(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-05-13
(45)【発行日】2024-05-21
(54)【発明の名称】溶接ワイヤー用収納容器
(51)【国際特許分類】
B65D 25/10 20060101AFI20240514BHJP
B65D 13/00 20060101ALI20240514BHJP
B23K 9/133 20060101ALI20240514BHJP
【FI】
B65D25/10 ZAB
B65D13/00 Z
B23K9/133 503C
(21)【出願番号】P 2023506193
(86)(22)【出願日】2021-05-28
(86)【国際出願番号】 KR2021006653
(87)【国際公開番号】W WO2022039352
(87)【国際公開日】2022-02-24
【審査請求日】2023-01-30
(31)【優先権主張番号】10-2020-0103281
(32)【優先日】2020-08-18
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(73)【特許権者】
【識別番号】506279458
【氏名又は名称】キスウェル リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】110002871
【氏名又は名称】弁理士法人坂本国際特許商標事務所
(72)【発明者】
【氏名】キム、ソン フン
(72)【発明者】
【氏名】カン、ホ ギュ
(72)【発明者】
【氏名】ソン、チャン ウク
(72)【発明者】
【氏名】キム、ギョ フン
(72)【発明者】
【氏名】パク、フィ チョル
【審査官】佐藤 正宗
(56)【参考文献】
【文献】特開2019-150876(JP,A)
【文献】実公昭61-017977(JP,Y2)
【文献】米国特許出願公開第2015/0353270(US,A1)
【文献】韓国公開特許第10-2018-0045464(KR,A)
【文献】韓国公開特許第10-2005-0018018(KR,A)
【文献】特開2009-073559(JP,A)
【文献】実開昭51-122842(JP,U)
【文献】実公昭35-030799(JP,Y1)
【文献】米国特許出願公開第2018/0354710(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2014/0262866(US,A1)
【文献】韓国登録実用新案第20-0226777(KR,Y1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B23K 9/133
B65D 85/04
B65D 85/26
B65D 13/00
B65D 25/10
B65H 75/16
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
下端には外側底支持部が形成され、内部には巻き取られた溶接ワイヤーを収容するワイヤー収容部が形成される外筒
と、
前記外側底支持部に安着結合される底部
と、
前記外筒の内側面に密着され、下部には前記底部に安着される内側底支持部が形成された内筒
と、
前記外筒の形状と対応するように形成され、前記外筒の上部を閉鎖するキャップ
と、を含
み、
前記キャップは、前記外筒の横断面と対応する形状を成し、前記外筒の上部を閉鎖する遮断部と、前記遮断部に形成され、前記外筒に巻き取られた溶接ワイヤーが外部に引き出されるように切取可能に構成される切取部と、を含み、
前記切取部は、
前記遮断部の中心部に円形に形成される第1切取部と、
第2切取部であって、
前記遮断部の一つの辺から中心部位まで平行に形成される第1直線部及び第2直線部と、
前記遮断部の中心部位で前記第1直線部と前記第2直線部を連結するように形成される曲線部と、
前記遮断部の一つの辺と重なりながら前記第1直線部と前記第2直線部を連結するように形成される第3直線部と、を有する、第2切取部と、を具備する、ことを特徴とする、溶接ワイヤー用収納容器。
【請求項2】
前記底部の切開溝を通じて貫通挿入され、弾性体が掛かるように構成される弾性体維持部材をさらに含むことを特徴とする、請求項1に記載の溶接ワイヤー用収納容器。
【請求項3】
前記弾性体維持部材は、前記切開溝を通じて前記底部の下方から上方に貫通挿入される挿入部と、前記挿入部の下側に形成されて挿入限界を設定する挿入支持部と、を具備し、
前記挿入部は、弾性体が掛かる円形ホール形状の掛け部と、前記挿入部の外側から前記掛け部まで連通するように貫通形成される貫通路と、を有することを特徴とする、請求項2に記載の溶接ワイヤー用収納容器。
【請求項4】
前記キャップは、
前記遮断部と連結され、前記遮断部から折り曲げられた前記外筒の上部の外側面を取り囲んで挟まれる側面形成部
と、
前記遮断部の辺に沿って前記側面形成部と交互に具備され、隣接する前記側面形成部を固定する側面固定部
と、を
さらに含むことを特徴とする、請求項1
から3のいずれか1項に記載の溶接ワイヤー用収納容器。
【請求項5】
前記第2切取部は、前記遮断部の中心部に形成される前記第1切取部が前記第2切取部で取り囲まれた面積の内部に位置するように構成されることを特徴とする、請求項
1から4のいずれか1項に記載の溶接ワイヤー用収納容器。
【請求項6】
前記第1切取部は、単位長さ当たり切り取られた部分の割合がそれぞれ相異に構成される第1アーク部及び第2アーク部からなり、
前記第1アーク部の単位長さ当たり切り取られた部分の割合(R1)は、前記第2アーク部の単位長さ当たり切り取られた部分の割合(R2)より大きくなるように構成されることを特徴とする、請求項
1から5のいずれか1項に記載の溶接ワイヤー用収納容器。
【請求項7】
前記曲線部及び前記第3直線部のうち少なくとも一つの単位長さ当たり切り取られた部分の割合(R3)は、前記第1直線部及び前記第2直線部の単位長さ当たり切り取られた部分の割合(R4)より大きくなるように構成されることを特徴とする、請求項
1から6のいずれか1項に記載の溶接ワイヤー用収納容器。
【請求項8】
前記外筒、前記外側底支持部、前記底部及び前記内側底支持部のうち少なくとも一つは、強度補強部と前記強度補強部の内側に形成されて外部からの衝撃を吸収する衝撃吸収部を具備することを特徴とする、請求項1
