(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-05-13
(45)【発行日】2024-05-21
(54)【発明の名称】集合継手
(51)【国際特許分類】
F16L 25/00 20060101AFI20240514BHJP
E03C 1/12 20060101ALI20240514BHJP
【FI】
F16L25/00 Z
E03C1/12 E
(21)【出願番号】P 2023042335
(22)【出願日】2023-03-16
(62)【分割の表示】P 2018169584の分割
【原出願日】2018-09-11
【審査請求日】2023-03-16
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】000002174
【氏名又は名称】積水化学工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100161207
【氏名又は名称】西澤 和純
(74)【代理人】
【識別番号】100152272
【氏名又は名称】川越 雄一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100147267
【氏名又は名称】大槻 真紀子
(74)【代理人】
【識別番号】100188592
【氏名又は名称】山口 洋
(72)【発明者】
【氏名】木村 英治
(72)【発明者】
【氏名】渕上 斉太
(72)【発明者】
【氏名】齋藤 総
(72)【発明者】
【氏名】徳丸 武司
【審査官】杉山 健一
(56)【参考文献】
【文献】特開2011-106560(JP,A)
【文献】特開平06-101788(JP,A)
【文献】特開2012-229861(JP,A)
【文献】特開2009-221822(JP,A)
【文献】特開昭49-080619(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F16L 25/00
E03C 1/12
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
上部接続管と、下部接続管と、を備える集合継手であって、
前記上部接続管は、縦管が挿入される縦管接続部と、前記縦管接続部の外周面から突出する横管接続部と、前記横管接続部に接続され、横管が挿入されるブッシュと、を備え、
前記ブッシュは、
前記横管接続部に接続される本体管と、
前記本体管内に設けられ、前記本体管の中心軸に交差する断面において前記本体管内を第1空間と第2空間とに区画し、前記横管が挿入される開口を有する区画壁と、
前記第1空間を閉塞する閉塞部と、
前記区画壁から前記第2空間内に設けられた突部と、
前記区画壁の縦管接続部側の端部に設けられた突出壁と、
を備え、
前記突部は、前記第2空間の中心軸方向に長い形状であり、かつ、前記区画壁の内面における前記横管接続部の内部となる位置に配置されている
集合継手。
【請求項2】
上部接続管と、下部接続管と、を備える集合継手であって、
前記上部接続管は、縦管が挿入される縦管接続部と、前記縦管接続部の外周面から突出する横管接続部と、前記横管接続部に接続され、横管が挿入されるブッシュと、を備え、
前記ブッシュは、
前記横管接続部に接続される本体管と、
前記本体管内に設けられ、前記本体管の中心軸に交差する断面において前記本体管内を第1空間と第2空間とに区画し、前記横管が挿入される開口を有する区画壁と、
前記第1空間を閉塞する閉塞部と、
前記区画壁から前記第2空間内に設けられた突部と、
を備え、
前記突部は、前記区画壁から前記第2空間内の周方向に間隔をあけて複数設けられ、
前記突部は、前記区画壁の縦管接続部側の端部に設けられた突出壁から、前記第2空間の中心軸方向に延びている集合継手。
【請求項3】
前記本体管は、前記本体管の外面に設けられ、前記横管接続部の端部と当接する段差を有する拡径部を有し、
前記突部の先端は、前記本体管の中心軸方向において、前記段差よりも前記開口側に位置する、
請求項1または2に記載の集合継手。
【請求項4】
前記本体管は、前記本体管の外面に設けられ、前記横管接続部の端部と当接する段差面を有する拡径部を有し、
前記突部の先端は、前記本体管の中心軸方向において、前記段差面よりも前記突出壁側に位置する、
請求項1または2に記載の集合継手。
【請求項5】
前記本体管は、前記本体管の外面に設けられ、前記横管接続部の端部と当接する段差面を有する拡径部を有し、
前記突部は、前記開口側から前記突出壁側に向かうに従って前記区
画壁からの高さが高くなる傾斜を有し、
前記傾斜の先端は、前記本体管の中心軸方向において、前記段差
面よりも前記開口側に位置し、
前記傾斜の終端は、前記本体管の中心軸方向において、前記段差面よりも前記突出壁側に位置する、
請求項1または2に記載の集合継手。
【請求項6】
前記本体管の中心軸から見た正面視において、前記区画壁は円弧状に形成され、
前記本体管の中心軸から見た正面視において、前記本体管の中心軸と、前記区画壁の中心軸は、前記縦管接続部の中心軸上に位置し、
前記縦管接続部の中心軸方向において、前記区画壁の中心軸は、前記本体管の中心軸よりも下方に位置している
請求項1ないし5のいずれか一項に記載の集合継手。
