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特許7487931靴の製造装置、靴の製造方法、靴の製造プログラム及び靴
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-05-13
(45)【発行日】2024-05-21
(54)【発明の名称】靴の製造装置、靴の製造方法、靴の製造プログラム及び靴
(51)【国際特許分類】
   B29D 35/00 20100101AFI20240514BHJP
   A43B 13/14 20060101ALI20240514BHJP
【FI】
B29D35/00
A43B13/14 Z
【請求項の数】 5
(21)【出願番号】P 2020103345
(22)【出願日】2020-06-15
(65)【公開番号】P2021194862
(43)【公開日】2021-12-27
【審査請求日】2023-05-02
【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第2項適用 公開者 株式会社PR TIMES 公開ウェブサイトのアドレス https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000007.000040823.html?fbclid=IwAR3-qIL3xyXoEpdeWyxBPU-rTiHeI81wgwP2BI4LOsvJ6PN8M0YsaCa2uXQ 公開日 令和2年6月1日 他12件
(73)【特許権者】
【識別番号】520214824
【氏名又は名称】株式会社MAGARIMONO
(74)【代理人】
【識別番号】110002516
【氏名又は名称】弁理士法人白坂
(72)【発明者】
【氏名】津曲 文登
(72)【発明者】
【氏名】小野 正晴
【審査官】渡邉 洋
(56)【参考文献】
【文献】特表2012-525211(JP,A)
【文献】特開2018-134277(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2017/0066196(US,A1)
【文献】特開2018-187363(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A43B 1/00- 23/30
A43C 1/00- 19/00
A43D 1/00-999/00
B29D35/00- 35/14
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ラストの形状に関するラストデータを記憶する記憶部と、
ユーザの足のサイズを含むサイズ情報が入力される入力部と、
前記記憶部に記憶されるラストデータと、入力部に入力されるサイズ情報とに基づいて、インソール、ミッドソール及びアウトソールが一体となったソールに関するソールモデルを生成するソールモデル生成部と、
前記記憶部に記憶されるラストデータと、前記入力部に入力されるサイズ情報とに基づいて、アッパに関するアッパモデルを生成するアッパモデル生成部と、
前記ソールモデル生成部によって生成されたソールモデルに基づいて、同一素材によりソールを一体で形成すると共に、前記アッパモデル生成部によって生成されたアッパモデルに基づいて、アッパを形成する3次元プリンタと、
を備える靴の製造装置。
【請求項2】
前記ソールモデル生成部は、ソールモデルの少なくとも底面に、連続性のあるサーフェス構造を配し、
前記3次元プリンタは、ソールモデルを形成する場合、ソールの少なくとも底面にサーフェス構造を形成する
請求項1に記載の靴の製造装置。
【請求項3】
ラストの形状に関するラストデータを記憶する記憶部を備える靴の製造装置が、
ユーザの足のサイズを含むサイズ情報が入力される入力ステップと、
前記記憶部に記憶されるラストデータと、入力ステップに入力されるサイズ情報とに基づいて、インソール、ミッドソール及びアウトソールが一体となったソールに関するソールモデルを生成するソールモデル生成ステップと、
前記記憶部に記憶されるラストデータと、前記入力ステップに入力されるサイズ情報とに基づいて、アッパに関するアッパモデルを生成するアッパモデル生成ステップと、
3次元プリンタにより、前記ソールモデル生成ステップによって生成されたソールモデルに基づいて、同一素材によりソールを一体で形成すると共に、前記アッパモデル生成ステップによって生成されたアッパモデルに基づいて、アッパを形成する形成ステップと、
を実行する靴の製造方法。
【請求項4】
靴の製造装置に、
ラストの形状に関するラストデータを記憶する記憶機能と、
ユーザの足のサイズを含むサイズ情報が入力される入力機能と、
前記記憶機能に記憶されるラストデータと、入力機能に入力されるサイズ情報とに基づいて、インソール、ミッドソール及びアウトソールが一体となったソールに関するソールモデルを生成するソールモデル生成機能と、
前記記憶機能に記憶されるラストデータと、前記入力機能に入力されるサイズ情報とに基づいて、アッパに関するアッパモデルを生成するアッパモデル生成機能と、
前記ソールモデル生成機能によって生成されたソールモデルに基づいて、同一素材によりソールを一体で形成すると共に、前記アッパモデル生成機能によって生成されたアッパモデルに基づいて、アッパを形成する3次元プリント機能と、