から7のいずれか1項に記載の溶接ワイヤー用収納容器。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、溶接ワイヤー用収納容器に関し、より詳しくは、再活用が容易であると共に外部衝撃と座屈荷重に強く、容易に切り取って使用できる切取部が具備されたキャップを含んでいることによって、別途のヘッドキャップ部材が要求されない溶接ワイヤー用収納容器に関する。
【背景技術】
【0002】
従来の一般的な大容量の溶接ワイヤー用収納容器において、溶接ワイヤーは筒部本体にコイル形状に収納され、筒部本体の内面は樹脂で被覆され、この筒部本体の上端開口部に金属製のキャップを被せ、前記筒部本体と前記キャップとの境界はゴムなどの密封部材で密封する。そして、収納容器の筒部本体は、強度を必要とする部分であるその下端部及び上端部がリング状の金属部材により補強されている。
【0003】
一方、使用後の収納容器は、溶接ワイヤーの収納に繰り返し使用される場合もあるが、通常、所定の回数の使用後に廃棄される。収納容器が廃棄される前に、金属材質であるリング状の金属部材及びキャップは、筒部本体から分離する必要がある。そうではない場合には、リング状の金属部材及びキャップが分離されず全体が産業廃棄物として処理される。これにより、従来の収納容器は、再活用過程が複雑であり、環境にやさしくない。
【0004】
したがって、最近には強度補強のための金属製又はプラスチック製などの補強部材を無くし、収納容器全体を紙材質で製作しようとする努力が続いている。
【0005】
しかし、紙製収納容器は、従来の収納容器に比べて外部衝撃に弱い。また、溶接ワイヤーを収納した状態で2段に積層した場合、上方の収納容器が下方の収納容器に加わる座屈荷重を克服しなければならないという問題点が存在する。
【0006】
また、溶接ワイヤー用収納容器は、一つの容器に巻き取られた溶接ワイヤーが全て消尽すると、その次の容器に巻き取られた溶接ワイヤーと引出装置を連結して使用する単一タイプと、二つの収納容器をタンデム(tandem)して一つの収納容器に巻き取られた溶接ワイヤーがほとんど消尽するとき、そのワイヤーの終段と隣接した他の収納容器に巻き取られたワイヤーの初段を連結する方式で途切れずに使用するEndlessタイプとに区分され得る。
【0007】
このとき、従来技術によると需要者が要求する溶接ワイヤー用収納容器タイプによってそれに合わせてそれぞれ別にキャップを製作して供給しなければならないので、製作コストが増加するという問題点が存在する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【文献】特開2001-301886号公報(2001.10.31)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
本発明は、上述した従来技術の問題点を解決するためのものであって、本発明の目的は、再活用が容易であると共に外部衝撃と座屈荷重に強く、容易に切り取って使用できる切取部が具備されたキャップを含んでいることによって、別途のヘッドキャップ部材が要求されない溶接ワイヤー用収納容器を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0010】
前記のような目的を達成するために、本発明の一側面は、下段には外側底支持部が形成され、内部には巻き取られた溶接ワイヤーを収容するワイヤー収容部が形成される外筒、前記外側底支持部に安着結合する底部、前記外筒の内側面に密着し、下部には前記底部に安着する内側底支持部が形成された内筒、及び前記外筒の形状と対応するように形成され、前記外筒の上部を閉鎖するキャップを含む溶接ワイヤー用収納容器を提供する。
【0011】
本発明の一実施例において、前記底部の切開溝を通じて貫通挿入され、弾性体が掛かるように構成される弾性体維持部材をさらに含むことを特徴とする溶接ワイヤー用収納容器である。
【0012】
本発明の一実施例において、前記弾性体維持部材は、前記切開溝を通じて前記底部の下方から上方に貫通挿入される挿入部と、前記挿入部の下側に形成されて挿入限界を設定する挿入支持部と、を具備し、前記挿入部は、弾性体が掛かる円形ホール形状の掛け部と、前記挿入部の外側から前記掛け部まで連通するように貫通形成される貫通路と、を有することを特徴とする溶接ワイヤー用収納容器であってもよい。
【0013】
本発明の一実施例において、前記キャップは、前記外筒の横断面と対応する形状を成し、前記外筒の上部を閉鎖する遮断部、前記遮断部と連結され、前記遮断部から折り曲げられて前記外筒の上部外側面を取り囲みながら挟まれる側面形成部、前記遮断部の辺に沿って前記側面形成部と交互に具備され、隣接する前記側面形成部を固定する側面固定部、及び前記遮断部に形成され、前記外筒に巻き取られた溶接ワイヤーが外部に引き出されるように切取可能に構成される切取部を含むことを特徴とする溶接ワイヤー用収納容器であってもよい。
【0014】
本発明の一実施例において、前記切取部は、前記遮断部の中心部に円形に形成される第1切取部を具備することを特徴とする溶接ワイヤー用収納容器であってもよい。
【0015】
本発明の一実施例において、前記切取部は、前記遮断部の一つの辺から中心部位まで平行に形成される第1直線部と第2直線部、前記遮断部の中心部位で前記第1直線部と前記第2直線部を連結するように形成される曲線部、及び前記遮断部の一つの辺と重なりながら前記第1直線部と前記第2直線部を連結するように形成される第3直線部を有する第2切取部を具備することを特徴とする溶接ワイヤー用収納容器であってもよい。
【0016】
本発明の一実施例において、前記第2切取部は、前記遮断部の中心部に形成される前記第1切取部が前記第2切取部により取り囲まれた面積の内部に位置するように構成されることを特徴とする溶接ワイヤー用収納容器であってもよい。
【0017】
本発明の一実施例において、前記第1切取部は、単位長さ当たり切り取られた部分の割合がそれぞれ異なるように構成される第1アーク部及び第2アーク部からなり、前記第1アーク部の単位長さ当たり切り取られた部分の割合(R1)は、前記第2アーク部の単位長さ当たり切り取られた部分の割合(R2)より大きくなるように構成されることを特徴とする溶接ワイヤー用収納容器であってもよい。
