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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-05-13
(45)【発行日】2024-05-21
(54)【発明の名称】地盤改良材及びその製造方法
(51)【国際特許分類】
   C09K 17/10 20060101AFI20240514BHJP
   C04B 22/10 20060101ALI20240514BHJP
   C04B 28/02 20060101ALI20240514BHJP
   B28C 7/04 20060101ALI20240514BHJP
   E02D 3/12 20060101ALI20240514BHJP
   C09K 17/02 20060101ALI20240514BHJP
【FI】
C09K17/10 P
C04B22/10
C04B28/02
B28C7/04
E02D3/12 102
C09K17/02 P
【請求項の数】 4
(21)【出願番号】P 2020031796
(22)【出願日】2020-02-27
(65)【公開番号】P2021134285
(43)【公開日】2021-09-13
【審査請求日】2023-01-20
(73)【特許権者】
【識別番号】000000240
【氏名又は名称】太平洋セメント株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100103539
【弁理士】
【氏名又は名称】衡田 直行
(74)【代理人】
【識別番号】100111202
【弁理士】
【氏名又は名称】北村 周彦
(74)【代理人】
【識別番号】100162145
【弁理士】
【氏名又は名称】村地 俊弥
(72)【発明者】
【氏名】佐々木 幸一
(72)【発明者】
【氏名】野崎 隆人
(72)【発明者】
【氏名】森 喜彦
(72)【発明者】
【氏名】肥後 康秀
【審査官】井上 莉子
(56)【参考文献】
【文献】特開2017-223091(JP,A)
【文献】特開昭53-133918(JP,A)
【文献】特開2005-144307(JP,A)
【文献】特開平09-314088(JP,A)
【文献】特開2010-120782(JP,A)
【文献】特開2016-140782(JP,A)
【文献】特開2009-013025(JP,A)
【文献】特開2007-141358(JP,A)
【文献】国際公開第2020/006636(WO,A1)
【文献】米国特許出願公開第2016/0280598(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
C09K 17/00
C04B 22/10
C04B 28/02
B28C 7/04
E02D 3/12
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
セメント系材料、及び、ウルトラファインバブル含有水を含むスラリーからなり、
上記ウルトラファインバブル含有水に含まれるウルトラファインバブルが、二酸化炭素の含有率が80体積%以上である気体からなり、上記セメント系材料100質量部に対する上記ウルトラファインバブル含有水の量が70~130質量部であることを特徴とする地盤改良材。
【請求項2】
請求項に記載の地盤改良材を製造するための方法であって、
上記セメント系材料と上記ウルトラファインバブル含有水を準備する材料準備工程と、
上記材料準備工程で準備された上記セメント系材料と上記ウルトラファインバブル含有水を、混合直後のpHが11.6~13.0となる質量比で混合して、上記地盤改良材を調製するスラリー調製工程、
を含む地盤改良材の製造方法。
【請求項3】
請求項に記載の地盤改良材の製造方法によって、上記地盤改良材を得た後、上記地盤改良材を地盤中に注入して混合し、上記地盤改良材によって固化してなる改良地盤を形成させることを特徴とする地盤の改良方法。
【請求項4】
上記地盤が重金属類を含み、かつ、上記地盤1mに対する上記セメント系材料の量が50~500kgとなる量の上記地盤改良材を用いる請求項に記載の地盤の改良方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、地盤改良材及びその製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、地球温暖化の抑制のため、二酸化炭素の排出量の低減が重要な課題になっている。
