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特許7487998治療用超音波発生装置、及びそれを含む超音波治療用ハンドピース
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-05-13
(45)【発行日】2024-05-21
(54)【発明の名称】治療用超音波発生装置、及びそれを含む超音波治療用ハンドピース
(51)【国際特許分類】
   A61N 7/02 20060101AFI20240514BHJP
【FI】
A61N7/02
【請求項の数】 11
(21)【出願番号】P 2022536823
(86)(22)【出願日】2020-12-14
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2023-02-16
(86)【国際出願番号】 KR2020018229
(87)【国際公開番号】W WO2021125718
(87)【国際公開日】2021-06-24
【審査請求日】2022-07-11
(31)【優先権主張番号】10-2019-0167873
(32)【優先日】2019-12-16
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(73)【特許権者】
【識別番号】519061860
【氏名又は名称】クラッシーズ インコーポレイテッド
(74)【代理人】
【識別番号】110000877
【氏名又は名称】弁理士法人RYUKA国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】パク、シ ヒュン
(72)【発明者】
【氏名】チョイ、ジョーン ヒュン
【審査官】木村 立人
(56)【参考文献】
【文献】中国特許出願公開第108465156(CN,A)
【文献】中国特許出願公開第107440897(CN,A)
【文献】中国実用新案第208641570(CN,U)
【文献】中国特許出願公開第104399189(CN,A)
【文献】米国特許出願公開第2019/0134430(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2018/0353778(US,A1)
【文献】実開昭59-42971(JP,U)
【文献】特開昭60-135034(JP,A)
【文献】特開2011-193920(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61B 8/00― 8/15
A61B 17/00
A61H 23/00―23/06
A61N 7/00― 7/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
カートリッジハウジング部と、
前記カートリッジハウジング部内に位置し、回転中心軸方向を基準に傾いて配置され、傾いた方向に超音波を発生させる超音波トランスデューサ部と、
前記カートリッジハウジング部内に位置し、下面部に傾いた傾斜面を有し、前記超音波トランスデューサ部の上面を支持して前記超音波トランスデューサ部を回転中心軸方向を基準に傾くように位置させる傾斜ブロック部と、
前記傾斜ブロック部を回転させる回転モーターと、を含み、
前記傾斜ブロック部の中心には、超音波トランスデューサ部が回転可能に結合されるボールジョイント部が突設され、
前記傾斜ブロック部の下面部には、前記超音波トランスデューサ部の上面を支持しながら回転する複数の支持ボール部材が突設され、
前記超音波トランスデューサ部は、前記ボールジョイント部のボール体に結合され、上面が前記複数の支持ボール部材にそれぞれ接触した状態で支持されて傾くように位置する治療用超音波発生装置。
【請求項2】
カートリッジハウジング部と、
前記カートリッジハウジング部内に位置し、回転中心軸方向を基準に傾いて配置され、傾いた方向に超音波を発生させる超音波トランスデューサ部と、
前記カートリッジハウジング部内に位置し、下面部に傾いた傾斜面を有し、前記超音波トランスデューサ部の上面を支持して前記超音波トランスデューサ部を回転中心軸方向を基準に傾くように位置させる傾斜ブロック部と、
前記傾斜ブロック部を回転させる回転モーターと、を含み、
一端部が前記超音波トランスデューサ部に連結され、他端部が前記カートリッジハウジング部に連結されるトーションバー部材をさらに含む、治療用超音波発生装置。
【請求項3】
前記トーションバー部材は、
前記超音波トランスデューサ部に装着される第1装着部と、
前記カートリッジハウジング部の内側面に装着される第2装着部と、
前記第1装着部と前記第2装着部に両端部側がそれぞれ連結され、ねじり弾性で衝撃を吸収するトーションばね部を含む、請求項2に記載の治療用超音波発生装置。
【請求項4】
前記トーションばね部は、少なくとも一つの折曲部又は屈曲部を有するように形成される、請求項3に記載の治療用超音波発生装置。
【請求項5】
前記超音波トランスデューサ部は、回転中心軸方向を基準に同一の角度をもって360度全方向に連続的に傾き、前記超音波トランスデューサ部で発生する超音波の焦点を、同一平面上で円形をなすように移動させる、請求項1から3の何れか1つに記載の治療用超音波発生装置。
【請求項6】
超音波トランスデューサ部、
内部に超音波トランスデューサ部が位置するカートリッジハウジング部、及び
前記カートリッジハウジング部が分離可能に結合される本体ハウジング部を含み、
前記カートリッジハウジング部内に位置し、下面部に傾いた傾斜面をもって前記超音波トランスデューサ部の上面を支持して前記超音波トランスデューサ部を回転中心軸方向を基準に傾くように位置させる傾斜ブロック部と、
前記傾斜ブロック部を回転させる回転モーターと、をさらに含み、
前記超音波トランスデューサ部は、回転中心軸方向を基準に傾いて配置され、傾いた方向に超音波を発生させ、
前記傾斜ブロック部の中心には、超音波トランスデューサ部が回転可能に結合されるボールジョイント部が突設され、
前記傾斜ブロック部の下面部には、前記超音波トランスデューサ部の上面を支持しながら回転する複数の支持ボール部材が突設され、
