(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-05-13
(45)【発行日】2024-05-21
(54)【発明の名称】システム、監視装置、プログラム及び監視方法
(51)【国際特許分類】
G07G 1/00 20060101AFI20240514BHJP
G07G 1/01 20060101ALI20240514BHJP
G07G 1/12 20060101ALI20240514BHJP
G07D 3/00 20060101ALI20240514BHJP
G07D 11/245 20190101ALI20240514BHJP
G07D 11/50 20190101ALI20240514BHJP
【FI】
G07G1/00 331B
G07G1/01 301E
G07G1/12 321H
G07D3/00 C
G07D11/245
G07D11/50
(21)【出願番号】P 2023002356
(22)【出願日】2023-01-11
(62)【分割の表示】P 2021032657の分割
【原出願日】2013-11-18
【審査請求日】2023-02-08
(31)【優先権主張番号】P 2013131716
(32)【優先日】2013-06-24
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(73)【特許権者】
【識別番号】000145068
【氏名又は名称】株式会社寺岡精工
(74)【代理人】
【識別番号】100149548
【氏名又は名称】松沼 泰史
(74)【代理人】
【識別番号】100145481
【氏名又は名称】平野 昌邦
(72)【発明者】
【氏名】齋藤 文克
(72)【発明者】
【氏名】巽 敏寛
【審査官】小島 哲次
(56)【参考文献】
【文献】特開2012-063936(JP,A)
【文献】特開2007-293764(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G07G 1/00- 1/14
G07D 9/00-13/00
G07D 1/00- 3/16
G07F 19/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
少なくとも精算処理を実行可能な複数の精算装置と、監視装置とを含むシステムにおいて、
前記監視装置は、
前記精算装置に複数の工程を経て完了する精算業務処理を実行させる実行指示を受け付ける指示受付手段と、
前記指示受付手段が受け付けた前記実行指示に基づいて、1以上の前記精算装置における前記精算業務処理の実行を制御する制御手段と
、
前記精算装置の夫々における前記精算業務処理の進行状況を画面に表示する表示手段と
を備え、
前記指示受付手段は、
一の前記実行指示に基づいて1以上の前記精算装置における前記精算業務処理が行われているときに、他の1以上の前記精算装置における前記精算業務処理を実行させる他の前記実行指示を受け付け可能であ
り、
前記表示手段は、
店員の作業が必要な状態でない前記精算装置について、進行中の処理の内容を報知するメッセージを表示し、店員の作業が必要な状態になった前記精算装置については、作業の内容を報知するメッセージを表示することを特徴とするシステム。
【請求項2】
前記表示手段は、
前記メッセージ
と共に、前記精算業務処理の複数の工程単位の進行状況を夫々の精算装置毎に表示することを特徴とする請求項1に記載のシステム。
【請求項3】
少なくとも精算処理を実行可能な複数の精算装置を含むシステムにおいて前記精算装置を監視する監視装置であって、
前記精算装置に複数の工程を経て完了する精算業務処理を実行させる実行指示を受け付ける指示受付手段と、
前記指示受付手段が受け付けた前記実行指示に基づいて、1以上の前記精算装置における前記精算業務処理の実行を制御する制御手段と
、
前記精算装置の夫々における前記精算業務処理の進行状況を画面に表示する表示手段と
を備え、
前記指示受付手段は、
一の前記実行指示に基づいて1以上の前記精算装置における前記精算業務処理が行われているときに、他の1以上の前記精算装置における前記精算業務処理を実行させる他の前記実行指示を受け付け可能であ
り、
前記表示手段は、
店員の作業が必要な状態でない前記精算装置について、進行中の処理の内容を報知するメッセージを表示し、店員の作業が必要な状態になった前記精算装置については、作業の内容を報知するメッセージを表示することを特徴とする監視装置。
【請求項4】
少なくとも精算処理を実行可能な複数の精算装置を含むシステムにおいて前記精算装置を監視する監視装置としてコンピュータを機能させるプログラムであって、
前記コンピュータを、
前記精算装置に複数の工程を経て完了する精算業務処理を実行させる実行指示を受け付ける指示受付手段、
前記指示受付手段が受け付けた前記実行指示に基づいて、1以上の前記精算装置における前記精算業務処理の実行を制御する制御手段
、
前記精算装置の夫々における前記精算業務処理の進行状況を画面に表示する表示手段
として機能させ、
前記指示受付手段は、
一の前記実行指示に基づいて1以上の前記精算装置における前記精算業務処理が行われているときに、他の1以上の前記精算装置における前記精算業務処理を実行させる他の前記実行指示を受け付け可能であ
り、
前記表示手段は、
店員の作業が必要な状態でない前記精算装置について、進行中の処理の内容を報知するメッセージを表示し、店員の作業が必要な状態になった前記精算装置については、作業の内容を報知するメッセージを表示することを特徴とするプログラム。
【請求項5】
少なくとも精算処理を実行可能な複数の精算装置を含むシステムにおいて前記精算装置を監視する監視装置における監視方法であって、
前記精算装置に複数の工程を経て完了する精算業務処理を実行させる実行指示を受け付ける指示受付ステップと、
前記指示受付ステップにて受け付けた前記実行指示に基づいて、1以上の前記精算装置における前記精算業務処理の実行を制御する制御ステップと
、
前記精算装置の夫々における前記精算業務処理の進行状況を画面に表示する表示ステップと
を含み、
前記指示受付ステップは、
一の前記実行指示に基づいて1以上の前記精算装置における前記精算業務処理が行われているときに、他の1以上の前記精算装置における前記精算業務処理を実行させる他の前記実行指示を受け付け可能であ
り、
前記表示ステップは、
店員の作業が必要な状態でない前記精算装置について、進行中の処理の内容を報知するメッセージを表示し、店員の作業が必要な状態になった前記精算装置については、作業の内容を報知するメッセージを表示することを特徴とする監視方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、システム、監視装置、プログラム及び監視方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、釣銭釣札機(単に釣銭機とも称する。特許文献1参照)を備えるPOSレジスタが知られている。釣銭釣札機を備えるPOSレジスタにおいては、一般に、閉店処理として、閉店後や開店前などに釣銭釣札機内に収納されている金額(現金有高/現金在高)を基準金額に調整(釣銭釣札機から貨幣を回収して金庫などに格納、金庫などから貨幣を持ち出して釣銭釣札機に補充)している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上記調整はPOSレジスタ毎に行われるのでPOSレジスタの数が多い場合などには、閉店処理の作業効率が悪くなるという問題があった。
【0005】
本発明は、このような事情を考慮してなされたものであり、その目的は、閉店時等の作業効率を高める技術を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上述した課題を解決するために、本発明の一態様に係るPOSシステムは、少なくとも精算処理を実行可能な複数の精算装置と、監視装置とを含むPOSシステムにおいて、前記監視装置は、1以上の前記精算装置を指定可能に画面に表示する表示手段と、前記画面を介して前記精算装置に複数の工程を経て完了する精算業務処理を実行させる実行指示を受け付ける指示受付手段と、前記指示受付手段が受け付けた前記実行指示に基づいて、1以上の前記精算装置における前記精算業務処理の実行を制御する制御手段とを備え、前記精算装置における前記精算業務処理の前記工程単位の進行状況を、夫々の精算装置毎に表示可能である。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【
図1】本発明の一実施形態によるPOSシステム1の構成図の一例である。
【
図2】POSシステム1に含まれるPOSレジスタ2の外観正面図及び側面図の一例である。
【
図3】POSレジスタ2の電気回路の構成を示すブロック図の一例である。
【
図6】POSシステム1の閉店処理の動作例を示すフローチャートである。
【
図7】POSレジスタ2における閉店処理の動作例(第1態様としての動作例)を示すフローチャートである。
【
図8】POSレジスタ2における閉店処理の動作を説明するための説明図である。
【
図9】POSレジスタ2における閉店処理の動作(第1態様としての動作例)を説明するための説明図である。
【
図10】POSレジスタ2における閉店処理の動作例(第2態様としての動作例)を示すフローチャートである。
【
図11】POSレジスタ2における閉店処理の動作(第2態様としての動作例)を説明するための説明図である。
【
図12】POSレジスタ2における閉店処理の動作例(第3態様としての動作例)を示すフローチャートである。
【
図13】POSレジスタ2における閉店処理の動作(第3態様としての動作例)を説明するための説明図である。
【
図14】POSレジスタ2における閉店処理の動作(第4態様としての動作例)を説明するための説明図である。
【
図18】表示内容および印刷内容を説明する説明図である。
【
図19】精算業務処理の動作を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下、本発明の一実施形態を、図面を参照して説明する。
図1は、本発明の一実施形態によるPOSシステム1の構成図の一例である。POSシステム1は、
図1に示すように、N台のPOSレジスタ2-1、POSレジスタ2-2、…、POSレジスタ2-N、監視装置(管理装置とも称する)3を含んで構成される。各装置は、LAN(Local Area Network)を介して接続されている。また、当該LAN上には、上記に加えて、ストアコントローラ4も接続されている。POSレジスタ2-1、POSレジスタ2-2、…、POSレジスタ2-Nの夫々を特に区別しない場合にはPOSレジスタ2と総称する。
【0009】
POSレジスタ2は、主に、購入される商品の登録を行う登録処理と、主に、登録された商品の代金決済を行う精算処理(会計処理、決済処理とも称する)とを実行するための装置である。即ち、POSレジスタ2は、主に登録処理を行う登録装置の機能と主に精算処理を行う精算装置の機能とを兼ね備えた装置である。
【0010】
監視装置3(例えば、パーソナルコンピュータ)は、例えば、各POSレジスタ2の動作状況を監視する。例えば、監視装置3は、夫々のPOSレジスタ2が精算処理中であるか否かや、夫々のPOSレジスタ2において未精算取引(精算処理が未完了である取引)が存在するか否かなどを監視する。監視装置3の詳細は後述する。
【0011】
ストアコントローラ4(例えば、サーバ)は、例えば、外部(例えば、本部に設置されたサーバ)から商品マスタを受信して記憶する。商品マスタは、各商品の商品識別情報(例えばJANコード)、商品名称、販売価格などの商品情報を格納(保持)するファイルである。また、ストアコントローラ4は、POSレジスタ2によって処理(生成)された取引情報を外部に送信する。
【0012】
図2は、POSシステム1に含まれるPOSレジスタ2の外観正面図及び側面図の一例である。
図3は、POSレジスタ2の電気回路の構成を示すブロック図の一例である。
図4は、閉店処理に関する説明図である。
図3において、符号11はPOSレジスタ2の全体を制御するCPU(中央演算装置)であり、図示するように他の構成要素それぞれと接続されている。CPU11の動作の詳細は後述する。
【0013】