【請求項7】
前記突部は、前記区画壁から前記第2空間内の周方向に間隔をあけて3つ設けられ、
前記突部の1つは、前記本体管の中心軸から見た正面視において、前記縦管接続部の中心軸と前記本体管の中心軸を通る面に配置され、
前記突部の2つは、前記本体管の中心軸から見た正面視において、前記縦管接続部の中心軸と前記本体管の中心軸を通る面を対称面として左右に1つずつ配置されている、
請求項6に記載の集合継手。
【請求項8】
前記突部は、前記区画壁から前記第2空間内の周方向に間隔をあけて2つ設けられ、
前記突部は、前記本体管の中心軸から見た正面視において、前記縦管接続部の中心軸と前記本体管の中心軸を通る面を対称面として左右に1つずつ配置されている、
請求項6に記載の集合継手。
【請求項9】
前記突部の先端部は、前記区画壁の中心軸を通る断面視において、前記区画壁の中心軸に対して傾斜し、
前記突部の先端部から前記突出壁までは前記区画壁からの突出寸法が一定である
請求項1ないし8のいずれか一項に記載の集合継手。
【請求項10】
前記突部は、前記本体管の中心軸から見た正面視において前記本体管と前記区画壁とが合流する両端部において2つ設けられている
請求項1ないし5のいずれか一項に記載の集合継手。
【請求項11】
前記突部は、前記縦管接続部の中心軸と直交し、かつ、前記区画壁の中心軸を通る面よりも上側にある
請求項1ないし10のいずれか一項に記載の集合継手。
【請求項12】
前記閉塞部は、前記縦管接続部の中心軸の上方から下方に向かうに従い前記縦管接続部の中心軸に近づく傾斜面を有する、
請求項1ないし11のいずれか一項に記載の集合継手。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ブッシュおよび継手構造に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、例えば下記特許文献1に記載されているような継手が知られている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、この種の継手には、構造の簡素化、製造の容易化が望まれる。
【0005】
本発明は、前述した事情に鑑みてなされたものであって、構造の簡素化、製造の容易化を図ることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
前記課題を解決するために、本発明は以下の手段を提案している。
本発明に係るブッシュは、本体管と、前記本体管内に設けられ、前記本体管の中心軸に交差する断面において前記本体管内を第1空間と第2空間とに区画する区画壁と、前記第1空間を閉塞する閉塞部と、前記区画壁から前記第2空間内に張り出す張り出し部と、を備える。
【0007】
ブッシュは、例えば、互いに径が異なる第1の管と第2の管との間に配置され、両者間の径差を調整した上で両者を接続する(なお、ここでの第1の管や第2の管には継手が含まれる)。例えば、本体管を第1の管に挿入し、第1の管よりも径が小さい第2の管を第2空間に挿入することで、第1の管と第2の管とを接続することができる。
このブッシュでは、張り出し部が、区画壁から第2空間内に張り出している。したがって、第2空間に挿入される第2の管の外周面の一部が前記張り出し部に突き当たり、第2の管が第2空間内に保持される。
張り出し部が第2空間内に張り出している。したがって、張り出し部の第2空間内への張り出し寸法を増減させることによって、区画壁の位置や形状を固定した上で、第2空間の横断面積(内径)を増減させることができる。よって、区画壁の位置や形状などについての設計の自由度を確保しつつ、多様なサイズの第2の管に対応した第2空間を形成することができる。
ところで、例えば、ブッシュを金型で製造する場合、第1空間や第2空間の形状(区画壁の形状)に応じて、第1空間や第2空間から金型を抜く方向に制約が生じるおそれがある。この制約のため、区画壁の位置や形状によっては、閉塞部の中心軸方向の位置が制限される。場合によっては、閉塞部を本体管と別部材によって形成し、閉塞部を本体管に後付けする必要が生じる可能性もある。
しかしながら、このブッシュによれば、区画壁の設計の自由度が高められている。したがって、閉塞部と本体管とを一体に成形しつつも、閉塞部の中心軸方向の位置が制限され難く、閉塞部の中心軸方向の位置の自由度を高めることができる。その結果、例えば、閉塞部を、本体管の中心軸方向の端部に配置すること等ができる。これにより、例えば、製造の簡素化を図りつつ、第1空間への外部からの流体の流入を規制することができる。
【0008】
前記閉塞部は、前記本体管の中心軸方向の端部に設けられていてもよい。
【0009】
閉塞部が、本体管の中心軸方向の端部に設けられている。したがって、第1空間に、閉塞部が設けられた側から流体が流れ込むのを抑えることができる。
【0010】
前記張り出し部は、複数の突部を備えていてもよい。
【0011】
張り出し部が、複数の突部を備えている。したがって、区画壁のうち、張り出し部が設けられた部分の肉厚を、突部と対応する部分に限定して厚肉にすることで、張り出し部を形成することができる。そのため、区画壁のうち、厚肉にする部分を狭い範囲に留めることができる。
