(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-05-13
(45)【発行日】2024-05-21
(54)【発明の名称】共焦点顕微鏡ユニット及び共焦点顕微鏡
(51)【国際特許分類】
G02B 21/06 20060101AFI20240514BHJP
G02B 21/00 20060101ALI20240514BHJP
G01N 21/64 20060101ALI20240514BHJP
【FI】
G02B21/06
G02B21/00
G01N21/64 E
(21)【出願番号】P 2021509611
(86)(22)【出願日】2020-03-26
(86)【国際出願番号】 JP2020013799
(87)【国際公開番号】W WO2020196783
(87)【国際公開日】2020-10-01
【審査請求日】2022-10-05
(31)【優先権主張番号】P 2019062976
(32)【優先日】2019-03-28
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(73)【特許権者】
【識別番号】000236436
【氏名又は名称】浜松ホトニクス株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100088155
【氏名又は名称】長谷川 芳樹
(74)【代理人】
【識別番号】100113435
【氏名又は名称】黒木 義樹
(74)【代理人】
【識別番号】100140442
【氏名又は名称】柴山 健一
(74)【代理人】
【識別番号】100124800
【氏名又は名称】諏澤 勇司
(72)【発明者】
【氏名】山下 慈郎
(72)【発明者】
【氏名】田邊 康行
(72)【発明者】
【氏名】松田 俊輔
(72)【発明者】
【氏名】寺田 浩敏
【審査官】岡田 弘
(56)【参考文献】
【文献】特開平06-167654(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2011/0119034(US,A1)
【文献】特開平10-206742(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2013/0015370(US,A1)
【文献】国際公開第2017/145230(WO,A1)
【文献】特開2009-116082(JP,A)
【文献】特表2017-535816(JP,A)
【文献】特開2009-198980(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G02B 19/00-21/00
G02B 21/06-21/36
G01N 21/64-21/74
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
顕微鏡光学系を有する顕微鏡の接続ポートに取り付けられることにより、共焦点顕微鏡を構成する共焦点顕微鏡ユニットであって、
第1の励起光を出力する光源、前記第1の励起光に応じて観察対象の試料から生じる第1の蛍光の光束を制限する第1の絞り部材、及び、前記第1の絞り部材を通過した第1の蛍光を検出する第1の光検出器を有する第1のサブユニットと、
第2の励起光を出力する光源、前記第2の励起光に応じて前記試料から生じる第2の蛍光の光束を制限する第2の絞り部材、及び、前記第2の絞り部材を通過した第2の蛍光を検出する第2の光検出器を有する第2のサブユニットと、
前記第1及び第2のサブユニットから出力された励起光を、前記試料上で走査させ、前記励起光に応じて前記試料から生じる蛍光を前記第1及び第2のサブユニットに向けて導くスキャンミラーと、
前記スキャンミラーによって走査された前記励起光を前記顕微鏡光学系に導光し、前記顕微鏡光学系によって結像された前記蛍光を前記スキャンミラーに導光するスキャンレンズと、
前記接続ポートに取り付け可能に構成され、前記スキャンミラー、前記スキャンレンズ、前記第1のサブユニット、及び前記第2のサブユニットが固定されたメイン筐体と、
を備え、
前記第1のサブユニットは、前記第1の励起光及び前記第1の蛍光を反射し、前記第2の励起光及び前記第2の蛍光を透過する第1のビームスプリッタを有し、
前記第1のサブユニットを構成する、前記第1の励起光を出力する前記光源、前記第1の絞り部材、前記第1の光検出器、及び、前記第1のビームスプリッタは、前記メイン筐体内の第1のベース板上に配置されており、
前記第2のサブユニットを構成する、前記第2の励起光を出力する前記光源、前記第2の絞り部材、及び、前記第2の光検出器は、前記メイン筐体内の第2のベース板上に配置されており、
前記メイン筐体は、前記第1のベース板を位置決めする第1の位置決め部と、前記第2のベース板を位置決めする第2の位置決め部とを有し、
