(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-05-13
(45)【発行日】2024-05-21
(54)【発明の名称】磁気センサ、センサモジュール及び診断装置
(51)【国際特許分類】
H10N 50/10 20230101AFI20240514BHJP
H01L 29/82 20060101ALI20240514BHJP
G01R 33/09 20060101ALI20240514BHJP
G11B 5/39 20060101ALI20240514BHJP
【FI】
H10N50/10
H01L29/82 Z
G01R33/09
G11B5/39
(21)【出願番号】P 2020116446
(22)【出願日】2020-07-06
【審査請求日】2022-09-12
【国等の委託研究の成果に係る記載事項】(出願人による申告)平成30年度、国立研究開発法人新エネルギー・産業技術総合開発機構「戦略的イノベーション創造プログラム(SIP)第2期/フィジカル空間デジタルデータ処理基盤/サブテーマII:超低消費電力IoTデバイス・革新的センサ技術/超高感度センサシステムの研究開発」委託研究、産業技術力強化法第19条の適用を受ける特許出願
(73)【特許権者】
【識別番号】000003078
【氏名又は名称】株式会社東芝
(74)【代理人】
【識別番号】110004026
【氏名又は名称】弁理士法人iX
(72)【発明者】
【氏名】白鳥 聡志
(72)【発明者】
【氏名】喜々津 哲
(72)【発明者】
【氏名】東 祥弘
(72)【発明者】
【氏名】岩崎 仁志
(72)【発明者】
【氏名】黒崎 義成
【審査官】田邊 顕人
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第2011/081197(WO,A1)
【文献】特開2018-046061(JP,A)
【文献】特開2019-179899(JP,A)
【文献】国際公開第2017/077870(WO,A1)
【文献】特開2002-286765(JP,A)
【文献】特開2019-207167(JP,A)
【文献】特開2005-175012(JP,A)
【文献】特開2015-169460(JP,A)
【文献】特開2018-146314(JP,A)
【文献】特開2001-281313(JP,A)
【文献】特開2012-154789(JP,A)
【文献】国際公開第2017/094336(WO,A1)
【文献】国際公開第2017/169156(WO,A1)
【文献】特開2019-022194(JP,A)
【文献】特開2009-042178(JP,A)
【文献】特開2009-042105(JP,A)
【文献】特開2008-134215(JP,A)
【文献】特開2008-020403(JP,A)
【文献】特開2020-046220(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H10N 50/10
H01L 29/82
G01R 33/09
G11B 5/39
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1磁性層と、第1対向磁性層と、前記第1磁性層と前記第1対向磁性層との間に設けられた第1非磁性層と、を含み、前記第1対向磁性層から前記第1磁性層への方向は第1方向に沿う、第1素子と、
前記第1方向と交差する第2方向に沿って延びる第1配線と、
前記第2方向に沿って延びる第1制御配線と、
第1磁性部であって、前記第1磁性部は第1領域及び第1対向領域を含み、前記第1領域から前記第1対向領域への方向は前記第1方向に沿い、前記第1配線の少なくとも一部、及び、前記第1制御配線の少なくとも一部は、前記第1領域と前記第1対向領域との間にある、前記第1磁性部と、
前記第2方向に沿って延びる第1サイド配線と、
前記第2方向に沿って延びる第1サイド制御配線と、
第1サイド磁性部と、
第1交流回路と、
第1制御回路と、
を備え、
前記第1サイド磁性部は、第1サイド領域及び第1サイド対向領域を含み、前記第1サイド領域から前記第1サイド対向領域への方向は前記第1方向に沿い、
前記第1サイド配線の少なくとも一部、及び、前記第1サイド制御配線の少なくとも一部は、前記第1サイド領域と前記第1サイド対向領域との間にあり、
前記第1素子の、前記第1方向及び前記第2方向を含む平面と交差する第3方向における位置は、前記第1配線の前記第3方向における位置と、前記第1サイド配線の前記第3方向における位置と、の間にあり、
前記第1配線及び前記第1サイド配線は、並列に電気的に接続され、
前記第1交流回路は、前記第1配線及び前記第1サイド配線に交流電流を供給し、
前記第1制御配線及び前記第1サイド制御配線は、並列に電気的に接続され、
前記第1制御回路は、前記第1制御配線及び前記第1サイド制御配線に、直流成分を含む第1信号を供給する、磁気センサ。
【請求項2】
第2素子と、
第2配線と、
第2制御配線と、
第2磁性部と、
前記第2方向に沿って延びる第2サイド配線と、
前記第2方向に沿って延びる第2サイド制御配線と、
第2サイド磁性部と、
をさらに備え、
前記第2素子は、第2磁性層と、第2対向磁性層と、前記第2磁性層と前記第2対向磁性層との間に設けられた第2非磁性層と、を含み、前記第2対向磁性層から前記第2磁性層への方向は前記第1方向に沿い、
前記第2配線は、前記第2方向に延び、
前記第2制御配線は、前記第2方向に延び、
前記第2磁性部は、第2領域及び第2対向領域を含み、前記第2領域から前記第2対向領域への方向は前記第1方向に沿い、
前記第2配線の少なくとも一部、及び、前記第2制御配線の少なくとも一部は、前
記第2領域と前記第2対向領域との間にあり、
前記第2サイド磁性部は、第2サイド領域及び第2サイド対向領域を含み、前記第2サイド領域から前記第2サイド対向領域への方向は前記第1方向に沿い、
前記第2サイド配線の少なくとも一部、及び、前記第2サイド制御配線の少なくとも一部は、前記第2サイド領域と前記第2サイド対向領域との間にあり、
前記第2素子の前記第3方向における位置は、前記第2配線の前記第3方向における位置と、前記第2サイド配線の前記第3方向における位置と、の間にあり、
前記第1配線は、第1配線端部と、第1配線他端部と、を含み、前記第1配線端部から前記第1配線他端部への方向は、前記第2方向に沿い、
前記第1サイド配線は、第1サイド配線端部と、第1サイド配線他端部と、を含み、前記第1サイド配線端部から前記第1サイド配線他端部への方向は、前記第2方向に沿い、
前記第1配線端部から前記第1サイド配線端部への方向は、前記第3方向に沿い、
前記第1配線他端部から前記第1サイド配線他端部への方向は、前記第3方向に沿い、
前記第1配線端部と前記第1サイド配線端部とは、互いに電気的に接続され、
前記第1配線他端部と前記第1サイド配線他端部とは、互いに電気的に接続され、
前記第2配線は、第2配線端部と、第2配線他端部と、を含み、前記第2配線端部から前記第2配線他端部への方向は、前記第2方向に沿い、
前記第2サイド配線は、第2サイド配線端部と、第2サイド配線他端部と、を含み、前記第2サイド配線端部から前記第2サイド配線他端部への方向は、前記第2方向に沿い、
前記第2サイド配線端部から前記第2配線端部への方向は、前記第3方向に沿い、
前記第2サイド配線他端部から前記第2配線他端部への方向は、前記第3方向に沿い、
前記第2配線端部と前記第2サイド配線端部とは、互いに電気的に接続され、
前記第2配線他端部と前記第2サイド配線他端部とは、互いに電気的に接続され、
前記第2配線端部は、前記第1配線端部と電気的に接続され、
前記第1制御配線は、第1制御配線端部と、第1制御配線他端部と、を含み、前記第1制御配線端部から前記第1制御配線他端部への方向は、前記第2方向に沿い、
前記第1サイド制御配線は、第1サイド制御配線端部と、第1サイド制御配線他端部と、を含み、前記第1サイド制御配線端部から前記第1サイド制御配線他端部への方向は、前記第2方向に沿い、
前記第1制御配線端部から前記第1サイド制御配線端部への方向は、前記第3方向に沿い、
前記第1制御配線他端部から前記第1サイド制御配線他端部への方向は、前記第3方向に沿い、
前記第1制御配線端部と前記第1サイド制御配線端部とは、互いに電気的に接続され、
前記第1制御配線他端部と前記第1サイド制御配線他端部とは、互いに電気的に接続され、
前記第2制御配線は、第2制御配線端部と、第2制御配線他端部と、を含み、前記第2制御配線端部から前記第2制御配線他端部への方向は、前記第2方向に沿い、
前記第2サイド制御配線は、第2サイド制御配線端部と、第2サイド制御配線他端部と、を含み、前記第2サイド制御配線端部から前記第2サイド制御配線他端部への方向は、前記第2方向に沿い、
前記第2サイド制御配線端部から前記第2制御配線端部への方向は、前記第3方向に沿い、
前記第2サイド制御配線他端部から前記第2制御配線他端部への方向は、前記第3方向に沿い、
前記第2制御配線端部と前記第2サイド制御配線端部とは、互いに電気的に接続され、
前記第2制御配線他端部と前記第2サイド制御配線他端部とは、互いに電気的に接続され、
前記第2制御配線端部は、前記第1制御配線端部と電気的に接続され、
前記第2配線及び前記第2サイド配線は、並列に電気的に接続され、
前記並列に電気的に接続された前記第1配線及び前記第1サイド配線と、前記並列に接続された前記第2配線及び前記第2サイド配線と、が直列に電気的に接続され、
前記第1制御配線、前記第1サイド制御配線、前記第2制御配線及び前記第2サイド制御配線は、並列に電気的に接続され、
前記第1交流回路は、前記第1配線、前記第1サイド配線、前記第2配線及び前記第2サイド配線に前記交流電流を供給し、
前記第1配線に流れる前記交流電流の第1向きは、前記第1サイド配線に流れる前記交流電流の向きと同じであり、
前記第2配線に流れる前記交流電流の第2向きは、前記第2サイド配線に流れる前記交流電流の向きと同じであり、
前記第1向きは、前記第2向きと逆であり、
前記第1制御回路は、前記第1制御配線、前記第1サイド制御配線、前記第2制御配線、及び、前記第2サイド制御配線に、前記第1信号を供給し、
前記第1制御配線、前記第1サイド制御配線、前記第2制御配線、及び、前記第2サイド制御配線における前記第1信号の向きは、互いに同じである、請求項1に記載の磁気センサ。
【請求項3】
第3素子と、
第3配線と、
第3制御配線と、
第3磁性部と、
第4素子と、
第4配線と、
第4制御配線と、
第4磁性部と、
をさらに備え、
前記第3素子は、第3磁性層と、第3対向磁性層と、前記第3磁性層と前記第3対向磁性層との間に設けられた第3非磁性層と、を含み、前記第3対向磁性層から前記第3磁性層への方向は前記第1方向に沿い、
前記第3配線は、前記第2方向に延び、
前記第3制御配線は、前記第2方向に延び、
前記第3磁性部は、第3領域及び第3対向領域を含み、前記第3領域から前記第3対向領域への方向は前記第1方向に沿い、前記第3配線の少なくとも一部及び前記第3制御配線の少なくとも一部は、前記第3領域と前記第3対向領域との間にあり、
前記第4素子は、第4磁性層と、第4対向磁性層と、前記第4磁性層と前記第4対向磁性層との間に設けられた第4非磁性層と、を含み、前記第4対向磁性層から前記第4磁性層への方向は前記第1方向に沿い、
前記第4配線は、前記第2方向に延び、
前記第4制御配線は、前記第2方向に延び、
前記第4磁性部は、第4領域及び第4対向領域を含み、前記第4領域から前記第4対向領域への方向は前記第
1方向に沿い、前記第4配線の少なくとも一部及び前記第4制御配線の少なくとも一部は、前記第4領域と前記第4対向領域との間にあり、
前記第3配線は、第3配線端部と、第3配線他端部と、を含み、前記第3配線端部から前記第3配線他端部への方向は、前記第2方向に沿い、
前記第4配線は、第4配線端部と、第4配線他端部と、を含み、前記第4配線端部から前記第4配線他端部への方向は、前記第2方向に沿い、
前記第3配線他端部は、前記第4配線他端部と電気的に接続され、
前記第3配線端部は、前記第1配線他端部と電気的に接続され、
前記第4配線端部は、前記第2配線他端部と電気的に接続され
、
前記第3制御配線は、第3制御配線端部と、第3制御配線他端部と、を含み、前記第3制御配線端部から前記第3制御配線他端部への方向は、前記第2方向に沿い、
前記第4制御配線は、第4制御配線端部と、第4制御配線他端部と、を含み、前記第4制御配線端部から前記第4制御配線他端部への方向は、前記第2方向に沿い、
前記第3制御配線他端部は、前記第4制御配線他端部と電気的に接続され、
前記第3制御配線端部は、前記第1制御配線他端部と電気的に接続され、
前記第4制御配線端部は、前記第2制御配線他端部と電気的に接続され、
前記第2方向に沿って延びる第3サイド配線と、
前記第2方向に沿って延びる第3サイド制御配線と、
第3サイド磁性部と、
前記第2方向に沿って延びる第4サイド配線と、
前記第2方向に沿って延びる第4サイド制御配線と、
第4サイド磁性部と、
をさらに備え、
前記第3サイド磁性部は、第3サイド領域及び第3サイド対向領域を含み、前記第3サイド領域から前記第3サイド対向領域への方向は前記第1方向に沿い、
前記第3サイド配線の少なくとも一部、及び、前記第3サイド制御配線の少なくとも一部は、前記第3サイド領域と前記第3サイド対向領域との間にあり、
前記第3素子の前記第3方向における位置は、前記第3配線の前記第3方向における位置と、前記第3サイド配線の前記第3方向における位置と、の間にあり、
前記第4サイド磁性部は、第4サイド領域及び第4サイド対向領域を含み、前記第4サイド領域から前記第4サイド対向領域への方向は前記第1方向に沿い、
前記第4サイド配線の少なくとも一部、及び、前記第4サイド制御配線の少なくとも一部は、前記第4サイド領域と前記第4サイド対向領域との間にあり、
前記第4素子の前記第3方向における位置は、前記第4配線の前記第3方向における位置と、前記第4サイド配線の前記第3方向における位置と、の間にあり、
前記第3サイド配線は、第3サイド配線端部と、第3サイド配線他端部と、を含み、前記第3サイド配線端部から前記第3サイド配線他端部への方向は、前記第2方向に沿い、
前記第3配線端部から前記第3サイド配線端部への方向は、前記第3方向に沿い、
前記第3配線他端部から前記第3サイド配線他端部への方向は、前記第3方向に沿い、
前記第3配線端部及び前記第3サイド配線端部は、前記第1配線他端部と電気的に接続され、
前記第1配線他端部と前記第1サイド配線他端部とは、互いに接続され、
前記第4サイド配線は、第4サイド配線端部と、第4サイド配線他端部と、を含み、前記第4サイド配線端部から前記第4サイド配線他端部への方向は、前記第2方向に沿い、
前記第4サイド配線端部から前記第4配線端部への方向は、前記第3方向に沿い、
前記第4サイド配線他端部から前記第4配線他端部への方向は、前記第3方向に沿い、
前記第4配線端部及び前記第4サイド配線端部は、前記第2配線端部と電気的に接続され、
前記第4配線他端部と前記第4サイド配線他端部とは、互いに接続され、
前記第3配線他端部は、前記第4配線他端部と電気的に接続され、
前記第3サイド制御配線は、第3サイド制御配線端部と、第3サイド制御配線他端部と、を含み、前記第3サイド制御配線端部から前記第3サイド制御配線他端部への方向は、前記第2方向に沿い、
前記第3制御配線端部から前記第3サイド制御配線端部への方向は、前記第3方向に沿い、
前記第3制御配線他端部から前記第3サイド制御配線他端部への方向は、前記第3方向に沿い、
前記第3制御配線端部及び前記第3サイド制御配線端部は、前記第1制御配線他端部と電気的に接続され、
前記第4サイド制御配線は、第4サイド制御配線端部と、第4サイド制御配線他端部と、を含み、前記第4サイド制御配線端部から前記第4サイド制御配線他端部への方向は、前記第2方向に沿い、
前記第4サイド制御配線端部から前記第4制御配線端部への方向は、前記第3方向に沿い、
前記第4サイド制御配線他端部から前記第4制御配線他端部への方向は、前記第3方向に沿い、
前記第4制御配線端部及び前記第4サイド制御配線端部は、前記第2制御配線他端部と電気的に接続され、
前記第4制御配線他端部及び前記第4サイド制御配線他端部は、前記第3制御配線他端部と電気的に接続され、
前記第1交流回路は、前記第1配線他端部及び前記第2配線他端部と電気的に接続され、前記第1配線、前記第1サイド配線、前記第2配線、前記第2サイド配線、前記第3配線、前記第3サイド配線、前記第4配線及び前記第4サイド配線に前記交流電流を供給し、
前記第1制御回路は、前記第1制御配線端部及び前記第3制御配線他端部と電気的に接続され、前記第1制御配線、前記第1サイド制御配線、前記第2制御配線、前記第2サイド制御配線、前記第3制御配線、前記第3サイド制御配線、前記第4制御配線、及び、前記第4サイド制御配線に、前記第1信号を供給し、
