(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-05-13
(45)【発行日】2024-05-21
(54)【発明の名称】コンテナ自動組立装置
(51)【国際特許分類】
B65B 43/26 20060101AFI20240514BHJP
B65D 6/18 20060101ALI20240514BHJP
【FI】
B65B43/26 B
B65D6/18 D
(21)【出願番号】P 2020073392
(22)【出願日】2020-04-16
【審査請求日】2023-03-17
(73)【特許権者】
【識別番号】000196705
【氏名又は名称】西部電機株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100080160
【氏名又は名称】松尾 憲一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100149205
【氏名又は名称】市川 泰央
(72)【発明者】
【氏名】城 和文
(72)【発明者】
【氏名】尾堂 貴大
【審査官】西塚 祐斗
(56)【参考文献】
【文献】特開2015-040077(JP,A)
【文献】特開平10-024907(JP,A)
【文献】実開平06-071406(JP,U)
【文献】特開平07-257517(JP,A)
【文献】特開平10-053223(JP,A)
【文献】特開昭51-042696(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B65B 43/00 - 43/62
B65D 6/18
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
平面視方形状の上枠と、前記上枠の下方に配置される平面視方形状且つ有底状の下枠と、前記上枠と前記下枠との間で左右対向する一対の左右側板と、前記上枠と前記下枠との間で前後対向する一対の前後側板と、を備え、一対の前記左右側板は前記上枠と前記下枠との左右側で回動可能に連結されると共に上下方向の所定位置で長手に沿った枢支部を介して内側に折曲可能とし、一対の前記前後側板は前記上枠の前後側で回動可能に連結され、下端部を前記下枠の前後側端部に係合可能とし、さらに前記上枠の左右側で回動可能に連結され、前記上枠内側の上方開口を開閉する一対の左右上蓋と、を備える蓋付き折畳コンテナについて、前記左右上蓋を閉蓋姿勢にすると共に前記左右側板と前記前後側板とを倒伏姿勢にした折畳形態から前記左右上蓋を開蓋姿勢にすると共に前記左右側板と前記前後側板とを起立姿勢にした組立形態とするコンテナ自動組立装置であって、
前記折畳コンテナを定置させる定置部と、
前記定置部に定置された前記折畳コンテナの前記上枠の左右側部に係合して前記上枠を前記下枠から離反方向に上昇させ、前記左右側板を倒伏姿勢から起立姿勢に変位させる上昇機構と、
前記上昇機構による前記上枠の上昇動作に伴い、前記定置部に定置された前記折畳コンテナの閉蓋姿勢の一対の前記左右上蓋の自由端部の前後側縁部に係合して前記左右上蓋を開蓋方向に回動させることにより閉蓋姿勢から開蓋姿勢に変位させる開蓋機構と、
前記開蓋機構による一対の前記左右上蓋の開蓋姿勢変位に伴い、前記定置部に定置された前記折畳コンテナの内側に侵入して一対の前記前後側板の内側面に当接すると共に一対の前記前後側板を内側から外側へ向かって押し広げ、一対の前記前後側板の下端部をそれぞれ前記下枠の前後側端部に係合させて一対の前記前後側板を倒伏姿勢から起立姿勢に変位させる側板ロック機構と、より構成すると共に、
前記定置部の周囲に基枠を配設し、
前記上昇機構は、前記基枠の左右側にそれぞれ配置した左側上昇機構部と右側上昇機構部とにより構成し、
前記開蓋機構は、前記基枠の左右側にそれぞれ配置した左側開蓋機構部と右側開蓋機構部とにより構成し、
前記側板ロック機構は、前記上昇機構の前記
左側上昇機構部
及び前記右側上昇機構部同士の中間上方部に配置した前側板ロック機構部と後側板ロック機構部とにより構成したことを特徴とするコンテナ自動組立装置。
【請求項2】
前記上昇機構は、
前記折畳コンテナの前記上枠の左右側部の長手に沿って伸延し、前記上枠の左右側部に近接して係合可能とする一対の上枠係合フレームと、
一対の前記上枠係合フレームの所定位置でそれぞれ連結し、前記折畳コンテナの左右側外方で昇降して前記上枠係合フレームを昇降可能とする一対のフレーム昇降体と、
により前記
左側上昇機構部
及び前記右側上昇機構部を構成したことを特徴とする請求項1に記載のコンテナ自動組立装置。
【請求項3】
前記上枠係合フレームは、前記上枠の左右側部の所定位置に形成された凹部に挿入され係合する係合突起を有することを特徴とする請求項2に記載のコンテナ自動組立装置。
【請求項4】
前記開蓋機構は、
一対の前記フレーム昇降体の前後側端部で対向して上下方向に回動可能に枢着された一対の開蓋アームと、
一対の前記開蓋アームの先端で倒立可能に枢着され、先端部で前記折畳コンテナの前記左右上蓋の自由端部の前後側縁部を下側から支持可能とした蓋受爪体と、
により前記
左側開蓋機構部
及び前記右側開蓋機構部を構成したことを特徴とする請求項2又は請求項3に記載のコンテナ自動組立装置。
【請求項5】
前記蓋受爪体は、一対の前記開蓋アームの下方回動に伴い一対の前記左右上蓋の自由端部の前後側縁部の上方から前記先端部で接触して上方反力が付与された状態で回動して傾倒姿勢とすると共に、前記上方反力が無い状態では起立姿勢に復帰する爪体付勢手段を有することを特徴とする請求項4に記載のコンテナ自動組立装置。
【請求項6】
前記側板ロック機構は、
前記定置部の上方位置に配置された支持フレームと、
前記支持フレームに配設され、前記支持フレームから前記折畳コンテナの内側へ降下可能なアームガイド体と、
前記支持フレームの前後方向中央部で基端を回動可能に枢支した一対のリンクロッドと、
一対の前記リンクロッドの先端で基端をそれぞれ回動可能に枢支されると共に前記アームガイド体の前後端部でそれぞれ中途部を回動可能に枢支され、前記アームガイド体の降下に伴い互いに離反方向に前後揺動して一対の前記前後側板を内側から外側方向に下方押圧する一対
の前後側板押圧アームと、
により前記
前側板ロック機構部
及び前記後側板ロック機構部を構成したことを特徴とする請求項1~5のいずれか1項に記載のコンテナ自動組立装置。
【請求項7】
折畳形態の前記折畳コンテナを搬送する搬送面の所定位置に前記定置部を形成するためのコンテナ定置手段を有し、前記上昇機構と前記開蓋機構と前記側板ロック機構とにより組立形態とした前記折畳コンテナを前記定置部より下手側に搬送可能とした搬送機構を有することを特徴とする請求項1~6のいずれか1項に記載のコンテナ自動組立装置。
【請求項8】
前記搬送機構は、前記上枠の高さよりも高い位置で前記開蓋機構により開蓋方向に回動された一対の前記左右上蓋を保持するように、前記開蓋機構の配設位置から搬送方向の下手側にかけて互いの間隔を漸次狭幅状にして伸延する一対の閉蓋ガイドを有することを特徴とする請求項7に記載のコンテナ自動組立装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、コンテナ自動組立装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、物流現場では、配送元から複数の配送先へ被配送物を配送するために、未使用時には折り畳んで保管することができ、使用時には組み立てて被配送物を収容することができる折畳コンテナが使用されている。
【0003】
この折畳コンテナは、一般的に、
図18(b)に示すように平面視方形状の上枠Fと同じく平面視方形状且つ有底状の下枠Bと、上枠Fと下枠Bとの間で対向して長側壁を形成する左右側板LP、RPと、上枠Fと下枠Bとの間で対向して短側壁を形成する前後側板FP、BPと、を備え、左右側板LP、RPは上枠Fと下枠Bに対して回動可能に枢着すると共に上枠Fと下枠Bとの間で枢支部を介して内側に折曲可能とし、前後側板FP、BPは上枠Fに対して回動可能に枢着すると共に下端部を下枠Bの一側端に係合可能とした基本構造を有する。
【0004】
すなわち、折畳コンテナは、配送先で被配送物を取り出した後は上枠と下枠との間で各板を直立伸延して起立姿勢とした組立形態から各板を折曲げたり回動したりして倒伏姿勢にして上板と下枠とを重ね合わせた折畳形態にされ、配送元に戻された後は再び折畳形態から組立形態にして被配送物の配送に利用される。
【0005】
このような折畳コンテナを折畳形態から組立形態へ自動で組み立てるべく、段積みされた複数の折畳形態の折畳コンテナのうち、最下段にある折畳コンテナの上枠に係合して同上枠を所定高さ位置に保持する保持体と、保持体により一定高さに保持された上枠から下枠を自重により下方に降下させて左右側板を直立伸延させる下降機と、同下降機の下手側に配置され、下降機から搬送されてきた左右側板の直立伸延状態の折畳コンテナ内に侵入して前後側板を内側から外側に向かって押圧する前後側板押圧機と、を備えた折畳コンテナの自動組立装置(例えば、特許文献1参照。)が提案されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
ところで、近年の物流業界では、被配送物の商品価値を不用意に損なわせることのないように、コンテナ内にゴミや雨水などの侵入物の侵入を防止する蓋付き折畳コンテナが広く普及してきている。
【0008】
蓋付き折畳コンテナ(以下、単にコンテナとも言う。)は、
図18(b)及び
図18(c)に示すように上枠の左右側で観音開きに枢支され、上枠F内側の方形状の上方開口を対峙して開閉する一対の左右上蓋LT、RTを対向して備える。すなわち、蓋付きのコンテナCの折畳形態では、
図18(a)に示すように各板FP、BP、LP、RPが倒伏姿勢となるだけなく左右上蓋LT、RTも閉蓋姿勢となる。
【0009】
したがって、上記従来の装置によりコンテナを折畳形態から組立形態にする場合には、前後側板押圧機の侵入口となる上枠の内側の上方開口を開放する必要が生じ、例えば予め人手により左右上蓋を開蓋姿勢とするなどの開蓋作業負担が生じる問題があった。
【0010】
また、従来の装置は、各板を略起立姿勢としたり前後側板を押圧して各板の起立姿勢を完了するなど折畳形態から組立形態にするまでの各組立工程に応じた構成部材を連続して設けてはいるものの、その構造上、各組立工程ごとの構成部材を別々の場所に設置する必要が生じ、必然的に大型化してしまい搬送元では広い設置スペースを要する問題を抱えていた。
【0011】
本発明は、斯かる事情に鑑みてなされたものであって、蓋付きの折畳コンテナに対応でき、コンテナの左右上蓋を閉蓋姿勢から開蓋姿勢すると共に左右側板や前後側板を倒伏姿勢から起立姿勢に姿勢変位し、コンテナを折畳形態から組立形態とする一連のコンテナ組立工程を、一箇所で一度に実施することができ、省スペース化を図ることができる蓋付き折畳コンテナの組立装置を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0012】
