(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-05-13
(45)【発行日】2024-05-21
(54)【発明の名称】テープフィーダ、および部品実装装置
(51)【国際特許分類】
H05K 13/02 20060101AFI20240514BHJP
【FI】
H05K13/02 C
(21)【出願番号】P 2020154254
(22)【出願日】2020-09-15
(62)【分割の表示】P 2017554715の分割
【原出願日】2015-12-09
【審査請求日】2020-09-15
【審判番号】
【審判請求日】2022-12-23
(73)【特許権者】
【識別番号】000237271
【氏名又は名称】株式会社FUJI
(74)【代理人】
【識別番号】110000992
【氏名又は名称】弁理士法人ネクスト
(72)【発明者】
【氏名】伊藤 明伸
【合議体】
【審判長】平城 俊雅
【審判官】内田 博之
【審判官】中屋 裕一郎
(56)【参考文献】
【文献】特開2013-162104(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H05K 13/00-08
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
キャリアテープに複数のラジアルリード部品がテーピングされたテープ化部品の前記キャリアテープに係合して前記テープ化部品を立設された状態で供給位置に向かって送出する送出装置と、
前記送出装置に送出され前記供給位置に位置決めされた前記キャリアテープ
の一方の側の面と対向する面である固定側平坦面を備える固定的に配設された固定部材と、
前記供給位置に位置決めされた前記キャリアテープの他方の側の面と対向する面である揺動側平坦面を備える揺動可能に配設された揺動部材と、
前記揺動部材に設けられ、前記供給位置に位置決めされ前記キャリアテープにテーピングされたラジアルリード部品の1対のリードに入り込んで位置決めする1対の切欠部を備える位置決めプレートと、
前記
固定側平坦面と前記揺動側平坦面とによって
狭持され
前記位置決めプレートによって位置決めされた前記
キャリアテープにテーピングされたラジアルリード部品の
1対のリードを切断するカッタと、
を備え、
前記揺動部材が揺動することで、前記供給位置に位置決めされた前記キャリアテープにテーピングされたラジアルリード部品の1対のリードを前記揺動側平坦面が前記固定側平坦面に近接する方向に移動して挟持し、前記ラジアルリード部品の1対のリードに前記位置決めプレートが備える1対の切欠部が入り込んで位置決めし、カッタが前記揺動側平坦面と前記固定側平坦面とによって挟持され前記位置決めプレートによって位置決めされた前記ラジアルリード部品の1対のリードを前記ラジアルリード部品が切り離されたのちの前記キャリアテープにテーピングされ残存したリードが前記キャリアテープの幅方向から突出する位置
で切断して前記キャリアテープからラジアルリード部品を切り離す
ことで、前記供給位置
で前記
キャリアテープから切り離したラジアルリード部品を
倒れないようにして供給するテープフィーダであって、
長手形状をなすカム板を前記送出装置が前記テープ化部品を供給位置に向かって送出する方向に直線的に移動させると、前記カム板における一方の面にあるカム面の前記カム板が移動する方向とは交差する方向であって前記テープフィーダの幅方向への変位に伴って、前記カッタと前記
揺動側平坦面と前記位置決めプレートとが前記カム板が移動する方向とは交差する方向であって前記テープフィーダの幅方向に作動するテープフィーダ。
【請求項2】
前記送出装置は、前記カッタが前記リードを切断するときに、停止した状態の前記キャリアテープに停止した状態で係合している請求項1に記載のテープフィーダ。
【請求項3】
前記カム板はひとつの駆動源で移動する請求項1または請求項2に記載のテープフィーダ。
【請求項4】
回路基板を搬送して保持する基板搬送保持装置と、
キャリアテープに複数のラジアルリード部品がテーピングされたテープ化部品の前記キャリアテープに係合して前記テープ化部品を立設された状態で供給位置に向かって送出装置が送出し、
揺動部材が揺動することで、前記送出装置に送出され前記供給位置に位置決めされた前記キャリアテープにテーピングさ
れラジアルリード部品の部品本体から鉛直方向に延び出した
1対のリード
を挟んだ状態で対向している1対の面である揺動部材に設けられた揺動側平坦面が固定部材に設けられた固定側平坦面に近接する方向に移動して前記ラジアルリード部品の
1対のリードを
狭持し、
前記ラジアルリード部品の1対のリードに前記揺動部材に設けられた位置決めプレートが備える1対の切欠部が入り込んで前記1対のリードを位置決めし、カッタが前記揺動側平坦面と前記固定側平坦面とによって挟持され前記位置決めプレートによって位置決めされた前記ラジアルリード部品の1対のリードを前記ラジアルリード部品が切り離されたのちの前記キャリアテープにテーピングされ残存したリードが前記キャリアテープの幅方向から突出する位置で切断
して前記キャリアテープからラジアルリード部品を切り離すことで、前記供給位置において
前記キャリアテープから切り離したラジアルリード部品を
倒れないように供給するものであって、長手形状をなすカム板を前記送出装置が前記テープ化部品を供給位置に向かって送出する方向に直線的に移動させると、前記カム板における一方の面にあるカム面の前記カム板が移動する方向とは交差する方向であっ
てテープフィーダの幅方向の変位に伴って、前記カッタと前記
揺動側平坦面と前記位置決めプレートとが前記カム板が移動する方向とは交差する方向であって前記テープフィーダの幅方向に作動するテープフィーダと、
前記テープフィーダの供給位置で供給されたリード部品を保持して前記基板搬送保持装置に保持された前記回路基板に装着する部品装着装置と、
を備えた部品実装装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、テープ化部品からリード部品を供給するテープフィーダ、および部品実装装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
テープ化部品からリード部品を供給するテープフィーダでは、テープ化部品からリード部品が切り離され、その切り離されたリード部品が供給される。下記特許文献には、そのようなテープフィーダの一例が記載されている。
【0003】