を実現させる備える靴の製造プログラム。
【請求項5】
インソール、ミッドソール及びアウトソールが一体となり、底面部を含む外側部分に不規則な又は規則的な連続性のあるサーフェス構造を備えるソールと、
前記ソールに接合されたアッパと、
を備える靴。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、靴の製造装置、靴の製造方法、靴の製造プログラム及び靴に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、靴は、ソールと、ソール上に接合されるアッパとを備える。アッパは、例えば、木型を用いることにより、革又は織物等によって形成される。また、ソールは、例えば、インソール、ミッドソール及びアウトソールを備える。靴を製造する場合、作業員は、まず、アッパをインソールに接着剤又は釘で取り付けて靴本体を形成する。次に、作業員は、ミッドソール及びとアウトソールを接着剤等で接合して靴底面を形成する。次に、作業員は、靴本体と靴底面とを接着材等で接合して靴を形成する。ここで、特許文献1に記載された技術は、インソールのみを3次元プリンタ等により製造している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2017-123974号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上述したように、従来のソールは、例えば、インソール、ミッドソール及びアウトソールの複数のパーツに別けられている。これは、例えば、各パーツに求められる硬さや機能が異なるため、各パーツをまとめて一体で形成することが難しかったからである。
しかし、ソールを一体で形成することができれば、靴の製造工程を簡略化することができる。
【0005】
本発明は、靴の製造工程を簡略化することが可能な靴の製造装置、靴の製造方法、靴の製造プログラム及び靴を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
一態様の靴の製造装置は、ラストの形状に関するラストデータを記憶する記憶部と、ユーザの足のサイズを含むサイズ情報が入力される入力部と、記憶部に記憶されるラストデータと、入力部に入力されるサイズ情報とに基づいて、インソール、ミッドソール及びアウトソールが一体となったソールに関するソールモデルを生成するソールモデル生成部と、記憶部に記憶されるラストデータと、入力部に入力されるサイズ情報とに基づいて、アッパに関するアッパモデルを生成するアッパモデル生成部と、ソールモデル生成部によって生成されたソールモデルに基づいて、同一素材によりソールを一体で形成すると共に、アッパモデル生成部によって生成されたアッパモデルに基づいて、アッパを形成する3次元プリンタと、を備える。
【0007】
一態様の靴の製造装置では、ソールモデル生成部は、ソールモデルの少なくとも底面に、連続性のあるサーフェス構造を配し、3次元プリンタは、ソールモデルを形成する場合、ソールの少なくとも底面にサーフェス構造を形成することとしてもよい。
【0008】
一態様の靴の製造方法では、ラストの形状に関するラストデータを記憶する記憶部を備える靴の製造装置が、ユーザの足のサイズを含むサイズ情報が入力される入力ステップと、記憶部に記憶されるラストデータと、入力ステップに入力されるサイズ情報とに基づいて、インソール、ミッドソール及びアウトソールが一体となったソールに関するソールモデルを生成するソールモデル生成ステップと、記憶部に記憶されるラストデータと、入力ステップに入力されるサイズ情報とに基づいて、アッパに関するアッパモデルを生成するアッパモデル生成ステップと、3次元プリンタにより、ソールモデル生成ステップによって生成されたソールモデルに基づいて、同一素材によりソールを一体で形成すると共に、アッパモデル生成ステップによって生成されたアッパモデルに基づいて、アッパを形成する形成ステップと、を実行する。
【0009】
一態様の靴の製造プログラムは、靴の製造装置に、ラストの形状に関するラストデータを記憶する記憶機能と、ユーザの足のサイズを含むサイズ情報が入力される入力機能と、記憶機能に記憶されるラストデータと、入力機能に入力されるサイズ情報とに基づいて、インソール、ミッドソール及びアウトソールが一体となったソールに関するソールモデルを生成するソールモデル生成機能と、記憶機能に記憶されるラストデータと、入力機能に入力されるサイズ情報とに基づいて、アッパに関するアッパモデルを生成するアッパモデル生成機能と、ソールモデル生成機能によって生成されたソールモデルに基づいて、同一素材によりソールを一体で形成すると共に、アッパモデル生成機能によって生成されたアッパモデルに基づいて、アッパを形成する3次元プリント機能と、を実現させる。
【0010】
一態様の靴は、インソール、ミッドソール及びアウトソールが一体となり、底面部を含む外側部分に不規則な又は規則的な連続性のあるサーフェス構造を備えるソールと、ソールに接合されたアッパと、を備える。
【発明の効果】
【0011】
