(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-05-13
(45)【発行日】2024-05-21
(54)【発明の名称】座面を有するキャリーケース
(51)【国際特許分類】
A45C 9/00 20060101AFI20240514BHJP
A45C 5/03 20060101ALI20240514BHJP
A45C 5/14 20060101ALI20240514BHJP
A45C 13/26 20060101ALI20240514BHJP
【FI】
A45C9/00 P
A45C5/03
A45C5/14 A
A45C13/26 K
(21)【出願番号】P 2023188552
(22)【出願日】2023-11-02
【出願変更の表示】U 2023003603の変更
【原出願日】2023-09-29
【審査請求日】2023-11-02
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】518410098
【氏名又は名称】▲広▼州市奥▲維▼拉箱包有限公司
【氏名又は名称原語表記】GUANG ZHOU AOWEILA LUGGAGE CO., LTD
(74)【代理人】
【識別番号】110002262
【氏名又は名称】TRY国際弁理士法人
(72)【発明者】
【氏名】任 湛初
【審査官】高橋 祐介
(56)【参考文献】
【文献】登録実用新案第3240039(JP,U)
【文献】登録実用新案第3010068(JP,U)
【文献】登録実用新案第3226917(JP,U)
【文献】特開平09-000329(JP,A)
【文献】実開平07-028425(JP,U)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A45C 9/00
A45C 5/03
A45C 5/14
A45C 13/26
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
外周部の前面の上部に形成される凹部から外方に突出するとともに、前記凹部内に収容される折り曲げ可能なレバーを有する把持部と、前記前面の下部から外方に向けて突出するとともに、前記前面の下部に重ね合わせられる回動可能な受け台を有する足置きと、複数のキャスターと、
伸縮性のキャリーハンドル、および、各キャリーハンドルホルダを支持する支持ブラケットと、を備えるフロントシェルと、
前記フロントシェルと合わせられ選択的に結合され、外周部の背面の上部に形成される凹部から外方に突出するとともに、前記凹部内に収容される折り曲げ可能なレバーを有する把持部と、前記背面の下部から外方に向けて突出するとともに、前記背面の下部に重ね合わせられる回動可能な受け台を有する足置きと、複数のキャスターとを備えるバックシェルと、
前記フロントシェルおよび前記バックシェルにおける上面に対し略垂直に該フロントシェルおよび該バックシェルの下部に向けて延びる該フロントシェルおよび該バックシェルにおける側面に対向する端部に交わり連なる前記フロントシェルおよび前記バックシェルの共通の座面と、
前記フロントシェルの内側の内装と前記バックシェルの内側の内装との間に形成される収納スペースであって、前記各内装に開閉可能に形成され前記フロントシェルおよび前記バックシェルの内装と該フロントシェルおよび該バックシェルの内周部との間に連通する開口部を有する収納スペースと、を備え、
前記把持部、前記足置き、前記キャスター
、および、前記支持ブラケットが、前記開口部を介して前記フロントシェルおよび前記バックシェルに対し着脱可能であることを特徴とする座面を有するキャリーケース。
【請求項2】
前記フロントシェルと前記バックシェルとが合わせられ、ファスナーにより、開閉可能に結合されることを特徴とする請求項1記載の座面を有するキャリーケース。
【請求項3】
前記開口部は、前記フロントシェルと前記バックシェルの側面に沿って前記下部に向けて延びるファスナーにより前記各内装に開閉可能に形成されることを特徴とする請求項1記載の座面を有するキャリーケース。
【請求項4】
前記フロントシェルの外周部の前面の上部に形成される凹部、および、前記バックシェルの外周部の背面の上部に形成される凹部に対応するとともに、前記共通の座面に対応した形状に形成され収納ポケットを有する中仕切りが、前記収納スペースにさらに備えられることを特徴とする請求項1記載の座面を有するキャリーケース。
【請求項5】
伸縮性のキャリーハンドルおよびピックアップハンドルが、前記フロントシェルの上部に設けられることを特徴とする請求項1記載の座面を有するキャリーケース。
【請求項6】
両端部が、それぞれ、前記フロントシェルおよび前記バックシェルに連結されるキャリーベルトをさらに備えることを特徴とする請求項1記載の座面を有するキャリーケース。