図3において、符号12は、種々の情報を記憶するROM(Read Only Memory)である。ROM12は、例えば、CPU11が実行するプログラムを記憶する。符号13は、種々の情報を記憶するRAM(Random Access Memory)である。RAM13は、例えば、CPU11によってROM12から読み出された情報(例えば、上記プログラム)、CPU11によって処理された情報等を記憶する。符号22は、種々の情報を記憶するハードディスクである。ハードディスク22は、例えば、ストアコントローラ4から取得した情報(例えば、商品マスタ)、CPU11によって処理された情報等を記憶する。
【0014】
図2及び
図3において、符号14は、CPU11の制御に従って店員向けに情報を表示する表示部として機能するほか、店員から入力操作を受け付ける操作部として機能する店員用表示部(タッチパネル)である。符号15は、商品登録の完了入力や精算時においてお客から受け取った預かり金額などの数字データ入力等を行うための操作部である。符号16は、CPU11の制御に従ってお客向けに情報を表示する客用表示部である。
【0015】
図2及び
図3において、符号17は、貨幣(金銭)が収納される収納部30(
図3において非図示)への入出金を制御する自動釣銭釣札機である。POSレジスタ2と自動釣銭釣札機17との関係について、
図2、
図3に示す例では、自動釣銭釣札機17はPOSレジスタ2に内蔵されているが、自動釣銭釣札機17はPOSレジスタ2に接続されていてもよい。なお、POSレジスタ2と自動釣銭釣札機17との関係について、POSレジスタ2に内蔵された自動釣銭釣札機17とPOSレジスタ2に接続されている自動釣銭釣札機17とを特に区別しない場合には、ともに、POSレジスタ2の自動釣銭釣札機17とも称する。また、自動釣銭釣札機17を内蔵するPOSレジスタ2と自動釣銭釣札機17を接続しているPOSレジスタ2とを特に区別しない場合には、ともに、自動釣銭釣札機17を内蔵等するPOSレジスタ2とも称する。
【0016】
自動釣銭釣札機17は、POSレジスタ2において、登録された商品の代金を現金にて決済するときに使用される。自動釣銭釣札機17は、貨幣(紙幣)を投入するための紙幣投入口(非図示)、貨幣(硬貨)を投入するための硬貨投入口(
図2の符号17b)、貨幣(紙幣)を放出するための紙幣放出口(非図示)、貨幣(硬貨)を放出するための硬貨放出口(
図2の符号17a)、投入又は放出される貨幣を計数する計数部(非図示)、投入口又は放出口と収納部30の間の貨幣の搬送機構(非図示)などを有する。なお、紙幣投入口及び硬貨投入口は、預り金投入口とも称される。紙幣放出口及び硬貨放出口は、釣銭放出口とも称される。なお、紙幣投入口と紙幣放出口は共通であってもよく、また、硬貨投入口と硬貨放出口は共通であってもよい。
【0017】
自動釣銭釣札機17は、CPU11の制御に従って、釣銭投入口された貨幣を計数し、収納部30に収納する。また、自動釣銭釣札機17は、CPU11の制御に従って、放出する貨幣を計数し、釣銭放出口から放出する。例えば、自動釣銭釣札機17は、精算時にお客から預かった貨幣を計数し、収納部30に収納し、精算時にお客への釣り銭とする貨幣を計数し、釣銭放出口から放出する。
【0018】
また、自動釣銭釣札機17は、閉店処理時に補充された貨幣を計数し、収納部30に収納する。自動釣銭釣札機17は、閉店処理時に出金する貨幣を計数し、釣銭放出口から放出する。なお、閉店処理とは、閉店後や開店前などに自動釣銭釣札機17内に収納されている金額(現金有高/現金在高)を基準金額に調整する処理である。閉店処理は、自動釣銭釣札機17に貨幣を補充する金銭補充処理と、自動釣銭釣札機17から貨幣を回収する金銭回収処理とを含む。つまり、自動釣銭釣札機17は、CPU11の制御に従って、閉店処理として金銭回収処理又は/及び金銭補充処理を実行する。
【0019】
自動釣銭釣札機17を内蔵等するPOSレジスタ2は、当該POSレジスタ2における操作(例えば、操作部15の操作)に応じて自動釣銭釣札機17による閉店処理を実行してもよいし、監視装置3などの他の装置からの命令に応じて自動釣銭釣札機17による閉店処理を実行してもよい。また、閉店処理の実行に条件を設定してもよい。例えば、閉店処理を行う従業員(担当者)が特定された場合に閉店処理の実行を許可してもよいし、特定された従業員に閉店処理を実行する権限が与えられている場合に閉店処理の実行を許可してもよい。なお、閉店処理のうち金銭補充処理又は金銭回収処理の何れか一方又は両方に実行条件を設定してもよい。以上から、一例としては、自動釣銭釣札機17は、監視装置3から送信された閉店処理の実行を制御する閉店処理実行制御情報と、当該閉店処理を行う従業員の従業員識別情報とが得られた場合に、閉店処理(少なくとも金銭回収処理)を実行してもよい。
【0020】
自動釣銭釣札機17を内蔵等するPOSレジスタ2は、所定の条件に基づいて、閉店処理(金銭補充処理、金銭回収処理)を実行する。例えば、以下の条件(条件1、条件2)の全部又は一部を満たすように閉店処理を実行する。
【0021】
(条件1)最高額面の紙幣(現時点において一万円札)を全部回収する(
図4(a)参照)。
(条件2)全金種の硬貨の合計回収金額(硬貨合計回収金額)は、全金種の硬貨の合計金額(硬貨合計金額)のうちの所定金額未満の端数金額とする(
図4(a)参照)。
【0022】
従って、例えば、POSレジスタ2は、条件1に基づいて、金銭回収処理において自動釣銭釣札機17内の全一万円札を回収してもよい。例えば、POSレジスタ2は、金銭回収処理を実行する際に自動釣銭釣札機17内に一万円札が30枚残っているときには、金銭回収処理において当該30枚の一万円札を全部回収する。また、POSレジスタ2は、条件2に基づいて、金銭回収処理後の硬貨合計金額に千円未満の端数金額がなくなるように金銭回収処理において硬貨を回収しつつ、硬貨の回収よりも紙幣の回収を優先してもよい。例えば、POSレジスタ2は、金銭回収処理を実行する際に自動釣銭釣札機17内に153038円分の貨幣(うち紙幣分は151000円、硬貨分は2038円)が残っている場合に53038円分を回収するときには、{紙幣51000円分及び硬貨2038円分}や{紙幣52000円分及び硬貨1038円分}ではなく{紙幣53000円分及び硬貨38円分}を回収する。条件2によれば、回収される硬貨は少なくなるので、多くの硬貨を回収する場合に比べて作業が楽になる。つまり、同一金額の紙幣に比べて量(枚数)が多くなる硬貨の回収を少なく抑えるので、例えば、回収後の持ち運びなどが楽になる。
【0023】
また、自動釣銭釣札機17を内蔵等するPOSレジスタ2は、上記の条件(条件1、条件2)に代えて、又は加えて、以下の条件(条件3、条件4、条件5)の全部又は一部を満たすように閉店処理を実行してもよい。
【0024】
(条件3)閉店処理後には、最高額面の紙幣を除く全紙幣(五千円札、二千円札、千円札)の合計金額(紙幣合計金額)と硬貨合計金額とを合計した金額(紙幣硬貨合計金額)が紙幣硬貨合計基準金額(紙幣硬貨合計残置金額)以上となるようにする(
図4(a)、
図4(b)参照)。なお、他の条件を考慮しつつ、紙幣硬貨合計基準金額以上の最小額となるようにしてもよい。
(条件4)閉店処理後には、紙幣合計金額が紙幣合計基準金額(紙幣合計残置金額)以上となるようにする(
図4(a)、
図4(b)参照)。
(条件5)閉店処理後には、五千円札の合計金額が五千円札基準金額(五千円札残置金額)以上(
図4(a)、
図4(c)参照)、かつ、二千円札の合計金額が二千円札基準金額(二千円札残置金額)以上(
図4(a)、
図4(d)参照)、かつ、千円札の合計金額が千円札基準金額(千円札残置金額)以上となるようにする(
図4(a)、
図4(e)参照)。即ち、最高額面の紙幣を除く各紙幣の合計金額が夫々の金種別紙幣基準金額(金種別紙幣残置金額)以上となるようにする。なお、釣銭として二千円札を使用しないときには二千円札基準金額は0円となる。
【0025】
つまり、所定の条件として条件1~条件5がある場合には、POSレジスタ2は、条件1、条件2のうち少なくとも1つの条件と、条件3~条件5のうち少なくとも1つの条件とに従って閉店処理を実行してもよいし、条件1、条件2のうち少なくとも1つの条件に従って閉店処理を実行してもよいし(条件3~条件5は考慮せずに閉店処理を実行してもよいし)、条件3~条件5のうち少なくとも1つの条件に従って閉店処理を実行してもよい(条件1、条件2は考慮せずに閉店処理を実行してもよい)。
【0026】
従って、例えば、POSレジスタ2は、条件2、条件3及び条件5に基づいて、硬貨合計金額において所定金額未満の端数金額がなくなるように、かつ、紙幣硬貨合計金額が紙幣硬貨合計基準金額以上となるように、かつ、最高額面の紙幣を除く各紙幣の合計金額が夫々の金種別紙幣基準金額以上となるように(五千円札の合計金額が五千円札基準金額以上、かつ、二千円札の合計金額が二千円札基準金額以上、かつ、千円札の合計金額が千円札基準金額以上となるように)、閉店処理を実行してもよい。
【0027】
また、自動釣銭釣札機17は、CPU11の制御に従って、金種毎の現在枚数(現在、収納されている枚数)を管理する。具体的には、自動釣銭釣札機17は、金種毎の現在枚数に関する最新情報(以下、現在枚数情報という)を管理する。例えば、自動釣銭釣札機17は、貨幣投入時には、金種毎の投入枚数(入金枚数)に基づいて現在枚数情報を更新(加算)し、貨幣放出時には、金種毎の放出枚数(出金枚数)に基づいて現在枚数情報を更新(減算)する。また、自動釣銭釣札機17は、貨幣の投入、放出に際し、金種毎の投入枚数などの情報を含む入金履歴情報と、金種毎の放出枚数などの情報を含む出金履歴情報とを記憶する。
【0028】
なお、現在枚数情報、入金履歴情報、出金履歴情報は、自動釣銭釣札機17の内部(例えば、自動釣銭釣札機17が備える記憶領域(非図示))に記憶してもよいし、自動釣銭釣札機17の外部(例えば、ハードディスク22)に記憶してもよい。
【0029】
図3において、符号18は、コード情報(バーコード)を読み取るスキャナ部である。スキャナ部18は、読み取ったデータをCPU11へ供給する。例えば、スキャナ部18は、商品に貼付されたコード情報(例えば、JANコード)を読み取り、そのデータをCPU11へ供給する。また例えば、スキャナ部18は、従業員カードに印刷されたコード情報を読み取り、そのデータをCPU11へ供給する。なお、
図2にはスキャナ部18を示していないが、スキャナ部18は、POSレジスタ2の装置本体に有線で接続され、読み取ったデータを有線で装置本体に送信する構成としてもよいし、無線によって装置本体に接続され、読み取ったデータを装置本体に無線によって送信するような構成としてもよい。
【0030】
図2及び
図3において、符号19は、CPU11の制御に従って印刷物を発行する印刷部である。例えば、印刷部19は、精算処理の完了後、買上商品の明細情報等を印刷媒体に印刷してレシートとして発行する。
【0031】
図3において、符号20は、CPU11の制御に従ってLANを介して外部と通信する通信部である。具体的には、通信部20は、適宜、ストアコントローラ4から商品マスタを受信する。また、通信部20は、精算処理の完了後、ストアコントローラ4に取引情報を送信する。
【0032】
また、通信部20は、処理状況を監視装置3に送信する。例えば、通信部20は、登録処理の完了時に登録処理の完了を示す通知を監視装置3に送信し、精算処理の完了時に精算処理の完了を示す通知を監視装置3に送信する。なお、通信部20は、上記に加え、登録処理の開始を示す通知や精算処理の開始を示す通知を監視装置3に送信してもよい。
【0033】
また、通信部20は、当該POSレジスタ2の自動釣銭釣札機17の現在枚数情報を監視装置3に送信する。例えば、通信部20は、当該POSレジスタ2の現在枚数に変化(増減)があった場合に、当該POSレジスタ2の現在枚数情報を監視装置3に送信する。また例えば、通信部20は、上記に代えて又は加えて、現在枚数情報要求を監視装置3から受信した場合に、当該POSレジスタ2の現在枚数情報を監視装置3に送信(応答)してもよい。なお、通信部20は、同様に、他のPOSレジスタ2に現在枚数情報を送信してもよい。即ち、通信部20は、当該POSレジスタ2の現在枚数に変化があった場合や他のPOSレジスタ2から現在枚数情報要求を受信した場合に現在枚数情報を当該他のPOSレジスタ2に送信してもよい。つまり、POSレジスタ2は、他のPOSレジスタ2の現在枚数に変化があった場合に当該他のPOSレジスタ2から現在枚数情報を受信し、あるいは、他のPOSレジスタ2に現在枚数情報要求を送信することによって当該他のPOSレジスタ2から現在枚数情報を受信することができる。
