(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-05-13
(45)【発行日】2024-05-21
(54)【発明の名称】熱可塑性成形ツール、そのアセンブリ、ならびにその作製方法および使用方法
(51)【国際特許分類】
B29C 33/40 20060101AFI20240514BHJP
B29C 33/10 20060101ALI20240514BHJP
B29C 33/42 20060101ALI20240514BHJP
B29C 33/56 20060101ALI20240514BHJP
B29C 43/36 20060101ALI20240514BHJP
B29C 45/37 20060101ALI20240514BHJP
B29C 45/63 20060101ALI20240514BHJP
【FI】
B29C33/40
B29C33/10
B29C33/42
B29C33/56
B29C43/36
B29C45/37
B29C45/63
(21)【出願番号】P 2021529733
(86)(22)【出願日】2019-11-26
(86)【国際出願番号】 US2019063338
(87)【国際公開番号】W WO2020112835
(87)【国際公開日】2020-06-04
【審査請求日】2022-11-28
(32)【優先日】2018-11-26
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】521226439
【氏名又は名称】エッジ・エンボッシング・インコーポレイテッド
【氏名又は名称原語表記】EDGE EMBOSSING, INC.
(74)【代理人】
【識別番号】110001195
【氏名又は名称】弁理士法人深見特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】スミス,ブライアン・アレクサンダー
(72)【発明者】
【氏名】カムホルズ,アンドリュー・エバン
(72)【発明者】
【氏名】ハリス,キャメロン・ジョン
(72)【発明者】
【氏名】ファルハート,ホータン
【審査官】小山 祐樹
(56)【参考文献】
【文献】米国特許出願公開第2004/0241049(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2012/0292804(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2016/0096176(US,A1)
【文献】米国特許第02714226(US,A)
【文献】特表2003-533001(JP,A)
【文献】特表2001-500064(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2007/0063378(US,A1)
【文献】特開2010-120316(JP,A)
【文献】特開平11-277596(JP,A)
【文献】特開2004-074770(JP,A)
【文献】特開2012-228887(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B29C 45/00-45/84
B29C 33/00-33/76
B29C 43/00-43/58
B29C 51/00-51/46
B29C 59/00-59/18
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
精密なマイクロスケール特徴と、再現可能なマクロスケール寸法と、を有する熱可塑性構成要素を成形するための熱可塑性成形アセンブリであって、
(a)上部ツールであって、
第1のキャビティ形成側を有する第1の剛性ツール本体と、
前記第1のキャビティ形成側の少なくとも一部をコンフォーマルにコーティングし、かつ前記第1のキャビティ形成側の少なくとも一部に接合されて、第1のキャビティ形成面を作成する第1のエラストマー層と、を備える、上部ツールと、
(b)底部ツールであって、
第2のキャビティ形成側を有する第2の剛性ツール本体と、前記第2のキャビティ形成側の少なくとも一部をコンフォーマルにコーティングし、かつ前記第2のキャビティ形成側の少なくとも一部に接合されて、第2のキャビティ形成面を作成する第2のエラストマー層と、を備える、底部ツールと、を備え、
閉位置にあるとき、前記第1のキャビティ形成面と、前記第2のキャビティ形成面とが、前記熱可塑性構成要素を成形するためのキャビティを画定し、
前記第1のキャビティ形成面および前記第2のキャビティ形成面のうちの一方または両方が、前記熱可塑性構成要素を成形する際に、前記精密なマイクロスケール特徴を画定する特徴形成面を備え、
前記第1の剛性ツール本体および前記第2の剛性ツール本体が、成形されるときに、前記熱可塑性構成要素内に前記再現可能なマクロスケール寸法を提供するのに有効であり、
前記第1のエラストマー層および前記第2のエラストマー層が、成形されるときに、前記熱可塑性構成要素内に前記精密なマイクロスケール特徴を形成し、かつ前記精密なマイクロスケール特徴を剥離するのに有効であり、
前記第1のエラストマー層および前記第2のエラストマー層は、前記上部ツールと前記底部ツールとの間への前記熱可塑性構成要素の挿入時に、前記第1の剛性ツール本体の前記第1のキャビティ形成側の少なくとも一部への接合および前記第2の剛性ツール本体の前記第2のキャビティ形成側の少なくとも一部への接合がそれぞれ残るように構成さ
れ、
前記閉位置にあるときに、前記熱可塑性成形アセンブリが、前記熱可塑性構成要素を形成するための前記キャビティの周囲における、前記第1のエラストマー層と前記第2のエラストマー層との間の接触領域であるキャビティシャットオフを備え、
前記閉位置にあるときに、前記第1のエラストマー層と前記第2のエラストマー層とが前記キャビティの周囲に沿ったボイドスペースを形成し、前記キャビティは前記熱可塑性構成要素を形成するためのものである、熱可塑性成形アセンブリ。
【請求項2】
前記第1のキャビティ形成面および前記第2のキャビティ形成面のうちの一方または両方が、凹部を備える、請求項1に記載の熱可塑性成形アセンブリ。
【請求項3】
前記第2の剛性ツール本体の前記第2のキャビティ形成側が
、凹部をコンフォーマルにコーティングする前記第2のエラストマー層を有する凹部を備える、請求項1に記載の熱可塑性成形アセンブリ。
【請求項4】
前記第2のエラストマー層が、凹部を備える、請求項1に記載の熱可塑性成形アセンブリ。
【請求項5】
前記第1の剛性ツール本体の前記第1のキャビティ形成側が、少なくとも1つの突起を備え、前記第1のエラストマー層が、前記少なくとも1つの突起の少なくとも一部をコンフォーマルにコーティングしており
、
凹部が、前記閉位置にあるときに、前記少なくとも1つの突起を受容するように構成されている、請求項1に記載の熱可塑性成形アセンブリ。
【請求項6】
前記第1のエラストマー層が、少なくとも1つの突起を備え、
前記凹部が、前記閉位置にあるときに、前記少なくとも1つの突起を受容するように構成されている、請求項5に記載の熱可塑性成形アセンブリ。
【請求項7】
前記第1のエラストマー層および前記第2のエラストマー層のうちの一方または両方が
、50マイクロメートル
~5ミリメートルの範囲の厚さを有する、請求項1~6のいずれか一項に記載の熱可塑性成形アセンブリ。
【請求項8】
前記第1のエラストマー層の厚さの変動、および前記第2のエラストマー層の厚さの変動のうちの一方または両方が
、10%以下である、請求項1~6のいずれか一項に記載の熱可塑性成形アセンブリ。
【請求項9】
前記第1の剛性ツール本体および前記第2の剛性ツール本体のうちの一方または両方が、アルミ、銅、鋼、プラスチック、セラミック、またはそれらの合金を含む、請求項1~6のいずれか一項に記載の熱可塑性成形アセンブリ。
