IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ 東日本メディコム株式会社の特許一覧

特許7488225指導支援装置、指導支援システム、及びプログラム
<>
  • 特許-指導支援装置、指導支援システム、及びプログラム 図1
  • 特許-指導支援装置、指導支援システム、及びプログラム 図2
  • 特許-指導支援装置、指導支援システム、及びプログラム 図3
  • 特許-指導支援装置、指導支援システム、及びプログラム 図4
  • 特許-指導支援装置、指導支援システム、及びプログラム 図5
  • 特許-指導支援装置、指導支援システム、及びプログラム 図6
  • 特許-指導支援装置、指導支援システム、及びプログラム 図7
  • 特許-指導支援装置、指導支援システム、及びプログラム 図8
  • 特許-指導支援装置、指導支援システム、及びプログラム 図9
  • 特許-指導支援装置、指導支援システム、及びプログラム 図10
  • 特許-指導支援装置、指導支援システム、及びプログラム 図11
  • 特許-指導支援装置、指導支援システム、及びプログラム 図12
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-05-13
(45)【発行日】2024-05-21
(54)【発明の名称】指導支援装置、指導支援システム、及びプログラム
(51)【国際特許分類】
   G16H 80/00 20180101AFI20240514BHJP
   G16H 20/10 20180101ALI20240514BHJP
【FI】
G16H80/00
G16H20/10
【請求項の数】 10
(21)【出願番号】P 2021116742
(22)【出願日】2021-07-14
(65)【公開番号】P2022022129
(43)【公開日】2022-02-03
【審査請求日】2023-07-26
(31)【優先権主張番号】P 2020125910
(32)【優先日】2020-07-23
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】596079138
【氏名又は名称】東日本メディコム株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100127384
【弁理士】
【氏名又は名称】坊野 康博
(74)【代理人】
【識別番号】100152054
【弁理士】
【氏名又は名称】仲野 孝雅
(72)【発明者】
【氏名】野本 禎
【審査官】三橋 竜太郎
(56)【参考文献】
【文献】特開2019-133271(JP,A)
【文献】特開2017-138981(JP,A)
【文献】特開2003-316882(JP,A)
【文献】特開2018-206055(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G16H 10/00-80/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
患者に対して行われる医療に関する指導を遠隔で実現するために、前記医療に関する指導を行う指導者が使用する端末と前記患者が使用する端末との間のビデオ通話を制御するビデオ通話制御手段と、
前記ビデオ通話において送受信される音声に対して音声認識処理を行う音声認識処理手段と、
前記音声認識処理手段の音声認識処理結果に基づいて前記指導者による指導の進行状況を判定すると共に、判定結果に応じた内容及びタイミングで、前記医療に関する指導において推奨される指導内容を示す情報である推奨情報を生成する推奨情報生成手段と、
を備え、
前記ビデオ通話制御手段は、前記ビデオ通話の進行と並行して、前記音声認識処理手段による音声認識の結果と、前記推奨情報生成手段が生成した推奨情報とに基づいた指導支援情報を、前記指導者が使用する端末から出力させることを特徴とする指導支援装置。
【請求項2】
前記推奨情報生成手段は、前記音声認識処理手段の音声認識処理結果と、前記推奨情報に含まれる指導内容とを比較し、該指導内容に対応した指導が前記指導者によって行われたことを検出することにより、前記指導の進行状況を判定する、
ことを特徴とする請求項1に記載の指導支援装置。
【請求項3】
前記推奨情報生成手段は、前記推奨情報を複数生成すると共に、前記複数の推奨情報のそれぞれについて、前記指導内容に対応した指導が前記指導者によって行われたことを検出する処理を並行して行う、
ことを特徴とする請求項2に記載の指導支援装置。
【請求項4】
前記推奨情報生成手段は、前記指導者による指導の進行状況の判定の判定結果に基づいて、同じ推奨情報及び同じ音声認識処理結果であっても表示の態様を異ならせる、
ことを特徴とする請求項1から3までの何れか1項に記載の指導支援装置。
【請求項5】
前記音声認識処理手段による音声認識の結果に基づいて、前記医療に関する指導に対応する指導文の案を作成する薬歴管理手段をさらに備え、
前記薬歴管理手段は、前記指導者が登録の承認をしたことを条件に、前記指導文の案を前記医療に関する指導に対応する指導文として前記患者の薬歴に登録する、
ことを特徴とする請求項1から4までの何れか1項に記載の指導支援装置。
【請求項6】
当該指導支援装置は、薬歴を管理する機能及び薬歴と連携して前記医療に関する指導を支援する機能の何れか又は双方の機能と連携し、
前記ビデオ通話制御手段は、前記薬歴を管理する機能及び薬歴と連携して前記医療に関する指導を支援する機能の何れか又は双方に関連する表示画面において前記指導者からの操作を受け付けたことを契機として前記ビデオ通話を開始する、
ことを特徴とする請求項1から5までの何れか1項に記載の指導支援装置。
【請求項7】
前記音声認識処理手段による音声認識の結果を示すデータを該音声認識された内容に含まれるキーワードに基づいて分類すると共に、該分類結果に対応する出力先に対して前記音声認識の結果を示すデータを出力するデータ管理手段をさらに備える、
ことを特徴とする請求項1から6までの何れか1項に記載の指導支援装置。
【請求項8】
前記音声認識処理手段は、前記データ管理手段が出力する前記音声認識の結果を示すデータを、前記指導者又は前記患者に対して音声を再生するための音声データに変換する、
ことを特徴とする請求項7に記載の指導支援装置。
【請求項9】
ネットワークを介して通信可能に構成された第1の端末と第2の端末とサーバとを含む指導支援システムであって、
前記第1の端末は、
患者に対して行われる医療に関する指導を遠隔で実現するために、前記医療に関する指導を行う指導者が使用する第1の端末と前記患者が使用する第2の端末との間のビデオ通話を制御する第1のビデオ通話制御手段と、
指導支援情報を出力する出力手段と、を備え、
前記第2の端末は、
前記ビデオ通話を制御する第2のビデオ通話制御手段を備え、
前記サーバは、
前記ビデオ通話を制御する第3のビデオ通話制御手段と、
前記ビデオ通話において送受信される音声に対して音声認識処理を行う音声認識処理手段と、
前記音声認識処理手段の音声認識処理結果に基づいて前記指導者による指導の進行状況を判定すると共に、判定結果に応じた内容及びタイミングで、前記医療に関する指導において推奨される指導内容を示す情報である推奨情報を生成する推奨情報生成手段と、
を備え、
前記第3のビデオ通話制御手段は、前記ビデオ通話の進行と並行して、前記音声認識処理手段による音声認識の結果と、前記推奨情報生成手段が生成した推奨情報とに基づいた指導支援情報を、前記第2の端末が備える前記出力手段から出力させることを特徴とする指導支援システム。
【請求項10】
コンピュータに、
患者に対して行われる医療に関する指導を遠隔で実現するために、前記医療に関する指導を行う指導者が使用する端末と前記患者が使用する端末との間のビデオ通話を制御するビデオ通話制御機能と、
前記ビデオ通話において送受信される音声に対して音声認識処理を行う音声認識処理機能と、
前記音声認識処理機能の音声認識処理結果に基づいて前記指導者による指導の進行状況を判定すると共に、判定結果に応じた内容及びタイミングで、前記医療に関する指導において推奨される指導内容を示す情報である推奨情報を生成する推奨情報生成機能と、
を実現させると共に、
前記ビデオ通話制御機能は、前記ビデオ通話の進行と並行して、前記音声認識処理機能による音声認識の結果と、前記推奨情報生成機能が生成した推奨情報とに基づいた指導支援情報を、前記指導者が使用する端末から出力させることを特徴とするプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、指導支援装置、指導支援システム、及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、医学的な指導や薬学的な指導といった、医療に関する指導を支援する情報処理技術が知られている。
例えば、特許文献1に、患者の薬歴のデータをデータベースによって管理する技術が開示されている。この特許文献1に開示の技術によれば、薬剤師が患者に対する調剤業務を行う際に、このデータベースを参照して、薬歴等に基づいた服薬指導を行うことができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2016-122253号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1に開示されているような一般的な技術では、医療に関する指導を行う際に、指導を行う指導者と指導を受ける患者とが直接対面する状況を想定している。すなわち、一般的な技術では、例えば、ウイルスや細菌の接触感染等を考慮して、指導者と患者とが直接対面しない(あるいは、直接対面できない)状況については考慮されていない。しかしながら、このような指導者と患者とが直接対面しない(あるいは、直接対面できない)状況であっても、医療に関する指導を、より適切に支援することが望まれる。
【0005】
本発明の課題は、医療に関する指導を、より適切に支援することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決するため、本発明の一態様の指導支援装置は、
患者に対して行われる医療に関する指導を遠隔で実現するために、前記医療に関する指導を行う指導者が使用する端末と前記患者が使用する端末との間のビデオ通話を制御するビデオ通話制御手段と、
前記ビデオ通話において送受信される音声に対して音声認識処理を行う音声認識処理手段と、
前記医療に関する指導において推奨される指導内容を示す情報である推奨情報を生成する推奨情報生成手段と、
