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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-05-13
(45)【発行日】2024-05-21
(54)【発明の名称】EQ(心の知能指数)の測定装置
(51)【国際特許分類】
   G06Q 10/105 20230101AFI20240514BHJP
   G06Q 50/10 20120101ALI20240514BHJP
   G16H 10/00 20180101ALI20240514BHJP
【FI】
G06Q10/105
G06Q50/10
G16H10/00
【請求項の数】 5
(21)【出願番号】P 2023208604
(22)【出願日】2023-12-11
【審査請求日】2024-01-05
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】523466879
【氏名又は名称】株式会社コアバリュー
(74)【代理人】
【識別番号】100185270
【弁理士】
【氏名又は名称】原田 貴史
(72)【発明者】
【氏名】山本 浩之
【審査官】渡邉 加寿磨
(56)【参考文献】
【文献】特開2023-12396(JP,A)
【文献】特開2023-92088(JP,A)
【文献】特開2021-157419(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06Q 10/00-99/00
G16H 10/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
心の知能指数(EQ)の測定に係る設問を表示させる設問表示指令部と、
前記設問への回答を測定対象から受信する回答受信部と、
前記回答に基づいて前記EQに係る複数のスコアを算出する算出部と、
大規模言語モデルに対し、前記スコアを説明変数とし、前記スコアに係る測定対象への助言を目的変数とする学習データを用いた、前記スコアに基づく前記助言の生成を機械学習させる機械学習部と、
前記複数のスコアに基づいて前記測定対象への助言を前記大規模言語モデルに生成させる助言生成部と、
前記スコア及び前記助言を表示させる結果表示指令部と、
を備え、
前記算出部は、EQのスコアとして、精神的ストレスの度合いを示すストレス度及び規律に従う傾向を示す規範性をさらに含む複数のスコアを算出する、
EQ(心の知能指数)の測定装置。
【請求項2】
前記スコアの履歴を取得する履歴取得部をさらに備え、
前記助言生成部は、前記複数のスコアの履歴に基づいて前記測定対象への助言を前記大規模言語モデルに生成させる、
請求項1に記載の測定装置。
【請求項3】
前記助言の利用分野を受信する利用分野受信部と、
前記利用分野に基づいて前記利用分野に関する広告データ(第1広告データ)を取得する第1広告取得部と、
をさらに備え、
前記助言生成部は、前記利用分野及び前記複数のスコアに基づいて前記測定対象への助言を前記大規模言語モデルに生成させ、
前記結果表示指令部は、前記スコア及び前記助言に加えて、前記第1広告データをさらに表示させる、
請求項1に記載の測定装置。
【請求項4】
前記スコアに基づいて前記スコアが示す精神的傾向に合致する広告データ(第2広告データ)を取得する第2広告取得部をさらに備え、
前記結果表示指令部は、前記スコア及び前記助言に加えて、前記第2広告データをさらに表示させる、
請求項1に記載の測定装置。
【請求項5】
複数の企業等について企業等が採用したい人材のEQ傾向を参照し、前記複数の企業等のうち、前記スコアと前記EQ傾向とが最も良く一致する企業等を判別するマッチング部をさらに備える、請求項1に記載の測定装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、EQ(心の知能指数)の測定装置に関する。
【背景技術】
【0002】
生活及び仕事の技能の能力を予測する手段として、EQ(Emotional intelligence Quotient、心の知能指数)が利用されている。明確な答えがある問いに素早く適切な答えを導く能力を示すIQ(Intelligence Quotient、知能指数)に対し、EQは、明確な答えのない問いに対してその答えを探求する能力を示す指標となる。これにより、EQは、コミュニケーションに課題がある人を見つけ出す目安となり得る。このように有益なEQをさらに活用すべく、より効果的なEQに係るスコア測定を行い、スコアに応じた適切な助言とともに測定されたスコアを提供する手段が求められている。
【0003】
EQ(心の知能指数)の測定に関し、特許文献1は、EQ評価における24の素養の偏差値、8つの能力のスコア、及び3つの知性のスコアを用いてユーザの購買行動の違いを示す購買行動タイプにユーザを分類する心理的特性解析部及び素養の偏差値又はEQ特性の評価スコアを用いたクラスタリングに基づいてユーザの社会的被影響性、精神的状況特性、選択態度特性のタイプ並びにユーザの嗜好色を分ける判定規則を開示している。特許文献1の技術は、商品の購買行動に結びつくユーザの購買心理を考慮して、適正な宣伝内容で商品の広告を行い得る。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】国際公開01/067319号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、生活及び仕事の技能の能力を予測するには、上述の各種スコア等に加えて精神的ストレスの度合いを示すストレス度及び規律に従う傾向を示す規範性に関するスコアをさらに含めたスコアを算出し、これらを含めた全体のスコアを総合的に考慮したコメント(助言)を提供し、コメントに応じたトレーニングを進める3段階の手順が有益であると考えられる。
【0006】
しかしながら、特許文献1の技術は、商品の購買行動に結びつくユーザの購買心理を考慮して、適正な宣伝内容で商品の広告を行い得るにとどまり、より効果的なスコア測定を行う点において、さらなる改良の余地がある。
【0007】
ストレス度及び規律性を分析することにより、従来のスコアに加えてこれらのスコアをも踏まえた助言の提供が可能になると考えられる。加えて、全てのスコアを総合的に考慮した助言が提供されれば、多様なスコア、利用分野、及びトレーニングへの対応が可能となる。しかしながら、スコアの項目が増えるにつれ、全てのスコアを総合的に考慮した助言を予め用意する労力が項目数のべき乗に比例して増大し得る。よって、特許文献1の技術は、より効果的なスコア測定を行う点だけでなく、多様なスコア、利用分野、及びEQトレーニングに対応する助言を作成する労力を低減する点においても、さらなる改良の余地がある。
【0008】
本発明は係る事情にかんがみてなされたものである。本発明の目的は、EQ(心の知能指数)の測定において、より効果的なスコア測定を行いつつ、多様なスコア等に対応する助言を作成する労力を低減することである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明者らは、上記課題を解決するために鋭意検討した結果、精神的ストレスの度合いを示すストレス度及び規律に従う傾向を示す規範性をさらに含む独自のEQ(心の知能指数)を測定し、当該測定結果に基づいた助言を大規模言語モデルに生成させる等の処理を行うことによって、上記の目的を達成できることを見いだした。そして、本発明者らは、本発明を完成させるに至った。具体的に、本発明は以下のものを提供する。
【0010】
本発明は、心の知能指数(EQ)の測定に係る設問を表示させる設問表示指令部と、前記設問への回答を測定対象から受信する回答受信部と、前記回答に基づいて前記EQに係る複数のスコアを算出する算出部と、大規模言語モデルに対し、前記スコアを説明変数とし、前記スコアに係る測定対象への助言を目的変数とする学習データを用いた、前記スコアに基づく前記助言の生成を機械学習させる機械学習部と、前記複数のスコアに基づいて前記測定対象への助言を前記大規模言語モデルに生成させる助言生成部と、前記スコア及び前記助言を表示させる結果表示指令部と、を備え、前記算出部は、EQのスコアとして、精神的ストレスの度合いを示すストレス度及び規律に従う傾向を示す規範性をさらに含む複数のスコアを算出する、EQ(心の知能指数)の測定装置を提供する。
【0011】