前記第1の位置決め部及び前記第2の位置決め部は、前記第2のベース板を前記第1のベース板に対して、前記蛍光の導光方向に交わる方向に所定距離だけシフトして位置決め
し、
前記所定距離は、前記蛍光の導光方向に交わる方向における前記蛍光の光路のシフト量を決める、前記第1のビームスプリッタの厚さ及び屈折率に応じて、設定される、
共焦点顕微鏡ユニット。
【請求項2】
前記スキャンミラーはMEMSミラーである、
請求項
1に記載の共焦点顕微鏡ユニット。
【請求項3】
前記第1のサブユニットと前記第2のサブユニットとは、前記スキャンミラーによる前記蛍光の導光方向に沿って、前記第1のサブユニットおよび前記第2のサブユニットの順で並んだ状態で前記メイン筐体に固定されている、
請求項1
又は2に記載の共焦点顕微鏡ユニット。
【請求項4】
第3の励起光を出力する光源、前記第3の励起光に応じて前記試料から生じる第3の蛍光の光束を制限する第3の絞り部材、及び、前記第3の絞り部材を通過した第3の蛍光を検出する第3の光検出器を有する第3のサブユニットをさらに備え、
前記第2のサブユニットは、前記第2の励起光及び前記第2の蛍光を反射し、前記第3の励起光及び前記第3の蛍光を透過する第2のビームスプリッタを有する、
請求項1~
3のいずれか1項に記載の共焦点顕微鏡ユニット。
【請求項5】
前記メイン筐体は、前記第2のサブユニットを位置決めする第2の位置決め部と、前記第3のサブユニットを位置決めする第3の位置決め部とを有し、
前記第2の位置決め部及び前記第3の位置決め部は、前記第3のサブユニットを前記第2のサブユニットに対して、前記蛍光の導光方向に交わる方向に所定距離だけシフトして位置決めする、
請求項
4に記載の共焦点顕微鏡ユニット。
【請求項6】
前記第1のビームスプリッタの厚さと、前記第2のビームスプリッタの厚さは同一である、
請求項
4又は5に記載の共焦点顕微鏡ユニット。
【請求項7】
前記第1のサブユニットと前記第2のサブユニットと前記第3のサブユニットとは、前記スキャンミラーによる前記蛍光の導光方向に沿って、前記第1のサブユニット、前記第2のサブユニット、および前記第3のサブユニットの順で並んだ状態で前記メイン筐体に固定されている、
請求項
4~
6のいずれか1項に記載の共焦点顕微鏡ユニット。
【請求項8】
請求項1~
7のいずれか1項に記載の共焦点顕微鏡ユニットと、
前記顕微鏡光学系及び前記共焦点顕微鏡ユニットが取り付けられる接続ポートを有する顕微鏡を備える、共焦点顕微鏡。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、共焦点顕微鏡を構成する共焦点顕微鏡ユニット及び共焦点顕微鏡に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、観察対象の標本の光学断層像を高解像度で得ることが可能な共焦点顕微鏡が知られている。例えば、下記特許文献1には、顕微鏡に接続される顕微鏡接続ポートと、標本に光を照射する刺激ユニットと、標本から発せられる光を検出する観察ユニットと、顕微鏡と刺激ユニット及び観察ユニットとを光学的に接続する光路を合成する光路合成部とを備える顕微鏡接続ユニットが開示されている。この顕微鏡接続ユニットは、複数の光源から発せられた光を導く光学系、それに応じて発生した蛍光を複数波長ごとに検出するためのダイクロイックミラー、共焦点ピンホール、及び光電子増倍管を、同一の観察ユニット内に有している。このような構成では、複数の波長の励起光を用いてそれに応じて生じる蛍光を検出することにより、同一の装置で複数波長領域でのイメージングが実現される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上述したような従来のユニットでは、共焦点光学系を構成するにあたり、励起光と蛍光を分離するダイクロイックミラーに対して、励起光を出力する光源や蛍光の光束を制限する絞り部材の位置を共役位置に設置する必要があり、この共役位置の光学調整に手間がかかっていた。
【0005】
実施形態は、かかる課題に鑑みてなされたものであり、ダイクロイックミラーに対して、励起光を出力する光源及び蛍光の光束を制限する絞り部材の位置を共役位置に設置したユニットを設けることで、複数波長での共焦点イメージングを容易に行うことができる共焦点顕微鏡ユニットを提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示の一形態に係る共焦点顕微鏡ユニットは、顕微鏡光学系を有する顕微鏡の接続ポートに取り付けられることにより、共焦点顕微鏡を構成する共焦点顕微鏡ユニットであって、第1の励起光を出力する光源、第1の励起光に応じて観察対象の試料から生じる第1の蛍光の光束を制限する第1の絞り部材、及び、第1の絞り部材を通過した第1の蛍光を検出する第1の光検出器を有する第1のサブユニットと、第2の励起光を出力する光源、第