0049】
ステップ4:0.1g、0.2mmolのN-p-フルオロフェニル-N-3-フルオロ-4-(6-メトキシ-7-ヒドロキシキノリン-4-)オキシフェニルシクロプロパン-1,1-ジメチルフォルムアミドである化合物Aを10mLのジオキサン(dioxane)に溶解させ、そして溶液に0.02g、0.2mmolのカリウムtert-ブトキシド(potassium tert-butoxide)を添加し、室温下で半時間攪拌した後、0.1g、0.3mmolの化合物9を添加し、50℃の条件下で一晩撹拌した。そして一晩攪拌した反応液を水で希釈した後、酢酸エチルで抽出した。抽出して獲得された有機相を飽和食塩水で洗浄し、水で洗浄した後、無水硫酸ナトリウムを添加して乾燥させ、そして濃縮して蒸発させた。蒸発乾燥させた後、逆相製法で前記濃縮して蒸発された有機相を精製させて、0.1g、8%収率の黄色固体の化合物10を獲得し、化合物10は、N-p-フルオロフェニル-N-3-フルオロ-4-[6-メトキシ-7-(3-モルホリン-シクロブチル)オキシキノリン-4-]オキシフェニルシクロプロパン-1,1-ジメチルホルムアミド(N-p-fluorophenyl-N-3-fluoro-4-[6-methoxy-7-(3-morpholine-cyclobutyl)oxyquinoline-4]oxyphenylcyclopropane-1,1-dimethylformamide)であり、具体的な反応式は下記の通りである。
【0050】
【化22】
【0051】
実施例4:チロシンキナーゼ阻害剤化合物38の合成
【0052】
【化23】
【0053】
ここで、化合物Bは、下記のような構造式を有する。
【0054】
【化24】
【0055】
以下のステップを含む。
ステップ1:1g、5.2mmolの3-ベンジルオキシシクロブタン-1-オンである化合物34と0.46g、5.2mmolのモルホリンを30mLのジクロロエタンに溶解させ、そして溶液に3.3g、15.6mmolのナトリウムボロハイドライド酢酸と酢酸1滴を加えて、室温下で一晩撹拌した。そして一晩攪拌した反応液を水で希釈した後、酢酸エチルで抽出した。抽出して獲得された有機相を飽和食塩水で洗浄し、水で洗浄した後、無水硫酸ナトリウムを添加して乾燥させ、そして濃縮して蒸発させた。蒸発乾燥させた後、シリカゲルカラムクロマトグラフィーで前記濃縮して蒸発された有機相を精製させて、1.1g、80%収率の無色の液体化合物35を獲得し、化合物35は、3-モルホリン-シクロブチルベンジルエーテル(3-morpholine-cyclobutylbenzyl ether)であり、具体的な反応式は下記の通りである。
【0056】
【化25】
【0057】
ステップ2:1g、3.8mmolの化合物35を30mLのメタノールに溶解させ、そして前記溶液に0.1gのパラジウムブラックと2mLのギ酸を添加し、一晩還流攪拌させた。そして一晩攪拌した反応液を水で希釈した後、酢酸エチルで抽出した。抽出して獲得された有機相を飽和食塩水で洗浄し、水で洗浄した後、無水硫酸ナトリウムを添加して乾燥させ、そして濃縮して蒸発させた。蒸発乾燥させた後、シリカゲルカラムクロマトグラフィーで前記濃縮して蒸発された有機相を精製させて、0.3g、46%収率の無色の液体化合物36を獲得し、化合物36は、3-モルホリン-シクロブタノール(3-morpholine-cyclobutanol)であり、具体的な反応式は下記と同じである。
【0058】
【化26】
【0059】
ステップ3:0.3g、1.7mmolの化合物36を30mLのジクロロメタンに溶解させ、0.3g、3.4mmolのN-メチルピロールと0.3g、1.7mmolのp-トルエンスルホニルクロリドを添加し、室温下で一晩撹拌した。そして一晩攪拌した反応液を水で希釈した後、酢酸エチルで抽出した。抽出して獲得された有機相を飽和食塩水で洗浄し、水で洗浄した後、無水硫酸ナトリウムを添加して乾燥させ、そして濃縮して蒸発させた。蒸発乾燥させた後、シリカゲルカラムクロマトグラフィーで前記濃縮して蒸発された有機相を精製させ、0.1g、18%収率の白色固体の化合物37を獲得し、化合物37は、3-モルホリン-シクロブチルベンジルエーテル(3-morpholine-cyclobutylbenzyl ether)であり、具体的な反応式は下記の通りである。
【0060】
【化27】
【0061】