【請求項7】
前記把持部は、前記フロントシェルおよび前記バックシェルの共通の座面に対し前方となる位置に設けられ、前記足置きは、前記共通の座面に対し下方となる位置に設けられることを特徴とする請求項1記載の座面を有するキャリーケース。
【請求項8】
前記共通の座面は、前記フロントシェルおよび前記バックシェルの底面に対し略平行に形成されることを特徴とする請求項1記載の座面を有するキャリーケース。
【請求項9】
前記フロントシェルおよび前記バックシェルにおける上面に対し略垂直に該フロントシェルおよび該バックシェルの下部に向けて延びる該フロントシェルおよび該バックシェルにおける側面に対向する前記端部と、前記フロントシェルおよび前記バックシェルの前記共通の座面とにより、凹みが、前記フロントシェルおよび前記バックシェルに形成されることを特徴とする請求項1記載の座面を有するキャリーケース。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、座面を有するキャリーケースに関する。
【背景技術】
【0002】
車輪付きトロリーケース(以下、キャリーケースともいう)において、例えば、特許文献1に示されるように、小児が跨って座ることができる座面がトロリーケースのフロントシェルおよびバックシェルの外周部に設けられたものが実用に供されている。そのような座面は、トロリーケースのフロントシェルおよびバックシェル双方の一方の端部の角部に形成される窪み内にトロリーケースの底面に略平行に形成されている。また、トロリーケースのフロントシャルおよびバックシェル双方の前面および背面の上部においては、上述の座面に跨った小児が、把持できる樹脂製のキャッチャ(グリップ)が、その座面に対し前方となる位置に固着されている。トロリーケースのフロントシャルおよびバックシェルの前面および背面におけるトロリーケースの底面に近くの下部においては、小児の各足を支える樹脂製の足置きがその座面の下方位置に固着されている。各キャッチャ(グリップ)および各足置きは、トロリーケースのフロントシャルおよびバックシェル双方の前面および背面から外方に向けて突出している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上述の車輪付きトロリーケースにおける各キャッチャ(グリップ)および各足置きは、トロリーケースのフロントシャルおよびバックシェルの前面および背面から外方に向けて突出しているのでトロリーケースの使用中、誤ってトロリーケースが倒れた場合、樹脂製の各キャッチャ(グリップ)および各足置きが、倒れた衝撃で破損する虞がある。このような場合、樹脂製の各キャッチャ(グリップ)および各足置きがトロリーケースのフロントシャルおよびバックシェルの前面および背面に固着されている場合、破損した各キャッチャ(グリップ)および各足置きを新たな新品に交換するためにフロントシャルおよびバックシェルの内側に固着された内装部品を一旦引き剥がさなければ各キャッチャ(グリップ)および各足置きを簡単に交換できない虞がある。
【0005】
以上の問題点を考慮し、本発明は、座面を有するキャリーケースであって、使用中、誤ってキャリーケースが倒れた場合、各キャッチャ(グリップ)および各足置きが破損する事態を回避でき、しかも、万一、キャッチャ(グリップ)および足置きが破損した場合、キャッチャ(グリップ)および足置きを簡単に交換できる、座面を有するキャリーケースを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上述の目的を達成するために、本発明に係る座面を有するキャリーケースは、外周部の前面の上部に形成される凹部から外方に突出するとともに、凹部内に収容される折り曲げ可能なレバーを有する把持部と、前面の下部から外方に向けて突出するとともに、前面の下部に重ね合わせられる回動可能な受け台を有する足置きと、複数のキャスターと、伸縮性のキャリーハンドル、および、各キャリーハンドルホルダを支持する支持ブラケットと、を備えるフロントシェルと、フロントシェルと合わせられ選択的に結合され、外周部の背面の上部に形成される凹部から外方に突出するとともに、凹部内に収容される折り曲げ可能なレバーを有する把持部と、背面の下部から外方に向けて突出するとともに、背面の下部に重ね合わせられる回動可能な受け台を有する足置きと、複数のキャスターとを備えるバックシェルと、フロントシェルおよびバックシェルにおける上面に対し略垂直にフロントシェルおよびバックシェルの下部に向けて延びるフロントシェルおよびバックシェルにおける側面に対向する端部に交わり連なるフロントシェルおよびバックシェルの共通の座面と、フロントシェルの内側の内装とバックシェルの内側の内装との間に形成される収納スペースであって、各内装に開閉可能に形成されフロントシェルおよびバックシェルの内装とフロントシェルおよびバックシェルの内周部との間に連通する開口部を有する収納スペースと、を備え、把持部、足置き、キャスター、および、支持ブラケットが、開口部を介してフロントシェルおよびバックシェルに対し着脱可能であることを特徴とする。
