(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-05-13
(45)【発行日】2024-05-21
(54)【発明の名称】トランクラッチ非常時開放構造
(51)【国際特許分類】
E05B 83/26 20140101AFI20240514BHJP
E05B 83/18 20140101ALI20240514BHJP
E05B 85/26 20140101ALI20240514BHJP
E05B 79/20 20140101ALI20240514BHJP
E05C 3/24 20060101ALI20240514BHJP
B62D 25/12 20060101ALN20240514BHJP
【FI】
E05B83/26
E05B83/18
E05B85/26
E05B79/20
E05C3/24
B62D25/12 N
(21)【出願番号】P 2020103195
(22)【出願日】2020-06-15
【審査請求日】2023-01-23
(31)【優先権主張番号】10-2019-0169418
(32)【優先日】2019-12-18
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(73)【特許権者】
【識別番号】591251636
【氏名又は名称】現代自動車株式会社
【氏名又は名称原語表記】HYUNDAI MOTOR COMPANY
【住所又は居所原語表記】12, Heolleung-ro, Seocho-gu, Seoul, Republic of Korea
(73)【特許権者】
【識別番号】500518050
【氏名又は名称】起亞株式会社
【氏名又は名称原語表記】KIA CORPORATION
【住所又は居所原語表記】12, Heolleung-ro, Seocho-gu, Seoul, Republic of Korea
(73)【特許権者】
【識別番号】513316326
【氏名又は名称】平和精工株式会社
【氏名又は名称原語表記】PYEONG HWA AUTOMOTIVE CO.,LTD.
(74)【代理人】
【識別番号】110000051
【氏名又は名称】弁理士法人共生国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】林 相 均
(72)【発明者】
【氏名】安 基 リュン
(72)【発明者】
【氏名】朴 鉉 胎
【審査官】野尻 悠平
(56)【参考文献】
【文献】韓国公開特許第10-2016-0036999(KR,A)
【文献】特開2017-226976(JP,A)
【文献】韓国登録特許第10-1560979(KR,B1)
【文献】米国特許出願公開第2014/0319848(US,A1)
【文献】特開2003-262064(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2013/0104459(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
E05B 83/16-83/26
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
車体に固定されるベースと、
前記ベースの一側面に回転可能に構成されるポールと、
車両内部ハンドルの作動によって張力が印加される第1ケーブルと、
前記第1ケーブルの張力を前記ポールに印加するように構成されるリリースレバーと、
前記リリースレバーに位置し、前記第1ケーブルによって前記リリースレバーが回転する場合、前記ポールと前記リリースレバーが連動するように構成されるブレードレバーと、
トランク内部ハンドルの作動によって張力が印加される第2ケーブルと、
一端が第2ケーブルと締結され、他端が前記ポールと連動して回転できるように構成される非常用レバーと、
前記ポールと連動してストライカーのロックが解除されるように構成されるキャッチと、
を含んでな
り、
前記非常用レバーの他端に位置し、前記第2ケーブルによって非常用レバーが回転する場合、前記ポールの一端を回転させるように構成される非常用リンクをさらに含むことを特徴とするトランクラッチ非常時開放構造。
【請求項2】
前記ブレードレバーは、前記ポールの一端に位置するボス部によって前記ポールが回転するように構成されることを特徴とする請求項1に記載のトランクラッチ非常時開放構造。
【請求項3】
前記ポールのボスは、
前記ブレードレバーの一端と噛み合い、前記ポールが1段ロック解除を遂行するように前記ポールに位置する第1ボス部と、
前記第1ケーブルの追加張力が印加される場合、前記ブレードレバーの一端と噛み合って前記ポールの2段ロック解除を遂行するように前記ポールに位置する第2ボス部と、を含むことを特徴とする請求項2に記載のトランクラッチ非常時開放構造。
【請求項4】