を備え、
前記ビデオ通話制御手段は、前記ビデオ通話の進行と並行して、前記音声認識処理手段による音声認識の結果と、前記推奨情報生成手段が生成した推奨情報とに基づいた指導支援情報を、前記指導者が使用する端末から出力させる。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、医療に関する指導を、より適切に支援することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】本発明の一実施形態に係る指導支援システム1のシステム構成を示す図である。
図2】各装置を構成する情報処理装置800のハードウェア構成を示す図である。
図3】指導者側端末10の機能的構成及び患者側端末20の機能的構成を示すブロック図である。
図4】指導支援サーバ30の機能的構成を示すブロック図である。
図5】ビデオ通話を伴う指導支援画面の一例を示す模式図である。
図6】指導支援画面の遷移の一例を示す模式図である。
図7】指導者側端末10が実行する指導支援処理の流れを示すフローチャートである。
図8】患者側端末20が実行する指導支援処理の流れを示すフローチャートである。
図9】指導支援サーバ30が実行する指導支援処理の流れを示すフローチャートである。
図10】承認受付画面の一例を示す模式図である。
図11】指導支援サーバ30が実行するデータ管理処理の流れを示すフローチャートである。
図12】指導者側端末10又は患者側端末20と、指導支援サーバ30とにより実行される読み上げ処理の流れを示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、本発明の実施形態について図面を参照して説明する。
【0010】
[システム構成]
図1は、本発明の一実施形態に係る指導支援システム1のシステム構成を示す図である。
本実施形態における指導支援システム1は、医療に関する指導を支援するシステムである。例えば、指導支援システム1は、指導者である医療従事者と指導を受ける患者とが直接対面することなく、ビデオ通話により遠隔で行われる、医療に関する指導を支援するために用いられる。以下では、説明のための一例として、指導者である医療従事者が、保険薬局で業務に従事する薬剤師である場合を想定する。また、これも説明のための一例として、医療に関する指導が、調剤時に行われる服薬指導である場合を想定する。ただし、これらは説明のための一例に過ぎず、本実施形態の適用範囲を限定する趣旨ではない。本実施形態は、保険薬局や病院や診療所といった様々な医療施設において、薬剤師や医師や看護師といった様々な医療従事者によって行われる、医学的な指導や薬学的な指導といった様々な医療に関する指導を支援することが可能である。
【0011】
図1に示すように、指導支援システム1は、指導者側端末10と、患者側端末20と、指導支援サーバ30と、を含んで構成される。また、指導者側端末10、患者側端末20、及び指導支援サーバ30、並びに、薬局用コンピュータ、及び外部サーバは、ネットワーク40を介して相互に通信可能に構成されている。このネットワーク40は、例えば、インターネットや、保険薬局等に敷設されたLAN(Local Area Network)によって実現される。
【0012】
薬局用コンピュータは、保険薬局の業務に関する処理を実行するサーバコンピュータ等の情報処理装置であり、診療報酬明細書を作成するレセプトコンピュータとしての機能(レセコン機能)や、患者の薬歴を管理する機能(薬歴管理機能)を備える。また、外部サーバは、薬局用コンピュータと連携するサーバコンピュータ等の情報処理装置であり、電子お薬手帳を記憶しているデータベースサーバの機能や、薬剤情報を記憶しているデータベースサーバ等の機能を備える。
【0013】
なお、図中には、各装置及び各端末をそれぞれ一台ずつ図示するが、これに限られない。例えば、指導支援サーバ30や薬局用コンピュータは、複数の保険薬局それぞれに対応して複数存在してもよい。他にも、例えば、指導者側端末10は、これを利用して医療に関する指導を行う医療従事者それぞれに対応して複数存在してもよい。同様に、例えば、患者側端末20は、これを利用して医療に関する指導を受ける患者それぞれに対応して複数存在してもよい。
【0014】
指導者側端末10は、医療に関する指導を行う医療従事者(ここでは、薬剤師)によって利用されるものであり、タブレット端末あるいはPC(Personal Computer)等の情報処理装置によって構成される。指導者側端末10は、薬剤師が患者に対する服薬指導等を行う際に、医療に関する指導を支援するために各種の情報を表示したり、薬剤師による各種の情報の入力を受け付けたりする。例えば、指導者側端末10は、後述する指導支援処理において、薬剤師と患者との間での服薬指導をビデオ通話で実現するために、指導支援サーバ30を介して、薬剤師や患者の動画を表示したり、薬剤師や患者の音声を出力したりする。この場合に、指導者側端末10は、さらに服薬指導の進行状況を示す薬剤師及び患者の発声した音声の認識結果や、推奨される指導内容、といった情報に基づいた指導支援情報を表示する。
【0015】
患者側端末20は、医療に関する指導を受ける患者によって利用されるものであり、指導者側端末10と同様にタブレット端末あるいはPC、あるいは患者の所持するスマートフォン等の情報処理装置によって構成される。患者側端末20は、薬剤師が患者に対する服薬指導等を行う際に、医療に関する指導を支援するために各種の情報を表示したり、患者による各種の情報の入力を受け付けたりする。例えば、患者側端末20は、後述する指導支援処理において、薬剤師と患者との間での服薬指導をビデオ通話で実現するために、指導支援サーバ30を介して、薬剤師や患者の動画を表示したり、薬剤師や患者の音声を出力したりする。
なお、本実施形態において、指導支援情報は、薬剤師に対して提供されることを想定しているが、さらに患者に対して指導支援情報が提供されてもよい。この場合には、指導者側端末10と同様に、患者側端末20も、指導支援情報を表示する。
【0016】
指導支援サーバ30は、指導者側端末10及び患者側端末20と連携して、医療に関する指導を支援するものであり、サーバコンピュータ等の情報処理装置によって構成される。指導支援サーバ30は、医療に関する指導を支援するために、保険薬局に備えられた薬局用コンピュータ(複数存在する場合はそれぞれの薬局用コンピュータ)が管理している各種データを受信する。また、指導支援サーバ30は、これら受信した各種のデータを薬局用コンピュータと同様のデータベース群(薬歴データベースを含む)によって管理する。すなわち、指導支援サーバ30は、保険薬局に備えられた薬局用コンピュータ(複数存在する場合はそれぞれの薬局用コンピュータ)が管理する情報の一部又は全部を取得し、業務支援機能を実現する。
【0017】
また、指導支援サーバ30は、この業務支援機能によって「指導支援処理」を実行する。この指導支援処理において、指導支援サーバ30は、患者に対して行われる医療に関する指導を遠隔で実現するために、薬剤師が使用する指導者側端末10と患者が使用する患者側端末20との間のビデオ通話を制御する。また、指導支援サーバ30は、ビデオ通話において送受信される音声に対して音声認識処理を行う。さらに、指導支援サーバ30は、薬学的な指導において推奨される指導内容を示す情報である推奨情報を生成する。
さらに、指導支援サーバ30は、ビデオ通話の進行と並行して、音声認識の結果と、生成した推奨情報とに基づいた指導支援情報を、薬剤師が使用する指導者側端末10から出力させる。
このように、指導支援サーバ30は、ビデオ通話によって薬学的な指導を遠隔で実現する。これにより、例えば、ウイルスや細菌の接触感染等を考慮して、指導者と患者とが直接対面しない(あるいは、直接対面できない)状況であっても医療に関する指導を実現することができる。この場合に、指導支援サーバ30は、単に医療に関する指導を実現するのみならず、指導の進行状況を示す薬剤師及び患者の発声した音声の認識結果や、推奨される指導内容、といった情報に基づいた指導支援情報を薬剤師に提供することができる。
従って、指導支援サーバ30によれば、医療に関する指導を、より適切に支援することが可能となる。
【0018】
[ハードウェア構成]
次に、指導支援システム1に含まれる各装置及び各端末のハードウェア構成を説明する。
指導支援システム1に含まれる各装置及び各端末は、上述したようにPC、サーバコンピュータ、タブレット端末あるいはスマートフォン等の情報処理装置によって構成され、その基本的構成はそれぞれ同様である。
【0019】
図2は、各装置及び各端末を構成する情報処理装置800のハードウェア構成を示す図である。
図2に示すように、各装置を構成する情報処理装置800は、CPU(Central Processing Unit)811と、ROM(Read Only Memory)812と、RAM(Random Access Memory)813と、バス814と、入力部815と、出力部816と、記憶部817と、通信部818と、ドライブ819と、撮像部820と、を備えている。
【0020】
CPU811は、ROM812に記録されているプログラム、又は、記憶部817からRAM813にロードされたプログラムに従って各種の処理を実行する。
RAM813には、CPU811が各種の処理を実行する上において必要なデータ等も適宜記憶される。
【0021】
CPU811、ROM812及びRAM813は、バス814を介して相互に接続されている。バス814には、入力部815、出力部816、記憶部817、通信部818、ドライブ819及び撮像部820が接続されている。
【0022】
入力部815は、各種ボタン等で構成され、指示操作に応じて各種情報を入力する。また、入力部815は、マイクをさらに含んでおり、音声を集音する。
出力部816は、ディスプレイやスピーカ等で構成され、画像や音声を出力する。
記憶部817は、ハードディスクあるいはDRAM(Dynamic Random Access Memory)等で構成され、各サーバで管理される各種データを記憶する。
通信部818は、ネットワーク40を介して他の装置との間で行う通信を制御する。
【0023】
ドライブ819には、磁気ディスク、光ディスク、光磁気ディスク、あるいは半導体メモリ等よりなる、リムーバブルメディア831が適宜装着される。ドライブ819によってリムーバブルメディア831から読み出されたプログラムは、必要に応じて記憶部817にインストールされる。
【0024】
