(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-05-13
(45)【発行日】2024-05-21
(54)【発明の名称】DDR5クライアントPMICパワーアップシーケンスおよび状態遷移
(51)【国際特許分類】
G06F 12/00 20060101AFI20240514BHJP
【FI】
G06F12/00 550E
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2020110404
(22)【出願日】2020-06-26
【審査請求日】2023-03-23
(32)【優先日】2019-06-28
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(32)【優先日】2019-12-23
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】518364964
【氏名又は名称】ルネサス エレクトロニクス アメリカ インコーポレイテッド
【氏名又は名称原語表記】RENESAS ELECTRONICS AMERICA INC.
【住所又は居所原語表記】1001 Murphy Ranch Road, Milpitas, California 95035, U.S.A.
(74)【代理人】
【識別番号】110002066
【氏名又は名称】弁理士法人筒井国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】シュウェタール・アービンド・パテル
(72)【発明者】
【氏名】チェンシャオ・レン
【審査官】松平 英
(56)【参考文献】
【文献】特開2002-207541(JP,A)
【文献】特開2015-127955(JP,A)
【文献】特表2016-514320(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2011/0296214(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06F 1/26-1/3296
3/06-3/08
12/00-12/128
13/16-13/18
G11C 5/00
5/02
5/04
5/06
5/14
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数のレジスタであって、前記複数のレジスタのうちの1つは、低電力状態への進入を制御するように構成された電力状態エントリレジスタである、複数のレジスタと、
複数のピンを備え、前記複数のピンのうちの1つは、イネーブルピンである、ホストインターフェースと、
を含む装置であって、
(i)前記装置は、(a)前記電力状態エントリレジスタを第1の値に設定すること、および(b)前記イネーブルピンに第1のレベルの信号を提供することに応答して前記低電力状態に進入するように構成され、
(ii)前記装置は、前記イネーブルピン
に第2のレベルの信号を提供することに応答して前記低電力状態から退出するように構成され、
(iii)前記装置は、前記低電力状態から退出した後にアイドル状態に進入し、
(iv)前記低電力状態は、前記アイドル状態よりも少ない電力を消費し、
(v)前記イネーブルピンは、複数のレギュレータの状態を制御するように構成された入力として実装される、装置。
【請求項2】
(i)前記低電力状態は、25uAの電流で動作し、(ii)前記アイドル状態は、100uAの電流で動作する、請求項1に記載の装置。
【請求項3】
前記装置は、アンバッファードダブルデータレートの第5世代メモリモジュールのための電力管理集積回路を実装する、請求項1に記載の装置。
【請求項4】
(i)前記低電力状態において、前記装置は、(a)前記複数のレギュレータをオフにした状態で動作するよう構成され、(b)バスへのアクセスをディセーブルにし、(c)
前記複数のレジスタのうちの3つのレジスタの値が不揮発性メモリに記憶された状態で動作するよう構成され、
(ii)前記アイドル状態において、前記装置は、(a)前記複数のレギュレータを0A負荷の状態でオンにし、(b)前記バスへのアクセスをイネーブルに
し、
(iii)前記複数のレジスタのうちの前記3つのレジスタのうちの1つを前記電力状態エントリレジスタとするように構成される、請求項1に記載の装置。
【請求項5】
前記バスは、I
2CバスまたはI3Cバスのうちの少なくとも1つである、請求項4に記載の装置。
【請求項6】
前記複数のレギュレータが、スイッチ出力レギュレータおよび低ドロップアウトレギュレータを備える、請求項4に記載の装置。
【請求項7】
前記装置は、さらに、前記装置が(a)セキュア動作モードおよび(b)プログラミング動作モードで動作するときに、前記低電力状態に進入したり、前記低電力状態から退出するように構成される、請求項1に記載の装置。
【請求項8】
(a)前記複数のピンのうちの1つは、パワーグッドピンであり、(b)前記装置は、前記装置が前記低電力状態にあるときに前記プログラミング動作モードにあるときに、前記パワーグッドピンが双方向動作を有することを可能にするように構成される、請求項7に記載の装置。
【請求項9】
前記電力状態エントリレジスタは、(a)デフォルトで第2の値で初期化し、(b)ホストコントローラからのコマンドに応答して前記第1の値に変更するように構成される、請求項1に記載の装置。
【請求項10】
前記装置は、前記電力状態エントリレジスタが前記第2の値を有するとき、前記低電力状態に進入しない、請求項9に記載の装置。
【請求項11】
前記イネーブルピンは、VR_EN信号を受信するように動作可能である、請求項1に記載の装置。
【請求項12】
前記装置は、バッファードダブルデータレートの第5世代メモリモジュールのための電力管理集積回路を実装する、請求項1に記載の装置。
【請求項13】
前記装置は、レジスタードダブルデータレートの第5世代メモリモジュールのための電力管理集積回路を実装する、請求項1に記載の装置。
【請求項14】
前記装置は、前記イネーブルピンを前記電力状態エントリレジスタと組み合わせて再使用して、前記低電力状態への前記進入および前記低電力状態からの前記退出を制御するように構成される、請求項1に記載の装置。
【請求項15】
前記イネーブルピンを使用して、(i)前記低電力状態への前記進入および前記低電力状態からの前記退出を制御し、(ii)前記複数のレギュレータの前記状態を制御し、前記複数のピンの数を増加させることなく、前記装置を実施することができる、請求項1に記載の装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、一般にコンピュータメモリに関し、より詳細には、DDR5クライアントPMICパワーアップシーケンスおよび状態遷移を実施するための方法および/または装置に関する。
【背景技術】
【0002】
消費者は、コンピューティングデバイスの電力消費を低減しようとしている。コンピューティングデバイスの携帯性が高まるにつれて、バッテリの長寿命を確保するために電力消費がますます重要になってきている。特に、ラップトップ、ノートブックおよびネットブックコンピュータのようなポータブルコンピューティングデバイスは、特定の状態において差し迫った現在の要求がある。コンピューティングデバイスの各コンポーネントは、電力消費を低減するために最適化される必要がある。
【0003】
DDR5SODIMM/UDIMMは、電力消費を最小限に抑えるためにさまざまな電力状態を実装する。電力状態(またはP状態)は、コンポーネントの速度と電力消費を設定する電圧-周波数ペアである。動作電圧が低い場合は、電力消費が少なくなるであろう。一般に、より高いP状態で動作している場合、電力消費は少なくなる。
【0004】
電力管理集積回路(PMIC)は、DDR5SODIMM/UDIMMの電力状態を制御することができる。しかし、電力管理集積回路のパッケージサイズを小さく保つために、利用可能なピンの数は制限される。DDR5クライアントPMICおよびSODIMM/UDIMMには、電源状態を制御するためのピンが1つしかない。DDR5クライアントPMICおよびSODIMM/UDIMMのための従来のPMICは、追加のピンを必要とせずに、特定の電力状態(すなわち、P1状態およびP3a状態)からのシームレスな遷移を許容しない。
【0005】
DDR5クライアントPMICパワーアップシーケンスおよび状態遷移を実施することが望ましいであろう。
【発明の概要】
【0006】
本発明は、複数のレジスタと、複数のピンを備えるホストインターフェースとを含む装置に関する。複数のレジスタのうちの1つは、低電力状態への進入を制御するように構成された電力状態エントリレジスタであってもよい。複数のピンのうちの1つは、イネーブルピンであってもよい。装置は、電力状態エントリレジスタを第1の値に設定し、イネーブルピンに第1のレベルの信号を供給することに応答して、低電力状態に進入するように構成されてもよい。装置は、イネーブルピンに第2のレベルの信号を供給することに応答して、低電力状態から退出するように構成することができる。装置は、低電力状態から退出した後にアイドル状態に進入することができる。低電力状態は、アイドル状態よりも電力の消費が少ない場合があり得る。イネーブルピンは、複数のレギュレータの状態を制御するように構成された入力として実装される。
【図面の簡単な説明】
【0007】
本発明の実施の形態は、以下の詳細な説明および添付の特許請求の範囲および図面から明らかになるであろう。
【
図1】
図1は、アンバッファードメモリモジュールの例示的な実施の形態を示す図である。
【
図2】
図2は、
図1のメモリモジュールを示すブロック図である。
【
図3】
図3は、バッファードメモリモジュールの例示的な実施の形態を示す図である。
【
図4】
図4は、
図3のメモリモジュールを示すブロック図である。
【
図5】
図5は、電力管理集積回路のピン配置を示す図である。
【
図6】
図6は、ホストメモリコントローラとメモリモジュールとの間のI
2 C/I
3 Cバスを示す図である。
【
図7】
図7は、静止電力状態への進入および静止電力状態からの退出を示す状態図である。
【
図8】
図8は、VIN_Bulkランプ後にVR_ENピンがハイであり、バスコマンドがないときのパワーアップシーケンスを示すタイミング図である。
【
図9】
図9は、VIN_Bulkランプ前にVR_ENピンがハイであり、バスコマンドがないときのパワーアップシーケンスを示すタイミング図である。
【
図10】
図10は、VIN_Bulkランプ中にVR_ENピンがハイであり、バスコマンドがないときのパワーアップシーケンスを示すタイミング図である。
【
図11】
図11は、バスコマンドを有するPMICのパワーアップシーケンスを示すタイミング図である。
【
図12】
図12は、プログラム動作モードにおいて、低電力状態レジスタが低い値の状態でVR_ENピンがハイであるときのパワーダウンシーケンスを示すタイミング図である。
【
図13】
図13は、プログラム動作モードにおいて、低電力状態レジスタが低い値の状態でVR_ENピンがローであるときのパワーダウンシーケンスを示すタイミング図である。
【
図14】
図14は、プログラム動作モードにおいて、低電力状態レジスタが高い値である状態で、VR_ENピンがハイであるときのパワーダウンシーケンスを示すタイミング図である。
【
図15】
図15は、プログラム動作モードにおいて、低電力状態レジスタが高い値である状態で、VR_ENピンがローであるときのパワーダウンシーケンスを示すタイミング図である。
【
図16】
図16は、セキュア動作モードにおいて、低電力状態レジスタが低い値である状態で、VR_ENピンがハイであるときのパワーダウンシーケンスを示すタイミング図である。
【
図17】
図17は、セキュア動作モード中のバス上のディセーブルまたはイネーブルコマンドを示すタイミング図である。
【
図18】
図18は、セキュア動作モードにおいて、VR_ENピンがハイであり、低電力状態レジスタが高い値または低い値である場合のパワーダウンシーケンスを示すタイミング図である。
【
図19】
図19は、セキュア動作モードにおいて、低電力状態レジスタが高い値であるVR_ENピンを使用するパワーダウンシーケンスを示すタイミング図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
本発明の実施の形態は、(i)低電力P1状態からアイドルP3a状態へシームレスに遷移すること、(ii)PMIC回路のために既存のピンを利用すること、(iii)VR_ENピンおよびレジスタを使用して低電力状態への進入および低電力状態からの退出を制御すること、(iv)セキュア動作モードおよびプログラマブル動作モードをサポートすること、(v)双方向PWR_GR_OODピンまたは出力専用PWR_GOODピンのみをサポートすること、(vi)I2C/I3Cバス上のVR_ENピンまたはVRディセーブルコマンドを伴うVRディセーブルコマンドをサポートすること、(vii)DDR5アンバッファードメモリモジュールの一部として実装されること、(viii)バッファードメモリモジュールとして実装されること、(ix)レジスタードダブルデータレートの第5世代メモリモジュールの一部として実装されること、および/または(x)1つまたは複数の集積回路として実装されることができる、DDR5クライアントPMICパワーアップシーケンスおよび状態遷移を提供することを含む。
【0009】
本発明の実施の形態は、ダブルデータレートの第5世代(DDR5)ランダムアクセスメモリ(RAM)モジュールにおいて実施されるように構成されてもよい。モバイルデバイスのための低電力ハードウェアおよび/またはハードウェアは、制限された電力予算を有し得る。電力状態(例えば、P状態)は、特定の動作条件下で電力消費を制限するために実施されてもよい。本発明の実施の形態は、DDR5メモリの電力状態(例えば、進入および退出)を制御し、様々なP状態の厳しい電流要件に従って動作するように構成することができる。
【0010】
本発明の実施の形態は、P1状態からP3a状態へのシームレスな遷移を可能にするように構成され得る。P状態間の遷移は、(例えば、ノートブックコンピュータの電力要件に適合するのを助けるために)電力消費を低減することができる。一例では、静止電力状態(例えば、P状態P1)は、約25uAの電流要件を有することができ、アイドル状態(例えば、P状態P3a)は、約100uAの電流要件を有することができる。本発明の実施の形態は、P1状態とP3a状態との間で遷移するために、既存のピン(例えば、既存の機能を既に有するピン)を利用するように構成されてもよい。ピンを再使用することにより、本発明がパッケージサイズ要件に適合すること、および/またはレイアウトの複雑さを低減することができることを保証することができる。1つのピン(例えば、VR_ENピン)のみが、電力状態を制御するために利用可能であり得る。例えば、VR_EN ピンまたはI2 C/I3C バスのVRイネーブルコマンドを使用して、出力レールをオンにすることができる。
【0011】
1つの例において、本発明の実施の形態は、アンバッファードデュアルインラインメモリモジュール(UDIMM)で実施されてもよい。例えば、ノートブックコンピュータの場合、本発明の実施の形態は、スモールアウトラインデュアルインラインメモリモジュール(SODIMM)で実施することができる。一例では、DDR5 SODIMMは、電力状態を制御するための1つのピン(例えば、VR_EN)を備えることができる。別の例では、本発明の実施の形態は、レジスタードデュアルインラインメモリモジュール(RDIMM)で実施されてもよい。実施されるメモリモジュールのタイプは、特定の実施の設計基準に従って異なっていてもよい。
【0012】
本発明の実施の形態は、セキュア動作モードおよび/またはプログラマブル動作モードをサポートするように構成され得る。本実施の形態は、ピン(例えば、PWR_GOOD)上の双方向動作および/またはPWR_GOODピン上の出力のみの動作をサポートすることができる。本発明の実施の形態は、I2C/I3Cバス上でVR_ENピンおよび/またはVRディセーブルコマンドを使用してVRディセーブルコマンドをサポートするように構成してもよい。
【0013】
図1を参照すると、アンバッファードメモリモジュールの例示的な実施の形態を示す図が示されている。様々な実施の形態では、メモリシステムは、いくつかの回路50a~50nを含む。回路50a~50nは、メモリモジュール(またはボード)として実施することができる。一例では、回路50a~50nは、デュアルインラインメモリモジュール(DIMM)として実施することができる。いくつかの実施の形態では、回路50a~50nは、ダブルデータレートの第5世代(DDR5)SDRAMモジュールとして実施されてもよい。
【0014】
様々な実施の形態においては、回路50a~50nは、いくつかのブロック(または回路)72a~72n、ブロック(または回路)100、および/または様々な他のブロック、回路、ピン、コネクタ、および/またはトレースを備えることができる。回路72a~72nは、メモリデバイスを実装することができる。一例では、回路72a~72nは、同期ダイナミックランダムアクセスメモリ(SDRAM)デバイス(またはチップ、またはモジュール)として実施され得る。回路100は、電力管理集積回路(PMIC)として実装することができる。一例では、PMIC100は、JEDEC DDR5仕様に準拠することができる。メモリモジュール50a~50nのコンポーネントのタイプ、配置、および/または数は、特定の実装の設計基準を満たすように変更することができる。