生活及び仕事の技能の能力を予測する手段としてのEQを労務管理及び組織管理に利用する場合、測定対象者におけるストレス度が測定対象者の精神的な健康状態を判断する上で重要となる。また、EQを就職活動、人材採用、労務管理及び組織管理等に利用する場合、測定対象者が規律に従う傾向を示す規範性が組織との折り合い方を見極める上で重要となる。
【0012】
本発明は、算出部がストレス度及び規範性をさらに含む独自のEQ(心の知能指数)を算出する。これにより、本発明は、就職活動、人材採用、労務管理及び組織管理等においてより効果的なスコア測定を行う。
【0013】
ところで、EQを単なる予測手段以上のものとして利用するためには、EQのスコアに基づいた助言を提供することが重要である。しかしながら、スコアの項目が増えるにつれ、全てのスコアを総合的に考慮した助言を予め用意する労力が項目数のべき乗に比例して増大し得る。よって、ストレス度及び規範性をさらに含む独自のEQを算出した場合、当該EQのスコアを総合的に考慮した助言を予め用意する労力が膨大なものとなり得る。
【0014】
本発明の機械学習部は、大規模言語モデルに対し、本発明独自のEQのスコアを説明変数とし、当該スコアに係る測定対象への助言を目的変数とする学習データを用いた、本発明独自のEQのスコアに基づく助言の生成を機械学習させる。
【0015】
これにより、本発明の助言生成部は、全てのスコアを総合的に考慮した助言を予め用意する労力を費やすことなく、複数のスコアに基づいて測定対象への助言を大規模言語モデルに生成させることができる。よって、本発明は、EQ(心の知能指数)の測定において、ストレス度及び規範性をさらに含むより効果的なスコア測定を行いつつ、本発明の多様なスコアに対応する助言を作成する労力を低減できる。そして、本発明は、算出された本発明独自のEQのスコア及び生成された助言を表示させることができる。
【0016】
【発明の効果】
【0017】
本発明は、EQ(心の知能指数)の測定において、より効果的なスコア測定を行いつつ、多様なスコア等に対応する助言を作成する労力を低減できる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
図1図1は、本実施形態のシステムSのハードウェア構成及びソフトウェア構成を示すブロック図である。
図2図2は、本実施形態の測定装置1で実行される測定処理の好ましい流れの一例を示すメインフローチャートである。
図3図3は、図2から続く図である。
図4図4は、図3から続く図である。
図5図5は、本実施形態におけるEQの診断結果の表示例である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下は、本発明の実施形態の一例について、図面を参照しながら詳細に説明するものである。
【0020】
<システムS>
図1は、本実施形態のシステムSのハードウェア構成及びソフトウェア構成を示すブロック図である。以下、本実施形態のシステムSのハードウェア構成及びソフトウェア構成の好ましい態様の一例が図1を用いて説明される。
【0021】
EQ(心の知能指数)の測定システムS(システムS)は、測定対象から受信した回答に基づいてストレス度及び規範性を含むEQのスコアを算出し、スコアに基づいた助言を生成し表示させるEQ(心の知能指数)の測定装置1と、ネットワークNを介して測定装置1と通信可能に構成された端末Tとを含んで構成される。本実施形態におけるEQのスコアは、「EQの測定結果」又は単に「測定結果」とも称される。本実施形態におけるEQのスコアに当該スコアに基づく助言を添えた結果は、「EQの診断結果」又は単に「診断結果」とも称される。
【0022】
〔測定装置1〕
測定装置1は、制御部11、記憶部13、及び通信部14等を備える。測定装置1の種類は、特に限定されない。該種類として、例えば、サーバ、クラウドサーバ等が挙げられる。測定装置1は、算出された独自EQ等が示されるWebサイトを表示させるWebサーバとして機能することが好ましい。
【0023】
測定装置1は、大規模言語モデル131に機械学習を行わせる処理と、独自EQを算出する処理と、当該機械学習が行われた大規模言語モデル131に算出された独自EQのスコアに基づく助言を生成させる処理と、算出されたスコア及び助言を表示させる処理とを実行できるよう構成されている。これらの処理の実行は、例えば、大規模言語モデル131の利用に係るAPIを介して実現される。以下は、測定装置1のより詳細な構成例である。
【0024】
[制御部11]
制御部11は、CPU(Central Processing Unit)、RAM(Random Access Memory)、及びROM(Read Only Memory)等を備える。
【0025】
制御部11は、必要に応じて記憶部13及び/又は通信部14と協働する。そして、制御部11は、測定装置1で実行される本実施形態のプログラムのソフトウェア構成要素である、機械学習部111、設問表示指令部112、回答受信部113、算出部114、利用分野受信部115、履歴取得部116、助言生成部117、結果表示指令部118、第1広告取得部119、第2広告取得部120等を実現する。本実施形態のプログラムのソフトウェア構成要素それぞれが提供する機能は、後述する測定処理の好ましい流れの説明において示される。
【0026】
[記憶部13]
記憶部13は、データ及び/又はファイルが記憶される装置であって、ハードディスク、半導体メモリ、記録媒体、及びメモリカード等によってデータを非一時的に格納するストレージ部を有する。
【0027】
記憶部13は、ネットワークNを介してNAS(Network Attached Storage)、SAN(Storage Area Network)、クラウドストレージ、ファイルサーバ及び/又は分散ファイルシステム等の記憶装置又は記憶システムとの接続を可能にする仕組みを有してもよい。
【0028】
記憶部13には、マイクロコンピューターで実行されるプログラム、大規模言語モデル131、広告テーブル132、EQの設問、EQの回答、EQのスコア、測定対象に係る各種データ、企業等が採用したい人材のEQ傾向等が格納されている。測定対象に係る各種データは、例えば、年齢、性別、住所・居所、EQを測定する目的(診断目的)等である。
【0029】
(大規模言語モデル131)
本実施形態における大規模言語モデル131(Large Language Model、LLM)は、自然言語処理において用いられる確率モデルの一種であり、与えられた単語・文章が自然言語としてどのように起こりやすいかを確率的に予測するためのモデルである。
【0030】
大規模言語モデル131は、外部のクラウドサーバ等に格納され、大規模言語モデル131の利用に係るAPI(Application Programming Interface)を介して実行される態様でもよく、記憶部13に格納された大規模言語モデル131が実行される態様でもよい。大規模言語モデル131がAPIを介して実行される態様であることにより、測定装置1は、大規模言語モデル131が記憶部13に格納される態様より単純で費用対効果等に優れた構成となる。記憶部13に格納された大規模言語モデル131が実行される態様であることにより、測定装置1は、クラウドサーバ等の外部装置と逐一通信することなく、大規模言語モデル131に係る処理を実行できる。これにより、測定装置1は、通信に係る処理遅延、情報セキュリティ上のリスク等を低減することができる。
【0031】
大規模言語モデル131は、500GB(ギガバイト)以上の大量のテキストで学習が行われていることが好ましい。このようなモデルとして、例えば、OpenAI(登録商標)のChatGPT、GPT-3.5、GPT-4、Meta AI(登録商標)のLLaMa等が挙げられる。言語モデルは、学習データ量が増大すると、その性能が壊れたニューラルスケーリング則(Broken Neural Scaling Law、BNSL)に沿って増大し、BNSLにおいてセグメント間を遷移するときに創発的能力を獲得すると考えられる。そのため、本実施形態の大規模言語モデル131は、事前学習に用いられたテキスト量に応じて獲得される、EQのスコアに基づいた助言の生成に係る創発的能力を得ている。
【0032】
大規模言語モデル131は、少なくとも100億以上の多数のパラメータを有するモデルであることが好ましい。これにより、大規模言語モデル131は、大量のテキストから得られる創発的能力を十分に反映した処理を実行できる。
【0033】
