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特許7488111電源装置と、電源装置の閾値を設定する方法
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  • 特許-電源装置と、電源装置の閾値を設定する方法 図1
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  • 特許-電源装置と、電源装置の閾値を設定する方法 図4
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-05-13
(45)【発行日】2024-05-21
(54)【発明の名称】電源装置と、電源装置の閾値を設定する方法
(51)【国際特許分類】
   H02M 3/145 20060101AFI20240514BHJP
【FI】
H02M3/145 C
【請求項の数】 2
(21)【出願番号】P 2020091526
(22)【出願日】2020-05-26
(65)【公開番号】P2021191040
(43)【公開日】2021-12-13
【審査請求日】2023-04-17
(73)【特許権者】
【識別番号】000237721
【氏名又は名称】FDK株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002664
【氏名又は名称】弁理士法人相原国際知財事務所
(72)【発明者】
【氏名】渡邊 秀明
(72)【発明者】
【氏名】アナンダ ビターナゲ
(72)【発明者】
【氏名】▲濱▼田 健志
(72)【発明者】
【氏名】藤井 庸平
【審査官】尾家 英樹
(56)【参考文献】
【文献】特開2001-103651(JP,A)
【文献】特開2001-255948(JP,A)
【文献】特開2020-035514(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H02M 3/00-3/44
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
負荷装置に電力を供給する電源装置であって、
前記負荷装置を流れる出力電流を検出する電流検出部と、
検出された出力電流が入力される第1入力部と、過電流の有無を判定する閾値が入力される第2入力部とを備え、前記検出された出力電流と前記閾値とを比較して過電流の発生を判定する比較器と、
前記出力電流を前記負荷装置の最大許容電流以下に制御する制御部と、
を備え、
前記出力電流として、前記最大許容電流のn分の1(nは2以上の数)となる基準電流を前記負荷装置に流しているときに、前記第2入力部に、前記閾値に代えて、電流と対応して単調に且つ離散的に時間変化するデジタル値を入力し、前記基準電流と前記デジタル値との比較により前記比較器の出力が切り替わったときのデジタル値をn倍した値を前記閾値に設定する、ことを特徴とする電源装置。
【請求項2】
負荷装置を流れる出力電流を検出する電流検出部と、検出された出力電流が入力される第1入力部と、過電流の有無を判定する閾値が入力される第2入力部とを備え、前記検出された出力電流と前記閾値とを比較して過電流の発生を判定する比較器と、前記出力電流を前記負荷装置の最大許容電流以下に制御する制御部と、備え、前記負荷装置に電力を供給する電源装置において、前記閾値を設定する方法であって、
前記出力電流として、前記最大許容電流のn分の1(nは2以上の数)となる基準電流を前記負荷装置に流す工程と、
前記負荷装置に前記基準電流を流しているときに、前記第2入力部に、前記閾値に代えて、電流と対応して単調に且つ離散的に時間変化するデジタル値を入力する工程と、
前記基準電流と前記デジタル値との比較により前記比較器の出力が切り替わったときのデジタル値をn倍した値を、前記閾値として設定する工程と、