【0034】
同様に、通信部20は、当該POSレジスタ2の自動釣銭釣札機17の入金履歴情報や出金履歴情報を監視装置3などに送信してもよい。例えば、通信部20は、要求に応じて入金履歴情報や出金履歴情報を監視装置3などに送信してもよい。
【0035】
また、通信部20は、当該POSレジスタ2(自装置)の自動釣銭釣札機17の貨幣がゼロに近い枚数である旨(即ち、釣銭ニアエンドである旨)を報知する情報(以下、釣銭ニアエンド情報という)や、当該POSレジスタ2の自動釣銭釣札機17の貨幣が収納許容限度枚数に近い枚数である旨(即ち、釣銭ニアフルである旨)を報知する情報(以下、釣銭ニアフル情報という)を監視装置3(又は、他のPOSレジスタ2)に送信してもよい。
【0036】
なお、POSレジスタ2は、LANを介して外部と通信する通信部20に加えて、近距離無線通信(例えば、ブルートゥース、RFID、赤外線通信)によって外部と通信する通信部(非図示)を備えてもよい。
【0037】
図3において、符号21はCPU11の制御に従って撮像する撮像部(カメラ)である。例えば、撮像部21は、当該POSレジスタ2を操作する店員、当該POSレジスタ2による商品の登録や精算を受けているお客を撮像する。なお、
図2には撮像部21を示していないが、撮像部21は、POSレジスタ2の装置本体に有線で接続され、撮像画像を有線で装置本体に送信する構成としてもよいし、無線によって装置本体に接続され、撮像画像を装置本体に無線によって送信するような構成としてもよい。
【0038】
続いて、監視装置3について説明する。監視装置3は、少なくとも、当該監視装置3全体を制御する制御部(CPU)と、種々の情報を記憶する記憶部(ROM、RAM)と、種々の情報を表示する表示部(ディスプレイ)と、外部と通信する通信部とを備える。
【0039】
監視装置3は、POSレジスタ2による処理状況(例えば精算状況)を表示部に表示する。例えば、監視装置3は、各POSレジスタ2から送信される通知(例えば、登録処理の完了を示す通知、精算処理の開始を示す通知、精算処理の完了を示す通知)などに基づいて、夫々のPOSレジスタ2が精算処理中であるか否か、あるいは、夫々のPOSレジスタ2において未精算取引が存在するか否かなどを表示する。
【0040】
図5は、表示画面の一例である。監視装置3は、全POSレジスタ2の精算状況を一覧表示(POSレジスタ2の数が多い場合にはスクロール表示)してもよい。例えば、LAN上に8台のPOSレジスタ2(POS1~POS8)がある場合、監視装置3は、
図5(a)に示すように、夫々のPOSレジスタ2を模した画像(アイコン)とともに各アイコンの近傍(例えば図示の如く下部)に、精算状況を表示してもよい。
図5(a)において、POS4のアイコンの下部の文言「使用中」は当該POS4が精算処理中(精算中)である旨を表し、POS6のアイコンの下部の文言「未精算」は当該POS6に未精算取引が存在する旨を表している。
【0041】
なお、監視装置3は、
図5(b)に示すように、精算状況毎に纏めて表示してもよい。
図5(b)の場合、精算処理中のPOSレジスタ2(POS4)のアイコンと、未精算取引が存在するPOSレジスタ2(POS6)のアイコンと、それ以外のPOSレジスタ2(POS1、POS2、POS3、POS5、POS7、POS8)のアイコンとを夫々異なる領域に表示している。また、POSレジスタ2が予め複数のグループにグループ化されている場合には、監視装置3は、
図5(c)に示すように、グループ毎に精算状況を表示してもよい。
図5(c)の場合、グループ1に属するPOSレジスタ2(POS1~POS4)のアイコンと、グループ2に属するPOSレジスタ2(POS5~POS8のアイコン)とを夫々異なる領域に表示している。なお、グループ数は3以上であってもよい。
【0042】
また、監視装置3は、POSレジスタ2における閉店処理の実行を制御する。具体的には、監視装置3は、精算状況を表示する画面を介して、1以上のPOSレジスタ2における閉店処理の実行を制御する。
【0043】
(
図5(a)に示すように精算状況を表示している場合)
監視装置3は、POSレジスタ2の指定がなく単に「閉店処理」が押下された場合、精算処理中のPOSレジスタ2(POS4)と未精算取引が存在するPOSレジスタ2(POS6)を除く他の全部のPOSレジスタ2(POS1、POS2、POS3、POS5、POS7、POS8)に閉店処理実行制御情報を送信する。なお、閉店処理実行制御情報を受信したPOSレジスタ2(POS1、POS2、POS3、POS5、POS7、POS8)の夫々は、夫々の装置において従業員識別情報が読み取られた後に、閉店処理実行制御情報に従って閉店処理を実行する。
【0044】
また、POSレジスタ2の指定がなく単に「閉店処理」が押下された場合に、監視装置3は、精算処理中のPOSレジスタ2(POS4)と未精算取引が存在するPOSレジスタ2(POS6)にも閉店処理実行制御情報を送信してもよい。即ち、監視装置3は、全部のPOSレジスタ2(POS1~POS8)に閉店処理実行制御情報を送信してもよい。なお、全部のPOSレジスタ2(POS1~POS8)に閉店処理実行制御情報を送信する態様の場合、精算処理中のPOSレジスタ2(POS4)及び未精算取引が存在するPOSレジスタ2(POS6)は、閉店処理実行制御情報を無視してもよいし、閉店処理が実行できない旨の通知(応答情報)を監視装置3に送信(応答)してもよい。なお、監視装置3は、POSレジスタ2(POS4、POS6)から閉店処理が実行できない旨の通知を受信したときは、その旨を報知(例えば、メッセージを表示)してもよい。
【0045】
なお、
図5(a)の例は、「閉店処理」の押下前においても、精算処理中のPOSレジスタ2(POS4)のアイコンに対応付けて「使用中」の文言を表示し、未精算取引が存在するPOSレジスタ2(POS6)のアイコンに対応付けて「未精算」の文言を表示しているが、「閉店処理」の押下後に「使用中」の文言や「未精算」の文言を表示してもよい。「閉店処理」の押下後に「使用中」の文言や「未精算」の文言を表示する態様の場合、監視装置3は、POSレジスタ2の指定がなく単に「閉店処理」が押下されたときは、全部のPOSレジスタ2(POS1~POS8)に閉店処理実行制御情報を送信するとともに、応答として精算処理中のPOSレジスタ2(POS4)から受信する閉店処理が実行できない旨(精算処理中である旨)の通知に基づいて、精算処理中のPOSレジスタ2(POS4)のアイコンに対応付けて「使用中」の文言を表示し、応答として未精算取引が存在するPOSレジスタ2(POS6)から受信する閉店処理が実行できない旨(未精算取引が存在する旨)の通知に基づいて、未精算取引が存在するPOSレジスタ2(POS6)のアイコンに対応付けて「未精算」の文言を表示する。また、監視装置3は、上記に代えて、精算処理中であるPOSレジスタ2や未精算取引が存在するPOSレジスタ2(POS4、POS6)を除く他の全部のPOSレジスタ2(POS1、POS2、POS3、POS5、POS7、POS8)に閉店処理実行制御情報を送信するとともに、「閉店処理」の押下時点において把握(記憶)している処理状況に関する情報に基づいて、「使用中」の文言や「未精算」の文言を表示してもよい。
図5(c)に示すように精算状況を表示している場合についても同様である。
【0046】
なお、「閉店処理」の押下後に「使用中」の文言や「未精算」の文言を表示する態様においては、確認を求めるようにしてもよい。例えば、「閉店処理」の押下後に「使用中」の文言や「未精算」の文言を表示した場合(即ち、精算処理中のPOSレジスタ2や精算処理中のPOSレジスタ2が存在している場合)と、「閉店処理」の押下後に「使用中」の文言や「未精算」の文言を表示しなかった場合(即ち、精算処理中のPOSレジスタ2や精算処理中のPOSレジスタ2が存在していなかった場合)の何れの場合においても、監視装置3は、「閉店処理」の押下後に再度「閉店処理」が押下された場合に、閉店処理実行制御情報を再度送信してもよい。換言すれば、全部のPOSレジスタ2(POS1~POS8)は、監視装置3から閉店処理実行制御情報(1回目)を受信した場合に、閉店処理を実行できるか否かを示した応答情報を監視装置3に送信し、その後に、監視装置3から閉店処理実行制御情報(2回目)を受信したときに閉店処理を実行してもよい。なお、当該例では、監視装置3から閉店処理実行制御情報(2回目)を受信するのは、精算処理中であるPOSレジスタ2や未精算取引が存在するPOSレジスタ2(POS4、POS6)を除く他の全部のPOSレジスタ2(POS1、POS2、POS3、POS5、POS7、POS8)である。
図5(c)に示すように精算状況を表示している場合についても同様である。
【0047】
また、POSレジスタ2の指定がなく単に「閉店処理」が押下された場合ではなく、POSレジスタ2の指定とともに「閉店処理」が押下された場合には、監視装置3は、指定された1以上のPOSレジスタ2に対して閉店処理の実行を制御してもよい。例えば、アイコン押下によって1以上のPOSレジスタ2を指定可能とし(例えば、指定状態/非指定状態を押下毎に切替可能とし)、ボタン「閉店処理」の押下時に指定状態にある1以上のPOSレジスタ2に閉店処理実行制御情報を送信してもよい。
【0048】
なお、POSレジスタ2の指定がなく単に「閉店処理」が押下された状態は、全部のPOSレジスタ2の指定とともに「閉店処理」が押下された状態と同様であるため、指定されたPOSレジスタ2のなかに精算処理中であるPOSレジスタ2や未精算取引が存在するPOSレジスタ2が含まれているときの動作は、精算処理中であるPOSレジスタ2や未精算取引が存在するPOSレジスタ2があるときにPOSレジスタ2の指定がなく単に「閉店処理」が押下されたときの動作と同様である。例えば、POS3、POS4、POS5が指定されて「閉店処理」が押下されたときには、監視装置3は、精算処理中のPOS4を除くPOS3、POS5に閉店処理実行制御情報を送信してもよいし、POS3、POS4、POS5の全部に閉店処理実行制御情報を送信してもよい。また、「閉店処理」の押下後に「使用中」の文言や「未精算」の文言を表示する態様に関しても、POSレジスタ2の指定とともに「閉店処理」が押下されたときの動作は、POSレジスタ2の指定がなく単に「閉店処理」が押下されたときの動作と同様である。例えば、POS3、POS4、POS5が指定されて「閉店処理」が押下されたときには、監視装置3は、POS3、POS4、POS5の全部に閉店処理実行制御情報を送信するとともに、応答として精算処理中のPOS4から受信する閉店処理が実行できない旨(精算処理中である旨)の通知に基づいて、精算処理中のPOS4のアイコンに対応付けて「使用中」の文言を表示してもよいし、精算処理中であるPOS4を除くPOS3、POS5に閉店処理実行制御情報を送信するとともに、「閉店処理」の押下時点において把握(記憶)している処理状況に関する情報に基づいて、「使用中」の文言を表示してもよい。また、確認を求める態様に関しても、POSレジスタ2の指定とともに「閉店処理」が押下されたときの動作は、POSレジスタ2の指定がなく単に「閉店処理」が押下されたときの動作と同様である。例えば、POS3、POS4、POS5が指定されて「閉店処理」が押下されたときには、監視装置3は、POS3、POS4、POS5の全部に閉店処理実行制御情報(1回目)を送信し、閉店処理実行制御情報(1回目)を受信した各POSレジスタ2(POS3、POS4、POS5)は、閉店処理を実行できるか否かを示した応答情報を監視装置3に送信し、監視装置3は、「閉店処理」が再度押下されたときに、閉店処理を実行できる旨の応答情報を送信したPOS3、POS5に閉店処理実行制御情報(2回目)を送信し、閉店処理実行制御情報(2回目)を受信した各POSレジスタ2(POS3、POS5)は、閉店処理を実行すればよい。
【0049】
(
図5(b)に示すように精算状況を表示している場合)
監視装置3は、POSレジスタ2の指定がなく単に「閉店処理」が押下された場合には、
図5(a)に示すように精算状況を表示している場合と同様、精算処理中のPOSレジスタ2(POS4)と未精算取引が存在するPOSレジスタ2(POS6)を除く他の全部のPOSレジスタ2(POS1、POS2、POS3、POS5、POS7、POS8)に閉店処理実行制御情報を送信する。
【0050】
