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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-05-13
(45)【発行日】2024-05-21
(54)【発明の名称】ノズル収容機構
(51)【国際特許分類】
   B05B 15/00 20180101AFI20240514BHJP
   A62C 31/28 20060101ALI20240514BHJP
   A62C 35/02 20060101ALI20240514BHJP
【FI】
B05B15/00
A62C31/28
A62C35/02 Z
【請求項の数】 3
(21)【出願番号】P 2020061666
(22)【出願日】2020-03-30
(65)【公開番号】P2021159810
(43)【公開日】2021-10-11
【審査請求日】2022-12-27
(73)【特許権者】
【識別番号】000233826
【氏名又は名称】能美防災株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000383
【氏名又は名称】弁理士法人エビス国際特許事務所
(74)【代理人】
【識別番号】100188547
【弁理士】
【氏名又は名称】鈴野 幹夫
(72)【発明者】
【氏名】志賀 法道
【審査官】清水 晋治
(56)【参考文献】
【文献】実開平02-049558(JP,U)
【文献】特開2011-147704(JP,A)
【文献】特開2008-013255(JP,A)
【文献】米国特許第05918807(US,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B05B 1/00-3/18
7/00-9/08
11/00-11/10
12/16-12/36
14/00-16/80
A62C 2/00-99/00
B05C 7/00-21/00
B43K 23/00-23/12
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ノズルとノズルケースからなるノズル収容機構であって、
前記ノズルは、ノズル本体と、前記ノズル本体の中に設けられたバルブと、前記ノズル本体の側部に設けられ、回転により前記バルブを開閉するハンドルとを備え、
前記ノズルケースは、内径が前記ノズル本体よりも太く、内側に前記ノズル本体を収容可能であり、筒状の側面に前記ノズルケースの軸方向に切り欠いた溝部を有し、
前記バルブが閉じた状態にあるときは、前記ハンドル収容可能位置にあり、前記ハンドルが前記ノズルケースの前記溝部に嵌まり、前記ノズルは前記ノズルケースに収容可能であり、
前記バルブが開放された状態にあるときは、前記ハンドル収容不可能位置にあり、前記ハンドルが前記溝部に入らず、前記ノズルは前記ノズルケースに収容不可能であることを特徴とするノズル収容機構。
【請求項2】
前記ハンドルは、
扁平な接続部を有し、
前記接続部は、横幅方向が前記溝部の幅よりも大きく、厚さ方向が前記溝部に入る大きさであり、
前記ハンドルが収容可能位置にあるときには、前記接続部の前記横幅方向が前記ノズル本体の軸と略平行になり、
前記ハンドルが収容不可能位置にあるときには、前記接続部の前記横幅方向が前記ノズル本体の軸と略直角になることを特徴とする請求項1に記載されたノズル収容機構。
【請求項3】
前記ハンドルは、前記バルブの軸に繋がる基部と、前記基部に折れ曲がって繋がる前記接続部と、前記接続部に逆方向に折れ曲がって繋がる操作部とを備え、
前記操作部が前記ノズル本体の軸に沿って延在する非突出位置にある時には、前記収容不可能位置となり、
前記操作部が前記非突出位置に略直角な突出位置にある時には、前記収容可能位置となることを特徴とする請求項2に記載されたノズル収容機構。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、消火剤や防火薬剤等の火災用薬剤を放出するノズルを収容するノズル収容機構に関するものである。
【背景技術】
【0002】