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明の課題は、リード部品を供給位置で安定的に供給することである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記課題を解決するために、本発明に記載のテープフィーダは、キャリアテープに複数のリード部品がテーピングされたテープ化部品の前記キャリアテープに係合して前記テープ化部品を供給位置に向かって送出する送出装置と、前記キャリアテープにテーピングされたリード部品のリードを切断する切断装置と、を備え、前記切断装置は、リード部品の部品本体から延び出し前記キャリアテープにテーピングされたリードを切断するものであり、かつ前記リード部品が切り離されたのちの前記キャリアテープにテーピングされ残存したリードが前記キャリアテープの幅方向から突出する位置で前記リードを切断して、前記キャリアテープから切り離したリード部品を前記供給位置で供給することを特徴とする。また、上記課題を解決するために、本発明に記載の部品実装装置は、回路基板を搬送して保持する基板搬送保持装置と、キャリアテープにテーピングされたリード部品のリードを、リード部品が切り離されたのちの前記キャリアテープにテーピングされたリードが前記キャリアテープの幅方向から突出する位置で切断して、前記キャリアテープにテーピングされたリード部品を切り離し、前記キャリアテープから切り離したリード部品のリードを保持して供給位置において供給するテープフィーダと、前記テープフィーダの供給位置で供給されたリード部品を保持して前記基板搬送保持装置に保持された前記回路基板に装着する部品装着装置と、を備えたことを特徴とする。
【発明の効果】
【0006】
本発明に記載のテープフィーダ及び部品実装装置によれば、リード部品を供給位置で安定的に供給することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【
図2】部品実装装置の部品装着装置を示す斜視図である。
【
図5】テープフィーダの内部構造を示す斜視図である。
【
図6】テープフィーダの内部構造を示す斜視図である。
【
図7】テープフィーダの内部構造を示す斜視図である。
【
図8】テープフィーダの内部構造を示す斜視図である。
【
図14】切断装置及び、第2送出装置の作動図である。
【
図15】切断装置及び、第2送出装置の作動図である。
【
図16】切断装置及び、第2送出装置の作動図である。
【
図17】切断装置及び、第2送出装置の作動図である。
【
図18】切断装置及び、第2送出装置の作動図である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0008】
以下、本発明を実施するための形態として、本発明の実施例を、図を参照しつつ詳しく説明する。
【0009】
<部品実装装置の構成>
図1に、部品実装装置10を示す。部品実装装置10は、回路基材12に対する部品の実装作業を実行するための装置である。部品実装装置10は、装置本体20、基材搬送保持装置22、部品装着装置24、マークカメラ26、パーツカメラ28、ばら部品供給装置30、部品供給装置32、制御装置(
図13参照)34を備えている。なお、回路基材12として、回路基板、三次元構造の基材等が挙げられ、回路基板として、プリント配線板、プリント回路板等が挙げられる。
【0010】
装置本体20は、フレーム部40と、そのフレーム部40に上架されたビーム部42とによって構成されている。基材搬送保持装置22は、フレーム部40の前後方向の中央に配設されており、搬送装置50とクランプ装置52とを有している。搬送装置50は、回路基材12を搬送する装置であり、クランプ装置52は、回路基材12を保持する装置である。これにより、基材搬送保持装置22は、回路基材12を搬送するとともに、所定に位置において、回路基材12を固定的に保持する。なお、以下の説明において、回路基材12の搬送方向をX方向と称し、その方向に直角な水平の方向をY方向と称し、鉛直方向をZ方向と称する。つまり、部品実装装置10の幅方向は、X方向であり、前後方向は、Y方向である。
【0011】
部品装着装置24は、ビーム部42に配設されており、2台の作業ヘッド60,62と作業ヘッド移動装置64とを有している。各作業ヘッド60,62の下端面には、
図2に示すように、吸着ノズル66が設けられており、その吸着ノズル66によって部品を吸着保持する。また、作業ヘッド移動装置64は、X方向移動装置68とY方向移動装置70とZ方向移動装置72とを有している。そして、X方向移動装置68とY方向移動装置70とによって、2台の作業ヘッド60,62は、一体的にフレーム部40上の任意の位置に移動させられる。また、各作業ヘッド60,62は、スライダ74,76に着脱可能に装着されており、Z方向移動装置72は、スライダ74,76を個別に上下方向に移動させる。つまり、作業ヘッド60,62は、Z方向移動装置72によって、個別に上下方向に移動させられる。
【0012】
マークカメラ26は、下方を向いた状態でスライダ74に取り付けられており、作業ヘッド60とともに、X方向,Y方向およびZ方向に移動させられる。これにより、マークカメラ26は、フレーム部40上の任意の位置を撮像する。パーツカメラ28は、
図1に示すように、フレーム部40上の基材搬送保持装置22と部品供給装置32との間に、上を向いた状態で配設されている。これにより、パーツカメラ28は、作業ヘッド60,62の吸着ノズル66に保持された部品を撮像する。
【0013】
ばら部品供給装置30は、フレーム部40の前後方向での一方側の端部に配設されている。ばら部品供給装置32は、ばらばらに散在された状態の複数の部品を整列させて、整列させた状態で部品を供給する装置である。つまり、任意の姿勢の複数の部品を、所定の姿勢に整列させて、所定の姿勢の部品を供給する装置である。
【0014】
部品供給装置32は、フレーム部40の前後方向での他方側の端部に配設されている。部品供給装置30は、トレイ型部品供給装置78とフィーダ型部品供給装置80とを有している。トレイ型部品供給装置78は、トレイ上に載置された状態の部品を供給する装置である。フィーダ型部品供給装置80は、テープフィーダ82によって部品を供給する装置である。以下に、テープフィーダ82について詳しく説明する。
【0015】
フィーダ型部品供給装置80は、フレーム部40の他方側の端部に固定的に設けられたテープフィーダ保持台83を含む。一方、テープフィーダ82は、
図3に示すように、フィーダ本体部84を含む。そして、テープフィーダ82は、フィーダ本体部84において、テープフィーダ保持台83に着脱可能に装着される。また、テープフィーダ82は、