前記ブレードレバーは、前記リリースレバーの一側面に位置し、前記リリースレバーに第1ケーブルから張力が印加される場合、前記ブレードレバーが第1ボス部又は第2ボス部と噛み合って前記ポールを回転させるように構成されることを特徴とする請求項2に記載のトランクラッチ非常時開放構造。
【請求項5】
前記非常用リンクは、前記ポールの回転を遂行するように構成されることを特徴とする
請求項1に記載のトランクラッチ非常時開放構造。
【請求項6】
前記非常用リンクの内側にガイド孔を含み、
前記ガイド孔は前記ベースの突出部が入るように構成され、前記非常用リンクが前記ガイド孔に沿って移動して前記ポールを回転させるように構成されることを特徴とする
請求項1に記載のトランクラッチ非常時開放構造。
【請求項7】
前記キャッチは第1係止段及び第2係止段を含み、
前記ポールの回転によって第1係止段と第2係止段が順次固定されるように構成されることを特徴とする請求項1に記載のトランクラッチ非常時開放構造。
【請求項8】
前記キャッチは、前記ストライカーとの噛合が解除される方向に回転するように、前記キャッチの中心軸に位置する弾性部材をさらに含むことを特徴とする請求項1に記載のトランクラッチ非常時開放構造。
【請求項9】
前記非常用レバーの回転が印加される場合、前記キャッチの第1係止段及び第2係止段の固定が全部解除されるように前記ポールを回転させることを特徴とする
請求項7に記載のトランクラッチ非常時開放構造。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明はトランクラッチ非常時開放構造に関し、より詳細には、単一ラッチ構造によって、基本作動とともに非常時にトランクの内部で開放することができるトランクラッチ非常時開放構造に関する。
【背景技術】
【0002】
一般に、車両の前部にはエンジンルームが備えられており、エンジンルームは、前面フードによって開閉される。前面フードは、エンジンルームを開閉する機能を果たすと共に、エンジンルームを遮蔽してエンジン騷音を遮断する機能を果たし、後端の左右両側が、ヒンジアセンブリーでエンジンルームの上部に結合され、ヒンジアセンブリーを中心に回動してエンジンルームを開閉する。最近になって、エンジン、変速機などの伝統的なパワートレインをエンジンルームに搭載する代わりに、車体フロアなどにバッテリーを搭載する電気自動車が提案されている。このように、パワートレインが搭載されるエンジンルームの空間がトランクとして活用されている。車両の前面にあるトランクは、一般にフロントトランク(front trunk)と呼ばれる。
【0003】
自動車のフードは、一般に2段でロックされる構造を有しており、ロックされたフードを解除するため、室内でリリースレバーを作動させると、ケーブルの動作によって1段拘束が解除される。次に車両の前面側に手をエンジンルームに入れて、セーフティーレバーを解除すると、フードが開放される。このように、フードは、開放に対する2段安全装置を備えている。この2段安全装置は、自動車安全基準法規を満たすためであり、自動車のフードには、堅固な掛金装置を取り付けなければならない。フードが前方に開閉されて、フードが運行中に開く場合に、運転者の視野を妨げる構造の自動車は2次ロック又は2箇所のロックを設けるようにその構造が規制されている。
【0004】
通常、フードを開放させる動作は、フードラッチのロック解除による1段開放動作と、使用者がセーフティーレバーを開放方向に動かす2段開放動作とからなる。ここで、フードの1段開放動作の際、フードが瞬間的にポップアップ(pop-up)することをセーフティーレバーが遮断し、次に、セーフティーレバーを開放方向に動かす2段開放動作によって、フードを持ち上げることができる。しかしながら、1段開放動作と2段開放動作のラッチ構造が適用される場合、重量及び設置コストが大きく、広い設置空間を必要とするとの問題点がある。また、別途の電気式ラッチを取り付けることによるコスト及び故障確率が高くなるという問題点がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明は、前記のような問題点を解決するためになされたもので、本発明の目的は、単一ラッチ構造によって、基本作動とともに非常時にトランク内部で開放することができるトランクラッチ非常時開放構造を提供することにある。また、ラッチ作動方式が、電気式ではなくて機械式で作動するトランクラッチ非常時開放構造を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明によるトランクラッチ非常時開放構造は、車体に固定されるベースと、前記ベースの一側面に回転可能に構成されるポールと、車両内部ハンドルの作動によって張力が印加される第1ケーブルと、前記第1ケーブルの張力を前記ポールに印加するように構成されるリリースレバーと、前記リリースレバーに位置し、前記第1ケーブルによって前記リリースレバーが回転すれば、前記ポールと前記リリースレバーが連動するように構成されるブレードレバーと、トランク内部ハンドルの作動によって張力が印加される第2ケーブルと、一端が第2ケーブルと締結され、他端が前記ポールと連動して回転できるように構成される非常用レバーと、前記ポールと連動してストライカーのロックが解除されるように構成されるキャッチと、を含むことを特徴とする。