【請求項10】
前記第1のエラストマー層および前記第2のエラストマー層のうちの一方または両方が、シリコーンゴム、フルオロシリコーン、フルオロエラストマー(FKM)、ペルフルオロエラストマー(FFKM)、エチレンアクリルエラストマー、ニトリルブタジエンゴム(NBR)、水素化ニトリルブタジエンゴム(HNBR)、エチレンプロピレンジエンモノマー(EPDM)ゴム、ブチルゴム、およびこれらの組み合わせからなる群から選択されるエラストマーを含む、請求項1~6のいずれか一項に記載の熱可塑性成形アセンブリ。
【請求項11】
前記閉位置にあるときに、前記第1のキャビティ形成側の一部と、前記第2のキャビティ形成側の一部とが接触し、前記底部ツールおよび前記上部ツールの圧縮度を制限する剛性接触を形成する、請求項1~6のいずれか一項に記載の熱可塑性成形アセンブリ。
【請求項12】
前記キャビティシャットオフが、前記ボイドスペースと、前記キャビティとの間に位置する前記ボイドスペースの側面を形成する、請求項
1に記載の熱可塑性成形アセンブリ。
【請求項13】
前記キャビティシャットオフおよび前記ボイドスペースのうちの一方または両方が、前記キャビティの全周の周りに延在する、請求項
1に記載の熱可塑性成形アセンブリ。
【請求項14】
前記閉位置にあるときに、前記第1のエラストマー層と、前記第2のエラストマー層とが
、前記ボイドスペースをシールするガスケットを形成する、請求項1~6のいずれか一項に記載の熱可塑性成形アセンブリ。
【請求項15】
前記閉位置にあるときに、前記第1のエラストマー層と、前記第2のエラストマー層とが
、前記ボイドスペースをシールするガスケットを形成する、請求項
1に記載の熱可塑性成形アセンブリ。
【請求項16】
前記第1の剛性ツール本体および前記第2の剛性ツール本体のうちの一方または両方のための加熱素子をさらに備える、請求項1~6のいずれか一項に記載の熱可塑性成形アセンブリ。
【請求項17】
前記第1の剛性ツール本体および前記第2の剛性ツール本体のうちの一方または両方のための加熱素子をさらに備える、請求項
15に記載の熱可塑性成形アセンブリ。
【請求項18】
前記第1の剛性ツール本体および前記第2の剛性ツール本体のうちの一方または両方のための冷却素子をさらに備える、請求項1~6のいずれか一項に記載の熱可塑性成形アセンブリ。
【請求項19】
前記熱可塑性構成要素を熱エンボス加工するための金型、または前記熱可塑性構成要素を射出成形するための金型を備える、請求項1~6のいずれか一項に記載の熱可塑性成形アセンブリ。
【請求項20】
前記マイクロスケール特徴が
、1:50
~50:1のアスペクト比を有する、請求項1~6のいずれか一項に記載の熱可塑性成形アセンブリ。
【請求項21】
前記マイクロスケール特徴が
、1:50
~50:1のアスペクト比を有する、請求項
1に記載の熱可塑性成形アセンブリ。
【請求項22】
前記マイクロスケール特徴が
、1:50
~50:1のアスペクト比を有する、請求項
13に記載の熱可塑性成形アセンブリ。
【請求項23】
前記マイクロスケール特徴が
、1:50
~50:1のアスペクト比を有する、請求項
15に記載の熱可塑性成形アセンブリ。
【請求項24】
前記マイクロスケール特徴が、非負の抜き勾配を有する、請求項1~6のいずれか一項に記載の熱可塑性成形アセンブリ。
【請求項25】
前記マイクロスケール特徴が、負の抜き勾配を有する、請求項1~6のいずれか一項に記載の熱可塑性成形アセンブリ。
【請求項26】
前記マイクロスケール特徴が
、10μm
~250μmの寸法を有する、請求項1~6のいずれか一項に記載の熱可塑性成形アセンブリ。
【請求項27】
前記マイクロスケール特徴が
、10μm
~250μmの寸法を有する、請求項
1に記載の熱可塑性成形アセンブリ。
【請求項28】
前記マイクロスケール特徴が
、10μm
~250μmの寸法を有する、請求項
13に記載の熱可塑性成形アセンブリ。
【請求項29】
前記マイクロスケール特徴が
、10μm
~250μmの寸法を有する、請求項
15に記載の熱可塑性成形アセンブリ。
【請求項30】
前記第1の剛性ツール本体が第1の厚さを有し、前記第2の剛性ツール本体が第2の厚さを有しており、
前記第1の厚さおよび前記第2の厚さのうちの一方または両方が
、500μm~50mmである、請求項1~6のいずれか一項に記載の熱可塑性成形アセンブリ。
【請求項31】
前記第1の剛性ツール本体が第1の厚さを有し、前記第2の剛性ツール本体が第2の厚さを有しており、
前記第1の厚さおよび前記第2の厚さのうちの一方または両方が
、500μm~50mmである、請求項
1に記載の熱可塑性成形アセンブリ。
【請求項32】
前記底部ツールが、複数の凹部を備え、
前記複数の凹部の各凹部が、複数の第2のキャビティ形成面を作成するように、前記凹部をコンフォーマルにコーティングするエラストマー層でコーティングされている、請求項
1に記載の熱可塑性成形アセンブリ。
【請求項33】
前記上部ツールが、複数の突起を備え、
前記複数の突起の各突起が、前記突起をコンフォーマルにコーティングするエラストマー層でコーティングされて、複数の前記第1のキャビティ形成面を形成し、
前記複数の第1のキャビティ形成面と、前記複数の第2のキャビティ形成面とが、前記閉位置にあるときに、複数の熱可塑性構成要素を成形するためのキャビティを形成する、請求項3
2に記載の熱可塑性成形アセンブリ。
【請求項34】
複数の上部ツールを備え、
前記上部ツールの各々が、突起であって、前記突起をコンフォーマルにコーティングし、前記複数の上部ツールのうちの前記上部ツールの各々上に第1のキャビティ形成面を形成するエラストマー層でコーティングされた、突起を備え、
前記複数の第1のキャビティ形成面と、前記複数の第2のキャビティ形成面とが、前記閉位置にあるときに、複数の熱可塑性構成要素を成形するためのキャビティを形成する、請求項3
2に記載の熱可塑性成形アセンブリ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
本出願は、2018年11月26日に出願された第62/771,322号の出願番号を有する「THERMOPLASTIC FORMING TOOLS,ASSEMBLAGES THEREOF,AND METHODS OF MAKING AND METHODS OF USE THEREOF」と題された同時係属中の米国仮出願の優先権および利益を主張し、その内容は、その全体が本明細書に組み込まれる。
【0002】
本開示は、概して、ポリマー加工のためのツールおよび方法、例えば、エンボス加工および射出成形のためのツールおよび方法に関する。
【背景技術】
【0003】
マイクロスケール特徴を有する使い捨てデバイスは、診断からライフサイエンス、ポイントオブケア医療機器まで幅広い用途で現在一般的に使用されている。製品としてのそのようなデバイスの成功は、デバイスの製造コストおよび品質の両方に部分的に依存する。これらのデバイスで使用される技術は、多くの場合、マイクロチャネル、マイクロピラー、マイクロポスト、マイクロウェル、ナノウェル、および関連する公開文献において周知の多数の他のものなどの、1つ以上のマイクロスケール構造(「マイクロ構造」)を含む。そのようなデバイスの多くは、実験室または臨床環境で調製された任意の生体液または他の流体からなり得る流体に対してアッセイ、試験、測定、または他の観察を行う目的で、流体を導く。
【0004】
典型的なマイクロ特徴は、マイクロ加工および他のリソグラフィ技術で簡単に達成できる厳密な幾何学的要件を有するが、これらの加工プロセスは、あまりにも高価で使い捨てとは見なされ得ないデバイスをもたらす。熱可塑性物質は、シリコン、ガラス、およびマイクロ加工ならびにリソグラフィで使用される類似の基材の代替物として使用されることが多い。しかしながら、熱可塑性部品を加工するための現在の方法は、通常、意図された機能をもたらすようなマイクロ特徴の幾何学的要件を満たすことができない。特に、熱可塑性部品を加工するための既存の方法は、マイクロスケール特徴に必要な精度と、同時に、ほとんど変動のない再現可能なマクロスケール寸法と、の両方を有する熱可塑性部品を作成することができない。