POSレジスタ2の指定がなく単に「閉店処理」が押下された場合ではなく、精算処理中であるPOSレジスタ2や未精算取引が存在するPOSレジスタ2以外のPOSレジスタ2の表示領域内のPOSレジスタ2の指定とともに「閉店処理」が押下された場合には、監視装置3は、上記領域内から指定された1以上のPOSレジスタ2に対して閉店処理の実行を制御する。なお、精算処理中であるPOSレジスタ2の表示領域内や未精算取引が存在するPOSレジスタ2の表示領域内からは指定を受け付けないようにしてもよい。
【0051】
なお、「閉店処理」の押下後に「使用中」の文言や「未精算」の文言を表示する態様に関連して、
図5(b)に示すように精算状況は、「閉店処理」の押下後に、精算処理中であるPOSレジスタ2や未精算取引が存在するPOSレジスタ2があったときに限って表示するようにしてもよい。つまり、「閉店処理」の押下前は
図5(a)に示すように精算状況を表示し(「使用中」の文言や「未精算」の文言は非表示)、「閉店処理」の押下後に、POSレジスタ2から閉店処理が実行できない旨(精算処理中である旨、未精算取引が存在する旨)の通知を受信したときや、「閉店処理」の押下時点において把握(記憶)している処理状況に関する情報に基づいて、
図5(b)に示すように精算状況を表示してもよい。なお、
図5(b)に示すように精算状況は、所定の時間が経過する迄、又は、所定の操作がなされる迄表示し、その後は、元の
図5(a)に示すように精算状況に戻してもよい。
【0052】
(
図5(c)に示すように精算状況を表示している場合)
監視装置3は、グループ毎に精算状況を表示するときにはグループ毎に閉店処理の実行を制御してもよい。例えば、押下毎にグループ1の表示領域を指定状態/非指定状態に切替可能とし(グループ2の表示領域も同様)、ボタン「閉店処理」の押下時に指定状態にあるグループに属する全部のPOSレジスタ2(又は、精算処理中であるPOSレジスタ2や未精算取引が存在するPOSレジスタ2以外のPOSレジスタ2)に閉店処理実行制御情報を送信してもよい。例えば、
図5(c)において、ボタン「閉店処理」の押下時に、グループ1が指定状態であってグループ2が非指定状態であるときは、監視装置3は、POS1~POS4(又は、POS1~POS3)に閉店処理実行制御情報を送信する。ボタン「閉店処理」の押下時に、グループ2が指定状態であってグループ1が非指定状態であるときは、監視装置3は、POS5~POS8(又は、POS5、POS7、POS8)に閉店処理実行制御情報を送信する。ボタン「閉店処理」の押下時に、グループ1、グループ2が指定状態であるときは、監視装置3は、POS1~POS8(又は、POS1~POS3、POS5、POS7、POS8)に閉店処理実行制御情報を送信する。
【0053】
なお、グループの指定がなく単に「閉店処理」が押下された場合には、エラーメッセージ等を表示してもよいし、全グループに属する全部のPOSレジスタ2(又は、精算処理中であるPOSレジスタ2や未精算取引が存在するPOSレジスタ2以外のPOSレジスタ2)に閉店処理実行制御情報を送信してもよい。また、POSレジスタ2の指定とともに「閉店処理」が押下された場合には、監視装置3は、指定された1以上のPOSレジスタ2に対して閉店処理の実行を制御してもよい。なお、複数のPOSレジスタ2を指定する場合には、同一グループにおける複数のPOSレジスタ2の指定に限定してもよいし、限定しなくてもよい。
【0054】
以上のように、監視装置3の制御部は、未精算又は精算中の取引が存在しない複数のPOSレジスタ2の全てにおける閉店処理、又は、ユーザによって指定された1以上のPOSレジスタ2であって未精算又は精算中の取引が存在しない1以上のPOSレジスタ2における閉店処理、又は、未精算又は精算中の取引が存在しないPOSレジスタ2としてユーザによって指定された1以上のPOSレジスタ2における閉店処理、又は、ユーザによって指定された1以上のグループの夫々に含まれるPOSレジスタ2における閉店処理、又は、ユーザによって指定された1以上のグループの夫々に含まれるPOSレジスタ2であって未精算又は精算中の取引が存在しないPOSレジスタ2における閉店処理の実行を制御する。
【0055】
また、監視装置3は、
図5(d)に示すような、POSレジスタ2の貨幣情報を表示する。具体的には、監視装置3は、POSレジスタ2から取得(受信)した現在枚数情報に基づいて当該POSレジスタ2の貨幣情報を表示する。
図5(d)は、貨幣情報として表示された、あるPOSレジスタ2の金種別の現在金額(現在、収納されている金額)である。
【0056】
また、監視装置3は、閉店処理の実行対象となる1以上のPOSレジスタ2の夫々における金種別の現在金額に基づいて、当該閉店処理の金銭補充処理の実行に際し必要となる金種別の金額を算出する。例えば、監視装置3は、夫々のPOSレジスタ2から取得(受信)した現在枚数情報に基づいて上記金種別の金額を算出する。また、監視装置3は、上記金額を算出する際に、夫々のPOSレジスタ2に現在枚数情報要求を送信して現在枚数情報を取得して上記金種別の金額を算出してもよいし、適宜(現在枚数の増減の都度)、夫々のPOSレジスタ2から送信される現在枚数情報を用いて上記金種別の金額を算出してもよい。
【0057】
なお、監視装置3は、閉店処理実行制御情報と現在枚数情報要求とを同時に送信してもよい。例えば、監視装置3は、現在枚数情報要求を含む閉店処理実行制御情報を送信してもよい。
【0058】
図6は、POSシステム1の閉店処理の動作例を示すフローチャートである。なお、ユーザの指定などに基づいて3台のPOSレジスタ2(POS1、POS2、POS3)の閉店処理を行うものとする。
【0059】
(監視装置3の動作)ステップS10:監視装置3は、現在枚数情報要求を含む閉店処理実行制御情報を各POSレジスタ2に送信する。
ステップS11:監視装置3は、各POSレジスタ2から送信された現在枚数情報に基づいて各POSレジスタ2の貨幣情報(金種別の金額情報)を表示する。
ステップS12:監視装置3は、各POSレジスタ2の貨幣情報に基づいて、各POSレジスタ2における金種別の回収金額、各POSレジスタ2における金種別の補充金額、閉店処理の実行に際し準備する金種別の準備金額などを算出する。
ステップS13:監視装置3は、ステップS12において算出した金額に関する情報を送信する。例えば、監視装置3は、夫々のPOSレジスタ2に、金種別の回収金額/補充金額を示す情報を送信する。また、監視装置3は、準備金装置(例えば、売上金や準備金などを格納するために事務所などに設置されている装置)に、準備金額を示す準備金額情報を送信する。
ステップS14:監視装置3は、各POSレジスタ2から送信された閉店処理完了通知に基づいて閉店処理が完了した旨の報告を表示する。
そして、監視装置3のフローチャートは終了する。
【0060】
(各POSレジスタ2の動作)ステップS20:各POSレジスタ2は、ステップS10において監視装置3から送信された閉店処理実行制御情報に含まれる現在枚数情報要求に対する応答として、現在枚数情報を監視装置3に送信する。
ステップS30:各POSレジスタ2は、閉店処理を実行する。詳細は後述する。
ステップS40:各POSレジスタ2は、閉店処理完了通知を監視装置3に送信する。
そして、各POSレジスタ2のフローチャートは終了する。
【0061】
図7は、POSレジスタ2における閉店処理(
図6のステップS30)の動作例(第1態様としての動作例)を示すフローチャートである。
図7の閉店処理は、POS1における金銭回収処理→POS2における金銭回収処理→POS3における金銭回収処理→POS1における金銭補充処理→POS2における金銭補充処理→POS3における金銭補充処理の順に行われる。店員は、まず、POS1に移動する。
【0062】
ステップS31-1:POS1は、従業員情報を取得したか否かを判断する。例えば、POS1は、従業員カードに印刷されたコード情報を読み取られた場合に従業員情報を取得したと判断する。従業員情報を取得した場合にはステップS32-1に進む。
ステップS32-1:POS1は、金銭回収処理を実行する。POS1は、監視装置3から送信された当該POS1における金種別の回収金額を示す情報に基づいて貨幣を放出する。店員は、POS1から回収した貨幣を持ってPOS2に移動する。
【0063】
ステップS31-2:POS2は、POS1と同様、従業員情報を取得したか否かを判断する。従業員情報を取得した場合にはステップS32-2に進む。
ステップS32-2:POS2は、POS1と同様、金銭回収処理を実行する。店員は、POS1及びPOS2から回収した貨幣を持ってPOS3に移動する。
【0064】
ステップS31-3:POS3は、POS1やPOS2と同様、従業員情報を取得したか否かを判断する。従業員情報を取得した場合にはステップS32-3に進む。
ステップS32-3:POS3は、POS1やPOS2と同様、金銭回収処理を実行する。店員は、POS1、POS2及びPOS3から回収した貨幣を持って準備金装置に移動する。店員は、POS1、POS2及びPOS3から回収した貨幣を準備金装置に格納する。続いて、店員は、POS1、POS2及びPOS3の何れかに補充する貨幣を準備金装置から出力する。なお、準備金装置は、店員による操作などに応じて、ステップS13において監視装置3から送信された準備金額情報に基づいて、金銭補充処理において必要となる貨幣を金種毎に必要枚数分出力する。店員は、準備金装置から出力された貨幣を持ってPOS1に移動する。
【0065】
ステップS33-1:POS1は、金銭回収処理を行う前と同様、従業員情報を取得したか否かを判断する。従業員情報を取得した場合にはステップS34-1に進む。
ステップS34-1:POS1は、金銭補充処理を実行する。POS1は、監視装置置3から送信された当該POS1における金種別の補充金額を示す情報に基づいて貨幣を補充する。例えば、店員は、準備金装置から出力された全部の貨幣をPOS1に投入し、POS1は、投入貨幣から補充分(上記補充金額を示す情報によって示される金種毎の枚数)を収納し、余剰分の貨幣を放出してもよい。店員は、準備金装置から出力された貨幣のうちPOS1に補充されていない分の貨幣を持ってPOS2に移動する。
【0066】
ステップS33-2:POS2は、POS1と同様、従業員情報を取得したか否かを判断する。従業員情報を取得した場合にはステップS34-2に進む。
ステップS34-2:POS2は、POS1と同様、金銭補充処理を実行する。店員は、準備金装置から出力された貨幣のうちPOS1やPOS2に補充されていない分の貨幣を持ってPOS3に移動する。
【0067】
ステップS33-3:POS3は、POS1やPOS2と同様、従業員情報を取得したか否かを判断する。従業員情報を取得した場合にはステップS34-3に進む。
ステップS34-3:POS3は、POS1やPOS2と同様、金銭補充処理を実行する。そして、
図7のフローチャート(
図6のステップS30)は終了する。
【0068】
なお、POS1は、ステップS30-1、ステップS33-1において、従業員コードが読み取られる迄、
図5(e)のようなメッセージを表示してもよい。POS2やPOS3も同様である。また、POS1は、ステップS32-1において、金銭が放出されたときは、
図5(f)のようなメッセージを表示してもよい。POS2やPOS3も同様である。
【0069】
また、POS1は、金銭回収処理を行う前と金銭補充処理を行う前の両方において従業員情報を取得したか否かを判断しているが(ステップS31-1、ステップS33-1)、金銭補充処理を行う前の上記判断は省略してもよい。POS2やPOS3も同様である。また、後述する
図10のフローチャートにおいても同様である。
【0070】
図8は、POSレジスタ2における閉店処理の動作を説明するための説明図である。
図9は、POSレジスタ2における閉店処理の動作(第1態様としての動作例)を説明するための説明図である。
図8(a)、
図8(b)及び
図8(c)は、ある時点のPOS1、POS2及びPOS3の現在金額の一例である。
図8(d)は、閉店処理の条件に関する基準金額の一例である。
図8(d)によれば、紙幣硬貨合計基準金額は100000円、紙幣合計基準金額は80000円、五千円札基準金額は50000円、二千円札基準金額は0円、千円札基準金額は30000円、硬貨合計回収金額(端数金額)の最大は999円である。なお、
図8(d)の例の場合には、五千円札基準金額(50000円)と二千円札基準金額(0円)と千円札基準金額(30000円)との全条件を満たせば、紙幣合計基準金額(80000円)の条件も満たすため、紙幣合計基準金額(80000円)を条件として用いなくてもよい。
【0071】
