(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-05-13
(45)【発行日】2024-05-21
(54)【発明の名称】折畳み電極及び同折畳み電極を用いた平行電極板構造並びに積層電極対
(51)【国際特許分類】
C25B 11/02 20210101AFI20240514BHJP
C25B 1/04 20210101ALI20240514BHJP
C25B 9/00 20210101ALI20240514BHJP
C02F 1/461 20230101ALN20240514BHJP
【FI】
C25B11/02 301
C25B1/04
C25B9/00 A
C02F1/461 A
(21)【出願番号】P 2018236647
(22)【出願日】2018-12-18
【審査請求日】2021-09-27
【審判番号】
【審判請求日】2023-02-28
(73)【特許権者】
【識別番号】000005810
【氏名又は名称】マクセル株式会社
(72)【発明者】
【氏名】島崎 勝輔
【合議体】
【審判長】井上 猛
【審判官】粟野 正明
【審判官】土屋 知久
(56)【参考文献】
【文献】特開2005-171383(JP,A)
【文献】実開昭56-119478(JP,U)
【文献】実開昭54-143361(JP,U)
【文献】特開2003-193280(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
C25B1/00-15/08
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の電極板部が架橋部を介して連なる一の金属平板より構成された電極板連結体よりなり、前記架橋部に形成した略半円弧状の屈曲構造により各電極板部が間隙を介して互いに重畳する折畳み電極と、
前記折畳み電極の電極板部の間隙に配置した相対的に逆電位に印加される介装電極板と、を備える積層電極対であって、
前記介装電極板は、
前記折畳み電極の前記架橋部の直下に嵌着孔を備え、
前記嵌着孔にスペーサを表裏突出状態で嵌着させ、
前記スペーサにより、前記介装電極板の表裏側に配される前記折畳み電極との間隔を保持することを特徴とする積層電極対。
【請求項2】
前記折畳み電極は、自由状態において、対向する電極板部の間隙が両電極板部を連結する架橋部から離隔するに従い漸次狭窄するよう形成したことを特徴とする請求項1に記載の積層電極対。
【請求項3】
前記折畳み電極は、自由状態において、対向する電極板部の間隙が両電極板部を連結する架橋部から離隔するに従い漸次拡開するよう形成したことを特徴とする請求項1に記載の積層電極対。
【請求項4】
前記折畳み電極の各電極板部をそれぞれ略平行に配置してなる平行電極板構造であって、対向する電極板部の内側間隙にスペーサを介在させ各電極板部を拡開方向に付勢して略平行に配置したことを特徴とする請求項2に記載の積層電極対。
【請求項5】
前記折畳み電極の各電極板部をそれぞれ略平行に配置してなる平行電極板構造であって、対向する電極板部の外側に保持体を配し各電極板部を狭める方向に付勢して略平行に配置したことを特徴とする請求項3に記載の積層電極対。
【請求項6】
前記介装電極板の端部を前記折畳み電極の架橋部における屈曲構造の曲率中心位置よりも前記架橋部に接近させて配置したことを特徴とする請求項1に記載の積層電極対。
【請求項7】
前記介装電極板は、第2の折畳み電極の電極板部であることを特徴とする請求項1に記載の積層電極対。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、折畳み電極及び同折畳み電極を用いた平行電極板構造並びに積層電極対に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、水に水素や酸素を含有させ、又は水の液性を調整して飲用や浴用、皮膚外用から掃除用など様々な用途に供すべく、水を電気分解して電解水を生成する電解水生成装置が知られている。
【0003】
このような電解水生成装置としては、例えば、電解水を吐水する整水器やシャワーであったり、浴湯など水中に没して電解水を放散させる装置、更にはポットや水筒状のものなどが挙げられ、これらの装置には水を接触させて電解を行うための電極対(以下、電解電極対ともいう。)が内蔵されている。
【0004】
電解電極対は、適切な間隔で配された正負一対の電極を備えていれば原理的には用を成すのであるが、電解効率や電解水の生成量を向上させるべく、複数枚の平板状の電極板を一定間隔で重畳してなる電解電極対(以下、積層電極対ともいう。)が提案されている。
【0005】
この積層電極対は、重畳配置された各電極板を「正・負・正・負…」の如く交互に相対的に異なる電位とすることで、電解面積を増やして電解効率や電解水の生成量を向上させることが可能となる。
【0006】