図4に示すように、第1送出装置85と切断装置86と第2送出装置88と駆動装置90とを有し、テープ化部品からラジアル部品を取り外し、取り外したラジアル部品を供給する装置である。なお、テープフィーダ82の説明において、テープフィーダ82の第2送出装置88が配設されている側を前方側と記載し、その前方側と反対側を後方側と記載する場合がある。
【0016】
テープ化部品100は、
図5に示すように、複数のラジアル部品102とキャリアテープ104とから構成されている。ラジアル部品102は、概して円柱状の本体部106と、その本体部106の底面から延び出す2本のリード108とを含む。そして、ラジアル部品102の2本のリード108が、下端部において、キャリアテープ104にテーピングされている。また、キャリアテープ104には、複数の送り穴110が等ピッチで形成されている。なお、複数のラジアル部品102は、送り穴110の形成ピッチと同ピッチで、キャリアテープ104にテーピングされている。ただし、キャリアテープ104への複数の送り穴110は規格に基づいて等ピッチで形成されているものの、キャリアテープ104へのラジアル部品102のリードの取付ピッチは、送り穴110の形成ピッチと比較すると正確ではない。
【0017】
テープ化部品100は、テープフィーダ82の幅方向のサイズをコンパクト化するべく、立設された状態で、フィーダ本体部84の上面に沿って延設されている。詳しくは、フィーダ本体部84の上面には、
図4に示すように、テープフィーダ82の延びる方向、つまり、Y方向に沿って、溝112が形成されている。その溝112に、テープ化部品100のキャリアテープ104が立設された状態で収容されており、そのキャリアテープ104にテーピングされたラジアル部品102は、溝112から延び出している。なお、テープ化部品100が立設された状態とは、キャリアテープ104とテープフィーダ82の上面とが概して直角に交差する状態であり、キャリアテープ104にテーピングされたリード108が上下方向に延びる状態である。このように、テープ化部品100が立設されることで、テープフィーダ82の幅を狭くすることが可能となる。
【0018】
また、第1送出装置85は、テープ化部品100のキャリアテープ104が収容された溝112の下方に配設されている。第1送出装置85は、
図6に示すように、保持ブロック120と1対の爪部材122と当接ブロック124と伝達ロッド126とスプリング128と揺動機構130とを含む。なお、
図6は、
図5からテープ化部品100を削除した図である。
【0019】
保持ブロック120は、フィーダ本体部84の内部において、前後方向にスライド可能に保持されている。その保持ブロック120の上面には、凹部が形成されており、その凹部において、1対の爪部材122が、前後方向に並んだ状態で、揺動可能に保持されている。爪部材122の先端部は、保持ブロック120の側面から所定量、突出しており、その爪部材122の先端部がテープ化部品100のキャリアテープ104の送り穴110に係合する。なお、爪部材122の先端部は、爪部材122の揺動に伴って、保持ブロック120の内部に向かって後退し、その際に、爪部材122の送り穴110への係合が解除される。また、保持ブロック120の下端面には、当接ブロック124が固定されている。さらに、保持ブロック120のY方向における後端面には、伝達ロッド126がY方向に延びるように固定されている。
【0020】
その伝達ロッド126の外周面には、ロッド側ストッパ132が配設されており、そのロッド側ストッパ132と、フィーダ本体部84に形成された本体部側ストッパ(図示省略)との間に、スプリング128が圧縮された状態で配設されている。これにより、伝達ロッド126が、スプリング128の弾性力によって、保持ブロック120及び当接ブロック124とともに、前方に向かって付勢されている。
【0021】
また、揺動機構130は、1対の爪部材122を揺動させるための機構であり、保持ブロック120が前方に向かって所定量、移動している際に、爪部材122を、それの先端部が保持ブロック120から突出する方向に揺動させる。そして、揺動機構130は、保持ブロック120が前方に向かって所定量、移動した後、および、保持ブロック120が後方に向かって移動している際に、爪部材122を、それの先端部が保持ブロック120の内部に後退する方向に揺動させる。
【0022】
このような構造により、保持ブロック120がスプリング128の弾性力によって前方に向かって所定量、移動する際に、キャリアテープ104の送り穴110に爪部材122が係合した状態で、テープ化部品100が前方に向かって送り出される。そして、保持ブロック120が前方に向かって所定量、移動した後、および、保持ブロック120がスプリング128の弾性力に抗して、後方に向かって移動する際に、キャリアテープ104の送り穴110への爪部材122の係合が解除される。これにより、テープ化部品100が前方に向かって、所定量、送り出された後に、保持ブロック120等が元の位置に戻される。
【0023】
また、切断装置86は、第1送出装置85の前方側、つまり、テープ化部品100の送出方向の下流側に配設されている。切断装置86は、
図7及び
図8に示すように、固定部材140と揺動部材142とローラ143とを含む。固定部材140と揺動部材142とは、第1送出装置85により送り出されたテープ化部品100を挟んで、X方向に並んで配設されている。固定部材140は、テープ化部品100の一方の側の面と対向した状態で、固定的に配設され、揺動部材142は、テープ化部品100の他方の側の面と対向した状態で、揺動可能に配設されている。また、ローラ143は、揺動部材142の下端面において、上下方向に延びる軸(図示省略)により回転可能に保持されている。
【0024】
詳しくは、固定部材140は、
図9に示すように、固定側カッタ保持部144を含む。固定側カッタ保持部144の上端部には、テープ化部品100に向かって突出する突出部146が形成されている。突出部146のテープ化部品100と対向する面は、固定側平坦面148とされており、その固定側平坦面148の下縁が、固定側カッタ150とされている。
【0025】
揺動部材142は、揺動本体部152と可動側カッタ保持部154とリード保持部156と位置決めプレート158とを含む。揺動本体部152は、上下方向に延びる姿勢で配設されており、Y方向に延びるように配設された軸159に揺動可能に保持されている。可動側カッタ保持部154は、概してL字型をなし、それの先端部がテープ化部品100と対向する状態で、揺動本体部152の上端部に固定されている。また、その可動側カッタ保持部154の先端部が、揺動側カッタ162とされている。なお、固定部材140の固定側カッタ150と、揺動部材142の揺動側カッタ162とは、テープ化部品100のキャリアテープ104にテーピングされたリード108を挟んだ状態で対向している。