各種の基準金額が
図8(d)に示した金額であって、
図7のフローチャートの開始時において、POS1~POS3の現在金額が、
図8(a)~
図8(c)に示した金額である場合には、POS1の金銭回収処理(
図7のステップS32-1)、POS2の金銭回収処理(
図7のステップS32-2)、POS3の金銭回収処理(
図7のステップS32-3)において、
図9(a)に示すように、貨幣が回収される。
【0072】
例えば、POS1の金銭回収処理においては、POS1は、全部の一万円札(20枚:200000円)を放出する(条件1)。また、POS1は、硬貨合計回収金額として所定金額(999円)未満の金額(370円)を放出する(条件2)。また、紙幣硬貨合計金額(回収分の370円を除く)が、紙幣硬貨合計基準金額(100000円)以上であって最少額になるように(条件3)、五千円札(2枚:10000円)を放出する。なお、
図9の例では、POS1は、回収枚数が最小になるように、千円札(10枚:10000円)ではなく五千円札(2枚:10000円)を放出している。なお、硬貨の回収する370円は最小枚数となる貨幣によって放出してもよい(また、金種毎の基準枚数を考慮して回収する金種と枚数を決定してもよい)。
【0073】
上記のPOS1の金銭回収処理後には、二千円札の合計金額(0枚:0円)≧二千円札基準金額(0枚:0円)、千円札の合計金額(45枚:45000円)≧千円札基準金額(30枚:30000円)、紙幣硬貨合計金額(100000円)≧紙幣硬貨合計基準金額(100000円)、紙幣合計金額(85000円)≧紙幣合計基準金額(80000円)については条件に合致するものの、五千円札の合計金額(8枚:40000円)<五千円札基準金額(10枚:50000円)については条件に合致していない。なお、図中の「OK」は合致している旨を表し、「NG」は合致していない旨を表している。
【0074】
また、POS1の金銭補充処理(
図7のステップS34-1)、POS2の金銭補充処理(
図7のステップS34-2)、POS3の金銭補充処理(
図7のステップS34-3)において、
図9(b)に示すように、貨幣が補充される。
【0075】
例えば、POS1の金銭補充処理においては、POS1は、五千円札(2枚:10000円)が補充される。当該POS1の金銭補充処理後には、五千円札の合計金額(10枚:50000円)≧五千円札基準金額(10枚:50000円)、二千円札の合計金額(0枚:0円)≧二千円札基準金額(0枚:0円)、千円札の合計金額(45枚:45000円)≧千円札基準金額(30枚:30000円)、紙幣硬貨合計金額(110000円)≧紙幣硬貨合計基準金額(100000円)、紙幣合計金額(95000円)≧紙幣合計基準金額(80000円)のように何れも条件に合致する。
【0076】
なお、
図9に示した、POS1からの回収金額(一万円札20枚:200000円、五千円札2枚:10000円、二千円札0枚:0円、千円札0枚:0円、硬貨:370円)、POS2からの回収金額(一万円札29枚:290000円、五千円札14枚:70000円、二千円札6枚:12000円、千円札4枚:4000円、硬貨:820円)、POS3からの回収金額(一万円札12枚:120000円、五千円札0枚:0円、二千円札0枚:0円、千円札0枚:0円、硬貨:730円)、事務所からの出金金額(五千円札14枚:70000円、千円札6枚:12000円)、POS1への補充金額(五千円札2枚:10000円、二千円札0枚:0円、千円札0枚:0円)、POS2への補充金額(五千円札6枚:30000円、二千円札0枚:0円、千円札0枚:0円)、POS3への補充金額(五千円札6枚:30000円、二千円札0枚:0円、千円札6枚:6000円)は、
図8(a)~
図8(c)に示したPOS1~POS3の夫々の現在金額、
図8(d)に示した条件に基づいて、監視装置3において算出され(
図6のステップS12)、各装置(POS1~POS3、準備金装置)に伝えられたものである(
図6のステップS13)。
図11、
図13及び
図14の例においても同様である。
【0077】
図10は、POSレジスタ2における閉店処理の動作例(第2態様としての動作例)を示すフローチャートである。
図7において、金銭回収処理→金銭補充処理の順に閉店処理を実行する例を説明したが、
図10に示すように、金銭補充処理→金銭回収処理の順に閉店処理を実行してもよい。即ち、
図10の閉店処理は、POS1における金銭補充処理→POS2における金銭補充処理→POS3における金銭補充処理→POS1における金銭回収処理→POS2における金銭回収処理→POS3における金銭回収処理の順に行われる。店員は、まず、準備金装置に移動する。準備金装置は、店員による操作などに応じて、ステップS13において監視装置3から送信された準備金額情報(第2態様用に算出した準備金額情報)に基づいて、金銭補充処理において必要となる貨幣を金種毎に必要枚数分出力する。店員は、準備金装置から出力された貨幣を持ってPOS1に移動する。
【0078】
ステップS131-1:POS1は、従業員情報を取得したか否かを判断する。従業員情報を取得した場合にはステップS132-1に進む。
ステップS132-1:POS1は、金銭補充処理を実行する。例えば、店員は、準備金装置から出力された全部の貨幣をPOS1に投入し、POS1は、投入貨幣から投入貨幣から補充分を収納し、余剰分の貨幣を放出してもよい。店員は、準備金装置から出力された貨幣のうちPOS1に補充されていない分の貨幣を持ってPOS2に移動する。以下、POS2、POS3においても同様に金銭補充処理を実行する(ステップS131-2、ステップS132-2、ステップS131-3、ステップS132-3)。店員は、POS1に移動する。
【0079】
ステップS133-1:POS1は、従業員情報を取得したか否かを判断する。従業員情報を取得した場合にはステップS134-1に進む。
ステップS134-1:POS1は、金銭回収処理を実行する。店員は、POS1から回収した貨幣を持ってPOS2に移動する。以下、POS2、POS3においても同様に金銭回収処理を実行する(ステップS133-2、ステップS134-2、ステップS133-3、ステップS134-3)。店員は、POS1、POS2及びPOS3から回収した貨幣を持って準備金装置に移動し、回収した貨幣を準備金装置に格納する。そして、
図10のフローチャート(
図6のステップS30)は終了する。
【0080】
図11は、POSレジスタ2における閉店処理の動作(第2態様としての動作例)を説明するための説明図である。各種の基準金額が
図8(d)に示した金額であって、
図10のフローチャートの開始時において、POS1~POS3の現在金額が、
図8(a)~
図8(c)に示した金額である場合には、POS1の金銭補充処理(
図10のステップS132-1)、POS2の金銭補充処理(
図10のステップS132-2)、POS3の金銭補充処理(
図10のステップS132-3)において、POS1、POS2、POS3は、
図11(a)に示すように、貨幣が補充される。なお、事務所からの出金金額(五千円札6枚:30000円、千円札6枚:6000円)は、POS3に補充される金額(五千円札6枚:30000円、千円札6枚:60000円)とから算出される。
【0081】
また、金銭回収処理(
図10のステップS134-1)、POS2の金銭回収処理(
図10のステップS134-2)、POS3の金銭回収処理(
図10のステップS134-3)において、
図11(b)に示すように、貨幣が回収される。
【0082】
例えば、POS1の金銭回収処理においては、POS1は、全部の一万円札(20枚:200000円)を放出する(条件1)。また、POS1は、硬貨合計回収金額として所定金額(999円)未満の金額(370円)を放出する(条件2)。また、紙幣硬貨合計金額(回収分の370円を除く)が紙幣硬貨合計基準金額(100000円)以上であって最少額(条件3)、かつ、五千円札の合計金額≧五千円札基準金額(10枚:100000円。条件5)、かつ、千円札の合計金額≧千円札基準金額(30枚:30000円。条件5)となるように、千円札(10枚:10000円)を放出する。当該POS1の金銭回収処理後には、五千円札の合計金額(10枚:50000円)≧五千円札基準金額(10枚:50000円)、二千円札の合計金額(0枚:0円)≧二千円札基準金額(0枚:0円)、千円札の合計金額(35枚:35000円)≧千円札基準金額(30枚:30000円)、紙幣硬貨合計金額(100000円)≧紙幣硬貨合計基準金額(100000円)、紙幣合計金額(85000円)≧紙幣合計基準金額(80000円)のように何れも条件に合致する。
【0083】
図12は、POSレジスタ2における閉店処理の動作例(第3態様としての動作例)を示すフローチャートである。POSレジスタ2は、
図12に示すように、1台ずつ閉店処理を実行してもよい。即ち、
図12の閉店処理は、POS1における金銭回収補充処理→POS2における金銭回収補充処理→POS3における金銭回収補充処理の順に行われる。店員は、まず、準備金装置に移動する。準備金装置は、店員による操作などに応じて、ステップS13において監視装置3から送信された準備金額情報(第3態様用に算出した準備金額情報)に基づいて、金銭回収補充処理において必要となる貨幣を金種毎に必要枚数分出力する。店員は、準備金装置から出力された貨幣を持ってPOS1に移動する。
【0084】
ステップS231-1:POS1は、従業員情報を取得したか否かを判断する。従業員情報を取得した場合にはステップS232-1に進む。
ステップS232-1:POS1は、金銭回収補充処理を実行する。例えば、店員は、準備金装置から出力された全部の貨幣をPOS1に投入し、POS1は、投入貨幣から補充分を収納し、余剰分の貨幣(回収分の貨幣も含む)を放出してもよい。店員は、手元に残った貨幣を持ってPOS2に移動する。以下、POS2、POS3においても同様に金銭回収補充処理を実行する(ステップS231-2、ステップS232-2、ステップS231-3、ステップS232-3)。店員は、手元に残った貨幣を持って準備金装置に移動し、手元に残った貨幣を準備金装置に格納する。そして、
図12のフローチャート(
図6のステップS30)は終了する。
【0085】
図13は、POSレジスタ2における閉店処理の動作(第3態様としての動作例)を説明するための説明図である。各種の基準金額が
図8(d)に示した金額であって、
図12のフローチャートの開始時において、POS1~POS3の現在金額が、
図8(a)~
図8(c)に示した金額である場合には、POS1の金銭回収補充処理(
図12のステップS232-1)、POS2の金銭回収補充処理(
図12のステップS232-2)、POS3の金銭回収補充処理(
図12のステップS232-3)において、
図13に示すように、貨幣が放出又は補充される。なお、POS1→POS2→POS3の順に処理する場合には事務所からの出金金額はない。
【0086】
例えば、POS1の金銭回収補充処理においては、POS1は、全部の一万円札(20枚:200000円)を放出する(条件1)。また、POS1は、硬貨合計回収金額として所定金額(999円)未満の金額(370円)を放出する(条件2)。また、紙幣硬貨合計金額(回収分の370円を除く)が紙幣硬貨合計基準金額(100000円)以上であって最少額(条件3)、かつ、五千円札の合計金額≧五千円札基準金額(10枚:100000円。条件5)、かつ、千円札の合計金額≧千円札基準金額(30枚:30000円。条件5)となるように、千円札(10枚:10000円)を放出する。当該POS1の金銭回収補充処理後には、五千円札の合計金額(10枚:50000円)≧五千円札基準金額(10枚:50000円)、二千円札の合計金額(0枚:0円)≧二千円札基準金額(0枚:0円)、千円札の合計金額(35枚:35000円)≧千円札基準金額(30枚:30000円)、紙幣硬貨合計金額(100000円)≧紙幣硬貨合計基準金額(100000円)、紙幣合計金額(85000円)≧紙幣合計基準金額(80000円)のように何れも条件に合致する。
【0087】
図14は、POSレジスタ2における閉店処理の動作(第4態様としての動作例)を説明するための説明図である。
図7のフローチャートに対応する閉店処理の動作として、
図9に示した閉店処理の動作(第1態様の動作)に代えて、
図14に示した閉店処理の動作(第4態様の動作)を実行してもよい。即ち、
図9に示した閉店処理の動作では、金銭回収処理の実行時において金銭補充処理における補充を考慮していないが、