また、積層電極対を構成するためには、各電極板を一つおきに同電位となる電極板は互いに導通させる必要があるが、これを実現すべく、複数の電極板部が架橋部を介して連なる一の金属平板より構成された電極板連結体を架橋部でそれぞれ折曲して電極板部が重なるように折り畳むことで形成した電極(以下、折畳み電極と称する。)を構築し、この折畳み電極を正負一対として組み合わせることで電解電極対を構成した積層電極対が知られている(例えば、特許文献1参照。)
【0007】
このような、折畳み電極が採用された積層電極対によれば、同電位の電極板は架橋部で予め電気的に接続されているため、各電極板がそれぞれ分離している積層電極対に比して電解電極対の組立が容易である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
ところで、前述の如く電解電極対は種々の電解水生成装置に採用されているが、例えばシャワーの如く比較的小型の装置の場合、電解電極対もより小型であるのが望ましい。また、その他の装置にあっても、それぞれ小型軽量化が望まれる。
【0010】
この点、電解面積を確保し易い積層電極対は比較的有利であるが、上記従来の折畳み電極を採用した積層電極対の場合、重畳する各電極板が干渉して短絡等が起こらぬよう、折畳み電極の各架橋部の接続基部を高精度で直角に折畳む必要がある。
【0011】
また、積層電極対の各電極板の間隙は狭い方が電解効率上有利であるが、間隔が狭くなるほど架橋部の接続基部の直角形成は極めて高い精度が要求され、この折曲作業を一つの架橋部あたり二直角分行わなくてはならず、しかも全ての架橋部毎に行うため製造上相当に煩雑である。
【0012】
本発明は、斯かる事情に鑑みてなされたものであって、電極板連結体の架橋部での折曲作業をより簡便化することのできる折畳み電極を提供する。
【0013】
また本発明では、同折畳み電極を用い、各電極板部を互いに平行とした平行電極板構造や、これら折畳み電極や平行電極板構造を採用した積層電極対についても提供する。
【課題を解決するための手段】
【0014】
上記従来の課題を解決するために、本発明に係る折畳み電極では、(1)複数の電極板部が架橋部を介して連なる一の金属平板より構成された電極板連結体よりなり、前記架橋部に形成した略半円弧状の屈曲構造により各電極板部が間隙を介して互いに重畳することとした。
【0015】
また、本発明に係る折畳み電極では、以下の点にも特徴を有する。
(2)前記折畳み電極は、自由状態において、対向する電極板部の間隙が両電極板部を連結する架橋部から離隔するに従い漸次狭窄するよう形成したこと。
(3)前記折畳み電極は、自由状態において、対向する電極板部の間隙が両電極板部を連結する架橋部から離隔するに従い漸次拡開するよう形成したこと。
【0016】
また、本発明に係る平行電極板構造では、(4)(2)の折畳み電極の各電極板部をそれぞれ略平行に配置してなる平行電極板構造であって、対向する電極板部の内側間隙にスペーサを介在させ各電極板部を拡開方向に付勢して略平行に配置した。
【0017】
また、本発明に係る平行電極板構造では、(5)(3)に記載の折畳み電極の各電極板部をそれぞれ略平行に配置してなる平行電極板構造であって、対向する電極板部の外側に保持体を配し各電極板部を狭める方向に付勢して略平行に配置したことにも特徴を有する。
【0018】
また、本発明に係る積層電極対では、(6)(1)に記載の折畳み電極であり各電極板部が互いに略平行となる屈曲構造を有する折畳み電極と、同折畳み電極の電極板部の間隙に配置した相対的に逆電位に印加される介装電極板と、を備えることとした。
【0019】
また、本発明に係る積層電極対では、他の態様として、(7)(4)又は(5)に記載の平行電極板構造により各電極板部がそれぞれ略平行に配置された折畳み電極と、同折畳み電極の電極板部の間隙に配置した相対的に逆電位に印加される介装電極板と、を備えることとした。
【0020】
また、本発明に係る積層電極対では、以下の点にも特徴を有する。
(8)前記介装電極板の端部を前記折畳み電極の架橋部における屈曲構造の曲率中心位置よりも前記架橋部に接近させて配置したこと。
(9)前記介装電極板は、第2の折畳み電極の電極板部であること。
【発明の効果】
【0021】
本発明に係る折畳み電極によれば、複数の電極板部が架橋部を介して連なる一の金属平板より構成された電極板連結体よりなり、前記架橋部に形成した略半円弧状の屈曲構造により各電極板部が間隙を介して互いに重畳することとしたため、電極板連結体の架橋部での折曲作業をより簡便化することができる。
【0022】
また、前記折畳み電極は、自由状態において、対向する電極板部の間隙が両電極板部を連結する架橋部から離隔するに従い漸次狭窄するよう形成すれば、互いの電極板部が正確に平行となるような折曲作業を必ずしも行う必要がなく折曲作業をより簡便化することができると共に、各電極板部をそれぞれ略平行に配置した際に各電極板部を拡開方向に付勢することができ、この付勢された平行な状態から狭窄する自由状態に戻ろうとする復元力を利用して各電極板の平行状態を堅実に維持することが可能となる。
【0023】
