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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-05-13
(45)【発行日】2024-05-21
(54)【発明の名称】車両の停車判定報知システム
(51)【国際特許分類】
   G08G 1/13 20060101AFI20240514BHJP
   G07C 5/00 20060101ALI20240514BHJP
   G08B 25/08 20060101ALI20240514BHJP
   G08B 25/04 20060101ALI20240514BHJP
   G08B 21/00 20060101ALI20240514BHJP
【FI】
G08G1/13
G07C5/00 Z
G08B25/08 A
G08B25/04 C
G08B21/00 U
【請求項の数】 4
(21)【出願番号】P 2020023315
(22)【出願日】2020-02-14
(65)【公開番号】P2021128589
(43)【公開日】2021-09-02
【審査請求日】2023-01-16
(73)【特許権者】
【識別番号】501418498
【氏名又は名称】矢崎エナジーシステム株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100083806
【弁理士】
【氏名又は名称】三好 秀和
(74)【代理人】
【識別番号】100101247
【弁理士】
【氏名又は名称】高橋 俊一
(74)【代理人】
【識別番号】100095500
【弁理士】
【氏名又は名称】伊藤 正和
(74)【代理人】
【識別番号】100098327
【弁理士】
【氏名又は名称】高松 俊雄
(72)【発明者】
【氏名】松宮 昌彦
【審査官】西畑 智道
(56)【参考文献】
【文献】特開2015-171851(JP,A)
【文献】特開2006-177862(JP,A)
【文献】特開2018-124899(JP,A)
【文献】特開2019-185180(JP,A)
【文献】特開2018-028855(JP,A)
【文献】特開2016-189084(JP,A)
【文献】特開2017-210025(JP,A)
【文献】特開2016-095673(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2020/0139990(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G08G 1/00-99/00
G01C 21/00-21/36
G01C 23/00-25/00
G07C 5/00
G08B 25/08
G08B 25/04
G08B 21/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
車両の位置情報を取得する位置情報取得手段と、
前記車両の速度情報を取得する速度情報取得手段と、
前記車両の周囲画像を取得する撮影手段と、
前記位置情報、前記速度情報、前記周囲画像および地図情報に基づいて前記車両の停車位置が路側帯を含む走行許可車線外であるか否かを判定する停車位置判定手段と、
前記停車位置判定手段の判定結果および予め設定される所定条件に基づいて前記車両の停車原因を判定する停車原因判定手段と、
前記停車位置判定手段の判定結果と、前記停車原因判定手段の判定結果とを外部装置に送信する通信手段と、
を備え、
前記停車原因判定手段における前記所定条件は、前記車両のドアの開閉の有無、前記車両の周囲車両の有無の何れか1つを含み、
前記停車原因は車両事故を含む、車両の停車判定報知システム。
【請求項2】
前記停車原因判定手段における前記所定条件は、前記車両の停車時間が所定時間以上であるか否かを含み、
前記停車原因は渋滞発生を含む請求項1に記載の車両の停車判定報知システム。
【請求項3】
前記外部装置は、
前記停車原因判定手段によって判定された停車原因が、前記車両における事故発生を含む場合に、関係機関を含む外部に前記車両の状態に関する情報を報知する報知手段を備える請求項1又は2に記載の車両の停車判定報知システム。
【請求項4】
前記位置情報取得手段、前記速度情報取得手段、前記停車位置判定手段、前記停車原因判定手段および前記通信手段は、前記車両に搭載されて、該車両の走行状態に関する情報として、時刻と、各時刻の車速および走行距離を含む運行データを記録するデジタルタコグラフで構成される請求項1から請求項3の何れか1項に記載の車両の停車判定報知システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、車両の停車判定報知システムに関する。
【背景技術】
【0002】
高速道路や停車禁止区域など緊急時以外は停車が認められない場所で車両から降車した際に、後続車両等に衝突されるなどの交通事故が後を絶たない。