一態様の靴の製造装置は、ラストデータと、ユーザの足のサイズに関するサイズ情報とに基づいて、インソール、ミッドソール及びアウトソールが一体となったソールに関するソールモデルを生成するソールモデル生成部と、ラストデータとサイズ情報とに基づいて、アッパに関するアッパモデルを生成するアッパモデル生成部と、ソールモデルに基づいて同一素材によりソールを一体で形成すると共に、アッパモデルに基づいてアッパを形成する3次元プリンタと、を備えるので、従来のようにインソール、ミッドソール及びアウトソールを別々に作製して接合する工程を省くことができ、靴の製造工程を簡略化することができる。
一態様の靴の製造方法及び靴の製造プログラムは、上述した一態様の靴の製造装置と同様の効果を奏することができる。
一態様の靴は、上述した一態様の靴の製造装置によって容易に作製することができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
図1】靴を構成する要素に分解した図である。
図2】ソールを斜め上方から見た場合の一例について説明するための図である。
図3】ソールを斜め下方から見た場合の一例について説明するための図である。
図4】一実施形態に係る靴の製造装置について説明するためのブロック図である。
図5】一実施形態に係る靴の製造方法について説明するためのフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、本発明の一実施形態について説明する。
本明細書では、「情報」の文言を使用しているが、「情報」の文言は「データ」と言い換えることができ、「データ」の文言は「情報」と言い換えることができる。
【0014】
図1は、一実施形態に係る靴1について説明するための図である。図1は、靴1を構成する要素に分解した図である。
【0015】
靴1は、男性用、女性用及び子供用の靴であってよい。また、靴1は、スニーカ、ブーツ、パンプス、ビジネス用シューズ等の種々の種類の靴であってよい。
【0016】
本実施形態の靴1は、ソール10及びアッパ20を備える。ソール10は、例えば、3次元(3D)プリンタ106(図4参照)により、インソール、ミッドソール及びアウトソールが単一素材で一体に形成される。なお、ソール10は、例えば、ミッドソールが無くともよく、3Dプリンタ106により、インソール及びアウトソールが一体に形成されていてもよい。また、アッパ20は、3Dプリンタ106により形成される。なお、アッパ20は、図1に示すように、アッパ本体21及びタン22に別けて形成されてもよい。この場合、アッパ本体21は、3Dプリンタ106により一体に形成される。また、タン22は、3Dプリンタ106により一体に形成される。
【0017】
なお、前述したように、従来のソールでは、インソール、ミッドソール及びアウトソールそれぞれのパーツに求められる硬さや機能が異なるため、各パーツをまとめて一体で形成することが難しかった。しかし、本実施形態では、ソール10の底面部を含む外側部分に不規則な又は規則的な連続性のあるサーフェス構造11(図2,3を参照)を形成することにより、ミッドソールとしての柔らかさをソール10に与えることが可能になり、また同時にその複雑な構造はアウトソールとしての地面との接触時のグリップ力を高める作用がある。また、インソールはミッドソールのサーフェス構造11との境目に一枚、面で区切られ、その上の足裏との接触面に柔らかいひだ模様が施されてもよい。ひだ模様は、インソールとして足裏との接触時の感触を心地よいものにする。すなわち、ひだ模様は、足の荷重に対して柔らかく潰れるようにすることにより、インソールとして足裏との接触時の感触を心地いいものにする。また、境目に一枚、面で区切る構造を配することにより、水たまりに足を踏み込んでしまった時などの防水性を担保する。これによりソール10を一体形成した場合でもユーザにとって歩行時の違和感を抑制した心地よさが実現可能となり、一体形成された各パーツ(インソール、ミッドソール及びアウトソール)の機能を実現することが可能となる。
【0018】
以下、本実施形態の靴1について詳細に説明する。
図2は、ソール10を斜め上方から見た場合の一例について説明するための図である。
図3は、ソール10を斜め下方から見た場合の一例について説明するための図である。
なお、本発明のソールは、図2,3に示す例に限定されることはなく、他の形状であってもよい。
【0019】
図2,3に一例を示すように、ソール10は、インソール、ミッドソール及びアウトソールが一体となり、底面部を含む外側部分に不規則な連続性のあるサーフェス構造11を備える。サーフェス構造11は、例えば、不規則な波状をした凸部であり、凸部を不規則に密集させることにより、一体形成されるソール10の硬さ及び機能をユーザにとって適度なものにすることができる。
サーフェス構造11は、図2,3に一例を示すような不規則な連続性のある形状に限定されることはなく、規則的な連続性のある形状であってもよい。一例として、サーフェス構造11は、平面視して矩形、三角形又は円形等の凸部が規則的にならんだ形状であってもよい。また、一例として、サーフェス構造11は、平面視してカギ型をした凸部が連続する形状であってもよい。
【0020】
ソール10は、例えば、底面(接地面)(アウトソールに対応する部分)と、ミッドソールに対応する部分とをサーフェス構造11によって形成する。なお、ソール10は、アウトソールに対応する部分の全てと、ミッドソールに対応する部分の一部とをサーフェス構造11によって形成してもよい。