【0015】
メモリモジュール50a~50nは、ブロック(または回路)20に接続されて示されている。回路20は、メモリコントローラ(例えば、ホストコントローラ)を実装することができる。回路20は、コンピューティングエンジンなどの別のデバイス内に配置することができる。メモリモジュール50a~50nをメモリコントローラ20に接続するために、様々なコネクタ(またはピンまたはトレース)60を実装することができる。いくつかの実施の形態では、コネクタ(またはピンまたはトレース)60は、288ピン構成であってもよい。一例では、メモリコントローラ20は、コンピュータマザーボード(またはメインボード)のコンポーネントであってもよい。別の例では、メモリコントローラ20は、マイクロプロセッサのコンポーネントであってもよい。さらに別の例では、メモリコントローラ20は、中央処理装置(CPU)のコンポーネントであってもよい。
【0016】
一例では、コネクタ(またはピンまたはトレース)60のいくつかは、メモリモジュール50a~50nの一部とすることができ、コネクタ(またはピンまたはトレース)60のいくつかは、マザーボードおよび/またはメモリコントローラ20の一部とすることができる。メモリモジュール50a~50nは、コンピュータデバイスのコンポーネントとメモリモジュール50a~50nとの間でデータを転送するために、(例えば、ピン、トレース、および/またはコネクタ60によって)コンピュータマザーボードに接続されてもよい。UDIMMを実装するいくつかの実施の形態では、コネクタ(またはピンまたはトレース)60は、64ビットバスまたは72ビットバスを実装することができる。一例では、メモリコントローラ20は、マザーボードのノースブリッジ上に、および/またはマイクロプロセッサのコンポーネント(例えば、Intel CPU、AMD CPU、ARM CPUなど)として実装されてもよい。メモリコントローラ20の実装は、特定の実装の設計基準に従って変更されてもよい。
【0017】
様々な実施の形態では、回路50a~50nは、DDR5 SDRAMメモリモジュールとして実装することができる。一例では、回線50a~50nは、モジュールあたりのメモリモジュール密度が128ギガバイト(GB)、512GB、1テラバイト(TB)、またはそれ以上であってもよい。DDR5標準SDRAMメモリモジュールを実装する実施の形態では、回路50a~50nは、1.2~3.2ギガヘルツ(GHz)および/またはそれより高い周波数で動作することができる。
【0018】
DDR5標準SDRAMメモリモジュールを実装する実施の形態では、回路50a~50nは、3.2GT/s~4.6GT/sのデータレート範囲を有することができる。DDR5 SDRAMメモリモジュールを実装する例示的な実施の形態では、回路50a~50nは、最大8GT/sで動作することができる。メモリモジュール50a~50nの動作パラメータは、特定の実装の設計基準に従って変更することができる。
【0019】
一例では、メモリモジュール50a~50nは、第5世代(DDR5)規格(例えば、JEDECによって規格が現在開発中である)に従って実装することができる。DDR5規格への言及は、2019年3月現在、JEDECが発行または委員会メンバーに配布したDDR5仕様の最新の作業版および/またはドラフト版を参照することができる。ここでは、DDR5基準の適切なセクションを全て参照して取り入れている。JEDEC仕様は、DDR5 SDRAM仕様および/または将来世代のためのDDR SDRAM(例:DDR6)の仕様を参照することができる。
【0020】
図2を参照すると、
図1のメモリモジュール50aを示すブロック図が示されている。メモリモジュール50aは、メモリモジュール50b~50nを代表するものであってもよい。メモリモジュール50aは、メモリコントローラ20と通信するものとして示されている。メモリコントローラ20は、ブロック(または回路)10の一部として示されている。回路10は、マザーボード(またはメインボード)、またはメモリモジュール50aと通信する他の電子コンポーネントまたはコンピューティングエンジンまたはホストデバイスであってもよい。
【0021】
メモリモジュール50aは、1つまたは複数のブロック(または回路)80a~80nおよび/またはPMIC100を備えることができる。回路80a~80nは、メモリモジュール50aのデータパスを実装することができる。図示の例では、メモリモジュール50aは、メモリモジュール50aの一方の側に5つのデータパス(例えば、80a~80e)を、メモリモジュール50aの他方の側に4つのデータパス(例えば、80k~80n)を備えることができる。回路82a~82nは、それぞれ、メモリチャネルとして実装することができる。メモリチャネル82a~82nの各々は、多数のブロック(または回路)84a~84nを備えることができる。回路84a~84nは、ランダムアクセスメモリ(RAM)チップとして実施することができる。例えば、RAMチップ84a~84nは、ダイナミックRAM(DRAM)のような揮発性メモリを実装してもよい。RAMチップ84a~84nは、SDRAMデバイス72a~72nであってもよい(例えば、チップ84a~84nは、メモリチャネル82a~82nのうちの1つ内に配置された1つまたは複数の回路72a~72nを備えていてもよい)。いくつかの実施の形態では、RAMチップ84a~84nは、メモリモジュール50a~50nの回路基板の両側(例えば、前面および背面)に物理的に配置されてもよい。メモリモジュール50a上のメモリの容量は、特定の実装の設計基準に従って変えることができる。
【0022】
メモリコントローラ20は、クロック信号(例えば、CLK)、多数の制御信号(例えば、ADDR/CMD)および/または多数のコマンドを生成することができる。信号CLKおよび/または信号ADDR/CMDは、メモリチャネル82a~82nに提供されてもよい。一例では、信号ADDR/CMDおよびCLKは、それぞれ共通バス52および共通バス54上で伝送され得る。コマンドは、バス90を介してPMIC100に提供されてもよい。データバス30は、メモリコントローラ20とデータパス80a~80nとの間に接続されてもよい。バス30は、メモリコントローラ20とメモリチャネル82a~82nとの間のトレース、ピン、および/または接続を含むことができる。メモリコントローラ20は、データバス30から提供/受信することができるデータ信号(例えば、DQa~DQn)およびデータストローブ信号(例えば、DQSa~DQSn)を生成および/または受信することができる。信号DQa~DQnおよびDQSa~DQSnの部分は、それぞれのデータパス80a~80nに提供されてもよい。例えば、信号DQa~DQnは、JEDEC仕様で定義されたDQ信号であってもよく、信号DQSa~DQSnは、JEDEC仕様で定義されたDQS信号であってもよい。図示の例では、信号DQa~DQnの各々は、対応する信号DQSa~DQSnを有する可能性があるが、いくつかの実施の形態では、1つのDQS信号が複数(例えば、4つ)のDQ信号をストローブしてもよい。
【0023】
バス90は、ホストインターフェースバスとして実施することができる。ホストインターフェースバス90は、双方向であってもよい。ホストインターフェースバス90は、コマンドおよび/または他のデータを、PMIC100および/またはメモリモジュール50aの他のコンポーネントに通信するように構成することができる。いくつかの実施の形態では、ホストインターフェースバス90は、I2 Cプロトコルを実装することができる。いくつかの実施の形態では、ホストインターフェースバス90は、I3Cプロトコルを実装することができる。ホストインターフェースバス90によって実装されるプロトコルは、特定の実装の設計基準に従って変更することができる。
【0024】
図3を参照すると、バッファードメモリモジュールの例示的な実施の形態を示す図が示されている。
図3に関連して示されているバッファードメモリモジュールは、
図1に関連して示されているアンバッファードメモリモジュールと同様の実装を有することができる。
【0025】
様々な実施の形態では、回路50a~50nは、SDRAMデバイス72a~72n、PMIC100、多数のブロック(または回路)70a~70n、ブロック(または回路)74、および/または様々な他のブロック、回路、ピン、コネクタ、および/またはトレースを備えることができる。回路70a~70nは、データバッファとして実施することができる。回路74は、レジスタードクロックドライバ(RCD)として実装されてもよい。別の例では、RCD回路74は、JEDEC仕様(例えば、DDR5規格)に準拠するRCD回路として実装されてもよい。例えば、回路50a~50nをDDR5準拠SDRAMモジュールとして実施する実施の形態では、メモリモジュール50a~50nは、10個のSDRAMデバイス(またはチップ、またはモジュール)の列に配置された回路72a~72nを備えることができ、回路70a~70nは、回路72a~72nに対応する列に配置することができ、RCD回路74は、回路72a~72nがRCD回路74の2つの側のいずれかで5つのグループになるように配置することができ、電力管理集積回路(PMIC)100は、JEDEC DDR5仕様に準拠することができる。DDR5標準SDRAMメモリモジュールを実施する実施の形態では、RCD回路74の各側に5つのメモリモジュールが存在してもよい。いくつかの実施の形態では、コネクタ(またはピンまたはトレース)60は、80ビットバスを実装することができる。回路50a~50nのコンポーネントの数、タイプ、および/または配置は、特定の実装の設計基準に従って変更することができる。
【0026】
図4を参照すると、
図3のメモリモジュールを示すブロック図が示されている。メモリモジュール50aは、データパス80a~80n、RCD回路74、および/またはPMIC100を備えることができる。例えば、データパス80aは、メモリチャネル82aおよび/またはデータバッファ70aを含んでもよい。データパス80b~80nは、同様の実装を有することができる。図示の例では、メモリモジュール50aは、RCD回路74の一方の側に5つのデータパス(例えば、80a~80e)を、RCD回路74の他方の側に5つのデータパス(例えば、80j~80n)を備えることができる。
【0027】
RCD回路74は、メモリコントローラ20、データバッファ70a~70n、メモリチャネル82a~82n、および/またはPMIC100と通信するように構成することができる。RCD回路74は、メモリコントローラ20から受け取ったコマンド(例えば、制御ワード)をデコードすることができる。信号CLKおよび/または信号ADDR/CMDは、RCD回路74に提供されてもよい。例えば、RCD回路74は、レジスタコマンドワード(RCW)を受信することができる。別の例では、RCD回路74がバッファ制御ワード(BCW)を受信することができる。RCD回路74は、DRAMチップ84a~84n、データバッファ70a~70n、および/またはRCD回路74とメモリコントローラ20との間のコマンドおよびアドレスラインを繋げるように構成することができる。例えば、RCWは、メモリコントローラ20からRCD回路74に流れることができる。RCWは、RCD回路74を構成するために使用することができる。
【0028】
RCD回路74は、LRDIMM構成およびRDIMM構成の両方で使用することができる。RCD回路74は、32ビットの1:2コマンド/アドレスレジスタを実装することができる。例えば、RCD回路74は、コマンド/アドレス出力の2つのセット(例えば、AおよびB)を有し得る。RCD回路74は、高速バス(例えば、RCD回路74とデータバッファ70a~70nとの間のBCOMバス)をサポートすることができる。RCD回路74は、自動インピーダンス較正を実施することができる。RCD回路74は、コマンド/アドレスパリティチェックを実施することができる。RCD回路74は、レジスタRCWリードバックを制御することができる。一例では、RCD回路74がシリアル通信バス(例えば、1MHzの集積回路間(I2 C)バスなど)を実装することができる。しかしながら、他のタイプの管理バスプロトコル(例えば、側波帯インターフェースなど)が、特定の実装の設計基準に適合するように実装されてもよい。いくつかの実施の形態では、RCD回路74が12.5MHzの集積回路間(I3 C)バスを実装することができる。RCD回路74への入力は、外部基準電圧および/または内部基準電圧を使用して擬似差動とすることができる。RCD回路74のクロック出力、コマンド/アドレス出力、制御出力、および/またはデータバッファ制御出力は、グループでイネーブルにされ、異なる強度で独立して駆動されてもよい。
【0029】
RCD回路74は、メモリコントローラ20から信号CLKおよび/または信号ADDR/CMDを受信することができる。RCD回路74の種々のデジタル論理コンポーネントを使用して、信号CLKおよび/または信号ADDR/CMDおよび/または他の信号(例えば、RCW)に基づいて信号を生成することができる。RCD回路74はまた、信号(例えば、CLK’)および信号(例えば、ADDR’/CMD’)を生成するように構成されてもよい。信号CLK’および/または信号ADDR’/CMD’は、メモリチャネル82a~82nの各々に提供され得る。一例では、信号ADDR’/CMD’およびCLK’がそれぞれ共通バス52および共通バス54上で伝送され得る。別の例では、RCD回路74は、1:2コマンド/アドレスアーキテクチャをサポートするために、単一のADDR/CMD入力および2つのADDR’/CMD’出力を実装することができる。RCD回路74は、1つまたは複数の信号(例えば、DBC)を生成することができる。信号DBCは、データバッファ70a-70nに提供される。信号DBCは、データバッファ制御信号を実現することができる。信号DBCは、共通バス56(例えば、データバッファ制御バス)上で送信されてもよい。
【0030】
データバッファ70a~70nは、バス56からコマンドおよびデータを受信するように構成することができる。データバッファ70a~70nは、バス30との間でデータを生成/受信するように構成することができる。バス30は、メモリコントローラ20とデータバッファ70a~70nとの間のトレース、ピン、および/または接続を含むことができる。バス58は、データバッファ70a~70nの各々とそれぞれのメモリチャネル82a~82nとの間でデータを伝送することができる。データバッファ70a~70nは、書き込み動作(例えば、メモリコントローラ20から対応するメモリチャネル82a~82nへのデータ転送)のためにバス30および58上のデータをバッファするように構成されてもよい。データバッファ70a~70nは、読み出し動作(例えば、対応するメモリチャネル82a~82nからメモリコントローラ20へのデータ転送)のためにバス30および58上のデータをバッファするように構成されてもよい。
【0031】
データバッファ70a~70nは、小さな単位(例えば、x4DRAMの場合は、4ビットニブル、x8DRAMの場合は、8ビットバイト)で、DRAMチップ84a~84nとデータを交換してもよい。様々な実施の形態では、DRAMチップ84a~84nが複数(例えば、2つ)のセットに配置されてもよい。2つのセット/2つのDRAMチップ(例えば、84a~84b)の実装の場合、各セットは、単一のDRAMチップ(例えば、84aまたは84b)を含むことができる。各DRAMチップ84a~84bは、上位ニブルおよび下位ニブル、すなわちバイトを介してそれぞれのデータバッファ70a~70nに接続することができる。2つのセット/4つのDRAMチップ(例えば、84a~84d)の実装の場合、各セットは、2つのDRAMチップ(例えば、84a~84bまたは84c~84d)を含むことができる。第1のセットは、上位ニブルを介して、それぞれのデータバッファ70a~70nに接続されてもよい。他のセットは、下位ニブルを介してそれぞれのデータバッファ70a~70nに接続されてもよい。2つのセット/8つのDRAMチップ(例えば、84a~84h)の実装の場合、各セットは、4つのDRAMチップ84a~84hを含むことができる。4つのDRAMチップのセット(例えば84a~84d)は、上位ニブルを介してそれぞれのデータバッファ70a~70nに接続することができる。4つのDRAMチップの他のセット(例えば、84e~84h)は、下位ニブルを介してそれぞれのデータバッファ70a~70nに接続することができる。他の数のセット、他の数のDRAMチップ、および他のデータユニットサイズが、特定の実装の設計基準に適合するように実装されてもよい。
【0032】
インターフェース102が示されている。102は、RCD回路74とPMIC100との間の通信を可能にするように構成することができる。例えば、インターフェース102は、レジスタクロックドライバ/電力管理集積回路インターフェース(例えば、RCD-PMICインターフェース)を実装することができる。インターフェース102は、1つまたは複数の信号および/または接続を備えることができる。インターフェース102によって実装される信号および/または接続のいくつかは、一方向であってもよい。インターフェース102によって実装される信号および/または接続のいくつかは、双方向であってもよい。インターフェース102は、ホストメモリコントローラ20によってイネーブルにされてもよい。一例では、メモリコントローラ20は、信号ADDR/CMDを使用して、RCDのためのインターフェース102をイネーブルにすることができる。別の例では、メモリコントローラ20がイネーブルコマンドを提供することによって、PMIC100のためのインターフェース102をイネーブルにしてもよい。いくつかの実施の形態では、バス90がRCD回路74と通信することができる。