このような事故の低減などを目的として、車両が比較的安全な路側帯(路肩)に停車したか否かを判定する技術が提案されている(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2016-189084号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、高速道路において路側帯に停車することは、故障等の正当な理由が無い限り原則として認められていない(道路交通法第75条の8)。
しかし、従来技術では、道路の路側帯に停車したことは判定できるが、故障等の正当な理由で停車したか否かは分からなかった。
【0005】
そのため、車両の運行状況等を管理する場合などに、事故等の原因で路側帯等に停車したのか否かを速やかに判断できず、救援要請や警察等への連絡が遅れるという問題があった。
また、事故等による停車を周辺車両へ報知するタイミングが遅れて、追突等の多重事故を招く虞もあった。
【0006】
本発明は、上記課題に鑑みてなされたものであり、路側帯等へ停車した際の原因を自動的に判定して、原因報知の遅延等を低減できる車両の停車判定報知システムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の態様に係る車両の停車判定報知システムは、車両の位置情報を取得する位置情報取得手段と、前記車両の速度情報を取得する速度情報取得手段と、前記車両の周囲画像を取得する撮影手段と、前記位置情報、前記速度情報、前記周囲画像および地図情報に基づいて前記車両の停車位置を判定する停車位置判定手段と、予め設定される所定条件に基づいて前記車両の停車原因を判定する停車原因判定手段と、前記停車位置判定手段の判定結果と、前記停車原因判定手段の判定結果とを外部装置に送信する通信手段と、を備える。
前記停車位置判定手段は、前記車両が路側帯を含む走行許可車線外で停車しているか否かを判定することが好ましい。
【0008】
前記停車原因判定手段における前記所定条件は、前記車両の停車時間が所定時間以上であるか否か、前記車両のドアの開閉の有無、前記車両の周囲の車両の有無の何れか1つを含むことが好ましい。
【0009】
前記外部装置は、前記停車原因判定手段によって判定された停車原因が、前記車両における故障発生または事故発生を含む場合に、関係機関を含む外部に前記車両の状態に関する情報を報知する報知手段を備えることが好ましい。
【0010】
前記位置情報取得手段、前記速度情報取得手段、前記停車位置判定手段、前記停車原因判定手段および前記通信手段は、前記車両に搭載されて、該車両の走行状態に関する情報として、時刻と、各時刻の車速および走行距離を含む運行データを記録するデジタルタコグラフで構成されることが好ましい。
【発明の効果】
【0011】
本発明によれば、路側帯等へ停車した際の原因を自動的に判定して、原因報知の遅延等を低減できる車両の停車判定報知システムを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
図1】実施の形態に係る車両の停車判定報知システムの機能構成を示す機能ブロック図である。
図2】実施の形態に係る車両の停車判定報知システムに適用されるデジタルタコグラフの構成例を示すブロック図である。
図3A】実施の形態に係る車両の停車判定報知システムで実行される停車判定報知処理の処理手順の続きを示すフローチャートである。
図3B】実施の形態に係る車両の停車判定報知システムで実行される停車判定報知処理の処理手順の続きを示すフローチャートに続きである。
図4】停車の原因が故障発生であった場合を示す説明図である。
図5】停車の原因が事故発生であった場合を示す説明図である。
図6】走行車線に停車した状態を示す説明図である。
図7】停車時におけるメッセージの表示例を示す説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
図1図7を参照して、本発明の実施の形態に係る車両の停車判定報知システムS1について説明する。
(車両の停車判定報知システムの機能構成)
図1の機能ブロック図を参照して、本実施の形態に係る車両の停車判定報知システムS1の機能構成について説明する。
【0014】
車両の停車判定報知システムS1は、運搬車両(トラック)等の車両Vの位置情報を取得するGPSセンサ等を備えたGPS受信部から成る位置情報取得手段10を備える。
また、車両Vの速度情報を取得する速度センサ等から成る速度情報取得手段11を備える。
また、車両Vの周囲画像(車両の前方画像、後方画像を含む)を取得する車載カメラで構成される撮影手段50を備える。
【0015】
また、取得された位置情報、速度情報、周囲画像および予めメモリ等に格納されている地図情報等に基づいて車両Vの停車位置を判定する停車位置判定手段13を備える。
また、予め設定される所定条件に基づいて車両Vの停車原因(車両故障、事故発生、渋滞発生等)を判定する停車原因判定手段14を備える。
