(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-05-13
(45)【発行日】2024-05-21
(54)【発明の名称】エアロゾル生成装置
(51)【国際特許分類】
A24F 42/20 20200101AFI20240514BHJP
A24F 42/60 20200101ALI20240514BHJP
【FI】
A24F42/20
A24F42/60
(21)【出願番号】P 2022556008
(86)(22)【出願日】2022-05-03
(86)【国際出願番号】 KR2022006291
(87)【国際公開番号】W WO2022260282
(87)【国際公開日】2022-12-15
【審査請求日】2022-10-14
(31)【優先権主張番号】10-2021-0074297
(32)【優先日】2021-06-08
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(73)【特許権者】
【識別番号】519217032
【氏名又は名称】ケーティー アンド ジー コーポレイション
(74)【代理人】
【識別番号】110000877
【氏名又は名称】弁理士法人RYUKA国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ジェオウン、エウン ミ
【審査官】山崎 晶
(56)【参考文献】
【文献】中国実用新案第212940910(CN,U)
【文献】特表2019-513354(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A24F 42/20
A24F 42/60
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ユーザの口部と接触するマウスピースと、
ニコチン及び推進体を含む媒質を保存し、前記
媒質が流出される流出口を含むキャニスタ(canister)と、
前記流出口と連結される一端部と前記マウスピースと連結される他端部を含み、前記一端部で前記キャニスタから前記媒質を伝達される移送チューブと、
前記他端部に配置され、前記移送チューブに滞留する前記媒質の外部への放出を制御する第1弁と、
前記第1弁が開放されれば、前記媒質を微粒化してエアロゾルを噴出するノズルと、を含
み、
前記流出口は、前記キャニスタの前記マウスピースに対向する一領域と反対方向に位置する他領域に配置される、エアロゾル生成装置。
【請求項2】
前記第1弁は、ユーザの吸入に基づいて動作する、請求項1に記載のエアロゾル生成装置。
【請求項3】
前記ユーザの吸入を感知するパフ感知センサをさらに含み、
前記第1弁は、前記パフ感知センサによる感知結果に基づいて動作する、請求項2に記載のエアロゾル生成装置。
【請求項4】
前記流出口の開閉を調節し、前記キャニスタに保存された媒質が前記移送チューブに伝達されることを制御する第2弁をさらに含む、請求項1に記載のエアロゾル生成装置。
【請求項5】
前記第2弁は、ユーザの操作によって動作され、
前記第2弁をして、前記流出口を開放させる前記ユーザの操作に対応し、前記キャニスタに保存された媒質が前記移送チューブに伝達される、請求項4に記載のエアロゾル生成装置。
【請求項6】
前記第2弁は、前記流出口を閉鎖する第1位置と前記流出口を開放する第2位置との間で移動自在である、請求項5に記載のエアロゾル生成装置。
【請求項7】
前記第2弁の動作を調節するためのボタンをさらに含み、
前記移送チューブに伝達される前記媒質の量は、前記ボタンの操作時間及び操作強度のうち、少なくともいずれか1つに基づいて決定される、請求項5に記載のエアロゾル生成装置。
【請求項8】
前記移送チューブの直径及び長さは、ユーザのエアロゾル吸入量に基づいて設計される、請求項1に記載のエアロゾル生成装置。
【請求項9】
前記移送チューブは、前記キャニスタの外周面に沿って螺旋状に巻かれるように配置される、請求項1に記載のエアロゾル生成装置。
【請求項10】
前記移送チューブの少なくとも一部は、前記キャニスタの外周面に隣接して配置される、請求項1に記載のエアロゾル生成装置。
【請求項11】
前記ノズルは、外気が流入される外気通路を含む2流体(air-atomizing)ノズルである、請求項1に記載のエアロゾル生成装置。
【請求項12】
前記ノズルは、媒質が通過する通路を含み、前記通路は、折り曲げられた部分を含む、請求項1に記載のエアロゾル生成装置。
【請求項13】
前記マウスピースは、前記エアロゾルを外部に排出する排出孔を含み、
前記排出孔は、前記ノズルが前記媒質を噴出する方向と平行方向に配置される、請求項1に記載のエアロゾル生成装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、エアロゾル生成装置に係り、さらに詳細には、ニコチンと推進体が保存されたキャニスタを用いてエアロゾルを噴出するエアロゾル生成装置に関する。
【背景技術】
【0002】
シガレットを燃焼させてエアロゾルを生成する方式を代替して非燃焼式でエアロゾルを生成するエアロゾル生成装置に関する需要が増加している。エアロゾル生成装置は、例えば、エアロゾル生成物質から非燃焼式でエアロゾルを生成してユーザに供給するか、エアロゾル生成物質から生成した蒸気を香媒体を通過させることで香味を有するエアロゾルを生成する機能を遂行する装置である。
【0003】
エアロゾルを生成する非燃焼方式は、例えば、液状のエアロゾル生成物質に高圧を印加して液状がノズルを通過するようにし、エアロゾルを噴射させる方式がある。他の例として、常温で容易に気化される推進体をエアロゾル生成物質と共に、高圧のキャニスタに保存し、キャニスタの流出口が開放されれば、推進体をエアロゾル生成物質と共にキャニスタ外部に噴出させてエアロゾルを生成する方式がある。
【0004】
そのような非燃焼方式によれば、エアロゾル生成装置には、別途の霧化器が含まれない。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