ブッシュを樹脂系材料やゴム系材料を用いて射出成形する場合、肉厚が大きい部分においては、材料のヒケが生じ、品質不良に繋がりやすい。これに対し、例えば、区画壁の肉厚を維持しつつ張り出し部(突部)を部分的に設けることで、成形時に材料のヒケ等が生じるのを抑えることができる。その結果、ブッシュの製造の容易化を図ることが可能となる。
【0012】
前記張り出し部は、前記区画壁に、前記本体管の中心軸方向に沿う一部にのみ設けられていてもよい。
【0013】
張り出し部が、本体管の中心軸方向の一部にのみ設けられている。したがって、第2空間に第2の管の端部を挿入する際、第2の管と張り出し部との間で生じる摩擦抵抗が過大になるのを抑えることができる。これにより、第2の管を第2空間に対して容易に挿入することができる。
【0014】
本発明に係る継手構造は、管体の端部が接続される管接続部を複数備えた集合継手と、前記管接続部に設けられた上記のようなブッシュと、を備える。
【0015】
ブッシュは、互いに径が異なる集合継手の管接続部と管体との間に配置され、両者間の径差を調整した上で両者を接続する。例えば、本体管を集合継手の管接続部に挿入し、管接続部よりも径が小さい管体を第2空間に接続することで、集合継手の管接続部と管体とを接続することができる。
このブッシュでは、張り出し部が、区画壁から第2空間内に張り出している。したがって、第2空間に挿入される管体の外周面の一部が前記張り出し部に突き当たり、管体が第2空間内に保持される。
張り出し部が第2空間内に張り出している。したがって、張り出し部の第2空間内への張り出し寸法を増減させることによって、区画壁の位置や形状を固定した上で、第2空間の横断面積(内径)を増減させることができる。よって、区画壁の位置や形状などについての設計の自由度を確保しつつ、多様なサイズの管体に対応した第2空間を形成することができる。
ところで、例えば、ブッシュを金型で製造する場合、第1空間や第2空間の形状(区画壁の形状)に応じて、第1空間や第2空間から金型を抜く方向に制約が生じるおそれがある。この制約のため、区画壁の位置や形状によっては、閉塞部の中心軸方向の位置が制限される。場合によっては、閉塞部を本体管と別部材によって形成し、閉塞部を本体管に後付けする必要が生じる可能性もある。
しかしながら、このブッシュによれば、区画壁の設計の自由度が高められている。したがって、閉塞部と本体管とを一体に成形しつつも、閉塞部の中心軸方向の位置が制限され難く、閉塞部の中心軸方向の位置の自由度を高めることもできる。その結果、例えば、閉塞部を、本体管の中心軸方向の端部に配置すること等ができる。これにより、例えば、製造の簡素化を図りつつ、第1空間への外部からの流体の流入を規制することができる。
【発明の効果】
【0016】
本発明によれば、構造の簡素化、製造の容易化を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【
図1】本発明の一実施形態に係る継手構造を示す縦断面図である。
【
図2】
図1に示す継手構造の部品構成を示す展開図である。
【
図3】
図1に示す継手構造に用いられるブッシュの縦断面図である。
【
図5】
図1に示す継手構造のブッシュおよび第2リングを下方から見た斜視図である。
【
図6】本実施形態の第1変形例におけるブッシュの縦断面図である。
【
図7】本実施形態の第2変形例におけるブッシュの縦断面図である。
【
図8】本実施形態の第2変形例におけるブッシュの正面図である。
【
図9】本実施形態の第3変形例におけるブッシュの正面図である。
【
図10】本実施形態の第4変形例におけるブッシュの縦断面図である。
【
図11】本実施形態の第5変形例におけるブッシュの縦断面図である。
【
図12】本実施形態の第6変形例におけるブッシュの正面図である。
【
図14】本実施形態の第7変形例におけるブッシュの縦断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下、図面を参照し、本発明の一実施形態に係る継手部(継手構造)1について説明する。継手部1は、例えば、建物排水用として用いられ、床スラブに形成されたスラブ貫通孔内に配置される。
図1および
図2に示すように、本実施形態に係る継手部1は、集合継手10を備えている。
【0019】
集合継手10は、上部接続管11と、下部接続管12と、上部接続管11と下部接続管12とを接続する中間管15と、を備えている。上部接続管11は、第1の縦管P1に接続可能な縦管接続部13と、縦管接続部13の側面に突設されて横管P3を接続可能な横管接続部14と、を有している。
【0020】
縦管接続部13は、管状に形成されている。縦管接続部13の第1の端部(上端部)に第1の縦管P1が接続され、第2の端部(下端部)には、中間管15を介して下部接続管12が接続される。なお図示の例では、縦管接続部13の内周面において横管接続部14を回避する位置に堰止め板13aが突設されているが、堰止め板13aがなくてもよい。 以下の説明において、縦管接続部13の中心軸線Oに沿う縦管接続部13の上部接続管11側を上方、下部接続管12側を下方という。
【0021】