【0008】
前記ブレードレバーは、前記ポールの一端に位置するボス部によって前記ポールが回転するように構成することを特徴とする。
【0009】
前記ポールのボスは、前記ブレードレバーの一端と噛み合い、前記ポールが1段ロック解除を遂行するように前記ポールに位置する第1ボス部と、前記第1ケーブルの追加張力が印加される場合、前記ブレードレバーの一端と噛み合って前記ポールの2段ロック解除を遂行するように前記ポールに位置する第2ボス部とを含むことを特徴とする。
【0010】
前記ブレードレバーは前記リリースレバーの一側面に位置し、前記リリースレバーに第1ケーブルから張力が印加される場合、前記ブレードレバーが第1ボス部又は第2ボス部と噛み合って前記ポールを回転させるように構成することを特徴とする。
【0011】
前記非常用レバーの他端に位置し、前記第2ケーブルによって非常用レバーが回転する場合、前記ポールの一端を回転させるように構成される非常用リンクをさらに含むことを特徴とする。
【0012】
前記非常用リンクは、前記ポールの回転を遂行するように構成することを特徴とする。
【0013】
前記非常用リンクの内側にガイド孔を含み、前記ガイド孔は前記ベースの突出部が入るように構成し、前記非常用リンクが前記ガイド孔に沿って移動して前記ポールを回転させるように構成することを特徴とする。
【0014】
前記キャッチは第1係止段及び第2係止段を含み、前記ポールの回転によって第1係止段と第2係止段が順次固定されるように構成することを特徴とする。
【0015】
前記キャッチは、前記ストライカーとの噛合が解除される方向に回転するように前記キャッチの中心軸に位置する弾性部材をさらに含むことを特徴とする。
【0016】
前記非常用レバーの回転が印加される場合、前記キャッチの第1係止段及び第2係止段の固定が全部解除されるように前記ポールを回転させることを特徴とする。
【発明の効果】
【0017】
本発明は、次のような効果を奏する。
本発明は、単一ラッチ構造によって基本作動とともに非常時にトランクの内部で開放することができるので、ラッチ構造のサイズ縮小、及びコスト節減が可能なトランクラッチ非常時開放構造を提供できる。また、ラッチ作動方式を電気式から機械式に変更して商品性を高めることができる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【
図1】本発明によるトランクラッチ非常時開放構造の構成図である。
【
図2】本発明によるトランクラッチ非常時開放構造の斜視図である。
【
図3】本発明によるトランクラッチ非常時開放構造の側面図である。
【
図4】本発明によるトランクラッチ非常時開放構造の第1ケーブルの張力印加による駆動状態を示す図である。
【
図5】本発明によるトランクラッチ非常時開放構造の第1ケーブルによるポールの回転状態を示す図である。
【
図6】本発明によるトランクラッチ非常時開放構造の第1ケーブルによる1段ロック解除状態を示す図である。
【
図7】本発明によるトランクラッチ非常時開放構造の第1ケーブルに張力印加時のポールの追加回転状態を示す図である。
【
図8】本発明によるトランクラッチ非常時開放構造の第1ケーブルによるブレードレバーの回転状態を示す図である。
【
図9】本発明によるトランクラッチ非常時開放構造の第1ケーブルによる2段ロック解除状態を示す図である。
【
図10】本発明によるトランクラッチ非常時開放構造の第2ケーブルによる非常用レバーの回転状態を示す図である。
【
図11】本発明によるトランクラッチ非常時開放構造の第2ケーブルによる非常用リンクの回転状態を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下、本発明の実施例を添付図面に基づいて詳細に説明する。
【0020】
本発明の実施例は、さまざまな形態に変形可能であり、以下の実施例に限定されるものではない。また、明細書に記載される“トランク”は、前面トランク及び後面トランクの両者を含むとする。また、明細書に記載される“基本モード”は一般的な状況でのトランク開放モードを意味し、“非常時モード”はトランクの内部に人が閉じこめられた状況でトランクの内部作動で開放することができるモードを意味する。
【0021】