撮像部820は、レンズ及び撮像素子等を備えた撮像装置によって構成され、被写体のデジタル画像を撮像する。
【0025】
なお、情報処理装置800が指導支援サーバ30として構成される場合には、撮像部820を省略した構成とすることも可能である。また、情報処理装置800がタブレット端末として構成される場合には、入力部815をタッチセンサによって構成し、出力部816のディスプレイに重ねて配置することにより、タッチパネルを備える構成とすることも可能である。
【0026】
[機能的構成]
次に、指導支援システム1における各装置及び各端末の機能的構成について説明する。
【0027】
[指導者側端末10の機能的構成]
図3(A)は、指導者側端末10の機能的構成を示すブロック図である。また、図3(B)は、後述する患者側端末20の機能的構成を示すブロック図である。
図3(A)に示すように、指導者側端末10のCPU811においては、ユーザインターフェース表示制御部(UI表示制御部)151と、ビデオ通話制御部152と、推奨情報取得部153と、が機能する。
【0028】
UI表示制御部151は、指導支援サーバ30から受信したユーザインターフェース画面を表示するための情報(以下、「UI情報」と称する。)に基づいて、後述する各種処理における各種入出力画面(以下、「UI画面」と称する。)の表示を制御する。例えば、UI表示制御部151は、指導支援処理において、遠隔での服薬指導を実現するためにビデオ通話の動画を表示する表示領域や、薬剤師を支援するための指導支援情報を表示する表示領域が含まれた画面等を出力部810に含まれるディスプレイに出力して表示する。また、UI表示制御部151は、これら表示と共に、動画に含まれる音声を出力部810に含まれるスピーカから出力する。
また、UI表示制御部151は、UI画面において入力された各種情報や、入力された操作指示の内容を指導支援サーバ30に送信する。
【0029】
ビデオ通話制御部152は、他の装置におけるビデオ通話制御部(ここでは、患者側端末20が備えるビデオ通話制御部252、及び指導支援サーバ30が備えるビデオ通話制御部352)と協働することにより、指導者側端末10と患者側端末20との間でのビデオ通話(すなわち、薬剤師と患者側との間でのビデオ通話)を実現する。
【0030】
そのために、ビデオ通話制御部152は、入力部815に含まれるマイクにて薬剤師の音声を集音すると共に、撮像部820にて薬剤師の画像を撮像する。また、ビデオ通話制御部152は、この薬剤師の音声及び画像を所定のデータ形式に準拠した音声付きの動画(以下、「薬剤師の動画」と称する。)に変換する。そして、ビデオ通話制御部152は、この薬剤師の動画を指導支援サーバ30に対して送信する。一方で、患者側端末20が備えるビデオ通話制御部252は、患者を対象として同様の処理を行うことにより、患者の音声及び画像を所定のデータ形式に準拠した動画(以下、「患者の動画」と称する。)に変換する。そして、ビデオ通話制御部252は、この患者の動画を指導支援サーバ30に対して送信する。
【0031】
そして、指導支援サーバ30が備えるビデオ通話制御部352は、この薬剤師の動画及び患者の動画に基づいて、ビデオ通話を実現するための音声付きの動画(以下、「ビデオ通話動画」と称する。)を生成し、指導者側端末10及び患者側端末20のそれぞれに対して送信する。ビデオ通話動画は、例えば、ビデオ通話動画を表示する場合の表示領域の一部に薬剤師及び患者の一方の画像を表示すると共に、表示領域の他の一部に他方の画像を表示し、且つ、薬剤師及び患者の音声を出力するための動画である。
指導者側端末10のUI表示制御部151、及び患者側端末20が備えるUI表示制御部251は、このビデオ通話動画を受信し、それぞれ自端末が備える出力部816からビデオ通話動画を出力(すなわち、ビデオ通話動画に含まれる画像の表示及び音声の出力等)を行う。
【0032】
このような制御によりビデオ通話は実現されるが、このビデオ通話の進行と並行して、指導支援サーバ30は、薬剤師の音声及び患者の音声を対象として、音声認識処理を行い、その音声認識結果を、指導者側端末10に対して送信する。また、指導支援サーバ30は、さらに、このビデオ通話の進行と並行して、服薬指導において、推奨される指導内容を示す情報である推奨情報を生成し、この推奨情報を指導者側端末10に対して送信する。UI表示制御部151は、この音声認識結果や推奨情報をそれぞれ受信し、ビデオ通話動画と同様に、出力部816から出力(すなわち、音声認識結果や推奨情報の表示等)を行う。この出力された音声認識結果や推奨情報は、薬剤師の指導を支援するための情報である指導支援情報として、薬剤師に利用される。
【0033】
推奨情報取得部153は、指導支援サーバ30から推奨情報を受信したか否かを判定する。指導支援サーバ30が送信するビデオ通話における動画や、その音声認識結果については、経時的に変化する。一方で、指導支援サーバ30が送信する推奨情報は、所定のタイミングで更新されて周期的に送信される。そこで、推奨情報取得部153は、指導支援サーバ30から推奨情報を受信したか否かを判定し、更新された推奨情報を新たに受信したと判定した場合には、その推奨情報を新たに出力するように、UI表示制御部151を制御する。
【0034】
[患者側端末20の機能的構成]
図3(B)は、患者側端末20の機能的構成を示すブロック図である。
図3(B)に示すように、患者側端末20のCPU811においては、ユーザインターフェース表示制御部(UI表示制御部)251と、ビデオ通話制御部252と、が機能する。
ここで、UI表示制御部251は、上述した指導者側端末10のUI表示制御部151と同等の機能を備える。また、ビデオ通話制御部252は、上述した指導者側端末10のビデオ通話制御部152と同等の機能を備える。また、各ビデオ通話制御部(ここでは、ビデオ通話制御部152、ビデオ通話制御部252、及びビデオ通話制御部352)が協働する方法については、ビデオ通話制御部152の説明において上述した通りである。したがって、ここでは重複する再度の説明を省略する。
【0035】
[指導支援サーバ30の機能的構成]
図4は、指導支援サーバ30の機能的構成を示すブロック図である。
図4に示すように、指導支援サーバ30のCPU811においては、ユーザインターフェース情報生成部(UI情報生成部)351と、ビデオ通話制御部352と、音声認識処理部353と、推奨情報生成部354と、薬歴管理部355と、データベース管理部(DB管理部)356と、が機能する。
【0036】
また、図4に示すように、指導支援サーバ30の記憶部817においては、患者属性データベース(患者属性DB)371と、処方箋データベース(処方箋DB)372と、薬歴データベース(薬歴DB)373と、音声認識辞書データベース(音声認識辞書DB)374と、音声認識結果データベース(音声認識結果DB)375と、服薬指導データベース(服薬指導DB)376と、が形成される。
【0037】
患者属性DB371には、患者の、住所、氏名、生年月日、年齢、性別、被保険者証の記号番号、及び緊急時連絡先等の患者属性のデータが、各患者を識別する情報と対応付けて記憶されている。この患者属性は、薬剤師が患者との対話において取得した情報や、患者がアンケート等に回答して提供した情報等によって構成され、例えば、患者の趣味、仕事内容、家族構成、好きな食べ物等も含まれる。
【0038】
処方箋DB372には、患者に対して発行された処方箋のデータ(処方した保険医療機関名並びに保険医氏名、処方日、及び処方内容等)が、各患者を識別する情報や処方箋の持参日と対応付けて記憶されている。
【0039】
薬歴DB373には、患者に対して処方された薬剤の履歴(薬歴)のデータ(処方履歴、合併症を含む既往歴に関する情報、他科受診の有無等)が、各患者を識別する情報や処方を行った各薬剤師を識別する情報と対応付けて記憶されている。また、薬歴には、薬剤師が患者に対して行った服薬指導内容の履歴のデータ(服薬指導文等)が併せて記憶される。
【0040】
音声認識辞書DB374には、薬剤師の動画に含まれる薬剤師の音声や、患者の動画に含まれる患者の音声に対して音声認識処理を行うために用いられる各種の辞書が記憶されている。この辞書は、例えば、音声の特徴を抽出するための音響モデルや、発声された単語を特定するための発音辞書及び言語モデル等を含んで構成される。この辞書は、汎用的なものであってもよいし、本実施形態の用途に適合した、医療分野等に特化した辞書であってもよい。また、辞書は、統計情報等に基づいて人手によって作成されたものでもよいし、ディープラーニング等の手法を用いて機械学習により作成されたものでもよい。
【0041】
音声認識結果DB375には、音声認識処理部353による音声認識結果が、各患者を識別する情報や処方を行った各薬剤師を識別する情報と対応付けて記憶されている。
【0042】
服薬指導DB376には、一般に薬剤師が服薬指導を行う際の服薬指導内容が、処方される薬剤や処方される患者の特性(例えば、患者の年齢や性別や持病や既住歴等)と対応付けて記憶されている。服薬指導内容は、例えば、薬剤師(特にベテランの薬剤師)が服薬指導を行う患者に対して説明すべき調剤された薬剤の作用や副作用並びに飲み合わせ(併用禁忌)、服薬指導の一環として患者に対して聞き取りを行うべきヒアリング内容(聞き取り項目)等である。これらの服薬指導内容は、薬剤師が理解可能な専門的用語を用いた服薬指導文等の形式で表現されていてもよいし、患者にとってより理解しやすい形式(例えば、専門的な用語を用いず平易な表現とした服薬指導文や、口語を用いた質問文)で表現されていてもよい。また、服薬指導内容は、音声認識辞書DB374に記憶されている辞書と同様に、統計情報等に基づいて人手によって作成されたものでもよいし、ディープラーニング等の手法を用いて機械学習により作成されたものでもよい。
【0043】
UI情報生成部351は、指導者側端末10や患者側端末20がUI画面を表示するためのUI情報を生成し、生成したUI情報を指導者側端末10や患者側端末20に対して送信する。この場合、UI情報生成部351は、UI画面を表示するためのフレームのフォーマット及びフォーマットに挿入する実体的な内容をUI情報として生成する。本実施形態において、フォーマットに挿入する実体的な内容としては、例えば、指導支援処理において、遠隔での服薬指導を実現するためのビデオ通話動画や、薬剤師を支援するための音声認識結果や推奨情報といった指導支援情報が含まれる。
【0044】
また、UI情報生成部351は、UI情報を指導者側端末10や患者側端末20に送信することに対応して、指導者側端末10や患者側端末20から送信される各種情報や、入力された操作指示の内容を受信する。