2の励起光に応じて試料から生じる第2の蛍光の光束を制限する第2の絞り部材、及び、第2の絞り部材を通過した第2の蛍光を検出する第2の光検出器を有する第2のサブユニットと、第1及び第2のサブユニットから出力された励起光を、試料上で走査させ、励起光に応じて試料から生じる蛍光を第1及び第2のサブユニットに向けて導くスキャンミラーと、スキャンミラーによって走査された励起光を顕微鏡光学系に導光し、顕微鏡光学系によって結像された蛍光をスキャンミラーに導光するスキャンレンズと、接続ポートに取り付け可能に構成され、スキャンミラー、スキャンレンズ、第1のサブユニット、及び第2のサブユニットが固定されたメイン筐体と、を備え、第1のサブユニットは、第1の励起光及び第1の蛍光を反射し、第2の励起光及び第2の蛍光を透過する第1のビームスプリッタを有する。
【0007】
上記一形態によれば、第1のサブユニットから出力された第1の励起光が、第1のビームスプリッタを反射してからスキャンミラー及びスキャンレンズを経由して試料上に走査され、それに応じて試料上から生じた第1の蛍光がスキャンレンズ及びスキャンミラーを経由してから第1のビームスプリッタを反射することにより第1のサブユニット内に入射し、第1のサブユニット内の第1の絞り部材にその像が結ばれて第1の光検出器で検出される。加えて、第2のサブユニットから出力された第2の励起光が、第1のサブユニット内の第1のビームスプリッタを透過してからスキャンミラー及びスキャンレンズを経由して試料上に走査され、それに応じて試料上から生じた第2の蛍光が、スキャンレンズ及びスキャンミラーを経由して第1のビームスプリッタを透過してから第2のサブユニット内に入射し、第2のサブユニット内の第2の絞り部材にその像が結ばれて第2の光検出器で検出される。ここで、これらのスキャンミラー、スキャンレンズ、第1及び第2のサブユニットはメイン筐体に固定されているので、第1及び第2のサブユニットの単位での光源の光学系と絞り部材との位置関係の設定が可能となる。その結果、設定作業を容易にしつつ複数波長領域でのイメージングの精度を高めることが可能となる。
【0008】
あるいは、本開示の他の形態は、上述の共焦点顕微鏡ユニットと、顕微鏡光学系及び共焦点顕微鏡ユニットが取り付けられる接続ポートを有する顕微鏡を備える共焦点顕微鏡である。このような共焦点顕微鏡によれば、所望の励起波長及び蛍光波長における共焦点イメージングを容易に行うことができる。
【発明の効果】
【0009】
本開示の一側面によれば、光源の光学系及び絞り部材の設定を容易にして複数波長領域でのイメージングの精度を高めることができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【
図1】実施形態にかかる共焦点顕微鏡Aの概略構成図である。
【
図2】ダイクロイックミラー9a~9cにおける蛍光の屈折状態を示す平面図である。
【
図3】
図1の共焦点顕微鏡ユニット1の第1~第4のサブユニット6a~6dの位置決め構造を示す平面図である。
【
図4】
図1の第1~第4のサブユニット6a~6dで扱われる励起光及び蛍光の波長分布特性を示すグラフである。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、添付図面を参照して、本開示の実施形態について詳細に説明する。なお、説明において、同一要素又は同一機能を有する要素には、同一符号を用いることとし、重複する説明は省略する。
【0012】
図1は、実施形態にかかる共焦点顕微鏡Aの概略構成図である。
図1に示す共焦点顕微鏡Aは、観察対象の試料Mの光学断層像の構築を可能とする画像を取得する共焦点顕微鏡を構成し、共焦点顕微鏡ユニット1が顕微鏡50の外部ユニット接続用の接続ポートP1に接続されて構成される。この共焦点顕微鏡ユニット1は、顕微鏡50内の結像レンズ51、対物レンズ52等の顕微鏡光学系を経由して、顕微鏡50のステージ上等に配置された試料Mに励起光を照射し、その励起光に応じて試料Mから生じた蛍光を、顕微鏡50の顕微鏡光学系を経由して受光(検出)して光学的断層像を生成して出力する装置である。
【0013】
詳細には、共焦点顕微鏡ユニット1は、メイン筐体2と、メイン筐体2の一部を構成し、顕微鏡50の接続ポートP1に着脱可能に接続される鏡筒3と、メイン筐体2内に固定されたスキャンミラー4、固定ミラー5、第1~第4のサブユニット6a~6dと、鏡筒3内に固定されたスキャンレンズ7とを含んで構成される。以下、共焦点顕微鏡ユニット1の各構成要素について詳細に説明する。
【0014】
鏡筒3内のスキャンレンズ7は、スキャンミラー4の反射面を対物レンズ52の瞳位置にリレーすると同時に、顕微鏡50の顕微鏡光学系の1次結像面にスポットを結ぶ機能を有する光学素子である。スキャンレンズ7は、スキャンミラー4によって走査された励起光を顕微鏡光学系に導光することにより試料Mに照射させ、それに応じて試料Mから生じた蛍光をスキャンミラー4に導光する。