【0021】
インソールは、例えば、インソールとして機能する足との接触面にラティス、又は、荷重に対して柔らかく変形する構造を施すことでクッション性に関する機能を有し、ユーザの足にかかる衝撃を和らげたり、前述の構造を足裏が心地よく感じるよう、部位によって異なる硬さにデータ作成時に調整することで、ユーザの靴へのフィット感を高めたりする機能を有する。ミッドソールは、アッパ(インソール)とアウトソールとの間に配される。ミッドソールは、例えば、クッション性に関する機能を有し、ユーザが歩行等を行う際の衝撃を吸収する機能を有する。アウトソールは、地面に触れる部分である。アウトソールは、例えば、ユーザが滑らないように摩擦力(グリップ力)を生じるための機能を有する。
【0022】
本実施形態のソール10は、サーフェス構造11を有することにより、ソール10の底面(接地面)に凹凸を配することができ、地面との間で摩擦力(グリップ力)を生じる機能を有する。また、本実施形態のソール10は、サーフェス構造11(不規則又は規則的に密集した凸部)によってクッションの機能を発揮させることができる。
【0023】
また、図2に例示するように、ソール10は、つま先10a、かかと10b及び側面(ユーザの足30(図1参照)の前後及び側方部分)を包むように造形されてもよい。すなわち、ソール10は、つま先10a及びかかと10b(ユーザの足30の前後及び側方部分)を包むような立ち上げ部12を有していてもよい。立ち上げ部12は、ソール10とアッパ20とを接着剤で接合できる接合強度を有するように、高さが適宜設定されてもよい。
【0024】
アッパ20は、接着剤によりソール10に接合される。本実施形態では、図1に例示するように、アッパ20は、アッパ本体21及びタン22を備える。アッパ本体21は、例えば、同一素材により一体に形成される。アッパ本体21とタン22とは、例えば、接着剤により接合されてもよい。すなわち、タン22の基端部22aと、アッパ本体21の内側上部21aとが接合される。これにより、ランニングシューズ等のように靴に紐が通される場合でも、アッパ本体21に紐が通される部分をタン22で覆うことが可能になる。
ソール10及びアッパ20は、同一の素材(例えば、樹脂等)によって形成される場合、接着剤によってより接合しやすくなる。
【0025】
なお、アッパ20は、本実施形態ではアッパ本体21及びタン22を備える構成であるが、タン22を備えなくともよい。すなわち、アッパ20は、ユーザの足30を包み込むことができる種々の形状であってもよい。
【0026】
上述したソール10とアッパ20とを接合して得られる靴1には、種々の物理量を測定するセンサ(図示せず)が配されてもよい。一例として、ソール10(又はアッパ20)に凹部を始めとする種々の形状のセンサ収容部(図示せず)を形成しておき、そのセンサ収容部にセンサが配されてもよい。ソール10(又はアッパ20)は、後述するように3Dプリンタ106で作製されるため、センサ収容部を容易に形成することが可能になる。
【0027】
センサは、一例として、加速度を計測する加速度センサ(図示せず)であってもよい。これにより、加速度センサは靴1に加わる加速度を計測することが可能になる。
また、情報処理装置(図示せず)は、無線又は有線により、加速度センサ等の靴1に配されるセンサから、そのセンサで計測された物理量の情報を取得することとしてもよい。情報処理装置は、例えば、スマートフォン、タブレット、パーソナルコンピュータ及び時計等であってもよい。情報処理装置は、インストールされるアプリの動作に基づいて、センサから取得した情報を表示部(図示せず)に表示し、及び、センサから取得した情報について所定の処理を行った後、処理後の情報を表示部に表示してもよい。一例として、情報処理装置は、加速度センサから加速度の情報を取得した場合には、その加速度の情報に基づいてユーザの歩数を取得し、その歩数に基づいてユーザの歩行距離を取得することとしてもよい。また、情報処理装置は、ユーザの歩数又は歩行距離に基づいて、歩行によって消費されるカロリ(消費カロリ)を取得することとしてもよい。
【0028】
次に、一実施形態に係る靴1の製造装置100について説明する。
図4は、一実施形態に係る靴1の製造装置100について説明するためのブロック図である。
【0029】
靴1の製造装置100は、記憶部104、入力部105、3次元(3D)プリンタ106、ソールモデル生成部102及びアッパモデル生成部103を備える。ソールモデル生成部102及びアッパモデル生成部103は、靴1の製造装置100の制御部101(例えば、演算処理装置等)の一機能として実現されてもよい。
【0030】
記憶部104は、種々の情報を記憶する。例えば、記憶部104は、ラスト(靴型)の形状に関するラストデータを記憶する。ラストデータは、製造装置100の外部にある装置(例えば、サーバ等)から通信ネットワーク(図示せず)を介して取得してもよい。また、ラストデータは、予め作製されたラストを、スキャン装置(図示せず)を利用してスキャン(例えば、3次元スキャン等)することにより生成されてもよい。製造装置100(例えば、制御部101)は、スキャン装置によって生成されたラストデータを取得し、記憶部104に記憶することとしてもよい。