ステップ4:0.1g、0.2mmolのN-p-フルオロフェニル-N-3-フルオロ-4-(6-メトキシ-7-ヒドロキシキノリン-4-)オキシフェニルシクロブタン-1,1-ジメチルフォルムアミド(N-p-fluorophenyl-N-3-fluoro-4-(6-methoxy-7-hydroxyquinolin-4)oxyphenylcyclobutane-1,1-dimethylformamide)である化合物Bを10mLのジオキサンに溶解させ、0.02g、0.2mmolのカリウムtert-ブトキシドを添加し、室温下で半時間攪拌した後、0.1g、0.3mmolのp-トルエンスルホン酸(3-モルホリン-シクロブチル)エステルである化合物33を添加し、50℃の条件の下で一晩撹拌した。そして一晩攪拌した反応液を水で希釈した後、酢酸エチルで抽出した。抽出して獲得された有機相を飽和食塩水で洗浄し、水で洗浄した後、無水硫酸ナトリウムを添加して乾燥させ、そして濃縮して蒸発させた。蒸発乾燥させた後、逆相製法で前記濃縮して蒸発された有機相を精製させて、0.01g、8%収率の黄色固体の化合物38を獲得し、化合物38は、N-p-フルオロフェニル-N-3-フルオロ-4-[6-メトキシ-7-(3-モルホリン-シクロブチル)オキシキノリン-4-]オキシフェニルシクロブタン-1,1-ジメチルホルムアミド(N-p-fluorophenyl-N-3-fluoro-4-[6-methoxy-7-(3-morpholine-cyclobutyl)oxyquinoline-4-]oxyphenylcyclobutane-1,1-dimethylformamide)であり、具体的な反応式は下記の通りである。
【0062】
【化28】
【0063】
実施例5:チロシンキナーゼ阻害剤化合物15の合成
【0064】
【化29】
【0065】
以下のステップを含む。
ステップ1:2g、12mmolの2,2-ジフルオロマロン酸ジメチルである化合物11及び1g、12mmolのモルホリンを30mLのDMFに溶解させ、100℃の条件下で一晩撹拌した。そして一晩攪拌した反応液を水で希釈した後、酢酸エチルで抽出した。抽出して獲得された有機相を飽和食塩水で洗浄し、水で洗浄した後、無水硫酸ナトリウムを添加して乾燥させ、そして濃縮して蒸発させた。蒸発乾燥させた後、シリカゲルカラムクロマトグラフィーで前記濃縮して蒸発された有機相を精製させて、1.5g、57%収率の無色の液体化合物12を獲得し、化合物12は、メチル2,2-ジフルオロ-3-モルホリン-3-オキソプロピオネート(methyl2,2-difluoro-3-morpholine-3-oxopropionate)であり、具体的な反応式は下記の通りである。
【0066】
【化30】
【0067】
ステップ2:1.5g、7mmolの化合物12を30mLのテトラヒドロフランTHFに溶解させ、アイスバス下で1mol/Lの28mL、28mmolのLAHを添加し、室温で2h撹拌した。そして一晩攪拌した反応液を硫酸ナトリウム十水和物でクエンチングさせた後、ろ過した。抽出して獲得された有機相を飽和食塩水で洗浄し、水で洗浄した後、無水硫酸ナトリウムを添加して乾燥させ、そして濃縮して蒸発させた。蒸発乾燥させた後、シリカゲルカラムクロマトグラフィーで前記濃縮して蒸発された有機相を精製させて、0.5g、41%収率の無色の液体化合物13を獲得し、化合物13は、2,2-ジフルオロ-3-モルホリン-1-プロパノール(2,2-difluoro-3-morpholine-1-propanol)であり、具体的な反応式は下記の通りである。
【0068】
【化31】
【0069】
ステップ3:0.3g、1.7mmolの化合物13を30mLのジクロロメタンに溶解させ、そして溶液に0.3g、3.4mmolのN-メチルピロールと0.3g、1.7mmolのp-トルエンスルホニルクロリドを添加し、室温下で一晩撹拌した。そして一晩攪拌した反応液を水で希釈した後、酢酸エチルで抽出した。抽出して獲得された有機相を飽和食塩水で洗浄し、水で洗浄した後、無水硫酸ナトリウムを添加して乾燥させ、そして濃縮して蒸発させた。蒸発乾燥させた後、シリカゲルカラムクロマトグラフィーで前記濃縮して蒸発された有機相を精製させて、0.1g、18%収率の白色固体の化合物14を獲得し、化合物14は、p-トルエンスルホン酸(2,2-ジフルオロ-3-モルホリン-1-)プロピルエステル(p-toluene sulfonic acid(2、2-difluoro-3-morpholine-1-)propyl ester)であり、具体的な反応式は下記の通りである。