【0005】
したがって、上記の欠陥を克服する熱可塑性構成要素を成形するための改善されたツールおよび方法の必要性が依然として存在する。
【0006】
本開示のさらなる態様は、添付の図面と併せて、以下に説明するその様々な実施形態の詳細な説明を吟味することにより、容易に理解されるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【
図1A】本開示の様々な態様による、熱可塑性構成要素を成形するための第1の例示的な熱可塑性成形アセンブリの様々な図である。
図1Aは、第1の例示的な熱可塑性成形アセンブリの上部ツールの斜視図である。
【
図1C】
図1Cは、第1の例示的な熱可塑性成形アセンブリの底部ツールの斜視図である。
【
図1E】
図1Eは、閉位置における
図1Aの上部ツールおよび
図1Cの底部ツールを示す、第1の例示的な熱可塑性成形アセンブリの斜視図である。
【
図1F】
図1Fは、第1の例示的な熱可塑性成形アセンブリの分解上部等角斜視図である。
【
図1G】
図1Gは、第1の例示的な熱可塑性成形アセンブリの分解底部等角斜視図である。
【
図1H】
図1Hは、キャビティを形成するために閉位置にある
図1Aの上部ツールおよび
図1Cの底部ツールを示す、第1の例示的な熱可塑性成形アセンブリのライン3-3に沿った断面図である。
【
図2】本開示の様々な態様による、例示的なエンボス加工ブランクの斜視図である。
【
図3A】
図2の例示的なエンボス加工ブランクを含む、
図1A~1Hからの第1の例示的な熱可塑性成形アセンブリの様々な図である。
図3Aは、例示的なエンボス加工ブランクが凹部内の所定の位置にある底部ツールの斜視図である。
【
図3B】
図3Bは、例示的なエンボス加工ブランクが凹部内の所定の位置にある、底部ツールのライン4-4に沿った側断面図である。
【
図3C】
図3Cは、例示的なエンボス加工ブランクがキャビティ内の所定の位置にある、閉位置における
図1Aの上部ツールおよび
図1Cの底部ツールを示す、第1の例示的な熱可塑性成形アセンブリの斜視図である。
【
図3D】
図3Dは、例示的なエンボス加工ブランクがキャビティ内の所定の位置にある、閉位置における
図1Aの上部ツールおよび
図1Cの底部ツールを示す、第1の例示的な熱可塑性成形アセンブリのライン5-5に沿った側断面図である。
【
図4】例えば、
図1A~1Hによる第1の例示的な熱可塑性成形アセンブリを使用し、
図2による例示的なエンボス加工ブランクから開始して製造され得る例示的なエンボス加工部品の斜視図である。
【
図5A】本開示の様々な態様による、3つの熱可塑性構成要素を成形するための3つのキャビティを有する第2の例示的な熱可塑性成形アセンブリの様々な図である。
図5Aは、第2の例示的な熱可塑性成形アセンブリの底部ツールの斜視図である。
【
図5B】
図5Bは、第2の例示的な熱可塑性成形アセンブリの上部ツールの斜視図である。
【
図5C】
図5Cは、閉位置における
図5Aの底部ツールおよび
図5Bの上部ツールを示す、第2の例示的な熱可塑性成形アセンブリの斜視図である。
【
図5D】
図5Dは、第2の例示的な熱可塑性成形アセンブリの分解上部等角斜視図である。
【
図5E】
図5Eは、第2の例示的な熱可塑性成形アセンブリの分解底部等角斜視図である。
【
図6A】本開示の様々な態様による、3つの別個の上部ツールを有する3つのキャビティを使用して、3つの熱可塑性構成要素を成形するための第3の例示的な熱可塑性成形アセンブリの様々な図である。
図6Aは、第3の例示的な熱可塑性成形アセンブリの底部ツールの斜視図であり、1つの上部ツールを閉位置に有する。
【
図6B】
図6Bは、上部ツールの3つ全てが閉位置にある状態の、
図6Aの底部ツールを示す第3の例示的な熱可塑性成形アセンブリの斜視図である。
【
図6C】
図6Cは、第3の例示的な熱可塑性成形アセンブリの分解上部等角斜視図である。
【
図6D】
図6Dは、第3の例示的な熱可塑性成形アセンブリの分解底部等角斜視図である。
【
図7A】1つ以上の貫通孔形成特徴を有する第4の例示的な熱可塑性成形アセンブリの様々な図を示す。
図7Aは、第4の例示的な熱可塑性成形アセンブリの底部ツールの斜視図である。
【
図7B】
図7Bは、上部ツールが閉位置にある、
図7Aの底部ツールを示す第4の例示的な熱可塑性成形アセンブリの斜視図である。
【
図7C】
図7Cは、貫通孔形成特徴を示す、第4の例示的な熱可塑性成形アセンブリの3とマークされている領域内のライン6-6に沿った側断面図のクローズアップである。
【
図8A】1つ以上の貫通孔形成特徴を有する第5の例示的な熱可塑性成形アセンブリの様々な図を示す。
図8Aは、第5の例示的な熱可塑性成形アセンブリの底部ツールの斜視図である。
【
図8B】
図8Bは、第5の例示的な熱可塑性成形アセンブリの上部ツールの斜視図である。
【
図8C】
図8Cは、
図8Bの上部ツールが閉位置にある、
図8Aの底部ツールを示す第5の例示的な熱可塑性成形アセンブリの斜視図である。
【
図8D】
図8Dは、貫通孔形成特徴を示す第5の例示的な熱可塑性成形アセンブリの4とマークされている領域内のライン7-7に沿った側断面図のクローズアップであり、ツールは、貫通孔形成特徴をより明確に示すために、わずかに開放または分離された位置にある。
【
図8E】
図8Eは、ツールが閉位置にある、貫通孔形成特徴を示す、第5の例示的な熱可塑性成形アセンブリの4とマークされている領域内のライン7-7に沿った側断面図のクローズアップである。
【
図9】代替のスルーホールド形成特徴を示す、第6の例示的な熱可塑性成形アセンブリの側断面図のクローズアップである。
【
図10】代替のスルーホールド形成特徴を示す、第7の例示的な熱可塑性成形アセンブリの側面断面図のクローズアップである。
【
図11】コアピン構造を有する代替のスルーホールド形成特徴を示す、第8の例示的な熱可塑性成形アセンブリの側断面図のクローズアップである。
【
図12A】本開示の様々な態様による、上部ツールを形成するための第1の例示的なツール形成構造を示す。
図12Aは、第1の例示的なツール形成構造の斜視図である。
【
図12B】
図12Bは、第1の例示的なツール形成構造内で使用するための例示的なインサートの斜視図である。
【
図12D】
図12Dは、インサートを含む、第1の例示的なツール形成構造のライン8-8に沿った断面図である。
【
図12E】
図12Eは、本開示の様々な態様による、第1の例示的なツール形成構造を使用して上部ツールを形成するための例示的な剛性ツール本体である。
【
図12G】
図12Gは、エラストマー鋳造時に出現するであろう、インサートおよび剛性ツール本体の両方を含む第1の例示的なツール形成構造の分解上部等角斜視図である。
【
図12H】
図12Hは、エラストマー鋳造時に出現するであろう、インサートおよび剛性ツール本体の両方を含む第1の例示的なツール形成構造の分解底部等角斜視図である。
【
図12I】
図12Iは、エラストマー鋳造時に出現するであろう、インサートおよび剛性ツール本体の両方を含む第1の例示的なツール形成構造の側面図である。
【
図12J】
図12Jは、エラストマー鋳造時に出現するであろう、インサートおよび剛性ツール本体の両方を含む第1の例示的なツール形成構造のライン9-9に沿った断面図である。
【
図12K】
図12Kは、エラストマー鋳造時に出現するであろう、インサートおよび剛性ツール本体の両方を含む第1の例示的なツール形成構造のライン9-9に沿った断面図であり、剛性ツール本体の一部をコンフォーマルにコーティングするエラストマー層を示す。
