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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-05-13
(45)【発行日】2024-05-21
(54)【発明の名称】直線摺動型ポテンショメータ
(51)【国際特許分類】
   H01C 10/16 20060101AFI20240514BHJP
   H01C 10/44 20060101ALI20240514BHJP
【FI】
H01C10/16 S
H01C10/44
【請求項の数】 6
(21)【出願番号】P 2023034270
(22)【出願日】2023-03-07
【審査請求日】2023-03-07
(73)【特許権者】
【識別番号】000120489
【氏名又は名称】栄通信工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000925
【氏名又は名称】弁理士法人信友国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】下田 達郎
(72)【発明者】
【氏名】増子 淳
【審査官】多田 幸司
(56)【参考文献】
【文献】特開2010-109256(JP,A)
【文献】実開平1-87503(JP,U)
【文献】実公昭39-7690(JP,Y2)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01C 10/00
H01C 10/16
H01C 10/44
H01C 13/02
H01H 15/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
それぞれ抵抗体及び導体と、前記抵抗体上及び前記導体上を摺動するスライダとを有する複数の抵抗体ユニットと、
前記複数の抵抗体ユニットが固定される複数の外壁面を有する筒状のケースと、
前記ケースの筒孔に挿入されたシャフトと、
前記複数の抵抗体ユニットの前記スライダと前記シャフトを連結する複数の連結ピンと、を備え、
前記ケースは、複数の連結ピンが貫通する複数のピン貫通溝を有する
直線摺動型ポテンショメータ。
【請求項2】
前記複数の抵抗体ユニットは、それぞれ基板本体と、前記基板本体に設けられた前記抵抗体及び前記導体と、有し、
前記基板本体の側面には、前記スライダが摺動可能に係合するガイド部が設けられている
請求項1に記載の直線摺動型ポテンショメータ。
【請求項3】
前記基板本体は、前記連結ピンが貫通する貫通溝を有し、
前記抵抗体及び前記導体は、前記貫通溝を挟んで並列されている
請求項2に記載の直線摺動型ポテンショメータ。
【請求項4】
前記シャフトは、
前記スライダが連結される角柱部と、
前記角柱部に連続する操作部と、を有し、
前記角柱部は、前記ケースと同じ角数である
請求項1に記載の直線摺動型ポテンショメータ。
【請求項5】
前記ケースは、前記シャフトを軸方向に案内するシャフトガイドを有する
請求項1に記載の直線摺動型ポテンショメータ。
【請求項6】
前記ケースは、角筒状に形成されている
請求項1に記載の直線摺動型ポテンショメータ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、1本のシャフト操作で複数の独立した電気的出力を取り出すことができる直線摺動型ポテンショメータに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、抵抗体及び導体に接触する摺動子を備えた移動部材(スライダ)を摺動させることで、抵抗体の抵抗値を変化させて目的とする出力電圧を得るポテンショメータが知られている。また、スライダの移動を案内するケースを備え、スライダをケースの長手方向に沿って直線的に移動させて、目的とする出力電圧を得る直線摺動型ポテンショメータが知られている(特許文献1)。
【0003】
図4は、従来の直線摺動型ポテンショメータの斜視図である。図5は、従来の直線摺動型ポテンショメータの分解斜視図である。図4に示すように、従来の直線摺動型ポテンショメータ100は、検出基板101と、スライダ102と、ケース103を備えている。
【0004】
図5に示すように、検出基板101は、長方形の基板本体111と、基板本体111に形成された抵抗体112及び導体113と、第1端子114と、第2端子115と、第3端子116とを有する。抵抗体112及び導体113は、基板本体111の長手方向に沿って直線状に延びている。また、抵抗体112と導体113は、互いに平行に配置されている。第2端子115は、導体113の長手方向の一端部に接続されている。第3端子116は、抵抗体112の長手方向の一端部に接続されている。
【0005】