大規模言語モデル131は、後述する測定処理において機械学習部111が実行する機械学習と同様の学習データを用いた事前学習が行われたものであることが好ましい。これにより、測定装置1は、機械学習部111による機械学習が十分でない場合においても、機械学習部111による機械学習が十分に行われた場合と同様に助言を生成できる。
【0034】
(広告テーブル132)
広告テーブル132には、EQの測定結果又は診断結果とともに表示される広告が格納される。当該広告は、EQの測定結果、及び/又は、EQの測定結果に基づく助言の利用分野と関連付けられて格納されることが好ましい。
【0035】
広告が測定結果と関連付けられて格納されることにより、測定装置1は、EQの測定結果に基づいて、当該測定結果で示されるような精神的傾向を有する測定対象に適した広告を表示させることができる。
【0036】
EQに係る利用分野は、特に限定されない。当該利用分野は、例えば、就職活動、進路決定の指針としてEQを利用する利用分野(就職進路の利用分野)、求人・採用の指針としてEQを利用する利用分野(採用の利用分野)、労務管理の指針としてEQを利用する利用分野(労務の利用分野)、組織活性化・人事評価の指針としてEQを利用する利用分野(人事の利用分野)、人材紹介の指針としてEQを利用する利用分野(紹介の利用分野)等を含む。
【0037】
広告が利用分野と関連付けられて格納されることにより、測定装置1は、測定結果及び利用分野に応じた助言を表示させるとともに、当該利用分野に関連する広告を表示させることができる。測定装置1は、例えば、就職進路の利用分野に応じた助言として、測定結果で示されるような精神的傾向を有する測定対象に適した職場・学校等を紹介する助言を表示させるとともに、利用分野に応じた広告として、入学者募集広告、求人広告等を表示させることができる。
【0038】
広告がEQの測定結果及び利用分野と関連付けられて格納されることにより、測定装置1は、測定結果及び利用分野に応じた助言を表示させるとともに、当該利用分野及び測定結果に関連する広告を表示させることができる。測定装置1は、例えば、就職進路の利用分野に応じた助言として、測定結果で示されるような精神的傾向を有する測定対象に適した職場・学校等に関する求人広告、入学者募集広告等を表示させることができる。
【0039】
(EQに係る情報)
記憶部13には、EQに係る情報として、EQの設問、EQの回答、EQのスコア、EQのスコアの履歴等が格納される。EQの設問は、例えば、「Q1.他人からどう見られているかが気になる。」のような、測定対象の精神的傾向に関する所与の数の質問を列挙したものである。EQの回答は、上述の質問それぞれに対して、例えば、「4:かなりあてはまる 3:ややあてはまる 2:あまりあてはまらない 1:ほとんどあてはまらない」のような番号が添えられた択一式で行われた回答である。EQのスコアは、上述の回答に基づいて算出された一群のスコアであって、例えば、感情を識別する能力を示す感情識別スコア、感情を利用する能力を示す感情利用スコア、感情を理解する能力を示す感情理解スコア、感情を調整する能力を示す感情調整スコア、精神的ストレスの度合いを示すストレス度、及び規律に従う傾向を示す規範性(コンピテンシー)である。これらEQに係る情報が記憶部13に格納されることにより、測定装置1は、設問を端末T等に提供し、端末T等から送信された回答を記憶部13に格納し、当該回答に基づいて算出されたスコアを端末T等に提供できる。
【0040】
設問における質問の数は、特に限定されない。質問の数は、例えば、24問、30問、36問、120問、180問、240問等である。質問の数を24問、30問、36問等の比較的小さな数とすることにより、測定装置1は、短時間でEQを測定できる。質問の数を120問、180問、240問等の比較的大きな数とすることにより、測定装置1は、より高い精度でEQを測定できる。質問は、スコアの種類と対応することが好ましい。これにより、測定装置1は、例えば、スコアの種類ごとに当該種類に対応する質問への回答に付された番号を合計し、合計基づいてスコアを算出する処理でスコアを迅速に算出できる。当該処理は、例えば、あるスコアの種類に対応する5つの質問において、1-4の番号が付された回答における回答番号の合計が4以上5以下であればスコア1、合計が6以上9以下であればスコア2、合計が10以上14以下であればスコア3、合計が15以上18以下であればスコア4、合計が19以上20以下であればスコア5とするような処理である。記憶部13に格納される質問の一部又は全部は、複数種類のスコアと対応してもよい。これにより、測定装置1は、より少ない質問でより多くの種類のスコアを詳細に算出できる。
【0041】
EQのスコアが感情理解スコア、感情利用スコア、感情理解スコア、及び感情調整スコアを含むことにより、測定装置1は、従来のEQと同様の基本的な心の知能指数を測定対象等に提供できる。
【0042】
EQのスコアがストレス度を含むことにより、測定装置1は、測定対象の精神的な健康状態の判断材料を精神的な健康状態との関連が深い心の知能指数とともに提供できる。測定装置1は、例えば、高い感情調整スコアと高いストレス度とを示すスコアを提供することにより、過剰な感情調整により慢性的にストレスが溜まっている状態ではないかと判断するための材料を提供できる。
【0043】
また、本実施形態の測定装置1は、ストレス度とストレス耐性との関係を示すべく、ストレス度に加えてストレス耐性を示すスコア(ストレス耐性スコア)を含むEQのスコアを算出するよう構成可能である。ストレス耐性スコアは、さらに細分化されたスコアを含んでいてもよい。ストレス耐性スコアは、例えば、さらに細分化されたスコアとして、ストレスを強める特性を示すスコア(リスクパターンのスコア)、ストレス対処方法を示すスコア(コーピングのスコア)、及びストレス緩和力を示すスコア(ストレス緩和力スコア)等を含む。
【0044】
EQのスコアが規範性を含むことにより、測定装置1は、測定対象者が規律に従う傾向の判断材料を規律に従う傾向との関連が深い心の知能指数とともに提供できる。すなわち、測定装置1は、組織との折り合い方を見極めるための判断材料を提供できる。測定装置1は、例えば、高い感情理解スコアと高い規範性とを示すスコアを提供することにより、部下の感情を理解して規律との折り合いを上手くつけることができるリーダー向けの人材ではないかと判断するための材料を提供できる。
【0045】
また、本実施形態の測定装置1は、規範性に関し、測定対象のキャリア志向を示すべく、キャリア志向を示すスコア(キャリア志向スコア)を含むEQのスコアを算出するよう構成可能である。キャリア志向は、測定対象に適したキャリアをより詳細に示すべく、さらに細分化されたスコアを含んでいてもよい。キャリア志向は、例えば、さらに細分化されたスコアとして、開拓営業志向、専門志向、リーダー志向、サポート志向、活動志向、クリエイティブ志向、課題調整志向、分析志向等に係る各種スコアを含む。
【0046】
[通信部14]
通信部14は、測定装置1をネットワークNに接続して端末T等と通信可能にするものであれば特に限定されない。通信部14として、例えば、携帯電話ネットワークに対応した無線装置、無線LANに接続可能なデバイス、及びイーサネット規格に対応したネットワークカード等が挙げられる。
【0047】
〔ネットワークN〕
ネットワークNの種類は、測定装置1と端末T等とを互いに通信可能にするものであれば特に限定されない。ネットワークNの種類は、例えば、インターネット、携帯電話ネットワーク、無線LAN等である。
【0048】
〔端末T〕
端末Tは、特に限定されない。端末Tは、就職希望者(例えば、学生等)、従業員等の測定対象が利用する対象者端末と、就職活動支援者(例えば、学校の就職活動担当者等)、事業会社の採用担当者、労務担当者、組織活性担当者、及び人事評価担当者、並びに人材紹介会社の応募者担当者等によって例示される測定結果を活用する活用者が利用する活用者端末とを含む。測定対象が測定結果(スコア及び助言)を活用できるようにすべく、対象者端末は、活用者端末を兼ねていてもよい。
【0049】
また、端末Tは、測定対象の代わりに回答を入力する代行者(例えば、上述の活用者等)が利用する代行者端末を含んでもよい。代行者端末は、代行者が測定対象のEQ測定を行うときの便宜を図るべく、設問を印刷する処理と、回答が記載されるマークシート用紙を印刷する処理と、マークシート用紙から回答を読み取って入力する処理と、を実行するよう構成されることが好ましい。
【0050】
端末Tは、測定装置1から提供されたEQの設問を表示する処理、EQの設問に対する回答を測定装置1に送信する処理、測定装置1から提供されたEQのスコア及びスコアに関する助言を表示する処理を実行するよう構成される。
