(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-05-13
(45)【発行日】2024-05-21
(54)【発明の名称】フラットシート付き車両
(51)【国際特許分類】
B60N 2/34 20060101AFI20240514BHJP
B60N 2/02 20060101ALI20240514BHJP
B60N 2/01 20060101ALI20240514BHJP
B60N 3/00 20060101ALI20240514BHJP
B60N 2/75 20180101ALI20240514BHJP
B60N 2/56 20060101ALI20240514BHJP
B60R 7/04 20060101ALI20240514BHJP
【FI】
B60N2/34
B60N2/02
B60N2/01
B60N3/00 Z
B60N2/75
B60N3/00 A
B60N2/56
B60R7/04 S
(21)【出願番号】P 2019205192
(22)【出願日】2019-11-13
【審査請求日】2022-08-16
(31)【優先権主張番号】10-2019-0065598
(32)【優先日】2019-06-03
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(73)【特許権者】
【識別番号】591251636
【氏名又は名称】現代自動車株式会社
【氏名又は名称原語表記】HYUNDAI MOTOR COMPANY
【住所又は居所原語表記】12, Heolleung-ro, Seocho-gu, Seoul, Republic of Korea
(73)【特許権者】
【識別番号】500518050
【氏名又は名称】起亞株式会社
【氏名又は名称原語表記】KIA CORPORATION
【住所又は居所原語表記】12, Heolleung-ro, Seocho-gu, Seoul, Republic of Korea
(74)【代理人】
【識別番号】110000051
【氏名又は名称】弁理士法人共生国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】車 東 垠
(72)【発明者】
【氏名】黄 珍 皓
(72)【発明者】
【氏名】李 尚 憲
【審査官】瀧本 絢奈
(56)【参考文献】
【文献】特表2009-538251(JP,A)
【文献】実開平07-037770(JP,U)
【文献】特表2009-504510(JP,A)
【文献】実開平05-082650(JP,U)
【文献】特開平07-218160(JP,A)
【文献】特開2018-144547(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2010/0007163(US,A1)
【文献】特開2005-041242(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B60N 2/00- 2/90
B60N 3/00
B60R 3/00- 3/04
F28D 15/02
B64D 11/06
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
下方に湾入したレッグ溝を有する車両のフロア部と、
前記フロア部に設けられたシートバックと、
前記シートバックの前方に位置し、フロア部に設けられたシートクッションと、
前記フロア部のレッグ溝に設けられ、展開時にレッグ溝を閉鎖してシートクッション及びフロア部と一緒に床面を構成するようにし、収納時にレッグ溝を開放するレッグクッションと、を含むことを特徴とするフラットシート付き車両。
【請求項2】
前記レッグクッションは、後方部がシートクッションに回転可能に結合し、レッグクッションの下方回転によりレッグ溝が開放されるか、或いはレッグクッションの上方回転によりシートクッション及びフロア部と一緒に床面を構成することを特徴とする請求項1に記載のフラットシート付き車両。
【請求項3】
前記フロア部に固設されたスライディングレールをさらに含み、
前記シートバックは、第1の駆動部の動作によって前後方向にスライドするようにスライディングレールに締結されたことを特徴とする請求項1に記載のフラットシート付き車両。