本発明は、基本モードで車両内部ハンドル400を2回入力することによって2段回転を行ってロックを解除するラッチである。さらに、本発明は、非常時モードで、同じベース100上に第2ケーブル200と連動するように構成される非常用レバー210を提供することにより、トランク内部ハンドル500の1回入力に応じてキャッチ300のロックを解除することができるトランクラッチ非常時開放構造を提供する。すなわち、基本モードでは、キャッチ300の第1係止段310とポール120が噛み合う完全ロック状態から、車両内部ハンドル400の1回入力によって第2係止段320とポール120の溝が噛み合うように位置する第1ロック解除状態、かつ連続的な2回入力によって第1係止段310と第2係止段320が完全に解除されるように構成される解除状態に転換される。非常時モードで、トランク内部ハンドル500の1回入力によってポールが連続的に回転してキャッチ300が回転開放するように構成されるラッチ構造を含む。
【0022】
図1~
図3は、本発明の一実施例によるトランクラッチ非常時開放構造を示す図である。図に示すように、車両に固定装着されることができるベース100を含み、ベース100の一面にはポール120、リリースレバー130及びブレードレバー140を含むことができる。キャッチ300はポール120と同じ平面上に隣接して位置するように構成され、第1係止段310と第2係止段320がポール120の一側に位置する溝と噛み合うように構成される。
【0023】
ポール120は、ベース100の上端の一側面に位置するポール中心軸121を基準に回転するように構成され、ポール120の前方に位置するリリースレバー130を含む。リリースレバー130はポール中心軸121を取り囲むバックプレート150と噛み合うように構成される。バックプレート150は、ベース100の前後方向にポール120とリリースレバー130を離隔させるように位置することができる。リリースレバー130のリリース中心軸131は、バックプレート150上に位置するように構成され、リリースレバー130の一側は車両内部ハンドル400と連結される第1ケーブル110と締結される。
【0024】
ブレードレバー140は、リリースレバー130の一側面に位置するように構成され、ブレード中心軸141がリリースレバー130上に位置してリリースレバー130が第1ケーブル110から張力を受けるときに連動して、リリースレバー130の一側面で回動することができるように構成される。より好ましくは、リリースレバー130が第1ケーブル110の張力を受けて回転する場合、リリースレバー130の一側面に中心軸141を有するブレードレバー140が下方に動く。ブレードレバー140のブレード中心軸141が位置する一端から遠く離れた他端はポール120のボス部124と選択的に噛み合うことができるように構成され、ブレードレバー140に印加される回転力がポール120に伝達されるように構成される。より好ましくは、基本モードでは、車両内部ハンドル400の1回入力に応じて第1ケーブル110に印加される張力によってリリースレバー130が回転し、リリースレバー130の一側面に位置するブレードレバー140が第1ボス部122と第2ボス部123との間に入り、ブレードレバー140の傾斜面が第2ボス部123の一側端に接触して下方に移動してから第1ボス部122と噛み合い、ポール120がブレードレバー140と同じ方向に回転するように構成される。
【0025】
また、車両内部ハンドル400の2回入力によってブレードレバー140の端部は第2ボス部123の他端と噛み合ってポール120がさらに回転するように構成される。基本モードで、キャッチ300の第1係止段310がポール120に噛み合ってロック状態を維持している途中、車両内部ハンドル400の1回入力に応じてリリースレバー130が回転し、ブレードレバー140が第1ボス部122と第2ボス部123との間に入り、第1ケーブル110から印加される張力を伝達するように構成され、キャッチ300の第2係止段320がポール120の溝と対応するように位置する。このように1段ロックが解除された状態で車両内部ハンドル400の追加入力が印加される場合、2段ロック解除を遂行するように、ブレードレバー140が第2ボス部123と噛み合ってポール120に張力を印加し、トランクのロックを解除するように構成される。ただ、非常時モードでは、非常用レバー210の一端に位置する第2ケーブル200に張力が印加され、非常用レバー210の他端に位置する非常用リンク220がポール120と噛み合う方向に回転し、ポール120と噛み合っているキャッチ300が連続的に回転してトランクのロックを解除するように構成される。
【0026】
以下、
図4~
図6に基づき、基本モードで、車両内部ハンドル400の1回入力による1段ロックが解除される駆動関係を段階的に説明する。
図4は、最初に第1ケーブル110に張力が印加される段階を示し、
図5は、張力の印加時にリリースレバー130とブレードレバー140が連動してポール120の回転を案内する構成を示し、
図6は、1段ロックが解除された状態で構成間の結合関係を示す。
【0027】