【0015】
メイン筐体2内のスキャンミラー4は、例えば、反射板を2軸で傾動可能に構成されたMEMS(Micro Electro Mechanical System)ミラー等の光走査素子である。スキャンミラー4は、反射角度を連続的に変更することにより、第1~第4のサブユニット6a~6dから出力された励起光を試料M上に走査させ、その励起光に応じて生じる蛍光を、第1~第4のサブユニット6a~6dに向けて導く役割を有する。
【0016】
固定ミラー5は、メイン筐体2内に固定された光反射素子であり、第1~第4のサブユニット6a~6dから出力された励起光をスキャンミラー4に向けて反射させ、スキャンミラー4で反射された蛍光を励起光と同軸で第1~第4のサブユニット6a~6dに向けて反射する。
【0017】
第1のサブユニット6aは、ベース板8aと、ベース板8a上に配置されたダイクロイックミラー(第1のビームスプリッタ)9a、光源10a、ダイクロイックミラー11a、ピンホール板(第1の絞り部材)12a、光検出器(第1の光検出器)13aとを有する。ダイクロイックミラー9aは、固定ミラー5の蛍光の反射方向に固定され、第1のサブユニット6aが照射する波長λ1の第1の励起光及びそれに応じて試料Mから生じる波長範囲Δλ1の第1の蛍光を反射し、第1の励起光及び第1の蛍光よりも長波長の光を透過させる性質を有するビームスプリッタである。ダイクロイックミラー11aは、ダイクロイックミラー9aの第1の蛍光の反射方向に設けられ、波長範囲Δλ1の第1の蛍光を透過し、波長範囲Δλ1より短い波長λ1の第1の励起光を反射させる性質を有するビームスプリッタである。光源10aは、波長λ1の第1の励起光(例えば、レーザ光)を出力する発光素子(例えば、レーザダイオード)であり、第1の励起光がダイクロイックミラー11aによって第1の蛍光と同軸でダイクロイックミラー9aに向けて反射されるように配置される。ピンホール板12aは、そのピンホール位置が試料Mの第1の励起光のスポットの共役位置に一致するように配置され、第1の蛍光の光束を制限する絞り部材であり、光源10a等とともに共焦点光学系を構成する。このピンホール板12aは、ピンホールの径を外部から調整可能にされ、光検出器13aによって検出される画像の解像度と画像の信号強度を変更可能とする。光検出器13aは、その検出面がピンホール板12aに対向して配置され、ピンホール板12aを通過した第1の蛍光を受光および検出する。なお、光検出器13aは、光電子増倍管、フォトダイオード、アバランシェフォトダイオード、MPPC(Multi-Pixel Photon Counter)、HPD(Hybrid Photo Detector)、或いはエリアイメージセンサ等である。
【0018】
第2~第4のサブユニット6b~6dも、第1のサブユニット6aと同様な構成を有する。
【0019】
すなわち、第2のサブユニット6bは、ベース板8bと、ダイクロイックミラー(第2のビームスプリッタ)9b、光源10b、ダイクロイックミラー11b、ピンホール板(第2の絞り部材)12b、光検出器(第2の光検出器)13bとを有する。ダイクロイックミラー9bは、第2のサブユニット6bが照射する波長λ2(>λ1)の第2の励起光及びそれに応じて試料Mから生じる波長範囲Δλ2の第2の蛍光を反射し、第2の励起光及び第2の蛍光よりも長波長の光を透過させる性質を有する。ダイクロイックミラー11bは、波長範囲Δλ2の第2の蛍光を透過し、波長範囲Δλ2より短い波長λ2の第2の励起光を反射させる性質を有する。光源10bは、波長λ2の第2の励起光を出力する発光素子である。ピンホール板12bは、そのピンホール位置が試料Mの第2の励起光のスポットの共役位置に一致するように配置され、第2の蛍光の光束を制限する絞り部材である。光検出器13bは、その検出面がピンホール板12bに対向して配置され、ピンホール板12bを通過した第2の蛍光を受光および検出する。なお、光検出器13bは、光電子増倍管、フォトダイオード、アバランシェフォトダイオード、MPPC(Multi-Pixel Photon Counter)、HPD(Hybrid Photo Detector)、或いはエリアイメージセンサ等である。
【0020】