キャニスタでエアロゾルを噴射する方式のエアロゾル生成装置は、エアロゾル生成性能においてキャニスタから液状の円滑な排出が重要である。キャニスタの条件(例えば、キャニスタ内部の液状の残量、キャニスタの傾度)と関係なく、キャニスタ内部の液体を容易に排出させるために、キャニスタの流出口が重力が作用する方向側(例えば、エアロゾル生成装置の下部)に配置される構造のエアロゾル生成装置が設計されうる。
【0006】
この際、キャニスタの流出口との隣接配置のために、ユーザのエアロゾル生成装置吸入時に用いられるマウスピースもエアロゾル生成装置の下部に配置されうる。これにより、ユーザの立場でマウスピースがエアロゾル生成装置の下部に配置された構造のエアロゾル生成装置が提供されうる。
【0007】
そのような構造のエアロゾル生成装置は、マウスピースが地面に向かう方向に位置し、それは、ユーザに不慣れさと不便さとを与えてしまう。それにより、キャニスタの液体排出は、容易に保持するが、マウスピースは、キャニスタの流出口と反対方向に配置された構造のエアロゾル生成装置が要求されうる。
【0008】
実施例は、流出口は、キャニスタの下部に配置されるが、マウスピースは、エアロゾル生成装置の上部に配置されるエアロゾル生成装置を提供しようとする。
【0009】
実施例を通じて解決しようとする課題が上述した課題に制限されるものではなく、言及されない課題は、本明細書及び添付された図面から実施例が属する技術分野で通常の知識を有する者に明確に理解されるであろう。
【課題を解決するための手段】
【0010】
一実施例に係わるエアロゾル生成装置は、ユーザの口部と接触するマウスピース、ニコチン及び推進体を含む媒質を保存し、前記マウスピースが位置する方向の反対側に位置し、前記媒質が流出される流出口を含むキャニスタ(canister)、前記流出口と連結される一端部と前記マウスピースと連結される他端部を含み、前記一端部で前記キャニスタから前記媒質を伝達される移送チューブ、前記他端部に配置され、前記移送チューブに滞留する前記媒質の外部への放出を制御する第1弁及び前記第1弁が開放されれば、前記媒質を微粒化してエアロゾルを噴出するノズルを含んでもよい。
【発明の効果】
【0011】
上述した実施例に係わるエアロゾル生成装置は、キャニスタの流出口がエアロゾル生成装置に下向き配置され、マウスピースは、エアロゾル生成装置に上向き配置されることで、キャニスタに保存された液体の排出を円滑にすると共に、ユーザの使用便宜性を確保することができる。
【0012】
また、上述した実施例に係わるエアロゾル生成装置は、キャニスタの流出口を開閉する弁を含み、キャニスタから排出される媒質の量が精密に制御され、ユーザの必要によって、エアロゾルの生成量が調節されうる。
【0013】
実施例による効果が上述した効果に制限されるものではなく、言及されていない効果は、本明細書及び添付された図面から実施例が属する技術分野で通常の知識を有する者に明確に理解されるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【
図1A】従来の一実施例に係わるエアロゾル生成装置を概略的に示す図面である。
【
図1B】従来の他の実施例に係わるエアロゾル生成装置を概略的に示す図面である。
【
図2】本発明の一実施例に係わるエアロゾル生成装置を概略的に示す図面である。
【
図3】本発明の他の実施例に係わるエアロゾル生成装置を概略的に示す図面である。
【
図4A】一実施例に係わるエアロゾル生成装置の一態様を示す部分拡大図である。
【
図4B】一実施例に係わるエアロゾル生成装置の他の様態を示す部分拡大図である。
【
図5】本発明のさらに他の実施例に係わるエアロゾル生成装置を概略的に示す図面である。
【
図6A】一実施例に係わる2流体ノズルを示す図面である。
【
図6B】他の実施例に係わる2流体ノズルを示す図面である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
実施例で使用される用語は、本発明における機能を考慮しながら可能な限り、現在広く使用される一般的な用語を選択したが、それは、当分野に従事する技術者の意図または判例、新たな技術の出現などによっても異なる。また、特定の場合は、出願人が任意に選定した用語もあり、その場合、当該発明の説明部分において、詳細にその意味を記載する。したがって、本発明で使用される用語は、単なる用語の名称ではない、その用語が有する意味と本発明の全般にわたる内容に基づいて定義されねばならない。
【0016】
明細書全体において、ある部分がある構成要素を「含む」とするとき、それは、特別に反対となる記載がない限り、他の構成要素を除くものではなく、他の構成要素をさらに含んでもよいということを意味する。また、明細書に記載された「-部」、「-モジュール」などの用語は、少なくとも1つの機能や動作を処理する単位を意味し、これは、ハードウェアまたはソフトウェアによって具現されるか、ハードウェアとソフトウェアとの結合によっても具現される。
【0017】
本明細書で使用されたように、「少なくともいずれか1つの」のような表現が配列された構成要素の前にあるとき、配列されたそれぞれの構成ではない全体構成要素を修飾する。例えば、「a、b、及びcのうち、少なくともいずれか1つ」という表現は、a、b、c、またはaとb、aとc、bとc、またはaとbとcを含むと解釈せねばならない。
【0018】
以下、添付図面に基づいて本発明の実施例について本発明の実施例が属する技術分野で通常の知識を有する者が容易に実施可能なように詳細に説明する。しかし、本発明は、様々な互いに異なる形態にも具現され、ここで、説明する実施例に限定されない。
【0019】
また、本明細書で使用される「第1」または「第2」のように序数を含む用語は、多様な構成要素を説明するのに使用することができるが、構成要素は、用語によって限定されてはならない。用語は、1つの構成要素を他の構成要素から区別する目的のみで使用される。
【0020】
また、図面上の一部構成要素は、その大きさや比率などが多少誇張されて図示されてもいる。また、ある図面上に図示された構成要素が他の図面上には、図示されない場合もある。
【0021】
また、明細書全体で構成要素の「長手方向」は、構成要素が構成要素の一方向軸に沿って延びる方向でもあり、この際、構成要素の一方向軸は、一方向軸を横切る他の方向軸よりも構成要素がさらに長く延びる方向を意味する。例えば、長手方向は、
図2に図示された移送チューブが延びる方向と平行方向を意味しうる。
【0022】