上記従来の課題を解決するために、本発明に係るコンテナ自動組立装置は、(1)平面視方形状の上枠と、前記上枠の下方に配置される平面視方形状且つ有底状の下枠と、前記上枠と前記下枠との間で左右対向する一対の左右側板と、前記上枠と前記下枠との間で前後対向する一対の前後側板と、を備え、一対の前記左右側板は前記上枠と前記下枠との左右側で回動可能に連結されると共に上下方向の所定位置で長手に沿った枢支部を介して内側に折曲可能とし、一対の前記前後側板は前記上枠の前後側で回動可能に連結され、下端部を前記下枠の前後側端部に係合可能とし、さらに前記上枠の左右側で回動可能に連結され、前記上枠内側の上方開口を開閉する一対の左右上蓋と、を備える蓋付き折畳コンテナについて、前記左右上蓋を閉蓋姿勢にすると共に前記左右側板と前記前後側板とを倒伏姿勢にした折畳形態から前記左右上蓋を開蓋姿勢にすると共に前記左右側板と前記前後側板とを起立姿勢にした組立形態とするコンテナ自動組立装置であって、前記折畳コンテナを定置させる定置部と、前記定置部に定置された前記折畳コンテナの前記上枠の左右側部に係合して前記上枠を前記下枠から離反方向に上昇させ、前記左右側板を倒伏姿勢から起立姿勢に変位させる上昇機構と、前記上昇機構による前記上枠の上昇動作に伴い、前記定置部に定置された前記折畳コンテナの閉蓋姿勢の一対の前記左右上蓋の自由端部の前後側縁部に係合して前記左右上蓋を開蓋方向に回動させることにより閉蓋姿勢かから開蓋姿勢に変位させる開蓋機構と、前記開蓋機構による一対の前記左右上蓋の開蓋姿勢変位に伴い、前記定置部に定置された前記折畳コンテナの内側に侵入して一対の前記前後側板の内側面に当接すると共に一対の前記前後側板を内側から外側へ向かって押し広げ、一対の前記前後側板の下端部をそれぞれ前記下枠の前後側端部に係合させて一対の前記前後側板を倒伏姿勢から起立姿勢に変位させる側板ロック機構と、より構成すると共に、前記定置部の周囲に基枠を配設し、前記上昇機構は、前記基枠の左右側にそれぞれ配置した左側上昇機構部と右側上昇機構部とにより構成し、前記開蓋機構は、前記基枠の左右側にそれぞれ配置した左側開蓋機構部と右側開蓋機構部とにより構成し、前記側板ロック機構は、前記上昇機構の前記左右側上昇機構部同士の中間上方部に配置した前側板ロック機構部と後側板ロック機構部とにより構成したことを特徴とする。
【0013】
また、本発明に係るコンテナ自動組立装置は、以下の点にも特徴を有する。
(2)前記上昇機構は、前記折畳コンテナの前記上枠の左右側部の長手に沿って伸延し、前記上枠の左右側部に近接して係合可能とする一対の上枠係合フレームと、一対の前記上枠係合フレームの所定位置でそれぞれ連結し、前記折畳コンテナの左右側外方で昇降して前記上枠係合フレームを昇降可能とする一対のフレーム昇降体と、により前記左右側上昇機構部を構成したこと。
(3)前記上枠係合フレームは、前記上枠の左右側部の所定位置に形成された凹部に挿入され係合する係合突起を有すること。
(4)前記開蓋機構は、一対の前記フレーム昇降体の前後側端部で対向して上下方向に回動可能に枢着された一対の開蓋アームと、一対の前記開蓋アームの先端で倒立可能に枢着され、先端部で前記折畳コンテナの前記左右上蓋の自由端部の前後側縁部を下側から支持可能とした蓋受爪体と、により前記左右側開蓋機構部を構成したこと。
(5)前記蓋受爪体は、一対の前記開蓋アームの下方回動に伴い一対の前記左右上蓋の自由端部の前後側縁部の上方から前記先端部で接触して上方反力が付与された状態で回動して傾倒姿勢とすると共に、前記上方反力が無い状態では起立姿勢に復帰する爪体付勢手段を有すること。
(6)前記側板ロック機構は、前記定置部の上方位置に配置された支持フレームと、前記支持フレームに配設され、前記支持フレームから前記折畳コンテナの内側へ降下可能なアームガイド体と、前記支持フレームの前後方向中央部で基端を回動可能に枢支した一対のリンクロッドと、一対の前記リンクロッドの先端で基端をそれぞれ回動可能に枢支されると共に前記アームガイド体の前後端部でそれぞれ中途部を回動可能に枢支され、前記アームガイド体の降下に伴い互いに離反方向に前後揺動して一対の前記前後側板を内側から外側方向に下方押圧する一対の前記前後側板押圧アームと、により前記前後側板ロック機構部を構成したこと。
(7)折畳形態の前記折畳コンテナを搬送する搬送面の所定位置に前記定置部を形成するためのコンテナ定置手段を有し、前記上昇機構と前記開蓋機構と前記側板ロック機構とにより組立形態とした前記折畳コンテナを前記定置部より下手側に搬送可能とした搬送機構を有すること。
(8)前記搬送機構は、前記上枠の高さよりも高い位置で前記開蓋機構により開蓋方向に回動された一対の前記左右上蓋を保持するように、前記開蓋機構の配設位置から搬送方向の下手側にかけて互いの間隔を漸次狭幅状にして伸延する一対の閉蓋ガイドを有すること。
【発明の効果】
【0014】
請求項1に係る発明によれば、定置部に不動状態で定置された折畳形態のコンテナを中心にして、上昇機構によりコンテナの上枠を上昇させて左右側板を折曲状態とした倒伏姿勢から直立伸延状態とした起立姿勢に変位させ、同時に開蓋機構により左右上蓋を閉蓋姿勢から開蓋姿勢に変位させて上枠内側の上方開口を開放して側板ロック機構の侵入口を確保し、側板ロック機構により前後側板を下枠に係合すると共に前後側板を略水平状態の倒伏姿勢から略垂直の起立姿勢に変位させることによりコンテナを組立形態にすることができる。
【0015】
すなわち、定置部を中心にして相対的な動作及び位置関係で配設した上昇機構、開蓋機構、側板ロック機構の各機構により、各機構が互いに干渉することなくコンテナの定置場所で左右側板の倒伏姿勢から起立姿勢、左右上蓋の開蓋姿勢から開蓋姿勢、前後側板の倒伏姿勢から起立姿勢といった各姿勢変位を実施するコンテナの各組立工程を一箇所で一度に行うことができ、組立作業効率を飛躍的に向上させることができ、省スペース化を図ることができる効果がある。
【0016】
また、請求項2に係る発明によれば、上昇機構において、一対の上枠係合フレームにより上枠を左右側から挟持するようにして上枠の左右側部との係合状態を保持することができ、同係合状態を保持したままフレーム昇降体による上昇時の上枠の不用意な落下事故を防止することができる効果がある。また、定置部に定置され、開蓋機構や側板ロック機構の作動応力を受けるコンテナの姿勢を保持することができ、組立工程を実施することができる。
【0017】
また、請求項3に係る発明によれば、上昇機構において、既存のコンテナにおいて補強や軽量化、前後側板や左右側板の枢軸のために予め上枠の左右側部の所定位置に形成された凹部を上枠係合フレームの係合突起が挿入され係合する係合部として利用して、フレーム昇降体による上昇時の上枠落下事故の防止をより堅実とする効果がある。
【0018】
また、請求項4に係る発明によれば、開蓋機構において、開蓋アームの下方回動により蓋受爪体の先端部を閉蓋姿勢の左右上蓋の自由端部の前後側縁部の下側に位置づけ、開蓋アームを跳ね上げるように上方回動することにより、蓋受爪体の先端部が左右上蓋を前後側縁部で支持すると共に外方回動させて開蓋姿勢とし、上枠の上方開口を確実に開放できる効果がある。
【0019】
また、請求項5に係る発明によれば、開蓋機構において、開蓋アームの下方回動により蓋受爪体が左右上蓋の前後側縁部に上方から接触した場合には、その先端の蓋受爪体を傾倒姿勢にして蓋受爪体の先端部を左右上蓋の前後側縁部に干渉させることなくその下方位置に位置付けることができ、さらに爪体付勢手段により起立姿勢にして蓋受爪体の先端部を左右上蓋の前後側縁部と上枠の間に確実に介挿配置することができる効果がある。
【0020】
また、請求項6に係る発明によれば、側板ロック機構において、アームガイド体の下方動作をリンクロッド介して上枠の前後側で枢着された前後側板の下方回動軌跡に沿った前後側板押圧アームの下方揺動動作に変換することができ、同前後側板押圧アームにより前後側板を内側から外側へ向かって押圧することにより前後側板の下端部を下枠の前後端部に確実に係合させることができる効果がある。
【0021】
また、請求項7に係る発明によれば、搬送機構において、コンテナ定置手段により形成される定置部に上流側から搬送される折畳形態のコンテナを設置して各機構により組立形態とするコンテナの組立作業を連続的に実施することができる効果がある。
【0022】
また、請求項8に係る発明によれば、搬送機構において、一対の閉蓋ガイドにより、開蓋機構で開蓋方向に回動された一対の左右上蓋を上枠の高さよりも高い位置で下方支持して組立形態のコンテナの上方開口の開放状態を保持し、組立形態のコンテナの設置面の下流側への搬送動作に伴い一対の左右上蓋を摺動させつつ、狭幅状部分で閉蓋方向に回動させて一対の左右上蓋を閉蓋姿勢にしてコンテナの上方開口を閉蓋状態にすることができる効果がある。
【図面の簡単な説明】
【0023】
【
図1】本発明に係るコンテナ自動組立装置の構成を示す全体斜視図である。
【
図2】本発明に係るコンテナ自動組立装置の要部構成を示す斜視図である。
【
図3】本発明に係るコンテナ自動組立装置の構成を示す側面図である。
【
図4】本発明に係るコンテナ自動組立装置の構成を示す正面図である。
【
図5】本発明に係る上昇機構及び開蓋機構の構成を示す斜視図である。
【
図6】本発明に係る上昇機構及び開蓋機構の構成を示す平面図である。
【
図7】本発明に係る上昇機構の作動状態を示す模式的正面図である。
【
図8】本発明に係る開蓋機構の作動状態を示す模式的正面図である。
【
図9】本発明に係る開蓋機構の蓋受爪体の倒立動作を示す模式的側面図である。
【
図10】本発明に係る側板ロック機構の構成を示す斜視図である。
【
図11】本発明に係る側板ロック機構の構成を示す拡大正面図である。
【
図12】本発明に係る側板ロック機構の作動状態を示す模式的側面図である。
【
図13】本発明に係る側板ロック機構の作動状態を示す模式的側面図である。
【
図14】本発明に係る搬送機構の構成を示す模式的側面図である。
【
図15】本発明に係る搬送機構の構成を示す上方斜視図である。
【
図16】本発明に係るコンテナ自動組立装置の電気的構成を示すブロック図である。
【
図17】本発明に係るコンテナ自動組立装置の作動説明を示すフロー図である。
【
図18】本発明に係るコンテナ自動組立装置に使用される蓋付き折畳コンテナの構成を示す説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0024】
この発明の要旨は、平面視方形状の上枠と、前記上枠の下方に配置される平面視方形状且つ有底状の下枠と、前記上枠と前記下枠との間で左右対向する一対の左右側板と、前記上枠と前記下枠との間で前後対向する一対の前後側板と、を備え、一対の前記左右側板は前記上枠と前記下枠との左右側で回動可能に連結されると共に上下方向の所定位置で長手に沿った枢支部を介して内側に折曲可能とし、一対の前記前後側板は前記上枠の前後側で回動可能に連結され、下端部を前記下枠の前後側端部に係合可能とし、さらに前記上枠の左右側で回動可能に連結され、前記上枠内側の上方開口を開閉する一対の左右上蓋と、を備える蓋付き折畳コンテナについて、前記左右上蓋を閉蓋姿勢にすると共に前記左右側板と前記前後側板とを倒伏姿勢にした折畳形態から前記左右上蓋を開蓋姿勢にすると共に前記左右側板と前記前後側板とを起立姿勢にした組立形態とするコンテナ自動組立装置であって、前記折畳コンテナを定置させる定置部と、前記定置部に定置された前記折畳コンテナの前記上枠の左右側部に係合して前記上枠を前記下枠から離反方向に上昇させ、前記左右側板を倒伏姿勢から起立姿勢に変位させる上昇機構と、前記上昇機構による前記上枠の上昇動作に伴い、前記定置部に定置された前記折畳コンテナの閉蓋姿勢の一対の前記左右上蓋の自由端部の前後側縁部に係合して前記左右上蓋を開蓋方向に回動させることにより閉蓋姿勢から開蓋姿勢に変位させる開蓋機構と、前記開蓋機構による一対の前記左右上蓋の開蓋姿勢変位に伴い、前記定置部に定置された前記折畳コンテナの内側に侵入して一対の前記前後側板の内側面に当接すると共に一対の前記前後側板を内側から外側へ向かって押し広げ、一対の前記前後側板の下端部をそれぞれ前記下枠の前後側端部に係合させて一対の前記前後側板を倒伏姿勢から起立姿勢に変位させる側板ロック機構と、より構成すると共に前記定置部の周囲に基枠を配設し、前記上昇機構は、前記基枠の左右側にそれぞれ配置した左側上昇機構部と右側上昇機構部とにより構成し、前記開蓋機構は、前記基枠の左右側にそれぞれ配置した左側開蓋機構部と右側開蓋機構部とにより構成し、前記側板ロック機構は、前記上昇機構の前記左右側上昇機構部同士の中間上方部に配置した前側板ロック機構部と後側板ロック機構部とにより構成したことを特徴とするコンテナ自動組立装置を提供することにある。