また、前記折畳み電極は、自由状態において、対向する電極板部の間隙が両電極板部を連結する架橋部から離隔するに従い漸次拡開するよう形成すれば、互いの電極板部が正確に平行となるような折曲作業を必ずしも行う必要がなく折曲作業をより簡便化することができると共に、各電極板部をそれぞれ略平行に配置した際に各電極板部を狭める方向に付勢することができ、この付勢された平行な状態から拡開する自由状態に戻ろうとする復元力を利用して各電極板の平行状態を堅実に維持することが可能となる。
【0024】
また、本発明に係る平行電極板構造によれば、前述の(2)の折畳み電極の各電極板部をそれぞれ略平行に配置してなる平行電極板構造であって、対向する電極板部の内側間隙にスペーサを介在させ各電極板部を拡開方向に付勢して略平行に配置したため、各電極板部の拡開方向への付勢力を利用して各電極板の平行状態を堅実に維持することができる。
【0025】
また、前述の(3)の折畳み電極の各電極板部をそれぞれ略平行に配置してなる平行電極板構造であって、対向する電極板部の外側に保持体を配し各電極板部を狭める方向に付勢して略平行に配置すれば、各電極板部の狭まる方向への付勢力を利用して各電極板の平行状態を堅実に維持することができる。
【0026】
また、本発明に係る積層電極対によれば、前述の(1)の折畳み電極であり各電極板部が互いに略平行となる屈曲構造を有する折畳み電極、又は前述の(4)若しくは(5)の平行電極板構造により各電極板部がそれぞれ略平行に配置された折畳み電極と、同折畳み電極の電極板部の間隙に配置した相対的に逆電位に印加される介装電極板と、を備えることとしたため、折畳み電極の折曲作業の簡便化により構築が容易な積層電極対を提供することができる。
【0027】
また、前記介装電極板の端部を前記折畳み電極の架橋部における屈曲構造の曲率中心位置よりも前記架橋部に接近させて配置すれば、介装電極板の端部近傍における同介装電極板自体や対向する電極板部、架橋部の電解に伴う片減りを可及的に抑制することができる。
【0028】
また、前記介装電極板は、第2の折畳み電極の電極板部であることとすれば、正負両極のいずれについても折畳み電極となり、電解に伴う片減りを相互に抑制することができる。
【図面の簡単な説明】
【0029】
【
図1】本実施形態に係る積層電極対の外観を示した説明図である。
【
図2】介装電極板及び電極板連結体の構成を示した説明図である。
【
図4】オーバーハング構造を備えた折畳み電極、及び平行電極板構造を示した説明図である。
【
図5】スペーサを配した介装電極板の構成を示す説明図である。
【
図6】アンダーハング構造を備えた折畳み電極、及び平行電極板構造を示した説明図である。
【
図7】遮断プレートの装着及び積層電極対の構築過程を示した説明図である。
【
図8】遮断プレートを備えた積層電極対の断面を示す説明図である。
【
図9】本実施形態に係る積層電極対の架橋部近傍における構造を示した説明図である。
【
図10】電極板連結体及び積層電極対の構成を示した説明図である。
【
図11】電極板連結体の構成を示した説明図である。
【
図14】風呂用水素水生成装置における使用例を示す説明図である。
【
図15】電解水素水シャワーヘッドにおける使用例を示す説明図である。
【
図16】電解水素水シャワーヘッドにおける使用例を示す説明図である。
【
図17】電解水素水生成装置の使用例を示す説明図である。
【
図18】電解水素水生成装置における使用例を示す説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0030】
本発明は、複数の電極板部が架橋部を介して連なる一の金属平板より構成された電極板連結体よりなり、前記架橋部に形成した屈曲構造により各電極板部が間隙を介して互いに重畳する折畳み電極に関し、電極板連結体の架橋部での折曲作業をより簡便化することが可能な折畳み電極を提供するものである。
【0031】
また本発明では、同折畳み電極を用い、各電極板部を互いに平行とした平行電極板構造や、これら折畳み電極や平行電極板構造を採用した積層電極対についても提供する。
【0032】
以下、図面を参照しながら、本実施形態に係る折畳み電極、平行電極板構造、積層電極対について詳説する。
【0033】
図1は、本実施形態に係る折畳み電極A1を採用した積層電極対B1の外観を示す説明図である。
図1に示すように積層電極対B1は、電極積層部10と、同電極積層部10より伸延させた2本の導通棒11a及び導通棒11bとを備えており、各導通棒11a,11bに対し相対的に異なる電位の電圧を印加することで、電極積層部10と接触する水を電解可能に構成している。
【0034】
電極積層部10は、折畳み電極A1と、同折畳み電極A1の間隙に介装された介装電極板12とで構成しており、複数枚(本実施形態に係る積層電極対B1では3枚)の板状の電極板が一定の間隙を形成しつつ重畳する構造を有している。特に、本実施形態において電極積層部10の極間の間隙は0.3~1.0mmとしており、電解効率に優れた狭隘電極体を構成している。