【請求項4】
前記レッグクッションは第2の駆動部の動作によって上方回転または下方回転することを特徴とする請求項3に記載のフラットシート付き車両。
【請求項5】
前記シートバックが前後方向にスライドするように第1の駆動部を制御するか、或いはレッグクッションが上下方向に回転するように第2の駆動部を制御する制御部をさらに含み、
シートモードの場合には、制御部は、第1の駆動部及び第2の駆動部を制御することにより、シートバックが前方にスライドするようにし、レッグクッションが下方に回転するようにし、
スリープモードの場合には、制御部は、第1の駆動部及び第2の駆動部を制御することにより、シートバックが後方にスライドするようにし、レッグクッションが上方に回転するようにすることを特徴とする請求項4に記載のフラットシート付き車両。
【請求項6】
前記フロア部におけるスライディングレールの下方に湾入した第1の収納空間が形成され、第1の収納空間の上方に設けられてスライドすることにより第1の収納空間を開放または閉鎖させるカバーパネルをさらに含むことを特徴とする請求項3に記載のフラットシート付き車両。
【請求項7】
前記カバーパネルは、シートバックが前方にスライドした場合にはシートバックによって隠され、シートバックが後方にスライドした場合には露出することを特徴とする請求項6に記載のフラットシート付き車両。
【請求項8】
シートユニットは複数個が設けられ、複数のシートユニットは、一対ごとにそれぞれ正面部が互いに対向するように車両のフロア部に配置されることを特徴とする請求項1に記載のフラットシート付き車両。
【請求項9】
前記フロア部における、互いに対向するシートユニット同士の間に設けられ、それぞれのレッグ溝が分割されるように配置された分割パネルをさらに含むことを特徴とする請求項8に記載のフラットシート付き車両。
【請求項10】
前記フロア部におけるシートクッションの側方に設けられ、第3の駆動部の動作によってシートクッションよりも上方に係止段を形成するか、或いは第3の駆動部の動作によってシートクッション及びフロア部と一緒に床面を構成するアームレストパネルをさらに含むことを特徴とする請求項1に記載のフラットシート付き車両。
【請求項11】
シートユニットの外方に位置したドアの一側に設けられたパネル形状であり、第4の駆動部の動作によって回転することによりシートクッションまたはレッグクッションの上方に配置されるテーブルパネルをさらに含むことを特徴とする請求項1に記載のフラットシート付き車両。
【請求項12】
前記テーブルパネルを回転運動させるために第4の駆動部を制御する制御部をさらに含み、
シートモードの場合には、制御部は、テーブルパネルがシートクッションまたはレッグクッションの上方に配置されるように第4の駆動部を制御し、
スリープモードの場合には、制御部は、テーブルパネルがシートクッションまたはレッグクッションの上方に配置されないように第4の駆動部を制御することを特徴とする請求項11に記載のフラットシート付き車両。
【請求項13】
前記フロア部の下方に高電圧バッテリーが設けられ、シートクッションは熱伝達部を介して高電圧バッテリーに接続されたことを特徴とする請求項1に記載のフラットシート付き車両。
【請求項14】
熱伝達部はヒートパイプから構成されたことを特徴とする
請求項13に記載のフラットシート付き車両。
【請求項15】
前記フロア部におけるシートクッションの下方に配置され、フロア部の側方から車両の内方に湾入した第2の収納空間が形成され、車両のドア開放時に第2の収納空間が開放されることを特徴とする請求項1に記載のフラットシート付き車両。
【請求項16】
前記フロア部の側方に設けられ、車両の外方または内方にスライドするパネル形状であり、ドアの開放時に車両の外方にスライドし、ドアの閉鎖時には車両の内方にスライドするシューパネルをさらに含むことを特徴とする請求項1に記載のフラットシート付き車両。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、フラットシート付き車両に係り、より詳しくは、車両のシート分野において車室空間で搭乗者が横になれるようにフラットスペースが形成されるフラットシート付き車両に関する。
【背景技術】
【0002】