【0025】
また、前記上昇機構は、前記折畳コンテナの前記上枠の左右側部の長手に沿って伸延し、前記上枠の左右側部に近接して係合可能とする一対の上枠係合フレームと、一対の前記上枠係合フレームの所定位置でそれぞれ連結し、前記折畳コンテナの左右側外方で昇降して前記上枠係合フレームを昇降可能とする一対のフレーム昇降体と、により前記左右側上昇機構部を構成したことに特徴を有する。
【0026】
また、前記上枠係合フレームは、前記上枠の左右側部の所定位置に形成された凹部に挿入され係合する係合突起を有することに特徴を有する。
【0027】
また、前記開蓋機構は、一対の前記フレーム昇降体の前後側端部で対向して上下方向に回動可能に枢着された一対の開蓋アームと、一対の前記開蓋アームの先端で倒立可能に枢着され、先端部で前記折畳コンテナの前記左右上蓋の自由端部の前後側縁部を下側から支持可能とした蓋受爪体と、により前記左右側開蓋機構部を構成したことに特徴を有する。
【0028】
また、前記蓋受爪体は、一対の前記開蓋アームの下方回動に伴い一対の前記左右上蓋の自由端部の前後側縁部の上方から前記先端部で接触して上方反力が付与された状態で回動して傾倒姿勢とすると共に、前記上方反力が無い状態では起立姿勢に復帰する爪体付勢手段を有することに特徴を有する。
【0029】
また、前記側板ロック機構は、前記定置部の上方位置に配置された支持フレームと、前記支持フレームに配設され、前記支持フレームから前記折畳コンテナの内側へ降下可能なアームガイド体と、前記支持フレームの前後方向中央部で基端を回動可能に枢支した一対のリンクロッドと、一対の前記リンクロッドの先端で基端をそれぞれ回動可能に枢支されると共に前記アームガイド体の前後端部でそれぞれ中途部を回動可能に枢支され、前記アームガイド体の降下に伴い互いに離反方向に前後揺動して一対の前記前後側板を内側から外側方向に下方押圧する一対の前記前後側板押圧アームと、により前記前後側板ロック機構部を構成したことに特徴を有する。
【0030】
また、折畳形態の前記折畳コンテナを搬送する搬送面の所定位置に前記定置部を形成するためのコンテナ定置手段を有し、前記上昇機構と前記開蓋機構と前記側板ロック機構とにより組立形態とした前記折畳コンテナを前記定置部より下手側に搬送可能とした搬送機構を有することに特徴を有する。
【0031】
また、前記搬送機構は、前記上枠の高さよりも高い位置で前記開蓋機構により開蓋方向に回動された一対の前記左右上蓋を保持するように、前記開蓋機構の配設位置から搬送方向の下手側にかけて互いの間隔を漸次狭幅状にして伸延する一対の閉蓋ガイドを有することに特徴を有する。
【0032】
以下、本発明について、[1]コンテナの概要、[2]コンテナ自動組立装置の全体概要、[3]上昇機構、[4]開蓋機構、[5]側板ロック機構、[6]搬送機構、[7]コンテナ自動組立装置の電気的構成及び動作説明、の順に説明する。また、[2]~[7]に関し、基本的にはコンテナを基準に、対向する前後側板のある側をそれぞれ「前側」「後側」又は「正面側」「背面側」、対向する左右側板のある側をそれぞれ「左側」「右側」、上枠がある側を「上側」「平面側」、下枠のある側を「下側」「底面側」とする。
【0033】
[1]コンテナの概略的説明
コンテナ自動組立装置A(以下、単に本装置Aとも言う。)により組み立てられるコンテナCは、
図18(a)~
図18(c)で示したように、平面視方形状の上枠Fと、上枠Fの下方に配置される平面視方形状且つ有底状の下枠Bと、上枠Fと下枠Bとの間で左右対向して長側壁を形成するように中央部で折曲する一対の左右側板LP、RPと、上枠Fと下枠Bとの間で前後対向して短側壁を形成するように下端部を下枠Bに係合する一対の前後側板FP、BPと、上枠Fの左右側で回動可能に連結され、上枠F内側の平面視方形状の上方開口F3の半開口部を左右対峙して開閉する一対の左右上蓋LT、RTとを備えた蓋付きの折畳コンテナCである。なお、蓋のついていない折畳コンテナであっても本装置Aにより組立可能である。
【0034】
上枠Fは、平面視方形状であって、前後左右側フレームF1、F1’、F2、F2’より構成している。左右側フレームF1、F1’は、補強や軽量化、前後側板FP、BPや左右側板LP、RPの枢軸のための凹部F10をそれぞれ内方に凹ませて形成している。本実施例の左右側フレームF1、F1’の前後端近傍部外側には、それぞれ後述する上枠係合フレームの係合突起と係合するための凹部F10を2つ形成している。また、前後側フレームF2、F2’の上端縁中央には、それぞれ指係止用凹部F20を形成している。指係止用凹部F20は、左右上蓋LT、RTの閉蓋状態で、左右上蓋LT、RTの自由端部の前後側縁部LT10、LT10’、RT10、RT10’を前後側フレームF2、F2’の上端縁から外方にせり出させる。
【0035】
下枠Bは、断面視上方開放コ字の有底状であって、
図18(b)に示すように平面視方形平板状の底板部B3と、底板部B3の周縁に沿って立ち上げた前後左右側フレームB1、B1’B2、B2’により構成している。
【0036】
一対の左右側板LP、RPは、
図18(b)及び
図18(c)に示すように、それぞれ上側に配置される長側上板部LP1、RP1と下側に配置される長側下板部LP2、RP2との2枚の側板部を備える。長側上板部LP1、RP1は、上枠Fの左右側フレームF1、F1’に対し、上端部で枢支部を介して上枠Fの下方で回動可能に連結している。また、長側下板部LP2、RP2は、下枠Bの前後側フレームF2、F2’に対し、下端部で枢支部を介して下枠Bの上方で回動可能に連結している。これら長側上板部LP1、RP1と長側下板部LP2、RP2が、それぞれの下端部と上端部との端面同士を突き合わせた状態で、外側に設けた枢支部を介して回動可能に連結することにより、左右側板LP、RPを内側に折曲げ可能に構成している。
【0037】
一対の前後側板FP、BPは、上枠Fの前後側フレームF2、F2’に下方回動可能に連結している。また、前後側板FP、BPは、それぞれ下端部を下枠Bの前後側フレームB2、B2’の内側に当接係合する。前後側板FP、BPの下端部と下枠Bの前後側フレームB2、B2’とは、互いに係合可能に構成していてもよい。すなわち、前後側板FP、BPは、上枠Fから回動変位して下端部を下枠Bの前後側フレームB2、B2’の上端部にそれぞれ係合させ、上枠Fと下枠Bとの間で自立した起立姿勢を保持して組立形態のコンテナCの支柱機能を果たす。
【0038】
一対の左右上蓋LT、RTは、観音開きに上枠Fの左右側フレームF1、F1’に連結している。左右上蓋LT、RTは、閉蓋時に互いに上枠F上で内側の上方開口F3の半開口部を閉蓋するように面一状とした閉塞姿勢で、自由端縁部同士を対峙させて噛合対応する波形に形成している。
【0039】
このような構成のコンテナCは、
図18(a)に示すように前後側板FP、BPを上方回動させて倒伏姿勢とする前後側板倒伏工程、左右側板LP、RPを枢支部を介して内方折曲げ状態にして倒伏姿勢とする左右側板倒伏工程、上枠F上方の左右上蓋LT、RTを内方回動させて閉蓋姿勢にする閉蓋工程、の3つの折畳工程を経て上枠Fと下枠Bとを重ね合わせて折り畳まれて組立形態から折畳形態に変形する。
【0040】
一方、コンテナCは、
図18(c)に示すように上枠F上方の左右上蓋LT、RTを外方回動させて開蓋姿勢にする開蓋工程、左右側板LP、RPを枢支部を介して直立伸延状態にして起立姿勢とする左右側板起立工程、前後側板FP、BPを下方回動させて下端部を下枠Bに係合させ自立状態の起立姿勢とする前後側板起立工程、の3つの組立工程を経て、上枠Fと下枠Bとの間で起立姿勢の左右側板LP、RPと前後側板FP、BPとによりそれぞれ一対の長側壁と一対の短側壁とを形成して折畳形態から組立形態に変形する。
【0041】
[2]コンテナ自動組立装置の全体概要
次に、コンテナ自動組立装置の全体概要を図面に基づき詳細に説明する。
図1はコンテナ自動組立装置の構成を示す全体斜視図、
図2はコンテナ自動組立装置の要部構成を示す斜視図、
図3はコンテナ自動組立装置の構成を示す側面図、
図4はコンテナ自動組立装置の構成を示す正面図である。
【0042】
本装置Aは、概略的には、
図1に示すように、コンテナCを搬送する搬送機構5と、搬送機構5の搬送面の中途部に形成した折畳形態のコンテナCを定置する定置部1と、定置部1に定置されたコンテナCを折畳形態から組立形態のコンテナCへ変形するための上昇機構2、開蓋機構3、及び側板ロック機構4を備えて構成している。
【0043】
これらの定置部1と各機構2、3、4、5は、
図1に示
すように、複数の縦横フレーム部61、62により組み上げられた基台フレーム6の所定位置に配設されている。特にコンテナCの組立要部となる定置部1、上昇機構2、開蓋機構3、及び側板ロック機構4(以下、単に各組立機構2、3、4ともいう。)は、
図2~
図4に示すように基台フレーム6の長手方向中央部に配設した縦長直方体状の方形フレーム60に設けている。
【0044】
すなわち、本装置Aは、定置部1の周囲に基枠60aを配設し、上昇機構2は、基枠60aの左右側にそれぞれ配置した左側上昇機構部2Lと右側上昇機構部2Rとにより構成し、開蓋機構3は、基枠60aの左右側にそれぞれ配置した左側開蓋機構部3Lと右側開蓋機構部3Rとにより構成し、側板ロック機構4は、上昇機構2の左右側上昇機構部2L、2R同士の中間上方部に配置した前側板ロック機構部4Fと後側板ロック機構部4Bとにより構成している。
【0045】
すなわち、本装置Aは、各組立機構2、3、4を基枠60aに対して定置部1を中心に左右側及び上側に相対的に配設して、同各組立機構2、3、4により定置部1に定置したコンテナCを折畳形態から組立形態へ変形する各種自動組立作動を同一箇所で実行できるように構成している。
【0046】
定置部1は、折畳形態のコンテナCを一定方向に向けた不動の静置状態とし、同コンテナCに対して各組立機構2、3、4がそれぞれ対応する組立工程を実施した場合に、各組立機構2、3、4による作業応力を受けたコンテナCが不用意に姿勢変位しないように定置姿勢を保持する。
【0047】
すなわち、定置部1は、コンテナCを定置するためのコンテナCの下枠Bと略同じ平面視方形状の定置面10を有し、同定置面10を中心に左右側及び上側に各組立機構2、3、4の配設することにより組立形態のコンテナCの外形と略同じの仮想方形空間(
図2~
図4及び図6中、破線で囲った部分
)として構成している。
【0048】
また、定置部1は、その仮想方形空間の前後側を開放させ、
図2及び
図3に示すように後方開口を折畳形態のコンテナCを定置部1内に挿入するためのコンテナ挿入口11Bにすると共に、前方開口を定置部1内で各組立機構2、3、4により折畳形態から組立形態に変形したコンテナCを取り出すためのコンテナ取出口11Fに構成している。
【0049】
また、定置部1は、コンテナCの下枠Bの前後外側に当接係合するコンテナ定置手段51により定置面10に載置されたコンテナCを平面視で左右前後の動きを規制した静置状態にして定置可能に構成している。
【0050】
コンテナ定置手段としては、下枠Bの少なくとも前後外側に当接係合してコンテナCの姿勢を保持できるものであればよく、例えば定置面10の前後側縁部でそれぞれで立設する突起でもよい。詳細については後述するが、本実施例のコンテナ定置手段は、定置面10の前後側縁部でそれぞれ倒立可能とした前後一対のコンテナストッパー510a、510bで構成している。
【0051】
これにより、定置部1は、その左右上下側に配設した各組立機構2、3、4がコンテナの組立工程を安定して実施するための組立作業台として機能する。なお、コンテナCは、定置部1において、左右側を定置部1の左右側に平行にすると共に前後側を定置部1の前後側に平行にした状態で定置面10上に定置される。
【0052】
上昇機構2は、