スライダ102は、スライダ本体121と、摺動子122とを有する。摺動子122は、固定ねじ123を用いてスライダ本体121の下面に固定されている。摺動子122は、スライダ本体121に固定される取付金具128と、取付金具128の先端に設けられた接点129a,129bとを有する。接点129a,129bは、検出基板101の抵抗体112と導体113に接触しながら摺動する。
【0006】
ケース103は、長方形の板体からなる底部131と、底部131の短手方向の両側から突出する側板部132からなる。底部131には、固定ねじ134を用いて検出基板101の基板本体111が固定されている。側板部132,132の互いに対向する内側面には、スライダ102(スライダ本体121)が摺動可能に係合する摺動溝133が形成されている。
【0007】
検出基板101の第1端子114と第3端子116に外部入出力用リード線経由で入力電圧が印加されると、抵抗体112上を摺動する接点129aによって電圧が検知される。接点129aによって検知された電圧は、取付金具128、導体113上を摺動する接点129b、導体113、第2端子115の順に伝達され、第2端子115に接続された外部入出力用リード線から出力される。このように、直線摺動型ポテンショメータ100は、スライダ102の操作量に応じた出力電圧を得ることができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【文献】特開2018-182037号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
ところで、直線摺動型ポテンショメータにおいて、1本のシャフト操作で複数の独立した電気的出力を検出する場合は、必要な電気的出力の数の直線摺動型ポテンショメータを並列に配置することが考えられる。この場合は、各直線摺動型ポテンショメータのスライダを1本のシャフトに連結させて、多連結直線摺動型ポテンショメータを形成する必要がある。しかし、このような多連結直線摺動型ポテンショメータは、複数の直線摺動型ポテンショメータを並列に配置するため、直線摺動型ポテンショメータの数に比例して設置面積が大型化してしまう。
【0010】
本発明の目的は、上記の問題点を考慮し、複数の独立した電気的出力を得ることができ、且つ、設置面積の省スペース化を実現することができる直線摺動型ポテンショメータを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0011】
上記課題を解決し、本発明の目的を達成するため、本発明の一態様である直線摺動型ポテンショメータは、複数の抵抗体ユニットと、筒状のケースと、シャフトと、複数の連結ピンとを備える。複数の抵抗体ユニットは、それぞれ抵抗体及び導体と、抵抗体上及び導体上を摺動するスライダとを有する。ケースは、複数の抵抗体ユニットが固定される複数の外壁面を有する。シャフトは、ケースの筒孔に挿入される。複数の連結ピンは、複数の抵抗体ユニットのスライダとシャフトを連結する。そして、ケースは、複数の連結ピンが貫通するピン貫通溝を有する。
【発明の効果】
【0012】
上記構成の直線摺動型ポテンショメータによれば、複数の独立した電気的出力を得ることができ、且つ、設置面積の省スペース化を実現することができる。
なお、上述した以外の課題、構成および効果は、以下の実施形態の説明により明らかにされる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
図1】本発明の一実施形態に係る直線摺動型ポテンショメータの外観斜視図である。
図2】本発明の一実施形態に係る直線摺動型ポテンショメータの分解斜視図である。
図3】本発明の一実施形態に係る直線摺動型ポテンショメータにおける抵抗体ユニットの分解斜視図である。
図4】従来の直線摺動型ポテンショメータの斜視図である。
図5】従来の直線摺動型ポテンショメータの分解斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
[直線摺動型ポテンショメータの構成]
以下、本発明の一実施形態に係る直線摺動型ポテンショメータの構成について、図1及び図2を参照して説明する。なお、各図において共通の部材には、同一の符号を付している。
【0015】
図1は、直線摺動型ポテンショメータの外観斜視図である。図2は、直線摺動型ポテンショメータの分解斜視図である。
【0016】
図1に示すように、直線摺動型ポテンショメータ1は、複数の抵抗体ユニット2と、ケース3と、シャフト4と、複数の連結ピン5とを備える。複数の抵抗体ユニット2及び複数の連結ピン5は、本実施形態では、7つに設定されている。なお、本発明に係る抵抗体ユニットの数は、7つに限定されず、2つ以上であれば、適宜設定することができる。また、連結ピンの数は、抵抗体ユニットの数に応じて設定される。
【0017】