【0026】
また、リード保持部156は、揺動本体部152と重ねられた状態で、上下方向に延びる姿勢で配設されており、軸159によって揺動可能に保持されている。なお、リード保持部156は、揺動本体部152に向かって、弾性部材(図示省略)により付勢されている。このため、リード保持部156は、揺動本体部152と共に揺動する。また、リード保持部156の上端部は、概してL字型をなし、そのL字型の先端部は、可動側カッタ保持部154の上面に固定された揺動側カッタ162の上方に位置する。さらに、そのリード保持部156のL字型の先端部は、テープ化部品100と対向している。リード保持部156のテープ化部品100と対向する面は、揺動側平坦面166とされている。そして、その揺動側平坦面166と、固定部材140の固定側平坦面148とは、テープ化部品100のキャリアテープ104にテーピングされたリード108を挟んだ状態で対向している。なお、リード保持部156が揺動本体部152と共に揺動している状態で、揺動側平坦面166は、揺動側カッタ162の刃先よりもテープ化部品100側に突出している。
【0027】
また、リード保持部156の上端面には、位置決めプレート158が固定されている。その位置決めプレート158の縁部は、リード保持部156の揺動側平坦面166よりもテープ化部品100側に突出しており、その縁部に、1対の切欠部(
図6参照)160が形成されている。それら1対の切欠部160は、テープ化部品100のラジアル部品102の1対のリード108の線径、及び、ピッチに応じた形状とされている。
【0028】
このような構造により、切断装置86は、揺動部材142の揺動に伴って、キャリアテープ104にテーピングされたリード108を切断し、ラジアル部品102をキャリアテープ104から分離させる。詳しくは、揺動部材142が、それの上端部をテープ化部品100に接近させる方向に向かって揺動する。この際、位置決めプレート158の1対の切欠部160の内部に、キャリアテープ104にテーピングされた1対のリード108が入り込み、位置決めされる。そして、それら1対のリード108が、
図10に示すように、揺動部材142の揺動側平坦面166と、固定部材140の固定側平坦面148とによって挟持される。これにより、それら1対のリード108を有するラジアル部品102が、所定の位置において保持される。
【0029】
次に、揺動部材142が更に揺動されると、リード保持部156は、揺動側平坦面166の固定側平坦面148への接触により、更なる揺動は規制されるが、揺動本体部152は、
図11に示すように、更に揺動する。この際、揺動本体部152に固定されている可動側カッタ保持部154の揺動側カッタ162が、固定部材140の固定側カッタ150に接近し、揺動側平坦面166と固定側平坦面148とによって挟持されている1対のリード108が、揺動側カッタ162と固定側カッタ150とによって切断される。これにより、ラジアル部品102がキャリアテープ104から分離され、そのラジアル部品102が、位置決めプレート158により位置決めされた位置において供給される。つまり、ラジアル部品102のリード108が位置決めプレート158の切欠部160で位置決めされ、揺動側平坦面166と固定側平坦面148とによって挟持されることで、倒れないようにして供給される。なお、上記説明では、ラジアル部品102のリード108が、揺動側平坦面166と固定側平坦面148とによって挟持されることで、倒れないようにして供給されるが、吸着ノズル66等の部品保持具により保持された状態で、ラジアル部品102のリード108が切断されるように構成してもよい。
【0030】
また、第2送出装置88は、
図7及び
図8に示すように、切断装置86の前方側、つまり、テープ化部品100の送出方向の下流側に配設されており、切断装置86によってテープ化部品100からラジアル部品102が分離された状態のキャリアテープ104(以下、「排テープ」と記載する場合がある)を、テープフィーダ82の後方に向かって送り出す。詳しくは、第2送出装置88は、
図12に示すように、回転軸170と内部ローラ172と第1外部ローラ174と第2外部ローラ176とローラカバー178と押え板180とワンウェイクラッチ182とクラッチカバー184とカムフォロア186とを含む。
【0031】
回転軸170は、上下方向に延びる姿勢で、フィーダ本体部84により自転可能に保持されている。その回転軸170の外周面には、軸心方向の概して中央部において、内部ローラ172が外嵌されている。さらに、内部ローラ172の外周面には、軸方向の上端部において、第1外部ローラ174が外嵌され、軸方向の下端部において、第2外部ローラ176が外嵌されている。なお、第1外部ローラ174と第2外部ローラ176とは、軸方向に所定距離、離れた状態で、内部ローラ172の外周面に外嵌されている。また、第1外部ローラ174及び、第2外部ローラ176の外周面には、複数の突起部188が周方向に等ピッチで形成されている。ちなみに、突起部188の形成ピッチは、キャリアテープ104にテーピングされたリード108のピッチと同じとされている。そして、切断装置86によってテープ化部品100からラジアル部品102が分離された状態のキャリアテープ104つまり、排テープが、第1外部ローラ174と第2外部ローラ176との外周面に巻回されている。なお、排テープには、リード108の切断により先端部が残存しており、その残存するリードの配設ピッチは、上述したように正確でない。このような、等ピッチに配設されていない残存リードの影響を考慮して、第1外部ローラ174及び、第2外部ローラ176の外周面には複数の突起部188が形成されており、その第1外部ローラ174及び、第2外部ローラ176に外周面に、排テープが巻回される。
【0032】
ローラカバー178は、
図7及び
図8に示すように、板状の部材が概してU字型に湾曲された形状をなし、第1外部ローラ174及び、第2外部ローラ176を囲むように配設されている。なお、ローラカバー178は、第1外部ローラ174及び、第2外部ローラ176の外周面から離間した状態で配設されている。また、押え板180は、テープ状の板バネであり、それの一端部が、ローラカバー178の外周面に固定されている。そして、ローラカバー178には、押え板180の幅より幅広のスリット190が形成されており、そのスリット190を介して、押え板180がローラカバー178の内部に挿入されている。なお、ローラカバー178の内部に挿入された押え板180は、第1外部ローラ174の下端部の外周面及び、第2外部ローラ176の上端部の外周面と対向している。