【0045】
ビデオ通話制御部352は、他の装置におけるビデオ通話制御部(ここでは、指導者側端末10が備えるビデオ通話制御部152、及び患者側端末20が備えるビデオ通話制御部252)と協働することにより、指導者側端末10と患者側端末20との間でのビデオ通話(すなわち、薬剤師と患者側との間でのビデオ通話)を実現する。具体的に、ビデオ通話制御部352は、ビデオ通話制御部152の説明において上述したように、指導者側端末10から受信した薬剤師の動画、及び患者側端末20から受信した患者の動画に基づいて、ビデオ通話動画を生成し、生成したビデオ通話動画を指導者側端末10及び患者側端末20のそれぞれに対して送信する。
【0046】
音声認識処理部353は、指導者側端末10から受信した薬剤師の動画に含まれる薬剤師の音声、及び患者側端末20から受信した患者の動画に含まれる患者の音声のそれぞれを対象として音声認識処理を行う。この場合に、音声認識処理部353は、例えば、音声認識辞書DB374が記憶する各種の辞書を参照し、薬剤師及び患者の音声をテキスト化する。そして、音声認識処理部353は、音声認識結果(ここでは、テキスト化された薬剤師及び患者の音声)を音声認識結果DB375に記憶させる。また、この音声認識結果は、UI情報生成部351により、指導者側端末10に対して送信される。
【0047】
推奨情報生成部354は、ビデオ通話制御部352が実現するビデオ通話の進行と並行して、服薬指導において推奨される指導内容を示す情報である推奨情報を、所定の生成タイミングで生成する。ここで、所定の生成タイミングとは、ビデオ通話が開始したタイミング、及びビデオ通話の進行状況(すなわち、服薬指導の進行状況)に応じたタイミングの双方を含む。
【0048】
まずビデオ通話開始したタイミングで推奨情報を生成する場合、推奨情報生成部354は、患者側端末20から受信したビデオ通話の開始要求に含まれる各患者を識別するための情報に基づいて、今回ビデオ通話を行う患者を特定する。次に、推奨情報生成部354は、患者属性DB371、処方箋DB372、及び薬歴DB373等の各データベースを参照することにより、この特定した患者に対して処方された処方箋、この患者の薬歴、及びこの患者の属性等を特定する。さらに、推奨情報生成部354は、これら特定された各種情報に対応する服薬指導内容(例えば、服薬指導文)を、服薬指導DB376から抽出する。そして、推奨情報生成部354は、この抽出した服薬指導内容を、服薬指導において推奨される指導内容として推奨情報に含ませることにより、推奨情報を生成する。ここで服薬指導内容は、服薬指導DB376の説明において上述したように、例えば、薬剤師(特にベテランの薬剤師)が服薬指導を行う患者に対して説明すべき調剤された薬剤の作用や副作用並びに飲み合わせ(併用禁忌)、患者に対して聞き取りを行うべきヒアリング内容(聞き取り項目)等である。
【0049】
また、推奨情報生成部354は、ビデオ通話の進行状況(すなわち、服薬指導の進行状況)に応じたタイミングで、推奨情報の内容を変更して生成する。すなわち、推奨情報生成部354は、ビデオ通話の進行と並行して、推奨情報を更新する。これにより、推奨情報生成部354は、ビデオ通話の進行状況に対応した推奨情報を、適宜生成することができる。そのために、推奨情報生成部354は、音声認識処理部353の音声認識結果と、生成した推奨情報に含まれる服薬指導内容とを比較することにより、何れかの服薬指導内容に対応した服薬指導が薬剤師により行われたか否かを判定する。例えば、推奨情報生成部354は、音声認識結果と服薬指導内容のテキストとしての類似度や、音声認識結果において服薬指導内容に関連する単語が含まれている否か等の基準に基づいて、この判定をする。
【0050】
そして、推奨情報生成部354は、この判定により、何れかの服薬指導内容に対応した服薬指導が薬剤師により行われたことを検出したタイミングで、推奨情報の内容を変更して生成する。この場合、推奨情報生成部354は、例えば、この服薬指導が指導済みとなったことを示す情報を推奨情報に追加する。他にも、推奨情報生成部354は、例えば、この服薬指導内容を推奨情報から削除する。他にも、推奨情報生成部354は、例えば、新たな服薬指導内容を推奨情報に追加する。あるいは、推奨情報生成部354は、これらの削除や追加等の変更を組み合わせたり、段階的に変更したりする。なお、これらの変更の具体例については、図5及び図6を参照して後述する。
このようにして生成された推奨情報は、生成される都度、UI情報生成部351により指導者側端末10に対して送信される。そして、送信された推奨情報は、指導者側端末10において、ビデオ通話動画や音声認識結果と共に出力(例えば、表示)される。
【0051】
このような指導者側端末10における表示及びその遷移の具体例について、図5及び図6を参照して説明をする。ここで、図5は、指導支援処理時に指導者側端末10において表示される、ビデオ通話を伴う指導支援画面の一例を示す模式図である。また、図6は、ビデオ通話の進行状況(すなわち、服薬指導の進行状況)に応じたタイミングで更新される、指導支援画面の遷移の一例を示す模式図である。
【0052】
図5に示すように、指導支援画面50は、薬剤師画像表示領域51、患者画像表示領域52、患者属性表示領域53、推奨情報表示領域54、及び音声認識結果表示領域55を、表示領域として含む。
【0053】
薬剤師画像表示領域51には、ビデオ通話制御部352が生成したビデオ通話動画に含まれる薬剤師の画像(すなわち、動画)が表示される。また、患者画像表示領域52には、ビデオ通話制御部352が生成したビデオ通話動画に含まれる患者の画像(すなわち、動画)が表示される。なお、指導支援処理時に患者側端末20においても、薬剤師画像表示領域51、及び患者画像表示領域52と同様の表示領域が設けられて表示が行われる。なお、患者側端末20では、例えば、薬剤師の表情等が分かりやすいように、薬剤師画像表示領域51を大きくする一方で、患者画像表示領域52を小さくして表示するようにしてもよい。また、指導者側端末10及び患者側端末20は、このような表示と共に、ビデオ通話動画に含まれる薬剤師及び患者の音声を出力する。これにより、薬剤師及び患者は、直接対面しない(あるいは、直接対面できない)状況であっても、遠隔での服薬指導を実現することができる。
【0054】
患者属性表示領域53には、患者属性DB371に記憶されている患者の属性を示す情報が表示される。
推奨情報表示領域54には、推奨情報生成部354が生成した推奨情報が表示される。
音声認識結果表示領域55には、音声認識処理部353による音声認識結果が表示される。
【0055】
このように表示された、患者の属性を示す情報や、推奨情報や、音声認識結果は、薬剤師の指導を支援するための情報である指導支援情報として、薬剤師に利用される。これにより、遠隔での服薬指導を実現すると共に、医療に関する指導を、より適切に支援することが可能となる。
【0056】
また、図6に示すように、推奨情報や音声認識結果は、ビデオ通話の進行状況(すなわち、服薬指導の進行状況)に応じたタイミングで更新される。図6では、指導支援画面50における、推奨情報表示領域54及び音声認識結果表示領域55を特に図示する。
【0057】
一例として、ビデオ通話開始したタイミングにおいて、図6(A)に示すように、「(1)前回処方されたA薬を全て服用したか確認して下さい」といった服薬指導内容54-1や、「(2)今回処方されるB薬の効果について説明して下さい」といった服薬指導内容が推奨情報として表示されたとする。そして、音声認識結果55-1として示すように、推奨情報を参照した薬剤師が、これを参考にして「前回処方されたA薬は全て服用されましたか?」という服薬指導を行ったとする。この場合、推奨情報生成部354は、服薬指導内容54-1と、音声認識結果55-1とを比較した判定により、服薬指導内容54-1に対応した服薬指導が薬剤師により行われたことを検出する。すると推奨情報生成部354は、この検出をしたタイミングで、推奨情報の内容を変更して生成する。
【0058】
すると、図6(B)に示すように、服薬指導内容54-1にこの服薬指導が指導済みとなったことを示す情報として、「指導済み」というテキストが追加されたり、服薬指導内容54-1に下線が付加されたりする。この場合に、他にも、音声認識処理部353が音声認識結果の表示の態様を異ならせてもよい。例えば、音声認識結果55-1の表示の態様が変更され異なる色で表示されたり、ハッチング等が付加されたりする。薬剤師は、このような推奨情報等の変更に基づいて、自身が、推奨される服薬指導内容について指導を行えたことを確認することができる。また、このような表示を行った後に、推奨情報生成部354は、さらに、推奨情報の内容を変更して生成する。
【0059】
すると、図6(C)に示すように、服薬指導内容54-1が削除され、これに代わって、「(3)A薬の副作用が発生していないか確認して下さい」という新たな服薬指導内容54-2が推奨情報に追加される。そして、音声認識結果55-2として示すように、推奨情報を参照した薬剤師が、これを参考にして「A薬を服用したあとに、眠気を感じたり、倦怠感を覚えたりすることはありませんでしたか?」という指導を行ったとする。この場合、推奨情報生成部354は、服薬指導内容54-2と、音声認識結果55-2とを比較した判定により、服薬指導内容54-2に対応した服薬指導が薬剤師により行われたことを検出する。すると推奨情報生成部354は、この検出をしたタイミングで、推奨情報の内容を変更して生成する。例えば、服薬指導内容54-2と音声認識結果55-2に対して、図6(B)の服薬指導内容54-1と音声認識結果55-1に対して行ったのと同様の変更を行う。
【0060】
このようにして、全ての服薬指導内容について、指導が行われるまで、ビデオ通話の進行状況(すなわち、服薬指導の進行状況)に応じたタイミングで推奨情報等の内容を変更することにより、医療に関する指導を、より適切に支援することが可能となる。
【0061】
図4に戻り、薬歴管理部355は、音声認識処理部353による音声認識結果に基づいて、服薬指導が行われた患者の薬歴に登録する服薬指導文の案を作成する。上述したように、服薬指導における薬剤師及び患者の音声の音声認識結果は、音声認識結果DB375に記憶されている。そこで、薬歴管理部355は、この記憶されている音声認識結果に基づいて、ビデオ通話を伴う服薬指導で実際に行われた服薬指導内容を特定する。そして、例えば、薬歴管理部355は、特定した服薬指導内容に対応する服薬指導文を服薬指導DB376から抽出し、この抽出した服薬指導文を、服薬指導文の案として作成する。そして、薬歴管理部355は、作成した服薬指導文の案を薬歴DB373に登録する。これにより、薬剤師による煩雑な文字入力操作等を要することなく、服薬指導文の案を作成することができる。