【
図13A】本開示の様々な態様による、底部ツールを形成するための第2の例示的なツール形成構造を示す。
図13Aは、第1の例示的なツール形成構造の斜視図である。
【
図13B】
図13Bは、第2の例示的なツール形成構造内で使用するための例示的な光学インサートの斜視図である。
【
図13D】
図13Dは、インサートを含む第2の例示的なツール形成構造のライン10ー10に沿った断面図である。
【
図13E】
図13Eは、本開示の様々な態様による、第2の例示的なツール形成構造を使用して底部ツールを形成するための例示的な剛性ツール本体である。
【
図13G】
図13Gは、エラストマー鋳造時に出現するであろう、インサートおよび剛性ツール本体の両方を含む第2の例示的なツール形成構造の分解上部等角斜視図である。
【
図13H】
図13Hは、エラストマー鋳造時に出現するであろう、インサートおよび剛性ツール本体の両方を含む第2の例示的なツール形成構造の分解底部等角斜視図である。
【
図13I】
図13Iは、エラストマー鋳造時に出現するであろう、インサートおよび剛性ツール本体の両方を含む第2の例示的なツール形成構造の側面図である。
【
図13J】
図13Jは、エラストマー鋳造時に出現するであろう、インサートおよび剛性ツール本体の両方を含む第2の例示的なツール形成構造のライン10ー10に沿った断面図である。
【
図13K】
図13Kは、エラストマー鋳造時に出現するであろう、インサートおよび剛性ツール本体の両方を含む第2の例示的なツール形成構造のライン10ー10に沿った断面図であり、剛性ツール本体の一部をコンフォーマルにコーティングするエラストマー層を示す。
【発明を実施するための形態】
【0008】
前述の欠陥のうちの1つ以上を克服する熱可塑性成形ツールおよびそのアセンブリが提供される。特に、従来のエンボス加工のツールおよび方法よりも高い精度のマイクロスケール特徴および高い再現性のマクロスケール寸法を有する熱可塑性構成要素を生成し得る熱可塑性成形アセンブリが提供される。このツールを使用して、例えば、エンボス加工または射出成形を通じて構成要素を成形する方法も提供される。熱可塑性成形ツールおよびアセンブリを作製するための構造および方法も提供される。
【0009】
いくつかの態様では、精密なマイクロスケール特徴と、再現可能なマクロスケール寸法と、を有する熱可塑性構成要素を成形するための熱可塑性成形アセンブリが提供され、この熱可塑性成形アセンブリは、(a)第1のキャビティ形成側を有する第1の剛性ツール本体と、第1のキャビティ形成側の少なくとも一部をコンフォーマルにコーティングし、第1のキャビティ形成面を作成する第1のエラストマー層と、を有する上部ツールと、(b)第2の剛性ツール本体を有する底部ツールは、第2のキャビティ形成側と、第2のキャビティ形成側の少なくとも一部をコンフォーマルにコーティングし、第2のキャビティ形成面を作成する第2のエラストマー層と、を有する、とを備え、閉位置にあるとき、第1のキャビティ形成面と、第2のキャビティ形成面とが、熱可塑性構成要素を成形するためのキャビティを画定し、第1のキャビティ形成面および第2のキャビティ形成面のうちの一方または両方が、熱可塑性構成要素を成形するときに、精密なマイクロスケール特徴を画定する特徴形成面を備え、第1の剛性ツール本体および第2の剛性ツール本体が、成形されるときに、熱可塑性構成要素内に再現可能なマクロスケール寸法を提供するのに有効であり、第1のエラストマー層および第2のエラストマー層が、成形されるときに、熱可塑性構成要素内に精密なマイクロスケール特徴を形成し、かつ精密なマイクロスケール特徴を剥離するのに有効である。
【0010】
本開示がより詳細に説明される前に、本開示は記載される特定の実施形態に限定されず、そのため、勿論、変化し得ることを理解されたい。本明細書で使用される用語は、特定の実施形態を説明することのみを目的としており、限定することを意図するものではないことも理解されたい。当業者には、本明細書に記載の実施形態の多くの変形および適合が認識されるであろう。これらの変形および適合も、本開示の教示に包含されることが意図される。
【0011】
本明細書に引用されるすべての刊行物および特許は、それらの刊行物が関連して引用される方法および/または材料を開示および説明するために引用される。すべてのかかる刊行物および特許は、各個々の刊行物または特許が参照により組み込まれることが具体的かつ個別に示されるかのように、参照により本明細書に組み込まれる。そのような参照による組み込みは、引用された刊行物および特許に記載されている方法および/または材料に明示的に限定され、引用された刊行物および特許からのいかなる語彙的定義にも及ばない。本明細書においても明示的に繰り返されない引用された刊行物および特許における任意の語彙的定義は、そのように扱われるべきではなく、添付の特許請求の範囲に出現する任意の用語を定義するものとして読み取られるべきではない。いずれかの刊行物の引用は、出願日前のその刊行物の開示のためのものであり、本開示が、先行開示によってそのような刊行物に先行する権利がないことを認めるものと解釈されるべきではない。さらに、提供された刊行物の日付は、独立して確認を要し得る実際の刊行日とは異なっている可能性がある。
【0012】
本明細書に記載されるものと類似または同等の任意の方法および材料が、本開示の実施または試験にも使用され得るが、好ましい方法および材料が、以下に記載される。当技術分野において周知の機能または構造は、簡潔さおよび/または明確さのために詳細に記載されていない場合がある。本開示の実施形態は、別段の記載がない限り、ナノテクノロジー、有機化学、材料科学、および工学などの技術を使用するであろうが、これらは先行技術の範囲内である。かかる技術は、文献において完全に説明される。
【0013】
なお、比、濃度、量、および他の数値データは、本明細書において、範囲の形式で表現される場合がある。このような範囲形式は便宜性と簡潔さのために用いられているのであって、そのため、範囲の端点として明示されている数値を包含するだけでなく、全ての個々の数値や当該範囲内に包含される部分範囲も、各々の数値および部分範囲が明示されているかの如く、包含すると、柔軟に解釈されるべきであると理解されたい。例えば、「約0.1%~約5%」の数値範囲は、約0.1%~約5%の明示的に列挙された値だけでなく、示された範囲内の個々の値(例えば、1%、2%、3%、および4%)ならびにサブ範囲(例えば、0.5%、1.1%、2.2%、3.3%、および4.4%)も包含すると解釈されるべきである。記載された範囲が制限の一方または両方を含む場合、それらの含まれる制限のいずれかまたは両方を除く範囲も本開示に含まれ、例えば、語句「x~y」は、「x」~「y」の範囲、ならびに「x」超~「y」未満の範囲を含む。範囲はまた、上限、例えば、「約x以下、約y以下、約z以下」として表すことができ、「約x」、「約y」、および「約z」という特定の範囲と、「x未満」、「y未満」、および「z未満」という範囲とを包含すると解釈されるべきである。同様に、「約x以上、約y以上、約z以上」という表現は、「約x」、「約y」、および「約z」という特定の範囲と、「x超」、y超」、および「z超」という範囲とを包含すると解釈されるべきである。いくつかの実施形態では、「約」という用語は、数値の有効数字に従った従来の四捨五入を包含され得る。さらに、「約「x」~「y」」という表現(「x」および「y」は数値)には、「約「x」~約「y」」が包含される。
【0014】