【0018】
本発明の一実施例において、前記曲線部及び前記第3直線部のうち少なくとも一つの単位長さ当たり切り取られた部分の割合(R3)は、前記第1直線部及び前記第2直線部の単位長さ当たり切り取られた部分の割合(R4)より大きくなるように構成されることを特徴とする溶接ワイヤー用収納容器であってもよい。
【0019】
本発明の一実施例において、前記外部、前記外側底支持部、前記底部及び前記内側底支持部のうち少なくとも一つは、強度補強部と前記強度補強部の内側に形成されて外部からの衝撃を吸収する衝撃吸収部を具備することを特徴とする溶接ワイヤー用収納容器であってもよい。
【発明の効果】
【0020】
本発明の一側面によると、外筒が強度補強部と衝撃吸収部を含んでおり、このような外筒の内部に内筒が密着結合することによって、外部衝撃が加わっても溶接ワイヤー用収納容器が陥没又は破損することがなく、内部の溶接ワイヤーが安定的に保護され得る。
【0021】
また、本発明の溶接ワイヤー用収納容器が上下に積層されても座屈が発生しない。
【0022】
また、溶接ワイヤー用収納容器は、紙材質で製作され得、収納容器を補強するための金属、プラスチックなどのその他材質の付加物が不必要であり、ストラップの解体も容易であるので、溶接ワイヤー用収納容器の分解及び再活用が容易である。
【0023】
また、使用後の溶接ワイヤー用収納容器の再活用のために要求される運搬費用及び溶接ワイヤー用収納容器を産業廃棄物として処理するのに必要な費用が節減され得る。
【0024】
また、キャップは、切取部を具備して別途のヘッドキャップ部材なしでもそれ自体ですぐ用いることができ、用途に応じて、アダプター連結タイプ又はEndlessタイプで具現され得る。
【0025】
また、切取部の単位長さ当たり切り取られた部分の割合が部分ごとに相違に構成されることによって切取部がより効率的に除去され得る。
【0026】
また、キャップは、側面形成部と側面固定部の組み立てを通じて製造され得る。このようなキャップは、別途の結束部材なしでも製造が可能であり、製造過程が単純である。
【0027】
本発明の効果は、上述した効果に限定されるものではなく、本発明の詳細な説明又は特許請求の範囲に記載された構成から推論可能な全ての効果を含むものと理解しなければならない。
【図面の簡単な説明】
【0028】
【
図1】
図1は、本発明の一実施例による溶接ワイヤー用収納容器の外形を示した斜視図である。
【
図2】
図2は、本発明の一実施例による外筒を示した斜視図である。
【
図3】
図3の(a)及び(b)は、それぞれ本発明の外筒を上方から見た平面図及び外筒の強度補強部と衝撃吸収部を示した部分拡大図である。
【
図5】
図5の(a)は、本発明の一実施例による外筒、底部、底補強部、弾性体維持部材及びストラップが結合された状態での切開図であり、
図5の(b)~(d)は、
図5の(a)の一部を拡大した部分拡大図である。
【
図6】
図6の(a)及び(b)は、それぞれ本発明の内筒の切開図及び
図6の(a)の一部を拡大した部分拡大図である。
【
図7】
図7の(a)及び(b)は、それぞれ軸Lを中心として本発明の外筒の内部に内筒が挿入され、その上部にキャップが被せられることを示した分解組立図及び本発明の外筒と内筒が結合された状態を示した図である。
【
図8】
図8は、本発明の一実施例による外筒の一部分を示した斜視図である。
【
図9】
図9は、本発明の一実施例によるキャップの展開図である。
【
図10】
図10は、本発明の一実施例によるキャップが組み立てられる過程を示した要部に対する組立図である。
【
図11】
図11は、本発明の一実施例による組み立てられたキャップの斜視図である。
【
図12】
図12の(a)及び(b)は、それぞれ本発明の一実施例によるキャップに具備された第1切取部及び第2切取部を示した図である。
【
図13】
図13の(a)及び(b)は、それぞれ本発明の一実施例による連結アダプターの分解図及び結合図である。
【
図14】
図14は、本発明の一実施例による連結アダプターがキャップに結合される過程を示したフローチャートである。
【
図15】
図15は、本発明の一実施例によるキャップの第2切取部が利用される状態を示した斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0029】
以下では、添付した図面を参照して本発明を説明する。しかしながら、本発明は種々の異なる形態で具現することができる。したがって、ここで説明する実施例に限定されるものではない。また、図面において本発明を明確に説明するために説明と関係ない部分は省略し、明細書全体を通じて類似する部分に対しては類似する図面符号を付与した。
【0030】
明細書全体において、ある部分が他の部分と「連結」されているとの用語は、「直接的に連結」されている場合だけでなく、それらの間に他の部材を介在して「間接的に連結」されている場合も含む。また、ある部分がある構成要素を「含む」との用語は、特に反対の記載がない限り、他の構成要素を除外するのではなく他の構成要素をさらに具備できることを意味する。
【0031】
以下、添付した図面を参考して本発明の実施例を詳しく説明する。
【0032】
図1は、本発明の一実施例による溶接ワイヤー用収納容器の外形を示した斜視図である。そして、本発明の溶接ワイヤー用収納容器は、紙材質からなり得る。
【0033】
図1を参照すると、溶接ワイヤー用収納容器1000の外形は、外筒100及びキャップ600からなり得る。外筒100は、多角柱形状であってもよく、好ましくは、横断面が正12角形であってもよい。外筒100の上部は、外部に開放するように形成される。キャップ600は、外筒100の形状と対応して内部空間部を有する多角柱形状であってもよい。キャップ600は、外筒100の上部を閉鎖して外筒100の内部を保護する役目をする。キャップ600が外筒100の上部を閉鎖する場合、キャップ600の内部空間部に外筒100の上部の一部が収容され得る。
【0034】
図2は、本発明の一実施例による外筒を示した斜視図であり、
図3の(a)及び(b)は、それぞれ本発明の外筒を上方から見た平面図及び外筒の強度補強部と衝撃吸収部を示した部分拡大図であり、