一般に、車両は、輸送または運搬手段として用いられる。車両は、搭乗者または乗客を輸送するために、車室空間内に着座空間を提供するシートが搭載される。殆どのシートは、シートバックがリクライニングされることにより、搭乗者がある程度横になれる空間が形成される。ところが、シートバックがシートクッションと水平をなす程度にリクライニングされるとしても、搭乗者は、限られた空間でのみ横になることができた。また、レッグクッションなどが設けられてレッグクッションが搭乗者の脚を支持しても、搭乗者は完全にフラットな空間が確保されないことにより、長時間走行の際に疲労感が累積するという問題点があった。
かかる問題点を解決するための新しい概念の車両が求められている。
前記背景技術として説明された事項は、本発明の背景に対する理解増進のためのものに過ぎず、当該技術分野における通常の知識を有する者に、既に知られている従来技術に該当することを認めるものと受け入れられてはならないであろう。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明は、かかる問題点を解決するためになされたものであって、その目的とするところは、車両のシート分野において車室空間で搭乗者が横になれるようにフラットスペースが形成されるフラットシート付き車両を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記の目的を達成するための本発明に係るフラットシート付き車両は、
下方に湾入したレッグ溝を有する車両のフロア部と、フロア部に設けられたシートバックと、シートバックの前方に位置し、フロア部に設けられたシートクッションと、フロア部のレッグ溝に設けられ、展開時にレッグ溝を閉鎖してシートクッション及びフロア部と一緒に床面を構成するようにし、収納時にレッグ溝を開放するレッグクッションと、を含むことを特徴とする。
【0006】
レッグクッションは、後方部がシートクッションに回転可能に結合し、レッグクッションの下方回転によりレッグ溝が開放されるか、或いはレッグクッションの上方回転によりシートクッション及びフロア部と一緒に床面を構成することを特徴とする。
【0007】
フロア部に固設されたスライディングレールをさらに含み、シートバックは、第1の駆動部の動作によって前後方向にスライドするようにスライディングレールに締結されることを特徴とする。
【0008】
レッグクッションは、第2の駆動部の動作によって上方回転または下方回転することを特徴とする。
【0009】
シートバックが前後方向にスライドするように第1の駆動部を制御するか、或いはレッグクッションが上下方向に回転するように第2の駆動部を制御する制御部をさらに含み、
シートモードの場合には、制御部は、第1の駆動部及び第2の駆動部を制御することにより、シートバックが前方にスライドするようにし、レッグクッションが下方に回転するようにし、
スリープモードの場合には、制御部は、第1の駆動部及び第2の駆動部を制御することにより、シートバックが後方にスライドするようにし、レッグクッションが上方に回転するようにすることを特徴とする。
【0010】
フロア部におけるスライディングレールの下方に湾入した第1の収納空間が形成され、第1の収納空間の上方に設けられてスライドすることにより第1の収納空間を開放または閉鎖させるカバーパネルをさらに含むことを特徴とする。
【0011】
カバーパネルは、シートバックが前方にスライドした場合にはシートバックによって隠され、シートバックが後方にスライドした場合には露出することを特徴とする。
【0012】
シートユニットは、複数個設けられ、複数のシートユニットは、一対ごとにそれぞれ正面部が互いに対向するように車両のフロア部に配置されることを特徴とする。
【0013】
フロア部における、互いに対向するシートユニット同士の間に設けられ、それぞれのレッグ溝が分割されるように配置された分割パネルをさらに含むことを特徴とする。
【0014】
フロア部におけるシートクッションの側方に設けられ、第3の駆動部の動作によってシートクッションよりも上方に係止段を形成するか、或いは第3の駆動部の動作によってシートクッション及びフロア部と一緒に床面を構成するアームレストパネルをさらに含むことを特徴とする。
【0015】