最初のロック状態で、車両内部ハンドル400と締結された第1ケーブル110から張力が印加される場合、第1ケーブル110の一端が固定されて位置するリリースレバー130がリリース中心軸131を基準に回転するように構成される。ポール120の作動平面に対して、バックプレート150に位置するリリースレバー130はベース100の前後方向にポール120の作動平面より相対的に前方に位置する作動平面をなすように構成される。また、リリースレバー130の一側面に位置するブレードレバー140はリリースレバー130の作動平面より相対的に前方位置で作動するように構成される。まとめると、ポール120とキャッチ300は同じ作動平面を有するようにベース100の上端に位置し、リリースレバー130はポール120の作動平面の一側面に位置し、ブレードレバー140はリリースレバーの作動平面の一側面に順次位置するように構成される。
【0028】
リリースレバー130が第1ケーブル110によって回転する場合、リリースレバー130の一側面に位置するブレードレバー140は第2ボス部123に隣接して構成され、第1ケーブル110の張力が所定の張力以上で印加される場合、ブレードレバー140の他端がポール120の端部に位置する第1ボス部122と噛み合ってポール120に張力を印加するように構成される。ブレードレバー140が第1ボス部122に印加する張力によって、ポール中心軸121を基準にポール120のボス部124が位置する他端が回転するように構成される。リリースレバー130、ブレードレバー140及びポール120は第1ケーブル110の張力によって同じ方向に回転するように構成され、ポール120と噛み合うキャッチ300も同じ方向に回転するように構成される。
【0029】
図6では、1段ロック解除の遂行によって、第1ケーブル110によってキャッチ300の第1係止段310とポール120の噛合が解除され、第2係止段320とポール120が噛み合うように構成され、第1ケーブル110から印加される張力が解除されることにより、リリースレバー130及びブレードレバー140が復帰するように構成されることができる。リリース中心軸131に位置するスプリングの構成によって、第1ケーブル110から張力が印加される方向の反対方向に弾性力が形成され、車両内部ハンドル400の入力解除によってリリースレバー130が元の位置に復帰するように構成される。さらに、リリースレバー130の一側面に位置するブレードレバー140は、ブレード中心軸141に形成されるスプリングの構成によって、ポール120のボス部124から離隔した状態に復元するように構成される。さらに、ポール120は1段ロック解除が完了した状態でキャッチの第2係止段320と噛み合う形状を維持し、最初のロック状態に比べ、ボス部124を含む端部がブレードレバー140から離隔して位置するように構成される。このように、車両内部ハンドル400の1回入力に応じて1段ロック解除状態に転換されるように構成され、キャッチ300の第2係止段320とポール120の溝が噛み合って2段固定状態が維持されるように構成される。
【0030】
図7は、基本モードでの2段ロック解除を遂行するように第1ケーブル110の張力がさらに印加される状態を示し、
図8は、第1ケーブル110張力によってキャッチ300が完全に開放した状態を示し、
図9は、レバーの入力が解除された状態での構成間の結合関係を示す。
図7に示すように、基本モードで1段ロック解除が行われたラッチに車両内部ハンドル400の2番目入力が印加される場合、リリースレバー130が第1ケーブル110に張力によって回転し、ブレードレバー140がリリースレバー130と同時に回転するように構成される。より好ましくは、1段ロック解除が行われた状態でリリースレバー130とブレードレバー140は、それぞれの中心軸131、141に位置するスプリング力によって、第1ケーブル110の張力が印加される方向の反対方向に所定の角度だけ復帰した状態にあり、ブレードレバー140がポール120のボス部124から離隔して位置するように構成される。
【0031】
また、1段ロック解除によってポール120が第1ケーブル110に隣接した位置に回転移動した状態で追加の車両内部ハンドル400の入力が印加されれば、ブレードレバー140がポール120のボス部124と噛み合うように構成され、より好ましくは、ブレードレバー140が第2ボス部123と連結されてポール120の追加回転を遂行するように構成される。ブレードレバー140が第2ボス部123と噛み合って第1ケーブル110の張力をポール120に伝達するように構成される場合、ポール120の溝と噛み合うキャッチ300の第2係止段320が解除されるように構成される。
【0032】
図8では、第2係止段320がポール120の溝から解除される場合、キャッチ300の回転軸に位置する弾性部材によって、ストライカー600がロック解除される方向にキャッチ300の定着溝が回転する。すなわち、1段ロック解除が完了した場合、ブレードレバー140の端部がポール120のボス部124から離隔して位置し、2段ロック解除によって第1ケーブル110の追加入力が印加される場合、離隔したブレードレバー140がポール120の端部の第2ボス部123と噛み合うように回転移動する。より好ましくは、第2ボス部123とブレードレバー140が連動して回転するように構成され、ポール120の回転によってキャッチ300の第2係止段320とポール120の溝の噛合が解除され、ストライカー600がキャッチ300の定着溝から自由に離隔することができるように構成される。