図4は、外筒を下方から見た底面図である。
【0035】
図2~
図4を参照すると、外筒100は、多角柱形状であってもよく、外筒100の下部には、外側底支持部102が形成され得、内部には、巻き取られた溶接ワイヤー(図示せず)を収容できるワイヤー収容部103が形成され得る。そして、内側面104には、後述する内筒が密着して位置され得る。
【0036】
外筒100は、強度補強部110と、強度補強部110の内側に形成されて外部からの衝撃を吸収する衝撃吸収部120と、を含むことができる。
【0037】
強度補強部110は、第1板紙112と第1中しん原紙111を含む。第1中しん原紙111の横断面の形状は、略sin関数の波形形状であってもよい。このような第1中しん原紙111の形状により、強度補強部110の圧縮荷重の強度及び座屈荷重の強度が向上され得る。そして、第1板紙112は、外側第1板紙112aと内側第1板紙112bで形成され得る。
【0038】
衝撃吸収部120は、第2板紙122と第2中しん原紙121とを含む。第2中しん原紙121の横断面の形状は、略五角形が繰り返し配置される形態であってもよい。このような第2中しん原紙121の形状により、衝撃吸収部120に加わる衝撃力が効果的に吸収されることになる。そして、第2板紙122は、外側第2板紙122aと内側第2板紙122bで形成され得る。一方、本発明の一実施例によると、内側第1板紙112bと外側第2板紙122aは一体に形成され得る。
【0039】
さらに、外筒100全体から見たとき、外側には強度補強部110が形成されており、内側には衝撃吸収部120が形成されていることによって、衝撃が加わる場合、外筒100が陥没又は破損せず、内部に収容された溶接ワイヤーに衝撃が伝達されない。したがって、溶接ワイヤー用収納容器1000の上側に溶接ワイヤーを収容した別途の溶接ワイヤー用収納容器1000が積層されることによって荷重が加わっても、下側に位置した溶接ワイヤー用収納容器1000の外筒100は座屈しない。
【0040】
本発明の一実施例によると、強度補強部110の外側は、水密性がある合成樹脂でコーティングされ得る。したがって、外部の湿気などから内部を保護することができる。
【0041】
本発明の一実施例において、第1中しん原紙の単位長さ当たり折り線111aの数をC1とし、第2中しん原紙の単位長さ当たり折り線121aの数をC2とするとき、RC=C1/C2は、1.27以上1.67以下であってもよく、好ましくは、1.37以上1.57以下であってもよい。
【0042】
RCが1.27未満となる場合、強度補強部110の強度が低下して外筒100が陥没又は破損され得る。または、むしろ衝撃吸収部120が外部衝撃に対する抵抗力を有することになって、外部衝撃が内部に収容される溶接ワイヤーに伝達されることによって溶接ワイヤーが損傷され得る。
【0043】
一方、RCが1.67超過となる場合、製作の容易性が顕著に低下するか、衝撃吸収部120の衝撃吸収能力が低下し得る。
【0044】
したがって、RCが前記の数値範囲の値を有することによって外筒100の強度及び衝撃吸収効果が最適化され得る。
【0045】
本発明の一実施例によると、衝撃吸収部120の厚さd2が強度補強部110の厚さd1より大きくなり得る。これによって、強度補強部110は、外筒100に強度を付与する役目をすることができ、衝撃吸収部120は、外筒100に加わる外部衝撃を容易に吸収することができる。
【0046】
外筒100を下方から見たとき、外側底支持部102は、中間辺102a、第1側辺102b及び第2側辺102cを有する外側の辺と前記外側の辺の長さより短い内側辺102dからなる多角形状であってもよく、好ましくは、六角形状であってもよい。そして、外側底支持部102の中間辺102aは、外側面105と一体に外側面105から延長形成され、第1側辺102b及び第2側辺102cは、外側面105と切開して形成され得る。これによって、外側底支持部102が中間辺102aを中心として折られるか広がることになる。このような外側底支持部102は、複数個が具備され得、それぞれ内側に折られることによって外筒100の外側底を形成し得る。また、外側底支持部102も上述した強度補強部(110、
図3参照)と衝撃吸収部(120、
図3参照)の構造を有するように形成され得る。
【0047】
図5の(a)は、本発明の一実施例による外筒、底部、底補強部、弾性体維持部材及びストラップが結合された状態での切開図であり、
図5の(b)~(d)は、
図5の(a)の一部を拡大した部分拡大図である。
【0048】
図5の(a)~(d)を参照すると、底部200は、外筒100の断面形状に対応する多角形の形状であり、外側底支持部102上に安着結合され得る。このような底部200も上述した強度補強部(110、
図3参照)と衝撃吸収部(120、
図3参照)の構造を有するように形成され得る。これによって、外筒100の垂直方向から加わる外力によっても容易に陥没又は破損が発生せず、前記外力が容易に吸収されて内部に収容される溶接ワイヤーを安定的に保護することができる。
【0049】
底補強部210は、底部200の上側に配置され得る。そして、底補強部210も上述した強度補強部(110、
図3参照)と衝撃吸収部(120、
図3参照)の構造を有するように形成され得る。これによって、底補強部210は、溶接ワイヤーが収容されるとき加わる衝撃を容易に吸収することができる。
【0050】
底部200と底補強部210の中央部には、後述する弾性体維持部材400が貫通挿入して結合される切開溝(図示せず)が形成される。
【0051】
弾性体維持部材400は、前記切開溝(図示せず)を通じて下方から上方に挿入される挿入部410と、前記挿入部410の下側に形成されて挿入限界を設定する挿入支持部420とを含む。
【0052】
このとき、挿入部410には、弾性体が掛かるように円形に形成される掛け部411と、前記挿入部410の外側から前記掛け部411まで連通するように貫通形成される貫通路412が具備される。すなわち、弾性体は、前記貫通路412を通じて前記掛け部411に進入することによって容易に結合され得る。
【0053】