シートユニットの外方に位置したドアの一側に設けられたパネル形状であり、第4の駆動部の動作によって回転することによりシートクッションまたはレッグクッションの上方に配置されるテーブルパネルをさらに含むことを特徴とする。
【0016】
テーブルパネルを回転運動させるために第4の駆動部を制御する制御部をさらに含み、シートモードの場合には、制御部は、テーブルパネルがシートクッションまたはレッグクッションの上方に配置されるように第4の駆動部を制御し、スリープモードの場合には、制御部は、テーブルパネルがシートクッションまたはレッグクッションの上方に配置されないように第4の駆動部を制御することを特徴とする。
【0017】
フロア部の下方に高電圧バッテリーが設けられ、シートクッションは、熱伝達部を介して高電圧バッテリーに接続されることを特徴とする。
【0018】
熱伝達部はヒートパイプから構成されることを特徴とする。
【0019】
フロア部におけるシートクッションの下方に配置され、フロア部の側方から車両の内方に湾入した第2の収納空間が設けられ、車両のドア開放の際に第2の収納空間が開放されることを特徴とする。
【0020】
フロア部の側方に設けられ、車両の外方または内方にスライドするパネル形状であり、ドアの開放時に車両の外方にスライドし、ドアの閉鎖時には車両の内方にスライドするシューパネルをさらに含むことを特徴とする。
【発明の効果】
【0021】
本発明のフラットシート付き車両によれば、車室空間で搭乗者が横になれるようにフラットスペースが形成できるという利点がある。
特に、完全な水平面を有するフラットスペースが形成されることにより、長時間の走行でも搭乗者が楽な状態で移動することができるという利点がある。
【図面の簡単な説明】
【0022】
【
図1】本発明の一実施形態に係るフラットシート付き車両を示す図である。
【
図2】本発明の一実施形態に係るフラットシート付き車両のスリープモードを示す図である。
【
図3】本発明の一実施形態に係るテーブルパネルを示す図である。
【
図4】本発明の一実施形態に係る第1の収納空間を示す図である。
【
図5】本発明の一実施形態に係るシートクッションと高電圧バッテリーとが接続された状態を示す図である。
【
図6】本発明の一実施形態に係るシートユニットを示す図である。
【
図7】本発明の一実施形態に係るシューパネルを示す図である。
【
図8】本発明の一実施形態に係るフラットシート付き車両のスリープモードを示す図である。
【
図9】本発明の一実施形態に係るフラットシート付き車両のシートモード及びスリープモードの制御図である。
【発明を実施するための形態】
【0023】
図1は本発明の一実施形態に係るフラットシート付き車両を示す図、
図2はフラットシート付き車両のスリープモードを示す図、
図3はテーブルパネルを示す図、
図4は第1の収納空間を示す図、
図5はシートクッションと高電圧バッテリーとが接続された状態を示す図、
図6はシートユニットを示す図、
図7はシューパネルを示す図、
図8はフラットシート付き車両のスリープモードを示す図、
図9はフラットシート付き車両のシートモード及びスリープモードの制御図である。
図1に示すように、本発明に係るフラットシート付き車両は、下方に湾入したレッグ溝H10を有する車両のフロア部10と、フロア部10に設けられたシートバック20と、シートバック20の前方に位置し、フロア部10に設けられたシートクッション30と、フロア部10のレッグ溝H10に設けられ、展開時にレッグ溝H10を閉鎖してシートクッション30及びフロア部10と一緒に床面を構成するようにし、収納時にレッグ溝H10を開放するレッグクッション40とを含んでなる。
【0024】
本発明に係るフラットシート付き車両は、フロア部10が設けられる。フロア部10は、車室空間の床面を構成する。フロア部10には、下方に湾入したレッグ溝H10が設けられる。したがって、レッグ溝H10は、搭乗者の着座の際に搭乗者が足または下半身を置くことができる空間を提供するものである。また、本発明には、シートバック20、シートクッション30及びレッグクッション40が設けられる。シートバック20は、下端部が回転することによりリクライニングできる。
図6に示すように、シートクッション30はシートバック20の前方に位置する。また、レッグクッション40は、展開時にレッグ溝H10を閉鎖してシートクッション30及びフロア部10と一緒に床面を構成するようにし、収納時にレッグ溝H10を開放する。