図2に示すように、ケース3は、軸方向に直交する断面が八角形の角筒状に形成されている。ケース3は、8つの外壁面31を有する。8つの外壁面31は、ケース3の軸方向に長い長方形に形成されている。8つの外壁面31のうちの7つの外壁面31aには、固定ねじ61を用いて7つの抵抗体ユニット2が固定されている。7つの外壁面31aには、ピン貫通溝32が形成されている。ピン貫通溝32は、ケース3の軸方向に延びている。
【0018】
8つの外壁面31のうちの1つの外壁面31bには、固定ねじ62を用いて取付板33が固定されている。取付板33は、適当な厚みを有する長方形の板体からなる。取付板33は、固定ねじ62が貫通するねじ貫通孔33aと、後述する固定ねじ63の頭部との干渉を避けるための貫通孔33bとを有する。
【0019】
外壁面31bの反対側の面である内壁面31cには、固定ねじ63を用いてシャフトガイド34が固定されている。シャフトガイド34は、シャフト4をケース3の軸方向(シャフト4の軸方向)に案内する。このシャフトガイド34は、ベース板36と、ベース板36から略垂直に突出する2つの突条部37とを有する。ベース板36は、ケース3の軸方向に長い長方形の板体からなる。ベース板36は、固定ねじ63が貫通するねじ貫通孔38を有している。
【0020】
ベース板36の一方の平面は、内壁面31cと対向する。ベース板36の他方の平面には、後述するシャフトスライダ44が摺動する。2つの突条部37は、ベース板36の他方の平面において短手方向の両側から略垂直に突出している。2つの突条部37とベース板36の他方の平面によって形成される2つの角部には、断面が矩形状の係合溝39がそれぞれ形成されている。
【0021】
シャフト4は、角柱部41と、操作部42とを有する。角柱部41は、ケース3に応じた角柱状である八角柱に形成されている。角柱部41は、ケース3の軸孔に挿入される。角柱部41の7つの側面41aには、連結ピン5を用いて抵抗体ユニット2の後述するスライダ22が連結される。7つの側面41aには、連結ピン5が螺合されるねじ孔43が形成されている。
【0022】
角柱部41の1つの側面41bには、固定ねじ64を用いてシャフトスライダ44が固定されている。シャフトスライダ44は、固定部46と、固定部46に連続する2つの突条部47とを有する。固定部46は、シャフト4の軸方向に長い長方形の板体からなる。固定部46の一方の平面は、角柱部41の側面41bに当接する。固定部46は、固定ねじ64が貫通するねじ貫通孔48を有している。
【0023】
2つの突条部47は、固定部46の他方の平面において短手方向の両側から略垂直に突出する。2つの突条部47には、それぞれ係合突起49が設けられている。係合突起49は、突条部47から外側に略垂直に突出する。2つの突条部47の係合突起49は、ケース3に取り付けたシャフトガイド34の係合溝39に摺動可能に係合する。すなわち、シャフト4は、シャフトガイド34に案内されて、軸方向に移動する。
【0024】
操作部42は、角柱部41と同軸の円柱状に形成されている。操作部42の直径は、角柱部41の8つの角が接する仮想円の直径よりも小さい。シャフト4は、操作部42を把持して押す(PUSH)又は引く(PULL)ことにより、軸方向に移動される。
【0025】
[抵抗体ユニットの構成]
次に、抵抗体ユニット2の構成について、図3を参照して説明する。
図3は、抵抗体ユニット2の分解斜視図である。
【0026】
図3に示すように、抵抗体ユニット2は、検出基板21と、スライダ22とを有する。
【0027】
検出基板21は、基板本体211と、基板本体211に形成された抵抗体212及び導体213と、第1端子214と、第2端子215と、第3端子216とを有する。
【0028】
基板本体211は、長方形の板体からなる。基板本体211は、例えば、樹脂によって形成されている。基板本体211には、貫通溝217が設けられている。貫通溝217は、基板本体211を厚み方向に貫通している。貫通溝217は、略長方形に形成されており、基板本体211の長手方向に延びている。
【0029】
抵抗体ユニット2をケース3(図2参照)の外壁面31aに固定した場合に、貫通溝217は、ケース3のピン貫通溝32と対向する。貫通溝217及びピン貫通溝32には、連結ピン5(図2参照)が貫通する。貫通溝217及びピン貫通溝32の幅は、連結ピン5の直径よりも十分に大きい。
【0030】
基板本体211の短手方向に直交する両側面には、ガイド溝218が形成されている。ガイド溝218は、基板本体211の長手方向に延びている。ガイド溝218には、スライダ22が摺動可能に係合する。ガイド溝218は、スライダ22を基板本体211の長手方向に案内する。
【0031】
抵抗体212及び導体213は、基板本体211の一方の平面に、例えば、転写成形により形成されている。抵抗体212及び導体213には、例えば、コンダクティブ・プラスチック(導電性樹脂)抵抗素子が用いられる。基板本体211及び導体213は、基板本体211の長手方向に沿って直線状に延びている。抵抗体112と導体113は、貫通溝217を挟んで並列されている。