【0016】
さらに、停車位置判定手段13の判定結果と、停車原因判定手段14の判定結果とを外部装置としてのサーバ(ベンダーサーバ等)100に送信する通信手段(通信部)15を備える。
ここで、停車位置判定手段13は、車両Vが路側帯(路肩)を含む走行許可車線外で停車しているか否かを判定するようにできる。
【0017】
より具体的には、車載カメラ50で取得された道路の画像に基づいて、路側帯側の白線を越えて停車した場合を「走行許可車線外で停車した」と判定するようにできる。
【0018】
また、停車原因判定手段14における所定条件は、例えば、車両Vの停車時間が所定時間(例えば5分)以上であるか否か、車両Vのドアの開閉の有無、車両Vの周囲の車両の有無の何れか1つを含むようにできる。
【0019】
外部装置としてのサーバ100は、停車原因判定手段14によって判定された停車原因が、車両Vにおける故障発生または事故発生を含む場合に、車両管理システム200、警察の通信システム201、道路管理システム202等の関係機関を含む外部および周辺車両500に、車両Vの状態に関する情報を無線回線で報知する報知手段103を備えている。
【0020】
ここで、位置情報取得手段10、速度情報取得手段11、停車位置判定手段13、停車原因判定手段14および通信手段15は、車両Vに搭載されて、車両の走行状態に関する情報として、時刻と、各時刻の車速および走行距離を含む運行データを記録するデジタルタコグラフDT1で構成することができる。
デジタルタコグラフDT1の構成例については後述する。
【0021】
このような構成を備える停車判定報知システムS1によれば、例えば高速道路において車両Vが路側帯等に停車した状態を位置情報、速度情報および画像情報等に基づいて正確に判定することができる。
【0022】
さらに、停車判定報知システムS1によれば、車両Vの停車時間が所定時間(例えば5分)以上であるか否か、車両Vのドアの開閉の有無、車両Vの周囲の車両の有無の何れか1つを含む所定条件に基づいて、停車原因を判定することができる。
判定される停車原因としては、車両故障、車両事故、渋滞発生等を挙げることができる。
【0023】
そして、停車状態および停車原因の情報は、サーバ100に送信され、停車原因に応じて車両管理システム200、警察の通信システム201、道路管理システム202等の関係機関を含む外部および周辺車両500に報知される。
これにより、例えば路側帯等への停車原因が、故障である場合には、修理車両等の要請を速やかに行うことができる。
【0024】
また、路側帯等への停車原因が、事故である場合には、救急車の要請や警察への通報を速やかに行うことができる。また、周辺車両に報知することにより、多重衝突事故等を未然に防止することができる。
また、走行車線での停車原因が、渋滞である場合には、道路管理会社や周辺車両に報知することにより、交通状況を逐次把握することができる。
(デジタルタコグラフの構成例)
図2を参照して、デジタルタコグラフDT1の構成について説明する。
ここで、図2は、車両の停車判定報知システムS1に適用される車載器としてのデジタルタコグラフDT1の構成例を示すブロック図である。
【0025】
図2に示す車載器としてのデジタルタコグラフDT1は、運搬車両(トラック)等の車両Vに搭載され、エンジン回転数オーバ、急発進、急加速、急減速等の運転状態を表す運転データを含む稼働データを時刻毎に記録するものである。
【0026】
デジタルタコグラフDT1は、CPU16、速度/エンジン回転数I/F112、外部入力I/F113、センサ入力I/F114、GPS受信部10、CAN_I/F116、記録部(情報記録手段)12、カードI/F18、音声I/F19、スピーカ204、RTC(時計IC)21、出庫/入庫ボタンSW入力部22、表示コントローラ23、通信部(通信手段)15、電源部25、メモリ26、LED表示部203、陸送ON/OFFボタンSW入力部31を有している。
【0027】
CPU16は、マイクロコンピュータにより構成される制御部であり、プログラムに従ってデジタルタコグラフDT1の全体を制御する。CPU16が実行するプログラムや制御に必要な定数等のデータはメモリ26上に保持されている。メモリ26は不揮発性であり、所定のプログラム、データの読み出しおよび書き込みが可能である。
メモリ26上には、定数のデータとして、2つの閾値テーブル26a、26bと、エリア情報テーブル26cとが格納されている。
記録部(情報記録手段)12は、データの読み出しおよび書き込みが可能な不揮発性のメモリであり、稼働データの記録および保持のために利用される。
【0028】
カードI/F(インタフェース)18は、所定の規格に適合するメモリカードをCPU16に接続するためのインタフェースであり、メモリカードを着脱自在に保持するカードスロットを備えている。このカードI/F18には、運搬車両(トラック)等の車両Vを運転する各運転手が所持している所定のメモリカード55が装着される。このメモリカード55は、不揮発性のメモリを内蔵しており、各運転手を特定するための番号などが登録された状態で使用される。