横管接続部14は、縦管接続部13の外周面から突出している。図示の例では、横管接続部14は、中心軸線O回りに間隔をあけて3つ配置されている。3つの横管接続部14のうちの2つが中心軸線Oを間に挟む位置に各別に配置されている。残りの横管接続部14は、前記2つの横管接続部14それぞれに対して、上面視で中心軸線O回りに90°をなす方向に延びている。なお、横管接続部14の数量および延びる方向は、このような態様に限られず、任意に変更することができる。
【0022】
上部接続管11は、例えば、ポリ塩化ビニル系樹脂100重量部に対して、非膨張性黒鉛を0.1~1.0重量部の割合で含むポリ塩化ビニル系樹脂組成物をキャビティ内に射出充填されて得られる。
【0023】
中間管15は、上部接続管11の下端部に接続される。図示の例では、中間管15の上端部が、縦管接続部13の下端部内に嵌合されている。中間管15は、JIS K6741に記載の性能を満たすものであることが好ましい。
中間管15は、ポリ塩化ビニル系樹脂と熱膨張性黒鉛とを含有する樹脂組成物を含有する。中間管15は、例えば、樹脂組成物を押出成形することによって製造される。
【0024】
なお中間管15は、中間管15の全体が樹脂組成物からなる単層構造でもよいし、複数の層からなる複層構造でもよい。複層構造の場合、いずれかの層が樹脂組成物から形成されている構成を採用することができる。
例えば、中間管15が、表層と中間層と内層とからなる3層構造である場合には、中間管15として、中間層が樹脂組成物から形成された構成が挙げられる。
【0025】
さらに例えば、中間管15が3層構造である場合、表層、中間層、内層は吸熱剤を含有していてもよい。中間層は熱膨張性黒鉛を含有するため黒色を呈する構成を採用することができる。この場合、表層と内層は黒色以外の着色剤を含有させ、中間層と区別可能にしておくことが好ましい。なお、中間管が熱膨張性黒鉛を含有しない場合には、熱膨張性黒鉛を含有するシート状の耐火材を中間管15の外面、または後述する中間管15を覆う遮音材の外面に巻きつけ、耐火材をスラブ貫通部に埋設するようにしてもよい。
【0026】
下部接続管12は、上方よりも下方が縮径された管状をなしている。下部接続管12は、中間管15に接続される接続管部16と、接続管部16から下方に延び、下方に向かうに従い漸次、縮径する傾斜管部17と、傾斜管部17の下端部に設けられ、第2の縦管P2が接続される下側管部18と、を備えている。接続管部16内には、中間管15が嵌合される。下側管部18内には、第2の縦管P2が嵌合される。接続管部16、傾斜管部17および下側管部18は、例えば合成樹脂材料の射出成形により一体に形成されている。
【0027】
なお、上部接続管11および下部接続管12を透明にしてもよい。これにより、上部接続管11および下部接続管12の接続状態を視認することができる。また、上部接続管11および下部接続管12に、非熱膨張黒鉛や水酸化マグネシウムなどの難燃剤を配合しても良い。
【0028】
上部接続管11の上端部(縦管接続部13の上端部)には、第1ブッシュ21と、第1パッキン22と、第1リング23と、が設けられる。
第1ブッシュ21は、嵌合部21aと、支持部21cと、旋回羽根21bと、を備えている。嵌合部21aは、縦管接続部13内に嵌合する管状に形成されている。支持部21cは、嵌合部21aから下方に延びる。旋回羽根21bは、支持部21cの下端部に設けられている。旋回羽根21bは、中心軸線O回りに延びている。
【0029】
第1パッキン22は、第1ブッシュ21内に嵌合されている。第1パッキン22の上端部には、第1の縦管P1の外周面に密着するリップ部22aが設けられている。第1パッキン22の下端部には、上方を向く段部22bが形成されている。この段部22bには、第1の縦管P1の端部が突き当たる。
【0030】
第1リング23は、第1ブッシュ21の上端部に外側から嵌合される。第1リング23の上端部には、フランジ部23aが設けられている。フランジ部23aは第1ブッシュ21から第1パッキン22が離脱することを規制する。
第1ブッシュ21、第1パッキン22および第1リング23は、上部接続管11に組み付ける(接着する)前に、予め組み立てて一体化しておくことができる。
【0031】
第1パッキン22および後述する第2パッキン32は、例えば、エチレン-プロピレン-ジエンゴム(EPDM)等の排水設備に一般的に使用されているゴム材料からなる。 第1ブッシュ21、第1リング23、及び後述する第2ブッシュ31、第2リング33は、例えば、いずれもポリ塩化ビニル系樹脂100重量部に対して、非膨張性黒鉛を0.1~1.0重量部の割合で含むポリ塩化ビニル系樹脂組成物を射出成形して得られる。なお、第1ブッシュ21および第2ブッシュ31を透明にしてもよい。
【0032】
横管接続部14の先端部には、第2ブッシュ31と、第2パッキン32と、第2リング33と、が設けられる。
第2ブッシュ31は、横管接続部14内に嵌合された状態で、横管接続部14に接着される。第2ブッシュ31の先端部は、横管接続部14から突出している。
【0033】
第2パッキン32は、第2ブッシュ31内に嵌合され、横管P3の外周面に密着する。 第2リング33は、第2ブッシュ31の先端部に外側から嵌合される。第2リング33にはフランジ部33aが設けられている。フランジ部33aは、第2ブッシュ31から第2パッキン32が離脱することを規制する。
【0034】