場合によっては、非メートル単位または非SI単位である単位が、本明細書で使用され得る。そのような単位は、例えば、NIST HB 44、NIST HB 133、NIST SP 811、NIST SP 1038、NBS Miscellaneous Publication 214などの刊行物においてアメリカ合衆国商務省国立標準技術研究所によって定められているような、米国の慣習的な度量衡であり得る。米国の慣習的な度量衡における単位は、当業者によって理解されるように、メートル単位および他の単位における等価寸法(例えば、「1インチ」として開示される寸法は、「2.5cm」の等価寸法を意味することが意図され、「1pcf」として開示される単位は、0.157kN/m3の等価寸法を意味することが意図され、100°Fで開示される単位は、37.8℃の等価寸法を意味することが意図されるなど)を含むと理解される。
【0015】
別途定義されない限り、本明細書で使用される全ての技術用語および科学用語は、本開示が属する技術分野の当業者に一般に理解される意味と同じ意味を有する。さらに、一般的に用いられる辞書に定義されているような用語は、本明細書の文脈および関連する技術分野におけるその意味と合致した意味を有すると解釈されるべきであり、本明細書で明白に定義されていない限りは、理想的または過度に形式張った意味に解釈されるべきではないことも理解されたい。
【0016】
本明細書で使用される場合、用語「1つの(a)」および「1つの(an)」は、本明細書および特許請求の範囲に記載される本発明の実施形態において任意の特徴に適用されるとき、1つ以上を意味する。「1つの(a)」および「1つの(an)」の使用は、そのような限定が具体的に記述されない限り、意味を単一の特徴に限定するものではない。単数または複数の名詞もしくは名詞句に先行する冠詞「前記(the)」は、特定の具体的な特徴(単数)または特定の具体的な特徴(複数)を表し、それが使用される文脈に応じて、単数または複数の含意を有し得る。
【0017】
用語「抜き勾配」は、本明細書で使用される場合、金型または特徴面、および引き抜き方向に沿った理論的な中心軸に関して定義される角度である。従来の成形では、正の抜き勾配が、通常、金型からの部品の突き出しをより容易にするために、すべての垂直壁に設計される。金型または特徴の壁が金型または特徴の理論的中心軸から引っ張り方向に離れて傾斜する場合、抜き勾配は「正の抜き勾配」であると言われる。金型または特徴の壁が金型または特徴の理論的中心軸から引っ張る方向に内側に傾斜する場合、抜き勾配は「負の抜き勾配」であると言われる。特徴付けられた表面は、正の抜き勾配を有する特徴と、負の抜き勾配を有する特徴と、の両方を含み得る。「非負の抜き勾配」は、ゼロの抜き勾配または正の抜き勾配を有する金型または特徴を指す。
【0018】
本明細書で使用される場合、「マイクロスケール特徴」という用語は、約10,000マイクロメートル、約1,000マイクロメートル以下の1つ以上の寸法を有し、概して、約10ナノメートル、100ナノメートル、またはそれ以上の寸法を有する特徴を指す。場合によっては、マイクロスケール特徴は、約10マイクロメートルまたは約50マイクロメートル~約100マイクロメートルまたは約250マイクロメートルの最大寸法を有する。
【0019】
本明細書で使用される場合、「マクロスケール」という用語は、典型的には、1ミリメートル以上の寸法、より正確には、約1ミリメートル、5ミリメートル、または10ミリメートル、および最大約20ミリメートル、100ミリメートル、500ミリメートル、またはさらには1,000ミリメートルの寸法である熱可塑性構成要素の全体的な寸法特徴を指す。
【0020】
本明細書で使用される場合、「精密なマイクロスケール特徴」という用語は、複数の熱可塑性構成要素にわたって測定される場合に、マイクロスケール特徴のサイズにおいて、非常に小さい二乗平均平方根(RMS)偏差を有するマイクロスケール特徴を指す。いくつかの態様では、精密なマイクロスケール特徴は、約10マイクロメートル、約1マイクロメートル、またはそれ以下のRMS偏差を有する。いくつかの態様では、精密なマイクロスケール特徴は、約10%、約5%、約1%、約0.1%以下のRMS偏差を有する。
【0021】
「再現可能なマクロスケール寸法」という用語は、複数の熱可塑性構成要素にわたって測定された、熱可塑性構成要素間のマクロスケール寸法の再現性を指す。いくつかの態様では、マクロスケール寸法は、マクロスケール寸法のすべてまたは実質的にすべての二乗平均平方根(RMS)偏差が1%、0.1%、0.01%、0.001%、0.0001%以下の許容差内にある場合に、再現可能であると言われる。
【0022】
本明細書で使用される場合、「剛性」という用語は、エンボス加工および射出成形で使用される典型的な圧力にさらされた場合に、形状の曲げまたは変形に耐え得る、例えば、少なくとも10GPa、20GPa、25GPa、30GPa以上の剛性係数を有する材料または構成要素を指す。
【0023】
熱可塑性成形ツールおよびそのアセンブリ
様々な態様の熱可塑性成形ツールおよびそのアセンブリが提供される。これらのツールおよびアセンブリは、構成要素の長期的なマクロスケール再現性も維持しながら、正確に寸法決めされたマイクロスケール特徴を有し、さらには高アスペクト比を有する熱可塑性構成要素を成形するために使用され得る。剛性ツーリングと、キャビティ形成面上の薄いエラストマー層とを組み合わせることにより、本明細書に記載のツールは、剛性ハードツールエンボス加工およびソフトツールエンボス加工の両方の利点を達成し得る。
【0024】
本明細書で、ツールは、少なくとも1つの上部ツールと、少なくとも1つの底部ツールと、を有するものとしてしばしば記載されるが、上部および底部などの言及は、少なくともいくつかの態様において、ある程度任意のものであり、明確さのためにのみ行われることを理解されたい。このような言語は、いくつかの態様では当てはまるが、すべての用途において、上部ツールが空間的に底部ツールの上になければならないことを意味するものと、必ずしもみなされるべきではない。
【0025】
いくつかの態様では、熱可塑性構成要素を成形するための熱可塑性成形アセンブリが提供される。アセンブリは、精密なマイクロスケール特徴と、再現可能なマクロスケール寸法と、を有する構成要素を成形し得る。様々な態様では、熱可塑性成形アセンブリは、底部ツールおよび上部ツールの両方を含む。いくつかの態様では、ツールが、複数の構成要素を成形するための複数のウェルを含む場合、アセンブリは、複数の上部ツールを含み得る。例えば、いくつかの態様では、アセンブリは、3つ、4つ、またはそれ以上のキャビティと、同じ数の上部ツールと、を有する。
【0026】
上部ツールと、底部ツールとが一緒になって、熱可塑性構成要素を成形するためのキャビティを形成する。いくつかの態様では、上部ツールは、少なくとも1つの突起を有する第1のキャビティ形成側を有する第1の剛性ツール本体を含む。上部ツールは、少なくとも1つの突起をコンフォーマルにコーティングし、第1のキャビティ形成面を作成する第1のエラストマー層も含み得る。熱可塑性成形アセンブリは、底部ツールも有するであろう。いくつかの態様では、底部ツールは、少なくとも1つの凹部を有する第2のキャビティ形成側を有する第2の剛性ツール本体を含み、この少なくとも1つの凹部は、アセンブリが閉位置にあるときに、上部ツールの少なくとも1つの突起を受容するように構成されている。いくつかの態様では、底部ツールは、少なくとも1つの凹部をコンフォーマルにコーティングし、第2のキャビティ形成面を作成する第2のエラストマー層を含む。アセンブリが閉位置にあるとき、第1のキャビティ形成面と、第2のキャビティ形成面とが、熱可塑性構成要素を成形するためのキャビティを画定し得る。
【0027】
ツールおよびアセンブリは、精密なマイクロスケール特徴を有する熱可塑性構成要素を成形するために使用され得る。いくつかの態様では、第1のキャビティ形成面および第2のキャビティ形成面のうちの一方または両方が、熱可塑性構成要素を成形するときに、精密なマイクロスケール特徴を画定する特徴形成面を含む。特徴形成面は、ウェル、ピラー、ディンプル、ポア、チャネル、リッジ、より複雑な幾何学的構造、またはそれらの任意の組み合わせを含み得る。