図2及び
図4に示すように基枠60aの左右側、すなわち定置部1の左右側に左側上昇機構部2Lと右側上昇機構部2Rとをそれぞれ配置して構成している。上昇機構2は、左右側上昇機構部2L、2Rにより定置部1に定置されたコンテナCの上枠Fの左右側フレームF1、F1’に当接係合して上枠Fを左右側から挟持して下枠Bから離反方向に上昇させて左右側板LP、RPを倒伏姿勢から起立姿勢に変位させる。すなわち、上昇機構2は、コンテナCの組立工程において、左右側板起立工程を実行する。
【0053】
開蓋機構3は、
図3及び
図4に示すように基枠60aの左右側、すなわち定置部1の前後側且つ左右側に左側開蓋機構部3Lと右側開蓋機構部3Rとをそれぞれ配置して構成している。開蓋機構3は、上昇機構2による上枠の上昇動作に伴い、左右側開蓋機構部3L、3Rにより定置部1に定置されたコンテナCの閉蓋姿勢の一対の左右上蓋LT、RTの自由端部の前後側縁部LT10、LT10’、RT10、RT10’に係合して、左右上蓋LT、RTを開蓋方向に回動させて閉蓋姿勢から開蓋姿勢に変位させる。すなわち、開蓋機構3は、コンテナCの組立工程において、開蓋工程を実行する。
【0054】
なお、上昇機構2及び開蓋機構3は、開蓋機構3による折畳形態のコンテナCの左右上蓋LT、RTの開蓋動作と上昇機構2による折畳形態のコンテナCの上枠Fの上昇動作を同時に行うようにしてコンテナの組立工程のサイクルタイムを短縮すべく構成している。換言すれば、本装置Aは、上昇機構2と開蓋機構3とを同期連動させてコンテナCの左右側板起立工程と開蓋工程とを同時に行うように構成している。
【0055】
側板ロック機構4は、
図3及び
図4に示すように上昇機構2の左右側上昇機構部2L、2R同士の中間上方部、すなわち定置部1の上方位置に配置した前側板ロック機構部4Fと後側板ロック機構部4Bとにより構成している。側板ロック機構4は、開蓋機構3による左右上蓋LT、RTの開蓋姿勢変位に伴い、前後側板ロック機構部4F、4Bにより定置部1に定置されたコンテナCの内側に侵入して一対の前後側板FP、BPの内側面に当接すると共に前後側板FP、BPを内側から外側へ向かって押し広げ、前後側板FP、BPの下端部を底板部B3の前後側フレームB2、B2’に係合させて前後側板FP、BPを倒伏姿勢から起立姿勢に変位させる。すなわち、側板ロック機構4は、コンテナCの組立工程において、前後側板起立工程を実行する。
【0056】
以上のように各組立機構2、3、4は、定置部1に不動状態で定置された折畳形態のコンテナCを中心に、コンテナCの各組立工程を実現する相対的作動をするように基枠60a(方形フレーム60)に配設されている。定置部1で各組立機構2、3、4により折畳形態から組立形態に変形されたコンテナCは、
図1で示した搬送機構5により定置部1より下流側に搬送されて被配送物の収納配送に使用される。
【0057】
[3]上昇機構
次に、本発明に係る上昇機構2の具体的構成について、図面を参照しながら説明する。
図5は上昇機構及び開蓋機構の構成を示す斜視図、
図6は上昇機構及び開蓋機構の構成を示す平面図、
図7(a)は上昇機構の作動状態における降下姿勢を示す模式的正面図、
図7(b)は上昇機構の作動状態における上昇姿勢を示す模式的正面図である。
【0058】
上昇機構2は、
図3~
図7(b)に示すように、コンテナCの上枠Fの左右側フレームF1、F1’の長手に沿って伸延し、上枠Fの左右側フレームF1、F1’に近接して係合可能とする左右一対の上枠係合フレーム20、20’と、左右一対の上枠係合フレーム20、20’の所定位置でそれぞれ連結し、コンテナCの左右側外方で昇降して上枠係合フレーム20、20’を昇降可能とする左右一対のフレーム昇降体21、21’と、を備えて左右側上昇機構部2L、2Rを構成している。
【0059】
すなわち、左右側上昇機構部2L、2Rは、昇降駆動部26により連動して昇降するフレーム昇降体21、21’と、フレーム昇降体21、21’の上端に連設したスライド駆動部24、24’により連動して近接作動する上枠係合フレーム20、20’とで構成している。
【0060】
左右側上昇機構部2L、2R、すなわち一対の上枠係合フレーム20、20’と一対のフレーム昇降体21、21’とは、
図6に示すように、正面視でそれぞれ定置部1(定置面10)の左右側外方で、定置部1の左右方向中央部に前後方向で伸延する中心線(
図6中、一点鎖線で示す。)に対して線対称に配置している。
【0061】
一対の上枠係合フレーム20、20’は、
図5及び
図6に示すように定置部1の左右側縁に沿って伸延する長尺帯板であって、それぞれ一対のフレーム昇降体21、21’の上部に対し、定置部1の内方に突出して固定された平板状のブラケット23、23’を介して、
図6に示すようにフレーム昇降体21、21’に垂直面をなす板面20a、20a’同士を面対向した状態で連設している。
【0062】
一対の上枠係合フレーム20、20’はそれぞれ、
図5及び
図6に示すように同期作動するスライド駆動部24、24’のスライド応力により上枠Fの左右側フレームF1、F1’に対して左右側から近接移動可能にしている。なお、スライド駆動部24、24’は、上枠係合フレーム20、20’にスライド応力を付与できるものであればよく、例えば駆動シリンダ、又は駆動モータであってもよい。
【0063】
本実施例のスライド駆動部24、24’は、
図7(a)及び
図7(b)に示すように進出退去する駆動ロッド241、241’を有した駆動シリンダ240、240’であって、同駆動シリンダ240、240’は、駆動ロッド241の先端方向を定置部1の内側に向けると共に駆動ロッド241の進出退去方向を定置部1の左右側方向に沿うように固定している。この駆動ロッド241の先端に、板面20a、20a’同士を面対向させると共に垂直面をなして上枠係合フレーム20、20’を設けている。
【0064】
スライド駆動部24は、駆動ロッド241の最退去位置から最進出位置までの進出距離を、ロッド先端に連設した上枠係合フレーム20、20’の板面20a、20a’がコンテナCの上枠Fの左右側フレームF1、F1’の外側面に面平行にした状態でスライドし、後述する係合突起25、25’を凹部F10に係合させる距離に制御している。
【0065】
すなわち、スライド駆動部24は、駆動ロッド241、241’の最退去位置では上枠係合フレーム20、20’の係合突起25、25’がコンテナCの上枠Fの左右側フレームF1、F1’に干渉しない位置とし、駆動ロッド241、241’の最進出位置では上枠Fの左右側フレームF1、F1’の凹部F10に係合突起25、25’を係合させる位置とするように駆動する。
【0066】
また、上枠係合フレーム20、20’同士の対向する板面20a、20a’の前後側端部には、
図6~
図7(b)に示すように上枠Fの左右側フレームF1、F1’の前後端部に形成された2つの凹部F10に挿入対応する係合突起25、25’を2つ、合計で4つ突設している。
【0067】
係合突起25、25’は、
図5に示すように略円柱状であって、
図7(a)に示すように折畳形態のコンテナ上枠Fの左右側フレームF1、F1’への近接方向に沿うように、上枠係合フレーム20、20’の板面20a、20a’から外方突出している。なお、係合突起25、25’の突出長さは、凹部F10の溝深さ以下としている。
【0068】
フレーム昇降体21は、側面視略ロ字状であって、
図6に示すように定置部1の左右側外方に配置され、
図3及び
図5に示すように前後側に一定間隔を保持して縦方向に伸延する前後側縦フレーム部210a、210bと、前後側縦フレーム部210a、210b同士の上下端で横方向に伸延する一対の上下側横フレーム部211a、211bと、を備える。
【0069】
上側横フレーム部211a、211a’の中央部にはブラケット23、23’が定置部1の内方に向けて設けられている。また、上側横フレーム部211a、211a’には、開蓋機構3により開蓋姿勢とした一対の左右上蓋LT、RTをそれぞれ下方で受け止める左右上蓋受ステー212、212’が設けられている。
【0070】
左右上蓋受ステー212、212’は、
図5及び
図6に示すように上側横フレーム部211a、211a’の前後側に立設され、定置部1の内方にせり出すように正面視略く字状に折曲した支持棒212b、212b’の先端で左右上蓋LT、RTに当接する受面212a、212a’を定置部1の内側且つ斜め上方に向けるように設けられる。
【0071】
フレーム昇降体21は、基枠60aの下部に配設した昇降駆動部26の駆動力により昇降可能に構成している。なお、昇降駆動部26は、フレーム昇降体21に昇降動力を付与できるものであればよい。本実施例の昇降駆動部26は駆動モータ260とし、
図5~
図7(b)に示すように定置部1の下方位置中央に配設している。
【0072】
駆動モータ260には、
図6~
図7(b)に示すようにモータの動力により回転駆動する駆動シャフト261を軸着している。駆動シャフト261は、回転方向(回転による接線方向)を定置部1の前後側方向に沿う方向にして一対のフレーム昇降体21、21’同士の間で伸延している。
【0073】
駆動シャフト261の両端部には、
図7(a)及び
図7(b)に示すように側面視楕円形状のカム板27、27’がオーバル状の重心部分で駆動シャフト261と一体回転可能に枢着されている。
【0074】
カム板27、27’の楕円形状の先端外側には、接触子としてカム板27、27’の回転方向と同じ回転方向とする回転体270、270’を回転可能に軸着しており、同回転体270、270’を下側横フレーム部211b、211b’に設けたカム溝部27a、27a’に遊嵌している。
【0075】
カム溝部27a、27a’は、
図7(a)及び
図7(b)に示すように下側横フレーム部211b、211bと略同じ長さで前後伸延する断面視L字状のカムフォロワーレール270a、270a’をそれぞれL字開放側を対向させると共にL字長辺上部で下側横フレーム部211b、211b’に垂設することにより、カムフォロワーレール270a、270a’と下側横フレーム部211b、211b’との間で形成したL字内方空間として形成している。
【0076】
すなわち、フレーム昇降体21、21’は、カム板27、27’とカム溝部27a、27a’によるカム構造を介して昇降駆動部26とリンクしている。これにより、駆動シャフト261を介して駆動モータ260により回転駆動するカム板27、27’の回転に伴い、その先端の回転体270、270’が駆動シャフト261を中心に上下に回動変位すると共にカム溝部27a、27a’によりガイドされながら前後方向に移動してフレーム昇降体21、21’を昇降移動可能とする。
【0077】
また、前後側縦フレーム部210a、210bの左右側外方には、前後側縦フレーム部210a、210bと平行に伸延する昇降ガイドシャフト28a、28bを基枠60aに固定して前後側に2つ立設している。前後側縦フレーム部210a、210bの下部には、それぞれ昇降ガイドシャフト28に遊嵌対応するガイドブッシュ29を固定している。つまり、フレーム昇降体21は、昇降ガイドシャフト28a、28bとガイドブッシュ29a、29bとによる昇降ガイド構造を介してガイドされ上下方向にスライドする。
【0078】
このように、フレーム昇降体21は、昇降駆動部26から伝達される駆動力を、カム板27とカム溝部27aによるカム構造、及び昇降ガイドシャフト28a、28bとガイドブッシュ29a、29bによる昇降ガイド構造を介して昇降動力に変換し、定置部1の左右側外方で上昇可能としている。
【0079】
なお、昇降駆動部26は、フレーム昇降体21の最降下位置から最上昇位置までの移動距離を、組立形態のコンテナCの高さ、すなわち
図18(b)に及び
図18(c)で示した起立姿勢の左右側板LP、RPの上下長さと同じくする距離とするように制御している。
【0080】