さらに具体的には、レッグクッション40は、後方部がシートクッション30に回転可能に結合し、レッグクッション40の下方回転によりレッグ溝H10が開放されるか、或いはレッグクッション40の上方回転によりシートクッション30及びフロア部10と一緒に床面を構成することができる。
【0025】
本明細書では、一つのセットをなすシートバック20、シートクッション30及びレッグクッション40をシートユニットSと定義する。
図1に示す通り、複数のシートユニットS、S’、S”、S’”が設けられる。ここで、左側のシートユニットS’と右側のシートユニットSについて考察する。右側のシートユニットSは、レッグクッション40が下方に回転することによりレッグ溝H10が開放される。よって、搭乗者の着座の際に、搭乗者は、レッグ溝H10に自分の足または下半身を置くことにより着座をすることができる。左側のシートユニットS’は、レッグクッション40が上方に回転することによりレッグ溝H10が閉鎖され、シートクッション30及びレッグクッション40がフロア部10と一緒に床面を構成することにより、フラットスペースTが形成される。この場合、搭乗者はフラットスペースTで横になることができる。フラットスペースTが形成される場合、フロア部10、シートクッション30及びレッグクッション40が一緒に床面を構成することにより、搭乗者は、横になれる空間を広く確保することができる。従来の車両の場合、搭乗者は、限られた空間でのみ着座するかある程度寄りかかって横になるので、長期間の走行時には疲労感が累積した。しかし、本発明は、シートクッション30及びレッグクッション40以外にも、フロア部10にも搭乗者が横になれるようにするフラットスペースTが形成される。よって、搭乗者の挙動が自由になるので、長期間の走行時でも搭乗者が楽な状態で移動することができるのである。
【0026】
図6は本発明のシートユニットを示す図である。本発明に係るフラットシート付き車両は、フロア部10に固設されたスライディングレール50をさらに含み、シートバック20は、第1の駆動部M1の動作によって前後方向にスライドするようにスライディングレール50に締結できる。本発明は、スライディングレール50が設けられる。シートバック20は、スライディングレール50に締結されて前後方向にスライドすることができる。この場合、第1の駆動部M1が設けられ、第1の駆動部M1の動作によってシートバック20がスライドすることができる。第1の駆動部M1は、モータまたはそれ以外にも、シートバック20をスライドさせることができる様々な方式で構成できる。一方、シートバック20が後方にスライドする場合、フロア部10上で搭乗者が横になれる空間がさらに確保でき、シートバック20が前方にスライドする場合、シートバック20がシートクッション30に隣接することにより、搭乗者の着座の際にシートバック20が背もたれの役割を果たすことができる。
【0027】
図1及び
図6に示すように、レッグクッション40は、第2の駆動部M2の動作によって上方回転または下方回転することができる。第2の駆動部M2は、モータまたはそれ以外にもレッグクッション40を回転させることができる様々な方式で構成できる。
本発明の制御部500は、車両の様々な構成要素の動作を制御するように構成されたアルゴリズム、または前記アルゴリズムを再生するためのソフトウェアコマンドに関するデータを保存するように構成された不揮発性メモリ(図示せず)、及び当該メモリに保存されたデータを用いて後述の動作を行うように構成されたプロセッサ(図示せず)を介して実現できる。ここで、メモリ及びプロセッサは個別チップとして実現できる。その代案は、メモリ及びプロセッサが互いに統合された単一チップとして実現できる。プロセッサは、一つ以上のプロセッサの形態を取ることができる。
【0028】
図9は本発明のフラットシート付き車両のシートモード及びスリープモードの制御図である。
図1及び
図9に示すように、本発明に係るフラットシート付き車両は、シートバック20が前後方向にスライドするように第1の駆動部M1を制御するか、或いはレッグクッション40が上下方向に回転するように第2の駆動部M2を制御する制御部500をさらに含む。