また、明細書全体において「上部」は、図面に図示されたエアロゾル生成装置を基準に、+y方向の一端部を意味し、「下部」は、-y方向の一端部を意味する。例えば、
図2においてマウスピースは、エアロゾル生成装置の上部に位置し、流出口は、エアロゾル生成装置の下部に位置する。
【0023】
また、明細書全体において「パフ(puff)」とは、ユーザの吸入を意味し、吸入とは、ユーザの口や鼻を通じてユーザの口腔内、鼻腔内または肺に吸い込む状況を意味する。
【0024】
また、明細書全体において「エアロゾル」は、気体中に液体及び/または固体微細粒子が分散されている浮遊物を意味する。エアロゾルは、エアロゾル生成物質から生成された蒸気化された粒子と空気とが混合された状態を意味する。例えば、エアロゾル生成物質の相(phase)を気化及び/または昇華を通じて気相に変換させうる。また、液体及び/または固相のエアロゾル生成物質を微細粒子化して放出することで、エアロゾルを生成することができる。
【0025】
明細書全体において「実施例」は、本開示で発明を容易に説明するための任意の区分であって、実施例それぞれが互いに排他的である必要はない。例えば、一実施例に開示された構成は、他の実施例に適用及び/または具現され、本発明の範囲を外れない限度で変更されて適用及び/または具現されうる。
【0026】
また、本開示で使用された用語は、実施例を説明するためのものであり、本実施例を制限しようとするものではない。本開示で単数形は、特別に言及しない限り、複数形も含む。
【0027】
以下では、図面を参照して、本発明を詳細に説明する。
【0028】
図1Aは、従来の一実施例に係わるエアロゾル生成装置を概略的に示す図面であり、
図1Bは、従来の他の実施例に係わるエアロゾル生成装置を概略的に示す図面である。
【0029】
図1A及び
図1Bを参照すれば、従来の実施例に係わるエアロゾル生成装置10000a、10000bは、マウスピース200、本体100、キャニスタ3、流出口4及びノズル5を含む。
【0030】
図1Aに図示された従来の一実施例に係わるエアロゾル生成装置10000aにおいて、重力が作用する方向の反対側(例えば、エアロゾル生成装置の上部)の一端にマウスピース200が位置し、キャニスタ3の流出口4もマウスピース200側に隣接して位置する。ここで、重力が作用する方向の反対側方向は、例えば、+y方向でもある。
【0031】
キャニスタ3は、推進体及びエアロゾル生成物質を含む。キャニスタ3の内部は、高圧が保持され、キャニスタ3内部に含まれた推進体及びエアロゾル生成物質は、液状に保持されうる。
【0032】
図1Aに図示された構造のキャニスタ3において、内部に保存された液体状態の物質は、キャニスタ3の条件によって外部に排出されるのに影響を受けてしまう。キャニスタ3の条件は、例えば、内部液状の残量、内部管6の位置、内部の圧力、地面に対して傾いた程度などでもあり、そのようなキャニスタ3の条件がキャニスタ3内部に保存された液状物質の排出に影響を与えうる。
【0033】
すなわち、流出口4が重力が作用する方向の反対側に位置したキャニスタ3では、内部液状の排出が容易ではなく、エアロゾル生成装置10000aの機能性及び信頼性が低下しうる。そのような問題点を解決するために、
図1Bのようなキャニスタ3の構造が提案されうる。
【0034】
図1Bに図示された従来の他の実施例によるエアロゾル生成装置10000bでは、液状物質がキャニスタ3の外部に排出されることが容易になるように、キャニスタ3で重力が作用する方向側(例えば、エアロゾル生成装置の下部)の一端に流出口4が位置しうる。ここで、重力の作用方向は、例えば、-y方向でもある。
【0035】
キャニスタ3の流出口4がキャニスタ3の下部に位置することにより、キャニスタ3内部の液状は、前述したキャニスタ3の条件に何の影響を受けず、キャニスタ3の外部に容易に排出されうる。
【0036】
キャニスタ3が
図1Bに図示された構造を有することにより、マウスピース200もまた、キャニスタ3の流出口4と隣接してエアロゾル生成装置10000bの下部に位置しうる。
【0037】
図1Bに図示された構造のエアロゾル生成装置10000bは、
図1Aに図示された構造のエアロゾル生成装置10000aに比べて、キャニスタ3内部の液状の排出が容易であるという長所があるが、マウスピース200が地面に向かう方向に位置し、ユーザに不便さまたは不慣れさを引き起こす。それにより、キャニスタ3の流出口4は、エアロゾル生成装置の下部に位置し、マウスピース200は、エアロゾル生成装置の上部に位置する構造のエアロゾル生成装置が要求されうる。
【0038】
図2は、本発明の一実施例に係わるエアロゾル生成装置を概略的に示す図面であり、
図3は、本発明の他の実施例に係わるエアロゾル生成装置を概略的に示す図面である。
【0039】
図2及び
図3を参照すれば、一実施例に係わるエアロゾル生成装置1000は、マウスピース200、本体100、キャニスタ10、流出口20、移送チューブ30、第1弁40、ノズル50、第2弁60及びボタン70を含む。
図3に図示されたエアロゾル生成装置1000、
図2に図示されたエアロゾル生成装置1000において移送チューブ30の配置が異なるものでもある。
【0040】
エアロゾル生成装置1000の構成は、
図2及び
図3に図示されたところに限定されない。エアロゾル生成装置1000の設計によって、
図2及び
図3に図示された構成のうち、一部が省略されるか、新たな構成がさらに追加されるということを、本実施例に係わる技術分野で通常の知識を有する者であれば、理解できるであろう。
【0041】
マウスピース200は、エアロゾル生成装置1000の一端に位置する。例えば、エアロゾル生成装置1000は、本体100とマウスピース200との結合によって組み立てられ、マウスピース200は、エアロゾル生成装置1000の上部側である、+y方向の一端に位置する。
【0042】
マウスピース200は、ユーザの口腔に挿入される部分である。マウスピース200は、キャニスタ10内部のエアロゾル生成物質から生成されたエアロゾルを外部に排出する排出孔210を含む。
【0043】
マウスピース200の少なくとも一領域には、外気流入孔220が含まれる。外気流入孔220は、外気をエアロゾル生成装置1000の内部に流入させる通路である。