すなわち、昇降駆動部26は、フレーム昇降体21が最降下位置にある降下姿勢状態では上枠係合フレーム20が定置部1に定置した折畳形態のコンテナCの上枠Fに対向する位置に位置づけられる一方、フレーム昇降体21が最上昇位置にある上昇姿勢状態では上枠係合フレーム20と係合した上枠Fが下枠Bから引き上げられるに伴い直立伸延する起立姿勢の左右側板LP、RPの上下長さ高さと同じ高さ位置に位置づけられるように制御される。
【0081】
このように、上昇機構2は、
図7(a)に示すように左右側上昇機構部2L、2Rの上枠係合フレーム20、20’により、折畳形態のコンテナCの上枠Fをそれぞれ左右側から挟持するように左右側フレームF1、F1’に近接して係合する。
【0082】
このような状態で、後述する開蓋機構3や側板ロック機構4の作動応力をコンテナCが受けても同定置姿勢を堅実とし、各組立機構2、3、4による組立工程の実行を安定させる。
【0083】
また、
図7(b)に示すように左右一対の上枠係合フレーム20、20’の上枠Fの左右側フレームF1、F1’への係合状態を保持したままフレーム昇降体21、21’を上昇させると、コンテナCの上枠Fが下枠Bから引き上げられて上枠Fと下枠Bとの間の左右側板LP、RPが直立伸延状態となり起立姿勢とすることができる。
【0084】
[4]開蓋機構
次に、本発明に係る開蓋機構3の具体的構成について、図面を参照しながら説明する。
図8は開蓋機構の作動状態を示す模式的正面図、
図9は開蓋機構の蓋受爪体の倒立動作を示す模式的側面図である。
【0085】
開蓋機構3は、
図5、
図6、
図8(a)及び
図8(b)に示すように一対のフレーム昇降体21、21’の前後側端部で対向して上下方向に回動可能に枢着された一対の開蓋アーム30、30’と、同アーム先端で倒立可能に枢着され、先端部310、310でコンテナCの左右上蓋LT、RTの自由端部の前後側縁部LT10、LT10’を下側から支持可能とした一対の蓋受爪体31、31’と、により左右側開蓋機構部3L、3Rを構成している。
【0086】
すなわち、左右側開蓋機構部3L、3Rは、開蓋駆動部32、32’により同期して上下回動する開蓋アーム30、30’と、開蓋アーム30、30’の先端で傾倒可能に枢支される蓋受爪体31、31’と、を備えて構成している。
【0087】
この左右側開蓋機構部3L、3Rは、互いの開蓋アーム30、30’を同期して上下回動させると共に、同開蓋アーム30、30’の上下回動を前述の左右側上昇機構部2L、2Rのフレーム昇降体21、21’の上下昇降作動に同期するように連動制御しており、開蓋機構3による折畳形態のコンテナCの左右上蓋LT、RTの開蓋動作と上昇機構2による折畳形態のコンテナCの上枠Fの上昇動作を同時に行うように構成している。
【0088】
左右側開蓋機構部3L、3Rの開蓋アーム30、30’は、
図6に示すように、平面視においてそれぞれ定置部1の左右側外方で、定置部1の左右方向中央部に前後方向で伸延する中心線(
図6中、一点鎖線で示す。)に対して線対称に配置し、
図3に示すように側面視において、定置部1の後側で左右一対、定置部1の前側で左右一対、合計4つ設けている。
【0089】
なお、フレーム昇降体21、21’の前後端部における一対の開蓋アーム30、30’の対向状態とは、定置部1の左右側で相対的に対向している状態を意図しており、例えば、平面視で定置部1の中心点を中心に点対称に配置した状態も含む。すなわち、コンテナCの一対の左右上蓋LT、RTのそれぞれに開蓋対応する2つの開蓋アーム30、30’が、コンテナCの左右側外方のフレーム昇降体21、21’にそれぞれに少なくとも一つずつ配設されている状態である。
【0090】
開蓋アーム30、30’は、
図6に示すように定置部1に載置されたコンテナCの前後外側位置で上下回動してコンテナCに干渉しない位置、且つ、上下回動した場合に蓋受爪体31、31’の先端部310、310’がコンテナCの前後端部に干渉する位置で、フレーム昇降体21、21’に設けられる。
【0091】
すなわち、開蓋アーム30、30’は、互いの回動半径の総和を定置部1の前後端縁の長さ以下とし、互いの回動方向(回動による接線方向)を定置部1の前後側端部の外方で定置部1の左右側方向と平行とするようにフレーム昇降体21、21’に配設している。
【0092】
また、蓋受爪体31、31’は、
図6に示すように先端部310、310’が定置部1の前後端部に重なる位置、すなわち定置部1に定置されたコンテナCの左右上蓋LT、RTの自由端部の前後側縁部LT10、LT10’に重なる位置で、且つ倒立変位方向を定置部1の前後側方向に沿うように開蓋アーム30、30’の先端に取り付けられる。
【0093】
すなわち、蓋受爪体31、31’は、先端部310、310’を定置部1の内側に向け、倒立変位方向を開蓋アーム30、30’の回動変位方向に直交させて開蓋アーム30、30’先端に枢設している。
【0094】
このような相対的配置関係にある一対の開蓋アーム30、30’は、
図5、
図6、及び
図8に示すようにフレーム昇降体21、21’の側端部にそれぞれ設けた開蓋駆動部32、32’の駆動力により上下方向に回動可能としている。
【0095】
各開蓋駆動部32、32’は、同期回転する駆動軸321、321’を有した駆動モータ320、320’であって、駆動軸321、321’の軸方向を定置部1の前後側方向に向けると共に軸先端を外方に向けて、フレーム昇降体21、21’の上側横フレーム部211a、211a’の左右側端部にそれぞれ4つ配設している。
【0096】
開蓋駆動部32は、
図8(b)に示すように開蓋アーム30、30’を倒伏姿勢状態とする最下方回動位置について、定置部1に載置した折畳形態のコンテナCの左右上蓋LT、RTの自由端部の前後側縁部LT10、LT10’の下方に、互いの開蓋アーム30、30’先端の蓋受爪体31、31’の先端部310、310’を位置づけるように制御される。
【0097】
また、開蓋駆動部32は、
図8(a)に示すように開蓋アーム30、30’を起立姿勢状態とする最上方回動位置について、定置部1に載置した組立形態のコンテナCが定置部1から前後方向へ移動する経路を確保する拡開角度で互いの開蓋アーム30、30’を起立させるように制御される。
【0098】
これら各開蓋駆動部32、32’は、
図8(a)及び
図8(b)に示すように各開蓋アーム30、30’の動作を同期させ、各開蓋アーム30、30’を下方回動変位させて倒伏姿勢とする共に上方回動変位させて起立姿勢とするように制御している。
【0099】
また、上昇機構2は、
図8(a)に示すように上昇機構2のフレーム昇降体21、21’が最降下位置にある降下姿勢状態では開蓋アーム30、30’を最下方回動位置に位置付けて倒伏姿勢状態とし、フレーム昇降体21が上昇作動するに伴い開蓋アーム30、30’を上方回動させ、
図8(b)に示すようにフレーム昇降体21、21’が最上昇位置にある上昇姿勢状態では開蓋アーム30、30’を最上方回動位置に位置付けて起立姿勢状態とするように、各開蓋駆動部32、32’を昇降駆動部26と制御部を介して同期連動して構成している。
【0100】
これにより、上昇機構2によるコンテナCの左右側板起立工程と開蓋機構3によるコンテナCの開蓋工程のタイムラグをなくしたワンステップ化を図り、コンテナの組立工程のサイクルタイムを短縮を可能としている。
【0101】
開蓋アーム30、30’は、
図8(a)及び
図8(b)に示すうように側面視略L字状の板体であって、L字短辺に相当する略円形状のアーム基部300、300’と、L字長辺に相当する略長尺帯板状のアーム本体部301、301’と、を備える。
【0102】
開蓋アーム30は、板面を定置部1の前後側方向に向け、アーム基部300で開蓋駆動部32の駆動軸321に連結することにより、駆動軸321と一体的に回動し、アーム本体部301の回動方向(回動による接線方向)を定置部1の左右側方向に向けている。
【0103】
また、対向する左右一対の開蓋アームの長さは、
図8(a)に示すように開蓋駆動部32により開蓋アーム30、30’が互いに下方回動変位して倒伏姿勢となった場合に蓋受爪体31、31’の先端部310、310’同士を折畳形態のコンテナCの左右上蓋LT、RTの自由端部の前後側縁部LT10、LT10’の下方に位置づける長さとしている。
【0104】
蓋受爪体31は、
図9(a)~
図9(c)に示すように開蓋アーム30の先端に取り付けた軸受33に基部312で枢軸34を介して後方傾動可能に枢支している。
【0105】
蓋受爪体31は、
図6、及び
図9(a)~
図9(c)に示すように所定厚みを有した側面視略Z字状の鉤型部材であって、左右上蓋LT、RTが載置される先端部310と、先端部310の基端から下方伸延する直立部311と、直立部311の下端から先端部310の伸延方向と逆方向に伸延する基部312と、を有して構成している。
【0106】
蓋受爪体31の先端部310は、
図9(b)及び
図9(c)に示すように上面310aを蓋受爪体31の起立姿勢状態(蓋受爪体31の直立部311が略鉛直姿勢となった状態)で水平面となるように平坦面に形成しており、コンテナCの左右上蓋LT、RTを載置可能としている。また、蓋受爪体31の先端部310は、後面310bを上面310aに直交して直立部311の外側面に連なる垂直面に形成している。
【0107】
また、蓋受爪体31の基部312は、
図9(b)に示すように下面312aを先端部310の上面310aと面平行にした平坦面にすると共に後端縁312bを枢軸34の回動軌跡に沿う側面視半円弧状に形成している。蓋受爪体31の基部312の後部312cは、側面視で後端縁312bの側面視半円弧形状によりなす仮想円の中心位置を枢軸34が挿貫される枢軸部に形成して
いる。
【0108】
軸受33は、横断面視で上方開放コ字状であって、内底面330aを平坦面に形成した底側壁部330と、蓋受爪体31の厚み分の間隔で底側壁部330の左右側で立設した左右側壁部331、331’と、を有する。
【0109】
すなわち、蓋受爪体31は、軸受33に対して、
図9(b)に示すように左右側壁部331、331’同士の間に基部312を配置すると共に基部312の下面312aで軸受33の底側壁部330の内底面330aに面接触した状態で、枢軸34を介して基部312の後部312cで軸受33の左右側壁部331、331’に枢着されている。
【0110】
これにより、蓋受爪体31は、基部312の下面312aを軸受33の内底面330aに面当接係合させて軸受33に支持された状態で、先端部310の上面310aを水平状とした起立姿勢となる。一方で、蓋受爪体31は、先端部310に上方応力が付与されると、枢軸34を中心に後方回動し、基部の下面312aが軸受33の内底面330aから離反して後方側に傾倒した傾倒姿勢となる。
【0111】
また、蓋受爪体31は、
図9(a)~
図9(c)に示すように一対の開蓋アーム30、30’の下方回動に伴い一対の左右上蓋LT、RTの自由端部の前後側縁部LT10、LT10’に上方から接触して上方反力が付与された状態で回動して傾倒姿勢とすると共に、上方反力が無い状態では起立姿勢に復帰する爪体付勢手段35を有する。
【0112】
爪体付勢手段35は、蓋受爪体31の先端部310に上方反力が付与された場合には蓋受爪体31を傾倒姿勢とし、上方反力がない場合には蓋受爪体31を起立姿勢に復帰させるような付勢力を付与できるものであればよい。
【0113】
爪体付勢手段35としては、例えばスプリングや板バネ、樹脂などの弾性体、駆動シリンダでもよく、また、先端部310の重量を直立部311や基部312よりも大きくすることにより蓋受爪体31の先端部310に重心を配置するなど、軸着位置を基準に先端部側に偏心するようにしてもよい。
【0114】
本実施例の爪体付勢手段35は、内嵌されたスプリング351により常時外方付勢された押圧ロッド352を備える押圧バネシリンダ350であり、同押圧バネシリンダ350を軸受33と蓋受爪体31の間に介設している。
【0115】