【0033】
図5を参照すると、電力管理集積回路のピン配置図を示す図が示されている。PMIC100のマイクロチップパッケージの上面図が示されている。一例では、PMIC100のマイクロチップパッケージは、クワッドフラットノーリード(QFN)パッケージとして実装することができる。例えば、PMIC100のQFNパッケージは、約4mm×3mmのサイズであってもよい。回路50a~50n上のPMIC100に利用可能なスペースの量は、制限され得る。
【0034】
PMIC100のピンは、多数示されている。PMIC100は、28本のピン(例えば、ピン1~ピン28)を有するように実装することができる。PMIC100に利用可能なスペースの量は、制限され得るので、PMIC100のサイズは、特定の仕様に制約され得る。PMIC100のピンアウトは、JEDEC DDR5仕様による設計基準に従って実施することができる。いくつかの実施の形態では、PMIC100のピンアウトは、JEDEC DDR5仕様に従って事前に定義されてもよい。例えば、サイズの制約により、PMIC100にさらに多くのピンを追加することができない場合があり得る。
【0035】
一般に、ピンpin1~pin28は、それぞれ事前に定義された機能を有することができる。PMIC100のピンpin1~pin28のうちの1つまたは複数は、ホストインターフェースであってもよい。PMIC100は、利用可能なピンpin1~pin28を使用して、P1状態およびP3a状態に進入することおよび/または退出することを実施するように構成されてもよい。PMIC100は、ピンpin1~pin28のそれぞれの所定の機能を可能にしながら、ピンpin1~pin28のうちの1つまたは複数に付加的な機能を追加するように構成することができる。
【0036】
図示の例では、ピンpin2、ピンpin6、およびピンpin20はそれぞれ、信号を通信することができる(例えば、VIN_BULK_A、VIN_BULK_B、およびVIN_BULK_Cはそれぞれ、共に、信号VIN_BULKとすることができる)。ピンpin13は、信号(例えば、VOUT_1.8V)を伝送することができる。ピンpin15は、信号(例えば、VOUT_1.0V)を伝送することができる。ピンpin3は、信号(例えば、SWA)を通信することができる。ピンpin5は、信号(例えば、SWB)を通信することができる。ピンpin19は、信号(例えば、SWC)を通信することができる。ピンpin9は、信号(例えば、PID)を伝送することができる。ピンpin23は、信号(例えば、GSI_n)を伝送することができる。ピンpin25は、信号(例えば、PWR_GOOD)を伝送し得る。ピンpin27は、信号(例えば、VR_EN)を伝送することができる。PMIC100のピンアウトは、特定の実装の設計基準に従って、および/またはDDR5規格JEDEC仕様に従って変更されてもよい。
【0037】
PMIC100は、ブロック(または回路)102a~102nを備えることができる。回路102a~102nは、それぞれレジスタを実装することができる。レジスタ102a~102nの各々は、位置を含むことができる。一例では、位置104がレジスタ102iに示されている。レジスタ102iは、電力状態エントリレジスタであってもよい。PMIC100は、ブロック(または回路)106a~106nをさらに備えることができる。回路106a~106nは、それぞれレギュレータを実装することができる。PMIC100は、他のコンポーネント(図示せず)を含むことができる。PMIC100のコンポーネントの数、タイプ、および/または配置は、特定の実装の設計基準に従って変更することができる。
【0038】
レジスタ102a~102nは、揮発性の高い記憶装置を提供するように構成されてもよい。レジスタ102a~102nには、読み出しのみ、読み出し/書き込みのみ、またはリザーブ可能な特性を有していてもよい。レジスタ102a~102nのサブセットは、ホストコントローラ20がアクセス可能な領域を備えていてもよい。例えば、ホストコントローラ20は、レジスタ102a~102nのサブセットから読み出して書き込むように構成されてもよい。レジスタ102a~102nのサブセットは、DIMMベンダ(例えば、回路50a~50nのベンダ)がPMIC100をプログラムすることを可能にすることができる。レジスタ102a~102nのサブセットは、PMICベンダ(例えばPMIC100のベンダ)の特定領域であってもよい。レジスタ102a~102nは、PMIC100の様々な機能(例えば、エラーログ、ステータス情報(リアルタイムおよび周期的)、マスキング、電力状態エントリ、電流閾値、電圧設定、温度読み取り値、電力測定値など)を提供するように構成され得る。レジスタ102a~102nの機能は、特定の実装の設計基準に従って変更することができる。
【0039】
レジスタ102a~102nは、8ビットレジスタになることがある。一例では、レジスタ102a~102nが8個の記憶場所(またはレジスタ値)を構成することができる。レジスタ値104は、レジスタ102a~102nのレジスタ値(または記憶場所)の一つの代表例である。図示の例では、レジスタ102iは、R1Aレジスタとすることができ、レジスタ値104は、R1A[4]値(例えば、レジスタR1Aのビット0:7のビット4)とすることができる。レジスタ値104に格納された値は、ピンpin1~pin28のうちの1つまたは複数の付加的な機能を可能にするように構成され得る。レジスタ値104は、PMIC100が低電力(例えば、静止)状態をイネーブルにすることを可能にするように構成され得る。レジスタ値104は、低電力状態およびアイドル電力状態に進入することおよび/または退出することを制御するように構成され得る。
【0040】
レジスタ102iは、ホストコントローラ20がアクセス可能なレジスタ102a~102nのサブセットの1つであってもよい。レジスタ値104は、読み出し/書き込み値であってもよい(例えば、ホストコントローラ20は、レジスタ値104から読み出しまたは書き込みを行ってもよい)。レジスタ値104は、PMIC静止状態エントリイネーブル値(例えば、QUIESCENT_STATE_EN)であってもよい。一例では、レジスタ値104がロー(例えば、論理0)値を有する場合、静止状態は、ディセーブルにされ得る。一例では、レジスタ値104がハイ(例えば、論理1)値を有する場合、静止状態をイネーブルにすることができる。
【0041】
レギュレータ106a~106nは、スイッチングレギュレータおよび/または低ドロップアウト(LDO)レギュレータを備えることができる。一例では、レギュレータ106aは、SWAレギュレータであってもよく、レギュレータ106bは、SWBレギュレータであってもよく、レギュレータ106cは、SWCレギュレータであってもよい。レギュレータ106a~106cは、電力インダクタに接続されたスイッチノード出力バックレギュレータであってもよい。別の例では、レギュレータ106dが1.8V LDOレギュレータであってもよく、レギュレータ106eは、1.0V LDOレギュレータであってもよい。実装されるレギュレータの数および/またはタイプは、特定の実装の設計基準に従って修正・変更されてもよい。
【0042】
信号VIN_BULKは、レギュレータ106a~106nのうちの1つまたは複数のためのPMIC100への5V電力入力電源とすることができる。一例では、信号VIN_BULK_Aは、SWAレギュレータ106aのための入力電源であってもよく、信号VIN_BULK_Bは、SWBレギュレータ106bのための入力電源であってもよく、信号VIN_BULK_Cは、SWCレギュレータ106cのための入力電源であってもよい。信号VOUT_1.8Vは、LDOレギュレータ106dのための1.8V出力であってもよい。信号VOUT_1.0Vは、LDOレギュレータ106eのための1.0V出力であってもよい。信号SWAは、SWAレギュレータ106aのための出力であってもよく、信号SWBは、スイッチレギュレータ106bのための出力であってもよく、信号SWCは、スイッチレギュレータ106cのための出力であってもよい。信号PIDは、I2 CおよびI3CバスのためのIDを受信することができる。信号GSI_nは、一般的なステータス割り込み出力を提供することができる。信号GSI_nは、ホストコントローラ20にイベントを通信するように構成されたオープンドレイン出力であってもよい。
【0043】
信号PWR_GOODは、PMIC100の電力ステータスを示すように構成されたオープンドレイン出力であってもよい。例えば、信号PWR_GOODは、VIN_BULKならびに全てのイネーブルレギュレータ106a~106nが対応するレジスタ102a~102nによって構成される許容閾値内に保持されるときに、ハイにアサートされ得る。一例では、信号PWR_GOODは、VIN_BULKが閾値より低いとき、またはイネーブルにされたレギュレータ106a~106nのいずれかが許容閾値を超えるとき、ローにアサートされてもよい。信号PWR_GOODは、I/Oとして構成されてもよい。例えば、低電力動作では、信号PWR_GOODのためのピン25がI/Oとして動作することができる。別の例では、信号PWR_GOODのためのピン25が出力のみとされてもよい。
【0044】
信号VR_ENは、PMICイネーブル入力信号であってもよい。一例では、信号VR_ENがハイとしてアサートされると、PMIC100は、レギュレータ106a~106nのうちの1つをオンにすることができる。一例では、信号VR_ENがローとしてアサートされると、PMIC100は、レギュレータ106a~106nのうちの1つをオフにすることができる。ピン27は、PMIC100のホストインターフェース用のイネーブルピンとすることができる。イネーブルピンpin27は、レギュレータ106a~106nのうちの1つまたは複数のステータスを制御するように構成された入力とすることができる。
【0045】
レジスタ102a~102nのマスクビットが設定されていない場合、PMIC100は、何らかのイベントが発生したときに、信号GSI_nおよび信号PWR_GOODをアサートすることができる。一例では、様々なイベントにより、PMIC100 が内部でVRディセーブルコマンドを生成することができる(例えば、信号VIN_BULK の過電圧または不足電圧、信号SWA~SWCの過電圧または不足電圧、臨界温度など)。VRディセーブルコマンドをトリガしないイベントについては、PMIC100は、正常に動作することができる。ホストコントローラ20は、ステータスレジであるレジスタ102a~102nを読み取り、信号GSI_nまたは信号PWR_GOODのアサーションの原因を判定および/または隔離するように構成されてもよい。PMIC100は、ホストコントローラ20が適切なレジスタ102a~102nをクリアまたはマスクするまで、信号GSI_nまたは信号PWR_GOODをアサートし続けることができる。
【0046】
いくつかの実施の形態においては、低電力(例えば、静止)P1状態では、VIN_BULKの電流が約25μA(VIN_BULKは5V)であってもよい。全てのレギュレータ106a~106nを含む、PMIC100内の全ての回路は、オフにされてもよい。信号VR_ENは、スタティックロー状態またはスタティックハイ状態に設定されてもよい。信号GSI_nは、ハイにプルされてもよい。I2 C またはI3C インターフェースへのアクセスがディセーブルになり、バスがハイにプルされてもよい。信号PIDは、ハイまたはローのいずれかにプルされ得る。
【0047】
いくつかの実施の形態においては、アイドル電力P3a状態では、VIN_BULKの電流が約100μA(VIN_BULKは5V)であり得る。全ての出力および/またはLDOレギュレータ106a~106nは、0Aの出力負荷でオンにされてもよい。信号VR_ENは、スタティックロー状態またはスタティックハイ状態に設定されてもよい。信号GSI_nは、ハイにプルされてもよい。I2 C またはI3C インターフェースへのアクセスがイネーブルで、バスがハイにプルされてもよい。信号PIDは、ハイまたはローのいずれかにプルされ得る。
【0048】
PMIC100は、セキュア動作モードまたはプログラマブル動作モードで動作するように構成することができる。PMIC100がセキュア動作モードで動作するかプログラマブル動作モードで動作するかは、レジスタ102a~102nの値のうちの1つによって決定することができる。一例では、レジスタ102a~102nのうちの1つに対するレジスタ値のうちの1つ(例えば、レジスタ値R2F[2])を使用して、PMIC100に対してどの動作モードを機能させるかを決定することができる。PMIC100の動作モードは、ホストコントローラ20によって提供されるVRイネーブルコマンド(例えば、ピン27での信号VR_ENを使用するか、またはI2 C/I3Cバス上にコマンドを提供するかのいずれか)が登録された後に選択されてもよい。
【0049】
プログラマブル動作モードでは、ホストコントローラ20がVRイネーブルコマンドを発行する場合(例えば、信号VR_ENまたはI2のC/I3Cバスを使用する場合)、PMIC100は、ホストコントローラ20により提供されるコマンドに基づいて、レジスタ102a~102nのいずれかを変更できるように構成されてもよい。ホストコントローラ20は、レジスタ102a~102nのホストサブセットの一部であるレジスタ102a~102nのいずれかを修正・変更することができる。PMIC100は、ホストコントローラ20によるレジスタ102a~102nのプログラミングに応じて動作することがあり得る。
【0050】
セキュア動作モードでは、PMIC100は、ホストコントローラ20がレジスタ102a~102nのいくつか(例えば、セキュアレジスタ)を変更することを認めないように構成されてもよい。例えば、セキュア動作モードでは、レジスタ102a~102nのいくつかが修正され、レジスタ102a~102nのいくつかがホストコントローラ20によって修正・変更されないことがあり得る。PMIC100は、レジスタ102a~102nのいくつかに対応するホストコントローラ20からの要求を無視するように構成されてもよい。例えば、レジスタR15~R2F、レジスタR32~R34、レジスタR40~R6Fおよび/またはレジスタR70~RFFは、レジスタ102a~102n(例えば、セキュアドレジスタ)が変更されない一方で、PMIC100がセキュア動作モードで動作している場合がある。一般に、PMIC100は、セキュア動作モードでは、レジスタ102a~102nのいくつかを書き込み保護することができるが、セキュア動作モード(またはプログラマブル動作モード)では、レジスタ102a~102nの読み出し動作に制限はないものとしてもよい。
【0051】
ホストコントローラ20は、PMIC100がセキュア動作モードに入ったときに、セキュアドレジスタに書き込むことができるように、PMIC100を電力サイクルすることができる。PMIC100の電力サイクルは、PMIC100への信号VIN_BULKの完全な除去(例えば、ピンpin2、pin6およびpin20への入力なし)であってもよい。セキュア動作モードは、ホストコントローラ20によってVRイネーブルコマンドが提供された場合にのみ入ることができる。例えば、レジスタR2F[2]は、PMIC100が起動した場合(例えば、セキュア動作モードに対応)には、デフォルトでゼロになるかもしれないが、PMIC100は、VRイネーブル指令が提供される前に、ホストコントローラ20による(ホストサブセットからの)レジスタ102a~102nのいずれかの変更を可能にすることができる。
【0052】
レジスタ102a~102nのいくつかには、閾値を記憶することができる。一例では、レジスタ102a~102nのうちの1つまたは複数が信号SWA、信号SWB、および/または信号SWCの閾値電圧を記憶することができる。PMIC100は、イネーブルにされているレギュレータ106a~106nの各々の出力電圧を能動的に監視することができる。プログラマブル動作モードでは、PMIC100がスイッチングレギュレータ(例えば、レギュレータ106a~106c)のいずれかが過電圧状態を有することを検出すると、PMIC100は、VRディセーブルコマンドを生成し、スイッチングレギュレータ106a~106cをディセーブルにし、レジスタ102a~102nをアップデートし、信号GSI_nをアサートし、信号PWR_GOODをアサートすることができる(LDOレギュレータ106d~106eは、アクティブに保たれ得る)。PMIC100は、ホストコントローラ20がレジスタ102a~102nにアクセスして、過電圧状態の原因を決定し、適切なレジスタをクリアすることを可能にすることができる。ホストコントローラ20が適切なレジスタをクリアし、VR_イネーブルコマンドを発行すると、スイッチレギュレータ106a~106cは、ホストコントローラ20によって再イネーブルにされることができる。セキュア動作モードでは、PMIC100がスイッチングレギュレータ106a~106cのいずれかが過電圧状態にあることを検出すると、PMIC100は、プログラミング動作モードと同様に応答してもよいが、ホストコントローラ20は、PMIC100の電源を入れ直してもよい。