【0031】
入力部105は、ユーザの足30のサイズ等のサイズ情報を入力する。サイズ情報は、一例として、ユーザの足30の長さ及び足30の幅等のサイズが含まれてもよい。サイズ情報は、スキャン装置(図示せず)を利用してユーザの足30をスキャン(例えば、3次元スキャン等)することにより得られるユーザ自身の足型に関する情報であってもよい。
【0032】
3Dプリンタ106は、後述するソールモデル及びアッパモデルに基づいて靴1(ソール10及びアッパ20)を作製する。すなわち、3Dプリンタ106は、後述するソールモデル生成部102によって生成されるソールモデル、及び、後述するアッパモデル生成部103によって生成されるアッパモデルに基づいて、ソール10及びアッパ20を作製する。3Dプリンタ106は、例えば、積層造形法等によって靴1を作製することとしてもよい。
【0033】
制御部101は、記憶部104に予め記憶されるラストデータに基づいて、作製する靴1に応じたラストデータを生成することとしてもよい。この場合、制御部101は、例えば、Zbrush/Freeform等の3Dスカルプティングソフトを利用することにより、ラストデータを生成することとしてもよい。制御部101は、ラストデータと、入力部105に入力されるサイズ情報に基づいて、ソールモデル及びアッパモデルを生成することとしてもよい。この場合、制御部101は、靴1のアッパ20の形状(パターン)と、ソール10の形状(パターン)とを、3Dクロスシミュレーションソフトウェアを使用して作成し、靴1のアッパ20の全体像を3次元データ化することにより靴1のデザイン(モデル)を確認・生成することとしてもよい。すなわち、制御部101の一機能としてのソールモデル生成部102及びアッパモデル生成部103は、ソールモデル及びアッパモデルを生成する。
【0034】
ソールモデル生成部102は、記憶部104に記憶されるラストデータ及び入力部105に入力されるサイズ情報に基づいて、3Dプリンタ106でソール10を形成するためのソールモデルを生成することとしてもよい。ソールモデル生成部102は、ラストデータに基づいて予め設定されたソール10のサーフェス構造11のモデルを含むようにソールモデルを生成してもよく、ラストデータ及びサイズ情報に応じてソール10のサーフェス構造11を変えるようにソールモデルを生成してもよい。
【0035】
アッパモデル生成部103は、記憶部104に記憶されるラストデータ及び入力部105に入力されるサイズ情報に基づいて、3Dプリンタ106でアッパ20を形成するためのアッパモデルを生成することとしてもよい。
【0036】
ここで、ユーザの足30のサイズは、左右で異なっている(微差が有る)場合がある。また、ユーザは、それぞれで歩き方(走り方)が異なる。ソールモデル生成部102及びアッパモデル生成部103は、例えば、ユーザ自身の各特徴に応じて足30の左右で異なるようにソールモデル及びアッパモデルを生成することとしてもよい。
【0037】
3Dプリンタ106で作製されたソール10及びアッパ20は、靴1の製造装置100又は作業員(靴職人)によって接合される。
【0038】
なお、作製された靴1はユーザによって使用される。上述した入力部105には、ユーザによって使用途中(靴1の使用開始後、靴の廃棄前の場合)の靴1の状態、及び、ユーザによって使用された後(靴1を廃棄する場合)の靴1の状態に関する情報(状態情報)が入力されてもよい。状態情報は、例えば、ソール10の状態(一例として靴底(サーフェス構造11)の擦り減り具合)やアッパ20の状態等、種々の靴1の状態を含んでいてもよい。また、状態情報には、ユーザ個人を特定するユーザ情報(例えば、ユーザを特定するための番号等)が記録されてもよい。状態情報は、キーボードやマウス等の装置(図示せず)を作業員(靴職人)が操作することに基づいて製造装置100によって生成されてもよい。又は、状態情報は、靴1をスキャン装置(図示せず)でスキャン(例えば、3次元スキャン等)することに基づいて生成されてもよい。
【0039】
制御部101(ソールモデル生成部102及びアッパモデル生成部103)は、新たに靴1を作製する場合、ラストモデル(又は、既に生成されたソールモデル及びアッパモデル)及び状態情報に基づいて、新たなソールモデル及びアッパモデルを生成することとしてもよい。一例として、ソールモデル生成部102は、状態情報に基づいて右足のかかとの右側部分の靴底(サーフェス構造11)が他の部分に比べて擦り減っている場合には、新たにソールモデルを生成する際に、右足かかとの右側部分のサーフェス構造11に密度を以前よりも高くしたソールモデルを生成することとしてもよい。この場合、ソールモデル生成部102は、例えば、状態情報に基づく靴底のかかと(サーフェス構造11)の減り具合(減り量)に応じて、新たにソールモデルを生成する際のサーフェス構造11の密度を変えることとしてもよい。すなわち、ソールモデル生成部102は、サーフェス構造11の減り量がより多い場合には、新たにソールモデルを生成する際のサーフェス構造11の密度がより高くなるように変えることとしてもよい。
【0040】