前記超音波トランスデューサ部は、前記ボールジョイント部のボール体に結合され、上面が前記複数の支持ボール部材にそれぞれ接触した状態で支持されて傾くように位置する、超音波治療用ハンドピース。
【請求項7】
一端部が前記超音波トランスデューサ部に連結され、他端部が前記カートリッジハウジング部に連結されるトーションバー部材をさらに含む、請求項6に記載の超音波治療用ハンドピース。
【請求項8】
前記トーションバー部材は、
前記超音波トランスデューサ部に装着される第1装着部と、
前記カートリッジハウジング部の内側面に装着される第2装着部と、
前記第1装着部と前記第2装着部に両端部側がそれぞれ連結され、ねじり弾性で衝撃を吸収するトーションばね部と、を含む、請求項7に記載の超音波治療用ハンドピース。
【請求項9】
前記超音波トランスデューサ部は、回転中心軸方向を基準に同一の角度をもって360度全方向に連続的に傾き、前記超音波トランスデューサ部で発生する超音波の焦点を、同一平面上で円形をなすように移動させる、請求項6に記載の超音波治療用ハンドピース。
【請求項10】
超音波トランスデューサ部、
内部に超音波トランスデューサ部が位置するカートリッジハウジング部、及び
前記カートリッジハウジング部が分離可能に結合される本体ハウジング部を含み、
前記本体ハウジング部の一側には、施術者が手で把持可能なハンドル部が突設され、
前記ハンドル部は、
前記本体ハウジング部の上部側に撓んで位置するハンドル連結部、及び前記ハンドル連結部から屈曲して下方向に位置するハンドル本体を含み、
前記本体ハウジング部と前記ハンドル部との間に位置するか、或いは、2つの部分に分割される前記ハンドル部を2つの部分に区分するとき、区分された部分の間に位置し、前記本体ハウジング部をヒンジ軸部を中心に回転させるハンドルヒンジ部をさらに含み、
前記ハンドルヒンジ部は、
前記ヒンジ軸部を中心に回転する前記ハンドル部の回転角度を拘束する回転ストッパー部を含み、
前記回転ストッパー部は、
前記ヒンジ軸部の外周面に離間位置する複数の拘束溝部、及び
前記ヒンジ軸部が位置する軸孔の内周面に突出して前記拘束溝部に挿入され、所定の回転力以上の回転力が加わると、前記拘束溝部から離脱して回転方向における次の拘束溝部へ移動するストッパー突起部を含む、
音波治療用ハンドピース。
【請求項11】
超音波トランスデューサ部、
内部に超音波トランスデューサ部が位置するカートリッジハウジング部、及び
前記カートリッジハウジング部が分離可能に結合される本体ハウジング部を含み、
前記本体ハウジング部の一側には、施術者が手で把持可能なハンドル部が突設され、
前記ハンドル部は、
前記本体ハウジング部の上部側に撓んで位置するハンドル連結部、及び前記ハンドル連結部から屈曲して下方向に位置するハンドル本体を含み、
前記本体ハウジング部と前記ハンドル部との間に位置するか、或いは、2つの部分に分割される前記ハンドル部を2つの部分に区分するとき、区分された部分の間に位置し、前記本体ハウジング部をヒンジ軸部を中心に回転させるハンドルヒンジ部をさらに含み、
前記ハンドルヒンジ部は、
前記ヒンジ軸部を回転させて前記本体ハウジング部の角度を調節する角度調節モーターと、
前記ハンドル部に位置し、前記角度調節モーターの作動を制御する角度調節スイッチ部と、を含み、
記カートリッジハウジング部の下面に位置し、前記カートリッジハウジング部のウィンドウ部が皮膚に接触することを感知する複数の接触センサー部をさらに含み、
前記角度調節モーターは、前記接触センサー部に連結され、前記接触センサー部で感知される接触信号の伝達を受けて前記本体ハウジング部の角度を調節することにより、前記ウィンドウ部の全面が皮膚に密着することができるようにする
音波治療用ハンドピース。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、治療用超音波発生装置、及びそれを含む超音波治療用ハンドピースに関し、より詳細には、超音波発生部で発生した超音波の焦点を同一平面上で円形に移動させる構造を単純化して超音波治療用ハンドピースの大きさを小型化することができる治療用超音波発生装置、及びそれを含む超音波治療用ハンドピースに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、食生活の西欧化に伴って肥満が急速に増加し、国民健康と美容を害する最大の原因になっており、これを治療するための様々なダイエットプログラムと超音波肥満治療装置が開発されて広く使用されている。
【0003】
高強度集束型超音波(HIFU、High Intensity Focused Ultrasound)肥満治療技術は、本来、非侵襲的に内部臓器腫瘍を選択的に高温凝固させてがん細胞を破壊する抗がん治療目的で使用されたが、米国のソルタメディカルが人体の腹部肥満治療目的でHIFU付きリポソニック(Liposonix)という装備を初めて開発した。
【0004】
HIFU(high intensity focused ultrasound)を用いた脂肪破壊の過程は、集積超音波が脂肪細胞のある一定の箇所にフォーカシングされると、組織の温度が65℃~100℃まで瞬間的に上昇し、これにより組織が破壊されるようにする過程である。
【0005】
HIFU装備は、他の皮膚と装備、例えば、レーザー及びRF高周波装備とは異なり、皮膚の表面に何の損傷も発生させることなく、非侵襲的に選択された部分にHIFUエネルギーを集中させて脂肪を凝固壊死(coagulation necrosis)が起こるように誘導する。このように壊死した脂肪細胞は、人体の損傷部分復旧メカニズムによって自然に除去される。
【0006】
公知の超音波肥満治療装置としては、韓国特許第10-1365946号公報(2014年2月24日公告)の「皮下脂肪層の減少のための高強度集束超音波生成装置」がある。
【0007】
前記「皮下脂肪層の減少のための高強度集束超音波生成装置」は、トランスデューサをX軸、Y軸方向に所望の箇所に移送させた後、軸を中心にピボット駆動させて超音波を皮膚の内部に浸透させている。
【0008】