【0053】
図6を参照すると、ホストメモリコントローラ20とメモリモジュール50a~50hとの間のI
2 C/I3Cバスを示す図が示されている。システムバス350が示されている。システムバス350は、I
2 CまたはI3Cプロトコルを実装してもよい。一例では、システムバス350は、
図2に関連して示されるホストインターフェースバス90に対応し得る。一般に、システムバス350は、バス当たり8個のDIMMと通信してもよい(例えば、メモリモジュール50a~50h)。
【0054】
メモリモジュール50a~50hは各々、それぞれのハブ200a~200hおよび/またはいくつかのデバイス352a~352nを備えることができる。ハブ200a~200hは、シリアルプレゼンス検出(SPD)ハブを実装することができる。SPDハブ200a~200hの各々は、メモリコントローラ20がメモリモジュール50a~50hに関する情報にアクセスすることを可能にすることができる。例えば、各SPDハブ200a~200hは、インストールされたメモリの量、どのタイミングを使用するか等へのアクセスを提供することができる。一例では、SPDハブ200a~200hは、I2 Cプロトコルを用いて通信することができる。別の例では、SPDハブ200a~200hは、I3Cプロトコルを用いて通信することができる。SPDハブ200a~200nは、ホストメモリコントローラ20からPMIC100へのイネーブルコマンドを提供するように設定されてもよい。
【0055】
図示の例では、SPDハブ200aおよびスレーブデバイス352a~352dは、メモリモジュール50aに対応する代表的な例として示されている。一例では、スレーブデバイス352a~352dは、PMIC100、RCD回路74および2つの温度センサであってもよい。システムバス350の一部350’は、SPDハブ200aとスレーブデバイス352a~352dとの間で通信するメモリモジュール50a上に示されている。いくつかの実施の形態では、システムバス350は、メモリモジュール50a~50hあたり少なくとも5つのデバイスと通信することができる(例えば、電力測定読み出し、PMIC100のステータス、温度の読み出し、SPDのステータスおよび/またはRCD回路74のステータスの受信のため)。
【0056】
I3Cプロトコル(例えば、12.5MHzで動作する)を実装するシステムバス350の一例では、基本周期的読み出し(例えば、パケットエラーチェック(PEC)、IBIチェック、および/またはソフトウェアオーバヘッドを除く)のための合計時間量は、約464μsとすることができる。例えば、システムバス350のみを使用すると、信号PMIC電流/電力読み出し時間は、DIMM当たり1つのPMICでは、約128μs(例えば、8×16)であり、DIMM当たり2つのPMICでは、256μs(例えば、2×8×16)である。別の例では、システムバス350のみを使用すると、PMIC一般状態読み出し時間は、DIMM当たり1つのPMICでは、約128μs(例えば、8×16)であり、DIMM当たり2つのPMICでは、256μs(例えば、2×8×16)である。さらに別の例では、システムバス350のみを使用して、温度センサ(TS)読み出し時間は、DIMM当たり2つの温度センサで128μs(例えば、8×2×8)、DIMM当たり1つのSPD TSで48μs(8×6)とすることができる。さらに別の例では、システムバス350のみを使用すると、SPD読み出し時間は、DIMM当たり1 SPDで約80μsとすることができる(例えば、SPD TSに加えて2つのレジスタ(MR48およびMR52)が読み出される可能性がある)。さらに、システムバス350のみを使用することは、RCD読み出し時間をさらに含むことができる。別の例では、I2 Cバスプロトコル(例えば、1MHzで動作する)を使用して、基本周期的読み出しの総時間は、約5.5msとすることができる。
【0057】
PMIC100は、レール毎に(例えば、各電圧レギュレータモジュール上で)実測電力および/または電流消費を提供するように構成されてもよい。一例では、メモリコントローラ20が電力データにアクセスし、その情報を活用して、DRAMモジュール72a~72nのアクセスパターンを調整してもよい。システムバス350は、メモリコントローラ20が(例えば、I2 C/I3Cプロトコルを介して)電力データにアクセスすることを可能にするように構成されてもよい。
【0058】
電源投入時には、デフォルトによって、PMIC100がI2 C動作モードで動作することができる。I2 C動作モードでは、PMIC100が1MHzに制限された最高速度を有し、帯域内割り込みは、サポートされず、バス350のリセットは、サポートされ、パリティチェックは、サポートされず(サポートされたCCC以外)、パケットエラーチェックは、サポートされない。PMIC100は、ホストコントローラ20がI3C動作モードに入るコマンドを与えるまで、I2 C動作モードで動作してもよい。一例では、ホストコントローラ20は、I3C動作モードを開始するためにSETAASA CCCコマンドを発行することができる。I3C動作モードでは、PMIC100は、12.5MHzまでの最大動作速度を有することができ、帯域内割り込みをサポートすることができ、バス350のリセットをサポートすることができ、デフォルトによってパリティチェックをイネーブルにすることができ、パケットエラーチェックをサポートできるが、デフォルトによってディセーブルにすることができる。
【0059】
図7を参照すると、静止電力状態への進入・退出を示す状態図が示されている。状態
図380が示されている。状態
図380は、電力状態382~392を含んでもよい。電力状態382は、P0状態であってもよい。電力状態384は、P2_B電力状態であってもよい。電力状態386は、P3(またはP3a)電力状態であってもよい。電力状態388は、P1電力状態であってもよい。状態390は、P2_A1電力状態であってもよい。電力状態392は、P2_A2電力状態であってもよい。電力状態382~392は、PMIC100が動作するように構成することができる電力状態であってもよい。PMIC100は、他の電力状態(図示せず)を含んでもよい。PMIC100によって実装される電力状態の数および/またはタイプは、特定の実装の設計基準に従って修正・変更することができる。
【0060】
P0電力状態382では、信号VIN_BULKは無効であり、R_GOOD信号は論理ロー値である。例えば、ピンpin2、pin6、およびpin20 に入力がない場合がある。P0電力状態382は、PMIC100の電力サイクルであってもよい。P0電力状態382から、PMIC100は、P2_B電力状態384に移動することができる。
【0061】
P2_B電力状態384では、全てのスイッチングレギュレータ106a~106cはオフであり、全てのLDOレギュレータ106d~106eはオンである。P2_B電力状態384では、信号PWR_GOODは論理ロー値であり、信号VR_ENは論理ロー値(またはハイインピーダンス状態)であってもよい。P2_B電力状態384では、レジスタ値R32[7]はゼロであってもよい。P2_B電力状態384は、VRイネーブルコマンドの前のP0電力状態382および/またはP1電力状態388からの遷移状態であってもよい。信号VR_ENがハイに遷移するか、またはVRイネーブルコマンドがI2 C/I3Cバス90上にあるとき、P2_B電力状態384はP3電力状態386に移行することができる。
【0062】
P3電力状態386では、全てのスイッチングレギュレータ106a~106cがオンであってもよい。一例では、P3電力状態386は、調整動作モードおよび/またはVIN_BULKリンク監視動作モードとすることができる。P3電力状態386では、レジスタ値R32[7]は1であってもよい。一例においては、P3電力状態386では、PMIC100が、5V VIN_BULKで約100μAの電流を有することができる。
【0063】
P3電力状態386では、VR_ENピンがハイからローに遷移し、R32[5]レジスタが0に設定され、レジスタ値104が0に設定されると、信号PWR_GOODはローになり、PMIC100はP2_A1電力状態390に移行する。P3電力状態386では、VR_ENピンがハイからローに遷移し、R32[5]レジスタが0に設定され、レジスタ値104が1に設定されると、信号PWR_GOODがローになり、PMIC100は、P1電力状態388に移行する。P3電力状態386において、VR_ENピンがハイからローに遷移し、R32[5]レジスタが1に設定されると、PMIC100は、不適切な構成にある可能性がある(例えば、信号PWR_GOODがI/Oとして構成されている場合にのみ、VR_ENピンが出力レールをオンオフするように意図される可能性があり、信号PWR_GOODがI/Oとして構成されている場合に、信号PWR_GOODがGNDに接続される可能性があるので、I/O型としての信号PWR_ENおよび信号PWR_GOODの同時使用は不適切である可能性がある)。P3電力状態386において、VR_ENピンがローからハイに遷移する場合、信号PWR_GOODは、ハイインピーダンス状態にあり、PMIC100は、P3電力状態386のままである(例えば、PMICが、I2 C/I3Cバス90上のVRイネーブルコマンドからP3電力状態386に進入したと仮定する)。
【0064】
P3電力状態386において、VRイネーブルコマンドがI2 C/I3Cバス90上にある場合、R2F[2]レジスタは1に設定され、レジスタ値104は、0に設定され、信号PWR_GOODは、ハイインピーダンス状態にあり、PMIC100は、P2_A1電力状態390に移行する。P3電力状態386において、VRイネーブルコマンドがI2 C/I3Cバス90上にある場合、R2F[2]レジスタは、1に設定され、レジスタ値104は、1に設定され、信号PWR_GOODは、ハイインピーダンス状態にあり、PMIC100は、P1電力状態388に移行する。P3電力状態386において、VRイネーブルコマンドがI2 C/I3Cバス90上にある場合、R2F[2]レジスタは、0に設定され、信号PWR_GOODは、ハイインピーダンス状態にあり、PMIC100は、P3電力状態386のままに留まる。P3電力状態386では、VRディセーブルコマンドがI2 C/I3Cバス90上にある場合、信号PWR_GOODは、ハイインピーダンス状態にあり、PMIC100は、P3電力状態386のままに留まる(例えば、PMIC100がP3電力状態386に進入し、VR_ENピンがハイに移行したと仮定する)。
【0065】
P3電力状態386では、信号PWR_GOODがローとして入力され、R32[5]レジスタが0に設定される場合、信号PWR_GOODは、ハイインピーダンス状態にあり、PMIC100は、P3電力状態386に留まることができる(例えば、信号PWR_GOODI/O型は、出力のみとして構成されることができ、信号PWR_GOOD入力は、ローであることができるが、内部では出力信号PWR_GOODがハイインピーダンス状態にあることができる)。P3電力状態386において、信号PWR_GOODがローとして入力され、R32[5]レジスタが1に設定される場合、信号PWR_GOODは、ローであり、PMIC100は、P2_A1電力状態390のままに留まる。
【0066】
P3電力状態386において、内部VRディセーブルイベントがあり、R2F[2]レジスタが0に設定されている場合、信号PWR_GOODは、ローであり、PMIC100は、P2_A1電力状態390に移行し、PMIC100は、電力サイクルを必要とする。P3電力状態386では、内部VRディセーブルイベントがあり、R2F[2]レジスタが1に設定されている場合、信号PWR_GOODは、ローであり、PMIC100は、P2_A1電力状態390に移行し、PMIC100は、電力サイクルを必要としない(例えば、PMIC100は、イベントももはや存在せず、ステータスレジスタがクリアされていると仮定して、VRイネーブルコマンドで出力レギュレータ106a~106nを再イネーブルにし得る)。P3電力状態386において、信号VIN_BULKが無効である場合、PMIC100は、P0電力状態382に移行することができる。
【0067】
P1電力状態388では、レジスタ値104を1に設定することができる。P1電力状態388は、P3電力状態386からの進入のみを有することができる。P1電力状態388において、VR_ENピンがローからハイに遷移し、レジスタ値104が1に設定される場合、信号PWR_GOODは、ハイインピーダンス状態にあり、電力サイクルは必要とされず、PMIC100は、P3電力状態386に移行する。P1電力状態388において、VRイネーブルまたはVRディセーブルコマンドがI2 C/I3Cバス90上にセットされ、レジスタ値104が1にセットされる場合、信号PWR_GOODは、変更を有さず、PMIC100は、P1電力状態388に留まる。一例において、P1電力状態388では、PMIC100が5V VIN_BULKで約25μAの電流を有することができる。例えば、P1電力状態388において、PMIC100は、P3電力状態386よりも少ない電力を消費し得る。
【0068】
P2_A1電源状態390は、フォルトイベントなし状態であってもよい。P2_A1電力状態390は、VRイネーブルコマンドの後にP3電力状態386から遷移することができる。P2_A1電力状態390では、全てのスイッチングレギュレータ106a~106cは、オフであってもよい。P2_A1電力状態390では、全てのLDOレギュレータ106e~106fがオンであり得る。P2_A1電力状態390では、信号PWR_GOODは、ローまたはハイであり、入力信号VR_ENは、ローまたはハイであり、レジスタR32[7]は、0に設定される。
【0069】
P2_A1電力状態390では、VR_ENピンがハイからローに遷移する場合、変更はない(例えば、PMIC100は、既にP2_A1電力状態390にあり、VR_ENピンは、意味を有さない)。P2_A1電力状態390では、VR_ENピンがローからハイに遷移し、レジスタR32[5]が1に設定されている場合、PMIC100は、不適切な構成にある可能性がある。P2_A1電力状態390では、VR_ENピンがローからハイに遷移し、レジスタR32[5]が0に設定され、レジスタ値104が0に設定されると、信号PWR_GOODは、ハイインピーダンス状態になり、PMIC100は、P3電力状態386に移行する。一般に、P2_A1電力状態390は、イベントがない場合(例えば、レジスタ値104が1にセットされる)、P2_A1電力状態390に進入しない可能性がある。
【0070】
P2_A1電源状態390において、VRディセーブルコマンドがI2 C/I3Cバス90上にある場合、変更がない可能性がある(例えば、PMIC100は、VR_ENピンを介して既にP2_A1電源状態390にあり、VRディセーブルコマンドは、効果がない可能性がある)。P2_A1 電源状態390 で、VRイネーブルコマンドがI2 C/I3C バス90 上にあり、レジスタR2F[2] が0 に設定されている場合、変更がない可能性がある。P2_A1電力状態390では、VRイネーブルコマンドがI2 C/I3Cバス90上にあり、レジスタR2F[2]が1に設定されている場合、信号PWR_GOODは、ハイインピーダンス状態にあり、PMIC100は、P3電力状態386に移行し、電力サイクルは必要とされない。
【0071】
P2_A1電力状態390では、内部VRディセーブルイベントがあり、レジスタR2F[2]が0に設定されている場合、信号PWR_GOODは、ローに設定され、電力サイクルが必要とされ、PMIC100は、P2_A2電力状態392に移行する。P2_A1電力状態390では、内部VRディセーブルイベントがあり、レジスタR2F[2]が1に設定されている場合、信号PWR_GOODは、ローに設定されてもよく、電力サイクルは、必要とされなくてもよく、PMIC100は、P2_A2電力状態392に移行してもよい(例えば、PMIC100は、イベントももはや存在せず、ステータスレジスタがクリアされ、レジスタ102a~102nの設定にかかわらず、熱シャットダウンがある場合、電力サイクルを必要としてもよいと仮定して、PMIC100は、VRイネーブルコマンドで出力レギュレータ106a~106nを再イネーブルにしてもよい)。電力状態P2_A1において、信号VIN_BULKが無効である場合、PMIC100は、P0電力状態382に移行することができる。
【0072】
P2_A2電力状態392は、フォルトイベント状態であってもよい。P2_A2電力状態392は、VRイネーブルコマンドの後にP3電力状態386から遷移することができる。P2_A2電力状態392では、全てのスイッチングレギュレータ106a~106cは、オフであってもよい。P2_A2電力状態392では、全てのLDOレギュレータ106e~106fがオンであり得る。P2_A2電力状態392では、信号PWR_GOODは、ローであり、入力信号VR_ENは、ローまたはハイであり、レジスタR32[7]は、0に設定され得る。
【0073】