第3のサブユニット6cは、ベース板8cと、ダイクロイックミラー(第3のビームスプリッタ)9c、光源10c、ダイクロイックミラー11c、ピンホール板(第3の絞り部材)12c、光検出器(第3の光検出器)13cとを有する。ダイクロイックミラー9cは、第3のサブユニット6cが照射する波長λ3(>λ2)の第3の励起光及びそれに応じて試料Mから生じる波長範囲Δλ3の第3の蛍光を反射し、第3の励起光及び第3の蛍光よりも長波長の光を透過させる性質を有する。ダイクロイックミラー11cは、波長範囲Δλ3の第3の蛍光を透過し、波長範囲Δλ3より短い波長λ3の第3の励起光を反射させる性質を有する。光源10cは、波長λ3の第3の励起光を出力する発光素子である。ピンホール板12cは、そのピンホール位置が試料Mの第3の励起光のスポットの共役位置に一致するように配置され、第3の蛍光の光束を制限する絞り部材である。光検出器13cは、その検出面がピンホール板12cに対向して配置され、ピンホール板12cを通過した第3の蛍光を受光および検出する。なお、光検出器13cは、光電子増倍管、フォトダイオード、アバランシェフォトダイオード、MPPC(Multi-Pixel Photon Counter)、HPD(Hybrid Photo Detector)、或いはエリアイメージセンサ等である。
【0021】
第4のサブユニット6dは、ベース板8dと、全反射ミラー9d、光源10d、ダイクロイックミラー11d、ピンホール板(第4の絞り部材)12d、光検出器(第4の光検出器)13dとを有する。全反射ミラー9cは、第4のサブユニット6dが照射する波長λ4(>λ3)の第4の励起光及びそれに応じて試料Mから生じる波長範囲Δλ4の第4の蛍光を反射する。ダイクロイックミラー11dは、波長範囲Δλ4の第4の蛍光を透過し、波長範囲Δλ4より短い波長λ4の第4の励起光を反射させる性質を有する。光源10dは、波長λ4の第4の励起光を出力する発光素子である。ピンホール板12dは、そのピンホール位置が試料Mの第4の励起光のスポットの共役位置に一致するように配置され、第4の蛍光の光束を制限する絞り部材である。光検出器13dは、その検出面がピンホール板12dに対向して配置され、ピンホール板12dを通過した第4の蛍光を受光および検出する。なお、光検出器13dは、光電子増倍管、フォトダイオード、アバランシェフォトダイオード、MPPC(Multi-Pixel Photon Counter)、HPD(Hybrid Photo Detector)、或いはエリアイメージセンサ等である。
【0022】
上記構成の第1~第4のサブユニット6a~6dの位置関係について説明する。
【0023】
第1~第4のサブユニット6a~6dは、スキャンミラー4及び固定ミラー5による第1~第4の蛍光の導光方向に沿って、この順番で固定ミラー5から離れる方向に並ぶように、かつ、第1~第4の蛍光の光路上にダイクロイックミラー9a~9c及び全反射ミラー9dが位置するように、メイン筐体2内に固定されている。詳細には、第2~第4のサブユニット6b~6dは、それぞれ、第1~第3のサブユニット6a~6cに対して、ダイクロイックミラー9a~9c及び全反射ミラー9dの中心位置を基準にして、第2~第4の蛍光の導光方向に垂直な方向に所定距離dだけシフトするように、配置されている。
【0024】
この所定距離dは、ダイクロイックミラー9a~9cによって透過される蛍光の光路において、それぞれのダイクロイックミラー9a~9cにおいて蛍光の屈折によって生じる、その光路に垂直な方向のシフト量δに略等しく設定される。本実施形態では、ダイクロイックミラー9a~9cを構成するミラー部材の厚さは同一に設定されているため、ダイクロイックミラー9a~9cで生じるシフト量はほぼ同じとなり、それに応じて、第1~第4のサブユニット6a~6dのうちの隣り合う2つのサブユニット間のシフト距離dも同じに設定される。このシフト距離dは、ダイクロイックミラー9a~9cを構成するミラー部材の厚さ及び屈折率に応じて適切に設定される。詳しくは、ミラー部材が厚さt、屈折率nであり、ミラー部材に入射する蛍光の入射角をθ、ミラー部材内部への屈折角をφとした場合、ミラー部材による蛍光のシフト量δは、
図2のようになる。この時、シフト量δは、下記式(1)のように求めることができるため、このシフト量δに合わせてシフト距離(所定距離)dを設定すればよい。なお、入射角θと屈折角φの間には、下記式(2)の関係がある。
δ=t・sin(θ‐φ)/cosφ …(1)
φ=arcsin(sinθ/n) …(2)
なお、入射角θを45度とした場合、ミラー部材の屈折率nが1.5であれば、d=δ=0.33tとなり、ミラー部材の屈折率nが1.4であれば、d=δ=0.29tとなる。
【0025】
図3には、第1~第4のサブユニット6a~6dの位置決め構造の例を示している。
図3においては、第1~第3のサブユニット6a~6dの構成部品の図示は省略されている。このように、メイン筐体2を構成するベース板14上には、第1~第4のサブユニット6a~6dのそれぞれに対応して2つの突起部(第1~第4の位置決め部)15a~15dが設けられており、それぞれの2つの突起部15a~15dに対して第1~第4のサブユニット6a~6dのベース板8a~8dに形成された穴部16が嵌め込まれることにより、第1~第4のサブユニット6a~6dが互いに所定距離dだけシフトするように位置決めされる。ここで、ベース板14上の2つの突起部15a~15dのそれぞれの間隔と、ベース板8a~8dの2つの穴部16のそれぞれの間隔とは、全て同一になるように形成されている。このようにすることで、第1~第4のサブユニット6a~6dのうちから任意のサブユニットを選択してメイン筐体2内のベース板14上に配置することができる。ただし、第1~第4のサブユニット6a~6dのうちから一部のサブユニットを選択する場合には、選択されたサブユニットは固定ミラー5側に詰めて配置され、照射する励起光の波長が短いものから順に固定ミラー5側から並ぶように配置される。