しかし、前記「皮下脂肪層の減少のための高強度集束超音波生成装置」は、ピボット駆動を用いた超音波提供の際には、ピボット駆動の特性上、曲面(円弧)状に超音波の提供が行われることにより、周辺部に行くほど皮膚への提供エネルギーが減少し、焦点深度が変化して均一な治療が行われないという問題点がある。
【0009】
かかる問題点を解決するために、本出願人は、韓国特許第1649899号公報の「治療用超音波発生装置」において、超音波発生部で発生した超音波の焦点を同一平面上で円形に移動させる焦点回転移動部を含むことで、超音波の焦点を皮膚内の均一な深さで一定半径の円形に形成して、半径内にエネルギーを均一かつ均質に印加して治療性能を向上させる構造を提案したことがある。
【0010】
ところが、韓国特許第1649899号公報の「治療用超音波発生装置」は、互いに異なる高さに突出した複数の突出部材を超音波発生部の上面と接触させる構造であって、大きさを低減させ、超音波トランスデューサ部で発生した超音波の焦点を安定的に同一平面上で円形に移動させるのに制限が生じるという問題点があった。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
本発明の目的は、超音波の焦点を皮膚内の均一な深さで円形に移動させて超音波を皮膚内に均一かつ均質に浸透させることにより、肥満治療性能を向上させる治療用超音波発生装置、及びそれを含む超音波治療用ハンドピースを提供することにある。
【0012】
本発明の他の目的は、超音波トランスデューサ部で発生した超音波の焦点を同一平面上で円形に移動させる構造を単純化することにより、超音波治療用ハンドピースの大きさを小型化することができ、患者の皮膚の局所部位、例えば眼下などに対する超音波治療が可能な治療用超音波発生装置、及びそれを含む超音波治療用ハンドピースを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0013】
上記の目的を達成するために、本発明による治療用超音波発生装置の一実施例は、カートリッジハウジング部と、前記カートリッジハウジング部内に位置し、回転中心軸方向を基準に傾いて配置され、傾いた方向に超音波を発生させる超音波トランスデューサ部と、前記カートリッジハウジング部内に位置し、下面部に傾いた傾斜面を有し、前記超音波トランスデューサ部の上面を支持して前記超音波トランスデューサ部を回転中心軸方向を基準に傾くように位置させる傾斜ブロックと、前記傾斜ブロック部を回転させる回転モーターと、を含むことを特徴とする。
【0014】
本発明において、前記傾斜ブロック部の中心には、超音波トランスデューサ部が回転可能に結合されるボールジョイント部が突設され、前記傾斜ブロック部の下面部には、前記超音波トランスデューサ部の上面を支持しながら回転する複数の支持ボール部材が突設され、前記超音波トランスデューサ部は、前記ボールジョイント部のボール体に結合され、上面が複数の前記支持ボール部材にそれぞれ接触した状態で支持されて傾くように位置することができる。
【0015】
本発明による治療用超音波発生装置の一実施例は、一端部が前記超音波トランスデューサ部に連結され、他端部が前記カートリッジハウジング部に連結されるトーションバー部材をさらに含むことができる。
【0016】
本発明において、前記トーションバー部材は、前記超音波トランスデューサ部に装着される第1装着部と、前記カートリッジハウジング部の内側面に装着される第2装着部と、前記第1装着部と前記第2装着部に両端部側がそれぞれ連結され、ねじり弾性で衝撃を吸収するトーションばね部と、を含むことができる。
【0017】
本発明において、前記トーションばね部は、少なくとも一つの折曲部又は屈曲部を有するように形成できる。
【0018】
本発明において、前記超音波トランスデューサ部は、回転中心軸方向を基準に同一の角度をもって360度全方向に連続的に傾き、前記超音波トランスデューサ部で発生する超音波の焦点を、同一平面上で円形をなすように移動させることができる。
【0019】
上記の目的を達成するために、本発明による超音波治療用ハンドピースの一実施例は、超音波トランスデューサ部、内部に超音波トランスデューサ部が位置するカートリッジハウジング部、及び前記カートリッジハウジング部が分離可能に結合される本体ハウジング部を含むことができる。
【0020】
本発明による超音波治療用ハンドピースの一実施例は、前記カートリッジハウジング部内に位置し、下面部に傾いた傾斜面を有し、前記超音波トランスデューサ部の上面を支持して前記超音波トランスデューサ部を回転中心軸方向を基準に傾くように位置させる傾斜ブロック部と、前記傾斜ブロック部を回転させる回転モーターと、をさらに含み、前記超音波トランデューサ部は、回転中心軸方向を基準に傾いて配置され、傾いた方向に超音波を発生させることができる。
【0021】
本発明において、前記傾斜ブロック部の中心には、超音波トランスデューサ部が回転可能に結合されるボールジョイント部が突設され、前記傾斜ブロック部の下面部には、前記超音波トランスデューサ部の上面を支持しながら回転する複数の支持ボール部材が突設され、前記超音波トランスデューサ部は、前記ボールジョイント部のボール体に結合され、上面が複数の前記支持ボール部材にそれぞれ接触した状態で支持されて傾くように位置することができる。
【0022】
本発明による超音波治療用ハンドピースの一実施例は、一端部が前記超音波トランスデューサ部に連結され、他端部が前記カートリッジハウジング部に連結されるトーションバー部材をさらに含むことができる。
【0023】
本発明において、前記トーションバー部材は、前記超音波トランスデューサ部に装着される第1装着部と、前記カートリッジハウジング部の内側面に装着される第2装着部と、前記第1装着部と前記第2装着部に両端部側がそれぞれ連結され、ねじり弾性で衝撃を吸収するトーションばね部と、を含むことができる。
【0024】
本発明において、前記超音波トランスデューサ部は、回転中心軸方向を基準に同一の角度をもって360度全方向に連続的に傾き、前記超音波トランスデューサ部で発生する超音波の焦点を、同一平面上で円形をなすように移動させることができる。
【0025】