【0035】
介装電極板12は
図2(a)に示すように、後述する折畳み電極A1の電極板部14と略同形状(平面視略矩形状)の金属板体であり、折畳み電極A1の対極として機能するものである。任意の構成であるが、介装電極板12には長穴状の孔12aが複数形成されており、電極板間への水の導入が容易になされるよう構成している。また、介装電極板12には破線で示すように導通棒11bが接続される。
【0036】
一方、
図1に示した折畳み電極A1は、
図2(b)に示す電極板連結体13を屈曲させて形成している。電極板連結体13は一枚の金属平板から打ち抜き等によって得られたものであり、複数(本実施形態では2箇所)の電極板部14と、各電極板部14を電気的に接続する架橋部15とを備えており、一点鎖線で示した各架橋部15を横断する線に沿って屈曲させることで折畳み電極A1が形成される。
【0037】
電極板部14は、介装電極板12の対極であって折畳み電極A1の電解機能を発揮する電極板として機能する部位である。任意の構成であるが、本実施形態に係る折畳み電極A1にも、電極板部14に、同電極板部14の連結方向(
図2(a)において上下方向)へ伸延する複数の長穴状の孔14aを形成しており、電極板間への水の導入が容易になされるよう構成している。
【0038】
また、電極板部14には破線で示すように導通棒11aが接続され、折畳み電極A1に対し所定の電圧で電流を供給可能としている。導通棒11aは、電極板連結体13の折畳み前に電極板部14に取付を行ってもよく、また、折畳み後に取り付けても良い。
【0039】
架橋部15は、各電極板部14を電気的に接続しつつ一体的な構成とするための部位である。特に、本実施形態に係る折畳み電極A1の特徴としては、
図1に示すように、この架橋部15に形成する屈曲構造を略半円弧状としている点が挙げられる。なお、架橋部15の数は特に限定されるものでなく、単数でも良いが、
図2(b)に示す如く複数設けることもできる。架橋部15を複数設けると、当該電極板連結体13に折り曲げ加工を行い、折畳み電極、平行電極板構造、積層電極対を形成した際に、電極板相互の平行度を精度よく確保しやすく、また構造的な強度も高めることができ好適である。
【0040】
図3は、
図1の積層電極対B1についてP1-P1線における断面を模式的に示した説明図である。なお、折畳み電極A1と介装電極板12との間隔や厚み、位置関係、詳細な構成等は、説明の便宜上、一部省略や誇張して示す場合があり、その他の図面もまた同様である。折畳み電極A1の形成にあたっては、
図2(b)にて電極板連結体13に示した折畳み線に沿って架橋部15の折畳みを行うのであるが、この際、
図3に示すように、架橋部15に略半円弧状の屈曲構造を形成する。
【0041】
このような構成とすることにより、従来の折畳み電極の如く架橋部の2箇所の根元をそれぞれ高精度で直角に折曲させる煩雑な作業を伴わず、折曲作業を極めて簡便なものとすることができる。なお、屈曲構造は折曲加工のほか、プレス加工等によっても形成することができる。また、屈曲構造は典型的には折曲加工により形成される自然屈曲構造であり、そのため当該屈曲構造は正確に半円弧形状である必要はない。また、折畳み電極A1の各電極板部14や介装電極板12は、例えば板厚が0.1mm~1.0mm、より好ましくは0.2mm~0.5mmとすることができ、材質としては、例えば、白金をメッキしたチタン板などを用いることができる。
【0042】
また、この折畳み電極A1における半円弧状の屈曲構造は、例えば
図4の左図に示すように、各電極板部が自由状態において互いに略平行となる屈曲構造(以下、平行時屈曲構造ともいう。)よりも強い屈曲、すなわち急な曲げとしても良い。なお、以下の説明において、このような平行時屈曲構造よりも急な曲げとした屈曲構造を、便宜上オーバーハング構造ともいう。
【0043】
屈曲構造の形成時において、このようなオーバーハング構造が許容される場合、互いの電極板部14が正確に平行となるような架橋部15の形成作業を必ずしも行う必要がなく折曲作業をより簡便化することができる。
【0044】
また、オーバーハング構造を備える折畳み電極A1の各電極板部14をそれぞれ略平行に配置してなる平行電極板構造を構築するにあたり、
図4の右図に示すように、対向する電極板部14の内側間隙にスペーサ16を介在させることで電極板部14同士の平行を保つよう構成しても良い。
【0045】
このスペーサ16の設置は、例えば具体例を挙げるならば、
図5に示すように、介装電極板12にスペーサ16の嵌着孔17を形成しておき、嵌着孔17に対しスペーサ16を表裏突出状態に嵌着させ、同スペーサ16の係止爪16aで係止することにより、介装電極板12の表裏側に配される電極板部14との間隔を保持するよう形成することもできる。
【0046】
このような構成とすることにより、各電極板部14をそれぞれ略平行に配置した際に各電極板部14を拡開方向に付勢することができ、この付勢力、すなわち復元しようとする力を利用して各電極板の平行状態を堅実に維持することができる。