具体的には、押圧バネシリンダ350は、押圧ロッド352先端を蓋受爪体31の先端部310の後面310bに押し当てて軸受33の後部上面に固定することにより、軸受33と蓋受爪体31の間に介設している。
【0116】
これにより蓋受爪体31は、
図9(a)に示すように先端部310が開蓋アーム30の下方回動変位に伴いコンテナCの左右上蓋LT、RTに下面で干渉接触した場合には、左右上蓋LT、RTからスプリング351の収縮弾性力に抗した上方反力を付与されて、枢軸34を中心に後方回動し後方側に傾倒した傾倒姿勢となる。
【0117】
この際、蓋受爪体31は、先端部310の先端面を左右上蓋LT、RTの前後側縁部LT10、RT10の外側面に摺動させながら爪体付勢手段35の付勢力に抗した上方反力を受けつつ傾倒姿勢を保持して前後側縁部LT10、RT10の下方位置に向かう。
【0118】
一方で、蓋受爪体31は、
図9(b)に示すように押圧ロッド352を介してスプリング351の収縮弾性力により先端部310の後端から先端へ向かう外方押圧力を常時付与されて、枢軸34を中心に回動して先端部310の上面310aを水平状にする起立姿勢となる。
【0119】
すなわち、蓋受爪体31の先端部310が前後側縁部LT10、RT10下方の指係止用凹部F20に嵌まり込み前後側縁部LT10、RT10からの上方反力がなくなると、蓋受爪体31は爪体付勢手段35の付勢力により起立姿勢に復帰する。
【0120】
先端部310を前後側縁部LT10、RT10の下方位置に位置づけた起立姿勢の蓋受爪体31は、
図9(c)に示すように開蓋アーム30の上方回動に伴って左右上蓋LT、RTの前後側縁部LT10、RT10の下面に先端部310の上面310aを当接係合して左右上蓋LT、RTを下方支持することができる。
【0121】
このように開蓋機構3は、左右側開蓋機構部3L、3Rの開蓋アーム30、30’によりそれぞれ閉蓋姿勢の左右上蓋LT、RTを外方回動して開蓋姿勢とし、上枠Fの上方開口F3を開放するコンテナCの開蓋工程を実施する。なお、開蓋姿勢となった左右上蓋LT、RTは、
図8(b)で示すように左右上蓋受ステー212、212’により正面視で外方傾斜した拡開姿勢に保持される。
【0122】
[5]側板ロック機構
次に、本発明に係る側板ロック機構4の具体的構成について、図面を参照しながら説明する。
図10は側板ロック機構の構成を示す斜視図、
図11は側板ロック機構の構成を示す拡大正面図、
図12及び
図13は側板ロック機構の作動状態を示す模式的側面図である。
【0123】
側板ロック機構4は、
図10~
図13(b)に示すように定置部1の上方位置に配置された支持フレーム40と、支持フレーム40に配設され、支持フレーム40からコンテナC内側へ降下可能としたアームガイド体41と、支持フレーム40の前後方向中央部で基端を回動可能に枢支した前後一対のリンクロッド42a、42bと、前後一対のリンクロッド42a、42bの先端で基端をそれぞれ回動可能に枢支されると共にアームガイド体41の前後端部でそれぞれ中途部を回動可能に枢支された一対の前後側板押圧アーム43a、43bと、により前後側板ロック機構部4F、4Bを構成している。
【0124】
すなわち、前後側板ロック機構部4F、4Bは、昇降駆動部44により昇降するアームガイド体41にリンクロッド42a、42bを介して同期して揺動する前後側板押圧アーム43a、43bを備えて構成している。
【0125】
支持フレーム40は、
図2~4で示した基枠60aの上面中央に平面視方形板状の基台400を固定して構成しており、その下方の方形フレーム60の中央部には前述の通り定置部1が配設されている。
【0126】
この支持フレーム40には、
図10に示すようにアームガイド体41を降下可能とする昇降駆動部44が配設されている。すなわち、アームガイド体41は、昇降駆動部44の昇降動力により昇降可能に構成している。
【0127】
昇降駆動部44は、アームガイド体41に昇降動力を付与できるものであればよく例えば駆動シリンダなどであってもよい。本実施例の昇降駆動部44は、
図11に示すように駆動モータ440とし、駆動軸441を定置部1の左右側方向に向けて支持フレーム40の基台400上に配設している。
【0128】
アームガイド体41は、
図11及び
図12に示すように断面視下方開放コ字状且つ側面視略凸形状とした躯体であり、コ字状の上下横辺に相当し、一定間隔で配置した左右側壁部410、410’と、コ字状の縦辺に相当し、左右側壁部410、410’の上端同士の間で伸延する上側壁部411と、を有する。
【0129】
アームガイド体41の上側壁部411の中央部には、後述するコンロッド45の先端が回動可能に枢着される軸受450を載設している。
【0130】
駆動モータ440の駆動軸441の先端には、
図11~
図13(b)に示すようにクランクシャフト46が駆動軸441と一体回転可能に枢着されている。
【0131】
クランクシャフト46は、基端を駆動モータ440の駆動軸441の先端に回動可能に枢着すると共に、
図10に示すように先端を基台400の挿通長孔401に挿通されたコンロッド45基端に回動可能に枢着している。
【0132】
コンロッド45の先端は、アームガイド体41の基端の軸受450に回動可能に枢着されている。つまり、アームガイド体41は、クランクシャフト46とコンロッド45によるクランク構造を介して昇降駆動部44にリンクしている。
【0133】
アームガイド体41の上側壁部411の前後端部には、
図10~
図13(b)に示すように昇降ガイドシャフト47a、47bを前後で2つ立設している。
【0134】
また、支持フレーム40の基台400の上面の前後側には、シャフト挿通孔を2つ貫設し、同シャフト挿通孔に連通して昇降ガイドシャフト47a、47bに挿嵌対応するガイドブッシュ48a、48bを立設している。つまり、アームガイド体41は、昇降ガイドシャフト47a、47bとガイドブッシュ48a、48bとによる昇降ガイド構造を介して上下方向に昇降可能にガイドされる。
【0135】
このように、アームガイド体41は、昇降駆動部44からの駆動力を、クランクシャフト46とコンロッド45によるクランク構造、及び昇降ガイドシャフト47a、47bとガイドブッシュ48a、48bとよる昇降ガイド構造を介して昇降動力に変換して、定置部1の中央部に向けて支持フレーム40から降下可能としている。
【0136】
なお、昇降駆動部44は、アームガイド体41の最上昇位置から最降下位置までの降下距離を、コンテナCの底部に干渉しない距離とすると共に、アームガイド体41に枢着される一対の前後側板押圧アーム43a、43bがアームガイド体41の降下に伴い離反方向に揺動変位した場合に、一対の前後側板押圧アーム43a、43bの先端同士の間の長さがコンテナCの前後方向の長さ以下とするように制御している。
【0137】
すなわち、昇降駆動部44は、アームガイド体41の最上昇位置では前後側板押圧アーム43a、43bを折曲形態にしてアームガイド体41や前後側板押圧アーム43a、43bをコンテナCに干渉しない位置に位置づけ、アームガイド体41の最降下位置では前後側板押圧アーム43a、43bを伸延形態にしてアーム先端をコンテナCの前後側板を起立姿勢とした場合の前後位置に位置づけるように制御される。
【0138】
また、支持フレーム40の基台400の側面視で中央部且つ正面視で左右端部の下部には、
図12(a)~
図13(b)に示すように一対のリンクロッド42a、42bを回動可能に枢支する軸受420、420’を、アームガイド体41の左右側外方で2つ垂設して
いる。
【0139】
1つの軸受420には、
図11に示すように2つのリンクロッド42a、42bがそれぞれ先端方向を違えると共に揺動方向を定置部1の前後側方向に沿うように基端を回動可能に枢着される。すなわち、前後一対のリンクロッド42a、42bが2つ1組となって、支持フレーム2つの軸受420、420’に対してそれぞれ1組ずつアームガイド体41の左右外側位置で回動可能に枢着されている。
【0140】
1つの軸受420に対して基端を回動可能に枢着された2つのリンクロッドはそれぞれ定置部1の前側方向に先端を向けた前側リンクロッド42aと定置部1の後側方向に先端を向けた後側リンクロッド42bとからなり、さらにその先端にはそれぞれ前後一対の前後側板押圧アーム43a、43bが基端を回動可能に枢着される。
【0141】
1つの前後側板押圧アーム43aは、
図10、
図12(a)~
図13(b)に示すように、側面視略L字状の扁平板部材であって、L字短辺部430aとL字長辺部431aとを有する。
【0142】
前後側板押圧アーム43a、43bは、
図12(a)に示すようにアームガイド体41の上昇位置でL字短辺部430a、430bの先端を下方に向け、L字長辺部431a、431bの基端をリンクロッド42a、42bの先端に回動軸433a、433bを介して回動可能に枢着すると共に中途部をアームガイド体41の左右側壁部410、410’下部の前後側端部に回動軸434a、434bを介して回動可能に枢着している。
【0143】
すなわち、前後側板押圧アーム43a、43bはそれぞれ、軸受420に枢軸を介して基端で回動可能に固定されたリンクロッド42a、42bと、昇降作動するアームガイド体41の前後側端部の回動軸434a、434bと、からなるリンク構造により支持フレーム40とアームガイド体41とにリンクしている。
【0144】
換言すれば、前後側板ロック機構部4F、4Bは、それぞれ前後側板押圧アーム43a、43bとリンクロッド42a、42bとにより前後側板の押圧を行うように動作する前後側板押圧部40F、40Rを有し、該前後側板押圧部40F、40Rがアームガイド体41の昇降動作に応じて伸縮動作するように構成している。
【0145】
前後側板押圧アーム43a、43bは、側面視において、
図12(a)に示すようにアームガイド体41の前後側方向の中央で伸延する仮想中心線(
図12(a)中、一点鎖線で示す。)を中心に線対称となる前後側位置に配置している。また、前後側板押圧アーム43a、43bは、正面視において、アームガイド体41の左右側方向の中央で伸延する仮想中心線(
図11中、一点鎖線で示す。)を中心に線対称となる左右側位置に配置している。
【0146】
すなわち、前後側板押圧アームは全部で、定置部1の前側で左右一対のアーム43a、43a’と、定置部1の後側で左右一対のアーム43b、43b’との、合計4つ設けている。
【0147】
なお、前後側板押圧アーム43a、43bにおける「一対」とは、相対的な配置関係において平面視で定置部1の中心点を中心に点対称で前後側に配置したアーム対向状態も含む。要するに、一対の前後側の前後側板FP、BPのそれぞれに押圧対応する2つの前後側板押圧アームがアームガイド体41にそれぞれ前後側で少なくとも一つずつ配置されていればよい。
【0148】
前後側板押圧アーム43a、43bのL字短辺部430a、430bの先端部49a、49bは、それぞれアームガイド体41が上昇位置から降下するに伴い定置部1の前後側方向外方に向う回動軌跡を描いて前後一対の前後側板FP、BPの内側面に当接して押圧する押圧部として機能する。
【0149】
アームガイド体41が上昇位置にある場合には、
図12(a)に示すようにリンクロッド42a、42bは互いの先端方向を定置部1の前後側方向の外方に向けた拡開姿勢とし、前後側板押圧アーム43a、43bはアームガイド体41により中途部で上方に引き寄せられて先端部49a、49bを下方に向けた折畳姿勢となる。すなわち、側板ロック機構4は、アームガイド体41の最上昇位置では、リンクロッド42a、42bと前後側板押圧アーム43a、43bとによる前後側板押圧部40F、40Rを折曲収縮姿勢とする。
【0150】
一方で、アームガイド体41が上昇位置から降下した場合には、
図12(b)~