【0033】
また、ローラカバー178には、スリット190の隣に、掛止穴192が形成されており、その掛止穴192に、押え板180の他端部が掛止されている。これにより、押え板180が、それの弾性力によって、第1外部ローラ174及び、第2外部ローラ176の外周面に向かって付勢される。つまり、第1外部ローラ174及び、第2外部ローラ176の外周面に巻回されている排テープが、押え板180の弾性力によって、第1外部ローラ174及び、第2外部ローラ176の外周面に押え付けられる。
【0034】
また、回転軸170の外周面の下端部には、ワンウェイクラッチ182が外嵌されている。さらに、そのワンウェイクラッチ182の外周面には、クラッチカバー184が外嵌されている。ワンウェイクラッチ182は、スプラグ式,カム式のものがあるが、例えば、スプラグ式のワンウェイクラッチ182は、環状のインナーレース(図示省略)と、インナーレースの外嵌されるアウターレースと、インナーレースとアウターレースとの間に配設されるスプラグとを含む。そして、アウターレースが一方の方向に回転した場合に、スプラグがインナーレース及びアウターレースに噛合し、インナーレースがアウターレースとともに回転する。一方、アウターレースが他方の方向に回転した場合に、スプラグの噛合が解除され、アウターレースのみが回転し、インナーレースは回転しない。また、アウターレースには、ネジリバネ196が連結されており、そのネジリバネ196の弾性力によって、アウターレースは、他方の方向に回転する。つまり、アウターレースが、ネジリバネ196の弾性力によって回転する際には、インナーレースは回転しない。一方、アウターレースが、ネジリバネ196の弾性力に抗して回転する際には、インナーレースは、アウターレースと共に回転する。
【0035】
上記構造のワンウェイクラッチ182では、インナーレースが、回転軸170の外周面に外嵌され、回転軸170に連結されている。一方、アウターレースの下端面には、ローラ形状のカムフォロア186が取り付けられている。そのカムフォロア186は、上下方向に延びる軸心周りに回転可能とされている。
【0036】
また、駆動装置90は、
図6に示すように、伝達ロッド200とストッパ202と第1板カム204と第2板カム206とシリンダ(
図13参照)208とを含む。伝達ロッド200は、第1送出装置85の下方に配設され、その第1送出装置85の伝達ロッド126と平行な状態で、フィーダ本体部84によって前後方向にスライド可能に保持されている。また、伝達ロッド200の後端部には、シリンダ208が連結されている。これにより、シリンダ208の作動に伴って、伝達ロッド200が前後方向にスライドする。
【0037】
また、ストッパ202は、伝達ロッド200の外周面に外嵌されている。そのストッパ202は、上方に向かって延び出しており、ストッパ202の上端部が、第1送出装置85の当接ブロック124の前方に位置している。これにより、第1送出装置85では、スプリング128の弾性力によって前方に付勢された当接ブロック124が、ストッパ202に当接し、当接ブロック124の前方への移動、つまり、保持ブロック120の前方への移動がストッパ202により規制される。
【0038】
第1板カム204は、長手形状をなし、前後方向に延びるように、伝達ロッド200の前端に固定されている。第1板カム204は、所定の厚さの第1部210と、第1部210より板厚の第2部212と、第1部210と第2部212とを円滑な面で連結する第3部214とから構成されており、第2部212が伝達ロッド200の前端に固定されている。また、第1板カム204は、切断装置86の下方に延び出しており、第1板カム204の一方の面は、切断装置86のローラ143と対向している。そして、切断装置86の揺動部材142は、ローラ143が第1板カム204に接近する方向に弾性部材(図示省略)によって付勢されている。これにより、第1板カム204の一方の面に、ローラ143が密着している。
【0039】
第2板カム206は、長手形状をなし、前後方向に延びるように、第1板カム204の前端に固定されている。第2板カム206は、第2送出装置88の下方に延び出しており、第2板カム206の前端面が、第2送出装置88のカムフォロア186と対向している。カムフォロア186が固定されているワンウェイクラッチ182のアウターレースは、ネジリバネ(
図12参照)196によって、カムフォロア186が第2板カム206の前端面に接近する方向に付勢されている。これにより、第2板カム206の前端面に、カムフォロア186が密着している。
【0040】
また、制御装置34は、
図13に示すように、コントローラ220、複数の駆動回路222、画像処理装置226を備えている。複数の駆動回路222は、上記搬送装置50、クランプ装置52、作業ヘッド60,62、作業ヘッド移動装置64、シリンダ208、ばら部品供給装置32に接続されている。コントローラ220は、CPU,ROM,RAM等を備え、コンピュータを主体とするものであり、複数の駆動回路222に接続されている。これにより、基材搬送保持装置22、部品装着装置24等の作動が、コントローラ220によって制御される。また、コントローラ220は、画像処理装置226にも接続されている。画像処理装置226は、マークカメラ26およびパーツカメラ28によって得られた画像データを処理するものであり、コントローラ220は、画像データから各種情報を取得する。
【0041】
<テープフィーダの作動>
上記構造により、テープフィーダ82では、シリンダ208の作動により、伝達ロッド200が前後方向にスライドし、第1送出装置85と切断装置86と第2送出装置88とが連動して、一体的に作動することで、テープ化部品100の送出,テープ化部品100からのラジアル部品102の分離,排テープの送出が行われる。具体的には、シリンダ208の作動により伝達ロッド200が前方にスライドすることで、ストッパ202も前方にスライドする。この際、ストッパ202に当接している第1送出装置85の当接ブロック124が、スプリング128の弾性力によって前方に向かって付勢され、ストッパ202とともに、前方にスライドする。そして、爪部材122を保持する保持ブロック120も、当接ブロック124とともに、前方にスライドする。爪部材122は、上述したように、前方に所定量、スライドする際に、テープ化部品100の送り穴110に係合している。このため、爪部材122の前方へのスライドに伴って、テープ化部品100が前方に向かって所定量、送り出される。
【0042】