【0029】
音声I/F19は、疑似音声信号を合成して出力するためのインタフェースであり、CPU16の制御により様々なメッセージに対応する音声信号を出力することができる。音声I/F19の出力には報知手段としてのスピーカ204が接続されている。
【0030】
RTC(リアルタイムクロック)21は、所定のクロックパルスを常時計数することにより、現在時刻の情報を把握している。また、RTC21はタイマを兼ねている。CPU16は、RTC21を制御することにより、現在時刻の情報を取得したり、タイマを利用することができる。
【0031】
出庫/入庫ボタンSW入力部22には、出庫/入庫ボタンのON/OFF信号が入力される。したがって、CPU16は、出庫/入庫ボタンSW入力部22を介して出庫/入庫ボタンのON/OFF状態を監視し、自車両が出庫/入庫の何れの状態であるかを把握でき、車両Vの運用時間を取得することができる。
【0032】
表示コントローラ23は、表示器205の表示内容を制御する。表示器205は、例えば、液晶表示装置や有機EL表示装置等で構成され、種々の情報をグラフィック表示を混じえて表示することができる。
【0033】
LED表示部203は、複数のLED(発光ダイオード)を内蔵し、CPU16の制御により各LEDを点灯、消灯、または点滅し、通信や動作の状態を表示することができる。
陸送ON/OFFボタンSW入力部31は、運転手等により操作され、手動操作による陸送モードのオンオフ切り替えに使用される。
【0034】
速度/エンジン回転I/F112には、車速センサやエンジン回転数センサからそれぞれ速度パルスや回転パルスが入力される。速度/エンジン回転数I/F112は、入力された信号をCPU16の処理に適した信号に変換する。
外部入力I/F113は、外部装置をCPU16に接続するためのインタフェースであり、車載カメラ(撮影手段)50等が接続される。
センサ入力I/F114は、様々なセンサをCPU16に接続するためのインタフェースである。
【0035】
センサ入力I/F114の入力には、エンジン温度を検知する温度センサ、燃料量を検知する燃料センサ、車両の加速度(G値)を感知するGセンサ等の信号が入力される。
【0036】
GPS受信部(GPSセンサ)10は、複数のGPS(Global Positioning System)衛星からの電波をGPSアンテナ15aで受信し、所定の計算処理を行って受信信号から車両Vの現在位置を表す緯度、経度の情報を取得する。これにより、車両Vの位置情報を取得することができる。
【0037】
CAN_I/F116は、CAN(Controller Area Network)規格の通信ネットワークと接続するためのインタフェースである。CPU16は、車両上の通信ネットワークに接続されている様々な機器との間でCAN_I/F116を介して通信できる。実際には、速度、エンジン回転数、燃料量等の各種データの通信が行われる。
【0038】
通信部(通信手段)15は、所定の無線通信インタフェースを内蔵しており、車両の外部(サーバ100等)との間で無線通信回線を利用して稼働データ等のデータ通信を行うことができる。
【0039】
電源部25は、車両のバッテリなどから供給される電力に基づき、CPU16等が動作するために必要な安定した電圧(例えば+5[V])を生成し、イグニッションスイッチがオンの時にデジタルタコグラフDT1の各回路に電力を供給するようになっている。
(停車判定報知処理)
図3のフローチャートを参照して、本実施の形態に係る車両の停車判定報知システムS1で実行される停車判定報知処理の処理手順について説明する。
まず、ステップS10では、車両Vの速度が0Km/hより大きいか否かが判定され、「Yes」の場合には、停車していないとして処理を終了する。
また、判定結果が「No」の場合にはステップS11に移行する。
ステップS11では、車載カメラ50で、車両Vの周囲画像を取得してステップS12に移行する。
ステップS12では、取得した車両Vの周囲画像データと、地図情報等として予め格納されている路側帯に関する情報とを比較してステップS13に移行する。
ステップS13では、周囲画像データと路側帯に関する情報との比較結果に基づいて、車両Vの停止位置が路側帯であるか否かが判定される。
そして、判定結果が「Yes」である場合にはステップS14に移行する。
【0040】
ステップS14では、一定時間(ここでは、例えば5分)経過したか否かが判定される。判定結果が「No」の場合には、停車原因に格別の問題はないとして、ステップS15で報知なしとして処理を終了する。
また、判定結果が「Yes」の場合にはステップS16に移行する。
ステップS16では、停車の原因は、車両故障であるとしてステップS17に移行する。