複数の横管接続部14のうち、少なくとも一つの横管接続部(管接続部)14Aには、第2ブッシュ31として、以下に示すようなブッシュ50が用いられる。
図3、
図4に示すように、ブッシュ50は、本体管51と、区画壁52と、閉塞部53と、張り出し部55と、を備える。
【0035】
本体管51は、円管状をなしている。本体管51の第1端部51aは、横管接続部14Aに嵌合される。本体管51の第2端部51bは、横管接続部14Aから外部に突出する。以下では、本体管51の中心軸C1方向に沿って第1端部51a側を第1側D1といい、第2端部51b側を第2側D2という。
【0036】
区画壁52は、本体管51内に設けられる。区画壁52は、本体管51内を、中心軸C1に交差する断面において、第1空間S1と第2空間S2とに区画する。
図4に示すように、区画壁52は、中心軸C1方向から見た正面視において、中心軸C2を曲率中心とした円弧状に形成されている。中心軸C2は、中心軸C1に対して平行であり、かつ、中心軸C1に対してオフセットしている。区画壁52について中心軸C2を曲率中心とする曲率半径r2は、本体管51について中心軸C1を曲率中心とする曲率半径r1よりも小さい。
【0037】
図3に示すように、区画壁52は、中心軸C1方向に連続して延びている。区画壁52は、本体管51の第1端部51aから第2端部51bに向かって所定長の領域で、中心軸C2に交差する方向の厚みTが、一定に形成されている。
以下では、区画壁52の表面のうち、区画壁52が湾曲して突出する方向を向く部分を、区画壁52の第1面52fという。区画壁52の表面のうち、区画壁52を間に挟んだ第1面52fの反対側に位置する部分を、第2面52gという。第1面52fは、第1空間S1を形成し、第2面52gは、第2空間S2を形成する。
【0038】
図4に示すように、第1空間S1は、区画壁52の第1面52fと、第1面52fに対向する本体管51の内周面51fと、の間に形成されている。第1空間S1は、中心軸C1に交差する断面における形状が、三日月状をなしている。
第2空間S2は、区画壁52の第2面52gと、第2面52gに対向する本体管51の内周面51gと、の間に形成されている。第2空間S2は、中心軸C1に直交する断面における形状が、略円形状をなしている。中心軸C2は、第2空間S2の中心軸となる。
【0039】
図1に示すように、第2空間S2には、横管P31が挿入される。前述した第2パッキン32は、第2空間S2の第2側D2の端部内に配置される。なお図示の例では、第2空間S2に挿入される横管P31は、他の横管接続部14に接続される横管P3よりも小径になっている。
【0040】
図3に示すように、閉塞部53は、第1空間S1を閉塞する。閉塞部53は、本体管51の第1端部51aに、本体管51と一体に設けられている。閉塞部53は、区画壁52の第1端部52aとも一体に設けられている。閉塞部53は、中心軸C1方向を向く板状(図示の例では、中心軸C1に直交する板状)に形成されている。閉塞部53の外周縁は、区画壁52の第1面52fおよび本体管51の内周面51fに連結されている。
【0041】
図4に示すように、第1空間S1には、区画壁52の第1面52fと本体管51の内周面51fとを連結する補強リブ56が設けられている。補強リブ56は、中心軸C2回りに周回する周方向に間隔をあけて複数(図示の例では3個)設けられている。補強リブ56において、中心軸C1方向の第1側D1に位置する第1端部は、閉塞部53に連結されている。
【0042】
図3に示すように、区画壁52において、中心軸C1方向の第1側D1に位置する第1端部52aには、第2空間S2内に向かって突出する突出壁54が設けられている。突出壁54は、区画壁52を間に挟んだ閉塞部53の反対側に位置している。突出壁54には、第2空間S2内に挿入される横管P31の先端部が突き当たる。
【0043】
張り出し部55は、区画壁52の第2面52gから第2空間S2内に張り出している。張り出し部55は、複数の突部55Aを備えている。各突部55Aは、周方向に間隔をあけて複数(図示の例では3個)設けられている。各突部55Aは、本体管51における中心軸C1方向の全長にわたって形成されておらず、本体管51の中心軸C1方向の一部のみに形成されている。図示の例では、突部55Aは、本体管51において第1側D1に偏心するように形成されている。突部55Aは、突出壁54から中心軸C1方向に連続して延びている。
【0044】
突部55Aのうち、第2側D2に位置する先端部55sでは、区画壁52の第2面52gからの突出高さ(張り出し高さ)が、第1側D1から第2側D2に向かって漸次小さくなっている。先端部55sの端面は、中心軸C2を含む縦断面視において、中心軸C2に対して傾斜する。これにより、横管P31を第2空間S2に挿入する際、横管P31が、突部55A(張り出し部55)によって中心軸C2側に向けて案内される。
【0045】
図3に示すように、本体管51の第2端部51bは拡径部59とされている。拡径部59は、本体管51において拡径部59よりも第1側D1に位置する部分よりも拡径している。
図4に示すように、拡径部59のうち、区画壁52に対して中心軸C2を挟んで対向する部分に、平坦面60が形成されている。
【0046】