【0033】
図9に示すように、2段ロック解除が完了した状態で、キャッチ300の定着溝がベース100の高さ方向に向かうように構成され、ベース100とキャッチ300からストライカー600のロックが解除されるように構成される。さらに、第1ケーブル110の張力が解除された状態で、リリースレバー130とブレードレバー140はそれぞれリリース中心軸131とブレード中心軸141に位置するスプリングによって所定の角度だけ復帰した状態を維持する。
また、2段ロック解除が完了する場合及び1段ロック解除が完了する場合、リリースレバー130とブレードレバー140は同じ位置に復帰するように構成される。
【0034】
図4~
図9は、基本モードによる1段ロック解除及び2段ロック解除の際の構成間の結合関係を示した。以下、
図10及び
図11は、非常時モードでのロック解除を行う構成図を示す。
【0035】
図10は、第1ケーブル110が位置するベース100の幅方向に対称となる位置に締結される第2ケーブル200に張力が印加される場合、非常時モードロック解除を行う構成を示す。第2ケーブル200はトランク内部ハンドル500の入力と連動して非常用レバー210に張力を印加するように構成され、非常用レバー210の上部一端は第2ケーブル200と締結され、下端は非常用リンク220を介してポール120のボス部124が位置する端部に隣接して位置する。非常用レバー210はキャッチ300と同軸を有するように構成され、キャッチ300の一側面に位置するように構成される。また、非常用レバー210とキャッチ300は同軸を基準に互いに独立的に回転できるように構成される。それだけでなく、非常用リンク220は非常用レバー210に締結されてポール120の駆動平面と同じ平面に沿って移動するように構成され、非常用レバー210の回転力がポール120に伝達されるように構成される。
【0036】
トランク内部ハンドル500の入力によって第2ケーブル200に張力が印加される場合、非常用レバー210はベース100に固定される非常用レバー210の中心軸を基準に、第2ケーブル200が固定される他端が回転するように構成され、他端に締結される非常用リンクがポール120に隣接するように移動する。非常用リンク220は、内側にガイド孔221を含むように構成され、ベース100に位置する突出部101がガイド孔221の内部に位置するように構成され、非常用レバー210の回転によって非常用リンク220は突出部101に沿ってポール120の一端と向き合うように移動することができる。非常用リンク220と非常用レバー210は、単一軸を介して締結され、非常用レバー210の回転によって非常用リンク220が直線移動することができるように、ガイド孔221が曲線形状を有するように構成される。
【0037】
非常用レバー210が第2ケーブル200によって回転する場合、非常用リンク220はボス部124が位置するポール120の他端と噛み合うように構成される。その後、非常用レバー210が第2ケーブル200の張力によって回転する場合、ポール120が基本モードで回転する方向と同じ方向に回転し、ポール120の回転によって第1係止段310及び第2係止段320が解除され、キャッチ300がストライカー600とのロックが解除される方向に回転するように構成される。さらに、非常用リンク220は、トランク内部ハンドル500の1回入力によってポール120が回転した状態で維持され、ポール120の回転状態が維持されることにより、キャッチ300が連続的に回転するように構成される。すなわち、基本モードでは、車両内部ハンドル400の1回入力に応じて1段ロック解除を遂行し、順次的な2回入力に応じて2段ロック解除を遂行するように構成され、非常時モードでは、トランク内部ハンドル500の1回入力に応じてポール120が回転した状態が維持され、キャッチ300が連続的に回転してストライカー600のロックが解除されるように構成される。
【0038】
以上の詳細な説明は、本発明を例示するもので、好適な実施形態を示すものである。本発明は、多様な他の組合せ、変更及び修正が可能である。
【符号の説明】
【0039】
100 ベース
101 突出部
110 第1ケーブル
120 ポール
121 ポール中心軸
122 第1ボス部
123 第2ボス部
124 ボス部
130 リリースレバー
131 リリース中心軸
140 ブレードレバー
141 ブレード中心軸
150 バックプレート
200 第2ケーブル
210 非常用レバー
220 非常用リンク
221 ガイド孔
300 キャッチ
310 第1係止段
320 第2係止段
400 車両内部ハンドル
500 トランク内部ハンドル
600 ストライカー