【0047】
また、同じくこの屈曲構造について、自由状態において
図6の左図に示すような平行時屈曲構造よりも弱い屈曲、すなわち、緩やかな曲げとすることもできる。なお、以下の説明において、このような平行時屈曲構造よりも緩やかな曲げとした屈曲構造を、便宜上アンダーハング構造ともいう。
【0048】
このアンダーハング構造を形成する場合も、先述のオーバーハング構造の形成と同様、平行電極板構造を構築するにあたり、互いの電極板部が正確に平行となるような折曲作業を必ずしも行う必要がなく折曲作業をより簡便化することができる。
【0049】
また、アンダーハング構造を備える折畳み電極A1の各電極板部14をそれぞれ略平行に配置してなる平行電極板構造を構築するにあたり、
図6の右図に示すように、対向する電極板部14の外側に保持体18を配することで電極板部14同士の平行を保つよう構成しても良い。
【0050】
このような構成とすることにより、各電極板部14をそれぞれ略平行に配置した際に各電極板部14を狭める方向に付勢することができ、この付勢力、すなわち復元しようとする力を利用して各電極板の平行状態を堅実に維持することができる。なお、このアンダーハング構造を備える折畳み電極A1の平行電極板構造においても、
図4左図にて示したオーバーハング構造の場合と同様、電極板間にスペーサ16を介在させるようにしても良い。
【0051】
ところで、電解水生成装置は、使用する水の水質によって電気分解の効率などに影響を受ける。水は地域によって硬度、すなわち水に溶存するカルシウムやマグネシウムなどのミネラル成分の量が異なる。硬度によって水の電気伝導率(導電率)が異なり、硬度の高い水では導電率が高くなり、伴い電解電圧が低下する。電解電圧が低下すると発生した気体がマイクロバブル化しにくくなり、発生した水素が水に溶存する効率が低下してしまう。
【0052】
そのため、硬度の高い地域で用いる電解水生成器においては電圧を高める設定とすることが望ましいが、そのためには回路の変更や電解電極の形状変更など、コストや時間のかかる大幅な設計変更が必要である。
【0053】
そこで、大幅な設計変更等を伴うことなくこのような場合に対処するために、本実施形態では
図7の左図に示すような遮断プレート23を電極板部14と介装電極板12との間に装着することについても提案する。
【0054】
この遮断プレートは既成の積層電極対の電極板間に配置することが可能な形状で、これを挿入することにより電極板間を部分的に遮断し、実効的に電極面積を減少させることができる。この遮断プレートの面積を変えることで電解電圧を調整することができ、硬度に合わせて適正な電解電圧を簡便に設定することができる。
【0055】
遮断プレートは絶縁性、耐水性がある物質で構成することが適しており、たとえばポリエチレン、ポリプロピレン、ポリエチレンテレフタレート、ポリカーボネート、PMMA樹脂、ABS樹脂などが好適である。
【0056】
例えば本実施形態の場合、介装電極板12の一方の面に遮断プレート23を装着し、
図7の右図の如くこの遮断プレート23が装着された介装電極板12を折畳み電極A1の電極板部14間に介装して積層電極対B1を構築する。
【0057】
このようにして構築された積層電極対B1は、
図8(a)に示すように、電極板部14と介装電極板12との間隙のうち、遮断プレート23が装着された領域において電解が妨げられることとなり、電極の実効面積を減少させることで電解電圧を高めることができ、水の硬度に合わせた適正な電解電圧を容易に設定することが可能である。
【0058】
なお、この遮断プレート23は必ずしも1箇所のみに設けられるものではなく、介装電極板12と電極板部14との間であればいずれにも適用することができ、例えば
図8(b)に示すように、介装電極板12の表裏両側に遮断プレート23を装着して、水の硬度等に応じて電解面積を制限するよう適宜調整できる。
【0059】
また、上述してきたように、本発明は折畳み電極A1と介装電極板12とを用いて構築した積層電極対を提供するものであるが、折畳み電極A1の電極板部14同士が元々平行である場合や、オーバーハング構造又はアンダーハング構造により元々は非平行状態であるものの本実施形態に係る平行電極板構造によって各電極板部14がそれぞれ略平行に配置されている場合において、この折畳み電極A1と介装電極板12との位置関係に関し、
図9(a)に示すように、介装電極板12の端部12bを折畳み電極A1の架橋部15における屈曲構造の曲率中心位置Q1よりも架橋部15に接近させて配置した積層電極対としても良い。例えば
図9(a)の例でいえば、介装電極板12の端部12bを曲率中心位置Q1よりもd4の長さだけ架橋部15に接近させて配置している。なお、以下の説明において、このような構造を便宜上、介装電極端の架橋部接近構造ともいう。
【0060】
また、端部12bから架橋部15の対向面までの長さd2やd3は、電極板間隙の長さd1に比してd1±20%程度の長さとしている。
【0061】