図13(b)に示すようにリンクロッド42a、42bは回動変位して下方伸延姿勢となり、これに伴い前後側板押圧アーム43a、43bがアームガイド体41の回動軸434a、434bを介して回動変位して拡開姿勢となるように先端部49a、49bの前後外方への下方揺動を行う。すなわち、側板ロック機構4は、アームガイド体41の最降下位置では、リンクロッド42a、42bと前後側板押圧アーム43a、43bとによる前後側板押圧部40F、40Rを拡開伸延姿勢とする。
【0151】
このアームガイド体41の降下動作に伴う前後側板押圧アーム43a、43bの先端部49a、49bの下方揺動軌跡は、
図12(b)~
図13(b)に示すように前後側板押圧アーム43a、43bの下方回動軌跡に沿うように上側から下側にかけて定置部1の前後方向外側に向かう曲線を描く。
【0152】
なお、前後側板押圧アーム43a、43bの先端部49a、49bは、前後側板FP、BPの内側面に当接した際に前後側板押圧アーム43a、43bを不用意に損傷しないための緩衝体を設けており、本実施例では弾力性を有した樹脂製の回転ローラ490a、490bを採用している。
【0153】
回転ローラ490a、490bは、回転方向(接線方向)を定置部1の前後側方向に沿って回転するように、前後側板押圧アーム43a、43b先端に回転可能に枢着し、ローラ面を前後側板押圧アーム43a、43bの押圧面としている。なお、回転ローラ490a、490bは、駆動モータ等の駆動源を有して前後側板FP、BPの押し下げ方向、すなわち押圧する前後側板押圧アーム43a、43bの下方回動方向に対して逆方向に駆動回転するように構成してもよい。
【0154】
このようにして、側板ロック機構4は、前後側板ロック機構部4F、4Bにおいて、アームガイド体41の下方動作をリンクロッド42a、42bを介した前後側板押圧アーム43a、43bの動きを、前後側板FP、BPの下方回動軌跡に沿った揺動に変換する。
【0155】
すなわち、昇降駆動部44を駆動させると、
図12(a)及び
図12(b)に示すようにアームガイド体41が、開蓋機構3により開蓋され且つ上昇機構2により左右側板LP、RPを起立させたコンテナCの内方に向けて、コンロッド45とクランクシャフト46からなるクランク構造、昇降ガイドシャフト47a、47bとガイドブッシュ48a、48bとかなる昇降ガイド構造を介して降下作動する。
【0156】
このアームガイド体41の降下に伴って、前後一対の前後側板押圧アーム43a、43bは、リンクロッド42a、42bとアームガイド体41の前後側端部の回動軸434a、434bとからなるリンク構造を介して互いに離反するように拡開揺動する。
【0157】
すなわち、前後一対の前後側板押圧アーム43a、43bの先端部49a、49bは、
図12(b)~
図13(a)に示すようにそれぞれ前後側板FP、BPの内側面に当接しつつそれぞれ前後外方に向かう下方揺動軌跡を描く。
【0158】
その結果、
図13(a)に示すように前後側板FP、BPは、下端部を下枠Bの前後側フレームB2、B2’に係合させて上枠Fと下枠Bとの間で起立状態を維持し、コンテナCの組立形態が完成する。このようにして側板ロック機構4は前後側板起立工程を実行する。
【0159】
なお、前後側板起立工程を実行した後は、前後側板押圧アーム43a、43bは、
図13(b)に示すようにアームガイド体41の上昇に伴って下方揺動軌跡とは逆の軌跡を描きながら上方位置で折畳姿勢となる。
【0160】
すなわち、昇降駆動部44を駆動させると、アームガイド体41が左右側板LP、RP及び前後側板FP、BPを起立させたコンテナCの内方からクランク構造及び昇降ガイド構造を介して上昇作動する。
【0161】
そして、アームガイド体41の上昇に伴って、前後一対の前後側板押圧アーム43a、43bがリンク構造を介して互いに近接するように収縮揺動する。
【0162】
このようにして側板ロック機構4は、定置部1で組立形態となったコンテナCの上方位置にアームガイド体41や前後側板押圧アーム43a、43bを収納配置することにより、定置部1の前後方向において、定置部1の前方側からの組立形態のコンテナCの取り出しと、定置部1の後方側からの次の折畳形態のコンテナCの定置部1への定置を可能としている。
【0163】
[6]搬送機構
次に、本発明に係る搬送機構5の構成について、図面を参照しながら説明する。
図14は搬送機構の構成を示す模式的側面図、
図15は搬送機構の構成を示す上方斜視図である。
【0164】
搬送機構5は、
図1に示すように折畳形態のコンテナCを搬送する搬送面50の所定位置に定置部1を形成するためのコンテナ定置手段51を有し、上昇機構2と開蓋機構3と側板ロック機構4とにより組立形態としたコンテナCを定置部1より下手側に搬送可能としている。
【0165】
搬送機構5は、基台フレーム6の中央で長手方向に沿って所定間隔を隔てて横架した横フレーム部62上に付設され、上面を水平状の搬送面50とした駆動コンベア52によりコンテナCを搬送可能に構成している。
【0166】
駆動コンベア52は、折畳形態や組立形態のコンテナCを上手側から下手側にかけて駆動搬送できるものであればよく、例えば駆動搬送可能なベルトコンベアであってもよい。本実施例の駆動コンベア52は、左右一対のチェーンコベア520、520’を採用している。
【0167】
すなわち、駆動コンベア52は、搬送方向に直交する方向で一定間隔を隔てて平行に敷設され、駆動源を有して搬送方向に移動する左右一対のチェーンコベア520、520’とし、同一対のチェーンコベア520、520’の上面によりなす仮想平面を搬送面50としている。なお、一対のチェーンコベア520、520’は、それぞれ基台フレーム6の所定位置に設けた駆動源に対して無端状に巻き掛けられることにより回転駆動する。
【0168】
コンテナ定置手段51は、方形フレーム60の中央部に折畳形態のコンテナCを定置して定置部1を形成できるものであればよい。例えば、駆動コンベア52からコンテナCを上方位置に移動するリフトや、駆動コンベア52を間欠的に停止させる制御部によるものでもよい。
【0169】
本実施例のコンテナ定置手段51は、
図1及び
図14に示すように搬送面50から上下に出没可能とした前後一対のコンテナストッパー510a、510bにより構成している。コンテナストッパー510aは、
図14に示すように側面視略台形状の爪体であって、搬送面50の下方位置に設けた軸受513aに対して基端で上下回動可能に枢着されている。また、コンテナストッパー510は、駆動モータ等の駆動源により上下回動するように構成している。
【0170】
コンテナストッパー510a、510bは、正面視において左右一対のチェーンコベア520、520’同士の間で左右側に2つ、
図14に示すように側面視において方形フレーム60の前後端部の近傍位置に2つ、合計4つ配設している。
【0171】
前後一対のコンテナストッパー510a、510bは、
図14に示すように搬送面50よりも上方位置に露出した起立姿勢では、それぞれの係合面511a、511bを搬送方向に面対向した垂直面とする。すなわち、起立姿勢のコンテナストッパー510a、510bは、上手側から搬送されるコンテナCの下枠Bの前後側フレームB2、B2’の外面に当接係合して駆動コンベア52によるコンテナ搬送を規制する。
【0172】
一方、前後一対のコンテナストッパー510a、510bは、搬送面50よりも下方位置に埋没した倒伏姿勢では搬送されるコンテナCに干渉しないようにしている。
【0173】
なお、前後一対のコンテナストッパー510a、510bの間隔は、
図14に示すように搬送面50から上方位置で露出した状態の係合面511a、511b同士の間隔がコンテナCの前後長さ以上となるようにしている。
【0174】
コンテナ定置手段51は、各組立機構2、3、4と連動するように制御されており、折畳形態のコンテナCが搬送されてきた場合には、前後一対のコンテナストッパー510a、510bが起立姿勢となって搬送面50より上方位置で露出した係合面511a、511bによりコンテナCに係合してコンテナCを停止させて搬送面50に定置部1(定置面10)を形成する。
【0175】
一方、定置部1でコンテナCが各組立機構2、3、4により組立形態となった場合には、コンテナストッパー510a、510bが倒伏姿勢となって搬送面50より下方位置に埋没することにより、同コンテナCを駆動コンベア52に接地させて定置部1より下流側へ搬送可能としている。
【0176】
このように搬送機構5は、コンテナ定置手段51により形成される定置部1に上流側から搬送される折畳形態のコンテナCを設置して各組立機構2、3、4による組立工程を確実に実施することができ、折畳形態から組立形態のコンテナCを順次連続的に実施することができるように構成している。
【0177】
なお、搬送機構5は、定置部1で定置された折畳形態のコンテナCが各組立機構2、3、4により組立形態にされて下流側に搬送されるまでの間、次の折畳形態のコンテナCをコンテナ定置手段51の手前側で停止して待機させる次コンテナ停止手段55を、
図1に示すように搬送方向の最上手側とコンテナ定置手段51との間の搬送方向中途部に有する。なお、次コンテナ停止手段55は、搬送面50から駆動モータ等の駆動源により上下に出没可能とし、係合面を搬送方向の下手側に向けた板状の次コンテナストッパー550により構成している。
【0178】
また、搬送機構5は、
図15に示すようにコンテナCの上枠Fの高さよりも高い位置で開蓋機構3により開蓋方向に回動された一対の左右上蓋LT、RTを保持するように、開蓋機構3の配設位置から搬送方向の下手側にかけて互いの間隔を漸次狭幅状にして伸延する一対の閉蓋ガイド53、53’を有している。
【0179】
定置部1に定置され、各組立機構2、3、4により折畳形態から組立形態に変形したコンテナCは、一対の左右上蓋LT、RTを開蓋姿勢にして上方開口F3を開放させた被配送物の収納状態にある。
【0180】
例えば、搬送中の組立形態のコンテナC内にゴミが侵入することを防止したり被配送物を組立形態のコンテナC内部に収納する配送物収納装置や作業者等により定置部1より搬送方向下手側に被配送物収納手段を配置したりした場合にはコンテナCを閉蓋する必要があり、したがって被配送物収納手段よりも下手側に狭幅状部分を形成するように左右一対の閉蓋ガイド53、53’を一定高さ及び一定間隔を保持して基台フレーム6から垂下並設する。
【0181】
閉蓋ガイド53、53’は、所定長さを有する断面視円形の細長鋼棒であって、
図15に示すように定置部1の左右側外方に配置される直線状に長尺伸延する基端直線部530、530’と、定置部1より下手側に配置され、基端直線部530、530’の先端で屈曲して傾斜状に短尺伸延する傾斜部531、531’と、定置部1より下手側に配置され、傾斜部531、531’の先端で屈曲して基端直線部530、530’に平行に短尺伸延する先端直線部532、532’と、を有する。
【0182】
左右一対の閉蓋ガイド53、53’は、
図15に示すように先端直線部532、532’同士を搬送面50の内側に対向させ、搬送面50の幅方向の中心で搬送方向に沿って伸延する搬送中心線(
図15中、一点鎖線で示す。)を中心に線対称配置することにより、同対向した傾斜部531、531’と先端直線部532、532’とより搬送方向の下手側に沿って間隔を漸次狭幅状とした閉蓋部54(
図15中、二点鎖線で囲った部分)を形成している。
【0183】
閉蓋ガイド53、53’同士の間隔は、傾斜部531、531’と先端直線部532、532’とがそれぞれ対向する左右上蓋LT、RTに干渉しない位置、すなわち閉蓋部54の間で左右上蓋LT、RTを自由閉蓋できる間隔としている。
【0184】
また、閉蓋ガイド53、53’の高さ位置は、上枠Fの高さよりも高い位置、且つ上枠Fの左右側外方位置で、左右上蓋LT、RTを回動変位させた場合に同左右上蓋LT、RTを上枠Fよりも上方で下方支持する位置としている。
【0185】