例えば、特許文献1には、(A)ムライトとアノーサイトのいずれか一方または両方を含むセメント混合用粉末、及び、ポルトランドセメントを含む粉末状セメント組成物、(B)水、及び、(C)骨材、を含むセメント混練物の硬化体を、炭酸化してなることを特徴とするセメント質硬化体が記載されている。該セメント質硬化体によれば、ポルトランドセメント以外の粉末材料を含むものの、常温(20℃程度)で養生を行なった場合であっても、養生工程において多量の二酸化炭素を吸収することにより、排出される二酸化炭素の量を大幅に削減することができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2016-153357号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明の目的は、セメントの製造過程等において発生する二酸化炭素を有効利用することができ、地盤からの重金属類(例えば、六価クロム化合物)の溶出を抑制することができ、さらには強度発現性に優れた地盤改良材、及び、該地盤改良材の製造方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明者は、上記課題を解決するために鋭意検討した結果、セメント系材料、及び、ウルトラファインバブル含有水を含むスラリーからなり、ウルトラファインバブル含有水に含まれるウルトラファインバブルが、二酸化炭素の含有率が5体積%以上である気体からなるものである地盤改良材によれば、上記目的を達成できることを見出し、本発明を完成した。
すなわち、本発明は、以下の[1]~[5]を提供するものである。
[1] セメント系材料、及び、ウルトラファインバブル含有水を含むスラリーからなり、ウルトラファインバブル含有水に含まれるウルトラファインバブルが、二酸化炭素の含有率が5体積%以上である気体からなるものであることを特徴とする地盤改良材。
[2] 上記セメント系材料100質量部に対する上記ウルトラファインバブル含有水の量が50~150質量部である前記[1]に記載の地盤改良材。
[3] 前記[1]又は[2]に記載の地盤改良材を製造するための方法であって、上記セメント系材料と上記ウルトラファインバブル含有水を混合した直後の上記スラリーのpHが11.6~13.0となりうる量の上記ウルトラファインバブルを含む上記ウルトラファインバブル含有水と、上記セメント系材料を準備する材料準備工程と、上記材料準備工程で準備された上記ウルトラファインバブル含有水と上記セメント系材料を、混合直後のpHが11.6~13.0となる質量比で混合して、pHが11.6~13.0のスラリーの形態を有する上記地盤改良材を調製するスラリー調製工程、を含む地盤改良材の製造方法。
[4] 前記[3]に記載の地盤改良材の製造方法によって、上記地盤改良材を得た後、上記地盤改良材を地盤中に注入して混合し、上記地盤改良材によって固化してなる改良地盤を形成させることを特徴とする地盤の改良方法。
[5] 上記地盤が重金属類を含み、かつ、上記地盤1mに対する上記セメント系材料の量が50~500kgとなる量の上記地盤改良材を用いる前記[4]に記載の地盤の改良方法。
【発明の効果】
【0006】
本発明の地盤改良材によれば、セメントの製造過程等において発生する二酸化炭素を有効利用することができ、地盤からの重金属類(例えば、六価クロム化合物)の溶出を抑制することができ、さらには強度発現性に優れるものである。
【発明を実施するための形態】
【0007】
本発明の地盤改良材は、セメント系材料、及び、ウルトラファインバブル含有水を含むスラリーからなり、ウルトラファインバブル含有水に含まれるウルトラファインバブルが、二酸化炭素の含有率が5体積%以上である気体からなるものである。
本明細書中、セメント系材料とは、普通ポルトランドセメント、早強ポルトランドセメント、中庸熱ポルトランドセメント、低熱ポルトランドセメント等の各種ポルトランドセメントや、高炉セメント、フライアッシュセメント等の混合セメントや、エコセメント等のセメント、及び、これらのセメントを主な材料(通常、50質量%以上、好ましくは70質量%以上、より好ましくは80質量%以上)として含み、かつ、任意に配合可能な混和材を含むものをいう。
混和材の例としては、高炉スラグ微粉末、石灰石粉末、フライアッシュ、シリカフューム、石膏粉末等が挙げられる。これらは1種を単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
セメントを主な材料として含むセメント系固化材の市販品の例としては、太平洋セメント社製の「ジオセット」(商品名)等が挙げられる。
【0008】
ウルトラファインバブル含有水とは、1μm以下の粒径を有する気泡(ウルトラファインバブルまたはナノバブルと称されるもの)を含む水である。
上記気泡を構成する気体中の二酸化炭素(炭酸ガス)の含有率は、5体積%以上、好ましくは10体積%以上、より好ましくは15体積%以上、さらに好ましくは20体積%以上、さらに好ましくは40体積%以上、さらに好ましくは60体積%以上、特に好ましくは80体積%以上である。該含有率が5体積%未満であると、重金属類の溶出抑制効果が小さくなる。また、二酸化炭素の排出量を低減する効果が小さくなる。
気泡を構成する気体の例としては、セメント製造工程において発生した排ガス(二酸化炭素の含有率:約20体積%)、または、該排ガスからの分離回収ガス(二酸化炭素の含有率:約100体積%)等が挙げられる。