【0028】
剛性ツール本体と薄いエラストマーコーティングとを組み合わせたハイブリッドツーリングのアプローチは、剛性ツーリングまたはエラストマーツーリングのいずれかによって単独で達成され得るよりも厳しい寸法制御を、すべての特徴サイズにわたって可能にする。熱可塑性部品の幾何学的特徴は、一般に、マクロスケールまたはマイクロスケールとして定義され得る。マクロスケールとして定義される特徴は、典型的には、少なくとも1ミリメートルの長さ、幅、高さ、ピッチ、および曲率半径を有する。マイクロスケールとして定義される特徴は、典型的には、1ミリメートル未満の長さ、幅、高さ、ピッチ、または曲率半径のセットからの少なくとも1つの特徴を有する。エラストマーコーティングなしの剛性ツーリングは、典型的には、部品ごとに0.1%未満で変動するマクロ特徴を有する熱可塑性部品を生成し得るが、典型的には、(10%を超える)大きな変動のないほとんどのタイプのマイクロ特徴を生成することはできない。剛性の本体を有しないエラストマーツーリングは、典型的には、部品ごとに1%未満変動するマイクロ特徴を有する熱可塑性部品を生成し得るが、典型的には、少なくとも5%変動するマクロ特徴を生成する。本明細書に記載のハイブリッドツーリングは、0.1%未満変動するマクロ特徴と、1%未満変動するマイクロ特徴と、を有する熱可塑性部品を生成することが、いくつかの態様で、実証されている。
【0029】
剛性ツール本体は、成形されるときに、熱可塑性構成要素内に再現可能なマクロスケール寸法を提供し得る。ソフトツールエンボス加工に関する1つの問題が、生成された構成要素が、大規模な構造偏差と、望ましくない変動なしに高信頼性で再現することが可能でないマクロスケール寸法を有し得ることである。例えば、いくつかの態様では、本明細書で提供される方法は、約5%、約1%、約0.1%以下の寸法公差で熱可塑性構成要素を生成し得る。
【0030】
上部および底部ツールのキャビティ形成面は、ツールのキャビティ形成側の少なくとも一部をコーティングする薄いエラストマー層から形成される。キャビティ形成面は、熱可塑性構成要素内に精密なマイクロスケール特徴を形成するための特徴形成面を含み得る。エラストマー層は、小さなマイクロスケール特徴の形成を、高アスペクト比を有する非常に小さな特徴サイズであっても、可能にし、かつマイクロスケール特徴が、成形後に金型からより容易に剥離されることを可能にする。
【0031】
本開示の特定の態様による、熱可塑性成形アセンブリの特徴のいくつかを説明するために、第1の例示的な熱可塑性成形アセンブリ100が、
図1A~1Hに示されている。第1の例示的な熱可塑性成形アセンブリ100は、上部ツール110と、底部ツール120と、を含む。上部ツール110は、突起116を有する第1のキャビティ形成側114を有する第1の剛性ツール本体112を有する。上部ツール110は、少なくとも突起116をコンフォーマルにコーティングし、第1のキャビティ形成面119を作成する第1のエラストマー層118も有する。底部ツール120は、凹部126を有する第2のキャビティ形成側124を有する第2の剛性ツール本体122を有する。凹部126は、閉位置にあるときに、上部ツール110の突起116を受容するように構成されている(
図1E、
図1H)。底部ツール120は、少なくとも凹部126をコンフォーマルにコーティングし、第2のキャビティ形成面129を作成する第2のエラストマー層128も有する。上部ツール110および底部ツール120が閉位置にあるとき、第1のキャビティ形成面119と、第2のキャビティ形成面129とが、
図4に示されるものなどの熱可塑性構成要素を成形するためのキャビティ130を画定する。
【0032】
いくつかの態様では、熱可塑性成形アセンブリは、複数の熱可塑性構成要素を形成するための、例えば、ほぼ同時に複数の熱可塑性構成要素を成形するための複数のキャビティを含み得る。例えば、アセンブリは、複数の突起のうちの1つを受容して、熱可塑性構成要素を成形するための複数のキャビティを形成するように配置および寸法決めされている複数の凹部を有する単一の底部ツールを含み得る。例えば、熱可塑性構成要素を成形するための2つ、3つ、4つ、8つ、またはそれ以上のキャビティを有するツールが想定される。上部ツールおよび/または底部ツールは、マルチパーツツールであってもよく、例えば、アセンブリは、単一の底部ツールと、各々が個別に取り外され得、キャビティを形成するために個別に閉位置にあり得る複数の上部ツールと、を含んでもよい。
【0033】
単一の上部ツールと、単一の底部ツールとを有するアセンブリの一例として、ほぼ同時に3つの熱可塑性構成要素を成形する能力を有する第2の例示的な熱可塑性成形アセンブリ400が、
図5A~5Eに示されている。第2の例示的な熱可塑性成形アセンブリ400は、上部ツール410を有し、底部ツール420を有する。上部ツール410は、同一に形成されても、異なっていてもよい複数の(3つで例示されている)突起416を有する第1のキャビティ形成側414を有する第1の剛性ツール本体412を有する。上部ツール410は、少なくとも複数の突起416をコンフォーマルにコーティングし、複数の第1のキャビティ形成面419を作成する第1のエラストマー層418も有する。底部ツール420は、複数の(3つで例示されている)凹部426を有する第2のキャビティ形成側424を有する第2の剛性ツール本体422を有する。凹部426の各々は、閉位置にあるときに、上部ツール410の突起416のうちの1つを受容するように構成および位置付けされている(
図5C)。底部ツール420は、少なくとも複数の凹部426をコンフォーマルにコーティングし、複数の第2のキャビティ形成面429を作成する第2のエラストマー層428も有する。上部ツール410および底部ツール420が閉位置にあるとき、複数の第1のキャビティ形成面419および第2のキャビティ形成面429が、
図4に示されるものなどの複数の熱可塑性構成要素を成形するための複数のキャビティ(図示せず)を画定する。
【0034】
複数の上部ツールと、単一の底部ツールとを有するツールの一例として、ほぼ同時に3つの熱可塑性構成要素を成形する能力を有する第3の例示的な熱可塑性成形アセンブリ500が、
図6A~6Dに示されている。第2の例示的な熱可塑性成形アセンブリ500は、3つの上部ツール510と、単一の底部ツール520と、を有する。上部ツール510の各々は、同一に形成されても、異なっていてもよい単一の突起516を有する第1のキャビティ形成側514を有する第1の剛性ツール本体512を有する。上部ツール510の各々は、少なくとも突起516をコンフォーマルにコーティングし、第1のキャビティ形成面519を作成する第1のエラストマー層518も有する。底部ツール520は、複数の(3つで例示されている)凹部526を有する第2のキャビティ形成側524を有する第2の剛性ツール本体522を有する。凹部526の各々は、閉位置にあるときに、上部ツール510のうちの1つの突起516のうちの1つを受容するように構成および位置付けされている(
図6Aおよび6B)。底部ツール520は、少なくとも複数の凹部526をコンフォーマルにコーティングし、複数の第2のキャビティ形成面529を作成する第2のエラストマー層528も有する。上部ツール510および底部ツール520の各々が閉位置にあるとき、複数の第1のキャビティ形成面519および第2のキャビティ形成面529が、
図4に示されるものなどの複数の熱可塑性構成要素を成形するための複数のキャビティ(図示せず)を画定する。
【0035】