また、シリンダ208の作動により、伝達ロッド200が前方にスライドした際に、第1板カム204及び第2板カム206も前方にスライドする。この際、第1板カム204に密着している切断装置86のローラ143、および、第2板カム206に密着している第2送出装置88のカムフォロア186が移動することで、切断装置86及び、第2送出装置88が連動して、一体的に作動する。詳しくは、伝達ロッド200が前方にスライドする前には、
図14に示すように、ローラ143は、第1板カム204の第1部210に密着しており、カムフォロア186は、第2板カム206の前端面に密着している。なお、
図14に示す第1板カム204及び、第2板カム206の位置を、ニュートラル位置と記載する場合がある。
【0043】
そして、シリンダ208の作動により、伝達ロッド200が前方にスライドすると、第1板カム204及び、第2板カム206が、ニュートラル位置から前方にスライドする。この際、
図15に示すように、ローラ143は、第1板カム204の第1部210に密着しており、ローラ143に連結された揺動部材142は揺動していない。一方、カムフォロア186は、第2板カム206のスライドに伴って、前方に移動する。このカムフォロア186の移動に伴って、ワンウェイクラッチ182のアウターレースは、ネジリバネ(
図12参照)196の弾性力に抗して、反時計回りに回転する。アウターレースがネジリバネ196の弾性力に抗して回転する際には、上述したように、インナーレースもアウターレースとともに回転する。このため、
図15に示すように、カムフォロア186が移動した場合に、第2送出装置88の回転軸(
図12参照)170が回転し、第1外部ローラ174及び、第2外部ローラ176に巻回されている排テープが、送り方向を180度転換され、後方に向かって送り出される。
【0044】
つまり、切断装置86によってテープ化部品100からラジアル部品102が分離された排テープが、回転軸170の回転に伴って、第1外部ローラ174及び、第2外部ローラ176の外周面に巻き込まれる。そして、その第1外部ローラ174及び、第2外部ローラ176の外周面に巻き込まれた排テープが、第1外部ローラ174及び、第2外部ローラ176によって、180度転換され、後方に向かって送り出される。これにより、排テープが、クラフトテープ等のある程度、硬いテープであっても、適切に後方に向かって送り出される。なお、後方に向かって送り出された排テープは、テープフィーダ82の後端部まで送り出される。そして、テープフィーダ82の後端部に配設されたテープ排出部(
図3参照)230の後端から、排テープが排出される。
【0045】
この際、第2送出装置88では、排テープが、押え板180の弾性力によって、第1外部ローラ174及び、第2外部ローラ176の外周面に向かって押え付けられているため、排テープの滑り,ズレ等が抑制される。また、テープ化部品100からラジアル部品102が分離された状態の排テープには、リード108の下端部が残存しており、第1外部ローラ174及び、第2外部ローラ176の外周面には、周方向に沿って複数の突起部188が形成されている。このため、排テープに残存しているリード108が、隣り合う2個の突起部188の間に入り込むことで、排テープの滑り,ズレ等が抑制される。このように、排テープの滑り,ズレ等が抑制されることで、排テープの適切な送出が担保される。
【0046】
そして、シリンダ208の作動により、伝達ロッド200が更に前方にスライドすると、第1板カム204及び、第2板カム206も、
図16に示すように、更に前方にスライドする。この際、ローラ143は、第1板カム204の第1部210に密着しており、ローラ143に連結された揺動部材142は揺動していない。一方、カムフォロア186は、第2板カム206のスライドに伴って、前方に移動し、ワンウェイクラッチ182のアウターレースが回転することで、排テープが後方に向かって送り出される。ただし、カムフォロア186は、ワンウェイクラッチ182のアウターレースの周方向に沿って移動するため、第2板カム206の軌道から外れる。
【0047】
このように、カムフォロア186が第2板カム206の軌道から外れると、カムフォロア186は、第2板カム206の前端面でなく、第2板カム206の側面に密着する。これにより、カムフォロア186の前方への移動が停止し、アウターレースの回転、つまり、回転軸170の回転も停止する。つまり、第2送出装置88では、
図14に示すカムフォロア186が
図16に示すカムフォロア186まで移動することで、そのカムフォロア186の移動距離に応じて回転軸170が回転し、排テープが後方に向かって送り出される。
【0048】
なお、シリンダ208の作動前、つまり、ニュートラル位置の第2板カム206(
図14参照)の前端面に、カムフォロア186が密着している際に、第1送出装置85において、爪部材122は、テープ化部品100の送り穴110に係合している。また、
図16に示すように、カムフォロア186の第2板カム206への密着面が、前端面から側面に移動したタイミングで、第1送出装置85において、爪部材122のテープ化部品100の送り穴110への係合が解除される。このため、第1送出装置85において、テープ化部品100が前方に向かって送り出されるタイミングで、第2送出装置88において、排テープが、180度方向転換され、後方に向かって送り出される。つまり、第1送出装置85と第2送出装置88とが同期して作動し、テープ化部品100、及び、排テープが送り出される。これにより、第1送出装置85と第2送出装置88との間で、排テープの弛み,排テープへの過剰な張力等を発生させることなく、排テープを適切に送りだすことが可能となる。
【0049】
また、シリンダ208の作動により、伝達ロッド200が更に前方にスライドすると、第1板カム204及び、第2板カム206も、
図17に示すように、更に前方にスライドする。この際、カムフォロア186は、第2板カム206の側面に密着しており、前方に移動しない。このため、回転軸170は回転せず、排テープの送出が停止した状態で維持される。一方、ローラ143の第1板カム204への密着面は、第1部210から第3部214に移動し、ローラ143は、第1板カム204から離れる方向に向かって移動する。これにより、切断装置86において、揺動部材142が揺動し、それの上端部がテープ化部品100に向かって接近する。
【0050】
そして、シリンダ208の作動により、伝達ロッド200が更に前方にスライドすると、第1板カム204及び、第2板カム206も、