火災時にホースを引き出して使用する消火装置が知られている。このような消火装置のひとつとして、特許文献1にはホースを筐体の内部に収容したパッケージ型消火装置が記載されている。このホースの先端にはノズルが設けられているが、収容時にノズルを固定する構成については記載されていない。また、このようなパッケージ型消火装置はノズルにバルブを有しているものがあり、ノズルを持った者がバルブの開閉により消火剤や延焼防止薬剤等の薬剤の放出を操作することができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2018-143685号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1のパッケージ型消火装置は所定の場所に設置するものであるが、軽トラックなどの車両に搭載して移動能力を持たせることが考えられている。しかしながら、ノズルは金属製である場合が多く重いため、移動の際に振動により動いてしまい、消火装置の他の部分や車両を傷つけたり、ノズルが車両の外に飛び出たりする虞がある。また、バルブの操作部であるハンドルが車両等に当たり、バルブの開閉状態を変えてしまう可能性もある。そのため、収容時にノズルを所定の位置に固定することが好ましい。移動型でなく、設置型の消火装置であっても、ノズルを所定の位置に固定していれば、火災時に作業者が所定の位置からノズルを掴んでホースを容易に取り出すことができる。
【0005】
本発明は、ノズルのバルブが所定の開閉状態で収容でき、安定して固定できるノズル収容機構を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本願のノズル収容機構は、ノズルとノズルケースからなるノズル収容機構である。ノズルは、ノズル本体と、ノズル本体の中に設けられたバルブと、ノズル本体の側部に設けられ、回転によりバルブを開閉するハンドルとを備える。また、ノズルケースは、内径がノズル本体よりも太く、内側にノズル本体を収容可能であり、筒状の側面にノズルケースの軸方向に切り欠いた溝部を有する。ハンドルの収容可能位置では、ハンドルがノズルケースの溝部に嵌まり、ノズルはノズルケースに収容可能である。また、ハンドルの収容不可能位置では、ハンドルが溝部に入らず、ノズルはノズルケースに収容不可能である。
【発明の効果】
【0007】
本発明によると、ノズルの収容時にはハンドルが特定の方向を向くため、作業者がノズルをノズルケースに収容する際に、ノズル内のバルブを特定の状態とすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】本実施形態における、バルブが閉じている状態のノズル1。
図2】本実施形態における、バルブが開いている状態のノズル1。
図3】本実施形態における、ノズル1をノズルケース3に収容した状態。
図4図3のノズルケース3を断面とした側面図。
図5】本実施形態における、ノズル1をノズルケース3に収容できない状態。
図6】変形例における、ノズル1をノズルケース3に収容した状態の上面図。
【発明を実施するための形態】
【0009】
図1は、本実施形態における、バルブが閉じている状態のノズル1を示す。図1(A)はノズル1の側面図、図1(B)はホース2との連結部111の方向から見たノズル1を示す。ノズル1はノズル本体11、ハンドル12、バルブ(図示せず)を備えている。バルブはノズル本体11の内部に設けられている。ノズル本体11の先端部112は細くなっており、薬剤を放出する。ハンドル12は、扁平な金属板を折り曲げて形成され、操作部121、接続部122、基部123を備える。基部123は折れ曲がって接続部122に繋がり、さらに逆方向に略同じ角度で折れ曲がって操作部121に繋がる。したがって、本実施形態において操作部121は基部123と略平行である。接続部122は、横幅方向が溝部311の幅よりも大きく、図1(B)の方向である厚さ方向が溝部311の幅よりも小さい幅である。接続部122は、図1(B)に点線で示すようにノズル1の中心軸であるノズル軸芯114にほぼ向いた延在方向となっている。そして、ハンドル12は、基部123でバルブの軸に繋がる。バルブはノズル本体11の中に組み込まれており、ハンドル12を回すことによりバルブが回転してノズル1を開閉することができる。ノズル本体11には、係止凸部113が突出して設けられ、基部123の回転を規制する。
【0010】
図1のバルブが閉じている状態では、操作部121およびハンドル12は、図1(A)に示すようにノズル本体11の軸方向に対して側方から見て略直角に位置し、ノズル本体11から側方に突出した突出位置にある。また、図1(B)の連結部111の方向から見て、ハンドル12は幅が狭い厚さ方向を向いている。そして、接続部122は点線で示すように、ノズル軸芯114から放射状に延びる面に略一致するように位置する。
【0011】
図2は、本実施形態における、バルブが開いている状態のノズル1を示す。図2(A)はノズル1の側面図、図2(B)はホース2との連結部111の方向から見たノズル1を示す。図2(A)は、図1(A)のハンドル12を反時計回りに90°回したものである。図2の状態では、操作部121及びハンドル12は、ノズル本体11の軸方向に沿って位置し、先端をノズル本体11の連結部111に向けた非突出位置にある。また、連結部111の方向から見て、接続部122は幅広の横幅方向となっている。