【0051】
〔測定装置1で実行される測定処理のメインフローチャート〕
図2は、本実施形態の測定装置1で実行される測定処理の好ましい流れの一例を示すメインフローチャートである。図3は、図2から続く図である。図4は、図3から続く図である。以下は、図2から図4を用いた本実施形態の測定装置1で実行される測定処理の好ましい流れの一例である。
【0052】
測定処理において、まず、測定装置1は、EQのスコアを説明変数とし、当該スコアに係る測定対象への助言を目的変数とする学習データを用いて、スコアに基づく助言の生成を大規模言語モデル131に機械学習させる処理(ステップS1からステップS2)を実行する。これにより、測定装置1は、本実施形態独自のEQのスコアを総合的に考慮した適切な助言を大規模言語モデル131に生成させることができる。
【0053】
[ステップS1:機械学習を実行するか判別]
制御部11は、記憶部13等と協働して機械学習を実行するか判別する処理を実行する(ステップS1、機械学習判別ステップ)。実行すると判別したならば、制御部11は、処理をステップS2に移す。実行すると判別しなかったならば、制御部11は、処理をステップS3に移す。
【0054】
[ステップS2:機械学習を実行]
制御部11は、記憶部13等と協働して機械学習部111を実行する。そして、制御部11は、機械学習部111により、EQのスコアを説明変数とし、当該スコアに係る測定対象への助言を目的変数とする学習データを用いて、スコアに基づく助言の生成を大規模言語モデル131に機械学習させる処理を実行する(ステップS2、機械学習ステップ)。制御部11は、処理をステップS3に移す。
【0055】
続いて、測定装置1は、本実施形態独自のEQの設問を表示させ、当該設問に対する回答に基づいてスコアを算出する一連の処理を実行する。これにより、本実施形態の測定装置1は、就職活動、人材採用、労務管理及び組織管理等においてより効果的なスコア測定を行う。
【0056】
[ステップS3:設問を表示]
制御部11は、記憶部13及び通信部14等と協働して設問表示指令部112を実行する。そして、制御部11は、設問表示指令部112により、EQの設問を端末T等に表示させる処理を実行する(ステップS3、設問表示指令ステップ)。制御部11は、処理をステップS4に移す。
【0057】
設問表示指令ステップは、設問をデータファイルとして出力する手順を含むことが好ましい。これにより、測定装置1は、設問をデータファイルとして提供し、測定対象の代わりに回答を入力する代行者が測定対象に設問を提供しやすいようにできる。当該データファイルの態様は、特に限定されず、例えば、PDF(Portable Document Format)形式のファイル(PDFファイル)等の各種文書ファイル、各種画像ファイル等で良い。
【0058】
[ステップS4:回答を受信したか判別]
制御部11は、記憶部13及び通信部14等と協働して回答受信部113を実行する。そして、制御部11は、回答受信部113により、設問表示指令ステップで表示を指令した端末T等から回答を受信したか判別する処理を実行する(ステップS4、回答受信ステップ)。受信したと判別したならば、制御部11は、処理をステップS5に移す。受信したと判別しなかったならば、制御部11は、処理をステップS4に戻す。
【0059】
[ステップS5:受信された回答を格納]
制御部11は、回答受信部113により、回答受信ステップで受信された回答を記憶部13に格納する処理を実行する(ステップS5、回答格納ステップ)。制御部11は、処理をステップS6に移す。
【0060】
[会話形式で回答を収集する処理]
測定処理は、会話形式で回答を収集する一連の処理を含むことが好ましい。会話形式で行う一連の処理において、制御部11は、記憶部13等との協働により、EQに係る質問を大規模言語モデル131に生成させる処理を実行する。このとき、大規模言語モデル131は、EQに係る質問を生成することに係る事前訓練が行われていることが好ましい。当該事前訓練は、例えば、質問の生成を促すプロンプトと質問との対応付けを学習データに含む事前訓練により実現される。質問の生成後、制御部11は、記憶部13及び通信部14等との協働により、当該質問を端末T等に表示させる処理を実行する。
【0061】
質問の表示後、制御部11は、記憶部13及び通信部14等との協働により、当該質問に対する回答を受信する。その後、制御部11は、記憶部13等との協働により、当該回答をEQに係るスコアの算出に用いられる定性データに変換する処理を実行する。定性データに変換する処理は、例えば、当該回答がいずれのスコアに係る回答に分類されるかの質問を含むプロンプトを入力とする大規模言語モデル131を用いた処理によって、当該回答を定性データに変換する手順を含む。このとき、大規模言語モデル131は、回答を定性データに変換することに係る事前訓練が行われていることが好ましい。当該事前訓練は、例えば、回答と定性データとの対応付けを学習データに含む事前訓練により実現される。
【0062】
大規模言語モデル131を用いた会話形式で回答を収集する一連の処理を実行することにより、測定装置1は、選択された回答に基づく計算式のみならず、言葉のニュアンスをも捉えた多角的なEQスコアの測定を行える。また、これにより、測定装置1は、測定対象と合意を形成する合意形成方式で測定結果(診断結果)を提示できる。
【0063】
[ステップS6:スコアを算出]
制御部11は、記憶部13及び通信部14等と協働して算出部114を実行する。そして、制御部11は、算出部114により、回答受信ステップで受信された回答に基づいてEQに係る複数のスコアを算出する処理を実行する(ステップS6、算出ステップ)。制御部11は、算出されたスコアを記憶部13に格納し、処理をステップS7に移す。算出ステップにおいて算出される複数のスコアは、例えば、感情を識別する能力を示す感情識別スコア、感情を利用する能力を示す感情利用スコア、感情を理解する能力を示す感情理解スコア、感情を調整する能力を示す感情調整スコア、精神的ストレスの度合いを示すストレス度、及び規律に従う傾向を示す規範性を含む。
【0064】
算出ステップにおいて複数のスコアを算出する手順は、特に限定されず、ストレス度及び規律性に関するスコアを除き、従来技術のEQにおけるスコア算出と同様でよい。ストレス度に関するスコアの算出は、例えば、ストレス度に関する質問に関する回答において選択された選択肢の番号を用いる手順で行われる。規律性に関するスコアの算出は、例えば、規律性に関する質問に関する回答において選択された選択肢の番号を用いる手順で行われる。
【0065】
算出ステップにおいて算出部114がストレス度及び規範性をさらに含む独自のEQ(心の知能指数)を算出することにより、本実施形態の測定装置1は、就職活動、人材採用、労務管理及び組織管理等においてより効果的なスコア測定を行う。
【0066】
測定処理において測定装置1は、スコア等に基づいて大規模言語モデル131に助言を生成させる一連の処理(ステップS7からステップS11)を実行する。これにより、測定装置1は、全てのスコアを総合的に考慮した助言を予め用意する労力を費やすことなく、全てのスコアを総合的に考慮した助言を生成することができる。よって、測定装置1は、EQ(心の知能指数)の測定において、ストレス度及び規範性をさらに含むより効果的なスコア測定を行うことと、助言の作成に係る労力を低減することと、多様なスコア及び利用分野に対応する助言を提供することと、を両立できる。
【0067】
算出ステップは、記憶部13に格納された測定対象に係る各種データを参照する手順を含むことが好ましい。これにより、測定装置1は、測定対象に合わせてパーソナライズされたスコアの算出を実現できる。よって、測定装置1は、測定対象によって使われれば使われるほど、よりいっそうパーソナライズされたシステムへと改善される。
【0068】
測定処理のうち大規模言語モデル131に助言を生成させる一連の処理において測定装置1は、複数のスコアの履歴に基づいて大規模言語モデル131に助言を生成させる一連の処理(ステップS7からステップS8)を実行することが好ましい。これにより、測定装置1は、EQの成長結果に基づく助言を生成できる。よって、測定装置1は、就職活動を行う者に活動中における精神的成長の指標を与えること、企業の労務担当者、組織活性担当者、及び人事評価担当者等に従業員等の精神的成長の指標を与えること等を実現できる。
【0069】