P2_A2電力状態392では、VR_ENピンがハイからローに遷移する場合、変更はないことがある(例えば、PMIC100は、既にP2_A2電力状態392にあることがあり、VR_ENピンは、意味を有しないことがある)。P2_A2電力状態392では、VR_ENピンがローからハイに遷移し、レジスタR2F[2]が0に設定される場合、信号PWR_GOODは、ローに設定され、PMIC100は、電力サイクルを必要とし、PMIC100は、P2_A2電力状態392に留まる。P2_A2電力状態392では、VR_ENピンがローからハイに遷移し、レジスタR2F[2]が1に設定され、レジスタ値104が0に設定されると、信号PWR_GOODは、ハイインピーダンス状態になり、電力サイクルは必要とされず、PMIC100は、P3電力状態386に移行する。P2_A2電力状態392では、VR_ENピンがローからハイに遷移し、レジスタR2F[2]が1に設定され、レジスタR32[5]が0に設定され、レジスタ値104が0に設定される場合、信号PWR_GOODは、ハイインピーダンス状態にあり、電力サイクルは必要とされず、PMIC100は、P3電力状態386に移行することができる。P2_A2電力状態392では、VR_ENピンがローからハイに遷移し、レジスタR2F[2]が1に設定され、レジスタR32[5]が1に設定され、レジスタ値104が0に設定されると、PMIC100は、不適切な構成になり得る。
【0074】
P2_A2電力状態392では、VRイネーブルコマンドがI2 C/I3Cバス90上にあり、レジスタR2F[2]が0に設定されている場合、信号PWR_GOODは、ローに設定されてもよく、電力サイクルが必要とされてもよく、PMIC100は、P2_A2電力状態392のままであってもよい。P2_A2電力状態392では、VRイネーブルコマンドがI2 C/I3Cバス90上にあり、レジスタR2F[2]が1に設定され、レジスタ値104が0に設定されている場合、信号PWR_GOODは、ハイインピーダンス状態にあり、電力サイクルは必要とされず、PMIC100は、P3電力状態386に移行することができる。P2_A2電力状態392では、VRイネーブルコマンドがI2 C/I3Cバス90上にあり、レジスタR2F[2]が1に設定され、レジスタ値104が1に設定されている場合、信号PWR_GOODは、ハイインピーダンス状態にあり、電力サイクルは必要とされず、PMIC100は、P3電力状態386に移行することができる。
【0075】
P2_A2電力状態392では、内部VRディセーブルイベントがあり、レジスタR2F[2]が0に設定されている場合、変更がないことがあり、電力サイクルが必要とされることがある。P2_A2電力状態392では、内部VRディセーブルイベントがあり、レジスタR2F[2]が1に設定されている場合、変更がない可能性があり、電力サイクルは必要とされない可能性がある。P2_A2電力状態392では、信号VIN_BULKが無効である場合、PMIC100は、P0電力状態382に移行することができる。
【0076】
P1電力状態388は、静止電力状態であってもよい。静止電力状態388では、信号VIN_BULKは、公称5Vであってもよく、25μAの電流要件があってもよい。静止電力状態388では、スイッチレギュレータ106a~106cおよびLDOレギュレータ106d~106eを含む、PMIC100内の全ての回路がオフであってもよい。静止電力状態388では、信号VR_ENがスタティックローレベルまたはスタティックハイレベルであり得る。静止電力状態388では、I2 C/I3Cインターフェースアクセスは許可されず(例えば、バス90へのアクセスは、ディセーブルにされてもよい)、ハイにプルされてもよく、信号PIDは、スタティックローレベルまたはハイレベルであってもよい。静止電力状態388は、レジスタ値104が論理1(またはハイ)値に設定されている場合にのみ適用可能であり得る。PMIC100が静止電力状態388に進入すると、PMIC100は、信号VIN_BULKが有効である限り、レジスタビットR32[5]、R2F[2]およびレジスタ値104の設定を不揮発性メモリに記憶することができる。一例では、不揮発性メモリは、ホストコントローラ20を介してアクセスすることができる。信号PWR_GOODのためのピン25は、PMIC100がプログラム動作モードにあり、静止電力状態388にあるとき、双方向動作を有するように構成されてもよい。
【0077】
P3/P3a電力状態386は、アイドル電力状態であってもよい。アイドル電力状態386では、信号VIN_BULKは、公称5Vであり、100μAの電流要件があってもよい。アイドル電力状態386では、スイッチレギュレータ106a~106cおよびLDOレギュレータ106d~106eを含むPMIC100内の全ての回路が0A負荷でオンであってもよい。アイドル電力状態386では、信号VR_ENがスタティックローレベルまたはハイレベルであり得る。アイドル電力状態386では、I2 C/I3Cインターフェースアクセスが許可され得る(例えば、バス90へのアクセスがイネーブルにされ得る)が、バス90は、ハイにプルされ得、信号PIDは、スタティックローレベルまたはハイレベルであり得る。アイドル電力状態386は、レジスタ値104が論理0(またはロー)値に設定されている場合にのみ適用可能であり得る。P3a電力状態は、P3電力状態と同じ状態であってもよいが、全てのスイッチ出力レギュレータ106a~106cおよびLDOレギュレータ106d~106e上の負荷は、0Aである。例えば、静止電力状態388では、PMIC100は、アイドル電力状態386にあるときよりも少ない電力を消費するであろう。
【0078】
レジスタ102iは、電力状態エントリレジスタであってもよい。電力状態エントリレジスタ102iは、R1Aレジスタであってもよい。電力状態エントリレジスタR1Aは8ビット(例えば、8つの記憶位置)を含むことができる。記憶位置の1つ(例えば、R1A[4])は、レジスタ値104であってもよい。R1Aレジスタは、静止(例えば、ロー)P1電力状態388への進入を制御するように構成され得る。
【0079】
レジスタR1Aの[0]ビットは、VOUT_1.0V_POWER_GOOD_THRESHOLD_VOLTAGE記憶位置とすることができ、この記憶位置は、パワーグッド(Power Good)状態のためのVOUT_1.0V LDO出力閾値電圧を提供することができる。一例では、レジスタR1Aの[0]ビットに対する0の値は、レジスタR51[2:1]の設定から-10%であってもよく、1の値は、レジスタR51[2:1]の設定から-15%であってもよい。
【0080】
レジスタR1Aの[1]ビットは、スイッチ出力電力選択(例えば、レジスタR1B[6]が1に設定されている場合にのみ適用可能)を提供することができるOUTPUT_POWER_SELECT記憶位置とすることができる。一例では、レジスタR1Aの[1]ビットに対する0の値は、R0C、R0E、およびR0F上の各レールに対する個々の電力を報告することができ、1の値は、R0C内の各レール上の総電力を報告することができる。
【0081】
レジスタR1Aの[2]ビットは、電力良好状態のためのLDO閾値電圧を提供することができるVOUT_1.8_POWER_GOOD_THRESHOLD_VOLTAGE記憶位置とすることができる。一例では、レジスタR1Aの[2]ビットに対する値0は、1.6Vの電圧を示し、1の値が予約され得る。レジスタR1Aの[3]ビットは、予約されていてもよい。
【0082】
レジスタR1Aの[4]ビットは、レジスタ値104であってもよい。レジスタ値104は、静止電力状態388に進入するためのイネーブルビットを提供することができるQUIESCENT_STATE_EN記憶位置であってもよい。レジスタ値104 は、VRイネーブルコマンドを発行する前に設定する必要がある。一例では、レジスタ値104に対する0の値が静止電力状態388をディセーブルにし、1の値は静止電力状態388をイネーブルにすることができる(例えば、VRディセーブルコマンド(例えば、プログラマブルモードのみにおいて、VR_ENピンがローに遷移するか、またはレジスタR32[7]が0に設定される)は、PMIC100を静止電力状態388にすることができる)。
【0083】
レジスタR1Aの[5]ビットは、VIN_BULK_POWER_GOOD_THRESHOLD_VOLTAGE記憶位置とすることができ、この記憶位置は、電力良好状態のためのVIN_BULKインプットサプライ(立ち下がり)閾値電圧を提供することができる。一例では、レジスタR1Aの[5]ビットに対する値0は、4.0Vの電圧を示し、レジスタR1Aの[5]ビットに対する値1は、3.75Vの電圧を示すことができる。レジスタR1A の[6:7] ビットは、予約できる。
【0084】
レジスタR1A のビットのデフォルト値は、0 でもよい。一例では、デフォルトによって、レジスタ値104は、0値であってもよい。レジスタ値104の値が0である場合、PMIC100は、静止電力状態388をディセーブルにすることができる(例えば、PMIC100は、静止電力状態388に進入しないことができる)。レジスタ値104は、静止電力状態388をイネーブルにするために1の値に変更されてもよい。レジスタ値104は、ホストコントローラ20からのコマンドによって変更することができる。一例では、レジスタ値104を変更するためのホストコントローラ20からのコマンドが信号VR_ENの遷移であってもよい。別の例では、レジスタ値104を変更するためのホストコントローラ20からのコマンドがVRイネーブルコマンドまたはバス90上のVRディセーブルコマンドであってもよい。
【0085】
いくつかの実施の形態では、PMIC100のホストコントローラインターフェース(例えば、ピンpin1~pin28)は、DDR5仕様によって定義されてもよい。ピンpin1~pin28の各々は、特定の機能を有することができる。信号VR_ENは、予め定義された機能を有することができる。PMIC100は、ピンpin28の予め定義された機能を追加することができる。例えば、PMIC100は、ピンpin28およびレジスタ値104を再使用して、静止電力状態388への進入および当該静止電力状態からの退出を制御することができる。PMIC100は、静止電力状態388の機能を追加するために、DDR5仕様(および後世代)の要件内で動作するように構成され得る。信号VR_ENのためのピンpin28と、静止電力状態388への進入および当該状態からの退出を制御するためのレジスタ値104との組み合わせは、PMIC100がPMIC100のホストコントローラインターフェースのピンpin1~pin28の数を増加させることなく、レギュレータ106a~106nの状態を制御することを可能にし得る。
【0086】
図8を参照すると、VIN_Bulkランプ後にVR_ENピンがハイであり、バスコマンドがないときのパワーアップシーケンスを示すタイミング図が示されている。タイミングチャート420が示されている。タイミングチャート420は、波形422~438を含んでもよい。波形422は、信号VIN_BULKを表すことができる。波形424は、信号VOUT_1.8Vを表すことができる。波形426は、信号VOUT_1.0Vを表すことができる。波形428は、I
2 C/I3Cバス90上のコマンドを表すことができる。波形430は、信号VR_ENを表すことができる。波形432は、信号SWCを表すことができる。波形434は、信号SWBを表すことができる。波形436は、信号SWAを表すことができる。波形438は、信号PWR_GOODを表すことができる。
【0087】
垂直線440~450が示されている。垂直線440~450は、PMIC100による特定のタイミングおよび/または応答に対応し得る。一例では、垂直線440がイベントおよび/またはアクションのシーケンスを表すことができる。垂直線440は、VIN_BULK波形422のローからハイへの遷移に対応し得る。垂直線442は、VOUT_1.8V波形424のローからハイへの遷移に対応し得る。線440と線442との間の時間は、t1.8V_READYとすることができる。垂直線444は、VOUT_1.0V波形426のローからハイへの遷移に対応し得る。線442と線444との間の時間は、t1.0V_READYとすることができる。
【0088】
線448は、VR_EN波形430のローからハイへの遷移に対応し得る。線446は、線448の前にあってもよい。線442と線446との間の時間は、tMANAGEMENT_READYであってもよい。線440と線448との間の時間は、tVIN_BULK_TO_VR_ENABLEとすることができる。I2 C/I3Cバス90にVRイネーブルコマンドがない可能性がある。
【0089】
時間448において、SWC波形432は、ローからハイに遷移してもよく、次いで、SWB波形434は、ローからハイに遷移してもよく、SWA波形436は、ローからハイに遷移してもよく、次いで、PWR_GOOD波形438は、ローからハイに遷移してもよい。例えば、VR_EN波形430を変更すること(例えば、入力を提供すること)は、レギュレータ106a~106nの状態を変更し得る。PWR_GOOD波形438は、時間440以前の不定状態452にあってもよい。線450は、PWR_GOOD波形のローからハイへの移行に対応し得る。線448と線450との間の時間は、tPMIC_PWR_GOOD_OUTであってもよい。
【0090】
信号VIN_BULK(例えば、信号VIN_BULK_A、信号VIN_BULK_B、および信号VIN_BULK_C)は、PMIC100のための1つの入力電源であってもよい。入力電源は、ホストプラットフォーム(例えば、ホストコントローラ20)から受け取ることができる。VIN_BULK電源は、3つのスイッチ出力レギュレータ106a~106cおよび2つのLDO出力レギュレータ106d~106eの全てに対してPMIC100によって使用され得る。信号VOUT_1.8V(例えば、LDO出力)は、信号SWC(例えば、DRAM VPPレール用のスイッチ出力)とは別個で独立していてもよい。信号VOUT_1.0V(例えば、LDO出力)は、信号SWAまたはSWBから分離され独立していてもよい。
【0091】
PMIC100に電源が投入されると、VIN_BULK電源は、PMIC100にイネーブルであると検出される前に、約4.25Vの最小閾値電圧に達することができる。VIN_BULK電源が最小閾値電圧に達した後、PMIC100は、信号VIN_BULKがレジスタR1Aの[5]ビットの閾値設定を下回ったときに、レジスタR08[7]を更新することができる。
【0092】
VIN_BULK電源が有効になると(例えば、時間440において)、PWR_GOOD波形438は、不定状態452から低い値に移行することができ、PMIC100は、VOUT_1.8V波形424をハイ(例えば、t1.8V_READY内)に駆動し、VOUT_1.0V波形426をハイ(例えば、t1.0V_READY内)に駆動することができる。PMIC100は、VIN_BULK波形422が最小閾値電圧に達したときにのみ、信号PWR_GOODをローに駆動することができる。PWR_GOOD波形438は、プラットフォーム上またはホストコントローラ20上のいずれかでプルアップされ得る(例えば、1.8Vから3.3V)。PWR_GOOD波形438のプルアップ電圧は、VIN_BULKが有効で安定した後にのみ利用可能である。PMIC100は、tMANAGEMENT_READY内にI2 C/I3Cバス90インターフェース機能を有効にしてもよい。ホストコントローラ20は、tMANAGEMENT_READYタイミング要件が満たされるまで、レジスタ102a~102nにアクセスしようとしないかもしれない。
【0093】
電源投入中、ホストコントローラ20は、VIN_BULK波形422をランプアップし、tVIN_VULK_to_VR_ENABLEの最小時間量の間、VIN_BULK波形422を安定に保持し、VR_ENピンをスタティックローまたはハイに保持することができる。一般に、VR_EN波形430がスタティックレベル(ローまたはハイのいずれか)に保持されている限り、VR_EN波形430上にタイミング関係要件がないかもしれない。VIN_BULK波形422のランプアップ中に、VR_EN波形430がローに保持される場合、VR_EN波形430は、1回だけハイに遷移することができる。VR_EN波形430は、VIN_BULK波形422がいったんハイになると、ランプアップ中にローに遷移することを許可されないことがある。VIN_BULK波形422のランプアップ中にVR_EN波形430がハイに保持されるか、またはハイに遷移する場合、PMIC100は、出力レールをオンにすることができる。VIN_BULK波形422のランプアップ中にVR_EN波形430がローに保持される場合、ホストコントローラ20は、信号VR_ENをハイにアサートして、PMIC100の出力レールをオンにすることができる。ホストコントローラ20は、I
2 C/I3Cバス90を介してレジスタR32[7]を1に設定し、PMIC100の出力レールをオンにすることにより、VRイネーブルコマンドを発行してもよい。
図8~
図12に関連して示されている例示的なパワーアップ初期化シーケンスは、代表的な例であってもよい。特定のランプアップシーケンスは、パワーオンシーケンス構成に対応するレジスタ102a~102nを介して構成可能であってもよい。
【0094】