シートモード(S100)の場合、制御部500は、第1の駆動部M1及び第2の駆動部M2を制御することにより、シートバック20が前方にスライド(S120)するようにし、レッグクッション40が下方に回転(S140)するようにすることができる。よって、シートバック20が前方にスライドしてシートクッション30と隣接することにより、搭乗者の着座の際にシートバック20が背もたれの役割を果たすことができる。また、レッグクッション40が下方に回転してレッグ溝H10が開放されることにより、搭乗者の着座の際にレッグ溝H10に足または下半身を置くことができる。
【0029】
また、スリープモードS200の場合、制御部500は、第1の駆動部M1及び第2の駆動部M2を制御することにより、シートバック20が後方にスライド(S220)するようにし、レッグクッション40が上方に回転(S240)するようにすることができる。よって、シートバック20が後方にスライドして、搭乗者が横になれる空間がさらに確保できる。また、レッグクッション40が上方に回転してレッグ溝H10が閉鎖され、シートクッション30及びフロア部10と一緒に床面を構成することによりフラットスペースTが形成され、搭乗者が横になれる空間が形成される。
図2はフラットシート付き車両のスリープモードを示す図、
図6はシートユニットを示す図である。本発明に係るフラットシート付き車両は、フロア部10におけるスライディングレール50の下方に湾入した第1の収納空間G1が形成され、第1の収納空間G1の上方に設けられてスライドすることにより、第1の収納空間G1を開放または閉鎖させるカバーパネル60をさらに含む。
【0030】
図2及び
図6に示すように、本発明の場合、フロア部10におけるスライディングレール50の下方に湾入した第1の収納空間G1が形成される。第1の収納空間G1には、寝具類やその他の物などを収納することができる。一方、本発明の場合、第1の収納空間G1の上方に設けられてスライドすることにより第1の収納空間G1を開放または閉鎖させるカバーパネル60をさらに含むことができる。カバーパネル60は、スライディングレール50の下方またはフロア部10に設けられ得る。また、カバーパネル60は、第1の収納空間G1の上方でスライドすることにより第1の収納空間G1を開放または閉鎖させることができる。
より詳細には、カバーパネル60は、シートバック20が前方にスライドした場合にはシートバック20によって隠され、シートバック20が後方にスライドした場合には露出する。
図2に示す通り、シートバック20が後方にスライドしてシートバック20とシートクッション30とが離隔し、カバーパネル60がスライドして第1の収納空間G1が開放されたのである。よって、搭乗者は、カバーパネル60をシートバック20側にスライドさせて第1の収納空間G1を開放して物を収納することができ、カバーパネル60をシートクッション30側にスライドさせて第1の収納空間G1を閉鎖することができる。
【0031】
そして、
図1に示すように、シートユニットは複数個が設けられ、複数のシートユニットは、一対ごとにそれぞれ正面部が互いに対向するように車両のフロア部10に配置できる。
図1に示す通り、シートユニットは、車両のフロア部10に複数個設けられる。複数のシートユニットは、一対ごとにそれぞれ正面部が互いに対向するように配置できる。
さらに具体的には、フロア部10における、互いに対向するシートユニット同士の間に形成され、それぞれのレッグ溝H10が分割されるように配置された分割パネル12をさらに含む。
【0032】
このように、フロア部10の分割パネル12が形成されることにより、それぞれのシートユニットのレッグ溝H10が分割できるのである。よって、それぞれのレッグ溝H10は、独立した空間が形成されることにより、搭乗者間の足または下半身が互いにぶつかったり干渉したりしないので、搭乗感が向上するという利点がある。搭乗者は、それぞれ別途のレッグ溝H10に足または下半身を置くことができるので、利便性が向上する。
図8は本発明の一実施形態に係るフラットシート付き車両のスリープモードを示す図である。本発明の場合、フロア部10におけるシートクッション30の側方に設けられ、第3の駆動部M3の動作によってシートクッション30よりも上方に係止段を形成するか、或いは第3の駆動部M3の動作によってシートクッション30及びフロア部10と一緒に床面を構成するアームレストパネル70をさらに含むことができる。