挿入支持部420は、前記挿入部410が前記切開溝(図示せず)を通じて挿入結合される場合、前記底部200の下側面を支持するように構成される。すなわち、挿入部410は、前記挿入支持部420が前記底部200の下側面と接触するまで挿入され、挿入部410の挿入が完了すれば、挿入支持部420は、前記底部200の下側面を支持することになる。挿入支持部420は、前記挿入部410の下端に側方向に少なくとも二つ形成され得る。
【0054】
弾性体維持部材400は、紙材質からなり得、これによって、本発明の溶接ワイヤー用収納容器1000に収納された溶接ワイヤーが全部消尽すると、使用者は前記挿入支持部420をつかんで上方から下方に引っ張って前記切開溝(図示せず)から前記挿入部410を離脱させることによって容易に廃棄し得る。
【0055】
図6の(a)及び(b)は、それぞれ本発明の内筒の切開図及び
図6の(a)の一部を拡大した部分拡大図である。
【0056】
図6を参照すると、内筒300は、円筒状の柱形状であってもよい。内筒300の下部には、内側底支持部302が形成され得、内部には、巻き取られた溶接ワイヤー(図示せず)を収容できるワイヤー収容部303が形成され得る。そして、内筒300は、外筒100の内部に着脱可能に挿入され得、内筒300が外筒100の内部に挿入された場合、内筒300の外側面305は、外筒100の内側面104と密着する。このとき、外筒100の上端部101と内筒300の上端部301は、同一の高さに形成され得る。
【0057】
内筒300は、紙材質で形成され得る。具体的に、内筒300は、数重の板紙が圧密して形成されたハードボード材質であってもよいので、円筒状の形状が堅固に維持され得る。
【0058】
内側底支持部302は、上述した強度補強部(110、
図3参照)と衝撃吸収部(120、
図3参照)の構造を有するように形成され得る。好ましくは、内側底支持部302は、強度補強部(110、
図3参照)と衝撃吸収部(120、
図3参照)の構造が2段で積層された構造を有するように形成され得る。これによって、溶接ワイヤーが収容されるとき加わる衝撃を容易に吸収することができる。
【0059】
内側底支持部302の中央部には、ホール306が形成され得る。このようなホール306を通じて弾性体維持部材400の挿入部410が露出し得、挿入部410の掛け部411は、引張スプリングと結合し得る。
【0060】
図7の(a)及び(b)は、それぞれ軸Lを中心として本発明の外筒の内部に内筒が挿入され、その上部にキャップが被せられることを示した分解組立図及び本発明の外筒と内筒が結合された状態を示した図である。
【0061】
図7の(a)及び(b)を参照すると、外筒100と内筒300は、外筒100の内部に内筒300が挿入されて外筒100の内側面104と内筒300の外側面305が密着した状態となり、その上部にキャップ600が結合することによって組み立てられ得る。
【0062】
また、内筒300が外筒100の内部に挿入されるとき、内筒300の外側面305と外筒100の内側面104の間にストラップ500が介在され得る。これによって、ストラップ500において、外筒100の外側へ露出される部分を除いて内筒300と外筒100の間の摩擦力により安定的に維持される。
【0063】
図3、
図6及び
図7を参照すると、外筒100と内筒300が結合し、強度補強部110、衝撃吸収部120及び内筒300により総3重構造が形成され得る。これによって、本発明の溶接ワイヤー用収納容器1000は、側方から加わる外部衝撃にも内部に収容される溶接ワイヤーを安定的に保護することができ、上方から座屈荷重が加わっても曲がったり破損したりしない。
【0064】
図5及び
図6を参照すると、外筒100と内筒300が結合すると、外側底支持部102、底部200、底補強部210及び内側底支持部302により総4重構造が形成され得る。これによって、内部に収容される溶接ワイヤーの重さを安定的に支えることができ、本発明の一実施例による溶接ワイヤー用収納容器1000に加わる垂直方向の荷重と衝撃に対して溶接ワイヤーを安定的に保護することができる。
【0065】
図8は、本発明の一実施例による外筒の一部分を示した斜視図である。
【0066】
一方、
図1~
図5及び
図8を参照すると、本発明の一実施例による溶接ワイヤー用収納容器1000は、ストラップ500をさらに含む。ストラップ500は、ナイロン、ポリエステルなどの合成樹脂材質からなり得る。ストラップ500の中央部501は、外側底支持部102と底部200との間に配置され得る。そして、ストラップ500の両端部502は、後述するキャップ600遮断部610に対向するように形成されたストラップ露出部650に露出されて掛け部510が形成され得る。
【0067】
本発明の溶接ワイヤー用収納容器1000に溶接ワイヤーが収納されると、ストラップ500の中央部501が溶接ワイヤーにより加圧される。そして、両側の掛け部510へリフティング装置のアーム(arm、図示せず)が挿入され、溶接ワイヤー用収納容器1000は、地面から離隔した状態で運搬される。この場合、ストラップ500は、溶接ワイヤーの重さを安定的に支持することができる。
【0068】
また、ストラップ500は、外筒100と癒着しない状態で一側の掛け部510を引っ張ると、他側の掛け部510が移動可能に配置され得る。したがって、組み立てが簡便なだけでなく、本発明の溶接ワイヤー用収納容器1000を廃棄するときにも分離が容易である。
【0069】
さらに、ストラップ500と外筒100が癒着しない結合関係であっても、ストラップ500上に底部200などが配置され、その上に溶接ワイヤーを収容して運搬するので、溶接ワイヤーの重さによりストラップ500が容易に移動しない。したがって、溶接ワイヤーを収容して運搬するにあたって安定的である。
【0070】
図9は、本発明の一実施例によるキャップの展開図であり、
図10は、本発明の一実施例によるキャップが組み立てられる過程を示した要部に対する組立図であり、
図11は、本発明の一実施例による組み立てられたキャップの斜視図である。
【0071】
図9~
図11を参照すると、本発明のキャップ600は、組み立てを通じて溶接ワイヤー用収納容器のキャップ600を成すことになる。キャップ600は、外筒100の上部と着脱され、外筒100の上部を選択的に閉鎖するように形成される。
【0072】
このようなキャップ600は、紙材質からなり得る。したがって、溶接ワイヤー用収納容器1000を廃棄する場合、組立式キャップ600は、廃紙として再活用され得る。