を有する、ことを特徴とする方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電源装置と、電源装置の閾値を設定する方法とに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、マイコンを使ったフルデジタル制御によるスイッチング電源が増えている。フルデジタル制御では、電源の出力電圧や出力電流、温度などのアナログ情報をA/Dコンバータなどでデジタル値に変換してマイコンに取り込み、これらのデータを基に各種制御を行い、スイッチング電源を最適な状態で動作させている。また、各種シーケンス動作をファームウエアで設定できるので、部品点数の削減が可能となり、システムの小型化が実現できる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
スイッチング電源において、フルデジタル制御を行うにあたり、負荷装置を流れる過電流を検出するために、過電流に対応したデジタル値からなる閾値を使用していた。しかしながら、デジタル制御では、電流の検出は、クロックサイクル毎の特定タイミングで行われるので、アナログ制御に比べて、検出される電流が低くなる傾向がある。また、電源を構成するコンデンサの容量のばらつきに起因してピーク電流が変化するために、検出電流に装置毎に個体差があった。
【0004】
本発明の目的は、過電流を判定するための閾値を装置毎に設定して実際の過電流判断に用いる電源装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
<本発明の第1の態様>
上記目的を達成するため、本発明の第1の態様は、負荷装置に電力を供給する電源装置であって、前記負荷装置を流れる出力電流を検出する電流検出部と、検出された出力電流が入力される第1入力部と、過電流の有無を判定する閾値が入力される第2入力部とを備え、前記検出された出力電流と前記閾値とを比較して過電流の発生を判定する比較器と、前記出力電流を前記負荷装置の最大許容電流以下に制御する制御部と、を備え、前記出力電流として、前記最大許容電流のn分の1(nは2以上の数)となる基準電流を前記負荷装置に流しているときに、前記第2入力部に、前記閾値に代えて、電流と対応して単調に且つ離散的に時間変化するデジタル値を入力し、前記基準電流と前記デジタル値との比較により前記比較器の出力が切り替わったときのデジタル値をn倍した値を前記閾値に設定する、ことを特徴とすることを特徴とする。
【0006】
上記構成により、比較器にて、負荷装置を流れる最大許容電流のn分の1となる一定の基準電流と、電流と対応したデジタル値とを比較し、このデジタル値を単調且つ離散的に時間変化させることによって、比較器からの出力変化を観察する。出力の変化が生じたときのデジタル値を基準電流に対応させる。この基準電流に対応させたデジタル値をn倍して得られた新たなデジタル値を、過電流を判別する閾値として設定する。電源装置の動作中は、設定された閾値を比較器の第2入力部に入力して、負荷装置の過電流の有無を判別する。
【0007】
<本発明の第2の態様>
本発明の第2の態様は、負荷装置を流れる出力電流を検出する電流検出部と、検出された出力電流が入力される第1入力部と、過電流の有無を判定する閾値が入力される第2入力部とを備え、前記検出された出力電流と前記閾値とを比較して過電流の発生を判定する比較器と、前記出力電流を前記負荷装置の最大許容電流以下に制御する制御部と、備え、前記負荷装置に電力を供給する電源装置において、前記閾値を設定する方法であって、前記出力電流として、前記最大許容電流のn分の1(nは2以上の数)となる基準電流を前記負荷装置に流す工程と、前記負荷装置に前記基準電流を流しているときに、前記第2入力部に、前記閾値に代えて、電流と対応して単調に且つ離散的に時間変化するデジタル値を入力する工程と、前記基準電流と前記デジタル値との比較により前記比較器の出力が切り替わったときのデジタル値をn倍した値を、前記閾値として設定する工程と、
を有する、ことを特徴とする。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、負荷装置の過電流を判定する閾値を、電源装置の個体毎に設定して、実際の過電流判定に用いることができる。従って、負荷装置の過電流検出の検出精度を向上させることができる。また、閾値を設定するために、負荷装置に対して最大許容電流ではなく、そのn分の1の電流を流すので、電源装置及び負荷装置を構成する電気部品への負担を軽減することができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】一実施形態に係るDC/DCコンバータの回路図を示す。