前記第3配線に流れる前記交流電流の向き、及び、前記第3サイド配線に流れる前記交流電流の向きは、前記第1向きと逆であり、
前記第4配線に流れる前記交流電流の向き、及び、前記第4サイド配線に流れる前記交流電流の向きは、前記第2向きと逆であり、
前記第1制御配線、前記第1サイド制御配線、前記第2制御配線、前記第2サイド制御配線、前記第3制御配線、前記第3サイド制御配線、前記第4制御配線、及び、前記第4サイド制御配線における前記第1信号の向きは、互いに同じである、請求項
2に記載の磁気センサ。
【請求項4】
第1磁性層と、第1対向磁性層と、前記第1磁性層と前記第1対向磁性層との間に設けられた第1非磁性層と、を含み、前記第1対向磁性層から前記第1磁性層への方向は第1方向に沿う、第1素子と、
前記第1方向と交差する第2方向に沿って延びる第1配線と、
磁性体を含む第1制御配線であって、前記第1制御配線は、第1制御配線端部と第1制御配線他端部とを含み、前記第1制御配線端部から前記第1制御配線他端部への方向は、前記第2方向に沿い、前記第1方向における前記第1素子の位置は、前記第1方向における前記第1配線の位置と、前記第1方向における前記第1制御配線の位置と、の間にある、前記第1制御配線と、
前記第1制御配線端部と電気的に接続された第1端子と、
前記第1制御配線他端部と電気的に接続された第2端子と、
第1交流回路と、
第1制御回路と、
を備え、
前記第1交流回路は、前記第1配線に交流電流を供給し、
前記第1制御回路は、前記第1制御配線に直流成分を含む第1信号を供給する、磁気センサ。
【請求項5】
請求項1~
4のいずれか1つに記載の磁気センサと、
前記磁気センサから得られる信号を処理する処理部と、
を備えた診断装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の実施形態は、磁気センサ、センサモジュール及び診断装置に関する。
【背景技術】
【0002】
磁性層を用いた磁気センサがある。磁気センサを用いた診断装置がある。磁気センサにおいて、検出感度の向上が望まれる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明の実施形態は、検出感度の向上が可能な磁気センサ、センサモジュール及び診断装置を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明の実施形態によれば、磁気センサは、第1素子と、第1配線と、第1制御配線と、第1磁性部と、を含む。前記第1素子は、第1磁性層と、第1対向磁性層と、前記第1磁性層と前記第1対向磁性層との間に設けられた第1非磁性層と、を含む。前記第1対向磁性層から前記第1磁性層への方向は第1方向に沿う。前記第1配線は、前記第1方向と交差する第2方向に沿って延びる。前記第1制御配線は、前記第2方向に沿って延びる。前記第1磁性部は、第1領域及び第1対向領域を含む。前記第1領域から前記第1対向領域への方向は前記第1方向に沿う。前記第1配線の少なくとも一部、及び、前記第1制御配線の少なくとも一部は、前記第1領域と前記第1対向領域との間にある。
【図面の簡単な説明】
【0006】
【
図1】
図1(a)及び
図1(b)は、第1実施形態に係る磁気センサを例示する模式図である。
【
図2】
図2(a)及び
図2(b)は、第1実施形態に係る磁気センサを例示する模式的平面図である。
【
図3】
図3は、第1実施形態に係る磁気センサの動作を例示する模式的断面図である。
【
図4】
図4は、第1実施形態に係る磁気センサを例示する模式図である。
【
図5】
図5(a)及び
図5(b)は、第1実施形態に係る磁気センサの一部を例示する模式図である。
【
図6】
図6(a)及び
図6(b)は、第1実施形態に係る磁気センサを例示する模式的平面図である。
【
図7】
図7は、第1実施形態に係る磁気センサを例示する模式的平面図である。
【
図8】
図8(a)及び
図8(b)は、磁気センサの特性を例示するグラフ図である。
【
図9】
図9(a)~
図9(c)は、第1実施形態に係る磁気センサを例示する模式的断面図である。
【
図10】
図10は、第1実施形態に係る磁気センサを例示する模式図である。
【
図11】
図11は、第1実施形態に係る磁気センサを例示する模式図である。
【
図12】
図12は、第1実施形態に係る磁気センサを例示する模式図である。
【
図13】
図13(a)及び
図13(b)は、第1実施形態に係る磁気センサを例示する模式図である。
【
図14】
図14(a)及び
図14(b)は、第1実施形態に係る磁気センサを例示する模式図である。
【
図15】
図15(a)及び
図15(b)は、第1実施形態に係る磁気センサを例示する模式図である。
【
図16】
図16(a)及び
図16(b)は、第2実施形態に係る磁気センサを例示する模式図である。
【
図17】
図17(a)及び
図17(b)は、第2実施形態に係る磁気センサを例示する模式的平面図である。
【
図18】
図18(a)及び
図18(b)は、第2実施形態に係る磁気センサを例示する模式図である。
【
図19】
図19(a)及び
図19(b)は、第2実施形態に係る磁気センサを例示する模式的平面図である。
【
図20】
図20は、第2実施形態に係る磁気センサを例示する模式図である。
【
図21】
図21は、第2実施形態に係る磁気センサを例示する模式図である。
【
図22】
図22は、第2実施形態に係る磁気センサを例示する模式的平面図である。
【
図23】
図23は、第2実施形態に係る磁気センサを例示する模式的平面図である。
【
図24】
図24は、第2実施形態に係る磁気センサを例示する模式的平面図である。
【
図25】
図25は、第2実施形態に係る磁気センサを例示する模式的断面図である。
【
図26】
図26は、第2実施形態に係る磁気センサを例示する模式的断面図である。
【
図27】
図27は、第2実施形態に係る磁気センサを例示する模式的断面図である。
【
図28】
図28は、第3実施形態に係る磁気センサ及び診断装置を示す模式図である。
【
図29】
図29は、第4実施形態に係る別の磁気センサを示す模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0007】
以下に、本発明の各実施の形態について図面を参照しつつ説明する。
図面は模式的または概念的なものであり、各部分の厚さと幅との関係、部分間の大きさの比率などは、必ずしも現実のものと同一とは限らない。同じ部分を表す場合であっても、図面により互いの寸法や比率が異なって表される場合もある。
本願明細書と各図において、既出の図に関して前述したものと同様の要素には同一の符号を付して詳細な説明は適宜省略する。
【0008】
(第1実施形態)
図1(a)及び
図1(b)は、第1実施形態に係る磁気センサを例示する模式図である。
図1(a)は、斜視図である。
図1(b)は、
図1(a)のA1-A2線断面図である。
【0009】
図1(a)に示すように、実施形態に係る磁気センサ110は、第1素子11E、第1配線21及び第1磁性部31を含む。
【0010】
第1素子11Eは、第1磁性層11と、第1対向磁性層11cと、第1磁性層11と第1対向磁性層11cとの間に設けられた第1非磁性層11nと、を含む。第1対向磁性層11cから第1磁性層11への方向は第1方向に沿う。
【0011】
第1方向をZ軸方向とする。Z軸方向に対して垂直な1つの方向をX軸方向とする。X軸方向及びY軸方向に対して垂直な方向をY軸方向とする。
【0012】
第1配線21は、第1方向と交差する第2方向に沿って延びる。第2方向は、例えば、Y軸方向である。
【0013】
第1制御配線21Cは、第2方向(例えばY軸方向)に沿って延びる。
【0014】
図1(b)に示すように、第1磁性部31は、第1領域31a及び第1対向領域31bを含む。第1領域31aから第1対向領域31bへの方向は、第1方向(例えばZ軸方向)に沿う。
【0015】
第1配線21の少なくとも一部、及び、第1制御配線21Cの少なくとも一部は、第1領域31aと第1対向領域31bとの間にある。例えば、第1配線21と第1制御配線21Cとの間に、第1磁性部31の一部31pがある。
【0016】
1つの例において、第1非磁性層11nは導電性である。この場合、第1非磁性層11nは、Cuなどを含む。この場合、第1素子11Eは、GMR素子として機能する。別の例において、第1非磁性層11nは絶縁性でも良い。この場合、第1非磁性層11nは、MgOなどを含む。この場合、第1素子11Eは、TMR素子として機能する。
【0017】
第1素子11Eに、測定対象の磁界が印加される。この磁界に応じて、第1素子11Eの電気抵抗が変化する。例えば、印加された磁界により、第1磁性層11の磁化と、第1対向磁性層11cの磁化と、の間の角度が変化する。角度の変化により、電気抵抗が変化する。電気抵抗の変化は、例えば、磁気抵抗効果に基づく。
【0018】
実施形態において、後述するように、第1配線21に交流電流が供給される。この交流電流により、第1配線21から交流磁界が発生する。この交流磁界と、測定対象の磁界と、が、第1素子11Eに印加される。これらの2種類の磁界により、第1素子11Eの電気抵抗が変調される。変調された電気抵抗に対応する電気信号を検出し、適切な処理を行うことで、測定対象の磁界が検出される。
【0019】
第1磁性部31は、例えば、MFC(Magnetic Flux Concentrator)として機能する。第1磁性部31は、例えば、NiFe合金、FeCo合金及びCoZrNb合金よりなる群から選択された少なくとも1つを含む。第1磁性部31は、例えば、アモルファス合金を含む。第1磁性部31は、例えば、高い透磁率を有する材料を含む。第1磁性部31は、例えば、軟磁性材料を含む。高透磁率により、例えば、外部からの磁界が、第1素子11Eの領域に集まり易くなる。
【0020】
実施形態においては、第1配線21の少なくとも一部は、第1領域31aと第1対向領域31bとの間にある。これにより、第1配線21に交流電流が流れたときに生じる交流磁界が、第1磁性部31の中に閉じこめられやすくなる。交流磁界が第1素子11Eに効率的に印加される。これにより、検出感度を高めることができる。実施形態によれば、検出感度の向上が可能な磁気センサを提供できる。
【0021】
実施形態において、第1制御配線21Cは、第1領域31aと第1対向領域31bとの間にある。後述するように、第1制御配線21Cに、直流成分を含む信号(電流)が供給される。第1制御配線21Cに流れる電流による磁界が、第1素子11Eに効果的に印加される。例えば、第1制御配線21Cに流れる電流による磁界により、地磁気などの磁界の利用を抑制することができる。実施形態においては、例えば、地磁気などの外部からのノイズの影響を効果的に抑制できる。検出感度の向上が可能な磁気センサを提供できる。
【0022】
このように、例えば、実施形態において、第1交流回路及び第1制御回路が設けられる。例えば、第1交流回路は、第1配線21に交流電流(第1交流電流)を供給する。第1制御回路は、第1制御配線21Cに、直流成分を含む第1信号を供給する。直流成分を含む第1信号による磁界により、例えば、外部からのノイズの影響を効果的に抑制できる。
【0023】
図1(b)に示すように、第1磁性部31は、領域31sa及び領域31sbなどを含んでも良い。X軸方向において、領域31saと領域31sbとの間に第1配線21がある。X軸方向において、領域31saと領域31sbとの間に第1制御配線21Cがある。
【0024】
この例では、第1配線21と第1磁性部31との間に絶縁領域31iが設けられている。第1制御配線21Cと第1磁性部31との間に絶縁領域31Ciが設けられている。
【0025】
実施形態において、第1配線21のZ軸方向における位置と、第1制御配線21CのZ軸方向における位置と、は互いに入れ替えが可能である。
【0026】
実施形態において、第1素子11Eは、X軸方向において、第1磁性部31と重なっても良く、重ならなくても良い。
【0027】
この例では、磁気センサ110は、第2方向(例えばY軸方向)に沿って延びる第1サイド配線21Bと、第2方向に沿って延びる第1サイド制御配線21CBと、第1サイド磁性部31Bと、をさらに含む。
【0028】
図1(b)に示すように、第1サイド磁性部31Bは、第1サイド領域31Ba及び第1サイド対向領域31Bbを含む。第1サイド領域31Baから第1サイド対向領域31Bbへの方向は、第1方向(Z軸方向)に沿う。
【0029】
第1サイド配線21Bの少なくとも一部、及び、第1サイド制御配線21CBの少なくとも一部は、第1サイド領域31Baと第1サイド対向領域31Bbとの間にある。例えば、第1サイド配線21Bと第1サイド制御配線21CBとの間に、第1サイド磁性部31Bの一部31Bpがある。
【0030】
第1方向及び第2方向を含む平面と交差する方向を第3方向とする。第3方向は、例えば、X軸方向である。
【0031】
第1素子11Eの第3方向(X軸方向)おける位置は、第1配線21の第3方向における位置と、第1サイド配線21Bの第3方向における位置と、の間にある。第1素子11Eの第3方向(X軸方向)おける位置は、第1制御配線21Cの第3方向における位置と、第1サイド制御配線21CBの第3方向における位置と、の間にある。
【0032】
第1サイド磁性部31Bは、例えば、MFCとして機能する。第1サイド配線21Bに交流電流が流れたときに生じる交流磁界が、第1サイド磁性部31Bの中に閉じこめられやすくなる。これにより、検出感度を高めることができる。第1サイド制御配線21CBに電流が流れたときに生じる磁界が、第1サイド磁性部31Bの中に閉じこめられやすくなる。地磁気などの外部からのノイズの影響を効果的に抑制できる。検出感度の向上が可能な磁気センサを提供できる。
【0033】
図1(a)に示すように、第1磁性部31の第3方向(X軸方向)に沿う長さL1は、第1サイド磁性部31Bの第3方向に沿う長さLB1よりも長い。
【0034】
例えば、第1素子11E、第1配線21、第1サイド配線21B、第1磁性部31及び第1サイド磁性部31Bを含む構成(1つの磁気センサ部)が複数設けられても良い。この場合、X軸方向において、2つの素子の間の領域に設けられる磁性部の幅が、2つの素子の外側の領域に設けられる磁性部の幅よりも小さくても良い。これにより、磁気センサの全体のサイズが縮小し易くなる。
【0035】
図1(b)に示すように、第1サイド磁性部31Bは、領域31Bsa及び領域31Bsbなどを含んでも良い。X軸方向において、領域31Bsaと領域31Bsbとの間に第1サイド配線21Bがある。X軸方向において、領域31Bsaと領域31Bsbとの間に第1サイド制御配線21CBがある。
【0036】
この例では、第1サイド配線21Bと第1サイド磁性部31Bとの間に絶縁領域31Biが設けられている。第1サイド制御配線21CBと第1サイド磁性部31Bとの間に絶縁領域31CBiが設けられている。
【0037】
実施形態において、第1サイド配線21BのZ軸方向における位置と、第1サイド制御配線21CBのZ軸方向における位置と、は互いに入れ替えが可能である。
【0038】
実施形態において、第1磁性部31と第1素子11Eとの間の距離(例えばX軸方向に沿う距離)は、例えば、第1磁性部31の第3方向(X軸方向)に沿う長さ(例えば幅)の1/1000倍以下であることが好ましい。これにより、第1磁性部31からの磁界が第1素子11Eに効率的に印加され易くなる。
【0039】
以下、磁気センサ110に供給される電流の例について説明する。
【0040】
図2(a)及び
図2(b)は、第1実施形態に係る磁気センサを例示する模式的平面図である。
図2(a)に示すように、第1配線21は、第1配線端部21eと、第1配線他端部21fと、を含む。第1配線端部21eから第1配線他端部21fへの方向は、第2方向(Y軸方向)に沿う。第1サイド配線21Bは、第1サイド配線端部21Beと、第1サイド配線他端部21Bfと、を含む。第1サイド配線端部21Beから第1サイド配線他端部21Bfへの方向は、第2方向に沿う。
【0041】
第1配線端部21eから第1サイド配線端部21Beへの方向は、第3方向(X軸方向)に沿う。第1配線他端部21fから第1サイド配線他端部21Bfへの方向は、第3方向に沿う。第1配線端部21eと第1サイド配線端部21Beとは、互いに電気的に接続される。第1配線他端部21fと第1サイド配線他端部21Bfとは、互いに電気的に接続される。第1配線21と第1サイド配線21Bとは、並列に電気的に接続される。
【0042】