【0073】
本発明のキャップ600は、遮断部610、側面形成部620及び側面固定部630を含む。
【0074】
遮断部610は、外筒100の横断面と対応する形状を成す。
【0075】
このような遮断部610は、キャップ600が外筒100に結合されるとき、外筒100の上部を覆うことになる。
【0076】
側面形成部620は、遮断部610から折り曲げられ、キャップ600の側面を成すことになる。このような側面形成部620は、外筒100と結合するとき、外筒100の上部の外側面を取り囲んで挟まれる。
【0077】
このような側面形成部620は、側面固定部630と共に遮断部610の各辺に交互に連結される。すなわち、側面形成部620と側面固定部630は遮断部610の辺に沿って交互に具備される。
【0078】
このような側面形成部620は、側面延長部材621と羽部材622を含む。
【0079】
側面延長部材621は、遮断部610の辺と対応する幅を有し、遮断部610から延長される。このとき、遮断部610から延長される側面延長部材621の長さは、キャップ600の高さとなる。
【0080】
羽部材622は、一対を成し、側面延長部材621の両側にそれぞれ連結される。このような羽部材622の縁は、側面形成部620と側面固定部630を展開した状態で第1固定延長部材631、連結部材632及び第2固定延長部材633と互いに接することになる。このような羽部材622は、第1固定延長部材631、連結部材632及び第2固定延長部材633と連結された状態で境界ラインLの切断作業を通じて製造され得る。
【0081】
このような側面延長部材621と羽部材622を有する側面形成部620は、遮断部610から折り曲げられてキャップ600の側部を形成することになる。
【0082】
一方、側面固定部630は、遮断部610の辺に沿って側面形成部620と交互に具備され、隣接する側面形成部620を固定させる。
【0083】
このような側面固定部630は、第1固定延長部材631、連結部材632及び第2固定延長部材633を含む。
【0084】
第1固定延長部材631は、遮断部610の辺から延長される。ここで、第1固定延長部材631は、側面延長部材621から折り曲げられた羽部材622の外側面を支持固定することになる。
【0085】
連結部材632は、第1固定延長部材631と第2固定延長部材633を連結するように形成される。すなわち、連結部材632の一端部は第1固定延長部材631と連結され、連結部材632の他端部は第2固定延長部材633と連結される。
【0086】
このとき、連結部材632は、第1固定延長部材631から予め決まった長さで延長される。このような連結部材632は、両端部からそれぞれ折り曲げられる第1固定延長部材631と第2固定延長部材633が羽部材622を支持固定するように第1固定延長部材631と第2固定延長部材633の間の離隔距離を形成することになる。
【0087】
第2固定延長部材633は、連結部材632の他端部と連結され、側面延長部材621から折り曲げられた羽部材622の内側面を支持固定することになる。すなわち、第2固定延長部材633は、連結部材632の他端部から折り曲げられた羽部材622の内側面を支持固定することになる。
【0088】
このような第2固定延長部材633の端部には、挿入部材634が具備され、側面固定部630は、遮断部610に支持固定され得る。具体的に、遮断部610から延長される側面固定部630が連結された遮断部610の辺の中央には挿入ホール611が形成される。このような挿入ホール611には挿入部材634が挿入結合されて、側面固定部630は羽部材622を支持固定した状態で遮断部610と結合され得る。
【0089】
このとき、挿入部材634と挿入ホール611は押し込み形態で結合されもよい。
【0090】
図9の展開図を通じて側面固定部630の具体的な形状をよく説明すると、第1固定延長部材631は、遮断部610から延長されるほど幅が徐々に狭くなる形態を成す。すなわち、第1固定延長部材631は、遮断部610の外側方向に行くほど幅が狭くなる台形の形状を成す。
【0091】
そして、第2固定延長部材633は、連結部材632の他端部から延長されるほど幅が徐々に広くなる形態を成す。すなわち、第2固定延長部材633は、遮断部610の外側方向に行くほど幅が徐々に広くなる逆台形の形状を成す。
【0092】
このように、第1固定延長部材631は、連結部材632の方向に行くほど幅が狭くなることによって、第1固定延長部材631と第2固定延長部材633の離隔空間に挿入される羽部材622の長さは長くなり得る。
【0093】
また、第2固定延長部材633は、連結部材632から延長されるほど幅が広くなることによって羽部材622との支持面積が広くなり、側面固定部630は、側面形成部620を堅く支持することになる。
【0094】
このようなキャップ600は、組み立て構成が単純なので製造が簡便である。
【0095】
そして、キャップ600には、結束のための別途の結束部材が不要なのでキャップ600の製造コストを低めることができる。
【0096】
また、キャップ600は、紙材質からなることによってキャップ600の廃棄時に別途の産業廃棄物が発生しない。
【0097】
図12の(a)及び(b)は、それぞれ本発明の一実施例によるキャップに具備された第1切取部及び第2切取部を示した図である。
【0098】
図12を参照すると、本発明のキャップ600は、前記遮断部610に形成され、筒部本体に巻き取られた溶接ワイヤーが外部に引き出されるように切取可能に構成される切取部640をさらに含むことができる。
【0099】
切取部640は、特定の模様によって部分的に切開されるように構成されて使用者が容易に切り取ることができる。すなわち、使用者は、別途のヘッドキャップ(Head cap)部材を利用しなくともキャップ600自体をそのまま利用することができ、前記切取部640に沿って切り取られた部分を通じて溶接ワイヤーを引き出して用いることができる。
【0100】
このような切取部640は、使用者の使用意図によってそれぞれ利用可能に形成される第1切取部641及び第2切取部642を具備することができる。
【0101】