図5に示すように、平坦面60は、拡径部59(本体管51)の外周面の一部を切り欠くようにして形成されている。本体管51の中心軸C1周りの一部分が他部分に比べて薄肉になることで、平坦面60が形成されている。なお、平坦面60は実際に本体管51の一部を切り欠いて形成する構造に限られず、射出成型時に平坦面60が形成されるように金型を設計した上で形成してもよい。
【0047】
本体管51の外周面には、凸部57、58が形成されている。凸部57、58は、拡径部59よりも第1側D1に位置している。
凸部57は、横管接続部14Aに形成された図示しない凹部に係合する。凸部57は、前記凹部に係合することにより、横管接続部14Aに対するブッシュ50の中心軸C1周りの位置を規定する。
凸部58は、後述する偏心リング70の凹部73に係合する。凸部58は、前記凹部に係合することにより、ブッシュ50に対する偏心リング70の中心軸C1周りの位置を規定する。
【0048】
図1、
図5に示すように、上記ブッシュ50には、第2リング33として、以下に示すような偏心リング70が用いられる。
偏心リング70は、本体リング72と、偏心フランジ71と、を一体に有する。
本体リング72内には、本体管51の第2端部51bが挿入される。本体リング72の周方向の一部には、第1側D1に向けて開口する凹部73が形成されている。
【0049】
偏心フランジ71は、本体リング72の第2側D2の端部における内周面から突出する円環状に形成されている。偏心フランジ71は、本体管51の第2端部51bに突き当たり、第2パッキン32を押さえる。偏心フランジ71の外周面は、中心軸C1と同軸とされている。偏心フランジ71の内周面は、中心軸C2と同軸とされ、中心軸C1に対して偏心している。
【0050】
偏心リング70には、この偏心リング70をブッシュ50に装着した状態(凸部58によって偏心リング70を中心軸C1周りに位置決めした状態)で平坦面60に対応する位置に、平坦部74が形成されている。
平坦部74は、本体リング72の一部を切り欠くように形成されている。本体リング72のうち、平坦部74が形成された部分は欠落しており、この部分には開口74aが形成されている。平坦面60は、平坦部74から外部に露出している。なお、平坦部74は実際に偏心リング70の一部を切り欠いて形成する構造に限られず、射出成型時に平坦部74が形成されるように金型を設計した上で形成してもよい。
【0051】
図1に示すように、上記ブッシュ50は、第1空間S1が上方に位置し、第2空間S2が下方に位置するようにして、横管接続部14Aに挿入される。すなわち、凸部57によってブッシュ50を横管接続部14Aに対して中心軸C1周りに位置決めした状態で、第1空間S1が第2空間S2に対して上方に位置する。ブッシュ50を横管接続部14Aに挿入した状態(凸部57によってブッシュ50を中心軸C1周りに位置決めした状態)で、平坦面60および平坦部74は、最下端に位置する。
【0052】
上記ブッシュ50では、第2空間S2に、中心軸C1方向の第2側D2から横管P31を挿入する。ここで張り出し部55は、区画壁52の第1端部52aのみに設けられている。そのため、張り出し部55よりも第2側D2では、第2空間S2の内径(横断面積)が、横管P31の外径よりも大きい。したがって、横管P31を第2空間S2に挿入し始めるときに、横管P31をブッシュ50に容易に挿入できる。
【0053】
横管P31を第1側D1に向けて第2空間S2に挿入していき、突部55Aの先端部55sまで到達すると、横管P31の先端部が、傾斜した先端部55sによって、複数の突部55Aと本体管51の内周面51gとの間に案内される。横管P31の先端部が突出壁54に突き当たると、横管P31は、複数の突部55A(張り出し部55)と本体管51の内周面51gとに挟み込まれて保持される。
【0054】
ここで第2空間S2は、横管接続部14Aの中心軸C2に対して下方にオフセットしている。したがって、横管P31の位置を、床スラブSに近い位置まで下げることができるこれにより、例えば、横管P31における水勾配を確保しやすくなる。
また、偏心リング70およびブッシュ50に、平坦部74、平坦面60が形成されている。これにより、偏心リング70およびブッシュ50を床スラブSに近い位置まで下げることができる。これにより、例えば、横管P31における水勾配を確保しやすくなる。
【0055】
以上説明したように、本実施形態に係るブッシュ50は、互いに径が異なる集合継手10の横管接続部14Aと横管P31との間に配置され、両者間の径差を調整した上で両者を接続する。本体管51を横管接続部14Aに挿入し、横管接続部14Aよりも径が小さい横管P31を第2空間S2に挿入することで、集合継手10の横管接続部14Aと横管P31とを接続することができる。
【0056】
張り出し部55が第2空間S2内に張り出している。したがって、張り出し部55の第2空間S2内への張り出し寸法を増減させることによって、区画壁52の位置や形状を固定した上で、第2空間S2の横断面積(内径)を増減させることができる。よって、区画壁52の位置や形状などについての設計の自由度を確保しつつ、多様なサイズの横管P31に対応した第2空間S2を形成することができる。
【0057】