【0009】
上記気泡の粒径は、1μm(1,000nm)以下、好ましくは700nm以下、より好ましくは500nm以下、さらに好ましくは300nm以下、特に好ましくは200nm以下である。該粒径が1μmを超えると、改良体の強度が低下する。
ウルトラファインバブル含有水は、気泡の全量(100体積%)中、好ましくは、粒径が10~1,000nmの範囲内である気泡を80体積%以上(好ましくは90体積%以上)含むものであり、より好ましくは、粒径が10~700nmの範囲内である気泡を80体積%以上(好ましくは90体積%以上)含むものであり、さらに好ましくは、粒径が10~500nmの範囲内である気泡を80体積%以上(好ましくは90体積%以上)含むものであり、さらに好ましくは、粒径が10~300nmの範囲内である気泡を80体積%以上(好ましくは90体積%以上)含むものであり、特に好ましくは、粒径が10~200nmの範囲内である気泡を80体積%以上(好ましくは90体積%以上)含むものである。
【0010】
気泡の平均粒径は、好ましくは1μm以下、より好ましくは700nm以下、さらに好ましくは500nm以下、さらに好ましくは300nm以下、さらに好ましくは200nm以下、特に好ましくは100nm以下である。該平均粒径が1μm以下であれば、経時による気泡の消滅を抑え、重金属不溶化効果のバラつきを抑えることができる。
気泡の平均粒径の下限値は、特に限定されるものではないが、通常、10nmである。
なお、本明細書中、気泡の平均粒径とは、市販のナノ粒子解析装置を用いて、トラッキング法により得られる値をいう。
【0011】
上記水1ミリリットル中の上記気泡(1μm以下の粒径を有するもの)の数は、好ましくは10個以上、より好ましくは10個以上、さらに好ましくは10個以上、特に好ましくは5×10個以上である。該数が10個以上であれば、重金属類の溶出抑制効果がより大きくなる。また、より多くの二酸化炭素を利用することができるため、二酸化炭素の排出量を低減する効果がより大きくなる。該数の上限は特に限定されるものではないが、気泡形成の容易性の観点から、好ましくは1011個以下、より好ましくは1010個以下である。
【0012】
本発明のスラリーにおいて、セメント系材料100質量部に対する上記ウルトラファインバブル含有水の量は、好ましくは50~150質量部、より好ましくは60~140質量部、さらに好ましくは70~130質量部、特に好ましくは80~120質量部である。上記量が50質量部以上であれば、地盤改良材を用いて地盤の改良を行う際の作業性が向上する。上記量が150質量部以下であれば、改良後の地盤の強度をより大きくすることができる。
【0013】
本発明の地盤改良材を製造する方法の一例としては、セメント系材料とウルトラファインバブル含有水を混合した直後のスラリーのpHが11.6~13.0となりうる量のウルトラファインバブル(上述した、二酸化炭素の含有率が5体積%以上である気体からなるもの)を含むウルトラファインバブル含有水と、セメント系材料を準備する材料準備工程と、材料準備工程で準備されたウルトラファインバブル含有水とセメント系材料を、混合直後のpHが11.6~13.0となる質量比で混合して、pHが11.6~13.0のスラリーの形態を有する地盤改良材を調製するスラリー調製工程、を含む方法が挙げられる。
【0014】
スラリー調整工程において、ウルトラファインバブル含有水とセメント系材料を混合する方法は、特に限定されるものではなく、セメント系材料にウルトラファインバブル含有水を添加、混合してもよく、ウルトラファインバブル含有水にセメント系材料を添加、混合してもよく、セメント系材料とウルトラファインバブル含有水を同時に混合槽に投入し、混合してもよい。
上記pHは、11.6~13.0、好ましくは11.8~12.9、より好ましくは12.0~12.8、特に好ましくは12.2~12.7である。上記pHが11.6未満であると、地盤と地盤改良材を混合した際に、改良体の強度が低下することがある。スラリーのpHが13.0を超えると、重金属類の溶出抑制効果が小さくなる。
【0015】
本発明の地盤の改良方法は、上述した地盤改良材の製造方法によって、地盤改良材を得た後、地盤改良材を地盤中に注入して混合し、地盤改良材によって固化してなる改良地盤を形成させる方法である。
改良の対象となる地盤は、地盤からの重金属類の溶出を抑制するという本発明の目的から、重金属類を含むものが好適である。
重金属類とは、カドミウム及びその化合物、六価クロム化合物、シアン、水銀及びその化合物、セレン及びその化合物、鉛及びその化合物、ひ素及びその化合物、フッ素及びその化合物、及び、ホウ素及びその化合物(土壌汚染対策法(平成15年)において第二種特定有害物質として挙げられているもの)のいずれかである。なお、フッ素及びホウ素は重金属ではないが、フッ素及びその化合物、及び、ホウ素及びその化合物は重金属類に含まれるものとする。中でも、溶出をより抑制することができる観点から、六価クロム化合物が好ましい。