本発明において、前記本体ハウジング部の一側には、施術者が手で把持可能なハンドル部が突設され、前記ハンドル部は、前記本体ハウジング部の上部側に撓んで位置するハンドル連結部、及び前記ハンドル連結部から屈曲して下方向に位置するハンドル本体を含むことができる。
【0026】
本発明において、前記本体ハウジング部の一側には、施術者が手で把持可能なハンドル部が突設され、前記本体ハウジング部と前記ハンドル部との間に位置するか、或いは、2つの部分に分割される前記ハンドル部を2つの部分に区分するとき、区分された部分の間に位置し、前記本体ハウジング部をヒンジ軸部を中心に回転させるハンドルヒンジ部をさらに含むことができる。
【0027】
本発明において、前記ハンドルヒンジ部は、前記ヒンジ軸部を中心に回転する前記ハンドル部の回転角度を拘束する回転ストッパー部を含むことができる。
【0028】
本発明において、前記回転ストッパー部は、前記ヒンジ軸部の外周面に離間位置する複数の拘束溝部、及び前記ヒンジ軸部が位置する軸孔の内周面に突出して前記拘束溝部に挿入され、所定の回転力以上の回転力が加わると、前記拘束溝部から離脱して回転方向における次の拘束溝部へ移動するストッパー突起部を含むことができる。
【0029】
本発明において、前記ハンドルヒンジ部は、前記ヒンジ軸部を回転させて前記本体ハウジング部の角度を調節する角度調節モーターと、前記ハンドル部に位置し、前記角度調節モーターの作動を制御する角度調節スイッチ部と、を含むことができる。
【0030】
本発明による超音波治療用ハンドピースの一実施例は、前記カートリッジハウジング部の下面に位置し、前記カートリッジハウジング部のウィンドウ部が皮膚に接触することを感知する複数の接触センサー部をさらに含み、前記角度調節モーターは、前記接触センサー部に連結され、前記接触センサー部で感知される接触信号の伝達を受けて前記本体ハウジング部の角度を調節することにより、前記ウィンドウ部の全面が皮膚に密着することができるようにする。
【0031】
本発明において、前記ハンドルヒンジ部は、前記ヒンジ軸部が内部に挿入され、所定の回転力以上の回転力が加わる場合に前記ヒンジ軸部が回転するようにするクリアランスブッシュ部をさらに含むことができる。
【0032】
本発明において、前記ハンドルヒンジ部は、前記ヒンジ軸部の回転をブレーキするブレーキパッドと、前記ブレーキパッドでヒンジ軸部を加圧するようにするブレーキ作動ノブ部と、をさらに含むことができる。
【発明の効果】
【0033】
本発明は、超音波の焦点を皮膚内の均一な深さで平面移動させて治療部位にエネルギーを均一かつ均質に印加するが、超音波の焦点を皮膚内の均一な深さで一定半径の円形に形成して半径内にエネルギーを均一かつ均質に印加することにより、治療性能を向上させるという効果がある。
【0034】
また、本発明は、超音波トランスデューサ部で発生した超音波の焦点を同一平面上で円形に移動させる構造を単純化して超音波治療用ハンドピースの大きさを小型化することにより、患者の皮膚の局所部位、例えば眼下などに対する超音波治療が可能であるという効果がある。
【図面の簡単な説明】
【0035】
図1】本発明による超音波治療用ハンドピースの一実施例を示す斜視図である。
図2】本発明による超音波治療用ハンドピースの一実施例を示す分解斜視図である。
図3】本発明による治療用超音波発生装置の一実施例を示す断面図である。
図4】本発明による治療用超音波発生装置の作動例を示す図である。
図5】本発明による治療用超音波発生装置の比較例と実施例とを比較した概略図である。
図6】本発明による超音波治療用ハンドピースの他の実施例を示す図である。
図7】本発明による超音波治療用ハンドピースの他の実施例を示す図である。
図8】本発明による超音波治療用ハンドピースの他の実施例を示す図である。
図9】本発明による超音波治療用ハンドピースにおけるハンドルヒンジ部の他の実施例を示す断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0036】
以下、本発明をさらに詳細に説明する。
【0037】
本発明の好適な実施例を添付図面によって詳細に説明すると、次の通りである。本発明の詳細な説明に先立ち、以下で説明される本明細書及び特許請求の範囲に使用された用語又は単語は、通常又は辞典的な意味に限定して解釈されてはならない。したがって、本明細書に記載された実施例と図面に示された構成は、本発明の最も好適な一実施例に過ぎず、本発明の技術的思想をすべて代弁するものではないので、本出願時点においてこれらを置き換えることができる様々な均等物と変形例があり得ることを理解すべきである。
【0038】
図1は本発明による超音波治療用ハンドピースの一実施例を示す斜視図、図2は本発明による超音波治療用ハンドピースの一実施例を示す分解斜視図、図3は本発明による治療用超音波発生装置の一実施例を示す断面図である。
【0039】
図1及び図2を参照すると、本発明による超音波治療用ハンドピースは、内部に超音波トランスデューサ部300が位置するカートリッジハウジング部200と、カートリッジハウジング部200が分離可能に結合される本体ハウジング部100と、を含む。
【0040】
本発明による超音波治療用ハンドピースは、電源ケーブル、カートリッジハウジング部200内の媒質の循環のための媒質供給ラインと媒質排出ラインを含むハンドピース用ケーブル体1100によって制御本体1000に連結され、ハンドピース用ケーブル体と制御本体は、公知の超音波治療装置において公知の例に様々に変形させて実施し得るので、さらに詳細な説明は省略する。
【0041】
本体ハウジング部100には、カートリッジハウジング部200を掛けて固定させることができるカートリッジロック具101が位置し、カートリッジロック具101は、ばねによって弾性支持され、くさび状の係止部が、カートリッジハウジングの内側に位置した係止溝に係止されることにより、カートリッジハウジング部200の結合状態を固定させ、押下されると、係止溝から係止部が離脱してカートリッジハウジング部200を分離することができるようにする。
【0042】