【0007】
また、フロントシェルとバックシェルとが合わせられ、ファスナーにより、開閉可能に結合されるものであってもよい。開口部は、フロントシェルとバックシェルの側面に沿って下部に向けて延びるファスナーにより各内装に開閉可能に形成されてもよい。
【0008】
さらに、前記フロントシェルの外周部の前面の上部に形成される凹部、および、バックシェルの外周部の背面の上部に形成される凹部に対応するとともに、共通の座面に対応した形状に形成され収納ポケットを有する中仕切りが、収納スペースにさらに備えられてもよい。伸縮性のキャリーハンドルおよびピックアップハンドルが、フロントシェルの上部に設けられてもよい。両端部が、それぞれ、フロントシェルおよびバックシェルに連結されるキャリーベルトをさらに備えるものでもよい。
【0009】
さらにまた、把持部は、フロントシェルおよびバックシェルの共通の座面に対し前方となる位置に設けられ、足置きは、共通の座面に対し下方となる位置に設けられてもよい。 共通の座面は、フロントシェルおよびバックシェルの底面に対し略平行に形成されてもよい。フロントシェルおよびバックシェルにおける上面に対し略垂直にフロントシェルおよびバックシェルの下部に向けて延びるフロントシェルおよびバックシェルにおける側面に対向する端部と、フロントシェルおよびバックシェルの共通の座面とにより、凹みが、フロントシェルおよびバックシェルに形成されてもよい。
【発明の効果】
【0010】
本発明に係る座面を有するキャリーケースによれば、少なくとも把持部、足置き、および、キャスターが、収納スペース内の開口部を介してフロントシェルおよびバックシェルに対し着脱可能であるので使用中、誤ってキャリーケースが倒れた場合、各キャッチャ(グリップ)および各足置きが破損する事態を回避でき、しかも、万一、キャッチャ(グリップ)および足置きが破損した場合、キャッチャ(グリップ)および足置きを簡単に交換できる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【
図1】本発明に係る座面を有するキャリーケースの一例におけるフロントシェルおよびバックシェルの内装を展開して示す平面図である。
【
図2】
図1においてフロントシェルの内装のファスナーを開いた状態を示す図である。
【
図3】
図1においてフロントシェルの内装のファスナーを開いた状態を部分的に拡大して示す図である。
【
図4】(A)および(B)は、それぞれ、本発明に係る座面を有するキャリーケースの一例の外観を示す斜視図である。
【
図5】(A)および(B)は、それぞれ、
図4(A)および(B)に示される本発明に係る座面を有するキャリーケースの一例の側面図、上面図である。
【
図6】(A)および(B)は、それぞれ、
図4(A)および(B)に示される本発明に係る座面を有するキャリーケースの一例に用いられる足置き、キャッチャ(グリップ)を示す斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
図4(A)および(B)は、それぞれ、本発明に係る座面を有するキャリーケースの一例の外観を概略的に示す。
【0013】
図4(A)および(B)において、ファスナータイプ(ジッパータイプ)式のキャリーケース10は、伸縮性のキャリーハンドル16およびピックアップハンドル18が上部に設けられる樹脂製のフロントシェル12と、フロントシェル12の前面および側面の全周縁に形成されるファスナー(ジッパー)50により、相互に合わせられ開閉可能に結合され、ファスナー用プルタブ52および54を施錠するファスナーロック部20(
図5(B)参照)を上部に有する樹脂製のバックシェル14と、フロントシェル12およびバックシェル14の外周部の底面に、それぞれ、2個離隔して設けられる車輪(キャスター)22と、フロントシェル12の前面の上部に形成される凹部12R内に折り曲げ可能に配置されるキャッチャ(グリップ)30と、バックシェル14の背面の上部に形成される凹部14R内に配置されるキャッチャ(グリップ)30と、フロントシェル12の前面の下部に重ね合わせるように回動可能な足置き40と、バックシェル14の背面の下部に重ね合わせるように回動可能な足置き40と、両端がそれぞれ、フロントシェル12およびバックシェル14に連結されるキャリーベルト24と、を主な要素として含んで構成されている。
【0014】