VRイネーブルコマンドがI2 C/I3Cバス90に登録された後、または信号VR_ENがハイに登録された後、PMIC100は、tPMIC_PWR_GOOD_OUTの間に多数のステップを実行することができる。PMIC100は、VIN_BULK波形422の電力良好状態が有効であることをチェックすることができる。PMIC100は、パワーオンシーケンス構成(例えば、レジスタR40および/またはレジスタR42によって説明される)を使用してパワーアップし、DIMMベンダメモリスペースレジスタにプログラムされるように内部レジスタ102a~102nを構成することができる。次いで、PMIC100は、全てのイネーブルにされた出力スイッチレギュレータ106a~106cをパワーアップして、通常動作の準備を整えることができる。次に、PMIC100は、状態レジスタ(例えば、R08)をアップデートし、時間tPMIC_PWR_GOOD_OUT内にPWR_GOOD波形438をフローティングさせることができる。PWR_GOOD波形438が時間tPMIC_PWR_GOOD_OUT内にフローティングにされない場合、ホストコントローラ20は、詳細な情報を求めてPMIC100の状態レジスタにアクセスすることができる。PMIC100 は、時間tPMIC_PWR_GOOD_OUTが期限切れになるまで、VRイネーブルコマンド後のI2 C/I3C バス90上のホストコントローラ20からの要求を認めない場合があり得る。
【0095】
図9を参照すると、VIN_Bulkランプ前にVR_ENピンがハイであり、バスコマンドがないときのパワーアップシーケンスを示すタイミング図が示されている。タイミングチャート480が示されている。タイミングチャート480は、波形422~438を含んでもよい。波形422~438は、
図8に関連して示される波形422~438に類似してもよい。
【0096】
垂直線482~490が示されている。垂直線482~490は、PMIC100による特定のタイミングおよび/または応答に対応し得る。垂直線482は、VIN_BULK波形422のローからハイへの遷移に対応し得る。垂直線484は、VOUT_1.8V波形424のローからハイへの遷移に対応し得る。線482と線484との間の時間は、t1.8V_READYであってもよい。垂直線486は、VOUT_1.0V波形426のローからハイへの遷移に対応し得る。線484と線486との間の時間は、t1.0V_READYであってもよい。
【0097】
VR_EN波形430のローからハイへの遷移は、時間482の前に(例えば、VIN_BULK波形422のランプアップの前に)生じ得る。線488は、線486の後にあってもよい。線484と線488の間の時間は、tMANAGEMENT_READYとすることができる。線490は、PWR_GOOD波形438のローからハイへの遷移(およびSWC波形432のローからハイへの遷移、SWB波形434のローからハイへの遷移、およびSWA波形436のローからハイへの遷移)に対応し得る。PWR_GOOD波形438は、時間482の前(例えば、VIN_BULKがランプアップする前)に不定状態492にあってもよい。時間482から時間490までの時間は、tVIN_BULK_TO_PWR_GOOD_OUTとすることができる。I2 C/I3Cバス90にVRイネーブルコマンドがない場合があってもよい。
【0098】
図10を参照すると、VIN_Bulkランプ中にVR_ENピンがハイであり、バスコマンドがないときのパワーアップシーケンスを示すタイミング図が示されている。タイミングチャート520が示されている。タイミングチャート520は、波形422~438を含んでもよい。波形422~438は、
図8に関連して示される波形422~438に類似していてもよい。
【0099】
垂直線522~530が示されている。垂直線522~530は、PMIC100による特定のタイミングおよび/または応答に対応し得る。垂直線522は、VIN_BULK波形422のローからハイへの遷移に対応し得る。垂直線524は、VOUT_1.8V波形424のローからハイへの遷移に対応し得る。線522と線524との間の時間は、t1.8V_READYとすることができる。垂直線526は、VOUT_1.0V波形426のローからハイへの遷移に対応し得る。線524と線526との間の時間は、t1.0V_READYとすることができる。
【0100】
VR_EN波形430のローからハイへの遷移は、時間522において(例えば、VIN_BULK波形422のランプアップ中に)生じ得る。線528は、線526の後にあってもよい。線524と線528との間の時間は、tMANAGEMENT_READYであってもよい。線530は、PWR_GOOD波形438のローからハイへの遷移(およびSWC波形432のローからハイへの遷移、SWB波形434のローからハイへの遷移、およびSWA波形436のローからハイへの遷移の後)に対応し得る。PWR_GOOD波形438は、時間522の前(例えば、VIN_BULKがランプアップする前)に不定状態532にあってもよい。時間522から時間530までの時間は、tVIN_BULK_TO_PWR_GOOD_OUTとすることができる。I2 C/I3Cバス90にVRイネーブルコマンドがない可能性がある。
【0101】
図11を参照すると、バスコマンドを有するPMICのパワーアップシーケンスを示すタイミング図が示されている。タイミングチャート580が示されている。タイミングチャート580は、波形422~438を含んでもよい。波形422~438は、
図8に関連して示される波形422~438に類似していてもよい。
【0102】
垂直線582~592が示されている。垂直線582~592は、PMIC100による特定のタイミングおよび/または応答に対応し得る。垂直線582は、VIN_BULK波形422のローからハイへの遷移に対応し得る。垂直線584は、VOUT_1.8V波形424のローからハイへの遷移に対応し得る。線582と線584との間の時間は、t1.8V_READYとすることができる。垂直線586は、VOUT_1.0V波形426のローからハイへの遷移に対応し得る。線584と線586との間の時間は、t1.0V_READYとすることができる。
【0103】
線588は、線586の後にあってもよい。線584と線588との間の時間は、tMANAGEMENT_READYであってもよい。線590は、I2 C/I3Cバス90上のVRイネーブルコマンド596に対応することができる。VRイネーブルコマンド596は、VIN_BULK波形422のランプアップ後にアサートされてもよい。VRイネーブルコマンド596の後、SWC波形432の遷移は、ローからハイであってもよく、SWB波形434の遷移は、ローからハイであってもよく、SWA波形436の遷移は、ローからハイであってもよい。PWR_GOOD波形438は、VRイネーブルコマンド596および時間592における波形432~436の遷移の後に、ローからハイに遷移することができる。PWR_GOOD波形438は、時間582の前(例えば、VIN_BULKがランプアップする前)に不定状態594にあり得る。時間582 から時間590 までの時間は、tVIN_BULK_TO_VR_ENABLEとすることができる。時間590と時間592との間の時間は、tPMIC_PWR_GOOD_OUTとすることができる。VR_EN波形430のセクション598は、VRイネーブルコマンド596の後に示されている。VRイネーブルコマンド596の後、ハイになるVR_ENピンは、PMIC100の動作に影響を及ぼさないものであることができる。
【0104】
図12を参照すると、プログラム動作モードにおいて、低電力状態レジスタが低い値である状態で、VR_ENピンがハイであるときのパワーダウンシーケンスを示すタイミング図が示されている。タイミングチャート620が示されている。タイミングチャート620は、波形422~438を含んでもよい。波形422~438は、
図8に関連して示される波形422~438に類似していてもよい。
【0105】
垂直線622~632が示されている。垂直線622~632は、PMIC100による特定のタイミングおよび/または応答に対応し得る。垂直線622は、VIN_BULK波形422のローからハイへの遷移に対応し得る。垂直線624は、VOUT_1.8V波形424のローからハイへの遷移に対応し得る。線622と線624との間の時間は、t1.8V_READYとすることができる。垂直線626は、VOUT_1.0V波形426のローからハイへの遷移に対応し得る。線624と線626との間の時間は、t1.0V_READYとすることができる。
【0106】
線628は、線586の後にあってもよい。線624と線628の間の時間は、tMANAGEMENT_READYとすることができる。線630は、VR_EN波形430のローからハイへの遷移に対応し得る。VR_EN波形430は、VIN_BULK波形422のランプアップ後にハイに遷移することができる。時間630の後、SWC波形432は、ローからハイに遷移してもよく、SWB波形434は、ローからハイに遷移してもよく、SWA波形436は、ローからハイに遷移してもよい。PWR_GOOD波形438は、時間630および線632での波形432~436の遷移後に、ローからハイに遷移してもよい。PWR_GOOD波形438は、時間622の前(例えば、VIN_BULKがランプアップする前)に不定状態634にあってもよい。時間622から時間630までの時間は、tVIN_BULK_TO_VR_ENABLEとすることができる。時間630と時間632との間の時間は、tPMIC_PWR_GOOD_OUTであってもよい。VRイネーブルコマンド636は、VR_EN波形430がハイにアサートされた時間630の後に示される。VRイネーブルコマンド636は、信号VR_ENピンがアサートされた後、PMIC100の動作に影響を及ぼさないものであることができる。
【0107】
図13を参照すると、プログラム動作モードにおいて低電力状態レジスタが低い値である状態でVR_ENピンがローであるときのパワーダウンシーケンスを示すタイミング図が示されている。タイミングチャート650が示されている。タイミングチャート650は、波形422~438を含んでもよい。波形422~438は、
図8に関連して示される波形422~438に類似していてもよい。
【0108】
垂直線652~654が示されている。垂直線652~654は、PMIC100による特定のタイミングおよび/または応答に対応し得る。垂直線652は、VR_EN波形430のハイからローへの遷移に対応し得る。垂直線654は、VR_EN波形430のローからハイへの遷移に対応し得る。
【0109】
VIN_BULK波形422、VOUT_1.8V波形424、およびVOUT_V1.0V波形426は、それぞれ高い値であってもよい。バス90上には、VRディセーブルコマンドは存在しなくてもよい。レジスタ値104は、0に設定されてもよい。
【0110】
時間652の後、VR_EN波形430がローに遷移すると、PWR_GOOD波形438は、ローに遷移することができる。次に、SWA波形436は、ハイからローに遷移してもよく、次いで、SWB波形434は、ハイからローに遷移してもよく、次いで、SWC波形432は、ハイからローに遷移してもよい。例えば、VR_EN波形430を変更すること(例えば、入力を提供すること)は、レギュレータ106a~106nの状態を変更し得る。時間654の後、VR_EN波形430がハイに戻るとき、SWC波形432は、ローからハイに遷移してもよく、次いで、SWB波形434は、ローからハイに遷移してもよく、次いで、SWA波形436は、ローからハイに遷移してもよく、次いで、PWR_GOOD波形438は、ローからハイに遷移してもよい。例えば、VR_EN波形430を変更すること(例えば、入力を提供すること)は、レギュレータ106a~106nの状態を変更し得る。
【0111】
レギュレータ106a~106nが(例えば、バス90上の信号VR_ENまたはVRイネーブルコマンドを使用して)どのようにオンにされるかにかかわらず、レギュレータ106a~106nは、PMIC100の動作モード(例えば、プログラマブルモードまたはセキュアモード)に基づいてパワーダウンされ得る。プログラマブル動作モードでは、レジスタ値104が0に設定されると、PMIC100は、3つの異なる方法を使用して、ホストコントローラ20がレギュレータ106a~106nのいずれかまたは全てをパワーダウンすることを可能にすることができる。
【0112】
1つの方法では、PMIC100がプログラマブル動作モードにあり、レジスタ値104が0に設定されているとき、ホストコントローラ20は、VRディセーブルコマンドを使用して(例えば、レジスタR32[7]が0に設定されているか、または信号VR_ENがローに遷移している状態で)レギュレータ106a~106nをパワーダウンすることができる。PMIC100は、構成(例えば、レジスタR58によって定義され、および/またはレジスタR5Aによって定義される)に従って1つまたは複数のパワーオフシーケンスを実行して、レジスタ102a~102n内に構成されるような電圧関係を保持することができる。
【0113】
一例では、PMIC100がVR_ENピンを使用してVRディセーブルコマンドを提供すること(例えば、信号VR_ENをローに設定すること)によって、信号PWR_GOODを制御することができる。次いで、PMIC100は、信号PWR_GOODをローにアサートすることができる。ホストコントローラ20は、信号VR_ENをハイとしてアサートすることによって、出力レギュレータ106a~106nを再イネーブルにすることができる。PMIC100は、レジスタ102a~102nに従って1つまたは複数のパワーオンシーケンスを実行し、タイミングパラメータtPMIC_PWR_GOOD_OUTが満たされた後に信号PWR_GOODをフローティングすることができる。PMIC100は、電力サイクルされる必要がない場合がある。
【0114】
別の例では、PMIC100がバス90を使用して(例えば、レジスタ値R32[7]が0にセットされた状態で)VRディセーブルコマンドを提供するホストコントローラ20によって、信号PWR_GOODを制御することができる。PMIC100は、フォルト状態が存在しなくてもよい可能性がある(例えば、VRディセーブルコマンドは、ホストコントローラ20からの意図的なコマンドであり得る)ので、信号PWR_GOODをフローティングのままにすることができる。ホストコントローラ20は、バス90上で(例えば、レジスタ値R32[7]が1に設定された状態で)VRイネーブルコマンドを発行することによって、レギュレータ106a~106nを再イネーブルにすることができる。PMIC100は、レジスタ102a~102nに従って1つまたは複数のパワーオンシーケンスを実行し、時間tPMIC_PWR_GOOD_OUTまで信号PWR_GOODをフローティングにし続けることができる。次いで、PMIC100は、信号PWR_GOODの通常の制御を仮定してもよい(例えば、
図14に関連付けて示されるように)。
【0115】
一般に、バス90上の信号VR_ENおよびVRイネーブル(またはVRディセーブル)コマンドの同時使用は、許可されないものとすることができる。例えば、信号VR_ENが最初にローに遷移した場合、信号PWR_GOODは、ローに追従し、バス90上に次のコマンドがあってもローのままであってもよい。
【0116】
レギュレータ106a~106nのパワーダウンを制御する別の方法では、PMIC100は、ホストコントローラ20によって所望される任意の特定のシーケンスで、レジスタ102a~102nの1つまたは複数のビット(例えば、レジスタR2Fのビット[6,4:3])を構成することができる。PMIC100は、ホストコントローラ20からの命令なしにはパワーオフシーケンスを実行することができない。PMIC100は、パワーダウンがホストコントローラ20からの意図的なコマンドであり得る(例えば、フォルト状態ではない)ため、信号PWR_GOODをフローティングに保つことができる。ホストコントローラ20は、ホストコントローラ20によって所望される任意の特定のシーケンスでレジスタ102a~102nの1つまたは複数のビット(例えば、レジスタR2Fの[6,4:3])を構成することによってディセーブルにされたレギュレータ106a~106nのいずれかを再イネーブルにすることができる。
【0117】
レギュレータ106a~106nのパワーダウンを制御するためのさらに別の方法では、レジスタ102a~102n(例えば、1に設定されたレジスタR32[5])は、信号PWR_GOODをローに駆動することができる。PMIC100は、レジスタ102a~102nにより構成された電圧関係を保持し、信号PWR_GOODをローに駆動するために、レジスタ102a~102nに従って1つまたは複数のパワーダウンシーケンスを実行することができる。PMIC100 は、全てのレジスタ102a~102n(例えば、MTPエラーログレジスタを含む)の内容を保存することができる。ホストコントローラ20は、バス90上でVRイネーブルコマンドを発行することにより、レギュレータ106a~106nを再イネーブルにすることができ、PMIC100は、1つ以上のパワーオンシーケンスを実行し、tPMIC_PWR_GOOD タイミングパラメータが満たされた後、信号PWR_GOODをフローティングにすることができる。PMIC100は、電力サイクルを必要としなくてもよい。
【0118】