複数のスコアの履歴に基づいて大規模言語モデル131に助言を生成させる一連の処理を実行する場合、機械学習ステップにおいて、機械学習部111は、本実施形態のEQに係る複数のスコアの履歴を説明変数として含み、当該複数のスコアの履歴に基づく助言を目的変数として含む学習データを用いた機械学習であって、当該複数のスコアの履歴に基づく助言の生成を大規模言語モデル131に機械学習させることが好ましい。これにより、測定装置1は、履歴に基づくより適切な助言を生成させることができる。
【0070】
[ステップS7:履歴を取得するか判別]
制御部11は、記憶部13及び通信部14等と協働して履歴取得部116を実行する。そして、制御部11は、履歴取得部116により、算出ステップで格納された複数のスコアの履歴を記憶部13から取得するか判別する処理を実行する(ステップS7、履歴取得ステップ)。取得すると判別したならば、制御部11は、上述の複数の履歴を記憶部13から取得し、処理をステップS8に移す。取得すると判別しなかったならば、制御部11は、処理をステップS9に移す。
【0071】
履歴取得ステップにおいて履歴を取得するか判別する手順は、特に限定されない。当該手順は、例えば、端末T等から履歴を用いた助言の生成に係る指示を受信した場合に履歴を取得すると判別する処理等でよい。履歴取得ステップにおいて取得される履歴は、例えば、同じ測定対象における前回のスコア、同じ測定対象における一定期間前のスコア(例えば、先月のスコア、昨年のスコア等)その他の過去のスコアを含む。これにより、測定装置1は、測定対象における精神的成長があった期間を前回又は一定期間前を示す語句を用いてわかりやすく示すことができる。
【0072】
[ステップS8:履歴に基づいて助言を生成]
制御部11は、記憶部13及び通信部14と協働して、助言生成部117を実行する。そして、制御部11は、助言生成部117により、履歴取得ステップで取得された複数のスコアの履歴を大規模言語モデル131への入力に含む手順によって、当該複数のスコアの履歴に基づく助言を大規模言語モデル131に生成させる処理を実行する(ステップS8、履歴対応助言生成ステップ)。制御部11は、処理をステップS9に移す。
【0073】
測定処理のうち大規模言語モデル131に助言を生成させる一連の処理において測定装置1は、EQに係る助言の利用分野に基づいて大規模言語モデル131に助言を生成させる一連の処理(ステップS9からステップS10)を実行することが好ましい。これにより、測定装置1は、EQに係る助言の利用分野に適した助言を生成できる。よって、測定装置1は、就職活動、企業の採用、労務、組織活性、人事評価等の各種利用分野に応じた助言を生成し、提供できる。
【0074】
EQに係る助言の利用分野に基づいて大規模言語モデル131に助言を生成させる一連の処理を実行する場合、機械学習ステップにおいて、機械学習部111は、本実施形態のEQに係る複数のスコア及びEQに係る助言の利用分野を説明変数として含み、当該利用分野及び当該複数のスコアに基づく助言を目的変数として含む学習データを用いた機械学習であって、当該利用分野及び複数のスコアに基づく助言の生成を大規模言語モデル131に機械学習させることが好ましい。これにより、測定装置1は、利用分野に応じたより適切な助言を生成させることができる。
【0075】
[ステップS9:利用分野を受信したか判別]
制御部11は、記憶部13及び通信部14等と協働して利用分野受信部115を実行する。そして、制御部11は、利用分野受信部115により、設問表示指令ステップで表示を指令した端末T等からEQの利用分野を受信したか判別する処理を実行する(ステップS9、利用分野受信ステップ)。受信したと判別したならば、制御部11は、当該利用分野を記憶部13に格納し、処理をステップS10に移す。受信したと判別しなかったならば、制御部11は、処理をステップS11に移す。
【0076】
繰り返しとなるが、EQの利用分野は、特に限定されない。当該利用分野は、例えば、就職活動、進路決定の指針としてEQを利用する利用分野(就職進路の利用分野)、求人・採用の指針としてEQを利用する利用分野(採用の利用分野)、労務管理の指針としてEQを利用する利用分野(労務の利用分野)、組織活性化・人事評価の指針としてEQを利用する利用分野(人事の利用分野)、人材紹介の指針としてEQを利用する利用分野(紹介の利用分野)等を含む。
【0077】
[ステップS10:利用分野及びスコアに基づいて助言を生成]
制御部11は、記憶部13及び通信部14と協働して、助言生成部117を実行する。そして、制御部11は、助言生成部117により、利用分野受信ステップにおいて受信された利用分野及び算出ステップにおいて算出された複数のスコアを大規模言語モデル131への入力に含む手順によって、当該利用分野及び当該複数のスコアに基づく助言を大規模言語モデル131に生成させる処理を実行する(ステップS10、利用分野対応助言生成ステップ)。制御部11は、処理をステップS12に移す。
【0078】
[ステップS11:スコアに基づいて助言を生成]
制御部11は、記憶部13及び通信部14と協働して、助言生成部117を実行する。そして、制御部11は、助言生成部117により、算出ステップにおいて算出された複数のスコアを大規模言語モデル131への入力に含む手順によって、当該複数のスコアに基づく助言を大規模言語モデル131に生成させる処理を実行する(ステップS11、助言生成ステップ)。制御部11は、処理をステップS12に移す。
【0079】
助言生成ステップは、記憶部13に格納された測定対象に係る各種データを参照する手順を含むことが好ましい。これにより、測定装置1は、測定対象に合わせてパーソナライズされた診断結果等の生成を実現できる。よって、測定装置1は、測定対象によって使われれば使われるほど、よりいっそうパーソナライズされたシステムへと改善される。
【0080】
[ステップS12:結果を表示]
制御部11は、記憶部13及び通信部14と協働して、結果表示指令部118を実行する。そして、制御部11は、結果表示指令部118により、算出ステップで算出された複数のスコア並びに履歴対応助言生成ステップ、利用分野対応助言生成ステップ、及び助言生成ステップ等で生成された助言を含む診断結果を端末T等に表示させる処理を実行する(ステップS12、結果表示指令ステップ)。制御部11は、処理をステップS13に移す。
【0081】
結果表示指令ステップは、診断結果をデータファイルとして出力する手順を含むことが好ましい。これにより、測定装置1は、診断結果をデータファイルとして提供できる。当該データファイルの態様は、特に限定されず、例えば、PDF(Portable Document Format)形式のファイル(PDFファイル)等の各種文書ファイル、各種画像ファイル等で良い。
【0082】
(診断結果)
診断結果は、算出ステップで算出された複数のスコアと当該スコアに基づいた助言を含むものであれば、特に限定されない。本実施形態において表示される診断結果は、従来技術のEQのスコア(EQ能力)に加え、ストレス度に係るスコア及びコンピテンシーに係るスコアを含む。また、本実施形態において表示される診断結果は、上述のスコアを総合的に考慮した助言を含む。
【0083】
図5は、本実施形態におけるEQの診断結果の表示例である。図5に示された表示例では、上段左側に、EQ能力に係るスコア「4」、コンピテンシー(規範性)に係るスコア「2」、及びEQ能力とストレス度とを総合的に考慮したスコア(潜在的なストレス耐性)「4」が表示されている。また、図5に示された表示例では、上段右側に、ストレス度に係るスコアとして現在のストレス状態のスコア(抑うつ・不安「4」、不機嫌・怒り「4」、無気力感「4」)が表示されている。これらのスコアが表示されていることにより、測定装置1は、測定対象の精神的傾向を示す指標として、EQ能力に係るスコアだけでなく、規範性及びストレス度に係るスコアをも提供できる。
【0084】
また、図5に示された表示例では、中上段左側にEQ能力の詳細(感情の識別「4」、感情の利用「4」、感情の理解「4」、感情の調整「5」)がそれらを総合的に考慮した助言(「自分や相手の気持ちを把握し、感情の移り変わりを予測しながら、その場にふさわしい行動を考え、自分の気持ちを切り替える高い能力を備えているため、その場に応じた行動をとれる可能性が高いでしょう。」)とともに表示されている。これにより、測定装置1は、測定対象の精神的傾向を単なるスコアよりわかりやすく伝えるものとして、EQに係る複数のスコアを総合的に考慮した助言を提供している。
【0085】