【0032】
第1端子214、第2端子215、及び第3端子216は、基板本体211における長手方向の一端部に配置されている。第1端子214、第2端子215、及び第3端子216は、基板本体211の短手方向に適当な間隔を空けて並んでいる。
【0033】
基板本体211の一方の平面には、第1端子電極219aと、第2端子電極219bと、第3端子電極219cが設けられている。
【0034】
第2端子電極219bは、導体213における長手方向の一端部に接続されている。そして、第2端子電極219bには、第2端子215がカシメ固定されている。第2端子215と第2端子電極219bの導通は、導電性接着剤等で補強されている。
【0035】
第3端子電極219cは、抵抗体212における長手方向の一端部に接続されている。そして、第3端子電極219cには、第3端子216がカシメ固定されている。第3端子216と第3端子電極219cの導通は、導電性接着剤等で補強されている。
【0036】
第1端子電極219aは、抵抗体212における長手方向の他端部に接続されている。第1端子電極219aには、基板本体211を貫通したリード線が接続されている。リード線は、基板本体211の他方の平面に沿って延びており、基板本体211を貫通して第1端子214に接続されている。第1端子214とリード線の導通、及びリード線と第1端子電極219aの導通は、それぞれ導電性接着剤等で補強されている。
【0037】
スライダ22は、スライダ本体221と、摺動子222とを有する。
【0038】
スライダ本体221は、絶縁性材料によって形成されている。スライダ本体221は、正面から見た形状が略コ字状であり、上板部224と、2つの側板部225とを有する。
【0039】
上板部224は、略四角形の板体からなり、上面224aと下面224bを有している。上板部224の下面224bは、検出基板21における基板本体211の一方の平面(抵抗体212等が形成された平面)に対向する。上板部224の下面224bには、固定ねじ65を用いて摺動子222が固定されている。
【0040】
また、上板部224には、厚み方向に貫通する貫通孔226が形成されている。貫通孔226には、連結ピン5が貫通する。
【0041】
2つの側板部225は、上板部224の互いに対向する2辺に連続しており、上板部224から略垂直に突出している。2つの側板部225の互いに対向する面は、基板本体211の短手方向に直交する両側面に対向する。2つの側板部225の互いに対向する面には、それぞれ係合突部227が設けられている。係合突部227は、検出基板21のガイド溝218に摺動可能に係合する。
【0042】
摺動子222は、取付金具228と、2つの接点229a,229bから構成されている。取付金具228は、固定ねじ65を用いてスライダ本体221に固定される。2つの接点229a,229bは、それぞれ取付金具228の突起部に溶着されている。取付金具228は、2つの接点229a,229bを上板部224と反対側に付勢する。これにより、接点229aは抵抗体212と接触し、接点229bは導体213と接触する。
【0043】
[直線摺動型ポテンショメータの動作]
次に、直線摺動型ポテンショメータ1の動作について説明する。
【0044】
直線摺動型ポテンショメータ1のシャフト4には、各抵抗体ユニット2のスライダ22が連結ピン5によって連結されている。これにより、シャフト4を軸方向に移動させることにより、複数のスライダ22を同時に操作する(移動させる)ことができる。その結果、複数の抵抗体ユニット2から複数の独立した電気的出力を得ることができる。
【0045】
シャフト4が軸方向(PUSH/PULL方向)に変位すると、各抵抗体ユニット2における摺動子222の2つの接点229a,229bは、抵抗体212上及び導体213上を摺動する。そして、2つの接点229a,229bは、シャフト4の変位量に応じた距離を移動する。
【0046】
各抵抗体ユニット2において、検出基板21の第1端子214及び第3端子216に外部入出力用リード線経由で入力電圧(Vin)が印加されると、抵抗体212上を摺動する接点229aによって電圧が検知される。そして、接点229aによって検知された電圧が、取付金具228、導体213上を摺動する接点229b、導体213、第2端子215の順に伝達され、外部入出力用リード線から出力される。このように、シャフト4の軸方向の変位が各抵抗体ユニット2において、電気的信号(電圧)に変換出力される。なお、各抵抗体ユニット2の入力電圧(Vin)は、それぞれ任意の値で設定可能である。
【0047】
直線摺動型ポテンショメータ1の複数の抵抗体ユニット2は、角筒状に形成されたケース3の外壁面31aに取り付けられている。これにより、複数の抵抗体ユニット2をシャフト4の軸周りに並べて配置することができる。その結果、直線摺動型ポテンショメータ1が平面方向(取付板33の平面に平行な方向)に大型化することを抑制して、設置面積の省スペース化を実現することができる。