このとき、第1切取部641は、前記溶接ワイヤー用収納容器1000がアダプター連結タイプで用いられる場合に利用され、第2切取部642は、前記溶接ワイヤー用収納容器1000がEndlessタイプで用いられる場合に利用される。
【0102】
すなわち、二つのタイプのよう溶接ワイヤー用収納容器1000の用途が第1切取部641及び第2切取部642が具備されたキャップ600を通じて具現され得る。
【0103】
図12の(a)を参照すると、第1切取部641は、前記遮断部610の中心に形成され得、好ましくは、円状に形成され得る。
【0104】
このとき、前記第1切取部641に沿って切り取られた部分には、結合ホール612が形成され得、前記結合ホール612を通じて後述する連結アダプター700が結合され得る。
【0105】
すなわち、第1切取部641は、前記溶接ワイヤー用収納容器1000がアダプター連結タイプで用いられる場合に利用される。
【0106】
一実施例によると、第1切取部641は、単位長さd当たり切り取られた部分cの割合がそれぞれ相異に構成される第1アーク部641a及び第2アーク部641bからなり得る。好ましくは、前記第1アーク部641a及び前記第2アーク部641bは、それぞれ半円弧形状を有するように構成され得る。
【0107】
このとき、第1アーク部641aの単位長さ当たり切り取られた部分の割合(R1)は、第2アーク部641bの単位長さ当たり切り取られた部分の割合(R2)より大きく構成され得る。
【0108】
これによって、使用者が指を利用して前記第1切取部641を切り取る場合、単位長さ当たり切り取られた部分の割合がより大きい第1アーク部641aを先に切り取り、その後、単位長さ当たり切り取られた部分の割合が小さい第2アーク部641bを切り取りながらより手軽く第1切取部641を切り離すことができる。
【0109】
図12の(b)を参照すると、第2切取部642は、前記遮断部610の一つの辺から前記遮断部610の中心部位まで長く形成され得る。
【0110】
より具体的に、第2切取部642は、前記遮断部610の一つの辺から中心部位まで平行に形成される第1直線部642aと第2直線部642b、前記遮断部610の中心部位で前記第1直線部642aと前記第2直線部642bを連結するように形成される曲線部642c、及び前記遮断部610の一つの辺と重なりながら前記第1直線部642aと前記第2直線部642bを連結するように形成される第3直線部642dを具備することができる。
【0111】
このとき、第2切取部642に沿って取り取られた部分には、引出空間部613が形成され得、前記引出空間部613を通じて収納容器に巻き取られた溶接ワイヤーが引き出され得る。
【0112】
これによって、後述するように溶接ワイヤー用収納容器1000がEndlessタイプで用いられる場合、隣接するように置かれた二つの収納容器の引出空間部613が互いに連結され得、使用者はこれを通じて一層容易にEndlessタイプの収納容器を具現することができる。
【0113】
一方、第2切取部642は、遮断部の中心に形成される第1切取部641が前記第2切取部642により取り囲まれた面積の内部に位置するように構成され得る。
【0114】
これによって、キャップ600がアダプター連結タイプで利用されて廃棄される場合、結合された連結アダプター700を分離しなくとも前記第2切取部642を通じて迅速に除去することによって廃棄効率が向上し得る。
【0115】
一実施例によると、曲線部642c及び第3直線部642dのうち少なくとも一つは、第1、2直線部642a、642bと単位長さd当たり切り取られた部分cの割合が相異に形成され得る。
【0116】
すなわち、曲線部642c及び第3直線部642dのうち少なくとも一つの単位長さ当たり切り取られた部分の割合(R3)は、前記第1直線部642a及び前記第2直線部642bの単位長さ当たり切り取られた部分の割合(R4)より大きく構成され得る。
【0117】
これによって、使用者が指を利用して前記第2切取部642を切り取る場合、単位長さ当たり切り取られた部分の割合がさらに大きい曲線部642c又は第3直線部642dを先に取り離し、その後、前記第1直線部642a及び前記第2直線部642bを取り取りながらより手軽く第2切取部642を切り離すことができる。
【0118】
本発明のキャップ600は、前記遮断部610に形成され、ストラップ500が外部に露出するように切取可能に構成されるストラップ露出部650をさらに含むことができる。
【0119】
ストラップ500は、前記ストラップ露出部650が除去された後に形成される開口を通じて外部に露出され得る。
【0120】
図13の(a)及び(b)は、それぞれ本発明の一実施例による連結アダプターの分解図及び結合図であり、
図14は、本発明の一実施例による連結アダプターがキャップに結合される過程を示したフローチャートである。
【0121】
図13及び
図14を参照して、キャップ600がアダプター連結タイプで利用される場合を説明すれば、本発明のキャップ600は、前記第1切取部641が除去されながら形成される結合ホール612を通じて脱着可能に結合される連結アダプダー700をさらに含むことができる。
【0122】
連結アダプター700は、前記結合ホール612を通じて簡便で迅速に結合できるように構成され、金属などの堅い材料からなり得る。
【0123】
収納容器に巻き取られた溶接ワイヤーは、前記連結アダプター700により外部にガイドされ、前記連結アダプダー700に結合されるケーブル部材40を通じて持続的に引き出されながら溶接材料として利用され得る。
【0124】
このような連結アダプター700は、コネクト部710、第1ワッシャー720、第2ワッシャー730及びナット740を具備することができる。
【0125】
コネクト部710は、連結アダプター700の胴体を成す部分であり、支持部711、前記支持部711の上側に形成される第1ボルト部712、前記支持部711の下側に形成される第2ボルト部713、及び前記コネクト部710の中心軸方向に貫通形成される貫通ホールを具備することができる。
【0126】
このとき、収納容器に巻き取られた溶接ワイヤーは、前記貫通ホールを通じて外部に引き出され得る。
【0127】
支持部711は、連結アダプター700の結合時に遮断部610の上部に接触支持される部分であり、第1ボルト部712及び第2ボルト部713と一体に形成される。