図14に示すように、金銭回収処理の実行時において金銭補充処理における補充を考慮してもよい。具体的には、後段階の金銭補充処理における補充が不要になるように、前段階の金銭回収処理において回収する金種を選択している。
図14の閉店処理の例では、POS1の金銭補充処理における補充、POS2の金銭補充処理における補充が不要になっている。
【0088】
以上、POSシステム1によれば、閉店処理の作業効率を高めることができる。
【0089】
なお、POSシステム1において、出金伝票を用いて金銭回収処理を実行してもよい。例えば、監視装置3は、金種毎の放出枚数(回収枚数)をコード情報によって印刷(記録)した出金伝票を発行し、POSレジスタ2は、スキャナ部18によって出金伝票を読み取って金銭回収処理を実行してもよい。また、POSシステム1において、入金伝票を用いて金銭補充処理を実行してもよい。例えば、監視装置3は、金種毎の補充枚数をコード情報によって印刷(記録)した入金伝票を発行し、POSレジスタ2は、スキャナ部18によって入金伝票を読み取って金銭補充処理を実行してもよい。なお、POSレジスタ2は、撮像部21によって、出金伝票や入金伝票に印刷(記録)されたコード情報(例えば、二次元バーコード、例えば、QRコード(登録商標))を読み取ってもよい。また、監視装置3は、出金伝票や入金伝票を印字させる命令をPOSレジスタ2に送信してPOSレジスタ2に出金伝票や入金伝票を印字させてもよい。なお、出金伝票と入金伝票は1つの媒体であってもよい。
【0090】
また、上記実施形態では、閉店処理として自動釣銭釣札機17に貨幣を補充する処理(金銭補充処理)を実行する例を説明したが、他の場面において金銭補充処理を実行してもよい。例えば、釣銭ニアエンドになった場合に釣銭ニアエンド情報を監視装置3に送信し、監視装置3の命令に従って金銭補充処理を実行してもよい。また、上記実施形態では、閉店処理として自動釣銭釣札機17から貨幣を回収する処理(金銭回収処理)を実行する例を説明したが、他の場面において金銭回収処理を実行してもよい。例えば、釣銭ニアフルになった場合に釣銭ニアフル情報を監視装置3に送信し、監視装置3の命令に従って金銭回収処理を実行してもよい。
【0091】
また、上記実施形態では、閉店処理として主に紙幣の現在枚数を調整(硬貨については端数金額を回収)しているが、紙幣と同様、硬貨についても現在枚数を調整するようにしてもよい。即ち、硬貨合計基準金額、五百円玉基準金額、百円玉基準金額、…、一円玉基準金額などを設定し、閉店処理において、紙幣と同様、硬貨についても現在枚数を調整するようにしてもよい。
【0092】
なお、上記実施形態では、
図1に示したように、監視装置3とストアコントローラ4とは別体であるが、監視装置3とストアコントローラ4とが一体であってもよい。即ち、ストアコントローラ4は、監視装置3と同様の機能を兼ね備えていてもよい。監視装置3とストアコントローラ4とが一体であるときの当該一体装置も管理装置と称される。なお、監視装置3と一体であるときのストアコントローラ4はPOSシステム1の構成要素であるが、監視装置3と別体であるときのストアコントローラ4は必ずしもPOSシステム1の構成要素でなくてもよい。
【0093】
また、上記実施形態では、POSシステム1は、主に登録処理を行う登録装置の機能と主に精算処理を行う精算装置の機能とを兼ね備えた装置であるPOSレジスタ2を備えると説明したが、POSシステム1は、POSレジスタ2に代えて、主に登録処理を行う登録装置と、主に精算処理を行う精算装置とを別体として備えるようにしてもよい。登録装置は、登録処理後に取引情報(又は取引情報を特定可能な情報)をバーコード化(例えば、一次元のバーコード、二次元バーコード等)して印刷した紙片(お会計券)を発行し、精算装置において当該紙片を読み取らせることによって精算処理を実行してもよい。あるいは、精算処理を実行する精算装置を登録装置において指定し、指定された精算装置において精算処理を実行してもよい。なお、登録装置と精算装置が別体であるときの当該登録装置は必ずしもPOSシステム1の構成要素でなくてもよい。
【0094】
また、監視装置3とストアコントローラ4とは別体である態様における監視装置3や、上述の一体装置(監視装置3と同様の機能を兼ね備えたストアコントローラ)が、管理装置であると説明したが、POSレジスタ2が管理装置であってもよい。即ち、POSシステム1内の、ある代表のPOSレジスタ2(又は、夫々のPOSレジスタ2)が、上記実施形態における、監視装置3と同様の機能を兼ね備えていてもよい。また、主に登録処理を行う登録装置と、主に精算処理を行う精算装置とを別体として備える構成においては、精算装置(又は登録装置)が管理装置であってもよい。即ち、ある代表の精算装置(又は、夫々の精算装置)が、上記実施形態における監視装置3と同様の機能を兼ね備えていてもよいし、ある代表の登録装置(又は、夫々の登録装置)が、上記実施形態における監視装置3と同様の機能を兼ね備えていてもよい。
【0095】
続いて、POSシステム1の応用例などについて記載する。具体的には、複数の工程(後述)を経て完了する精算業務処理について説明する。なお、以下の説明において、監視装置3は、
図15に示す、精算機1、精算機2、精算機3、精算機4、精算機11、精算機12、精算機13、精算機14、サービスカウンター機精算、精算機99本館入口機の10台を監視するものとする。なお、精算機99本館入口機については、精算業務処理が既に完了しているものとする。上記10台の各機器は、上述のPOSレジスタ2の具体例である。
【0096】
図15~
図16は、監視装置3に表示される画面例である。監視装置3は、精算業務処理を実行させる機器の指定を店員から受け付ける。例えば、
図15に示すような画面を表示しているときに、ボタン「メインメニュー」からの操作に応じて、
図16(a)に示すような機器指定画面を表示し、当該機器指定画面上に精算業務処理を実行させる機器の指定を受け付ける。
【0097】
図15の画面は、各機器について、種々の警告情報(例えば、釣銭ニアエンドである旨、釣銭ニアフル、領収証への捺印を要する旨、レシート残量が少ない旨、お会計に時間を要している旨)を表示する画面である。
図16(a)の機器指定画面は、精算業務処理を実行させる機器の指定するための画面である。
図16(a)の機器指定画面には、監視対象の全機器の番号(レジNo)に対応付けてチェックボックスが表示されている。店員は、精算業務処理を実行させる機器をチェックし、ボタン「実行」を押下することによって、精算業務処理を実行させる機器を指定する。
図16(a)の例では、精算機2、3、4、11、12、13、14の7台が指定されている。
【0098】
なお、
図16(a)の機器指定画面には、監視対象の全機器が表示されているが、監視対象の全機器のうち精算業務処理が未完了である機器が表示されるようにしてもよい。具体的には例えば、監視装置3は、表示対象を切り替える領域(例えば符号Aのプルダウンリスト)において「未完了」が選択された場合には、
図16(a)に代えて
図16(b)の機器指定画面を表示してもよい。なお、
図16(a)の画面には、精算業務処理が完了していない機器も、精算業務処理が既に完了している機器(精算機99本館入口機)も表示されており、店員は、表示された機器のうち、精算業務処理が完了していない機器のなかから精算業務処理を実行させる機器を指定することができる。
図16(b)の画面には、精算業務処理が既に完了している機器(精算機99本館入口機)は表示されず、精算業務処理が完了していない機器のみが表示され、店員は、表示された機器(精算業務処理が完了していない機器)のなかから精算業務処理を実行させる機器を指定することができる。
【0099】
監視装置3は、店員から精算業務処理を実行させる機器の指定を受け付けた場合には、当該指定を受け付けた各機器に精算業務処理を実行させる。具体的には、監視装置3は、機器指定画面において、1台以上の機器がチェックされ、ボタン「実行」が押下された場合、当該1台以上の各機器に対し、精算業務処理の開始を指示する情報(精算業務開始指示情報)を送信する。その後、監視装置3は、機器指定画面を消去する(閉じる)。一方、精算業務開始指示情報を受信した夫々の機器は、夫々、精算業務処理を開始する。つまり、監視装置3は、店員によって指定された各機器における精算業務処理の実行を制御(実行の開始を制御)する。
【0100】
なお、監視装置3は、機器指定画面において、1台以上の機器がチェック(指定)された後、ボタン「実行」が押下され、かつ、従業員の従業員識別情報を取得した場合に、精算業務開始指示情報を送信してもよい。例えば、1台以上の機器が指定され、続いて、ボタン「実行」が押下され、続いて、従業員カードに印刷されたコード情報(従業員コード)を読み取った場合に、精算業務開始指示情報を送信してもよい。
【0101】
また、監視装置3は、店員から精算業務処理を実行させる機器の指定を受け付けた場合には、当該指定を受け付けた各機器に対し精算業務開始指示情報を送信することに加え、当該指定を受け付けた各機器における精算業務処理の各工程の処理状況を表示部に表示する。具体的には、監視装置3は、精算業務処理の夫々の工程に対応する複数の工程領域を表示し、夫々の工程領域の表示態様を夫々に対応する工程の処理状況に応じて変化させることによって、精算業務処理の各工程の処理状況を表示する。
【0102】
図17は、監視装置3に表示される画面例である。具体的には、精算機2、3、4、11、12、13、14の7台における、精算業務処理の各工程の処理状況を表した画面例である。
図18は、表示内容および印刷内容を説明する説明図である。具体的には、
図18(a)は、説明の便宜上、
図17の一部(精算機4に関する表示内容)を拡大して示したものである。
図18(b)は、説明の便宜上、
図17の一部(精算機14に関する表示内容)を拡大して示したものである。
図18(c)は、精算業務処理の最後に印刷、発行されるレポートの一例である。
【0103】
監視装置3は、
図16に示すように、機器指定画面において、精算機2、3、4、11、12、13、14の7台の指定を受け付けた場合には、
図17に示すように、当該7台の夫々の機器における、精算業務処理の各工程の処理状況を表示する。即ち、監視装置3は、複数の機器が指定された場合には、機器毎に複数の工程領域を表示する。
【0104】
本実施形態においては、監視装置3は、精算業務処理に含まれる工程として、釣銭再精査、実在高確定、残置金確定、釣銭回収、レジ開設処理の処理状況を表示する。即ち、監視装置3は、釣銭再精査に対応する工程領域(
図18(a)(b)の符号B1の領域)、実在高確定に対応する工程領域(
図18(a)(b)の符号B2の領域)、残置金確定に対応する工程領域(
図18(a)(b)の符号B3の領域)、釣銭回収に対応する工程領域(
図18(a)(b)の符号B4の領域)、レジ開設処理に対応する工程領域(
図18(a)(b)の符号B5の領域)を表示し、夫々の工程領域の表示態様を夫々に対応する工程の処理状況に応じて変化(例えば、色を変化)させることによって、精算業務処理の各工程の処理状況を表示する。
【0105】
なお、
図17、
図18(a)、
図18(b)において、無地の工程領域は、当該工程領域が第1の表示態様(例えば、第1の色)で表示されていることを表し、当該工程が未だ行われていない旨を表している。また、濃い(密な)ドット表示の工程領域は、当該工程領域が第2の表示態様(例えば、第2の色)で表示されていることを表し、当該工程が現在行われている旨を表している。また、薄い(疎な)ドット表示の工程領域は、当該工程領域が第3の表示態様(例えば、第3の色)で表示されていることを表し、当該工程が既に終わった旨を表している。なお、本実施形態では、現在行われている工程と、既に終わった工程とを区別し、異なる表示態様で表示しているが、現在行われている工程と、既に終わった工程とを区別せずに、同一の表示態様で表示するようにしてもよい。
【0106】
各工程について説明する。精算業務処理の「釣銭再精査」は、当該機器内の貨幣を再精査することである。精算業務処理の「実在高確定」は、釣銭再精査の結果、当該機器の実在高が確定することである。精算業務処理の「残置金確定」は、当該機器内の残置金額を調整し確定させることである。必要な場合には、上述の「閉店処理」を実行し、残置金額を確定させる。精算業務処理の「釣銭回収」は、回収ボックス(カセット)を用いて、当該機器内の貨幣を回収することである。精算業務処理の「レジ開設処理」は、当該機器の売上情報をストアコントローラ4に送信することである。