このような構成とすることにより、折畳み電極A1の架橋部15においても無駄なく電解に寄与させることができると共に、介装電極板12の端部近傍における同介装電極板12自体や、対向する電極板部14、架橋部15の電解に伴う片減りを可及的に抑制することができる。
【0062】
また、
図9(b)は、介装電極端の架橋部接近構造における、より好適な例を示した説明図である。
図9(b)は、
図9(a)にて示した介装電極端の架橋部接近構造と略同様に、長さd5の分だけ介装電極板12の端部12bを曲率中心位置Q1よりも架橋部15に接近させて配置しているが、この端部12bの形状をアール形状化している点で構成を異にしている。
【0063】
このような構成とすることにより、端部12bから架橋部15の対向面までの長さを、電極板間隙の長さd1と略同じ長さとすることができ、片減りをより緩和することができる。
【0064】
またこれまでの折畳み電極の説明は、
図2(b)に示したように、電極板部14を2つ備えた電極板連結体13により構成される折畳み電極A1の例を中心に展開したが、電極板部14の数は複数であれば特に限定されるものではない。
【0065】
例えば
図10(a)に示すように、3つの電極板部14を備える電極板連結体19であったり、又はそれ以上の数の電極板部14を備える電極板連結体によっても構築することが可能である。
【0066】
例えば
図10(a)に示す電極板連結体19は、3枚の電極板部14がそれぞれ架橋部15を介して連なる一の金属平板より構成しており、架橋部15を横断する仮想線L1(一点鎖線で示す)及びL2(二点鎖線で示す)を山折りと谷折り、若しくは谷折りと山折りの如く交互に屈曲構造を形成することで、
図10(b)に示すような3枚の重畳した電極板部14を備える折畳み電極A2を構築することができる。
【0067】
また、この折畳み電極A2を用いて積層電極対B2を構築する場合には、破線で示すように折畳み電極A2の間隙にそれぞれ介装電極板12を配置することで行っても良い。このとき、積層電極対B2は、先述のオーバーハング構造やアンダーハング構造、介装電極端の架橋部接近構造を備えても良いのは勿論であり、先述の平行電極板構造を採用することができる。
【0068】
また、折畳み電極の電極板部14に介装する介装電極板は、
図2(a)で示したように必ずしも1枚の電極板である必要はなく、双方を折畳み電極とし、一方は他方の介装電極板として機能することとしても良い。
【0069】
すなわち
図11(a)に示すように、例えば3枚の電極板部14を備える電極板連結体20の架橋部15に屈曲構造を形成して第1の折畳み電極A3としつつ、
図11(b)に示す2枚の電極板部14を備える電極板連結体21の架橋部15に屈曲構造を形成して第2の折畳み電極A4とし、一方の折畳み電極の間隙に他方の折畳み電極を介装することで
図12(a)に示すような積層電極対B3とすることもできる。なお、折畳み電極の介装に際しては、一方(例えば、第1の折畳み電極A3)の架橋部15間の長さK1を、他方(例えば、第2の折畳み電極A4)の最も一側寄りの架橋部15から他側端部までの長さK2よりも大きくすることで、容易に介装作業を行うことができる。
【0070】
図12(b)は、
図12(a)のP2-P2断面を模式的に示した説明図である。このようにして構成した積層電極対B3は、第1の折畳み電極A3及び第2の折畳み電極A4の双方が、いずれも同極となる電極板部14同士が予め架橋部15によって電気的に接続されているため、積層電極対の構築作業を飛躍的に容易なものとすることができる。
【0071】
また、この積層電極対B3においても、介装電極端の架橋部接近構造を備えることにより、正負両極のいずれについても折畳み電極となり、電解に伴う片減りを相互に抑制することができる。
【0072】
また更には、この積層電極対B3においても、先述のオーバーハング構造やアンダーハング構造を備えても良いのは勿論である。
【0073】
例えば、積層電極対B3においてオーバーハング構造を備える場合には、
図13に示すように各電極板部14の間にスペーサ部材22を介在させることで平行電極板構造を形成することができる。
【0074】
すなわち、この外観視略矩形状のスペーサ部材22には、その一面にスリット状の溝部22aが刻設されており、この溝部22aに積層電極対B3の側面部から所定の電極板部14を挿入することで、オーバーハング構造に由来したスペーサ部材22による拡開方向への付勢力によって、各電極板部14間の間隙を堅実に保持しつつ、積層電極対B3の一体的な状態を保つことができる。
【0075】
次に、上述してきた本実施形態に係る折畳み電極や平行電極板構造を採用した積層電極対の使用例について説明する。
【0076】
〔第1使用例〕
本第1の使用例は、浴湯など水中に没して電解水を放散させる装置、より具体的には、水の電気分解により生成した水素や水素水を浴湯中に拡散させる風呂用水素水生成装置D1である。
【0077】
風呂用水素水生成装置D1は、