図2(a)に示すように、磁気センサ110は、第1交流回路71をさらに含んでも良い。第1交流回路71は、第1配線他端部21fと電気的に接続される。第1交流回路71は、第1配線21及び第1サイド配線21Bに交流電流を供給する。第1配線21に交流電流Ia1が流れる。第1サイド配線21Bに交流電流IaB1が流れる。
【0043】
図2(a)に示すように、磁気センサ110は、第2回路72をさらに含んでも良い。第2回路72は、第1素子11Eと電気的に接続される。例えば、第1素子11Eは、第1素子端部11Ee及び第1素子他端部11Efを含む。第1素子端部11Eeから第1素子他端部11Efへの方向は、第2方向(Y軸方向)に沿う。第2回路72は、第1素子端部11Eeと第1素子他端部11Efとの間に電流を供給可能である。この例では、第1素子11Eにおいて、直流成分を含む電流が、第1素子端部11Eeと第1素子他端部11Efとの間に流れる。例えば、第1素子11Eは、面内通電型の素子である。
【0044】
実施形態において、第1素子11Eを流れる電流は、Z軸方向に沿って流れても良い。この場合、第1素子11Eは、垂直通電型の素子である。
【0045】
第2回路72は、例えば、第1素子11Eの電気抵抗に対応する値(電気抵抗、電圧または電流など)の変化に対応する値を検出しても良い。
【0046】
図2(b)に示すように、第1制御配線21Cは、第1制御配線端部21Ceと、第1制御配線他端部21Cfと、を含む。第1制御配線端部21Ceから第1制御配線他端部21Cfへの方向は、第2方向(Y軸方向)に沿う。第1サイド制御配線21CBは、第1サイド制御配線端部21CBeと、第1サイド制御配線他端部21CBfと、を含む。第1サイド制御配線端部21CBeから第1サイド制御配線他端部21CBfへの方向は、第2方向(Y軸方向)に沿う。第1制御配線端部21Ceから第1サイド制御配線端部21CBeへの方向は、第3方向(X軸方向)に沿う。第1制御配線他端部21Cfから第1サイド制御配線他端部21CBfへの方向は、第3方向に沿う。第1制御配線端部21Ceと第1サイド制御配線端部21CBeとは、互いに電気的に接続される。第1制御配線他端部21Cfと第1サイド制御配線他端部21CBfとは、互いに電気的に接続される。
【0047】
図2(b)に示すように、第1制御回路71Cが設けられても良い。第1制御回路71Cは、第1制御配線端部21Ce及び第1制御配線他端部21Cfと電気的に接続される。第1制御回路71Cは、第1制御配線21C及び第1サイド制御配線21CBに、直流成分を含む信号(第1信号)を供給する。第1制御配線21Cに直流成分を含む電流Ic1が流れる。第1サイド制御配線21CBに直流成分を含む電流IcB1が流れる。これらの電流の向きは、互いに同じである。
【0048】
図2(a)に関して説明したように、第1配線21及び第1サイド配線21Bは、並列に電気的に接続される。第1交流回路71は、第1配線21及び第1サイド配線21Bに交流電流を供給する。
図2(b)に関して説明してように、第1制御配線21C及び第1サイド制御配線21CBは、並列に電気的に接続される。第1制御回路71Cは、第1制御配線21C及び第1サイド制御配線21CBに、直流成分を含む第1信号を供給する。
【0049】
実施形態に係るセンサモジュール210は、例えば、磁気センサ110及び第1交流回路71を含む。センサモジュール210は、第1制御回路71Cを含んでも良い。センサモジュール210は、第2回路72を含んでも良い。
【0050】
図3は、第1実施形態に係る磁気センサの動作を例示する模式的断面図である。
図3においては、第1制御配線21C及び第1サイド制御配線21CBは、省略されている。
図3に示すように、第1配線21に電流が流れたときに、磁束21Hが発生する。第1サイド配線21Bに電流が流れたときに、磁束21BHが発生する。磁束21Hは、実質的に、第1磁性部31の中に閉じこめられる。磁束21BHは、実質的に、第1サイド磁性部31Bの中に閉じこめられる。第1磁性部31及び第1サイド磁性部31Bとの間の領域において、磁束21H及び磁束21BHが第1素子11Eに効率的に印加される。
【0051】
さらに、第1磁性部31及び第1サイド磁性部31Bにより、検出対象である外部からの磁界Hmが集められ、第1素子11Eに効率的に加わる。
【0052】
これにより、第1素子11Eにおいて、第1配線21に流れる交流電流、及び、第1サイド配線21Bに流れる交流電流に応じた、大きな電気抵抗の変化が生じる。そして、検出対象である外部からの磁界Hmに応じた、大きな電気抵抗の変化が生じる。これにより、高い検出感度が得られる。
【0053】
実施形態においては、第1制御配線21C及び第1サイド制御配線21CBに、直流成分を含む電流(第1信号)が流れる。この電流による磁界が、第1磁性部31及び第1サイド磁性部31Bにより閉じこめられ、第1素子11Eに効果的に印加される。第1信号によって、例えば地磁気などの外部からのノイズの影響が効果的に抑制できる。
【0054】
図4は、第1実施形態に係る磁気センサを例示する模式図である。
図4に示すように、実施形態に係る磁気センサ110Aは、第1~第4抵抗部R1~R4を含む。例えば、第1抵抗部R1の一端は、第2抵抗部R2の一端と接続される。第1抵抗部R1の他端は、第3抵抗部R3の一端と接続される。第2抵抗部R2の他端は、第4抵抗部R4の一端と接続される。第3抵抗部R3の他端は、第4抵抗部R4の他端と接続される。
【0055】
例えば、第1抵抗部R1の他端と、第3抵抗部R3の一端と、の接続点が第1接続点P1とされる。第2抵抗部R2の他端と、第4抵抗部R4の一端と、の接続点が第2接続点P2とされる。第1抵抗部R1の一端と、第2抵抗部R2の一端と、の接続点が第3接続点P3とされる。第3抵抗部R3の他端と、第4抵抗部R4の他端と、の接続点が第4接続点P4とされる。
【0056】
例えば、第1接続点P1と第2接続点P2との間に、電圧E1が印加される。このときの、第3接続点P3と第4接続点P4との間の電圧E2が検出される。電圧E1の印加、及び電圧E2の検出は、例えば、第2回路72により行われる。磁気センサ110Aは、例えばブリッジ回路を含む。
【0057】
磁気センサ110Aにおいて、第1~第4抵抗部R1~R4のいずれかに、第1素子11E、第1配線21、第1制御配線21C及び第1磁性部31を含む素子が用いられる。例えば、第1素子11Eが、上記の第1抵抗部R1として用いられる。第1素子端部11Eeが、第1抵抗部R1の一端に対応する。第1素子他端部11Efが第1抵抗部R1の他端に対応する。
【0058】
磁気センサ110Aがブリッジ回路を含むことで、例えば、より高い検出感度が得られる。
【0059】
第1抵抗部R1が第1素子11E、第1配線21及び第1磁性部31を含む場合の1つの例において、第2~第4抵抗部R2~R4は、第1素子11E、第1配線21、第1制御配線21Cを含み、第1磁性部31を含まない。このような第2~第4抵抗部R2~R4においては、MFCが設けられない。例えば、第2~第4抵抗部R2~R4に加わる検出対象の磁界は、第1抵抗部R1に加わる磁界の1/100以下程度となる。この場合、第2~第4抵抗部R2~R4は、抵抗体とみなすことができる。
【0060】
このような磁気センサ部が、複数設けられても良い。以下、第2素子を含む磁気センサ部の例について、説明する。
【0061】
図5(a)及び
図5(b)は、第1実施形態に係る磁気センサの一部を例示する模式図である。
図5(a)は、斜視図である。
図5(b)は、
図5(a)のB1-B2線断面図である。
【0062】
図5(a)に示すように、実施形態に係る磁気センサ111は、第1素子11E、第1配線21、第1制御配線21C及び第1磁性部31(
図1(a)参照)に加えて、第2素子12E、第2配線22、第2制御配線22C、及び、第2磁性部32をさらに含む。第1素子11E、第1配線21及び第1磁性部31については、既に説明したとおりの構成が適用されるので、説明を省略する。
【0063】
図5(a)に示すように、第2素子12Eは、第2磁性層12、第2対向磁性層12c及び第2非磁性層12nを含む。第2非磁性層12nは、第2磁性層12と第2対向磁性層12cとの間に設けられる。第2対向磁性層12cから第2磁性層12への方向は、第1方向(Z軸方向)に沿う。
【0064】
第2配線22は、第2方向(Y軸方向)に沿って延びる。第2制御配線22Cは、第2方向(Y軸方向)に沿って延びる。第2磁性部32は、第2領域32a及び第2対向領域32bを含む。第2領域32aから第2対向領域32bへの方向は第1方向(Z軸方向)に沿う。第2配線22の少なくとも一部、及び、第2制御配線22Cの少なくとも一部は、第2領域32aと第2対向領域32bとの間にある。
【0065】
第2配線22を流れる交流電流により生じる磁界が、第2素子12Eに効率良く印加される。第2制御配線22Cを流れる直流成分を含む電流(第1信号)により生じる磁界が、第2素子12Eに効率良く印加される。例えば、外部からのノイズの影響が効果的に抑制できる。高い検出感度が得られる。
【0066】
この例では、第2磁性部32は、領域32sa及び領域32sbをさらに含む。第2配線22の少なくとも一部、及び、第2制御配線22Cの少なくとも一部は、第3方向(X軸方向)において、領域32saと領域32sbとの間にある。
【0067】
この例では、磁気センサ111は、第2方向(Y軸方向)に沿って延びる第2サイド配線22Bと、第2方向に沿って延びる第2サイド制御配線22CBと、第2サイド磁性部32Bと、をさらに含む。
【0068】
第2サイド磁性部32Bは、第2サイド領域32Ba及び第2サイド対向領域32Bbを含む。第2サイド領域32Baから第2サイド対向領域32Bbへの方向は、第1方向(Z軸方向)に沿う。第2サイド配線22Bの少なくとも一部、及び、第2サイド制御配線22CBの少なくとも一部は、第2サイド領域32Baと第2サイド対向領域32Bbとの間にある。
【0069】
第2素子12Eの第3方向(X軸方向)における位置は、第2配線22の第3方向における位置と、第2サイド配線22Bの前記第3方向における位置と、の間にある。第2素子12Eの第3方向(X軸方向)における位置は、第2制御配線22Cの第3方向における位置と、第2サイド制御配線22CBの前記第3方向における位置と、の間にある。
【0070】
図5(b)に示すように、第2サイド磁性部32Bは、領域32Bsa及び領域32Bsbなどを含んでも良い。第2サイド配線22Bの少なくとも一部は、第3方向(X軸方向)において、領域32Bsaと領域32Bsbとの間にある。この例では、第2サイド制御配線22CBの少なくとも一部は、第3方向(X軸方向)において、領域32Bsaと領域32Bsbとの間にある。
【0071】
この例では、領域32sbの第3方向(X軸方向)における位置は、領域32Bsaの第3方向における位置と、領域32saの第3方向における位置と、の間にある。領域32Bsbの第3方向(X軸方向)における位置は、領域32Bsaの第3方向における位置と、領域32sbの第3方向における位置と、の間にある。
【0072】
図5(a)に示すように、例えば、第2磁性部32の第3方向(X軸方向)に沿う長さL2は、第2サイド磁性部32Bの第3方向に沿う長さLB2よりも長くても良い。これにより、例えば、第1素子11Eと第2素子12Eとの間の距離(X軸方向に沿う距離)を短くできる。例えば、磁気センサ111のサイズを小さくできる。
【0073】
図5(b)に示すように、第2配線22と第2磁性部32との間に絶縁領域32iが設けられても良い。第2サイド配線22Bと第2サイド磁性部32Bとの間に絶縁領域32Biが設けられても良い。第2制御配線22Cと第2磁性部32との間に絶縁領域32Ciが設けられても良い。第2サイド制御配線22CBと第2サイド磁性部32Bとの間に絶縁領域32CBiが設けられても良い。
【0074】
図6(a)及び
図6(b)は、第1実施形態に係る磁気センサを例示する模式的平面図である。
図6(a)に示すように、例えば、X軸方向において、第1配線21と第2配線22との間に、第1サイド配線21Bが設けられる。例えば、X軸方向において、第1サイド配線21Bと第2配線22との間に、第2サイド配線22Bが設けられる。
【0075】
既に説明したように、第1配線21は、第1配線端部21eと第1配線他端部21fとを含む。第1サイド配線21Bは、第1サイド配線端部21Beと第1サイド配線他端部21Bfとを含む。第1配線端部21eと第1サイド配線端部21Beとは、互いに電気的に接続される。第1配線他端部21fと第1サイド配線他端部21Bfとは、互いに電気的に接続される。
【0076】
図6(a)に示すように、第2配線22は、第2配線端部22eと、第2配線他端部22fと、を含む。第2配線端部22eから第2配線他端部22fへの方向は、第2方向(Y軸方向)に沿う。第2サイド配線22Bは、第2サイド配線端部22Beと、第2サイド配線他端部22Bfと、を含む。第2サイド配線端部22Beから第2サイド配線他端部22Bfへの方向は、第2方向(Y軸方向)に沿う。第2サイド配線端部22Beから第2配線端部22eへの方向は、第3方向(X軸方向)に沿う。第2サイド配線他端部22Bfから第2配線他端部22fへの方向は、第3方向に沿う。第2配線端部22eと第2サイド配線端部22Beとは、互いに電気的に接続される。第2配線他端部22fと第2サイド配線他端部22Bfとは、互いに電気的に接続される。第2配線端部22eは、第1配線端部21eと電気的に接続される。
【0077】
図6(a)に示すように、例えば、第1交流回路71は、第1配線他端部21f、及び、第2配線他端部22fと電気的に接続される。第1交流回路71は、第1配線21、第1サイド配線21B、第2配線22及び第2サイド配線22Bに交流電流を供給する。
【0078】
第1配線21に交流電流Ia1が流れる。第1サイド配線21Bに交流電流IaB1が流れる。第2配線22に交流電流Ia2が流れる。第2サイド配線22Bに交流電流IaB2が流れる。交流電流Ia1の向き(極性)は、交流電流IaB1の向き(極性)と同じである。交流電流Ia2の向き(極性)は、交流電流IaB2の向き(極性)と同じである。交流電流Ia1の向き(極性)は、交流電流Ia2の向き(極性)と逆である。交流電流Ia1の位相は、交流電流Ia2の位相と1/2周期ずれている。
【0079】
後述するように、このような交流電流により生じる磁界が、素子に印加されることで、素子から得られる信号を処理することで、より高い精度の検出が容易になる。
【0080】
既に説明したように、
図6(b)に示すように、第1制御配線21Cは、第1制御配線端部21Ceと、第1制御配線他端部21Cfと、を含む。第1制御配線端部21Ceから第1制御配線他端部21Cfへの方向は、第2方向(Y軸方向)に沿う。第1サイド制御配線21CBは、サイド制御配線端部21CBeと、第1サイド制御配線他端部21CBfと、を含む。第1サイド制御配線端部21CBeから第1サイド制御配線他端部21CBfへの方向は、第2方向(Y軸方向)に沿う。第1制御配線端部21Ceから第1サイド制御配線端部21CBeへの方向は、第3方向(X軸方向)に沿う。第1制御配線他端部21Cfから第1サイド制御配線他端部21CBfへの方向は、第3方向に沿う。第1制御配線端部21Ceと第1サイド制御配線端部21CBeとは、互いに電気的に接続される。第1制御配線他端部21Cfと第1サイド制御配線他端部21CBfとは、互いに電気的に接続される。
【0081】
図6(b)に示すように、第2制御配線22Cは、第2制御配線端部22Ceと、第2制御配線他端部22Cfと、を含む。第2制御配線端部22Ceから第2制御配線他端部22Cfへの方向は、第2方向(Y軸方向)に沿う。第2サイド制御配線22CBは、第2サイド制御配線端部22CBeと、第2サイド制御配線他端部22CBfと、を含む。第2サイド制御配線端部22CBeから第2サイド制御配線他端部22CBfへの方向は、第2方向(Y軸方向)に沿う。第2制御配線端部22Ceから第2サイド制御配線端部22CBeへの方向は、第3方向(X軸方向)に沿う。第2制御配線他端部22Cfから第2サイド制御配線他端部22CBfへの方向は、第3方向に沿う。第2制御配線端部22Ceと第2サイド制御配線端部22CBeとは、互いに電気的に接続される。第2制御配線他端部22Cfと第2サイド制御配線他端部22CBfとは、互いに電気的に接続される。第2制御配線端部22Ceは、第1制御配線端部21Ceと電気的に接続される。第2制御配線他端部22Cfは、第1制御配線他端部21Cfと電気的に接続される。
【0082】
図6(b)に示すように、第1制御回路71Cは、第1制御配線端部21Ce及び第1制御配線他端部21Cfと電気的に接続される。第1制御回路71Cは、第1制御配線21C、第1サイド制御配線21CB、第2制御配線22C、及び、第2サイド制御配線22CBに、直流成分を含む第1信号を供給する。