【0107】
監視装置3が精算業務処理の各工程の処理状況を表示することによって、店員は、精算業務処理が「釣銭再精査」→「実在高確定」→「残置金確定」→「釣銭回収」→「レジ開設処理」の順に行われ、最後の「レジ開設処理」が終わると完了するということや、各機器において精算業務処理がどの程度、進んでいるかということを、視覚的に認識することができる。
図17の例によれば、例えば、精算機4について、「釣銭再精査」が終わって「実在高確定」が行われていることがわかる(
図18(a))。また例えば、精算機14について、「残置金確定」迄が終わって「釣銭回収」が行われていることがわかる(
図18(b))。
【0108】
精算業務処理の各工程の処理状況を表示するために、監視装置3は、機器指定画面において指定した各機器から、各工程の処理状況に関する情報(処理状況通知)を受信する。即ち、機器指定画面において指定された夫々の機器は、各工程の処理状況に応じて(例えば、各工程が終わったときに)、監視装置3に処理状況通知を送信し、監視装置3は、各機器から受信した処理状況通知に基づいて、
図17に示すような画面を表示する。なお、処理状況通知には、上記5つの工程(「釣銭再精査」「実在高確定」「残置金確定」「釣銭回収」「レジ開設処理」)のうち何れの工程が始まったかや終わったかを監視装置3が特定できるような情報が含まれる。
【0109】
つまり、
図17に示すように、複数ある工程の進捗状況を把握することができるので、終了までの大よその時間等も把握でき、また、例えば、「釣機回収」は実際に各装置で出向いて現金の回収等の作業が必要なので、「釣機回収」の直前の工程に位置する場合には、すぐに「釣機回収」に必要が回収箱を用意したり、回収作業の準備に取りかからないといけないことを把握したりすることができる。また、精算機でエラーが生じた場合には、監視装置3が精算機からエラー信号を受信し、
図17における当該精算機の表示領域にエラーである旨を表示し、又は、当該精算機の表示領域の背景態様(色、模様等)や表示領域の領域枠を、通常態様(通常色、通常模様、通常枠等)からエラーを報知するための報知態様(通常色と異なる色、通常模様と異なる模様、通常枠と色、太さ等が異なる枠等)に変える等して、工程の進行はその時点で停止させるので、エラーで停止している旨を簡便に把握することができるとともに、上述の工程の進捗状況等から、どの工程までは終了しているかや、何らかのエラーにより進行が停止した大よその理由(エラーの内容)等も把握することができる。そして、精算機で生じていたエラーが解除された場合には、当該精算機からエラー解除信号を監視装置3が受信され、上述のエラーである旨の表示が消去され、又は、報知態様から通常態様に変える等され、その後、当該精算機での工程の進度に応じて、各工程における表示形態が変わっていく。
【0110】
なお、精算機で生じたエラーの程度を判定し、例えば、重大なエラー(復帰に時間や手間を要するエラーや影響範囲が広いエラー等)であると判定した場合と、重大なエラーでないと判断した場合とで、上述のエラーである旨の表示の表示態様を異ならせてもよい。例えば、重大なエラーである場合には、重大なエラーでない場合によりも、目立つ態様(例えば、大きく)、エラーと表示するように制御してもよい。なお、監視装置3は、エラーの程度を判定するための情報(例えば、エラー信号から特定されるエラーの種類とエラーの程度とを対応付けた情報)を参照し、エラーの程度を判定すればよい。エラーの程度を判定するための情報は、監視装置3が参照できる場所(例えば、監視装置3自身)に記憶されていればよい。これにより、監視装置3を見れば、重大なエラーが生じているか、重大なエラーではなくすぐに処理可能なエラーが生じているかについても、把握することができる。そして、重大なエラーが生じたと監視装置3で判断した場合には、後述する「精算対象外」を押したときと、同様な処理を自動的に進めるようにしてもよい。
【0111】
また、監視装置3は、精算業務処理の実行中の機器に対し、当該精算業務処理を中断(又は中止)させる機能を有する。例えば、各機器の表示領域内に配置されたボタン「精算対象外(
図18(a)(b)の符号D)」が押下された場合、監視装置3は、該当する機器に対し、精算業務処理の中断を指示する情報(精算業務中断指示情報)を送信することによって、該当する機器における精算業務処理を中断させる。
【0112】
なお、中断された機器は、明示的な操作(例えば、再度、機器指定画面における指定)によって、精算業務処理を再開してもよい。また、何らかの理由(エラー等)によって精算業務処理が停止していた機器について、操作によって中断させたときなどの場合には、当該理由がなくなったとき(例えばエラー等が解消したとき)に、自動的に(明示的な操作がなく)、精算業務処理を再開してもよい。
【0113】
また、監視装置3は、纏めて指定された複数の機器(同時に精算業務開始指示情報を送信した複数の機器)から構成されるグループに属する機器の精算業務処理が中断されたときは、当該グループから、当該機器の精算業務処理の各工程の処理状況を除外して表示する。例えば、
図17の画面には、精算機2、3、4、11、12、13、14を同一グループ(グループ1)として表示しているが、精算機4に関する表示領域内のボタン「精算対象外」が押下された場合には、監視装置3は、精算機4について、グループ1とは異なる態様(少なくとも「グループ1」の表記を消去)で表示してもよい。
【0114】
なお、機器指定画面において最初にN台が指定され(当該N台に同時に精算業務開始指示情報が送信され)、続いてすぐにM台を指定される(当該M台に同時に精算業務開始指示情報が送信される)というような場合には、2つのグループ(N台から構成されるグループ1、M台から構成されるグループ2)が存在することになるが、このような場合には、同一グループに属する機器の精算業務処理として画面上に寄せて表示してもよい。
例えば、機器指定画面において、精算機2、12、14の3台が最初に指定され、続いてすぐに精算機3、4、11、13の4台が指定された場合には、
図17において、精算機2、12、14の処理状況を画面上段(又は左側)に寄せて表示し、精算機3、4、11、13の処理状況を画面下段(又は右側)に寄せて表示してもよい。つまり、精算業務処理の各工程の処理状況を表示するときの各機器の表示位置は、常に固定ではなく、機器指定画面において指定されたときの状況に応じて変化させてもよい。
【0115】
図19は、精算業務処理の動作を示すフローチャートである。なお、
図19のフローチャートの開始時において、監視装置3は、
図15の画面を表示しているものとする。また、
図19のフローチャートでは、精算業務処理を実行する機器として指定された複数の機器(本フローチャートにおいて当該複数の機器から構成されるグループをグループAと称する)のうち、ある1つの機器の動作を示し、精算業務処理を実行する機器として指定された他の機器(グループAに属する他の機器)の動作については省略したが、他の機器の動作についても同様である。
【0116】
(監視装置3の動作)
ステップSa1:店員の操作に応じて、機機器指定画面(例えば、
図16の画面)を表示する。
ステップSa2:ステップSa1にて表示した機機器指定画面にて機器の指定を受け付ける。
ステップSa3:所定の操作後(例えば、ボタン「実行」の押下後)、従業員コードを読み取る。
ステップSa4:ステップSa2にて指定を受け付けた機器に対し、精算業務開始指示情報(精算業務処理の開始を指示する情報)を送信する。また、機機器指定画面を消去する。
ステップSa5:精算業務処理の各工程の処理状況を表した画面(例えば、
図17の画面)を表示する。各機器の夫々の表示領域には「グループA」を表記する。
【0117】
ステップSa6:ステップSa4にて精算業務開始指示情報を送信した機器から、処理状況通知(各工程の処理状況に関する情報)を受信したか否かを判断する。処理状況通知を受信した場合にはステップSa7に進む。処理状況通知を受信しなかった場合にはステップSa8に進む。
ステップSa7:処理状況通知に応じて処理状況を更新する。例えば、ある機器から、「釣銭回収」が終わった旨の処理状況通知を受信した場合には、当該機器における「釣銭回収」の工程領域を、当該工程が既に終わった旨を示す所定の表示態様に変化させる。
ステップSa8:精算業務処理の中断の指示があったか否かを判断する。中断の指示があった場合にはステップSa9に進む。中断の指示がなかった場合にはステップSa11に進む。
【0118】
ステップSa9:指示された機器の精算業務処理を中断させる。例えば、ある機器の表示領域内に配置されたボタン「精算対象外」が押下された場合には、監視装置3は、当該機器に対し、精算業務中断指示情報(精算業務処理の中断を指示する情報)を送信することによって、当該機器における精算業務処理を中断させる。なお、本フローチャートにおいては精算業務中断指示情報の送受信について非図示としている。
ステップSa10:当該機器をグループAから除外する。例えば、当該機器に対して表示されていた「グループA」の表記を消去する。
【0119】
ステップSa11:グループAに属する全機器の精算業務処理が終わったか否かを判断する。即ち、ステップSa2にて指定された機器であってステップSa10にて中断させられていない機器の全てにおいて、精算業務処理が終わったか否かを判断する。なお、ある機器から、精算業務処理の最後の工程である「レジ閉設処理」が終わった旨の処理状況通知を受信した場合には、当該機器について精算業務処理が終わったと判断すればよい。グループAに属する全機器の精算業務処理が終わっていない場合にはステップSa6に戻る。終わった場合にはステップSa12に進む。
ステップSa12:精算業務処理に関するレポート(例えば、
図18(c)に示すようなレポート)を印刷、発行する。そして、監視装置3のフローチャートは終了する。
【0120】
なお、ステップSa12において、
図18(c)に示すように1枚のレポート(切れ込みが入っているものも含む)に、グループAに属する全ての機器に関する情報を纏めて印刷して発行してもよいし、個々の機器毎に別々のレポートを印刷、発行してもよい。個々の機器毎に別々のレポートを印刷、発行する態様では、個々の機器について精算業務処理が終わり次第、順次、レポートを印刷、発行してもよいが、前記「精算対象外」が押下された精算機に該当するレポートは非発行となるよう制御される。
つまり、当初同一のグループとして閉店処理を実行した場合に、一つの精算機に何らかのエラーが生じ、当該精算機において処理が進まない場合でも、前記「精算対象外」を押下することで、該同一グループからエラーが生じている該精算機を外すことができ、該同一グループ内の残りの精算機については精算業務が終了しレポートが発行されるので、そのエラーが生じている精算機が存在していたとしても、他の精算機における精算業務処理に影響を与えることなく、レポート出力まで完了させることができる。尚、上記レポートは、紙媒体に印刷することで出力してもよいし、あるいは、例えば、電子的に出力してもよい。
【0121】
(精算業務処理を実行する監視対象の機器の動作)
ステップSb1:監視装置3から精算業務開始指示情報(精算業務処理の開始を指示する情報)を受信する。
ステップSb2:「釣銭再精査」を行う(開始する)。
ステップSb3:監視装置3に対し、「釣銭再精査」が終わった旨の処理状況通知を送信する。なお、処理状況通知には、送信元を特定するための情報(例えば、レジ番号)を明示的に付加してもよいし、IPアドレスなどから送信元が特定することができる場合には明示的に付加しなくてもよい。他の工程に関する処理状況通知を送信する場合も同様である。
ステップSb4:「実有高確定」を行う(開始する)。なお、「実有高確定」は、上述の「釣銭再精査」の結果であるため、処理時間はあまり要しない。
ステップSb5:監視装置3に対し、「実有高確定」が終わった旨の処理状況通知を送信する。
ステップSb6:「残置金確定」を行う(開始する)。
ステップSb7:監視装置3に対し、「残置金確定」が終わった旨の処理状況通知を送信する。
ステップSb8:「釣機回収」を行う(開始する)。
ステップSb9:監視装置3に対し、「釣機回収」が終わった旨の処理状況通知を送信する。
ステップSb10:「レジ閉設処理」を行う(開始する)。
ステップSb11:監視装置3に対し、「レジ閉設処理」が終わった旨の処理状況通知を送信する。