熱可塑性成形ツールおよびアセンブリは、精密なマイクロスケール特徴を有する熱可塑性構成要素を生成することができる。いくつかの態様では、第1のキャビティ形成面および第2のキャビティ形成面のうちの一方または両方が、特徴形成面を含む。特徴形成面は、最終の熱可塑性構成要素内に特徴を形成するための1つまたは複数のマイクロスケール構造を含む。例えば、マイクロスケール特徴がウェルである場合、特徴形成面は、熱可塑性構成要素内にウェルを作成する複数のピラーを含み得る。特徴形成面は、ウェル、ピラー、ディンプル、ポア、チャネル、リッジ、より複雑な幾何学的構造、またはそれらの任意の組み合わせを含み得る。第1の例示的な熱可塑性成形アセンブリ100に戻ると、上部ツール110の第1のキャビティ形成面119の一部に特徴形成面140が見える。この例では、特徴形成面140は、規則的なパターンまたはアレイのマイクロスケールピラー特徴141のアレイを含む。したがって、ピラー特徴141は、第1の例示的な熱可塑性成形アセンブリ100を使用して生成されるときに、熱可塑性構成要素内に精密なマイクロスケールウェルのアレイを生成するであろう。
【0036】
熱可塑性成形ツールおよびアセンブリは、単段または多段の貫通孔および止まり穴を含む、エンボス加工された基材内に凹部および穴を成形するための特徴を含み得る。これらの成形特徴は、ツールのいずれかの側の突起、またはキャビティと交差する別個のインサート(例えば、コアピン)の形態をとり得る。突起またはインサートは、1)金型キャビティ内に部分的に突出するか、2)ツールの反対側の平らな表面に当接するか、もしくは3)ツールの反対側の凹部に嵌合するか、または4)それらの何らかの組み合わせを行い得る。これらの突起またはインサートは、エラストマー層の一部、剛性層の一部、または両方(すなわち、エラストマースキンを有する剛性コア)であり得る。インサートはまた、ピンが、室温で剛性ブランクに対して圧縮されると後退するが、ポリマーが加熱されて流れ始めるとキャビティを貫通するように、バネ式であってもよい。
【0037】
貫通孔形成特徴を有するツールの一例として、第4の例示的な熱可塑性成形アセンブリ600が、
図7A~7Cに示されている。熱可塑性成形アセンブリ600は、上部ツール610および底部ツール620の両方をやはり含み、これらは両方とも、キャビティ形成側624の一部をコンフォーマルにコーティングするエラストマー層(それぞれ618および628)を有する剛性ツール本体(それぞれ612および622)から形成される。エラストマー層(それぞれ618および628)は、キャビティ形成面(それぞれ619および629)を作成するが、この例示的な場合では、底部ツール620のキャビティ形成面629内に複数の貫通孔形成特徴640が存在する。貫通孔形成特徴640は、キャビティ630を横切って延在して、上部ツール610のキャビティ形成面619と接触する。
【0038】
もちろん、貫通孔形成特徴は、対向するツールのエラストマー層内に延在し得る。一例として、第5の例示的な熱可塑性成形アセンブリ800が、
図8A~8Eに示されている。第5の例示的な熱可塑性成形アセンブリ800は、上部ツール810と、底部ツール820と、を有する。上部ツール810および底部ツール820は両方とも、キャビティ形成側(それぞれ814および824)の一部をコンフォーマルにコーティングするエラストマー層(それぞれ818および828)を有する剛性ツール本体(それぞれ812および822)から形成される。エラストマー層(それぞれ818および828)は、キャビティ形成面(それぞれ819および829)を作成する。底部ツール820のキャビティ形成面829内の貫通孔形成特徴840は、閉じる位置にあるときに、貫通孔形成特徴840が、キャビティ830を横切って、上部ツール810のキャビティ形成面819内の凹部841内に延在するように構成されている。
【0039】
貫通孔形成特徴は、任意の断面形状(例えば、円形、長方形など)を有し得、その長さに沿って変化する断面形状も有し得る。例えば、貫通孔形成特徴は、円形の断面を有し、テーパ状の側壁を有し得る。変化する断面形状の別の例が、長さに沿って段階的に変化する直径を有する貫通孔形成特徴である。後者は、非常に高いアスペクト比の貫通孔形成特徴を要することなく、厚いエンボス加工部品の片側に小さな貫通孔を開けるために使用され得る。
【0040】
貫通孔形成特徴を作成するための他の代替案が存在する。例えば、
図9に示されるように、貫通孔形成特徴940は、エラストマー層から全体的に形成される代わりに、剛性ツール本体922内に作製されている剛性支持特徴942を含み得る。
図10に示される他の態様では、貫通孔形成特徴1040は、剛性ツール本体1022から全体的に形成され、エラストマー層1028の上に、およびキャビティ1030を横切って上部ツール1010のエラストマー層1028内に延在し得る。他の例では、貫通孔は、剛性ツール本体1122およびエラストマー層1128を貫通して延在し、キャビティ1130を横切って、他方の剛性ツール本体1112のエラストマー層1118内に延在するピン1140によって作成され得る。
【0041】
貫通孔形成特徴と、対向するツールの表面との間のフラッシングを防止するために、貫通孔形成特徴は、キャビティの高さよりもわずかに大きい高さを有し得、それによって作成し、そして、キャビティが閉じられたときに、対向するツール表面と干渉シール。例えば、キャビティ高さ1mmの場合、貫通孔は、1.1mmの高さを有し得る。干渉が大きすぎると、対向するツールの表面上のエラストマーの変形を引き起こし、熱成形された部品の貫通孔特徴の周りに突出したリップが生じる可能性がある。対向するエラストマーの変形を防止する1つの方法が、貫通孔形成ポストに接触するであろう領域内において、対向するツール上のエラストマーの厚さを減らすことである。これを達成するために、この領域内のこのエラストマーの下の剛性層上に突起が追加され得る。
【0042】
抜き勾配は、熱成形部品のツールへの部品付着力を増加または減少させるために、垂直面に導入され得る。ツールのキャビティを開放したときに、エンボス加工部品が、上部ツールまたは底部ツールのいずれかに物理的に付着したままである場合がある。典型的には、部品は、より大きい表面積ならびに低いおよび負の抜き勾配の表面を有する側に付着するであろう。どちら側のツールに部品が付着するであろうかを予測可能に制御するために、正および負の抜き勾配が、ツールの垂直面に組み込まれ得る。例えば、2oの正の抜き勾配を、底部ツールのキャビティ縁部および貫通孔特徴に導入して、部品が上部ツールに付着することを確実にすることができる。
【0043】
ツールは、エンボス加工中に過剰な材料が一次キャビティから流出することを可能にする二次「ゲート」キャビティを含み得る。「ゲート」に流入した材料は、離型後に、エンボス加工ピースから取り除かれ得る。ツールはまた、金型キャビティに真空またはパージを導入するための1つまたは複数のポートを含み得る。これらのポートは、好ましくは、ツールの垂直側面に位置する。ここで、第1の例示的な熱可塑性成形アセンブリ100に戻ると、ポート115が、底部ツール120の端部にエラストマー材料で形成されている。
図1Fに最も明確に示されるように、ポート115は、エラストマー115bで充填される、剛性ツール本体122内の凹部115a内に形成されている。
【0044】
いくつかの態様では、
図3Eおよび3Fに最良に例示されるように、例示的なツール100の分割線180が、「キャビティシャットオフ」181によって形成されている。キャビティシャットオフ181は、エンボス加工キャビティ130の周囲に沿った、上部ツール110のキャビティ形成面119と、底部ツール120のキャビティ形成面129との間の接触領域である。いくつかの態様では、キャビティシャットオフは、エンボス加工部品の底部もしくは上部の縁部、またはその間の任意の場所に位置し得る分割ラインを形成するであろう。eキャビティシャットオフ181は、フラッシングをなくすかまたは最小限に抑えて、成形部品の縁部を正確に再現するために、エンボス加工中に閉位置にあるときに、キャビティ130内にポリマーを保持するように設計されている。