カートリッジハウジング部200は、カートリッジロック具101以外にも、解除可能な公知のロック構造を適用することにより、本体ハウジング部100と結合された状態で維持又は分離されることができるので、さらに詳細な説明は省略する。
【0043】
本体ハウジング部100の一側には、施術者が手で把持可能なハンドル部110が位置する。
【0044】
ハンドル部110は、本体ハウジング部100の上部側に撓んで位置するハンドル連結部111と、ハンドル連結部111から屈曲して下方向に位置するハンドル本体112と、を含む。
【0045】
施術者は、ハンドル連結部111から屈曲して下方向に一体に延びるハンドル本体112を把持してカートリッジハウジング部200のウィンドウ部203を皮膚に容易に密着させて施術することができる。
【0046】
ハンドル部110は、上部側に撓んだ後で屈曲して下方向に延びる形状を有し、下方向に延びた部分、すなわちハンドル本体112を把持するように設計され、施術の際に施術者に加わる荷重を最小化し、カートリッジハウジング部200のウィンドウ部203を皮膚に容易に密着させて施術することができる。
【0047】
一方、本発明による治療用超音波発生装置は、下部に超音波が透過するウィンドウ部203が位置するカートリッジハウジング部200と、カートリッジハウジング部200内に位置し、下部側に超音波を発生させる超音波トランスデューサ部300と、を含む。
【0048】
ウィンドウ部203は、超音波が透過する透明又は半透明材質で製造されたものであって、超音波を透過させる公知の材質で製造されるので、さらに詳細な説明は省略する。
【0049】
カートリッジハウジング部200は、本体ハウジング部100と分離可能に結合される上部ハウジング部201と、上部ハウジング部201の下部側に位置し、下部側に行くほど徐々に直径が小さくなるコーン状のコーンハウジング部202と、を含む。
【0050】
カートリッジハウジング部200は、円筒状の上部ハウジング部201と、下部側に行くほど徐々に直径が小さくなるコーン状のコーンハウジング部202と、を含むことにより、超音波トランスデューサ部300を回転させるための作動部を位置させることができる空間を内部に十分に確保するとともに、コーンハウジング部202の下面を介して皮膚と接触する面積を小さくして局所部位に円滑に接触することができるようにする。
【0051】
コーンハウジング部の下面にはウィンドウ部203が位置し、患者の皮膚の局所部位、例えば眼下などに接触して超音波施術を行うことができる大きさにウィンドウ部203が形成される。
【0052】
カートリッジハウジング部200は、内部が密閉された構造を有し、内部に超音波伝達用媒質が充填される。
【0053】
超音波伝達用媒質が水であることを一例とし、この他にも、公知の超音波伝達用媒質に様々に変形して実施できる。
【0054】
超音波伝達用媒質は、超音波を伝達する役割だけでなく、皮膚と接触するウィンドウ部203を介して患者の皮膚を冷却させる役割も行うことができる。
【0055】
カートリッジハウジング部200の上面には、超音波伝達用媒質を循環させるための媒質供給用突出管部210と媒質排出用突出管部220とが突設される。
【0056】
また、カートリッジハウジング部200内には、下面部に傾いた傾斜面を有する傾斜ブロック部400が位置し、傾斜ブロック部400は、回転モーター500によって回転する。
【0057】
傾斜ブロック部400の上部には、回転モーター500のシャフトと分離可能に連結されるブロック回転軸部410が突設される。
【0058】
回転モーター500は、本体ハウジング部100内に位置し、カートリッジハウジング部200の上部には、ブロック回転軸部410の上面が露出するように位置するか、或いはブロック回転軸部410が突出するように位置して、本体ハウジング部100内に位置する回転モーター500と連結されることができる。
【0059】
ブロック回転軸部410は、カートリッジハウジング部の上面部に回転可能に位置し、回転軸をシールさせる公知のシール構造を用いて実施でき、さらに詳細な説明は省略する。
【0060】
ブロック回転軸部410は、カートリッジハウジング部200の上面に突出する連結軸部411を備え、回転モーター500のシャフトには、内部に連結軸部411が挿入されてブロック回転軸部410と連結される軸アダプター部510が備えられる。
【0061】
軸アダプター部510は、内部に連結軸部411が挿入されるように下部側に開放された軸挿入部が位置し、連結軸部411は、多角形の断面を有する軸であり、軸挿入部は、連結軸部411と対応する多角形の挿入溝部であることを一例とする。
【0062】
本体ハウジング部100の内部には、カートリッジハウジング部200が結合されると、媒質供給用突出管部210と媒質排出用突出管部220とを、超音波治療用ハンドピースの作動を制御する制御本体1000内に位置する媒質循環部(図示せず)に連結させる供給管連結部120と排出管連結部130とが位置する。
【0063】
制御本体1000は、超音波治療用ハンドピースの作動を制御する制御部と、超音波伝達用媒質を循環させる媒質循環部とを含む公知の超音波治療装置において様々に変形して実施できるので、さらに詳細な説明は省略する。
【0064】
媒質循環部は、図示していないが、媒質貯蔵タンク、媒質貯蔵タンクと供給管連結部120とを連結する媒質供給ライン部、媒質貯蔵タンクと排出管連結部130とを連結する媒質排出ライン部、媒質供給ライン部に位置する弁、媒質貯蔵タンクに位置する媒質冷却部などを含む公知の冷却水循環構造に様々に変形して実施できるので、さらに詳細な説明は省略する。
【0065】
供給管連結部120は、媒質供給用突出管部210が挿入される第1突出管挿入部を備え、排出管連結部130は、媒質供給用突出管部210が挿入される第2突出管挿入部を備える。
【0066】
媒質供給用突出管部210は、第1突出管挿入部内に挿入され、流路が開放されながら媒質供給ライン部に連結され、媒質排出用突出管部220は、第2突出管挿入部内に挿入され、流路が開放されながら媒質排出ライン部に連結されることを一例とする。
【0067】