【0012】
図3は、本実施形態における、ノズル1をノズルケース3に収容した状態を示す。図3(A)は上面図、図3(B)はホース2との連結部111の方向から見たノズル1とノズルケース3である。ノズルケース3は、円筒体31、筒係止金具32、長ネジ33、底板34、ナット35を備えている。底板34の両端からは長ネジ33が立設している。そして、円筒体31を上下から半円状の筒係止金具32で挟んで、ナット35により筒係止金具32の両端に形成した平板部を長ネジ33に係止する。図3(A)に示すように、円筒体31は2箇所で、筒係止金具32で係止されている。ノズルケース3の内径は、ノズル1の外径よりも大きく形成され、かつ、ハンドル12の操作部121は、ノズルケース3の内部には収容されない大きさである。そして、バルブが開放状態の非突出位置おいて、ノズル1がノズルケース3の内に入らない大きさになっている。ノズルケース3は、底板34を、例えば軽トラックの荷台に取り付けるなどして、中心軸が水平になるように設置する。
【0013】
ノズル1は、バルブが閉じた図1の状態でノズルケース3に収容される。バルブが閉じた状態では、ハンドル12及び操作部121がノズル本体11の軸方向に対し、横から見て略直角な突出位置である。本実施形態において、突出位置はノズル1をノズルケース3に収容可能な収容可能位置である。突出位置は非突出位置に略直角となる。突出位置では、薄板を折り曲げて形成したハンドル12は、ノズル本体11及び円筒体31の軸方向からみて幅狭の厚さ方向となり、さらに接続部122がノズル軸芯114の方向へ延在している。接続部122の厚さ方向は、ノズルケース3の溝部311の幅よりも狭い大きさである。このとき、接続部122の横幅方向がノズル本体11の軸と略平行になる。ノズル軸芯114は円筒体31の中心軸と近く、図3(B)に示すように接続部122はノズルケース3の溝部311に嵌まる回転位置になる。また、図3(B)に記載されているように、溝部311はノズルケース3の円筒体31における中心軸の斜め上方に設けられている。
【0014】
図4は、図3のノズルケース3を断面とした側面図である。筒係止金具32等は省略して記載している。ノズルケース3の内部には、ストッパー36が固定されている。ノズル1はノズル本体11の全体がノズルケース3の中に収容され、ハンドル12の一部が溝部311から外部へ突出している。ノズル収容機構が軽トラック等に搭載されると、移動時の振動によりノズル1がノズルケース3の中を抜けて右側へ動こうとする場合が想定される。そうすると、ハンドル12が溝部311の端部に当接して傾く可能性がある。ストッパー36は、ノズル1が図4の右側へ動くことを規制している。
【0015】
図5は、本実施形態における、ノズル1をノズルケース3に収容できない状態を示す。バルブが開いていると、ハンドル12はノズル1の連結部111の方向を向き、操作部121は、ノズル本体11の軸に沿って延在する非突出位置である。接続部122の横幅方向は溝部311の幅よりも大きい。そのため、非突出位置では、図5(B)に示すようにハンドル12の接続部122が幅広の横幅方向で円筒体31の端部に当接して溝部311に入らない。本実施形態において、非突出位置はノズル1をノズルケース3に収容不可能な収容不可能位置である。このとき、接続部122の横幅方向がノズル本体11の軸と略直角になる。ノズル1から薬剤を放出する際には、加圧機構(図示せず)により薬剤をホース2の中へ送り出す。加圧機構による加圧は、火災現場に到着してから行い、ノズル1の先端部112を火災部等に向けてからハンドル12を操作してバルブを開放し、薬剤を放出する。従って、加圧機構で加圧した際にノズル1のバルブが開いていると、薬剤が無駄に放出されてしまう。本実施形態では、ノズル1がノズルケース3に収容されている時にはバルブが閉じているため、ノズル1を取り出して加圧機構で加圧した際に上記のように無駄に薬剤が放出されることがない。また、収容時に確実にバルブが閉じているため、使用前の期間にゴミや昆虫がホース2の内部に入り込むことがない。
【0016】
以下に、実施形態から導き出される内容を記載する。