ところで、例えば、ブッシュ50を金型で製造する場合、第1空間S1や第2空間S2の形状(区画壁52の形状)に応じて、第1空間S1や第2空間S2から金型を抜く方向に制約が生じるおそれがある。この制約のため、区画壁52の位置や形状によっては、閉塞部53の中心軸C1方向の位置が制限される。場合によっては、閉塞部53を本体管51と別部材によって形成し、閉塞部53を本体管51に後付けする必要が生じる可能性もある。
【0058】
しかしながら、このブッシュ50によれば、区画壁52の設計の自由度が高められている。したがって、閉塞部53と本体管51とを一体に成形しつつも、閉塞部53の中心軸C1方向の位置が制限され難く、閉塞部53の中心軸C1方向の位置の自由度を高めることができる。その結果、閉塞部53を、本体管51の中心軸C1方向の端部に配置することができる。これにより、例えば、製造の簡素化を図りつつ、第1空間S1への外部からの流体の流入を規制することができる。
【0059】
閉塞部53が、本体管51の第1端部51aに設けられている。したがって、第1空間S1に第1側D1から流体が流れ込むのを抑えることができる。
【0060】
張り出し部55が、複数の突部55Aを備えている。したがって、区画壁52のうち、張り出し部55が設けられた部分の肉厚を、突部55Aと対応する部分に限定して厚肉にすることで、張り出し部55を形成することができる。そのため、区画壁52のうち、厚肉にする部分を狭い範囲に留めることができる。
ブッシュ50を樹脂系材料やゴム系材料を用いて射出成形する場合、肉厚が大きい部分においては、材料のヒケが生じ、品質不良に繋がりやすい。これに対し、例えば、区画壁52の肉厚を維持しつつ張り出し部55(突部55A)を部分的に設けることで、成形時に材料のヒケ等が生じるのを抑えることができる。その結果、ブッシュ50の製造の容易化を図ることが可能となる。
【0061】
張り出し部55が、本体管51の中心軸C1方向の一部にのみ設けられている。したがって、第2空間S2に横管P31の端部を挿入する際、横管P31と張り出し部55との接触部分で生じる摩擦抵抗が過大になるのを抑えることができる。これにより、横管P31を第2空間S2に対して容易に接続することができる。
【0062】
(実施形態の第1変形例)
上記実施形態では、突部55Aの中心軸C2方向の先端部55sのみを傾斜させ、それ以外の部分では、区画壁52の第2面52gからの突部55Aの突出寸法を一定にするようにしたが、本発明はこれに限らない。
図6に示すように、本変形例のブッシュ50Bの張り出し部55を構成する突部55Bは、中心軸C2方向に沿って、本体管51の第2側D2から第1側D1に向かって、区画壁52の第2面52gからの張り出し寸法が漸次大きくなるように形成してもよい。
【0063】
(実施形態の第2変形例)
また、上記実施形態において、複数の突部55Aに対して区画壁52を挟んだ反対側に、補強リブ56をそれぞれ設けるようにしたが、本発明はこれに限らない。
例えば、
図7、
図8に示すように、本変形例のブッシュ50Cは、第2空間S2の内径が、上記実施形態で示したブッシュ50よりも大きい。この区画壁52Cの周方向の端部52e(区画壁52Cが本体管51と合流する部分)に、突部55Cが設けられている。
【0064】
(実施形態の第3変形例)
また、上記実施形態では、ブッシュ50には、3つの突部55Aを設けるようにしたが、その設置数については、何ら限定するものではない。
例えば、
図9に示す本変形例のブッシュ50Dのように、周方向に間隔をあけて2つの突部55Dを設けるようにしてもよい。
【0065】
(実施形態の第4変形例)
また、上記実施形態では、閉塞部53は、本体管51の第1端部51aに、本体管51と一体に設けられているが、本発明はこれに限らない。
例えば、
図10に示す本変形例のブッシュ50Eのように、閉塞部53の上端部が、本体管51における中心軸C1方向の中央部に設けられていてもよい。このブッシュ50Eでは、閉塞部53が、上方から下方に向かうに従い第1側D1に延びていて、閉塞部53が中心軸C1方向に対して傾斜している。閉塞部53の下端部は、区画壁52の第1端部52aに連結されている。
閉塞部53が前述のように傾斜していることで、第1空間S1内に第1側D1から仮に汚水などが侵入したとしても、汚水が第1空間S1内に留まらずに第1空間S1から第1側D1に排出される。
なお本変形例では、閉塞部53は、本体管51や区画壁52に対して、中心軸C1方向に沿って外側にはみ出していない。そのため、閉塞部53を前述のように傾斜させても、ブッシュ50Eの小型化を図ることができる。
【0066】
(実施形態の第5変形例)
さらに例えば、
図11に示す本変形例のブッシュ50Fのように、閉塞部53が、上方から下方に向かうに従い第2側D2に延びていてもよい。
【0067】
(実施形態の第6変形例)
上記実施形態では、張り出し部55が複数の突部55Aを備えているが、本発明はこれに限らない。
例えば、
図12および
図13に示す本変形例のブッシュ50Gのように、張り出し部55が1つの突部55Gによって形成されていてもよい。突部55Gの周方向の大きさは、前述した突部55Aの周方向の大きさよりも小さく、例えば、区画壁52全体の周方向の大きさの1/2程度である。
【0068】
(実施形態の第7変形例)
さらに例えば、