媒質供給用突出管部210と供給管連結部120、媒質排出用突出管部220と排出管連結部130は、2つの管を互いに連結し、連結の際に開放される弁を含む公知の管連結構造に様々に変形して実施できる。
【0068】
また、本発明による治療用超音波発生装置は、カートリッジハウジング部200内の超音波伝達用媒質の温度を感知する温度感知センサー部230をさらに含み、温度感知センサー部は、カートリッジハウジング部200の上面に突出して制御本体1000と連結されるための第1センサー連結端子部231を含む。
【0069】
本体ハウジング部100内には、第1センサー連結端子部231に連結され、温度感知センサー部230を制御本体1000と連結する第2センサー連結端子部140が位置し、第2センサー連結端子部140には、第1センサー連結端子部231が挿入される端子挿入部が位置する。
【0070】
第1センサー連結端子部231は、端子挿入部内に挿入されることにより、第2センサー連結端子部140を介して制御本体1000の制御部と連結されることを一例とする。
【0071】
本体ハウジング部100にカートリッジハウジング部200が結合されると、ブロック回転軸部410の連結軸部411が軸アダプター部510の軸挿入部に挿入されながら、ブロック回転軸部410と回転モーターのシャフトとが連結され、媒質供給用突出管部210が供給管連結部120の第1突出管挿入部内に挿入されて制御本体1000の媒質循環部と連結され、媒質排出用突出管部220が排出管連結部130の第2突出管挿入部内に挿入されて制御本体1000の媒質循環部と連結される。また、温度感知センサー部230は、第1センサー連結端子部231が第2センサー連結端子部140内に挿入されることにより、制御本体1000の制御部と連結される。
【0072】
一方、傾斜ブロック部400は、中心にブロック回転軸部410が突出してカートリッジハウジング部200内に回転可能に位置し、下面部に傾いた傾斜面が位置する。
【0073】
傾斜ブロック部400は、下面部に位置した、傾いた傾斜面で超音波トランスデューサ部300の上面を支持して、超音波トランスデューサ部300を傾いた状態に維持させる。
【0074】
傾斜ブロック部400の中心には、超音波トランスデューサ部300が回転可能に結合されるボールジョイント部420が突設される。
【0075】
ボールジョイント部420は、超音波トランスデューサ部300の上部側に回転可能に挿入されるボール体421と、ボール体421の上部に突出して傾斜ブロック部400と連結されるボール支持軸422と、を含む。
【0076】
ボール支持軸422の上端部は、傾斜ブロック部400の中心に固定され、ボール体421を中心に超音波トランスデューサ部300が傾斜ブロック部400の回転によって360度全方向に連続的に傾くようにする。
【0077】
傾斜ブロック部400の下面部には、超音波トランスデューサ部300の上面を支持して回転する複数の支持ボール部材430が突設され、支持ボール部材430は、一部分が傾斜ブロック部400内に回転可能に挿入されて位置し、残りの一部分が突出して超音波トランスデューサ部300の上面を支持する。
【0078】
複数の支持ボール部材430は、傾斜ブロック部400の下面部に同一の高さに突出して、傾斜面の角度と同一に超音波トランスデューサ部300が傾くようにし、超音波トランスデューサ部300が傾いた状態で全ての支持ボール部材430が安定的に超音波トランスデューサ部300の上面を接触して支持することができるようにする。
【0079】
超音波トランスデューサ部300は、ボール体421に結合され、上面が複数の支持ボール部材430にそれぞれ接触した状態で支持されて傾くように位置する。
【0080】
複数の支持ボール部材430は、傾斜ブロック部400の中心から一定の距離をおいて周方向に等距離で離間するように位置し、すなわち、傾斜ブロック部400の中心に放射状に配置され、360度全方向に連続的に傾く超音波トランスデューサ部300の上面を安定的に支持することができるようにする。
【0081】
超音波トランスデューサ部300は、回転モーター500によって傾斜ブロック部400が回転すると、回転する傾斜ブロック部400によって360度全方向に連続的に傾く。
【0082】
一方、本発明による治療用超音波発生装置の一実施例は、傾斜ブロック部400、及び傾斜ブロック部400の下面に位置する支持ボール部材430を介して、超音波トランスデューサ部300を360度全方向に連続的に傾くようにする構造を小型化させる。
【0083】
本発明による治療用超音波発生装置の一実施例は、一端部が超音波トランスデューサ部300に連結され、他端部がカートリッジハウジング部200に連結されるトーションバー部材600をさらに含むことができる。
【0084】
トーションバー部材600は、超音波トランスデューサ部300が360度全方向に連続的に傾くときに発生する振動を吸収して、超音波トランスデューサ部300の作動安定性を確保することができるようにする。
【0085】
トーションバー部材600は、超音波トランスデューサ部300が360度全方向に連続的に傾くときに発生する振動を吸収して、超音波トランスデューサ部300を360度全方向に連続的に傾くようにする構造を小型化させる場合にも、超音波トランスデューサ部300の作動安定性を確保することができるようにする。
【0086】
構造を小型化すると、超音波トランスデューサ部300が360度全方向に連続的に傾く半径が小さくなりながら、超音波トランスデューサ部300に衝撃が短い周期で繰り返され、これにより振動が発生することがある。トーションバー部材600は、ねじり弾性を用いて超音波トランスデューサが短い半径で360度全方向に連続的に傾くときに発生する衝撃を吸収して、超音波トランスデューサ部300が360度全方向に連続的に傾くときに、超音波の焦点を、同一平面上で円形をなすように安定的に移動させることができるようにする。
【0087】
トーションバー部材600は、超音波トランスデューサ部300に装着される第1装着部610、カートリッジハウジング部200の内側面に装着される第2装着部620、及び第1装着部610と第2装着部620に両端部側がそれぞれ連結されるトーションばね部630を含む。