また、閉蓋ガイド53、53’は、基端直線部530、530’のうち定置部1の左右側で伸延する部分を左右上蓋受ステー212、212’により構成してもよく、上昇機構2が最上方位置にある状態で基端直線部530、530’の下手側部分や傾斜部531、531’に連なるように構成してもよい。
【0186】
このように搬送機構5は、搬送方向に直交する直交方向の左右側に配設した一対の閉蓋ガイド53、53’により、開蓋機構3で開蓋方向に回動された一対の左右上蓋LT、RTを上枠Fの高さよりも高い位置に維持しつつ組立形態のコンテナCの上方開口の開放状態を保持し、組立形態のコンテナの設置面の下流側への搬送動作に伴い一対の左右上蓋を摺動させつつ狭幅状部分の閉蓋部54で閉蓋方向に回動させて左右上蓋LT、RTを閉蓋姿勢にしてコンテナの上方開口を閉蓋状態にする。
【0187】
[7]コンテナ自動組立装置の電気的構成及び動作説明
次に、本装置Aの電気的構成及び動作について説明する。
図16は本装置の電気的構成を示したブロック図、
図17は本装置の動作を示したフロー図である。本装置Aは、例えば次
のような制御部70により、各機構2、3、4、5の各作動を連動制御して、コンテナを折畳形態から組立形態へ変形する組立工程を実行する。制御部70は、定置部1や各機構部2、3、4、5にコンテナの位置や形態を確認するセンサを取付けて構成する場合も意図しており、各々の作動対応を連動させる。
【0188】
制御部70は、
図16に示すように上昇機構2のスライド駆動部24や昇降駆動部26、開蓋機構3の開蓋駆動部32、側板ロック機構4の昇降駆動部44、搬送機構5のコンテナ定置手段51、駆動コンベア52、次コンテナ停止手段55、本装置Aの所定位置に設けたコンテナセンサ56や操作盤74に接続しており、制御部70におけるプログラムの実行状況に応じて参照されたり、制御駆動するよう構成している。
【0189】
また、制御部70は、内部にCPU71、ROM72、RAM73等を備えて本装置Aの稼動に必要なプログラムを実行可能としている。RAM73には、各機構2、3、4、5における各駆動部や手段の動作スピードや起動タイミングを規定した各種テーブルが格納されている。例えば、RAM73に格納されたテーブルとしては、昇降駆動部26が上昇始動したタイミングで開蓋駆動部32を上方回動させる等、各駆動部の動作を同期させるなどのテーブルが格納されている。また、ROM72にはCPU71の処理において必要なプログラム等が格納されている。このような制御部70により各機構2、3、4、5は、折畳形態のコンテナCに対して組立工程を実行すべく次のように作動する。
【0190】
まず、折畳形態のコンテナCが搬送機構5の上手側から搬送されてきた場合には、コンテナセンサ56からのコンテナ接近信号を受けた制御部70が、搬送機構5のコンテナ定置手段51に動作信号を送信してコンテナ定置手段51を作動させ、コンテナストッパー510a、510bを搬送面50下方で埋没させた倒伏姿勢から搬送面50上方で露出した起立姿勢にする(ステップS10)。
【0191】
ステップS10の実行により、折畳形態のコンテナCの前後側でコンテナストッパー510a、510bが起立姿勢となり折畳形態のコンテナCの下枠Bの前後側フレームB2、B2’に係合可能とし、搬送面50に定置部1を形成する。なお、ステップS10においては、まず前側のコンテナストッパー510aを起立させ、次いで後側のコンテナストッパー510bを起立させて、前後側のコンテナストッパー510a、510bの間に折畳形態のコンテナCを位置づける。また、ステップS10において、前後側のコンテナストッパー510a、510bは、起立姿勢を維持する。
【0192】
また、制御部70は、ステップS10に同期して搬送機構5の次コンテナ停止手段55に動作信号を送信して次コンテナ停止手段55を連動させ、次コンテナストッパー550を搬送面50下方で埋没させた倒伏姿勢から搬送面50から上方に露出させた起立姿勢とする(ステップS11)。
【0193】
ステップS11の実行により、
図14で示したように搬送方向の上手側から順次搬送される折畳形態のコンテナCが搬送面50で起立姿勢とした次コンテナストッパー550により搬送停止されて、その下手側の定置部1に定置された折畳形態のコンテナCが各組立機構2、3、4により組み立てられることを可能とする。なお、ステップS11において、次コンテナ停止手段55は、コンテナ停止状態を維持する。
【0194】
次に、制御部70は、上昇機構2のスライド駆動部24を進出作動させて、上枠係合フレーム20、20’を左右側フレームF1、F1’に近接させる(ステップS20)。
【0195】
ステップS20の実行により、
図7(a)で示したように上枠係合フレーム20、20’が上枠Fの左右側フレームF1、F1’に接近して係合突起25、25’を凹部F10に係合させる。なお、ステップS20の実行時には、上枠係合フレーム20、20’は最下方位置にある。また、ステップS20において、上枠係合フレーム20、20’は、上枠Fの左右側フレームF1、F1’への近接状態を維持する。
【0196】
また、制御部70は、ステップS20に同期して開蓋機構3の開蓋駆動部32に動作信号を送信し、スライド駆動部24に開蓋駆動部32を連動させて開蓋アーム30、30’を起立姿勢から倒伏姿勢とするように下方回動させる。(ステップS21)。
【0197】
ステップS21の実行により、
図8(a)で示したように開蓋アーム30、30’が起立姿勢から倒伏姿勢となり、
図9(b)で示したように開蓋アーム30、30’先端の蓋受爪体31、31’の先端部310、310’が折畳形態のコンテナCの左右上蓋LT、RTの自由端部の前後側縁部LT10、LT10’の下方の指係止用凹部F20に位置する。
【0198】
次に、制御部70は、上昇機構2の昇降駆動部26を上昇作動させて、フレーム昇降体21、21’を介して上枠係合フレーム20、20’を上昇させる(ステップS30)。
【0199】
ステップS30の実行により、
図7(b)で示したように上枠係合フレーム20、20’を介して上枠Fが下枠Bから上昇し、上枠Fと下枠Bとの間の左右側板LP、RPが直立伸延状態の起立姿勢となる。なお、ステップS30において、上枠係合フレーム20、20’は、フレーム昇降体21、21’を介して最上昇位置に維持される。
【0200】
また、制御部70は、ステップS30に同期して開蓋機構3の開蓋駆動部32に動作信号を送信し、昇降駆動部26に開蓋駆動部32を連動させて開蓋アーム30、30’を倒伏姿勢から起立姿勢とするように上方回動させる。(ステップS31)。
【0201】
ステップS31の実行により、
図9(c)で示したように折畳形態のコンテナCの左右上蓋LT、RTの前後側縁部LT10、LT10’が開蓋アーム30、30’先端の蓋受爪体31、31’の先端部310、310’により下方支持され、
図8(b)で示したように開蓋アーム30、30’が上方回動変位して倒伏姿勢から起立姿勢となるに伴い左右上蓋LT、RTが上方回動変位して閉蓋姿勢から開蓋姿勢となる。
【0202】
すなわち、開蓋機構3は上昇機構2に連設されて上枠Fの上昇動作と左右上蓋LT、RTの開蓋動作を同時に行うため、フレーム昇降体21、21’と共に上昇しながら上方回動する開蓋アーム30、30’の回動軌跡は、上枠Fと共に上昇する左右上蓋LT、RTの開蓋方向への回動軌跡と略同じとなる。なお、ステップS31において、開蓋アーム30、30’は、最上方回動位置で起立姿勢を維持する。
【0203】
次に、制御部70は、側板ロック機構4の昇降駆動部44を降下作動させて、アームガイド体41の降下を介して前後側板押圧アーム43a、43bをそれぞれ前後側外方に向けて折畳姿勢から拡開姿勢とするように下方揺動させる(ステップS40)。
【0204】
ステップS40の実行により、
図12(a)~
図13(b)で示したように下方揺動する前後側板押圧アーム43a、43bが拡開姿勢となり、その先端部49a、49bが前後側板FP、BPをそれぞれ内側から外側へ向かって押圧し、前後側板FP、BPの下端部が下枠Bの前後側フレームB2、B2’へ係合する。
【0205】
このようなステップS20からステップS40までの各組立機構2、3、4による相対的作動を経て、折畳形態のコンテナCについて、上枠F上方の左右上蓋LT、RTを外方回動させて開蓋姿勢にする開蓋工程、左右側板LP、RPを枢支部を介して直立伸延状態にして起立姿勢とする左右側板起立工程、前後側板FP、BPを下方回動させて下端部を下枠Bに係合させ自立状態の起立姿勢とする前後側板起立工程、の3つの組立工程を実行し、組立形態のコンテナCを得る。
【0206】
次に、制御部70は、側板ロック機構4の昇降駆動部44を上昇作動させて、アームガイド体41の上昇を介して前後側板押圧アーム43a、43bをそれぞれ拡開姿勢からと折畳姿勢するように上方揺動させる(ステップS50)。ステップS31において、前後側板押圧アーム43a、43bは、最上昇位置のアームガイド体41を介して折畳姿勢を維持する。
【0207】
また、制御部70は、ステップS50に同期して上昇機構2のスライド駆動部24を送信し、昇降駆動部26の上昇作動にスライド駆動部24を退去連動させて、上枠係合フレーム20、20’を組立形態のコンテナCの左右側フレームF1、F1’から離反させる(ステップS51)。
【0208】
ステップS51の実行により、
図7(a)で示したように上枠係合フレーム20、20’が上枠Fの左右側フレームF1、F1’から離反して係合突起25、25’と凹部F10との係合状態を解除する。なお、ステップS20において、上枠係合フレーム20、20’は、上枠Fの左右側フレームF1、F1’との離反状態を維持する。
【0209】
次に、制御部70は、上昇機構2の昇降駆動部26を降下作動させて、降下するフレーム昇降体21、21’を介して上枠係合フレーム20、20’を降下させる(ステップS60)。
【0210】
また、制御部70は、ステップS60に同期して搬送機構5のコンテナ定置手段51に動作信号を送信し、昇降駆動部26の降下動作にコンテナ定置手段51を連動させてコンテナストッパー510a、510bを起立姿勢から倒伏姿勢に姿勢変位する(ステップS61)。
【0211】
ステップS61の実行により、コンテナ定置手段51のコンテナストッパー510a、510bと組立形態のコンテナCとの係合状態を解除して定置部1を搬送面50に復元し、同搬送面50により組立形態のコンベアCを下流側へ搬送する。
【0212】
また、制御部70は、ステップS60、S61に同期して搬送機構5の次コンテナ停止手段55に停止信号を送信し、次コンテナ停止手段55の次コンテナストッパー550を倒伏姿勢とする(ステップS62)。ステップS62の実行により、次コンテナ停止手段55によるコンテナ停止状態を解除して新たな折畳形態のコンテナCをコンテナ定置手段51に搬送する。
【0213】
なお、定置部1の下流側に搬送される組立形態のコンベアCは、制御部70によらず、閉蓋ガイド53、53’により一対の左右上蓋LT、RTを開蓋姿勢から閉蓋姿勢にしてもよい(ステップS70)。
【0214】
このように各ステップS10~S62を繰り返すことにより、折畳形態のコンテナを各機構により組立形態とするコンテナの組立作業を連続的に実施することができる。
【0215】
すなわち、本発明によれば、蓋付きの折畳コンテナに対応でき、コンテナの左右上蓋を閉蓋姿勢から開蓋姿勢すると共に左右側板や前後側板を倒伏姿勢から起立姿勢に姿勢変位し、コンテナを折畳形態から組立形態とする一連のコンテナ組立工程を、一箇所で一度に実施することができ、省スペース化を図ることができる。
【符号の説明】
【0216】
A コンテナ自動組立装置
C 蓋付き折畳コンテナ
1 定置部
2 上昇機構
2L 左側上昇機構部
2R 右側上昇機構部
3 開蓋機構
3L 左側開蓋機構部
3R 右側開蓋機構部
4 側板ロック機構
4L 前側板ロック機構部
4R 後側板ロック機構部
5 搬送機構