加えて、図5に示された表示例では、中段右側にEQ能力とストレス度とを総合的に考慮したスコア(潜在的なストレス耐性)の詳細なスコア群が当該スコア群を総合的に考慮した助言(「ストレスとの付き合い方が上手で打たれ強く、比較的強いストレスに対しても動揺したり冷静さを欠いたりすることなく、落ち着いて対処することができるようです。また、自分に合ったストレス対処方法を持ち、周囲からのサポートを上手に得ることができるため、軽度のストレスに対しては自らで解決し、その影響も最小限に留めることができると思われます。しかし、仕事が忙しく、余裕がなくなってきたり、より強いストレスがかかったときは、その影響が出ることが懸念されます。仕事の負荷やストレスの強度に注意し、これらが過度にかからないように周囲が配慮する必要があるでしょう。」)とともに表示されている。これにより、測定装置1は、測定対象に業務を行わせるときの目安として用いられるという利用分野に対応する助言として、測定対象のEQ能力とストレス度とのスコアを総合的に考慮した助言を提供している。
【0086】
その他、図5に示された表示例では、下段左側において、総合的なEQ能力を縦軸にとり、規範性(コンピテンシー)を横軸にとるグラフが示されている。これにより、測定装置1は、EQ能力と規範性との複合的な傾向を2次元的に示している。
【0087】
利用分野受信ステップが実行される場合、測定処理において測定装置1は、EQに係る助言の利用分野に基づく広告を表示させる一連の処理(ステップS13からステップS14)を実行することが好ましい。これにより、測定装置1は、測定結果及び利用分野に応じた助言を表示させるとともに、当該利用分野に関連する広告を表示させることができる。
【0088】
[ステップS13:利用分野に基づく広告表示を行うか判別]
制御部11は、記憶部13及び通信部14等と協働して、EQに係る助言の利用分野に基づく広告表示を行うか判別する処理を実行する(ステップS13、第1広告表示判別ステップ)。行うと判別したならば、制御部11は、処理をステップS14に移す。行うと判別しなかったならば、制御部11は、処理をステップS15に移す。
【0089】
[ステップS14:利用分野に基づく広告を表示]
制御部11は、記憶部13及び通信部14と協働して、第1広告取得部119を実行する。そして、制御部11は、第1広告取得部119により、利用分野受信ステップで受信された利用分野に基づく広告データ(第1広告データ)を広告テーブル132から取得し、当該広告を端末T等に表示させる処理を実行する(ステップS14、第1広告取得ステップ)。制御部11は、処理をステップS15に移す。
【0090】
測定処理において測定装置1は、EQの測定結果に基づく広告を表示させる一連の処理(ステップS15からステップS16)を実行することが好ましい。これにより、測定装置1は、EQの測定結果に基づいて、当該測定結果で示されるような精神的傾向を有する測定対象に適した広告を表示させることができる。
【0091】
[ステップS15:スコアに基づく広告表示を行うか判別]
制御部11は、記憶部13及び通信部14等と協働して、EQのスコアに基づく広告表示を行うか判別する処理を実行する(ステップS15、第2広告表示判別ステップ)。行うと判別したならば、制御部11は、処理をステップS16に移す。行うと判別しなかったならば、制御部11は、処理をステップS1に戻し、ステップS1からステップS16を繰り返す。
【0092】
[ステップS16:スコアに基づく広告を表示]
制御部11は、記憶部13及び通信部14と協働して、第2広告取得部120を実行する。そして、制御部11は、第2広告取得部120により、算出ステップで受信された複数のスコアが示す精神的傾向に合致する広告データ(第2広告データ)を広告テーブル132から取得し、当該広告を端末T等に表示させる処理を実行する(ステップS16、第2広告取得ステップ)。制御部11は、制御部11は、処理をステップS1に戻し、ステップS1からステップS16を繰り返す。
【0093】
第1広告取得ステップ及び/又は第2広告取得ステップにおいて広告を表示することにより、管理装置1は、測定対象から測定料金を徴収することのない運用モデルを可能にする。これにより、管理装置1は、より多くの測定対象が測定を行えるようにできる。
【0094】
[パーソナライズされた広告の表示]
第1広告取得ステップ及び/又は第2広告取得ステップにおいて、測定装置1は、記憶部13に格納された測定対象に係る各種データを参照する手順を含むことが好ましい。これにより、測定装置1は、測定対象に係る各種データに応じてターゲティングされた広告を表示できる。具体的に、測定装置1は、例えば、利用分野又はスコアと各種データとを共に参照し、双方に合致する広告データを取得する。
【0095】
[トレーニング管理ステップ]
測定処理において測定装置1は、EQの測定結果・診断結果に基づくトレーニングを管理する処理(トレーニング管理ステップ)を実行することが好ましい。トレーニング管理ステップは、上述の結果表示指令ステップで表示されたEQの測定結果・診断結果に基づき、測定対象が伸ばしたい心の能力に応じたトレーニング方法を端末T等に表示させる手順と、一定期間後に、本実施形態の測定装置1におけるEQの測定を提案する通知を、トレーニングを行った測定対象に送付する手順とを含む。トレーニング管理ステップにおいて表示されるトレーニング方法の詳細は、使用例の「その他の活用」において後述される。これにより、測定装置1は、単にEQを測定するだけでなく、EQに基づく、心の能力を伸ばすトレーニングの実施を支援できる。
【0096】
トレーニング管理ステップは、本実施形態のEQに係る複数のスコア及び伸ばしたいスコアを説明変数として含み、当該複数のスコア及び伸ばしたいスコアに基づくトレーニングの進め方を含む助言を目的変数として含む学習データを用いた機械学習が行われた大規模言語モデル131に、算出ステップで算出された複数のスコアを入力として、トレーニングの進め方を含む助言を生成させる手順を含むことが好ましい。これにより、測定装置1は、複数のスコア及び伸ばしたいスコアを総合的に考慮したトレーニングの進め方を逐一事前に入力する労力を測定装置1の管理者等に費やさせることなく、複数のスコア及び伸ばしたいスコアを総合的に考慮したトレーニングの進め方を測定対象に提供できる。
【0097】
[コーチングステップ]
測定処理において測定装置1は、EQの測定結果・診断結果に基づくコーチング/トレーニングを実行する処理(コーチングステップ)を実行することが好ましい。コーチングステップは、EQの測定結果・診断結果を入力に含む大規模言語モデルを用いた処理によって、当該測定結果・診断結果に基づくコーチング/トレーニングを行うテキストを生成する手順を含む。これにより、測定装置1は、測定結果・診断結果によって明らかとなった診断対象の強み・弱みに応じたコーチング/トレーニングを実施できる。このとき、当該大規模言語モデルは、コーチング/トレーニングを行うテキストを生成することに係る事前訓練が行われていることが好ましい。当該事前訓練は、例えば、測定結果・診断結果とコーチング/トレーニングを行うテキストとの対応付けを学習データに含む事前訓練により実現される。
【0098】
コーチングステップは、測定対象との会話形式で実現されることが好ましい。すなわち、測定装置1は、上記テキストに対する測定対象からの応答に応じたさらなるコーチング/トレーニングを行うテキストを生成することが好ましい。これにより、測定装置1は、測定対象の反応を見ながらコーチング/トレーニングを行える。よって、測定装置1は、よりいっそうパーソナライズされたサポートを実現できる。したがって、測定装置1は、EQの効果をよりいっそう高め得る。このとき、当該大規模言語モデルは、さらなるコーチング/トレーニングを行うテキストを生成することに係る事前訓練が行われていることが好ましい。当該事前訓練は、例えば、測定結果・診断結果、コーチング/トレーニングを行うテキスト、及び測定対象の応答とさらなるコーチング/トレーニングを行うテキストとの対応付けを学習データに含む事前訓練により実現される。
【0099】
[マッチングステップ]