【0044】
外気流入孔220を通じて流入された外部空気は、エアロゾルが生成される空間に流入されうる。これにより、外気流入孔220を通じて外部空気がエアロゾル生成装置1000内部に持続的に流入され、ユーザの持続的な吸入が可能になる。
【0045】
キャニスタ10は、推進体及びエアロゾル生成物質を含む媒質を保存する。キャニスタ10は、高圧に耐えられる物質によっても作製される。例えば、キャニスタ10は、金属や合金材質によっても作製されるが、それに限定されるものではない。
【0046】
キャニスタ10は、例えば、液状や、固状や、気状や、ゲル(gel)状などのいずれか1つの状態を有する推進体及びエアロゾル生成物質を保持することができる。
【0047】
推進体は、ハイドロフルオロアルカン(HFA)及び塩化フッ化炭素(CFC)のうち、少なくともいずれか1つを含み、エアロゾル生成物質は、液状組成物を含んでもよい。例えば、液状組成物は、揮発性タバコ香成分を含むタバコ含有物質を含む液体でもあり、非タバコ物質を含む液体でもある。
【0048】
液状組成物は、例えば、水、ソルベント、エタノール、植物抽出物、香料、香味剤、及びビタミン混合物のうち、いずれか1つの成分、またはこれら成分の混合物を含んでもよい。香料は、メントール、ペパーミント、スペアミントオイル、各種果物の香り成分などを含むが、それらに制限されるものではない。香味剤は、ユーザに多様な香味または風味を提供する成分を含んでもよい。ビタミン混合物は、ビタミンA、ビタミンB、ビタミンC及びビタミンEのうち、少なくとも1つが混合されたものでもあるが、それらに制限されるものではない。また液状組成物は、グリセリン及びプロピレングリコールのようなエアロゾル形成剤を含んでもよい。
【0049】
例えば、液状組成物は、ニコチン塩が添加された任意の重量比のグリセリン及びプロピレングリコール溶液を含んでもよい。液状組成物には、2種以上のニコチン塩が含まれうる。ニコチン塩は、ニコチンに有機酸または無機酸を含む適切な酸を添加することで形成されうる。ニコチンは、自然に発生するニコチンまたは合成ニコチンであって、液状組成物の総溶液重量に対する任意の適切な重量の濃度を有する。
【0050】
ニコチン塩の形成のための酸は、血中ニコチン吸収速度、エアロゾル生成装置1000の作動温度、香味または風味、溶解度などを考慮して適切に選択されうる。例えば、ニコチン塩の形成のための酸は、安息香酸、乳酸、サリチル酸、ラウリン酸、ソルビン酸、レブリン酸、ピルビン酸、ギ酸、酢酸、プロピオン酸、酪酸、バレリン酸、カプロン酸、カプリル酸、カプリン酸、クエン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、オレイン酸、リノール酸、リノレン酸、フェニル酢酸、酒石酸、コハク酸、フマル酸、グルコン酸、サッカリン酸、マロン酸またはリンゴ酸で構成された群から選択される単独の酸、または前記群から選択される2以上の酸の混合でもあるが、それらに限定されない。
【0051】
一実施例によれば、キャニスタ10は、ニコチン及び推進体を含む媒質を保存し、マウスピース200が位置する方向の反対側に位置して媒質が流出される流出口20を含んでもよい。例えば、キャニスタ10は、マウスピース200側である第1端部と第1端部の反対側端部である第2端部を含み、流出口20は、第2端部に位置する。
【0052】
推進体及びエアロゾル生成物質を含む媒質は、高圧の条件であるキャニスタ10内部から液体状態に保持されうる。キャニスタ10の流出口20が開放されれば、媒質に含まれた推進体が気化または膨脹し、媒質がキャニスタ10の外部に流出または排出されうる。
【0053】
移送チューブ30は、キャニスタ10から流出または排出された媒質を伝達されうる。一実施例において、移送チューブ30は、キャニスタ10の流出口20と連結される一端部とマウスピース200と連結される他端部を含み、一端部でキャニスタ10から媒質を伝達されうる。
【0054】
移送チューブ30は、気化または膨脹された媒質の圧力に耐えられる素材によっても作製される。例えば、移送チューブ30は、固定された形状に保持される金属素材(例えば、アルミニウム、ステンレス鋼)によって作製される。他の例として、移送チューブ30は、食品衛生性にすぐれた素材(例えば、熱可塑性ポリウレタン)によっても作製される。
【0055】
キャニスタ10から移送チューブ30に伝達された媒質は、エアロゾル生成装置1000外部に放出される前に移送チューブ30に一時的に滞留する。例えば、移送チューブ30に伝達された媒質は、移送チューブ30の他端部に配置された第1弁40によってエアロゾル生成装置1000外部への放出が制御されうる。第1弁40は、移送チューブ30に滞留する媒質がエアロゾル生成装置1000の外部に排出されることを許容または遮断する部分であって、これについてのさらに詳細な説明は後述する。
【0056】
一実施例によれば、移送チューブ30の直径及び長さは、ユーザのエアロゾル吸入量に基づいて設計されうる。例えば、移送チューブ30の直径及び長さは、ユーザの1回吸入当たりまたは1回喫煙当たり必要な媒質の容量に基づいて設計されうる。
【0057】
移送チューブ30の直径及び長さのうち、少なくともいずれか1つが大きいほど、移送チューブ30の体積が増加するので、移送チューブ30に滞留する媒質の最大量が増加しうる。すなわち、移送チューブ30の直径及び長さを調節することで吸入当たりまたは喫煙当たり、エアロゾル生成装置1000で生成されるエアロゾルの量が異なる。
【0058】
このように、移送チューブ30は、互いに離隔されて位置するキャニスタ10の流出口20とマウスピース200を連結してエアロゾル生成装置1000内部に媒質を伝達することができ、移送チューブ30の設計によってエアロゾル生成装置1000で生成されるエアロゾルの量が、カスタマイズによって調節または変更されうる。
【0059】
図2に図示された実施例によれば、移送チューブ30は、キャニスタ10の外周面に沿って延びる。一例として、移送チューブ30は、キャニスタ10の外周面から所定間隔で離隔された状態で流出口20と連結された一端部から、外周面に沿ってマウスピース200と連結された他端部まで直線状または曲線状に延びうる。他の例として、移送チューブ30は、キャニスタ10の外周面に当接した状態で流出口20と連結された一端部から外周面に沿ってマウスピース200と連結された他端部まで直線状または曲線状に延びる。