【0128】
また、支持部711は、第1、2ボルト部712、713の間で前記第1、2ボルト部712、713をそれぞれ支持する役目をし、前記支持部711の直径は、前記第1、2ボルト部712、713の直径より大きく形成され得る。
【0129】
第2ボルト部713は、遮断部610に形成された結合ホール612を通じて挿入され、前記支持部711の下部が前記遮断部610の上部に接触支持されるとこれ以上は挿入されない。
【0130】
このとき、前記遮断部610の上部と前記支持部711の下部の間には、第1ワッシャー720が具備され得る。第1ワッシャー720は、内部ホールが形成された環状の部品であって、結合時に圧力を分散させて遮断部610の上部表面を保護する役目をする。
【0131】
すなわち、第1ワッシャー720は、コネクト部710の第2ボルト部713に挟み合わされ、第2ボルト部713は、前記第1ワッシャー720が挟み合わされた状態で前記遮断部610の結合ホール612に挿入される。
【0132】
ナット740は、前記第2ボルト部713が前記結合ホール612に挿入されると、前記遮断部610の下側で上記第2ボルト部713に結合される。
【0133】
このとき、前記遮断部610の下部と前記ナット740の上部の間には、第2ワッシャー730が具備され得る。第2ワッシャー730は、内部ホールが形成された環状の部品であって、結合時に圧力を分散させて遮断部610の下部表面を保護する役目をする。
【0134】
連結アダプター700が前記キャップ600に結合されると、前記第1ボルト部712に溶接ワイヤーの引き出しのためのケーブル部材40が連結され得る。
【0135】
このように、連結アダプター700は、前記キャップ600に堅固で容易に結合され得、収納容器に収納された溶接ワイヤーが全部消尽すると、前記キャップキャップ600から容易に除去され得る。
【0136】
図15は、本発明の一実施例によるキャップの第2切取部が利用される状態を示した斜視図である。
【0137】
図15を参照してキャップ600をEndlessタイプで利用する場合を説明すれば、まず、二つの収納容器を互いに隣接しておく。このとき、二つの収納容器は、それぞれのキャップ600に具備された第2切取部642が互いに対向するように置かれなければならない。
【0138】
その後、前記キャップ600に引出空間部613が形成されるようにそれぞれのキャップ600に具備された第2切取部642を引き離す。このとき、単位長さ当たり切り取られた部分の割合が大きく形成された曲線部642c又は第3直線部642dを利用すれば、より容易に第2切取部642を切り取ることができる。
【0139】
そして、一側の収納容器に巻き取られた溶接ワイヤー10を引出装置30と連結して用い、巻き取られた溶接ワイヤー10がほとんど消尽する時頃に一側溶接ワイヤー10の終段11を他側の収納容器に巻き取られた熔接ワイヤー20の最初の端21と連結させる。このとき、それぞれの収納容器を第2切取部642が互いに対向するように隣接しておいたので、溶接ワイヤーの連結がより容易になり得る。
【0140】
これによって、引出装置30を新しい溶接ワイヤーに再び連結しなくとも途切れずに(endless)溶接ワイヤーを利用することができる。
【0141】
その後、一側の収納容器に巻き取られた溶接ワイヤー10が全部消尽すると、新しい収納容器を初めのように隣接して置き、上のような過程を繰り返す。
【0142】
このように、使用者は第2切取部642が具備されたキャップ600を利用してより容易にEndlessタイプの収納容器を具現することができる。
【0143】
本発明のキャップ600は、切取部640を具備して別途のヘッドキャップ(Head cap)部材なしでもそれ自体ですぐ利用でき、また、用途に応じて、アダプター連結タイプ又はEndlessタイプで具現され得るので、製作効率が上昇するという利点がある。
【0144】
このように、本発明の溶接ワイヤー用収納容器1000は、容器全体が紙材質からなっているので、巻き取られた溶接ワイヤーが全部消尽した場合、分解及び再活用が容易である。これによって、使用後に溶接ワイヤー用収納容器を産業廃棄物で処理するのに必要な費用が節減され得る。
【0145】
前述した本発明の説明は例示のためのものに過ぎず、本発明が属する技術の分野における通常の知識を有する者であれば、本発明の技術的思想や必須的な特徴を変更することなく他の具体的な形態に容易に変更が可能なことが理解できるであろう。したがって、上述した実施例は全ての面で例示的なものであり、限定的でないものと理解しなければならない。例えば、単一型として説明されている各構成要素は分散して実施することもでき、同様に、分散されたものとして説明されている構成要素を結合された形態で実施することもできる。
【0146】
本明細書の範囲は、後述する特許請求の範囲により示されるが、特許請求の範囲の意味及び範囲、そしてその均等概念から導出される全ての変更又は変形された形態は、本発明の範囲に含まれるものと解釈しなければならない。
【符号の説明】
【0147】
100:外筒
101:外筒の上端部
102:外側底支持部
102a:中間辺
102b:第1側辺
102c:第2側辺
102d:内側辺
103:ワイヤー収容部
104:外筒の内側面
105:外筒の外側面
110:強度補強部
111:第1中しん原紙
111a:第1中しん原紙の折り線
112:第1板紙
112a:外側第1板紙
112b:内側第1板紙
120:衝撃吸収部
121:第2中しん原紙
121a:第2中しん原紙の折り線
122:第2板紙
122a:外側第2板紙
122b:内側第2板紙
200:底部
210:底補強部
300:内筒
301:内筒の上端部
302:内側底支持部
303:ワイヤー収容部
304:内筒の内側面
305:内筒の外側面
306:ホール
400:弾性体維持部材
410:挿入部
411:掛け部
412:貫通路
420:挿入支持部
500:ストラップ
501:ストラップの中央部
502:ストラップの両端部
510:掛け部
600:キャップ
610:遮断部
620:側面形成部
630:側面固定部
640:切取部
650:ストラップ露出部
700:連結アダプター
1000:溶接ワイヤー用収納容器