【0083】
第1制御配線21Cに、直流成分を含む電流Ic1が流れる。第1サイド制御配線21CBに、直流成分を含む電流IcB1が流れる。第2制御配線22Cに、直流成分を含む電流Ic2が流れる。第2サイド制御配線21CBに、直流成分を含む電流IcB2が流れる。これらの電流の向きは、互いに同じである。
【0084】
このように、第1配線21及び第1サイド配線21Bは、並列に電気的に接続され、第2配線22及び第2サイド配線22Bは、並列に電気的に接続される(
図6(a)参照)。並列に電気的に接続された第1配線21及び第1サイド配線21Bと、並列に接続された第2配線22及び第2サイド配線22Bと、が直列に電気的に接続される。
【0085】
一方、第1制御配線21C、第1サイド制御配線21CB、第2制御配線22C、及び、第2サイド制御配線22CBは、並列に電気的に接続される。
【0086】
図6(a)に示すように、例えば、X軸方向において、第1配線21と第1サイド配線21Bとの間に、第1素子11Eが設けられる。例えば、X軸方向において、第2サイド配線22Bと第2配線22との間に、第2素子12Eが設けられる。
【0087】
図6(b)に示すように、例えば、X軸方向において、第1制御配線21Cと第1サイド制御配線21CBとの間に、第1素子11Eが設けられる。例えば、X軸方向において、第2サイド制御配線22CBと第2制御配線22Cとの間に、第2素子12Eが設けられる。
【0088】
図7は、第1実施形態に係る磁気センサを例示する模式的平面図である。
図7に示すように、第1素子11Eは、第1素子端部11Eeと、第1素子他端部11Efと、を含む。第1素子端部11Eeから第1素子他端部11Efへの方向は、Y軸方向に沿う。第2素子12Eは、第2素子端部12Eeと、第2素子他端部12Efと、を含む。第2素子端部12Eeから第2素子他端部12Efへの方向は、Y軸方向に沿う。
【0089】
例えば、第1素子端部11Eeから第2素子端部12Eeへの方向は、X軸方向に沿う。第1素子他端部11Efから第2素子他端部12Efへの方向は、X軸方向に沿う。
【0090】
第2回路72は、例えば、第1素子11E及び第2素子12Eと電気的に接続される。例えば、第2回路72は、第1素子端部11Eeと電気的に接続され、第2素子端部12Eeと電気的に接続される。第1素子他端部11Efは、第2素子他端部12Efと電気的に接続される。この例では、第1素子11E及び第2素子12Eは、互いに直列に電気的に接続されている。
【0091】
例えば、第2回路72は、第1素子11Eに電流Id1を供給する。第2回路72は、第2素子12Eに電流Id2を供給する。第2回路72は、例えば、第1素子11E及び第2素子12Eに直流電圧を印加する。
【0092】
この例では、第3回路73が設けられている。第3回路73は、第1素子11Eと第2素子12Eとの間の接続点73pの電位を検出する。
【0093】
例えば、検出対象である外部からの磁界Hmが磁気センサ111に加わる。第1配線21、第1サイド配線21B、第2配線22、及び、第2サイド配線22Bに交流電流が供給されたときに、接続点73pの電位は、外部からの磁界Hmに応じて変化する。接続点73pの電位を検出することで、検出対象である外部からの磁界Hmが検出できる。
【0094】
以下、外部からの磁界Hmによる電気抵抗の変化の例について説明する。以下では、第1素子11Eの特性について、説明する。第1素子11Eに関する説明は、第2素子12Eにも適用できる。
【0095】
例えば、第1素子11Eに磁界が印加される。この磁界は、例えば、X軸方向に沿う成分を含む。第1素子11Eの電気抵抗は、この磁界に対して偶関数の特性を有する。
【0096】
図8(a)及び
図8(b)は、磁気センサの特性を例示するグラフ図である。
図8(a)は、第1素子11Eに磁界Hxとして、交流磁界Hax及び磁界Hmが印加されたときの特性を例示している。磁界Hmは、測定対象(検出対象)の磁界である。横軸は、磁界Hxに対応する。縦軸は、第1素子11Eの電気抵抗Rxに対応する。
図8(a)の例では、交流磁界Haxは、三角波である。交流磁界Haxは、正弦波またはパルス波などでも良い。交流磁界Haxの周波数を、第1周波数f1とする。第1周波数f1の逆数は、第1周期T1に対応する。
図8(a)に示すように、交流磁界Haxは、時間tmに対して、変化する。
【0097】
図8(a)に示すように、交流磁界Hax及び磁界Hmが印加されたときに、例えば、第1素子11Eから信号Sigxが得られる。信号Sigxは、電気抵抗Rxの変化に対応する。信号Sigxにおいて、電気抵抗R0を基準とした2種類の周波数成分を有する波形が得られる。
【0098】
信号Sigx(電気抵抗Rx)は、第1周波数f1の周波数の成分と、2倍の周波数2f1の成分と、を含む。第1周波数f1の周波数に対応する波形成分は、磁界Hmに起因する。磁界Hmが0の場合は、第1周波数f1の周波数に対応するピークは実質的に生じず、2倍の周波数2f1の成分が生じる。例えば、フィルタなどを用いて、第1周波数f1の周波数に対応する成分を取り出すことができる。第1周波数f1の周波数に対応するピークの強度を測定することで、検知対象の磁界Hmを知ることができる。2倍の周波数2f1の信号は、例えば、不要な信号(例えばノイズ)である。
【0099】
磁界Hmは直流磁界でも良く、交流磁界でも良い。磁界Hmが交流磁界である場合、磁界Hmの周波数は、交流磁界Haxの周波数(第1周波数f1)よりも低い。
【0100】
図8(a)は、1つの素子(第1素子11E)に1つの交流磁界Haxが印加される場合を例示している。実施形態において、例えば、第1素子11Eに、第1配線21などに流れる交流電流に基づく第1交流磁界が印加される。そして、第2素子12Eに第2配線22などに流れる交流電流に基づく第2交流磁界が印加される。
【0101】
図8(b)の横軸は、磁界Hxに対応する。
図8(b)の縦軸は、電気抵抗Rxに対応する。
図8(b)に例示するように、第1素子11Eに印加される第1交流磁界Ha1と、第2素子12Eに印加される第2交流磁界Ha2と、において、位相が互いに逆である。
【0102】
第1交流磁界Ha1及び第2交流磁界Ha2のそれぞれに対応した2種類の信号Sigx(
図8(a)参照)が生じる。2種類の信号Sigxにおいては、位相が「1/2f1」の周期でシフトしている。このため、例えば、2種類の信号Sigxの合成信号においては、2倍の周波数2f1の成分が、実質的にキャンセルされる。第1周波数f1の周波数に対応する信号が残る。第1周波数f1の周波数に対応する信号(例えばピーク)の強度を測定することで、検知対象の磁界Hmを知ることができる。このような逆位相の交流磁界を用いることで、2倍の周波数2f1の成分(例えば、不要な信号)が抑制できる。実施形態によれば、検出感度の向上が可能な磁気センサを提供できる。
【0103】
例えば、
図7に例示した、第1素子11Eと第2素子12Eとの間の接続点73pの電位の変化に対応する信号が検出される。この信号において、第1周波数f1の周波数に対応する信号強度を測定することで、検知対象である磁界Hmに関する情報が得られる。例えば、接続点73pにおける信号において、2倍の周波数2f1に対応する信号強度は、第1周波数f1の周波数に対応する信号強度よりも小さい。このような信号において、2倍の周波数2f1に対応する成分は実質的に生じない。
【0104】
実施形態において、複数の素子(第1素子11E及び第2素子12E)の特性のばらつき、及び、これらの素子と電気的に接続される配線の特性などにより、2倍の周波数2f1に対応する成分が生じても良い。2倍の周波数2f1に対応する成分が著しく低減することで、不要な信号を抑制できる。検出感度の向上が可能になる。例えば、増幅が容易になる。例えば、増幅率の高いアンプを使うことができる。
【0105】
実施形態において、第1素子11Eが設けられ、第2素子12Eが省略されても良い。この場合、2倍の周波数2f1に対応する信号を低減させ、第1周波数f1の周波数に対応する信号を選択的に増幅するような回路(フィルタなど)を用いることで、高い感度の検出が可能である。
【0106】
例えば、
図4に関して説明した磁気センサ110Aにおいて、第1抵抗部R1が、第1素子11E、第1配線21及び第1磁性部31を含む素子を含んでも良い。第2抵抗部R2が、第2素子12E、第2配線22及び第2磁性部32を含む素子を含んでも良い。磁気センサ111の2つの素子によりブリッジ回路が形成されることで、例えば、より高い検出感度が得られる。第1素子11Eを含む素子と、第2素子12Eを含む素子と、において、それぞれの素子に加わる磁界の位相が逆である。
【0107】
磁気センサ111の2つの素子が第1抵抗部R1及び第2抵抗部R2として用いられる場合の1つの例において、第3抵抗部R3及び第4抵抗部R4は、素子及び配線を含み、磁性部を含まない。第3抵抗部R3及び第4抵抗部R4は、抵抗体として機能する。
【0108】
実施形態においては、例えば、第1制御配線21C、第1サイド制御配線21CB、第2制御配線22C、及び、第2サイド制御配線22CBなどの制御配線の少なくとも一部が磁性部の内部に設けられる。これらの制御配線に直流成分を含む電流(第1信号)が供給されることで、例えば、外部からのノイズの影響が抑制される。例えば、地磁気などにより、
図8(a)に例示した特性の「ゼロ点」がシフトして特性の対称性が劣化することが抑制される。2倍の周波数2f1の信号を、より効果的に抑制できる。
【0109】
実施形態に係るセンサモジュール211(
図6(a)及び
図6(b)など参照)は、例えば、磁気センサ111、第1交流回路71及び第1制御回路71Cを含む。センサモジュール211は、第2回路72及び第3回路73を含んでも良い。
【0110】
図9(a)~
図9(c)は、第1実施形態に係る磁気センサを例示する模式的断面図である。
図9(a)に示すように、実施形態に係る磁気センサ112においては、領域31sa及び領域31sbは、第1対向領域31bと連続している。領域31Bsa及び領域31Bsbは、第1サイド対向領域31Bbと連続している。
【0111】
図9(b)に示すように、実施形態に係る磁気センサ112aにおいては、領域31sa及び領域31sbは、第1対向領域31bから離れている。第1サイド磁性部31Bにおいて、領域31Bsa及び領域31Bsbは、第1サイド対向領域31Bbから離れている。
【0112】
図9(c)に示すように、実施形態に係る磁気センサ113においては、領域31sa、領域31sb、領域31Bsa及び領域31Bsbが、省略されている。
【0113】
図9(a)~
図9(c)に示すように、第1磁性部31と第1サイド磁性部31Bとの間に、絶縁領域30iが設けられても良い。磁気センサ112、112a及び113において、検出感度の向上が可能な磁気センサが提供できる。
【0114】
【0115】
図10及び
図11に示すように、実施形態に係る磁気センサ114は、第1素子11E、第1配線21、第1制御配線21C、第1磁性部31、第2素子12E、第2配線22、第2制御配線22C、及び、第2磁性部32に加えて、第3素子13E、第3配線23、第3制御配線23C、第3磁性部33、第4素子14E、第4配線24、第4制御配線24C、及び、第4磁性部34を含む。第1素子11E、第1配線21、第1制御配線21C、第1磁性部31、第2素子12E、第2配線22、第2制御配線22C、及び、第2磁性部32に関しては、既に説明した構成が適用できる。
【0116】
図13(a)及び
図13(b)に示すように、第3素子13Eは、第3磁性層13、第3対向磁性層13c、及び、第3非磁性層13nを含む。第3非磁性層13nは、第3磁性層13と第3対向磁性層13cとの間に設けられる。第3対向磁性層13cから第3磁性層13への方向は、第1方向(Z軸方向)に沿う。
【0117】
第3配線23は、第2方向(例えば、Y軸方向)に沿って延びる。第3制御配線23Cは、第2方向に沿って延びる。
【0118】
図13(b)に示すように、第3磁性部33は、第3領域33a及び第3対向領域33bを含む。第3領域33aから第3対向領域33bへの方向は、第1方向(Z軸方向)に沿う。第3配線23の少なくとも一部、及び、第3制御配線23Cの少なくとも一部は、第3領域33aと第3対向領域33bとの間にある。
【0119】
図14(a)及び
図14(b)に示すように、第4素子14Eは、第4磁性層14、第4対向磁性層14c、及び、第4非磁性層14nを含む。第4非磁性層14nは、第4磁性層14と第4対向磁性層14cとの間に設けられる。第4対向磁性層14cから第4磁性層14への方向は、第1方向(Z軸方向)に沿う。
【0120】
第4配線24は、第2方向(Y軸方向)に沿って延びる。第4制御配線24Cは、第2方向に沿って延びる。
【0121】
図14(b)に示すように、第4磁性部34は、第4領域34a及び第4対向領域34bを含む。第4領域34aから第4対向領域34bへの方向は、第1方向(Z軸方向)に沿う。第4配線24の少なくとも一部、及び、第4制御配線24Cの少なくとも一部は、第4領域34aと第4対向領域34bとの間にある。
【0122】
図10に示すように、第3配線23は、第3配線端部23eと、第3配線他端部23fと、を含む。第3配線端部23eから第3配線他端部23fへの方向は、第2方向(Y軸方向)に沿う。第4配線24は、第4配線端部24eと、第4配線他端部24fと、を含む。第4配線端部24eから第4配線他端部24fへの方向は、第2方向(Y軸方向)に沿う。第3配線他端部23fは、第4配線他端部24fと電気的に接続される。第3配線端部23eは、第1配線他端部21fと電気的に接続される。第4配線端部24eは、第2配線他端部22fと電気的に接続される。
【0123】
図10及び
図11に示すように、この例では、磁気センサ114は、第3サイド配線23B、第3サイド制御配線23CB、第3サイド磁性部33B、第4サイド配線24B、第4サイド制御配線24CB、及び、第4サイド磁性部34Bをさらに含む。
【0124】
第3サイド配線23B及び第4サイド配線24Bは、第2方向(Y軸方向)に沿って延びる。この例では、第3サイド制御配線23CB及び第4サイド制御配線24CBが設けられる。第3サイド制御配線23CB及び第4サイド制御配線24CBは、第2方向(Y軸方向)に沿って延びる。
【0125】
図13(b)に示すように、第3サイド磁性部33Bは、第3サイド領域33Ba及び第3サイド対向領域33Bbを含む。第3サイド領域33Baから第3サイド対向領域33Bbへの方向は、第1方向(Z軸方向)に沿う。第3サイド配線23Bの少なくとも一部、及び、第3サイド制御配線23CBの少なくとも一部は、第3サイド領域33Baと第3サイド対向領域33Bbとの間にある。
【0126】
第3素子13Eの第3方向(X軸方向)における位置は、第3配線23の第3方向における位置と、第3サイド配線23Bの第3方向における位置と、の間にある。第3素子13Eの第3方向(X軸方向)における位置は、第3制御配線23Cの第3方向における位置と、第3サイド制御配線23CBの第3方向における位置と、の間にある。
【0127】
図14(b)に示すように、第4サイド磁性部34Bは、第4サイド領域34Ba及び第4サイド対向領域34Bbを含む。第4サイド領域34Baから第4サイド対向領域34Bbへの方向は、第1方向(Z軸方向)に沿う。第4サイド配線24Bの少なくとも一部、及び、第4サイド制御配線24CBの少なくとも一部は、第4サイド領域34Baと第4サイド対向領域34Bbとの間にある。
【0128】
第4素子14Eの第3方向(X軸方向)における位置は、第4配線24の第3方向における位置と、第4サイド配線24Bの第3方向における位置と、の間にある。第4素子14Eの第3方向(X軸方向)における位置は、第4制御配線24Cの第3方向における位置と、第4サイド制御配線24CBの第3方向における位置と、の間にある。
【0129】
図13(b)に示すように、この例では、第3磁性部33の第3方向(X軸方向)に沿う長さL3は、第3サイド磁性部33Bの第3方向に沿う長さLB3よりも長い。
【0130】
図14(b)に示すように、この例では、第4磁性部34の第3方向(X軸方向)に沿う長さL4は、第4サイド磁性部34Bの第3方向に沿う長さLB4よりも長い。
【0131】
図13(b)に示すように、第3配線23と第3磁性部33との間に絶縁領域33iが設けられても良い。第3サイド配線23Bと第3サイド磁性部33Bとの間に絶縁領域33Biが設けられても良い。第3制御配線23Cと第3磁性部33との間に絶縁領域33Ciが設けられても良い。第3サイド制御配線23CBと第3サイド磁性部33Bとの間に絶縁領域33CBiが設けられても良い。
【0132】