【0016】
地盤への地盤改良材の添加量は、対象となる地盤の種類及び性状、施工条件、改良後の地盤に求められる強度等によっても異なるが、地盤改良材中のセメント系材料の量として、対象となる地盤1m当たり、好ましくは50~500kg、より好ましくは80~450kg、特に好ましくは100~400kgである。該量が50kg以上であれば、改良後の地盤の強度(例えば、一軸圧縮強さ)をより大きくすることができる。該量が500kg以下であれば、コストの増大を防ぐことができる。
【実施例
【0017】
以下、本発明を実施例により具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
[使用材料]
(1)ウルトラファインバブル含有水A(表1中、「COUFB水」と示す。);溶存気泡量:0.352×10個/ミリリットル、気泡の全量100体積%中の、10~200nmの粒径を有する気泡の割合:90体積%以上、気泡の平均粒径(ナノ粒子解析装置を用いてトラッキング法により測定した値)80.9nm、気泡を構成する気体中の二酸化炭素の含有率;99.0体積%以上
(2)ウルトラファインバブル含有水B(表1中、「AirUFB水」と示す。); 溶存気泡量: 7.0 ×10個/ミリリットル、気泡の全量100体積%中の、10~200nmの粒径を有する気泡の割合:90体積%以上、気泡の平均粒径(ナノ粒子解析装置を用いてトラッキング法により測定した値)65.6nm、気泡を構成する気体:空気
(3)セメント系材料;市販の高有機質土用固化材(セメントの含有率:50質量%以上)
(4)土壌A;粘性土
(5)土壌B;火山灰質粘性土に分類される関東ローム(表1中、「ローム」と示す。)
(6)水;上水道水
【0018】
[実施例1]
セメント系材料100質量部とウルトラファインバブル含有水A100質量部を、同時に混合槽に投入し混合して、スラリー状の地盤改良材を得た。混合直後のスラリーのpHを表1に示す。
土壌Aに該地盤改良材を、土壌1mに対して、セメント系材料が150kgとなる量で添加し、ホバートミキサを用いて3分間混合して、改良土を得た。
改良土からの六価クロム化合物の溶出量を、環境省告示第18号に準拠して測定した。
また、改良土の材齢7日における一軸圧縮強さを「JIS R 1216:2009(土の一軸圧縮試験方法)」に準拠して測定した。
[比較例1]
ウルトラファインバブル含有水Aの代わりに、水を用いる以外は実施例1と同様にして、改良土を得た後、改良土からの六価クロム化合物の溶出量等を実施例1と同様にして測定した。
[比較例2]
ウルトラファインバブル含有水Aの代わりに、ウルトラファインバブル含有水Bを用いる以外は実施例1と同様にして、改良土を得た後、改良土からの六価クロム化合物の溶出量等を実施例1と同様にして測定した。
【0019】
[実施例2]
土壌Aの代わりに、土壌Bを使用し、土壌Bに該地盤改良材を、土壌1mに対して、セメント系材料が300kgとなる量で添加する以外は実施例1と同様にして、改良土を得た後、改良土からの六価クロム化合物の溶出量等を実施例1と同様にして測定した。
[比較例3]
ウルトラファインバブル含有水Aの代わりに、水を用いる以外は実施例2と同様にして、改良土を得た後、改良土からの六価クロム化合物の溶出量等を実施例1と同様にして測定した。
[比較例4]
ウルトラファインバブル含有水Aの代わりに、ウルトラファインバブル含有水Bを用いる以外は実施例2と同様にして、改良土を得た後、改良土からの六価クロム化合物の溶出量等を実施例1と同様にして測定した。
それぞれの結果を表1に示す。
【0020】
【表1】
【0021】
表1から、実施例1と、比較例1~2を比較すると、実施例1における六価クロム溶出量(0.058mg/リットル)は、比較例1~2における六価クロム溶出量(0.064mg/リットル)よりも小さいことがわかる。また、実施例1における一軸圧縮強さ(1,682kN/mm)は、比較例1~2における一軸圧縮強さ(1,502~1,548kN/mm)よりも大きいことがわかる。
なお、実施例1の、比較例1(水を使用したもの)に対する、六価クロム化合物の溶出量の低減率{(比較例1の六価クロム化合物の溶出量-実施例1の六価クロム溶出量)÷比較例1の六価クロム化合物の溶出量×100(%)}は、9.4%であった。
また、実施例2と、比較例3~4を比較すると、実施例2における六価クロム溶出量(0.138mg/リットル)は、比較例3~4における六価クロム溶出量(0.148~0.173mg/リットル)よりも小さいことがわかる。また、実施例2における一軸圧縮強さ(260kN/mm)は、比較例3~4における一軸圧縮強さ(241~248kN/mm)よりも大きいことがわかる。
なお、実施例2の、比較例3(水を使用したもの)に対する、六価クロム化合物の溶出量の低減率{(比較例3の六価クロム化合物の溶出量-実施例2の六価クロム溶出量)÷比較例3の六価クロム化合物の溶出量×100(%)}は、6.8%であった。