ここで、以前に作成したユーザAのためのソールモデル及びアッパモデルと、ユーザ情報に基づいて特定されるユーザAの状態情報とに基づいてユーザAを特定できる場合には、新たにユーザAの靴1を作製する際に、ユーザAの靴1の使用状態に応じて新たな靴1(ソール10及びアッパ20)を作製することが可能である。
一例として、ユーザAの状態情報に基づいて、ユーザAでは特に右足のかかとの右側部分の靴底(サーフェス構造11)が他の部分に比べて擦り減る場合、ソールモデル生成部102は、新たにソールモデルを生成する際に、右足かかとの右側部分のサーフェス構造11に密度を以前よりも高くしたソールモデルを生成することとしてもよい。
【0041】
また、複数のユーザの状態情報に基づいて、複数のユーザに共通する靴1の使用状態が有る場合には、新たに作製する全ての靴1について、使用状態に応じた新たな靴1を作製することが可能である。
一例として、複数のユーザの状態情報に基づいて、複数のユーザに共通して右足のかかとの右側部分の靴底(サーフェス構造11)が他の部分に比べて擦り減る場合、ソールモデル生成部102は、新たにソールモデルを生成する際、全てのソールモデルについて、右足かかとの右側部分のサーフェス構造11に密度を以前よりも高くしたソールモデルを生成することとしてもよい。
【0042】
なお、上述した状態情報は、靴1の状態を示すものに限定されず、例えば、ユーザが靴1を履いた時のフィット感に関する情報であってもよい。この場合、ソールモデル生成部102及びアッパモデル生成部103は、新たに靴1を作製する場合、ユーザの足にフィットするように、状態情報に基づいて、ソールモデル及びアッパモデルを生成することとしてもよい。
【0043】
次に、一実施形態に係る靴1の製造方法について説明する。
図5は、一実施形態に係る靴1の製造方法について説明するためのフローチャートである。
【0044】
ステップST101において、ソールモデル生成部102は、ラストデータ及びサイズ情報に基づいて、ソールモデルを生成する。この場合、ソールモデル生成部102は、ユーザが靴1を使用する用途に応じたラストデータを記憶部104から取得する。また、ソールモデル生成部102は、入力部105に入力されたサイズ情報を取得する。これにより、ソールモデル生成部102は、ユーザの足30サイズ(形状)、及び、ユーザが靴1を使用する用途に応じたソールモデルを生成することが可能になる。
ここで、ソールモデル生成部102は、入力部105に状態情報が入力されている場合には、ユーザの靴1の使用状態に応じたソールモデルを生成することが可能になる。
【0045】
ステップST102において、アッパモデル生成部103は、ラストデータ及びサイズ情報に基づいて、アッパモデルを生成する。この場合、アッパモデル生成部103は、ユーザが靴1を使用する用途に応じたラストデータを記憶部104から取得する。そのラストデータは、ステップST101においてソールモデル生成部102が取得するラストデータと同一である。また、アッパモデル生成部103は、入力部105に入力されたサイズ情報を取得する。これにより、アッパモデル生成部103は、ユーザの足30のサイズ(形状)、及び、ユーザが靴1を使用する用途に応じたアッパモデルを生成することが可能になる。
ここで、アッパモデル生成部103は、入力部105に状態情報が入力されている場合には、ユーザの靴1の使用状態に応じたアッパモデルを生成することが可能になる。
【0046】
なお、ステップST101及びステップST102の処理の順番は逆であってもよく、又は、2つの処理は同時に行われてもよい。
【0047】
ステップST103において、3Dプリンタ106は、ステップST101で生成されたソールモデルに基づいて、ソール10を形成する(ソール形成工程)。この場合、3Dプリンタ106は、一例として、同一素材により、インソール、ミッドソール及びアウトソールを一体にしたソール10を形成する。この場合、3Dプリンタ106は、ソール10の底面部を含む外側部分に、不規則な又は規則的な連続性のあるサーフェス構造11を形成する。
【0048】
ステップST104において、3Dプリンタ106は、ステップST102で生成されたアッパモデルに基づいてアッパ20を形成する(アッパ形成工程)。
すなわち、3Dプリンタ106は、ユーザの足の甲を覆うアッパ20(タン22を含む)を1度の3Dプリント出力により生成する。これらは1足単位で出力生成される。これにより、3Dプリンタ106は、1度の出力生成で、アッパ20となるベース、タン22、デザイン装飾、伸縮破損を防ぐための補強材・芯材を含む素材を同時に生成することが可能になる。
ここで、アッパ20のベース(アッパ本体21)となる内構造を網目状にすることで、アッパ20には伸縮柔軟性が与えられる。上述した内構造は、アッパ20の部分毎に密度と厚みを調整することができる。例えば、内構造を部分的にハニカム、菱形、三角形又は楕円形にすることで、その特性をもった伸縮方向による強度を変化させることが可能になり、また密度を高めることであらゆる方向への部分的に耐久性が向上し、防水機能を持たせることも可能になる。例えば、アッパ20及びタン22は、3Dプリント出力時に別パーツとして出力される。アッパ20及びタン22は、例えば、同素材のTPU(熱可塑性ポリウレタン)で形成されるため、熱による熱溶着が可能になる。3Dプリント出力で出力されたアッパ20となるパーツは、アッパ20のカカト部にくる辺どうしを熱溶着による工程で成形することができる。この場合、熱溶着には、電気ゴテ又はアイロンを使用することとしてもよい。