図14(b)に示すように、第4配線24と第4磁性部34との間に絶縁領域34iが設けられても良い。第4サイド配線24Bと第4サイド磁性部34Bとの間に絶縁領域34Biが設けられても良い。第4制御配線24Cと第4磁性部34との間に絶縁領域34Ciが設けられても良い。第4サイド制御配線24CBと第4サイド磁性部34Bとの間に絶縁領域34CBiが設けられても良い。
【0133】
図13(b)に示すように、この例では、第3磁性部33は、領域33sa及び領域33sbをさらに含む。第3配線23の少なくとも一部は、第3方向(X軸方向)において、領域33saと領域33sbとの間にある。この例では、第3制御配線23Cの少なくとも一部は、第3方向(X軸方向)において、領域33saと領域33sbとの間にある。
【0134】
例えば、第3サイド磁性部33Bは、領域33Bsa及び領域33Bsbをさらに含んでも良い。第3サイド配線23Bの少なくとも一部は、第3方向(X軸方向)において、領域33Bsaと領域33Bsbとの間にある。この例では、第3サイド制御配線23CBの少なくとも一部は、第3方向(X軸方向)において、領域33Bsaと領域33Bsbとの間にある。
【0135】
図13(b)に示すように、この例では、領域33sbの第3方向(X軸方向)における位置は、領域33saの第3方向における位置と、領域33Bsaの第3方向における位置と、の間にある。領域33Bsbの第3方向(X軸方向)における位置は、領域33sbの第3方向における位置と、領域33Bsaの第3方向における位置と、の間にある。
【0136】
図14(b)に示すように、この例では、第4磁性部34は、領域34sa及び領域34sbをさらに含む。第4配線24の少なくとも一部は、第3方向(X軸方向)において、領域34saと領域34sbとの間にある。この例では、第4制御配線24Cの少なくとも一部は、第3方向(X軸方向)において、領域34saと領域34sbとの間にある。
【0137】
例えば、第4サイド磁性部34Bは、領域34Bsa及び領域34Bsbをさらに含んでも良い。第4サイド配線24Bの少なくとも一部は、第3方向(X軸方向)において、領域34Bsaと領域34Bsbとの間にある。この例では、第4サイド制御配線24CBの少なくとも一部は、第3方向(X軸方向)において、領域34Bsaと領域34Bsbとの間にある。
【0138】
図14(b)に示すように、この例では、領域34sbの第3方向(X軸方向)における位置は、領域34saの第3方向における位置と、領域34Bsaの第3方向における位置と、の間にある。領域34Bsbの第3方向(X軸方向)における位置は、領域34sbの第3方向における位置と、領域34Bsaの第3方向における位置と、の間にある。
【0139】
図10に示すように、例えば、第3サイド配線23Bは、第3サイド配線端部23Beと第3サイド配線他端部23Bfとを含む。第3サイド配線端部23Beから第3サイド配線他端部23Bfへの方向は、第2方向(Y軸方向)に沿う。第3配線端部23eから第3サイド配線端部23Beへの方向は、第3方向(X軸方向)に沿う。第3配線他端部23fから第3サイド配線他端部23Bfへの方向は、第3方向(X軸方向)に沿う。第3配線端部23eと第3サイド配線端部23Beとは、互いに電気的に接続される。第3配線他端部23fと第3サイド配線他端部23Bfとは、互いに電気的に接続される。
【0140】
図10に示すように、例えば、第4サイド配線24Bは、第4サイド配線端部24Beと第4サイド配線他端部24Bfとを含む。第4サイド配線端部24Beから第4サイド配線他端部24Bfへの方向は、第2方向(Y軸方向)に沿う。第4サイド配線端部24Beから第4配線端部24eへの方向は、第3方向(X軸方向)に沿う。第4サイド配線他端部24Bfから第4配線他端部24fへの方向は、第3方向(X軸方向)に沿う。第4配線端部24eと第4サイド配線端部24Beとは、互いに電気的に接続される。第4配線他端部24fと第4サイド配線他端部24Bfとは、互いに電気的に接続される。
【0141】
図10に示すように、第1交流回路71は、第1配線他端部21f、及び、第2配線他端部22fと電気的に接続される。第1交流回路71は、第1配線21、第1サイド配線21B、第2配線22、第2サイド配線22B、第3配線23、第3サイド配線23B、第4配線24、及び、第4サイド配線24Bに交流電流を供給する。
【0142】
第3配線23に交流電流Ia3が流れる。第3サイド配線23Bに交流電流IaB3が流れる。第4配線24に交流電流Ia4が流れる。第4サイド配線24Bに交流電流IaB4が流れる。交流電流Ia3の向き(位相)は、交流電流Ia1の向き(位相)に対して逆である。交流電流Ia4の向き(位相)は、交流電流Ia2の向き(位相)に対して逆である。交流電流IaB3の向き(位相)は、交流電流IaB1の向き(位相)に対して逆である。交流電流IaB4の向き(位相)は、交流電流IaB2の向き(位相)に対して逆である。
【0143】
図12に示すように、第3素子13Eは、第3素子端部13Eeと第3素子他端部13Efとを含む。第3素子端部13Eeから第3素子他端部13Efへの方向は、Y軸方向に沿う。第4素子14Eは、第4素子端部14Eeと第4素子他端部14Efとを含む。第4素子端部14Eeから第4素子他端部14Efへの方向は、Y軸方向に沿う。
【0144】
例えば、第3素子端部13Eeから第4素子端部14Eeへの方向は、X軸方向に沿う。第3素子他端部13Efから第4素子他端部14Efへの方向は、X軸方向に沿う。
【0145】
第3素子端部13Eeは、第1素子他端部11Efと電気的に接続される。第4素子端部14Eeは、第2素子他端部12Efと電気的に接続される。第2素子端部12Eeは、第1素子端部11Eeと電気的に接続される。第4素子他端部14Efは、第3素子他端部13Efと電気的に接続される。例えば、第1~第4素子11E~14Eによりブリッジ回路が形成される。
【0146】
第2回路72は、例えば、第1~第4素子11E~14Eと電気的に接続される。この例では、第2回路72は、第1素子端部11Eeと第3素子他端部13Efとの間に直流電圧を供給する。第1素子11Eに電流Id1が流れる。第2素子12Eに電流Id2が流れる。第3素子13Eに電流Id3が流れる。第4素子14Eに電流Id4が流れる。これらの電流は、例えば、直流電流である。1つの例において、これらの電流は、面内(X-Y平面内)に流れる。別の例において、これらの電流は、Z軸方向に流れても良い。
【0147】
例えば、第1素子11E及び第3素子13Eは、互いに直列に電気的に接続される。第2素子12E及び第4素子14Eは、互いに直列に電気的に接続される。第3回路73は、第1素子11Eと第2素子12Eとの間の接続点73aと、第2素子12Eと第4素子14Eとの間の接続点73bと、の間の電位を検出する。例えば、第3素子端部13Eeと第1素子他端部11Efとの接続点73a、及び、第4素子端部14Eeと第2素子他端部12Efとの接続点73b、の間の電位を検出する可能である。
【0148】
第3回路73の出力信号Sig0において、信号Sigx(
図8(a)参照)が抑制される。検出感度がより向上し易くなる。
【0149】
例えば、
図4に関して説明した磁気センサ110Aにおいて、例えば、第1~第4抵抗部R1~R4として、第1~第4素子11E~14E、第1~第4配線21~24、及び、第1~第4磁性部31~34をそれぞれ含む素子が用いられる。例えば、より高い検出感度が得られる。
【0150】
図11に示すように、第3制御配線23Cは、第3制御配線端部23Ceと、第3制御配線他端部23Cfと、を含む。第3制御配線端部23Ceから第3制御配線他端部23Cfへの方向は、第2方向(Y軸方向)に沿う。第4制御配線24Cは、第4制御配線端部24Ceと、第4制御配線他端部24Cfと、を含む。第4制御配線端部24Ceから第4制御配線他端部24Cfへの方向は、第2方向に沿う。第3制御配線他端部23Cfは、第4制御配線他端部24Cfと電気的に接続される。第3制御配線端部23Ceは、第1制御配線他端部21Cfと電気的に接続される。第4制御配線端部24Ceは、第2制御配線他端部22Cfと電気的に接続される。
【0151】
図11に示すように、第3サイド制御配線23CBは、第3サイド制御配線端部23CBeと、第3サイド制御配線他端部23CBfと、を含む。第3サイド制御配線端部23CBeから第3サイド制御配線他端部23CBfへの方向は、第2方向(Y軸方向)に沿う。第3制御配線端部23Ceから第3サイド制御配線端部23CBeへの方向は、第3方向(X軸方向)に沿う、第3制御配線他端部23Cfから第3サイド制御配線他端部23CBfへの方向は、第3方向に沿う。第3制御配線端部23Ce及び第3サイド制御配線端部23CBeは、第1制御配線他端部21Cfと電気的に接続される。
【0152】
図11に示すように、第4サイド制御配線24CBは、第4サイド制御配線端部24CBeと、第4サイド制御配線他端部24CBfと、を含む。第4サイド制御配線端部24CBeから第4サイド制御配線他端部24CBfへの方向は、第2方向(Y軸方向)に沿う。第4サイド制御配線端部24CBeから第4制御配線端部24Ceへの方向は、第3方向(X軸方向)に沿う。第4サイド制御配線他端部24CBfから第4制御配線他端部24Cfへの方向は、第3方向に沿う。第4制御配線端部24Ce及び第4サイド制御配線端部24CBeは、第2制御配線他端部22Cfと電気的に接続される。第4制御配線他端部24Cf及び第4サイド制御配線他端部24CBfは、第3制御配線他端部23Cfと電気的に接続される。
【0153】
第1制御回路71Cは、第1制御配線端部21Ce及び第3制御配線他端部23Cfと電気的に接続される。第1制御回路71Cは、第1制御配線21C、第1サイド制御配線21CB、第2制御配線22C、第2サイド制御配線22CB、第3制御配線23C、第3サイド制御配線23CB、第4制御配線24C、及び、第4サイド制御配線24CBに、直流成分を含む第1信号を供給する。
【0154】
第1制御配線21Cに、直流成分を含む電流Ic1が流れる。第1サイド制御配線21CBに、直流成分を含む電流IcB1が流れる。第2制御配線22Cに、直流成分を含む電流Ic2が流れる。第2サイド制御配線22CBに、直流成分を含む電流IcB2が流れる。第3制御配線23Cに、直流成分を含む電流Ic3が流れる。第3サイド制御配線23CBに、直流成分を含む電流IcB3が流れる。第4制御配線24Cに、直流成分を含む電流Ic4が流れる。第4サイド制御配線24CBに、直流成分を含む電流IcB4が流れる。
【0155】
直流成分を含む第1信号(電流)により、例えば、地磁気などの外部の影響が抑制できる。
【0156】
第2磁性部32と第2素子12Eとの間の距離(例えばX軸方向に沿う距離)は、例えば、第2磁性部32の第3方向(X軸方向)に沿う長さ(例えば幅)の1/1000倍以下であることが好ましい。第3磁性部33と第3素子13Eとの間の距離(例えばX軸方向に沿う距離)は、例えば、第3磁性部33の第3方向(X軸方向)に沿う長さ(例えば厚さ)の1/1000倍以下であることが好ましい。第4磁性部34と第4素子14Eとの間の距離(例えばX軸方向に沿う距離)は、例えば、第4磁性部34の第3方向(X軸方向)に沿う長さ(例えば厚さ)の1/1000倍以下であることが好ましい。これにより、磁性部からの磁界が素子に効率的に印加され易くなる。
【0157】
実施形態に係るセンサモジュール214(
図10~
図12参照)は、例えば、磁気センサ114、第1交流回路71及び第1制御回路71Cを含む。センサモジュール214は、第2回路72及び第3回路73を含んでも良い。
【0158】
図15(a)及び
図15(b)は、第1実施形態に係る磁気センサを例示する模式図である。
図15(a)は、斜視図である。
図15(b)は、
図15(a)のX1-X2線断面図である。
【0159】
図15(a)に示すように、実施形態に係る磁気センサ110Aは、第1素子11E、第1配線21、第1制御配線21C及び第1磁性部31を含む。磁気センサ110Aにおいては、第1磁性部31の少なくとも一部から第1素子11Eへの方向は、X軸方向に沿う。磁気センサ110Aは、第1サイド磁性部31Bを含んでも良い。X軸方向において、第1素子11Eは、第1磁性部31と第1サイド磁性部31Bとの間にある。磁気センサ110Aにおいても、第1制御配線21Cにより、外部の影響が抑制できる。
【0160】
実施形態において、第1磁性層11及び第1対向磁性層11cの一方において、磁化が実質的に固定されている。第1磁性層11及び第1対向磁性層11cの他方において、磁化の向きが変化する。第1素子11EのY軸方向に沿う長さは、第1素子11EのX軸方向に沿う長さの例えば5倍以上(例えば10倍以上でも良い)である。
【0161】
第1素子11Eは、例えば、反強磁性膜(IrMn膜など)を含んでも良い。第1素子11Eは、非磁性膜(例えばRu膜)などを含んでも良い。例えば、第1磁性層11及び第1対向磁性層11cの一方と、反強磁性膜と、の間に非磁性膜が設けられる。
【0162】
第1素子11Eは、下地層を含んでも良い。下地層は、例えば、Ta、Ru、Hf及びNiFeCrよりなる群から選択された少なくとも1つを含んでも良い。例えば、良好な結晶性が得られる。例えば、大きな結晶粒径が得易くなる。例えば、膜面垂直方向への結晶配向が得易くなる。第1磁性層11及び第1対向磁性層11cの他方(例えばフリー層)は、例えば、CoFe合金、NiFe合金及びCoFeNi合金よりなる群から選択された少なくとも1つを含んでも良い。第1磁性層11及び第1対向磁性層11cの他方は、CoFe膜及びNiFe膜を含む積層膜を含んでも良い。
【0163】
1つの例において、第1非磁性層11nは、例えば、Cu膜を含む。
【0164】
別の例において、第1非磁性層11nは、MgOを含んでも良い。MgO膜の厚さは、例えば、0.5nm以上2nm以下である。第1非磁性層11nは、Al2O3を含んでも良い。第1非磁性層11nは、例えば、NaCl構造の結晶構造を有しても良い。第1非磁性層11nは、MgAl2O4を含んでも良い。第1非磁性層11nは、スピネル型の材料を含んでも良い。
【0165】
第1磁性部31は、例えば、NiFe及びCoZrNbよりなる群から選択された少なくとも1つを含む。第1磁性部31の下地層として、例えば、Ta膜などが設けられても良い。Ta膜の厚さは、例えば、約3nm以上10nm以下である。このような下地層を設けることで、例えば、第1磁性部31の厚さが厚い(例えば100nm以上)の場合にも、第1磁性部31において、結晶方向が等方化され易くなる。例えば、磁化方向の等方性が得られる。
【0166】
このような第1素子11Eの構成が、第2~第4素子12E~14Eに適用されても良い。
【0167】
第2~第4磁性部32~34、及び、第1~第4サイド磁性部31B~34Bの少なくともいずれかは、第1磁性部31に関して説明した材料を含む。
【0168】
第1~第4配線21~24、第1~第4サイド配線21B~24B、第1~第4制御配線21C~24C、及び、第1~第4サイド制御配線21CB~24CBの少なくともいずれかは、Cu、Al及びAuよりなる群から選択された少なくとも1つを含む。
【0169】
第1~第4磁性層11~14、第1~第4対向磁性層11c~14cの少なくともいずれかは、例えば、Fe、Co及びNiよりなる群から選択された少なくとも1つを含む。
【0170】
第1配線21のY軸方向に沿う長さは、第1配線21のZ軸方向に沿う長さよりも長い。第1配線21のY軸方向に沿う長さは、第1配線21のX軸方向に沿う長さよりも長い。第1制御配線21CのY軸方向に沿う長さは、第1制御配線21CのZ軸方向に沿う長さよりも長い。第1制御配線21CのY軸方向に沿う長さは、第1制御配線21CのX軸方向に沿う長さよりも長い。このような第1配線21の構成が、第2~第4配線22~24に適用されても良い。このような第1制御配線21Cの構成が、第2~第4制御配線22C~24Cに適用されても良い。
【0171】
実施形態によれば、例えば、磁気センサのサイズを小さくできる。例えば、分解能を向上できる。例えば交流電流による交流磁界が素子に効果的に印加される。交流電流の損失を抑制できる。例えば、消費電力を低減できる。
【0172】
(第2実施形態)
図16(a)及び
図16(b)は、第2実施形態に係る磁気センサを例示する模式図である。
図16(a)は、
図16(b)のX3-X4線断面図である。
図16(b)は、平面図である。
【0173】
図16(a)及び
図16(b)に示すように、実施形態に係る磁気センサ120は、第1素子11E、第1配線21、第1制御配線21C、第1端子TL1及び第2端子TL2を含む。
【0174】