PMIC100は、1つまたは複数のイベントに応答して、いつでも内部VRディセーブルコマンドを生成するように構成することができる。PMIC100は、レジスタ102a~102n内に構成された電圧関係を保持するために、レジスタ102a~102nに従って1つまたは複数のパワーオフシーケンスを実行することができる。次いで、PMIC100は、信号PWR_GOODをローにアサートすることができる。ホストコントローラ20は、(信号VR_ENまたはバス90を介して)VRイネーブルコマンドでレギュレータ106a~106nを再イネーブルにすることができ、PMIC100は、信号PWR_GOODをフローティングにすることができる。PMIC100は、電力サイクルを必要としなくてもよい。
【0119】
図14を参照すると、プログラム動作モードにおいて低電力状態レジスタが高い値である状態でVR_ENピンがハイであるときのパワーダウンシーケンスを示すタイミング図が示されている。タイミングチャート680が示されている。タイミングチャート680は、波形422~438を含んでもよい。波形422~438は、
図8に関連して示される波形422~438に類似してもよい。
【0120】
垂直線682~684が示されている。垂直線682~684は、PMIC100による特定のタイミングおよび/または応答に対応し得る。垂直線682は、バス90上のVRディセーブルコマンドに対応することができる。垂直線684は、バス90上のVRイネーブルコマンドに対応することができる。
【0121】
VIN_BULK波形422、VOUT_1.8V波形424、およびVOUT_V1.0V波形426は、それぞれ高い値であってもよい。VR_EN波形430は、スタティックハイの値に保持され得る。レジスタ値104は、0に設定されてもよい。
【0122】
時間682の後、VRディセーブルコマンド686がバス90上に提供されると、SWA波形436は、ハイからローに遷移してもよく、次いで、SWB波形434は、ハイからローに遷移してもよく、次いで、SWC波形432は、ハイからローに遷移してもよい。時間684の後、VRイネーブルコマンド688がバス90上に提供されるとき、SWC波形432は、ローからハイに遷移してもよく、次いで、SWB波形434は、ローからハイに遷移してもよく、次いで、SWA波形436は、ローからハイに遷移してもよい(例えば、スイッチングレギュレータ106a~106cをパワーオンに戻してもよい)。PWR_GOOD波形438は、VRディセーブルコマンド686およびVRイネーブルコマンド688にかかわらず、ハイに保持され得る。
【0123】
図15を参照すると、プログラム動作モードにおいて低電力状態レジスタが高い値である状態でVR_ENピンがローであるときのパワーダウンシーケンスを示すタイミング図が示されている。タイミングチャート720が示されている。タイミングチャート720は、波形422~438を含んでもよい。波形422~438は、
図8に関連して示される波形422~438に類似してもよい。
【0124】
垂直線722~724が示されている。垂直線722~724は、PMIC100による特定のタイミングおよび/または応答に対応し得る。垂直線722は、VR_EN波形430のハイからローへの遷移に対応し得る。垂直線724は、VR_EN波形430のローからハイへの遷移に対応し得る。
【0125】
VIN_BULK波形422、VOUT_1.8V波形424、およびVOUT_V1.0V波形426は、それぞれ高い値であってもよい。バス90上には、VRディセーブルコマンドは、存在しなくてもよい。レジスタ値104は、1に設定されてもよい。
【0126】
時間722の後、VR_EN波形430がローに遷移すると、PWR_GOOD波形438は、ハイからローに遷移することができる。次に、SWA波形436は、ハイからローに遷移してもよく、次いで、SWB波形434は、ハイからローに遷移してもよく、次いで、SWC波形432は、ハイからローに遷移してもよい。SWC波形432がハイからローに遷移した後、VOUT_1.8V波形424およびVOUT_1.0V波形426は、ハイからローに遷移することができ、VIN_BULK波形422は、ハイのままであることができる。
【0127】
時間724において、VR_EN波形430は、ローからハイに遷移することができる。時間724の後、VR_EN波形430がハイに戻ると、VOUT_1.8V波形424は、ローからハイに遷移することができ、次いで、VOUT_1.0V波形426は、ローからハイに遷移することができる。次に、SWC波形432は、ローからハイに遷移してもよく、次いで、SWB波形434は、ローからハイに遷移してもよく、次いで、SWA波形436は、ローからハイに遷移してもよく、次いで、PWR_GOOD波形438は、ローからハイに遷移してもよい。
【0128】
レギュレータ106a~106nが(例えば、バス90上の信号VR_ENまたはVRイネーブルコマンドを使用して)どのようにオンにされるかにかかわらず、レギュレータ106a~106nは、PMIC100の動作モード(例えば、プログラマブルモードまたはセキュアモード)に基づいてパワーダウンされ得る。プログラマブル動作モードでは、レジスタ値104が1に設定されると、PMIC100は、3つの異なる方法を使用して、ホストコントローラ20がレギュレータ106a~106nのいずれかまたは全てをパワーダウンすることを可能にすることができる。
【0129】
1つの方法では、PMIC100がプログラマブル動作モードにあり、レジスタ値104が1に設定されているとき、ホストコントローラ20は、VRディセーブルコマンドを使用して(例えば、レジスタR32[7]が0に設定されているか、または信号VR_ENがローに遷移している状態で)レギュレータ106a~106nをパワーダウンすることができる。PMIC100は、構成(例えば、レジスタR58によって定義され、および/またはレジスタR5Aによって定義される)に従って1つまたは複数のパワーオフシーケンスを実行して、レジスタ102a~102n内に構成されるような電圧関係を保持することができる。PMIC100は、静止P1電力状態388に進入することができる。
【0130】
一例では、PMIC100がVR_ENピンを使用して(例えば、信号VR_ENをローに設定することによって)VRディセーブルコマンドを提供することによって、信号PWR_GOODを制御することができる。次いで、PMIC100は、信号PWR_GOODをローにアサートすることができる。ホストコントローラ20は、信号VR_ENをハイとしてアサートすることによって、出力レギュレータ106a~106nを再イネーブルにすることができる。PMIC100は、静止P1電力状態388から退出することができる(例えば、アイドルP3電力状態386に移動する)。PMIC100は、レジスタ102a~102nに従って1つまたは複数のパワーオンシーケンスを実行し、タイミングパラメータtPMIC_PWR_GOOD_OUTおよび追加のタイミングパラメータがタイミング
図720に示すように満たされた後に、信号PWR_GOODをフローティングさせることができる。PMIC100は、電力サイクルされることを必要としなくてもよい。
【0131】
別の例では、PMIC100がバス90を使用して(例えば、レジスタ値R32[7]が0にセットされた状態で)VRディセーブルコマンドを提供するホストコントローラ20によって、信号PWR_GOODを制御することができる。PMIC100は、フォルト状態が存在しなくてもよい可能性がある(例えば、VRディセーブルコマンドは、ホストコントローラ20からの意図的なコマンドであり得る)ので、信号PWR_GOODをフローティングのままにすることができる。PMIC100は、信号VR_ENがハイに遷移するだけで、静止P1電力状態388から退出することができる。ホストコントローラ20は、信号VR_ENをハイにアサートすることによって、レギュレータ106a~106nを再イネーブルにすることができる。次に、PMIC100は、レジスタ102a~102nに従って1つまたは複数のパワーオンシーケンスを実行し、時間tPMIC_PWR_GOOD_OUTに追加のタイミングパラメータを加えるまで、信号PWR_GOODをフローティングにし続けることができる。次いで、PMIC100は、信号PWR_GOODの通常の制御を仮定してもよい(例えば、
図16に関連付けて示されるように)。
【0132】
一般に、バス90上の信号VR_ENおよびVRイネーブル(またはVRディセーブル)コマンドの同時使用は、許可されない。例えば、信号VR_ENが最初にローに遷移した場合、信号PWR_GOODは、ローに追従し、バス90上に次のコマンドがあってもローのままである。
【0133】
レギュレータ106a~106nのパワーダウンを制御する別の方法では、PMIC100がホストコントローラ20によって所望される任意の特定のシーケンスで、レジスタ102a~102nの1つまたは複数のビット(例えば、レジスタR2Fのビット[6,4:3]を0に設定した状態で)を構成することができる。PMIC100は、ホストコントローラ20からの命令なしには、パワーオフシーケンスを実行することができない。PMIC100は、パワーダウンがホストコントローラ20からの意図的なコマンドであり得る(例えば、フォルト状態ではない)ため、信号PWR_GOODをフローティングに保つことができる。ホストコントローラ20は、レジスタ102a~102nの1つまたは複数のビット(例えば、レジスタR2Fの[6,4:3]を1に設定した状態で)をホストコントローラ20によって所望される任意の特定のシーケンスで構成することによってディセーブルにされたレギュレータ106a~106nのいずれかを再イネーブルにすることができる。信号PWR_GOODの挙動は、
図16に関連して示され得る。
【0134】
レギュレータ106a~106nのパワーダウンを制御するためのさらに別の方法では、レジスタ102a~102n(例えば、1に設定されたレジスタR32[5])は、信号PWR_GOODをローに駆動することができる。PMIC100は、レジスタ102a~102nにより構成された電圧関係を保持し、信号PWR_GOODをローに駆動するために、レジスタ102a~102nに従って1つまたは複数のパワーダウンシーケンスを実行することができる。PMIC100は、全てのレジスタ102a~102n(例えば、MTPエラーログレジスタを含む)の内容を保存することができる。PMIC100は、静止P1電力状態388に進入しないことがある。ホストコントローラ20は、バス90上でVRイネーブルコマンドを発行すること(例えば、レジスタR32[7]を1に設定すること)によってレギュレータ106a~106nを再イネーブルにすることができ、PMIC100は、1つまたは複数のパワーオンシーケンスを実行し、tPMIC_PWR_GOODタイミングパラメータが満たされた後に、信号PWR_GOODをフローティングさせることができる。PMIC100は、電力サイクルを必要としなくてもよい。
【0135】
PMIC100は、1つまたは複数のイベントに応答して、いつでも内部VRディセーブルコマンドを生成するように構成することができる。PMIC100は、レジスタ102a~102n(例えば、レジスタR58およびレジスタR5A)に従って1つまたは複数のパワーオフシーケンスを実行して、レジスタ102a~102n内に構成された電圧関係を保持することができる。PMIC100は、静止P1電力状態388に進入しないことがある。次いで、PMIC100は、信号PWR_GOODをローにアサートすることができる。ホストコントローラ20は、(信号VR_ENまたはバス90を介して)VRイネーブルコマンドでレギュレータ106a~106nを再イネーブルにすることができ、PMIC100は、信号PWR_GOODをフローティングにすることができる。PMIC100は、電力サイクルを必要としなくてもよい。
【0136】
図16を参照すると、セキュア動作モードにおいて低電力状態レジスタが低い値である状態でVR_ENピンがハイであるときのパワーダウンシーケンスを示すタイミング図が示されている。タイミングチャート780が示されている。タイミングチャート780は、波形422~438を含んでもよい。波形422~438は、
図8に関連して示される波形422~438に類似していてもよい。
【0137】
垂直線782が示される。垂直線782は、PMIC100による特定のタイミングおよび/または応答に対応し得る。垂直線782は、バス90上でホストコントローラ20によって生成されるVRディセーブルコマンドに対応することができる。
【0138】
VIN_BULK波形422、VOUT_1.8V波形424、およびVOUT_V1.0V波形426は、それぞれ高い値であってもよい。VR_EN波形430は、時間782の前に遷移しなくてもよい。レジスタ値104は、1に設定されてもよい。
【0139】
時間782の前後で、VRディセーブルコマンド784がバス90上にあると、PWR_GOOD波形438は、ハイのままである。時間782の後、SWA波形436は、ハイからローに遷移してもよく、次いで、SWB波形434は、ハイからローに遷移してもよく、次いで、SWC波形432は、ハイからローに遷移してもよい。SWC波形432がハイからローに遷移した後、VOUT_1.8V波形424およびVOUT_1.0V波形426は、ハイからローに遷移することができ、VIN_BULK波形422は、ハイのままであることができる。時間782の後、VR_EN波形430の状態は影響を有しない。
【0140】
時間782の後、PMIC100は、静止P1電力状態388にある。VR_EN波形430の遷移786が時間782の後に示されている。遷移786は、ローからハイに変化するVR_EN波形430であってもよい。PMIC100は、VR_EN波形430がローからハイに遷移するとき、静止P1電力状態から退出することができる。遷移786の後、VOUT_1.8V波形424は、ローからハイに遷移することができ、次いで、VOUT_1.0V波形426は、ローからハイに遷移することができる。次に、SWC波形432は、ローからハイに遷移してもよく、次いで、SWB波形434は、ローからハイに遷移してもよく、次いで、SWA波形436は、ローからハイに遷移してもよい。PWR_GOOD波形438は、スタティックハイのままであり得る。
【0141】
図17を参照すると、セキュア動作モード中のバス上のディセーブルまたはイネーブルコマンドを示すタイミング図が示されている。タイミングチャート830が示されている。タイミングチャート830は、波形422~438を含むことができる。波形422~438は、
図8に関連して示される波形422~438に類似していてもよい。
【0142】
垂直線832~834が示されている。垂直線832~834は、PMIC100による特定のタイミングおよび/または応答に対応し得る。垂直線832は、VR_EN波形430のハイからローへの遷移に対応し得る。垂直線834は、VR_EN波形430のローからハイへの遷移に対応し得る。
【0143】
VIN_BULK波形422、VOUT_1.8V波形424、およびVOUT_V1.0V波形426は、それぞれ高い値であってもよい。バス90上には、VRディセーブルコマンドは存在しなくてもよい。レジスタ値104は、0に設定されてもよい。
【0144】
時間832の後、VR_EN波形430がローに遷移すると、PWR_GOOD波形438は、ハイからローに遷移することができる。次に、SWA波形436は、ハイからローに遷移してもよく、次いで、SWB波形434は、ハイからローに遷移してもよく、次いで、SWC波形432は、ハイからローに遷移してもよい。VR_EN波形430がハイからローに遷移するとき、バス90上にVRイネーブルコマンドまたはVRディセーブルコマンドを提供するホストコントローラ20は、PMIC100の動作に影響を及ぼさないものであることができる。
【0145】
時間834において、VR_EN波形430は、ローからハイに遷移することができる。時間834の後、VR_EN波形430がハイに戻るとき、SWC波形432は、ローからハイに遷移してもよく、次いで、SWB波形434は、ローからハイに遷移してもよく、次いで、SWA波形436は、ローからハイに遷移してもよく、次いで、PWR_GOOD波形438は、ローからハイに遷移してもよい。VIN_BULK波形422、VOUT_1.8V波形424、およびVOUT_V1.0V波形426は、それぞれ高い値のままであってもよい。
【0146】
レギュレータ106a~106nが(例えば、バス90上の信号VR_ENまたはVRイネーブルコマンドを使用して)どのようにオンにされるかにかかわらず、レギュレータ106a~106nは、PMIC100の動作モード(例えば、プログラマブルモードまたはセキュアモード)に基づいてパワーダウンされ得る。セキュア動作モードでは、レジスタ値104が0に設定されると、PMIC100は、2つの異なる方法を使用して、ホストコントローラ20がレギュレータ106a~106nのいずれかまたは全てをパワーダウンすることを可能にすることができる。
【0147】