【0033】
図示のように、シートクッション30の側方に設けられたアームレストパネル70は、第3の駆動部M3の動作によってシートクッション30よりも上方に係止段を形成することができる。第3の駆動部M3は、モータまたはそれ以外にも様々な方式が適用できる。一方、アームレストパネル70には複数のリンクが備えられることにより、第3の駆動部M3の動作によって係止段構造を形成することができるのである。
図8において、図面上の上側にあるアームレストパネル70は係止段構造を形成したものであり、下側にあるアームレストパネル70はシートクッション30及びフロア部10と一緒に床面を構成するものである。
アームレストパネル70が形成されることにより、搭乗者が着座した場合に腕を支持するようにする係止段が設けられて搭乗者の搭乗感が向上するという利点がある。また、アームレストパネル70がシートクッション30及びフロア部10と一緒に床面を構成する場合、搭乗者が車室空間でさらに広い空間で横になったり楽な姿勢を取ったりすることができるので、利便性が増大するという利点がある。
【0034】
一方、本発明の場合、
図8に示すように、シートベルトが設けられた布団Lなどの寝具類が備えられてもよい。よって、搭乗者が横になったまま搭乗しても、布団Lなどの寝具類に設けられた安全ベルトを介して安全性を確保することができるという利点がある。
図1はフラットシート付き車両を示す図、
図3はテーブルパネル80を示す図である。本発明に係るフラットシート付き車両は、シートユニットの外方に位置したドアDの一側に設けられたパネル形状であり、第4の駆動部M4の動作によって回転することにより、シートクッション30またはレッグクッション40の上方に配置されるテーブルパネル80をさらに含む。
図3の場合、テーブルパネル80は、実線はシートクッション30またはレッグクッション40の上方に配置されている状態を示し、破線はシートクッション30またはレッグクッション40の上方に配置されていない状態を示す。
【0035】
テーブルパネル80は、図示の如く、シートユニットの外方に位置したドアDの一側に設けられる。また、テーブルパネル80は、第4の駆動部M4の動作によって回転することができる。この場合、第4の駆動部は、モータまたはそれ以外にも、テーブルパネル80を回転させることができる様々な方式で構成できる。一方、第4の駆動部M4の動作によりテーブルパネル80が回転することにより、シートクッション30またはレッグクッション40の上方に配置される場合、搭乗者は物などをテーブルパネル80に載せることができる。また、テーブルパネル80に搭乗者が腕を載せることにより、搭乗者がより楽な姿勢を取ることができる。結局、搭乗者の乗り心地または利便性が増大する利点がある。
そして、
図3の右側のテーブルパネル80のように、テーブルパネル80がドアDに沿ってスライドすることにより、搭乗者が楽な位置にテーブルパネル80を配置することもできる。つまり、着座した搭乗者がテーブルパネル80を自分に近く位置するようにするか、或いは遠く位置するようにすることができる。
【0036】
一方、
図1及び
図9に示すように、本発明に係るフラットシート付き車両は、テーブルパネル80を動作させるために第4の駆動部M4を制御する制御部500をさらに含む。
シートモードの場合(S100)、制御部500は、テーブルパネル80がシートクッション30またはレッグクッション40の上方に配置されるように第4の駆動部M4を制御することができる。よって、シートモードの場合、制御部500は、第4の駆動部M4を制御することにより、テーブルパネル80がシートクッション30またはレッグクッション40の上方に配置(S160)されるようにする。よって、着座した搭乗者がテーブルパネル80を活用することができる。
また、スリープモードS200の場合、制御部500は、テーブルパネル80がシートクッション30またはレッグクッション40の上方に配置されないように第4の駆動部M4を制御することができる。よって、スリープモードの場合、制御部500は、第4の駆動部M4を制御することにより、テーブルパネル80がシートクッション30またはレッグクッション40の上方に配置されず(S250)、車両のドアDに挿入されるようにする。したがって、搭乗者が横になった場合は、テーブルパネル80によって干渉されないため、利便性が増大するという利点がある。