図2】最大許容電流のn分の1の電流を流して閾値を設定する方法を説明するグラフである。
図3】最大許容電流の2分の1の電流を流して閾値を設定する方法を説明するグラフである。
図4】DC/DCコンバータの動作を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0010】
本発明の実施形態を図面を参照しながら説明する。図1に、一実施形態に係る電源装置を示す。なお、本発明は、以下に説明する実施形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載された発明の範囲内で種々の変形が可能であることは言うまでもない。
【0011】
<電源装置の構成>
図1に、一実施形態であるDC/DCコンバータ1を示す。DC/DCコンバータ1は、スイッチング回路10と、スイッチング回路10を制御する制御回路20とを有する。
【0012】
スイッチング回路10は、降圧チョッパ型であり、入力部11と出力部12との間に、第1コンデンサ13と、スイッチング素子14と、ダイオード15と、インダクタ16と、第2コンデンサ17とを有する。入力部11は、一対の入力端子11A,11Bを有し、直流電源2に接続される。出力部12は、一対の出力端子12A,12Bを有し、負荷装置3に接続される。本実施形態において、負荷装置3に流すことのできる最大許容電流は12Aである。
【0013】
スイッチング回路10は、入力部11と出力部12とを電気的に接続する高電位側の第1ラインL1と、低電位側の第2ラインL2とを含む。第1ラインL1には、入力端子11Aから出力端子12Aに向けて、スイッチング素子14と、インダクタ16とが直列に接続されている。
【0014】
スイッチング素子14は、Nチャネル型MOSFETからなり、ドレインが入力端子11Aに接続され、ソースがインダクタ16に接続される。MOSFETのゲートには、後述する制御部からの制御信号が入力される。インダクタ16は、一端がスイッチング素子14に接続され、他端が出力端子12Aに接続される。
【0015】
第1コンデンサ13は、電解コンデンサからなり、スイッチング素子14の入力端子11A側おいて、第1ラインL1と第2ラインL2との間に接続され、入力部11に入力される入力電圧を平滑化する。
【0016】
ダイオード15は、第1ラインL1においてスイッチング素子14とインダクタ16との間のノードN1と、第2ラインL2のノードN2との間に接続される。ダイオード15は、アノードがノードN2に接続され、カソードがノードN1に接続される。
【0017】
第2コンデンサ17は、電解コンデンサからなり、インダクタ16の出力側の第1ラインL1と第2ラインL2との間に接続され、インダクタ16からの出力電圧を平滑化する。
【0018】
第2ラインL2には、抵抗Rが接続されて、スイッチング回路10から出力されて負荷装置3を流れる出力電流を検出する。
【0019】
制御回路20は、電圧検出部21と、電流検出部22と、アナログコンパレータ23と、制御部24と、メモリ25とを有し、出力部12から負荷装置3に向けて印加される出力電圧及び出力電流を制御する。特に、制御回路20は、出力電流を最大許容電流以下に制御する。出力電流が最大許容電流を上回る場合は、制御回路20は、負荷装置3に過電流が流れていると判断してスイッチング素子14をオフに切替え、負荷装置3への電力の出力を遮断する。
【0020】
電圧検出部21は、スイッチング回路10の出力電圧を検出する。電流検出部22は、出力電流を検出する。アナログコンパレータ23は、第1及び第2入力部と1の出力部を有し、比較器として、第1入力部に入力される出力電流を第2入力部に入力される閾値と比較して、出力電流が過電流であるか否かを判別する。出力電流が閾値よりも大きい場合、アナログコンパレータ23は、過電流検出信号を制御部24に出力する。
【0021】
制御部24は、マイコンからなり、スイッチング回路10の出力電圧に基づき、スイッチング素子14に対して制御信号を送りPWM制御を行う。また、制御部24は、アナログコンパレータ23の出力に基づき、出力電流が閾値を上回ると判断したときは、負荷装置3の過電流を検出したと判断し、過電流検出信号を送る。過電流検出信号に反応して、制御部24は、スイッチング素子14をオフにして電力の出力を遮断する。