【0048】
また、抵抗体ユニット2の検出基板21がスライダ22の移動を案内するガイド溝218を有している。そのため、スライダ22を案内する部材を検出基板21とは別に設ける必要が無い。これにより、部品点数を削減することができる。また、抵抗体ユニット2及び直線摺動型ポテンショメータ1を小型化することができる。
【0049】
また、基板本体211に設けた抵抗体112と導体113は、貫通溝217を挟んで並列されている。これにより、基板本体211における短手方向の中央部に貫通溝217を配置することができる。その結果、基板本体211の強度を確保しながら、基板本体211の小型化することができる。そして、抵抗体ユニット2及び直線摺動型ポテンショメータ1を小型化に貢献することができる。
【0050】
また、シャフト4の角柱部41は、ケース3と同じ角数の八角柱である。そのため、シャフト4の角柱部41をケース3の筒孔に挿入すると、角柱部41の各側面は、ケース3の各内壁面に対向する。これにより、角柱部41は、ケース3の各内壁面を挟んで各抵抗体ユニット2と対向する。その結果、連結ピン5を用いて各抵抗体ユニット2のスライダ22をシャフト4の角柱部41に連結する作業を簡単にすることができる。
【0051】
また、ケース3は、シャフト4を軸方向に案内するシャフトガイド34を有する。これにより、シャフト4を軸方向に容易に移動させることができる。また、シャフト4のガタツキを防止することができる。その結果、各スライダ22の接点229a,229bが抵抗体212及び導体213から離れないようにすることができる。
【0052】
また、ケース3は、角筒状に形成されている。これにより、筒状のケース3に抵抗体ユニット2を取り付ける外壁面を効率よく設けることができる。
【0053】
以上、本発明の直線摺動型ポテンショメータについて、その作用効果も含めて説明した。しかしながら、本発明の直線摺動型ポテンショメータは、上述の実施形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載した発明の要旨を逸脱しない範囲内で種々の変形実施が可能である。
【0054】
例えば、上述した実施形態に係るケース3は、軸方向に直交する断面が八角形の角筒状に形成されている。しかし、本発明に係るケースは、軸方向に直交する断面が八角形の角筒状であることに限定されず、例えば、軸方向に直交する断面が四角形、六角形など適宜角数を設定することができる。すなわち、抵抗体ユニットを設ける数に応じて、ケースの軸方向に直交する断面の形状を設定することができる。
【0055】
また、本発明に係る抵抗体ユニットの取付数は、最大でケースの角数よりも1つ少ない数となる。つまり、本発明に係る抵抗体ユニットの取付数は、取り付け可能な数の範囲内で任意に設定することができる。
【0056】
また、本発明に係るケースは、角筒状に限定されない。本発明に係るケースとしては、抵抗体ユニットを取り付ける平面に形成された複数の外壁面を有していればよく、例えば、軸方向に直交する断面が楕円形のような側周面の一部が曲面に形成されていてもよい。
【符号の説明】
【0057】
1…直線摺動型ポテンショメータ、 2…抵抗体ユニット、 3…ケース、 4…シャフト、 5…連結ピン、 21…検出基板、 22…スライダ、 31…外壁面、 32…ピン貫通溝、 33…取付板、 34…シャフトガイド、 36…ベース板、 37…突条部、 38…貫通孔、 39…係合溝、 41…角柱部、 42…操作部、 43…ねじ孔、 44…シャフトスライダ、 46…固定部、 47…突条部、 48…貫通孔、 49…係合突起、 211…基板本体、 212…抵抗体、 213…導体、 214…第1端子、 215…第2端子、 216…第3端子、 217…貫通溝、 218…ガイド溝、 219a…第1端子電極、 219b…第2端子電極、 219c…第3端子電極、 221…スライダ本体、 222…摺動子、 224…上板部、 225…側板部、 226…貫通孔、 227…係合突部、 228…取付金具、 229a,229b…接点
【要約】
【課題】複数の独立した電気的出力を得ることができ、且つ、設置面積の省スペース化を実現することができる直線摺動型ポテンショメータを提供する。
【解決手段】直線摺動型ポテンショメータ1は、複数の抵抗体ユニット2と、筒状のケース3と、シャフト4と、複数の連結ピン5とを備える。複数の抵抗体ユニット2は、それぞれ抵抗体212及び導体213と、抵抗体212上及び導体213上を摺動するスライダ22とを有する。ケース3は、複数の抵抗体ユニット2が固定される複数の外壁面を有する。シャフト4は、ケース3の筒孔に挿入される。複数の連結ピン5は、複数の抵抗体ユニット2のスライダ22とシャフト4を連結する。そして、ケース3は、複数の連結ピン5が貫通するピン貫通溝を有する。
【選択図】図1
図1
図2
図3
図4
図5