図16(a)に示すように、第1素子11Eは、第1磁性層11と、第1対向磁性層11cと、第1磁性層11と第1対向磁性層11cとの間に設けられた第1非磁性層11nと、を含む。第1対向磁性層11cから第1磁性層11への方向は第1方向(Z軸方向)に沿う。
【0175】
図16(b)に示すように、第1配線21は、第1方向と交差する第2方向に沿って延びる。第2方向は、例えば、Y軸方向である。
【0176】
第1制御配線21Cは、磁性体を含む。第1制御配線21Cは、例えば、NiFe合金、FeCo合金及びCoZrNb合金よりなる群から選択された少なくとも1つを含む。第1制御配線21Cは、例えば、アモルファス合金を含んでも良い。第1制御配線21Cは、第2方向に沿って延びる。第1制御配線21Cは、第1制御配線端部21Ceと第1制御配線他端部21Cfとを含む。第1制御配線端部21Ceから第1制御配線他端部21Cfへの方向は、第2方向(Y軸方向)に沿う。
【0177】
第1端子TL1は、第1制御配線端部21Ceと電気的に接続される。第2端子TL2は、第1制御配線他端部21Cfと電気的に接続される。後述するように、第1端子TL1及び第2端子TL2に第1制御回路71Cが電気的に接続される。
【0178】
図16(a)に示すように、第1方向(Z軸方向)における第1素子11Eの位置は、第1方向における第1配線21の位置と、第1方向における第1制御配線21Cの位置と、の間にある。
【0179】
第1端子TL1と第2端子TL2との間に、直流成分を含む第1信号が供給されることで、地磁気などの外部からのノイズの影響を抑制できる。磁気センサ120によれば、検出感度の向上が可能な磁気センサ及びセンサモジュールが供給できる。
【0180】
図16(a)及び
図16(b)に示すように、この例では、磁気センサ120は、第1磁性部31及び第1サイド磁性部31Bを含む。第1方向及び第2方向を含む平面と交差する第3方向(例えばX軸方向)における第1素子11Eの位置は、第3方向における第1磁性部31の位置と、第3方向における第1サイド磁性部31Bとの間にある。第1磁性部31及び第1サイド磁性部31Bが設けられることで、検出対象からの磁界を効果的に第1素子11Eに印加できる。検出対象は、
図16(a)において、磁気センサ120の下側にある。
【0181】
この例では、第1磁性部31の第1方向(Z軸方向)における位置は、第1素子11Eの第1方向における位置と、第1制御配線21Cの一部21Ccの第1方向における位置と、の間にある。この例では、第1制御配線21Cは、第1部分21Ca及び第2部分21Cbを含む。第3方向(Z軸方向)において、第1部分21Caと第2部分21Cbとの間に、第1磁性部31及び第1サイド磁性部31Bがある。第1制御配線21Cの少なくとも一部(一部21Cc)は、Z軸方向において、第1素子11E、第1配線21、第1磁性部31及び第1サイド磁性部31Bと重なる。
【0182】
図17(a)及び
図17(b)は、第2実施形態に係る磁気センサを例示する模式的平面図である。
図17(a)に示すように、第1配線21は、第1配線端部21e及び第1配線他端部21fを含む。第1配線端部21eから第1配線他端部21fへの方向は、第2方向(Y軸方向)に沿う。第1交流回路71は、第1配線端部21eと第1配線他端部21fと間に交流電流Ia1を供給する。
【0183】
図17(b)に示すように、第1端子TL1及び第2端子TL2に、第1制御回路71Cが電気的に接続される。第1制御回路71Cは、第1端子TL1と第2端子TL2との間に、直流成分を含む第1信号(電流Ic1)を供給する。
【0184】
図18(a)及び
図18(b)は、第2実施形態に係る磁気センサを例示する模式図である。
図18(a)は、
図18(b)のX5-X6線断面図である。
図18(b)は、平面図である。
【0185】
図18(a)及び
図18(b)に示すように、実施形態に係る磁気センサ121は、第1素子11E、第1配線21及び第1制御配線21Cに加えて、第2素子12E及び第2配線22を含む。
【0186】
第2素子12Eは、第2磁性層12と、第2対向磁性層12cと、第2磁性層12と第2対向磁性層12cとの間に設けられた第2非磁性層12nと、を含む。第2対向磁性層12cから第2磁性層12への方向は、第1方向(Z軸方向)に沿う。第2配線22は、第2方向(Y軸方向)に沿って延びる。
【0187】
第1制御配線21Cの少なくとも一部(一部21Cc)は、第1方向(Z軸方向)において、第1素子11E、第2素子12E、第1配線21及び第2配線22と重なる。
【0188】
図18(b)に示すように、第2素子12Eは、第2素子端部12Ee及び第2素子他端部12Efを含む。第2素子端部12Eeから第2素子他端部12Efへの方向は、第2方向(Y軸方向)に沿う。
【0189】
図18(b)に示すように、第1配線21は、第1配線端部21e及び第1配線他端部21fを含む。第1配線端部21eから第1配線他端部21fへの方向は、第2方向(Y軸方向)に沿う。第2配線22は、第2配線端部22e及び第2配線他端部22fを含む。第2配線端部22eから第2配線他端部22fへの方向は、第2方向に沿う。第2配線端部22eは、第1配線端部21eと電気的に接続される。
【0190】
図19(a)及び
図19(b)は、第2実施形態に係る磁気センサを例示する模式的平面図である。
図19(a)に示すように、第1交流回路71は、第1配線他端部21fと第2配線他端部22fとの間に交流電流を供給する。第1配線21に交流電流Ia1が流れる。第2配線22に交流電流Ia2が流れる。
【0191】
磁気センサ121において、
図7に関して説明した構成と同様に、第1素子11E及び第2素子12Eが電気的に並列に接続される。第2回路72が、第1素子11E及び第2素子12Eと電気的に接続される。第2回路72が、第1素子11E及び第2素子12Eに直流電流を供給する。例えば、第3回路73により、第1素子11Eと第2素子12Eとの間の接続点73pの電位が検出される。
【0192】
図18(a)及び
図18(b)に示すように、この例では、磁気センサ121は、第2磁性部32及び第2サイド磁性部32Bを含む。第3方向(例えばX軸方向)における第2素子12Eの位置は、第3方向における第2磁性部32の位置と、第3方向における第2サイド磁性部32Bとの間にある。第2磁性部32及び第2サイド磁性部32Bが設けられることで、検出対象からの磁界を効果的に第2素子12Eに印加できる。
【0193】
この例では、第2磁性部32の第1方向(Z軸方向)における位置は、第2素子12Eの第1方向における位置と、第1制御配線21Cの一部21Ccの第1方向における位置と、の間にある。第3方向(Z軸方向)において、第1部分21Caと第2部分21Cbとの間に、第2磁性部32及び第2サイド磁性部32Bがある。第1制御配線21Cの少なくとも一部(一部21Cc)は、Z軸方向において、第2素子12E、第2配線22、第2磁性部32及び第2サイド磁性部32Bと重なる。
【0194】
【0195】
図20及び
図21に示すように、実施形態に係る磁気センサ122は、第1素子11E、第1配線21、第1制御配線21C、第2素子12E及び第2配線22に加えて、第3素子13E、第3配線23、第4素子14E及び第4配線24を含む。
【0196】
図21に示すように、第3素子13Eは、第3磁性層13と、第3対向磁性層13cと、第3磁性層13と第3対向磁性層13cとの間に設けられた第3非磁性層13nと、を含む。第3対向磁性層13cから第3磁性層13への方向は第1方向(Z軸方向)に沿う。
【0197】
図21に示すように、第4素子14Eは、第4磁性層14と、第4対向磁性層14cと、第4磁性層14と第4対向磁性層14cとの間に設けられた第4非磁性層14nと、を含む。第4対向磁性層14cから第4磁性層14への方向は第1方向(Z軸方向)に沿う。
【0198】
図20に示すように、第3配線23は、第2方向(Y軸方向)に沿って延びる。第4配線24は、第2方向に沿って延びる。
【0199】
図18及び
図21に示すように、第1制御配線21Cの少なくとも一部(一部21Cc)は、第1方向(Z軸方向)において、第1素子11E、第2素子12E、第3素子13E、第4素子14E、第1配線21、第2配線22、第3配線23及び第4配線24と重なる。
【0200】
図20に示すように、第1配線21は、第1配線端部21e及び第1配線他端部21fを含む。第1配線端部21eから第1配線他端部21fへの方向は、第2方向(Y軸方向)に沿う。第2配線22は、第2配線端部22e及び第2配線他端部22fを含む。第2配線端部22eから第2配線他端部22fへの方向は、第2方向に沿う。第3配線23は、第3配線端部23e及び第3配線他端部23fを含む。第3配線端部23eから第3配線他端部23fへの方向は、第2方向に沿う。第4配線24は、第4配線端部24e及び第4配線他端部24fを含む。第4配線端部24eから第4配線他端部24fへの方向は、第2方向に沿う。
【0201】
この例では、第2配線端部22eは、第1配線端部21eと電気的に接続される。第3配線端部23eは、第1配線他端部21fと電気的に接続される。第4配線端部24eは、第2配線他端部22fと電気的に接続される。第4配線他端部24fは、第3配線他端部23fと電気的に接続される。
【0202】
図22は、第2実施形態に係る磁気センサを例示する模式的平面図である。
図22に示すように、第1交流回路71は、第1配線他端部21fと第2配線他端部22fとの間に交流電流を供給する。第1配線21に交流電流Ia1が流れる。第2配線22に交流電流Ia2が流れる。第3配線23に交流電流Ia3が流れる。第4配線24に交流電流Ia4が流れる。交流電流Ia3の向き(位相)は、交流電流Ia1の向き(位相)に対して逆である。交流電流Ia4の向き(位相)は、交流電流Ia2の向き(位相)に対して逆である。
【0203】
図23は、第2実施形態に係る磁気センサを例示する模式的平面図である。
図23に示すように、第1制御回路71Cは、第1端子TL1と第2端子TL2との間に、直流成分を含む第1信号(電流Ic1)を供給する。第1信号により、例えば、地磁気などの外部からのノイズの影響が抑制できる。
【0204】
図24は、第2実施形態に係る磁気センサを例示する模式的平面図である。
図24に示すように、第1素子11Eは、第1素子端部11Ee及び第1素子他端部11Efを含む。第1素子端部11Eeから第1素子他端部11Efへの方向は、第2方向(Y軸方向)に沿う。第2素子12Eは、第2素子端部12Ee及び第2素子他端部12Efを含む。第2素子端部12Eeから第2素子他端部12Efへの方向は、第2方向に沿う。第3素子13Eは、第3素子端部13Ee及び第3素子他端部13Efを含む。第3素子端部13Eeから第3素子他端部13Efへの方向は、第2方向に沿う。第4素子14Eは、第4素子端部14Ee及び第4素子他端部14Efを含む。第4素子端部14Eeから第4素子他端部14Efへの方向は、第2方向に沿う。
【0205】
第2素子端部12Eeは、第1素子端部11Eeと電気的に接続される。第3素子端部13Eeは、第1素子他端部11Efと電気的に接続される。第4素子端部14Eeは、第2素子他端部12Efと電気的に接続される。第4素子他端部14Efは、第3素子他端部13Efと電気的に接続される。
【0206】
第2回路72は、第1素子端部11Eeと第3素子他端部13Efと電気的に接続される。第3回路73は、第1素子11Eと第2素子12Eとの間の接続点73aと、第2素子12Eと第4素子14Eとの間の接続点73bと、の間の電位を検出する。
【0207】
磁気センサ122においても、外部からのノイズの影響を抑制でき、検出感度の向上が可能な磁気センサを提供できる。
【0208】
図21に示すように、この例では、磁気センサ122は、第3磁性部33及び第3サイド磁性部33Bを含む。第3方向(例えばX軸方向)における第3素子13Eの位置は、第3方向における第3磁性部33の位置と、第3方向における第3サイド磁性部33Bとの間にある。第3磁性部33及び第3サイド磁性部33Bが設けられることで、検出対象からの磁界を効果的に第3素子13Eに印加できる。
【0209】
この例では、第3磁性部33の第1方向(Z軸方向)における位置は、第3素子13Eの第1方向における位置と、第1制御配線21Cの一部21Ccの第1方向における位置と、の間にある。第3方向(Z軸方向)において、第1部分21Caと第2部分21Cbとの間に、第3磁性部33及び第3サイド磁性部33Bがある。第1制御配線21Cの少なくとも一部(一部21Cc)は、Z軸方向において、第3素子13E、第3配線23、第3磁性部33及び第3サイド磁性部33Bと重なる。
【0210】
図21に示すように、この例では、磁気センサ122は、第4磁性部34及び第4サイド磁性部34Bを含む。第3方向(例えばX軸方向)における第4素子14Eの位置は、第3方向における第4磁性部34の位置と、第3方向における第4サイド磁性部34Bとの間にある。第4磁性部34及び第4サイド磁性部34Bが設けられることで、検出対象からの磁界を効果的に第4素子14Eに印加できる。
【0211】
この例では、第4磁性部34の第1方向(Z軸方向)における位置は、第4素子14Eの第1方向における位置と、第1制御配線21Cの一部21Ccの第1方向における位置と、の間にある。第3方向(Z軸方向)において、第1部分21Caと第2部分21Cbとの間に、第4磁性部34及び第4サイド磁性部34Bがある。第1制御配線21Cの少なくとも一部(一部21Cc)は、Z軸方向において、第4素子14E、第4配線24、第4磁性部34及び第4サイド磁性部34Bと重なる。
【0212】
図25は、第2実施形態に係る磁気センサを例示する模式的断面図である。
図25に示すように、実施形態に係る磁気センサ123においては、第1制御配線21Cにおいて、第1部分21Ca及び第2部分21Cbが省略されている。磁気センサ123においても、外部からのノイズの影響を抑制でき、検出感度の向上が可能な磁気センサを提供できる。
【0213】
図26は、第2実施形態に係る磁気センサを例示する模式的断面図である。
図26に示すように、実施形態に係る磁気センサ124においては、第1磁性部31及び第1サイド磁性部31Bが設けられている。第1方向(Z軸方向)における第1磁性部の位置31は、第1方向における第1配線21の位置と、第1方向における第1制御配線21の少なくとも一部の位置と、の間にある。第1方向における第1サイド磁性部31Bの位置は、第1方向における第1配線21の位置と、第1方向における第1制御配線21Cの少なくとも一部の位置と、の間にある。第1素子11Eの第3方向(X軸方向)における位置は、第1磁性部31の第3方向における位置と、第1サイド磁性部31Bの第3方向における位置と、の間にある。第3方向は、第1方向及び第2方向を含む平面と交差する。例えば、第1配線21の少なくとも一部の第3方向における位置は、第1磁性部31の第3方向における位置と、第1サイド磁性部31Bの第3方向における位置と、の間にある。
【0214】
磁気センサ124において、第1制御配線21Cは、第1サイド部21Cpを含む。第1サイド部21Cpは、第3方向(X軸方向)において、第1磁性部31と第1サイド磁性部31Bとの間にある。第1制御配線21Cは、第2サイド部21Cqを含む。第2サイド部21Cqは、第3方向(X軸方向)において、第2サイド磁性部32Bと第2磁性部32との間にある。第1制御配線21Cは、第3サイド部21Crを含む。第3サイド部21Crは、第3方向(X軸方向)において、第1サイド磁性部31Bと第2サイド磁性部32Bとの間にある。
【0215】
第1サイド部21Cp、第2サイド部21Cq及び第3サイド部21Crが設けられることで、例えば、これらのサイド部において、磁区の発生が誘導される。これにより、外部からのノイズ除去に有効な、第1制御配線21Cの他の部分(第1部分21Cs、第2部分21Ct、第3部分21Cu及び第4部分21Cvなど)において磁区の発生を抑制できる。これにより、ノイズの影響をより効果的に均一に抑制できる。磁気センサ124においても、外部からのノイズの影響を抑制でき、検出感度の向上が可能な磁気センサを提供できる。
【0216】
図27は、第2実施形態に係る磁気センサを例示する模式的断面図である。
図27に示すように、第1制御配線21Cは、第1部分21Cs、第2部分21Ct、第3部分21Cu及び第4部分21Cvなどを含む。第1磁性部31から、第1制御配線21Cの第1部分21Csへの方向は、第1方向(Z軸方向)に沿う。第1サイド磁性部31Bから、第1制御配線21Cの第2部分21Ctへの方向は、第1方向(Z軸方向)に沿う。第2磁性部32から、第1制御配線21Cの第3部分21Cuへの方向は、第1方向(Z軸方向)に沿う。第2サイド磁性部32から、第1制御配線21Cの第4部分21Cvへの方向は、第1方向(Z軸方向)に沿う。