【0022】
メモリ25は、フラッシュメモリからなり、過電流を判別する閾値を格納する。
【0023】
また、制御回路20は、フルデジタル制御を行うので、スイッチング回路10を流れる電流値の各々を、デジタル変換したAD値に対応させたテーブルをメモリ25内に格納している。本実施形態では、AD値は、「デジタル値」の一例であり、12ビットの2進数であるが、表記は10進数である。従って、12ビットの2進数で表すことのできる最大値は、10進数の「4095」に対応する。
【0024】
<電源装置としてのDC/DCコンバータの動作>
DC/DCコンバータ1の動作について説明する。入力部11に直流電源2から電力が入力されると、制御回路20が起動され、制御部24は、スイッチング素子14に対してPWM制御を行う。スイッチング素子14は、電圧検出部21からの出力に基づき制御信号に応じてオンオフされ、オンのときは入力電力をインダクタ16に供給し、オフのときは入力電力のインダクタ16への供給を遮断する。従って、直流電源2からの入力電力は、第1コンデンサ13で平滑化され、スイッチング素子14でのPWM制御により電力が調整される。次に、電力は、インダクタ16に供給され、第2コンデンサ17での平滑化を経て、所望の出力電圧を備えた電力として出力部12から出力される。
【0025】
また、負荷装置3を流れる出力電流は、電流検出部22によって検出されて、アナログコンパレータ23の第1入力部に入力される。アナログコンパレータ23にて、出力電流は閾値と比較される。出力電流が閾値よりも小さい場合、制御部24は、スイッチング素子14のPWM制御を継続して負荷装置3への給電を継続する。一方、出力電流が閾値より大きい場合、アナログコンパレータ23は、過電流検出信号を制御部24に送る。制御部24は、過電流検出信号の入力によりスイッチング素子14をオフにし、電力供給を遮断する。
【0026】
<閾値の設定方法>
次に、負荷装置3の過電流を判定する閾値を設定する方法について、図2を参照しながら以下に説明する。
【0027】
DC/DCコンバータ1を動作させて、負荷装置3に向けて出力電流を流す。負荷装置3の最大許容電流12Aを、図2に示すAD値の最大値Tmaxに対応させる。そして、最大許容電流のn分の1の電流(nは2以上の数)が出力電流となるよう、制御部24がスイッチング素子14に対してPWM制御を行う。この出力電流が、基準電流として電流検出部22で検出され、アナログコンパレータ23の第1入力部に入力される。
【0028】
一方、アナログコンパレータ23の第2入力部に、メモリ25に格納したテーブルからAD値を最大値から順次読み出して入力する。そして、アナログコンパレータ23に入力されるAD値を、時間の経過に伴い1つずつ単調に離散的に減少させる。AD値Tcalを第2入力部に入力した時刻tにおいて、アナログコンパレータ23の出力が、例えばLOWからHIGH(またはHIGHからLOW)に切り替わったとする。このとき、制御回路20は、基準電流がAD値「Tcal」に対応すると判断する。則ち、制御回路20は、最大許容電流12Aのn分の1の電流がAD値「Tcal」で検出されると認識する。次に、制御回路20は、電流とAD値とが比例関係であることを利用して、AD値「Tcal」をn倍にしたAD値「n・Tcal」を、12Aの過電流を判別する閾値としてメモリ25に格納する。
【0029】
その後、実際にDC/DCコンバータ1を動作させるとき、メモリ25に格納しているAD値「n・Tcal」を読み出して、アナログコンパレータ23の第2入力部に入力して、負荷装置3の過電流を判別する閾値として用いる。
【0030】
このように、DC/DCコンバータ1毎に閾値を設定してメモリ25に格納する。
【0031】
また、最大許容電流のn分の1の電流をDC/DCコンバータ1に流して閾値を求めるので、最大許容電流をDC/DCコンバータ1に流して閾値を求める場合に比較して、DC/DCコンバータ1及び負荷装置3を構成する電気部品への負担を低減できる。
【0032】
次に、n=2として閾値を設定する方法を、図3を参照しながら以下に説明する。
【0033】