1つの方法では、PMIC100がセキュア動作モードにあり、レジスタ値104が0に設定されているとき、ホストコントローラ20は、信号VR_ENのローへの遷移によってVRディセーブルコマンドを提供することができる。次いで、PMIC100は、信号PWR_GOODをローにアサートすることができる。PMIC100は、レジスタ102a~102n(例えば、レジスタR58およびレジスタR5A)に従って1つまたは複数のパワーダウンシーケンスを実行して、レジスタ102a~102nによって構成される電圧関係を保持することができる。ホストコントローラ20は、信号VR_ENをハイとしてアサートすることによって、出力レギュレータ106a~106nを再イネーブルにすることができる。PMIC100は、レジスタ102a~102nに従って1つまたは複数のパワーオンシーケンスを実行し、タイミングパラメータtPMIC_PWR_GOOD_OUTが満たされた後に信号PWR_GOODをフローティングすることができる。PMIC100は、電力サイクルされる必要がない場合がある。バス90上のVRディセーブルコマンドまたはVRイネーブルコマンド(例えば、0または1に設定されたレジスタ値R32[7])は、PMIC100に影響を及ぼさないものであることができる。1つまたは複数のビット(例えば、レジスタ値R2F[6,4:3]を0に設定することは、PMIC100に影響を及ぼさないものであることができる(
図18に関連して示されるように)。
【0148】
別の方法では、PMIC100がセキュア動作モードにあり、レジスタ値104が0に設定されているとき、レギュレータ106a~106nは、レジスタ値R32[5]を1に設定することによってパワーダウンされ、信号PWR_GOODをローに駆動することができる。PMIC100は、レジスタ102a~102n(例えば、レジスタR58および/またはレジスタR5A)に従ってパワーダウンシーケンスのうちの1つまたは複数を実行して、レジスタ102a~102n内に構成された電圧関係を保持することができる。PMIC100は、信号PWR_GOODをローに駆動し、レジスタR32のみをアンロックすることができる。PMIC100は、ホストコントローラ20がVRイネーブルコマンドを発行することを可能にしてもよい。PMIC100は、全てのレジスタ102a~102n の内容を保存することができる(例えば、MTPエラーログレジスタを含む)。セキュア動作モードでは、PMIC100が(R32[7]を除く)全ての書き込み保護レジスタをロックしたままにすることができる。ホストコントローラ20 は、バス90上でVRイネーブルコマンドを発行することにより、レギュレータ106a~106n を再イネーブルにすることができ、PMIC100は、1つまたは複数のパワーオンシーケンスを実行し、tPMIC_PWR_GOODタイミングパラメータが満たされた後、信号PWR_GOODをフローティングにすることができる。ホストコントローラ20がVRイネーブルコマンドを発行した後、PMIC100は、レジスタR32を再ロックしてもよい。PMIC100は、出力レギュレータ106a~106nを再イネーブルにするために、電力サイクルを必要としなくてもよい。
【0149】
PMIC100は、1つまたは複数のイベントに応答して、いつでも内部VRディセーブルコマンドを生成するように構成することができる。PMIC100は、レジスタ102a~102nに従って1つまたは複数のパワーオフシーケンスを実行して、レジスタ102a~102n内に構成された電圧関係を保持することができる。次いで、PMIC100は、信号PWR_GOODをローにアサートすることができる。セキュア動作モードでは、PMIC100が電力サイクルを必要とする場合がある。VRイネーブルコマンド(例えば、バス90上に、または信号VR_ENによって提供される)は、PMIC100に影響を及ぼさないことがあり、PMIC100は、信号PWR_GOODをローに保つことができる。
【0150】
図18を参照すると、VR_ENピンがハイであり、低電力状態レジスタがセキュア動作モードにおいて高い値または低い値にあるときのパワーダウンシーケンスを示すタイミング図が示されている。タイミングチャート880が示されている。タイミングチャート880は、波形422~438を含んでもよい。波形422~438は、
図8に関連して示される波形422~438に類似していてもよい。
【0151】
垂直線882が示される。垂直線882は、PMIC100による特定のタイミングおよび/または応答に対応し得る。垂直線882は、バス90上のVRディセーブルコマンドに対応することができる。
【0152】
VIN_BULK波形422、VOUT_1.8V波形424、およびVOUT_V1.0V波形426は、それぞれ高い値であってもよい。VR_EN波形430は、スタティックハイの値であってもよい。VR_EN波形430がハイに保持されるので、バス90上のVRディセーブルコマンド884またはVRイネーブルコマンドは、PMIC100に影響を及ぼさないものであることができる。レジスタ値104は、0または1に設定されてもよい。SWC波形432、SWB波形434、およびSWA波形436は、オンであり、スイッチングされてもよい。信号PWR_GOODは、ハイに保持されてもよい。
【0153】
図19を参照すると、セキュア動作モードにおいて低電力状態レジスタが高い値である状態であるVR_ENピンを使用するパワーダウンシーケンスを示すタイミング図が示されている。タイミングチャート930が示されている。タイミングチャート930は、波形422~438を含んでもよい。波形422~438は、
図8に関連して示される波形422~438に類似していてもよい。
【0154】
垂直線932~934が示されている。垂直線932~934は、PMIC100による特定のタイミングおよび/または応答に対応し得る。垂直線932は、VR_EN波形430のハイからローへの遷移に対応し得る。垂直線934は、VR_EN波形430のローからハイへの遷移に対応し得る。
【0155】
VIN_BULK波形422、VOUT_1.8V波形424、およびVOUT_V1.0V波形426は、それぞれ高い値であってもよい。また、SWC波形432、SWB波形434、SWA波形436およびPWR_GOOD波形438は、それぞれ高い値であってもよい。バス90上のVRディセーブルコマンドまたはVRイネーブルコマンドは、影響がない可能性がある。レジスタ値104は、1に設定されてもよい。
【0156】
時間932の後、VR_EN波形430がローに遷移すると、PWR_GOOD波形438は、ハイからローに遷移することができる。次に、SWA波形436は、ハイからローに遷移してもよく、次いで、SWB波形434は、ハイからローに遷移してもよく、次いで、SWC波形432は、ハイからローに遷移してもよい。SWC波形432がローに遷移した後、VOUT_1.8V波形424およびVOUT_1.0V波形426は、ハイからローに遷移することができる。
【0157】
時間934において、VR_EN波形430は、ローからハイに遷移することができる。時間934の後、VR_EN波形430がハイに戻るとき、VOUT_1.8V波形424およびVOUT_1.0V波形426は、ローからハイに遷移することができる。次に、SWC波形432は、ローからハイに遷移してもよく、次いで、SWB波形434は、ローからハイに遷移してもよく、次いで、SWA波形436は、ローからハイに遷移してもよく、次いで、PWR_GOOD波形438は、ローからハイに遷移してもよい。
【0158】
レギュレータ106a~106nが(例えば、バス90上の信号VR_ENまたはVRイネーブルコマンドを使用して)どのようにオンにされるかにかかわらず、レギュレータ106a~106nは、PMIC100の動作モード(例えば、プログラマブルモードまたはセキュアモード)に基づいてパワーダウンされ得る。セキュア動作モードでは、レジスタ値104が1に設定されると、PMIC100は、2つの異なる方法を使用して、ホストコントローラ20がレギュレータ106a~106nのいずれかまたは全てをパワーダウンすることを可能にすることができる。
【0159】
1つの方法では、PMIC100がセキュア動作モードにあり、レジスタ値104が1に設定されているとき、ホストコントローラ20は、信号VR_ENのローへの遷移によってVRディセーブルコマンドを提供することができる。次いで、PMIC100は、信号PWR_GOODをローにアサートすることができる。PMIC100は、レジスタ102a~102n(例えば、レジスタR58およびレジスタR5A)に従って1つまたは複数のパワーダウンシーケンスを実行して、レジスタ102a~102nによって構成される電圧関係を保持することができる。次いで、PMIC100は、静止P1電力状態388に進入することができる。
【0160】
ホストコントローラ20は、信号VR_ENをハイとしてアサートすることによって、出力レギュレータ106a~106nを再イネーブルにすることができる。PMIC100は、静止P1電力状態388から退出し、アイドルP3電力状態386に移動することができる。次に、PMIC100は、レジスタ102a~102nに従って1つまたは複数のパワーオンシーケンスを実行し、タイミングパラメータtPMIC_PWR_GOOD_OUTに加えて追加のタイミングパラメータが満たされた後に、信号PWR_GOODをフローティングさせることができる。PMIC100は、電力サイクルされる必要がない場合がある。バス90上のVRディセーブルコマンドまたはVRイネーブルコマンド(例えば、0または1に設定されたレジスタ値R32[7])は、PMIC100に影響を及ぼさないものであることができる。1つまたは複数のビット(例えば、レジスタ値R2F[6,4:3]を0に設定することは、PMIC100に影響を及ぼさないものであることができる(
図18に関連して示されるように)。
【0161】
別の方法では、PMIC100がセキュア動作モードにあり、レジスタ値104が1に設定されているとき、レギュレータ106a~106nは、レジスタ値R32[5]を1に設定することによってパワーダウンされ、信号PWR_GOODをローに駆動することができる。PMIC100は、レジスタ102a~102n(例えば、レジスタR58および/またはレジスタR5A)に従ってパワーダウンシーケンスのうちの1つまたは複数を実行して、レジスタ102a~102n内に構成された電圧関係を保持することができる。PMIC100は、信号PWR_GOODをローに駆動し、レジスタR32のみをアンロックすることができる。PMIC100は、全てのレジスタ102a~102n(例えば、MTPエラーログレジスタを含む)の内容を保存することができる。セキュア動作モードでは、PMIC100が全ての書き込み保護レジスタ(R32[7]を除く)をロックしたままに保持することができる。PMIC100は、静止P1電力状態388に進入しないことがある。
【0162】
ホストコントローラ20はバス90上でVRイネーブルコマンドを発行することにより、レギュレータ106a~106n を再イネーブルにすることができ、PMIC100は、1つまたは複数のパワーオンシーケンスを実行し、tPMIC_PWR_GOODタイミングパラメータが満たされた後、信号PWR_GOODをフローティングにすることができる。ホストコントローラ20がVRイネーブルコマンドを発行した後、PMIC100は、レジスタR32を再ロックしてもよい。PMIC100は、出力レギュレータ106a~106nを再イネーブルにするために、電力サイクルを必要としなくてもよい。
【0163】
PMIC100は、1つまたは複数のイベントに応答して、いつでも内部VRディセーブルコマンドを生成するように構成することができる。PMIC100は、レジスタ102a~102nに従って1つまたは複数のパワーオフシーケンスを実行して、レジスタ102a~102n内に構成された電圧関係を保持することができる。PMIC100は、静止P1電力状態388に進入しないことがある。次いで、PMIC100は、信号PWR_GOODをローにアサートすることができる。セキュア動作モードでは、PMIC100が電力サイクルを必要としてもよい。VRイネーブルコマンド(例えば、バス90上に、または信号VR_ENによって提供される)は、PMIC100に影響を及ぼさないことがあり、PMIC100は、信号PWR_GOODをローに保つことができる。
【0164】
図1~19の図によって実行される機能は、当業者には明らかなように、本明細書の教示に従ってプログラミングされた、従来の汎用プロセッサ、デジタルコンピュータ、マイクロプロセッサ、マイクロコントローラ、RISC(縮小コマンドセットコンピュータ)プロセッサ、CISC(複合コマンドセットコンピュータ)プロセッサ、SIMD(単一コマンド多重データ)プロセッサ、信号プロセッサ、中央処理装置(CPU)、算術論理ユニット(ALU)、ビデオデジタル信号プロセッサ(VDSP)、および/または同様の計算機のうちの1つまたは複数を使用して実施することができる。適切なソフトウェア、ファームウェア、コーディング、ルーチン、コマンド、オペコード、マイクロコード、および/またはプログラムモジュールは、当業者には明らかであるように、本開示の教示に基づいて、熟練したプログラマによって容易に準備され得る。ソフトウェアは一般に、マシン実装の1つまたは複数のプロセッサによって、1つの媒体またはいくつかの媒体から実行される。
【0165】
本発明はまた、ASIC(特定用途向け集積回路)、プラットフォームASIC、FPGA(フィールドプログラマブルゲートアレイ)、PLD(プログラマブル論理デバイス)、CPLD(複合プログラマブル論理デバイス)、シーオブゲート、RFIC(無線周波数集積回路)、ASSP(特定用途向け標準製品)、1つまたは複数のモノリシック集積回路、フリップチップモジュールおよび/またはマルチチップモジュールとして配置された1つまたは複数のチップまたはダイを準備することによって、または本明細書で説明されるように、従来のコンポーネント回路の適切なネットワークを相互接続することによって実施することもでき、その修正・変更は、当業者には容易に明らかになるであろう。
【0166】
したがって、本発明は、本発明による1つまたは複数のプロセスまたは方法を実行するように機械をプログラムするために使用することができるコマンドを含む、1つまたは複数の記憶媒体および/または1つまたは複数の伝送媒体とすることができるコンピュータ製品も含むことができる。機械によるコンピュータ製品に含まれるコマンドの実行は、周辺回路の動作と共に、入力データを、記憶媒体上の1つまたは複数のファイル、および/またはオーディオおよび/またはビジュアル描写などの物理的オブジェクトまたは物質を表す1つまたは複数の出力信号に変換することができる。記憶媒体は、フロッピー(登録商標)ディスク、ハードドライブ、磁気ディスク、光ディスク、CD-ROM、DVDおよび光磁気ディスクを含む任意のタイプのディスク、ならびにROM(リードオンリメモリ)、RAM(ランダムアクセスメモリ)、EPROM(消去可能プログラマブルROM)、EEPROM(電気的消去可能プログラマブルROM)、UVPROM(紫外線消去可能プログラマブルROM)、フラッシュメモリ、磁気カード、光カード、および/または電子コマンドを記憶するのに適した任意のタイプの媒体などの回路を含むが、これらに限定されない。
【0167】
本発明の要素は、1つまたは複数のデバイス、ユニット、コンポーネント、システム、機械、および/または装置の一部または全部を形成することができる。デバイスは、サーバ、ワークステーション、ストレージアレイコントローラ、ストレージシステム、パーソナルコンピュータ、ラップトップコンピュータ、ノートブックコンピュータ、パームコンピュータ、クラウドサーバ、パーソナルデジタルアシスタント、携帯型電子デバイス、バッテリ駆動デバイス、セットトップボックス、エンコーダ、デコーダ、トランスコーダ、コンプレッサ、デコンプレッサ、プリプロセッサ、ポストプロセッサ、送信機、受信機、トランシーバ、携帯電話、デジタルカメラ、測位および/またはナビゲーションシステム、医療機器、ヘッドアップディスプレイ、ワイヤレスデバイス、オーディオ記録、オーディオストレージおよび/またはオーディオ再生デバイス、ビデオ記録、ビデオストレージおよび/またはビデオ再生デバイス、ゲームプラットフォーム、周辺機器および/またはマルチチップモジュールを含むことができるが、これらに限定されない。当業者であれば、本発明の要素は、特定の用途の基準に適合するために他のタイプの装置に実装されてもよいことを理解できるであろう。
【0168】
本発明の様々な信号は一般に、「オン」(例えば、デジタルハイ(HIGH)、または1)または「オフ」(例えば、デジタルロー(LOW)、または0)である。しかしながら、信号のオン(例えば、アサートされた)状態およびオフ(例えば、デアサートされた)状態の特定の極性は、特定の実装の設計基準に適合するように調整(例えば、反転)されてもよい。さらに、信号の特定の極性を変更するためにインバータを追加することができる。
【0169】
用語「してもよい」、「できる」、「され得る」、「こともある」、「ことがある」、「可能性がある」、「かもしれない」(may)ならびに「一般に」(generally)などは、本明細書において「である(is(are)))」および動詞と併せて使用される場合、説明が例示的であり、開示に提供される特定の例ならびに開示に基づいて導出され得る代替例の両方を包含するのに十分に広いと考えられるという意図を伝えることを意味する。本明細書で使用される用語「してもよい」ならびに「一般に」などは、対応する要素を省略することの望ましさまたは可能性を必ずしも暗示すると解釈されるべきではない。
【0170】
本発明は、その実施の形態を参照して特に図示され、かつ、説明されてきたが、本発明の範囲から逸脱することなく、形態および詳細における様々な修正・変更がなされ得ることが、当業者には理解されるであろう。