フロントシェル12における上部の凹部には、キャリーハンドル16のハンドル部および2本の伸縮ロッドを収容するキャリーハンドル収容部12Aが形成されている。キャリーハンドル16における2本の伸縮ロッドは、キャリーハンドル収容部12Aの二つの貫通孔を介して後述するフロントシェル12内の各キャリーハンドルホルダ16S(
図3参照)内に移動可能に挿入されている。キャリーハンドル収容部12Aが設けられる位置から離隔したフロントシェル12における側面に対向する端部は、フロントシェル12における上面に対し略垂直にフロントシェル12の下部に向けて延び、フロントシェル12およびバックシェル14の共通の座面26に交わり連なっている。例えば、小児等が座ることが可能な座面26は、フロントシェル12およびバックシェル14の底面に対し略平行に形成されている。
【0015】
ファスナーロック部20が設けられる位置から離隔したバックシェル14における側面に対向する端部は、対向するフロントシェル12と同様に、バックシェル14の上面に対し略垂直にバックシェル14の下部に向けて延び、上述の共通の座面26に交わり連なっている。
【0016】
フロントシェル12およびバックシェル14におけるキャッチャ(グリップ)30は、互いに同一の構造を有するのでフロントシェル12におけるキャッチャ(グリップ)30のみについて説明する。
【0017】
把持部としての樹脂製のキャッチャ(グリップ)30は、
図6(B)に示されるように、把持されるレバー34と、レバー34をフロントシェル12の前面に対し垂直に保持するとともに、レバー34をフロントシェル12の前面に対し略平行に保持する台座32と、を含んで構成されている。
【0018】
円板状の台座32は、後述するフロントシェル12における内周部に取り付けるための小ねじがそれぞれ、着脱可能に貫通する4個の孔32aを円周方向に離隔して有する固定部32Aと、固定部32Aと一体に形成されレバー34を支持する支持軸32Bとを含んで構成されている。固定部32Aにおける4個の孔32aよりも中心部に近い位置には、レバー34の一方の端部が二つに分岐した突起部34PAおよび34PBがそれぞれ、挿入され保持される三日月状の一対の孔32AHが形成されている。突起部34PAおよび34PB相互間に挿入される支持軸32Bに固定されるヒンジピン32BCは、レバー34の突起部34PAおよび34PBの長孔34Paおよび34Pbを介してレバー34の突起部34PAおよび34PBに連結されている。円筒状のレバー34は、一方の端部が二つに分岐した突起部34PAおよび34PB相互間に貫通孔34THを有している。これにより、レバー34の突起部34PAおよび34PBが、それぞれ、一対の孔32AHに挿入され保持される場合、レバー34は、把持されるようにフロントシェル12の前面から突出することとなる。一方、レバー34が使用されない場合、レバー34の突起部34PAおよび34PBが各孔32AHから引き抜かれた後、突起部34PAおよび34PBの長孔34Paおよび34Pb、ヒンジピン32BCを介してレバー34の他方の端部が下方に向けて凹部12R内に回動される。従って、レバー34が使用されない場合、レバー34が外方に突出することなく凹部12R内に収容されるので誤ってキャリーケース10が倒れたとき、レバー34の不所望な破損が回避される。
【0019】
フロントシェル12およびバックシェル14における樹脂製の足置き40は、互いに同一の構造を有するのでフロントシェル12における足置き40のみについて説明する。
【0020】
足置き40は、
図6(A)に示されるように、後述するフロントシェル12における内周部に取り付けるための小ねじが、それぞれ、捻じ込まれる4個の雌ねじ孔42Aを円周方向に離隔して有する固定板42と、固定板42の一対のヒンジ用支持板46の切欠部46aに、それぞれ、ヒンジピン44aを介して回動可能に支持される受け台44と、を含んで構成されている。固定板42は、一対のヒンジ用支持板46の下端部を連結するストッパ板48を有している。これにより、受け台44の下面がストッパ板48で受け止められる場合、足置き40の受け台44がフロントシェル12の前面から外方に向けて突出することとなる。一方、足置き40の受け台44が使用されない場合、受け台44の先端がヒンジピン44aを介してフロントシェル12の前面に近接するように回動されることにより、受け台44がフロントシェル12の前面から外方に突出することなく受け台44がフロントシェル12の前面の下部に重ね合わせられる。なお、フロントシェル12の前面の下部に重ね合わせられる受け台44全体が完全に収容される窪み(凹部)が、フロントシェル12の前面の下部に形成されてもよい。
【0021】
従って、足置き40が使用されない場合、足置き40の受け台44がフロントシェル12の前面の下部に重ね合わせられるので誤ってキャリーケース10が倒れたとき、足置き40の不所望な破損が回避される。
【0022】