【0060】
図3に図示された他の実施例によれば、移送チューブ30は、キャニスタ10の外周面に沿って螺旋状に巻かれる。ここで、「キャニスタの外周面に沿って螺旋状に巻かれる」という意味は、移送チューブ30がキャニスタ10の形状に対応してキャニスタ10の外周面に沿ってキャニスタ10に巻かれることを意味する。例えば、キャニスタ10は、円筒状、三角柱状、四角柱状、多角柱状でもあり、移送チューブ30は、キャニスタ10の形状に対応して円形螺旋状、三角螺旋状、四角螺旋状、多角螺旋状に巻かれる。
【0061】
一実施例において、キャニスタ10と移送チューブ30は、一体化されるように配置されうる。例えば、移送チューブ30は、キャニスタ10の外周面を加圧するようにキャニスタ10の外周面に沿って巻かれる。他の例として、移送チューブ30の少なくとも一部は、キャニスタ10の外周面に接合されうる。具体的に、移送チューブ30は、キャニスタ10に溶接、接着剤などでキャニスタ10に接合され、キャニスタ10と移送チューブ30は、一体化されうる。
【0062】
移送チューブ30が螺旋形構造を有することにより、本体100内部の制限された空間で移送チューブ30の容量は、最大化し、移送チューブ30が占める空間は、最適化され、エアロゾル生成装置1000内部の構成要素の効率的な配置が可能にもなる。
【0063】
また、キャニスタ10に巻かれるか、キャニスタ10と一体化された移送チューブ30は、外部衝撃などが加えられたとき、その位置が固定され、構造的な安定性が向上しうる。
【0064】
他の実施例において、移送チューブ30は、多様な形状に形成され、エアロゾル生成装置1000の本体100内部の一部に配置されうる。例えば、移送チューブ30は、前述したように、所定の直径及び長さを有するように設計されるが、巻かれた部分、折り曲げられた部分、またはねじ曲がった部分を含み、本体100内部の一部に配置されうる。これにより、本体100内部で移送チューブ30が占める空間(または体積)が縮まり、本体100内部の空間活用度が向上しうる。
【0065】
第1弁40は、移送チューブ30の他端部に配置され、移送チューブ30に滞留する媒質外部への放出を制御することができる。例えば、第1弁40は、ユーザのエアロゾル生成装置1000不使用時には、移送チューブ30の他端部を閉鎖して、キャニスタ10から移送チューブ30に伝達された媒質が移送チューブ30からエアロゾル生成装置1000の外部への漏れを防止し、ユーザのエアロゾル生成装置1000の使用時には、移送チューブ30の他端部を開放し、移送チューブ30に伝達された媒質をエアロゾル生成装置1000の外部に放出させうる。
【0066】
他の例として、第1弁40は、ユーザのエアロゾル生成装置1000不使用時には、後述するノズル50のホール(またはベント)を閉鎖し、ユーザのエアロゾル生成装置1000使用時には、ノズル50のホールを開放して媒質をエアロゾル生成装置1000の外部に放出させうる。すなわち、第1弁40が開放されれば、移送チューブ30に滞留する媒質がノズル50を通過して外部にエアロゾルが噴出されうる。
【0067】
一実施例によれば、第1弁40は、ユーザ吸入に基づいて開放されうる。例えば、第1弁40は、ユーザがエアロゾル生成装置1000を吸い込むときに開放され、吸入しないときには閉鎖されうる。すなわち、一実施例に係わるエアロゾル生成装置1000は、ユーザの吸入に基づいてエアロゾルの生成が調節されうる。
【0068】
第1弁40は、所定の臨界圧力以上で開放され、所定の臨界圧力以下で閉鎖される機械式作動弁でもある。機械式作動弁は、移送チューブ30に滞留中の媒質の圧力によっては、開放されず、ユーザのエアロゾル生成装置1000の吸入によって移送チューブ30の他端部に負圧が作用して初めて、開放されるように作製されうる。
【0069】
一実施例において、第1弁40は、ニードル弁(または「ピントル(pintle)」)を含む。ニードル弁は、一端が鋭角に仕上げられた形状(例えば、円錐状)でもあり、ユーザのエアロゾル生成装置1000吸入による圧力変化によって変位されてホールを開放または閉鎖する。一例として、ニードル弁の上昇または下降運動に基づいて移送チューブ30の他端部が開放または閉鎖されうる。他の例として、ニードル弁の上昇または下降運動に基づいて、後述するノズル50のホールの隙間が開放または閉鎖されうる。
【0070】
第1弁40の種類は、上述した例に限定されるものではなく、第1弁40は、ユーザの入力に基づいて作動する電子式作動弁でもある。電子式作動弁は、例えば、ソレノイド弁でもある。ソレノイド弁は、ユーザの吸入またはユーザの操作を感知すれば、磁気力を発生させてソレノイド弁内部の流路が開放されるように動作する。
【0071】
ノズル50は、第1弁40が開放されれば、放出される媒質を微粒化してエアロゾルを噴出する。ノズル50は、通過する流体の流速を増加させ、圧力を減らすことで、流体を膨脹させうる。例えば、ノズル50は、媒質が放出される方向に沿って断面積が減少する形状にも作製される。ノズル50を通過する媒質が膨脹されることにより、粒子サイズは、微粒化及び均一化され、ノズル50の出口からエアロゾルが噴出されうる。
【0072】
ノズル50の通路は、所定の長さに形成されうる。ここで、所定の長さは、ノズル50内部の通路を通過する媒質(または、エアロゾル)が十分に小さいサイズ(例えば、直径10μm)に微粒化されるほどの長さを意味する。例えば、ノズル50は、第1弁40から曲線状に所定長さだけ延びる。
【0073】
一実施例において、ノズル50の通路は、折り曲げられた部分を含む。例えば、ノズル50の通路は、媒質の進行方向を変化させる部分を含む。他の例として、ノズル50の通路は、ノズル50の内部で所定の長さが確保されるように折れ曲がって延びる。
【0074】
ノズル50の通路の長さが長くなり、ノズル50の内部で媒質の進行距離が増加しうる。これにより、ノズル50で噴出されたエアロゾルの平均粒子サイズがさらに小さくなり、ユーザはさらに円滑なエアロゾル吸入が可能になる。
【0075】
一実施例よれば、ノズル50は、外気通路を含み、エアロゾルと外気とを混合して噴出する2流体(air-atomizing)ノズルでもある。2流体ノズルにについてのさらに詳細な説明は、後述する。