図14(a)に示すように、浴槽30内の底部31に配置し、浴槽30内の浴湯34に電解水素水を供給するための装置である。
【0078】
風呂用水素水生成装置D1は、
図14(b)に示すように、上面視円形で全体的に角部のない偏平形状の化粧筐体32の内部に、水素水生成本体部33を収容して構成している。
【0079】
水素水生成本体部33は水没させても浸水しないよう水密状に形成されており、その内部には、二次電池や制御・充電基板を備え、浴湯の電気分解に必要なエネルギーを蓄えたり、供給可能に構成している。
【0080】
また、水素水生成本体部33の上部周縁には、4つの積層電極対B1が備えられている。この各積層電極対B1は、導通棒11a,11bを介して制御・充電基板と電気的に接続されており、これらの制御により接触している水の電気分解が行われる。
【0081】
そして、電気分解により生じた電解水素水は、
図14(a)に示す如く化粧筐体32の上部に形成された放出口32aを介して浴湯中に拡散することとなる。
【0082】
このような構成を備える風呂用水素水生成装置D1によれば、電解の為の電極として本実施形態に係る積層電極対B1を備えているため、水素水生成本体部33内の二次電池に蓄えられた限られた電力を利用しつつ、電解水素水の生成を効率的に生成することができる。
【0083】
〔第2使用例〕
本第2の使用例は、電解水を吐水するシャワー、より具体的には、水の電気分解により生成した水素や水素水を浴用に供することができる電解水素水シャワーヘッドD2である。
図15は、電解水素水シャワーヘッドD2の分解説明図を示している。
【0084】
図15に示すように電解水素水シャワーヘッドD2は、シャワー本体40と蓄電体41とで構成され、また、シャワー本体40は、ステム部42とヘッド部43とを備えており、更にステム部42は、外筒体44と、電解部45とで構成している。
【0085】
蓄電体41は、シャワー本体40にて電解を行うために必要なエネルギーを供給するための電力を蓄えておく役割を有している。具体的には、蓄電体41の内部には二次電池が収容されており、ヘッド部43の背面43aに装着することで、シャワー本体40の電解部45に電力を供給可能に構成している。
【0086】
外筒体44は、上方へ拡開するテーパー筒状の部材であり、使用者が把持する把持部として機能する。また、次に述べる電解部45の外方を囲繞する外筒としての役割も有している。
【0087】
また、外筒体44の下部には雄ネジ部44aが形成されており、所定の金具等を介して図示しない水道設備などから湯水を供給するホースと接続可能としている。
【0088】
また、外筒体44の上部には雌ネジ部44bが形成されており、ヘッド部43の接続口43bの外周に形成された雄ネジ部43cと接続可能に構成している。
【0089】
電解部45は、供給された湯水をヘッド部43へ導くと共に湯水を電気分解するための部材であり、外筒体44の内部に収容された内筒として機能して、外筒体44と共に二重筒構造のステム部42を構成するものである。
【0090】
具体的には、電解部45の下部には湯水の流入口45aを形成する一方、上部には電解部45内で生成した電解水素水の流出口45bを形成しており、ホースより供給される湯水を流入口45aを介して電解部45内へ導いて電解し、電解水素水を流出口45bを介して電解部45からヘッド部43内へ供給する。ヘッド部43に至った電解水素水は、同ヘッド部43の前面に形成された散水部43bより散水される。
【0091】
また、電解部45の上部には、陽極端子45c及び陰極端子45dが配設されており、電解部45の内部に収容した積層電極対B3に対し、蓄電体41からの電力を供給可能としている。
【0092】
図16は、電解部45の内部構造を示した分解斜視図である。電解部45は、蓋部50と積層電極対B3とケース体52と連結リング53とで構成している。
【0093】
蓋部50は、ケース体52の上部開口を閉蓋するための部材であり、円盤状の蓋本体54の上面に形成した台部55には略中央に流出口45bが突設され、また流出口45bの側方には電極棒露出孔55a,55bがそれぞれ形成されている。
【0094】
電極棒露出孔55a,55bは、後述する積層電極対B3の導通棒60a,60bを電解部45の外表面に露出させて陽極端子45c及び陰極端子45dを構成するための孔であり、その内周には電解部45内の水を漏出を防止するためのパッキン55cがそれぞれ配設されている。
【0095】
ケース体52は、下方へ向けて緩やかに狭窄する有底筒状の筒胴部52aを備え、その内部は積層電極対B3を収容する電極体収容空間52cとしている。
【0096】
連結リング53はリング状の部材であり、ケース体52を挿通させた状態で蓋部50に螺合させ電解部45を一体的に構成するための連結部材である。
【0097】
積層電極対B3は、先述の如く第1の折畳み電極A3と第2の折畳み電極A4とを組み合わせて形成した電極対であり、ここでは第1の折畳み電極A3の架橋部15に導通棒60aを、第2の折畳み電極A4の架橋部15に導通棒60bを配設し、積層電極対B3での電解に必要な電力の供給を可能としている。なお、蓋部50の上部に示す符号50aは、電極棒露出孔55a,55bから露出させた導通棒60a,60bに導線等を接続するための接続部材である。