【0062】
DB管理部356は、薬局用コンピュータや外部サーバが管理している各種データベースのデータと、指導支援サーバ30に備えられた各種データベースのデータとを同期させるための管理を行う。例えば、DB管理部356は、予め設定された時刻(例えば、各サーバの使用頻度が低い午前3時等の時刻)や各種データベースが更新されたタイミングで、指導支援サーバ30が管理している各種データベースにおいて更新されたデータを薬局用コンピュータや外部サーバに送信すると共に、薬局用コンピュータや外部サーバにおいて更新された各種データベースのデータを薬局用コンピュータや外部サーバから受信し、指導支援サーバ30が備える各種データベースを更新する。これにより、指導支援サーバ30に備えられた各種データベースのデータの内容は、適宜最新の内容に更新される。
【0063】
[動作]
次に、指導支援システム1に含まれる各装置及び各端末それぞれにおける、指導支援処理時の動作を説明する。
【0064】
[指導者側端末10の動作]
図7は、指導者側端末10が実行する指導支援処理の流れを示すフローチャートである。
指導者側端末10における指導支援処理は、指導者側端末10において、ビデオ通話の開始指示操作を受け付けたことに対応して開始される。
【0065】
ステップS11において、ビデオ通話制御部152は、患者側端末20との間でのビデオ通話の開始要求を、指導支援サーバ30に対して送信する。この通話の開始要求には、指導者側端末10を利用している薬剤師を識別する情報を含ませる。また、ビデオ通話制御部152は、併せて、指導支援サーバ30に対して、薬剤師の動画の送信を開始する。
【0066】
ステップS12において、ビデオ通話制御部152は、ビデオ通話が開始されたか否かの判定を行う。
ビデオ通話が開始されていない場合、ステップS12においてNOと判定されて、処理はステップS12の判定を繰り返す。
一方、ビデオ通話が開始された場合、ステップS12においてYESと判定されて、処理はステップS13に移行する。
【0067】
ステップS13において、ビデオ通話制御部152は、指導支援サーバ30からビデオ通話動画を受信する。
【0068】
ステップS14において、UI表示制御部151は、ステップS13にて受信した動画を表示する。
【0069】
ステップS15において、ビデオ通話制御部152は、指導支援サーバ30から音声認識結果を受信する。
ステップS16において、UI表示制御部151は、ステップS15にて受信した音声認識結果を表示する。
【0070】
ステップS17において、推奨情報取得部153は、推奨情報を受信したか否かの判定を行う。
推奨情報を受信していない場合、ステップS17においてNOと判定されて、処理はステップS16に移行する。
一方、推奨情報を受信した場合、ステップS17においてYESと判定されて、処理はステップS18に移行する。
【0071】
ステップS18において、UI表示制御部151は、ステップS17にて受信を確認した推奨情報を表示する。
【0072】
ステップS19において、ビデオ通話制御部152は、ビデオ通話が終了したか否かの判定を行う。ここで、ビデオ通話は、例えば、指導者側端末10又は患者側端末20において、ビデオ通話の終了指示操作を受け付けた場合に終了する。なお、このビデオ通話の終了指示操作を受け付けた端末は、ビデオ通話の終了要求を、指導支援サーバ30に対して送信する。
ビデオ通話が終了していない場合、ステップS19においてNOと判定されて、処理はステップS13に戻り繰り返される。
一方、ビデオ通話が終了した場合、ステップS19においてYESと判定されて、指導者側端末10における指導支援処理は終了する。
【0073】
[患者側端末20の動作]
図8は、患者側端末20が実行する指導支援処理の流れを示すフローチャートである。
患者側端末20における指導支援処理は、患者側端末20において、ビデオ通話の開始指示操作を受け付けたことに対応して開始される。
【0074】
ステップS21において、ビデオ通話制御部252は、指導者側端末10との間でのビデオ通話の開始要求を、指導支援サーバ30に対して送信する。この通話の開始要求には、患者側端末20を利用している患者を識別する情報を含ませる。また、ビデオ通話制御部252は、併せて、指導支援サーバ30に対して、患者の動画の送信を開始する。
【0075】
ステップS22において、ビデオ通話制御部252は、ビデオ通話が開始されたか否かの判定を行う。
ビデオ通話が開始されていない場合、ステップS22においてNOと判定されて、処理はステップS22の判定を繰り返す。
一方、ビデオ通話が開始された場合、ステップS22においてYESと判定されて、処理はステップS23に移行する。
【0076】
ステップS23において、ビデオ通話制御部252は、指導支援サーバ30からビデオ通話動画を受信する。
ステップS24において、UI表示制御部251は、ステップS23にて受信した動画を表示する。
【0077】
ステップS25において、ビデオ通話制御部252は、ビデオ通話が終了したか否かの判定を行う。ここで、ビデオ通話は、例えば、指導者側端末10又は患者側端末20において、ビデオ通話の終了指示操作を受け付けた場合に終了する。なお、このビデオ通話の終了指示操作を受け付けた端末は、ビデオ通話の終了要求を、指導支援サーバ30に対して送信する。
ビデオ通話が終了していない場合、ステップS25においてNOと判定されて、処理はステップS23に戻り繰り返される。
一方、ビデオ通話が終了した場合、ステップS25においてYESと判定されて、患者側端末20における指導支援処理は終了する。
【0078】
[指導支援サーバ30の動作]
図9は、指導支援サーバ30が実行する指導支援処理の流れを示すフローチャートである。
指導支援サーバ30における指導支援処理は、指導支援サーバ30の電源が投入されると共に開始される。
【0079】
ステップS31において、ビデオ通話制御部352は、ビデオ通話が開始されたか否かの判定を行う。ここで、ビデオ通話は、例えば、指導者側端末10及び患者側端末20のそれぞれから、ビデオ通話の開始要求を受け付けた場合に開始される。なお、これらビデオ通話の開始要求には、薬剤師を識別する情報や患者を識別する情報が含まれている。そのため、指導支援サーバ30は、これら識別する情報に基づいて薬剤師や患者を特定した上で、以後の処理を実施することができる。
ビデオ通話が開始されていない場合、ステップS31においてNOと判定されて、処理はステップS31に移行する。
一方、ビデオ通話が開始された場合、ステップS31においてYESと判定されて、処理はステップS32に移行する。
【0080】
ステップS32において、ビデオ通話制御部352は、指導者側端末10から薬剤師の動画を受信すると共に、患者側端末20から患者の動画を受信する。そして、ビデオ通話制御部352は、受信した薬剤師及び患者の動画に基づいて、ビデオ通話動画を生成する。
【0081】
ステップS33において、UI情報生成部351は、ステップS32にて生成されたビデオ通話動画を、指導者側端末10及び患者側端末20のそれぞれに対して送信する。
【0082】
ステップS34において、音声認識処理部353は、ステップS32にて受信した薬剤師及び患者の音声を音声認識処理する。
ステップS35において、ビデオ通話制御部352は、ステップS32にて音声認識された音声認識結果を、指導者側端末10に対して送信する。
【0083】
ステップS36において、推奨情報生成部354は、推奨情報の生成タイミング(上述したように、ビデオ通話が開始したタイミング、及びビデオ通話の進行状況(すなわち、服薬指導の進行状況)に応じたタイミングの双方を含む。)であるか否かの判定を行う。
推奨情報の生成タイミングでない場合、ステップS36においてNOと判定されて、処理はステップS39に移行する。
一方、推奨情報の生成タイミングである場合、ステップS36においてYESと判定されて、処理はステップS37に移行する。
ステップS37において、推奨情報生成部354は、推奨情報を生成する。
【0084】
ステップS38において、推奨情報生成部354は、ステップS37にて生成された推奨情報を、指導者側端末10に対して送信する。
ステップS39において、薬歴管理部355は、ステップS32にて音声認識された音声認識結果に基づいて、服薬指導文の案を作成する。
【0085】
ステップS40において、ビデオ通話制御部352は、ビデオ通話が終了したか否かの判定を行う。ここで、ビデオ通話は、例えば、指導者側端末10及び患者側端末20の何れかから、ビデオ通話の終了要求を受信した場合に終了する。
ビデオ通話が終了していない場合、ステップS40においてNOと判定されて、処理はステップS32に戻り、繰り返される。
一方、ビデオ通話が終了した場合、ステップS40においてYESと判定されて、処理はステップS41に移行する。
【0086】
ステップS41において、薬歴管理部355は、服薬指導文の案を薬歴に登録する。これにより、指導支援サーバ30における指導支援処理は終了する。
【0087】
以上説明した指導支援処理によれば、ビデオ通話によって薬学的な指導を遠隔で実現する。これにより、例えば、ウイルスや細菌の接触感染等を考慮して、指導者と患者とが直接対面しない(あるいは、直接対面できない)状況であっても医療に関する指導を実現することができる。この場合に、指導支援処理によれば、単に医療に関する指導を実現するのみならず、指導の進行状況を示す薬剤師及び患者の発声した音声の認識結果や、推奨される指導内容、といった情報に基づいた指導支援情報を薬剤師に提供することができる。
従って、指導支援処理によれば、医療に関する指導を、より適切に支援することが可能となる。
【0088】
[変形例]
以上、本発明の実施形態について説明したが、この実施形態は例示に過ぎず、本発明の技術的範囲を限定するものではない。本発明は、本発明の要旨を逸脱しない範囲で、その他の様々な実施形態を取ることが可能である共に、省略及び置換等種々の変形を行うことができる。この場合に、これら実施形態及びその変形は、本明細書等に記載された発明の範囲及び要旨に含まれると共に、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
一例として、以上説明した本発明の実施形態を、以下のようにして変形してもよい。また、以下のような変形を組み合わせるようにしてもよい。