【0026】
以上説明した共焦点顕微鏡ユニット1によれば、第1のサブユニット6aから出力された第1の励起光が、ダイクロイックミラー9aを反射してからスキャンミラー4及びスキャンレンズ7を経由して試料M上に走査され、それに応じて試料M上から生じた第1の蛍光がスキャンレンズ7及びスキャンミラー4を経由してからダイクロイックミラー9aを反射することにより第1のサブユニット6a内に入射し、第1のサブユニット6a内のピンホール板12aにその像が結ばれて光検出器13aで検出される。加えて、第2のサブユニット6bから出力された第2の励起光が、第2のサブユニット6b内のダイクロイックミラー9bを反射した後に第1のサブユニット6a内のダイクロイックミラー9aを透過してからスキャンミラー4及びスキャンレンズ7を経由して試料M上に走査され、それに応じて試料M上から生じた第2の蛍光が、スキャンレンズ7及びスキャンミラー4を経由してダイクロイックミラー9aを透過した後にダイクロイックミラー9bを反射して第2のサブユニット6b内に入射し、第2のサブユニット6b内のピンホール板12bにその像が結ばれて光検出器13bで検出される。同様に、他の第2及び第3のサブユニット6c,6dに関しても、自ユニットから照射された励起光及びそれに応じて生じた蛍光が自ユニットのダイクロイックミラーを反射し他ユニットのダイクロイックミラーを透過するように構成されることで、2つの波長の励起光に応じて生じた蛍光の検出が独立に可能となる。また、第1~第4のサブユニット6a~6dはそれぞれ、共焦点顕微鏡ユニット1の外部で、光源やピンホールの位置を共役な関係になるように調整することができ、共焦点顕微鏡ユニット1に搭載後、面倒な光学調整が不要となり、サブユニットの追加や交換が容易に行える。
【0027】
図4は、第1~第4のサブユニット6a~6dで扱われる励起光及び蛍光の波長分布特性を示すグラフである。第1のサブユニット6aから照射される波長λ
1の励起光に応じて生じる蛍光の波長範囲Δλ
1は、一般的には、波長λ
1の近傍であって波長λ
1より長波長の範囲となる。これに対して、第2のサブユニット6bから照射される励起光の波長λ
2、及びそれによって生じる蛍光の波長範囲Δλ
2は、波長λ
1及び波長範囲Δλ
1よりも長波長の範囲となる。ここで、第1のサブユニット6aのダイクロイックミラー9aの光分割の境界波長λ
d1は、波長λ
1及び波長範囲Δλ
1よりも長波長であり、かつ、波長λ
2及び波長範囲Δλ
2よりも短波長となる値に設定されている。これにより、第1のサブユニット6aを用いた波長λ
1及び波長範囲Δλ
1の範囲の共焦点計測が可能となり、同一装置の第2のサブユニット6bを用いて、波長λ
2及び波長範囲Δλ
2の範囲の共焦点計測が可能となる。同様に、第2のサブユニット6bのダイクロイックミラー9bの光分割の境界波長λ
d2は、波長λ
2及び波長範囲Δλ
2よりも長波長であり、かつ、波長λ
3及び波長範囲Δλ
3よりも短波長となる値に設定されており、第3のサブユニット6cのダイクロイックミラー9cの光分割の境界波長λ
d3は、波長λ
3及び波長範囲Δλ
3よりも長波長であり、かつ、波長λ
4及び波長範囲Δλ
4よりも短波長となる値に設定されている。これにより、同一の装置の第3のサブユニット6cを用いた波長λ
3及び波長範囲Δλ
3の範囲の共焦点計測が可能となり、同一装置の第4のサブユニット6dを用いて、波長λ
4及び波長範囲Δλ
4の範囲の共焦点計測が可能となる。
【0028】
ここで、これらのスキャンミラー4、スキャンレンズ7、第1~第4のサブユニット6a~6dはメイン筐体2に固定され、第1~第4のサブユニット6a~6dは、任意のサブユニットを選択的にメイン筐体2のベース板14上に配置可能とされている。このような構成により、第1~第4のサブユニット6a~6dの単位での光源10a~10dの光学系とピンホール板12a~12d及び光検出器13a~13dとの位置関係の設定が可能となる。その結果、設定作業を容易にしつつ複数波長領域でのイメージングの精度を高めることが可能となる。すなわち、共焦点顕微鏡Aによる観察においては検出器側のピンホールと光源とを共役位置に設定することが測定精度維持のために重要となる。本実施形態によれば、そのような設定がサブユニット単位で実施可能となり、第1~第4のサブユニット6a~6dをメイン筐体2に収容した後はスキャンミラー4及びスキャンレンズ7を調整するだけで精度の高い画像検出が可能となる。