【0070】
【化32】
【0071】
ステップ4:0.1g、0.2mmolのN-p-フルオロフェニル-N-3-フルオロ-4-(6-メトキシ-7-ヒドロキシキノリン-4-)オキシフェニルシクロプロパン-1,1-ジメチルフォルムアミドである化合物Aと0.1g、0.3mmolの化合物14を10mLのアセトニトリルに溶解させ、そして溶液に0.2g、0.5mmolの炭酸セシウムを添加し、一晩還流攪拌させた。そして一晩攪拌した反応液を水で希釈した後、酢酸エチルで抽出した。抽出して獲得された有機相を飽和食塩水で洗浄し、水で洗浄した後、無水硫酸ナトリウムを添加して乾燥させ、そして濃縮して蒸発させた。蒸発乾燥させた後、逆相製法で前記濃縮して蒸発された有機相を精製させて、0.01g、8%収率の黄色固体の化合物15を獲得し、化合物15は、N-p-フルオロフェニル-N-3-フルオロ-4-[6-メトキシ-7-(2,2-ジフルオロ-3-モルホリン-1-)プロポキシキノリン-4-]オキシフェニルシクロプロパン-1,1-ジメチルホルムアミド(N-p-fluorophenyl-N-3-fluoro-4[6-methoxy-7-(2,2-difluoro-3-morpholine-1-)propoxyquinoline-4]oxyphenylcyclopropane-1,1-dimethylformamide)であり、具体的な反応式は下記の通りである。
【0072】
【化33】
【0073】
実施例6:チロシンキナーゼ阻害剤化合物27の合成
【0074】
【化34】
化合物Aは、
【0075】
【化35】
であり、
【0076】
以下のステップを含む。
ステップ1:0.1g、1mmolのN-アミノモルホリン(N-aminomorpholine)である化合物25と0.18g、1mmolの1,2-ジブロモエタン(1,2-dibromoethane)を10mLのアセトニトリルに溶解させ、そして溶液に0.65g、2mmolの炭酸セシウムを添加し、室温下で一晩撹拌した。そして一晩攪拌した反応液を水で希釈した後、酢酸エチルで抽出した。抽出して獲得された有機相を飽和食塩水で洗浄し、水で洗浄した後、無水硫酸ナトリウムを添加して乾燥させ、そして濃縮して蒸発させた。蒸発乾燥させた後、シリカゲルカラムクロマトグラフィーで前記濃縮して蒸発された有機相を精製させて、0.1g、50%収率の無色の液体化合物26を得て、化合物26は、N-(2-ブロモエチル)モルホリン-4-アミン(N-(2-bromoethyl)morpholine-4-amine)であり、具体的な反応式は下記の通りである。
【0077】
【化36】
【0078】
ステップ2:0.1g、0.2mmolのN-p-フルオロフェニル-N-3-フルオロ-4-(6-メトキシ-7-ヒドロキシキノリン-4-)オキシフェニルシクロプロパン-1,1-ジメチルフォルムアミドである化合物Aと0.06g、0.3mmolの化合物26を10mLのアセトニトリルに溶解させ、そして溶液に0.2g、0.5mmolの炭酸セシウムを添加し、一晩還流攪拌させた。そして一晩攪拌した反応液を水で希釈した後、酢酸エチルで抽出した。抽出して獲得された有機相を飽和食塩水で洗浄し、水で洗浄した後、無水硫酸ナトリウムを添加して乾燥させ、そして濃縮して蒸発させた。蒸発乾燥させた後、逆相製法で前記濃縮して蒸発された有機相を精製させて、0.01g、8%収率の黄色固体の化合物27を獲得し、化合物27は、N-p-フルオロフェニル-N-3-フルオロ-4-[6-メトキシ-7-(モルホリン-4-アミン)エトキシキノリン-4-]オキシフェニルシクロプロパン-1,1-ジメチルホルムアミド(N-p-fluorophenyl-N-3-fluoro-4[6-methoxy-7-(morpholin-4-amine)ethoxyquinolin-4]oxyphenylcyclopropane-1,1-dimethylformamide)であり、具体的な反応式は下記の通りである。
【0079】
【化37】
【0080】
実施例7:チロシンキナーゼ阻害剤化合物30の合成
【0081】
【化38】
【0082】
以下のステップを含む。