【0076】
前述したように、キャニスタ10の流出口20は、エアロゾル生成装置1000の下部側の他端に位置し、マウスピース200は、エアロゾル生成装置1000の上部側の一端に位置する。これにより、
図1A及び
図1Bで説明した従来の実施例に係わるエアロゾル生成装置10000a、10000bの問題点が解消されうる。
【0077】
一実施例において、ノズル50とマウスピース200は、互いに等しい方向に配置される。マウスピース200に含まれた排出孔210は、ノズル50が媒質を噴出する方向と平行方向に配置されうる。
【0078】
例えば、ノズル50は、媒質を+y方向に噴出するように配置され、マウスピース200の排出孔210も+y方向に向かうように配置されうる。他の例として、ノズル50は、媒質を+x方向と+y方向との間の一方向に噴出するように配置され、マウスピース200の排出孔210もノズル50と同一方向に向かうように配置されうる。
【0079】
ノズル50の方向と排出孔210の方向を一致させることで、マウスピース200を通じてエアロゾル生成装置1000を使用するユーザにエアロゾルの伝達がさらに円滑になされうる。
【0080】
以下では、
図4A及び
図4Bを参照して、第2弁60の動作についてさらに詳細に説明する。
【0081】
図4Aは、一実施例に係わるエアロゾル生成装置の一態様を示す部分拡大図であり、
図4Bは、一実施例に係わるエアロゾル生成装置の他の様態を示す部分拡大図である。
【0082】
図4A及び
図4Bを参照すれば、一実施例によるエアロゾル生成装置1000は、流出口20の開閉を調節してキャニスタ10に保存された媒質が移送チューブ30に伝達されることを制御する第2弁60をさらに含みうる。第2弁60は、例えば、第1位置P1と第2位置P2との間で移動し、キャニスタ10の流出口20を開放または閉鎖することができる。
【0083】
一態様において、第2弁60は、第1位置P1に位置してキャニスタ10の流出口20を閉鎖することができる。キャニスタ10内部は、相対的に高圧状態にあるので、キャニスタ10内部の媒質は、外部に移動しようとする特性があるが、流出口20を閉鎖する第2弁60によって媒質の外部への移動が遮断されうる。
【0084】
一実施例によれば、第2弁60は、流出口20の開閉を調節する胴体部61と、胴体部61の移動範囲を制限するロック部62を含む。ロック部62は、キャニスタ10の内側にかかるように作製され、キャニスタ10内部の圧力によって胴体部61がキャニスタ10の外部に離脱されることを防止する。すなわち、ロック部62は、キャニスタ10内部の圧力によって第2弁60が移動範囲を離脱して流出口20が開放されることを防止しうる。
【0085】
また、第2弁60は、エアロゾル生成装置1000の不使用時に、流出口20の閉鎖状態を保持するための弾性部(図示せず)をさらに含んでもよい。
【0086】
他の様態において、第2弁60は、第2位置P2に位置してキャニスタ10の流出口20を開放することができる。第2弁60は、一側において加圧されて第1位置P1から第2位置P2に移動する。第2弁60が第2位置P2に移動すれば、流出口20と移送チューブ30とが連通する間隙21が発生し、発生した間隙21を通じてキャニスタ10に保存された媒質が移送チューブ30に伝達されうる。
【0087】
第2弁60による流出口20の開閉メカニズムは、上述した方式によって限定されるものではなく、回転開閉式メカニズムなど多様な開閉メカニズムが実施例によるエアロゾル生成装置1000に適用されることを、本実施例に係わる技術分野で通常の知識を有する者であれば、理解できるであろう。
【0088】
一方、キャニスタ10、移送チューブ30、及び第2弁60は、一体型ユニットでもあり、キャニスタ10、移送チューブ30、及び第2弁60のうち、いずれか1つの耐久性が低下するか、故障が発生する場合、一体型ユニットをなすそれぞれが個別的に交換されるだけではなく、一体型ユニット全体が交換されうる。
【0089】
一実施例によれば、第2弁60は、ユーザの操作によって動作し、第2弁60が流出口20を開放するようにするユーザの操作に対応してキャニスタ10に保存された媒質が移送チューブ30に伝達されうる。例えば、ユーザは、第2弁60が第1位置P1から第2位置P2に移動するように加圧することができる。
【0090】
具体的に、一実施例によるエアロゾル生成装置1000は、第2弁60の動作を調節するためのボタン70をさらに含む。ここで、ボタン70は、物理的ボタンによって具現され、かつ静電容量型タッチセンサによっても具現される。
【0091】
例えば、ボタン70の操作によって第2弁60の動作が機械的に調節されうる。第2弁60と連結されたボタン70が押されれば、第2弁60の一端が加圧され、これにより、流出口20は、開放されうる。
【0092】
他の例として、ボタン70の操作によって第2弁60の動作が電気的に操作されうる。具体的に、ボタン70が押されれば、第2弁60に磁気力を印加する電磁石と、電磁石に電流を供給するバッテリが電気的に連結されうる。すなわち、ボタン70は、電磁石にバッテリを連結するスイッチである。ボタン70が押されれば、電磁石に電流が印加され、電磁石は、第2弁60に磁気力を加える磁場を生成して第2弁60の一端が加圧されて初めて、流出口20が開放されうる。
【0093】
このようにボタン70は、第2弁60と物理的に連結されるか、電気的に連結され、ユーザがボタン70を操作すれば、第1位置P1から第2位置P2に移動するか、第2位置P2から第1位置P1に移動して、キャニスタ10の流出口20開閉調節がなされうる。
【0094】
一実施例において、ボタン70は、エアロゾル生成装置1000の外観を形成するハウジングに位置する。ここで、ハウジングは、本体を外部の衝撃から保護するための外部ケースを意味する。例えば、ボタン70は、エアロゾル生成装置1000の下部側の一端に位置する。他の例として、ボタン70は、エアロゾル生成装置1000の外周面に位置する。
【0095】
ユーザは、エアロゾル生成装置1000を把持した状態でボタン70を加圧し、第2弁60の動作を便利に調節する。
【0096】