【0088】
トーションばね部630は、少なくとも一つの折曲部又は屈曲部を持つように形成され、ねじり弾性で衝撃を吸収することができる。
【0089】
トーションばね部630は、一例としてS字形、C字形等に形成されることができ、超音波トランスデューサ部300が回転中心軸方向を基準に同一の角度をもって360度全方向に連続的に傾くとき、これに対する衝撃を吸収することができる長さを有する。
【0090】
トーションバー部材600は、複数備えられてもよく、超音波トランスデューサ部300の側面に互いに対向して位置する一対が備えられることを一例とする。
【0091】
トーションバー部材600は、互いに対向して位置する一対が備えられ、超音波トランスデューサ部300の作動安定性をさらに確保することができるようにする。
【0092】
図4は本発明による治療用超音波発生装置の作動例を示す図である。図3及び図4を参照すると、超音波トランスデューサ部300は、ボールジョイントのボール体421が回転可能に結合された状態で、傾斜ブロック部400の傾斜面に突出した複数の支持ボール部材430に接触して支持されながら、傾斜面の傾きと同じ角度で傾いて位置する。
【0093】
この状態で回転モーター500によって傾斜ブロック部400が回転すると、超音波トランスデューサ部300は、ボール体421を中心に360度全方向に連続的に傾くことになる。このとき、超音波トランスデューサ部300で発生した超音波の焦点は、同一平面上で円形をなすように移動する。
【0094】
また、トーションバー部材600は、超音波トランスデューサ部300が360度全方向に連続的に傾くときに発生する振動をねじり弾性で吸収して、超音波の焦点が同一平面上で円形をなして安定的に移動することができるようにする。
【0095】
つまり、超音波トランスデューサ部300は、ボール体421を中心に360度全方向に連続的に傾きながら、焦点を、同一平面上で円形をなすように安定的に移動させる。
【0096】
本発明による治療用超音波発生装置は、超音波の焦点を皮膚内の均一な深さで一定半径の円形に形成し、半径内にエネルギーを均一かつ均質に印加して治療性能をさらに向上させることができる。
【0097】
図5は本発明に係る治療用超音波発生装置の比較例と実施例を比較して示す概略図である。図5の(a)は超音波トランスデューサ部が皮膚に対して垂直な方向から超音波を照射して皮膚内の所定の基準深さMに焦点が結ぶようにした本発明の比較例を示すものであり、図5の(b)は超音波トランスデューサ部300が回転中心軸方向を基準に傾いて皮膚内の所定の基準深さMに焦点が結ぶようにした本発明の実施例を示すものである。
【0098】
照射される超音波の焦点が皮膚内で楕円形に結ぶが、焦点の中心が皮膚内の所定の基準深さMに位置することが好ましく、基準深さMを基準に最大限に集まっていることが治療効果を向上させることができる。
【0099】
図5の(a)は、超音波トランスデューサ部が皮膚に対して垂直な方向から超音波を照射して皮膚内の所定の基準深さMに焦点が結ぶようにした場合は、楕円形の焦点が垂直方向に位置して焦点の高さaが最大化される。
【0100】
これに対し、図5の(b)に示すように、本発明の実施例は、超音波トランスデューサ部300が傾いた状態で超音波を皮膚に照射して皮膚内の基準深さMで焦点Cが傾いて位置するので、図5の(a)に示されている本発明の比較例と比較するとき、焦点の高さが減少し、基準深さMに焦点がさらに集中して集まる効果を発生させる。
【0101】
つまり、本発明による治療用超音波発生装置は、超音波トランスデューサ部300を360度全方向に連続的に傾くようにする構造を介して、超音波の焦点Cが傾いた状態で円形をなして同一平面上で移動させることにより、基準深さMに焦点がさらに集中して集まる効果によって皮膚治療効果を大きく向上させることができる。
【0102】
一方、図6図8は本発明による超音波治療用ハンドピースの他の実施例を示す図である。図6図8を参照すると、本発明による超音波治療用ハンドピースは、本体ハウジング部100とハンドル連結部111との間に位置するか、或いはハンドル連結部111とハンドル本体112との間に位置し、本体ハウジング部100を回転させて本体ハウジング部100の角度を調節することができるハンドルヒンジ部700をさらに含むことができる。
【0103】
つまり、ハンドルヒンジ部700は、本体ハウジング部100とハンドル部110との間に位置するか、或いは、ハンドル部110を2つの部分に区分するとき、区分された部分の間に位置することができる。
【0104】
図6の(a)及び図8の(a)は、ハンドルヒンジ部700が本体ハウジング部100とハンドル連結部111との間に位置した例であり、図6の(b)及び図8の(b)は、ハンドルヒンジ部700がハンドル連結部111とハンドル本体112との間に位置する例である。
【0105】
ハンドルヒンジ部700を介して、施術者が施術部位に応じて本体ハウジング部100を回転させることにより、カートリッジハウジング部200のウィンドウ部203を施術部位に完全に密着させることができるため、施術便宜性を確保するとともに、施術時にウィンドウ部203が施術部位から離れて施術中に施術者の皮膚に火傷などが発生する事故を防止し、安全に施術することができるようにする。
【0106】
図6及び図7を参照すると、ハンドルヒンジ部700は、ヒンジ軸部710と、ヒンジ軸部710を中心に回転する本体ハウジング部100の回転角度を拘束する回転ストッパー部720と、を含むことができる。
【0107】
回転ストッパー部720は、ヒンジ軸部710の外周面に離間位置する複数の拘束溝部721と、ハンドル部110及び本体ハウジング部100のうちのいずれか一方に位置し、軸孔の内周面に突出して拘束溝部721に挿入され、所定の回転力以上の回転力が加わると、拘束溝部721から離脱して回転方向における次の拘束溝部721へ移動するストッパー突起722と、を含む。
【0108】
ストッパー突起部722は、軸孔の内周面に突出するストッパーボール部材722aと、ストッパーボール部材722aを弾性支持するストッパーばね部材722bと、を含むものを一例とする。