また3Dプリント出力されるアッパ20のベッド面に任意の素材(例えば、鏡面ガラス又は磨りガラス等)を敷くことで、アッパ20の表面のテクスチャをコントロールすることができる。
【0049】
アッパ20は、上述したように、アッパ本体21とタン22とに分割されていてもよい。この場合、3Dプリンタ106は、同一素材によりアッパ本体21を一体に形成する。また、3Dプリンタ106は、同一素材によりタン22を一体に形成する。アッパ本体21を形成する素材と、タン22を形成する素材とは、同一であってもよく、異なっていてもよい。
また、ソール10を形成する素材、とアッパ20を形成する素材は、同一であってもよく、異なっていてもよい。
【0050】
なお、靴1の種類によってはタン22が必要ない場合があり、又は、タン22以外の靴1の他の構成要素が必要な場合がある。タン22が必要ない場合、3Dプリンタ106は、靴1の種類に応じたアッパ本体21のみを、同一素材により一体に形成することとしてもよい。また、靴1の他の構成要素が必要な場合には、3Dプリンタ106は、1又は複数の他の構成要素それぞれを、同一素材により一体に形成することとしてもよい。
なお、ステップST103及びステップST104の処理の順番は、逆であってもよい。
【0051】
ステップST104において、靴1の製造装置100は、ステップST103で形成されたソール10と、ステップST104で形成されたアッパ20とを、接着剤により接合する(接合工程)。この場合、例えば、ソール10の立ち上げ部12と、アッパ20の下部21b(図1参照)とを接着剤により接合することとしてもよい。また、上述したように、アッパ20がアッパ本体21とタン22に分割されている場合には、この接合工程において、アッパ本体21とタン22とが接着剤により接合される。ソール10とアッパ20とを接合する場合、アッパ20の内構造の網目状の形状により接着剤の定着を向上させることができ、接着力を向上させることができる。
これにより、靴1が完成する。
【0052】
本実施形態では、次のような効果を奏する。
靴1の製造装置100は、ソールモデル生成部102によって生成されたソールモデルと、アッパモデル生成部103によって生成されたアッパモデルとに基づいて、3Dプリンタ106によりソール10及びアッパ20を形成する。
これにより、靴1の製造装置100は、インソール、ミッドソール及びアウトソールを一体に形成できるので、従来のようにインソール、ミッドソール及びアウトソールを分けて形成した後、接着する工程を省くことができ、靴1の製造工程を簡略化することができる。また、従来、靴を作製する場合には裁断等が必要になるため、端材が発生してしまう。靴を大量生産し、大量消費される状況では、端材によるごみの問題が非常に大きくなる。この点、本実施形態の靴1の製造装置100は、3Dプリンタ106によりソール10を作製するので端材が発生することがなく、環境に対する負荷を軽減することができる。
また、靴1の製造装置100は、アッパ20についても一体に形成できる。この場合、靴1の製造装置100は、例えば、アッパ20がアッパ本体21及びタン22に分かれている場合にはそれぞれを一体に形成できる。これにより、靴1の製造装置100は、従来に比べて、靴1の製造工程を簡略化することができる。また、靴1の製造装置100は、上述したソール10の場合と同様に、3Dプリンタ106によりアッパ20を作製するので、端材が発生することがなく、環境に対する負荷を軽減することができる。
なお、従来、アッパを作製する場合、生地等の素材を、アッパを構成するパーツ毎に裁断する工程の後、縫製又は吊り込みの工程を経てアッパが作製される。この点、本実施形態の場合、3Dプリンタ106でアッパ20を一体に形成できるので、従来よりもアッパ20の形成工程を簡略化することができる。
また、靴の製造装置100は、ソール10及びアッパ20を3Dプリンタ106により容易に作製できるので、ユーザの好みに応じてデコレーション等のカスタマイズを行うことができる。
【0053】
靴1の製造方法は、3Dプリンタ106により、靴1のインソール、ミッドソール及びアウトソールを一体にしたソール10を形成するソール形成工程と、3Dプリンタ106により、靴1のアッパ20を形成するアッパ形成工程と、ソール形成工程により形成されたソール10と、アッパ形成工程により形成されたアッパ20とを接合する接合工程と、を行う。
これにより、靴1の製造方法は、インソール、ミッドソール及びアウトソールを一体に形成できるので、従来のようにインソール、ミッドソール及びアウトソールを分けて形成した後、接着する工程を省くことができ、靴1の製造工程を簡略化することができる。また、本実施形態の靴1の製造方法は、3Dプリンタ106によりソール10を作製するので端材が発生することがなく、環境に対する負荷を軽減することができる。
また、靴1の製造方法は、アッパ20についても一体に形成できる。この場合、靴1の製造方法は、例えば、アッパ20がアッパ本体21及びタン22に分かれている場合にはそれぞれを一体に形成できる。これにより、靴1の製造方法は、従来に比べて、靴1の製造工程を簡略化することができる。また、靴1の製造方法、3Dプリンタ106によりアッパ20を作製するので、端材が発生することがなく、環境に対する負荷を軽減することができる。