第2弁60の動作がボタン70の操作に基づいて調節されることにより、移送チューブ30に伝達される媒質の量は、ボタン70の操作時間及び操作強度のうち、少なくともいずれか1つに基づいて決定されうる。
【0097】
移送チューブ30に伝達された媒質は、エアロゾル生成装置1000外部に直ちに排出されず、第1弁40が開放される条件でエアロゾル生成装置1000外部に排出されるので、ユーザは、ボタン70を直接操作することで、所望の量の媒質がキャニスタ10から移送チューブ30に伝達されるように調節することができる。
【0098】
すなわち、ユーザは、第2弁60の開閉を直接調節することで、エアロゾル生成装置1000を吸い込む前に生成しようとするエアロゾルの量を予備的に決定することができる。これにより、第1弁40の開放時、エアロゾル生成装置1000の外部に噴出されるエアロゾルの量をユーザが直接制御することができる。
【0099】
上述した実施例に係わるエアロゾル生成装置1000の内部で、媒質の移動過程は、キャニスタ10から移送チューブ30への移動過程と移送チューブ30からノズル50への移動過程に区分され、2つの移動過程を調節する第1弁40及び第2弁60は、ユーザによって操作または制御されうる。
【0100】
例えば、ユーザは、エアロゾル生成装置1000を吸い込む前に第2弁60を開放してキャニスタ10から移送チューブ30に、所定量の媒質が移動するようにし、エアロゾルを生成しようとするとき、エアロゾル生成装置1000を吸い込み、第1弁40を開放させることで、移送チューブ30に滞留する媒質をノズル50に移動させうる。
【0101】
このようにエアロゾル生成装置1000が第1弁40及び第2弁60を含むことにより、エアロゾル生成装置1000で媒質の漏れ可能性が二重遮断され、ユーザは、所望のタイミングに所望の量のエアロゾルを生成させうる。
【0102】
上述した実施例に係わるエアロゾル生成装置1000で本体の長手方向を横切る方向における断面形状は、ほぼ円形、楕円形、正方形、長方形またはさまざまな形態の多角形の断面形状でもある。但し、エアロゾル生成装置1000の断面形状は、前述したところによって制限されず、エアロゾル生成装置1000は、長手方向に延びるとき、必ずしも直線的に延びる構造に制限されるものではない。例えば、エアロゾル生成装置1000の断面形状は、ユーザが手で取りやすく流線形に湾曲されるか、特定領域で既定の角度で折り曲げられつつ、長く延び、エアロゾル生成装置1000の断面形状は、長手方向に沿って変化しうる。
【0103】
図5は、本発明のさらに他の実施例に係わるエアロゾル生成装置を概略的に示す図面である。
【0104】
図5を参照すれば、他の実施例に係わるエアロゾル生成装置2000は、マウスピース200、本体100、キャニスタ10、流出口20、移送チューブ30、第1弁40、ノズル50、第2弁60、ボタン70、バッテリ510、センサ520、ユーザインターフェース530、メモリ540及びプロセッサ550を含む。
【0105】
図5に図示されたエアロゾル生成装置2000は、
図3に図示されたエアロゾル生成装置2000において一部のハードウェア要素が追加されたものでもあり、
図3で説明した内容との重複説明は、省略し、追加された部分を主に説明する。
【0106】
ハードウェア構成要素は、エアロゾル生成装置2000の下部側に配置されるが、
図5に図示されたところに限定されない。エアロゾル生成装置2000の設計によって、エアロゾル生成装置2000の構成の配置が変更されるということを、本実施例に係わる技術分野で通常の知識を有する者であれば、理解できるであろう。
【0107】
バッテリ510は、エアロゾル生成装置2000の動作に用いられる電力を供給する。また、バッテリ510は、エアロゾル生成装置2000内に備えられた他のハードウェア要素、すなわち、センサ520、ユーザインターフェース530、メモリ540及びプロセッサ550の動作に必要な電力を供給することができる。バッテリ510は、充電可能なバッテリであるか、使い捨てバッテリでもある。
【0108】
例えば、バッテリ510は、ニッケル系バッテリ(例えば、ニッケル金属ハイドライドバッテリ、ニッケルカドミウムバッテリ)、またはリチウム系バッテリ(例えば、リチウムコバルトバッテリ、リン酸鉄リチウムバッテリ、チタン酸リチウムバッテリ、リチウムイオンバッテリまたはリチウムポリマーバッテリ)を含んでもよい。但し、エアロゾル生成装置2000に使用されるバッテリ510の種類は、前述したところによって制限されない。必要によって、バッテリ510は、アルカリバッテリ、またはマンガンバッテリを含んでもよい。
【0109】
エアロゾル生成装置2000は、少なくとも1つのセンサ520を含む。少なくとも1つのセンサ520でセンシングされた結果は、プロセッサ550に伝達され、センシング結果によって、プロセッサ550は、お知らせ表示のような多様な機能が遂行されるように、エアロゾル生成装置2000を制御することができる。
【0110】
例えば、少なくとも1つのセンサ520は、パフ感知センサを含む。パフ感知センサは、外部から流入される気流の流量(flow)変化、圧力変化、及び音の検出のうち、少なくとも1つに基づいて、ユーザのパフを感知する。パフ感知センサは、ユーザのパフ開始タイミング及び終了タイミングを検出し、プロセッサ550は、検出されたパフの開始タイミング及び終了タイミングによってパフ期間(puff period)及び非パフ(non-puff)期間を判断する。
【0111】
一実施例によれば、エアロゾル生成装置2000は、ユーザの吸入を感知するパフ感知センサをさらに含み、第1弁40は、パフ感知センサによる感知結果に基づいて動作されうる。例えば、第1弁40は、ソレノイド弁であり、ソレノイド弁は、パフ感知センサによる感知結果に基づいて動作されうる。
【0112】
ソレノイド弁は、パフ感知センサが感知したユーザの吸入に基づいて磁気力を発生させうる。例えば、パフ感知センサでセンシングされた結果は、プロセッサ550に伝達され、プロセッサ550は、センシング結果に基づいて、バッテリ510からソレノイド弁に供給される電流を制御する。
【0113】
一実施例において、ソレノイド弁の内部には、印加される磁気力によって移動可能な運動体が含まれる。運動体は、ユーザの吸入が感知されなければ、磁気力を印加されず、ソレノイド弁内部の流路を閉鎖する位置で保持され、ユーザの吸入が感知されれば、磁気力を印加されて、流路を閉鎖する位置から流路を開放する位置に移動する。