ステップ1:0.1g、1mmolの4-アミノモルホリン-3-オン(4-aminomorpholin-3-one)である化合物28と0.18g、1mmolの1,2-ジブロモエタンを10mLのアセトニトリルに溶解させ、そして溶液に0.65g、2mmolの炭酸セシウムを添加し、室温下で一晩撹拌した。そして一晩攪拌した反応液を水で希釈した後、酢酸エチルで抽出した。抽出して獲得された有機相を飽和食塩水で洗浄し、水で洗浄した後、無水硫酸ナトリウムを添加して乾燥させ、そして濃縮して蒸発させた。蒸発乾燥させた後、シリカゲルカラムクロマトグラフィーで前記濃縮して蒸発された有機相を精製させて、0.1g、50%収率の無色の液体化合物29を獲得し、化合物29は、(2-ブロモエチルアミノ)モルホリン-3-オン((2-bromoethylamino)morpholin-3-one)であり、具体的な反応式は下記の通りである。
【0083】
【化39】
【0084】
ステップ2:0.1g、0.2mmolのN-p-フルオロフェニル-N-3-フルオロ-4-(6-メトキシ-7-ヒドロキシキノリン-4-)オキシフェニルシクロプロパン-1,1-ジメチルフォルムアミドである化合物Aと0.06g、0.3mmol化合物29を10mLのアセトニトリルに溶解させ、そして溶液に0.2g、0.5mmolの炭酸セシウムを添加し、一晩還流攪拌させた。そして一晩攪拌した反応液を水で希釈した後、酢酸エチルで抽出した。抽出して獲得された有機相を飽和食塩水で洗浄し、水で洗浄した後、無水硫酸ナトリウムを添加して乾燥させ、そして濃縮して蒸発させた。蒸発乾燥させた後、逆相製法で前記濃縮して蒸発された有機相を精製させて、0.012g、9%収率の黄色固体の化合物30を獲得し、化合物30は、N-p-フルオロフェニル-N-3-フルオロ-4-[6-メトキシ-7-(3-オキソモルホリンアミン)エトキシキノリン-4-]オキシフェニルフェニルプロパン-1,1-ジメチルホルムアミド(Np-fluorophenyl-N-3-fluoro-4-[6-methoxy-7-(3-oxomorpholamine)ethoxyquinolin-4-]oxyphenylcyclopropene-1,1-dimethylformamide)であり、具体的な反応式は下記の通りである。
【0085】
【化40】
【0086】
実施例8:チロシンキナーゼ阻害剤化合物33の合成
【0087】
【化41】
【0088】
以下のステップを含む。
ステップ1:0.1g、0.7mmolの3-モルホリンアゼチジン(3-morpholine azetidine)である化合物31と0.12g、0.7mmolの1,2-ジブロモエタンを10mLのアセトニトリルに溶解させ、そして前記溶液に0.65g、2mmolの炭酸セシウムを添加し、室温下で一晩撹拌した。そして一晩攪拌した反応液を水で希釈した後、酢酸エチルで抽出した。抽出して獲得された有機相を飽和食塩水で洗浄し、水で洗浄した後、無水硫酸ナトリウムを添加して乾燥させ、そして濃縮して蒸発させた。蒸発乾燥させた後、シリカゲルカラムクロマトグラフィーで前記濃縮して蒸発された有機相を精製させて、0.1g、50%収率の無色の液体化合物32を獲得し、化合物32は、ブロモエチルアゼティーデニールモルホリン(bromoethylazetidinyl morpholine)であり、具体的な反応式は下記の通りである。
【0089】
【化42】
【0090】
ステップ2:0.1g、0.2mmolのN-p-フルオロフェニル-N-3-フルオロ-4-(6-メトキシ-7-ヒドロキシキノリン-4-)オキシフェニルシクロプロパン-1,1-ジメチルフォルムアミドである化合物Aと0.06g、0.24mmolの化合物32を10mLアセトニトリルに溶解させ、そして前記溶液に0.2g、0.5mmolの炭酸セシウムを添加し、一晩還流攪拌させた。そして一晩攪拌した反応液を水で希釈した後、酢酸エチルで抽出した。抽出して獲得された有機相を飽和食塩水で洗浄し、水で洗浄した後、無水硫酸ナトリウムを添加して乾燥させ、そして濃縮して蒸発させた。蒸発乾燥させた後、逆相製法で前記濃縮して蒸発された有機相を精製させ、0.09g、8%収率の黄色固体の化合物33を獲得し、化合物33は、N-p-フルオロフェニル-N-3-フルオロ-4-[6-メトキシ-7-(モルホリン-3-キナーゼチディン-1-)エトキシキノリン-4-]オキシフェニルシクロプロパン-1,1-ジメチルホルムアミド(N-p-fluorophenyl-N-3-fluoro-4-[6-methoxy-7-(morpholin-3-azetidin-1-yl)ethoxyquinolin-4-]oxyphenylcyclopropane-1,1-dimethylformamide)であり、具体的な反応式は下記の通りである。