[変形例1]
上述の実施形態では、説明のための一例として、指導支援システム1において、指導者側端末10を薬剤師が利用し、患者側端末20を利用する患者に対して、調剤時の服薬指導等を行うことを想定した。これに限らず、指導支援システム1は、保険薬局や病院や診療所といった様々な医療施設において、薬剤師や医師や看護師といった様々な医療従事者によって行われる、医学的な指導や薬学的な指導といった様々な医療に関する指導を支援することが可能である。すなわち、指導支援システム1において、指導者側端末10を用いて、医療に関する指導を行う指導者は薬剤師に限らず、他の医療従事者であってもよい。
【0089】
例えば、病院において業務に従事する医師がオンライン診療を行う場合に、指導者側端末10を用いて、医学的な指導を行うようにしてもよい。この場合、服薬指導DB376に代えて医師用の指導データベースが設けられる。そして、この医師用の指導データベースには、一般に医師がオンライン診療を行う際の医学的な指導内容や、この医学的な指導の一環として患者から聞き取りを行うべき内容(ヒアリング内容)が、指導者となる医師が担当する診療科や、指導を受ける患者の特性(例えば、患者の年齢や性別や持病や既住歴等)と対応付けて記憶されている。また、初診は対面診療でなされており、再診がオンライン診療でなされるような場合には、初診の対面診療での診療結果が、さらに対応付けて記憶されていてもよい。
【0090】
この医学的な指導内容は、例えば、医師(特にその診療科を担当しているベテランの医師)が、医学的な指導を行う患者に対して聞き取りを行うべき内容(例えば、患者の自覚している症状や、患者の持病といった診断に必要な情報)や、患者に対して説明すべき内容(例えば、罹患が疑われる病気の治療法や、複数の治療法それぞれ長所および短所)等である。これらの医学的な指導内容は、医師が理解可能な専門的用語を用いた形式で表現されていてもよいし、患者にとってより理解しやすい形式(例えば、専門的な用語を用いず平易な表現とした形式や、口語を用いた質問文)で表現されていてもよい。また、医学的な指導内容は、服薬指導DB376と同様に、統計情報等に基づいて人手によって作成されたものでもよいし、ディープラーニング等の手法を用いて機械学習により作成されたものでもよい。
【0091】
そして、推奨情報生成部354は、ビデオ通話が開始されると、上述した実施形態における服薬指導DB376から服薬指導内容を抽出する方法と同様の方法で、医師用の指導データベースから医学的な指導内容を抽出する。そして、推奨情報生成部354は、この抽出した医学的な指導内容を、医学的な指導において推奨される指導内容として推奨情報に含ませることにより、推奨情報を生成する。この推奨情報は、上述の実施形態と同様にして、医師に対して支援情報として表示される等の方法で活用される。
【0092】
この場合、薬歴管理部355は、音声認識処理部353による音声認識結果に基づいて、上述した実施形態における服薬指導文の案を薬歴に登録する方法と同様の方法で、医学的な指導内容文の案を薬歴(又は、薬歴に代わる電子カルテや電子問診票等)に登録する。これにより、医師による煩雑な文字入力操作等を要することなく、医学的な服薬内容文の案を作成することができる。
【0093】
このように、指導者となる医療従事者に応じて、適宜、指導データベースを作成することにより、上述した薬剤師に対する服薬指導の支援と同様に、他の医療従事者に対する医療に関する指導の支援を実現することができる。例えば、医師によるオンライン診療のみならず、看護師が理学療法士といった他の医療従事者が、患者に対して、何らかの医療に関する指導を遠隔で行う状況において、これら他の医療従事者を支援することができる。
すなわち、指導支援システム1は、指導者となる医療従事者を問うことなく、薬剤師や医師や看護師といった様々な医療従事者によって行われる、医学的な指導や薬学的な指導といった様々な医療に関する指導を支援することが可能である。
【0094】
[変形例2]
上述の実施形態において、薬歴管理部355は、服薬指導文の案を作成していた。このようにコンピュータによって自動作成された服薬指導文の案は、あくまで案であり、これをそのまま正式な服薬指導文として患者の薬歴に登録するのは望ましくない場合がありえる。そこで、服薬指導終了後に、薬歴管理部355が作成した服薬指導文の案を薬剤師が確認し、確認の結果薬剤師の承認が得られたもののみを正式な服薬指導文として患者の薬歴に登録する処理を追加することとしてもよい。
【0095】
この場合、例えば、指導支援サーバ30において承認受付画面を生成し、指導者側端末10において表示させる。図10は、承認受付画面の一例を示す模式図である。
図10に示すように、承認受付画面60は、書誌事項表示領域61、服薬指導文の案表示領域62、音声結果表示領域63、及び承認ボタン表示領域64を、表示領域として含む。
【0096】
書誌事項表示領域61には、薬歴を登録する対象とする服薬指導に関する書誌事項が表示される。例えば、患者氏名、服薬指導の実施日時、処方箋の番号、及び薬剤師の氏名等が表示される。
【0097】
服薬指導文の案表示領域62には、薬剤師が服薬指導を行う際の服薬指導内容を示す服薬指導文の一覧と、承認対象とする服薬指導文を薬剤師が選択するためのチェックボックスが表示される。この一覧に含まれる服薬指導文は、上述した指導支援処理において薬歴管理部355が作成した、服薬指導文の案の一覧に相当する。
【0098】
音声結果表示領域63には、服薬指導における薬剤師及び患者の音声の音声認識結果が表示される。
承認ボタン表示領域64には、服薬指導文の案表示領域62に表示されるチェックボックスで選択した服薬指導文の案を、すべて承認するための操作ボタンが表示される。
【0099】
薬剤師は、服薬指導文の案表示領域62に表示される服薬指導文の案の中から、正式な服薬指導文として患者の薬歴に登録するものを選択し、承認ボタン表示領域64に表示される登録を承認するための操作ボタンを押下する。また、薬剤師は、服薬指導文の案を選択する際に参考とするために、適宜音声結果表示領域63に表示される、服薬指導における薬剤師及び患者の音声の音声認識結果を参照する。このように、音声認識結果等を参照できるようにすることによって、薬剤師が適切な服薬指導文の案を承認することを支援することができる。
【0100】
そして、薬歴管理部355は、指導者側端末10において薬剤師の承認操作を受け付けた服薬指導文の案のみを、正式な服薬指導文として薬歴DB373に登録する。一方で、薬歴管理部355は、指導者側端末10において薬剤師の承認操作を受け付けなかった服薬指導文の案については、正式な服薬指導文として薬歴DB373に登録することはしない。これにより、薬剤師によって問題がないことが確認された、適正な服薬指導文のみを、薬歴に登録することができる。
【0101】
[変形例3]
上述の実施形態において、複数のクライアントである指導者側端末10及び患者側端末20と、サーバである指導支援サーバ30により、指導支援システム1を構築し、指導支援サーバ30を介して、指導者側端末10及び患者側端末20の間でビデオ通話を伴う服薬指導を行うものとした。
【0102】
これに限らず、例えば、指導支援サーバ30に備えられた機能をより多くのサーバ(例えば、クラウドサーバ)に分散して実装したり、指導支援サーバ30と、薬局用コンピュータの機能を1つの情報処理装置800にまとめて実装したりすることとしてもよい。
【0103】
また、他にも、例えば、指導者側端末10によるビデオ通話等の機能と、指導支援サーバ30による服薬指導の支援機能を単体の情報処理装置800にまとめて実装することとしてもよい。また、この場合に、さらに患者側端末20によるビデオ通話等の機能と、指導支援サーバ30による服薬指導の支援機能を他の単体の情報処理装置800で実現し、これら情報処理装置800間で、ピア・ツー・ピア(Peer to Peer)で通信を行うようにしてもよい。
【0104】
[変形例4]
上述の実施形態において、指導支援サーバ30は、指導者側端末10及び患者側端末20と協働して、ビデオ通話を伴う指導支援を対象として指導支援処理を行っていた。これに限らず、ビデオ通話を伴う指導支援に関連性の高い機能とさらに連携して指導支援処理を行うこととしてもよい。
【0105】
例えば、薬歴を管理する機能や、薬歴と連携して服薬指導を支援する機能等といった一般的な薬局用コンピュータ等が備える機能と連携して指導支援処理を行うこととしてもよい。この場合、薬歴を管理する機能とは、例えば、服薬指導文のみならず、処方箋、患者に対するアンケート結果、患者からのヒアリング内容、患者に対する問診結果、患者に対する薬剤師の印象、調剤した薬剤、診療報酬明細書、及びお薬手帳といった各種の情報を薬剤師や薬局のスタッフ等のために管理したり、そのためのユーザインターフェースを提供したりする機能である。また、薬歴と連携して服薬指導を支援する機能とは、例えば、ヒアリングや問診すべき内容や服薬指導内容を薬剤師に対して提案したり、服薬の履歴を患者が理解しやすいように出力したり、これらのためのユーザインターフェースを提供したりする機能である。
【0106】
そして、これらの機能と連携する場合、ビデオ通話制御部352は、例えば、これらの機能の何れか又は双方に関連する表示画面において薬剤師からの操作を受け付けたことを契機としてビデオ通話を開始する。
【0107】
これにより、指導支援サーバ30は、指導支援の対象としている薬学的な指導に関連性の高い機能(すなわち、薬歴を管理する機能や、薬歴と連携して服薬指導を支援する機能)と連携して処理を行うことができる。
【0108】
[変形例5]
上述の実施形態において、指導支援サーバ30は、DB管理部356により、薬局用コンピュータや外部サーバが管理している各種データベースのデータと、指導支援サーバ30に備えられた各種データベースのデータとを同期させるという管理を行っていた。
【0109】
これに限らず、指導支援サーバ30は、さらに他の方法でも、各種データベースのデータを管理するようにしてもよい。例えば、音声認識処理部353による音声認識の結果を示すデータ(ここでは、ビデオ通話における薬剤師や患者の音声をテキスト化したテキストデータ)を分類すると共に、該分類結果に対応する出力先に対して音声認識の結果を示すテキストデータを出力するようにしてもよい。このような分類を伴う音声認識の結果を示すテキストデータの管理処理について図11を参照して説明をする
【0110】
[変形例5における指導支援サーバ30の動作]
図11は、指導支援サーバ30が実行するデータ管理処理の流れを示すフローチャートである。