なお、従来、アッパを作製する場合、生地等の素材を、アッパを構成するパーツ毎に裁断する工程の後、縫製又は吊り込みの工程を経てアッパが作製される。例えば、従来、アッパは次のように作製される。すなわち、従来のアッパは、甲を覆う袋状となるベースの素材(生地又は皮革)にデザイン装飾材、及び、伸縮破損を防ぐための補強材・芯材を接着又は縫製をすることで生成される。ここで、ベースとなる素材は、ホールガーメント編機、金型抜き、又は、レーザ裁断により生成される。デザイン装飾材、補強材・芯材は、同一の素材、異なる素材により上述したベースと同様に刺繍、金型抜き又はレーザ裁断により生成される。袋状になったアッパは、木型にアッパを装着し底面の接着面を研削することで接着剤を定着させる。この点、本実施形態の場合、3Dプリンタ106でアッパ20を一体に形成できるので、従来よりもアッパ20の形成工程を簡略化することができる。
また、靴1の製造方法は、ソール形成工程においてつま先10a及びかかと10bを含む部分までソール10(立ち上げ部12)として形成することが可能である。従来では、つま先及びかかとを含む部分をソールとして形成することが不可能であり、このため、ソール及びアッパの接合工程ではアッパの生地を靴底へ吊り込む等の作業が必要になり、手間のかかる工程となる。この点、本実施形態では3Dプリンタ106により立ち上げ部12を含むソール10を一体に形成することができる。本実施形態では、立ち上げ部12を利用することにより、ソール10とアッパ20とを接着剤で接合することができ、接合工程を簡略化することができる。
【0054】
靴1の製造方法は、ソール形成工程では、ソール10の底面部を含む外側部分に、不規則な又は規則的な連続性のあるサーフェス構造11を形成することとしてもよい。
靴1の製造方法は、ソール10にサーフェス構造11を形成することにより、3Dプリンタ106によって同一素材で一体にソール10を形成した場合でも、インソール、ミッドソール及びアウトソールの機能を本実施形態のソール10に発揮させることができる。
【0055】
靴1の製造方法は、接合工程では、ソール10とアッパ20とを接着剤により接合することとしてもよい。
これにより、靴1の製造方法は、接合工程を簡略化することができる。
【0056】
靴1は、インソール、ミッドソール及びアウトソールが一体となり、底面部を含む外側部分に不規則な又は規則的な連続性のあるサーフェス構造11を備えるソール10と、ソール10に接合されたアッパ20と、を備える。
これにより、靴1は、ソール10にサーフェス構造11を形成することにより、3Dプリンタ106によって同一素材で一体にソール10を形成した場合でも、インソール、ミッドソール及びアウトソールの機能を本実施形態のソール10に発揮させることができる。
また、靴1は、インソール、ミッドソール及びアウトソールが一体に形成されているため、従来のようにインソール、ミッドソール及びアウトソールを接着する場合に比べて、剥離等の問題が生じることがなく、ソール10の耐久性を従来よりも高めることができる。
【0057】
上述した靴1の製造装置100の各部は、コンピュータの演算処理装置等の機能として実現されてもよい。すなわち、製造装置100のソールモデル生成部102及びアッパモデル生成部103は、コンピュータの演算処理装置等によるソールモデル生成機能及びアッパモデル生成機能としてそれぞれ実現されてもよい。
靴1の製造プログラムは、上述した各機能をコンピュータに実現させることができる。情報処理プログラムは、外部メモリ又は光ディスク等の、コンピュータで読み取り可能な非一時的な記録媒体に記録されていてもよい。
また、上述したように、製造装置100の各部は、コンピュータの演算処理装置等で実現されてもよい。その演算処理装置等は、例えば、集積回路等によって構成される。このため、製造装置100の各部は、演算処理装置等を構成する回路として実現されてもよい。すなわち、製造装置100のソールモデル生成部102及びアッパモデル生成部103は、コンピュータの演算処理装置等を構成するソールモデル生成回路及びアッパモデル生成回路として実現されてもよい。
また、製造装置100の記憶部104、入力部105及び3Dプリンタ106は、例えば、演算処理装置等の機能を含む記憶機能、入力機能及び3Dプリント機能として実現されもよい。また、製造装置100の記憶部104、入力部105及び3Dプリンタ106は、例えば、集積回路等によって構成されることにより記憶回路、入力回路及び3Dプリント回路として実現されてもよい。また、製造装置100の記憶部104、入力部105及び3Dプリンタ106は、例えば、複数のデバイスによって構成されることにより記憶装置、入力装置及び3Dプリント装置として構成されてもよい。
【符号の説明】
【0058】
1 靴
10 ソール
11 サーフェス構造
12 立ち上げ部
20 アッパ
21 アッパ本体
22 タン
30 足
100 製造装置
101 制御部
102 ソールモデル生成部
103 アッパモデル生成部
104 記憶部
105 入力部
106 3次元(3D)プリンタ
図1
図2
図3
図4
図5