測定処理において測定装置1は、EQの測定結果・診断結果に基づいて測定対象と企業等とのマッチングを行う処理(マッチングステップ)を実行することが好ましい。測定対象が企業等に働きかけられるようにすべく、マッチングステップは、EQの測定結果・診断結果に基づいて測定対象に企業等を紹介する手順を含むことが好ましい。企業等が測定対象を勧誘できるようにすべく、マッチングステップは、EQの測定結果・診断結果に基づいて企業等に測定対象を紹介する手順を含むことが好ましい。測定対象と企業等とのマッチングは、例えば、複数の企業等について、記憶部13に格納された「企業等が採用したい人材のEQ傾向」を参照し、これら複数の企業等のうち、算出ステップで算出されたスコアと当該EQ傾向とが最も良く一致する企業等を判別するソフトウェア構成要素であるマッチング部(図示せず)の実行により実現される。マッチング部は、端末T等からの指示により、上述の判別結果に基づいて、上記スコアに係る測定対象に上述の「最も良く一致する企業等」を紹介する手順を実行するよう構成され得る。また、マッチング部は、端末T等からの指示により、上述の判別結果に基づいて、上述の「最も良く一致する企業等」に、上記スコアに係る測定対象を紹介する手順を実行するよう構成され得る。
【0100】
[統計情報算出ステップ]
測定処理において測定装置1は、同一の企業等に所属する測定対象に係るEQの測定結果・診断結果の統計情報を算出する処理(統計情報算出ステップ)を実行することが好ましい。これにより、測定装置1は、同一の企業等に所属する多数の測定対象に係る分析を支援できる。分析をよりいっそう支援する観点から、このとき、測定装置1は、統計情報に係るグラフを生成する手順を含むことが好ましい。このような分析が支援されることにより、企業等の労務担当者等は、EQ向上につなげる各種のフィードバックプロセスを容易に行える。「各種のフィードバックプロセス」は、例えば、コンサルタントによる診断結果を踏まえた行動目標の設定、EQ開発計画の作成等である。
【0101】
<使用例>
以下は、測定装置1の使用例である。
【0102】
〔広告の入力〕
測定装置1を管理する管理者は、広告主とEQ測定サイトに係る広告契約を締結し、広告データを受領する。管理者は、当該広告データに利用分野、関連するスコアを関連付ける。そして、管理者は、これら広告に係る一群のデータを広告テーブル132に格納する。
【0103】
〔EQの実施〕
測定装置1は、端末T等に表示されたEQ測定サイトを介して測定対象に設問を提供する。測定対象は、端末T等に表示されたEQ測定サイトを介して設問に対する回答を測定装置1に送信する。また、測定対象は、EQの助言に係る利用分野を測定装置1に送信する。測定装置1は、送信された回答等を受信し、EQ能力、ストレス度、及び規範性を含む複数のスコアを算出する。
【0104】
〔診断結果及び広告の表示〕
測定装置1は、複数のスコア(測定結果)並びに利用分野及びこれら複数のスコアが総合的に考慮された助言を含む診断結果を、EQ測定サイトを介して端末T等に表示させる。また、測定装置1は、測定結果及び利用分野に応じた広告を広告テーブル132から取得し、EQ測定サイトを介して端末T等に表示させる。これにより、測定装置1は、測定対象に金銭的な負担を負わせることなく、EQ測定を営利化することができる。
【0105】
〔EQを深掘りすることについて〕
測定装置1は、EQを深掘りした助言を提供できる。以下は、その一例である。
【0106】
[就職活動において]
測定装置1は、就職進路を考えるタイミングの人であって、自分のやることが見つかっていない測定対象(大学1年生、2年生等)に向け、当該測定対象に向いている職業のレコメンデーションを含む助言を、測定対象が目指したいToBe像や、現状の測定対象とAsiS状態との差分が具体的な数値や文章で表現される態様で提供できる。これにより、測定装置1は、EQがレコメンドする測定対象が目指したら良いToBe像を認識でき、現状の測定対象との差分が認識できることで、ToBe像に測定対象自身を近づけるための具体的な道筋を見つけることができる助言を提供できる。
【0107】
また、測定装置1は、就職進路を考えるタイミングの人であって、就職活動についてどう考えたら良いかわからない、とっかかりがわからない測定対象(大学1年生、2年生等)に向け、測定対象自身の性質について自己認識をさせる(方向性の指南)助言を、今現在どのような性質を持っているかについての評価情報を示し、併せて、そのような評価の人物に合っていると考えられる職種や職業などを参考として表示する態様で提供できる。これにより、測定装置1は、今その時点で測定対象が有しているEQの情報に基づいて、測定対象自らが当該測定対象に適した職業やその他(学業など)の進路について具体的に考えるきっかけとなる助言を提供できる。また、測定対象自らが全く考えていない状態においては、直接解答として情報を与えるのではなく、ネタを与える助言を提供できる。
【0108】
測定装置1は、就職進路を考えるタイミングの人であって、自分に向いている業種、業界、職種がわからない測定対象(大学3年生等)に向け、自分に向いている業務のレコメンデーション(おすすめ)が出てくる助言を、自分が目指したいToBe像や、現状の自分とToBe状態との差分が具体的な数値や文章で表現される態様で提供できる。これにより、測定装置1は、EQがレコメンドする測定対象が目指したら良いToBe像を認識でき、現状の測定対象との差分が認識できることで、ToBe像に測定対象自身を近づけるための具体的な道筋を見つけることができる助言を提供できる。
【0109】
測定装置1は、就職進路を考えるタイミングの人であって、目指すことを選んだ進路が測定対象自身に合っているのかを確認したい測定対象(大学3年生等)に向け、「現在の測定対象」にとっての向き・不向きを評価してくれる何をどう変えたら、希望している進路に合う測定対象になれそうかをレコメンドしてくれる助言を提供できる。
【0110】
[人材採用において]
測定装置1は、採用担当であって、採用面接の質問項目を検討している活用者に向け、採用面接の質問項目を含む助言を提供できる。これにより、測定装置1は、採用面接の質問項目を検討している採用担当の採用面接に係る労力を低減できる。測定装置1は、採用担当であって、採用に係るマニュアル整備を検討している活用者に向け、採用に係るマニュアル案を含む助言を提供できる。これにより、測定装置1は、採用担当のマニュアル整備に係る労力を低減できる。
【0111】
測定装置1は、採用担当であって、スキル部分以外で間違えた人を採用したくない、見極めたいと考えている活用者に向け、個人の特性を把握して基準を設ける助言を提供できる。測定装置1は、採用担当であって、今チームに必要な人材を選びたいと考えている活用者に向け、テクニカル要素でなく人物像を把握するための助言を提供できる。測定装置1は、採用担当であって、採用評価に利用できる定量的な情報が不足していると考えている活用者に向け、テスト結果を定量的に表現し採用プロセスに組み込むことができる助言を提供できる。測定装置1は、採用担当であって、適切な候補者の選定が難しいと考えている活用者に向け、採用プロセスに組み込むことができる助言を提供できる。
【0112】
測定装置1は、採用担当であって、採用後の長期的なパフォーマンスを予測するのが難しいと考えている活用者に向け、EQの高い候補者が長期的に良好なパフォーマンスを発揮する可能性が高いという研究結果を利用し、EQを重視した採用を行うことができる助言を提供できる。測定装置1は、採用担当であって、会社の文化に適合するかを判断するのが難しいと考えている活用者に向け、EQの高い候補者は一般的に他人の感情を理解し、社会的な状況に適応する能力が高いため、会社の文化に適合する可能性が高いとの考え方に基づく判断ができる助言を提供できる。測定装置1は、採用担当であって、チームへの新メンバーの統合を考えている活用者に向け、EQの高い候補者は他人との良好な関係を築く能力が高いため、新しいチームにスムーズに統合する可能性が高いとの考え方に基づく判断ができる助言を提供できる。測定装置1は、採用担当であって、間違いない採用がしたいと考えている活用者に向け、ADHD(Attention deficit hyperactivity disorder)/サイコパスを見つけ得る助言を提供できる。
【0113】
[労務管理において]
測定装置1は、労務担当であって、労務管理に係る従業員への質問項目を検討している活用者に向け、当該質問項目を含む助言を提供できる。これにより、測定装置1は、労務管理に係る従業員への質問項目を検討している労務担当の労力を低減できる。測定装置1は、労務担当であって、労務管理に係るマニュアル整備を検討している活用者に向け、労務管理に係るマニュアル案を含む助言を提供できる。これにより、測定装置1は、労務担当のマニュアル整備に係る労力を低減できる。
【0114】