【0037】
図5は本発明の一実施形態に係るシートクッション30と高電圧バッテリーBとが接続された状態を示す図である。本発明に係るフラットシート付き車両は、
図4に示すように、フロア部10の下部に高電圧バッテリーBが設けられてもよい。そして、
図5に示すように、シートクッション30は、熱伝達部90を介して高電圧バッテリーBに接続されてもよい。よって、高電圧バッテリーBの使用により発生した熱を熱伝達部90を介してシートクッション30へ伝達することができる。したがって、高電圧バッテリーBの廃熱を活用することにより、シートクッション30を温めることができるので、寒い冬などの搭乗者の温度快適性が向上するという利点がある。
さらに具体的には、熱伝達部90はヒートパイプから構成できる。よって、ヒートパイプの熱伝達特性上、下側に配置された高電圧バッテリーBからシートクッション30へ熱を伝達することができる。
【0038】
図4は本発明の一実施形態に係る第2の収納空間G2を示す図である。本発明に係るフラットシート付き車両は、フロア部10におけるシートクッション30の下方に配置され、フロア部10の側方から車両の内方に湾入した第2の収納空間G2が形成できる。そして、車両のドアD開放時に第2の収納空間G2が開放できる。また、車両のドアD閉鎖時に第2の収納空間G2が閉鎖できる。一方、このように第2の収納空間G2が形成され、第2の収納空間G2に図示の如くキャリアなどの物を収納することができる。よって、車両にキャリアなどの物の荷物を搭載することができるので、レッグ溝H10の側方でフロア部10の空間活用が極大化されるという利点がある。また、追加の高電圧バッテリーを第2の収納空間G2に挿入して車両の駆動エネルギーを伝達することもできる。この場合、第2の収納空間G2に電力コネクタ(図示せず)が備えられて追加の余分の高電圧バッテリーが挿入された場合、電力コネクタ(図示せず)と結合することにより、フラットシート付き車両に追加の高電圧バッテリーの駆動エネルギーが提供されてもよい。
【0039】
図7は本発明の一実施形態に係るシューパネル100を示す図である。本発明に係るフラットシート付き車両は、フロア部10の側方に設けられ、車両の外方または内方にスライドするパネル形状であり、ドアDの開放時に車両の外方にスライドし、ドアDの閉鎖時には車両の内方にスライドするシューパネル100をさらに含むことができる。本発明の場合、シューパネル100が設けられる。シューパネル100は、車両の外方または内方にスライドするパネル形状である。また、シューパネル100は、ドアDの開放時に車両の外方にスライドすることができる。よって、車両の外方にシューパネル100がスライドすることにより、シューパネル100に搭乗者が履物を置くことができるのである。そして、シューパネル100は、ドアDの閉鎖時に車両の内方にスライドすることにより、車両での履物の収納を可能とする。よって、搭乗者は、車両に搭乗して履物を抜いておき、車室空間で楽に活動することができるという利点がある。
本発明のフラットシート付き車両によれば、車室空間で搭乗者が横になれるようにフラットスペースTが形成できる。特に、完全な水平面を有するフラットスペースTが形成されることにより、長時間の走行でも搭乗者が楽な状態で移動することができるという利点がある。
【0040】
以上、本発明に関する好ましい実施例を説明したが、本発明は前記実施形態に限定されるものではなく、本発明の属する技術分野を逸脱しない範囲での全ての変更が含まれる。
【符号の説明】
【0041】
10 フロア部
12 分割パネル
20 シートバック
30 シートクッション
40 レッグクッション
50 スライディングレール
60 カバーパネル
70 アームレストパネル
80 テーブルパネル
90 熱伝達部
100 シューパネル
500 制御部
B 高電圧バッテリー
D 車両のドア
G1 第1の収納空間
G2 第2の収納空間
H10 レッグ溝
L 布団
M1乃至M4 第1乃至第4の駆動部
S、S’、S”、S’’’ 複数のシートユニット
T フラットスペース