(1)本願のノズル収容機構は、ノズルとノズルケースからなるノズル収容機構であって、前記ノズルは、ノズル本体と、前記ノズル本体の中に設けられたバルブと、前記ノズル本体の側部に設けられ、回転により前記バルブを開閉するハンドルとを備え、前記ノズルケースは、内径が前記ノズル本体よりも太く、内側に前記ノズル本体を収容可能であり、筒状の側面に前記ノズルケースの軸方向に切り欠いた溝部を有し、前記ハンドルの収容可能位置では、前記ハンドルが前記ノズルケースの前記溝部に嵌まり、前記ノズルは前記ノズルケースに収容可能であり、前記ハンドルの収容不可能位置では、前記ハンドルが前記溝部に入らず、前記ノズルは前記ノズルケースに収容不可能であることを特徴とするノズル収容機構である。
この構成によれば、ノズルの収容時にはハンドルが特定の方向を向くため、ノズルをノズルケースに収容した際にバルブを特定の状態とすることができる。
また、ノズルの収容時にハンドルがノズルケースの溝部から突出する。そのため、車載した場合には、移動などによりノズルケースが振動しても、ノズルがノズルケースの中で転がることがなく、安定する。そして、移動の振動によりノズルが回転して、ホースが捻れることもない。
【0017】
(2)また、本願のノズル収容機構は、上記(1)の構成において、前記ハンドルは、扁平な接続部を有し、前記接続部は、横幅方向が前記溝部の幅よりも大きく、厚さ方向が前記溝部に入る大きさであり、前記ハンドルの収容可能位置では、前記接続部の前記横幅方向が前記ノズル本体の軸と略平行になり、前記ハンドルの収容不可能位置では、前記接続部の前記横幅方向が前記ノズル本体の軸と略直角になることを特徴とする。
上記の構成によれば、接続部を所定の厚さの扁平にするだけでハンドルの収容可能位置と収容不可能位置を実現できる。さらに、ハンドル全体を扁平な金属板により形成すれば、ハンドル部分の構成を単純で安価なものとすることができる。
【0018】
(3)また、本願のノズル収容機構は、上記(2)の構成において、前記ハンドルは、前記バルブの軸に繋がる基部と、前記基部に折れ曲がって繋がる前記接続部と、前記接続部に逆方向に折れ曲がって繋がる操作部とを備え、前記操作部が前記ノズル本体の軸に沿って延在する非突出位置にある時には、前記接続部の前記横幅方向が前記溝部に入らず、前記操作部が前記非突出位置に略直角な突出位置にある時には、前記接続部の前記厚さ方向が前記溝部に嵌まることを特徴とする。
上記の構成によれば、ハンドルが折れ曲がりを有することによりハンドルを溝部に収容しやすい。
【0019】
(4)また、本願のノズル収容機構は、上記(1)乃至(3)のいずれかの構成において、前記接続部の厚さ方向が前記溝部を向いている時には、バルブは閉じていることを特徴とする。
上記の構成によれば、ノズルが収容される際には必ずバルブが閉じた状態となる。そのため、使用時にノズルを取り出した際にはバルブが閉じており、薬剤が無駄に放出されることがない。このように本実施形態では、ノズル収容機構を設けて、ノズルを収容するようにした。ノズルはハンドルがバルブを閉止した状態でないと、ノズルケース内に収容できないことから、ノズルの操作者は必ずノズルのバルブを閉止してからノズルをノズルケース内に収容することになる。従って、ノズルの閉止忘れを防止することが可能となる。
【0020】
(5)また、本願のノズル収容機構は、上記(1)乃至(4)のいずれかの構成において、前記ノズルケースは軸が略水平となるように設置され、前記溝部は前記ノズルケースにおける中心軸の斜め上方に設けられていることを特徴とする。
上記の構成によれば、ノズルの収容時においてハンドルが上方を向くこととなり、邪魔にならないだけでなく、ハンドルを持つことにより迅速にノズルケースからノズルを取り出すことができる。特に、(3)に当該構成が付加された発明では、図3(B)のようにハンドルがほぼ上方を向いてノズルケースにノズルが収容されるため、上記の効果が高い。
【0021】
ノズルケース3の溝部311の幅は、少なくとも突出位置のハンドル12入る幅が必要であるが、溝部311の幅をハンドル12における接続部122の厚さ方向の幅よりも少し狭くしてもよい。その際には、ノズル1のノズルケース3への収容時に、ハンドル12の接続部122をノズルケース3の溝部311に圧入する。このようにすると、ノズル収容機構が振動に晒されても、ハンドル12と溝部311の間の摩擦によって、ノズル1がノズルケース3から外れることを防止できる。したがって、接続部122の厚さは溝部311の幅以下とすることに加え、接続部122の厚さを溝部311よりやや大きくして圧入することもできる。
【0022】
本実施例では、ハンドル12は基部123に接続部122が折れ曲がって繋がり、さらに逆方向に同じ角度折れ曲がって操作部121に繋がっている。しかし、上記2つの角度は異なってもよい。また、一方又は両方の折れ曲がりがなくてもよく、基部123から接続部122、操作部121にわたって、直線状であってもよい。また、適宜湾曲してもよい。さらに、接続部122から横幅方向に曲がった位置に操作部121が形成されてもよい。また、操作部121や基部123は扁平でなくても良い。