図18に示すように、更に前方にスライドする。この際、カムフォロア186は、第2板カム206の側面に密着しており、前方に移動しないため、キャリアテープ104の送出が停止した状態で維持される。一方、ローラ143の第1板カム204への密着面は、第3部214から第2部212に移動し、ローラ143は、更に、第1板カム204から離れる方向に向かって移動する。この際、切断装置86では、揺動部材142が更に揺動し、上述したように、キャリアテープ104にテーピングされた1対のリード108が固定側平坦面148と揺動側平坦面166とにより挟持された状態で、その1対のリード108が固定側カッタ150と揺動側カッタ162とによって切断される。つまり、第1送出装置85によるテープ化部品100の送出と、第2送出装置88によるキャリアテープ104の送出とが停止している間に、切断装置86において、キャリアテープ104にテーピングされた1対のリード108が保持され、その1対のリード108が切断される。
【0051】
そして、第1板カム204及び、第2板カム206が
図18に示す位置までスライドすると、シリンダ208の作動により、伝達ロッド200が後方にスライドされ、第1板カム204及び、第2板カム206も後方にスライドされ、ニュートラル位置まで戻される。この際、ローラ143の第1板カム204への密着及び、カムフォロア186の第2板カム206への密着は、弾性力によって維持される。このため、切断装置86では、揺動部材142が、それの上端部をテープ化部品100から離間させる方向に揺動する。また、第2送出装置88では、ワンウェイクラッチ182のアウターレースが時計回りに回転する。ただし、時計回りに回転する際のアウターレースは、ネジリバネ196の弾性力によって回転するため、インナーレースは、アウターレースとともに回転しない。これにより、第2板カム206が後方にスライドされる際の回転軸170の回転が防止され、排テープの逆方向への送り戻しが防止される。
【0052】
また、シリンダ208の作動により、伝達ロッド200が後方にスライドされる際に、
図6に示すように、ストッパ202が、伝達ロッド200と共に後方にスライドする。この際、第1送出装置85では、当接ブロック124が、ストッパ202によって後方に押され、スプリング128の弾性力に抗して後方にスライドする。そして、その当接ブロック124と共に、保持ブロック120も後方にスライドされる。なお、保持ブロック120の後方へのスライド時には、爪部材122のテープ化部品100の送り穴110への係合は解除されているため、保持ブロック120の後方へのスライドに伴う、テープ化部品100の逆方向への送り戻しが防止される。そして、保持ブロック120が後端位置までスライドされると、爪部材122がテープ化部品100の送り穴110に係合される。
【0053】
このように、テープフィーダ82では、シリンダ208の作動により、第1送出装置85と切断装置86と第2送出装置88とが連動して、一体的に作動する。つまり、第1送出装置85と切断装置86と第2送出装置88との駆動源として、シリンダ208が共有されている。これにより、駆動源の数を最小限にすることが可能となり、駆動源の配設スペース,駆動源に要する費用等を抑制することが可能となる。
【0054】
また、テープフィーダ82では、排テープが第2送出装置88によって後方に向かって送り出されるが、従来のテープフィーダでは、切断装置86によりテープ化部品100からラジアル部品102が分離された後に、排テープを切断する機構が設けられている。このような場合には、排テープを切断するための機構の配設スペースが必要となり、テープフィーダ82のコンパクト化が図れない。また、排テープを切断するテープフィーダでは、切断された排テープを排出するための経路等を作成する必要があり、テープフィーダの上下方向の寸法が増大する虞がある。一方、本発明のテープフィーダ82では、
図3に示すように、設計の理由により、フィーダ本体部84の上下方向の寸法を抑制する必要がある。このため、第2送出装置88を採用することで、フィーダ本体部84の上下方向の寸法を抑制することが可能となる。
【0055】
また、従来のテープフィーダでは、テープ化部品100を送り出す装置に、スプロケットが採用され、そのスプロケットの外周部の歯が、テープ化部品100の送り穴110に係合され、スプロケットの回転によって、テープ化部品100が送り出される。ただし、従来のテープフィーダの多くは、テープ化部品が立設された状態でなく、テープ化部品のキャリアテープが左右方向に延びた状態、つまり、キャリアテープとテープフィーダ82の上面とが概して平行な状態で送り出される。このようなテープフィーダでは、スプロケットは、左右方向に延びる軸心周りに回転可能に配設される。つまり、スプロケットは、上下方向に延びる姿勢で配設される。一方で、本発明のテープフィーダ82では、テープ化部品100が立設された状態で送り出される。このため、テープフィーダ82にスプロケットを採用した場合に、スプロケットは、上下方向に延びる軸心周りに回転可能に配設される。つまり、スプロケットは、左右方向に延びる姿勢で配設される。このような姿勢で、スプロケットが配設されると、テープフィーダ82の幅方向の寸法が増大し、テープフィーダ82のコンパクト化を図ることができない。また、立設された状態のテープ化部品100の送り穴110にスプロケットの歯を係合させるためには、スプロケットの歯と、送り穴110とを確実に係合させるべく、スプロケットの歯を単純な形状でなく、送り穴110からの脱落等を防止可能な形状にする必要がある。このようなことに鑑みて、テープフィーダ82では、第1送出装置85において、テープ化部品100の送り穴110に係合する爪部材122が、テープ化部品100の送り方向、つまり、Y方向に向かって直線的に移動し、その爪部材122によってテープ化部品100が送り出される。これにより、テープフィーダ82の幅方向の寸法を抑制し、テープフィーダ82のコンパクト化を図ることが可能となる。
【0056】
また、ラジアル部品102が供給される際には、テープ化部品100の送り穴に爪部材122等が挿入され、供給位置において正確に位置決めされる必要がある。また、爪部材122が送り穴110に挿入され、テープ化部品100が移動しない状態、つまり、位置決めされた状態で、リード108を切断する必要がある。このような場合には、必然的に、テープ化部品100を送り出す機構と、リードを切断する機構とを、テープフィーダ82の幅方向において重なるように配設せざるを得ない。一方、テープフィーダ82の幅を厚くしないために、第2送出装置88の機構部や第1外部ローラ174等の搬送ローラを、ラジアル部品102の供給位置及び、リード108の切断位置と別の位置であり、供給位置及び切断位置とテープフィーダ82の幅方向において重ならないような位置に、配置する必要がある。このようなことに鑑みて、テープフィーダ82では、第2送出装置88が、第1送出装置85とは独立した位置、つまり、第1送出装置85の下流側で独立した位置に配設されている。