【0217】
第1部分21Csの第1方向(Z軸方向)に沿う長さtz1(厚さ)は、第1サイド部21Cpの第1方向に沿う長さtz2(厚さ)よりも長い。このような構造により、例えば、第1制御配線21Cの上記の一部(部分21Cs)に効率的に電流を供給することができ、ノイズの影響をより効果的に抑制できる。
【0218】
例えば、第2部分21Ctの第1方向(Z軸方向)に沿う長さは、長さtz2よりも長い。第3部分21Cuの第1方向(Z軸方向)に沿う長さ(厚さ)は、第2サイド部21Cqの第1方向に沿う長さ(厚さ)よりも長い。第4部分21Cvの第1方向(Z軸方向)に沿う長さ(厚さ)は、第2サイド部21Cqの第1方向に沿う長さ(厚さ)よりも長い。ノイズの影響をより効果的に抑制できる。
【0219】
磁気センサ120~124において、技術的に可能な範囲で、第1実施形態に関して説明した構成を適用できる。磁気センサ120~124は、上記の、第1交流回路71、第1制御回路71C、第2回路72及び第3回路73の少なくともいずれかを含んでも良い。センサモジュール220~224は、例えば、磁気センサ120~124のいずれかと、第1交流回路71、第1制御回路71C、第2回路72及び第3回路73の少なくともいずれかを含んでも良い。
【0220】
以下、実施形態に係る磁気センサの応用例について説明する。
(第3実施形態)
実施形態に係る磁気センサは、例えば、診断装置などに応用できる。
図28は、第3実施形態に係る磁気センサ及び診断装置を示す模式図である。
図28に示すように、診断装置500は、磁気センサ150を含む。磁気センサ150は、第1実施形態及び第2実施形態に関して説明した磁気センサ(及び磁気センサ装置)、及び、それらの変形を含む。
【0221】
診断装置500において、磁気センサ150は、例えば、脳磁計である。脳磁計は、脳神経が発する磁界を検出する。磁気センサ150が脳磁計に用いられる場合、磁気センサ150に含まれる磁気素子のサイズは、例えば、1mm以上10mm未満である。このサイズは、例えば、MFCを含めた長さである。
【0222】
図28に示すように、磁気センサ150(脳磁計)は、例えば、人体の頭部に装着される。磁気センサ150(脳磁計)は、磁気センサ部301を含む。磁気センサ部301は、例えば、第1実施形態または第2実施形態に係る磁気センサを含む。
【0223】
磁気センサ150(脳磁計)は、複数の磁気センサ部301を含んでも良い。複数の磁気センサ部301の数は、例えば、約100個(例えば50個以上150個以下)である。複数の磁気センサ部301は、柔軟性を有する基体302に設けられる。
【0224】
磁気センサ150は、例えば、差動検出などの回路を含んでも良い。磁気センサ150は、磁気センサとは別の磁気センサ(例えば、電位端子または加速度磁気センサなど)を含んでも良い。
【0225】
磁気センサ150(第1実施形態及び第2実施形態に関して説明した磁気センサ)のサイズは、従来のSQUID磁気センサのサイズに比べて小さい。このため、複数の磁気センサ部301の設置が容易である。複数の磁気センサ部301と、他の回路と、の設置が容易である。複数の磁気センサ部301と、他の磁気センサと、の共存が容易である。
【0226】
基体302は、例えばシリコーン樹脂などの弾性体を含んでも良い。基体302に、例えば、複数の磁気センサ部301が繋がって設けられる。基体302は、例えば、頭部に密着できる。
【0227】
磁気センサ部301の入出力配線303は、診断装置500の磁気センサ駆動部506及び信号入出力部504と接続される。磁気センサ駆動部506からの電力と、信号入出力部504からの制御信号と、に基づいて、磁気センサ部301において、磁界測定が行われる。その結果は、信号入出力部504に入力される。信号入出力部504で得た信号は、信号処理部508に供給される。信号処理部508において、例えば、ノイズの除去、フィルタリング、増幅、及び、信号演算などの処理が行われる。信号処理部508で処理された信号が、信号解析部510に供給される。信号解析部510は、例えば、脳磁計測のための特定の信号を抽出する。信号解析部510において、例えば、信号位相を整合させる信号解析が行われる。
【0228】
信号解析部510の出力(信号解析が終了したデータ)が、データ処理部512に供給される。データ処理部512では、データ解析が行われる。このデータ解析において、例えば、MRI(Magnetic Resonance Imaging)などの画像データが取り入られることが可能である。このデータ解析においては、例えば、EEG(Electroencephalogram)などの頭皮電位情報などが取り入れられることが可能である。データ解析により、例えば、神経発火点解析、または、逆問題解析などが行われる。
【0229】
データ解析の結果は、例えば、画像化診断部516に供給される。画像化診断部516において、画像化が行われる。画像化により、診断が支援される。
【0230】
上記の一連の動作は、例えば、制御機構502によって制御される。例えば、一次信号データ、または、データ処理途中のメタデータなどの必要なデータは、データサーバに保存される。データサーバと制御機構とは、一体化されても良い。
【0231】
本実施形態に係る診断装置500は、磁気センサ150と、磁気センサ150から得られる信号を処理する処理部と、を含む。この処理部は、例えば、信号処理部508及びデータ処理部512の少なくともいずれかを含む。処理部は、例えば、コンピュータなどを含む。
【0232】
図28に示す磁気センサ150では、磁気センサ部301は、人体の頭部に設置されている。磁気センサ部301は、人体の胸部に設置されても良い。これにより、心磁測定が可能となる。例えば、磁気センサ部301を妊婦の腹部に設置しても良い。これにより、胎児の心拍検査を行うことができる。
【0233】
被験者を含めた磁気センサ装置は、シールドルーム内に設置されるのが好ましい。これにより、例えば、地磁気または磁気ノイズの影響が抑制できる。
【0234】
例えば、人体の測定部位、または、磁気センサ部301を局所的にシールドする機構を設けても良い。例えば、磁気センサ部301にシールド機構を設けても良い。例えば、信号解析またはデータ処理において、実効的なシールドを行っても良い。
【0235】
実施形態において、基体302は、柔軟性を有しても良く、柔軟性を実質的に有しなくても良い。
図28に示す例では、基体302は、連続した膜を帽子状に加工したものである。基体302は、ネット状でも良い。これにより、例えば、良好な装着性が得られる。例えば、基体302の人体への密着性が向上する。基体302は、ヘルメット状で、硬質でも良い。
【0236】
図29は、第4実施形態に係る別の磁気センサを示す模式図である。
図29に示す例では、平板状の硬質の基体305上に磁気センサ部301が設けられる。
【0237】
図29に示した例において、磁気センサ部301から得られる信号の入出力は、
図28に関して説明した入出力と同様である。
図29に示した例において、磁気センサ部301から得られる信号の処理は、
図28に関して説明した処理と同様である。
【0238】
生体から発生する磁界などの微弱な磁界を計測する装置として、SQUID (Superconducting Quantum Interference Device:超伝導量子干渉素子)磁気センサを用いる参考例がある。この参考例においては、超伝導を用いるため、装置が大きく、消費電力も大きい。測定対象(患者)の負担が大きい。
【0239】
実施形態によれば、装置が小型にできる。消費電力を抑制できる。測定対象(患者)の負担が軽減できる。実施形態によれば、磁界検出のSN比を向上できる。検出感度を向上できる。
【0240】
実施形態は、以下の構成(例えば技術案)を含んでも良い。
(構成1)
第1磁性層と、第1対向磁性層と、前記第1磁性層と前記第1対向磁性層との間に設けられた第1非磁性層と、を含み、前記第1対向磁性層から前記第1磁性層への方向は第1方向に沿う、第1素子と、
前記第1方向と交差する第2方向に沿って延びる第1配線と、
前記第2方向に沿って延びる第1制御配線と、
第1磁性部であって、前記第1磁性部は第1領域及び第1対向領域を含み、前記第1領域から前記第1対向領域への方向は前記第1方向に沿い、前記第1配線の少なくとも一部、及び、前記第1制御配線の少なくとも一部は、前記第1領域と前記第1対向領域との間にある、前記第1磁性部と、
を備えた磁気センサ。
【0241】
(構成2)
前記第2方向に沿って延びる第1サイド配線と、
前記第2方向に沿って延びる第1サイド制御配線と、
第1サイド磁性部と、
をさらに備え、
前記第1サイド磁性部は、前記第1サイド領域及び前記第1サイド対向領域を含み、前記第1サイド領域から前記第1サイド対向領域への方向は前記第1方向に沿い、
前記第1サイド配線の少なくとも一部、及び、前記第1サイド制御配線の少なくとも一部は、前記第1サイド領域と前記第1サイド対向領域との間にあり、
前記第1素子の、前記第1方向及び前記第2方向を含む平面と交差する第3方向における位置は、前記第1配線の前記第3方向における位置と、前記第1サイド配線の前記第3方向における位置と、の間にある、構成1記載の磁気センサ。
【0242】
(構成3)
前記第1磁性部の前記第3方向に沿う長さは、前記第1サイド磁性部の前記第3方向に沿う長さよりも長い、構成2記載の磁気センサ。
【0243】
(構成4)
第1交流回路と、
第1制御回路と、
をさらに備え、
前記第1配線及び前記第1サイド配線は、並列に電気的に接続され、
前記第1交流回路は、前記第1配線及び前記第1サイド配線に交流電流を供給し、
前記第1制御配線及び前記第1サイド制御配線は、並列に電気的に接続され、
前記第1制御回路は、前記第1制御配線及び前記第1サイド制御配線に、直流成分を含む第1信号を供給する、構成2または3に記載の磁気センサ。
【0244】
(構成5)
第1交流回路と、
第1制御回路と、
をさらに備え、
前記第1交流回路は、前記第1配線に前記第1交流電流を供給し、
前記第1制御回路は、前記第1制御配線に、直流成分を含む第1信号を供給する、構成1~3のいずれか1つに記載の磁気センサ。
【0245】
(構成6)
第2素子と、
第2配線と、
第2制御配線と、
第2磁性部と、
をさらに備え、
前記第2素子は、第2磁性層と、第2対向磁性層と、前記第2磁性層と前記第2対向磁性層との間に設けられた第2非磁性層と、を含み、前記第2対向磁性層から前記第2磁性層への方向は前記第1方向に沿い、
前記第2配線は、前記第2方向に延び、
前記第2制御配線は、前記第2方向に延び、
前記第2磁性部は、第2領域及び第2対向領域を含み、前記第2領域から前記第2対向領域への方向は前記第1方向に沿い、
前記第2配線の少なくとも一部、及び、前記第2制御配線の少なくとも一部は、前記第2領域と前記第2対向領域との間にある、構成2または3に記載の磁気センサ。
【0246】
(構成7)
前記第2方向に沿って延びる第2サイド配線と、
前記第2方向に沿って延びる第2サイド制御配線と、
第2サイド磁性部と、
をさらに備え、
前記第2サイド磁性部は、第2サイド領域及び第2サイド対向領域を含み、前記第2サイド領域から前記第2サイド対向領域への方向は前記第1方向に沿い、
前記第2サイド配線の少なくとも一部、及び、前記第2サイド制御配線の少なくとも一部は、前記第2サイド領域と前記第2サイド対向領域との間にあり、
前記第2素子の前記第3方向における位置は、前記第2配線の前記第3方向における位置と、前記第2サイド配線の前記第3方向における位置と、の間にある、構成6記載の磁気センサ。
【0247】
(構成8)
前記第1配線は、第1配線端部と、第1配線他端部と、を含み、前記第1配線端部から前記第1他端部への方向は、前記第2方向に沿い、
前記第1サイド配線は、第1サイド配線端部と、第1サイド配線他端部と、を含み、前記第1サイド配線端部から前記第1サイド配線他端部への方向は、前記第2方向に沿い、
前記第1配線端部から前記第1サイド配線端部への方向は、前記第3方向に沿い、
前記第1配線他端部から前記第1サイド配線他端部への方向は、前記第3方向に沿い、
前記第1配線端部と前記第1サイド配線端部とは、互いに電気的に接続され、
前記第1配線他端部と前記第1サイド配線他端部とは、互いに電気的に接続され、
前記第2配線は、第2配線端部と、第2配線他端部と、を含み、前記第2配線端部から前記第2配線他端部への方向は、前記第2方向に沿い、
前記第2サイド配線は、第2サイド配線端部と、第2サイド配線他端部と、を含み、前記第2サイド配線端部から前記第2サイド配線他端部への方向は、前記第2方向に沿い、
前記第2サイド配線端部から前記第2配線端部への方向は、前記第3方向に沿い、
前記第2サイド配線他端部から前記第2配線他端部への方向は、前記第3方向に沿い、
前記第2配線端部と前記第2サイド配線端部とは、互いに電気的に接続され、
前記第2配線他端部と前記第2サイド配線他端部とは、互いに電気的に接続され、
前記第2配線端部は、前記第1配線端部と電気的に接続され、
前記第1制御配線は、第1制御配線端部と、第1制御配線他端部と、を含み、前記第1制御配線端部から前記第1制御配線他端部への方向は、前記第2方向に沿い、
前記第1サイド制御配線は、第1サイド制御配線端部と、前記第1サイド制御配線他端部と、を含み、前記第1サイド制御配線端部から前記第1サイド制御配線他端部への方向は、前記第2方向に沿い、
前記第1制御配線端部から前記第1サイド制御配線端部への方向は、前記第3方向に沿い、
前記第1制御配線他端部から前記第1サイド制御配線他端部への方向は、前記第3方向に沿い、
前記第1制御配線端部と前記第1サイド制御配線端部とは、互いに電気的に接続され、
前記第1制御配線他端部と前記第1サイド制御配線他端部とは、互いに電気的に接続され、
前記第2制御配線は、第2制御配線端部と、第2制御配線他端部と、を含み、前記第2制御配線端部から前記第2制御配線他端部への方向は、前記第2方向に沿い、
前記第2サイド制御配線は、第2サイド制御配線端部と、第2サイド制御配線他端部と、を含み、前記第2サイド制御配線端部から前記第2サイド制御配線他端部への方向は、前記第2方向に沿い、
前記第2サイド制御配線端部から前記第2制御配線端部への方向は、前記第3方向に沿い、
前記第2サイド制御配線他端部から前記第2制御配線他端部への方向は、前記第3方向に沿い、
前記第2制御配線端部と前記第2サイド制御配線端部とは、互いに電気的に接続され、
前記第2制御配線他端部と前記第2サイド制御配線他端部とは、互いに電気的に接続され、
前記第2制御配線端部は、前記第1制御配線端部と電気的に接続された、構成7記載の磁気センサ。
【0248】
(構成9)
前記第2制御配線他端部は、前記第1制御配線他端部と電気的に接続された、構成8記載の磁気センサ。
【0249】
(構成10)
第1交流回路と、
第1制御回路と、
をさらに備え、
前記第1交流回路は、前記第1配線他端部、及び、前記第2配線他端部と電気的に接続され、前記第1配線、前記第1サイド配線、前記第2配線及び前記第2サイド配線に交流電流を供給し、
前記第1制御回路は、前記第1制御配線端部及び前記第1制御配線他端部と電気的に接続され、前記第1制御配線、前記第1サイド制御配線、前記第2制御配線、及び、前記第2サイド制御配線に、直流成分を含む第1信号を供給する、構成8記載の磁気センサ。
【0250】
(構成11)
第3素子と、
第3配線と、
第3制御配線と、
第3磁性部と、
第4素子と、
第4配線と、
第4制御配線と、
第4磁性部と、
をさらに備え、
前記第3素子は、第3磁性層と、第3対向磁性層と、前記第3磁性層と前記第3対向磁性層との間に設けられた第3非磁性層と、を含み、前記第3対向磁性層から前記第3磁性層への方向は前記第1方向に沿い、
前記第3配線は、前記第2方向に延び、
前記第3制御配線は、前記第2方向に延び、
前記第3磁性部は、第3領域及び第3対向領域を含み、前記第3領域から前記第3対向領域への方向は前記第1方向に沿い、前記第3配線の少なくとも一部及び前記第3制御配線の少なくとも一部は、前記第3領域と前記第3対向領域との間にあり、
前記第4素子は、第4磁性層と、第4対向磁性層と、前記第4磁性層と前記第4対向磁性層との間に設けられた第4非磁性層と、を含み、前記第4対向磁性層から前記第4磁性層への方向は前記第1方向に沿い、
前記第4配線は、前記第2方向に延び、
前記第4制御配線は、前記第2方向に延び、
前記第4磁性部は、第4領域及び第4対向領域を含み、前記第4領域から前記第4対向領域への方向は前記第2方向に沿い、前記第4配線の少なくとも一部及び前記第4制御配線の少なくとも一部は、前記第4領域と前記第4対向領域との間にあり、