【0098】
そしてこのような構成を備える電解水素水シャワーヘッドD2によれば、本実施形態に係る積層電極対B3を備えているため、蓄電体41内の二次電池に蓄えられた限られた電力を利用しつつ、電解水素水の生成を効率的に生成することができる。
【0099】
また、本第2の使用例において積層電極対B3は、各電極板部14の伸延方向を、ケース体52内の流水方向に沿わせて配設している。
【0100】
従って、水道設備等からの水勢を阻害することなく各電極板部14間に水を流通させて、十分な量の湯水をヘッド部43から吐出させることができる。
【0101】
〔第3の使用例〕
次に、第3の使用例について説明する。本第3の使用例は、
図17に示すように、水筒状とした可搬型の電解水生成装置に関するものであり、より具体的には、水の電気分解により生成した水素や水素水を飲用に供することができる電解水素水生成装置D3である。
【0102】
図18(a)は、電解水素水生成装置D3の構成を示した断面模式図である。
図18(a)に示すように電解水素水生成装置D3は、水を収容可能に構成した装置本体部70と、同装置本体部70の上部開口を閉蓋する蓋部71とで構成している。
【0103】
装置本体部70は、中空状に形成された筐体72の内部空間を隔壁72aで上下分割し、上部は水を収容するための貯水部として機能する貯水空間73とする一方、下部は制御機構等を収容するための制御系収容空間74としている。
【0104】
制御系収容空間74には、バッテリー75と、スイッチ76と、コネクタ77とが、制御部78と電気的に接続された状態で配設されている。
【0105】
バッテリー75は、電解水素水生成装置D3で消費される電力の供給を行う二次電池であり、スイッチ76は、電解水素水生成装置D3の稼動・停止を制御するためのスイッチである。
【0106】
コネクタ77は、バッテリー75を充電する際にACアダプタ79のプラグ79aが差し込まれる部位であり、電源ケーブル79bを通じ、制御部78を介してバッテリー75への充電が行われる。また、使用時にはコネクタ77からプラグ79aを抜くことで、電解水素水生成装置D3を商用電源に拘束されることなく持ち運ぶことができ、電解水素水を常時調製可能としている。
【0107】
一方、貯水空間73には、
図18(b)で示すように、先述のスペーサ部材22を介在させた積層電極対B3を配置して、貯水空間73内に供給された飲用水を電解可能に構成している。
【0108】
また、
図17に示すように使用者Hは、電解水素水生成装置D3をバッグなどに収容した状態で携行するものであるため、使用者Hが移動する際には随時、電解水素水生成装置D3に振動が生じる。すなわち、電解水素水生成装置D3の筐体72自体が振動源となり、積層電極対B3に対して振動を与え、電解水素水の生成効率を向上可能としている。
【0109】
そして、このような構成を備える電解水素水生成装置D3によれば、本実施形態に係る積層電極対B3を備えているため、可搬型であるため小型軽量化が求められ、また、商用電源からも切り離された状態で使用される機器でありながら、筐体やバッテリーを小型とした場合であっても、良好な電解効率と優れた電解水の生成効率を発揮させることができる。
【0110】
上述してきたように、本実施形態に係る折畳み電極によれば、電極板連結体の架橋部での折曲作業をより簡便化することが可能となる。
【0111】
また、同折畳み電極を用い、各電極板部を互いに平行とした平行電極板構造や、これら折畳み電極や平行電極板構造を採用した積層電極対によれば、付勢力を利用して各電極板の平行状態を堅実に維持したり、電解に伴う片減りを可及的に抑制することができる。
【0112】
更には、本実施形態に係る折畳み電極及び同折畳み電極を用いた平行電極板構造並びに積層電極対を電解水生成装置に採用することで、電解水生成装置の製造上の組立等を簡便化しつつ、効率的な電解が可能であり、狭隘な電極間隙による短絡や片減りなどのトラブルが抑制された電解水生成装置を提供することができる。
【0113】
最後に、上述した各実施の形態の説明は本発明の一例であり、本発明は上述の実施の形態に限定されることはない。このため、上述した各実施の形態以外であっても、本発明に係る技術的思想を逸脱しない範囲であれば、設計等に応じて種々の変更が可能であることは勿論である。
【符号の説明】
【0114】
10 電極積層部
12 介装電極板
12b 端部
13 電極板連結体
14 電極板部
15 架橋部
16 スペーサ
18 保持体
19~21 電極板連結体
22 スペーサ部材
A1 折畳み電極
A2 折畳み電極
A3 第1の折畳み電極
A4 第2の折畳み電極
B1 積層電極対
B2 積層電極対
B3 積層電極対
D1 風呂用水素水生成装置
D2 電解水素水シャワーヘッド
D3 電解水素水生成装置
Q1 曲率中心位置