【0091】
【化43】
【0092】
実施例9:チロシンキナーゼ阻害活性の検出
前記実施例の化合物をC-METとKDRキナーゼ阻害活性の検出及びスクリーニングに適用した。
1.方法
(1)384ウェルプレートに4μLの調製されたキナーゼ緩衝液を添加し、または4μLのキナーゼ溶液(100%抑制対照群)を添加する。ウェルに2μLの化合物を添加し、または2μLの化合物を含まないbuffer(0%inhibition対照群)を添加する。上記のすべてのサンプルまたは対照群は、いずれも2つのデュプリケートウェルが設置される。
(2)25℃で5minインキュベーションさせる。
(3)ウェルに2μLのATP/基質/MgCl2/MnCl2/SEB/DTT混合液を添加する。
(4)1000rpmで1min間遠心分離し、30℃で30min間振とうインキュベーションさせる。
(5)ウェルに8μLのXL-665/抗体の混合液を添加する。
(6)25℃で1hインキュベーションさせる。
(7)PHERAstar FS機器で665nmと620nmの信号を読み出す。
(8)キットのマニュアルに基づいてデータを分析し、GraphPad Prism5を使用してIC50をフィッティングして計算した。
Ratio==665nm/620nm
【0093】
【数1】
【0094】
2.実験結果
試験化合物及び参照化合物のそれぞれの検出結果を下記表1及び2に要約し、ここで、対照化合物は、現存するC-METキナーゼ阻害剤Foretinib(構造式は下記の通りである)である。For-Oxide、For-Methylの化学構造式も以下の通りである。
【0095】
【化44】
【0096】
【化45】
【0097】
【表1】
【0098】
【表2】
【0099】
表1~2のデータからわかるように、本発明の前記実施例の化合物は、C-MET、KDRなどチロシンキナーゼの阻害活性を有する。
【0100】
実施例10:腫瘍細胞増殖に対する阻害試験
1.方法
(1)細胞培養:細胞培地で腫瘍細胞(ヒト肺腺癌細胞HCC78、ヒト悪性神経膠腫細胞U87MG、ヒト胃癌細胞MKN-45、ヒト臍帯静脈内皮細胞HUVEC、ヒト肺腺癌細胞A549など)を培養し、培養条件は、37℃、5%のCO2である。
(2)細胞接種:指数成長段階の良好な状態の細胞を取り、細胞を消化させるための適切な量のトリプシンを添加し、遠心分離のために、細胞を収集し、上清を捨てる。細胞を血清含有培地に再懸濁し、そしてカウントしながら、細胞懸濁液を取り、96ウェルプレートで3000μL/ウェル、90μL/ウェルで接種した。培養プレートを一定の温度のCO2インキュベーターに移し、37℃、5%CO2と飽和湿度で24時間培養した。
(3)試験化合物を添加:10μL/ウェルで、72時間培養して、各グループに3つの平行ウェルを提供した。
(4)結果の測定:72時間の化合物の作用の後、10μL/ウェルのCCK8を添加し、インキュベーターで適当な時間インキュベーションさせ、450nmで吸光度を測定した。

各試験化合物の検出結果は、表3~6に要約された。
【0101】
【表3】
【0102】
【表4】
【0103】
【表5】
【0104】
【表6】
【0105】
表3~6のデータから分かるように、本発明の化合物は、C-MET、KDRなどチロシンキナーゼの活性を阻害することにより、ヒト肺腺癌細胞、ヒト胃癌細胞、ヒト大腸癌細胞、ヒト卵巣癌細胞、ヒト悪性神経膠腫細胞など様々な癌細胞の増殖を効果的に抑制することができ、特に癌の治療に適用される。
前述した実施例は、本発明の実施形態を説明するためのものであるだけで、その説明は具体的かつ詳細であるが、本発明の特許請求の範囲を制限するものと解釈してはならない。本発明の思想を逸脱しない前提の下で、当業者によって多様な変形及び修正が行うことができ、これらはすべて本発明の保護範囲内であることを知るべきである。従って、本発明の特許の保護範囲は、添付された特許請求の範囲を基準とする。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7