図14に示す本変形例のブッシュ50Hのように、区画壁52に肉抜き部S3が形成されていてもよい。肉抜き部S3は、区画壁52のうち、突部55G(張り出し部55)が設けられた周方向部分に設けられている。肉抜き部S3は、中心軸C1方向の第1側D1に向けて開口している。肉抜き部S3では、中心軸C2に直交する方向である径方向の大きさが、第1側D1に向けて徐々に大きくなっている。言い換えると、本変形例では、区画壁52が、中心軸C1方向の中央部から第1側D1に向けて、径方向に2つに分割されている。2つに分割された区画壁52のうち、径方向の外側に位置する外側部分は、第1空間S1を形成し、径方向の内側に位置する内側部分は、第2空間S2を形成している。内側部分は、第2空間S2を形成する他の周方向部分に比べて、径方向の内側に向けて張り出している。
【0069】
(実施形態の第8変形例)
上部接続管11、下部接続管12には、それぞれの外周面を覆う遮音カバー(図示無し)を装着させることもできる。
【0070】
例えば、上部接続管11には、遮音カバーとして、シート体(図示無し)を巻き付けてもよい。このようなシート体は、例えば、改質アスファルトやエラストマー、ゴム、ポリオレフィン樹脂、軟質塩化ビニル樹脂等といった弾性を備えた材料をシート状に形成したものである。前記シート体は、炭酸カルシウムや硫酸バリウム等の無機材料、鉄や鉛などの金属シート、金属粉などを含有していてもよい。
【0071】
さらに例えば、下部接続管12には、遮音カバー(図示無し)として、遮音材により形成された管体を設けてもよい。前記シート体は、例えば、射出成形、圧空成形、ブロー成形、真空成形等により一体成型されている。前記シート体は、例えば、オレフィン系材料(オレフィン系樹脂100重量部に対して、無機フィラーを300~600重量部含有する樹脂組成物)等といった弾性を備えた樹脂材料により形成されている。
【0072】
前記無機フィラーとしては、特に限定されないが、例えば、シリカ、珪藻土、アルミナ、酸化亜鉛、酸化チタン、酸化カルシウム、酸化マグネシウム、酸化鉄、酸化錫、酸化アンチモン、フェライト類、水酸化カルシウム、水酸化マグネシウム、水酸化アルミニウム、塩基性炭酸マグネシウム、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、炭酸亜鉛、炭酸バリウム、ドーンナイト、ハイドロタルサイト、硫酸カルシウム、硫酸バリウム、石膏繊維、ケイ酸カルシウム、タルク、クレー、マイカ、モンモリロナイト、ベントナイト、活性白土、セピオライト、イモゴライト、セリサイト、ガラス繊維、ガラスビーズ、シリカ系バルン、窒化アルミニウム、窒化ホウ素、窒化ケイ素、カーボンブラック、グラファイト、炭素繊維、炭素バルン、木炭粉末、各種金属粉、チタン酸カリウム、硫酸マグネシウム、チタン酸ジルコン酸鉛、アルミニウムボレート、硫化モリブデン、炭化ケイ素、ステンレス繊維、ホウ酸亜鉛、各種磁性粉、スラグ繊維、フライアッシュ、脱水汚泥等が挙げられる。これらのうち、重量とコストのバランスから炭酸カルシウムを前記無機フィラーとして用いることが好ましい。なおこれらは、単独でも、2種以上を混合して用いてもよい。
【0073】
前記オレフィン系樹脂としては、特に限定されないが、例えば、低密度ポリエチレン、高密度ポリエチレン、直鎖状低密度ポリエチレン、アタクチックポリプロピレン、アイソタクチックポリプロピレン、シンジオタクチックポリプロピレン、ポリαオレフィンが挙げられる。中でも密度が0.87~0.93g/cm3のポリエチレンが前記オレフィン系樹脂として好ましい。なお、密度が0.87g/cm3未満だと、前記管体の強度が十分ではなく、0.93g/cm3を超えると、前記管体を偏平させたとき(前記管体に軸力が加えられたとき)に座屈してしまうおそれがある。また、オレフィン系樹脂の曲げ弾性率が、100~3000kg/cm2であれば、強度、巻き加工性として十分である。 なお前記管体は、オレフィン系材料とは異なる材料で形成されていてもよく、例えば、ポリ塩化ビニル系樹脂、ポリスチレン樹脂、ABS樹脂、AS樹脂、エラストマー材料等を用いても構わない。
【0074】
なお、本発明の技術的範囲は前記実施形態およびその変形例に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲において種々の変更を加えることが可能である。
【0075】
張り出し部55は、区画壁52の第1端部52aのみに設けるようにした。しかしながら、例えば、区画壁52の中心軸C1方向に沿う中央部のみに設けるようにしてもよい。例えば、区画壁52の全長に設けてもよい。
平坦面60、平坦部74はなくてもよい。
【0076】
ブッシュ50は、縦管接続部13等、他の管接続部に設けてもよい。
ブッシュ50は、複数の横管接続部14に設けてもよい。
【0077】
その他、本発明の趣旨に逸脱しない範囲で、前記実施形態における構成要素を周知の構成要素に置き換えることは適宜可能であり、また、前記した変形例を適宜組み合わせてもよい。
【符号の説明】
【0078】
1 継手部(継手構造)
10 集合継手
14A 横管接続部(管接続部)
50A、50B、50C、50D、50E、50F、50G、50H ブッシュ
51 本体管
52、52C 区画壁
55 張り出し部
55A、55B、55C、55D、55G 突部
C1 中心軸
P31 横管(管体)
S1 第1空間
S2 第2空間