ステップSb12:電源をOFFする。ステップSb11の実行後に直ちに電源をOFFしてもよいし、ステップSb11の処理状況通知を受信した旨の応答情報を監視装置3から受信した後に、電源をOFFしてもよい。そして、精算業務を実行する監視対象の機器のフローチャートは終了する。
【0122】
なお、上述の如く、精算業務中断指示情報(精算業務処理の中断を指示する情報)の送受信について非図示としているが、監視装置3から精算業務中断指示情報を受信した場合には、実行中のステップSb1~ステップSb12の処理を中断する。但し、送信処理(ステップSb2、Sb4、Sb6、Sb8、Sb10)の実行中に、精算業務中断指示情報を受信した場合には、当該処理の実行後に処理を中断してもよい。送信処理は精算業務処理ではなく、また、送信を途中で中断すると処理業況が不明確になる虞があるからである。
【0123】
なお、監視装置3は、精算業務処理において、店員の作業が必要な状態になった場合には、店員の作業が必要な状態になった旨を報知してもよい。例えば、
図18(b)(d)に示すように、各機器の表示領域(背景部分)の表示態様を、非呼出状態(店員の作業が必要でない状態)の表示態様から、呼出状態の(店員の作業が必要である状態)の表示態様に変化させてもよい。なお、
図17、
図18(a)(b)において、無地の背景部分は、当該機器が非呼出状態の表示態様(例えば、背景部分としての第1の色)で表示されていることを表し、斜線の背景部分は、当該機器が呼出状態の表示態様(例えば、背景部分としての第2の色)で表示されていることを表している。
【0124】
また、監視装置3は、所定の領域(
図18の符号Cの領域)に、精算業務処理の処理状況などや店員の呼出などに関するメッセージを表示してもよい。例えば、
図17に示す例では、精算機2について自動精算を開始する旨のメッセージ、精算機3について釣銭を再精査している旨のメッセージ、精算機4について差異をチェックしている旨のメッセージ、精算機11について売上回収をすべき旨(ドロア内の貨幣を移動させる旨)のメッセージ、精算機12についてキャッシュリサイクル出金(即ち、上述の「閉店処理」)をすべき旨のメッセージ、精算機13について実在高を入力をすべき旨のメッセージ、精算機14につい釣銭機のお金を回収すべき旨のメッセージを表示している。
【0125】
以上、本発明の実施形態等について詳述したが、具体的な構成はこの実施形態に限られるものではなく、この発明の要旨を逸脱しない範囲の設計等も含まれる。上記POSシステムに関し、以下の付記を開示する。
【0126】
(付記1)
複数の精算装置を含むPOSシステムにおいて、前記精算装置による精算状況を画面に表示する表示手段と、前記精算状況が表示される画面から1以上の前記精算装置における閉店処理の実行を制御する制御手段とを備えることを特徴とするPOSシステム。
(付記2)
前記精算装置は、前記閉店処理として金銭回収処理又は/及び金銭補充処理を実行する自動釣銭釣札機を備え、前記自動釣銭釣札機は、前記閉店処理を行う従業員の従業員識別情報が得られた場合に、前記閉店処理として少なくとも前記金銭回収処理を実行することを特徴とする付記1に記載のPOSシステム。
(付記3)
前記制御手段は、未精算又は精算中の取引が存在しない前記複数の前記精算装置の全てにおける閉店処理、又は、ユーザによって指定された1以上の前記精算装置であって未精算又は精算中の取引が存在しない1以上の前記精算装置における閉店処理、又は、未精算又は精算中の取引が存在しない前記精算装置としてユーザによって指定された1以上の前記精算装置における閉店処理、又は、ユーザによって指定された1以上のグループの夫々に含まれる前記精算装置における閉店処理の実行を制御することを特徴とする付記1又は付記2に記載のPOSシステム。
(付記4)
前記制御手段は、ユーザによって指定された1以上のグループの夫々に含まれる前記精算装置であって未精算又は精算中の取引が存在しない前記精算装置における閉店処理の実行を制御することを特徴とする付記1又は付記2に記載のPOSシステム。
(付記5)
前記精算装置は、硬貨の回収よりも紙幣の回収を優先させることを特徴とする付記1乃至付記4の何れか1項に記載のPOSシステム。
(付記6)
全金種の硬貨による硬貨合計回収金額は、全金種の硬貨の合計金額である硬貨合計金額のうちの所定金額未満の端数金額であることを特徴とする付記1乃至付記5の何れか1項に記載のPOSシステム。
上記POSシステムによれば、回収される硬貨は少なくなるので、多くの硬貨を回収する場合に比べて操作が楽になる。また、回収後の硬貨合計金額には端数がなくなるので管理が容易になる。
(付記7)
前記精算装置は、最高額面の紙幣を除く全紙幣の合計金額である紙幣合計金額と全金種の硬貨の合計金額である硬貨合計金額とを合計した紙幣硬貨合計金額が紙幣硬貨合計基準金額以上となるように、かつ、最高額面の紙幣を除く各紙幣の合計金額が夫々の金種別紙幣基準金額以上となるように、前記閉店処理を実行する付記1乃至付記6の何れか1項に記載のPOSシステム。
上記POSシステムによれば、紙幣硬貨合計基準金額、金種別紙幣基準金額に基づいて好適に貨幣の回収と補充とを行うことができる。
(付記8)
前記表示手段は、前記精算状況として未精算又は精算中の取引が存在する旨を画面に表示することを特徴とする付記1乃至付記5の何れかに記載のPOSシステム。
(付記9)
前記制御手段は、複数の工程を経て完了する精算業務処理の実行を制御し、前記表示手段は、ユーザによって指定された前記精算装置における、前記精算業務処理の各工程の処理状況を表示することを特徴とする付記1乃至付記8の何れか1項に記載のPOSシステム。
(付記10)
前記表示手段は、前記精算業務処理の夫々の工程に対応する複数の工程領域を表示し、夫々の前記工程領域の表示態様を夫々に対応する工程の処理状況に応じて変化させることによって、前記精算業務処理の各工程の処理状況を表示することを特徴とする付記9に記載のPOSシステム。
(付記11)
前記表示手段は、ユーザによって指定された前記精算装置毎に複数の前記工程領域を表示することによって、複数の前記精算装置における、前記精算業務処理の各工程の処理状況を表示することを特徴とする付記10に記載のPOSシステム。
(付記12)
前記表示手段は、纏めて複数の前記精算装置が指定された場合、同一のグループに属する前記精算装置の前記精算業務処理として、画面上に寄せて表示する付記11に記載のPOSシステム。
(付記13)
前記制御手段は、前記精算業務処理の実行中の前記精算装置に対する中断させる中断制御手段を有し、前記表示手段は、あるグループに属する前記精算装置の前記精算業務処理が前記中断制御手段によって中断されたときは、当該精算装置の前記精算業務処理の各工程の処理状況を除外して表示する付記12に記載のPOSシステム。
(付記14)
前記表示手段は、前記精算業務処理が完了していない前記精算装置を指定可能な指定画面を表示することを特徴とする付記9乃至付記13の何れか1項に記載のPOSシステム。
(付記15)
前記表示手段は、従業員の従業員識別情報を取得した後に、前記精算業務処理の各工程の処理状況を表示することを特徴とする付記9乃至付記14の何れか1項に記載のPOSシステム。
(付記16)
前記表示手段は、前記精算業務処理において、ドロア内の貨幣を移動させる旨のメッセージを表示することを特徴とする付記9乃至付記15の何れか1項に記載のPOSシステム。
(付記17)
前記精算業務処理は、各精算装置内の貨幣を再精査する処理、各精算装置内の貨幣を回収ボックスに回収する処理、各精算装置における売上情報を上位に送信する処理を含むことを特徴とする付記9乃至付記16の何れか1項に記載のPOSシステム。
【0127】
(付記18)
複数の工程を経て完了する精算業務処理を実行させる前記精算装置を指定するための指定手段と、前記精算業務処理の実行を制御する制御手段と、ユーザによって指定された前記精算装置における、前記精算業務処理の各工程の処理状況を表示する表示手段とを備えることを特徴とする監視装置。
(付記19)
前記表示手段は、前記精算業務処理の夫々の工程に対応する複数の工程領域を表示し、夫々の前記工程領域の表示態様を夫々に対応する工程の処理状況に応じて変化させることによって、前記精算業務処理の各工程の処理状況を表示することを特徴とする付記18に記載の監視装置。
(付記20)
前記表示手段は、ユーザによって指定された前記精算装置毎に複数の前記工程領域を表示することによって、複数の前記精算装置における、前記精算業務処理の各工程の処理状況を表示することを特徴とする付記19に記載の監視装置。
(付記21)
前記表示手段は、纏めて複数の前記精算装置が指定された場合、同一のグループに属する前記精算装置の前記精算業務処理として、画面上に寄せて表示する付記20に記載のPOSシステム。
(付記22)
前記制御手段は、前記精算業務処理の実行中の前記精算装置に対する中断させる中断制御手段を有し、前記表示手段は、あるグループに属する前記精算装置の前記精算業務処理が前記中断制御手段によって中断されたときは、当該精算装置の前記精算業務処理の各工程の処理状況を除外して表示する付記21に記載の監視装置。
(付記23)
前記表示手段は、前記精算業務処理が完了していない前記精算装置を指定可能な指定画面を表示することを特徴とする付記18乃至付記22の何れか1項に記載の監視装置。
(付記24)
前記表示手段は、従業員の従業員識別情報を取得した後に、前記精算業務処理の各工程の処理状況を表示することを特徴とする付記18乃至付記23の何れか1項に記載の監視装置。
(付記25)
前記表示手段は、前記精算業務処理において、ドロア内の貨幣を移動させる旨のメッセージを表示することを特徴とする付記18乃至付記24の何れか1項に記載の監視装置。
(付記26)
前記精算業務処理は、各精算装置内の貨幣を再精査する処理、各精算装置内の貨幣を回収ボックスに回収する処理、各精算装置における売上情報を上位に送信する処理を含むことを特徴とする付記18乃至付記25の何れか1項に記載の監視装置。
【0128】
なお、本実施形態のPOSシステム1(又は、監視装置3、POSレジスタ2)の各処理を実行するためのプログラムをコンピュータ読み取り可能な記録媒体に記録して、当該記録媒体に記録されたプログラムをコンピュータシステムに読み込ませ、実行することにより、POSシステム1(又は、監視装置3、POSレジスタ2)の各処理に係る上述した種々の処理を行ってもよい。なお、ここでいう「コンピュータシステム」とは、OSや周辺機器等のハードウェアを含むものであってもよい。また、「コンピュータシステム」は、WWWシステムを利用している場合であれば、ホームページ提供環境(あるいは表示環境)も含むものとする。また、「コンピュータ読み取り可能な記録媒体」とは、フレキシブルディスク、光磁気ディスク、ROM、フラッシュメモリ等の書き込み可能な不揮発性メモリ、CD-ROM等の可搬媒体、コンピュータシステムに内蔵されるハードディスク等の記憶装置のことをいう。
【0129】
さらに「コンピュータ読み取り可能な記録媒体」とは、インターネット等のネットワークや電話回線等の通信回線を介してプログラムが送信された場合のサーバやクライアントとなるコンピュータシステム内部の揮発性メモリ(例えばDRAM(Dynamic Random Access Memory))のように、一定時間プログラムを保持しているものも含むものとする。また、上記プログラムは、このプログラムを記憶装置等に格納したコンピュータシステムから、伝送媒体を介して、あるいは、伝送媒体中の伝送波により他のコンピュータシステムに伝送されてもよい。ここで、プログラムを伝送する「伝送媒体」は、インターネット等のネットワーク(通信網)や電話回線等の通信回線(通信線)のように情報を伝送する機能を有する媒体のことをいう。また、上記プログラムは、前述した機能の一部を実現するためのものであっても良い。さらに、前述した機能をコンピュータシステムにすでに記録されているプログラムとの組み合わせで実現できるもの、いわゆる差分ファイル(差分プログラム)であってもよい。
【0130】
以上、この発明の実施形態について図面を参照して詳述してきたが、具体的な構成はこの実施形態に限られるものではなく、この発明の要旨を逸脱しない範囲の設計等も含まれる。
【符号の説明】
【0131】
1…POSシステム 2…POSレジスタ 3…監視装置 4…ストアコントローラ 11…CPU 12…ROM 13…RAM 14…店員用表示部 15…操作部 16…客用表示部 17…自動釣銭釣札機 17a…硬貨放出口 17b…硬貨投入口 18…スキャナ部 19…印刷部 20…通信部 21…撮像部 30…収納部