指導支援サーバ30におけるデータ管理処理は、指導支援サーバ30において、データ管理処理の開始指示操作を受け付けたことに対応して開始される。なお、他にも、例えば、予め設定された時刻(例えば、各サーバの使用頻度が低い午前3時等の時刻)等にバッチ処理としてデータ管理処理が開始されるようにしてもよい。このようにビデオ通話と同時にデータ管理処理を行うのではなく、バッチ処理として予め設定された時刻にデータ管理処理を行って処理を行う時間帯を分散することにより、指導支援サーバ30において同時に発生する演算処理の負荷を低減することができる。
【0111】
ステップS71において、DB管理部356は、音声認識結果DB375から、音声認識処理部353による音声認識の結果を示すテキストデータを取得する。このテキストデータは、未だ本処理の対象とされていない未分類のテキストデータである。
【0112】
ステップS72において、音声認識処理部353は、ステップS71において取得したテキストデータからキーワードを抽出する。このキーワードは、例えば、患者又は薬剤師が発話した「息苦しい」、「咳が出る」等の服薬指導において重要と考えられるキーワードである。このようなキーワードの抽出は、キーワードとする文言を、音声認識辞書DB374に登録しておくことにより実現できる。
【0113】
ステップS73において、音声認識処理部353は、ステップS72において抽出したキーワードそれぞれに対して、そのキーワードに応じたカテゴリーに分類をする。例えば、第1のキーワードが抽出された場合には、この第1のキーワードを「服薬状況」、「副作用」、「効能・効果」、「注意事項」、「医師への連絡事項」等のカテゴリーの何れかに分類する。この分類は、キーワードと分類されるカテゴリーとを対応付けて音声認識辞書DB374に登録しておくことにより実現できる。
【0114】
ステップS74において、DB管理部356は、ステップS73において分類された各キーワードを、分類結果に対応する出力先に対して出力する。例えば、分類されたカテゴリーが、患者の特記事項等の患者の属性に関連するカテゴリーであれば、そのキーワードを、患者属性DB371に対して出力して、患者属性DB371に記憶させる。同様に、例えば、分類されたカテゴリーが、服薬状況等の薬歴に関連するカテゴリーであれば、そのキーワードを、薬歴DB373に対して出力して、薬歴DB373に記憶させる。
【0115】
この場合に、出力先は、指導支援サーバ30に形成される各データベースに限られない。例えば、出力先を他のサーバコンピュータ等としてもよい。この場合、例えば、分類されたカテゴリーが、副作用等の治療・診断に関連するカテゴリーであれば、そのキーワードを、電子カルテを記憶する外部サーバに対して送信することにより出力して、外部サーバに記憶させる。
他にも、例えば、出力先を印刷装置やファクシミリとしてもよい。この場合、例えば、分類されたカテゴリーが、他の薬剤師や医師への連絡事項に関連するカテゴリーであれば、そのキーワードを文書として印刷するようにしてもよい。
【0116】
ステップS75において、DB管理部356は、音声認識結果DB375に、未だ本処理の対象とされていない未分類のテキストデータが存在するか否かを判定する。
未分類のテキストデータが存在する場合、ステップS75においてYESと判定され、データ管理処理は終了する。
ビデオ通話が終了していない場合、ステップS75においてNOと判定されて、処理はステップS71に戻り繰り返される。
【0117】
以上説明したデータ管理処理によれば、音声認識結果を示すテキストデータを分類して、分類結果に対応するデータベースに記憶させること等ができる。すなわち、指導支援サーバ30は、音声認識結果を示すテキストデータを適切に管理することができる。
【0118】
なお、以上説明したデータ管理処理では、抽出したキーワードを単位として分類し、このキーワードを単位としてデータベースに出力して記憶させる等していた。これに限らず、抽出したキーワードを含む前後の文を単位として分類をし、この文を単位としてデータベースに出力して記憶させる等するようにしてもよい。
【0119】
[変形例6]
上述した変形例5において、指導支援サーバ30は、音声認識結果を示すテキストデータ(ここでは、キーワード単位又はキーワードを含む前後の文単位のテキストデータ)を分類して、分類結果に対応するデータベースに記憶させる等していた。
【0120】
これに限らず、分類したテキストデータを、さらに他の用途に利用するようにしてもよい。例えば、音声合成の技術を利用して、分類したテキストデータを音声データに変換する。そして、この変換により得られた音声データを、薬剤師又は患者に対して再生する。すなわち、分類したテキストデータを、薬剤師又は患者に対して読み上げる。
【0121】
ここで、変形例5において分類したテキストデータは、抽出したキーワードが含まれると共に、適切なカテゴリーに分類されたテキストデータであり、ビデオ通話で薬剤師と患者が送受した会話の内容から、服薬指導に関連する特に重要な内容を抜き出したものに相当する。
したがって、このテキストデータを、薬剤師や患者に対して読み上げることにより、薬剤師や患者はビデオ通話の内容を効率よく振り返ることができる。例えば、単純にビデオ通話で送受された音声を全て録音しておき、これを再生するような場合に比べて、より効率よく振り返ることができる。
【0122】
この分類したテキストデータの音声データへの変換は、例えば、音声認識処理部353に、音声認識エンジンとしての機能に加えて、音声合成エンジンとしての機能を追加すると共に、音声認識辞書DB374に音声合成用のライブラリを記憶させておくことにより実現できる。また、変換により得られた音声データの再生(すなわち、読み上げ)は、例えば、指導者側端末10や患者側端末20の、出力部816に含まれるスピーカから音声データを再生した音声を出力することにより実現できる
【0123】
読み上げは、任意のタイミングで行うことができるが、例えば、新たな服薬指導を行う場合に、前回の服薬指導におけるテキストデータを予め読み上げることで、薬剤師や患者は、前回の服薬指導でやり取りした内容を振り返った上で新たな服薬指導を行うことができる。これは、特に、前回の服薬指導から時間が経過している場合に有益である。また、前回服薬指導を行った薬剤師と、今回新たに服薬指導を行う薬剤師とが、異なる人物である場合にも、前回の服薬指導の内容を適切に引き継げるという点で有益である。
【0124】
この場合、指導者側端末10のUI表示制御部151は、新たな服薬指導を行う対象の患者(例えば、今回処方箋を持参した患者)を選択するためのユーザインターフェースを表示する。そして、薬剤師がこのユーザインターフェースにより患者を選択すると、UI表示制御部151は、この患者に対して過去に行われた服薬指導(例えば、前回やそれ以前に行われた服薬指導を含む)を選択するためのユーザインターフェースをさらに表示する。そして、薬剤師が過去に行われた何れかの服薬指導を選択すると、患者を識別するための情報と共に、この服薬指導に対応する音声データの取得依頼を指導支援サーバ30に対して送信する。指導支援サーバ30は、この取得依頼に応じて、対応する音声データを指導者側端末10に対して送信する。これにより、UI表示制御部151は、指導支援サーバ30から、薬剤師が読み上げを希望する音声データを取得して、薬剤師に対する読み上げを実現することができる。
【0125】
他にも、例えば、患者が自宅で前回の服薬指導の内容を振り返るような場合に、読み上げを行うようにしてもよい。
この場合、患者側端末20のUI表示制御部251は、この患者側端末20を利用する患者に対して過去に行われた服薬指導(例えば、前回やそれ以前に行われた服薬指導を含む)を選択するためのユーザインターフェースを表示する。そして、患者が過去に行われた何れかの服薬指導を選択すると、患者を識別するための情報と共に、この服薬指導に対応する音声データの取得依頼を指導支援サーバ30に対して送信する。指導支援サーバ30は、この取得依頼に応じて、対応する音声データを指導者側端末10に対して送信する。これにより、UI表示制御部251は、指導支援サーバ30から、患者が読み上げを希望する音声データを取得して、患者に対する読み上げを実現することができる。
【0126】
なお、この指導支援サーバ30からの音声データの送信は、取得依頼に対応する音声データをメール等の通信手段により、指導者側端末10や患者側端末20に送信する方法であってもよい。あるいは、指導支援サーバ30が所定のURLを発行し、このURLにアクセスした指導者側端末10や患者側端末20に、取得依頼に対応する音声データをダウンロードさせるようにしてもよい。
次に、このような読み上げを実現するための読み上げ処理の動作について説明をする。
【0127】
[変形例6における指導者側端末10及び指導支援サーバ30の動作]
図12は、読み上げ処理の流れを示すフローチャートである。なお、以下では、指導者側端末10と、指導支援サーバ30とにより読み上げ処理を実行する場合を例にとって説明する。
指導者側端末10及び指導支援サーバ30における読み上げ処理は、指導者側端末10において、読み上げ処理の開始指示操作を受け付けたことに対応して開始される。
【0128】
ステップS81において、指導者側端末10のUI表示制御部151は、音声データの取得依頼を指導支援サーバ30に対して送信する。この取得依頼には、薬剤師を識別する情報や患者を識別する情報や依頼する音声データに対応する服薬指導を識別する情報が含まれている。
【0129】
ステップS82において、指導者側端末10のUI表示制御部151は、ステップS81において送信した取得依頼の応答として、指導支援サーバ30から音声データを受信したか否かを判定する。
音声データを受信した場合、ステップS82においてYESと判定され、処理はステップS83に進む。
一方、音声データを受信していない場合、ステップS82においてNOと判定され、処理はステップS82の判定を繰り返す。
【0130】
ステップS83において、指導者側端末10のUI表示制御部151は、指導支援サーバ30から受信した音声データを再生した音声を、出力部816に含まれるスピーカから出力する。すなわち、音声データを読み上げる。これにより、指導者側端末10における読み上げ処理は終了する。
【0131】
ステップS91において、指導支援サーバ30の音声認識処理部353は、指導者側端末10から音声データの取得依頼を受信したか否かを判定する。