フロントシェル12およびバックシェル14の内周部により形成される収納スペースは、
図1に示されるように、フロントシェル12のファスナー(ジッパー)50の内側における内周面を覆う内装60と、バックシェル14のファスナー(ジッパー)50の内側における内周面を覆う内装62と、フロントシェル12の下端部とバックシェル14の下端部とを連結する連結カバー56とによって囲まれて形成されている。
【0023】
フロントシェル12の内装60には、中仕切り68が内装60の表面に重なって設けられている。中仕切り68の一端は、連結カバー56に結合されている。中仕切り68と内装60とは、2箇所の中仕切り留め具により着脱可能に連結されている。中仕切り68の他端が内装60から外され引き離されている場合、
図2および
図3に示されるように、フロントシェル12の側面に沿って連結カバー56まで延びる内装60のファスナー66を開くことにより、開口部が形成されることによってフロントシェル12内に小ねじBS3で取り付けられたキャッチャ(グリップ)30の台座32、小ねじBS1でフロントシェル12内の底面に取り付けられたキャスター22の台座22B、および、小ねじBS2でフロントシェル12内の底面に取り付けられた各キャリーハンドルホルダ16Sの支持ブラケット16BLが、上述の開口部を通じて露出される。これにより、フロントシェル12におけるキャッチャ(グリップ)30、キャスター22、伸縮性のキャリーハンドル16、および、各キャリーハンドルホルダ16Sの支持ブラケット16BLを新品に容易に取り換えることができることとなる。なお、足置き40も、内装60のファスナー66を開くことにより、内装60とフロントシェル12の内周面との間に取り付けられた足置き40の固定板42を取り外すことが可能となるので足置き40を新品に容易に取り換えることができることとなる。
【0024】
バックシェル
14の内装62には、
図1に示されるように、中仕切り70が内装62の表面に重なって設けられている。中仕切り70の一端は、連結カバー56に結合されている。中仕切り70と内装62とは、2箇所の中仕切り留め具により着脱可能に連結されている。中仕切り70は、バックシェル
14の上面に沿って延びるファスナー72により、開閉可能な収納ポケットを有している。中仕切り70の他端が内装62から外され引き離されている場合、バックシェル14の側面に沿って連結カバー56まで延びる内装62のファスナー64を開くことにより、フロントシェル12と同様にバックシェル14内に小ねじBS3で取り付けられたキャッチャ(グリップ)30の台座32、および、小ねじBS1でバックシェル14内の底面に取り付けられたキャスター22の台座22Bが露出される。これにより、バックシェル14におけるキャッチャ(グリップ)30、および、キャスター22を新品に容易に取り換えることができることとなる。なお、足置き40も、内装62のファスナー64を開くことにより、内装62とバックシェル14の内周面との間に取り付けられた足置き40の固定板42を取り外すことが可能となるので足置き40を新品に容易に取り換えることができることとなる。
【0025】
従って、万一、フロントシェル12およびバックシェル14においてキャッチャ(グリップ)30および足置き40が破損した場合、破損したキャッチャ(グリップ)および足置きを簡単に新品に交換できることとなる。
【0026】
なお、上述の本発明に係る座面を有するキャリーケースの一例が、ファスナータイプ(ジッパータイプ)式のキャリーケースに適用されているが、斯かる例に限られることなく、例えば、フレームタイプ式のキャリーケースに適用されてもよいことは勿論である。
【符号の説明】
【0027】
10 キャリーケース
12 フロントシェル
14 バックシェル
22 キャスター
26 座面
30 キャッチャ(グリップ)
40 足置き
50、64、66 ファスナー(ジッパー)
60、62 内装
68、70 中仕切り
【要約】
【課題】座面を有するキャリーケースにおいて、使用中、誤ってキャリーケースが倒れた場合、各キャッチャ(グリップ)および各足置きが破損する事態を回避でき、しかも、万一、キャッチャ(グリップ)および足置きが破損した場合、キャッチャ(グリップ)および足置きを簡単に交換できること。
【解決手段】フロントシェル12の側面に沿って連結カバー56まで延びる内装60のファスナー66を開くことにより、開口部が形成されることによってフロントシェル12内に小ねじBS3で取り付けられたキャッチャ(グリップ)30の台座32、小ねじBS1でフロントシェル12内の底面に取り付けられたキャスター22の台座22B、および、小ねじBS2でフロントシェル12内の底面に取り付けられた各キャリーハンドルホルダ16Sの支持ブラケット16BLが、上述の開口部を通じて露出される。
【選択図】
図2