前記第3配線は、第3配線端部と、第3配線他端部と、を含み、前記第3配線端部から前記第3配線他端部への方向は、前記第2方向に沿い、
前記第4配線は、第4配線端部と、第4配線他端部と、を含み、前記第4配線端部から前記第4配線他端部への方向は、前記第2方向に沿い、
前記第3配線他端部は、前記第4配線他端部と電気的に接続され、
前記第3配線端部は、前記第1配線他端部と電気的に接続され、
前記第4配線端部は、前記第2配線他端部と電気的に接続された、構成8記載の磁気センサ。
【0251】
(構成12)
前記第3制御配線は、第3制御配線端部と、第3制御配線他端部と、を含み、前記第3制御配線端部から前記第3制御配線他端部への方向は、前記第2方向に沿い、
前記第4制御配線は、第4制御配線端部と、第4制御配線他端部と、を含み、前記第4制御配線端部から前記第4制御配線他端部への方向は、前記第2方向に沿い、
前記第3制御配線他端部は、前記第4制御配線他端部と電気的に接続され、
前記第3制御配線端部は、前記第1制御配線他端部と電気的に接続され、
前記第4制御配線端部は、前記第2制御配線他端部と電気的に接続された、構成11記載の磁気センサ。
【0252】
(構成13)
前記第2方向に沿って延びる第3サイド配線と、
前記第2方向に沿って延びる第3サイド制御配線と、
第3サイド磁性部と、
前記第2方向に沿って延びる第4サイド配線と、
前記第2方向に沿って延びる第4サイド制御配線と、
第4サイド磁性部と、
をさらに備え、
前記第3サイド磁性部は、第3サイド領域及び第3サイド対向領域を含み、前記第3サイド領域から前記第3サイド対向領域への方向は前記第1方向に沿い、
前記第3サイド配線の少なくとも一部、及び、前記第3サイド制御配線の少なくとも一部は、前記第3サイド領域と前記第3サイド対向領域との間にあり、
前記第3素子の前記第3方向における位置は、前記第3配線の前記第3方向における位置と、前記第3サイド配線の前記第3方向における位置と、の間にあり、
前記第4サイド磁性部は、第4サイド領域及び第4サイド対向領域を含み、前記第4サイド領域から前記第4サイド対向領域への方向は前記第1方向に沿い、
前記第4サイド配線の少なくとも一部、及び、前記第4サイド制御配線の少なくとも一部は、前記第4サイド領域と前記第4サイド対向領域との間にあり、
前記第4素子の前記第3方向における位置は、前記第4配線の前記第3方向における位置と、前記第4サイド配線の前記第3方向における位置と、の間にある、構成12記載の磁気センサ。
【0253】
(構成14)
前記第3サイド配線は、第3サイド配線端部と、第3サイド配線他端部と、を含み、前記第3サイド配線端部から前記第3サイド配線他端部への方向は、前記第2方向に沿い、
前記第3配線端部から前記第3サイド配線端部への方向は、前記第3方向に沿い、
前記第3配線他端部から前記第3サイド配線他端部への方向は、前記第3方向に沿い、
前記第3配線端部及び前記第3サイド配線端部は、前記第1配線他端部と電気的に接続され、
前記第1配線他端部と前記第1サイド配線他端部とは、互いに電気的に接続され、
前記第4サイド配線は、第4サイド配線端部と、第4サイド配線他端部と、を含み、前記第4サイド配線端部から前記第4サイド配線他端部への方向は、前記第2方向に沿い、
前記第4サイド配線端部から前記第4配線端部への方向は、前記第3方向に沿い、
前記第4サイド配線他端部から前記第4配線他端部への方向は、前記第3方向に沿い、
前記第4配線端部及び前記第4サイド配線端部は、前記第2配線端部と電気的に接続され、
前記第4配線他端部と前記第4サイド配線他端部とは、互いに電気的に接続され、
前記第4配線他端部は、前記第4配線他端部と電気的に接続され、
前記第3サイド制御配線は、第3サイド制御配線端部と、第3サイド制御配線他端部と、を含み、前記第3サイド制御配線端部から前記第3サイド制御配線他端部への方向は、前記第2方向に沿い、
前記第3制御配線端部から前記第3サイド制御配線端部への方向は、前記第3方向に沿い、
前記第3制御配線他端部から前記第3サイド制御配線他端部への方向は、前記第3方向に沿い、
前記第3制御配線端部及び前記第3サイド制御配線端部は、前記第1制御配線他端部と電気的に接続され、
前記第4サイド制御配線は、第4サイド制御配線端部と、第4サイド制御配線他端部と、を含み、前記第4サイド制御配線端部から前記第4サイド制御配線他端部への方向は、前記第2方向に沿い、
前記第4サイド制御配線端部から前記第4制御配線端部への方向は、前記第3方向に沿い、
前記第4サイド制御配線他端部から前記第4制御配線他端部への方向は、前記第3方向に沿い、
前記第4制御配線端部及び前記第4サイド制御配線端部は、前記第2制御配線他端部と電気的に接続され、
前記第4制御配線他端部及び前記第4サイド制御配線他端部は、前記第3制御配線他端部と電気的に接続された、構成13記載の磁気センサ。
【0254】
(構成15)
第1交流回路と、
第1制御回路と、
をさらに備え、
前記第1交流回路は、前記第1配線他端部及び前記第2配線他端部と電気的に接続され、前記第1配線、前記第1サイド配線、前記第2配線、前記第2サイド配線、前記第3配線、前記第3サイド配線、前記第4配線及び前記第4サイド配線に交流電流を供給し、
前記第1制御回路は、前記第1制御配線端部及び前記第3制御配線他端部と電気的に接続され、前記第1制御配線、前記第1サイド制御配線、前記第2制御配線、前記第2サイド制御配線、前記第3制御配線、前記第3サイド制御配線、前記第4制御配線、及び、第4サイド制御配線に、直流成分を含む第1信号を供給する、構成14記載の磁気センサ。
【0255】
(構成16)
前記第1素子は、第1素子端部及び第1素子他端部を含み、前記第1素子端部から前記第1素子他端部への方向は、前記第2方向に沿い、
前記第2素子は、第2素子端部及び第2素子他端部を含み、前記第2素子端部から前記第2素子他端部への方向は、前記第2方向に沿い、
前記第3素子は、第3素子端部及び第3素子他端部を含み、前記第3素子端部から前記第3素子他端部への方向は、前記第2方向に沿い、
前記第4素子は、第4素子端部及び第4素子他端部を含み、前記第4素子端部から前記第4素子他端部への方向は、前記第2方向に沿い、
前記第3素子端部は、前記第1素子他端部と電気的に接続され、
前記第4素子端部は、前記第2素子他端部と電気的に接続され、
前記第2素子端部は、前記第1素子端部と電気的に接続され、
前記第4素子他端部は、前記第3素子他端部と電気的に接続された、構成15記載の磁気センサ。
【0256】
(構成17)
第2回路をさらに備え、
前記第2回路は、前記第1素子端部と前記第3素子他端部との間に直流電圧を供給する、構成16記載の磁気センサ。
【0257】
(構成18)
第3回路をさらに備え、
前記第3素子端部と前記第1素子他端部との接続点、及び、前記第4素子端部と前記第2素子他端部との接続点、の間の電位を検出する可能である、構成17記載の磁気センサ。
【0258】
(構成19)
第1磁性層と、第1対向磁性層と、前記第1磁性層と前記第1対向磁性層との間に設けられた第1非磁性層と、を含み、前記第1対向磁性層から前記第1磁性層への方向は第1方向に沿う、第1素子と、
前記第1方向と交差する第2方向に沿って延びる第1配線と、
磁性体を含む第1制御配線であって、前記第1制御配線は、第1制御配線端部と第1制御配線他端部とを含み、前記第1制御配線端部から前記第1制御配線他端部への方向は、前記第2方向に沿い、前記第1方向における前記第1素子の位置は、前記第1方向における前記第1配線の位置と、前記第1方向における前記第1制御配線の位置と、の間にある、前記第1制御配線と、
前記第1制御配線端部と電気的に接続された第1端子と、
前記第1制御配線他端部と電気的に接続された第2端子と、
を備えた磁気センサ。
【0259】
(構成20)
第1制御回路と、
第1交流回路と、
第2回路と、
第2磁性層と、第2対向磁性層と、前記第2磁性層と前記第2対向磁性層との間に設けられた第2非磁性層と、を含み、前記第2対向磁性層から前記第2磁性層への方向は前記第1方向に沿う、第2素子と、
前記第2方向に沿って延びる第2配線と、
第3磁性層と、第3対向磁性層と、前記第3磁性層と前記第3対向磁性層との間に設けられた第3非磁性層と、を含み、前記第3対向磁性層から前記第3磁性層への方向は前記第1方向に沿う、第3素子と、
前記第2方向に沿って延びる第3配線と、
第4磁性層と、第4対向磁性層と、前記第4磁性層と前記第4対向磁性層との間に設けられた第4非磁性層と、を含み、前記第4対向磁性層から前記第4磁性層への方向は前記第1方向に沿う、第4素子と、
前記第2方向に沿って延びる第4配線と、
をさらに備え、
前記第1制御配線の少なくとも一部は、前記第1方向において、前記第1素子、前記第2素子、前記第3素子、前記第4素子、前記第1配線、前記第2配線、前記第3配線及び前記第4配線と重なり、
前記第1素子は、第1素子端部及び第1素子他端部を含み、前記第1素子端部から前記第1素子他端部への方向は、前記第2方向に沿い、
前記第2素子は、第2素子端部及び第2素子他端部を含み、前記第2素子端部から前記第2素子他端部への方向は、前記第2方向に沿い、
前記第3素子は、第3素子端部及び第3素子他端部を含み、前記第3素子端部から前記第3素子他端部への方向は、前記第2方向に沿い、
前記第4素子は、第4素子端部及び第4素子他端部を含み、前記第4素子端部から前記第4素子他端部への方向は、前記第2方向に沿い、
前記第2素子端部は、前記第1素子端部と電気的に接続され、
前記第3素子端部は、前記第1素子他端部と電気的に接続され、
前記第4素子端部は、前記第2素子他端部と電気的に接続され、
前記第4素子他端部は、前記第3素子他端部と電気的に接続され、
前記第2回路は、前記第1素子端部と前記第3素子他端部と電気的に接続され、
前記第1配線は、第1配線端部及び第1配線他端部を含み、前記第1配線端部から前記第1配線他端部への方向は、前記第2方向に沿い、
前記第2配線は、第2配線端部及び第2配線他端部を含み、前記第2配線端部から前記第2配線他端部への方向は、前記第2方向に沿い、
前記第3配線は、第3配線端部及び第3配線他端部を含み、前記第3配線端部から前記第3配線他端部への方向は、前記第2方向に沿い、
前記第4配線は、第4配線端部及び第4配線他端部を含み、前記第4配線端部から前記第4配線他端部への方向は、前記第2方向に沿い、
前記第2配線端部は、前記第1配線端部と電気的に接続され、
前記第3配線端部は、前記第1配線他端部と電気的に接続され、
前記第4配線端部は、前記第2配線他端部と電気的に接続され、
前記第4配線他端部は、前記第3配線他端部と電気的に接続され、
前記第1交流回路は、前記第1配線他端部と前記第2配線他端部との間に交流電流を供給する、構成18記載の磁気センサ。
【0260】
(構成21)
第1磁性部をさらに備え、
前記第1方向における前記第1磁性部の位置は、前記第1方向における前記第1配線の前記位置と、前記第1方向における前記第1制御配線の少なくとも一部の位置と、の間にある、構成19または20に記載の磁気センサ。
【0261】
(構成22)
第1サイド磁性部をさらに備え、
前記第1方向における前記第1サイド磁性部の位置は、前記第1方向における前記第1配線の前記位置と、前記第1方向における前記第1制御配線の前記少なくとも一部の前記位置と、の間にあり、
前記第1素子の、前記第1方向及び前記第2方向を含む平面と交差する第3方向における位置は、前記第1磁性部の前記第3方向における位置と、前記第1サイド磁性部の前記第3方向における位置と、の間にある、構成20記載の磁気センサ。
【0262】
(構成23)
前記第1配線の少なくとも一部の前記第3方向における位置は、前記第1磁性部の前記第3方向における前記位置と、前記第1サイド磁性部の前記第3方向における前記位置と、の間にある、構成22記載の磁気センサ。
【0263】
(構成24)
前記第1制御配線の第1サイド部は、前記第3方向において、前記第1磁性部と前記第1サイド磁性部との間にある、構成22または23に記載の磁気センサ。
【0264】
(構成25)
前記第1磁性部から前記第1制御配線の第1部分への方向は、前記第1方向に沿い、
前記第1部分の前記第1方向に沿う長さは、前記第1サイド部の前記第1方向に沿う長さよりも長い、構成24記載の磁気センサ。
【0265】
(構成26)
構成1~25のいずれか1つに記載の磁気センサと、
前記磁気センサから得られる信号を処理する処理部と、
を備えた診断装置。
【0266】
実施形態によれば、検出感度の向上が可能な磁気センサ、センサモジュール及び診断装置が提供できる。
【0267】
本願明細書において、「垂直」及び「平行」は、厳密な垂直及び厳密な平行だけではなく、例えば製造工程におけるばらつきなどを含むものであり、実質的に垂直及び実質的に平行であれば良い。
【0268】
以上、具体例を参照しつつ、本発明の実施の形態について説明した。しかし、本発明は、これらの具体例に限定されるものではない。例えば、磁気センサに含まれる素子、磁性部、磁性層、非磁性層、配線、制御配線、抵抗部及び回路などの各要素の具体的な構成に関しては、当業者が公知の範囲から適宜選択することにより本発明を同様に実施し、同様の効果を得ることができる限り、本発明の範囲に包含される。
【0269】
また、各具体例のいずれか2つ以上の要素を技術的に可能な範囲で組み合わせたものも、本発明の要旨を包含する限り本発明の範囲に含まれる。
【0270】
その他、本発明の実施の形態として上述した磁気センサ、センサモジュール及び診断装置を基にして、当業者が適宜設計変更して実施し得る全ての磁気センサ、センサモジュール及び診断装置も、本発明の要旨を包含する限り、本発明の範囲に属する。
【0271】
その他、本発明の思想の範疇において、当業者であれば、各種の変更例及び修正例に想到し得るものであり、それら変更例及び修正例についても本発明の範囲に属するものと解される。
【0272】
本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
【符号の説明】
【0273】
11~14…第1~第4磁性層、 11E~14E…第1~第4素子、 11Ee~14Ee…第1~第4素子端部、 11Ef~14Ef…第1~第4素子他端部、 11c~14c…第1~第4対向磁性層、 11n~14n…第1~第4非磁性層、 21~24…第1~第4配線、 21B~24B…第1~第4サイド配線、 21BH、21H…磁束、 21Be~24Bf…第1~第4サイド配線端部、 21Bf~24Bf…第1~第4サイド配線他端部、 21CB~24CB…第1~第4サイド制御配線、 21CBe~24CBe…第1~第4サイド制御配線端部、 21CBf~24CBf…第1~第4サイド制御配線他端部、 21Ca、21Cb…第1、第2部分、 21Cc…一部、 21Ce~24Ce…第1~第4制御配線端部、 21Cf~24Cf…第1~第4制御配線他端部、 21Cp~21Cr…第1~第3サイド部、 21Cs~21Cv…第1~第4部分、 21e~24e…第1~第4端部、 21f~24f…第1~第4他端部、 30i…絶縁領域、 31~34…第1~第4磁性部、 31B~34B…第1~第4サイド磁性部、 31Ba~34Ba…第1~第4サイド領域、 31Bb~34Bb…第1~第4サイド対向領域、 31Bp…一部、 31Bi~34Bi…絶縁領域、 31Bsa~34Bsa…領域、 31Bsb~34Bsb…領域、 31CBi~34CBi…絶縁領域、 31Ci~34Ci…絶縁領域、 31a~34a…第1~第4領域、 31b~34b…第1~第4対向領域、 31i~34i…絶縁領域、 31p…一部、 31sa~34sa…領域、 31sb~34sb…領域、 71…第1交流回路、 71C…第1制御回路、 72、73…第2、第3回路、 73a、73b、73p…接続点、 110、110A、111、112、112a、113、114、120~124、150…磁気センサ、 210、211、214、220~224…センサモジュール、 301…磁気センサ部、 302…基体、 303…入出力配線、 305…基体、 500…診断装置、 502…制御機構、 504…信号入出力部、 506…磁気センサ駆動部、 508…信号処理部、 510…信号解析部、 512…データ処理部、 516…画像化診断部、 E1、E2…電圧、 Ha1、Ha2…第1、第2交流磁界、 Hax…交流磁界、 Hm、Hx…磁界、 Ia1~Ia4…交流電流、 IaB1~IaB4…交流電流、 Ic1~Ic4…電流、 IcB~IcB4…電流、 Id1~Id4…電流、 L1~L4、LB1~LB4…長さ、 P1~P4…第1~第4接続点、 R0、Rx…電気抵抗、 R1~R4…第1~第4抵抗部、 Sig0…出力信号、 Sigx…信号、 T1…第1周期、 TL1、TL2…第1、第2端子、 f1…第1周波数、 tm…時間、 tz1、tz2…長さ