【0114】
また、少なくとも1つのセンサ520は、ユーザ入力センサを含む。ユーザ入力センサは、スイッチ、物理的ボタン、タッチセンサのようにユーザの入力を受信するセンサでもある。例えば、タッチセンサは、ユーザが金属材質によって形成された所定の領域をタッチする場合、キャパシタンス(capacitance)の変化が発生し、キャパシタンスの変化を検出することで、ユーザの入力を感知する静電容量型センサでもある。プロセッサ550は、静電容量型センサから受信したキャパシタンスの変化前後値を比較することで、ユーザの入力が発生したか否かを決定する。キャパシタンスの変化前後値が既設定のしきい値を超過した場合、プロセッサ550は、ユーザの入力が発生したと決定する。
【0115】
また、少なくとも1つのセンサ520は、モーションセンサを含む。モーションセンサを介してエアロゾル生成装置2000の勾配、移動速度及び加速度のようなエアロゾル生成装置2000の動きに係わる情報を獲得する。例えば、モーションセンサは、エアロゾル生成装置2000が動く状態、エアロゾル生成装置2000の停止状態、パフのためにエアロゾル生成装置2000が所定範囲内の角度で傾いた状態、及び各パフ動作の間でパフ動作時とは異なる角度でエアロゾル生成装置2000が傾いた状態に係わる情報を測定する。モーションセンサは、当該技術分野で知られた多様な方法を用いて、エアロゾル生成装置2000の運動情報を測定することができる。例えば、モーションセンサは、x軸、y軸及びz軸3方向の加速度を測定する加速度センサ及び3方向の角速度を測定することができるジャイロセンサを含んでもよい。
【0116】
メモリ540は、エアロゾル生成装置2000内で処理される各種データを保存するハードウェアであって、メモリ540は、プロセッサ550で処理されたデータ及び処理されるデータを保存する。メモリ540は、DRAM(dynamic random access memory), SRAM(static random access memory)のようなRAM(random access memory), ROM(read-only memory), EEPROM(electrically erasable programmable read-only memory)などの多様な種類によって具現されうる。
【0117】
メモリ540には、エアロゾル生成装置2000の動作時間、最大パフ回数、現在パフ回数、及びユーザの喫煙パターンに係わるデータなどが保存されうる。
【0118】
プロセッサ550は、エアロゾル生成装置2000の全般的な動作を制御する。プロセッサ550は、多数の論理ゲートのアレイによっても具現され、汎用的なマイクロプロセッサ550と、該マイクロプロセッサ550で実行されうるプログラムが保存されたメモリの組合わせによっても具現される。また、プロセッサ550が他の形態のハードウェアによっても具現されるということを、本実施例が属する技術分野で通常の知識を有する者であれば、理解できるであろう。
【0119】
プロセッサ550は、少なくとも1つのセンサ520によってセンシングされた結果を分析し、後続して遂行される処理を制御する。例えば、プロセッサ550は、少なくとも1つのセンサによってセンシングされた結果に基づいて、第1弁40及び/または第2弁60の開閉を制御することができる。
【0120】
一実施例は、コンピュータによって実行されるプログラムモジュールのようなコンピュータによって実行可能な命令語を含む記録媒体の形態にも具現されうる。コンピュータ可読媒体は、コンピュータによってアクセス可能な任意の可用媒体でもあり、揮発性及び不揮発性媒体、分離型及び非分離型媒体をいずれも含む。またコンピュータ可読媒体は、コンピュータ記録媒体及び通信媒体をいずれも含む。コンピュータ記録媒体は、コンピュータ可読命令語、データ構造、プログラムモジュールまたはその他データのような情報の保存のための任意の方法または技術によって具現された揮発性及び不揮発性、分離型及び非分離型媒体をいずれも含む。通信媒体は、典型的にコンピュータ可読命令語、データ構造、プログラムモジュールのような変調されたデータ信号のその他データ、またはその他伝送メカニズムを含み、任意の情報伝達媒体を含む。
【0121】
図6Aは、一実施例に係わる2流体ノズルを示す図面であり、
図6Bは、他の実施例に係わる2流体ノズルを示す図面である。
【0122】
図6A及び
図6Bを参照すれば、実施例に係わる2流体ノズル50a、50bは、外気が流入される外気通路52a、52bを含んでもよい。例えば、2流体ノズル50a、50bは、外気が流入される少なくとも1つの外気通路52a、52bを含み、媒質と外気とをノズル50a、50bの内部または外部で混合させうる。
【0123】
一実施例において、2流体ノズル50aは、少なくとも1つの媒質通路51a及び外気通路52aを含み、媒質通路51aと外気通路52aは、ノズル50a内部で流体連通する。これにより、媒質通路51aに沿ってノズル50aの外部に移動する媒質は、ノズル50a内部の一領域においてノズル50a内部に流入された外気と混合されるか、衝突する。
【0124】
他の実施例において、2流体ノズル50bは、少なくとも1つの媒質通路51b及び外気通路52bを含み、媒質通路51bと外気通路52bは、エアロゾルが噴出されるノズル50bの末端まで延び、エアロゾルが噴出されるノズル50bの末端外部で流体連通しうる。これにより、ノズル50bを通過して放出された媒質と外気は、ノズル50bの末端の外部において外気と混合されるか、衝突する。
【0125】
このように2流体ノズル50a、50bを通過する媒質は、ノズル50a、50bの内部または外部で外気と混合されるか、衝突して、さらに小粒子を有するエアロゾルが効果的に生成されうる。
【0126】
本実施例に係わる技術分野で通常の知識を有する者は、前記記載の本質的な特性から外れない範囲で変形された形態として具現可能であるということを理解できるであろう。したがって、開示された方法は、限定的な観点ではなく、説明的な観点で考慮されねばならない。本発明の範囲は、前述した説明ではなく、請求範囲に示されており、それと同等な範囲内にある全ての相違点は、本開示に含まれていると解釈されねばならない。