測定装置1は、労務担当であって、社員のモチベーション維持が難しいと考えている活用者に向け、EQトレーニングを導入し、社員が自分自身の感情を理解し、他人の感情に対応する能力を向上させるきっかけとなる助言を提供できる。測定装置1は、労務担当であって、職場のストレス管理が難しいと考えている活用者に向け、EQの高いリーダーが職場のストレスを適切に管理し、社員のストレスを軽減するための環境を作り出すとの考え方に基づく判断ができる助言を提供できる。測定装置1は、労務担当であって、社員間のコミュニケーションが不足している活用者に向け、EQのトレーニングを提供し、社員が他人の感情を理解し、適切に対応する能力を向上させるきっかけとなる助言を提供できる。測定装置1は、労務担当であって、社員の職務満足度が低いと考えている活用者に向け、EQの高いリーダーが社員の感情を理解し、個々の社員のニーズと期待に対応するための環境を作り出すとの考え方に基づく判断ができる助言を提供できる。
【0115】
[組織活性・人事評価において]
測定装置1は、組織活性・人事評価担当であって、組織活性・人事評価に係る従業員への質問項目を検討している活用者に向け、当該質問項目を含む助言を提供できる。これにより、測定装置1は、組織活性・人事評価に係る従業員への質問項目を検討している組織活性・人事評価担当の労力を低減できる。測定装置1は、組織活性・人事評価担当であって、組織活性・人事評価に係るマニュアル整備を検討している活用者に向け、組織活性・人事評価に係るマニュアル案を含む助言を提供できる。これにより、測定装置1は、組織活性・人事評価担当のマニュアル整備に係る労力を低減できる。
【0116】
測定装置1は、組織活性・人事評価担当であって、チームビルディングに携わる活用者に向け、クライアントに対してアドバイスを行うための材料として必要な定量的情報を与える助言を提供できる。測定装置1は、組織活性・人事評価担当であって、自分のチームを判断する判断材料であって、事業部単位でも使える判断材料を求めている活用者に向け、EQを評価基準に含めることで、より全面的なパフォーマンス評価を行うとの考え方に基づく判断ができる助言を提供できる。測定装置1は、組織活性・人事評価担当であって、客観的なパフォーマンス評価が難しいと考えている活用者に向け、EQの高いリーダーが、社員の感情を理解し、適切なフィードバックを提供するとの考え方に基づく判断ができる助言を提供できる。
【0117】
測定装置1は、組織活性・人事評価担当であって、フィードバックの効果的な提供が難しいと考えている活用者に向け、複数のスコアの履歴に基づく助言として、EQの成長を評価基準に含める。社員が自己認識、自己管理、社会的認識、関係管理の能力をどの程度向上させたかを評価するとの考え方に基づく判断ができる助言を提供できる。測定装置1は、組織活性・人事評価担当であって、社員の成長と発展を評価するのが難しいと考えている活用者に向け、複数のスコアの履歴に基づく助言として、EQはリーダーシップ能力と強く関連しているため、社員のEQを評価することで間接的にリーダーシップ能力を評価するとの考え方に基づく判断ができる助言を提供できる。その他、測定装置1は、社員のリーダーシップ能力を評価するのが難しいと考えている活用者に向け、リーダーシップ評価を含む助言を提供できる。
【0118】
[人材紹介会社において]
測定装置1は、クライアントからTobeを聴いてアドバイスをする際に利用する定量的な判断材料を必要としている応募者担当である活用者に向け、定量的な判断材料を与え得る助言を提供できる。
【0119】
[結婚相談において]
測定装置1は、結婚を検討している者、そのような者に助言を与える者等である活用者に向け、当該活用者が結婚を検討している相手との相性の是非、及び結婚を進めるべきであるか等の結婚に関する定量的な判断材料を与え得る助言を提供できる。
【0120】
〔EQトレーニング等での活用〕
測定装置1は、EQに係るトレーニング・コーチング・研修・チーミングその他の活用が可能な診断結果を提供できる。以下は、活用の一例である。
【0121】
[採用における活用]
(課題1:適切な候補者の選定が難しい)
EQを評価する質問を面接に組み込む、EQを測定する心理テストを採用プロセスに導入する等の活用があり得る。
【0122】
(課題2:候補者の長期的なパフォーマンスを予測するのが難しい)
EQの高い候補者が長期的に良好なパフォーマンスを発揮する可能性が高いという研究結果を利用し、EQを重視した採用を行うとの活用があり得る。
【0123】
(課題3:候補者が会社の文化に適合するかを判断するのが難しい)
EQの高い候補者は一般的に他人の感情を理解し、社会的な状況に適応する能力が高いため、会社の文化に適合する可能性が高いとの観点から候補者を評価する活用があり得る。
【0124】
(課題4:チームへの新メンバーの統合が難しい)
EQの高い候補者は他人との良好な関係を築く能力が高いため、新しいチームにスムーズに統合する可能性が高いとの観点から候補者を評価する活用があり得る。
【0125】
[労務における活用]
(課題1:社員のモチベーション維持が難しい)
EQトレーニングを導入し、社員が自分自身の感情を理解し、他人の感情に対応する能力を向上させるとの活用、リーダーシップチームに社員の感情を理解し、適切に対応するためのトレーニングを提供するとの活用があり得る。
【0126】
(課題2:職場のストレス管理が難しい)
EQの高いリーダーが職場のストレスを適切に管理し、社員のストレスを軽減するための環境を作り出すとの活用があり得る。
【0127】
(課題3:社員間のコミュニケーションが不足している)
EQのトレーニングを提供し、社員が他人の感情を理解し、適切に対応する能力を向上させるとの活用があり得る。
【0128】
(課題4:社員の職務満足度が低い)
EQの高いリーダーが社員の感情を理解し、個々の社員のニーズと期待に対応するための環境を作り出すとの活用があり得る。
【0129】
[(人事)評価における活用]
(課題1: 客観的なパフォーマンス評価が難しい)
EQを評価基準に含めることで、より全面的なパフォーマンス評価を行うとの活用、EQの高い社員が長期的に良好なパフォーマンスを発揮する可能性が高いという研究結果を利用し、EQを重視した評価を行うとの活用があり得る。
【0130】
(課題2: フィードバックの効果的な提供が難しい)
EQの高いリーダーが、社員の感情を理解し、適切なフィードバックを提供するとの活用があり得る。
【0131】
(課題3: 社員の成長と発展を評価するのが難しい)
EQの成長を評価基準に含める。社員が自己認識、自己管理、社会的認識、関係管理の能力をどの程度向上させたかを評価するとの活用があり得る。
【0132】
(課題4: 社員のリーダーシップ能力を評価するのが難しい)
EQはリーダーシップ能力と強く関連しているため、社員のEQを評価することで間接的にリーダーシップ能力を評価するとの活用があり得る。
【0133】
なお、本発明の思想の範疇において、当業者であれば各種の変更例及び修正例に想到し得るものである。よって、それら変更例及び修正例は、本発明の範囲に属するものと了解される。例えば、前述の実施の形態に対して、当業者が適宜、構成要素の追加、削除若しくは設計変更を行ったもの、又は、工程の追加、省略若しくは条件変更を行ったものも、本発明の要旨を備えている限り、本発明の範囲に含まれる。
【符号の説明】
【0134】
S システム
1 測定装置
11 制御部
111 機械学習部
112 設問表示指令部
113 回答受信部
114 算出部
115 利用分野受信部
116 履歴取得部
117 助言生成部
118 結果表示指令部
119 第1広告取得部
120 第2広告取得部
13 記憶部
131 大規模言語モデル
132 広告テーブル
14 通信部
N ネットワーク
T 端末

【要約】
【課題】EQ(心の知能指数)の測定において、より効果的なスコア測定を行いつつ、多様なスコア等に対応する助言を作成する労力を低減すること。
【解決手段】本発明のEQ(心の知能指数)の測定装置1は、心の知能指数(EQ)の測定に係る設問を表示させる設問表示指令部112と、設問への回答を測定対象から受信する回答受信部113と、回答に基づいてEQに係る複数のスコアを算出する算出部114と、大規模言語モデル131に、スコアに基づく助言の生成を機械学習させる機械学習部111と、複数のスコアに基づいて測定対象への助言を大規模言語モデル131に生成させる助言生成部117と、スコア及び助言を表示させる結果表示指令部118と、を備え、算出部114は、EQのスコアとして、精神的ストレスの度合いを示すストレス度及び規律に従う傾向を示す規範性をさらに含む複数のスコアを算出する。
【選択図】図1

図1
図2
図3
図4
図5