【0029】
また、各第1~第4のサブユニット6a~6dのピンホール板12a~12dは、それらのピンホール径を観察する蛍光の波長に応じて調整可能とされているので、観察する蛍光の波長に応じて画像の解像度と画像の信号強度を調整することができる。
【0030】
また、本実施形態では、第1~第3のダイクロイックミラー9a~9cを構成するミラー部材の厚さが略同一とされている。このような構成によれば、第1~第3のダイクロイックミラー9a~9cのそれぞれを透過することにより生じる励起光あるいは蛍光の光軸のずれを同等とすることができ、第1~第4のサブユニット6a~6d間の配置のずれを同一の距離dに設定すればよく、位置決め構造を単純化することができる。その結果、第1~第4のサブユニット6a~6bの設定作業を容易にしつつ複数波長領域でのイメージングを実現できる。
【0031】
詳細には、メイン筐体2に、第1~第4のサブユニット6a~6dを位置決めする突起部15a~15dが設けられ、これらの突起部15a~15dにより、第2~第4のサブユニット6b~6dのそれぞれを第1~第3のサブユニット6a~6cのそれぞれに対して、蛍光の導光方向に垂直な方向に所定距離dだけシフトして位置決めするように構成されている。かかる構成を採れば、前段の他サブユニット内のダイクロイックミラーを透過することにより生じる励起光あるいは蛍光の光軸のずれに合わせて、サブユニットを前段の他のサブユニットに対して位置決めできる。その結果、4つの波長領域でのイメージングの精度を向上できる。
【0032】
なお、それぞれの第2~第4のサブユニット6b~6dの前段の第1~第3のサブユニット6a~6cに対するシフト距離dは、ダイクロイックミラー9a~9cによる蛍光の光路のシフト量δに応じて設定してもよい。また、このシフト量は蛍光の波長によって異なるため、前段のサブユニットに対するシフト距離dは、サブユニット毎に異なる値に設定されもよい。ただし、ダイクロイックミラー9a~9cによる蛍光の光路のシフト量δがほとんど変わらない場合、前段のサブユニットに対する各サブユニットのシフト距離dを同じ値にしてもよい。
【0033】
上記実施形態においては、スキャンミラー4はMEMSミラーで構成されている。このような構成の場合、装置の小型化を容易に実現することができる。
【0034】
以上、本開示の種々の実施形態について説明したが、本開示は上記実施形態に限定されるものではなく、各請求項に記載した要旨を変更しない範囲で変形し、又は他のものに適用したものであってもよい。
【0035】
上記実施形態は、共焦点光学系を構成するために絞り部材としてピンホール板を用いているが、絞り部材は光束を制限する光学素子であればよく、例えば、虹彩絞りやファイバコアなどであってもよい。ファイバ出力タイプの光源を用いる場合、ファイバコア端面の位置を絞り位置(光束が制限される位置)とすればよい。
【0036】
また、上記実施形態は、固体レーザやダイオードレーザなどのレーザ光源を用いることもできる。この場合、これらのレーザ光源のビームウェストの位置を絞り位置(光束が制限される位置)とすればよく、光源自体が絞り部材の役割を果たすことになる。
【0037】
上記実施形態においては、扱う励起光及び蛍光の波長範囲が短い順番でスキャンミラー4側から離れる方向に第1~第4のサブユニット6a~6dが配置されていたが、波長範囲が長い順番で配置されてもよい。ただし、この場合、ダイクロイックミラー9a~9cの特性は、各サブユニット6a~6cのそれぞれで扱う比較的長波長の励起光及び蛍光を反射し、他のサブユニットで扱う比較的短波長の励起光及び蛍光を透過するような特性に設定される。
【0038】
上記実施形態においては、メイン筐体は、第1のサブユニットを位置決めする第1の位置決め部と、第2のサブユニットを位置決めする第2の位置決め部とを有し、第1の位置決め部及び第2の位置決め部は、第2のサブユニットを第1のサブユニットに対して、蛍光の導光方向に交わる方向に所定距離だけシフトして位置決めしてもよい。これにより、各サブユニットからのビームの水平位置を揃えることができる。
【0039】
また、この所定の距離は、蛍光の導光方向に交わる方向における、蛍光の光路のシフト量に合わせて設定されてもよい。この場合、第1のビームスプリッタを透過することにより生じる励起光あるいは蛍光の光軸のずれに合わせて第2のサブユニットを第1のサブユニットに対して位置決めできる。その結果、複数波長領域でのイメージングの精度を向上できる。
【0040】
上記実施形態においては、スキャンミラーはMEMSミラーであってもよい。この場合、装置の小型化を容易に実現することができる。
【0041】