直流電源2からDC/DCコンバータ1への給電を開始してDC/DCコンバータ1を起動する。負荷装置3に流すことのできる最大許容電流は12A(12ビットの2進数で4095)であるから、制御回路20は、スイッチング素子14に対するPWM制御により、最大許容電流の2分の1となる6Aの電流を基準電流としてスイッチング回路10に流す。この6Aの基準電流が電流検出部22で検出されて、アナログコンパレータ23の第1入力部に入力される。
【0034】
一方、6Aの基準電流をスイッチング回路10に連続的に流しているときに、アナログコンパレータ23の第2入力部に、メモリ25に格納したテーブルからAD値として最大値になる値「4095」から読み出して入力し、時間の経過に伴いAD値を1つずつ単調に減少させる。AD値「2000」を第2入力部に入力した時刻tにおいて、アナログコンパレータ23の出力が、例えばLOWからHIGH(またはHIGHからLOW)に切り替わったとする。このとき、制御回路20は、基準電流6AがAD値「2000」に対応すると認識する。次に、制御回路20は、AD値「2000」を2倍にしたAD値「4000」を、過電流12Aを判別する閾値としてメモリ25に格納する。
【0035】
次に、DC/DCコンバータ1を動作させるとき、メモリ25に格納されたAD値「2000」を閾値として読み出す。「2000」をアナログコンパレータ23の第2入力部に入力させて、第1入力部に入力される入力電流と比較して、負荷装置3を流れる過電流の有無を判別する。
【0036】
このように、DC/DCコンバータ1毎に閾値を設定してメモリ25に格納する。
【0037】
また、閾値を設定するために、スイッチング回路10に最大許容電流ではなく、その2分の1の電流を流して閾値を求めるので、スイッチング回路10に最大許容電流を流して閾値を求める場合に比較して、DC/DCコンバータ1を構成する電気部品の破壊や損傷を防止できる。
【0038】
次に、DC/DCコンバータ1の動作について、図4を参照して以下に説明する。ステップS1において、DC/DCコンバータ1が電源2に接続されると、制御回路20は、最大許容電流を含む初期設定をメモリ25から読み出す。ステップS2において、閾値の設定が行われたか否かをチェックする。閾値の設定が既に行われている場合(ステップS2:YES)、ステップS3にて、制御回路20は、メモリ25から閾値を読み出し、アナログコンパレータ23の第2入力部に入力する。閾値の設定が行われていない場合(ステップS2:NO)、ステップS4にて、図2又は図3を参照して説明したように基準電流をスイッチング回路10及び負荷装置3に流して閾値を設定し、アナログコンパレータ23の第2入力部に入力する。閾値の読み出し又は設定が完了した後、ステップS5にて、制御回路20は、起動要求が入力されたか否かをチェックする。起動要求が入力された場合(ステップS5:YES)、スイッチング回路10を起動させる(ステップS6)。スイッチング回路10の動作中に、負荷装置3への過電流が検出された場合(ステップS7:YES)、アナログコンパレータ23は、制御部24に過電流検出信号を出力してスイッチング回路10の動作を停止させる(ステップS9)。
【0039】
スイッチング回路10の動作中、制御回路20は、DC/DCコンバータ1の停止要求が入力されたか否かをチェックする(ステップS8)。停止要求が入力された場合(ステップS8:YES)、制御回路20は、スイッチング回路10の動作を停止して、DC/DCコンバータ1の運転を停止する(ステップS9)。
【0040】
このように、DC/DCコンバータ1毎に正確な閾値が設定されるので、負荷装置3を流れる過電流を適切に検出してDC/DCコンバータ1の動作を停止することができる。
【0041】
なお、上記実施形態において、n=2の場合を記載したが、nは、2以上であれば適宜の数を用いることができる。nが大きくなるにつれて、閾値を設定するために流す基準電流は最大許容電流に比べてより少量とすることができるので、DC/DCコンバータ1及び負荷装置3を構成する電気部品に対する負荷をより抑制することができる。
【符号の説明】
【0042】
1 DC/DCコンバータ
3 負荷装置
10 スイッチング回路
20 制御回路
22 電流検出部
23 アナログコンパレータ
24 制御部
図1
図2
図3
図4