音声データの取得依頼を受信した場合、ステップS91においてYESと判定され、処理はステップS92に進む。なお、この音声データの取得依頼には、薬剤師を識別する情報や患者を識別する情報や音声データに対応する服薬指導を識別する情報が含まれている。そのため、指導支援サーバ30は、これら識別する情報に基づいて音声データに対応する薬剤師や患者や服薬指導を特定した上で、以後の処理を実施することができる。
一方、音声データの取得依頼を受信していない場合、ステップS92においてNOと判定され、処理はステップS91の判定を繰り返す。
【0132】
ステップS92において、指導支援サーバ30の音声認識処理部353は、受信した取得依頼に対応する服薬指導についての、分類されたテキストデータを取得する。
【0133】
ステップS93において、指導支援サーバ30の音声認識処理部353は、ステップS92において取得したテキストデータを、音声データに変換する。
【0134】
ステップS94において、指導支援サーバ30のUI情報生成部351は、ステップS93において変換した音声データを指導者側端末10に対して送信する。これにより、指導支援サーバ30における読み上げ処理は終了する。
【0135】
なお、以上説明した読み上げ処理では、指導者側端末10と、指導支援サーバ30とにより読み上げ処理を実行する場合を例にとって説明した。これを、患者側端末20と、指導支援サーバ30とにより読み上げ処理を実行する場合の説明とするためには、以上の説明における「指導者側端末10」を「患者側端末20」と読み替え、「UI表示制御部151」を「UI表示制御部251」と読み替えればよい。
【0136】
以上説明した読み上げ処理によれば、抽出したキーワードを含むテキストデータを、薬剤師や患者に対して読み上げることにより、薬剤師や患者はビデオ通話の内容を効率よく振り返ることができる。
【0137】
[構成例]
以上のように、本実施形態に係る指導支援サーバ30は、ビデオ通話制御部352と、音声認識処理部353と、推奨情報生成部354と、を備える。
ビデオ通話制御部352は、患者に対して行われる医療に関する指導を遠隔で実現するために、医療に関する指導を行う指導者が使用する指導者側端末10と患者が使用する患者側端末20との間のビデオ通話を制御する。
音声認識処理部353は、ビデオ通話において送受信される音声に対して音声認識処理を行う。
推奨情報生成部354は、医療に関する指導において推奨される指導内容を示す情報である推奨情報を生成する。
さらに、ビデオ通話制御部352は、ビデオ通話の進行と並行して、音声認識処理部353による音声認識の結果と、推奨情報生成部354が生成した推奨情報とに基づいた指導支援情報を、指導者が使用する指導者側端末10から出力させる。
このように、指導支援サーバ30は、ビデオ通話によって医療に関する指導を遠隔で実現するのみならず、指導の進行状況を示す指導者及び患者の発声した音声の認識結果や、推奨される指導内容、といった情報に基づいた指導支援情報を指導者に提供することができる。
従って、本発明の実施形態に係る指導支援サーバ30によれば、患者に対して行われる医療に関する指導を、より適切に支援することが可能となる。
【0138】
推奨情報生成部354は、少なくとも患者に関する情報に基づいて推奨情報を生成すると共に、音声認識処理部353による音声認識の結果に基づいて推奨情報の内容を変更する。
これにより、指導支援サーバ30は、指導の進行状況を示す指導者及び患者の発声した音声の認識結果に基づいて、推奨情報をより適切な内容(例えば、指導の進行状況に応じた内容)に変更することができる。
【0139】
推奨情報生成部354は、音声認識処理部353による音声認識の結果に基づいて決定したタイミングで、推奨情報を変更する。
これにより、指導支援サーバ30は、指導の進行状況を示す指導者及び患者の発声した音声の認識結果に基づいて、推奨情報をより適切なタイミング(例えば、指導の進行状況に応じたタイミング)で変更することができる。
【0140】
指導支援サーバ30は、薬歴管理部355をさらに備える。
薬歴管理部355は、音声認識処理部353による音声認識の結果に基づいて、患医療に関する指導に対応する指導文の案を作成する。
これにより、指導支援サーバ30は、指導者による煩雑な文字入力操作等を要することなく、指導文の案を作成することができる。
【0141】
薬歴管理部355は、指導者が登録の承認をしたことを条件に、服薬指導文の案を医療に関する指導に対応する指導文として患者の薬歴に登録する。
これにより、指導支援サーバ30は、指導者によって問題がないことが確認された、適正な指導文のみを、薬歴に登録することができる。
【0142】
指導支援サーバ30は、薬歴を管理する機能及び薬歴と連携して医療に関する指導を支援する機能の何れか又は双方の機能と連携し、
ビデオ通話制御部352は、薬歴を管理する機能及び薬歴と連携して医療に関する指導を支援する機能の何れか又は双方に関連する表示画面において指導者からの操作を受け付けたことを契機としてビデオ通話を開始する。
これにより、指導支援サーバ30は、指導支援の対象としている医療に関する指導に関連性の高い機能(すなわち、薬歴を管理する機能や、薬歴と連携して医療に関する指導を支援する機能)と連携して処理を行うことができる。
【0143】
指導支援サーバ30は、DB管理部356をさらに備える。
DB管理部356は、音声認識処理部353による音声認識の結果を示すデータを該音声認識された内容に基づいて分類すると共に、該分類結果に対応する出力先に対して音声認識の結果を示すデータを出力する。
これにより、指導支援サーバ30は、音声認識結果を示すデータ(例えば、テキストデータ)を分類して、分類結果に対応するデータベースに記憶させること等ができる。すなわち、指導支援サーバ30は、音声認識結果を示すデータ(例えば、テキストデータ)を適切に管理することができる。
【0144】
音声認識処理部353は、DB管理部356が出力する音声認識の結果を示すデータを、薬剤師又は患者に対して音声を再生するための音声データに変換する。
これにより、抽出したキーワードを含むテキストデータを音声データとして、薬剤師や患者に対して読み上げることにより、薬剤師や患者はビデオ通話の内容を効率よく振り返ることができる。
【0145】
以上のように、本実施形態に係る指導支援システム1は、ネットワークを介して通信可能に構成された指導者側端末10と患者側端末20と指導支援サーバ30とを含む。
指導者側端末10は、ビデオ通話制御部152と、出力部816と、を備える。
ビデオ通話制御部152は、患者に対して行われる医療に関する指導を遠隔で実現するために、医療に関する指導を行う指導者が使用する指導者側端末10と患者が使用する患者側端末20との間のビデオ通話を制御する。
出力部816は、指導支援情報を出力する。
患者側端末20は、ビデオ通話制御部252を備える。
ビデオ通話制御部252は、ビデオ通話を制御する。
指導支援サーバ30は、ビデオ通話制御部352と、音声認識処理部353と、推奨情報生成部354と、を備える。
ビデオ通話制御部352は、ビデオ通話を制御する。
音声認識処理部353は、ビデオ通話において送受信される音声に対して音声認識処理を行う。
推奨情報生成部354は、医療に関する指導において推奨される指導内容を示す情報である推奨情報を生成する。
さらに、ビデオ通話制御部352は、ビデオ通話の進行と並行して、音声認識処理部353による音声認識の結果と、推奨情報生成部354が生成した推奨情報とに基づいた指導支援情報を、患者側端末20が備える出力部816から出力させる。
これにより、指導支援システム1は、複数の端末とサーバ装置という構成で、ビデオ通話によって医療に関する指導を遠隔で実現するのみならず、指導の進行状況を示す指導者及び患者の発声した音声の認識結果や、推奨される指導内容、といった情報に基づいた指導支援情報を指導者に提供することができる。
従って、本発明の実施形態に係る指導支援システム1によれば、医療に関する指導を、より適切に支援することが可能となる。
【0146】
なお、本発明は、上述の実施形態に限定されるものではなく、本発明の目的を達成できる範囲での変形、改良等は本発明に含まれるものである。
例えば、上述の実施形態においては、薬剤師による服薬指導を対象とする支援する場合を例に挙げて説明したが、これに限られない。すなわち、本発明において支援する対象には、各種医療情報が含まれる。
【0147】
上述した一連の処理は、ハードウェアにより実行させることもできるし、ソフトウェアにより実行させることもできる。
換言すると、上述の実施形態における機能的構成は例示に過ぎず、特に限定されない。すなわち、上述した一連の処理を全体として実行できる機能が指導支援システム1を構成するいずれかのコンピュータに備えられていれば足り、この機能を実現するためにどのような機能ブロックを用いるのかは特に示した例に限定されない。
また、1つの機能ブロックは、ハードウェア単体で構成してもよいし、ソフトウェア単体で構成してもよいし、それらの組み合わせで構成してもよい。
【0148】
また、上述した一連の処理を実行するためのプログラムを含む記録媒体は、ユーザにプログラムを提供するために装置本体とは別に配布されるリムーバブルメディアにより構成されるだけでなく、装置本体に予め組み込まれた状態でユーザに提供される記録媒体等で構成される。
【0149】
また、上述した実施形態に記載された効果は、本発明から生じる最も好適な効果を列挙したに過ぎず、本発明による効果は、本実施形態に記載されたものに限定されるものではない。
【符号の説明】
【0150】
1 指導支援システム、10 指導者側端末、20 患者側端末、30 指導支援サーバ、40 ネットワーク、151,251 ユーザインターフェース表示制御部(UI表示制御部)、152,252,352 ビデオ通話制御部、153 推奨情報取得部、351 ユーザインターフェース情報生成部(UI情報生成部)、353 音声認識処理部、354 推奨情報生成部、355 薬歴管理部、356 データベース管理部(DB管理部)、371 患者属性データベース(患者属性DB)、372 処方箋データベース(処方箋DB)、373 薬歴データベース(薬歴DB)、374 音声認識辞書データベース(音声認識辞書DB)、375 音声認識結果データベース(音声認識結果DB)、376 服薬指導データベース(服薬指導DB)、800 情報処理装置、811 CPU、812 ROM、813 RAM、814 バス、815 入力部、816 出力部、817 記憶部、818 通信部、819 ドライブ、820 撮像部、831 リムーバブルメディア
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12