また、第1のサブユニットと第2のサブユニットとは、スキャンミラーによる蛍光の導光方向に沿って、第1のサブユニットおよび第2のサブユニットの順で並んだ状態でメイン筐体に固定されてもよい。かかる構成によれば、第1及び第2のサブユニットのそれぞれから照射された第1及び第2の励起光を、第1のサブユニット内の第1のビームスプリッタを経由して顕微鏡側の試料に向けて照射することができるとともに、それに応じて試料から生じる第1及び第2の蛍光のそれぞれを、第1のサブユニット内の第1のビームスプリッタを経由して第1及び第2のサブユニット内に導入することできる。その結果、同一の装置で複数波長領域でのイメージングを実現可能となる。
【0042】
またさらに、第3の励起光を出力する光源、第3の励起光に応じて試料から生じる第3の蛍光の光束を制限する第3の絞り部材、及び、第3の絞り部材を通過した第3の蛍光を検出する第3の光検出器を有する第3のサブユニットをさらに備え、第2のサブユニットは、第2の励起光及び第2の蛍光を反射し、第3の励起光及び第3の蛍光を透過する第2のビームスプリッタを有してもよい。かかる構成によれば、第2のサブユニットから出力された第2の励起光が、第2のサブユニット内の第2のビームスプリッタを反射後に第1のサブユニット内の第1のビームスプリッタを透過してからスキャンミラー及びスキャンレンズを経由して試料上に走査され、それに応じて試料上から生じた第2の蛍光が、スキャンレンズ及びスキャンミラーを経由して第1のビームスプリッタを透過した後に第2のビームスプリッタを反射してから第2のサブユニット内に入射し、第2のサブユニット内の第2の絞り部材にその像が結ばれて第2の光検出器で検出される。加えて、第3のサブユニットから出力された第3の励起光が、第2のサブユニット内の第2のビームスプリッタ及び第1のサブユニット内の第1のビームスプリッタを透過してからスキャンミラー及びスキャンレンズを経由して試料上に走査され、それに応じて試料上から生じた第3の蛍光が、スキャンレンズ及びスキャンミラーを経由して第1のビームスプリッタ及び第2のビームスプリッタを透過してから第3のサブユニット内に入射し、第3のサブユニット内の第3の絞り部材にその像が結ばれて第3の光検出器で検出される。これにより、同一の装置で3つの波長領域でのイメージングを実現可能となる。
【0043】
さらに、メイン筐体は、第2のサブユニットを位置決めする第2の位置決め部と、第3のサブユニットを位置決めする第3の位置決め部とを有し、第2の位置決め部及び第3の位置決め部は、第3のサブユニットを第2のサブユニットに対して、蛍光の導光方向に交わる方向に所定距離だけシフトして位置決めしてもよい。かかる構成を採れば、第2のビームスプリッタを透過することにより生じる励起光あるいは蛍光の光軸のずれに合わせて第3のサブユニットを第2のサブユニットに対して位置決めできる。その結果、複数の波長領域でのイメージングの精度を向上できる。
【0044】
また、第1のビームスプリッタの厚さと、第2のビームスプリッタの厚さは同一であってもよい。かかる構成を採れば、第1及び第2のビームスプリッタのそれぞれを透過することにより生じる励起光あるいは蛍光の光軸のずれを同等とすることができ、第1~第3のサブユニット間の配置の設定を容易にすることができる。その結果、設定作業を容易にしつつ複数波長領域でのイメージングを実現できる。
【0045】
さらにまた、第1のサブユニットと第2のサブユニットと第3のサブユニットとは、スキャンミラーによる蛍光の導光方向に沿って、第1のサブユニット、第2のサブユニット、および第3のサブユニットの順で並んだ状態でメイン筐体に固定されてもよい。この場合、第1~第3のサブユニットのそれぞれから照射された第1~第3の励起光を、第1及び第2のサブユニット内の第1及び第2のビームスプリッタを経由して顕微鏡側の試料に向けて照射することができるとともに、それに応じて試料から生じる第1~第3の蛍光のそれぞれを、第1及び第2のサブユニット内の第1及び第2のビームスプリッタを経由して第1~第3のサブユニット内に導入することできる。その結果、同一の装置で3つの波長領域でのイメージングを実現可能となる。
【産業上の利用可能性】
【0046】
実施形態は、共焦点顕微鏡を構成する共焦点顕微鏡ユニット及び共焦点顕微鏡を使用用途とし、ダイクロイックミラーに対して、励起光を出力する光源及び蛍光の光束を制限する絞り部材の位置を共役位置に設置したユニットを設けることで、複数波長での共焦点イメージングを容易に行うことができるものである。
【符号の説明】
【0047】
M…試料、P1…接続ポート、d…所定距離、10a~10d…光源、12a~12d…ピンホール板(絞り部材)、13a~13d…光検出器、15a~15d…突起部(位置決め部)、6a~6b…第1~第4のサブユニット、9a~9c…ダイクロイックミラー(第1~第3のビームスプリッタ)、1…共焦点顕微鏡ユニット、2…メイン筐体、3…鏡筒、4…スキャンミラー、7…スキャンレンズ、50…顕微鏡、A…共焦点顕微鏡。