【0057】
また、排テープを送るためにテープ化部品100の送り穴110を用いてもよいが、上述したように、第2送出装置88は第1送出装置85の下流側に独立して配設されているため、テープ化部品100の経時変化や環境、例えば、湿度によるキャリアテープ104の延びや、第1送出装置85と第2送出装置88の部品製作精度や同期動作の均一性を補償することは難しい。さらに、キャリアテープ104の突っ張り,切れ,撓みが生じることから、第1送出装置85と第2送出装置88との2カ所で送り穴110を利用してテープ化部品100を送り出すことは難しい。このようなことに鑑みて、第1送出装置85では、送り穴110に爪部材122を挿入した状態でテープ化部品100を送り出し、位置決めすることで再現性、及び、供給位置決め精度を確保した。一方で、排テープにリードが残存していること、その残存するリードピッチが正確でないため、上述したように、第2送出装置88の第1外部ローラ174等の形状が考慮されている。これにより、テープ化部品100の経時変化や環境、例えば、湿度によるキャリアテープ104の延びや、第1送出装置85と第2送出装置88の部品製作精度や同期動作の均一性を補償することが可能となる。
【0058】
さらに言えば、第1送出装置85と第2送出装置88との送り位置の関係が崩れないように、第1送出装置85および第2送出装置88が1つの駆動源で動作されている。これにより、テープフィーダ82のコストダウンをも図ることが可能となる。
【0059】
また、テープフィーダ82では、第1送出装置85において、爪部材122がテープ化部品100の送り穴110に係合されることで、テープ化部品100が送り出され、第2送出装置88において、排テープが、第1外部ローラ174及び、第2外部ローラ176に巻回され、第1外部ローラ174及び、第2外部ローラ176の回転により、排テープが送り出される。これにより、テープ化部品100の送り出しのタイミングと、排テープの送り出しのタイミングが多少、ズレた場合であっても、適切にテープ化部品100及び、排テープの送り出しを行うことが可能である。
【0060】
詳しくは、例えば、第2送出装置88でも、第1送出装置85と同様に、爪部材が排テープの送り穴110に係合することで、排テープが送り出される場合には、第1送出装置85と第2送出装置88とが主導的に、テープ化部品100若しくは、排テープを送り出す。このため、第1送出装置85によるテープ化部品100の送出量と、第2送出装置88による排テープの送出量とを略確実に一致させるとともに、第1送出装置85によるテープ化部品100の送出タイミングと、第2送出装置88による排テープの送出タイミングとを略確実に一致させる必要がある。これは、送出量と送出タイミングとの少なくとも一方がズレると、爪部材が送り穴110に係合しなかったり、キャリアテープ104の弛み,キャリアテープ104への過剰な張力の発生等が生じるためである。一方で、第2送出装置88としてローラを採用し、ローラの回転力によって排テープを送りだすことで、第1送出装置85は、主導的にテープ化部品100を送り出すが、第2送出装置88は、従動的に排テープを送り出す。これにより、送出量,送出タイミング等が多少、ズレた場合であっても、そのズレを第2送出装置88において緩和することが可能となり、テープ化部品100及び排テープの送出を適切に担保することが可能となる。
【0061】
また、テープフィーダ82は、テープフィーダの一例である。第1送出装置85は、第1送出装置の一例である。第2送出装置88は、第2送出装置の一例である。テープ化部品100は、テープ化部品の一例である。ラジアル部品102は、リード部品の一例である。キャリアテープ104は、キャリアテープの一例である。リード108は、リードの一例である。送り穴110は、送り穴の一例である。爪部材122は、係合部の一例である。第1外部ローラ174は、ローラの一例である。第2外部ローラ176は、ローラの一例である。
【0062】
なお、本発明は、上記実施例に限定されるものではなく、当業者の知識に基づいて種々の変更、改良を施した種々の態様で実施することが可能である。具体的には、例えば、上記実施例では、ラジアル部品102がテーピングされたテープ化部品100が採用されているが、アキシャル部品がテーピングされたテープ化部品を採用することが可能である。
【0063】
また、上記実施例では、テープ化部品100が立設された状態で送り出されるが、テープ化部品100を立設させず、左右方向に延びる状態で送り出すことが可能である。つまり、テープ化部品100のキャリアテープ104とテープフィーダ82の上面とが概して平行な状態、言い換えれば、キャリアテープ104にテーピングされたリード108が左右方向に延びる状態で、テープ化部品100を送り出すことが可能である。
【0064】
また、上記実施例では、第2送出装置88において、第1外部ローラ174及び、第2外部ローラ176が、シリンダ208の駆動力によって自転することで、排テープが送り出されているが、駆動源を持たないローラ、つまり、自転しないローラを採用し、排出テープの下流側に、排テープの送出装置を配設してもよい。
【0065】
また、上記実施例では、爪部材122の送り穴110への係合、若しくは、自転するローラへの巻回によって、テープ化部品100等が送り出されているが、種々の機構によりテープ化部品100等を送り出すことが可能である。具体的には、例えば、2個のローラをローラ面において接触させ、その2個のローラの間に、テープ化部品100のキャリアテープ104を挟む。そして、2個のローラを回転させることで、テープ化部品100を送り出してもよい。
【0066】
また、上記実施例では、第2送出装置88によるキャリアテープ104の送出方向が、第1送出装置85によるテープ化部品100の送出方向と反対の方向とされているが、第1送出装置85によるテープ化部品100の送出方向と異なる方向であれば、第2送出装置88によるキャリアテープ104の送出方向を種々の方向にすることが可能である。
【0067】
また、上記実施例では、テープ化部品100の送り穴110に係合する係合部として、爪部材122が採用されているが、送り穴110に係合する突起部,凸部,引掛け部等を有する部材を採用することが可能である。
【符号の説明】
【0068】
82:テープフィーダ 85:第1送出装置 88:第2送出装置 100:テープ化部品 102:ラジアル部品(リード部品) 104:キャリアテープ 108:リード 110:送り穴 122:爪部材(係合部) 174:第1外部ローラ(ローラ) 176:第2外部ローラ(ローラ)