【0109】
ストッパー突起部722は、この他にも、所定の力以上が加わる場合、溝から離脱して他の溝に挿入できる公知の様々な構造に変形して実施できるので、さらに詳細な説明は省略する。
【0110】
図8を参照すると、ハンドルヒンジ部700は、ヒンジ軸部710と、ヒンジ軸部710を回転させて本体ハウジング部100の角度を調節する角度調節モーター730と、を含むことができる。
【0111】
また、ハンドルヒンジ部700は、ハンドル本体112に位置し、角度調節モーター730の作動を制御する角度調節スイッチ部740をさらに含むことができる。
【0112】
角度調節モーター730は、ヒンジ軸部710に位置し、ヒンジ軸部710を回転させて本体ハウジング部100の角度を施術者が所望の角度に正確に位置させることができる。
【0113】
施術者は、ハンドル本体112に位置した角度調節スイッチ部740を操作して、角度調節モーター730でヒンジ軸部710を時計回り又は反時計回りに回転させることにより、施術中に本体ハウジング部100の角度を自由に調節することができる。
【0114】
また、本発明による超音波治療用ハンドピースの他の実施例は、カートリッジハウジング部200の下面に位置し、ウィンドウ部203が皮膚に接触することを感知する複数の接触センサー部750をさらに含み、角度調節モーター730は、接触センサー部750に連結され、接触センサー部750で感知される接触信号の伝達を受けて本体ハウジング部100の角度を調節することにより、ウィンドウ部203の全面が皮膚に接触することができるようにする。
【0115】
接触センサー部750は、皮膚との接触を感知する公知の接触センサーに様々に変形して実施できるので、さらに詳細な説明は省略する。
【0116】
複数の接触センサー部750は、ウィンドウ部203の周りに沿って離間して位置し、ウィンドウ部203の接触状態を感知し、接触センサー部750のいずれかで未接触が感知されると、角度調節モーター730は、未接触信号の伝達を受けて本体ハウジング部100の角度を調節することにより、ウィンドウ部203の全面が皮膚に接触することができるようにする。
【0117】
図9は本発明による超音波治療用ハンドピースにおけるハンドルヒンジ部700の他の実施例を示す断面図である。図9を参照すると、ハンドルヒンジ部700は、ヒンジ軸部710が内部に挿入され、所定の回転力以上の回転力が加わるとヒンジ軸部710が回転するようにするクリアランスブッシュ部711をさらに含むことができる。
【0118】
クリアランスブッシュ部711は、ヒンジ軸部710がタイトな状態で結合され、所定の回転力以上の回転力が加わる場合にヒンジ軸部710が回転するようにする。
【0119】
また、ハンドルヒンジ部700は、ヒンジ軸部710の回転をブレーキするブレーキパッド760と、ブレーキパッド760でヒンジ軸部710を加圧するようにするブレーキ作動ノブ部770と、をさらに含むことができる。
【0120】
ブレーキ作動ノブ部770は、ヒンジ軸部710を貫通して位置するノブ回転軸部材771、ノブ回転軸部材771の両端部側にそれぞれ位置する第1回転ノブ772及び第2回転ノブ773、ノブ回転軸部材771が貫通して螺合され、ノブ回転軸部材771の回転によって前進又は後進してブレーキパッド760を加圧又は加圧解除する加圧部材774、並びに第1回転ノブ772に突設されるノブハンドル部775を含むことができる。
【0121】
ノブハンドル部775を握ってノブ回転軸部材771を一方向に回転させると、加圧部材774がブレーキパッド760を加圧して本体ハウジング部100の角度をさらに堅固に固定させることができる。
【0122】
そして、ノブハンドル部775を握ってノブ回転軸部材771を反対方向に回転させると、加圧部材774がブレーキパッド760を加圧した状態を解除して、所定の回転力以上の回転力を加えて本体ハウジング部100をヒンジ軸部710を中心に回転させることにより、本体ハウジング部100の角度を調節することができる。
【0123】
本発明は、超音波の焦点を皮膚内の均一な深さで平面移動させ、治療部位にエネルギーを均一かつ均質に印加するが、超音波の焦点を皮膚内の均一な深さで一定半径の円形に形成して、半径内でエネルギーを均一かつ均質に印加することにより、治療性能を向上させることができる。
【0124】
また、本発明は、超音波トランスデューサ部で発生した超音波の焦点を同一平面上で円形に移動させる構造を単純化して超音波治療用ハンドピースの大きさを小型化することにより、患者の皮膚の局所部位、例えば眼下などに対する超音波治療が可能である。
【0125】
本発明は、上述した実施例に限定されるものではなく、本発明の要旨から逸脱することなく、様々に変更して実施することができ、それらの変更実施も本発明の構成に含まれることを明らかにする。
【符号の説明】
【0126】
100 本体ハウジング部
101 カートリッジロック具
110 ハンドル部
111 ハンドル連結部
112 ハンドル本体
120 供給管連結部
130 排出管連結部
140 第2センサー連結端子部
200 カートリッジハウジング部
201 上部ハウジング部
202 コーンハウジング部
203 ウィンドウ部
210 媒質供給用突出管部
220 媒質排出用突出管部
230 温度感知センサー部
231 第1センサー連結端子部
300 超音波トランスデューサ部
400 傾斜ブロック部
410 ブロック回転軸部
411 連結軸部
420 ボールジョイント部
421 ボール体
422 ボール支持軸
430 支持ボール部材
500 回転モーター
510 軸アダプター部
600 トーションバー部材
610 第1装着部
620 第2装着部
630 トーションばね部
700 ハンドルヒンジ部
710 ヒンジ軸部
720 回転ストッパー部
721 拘束溝部
722 ストッパー突起部
722a ストッパーボール部材
722b ストッパーばね部材
730 角度調節モーター
740 角度調節スイッチ部
750 接触センサー部
1000 制御本体
図1
図2
図3
図4
図5
図6(a)】
図6(b)】
図7
図8(a)】
図8(b)】
図9