【0023】
本実施形態では、ノズル収容機構を車両などの動くことが予想されるものに設ける場合で説明したが、建物、トンネルなどに設置された消火栓または消火装置に利用されるノズルに利用するようにしてもよく、ノズルのバルブが開放された状態で、消火栓などの筐体にノズルが戻されることを防止できる。
【0024】
また、本実施形態のノズル1のハンドル12において、必ずしも、接続部122は点線で示すようにノズル軸芯114から放射状に伸びる面に略一致する必要はない。本発明のハンドル12部分の形状については、図示したものに限定されない。
【0025】
<変形例>
図6は、変形例における、ノズル1をノズルケース3に収容した状態の上面図を示す。上記の実施形態では、軽トラック等に設置して移動による振動があっても、ストッパー36により収容時にノズル本体11がノズルケース3を突き抜けることがない。しかし、振動が大きいとノズル1が図の左側にあるホース2の方向へ動き、ノズルケース3から抜けてしまう虞がある。変形例では、円筒体31に係止バンド37を設ける。係止バンド37は図6に記載されているように上部に面ファスナーを有し、ノズルケース3の円筒体31に捲き回されている。そして、溝部311は円筒体31の軸方向に延在して端部を有し、収容時には係止バンド37と溝端部312でハンドル12の接続部122を挟む。ノズル1をノズルケース3に出し入れする際には係止バンド37の面ファスナーを外して、ハンドル12が溝部311内を自由に動かせる状態にする。
【0026】
係止バンド37は溝端部312との間にハンドル12を挟んで固定することができれば面ファスナーでなくてもよい。例えば、先端に係止部を設けたゴムバンドでも良く、円筒体31の外面に沿って曲がる金具等の硬質部材を丁番で円筒体31に取り付け、円筒体31の軸に垂直な方向に回転するようにしてもよい。
【0027】
実施形態ではノズルケース3にストッパー36を設けたが、設けなくてもよい。振動があまり強くなければ、ストッパー36が無くてもノズル1がノズルケース3の奥に入りすぎることはない。また、ノズル1がノズルケース3の奥に入ろうとすると、溝部311の端部でハンドル12が押されてハンドル12が回転する。そうすると溝部311の幅が狭いためにある程度以上はハンドル12の回転はおこらない。さらに、ハンドル12を回転させるために力を要する場合は、ストッパー36が無くても振動によりハンドル12は回転せず、係止部材の役目を果たす。
【0028】
また、実施形態ではノズルケース3は中心軸を水平にして設置したが、中心軸を垂直にして設置してもよい。この構成では、ノズル1を持ち上げて先端部112を下向きにし、ハンドル12の接続部122を立設した円筒体31の溝部311の位置にあわせる。そして、ノズルケース3のなかに先端部112からノズル本体11を差し込んでノズル1を収容する。
【0029】
以下に、変形例から導き出される内容を記載する。
実施形態のノズル収容機構において、ノズルケースには、係止バンドが一部をノズルケースに係止して捲き回され、溝部は、側部の軸方向に溝端部を有し、係止バンドと溝端部でハンドルを挟んでノズルを係止可能であることを特徴とする。
上記の構成によれば、移動時の振動によりノズルがノズルケースから抜き出てしまうことがない。
【0030】
さらに、係止バンドは面ファスナーを有していることを特徴とする。
上記の構成によれば、簡単な構成によりノズルケースの内部に確実にノズルを固定することができる。
【0031】
また、実施形態のノズル収容機構において、ノズルケースは軸が水平となるように設置され、溝部は軸の斜め上方に設けられていることを特徴とする。
上記の構成によれば、ノズルを収容した状態でハンドルが上方を向くため、突出したハンドルが他の部材に当たったり、他の部材の下に隠れたりしにくい。
【0032】
また、実施形態のノズル収容機構において、ノズルケースは軸が垂直となるように設置されていることを特徴とする。
上記の構成によれば、先端部を下方に向けハンドルが溝部に嵌まるようにしてノズルを立設したノズルケースに収容することができる。このように収容することによりノズルの重量で安定して収容することができる。
【符号の説明】
【0033】
1 ノズル、11 ノズル本体、111 連結部、112 先端部、113 係止凸部、114 ノズル軸芯、12 ハンドル、121 操作部、122 接続部、123 基部、2 ホース、3 ノズルケース、31 円筒体、311 溝部、312 溝端部、32 筒係止金具、33 長ネジ、34 底板、35 ナット、36 ストッパー、37 係止バンド
図1
図2
図3
図4
図5
図6