ステップS17では、車両管理会社(車両管理システム200)および道路管理会社(道路管理システム202)等へ報知して処理を終了する。
ステップS16,S17における状況は、例えば図4に示すように、車両Vが故障発生により、路側帯R2に停車した状況に当てはまる。
これにより、修理車両等の要請や車両Vのレッカー移動などを速やかに行うことができる。
一方、ステップS13で「No」と判定された場合には、車両Vは走行車線で停車したとしてステップS18に移行する。
【0041】
ステップS18では、車両Vのドアが開閉されたか否かが判定される。判定結果が「Yes」の場合にはステップS19に移行して、停車の原因は、事故発生であるとしてステップS20に移行する。
ステップS20では、道路管理会社(道路管理システム202)および警察の通信システム201等へ報知して処理を終了する。
ステップS19、S20における状況は、例えば図5に示すように、車両Vが事故発生により、走行車線R1に停車した状況に当てはまる。
【0042】
これにより、救急車の要請、事故処理、車両Vのレッカー移動などを速やかに行うことができる。また、周辺の車両に報知することにより、多重衝突事故等を未然に防止することができる。
一方、ステップS18で「No」と発生された場合にはステップS21に移行する。
ステップS21では、車両Vの前方に車両は有るか否かが発生され、「No」の場合にはステップS22に移行する。
ステップS22では、停車の原因は、車両故障であるとしてステップS23に移行する。
ステップS23では、道路管理会社(道路管理システム202)および警察の通信システム201等へ報知して処理を終了する。
【0043】
これにより、修理の手配、車両Vのレッカー移動などを速やかに行うことができる。また、周辺の車両に報知することにより、多重衝突事故等を未然に防止することができる。
また、ステップS21で「Yes」と判定された場合には、ステップS24に移行する。
【0044】
ステップS24では、一定時間(ここでは、例えば5分)経過したか否かが判定される。判定結果が「Yes」の場合には、停車の原因は、追突事故の発生であるとしてステップS26に移行する。
ステップS26では、道路管理会社(道路管理システム202)および警察の通信システム201等へ報知して処理を終了する。
ステップS25、S26における状況は、例えば図5に示すように、車両Vが追突事故の発生により、走行車線R1に停車した状況に当てはまる。
【0045】
これにより、救急車の要請、事故処理、車両Vのレッカー移動などを速やかに行うことができる。また、周辺の車両に報知することにより、多重衝突事故等を未然に防止することができる。
また、ステップS24で「No」と判定された場合には、ステップS27に移行する。
ステップS27では、停車の原因は、道路の渋滞であるとしてステップS28に移行する。
ステップS28では、道路管理会社(道路管理システム202)等へ報知して処理を終了する。
ステップS27、S28における状況は、例えば図6に示すように、車両Vが渋滞の発生により、走行車線R1に停車した状況に当てはまる。
これにより、道路管理会社や周辺車両は、渋滞発生等の交通状況を逐次把握することができる。
(報知例)
図7に、車両Vの停車時におけるメッセージの表示例を示す。
【0046】
図7に示す例では、車両が路側帯に停車し、その原因が事故発生に基づくものであると判定された場合に、デジタルタコグラフ(車載器)DT1の報知手段である表示器205に例えば「路側帯への停車情報および事故状況を送信しました。」等のメッセージを表示する。
また、報知手段としてのスピーカ204から同様のメッセージを音声出力するようにしてもよい。
これにより、運転手は、車両管理会社等へ停車状況が報知されたことを知得することができる。
【0047】
また、走行車線で事故等の原因で停車した場合には、「速やかに降車し、路側帯側のガードレールの外に退避してください。」、或いは「管理センターから救急車が手配されました。到着まで安全な場所でお待ち下さい」等のメッセージを表示するようにしてもよい。
これにより、事故発生時における運転手の行動をサポートしたり、自分で救急車等を呼ばなくても良いか否かの判断をすることができる。
【0048】
以上、本発明の車両の停車判定報知システムを図示の実施形態に基づいて説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、各部の構成は、同様の機能を有する任意の構成のものに置き換えることができる。
【符号の説明】
【0049】
S1 車両の停車判定報知システム
V 車両
DT1 デジタルタコグラフ(車載器)
10 位置情報取得手段
11 速度情報取得手段
13 停車位置判定手段
14 停車原因判定手段
15 通信手段(通信部)
50 撮影手段(車載カメラ)
100 外部装置(サーバ)
図1
図2
図3A
図3B
図4
図5
図6
図7