【0045】
いくつかの態様では、「真空ギャップ」183が、キャビティシャットオフ181の外側に導入されている。キャビティシャットオフ181の周囲に沿った真空ギャップ183は、部品上で真空引きするためのチャネルの働きをする。真空ギャップ183は、キャビティシャットオフによって一方の側がシールされ、「真空シール」184によってもう一方の側がシールされており、真空ポートに接続されている。真空シール184は、キャビティシャットオフ181におけるツーリングの一次圧縮境界に干渉することなく、ツーリングが係合している(閉位置にある)ときにシールを形成するように設計されている。真空シールは、閉位置に到達する前にシールを形成し、それにより、キャビティシャットオフシールが係合される前にキャビティが排気されることを可能にするように設計され得る。これを達成する1つの方法が、底部ツールに対する上部ツールの垂直位置の範囲にわたって、シールを維持する横方向ガスケットシール184を使用することである。
【0046】
いくつかの態様では、アセンブリが閉位置にあるとき、上部ツールと、底部ツールとが「ハード接触」をなす、つまり、上部ツールの1つの剛性底部対向面が、底部ツールの1つの剛性上部対向面に接触することを意味する。この構成では、エンボス加工中にツールが閉位置に到達すると、印加される任意の追加の圧縮荷重が、剛性バッキングによって伝えられて、エンボス加工部品に伝わる。さらに、底部ツールに対する上部ツールの最終的な相対位置が、接触面182によって決定される。
【0047】
別の変形例では、上部ツールおよび底部ツールが、浮遊構成で動作し、それにより、剛性表面間には接触がなく、エンボス加工中に印加される荷重がすべて、エラストマー表面および熱成形基材上に分散される。
【0048】
ブランク基材「ブランク」
熱可塑性構成要素は、熱可塑性「ブランク」基材から作製され得る。いくつかの態様では、ブランク基材は、第1のキャビティ形成面と、第2のキャビティ形成面とによって形成されるキャビティの体積の約10%、約5%、約1%、または約0.1%以内の体積を有するであろう。いくつかの態様では、ブランクの体積は、キャビティの体積よりもわずかに大きいであろう。このことは、最小限または実質的にゼロのフラッシングで、より高品質の構成要素を生成するために使用され得る。おおよそ標準の顕微鏡スライドのサイズである例示的なブランク基材200が、
図2に示されている。しかしながら、ブランクは、他の用途では、ツーリングのキャビティ体積に対応する任意の体積または寸法を有し得る。いくつかの態様では、ブランクはまったく使用されず、熱可塑性物質は、熱可塑性粉砕もしくは粉末として導入され得るか、またはポートもしくはチャネルを通して、溶融状態もしくは部分的溶融状態でチャンバ内に流入され得る。
【0049】
好適な熱可塑性ポリマーとしては、以下に限定されないが、ポリエチレン(PE)、ポリプロピレン(PP)、ポリ(塩化ビニル)(PVC)、ポリカーボネート(PC)、ポリエチレンテレフタレート(PET)、環状オレフィンポリマー(COP)、環状オレフィンコポリマー(COC)、ポリ(メチルメタクリレート)(PMMA)、またはこれらのコポリマー、およびこれらの他のポリマーとのコポリマーが挙げられる。理想的には、熱可塑性物質は、エンボス加工されるマイクロ特徴の完全な形成を可能にするのに十分なエンボス加工温度でのメルトフローインデックスを有するであろう。ブランクは、高温加硫(HTV)シリコーン、またはエポキシ樹脂などの熱硬化性ポリマーで作製されてもよい。ブランクはまた、多層ポリマーラミネートなどの複合材料、またはガラス繊維、シリカ、もしくは粘土などの無機添加剤で充填されたポリマーマトリックスであり得る。ブランク材料はまた、抗菌剤、光吸収剤、清澄剤、離型剤、スリップ剤、および帯電防止剤などの射出成形樹脂に一般的に添加される添加剤を含んでもよい。
【0050】
構成要素を作製する方法
本明細書に記載の熱可塑性成形ツールおよびアセンブリは、熱可塑性樹脂から、および場合によっては、ポリマー熱硬化物および複合材料などの他の材料から様々な構成要素を作製するために使用され得る。方法は、熱エンボス加工、射出成形、圧縮成形、およびそれらの組み合わせまたは変形を含み得る。
【0051】
いくつかの態様では、方法は、熱エンボス加工法を含む。エンボス加工プロセスは、本明細書に記載の熱可塑性成形ツールまたはアセンブリと、ポリマー「ブランク」と、熱可塑性成形ツールまたはアセンブリに熱および/または圧力を加える方法と、を必要とする。典型的には、ポリマーブランクが、まずエンボス加工ツールのキャビティ内に配置され、次いで、ツールおよびブランクの温度が、ブランク材料のガラス転移温度を超えて上昇され、次いで、ポリマーが強制的に流されて、ツールによって画定されたキャビティの形態を取るように、圧力がブランクに印加される。次いで、ツールおよびブランクが、ポリマーのガラス転移温度を下回って冷却され、その後、エンボス加工された熱可塑性構成要素が、キャビティから離型され得る。
【0052】
エンボス加工サイクル:
標準的なエンボス加工サイクルは、以下のように実施され得る。ブランクがツーリング内に配置された後、真空ポートを通じてキャビティの空気を排気しながら、金型が、初期「接触圧力」まで圧縮される。接触圧力が、ツール内面と、ブランクとの間の十分な熱接触を確実にする。接触力を維持しながら、ツール温度が、所与のランプレートで、エンボス温度まで上昇される。ツール温度がエンボス温度で安定化したら、圧縮力が増加されて所望の「エンボス加工圧力」に達し、この圧力が「ソークタイム」の間保持される。ソークタイムは、ブランク材料が流れて、金型キャビティのすべての凹部を充填するのを可能にする十分な長さでなければならない。「エンボス加工圧力」を維持しながら、金型が、離型温度まで冷却され、その後、金型に印加されている圧力が解放される。
【0053】
金型の加熱および冷却は、加熱/冷却されたプラテンと直接接触することによって実施され得る。加熱素子および冷却素子がツーリング内に直接埋め込まれる場合がある。他の加熱方法としては、金型の誘導加熱および放射加熱が挙げられるが、これらに限定されない。他の冷却方法としては、熱電冷却、ならびに冷却流体または冷却ガスによる伝導冷却または対流冷却が挙げられる。圧縮力は、電動リニアステージ、空気圧もしくは油圧プレスを使用して、または重りの重力下で印加され得る。
【0054】
ポリマーと、ツーリング表面上の凹部との間に閉じ込められた、ブランク加熱中に発生した任意の空気または他の蒸気を排気するために、真空が、キャビティに印加され得る。キャビティからの酸素の排気は、エンボス加工プロセス中のポリマーの熱酸化を防止するのにも役立つ。キャビティはまた、窒素またはアルゴンなどの不活性ガスを使用してパージされ得る。排気とパージとの組み合わせを使用して、キャビティ内の酸素、水分、および他の汚染物を最小限に抑えることができる。
【0055】
いくつかの態様では、装置は、ツールが取り付けられるか、さもなければ配置され得る力制御電動圧縮ステージに取り付けられた上部および底部熱制御プラテンを含む。上部および底部プラテンは、埋め込み抵抗加熱カートリッジで積極的に加熱され、チラーからの冷水を流す埋め込み液体冷却回路で積極的に冷却される。上部ツールおよび底部ツールは、底部プラテン上に自由に位置し得るか、または上部プラテンおよび下部プラテンにそれぞれ取り付けられ得る。
【0056】
部品の取り外し:
構成要素が冷却されると、ツール構成要素が分離され、エンボス加工部品が、ツールから離型され得る。空気または別の適切なガスによるキャビティの通気を使用して、キャビティ内の真空を破壊し、ツール(複数可)からエンボス加工構造物を排出するのを助けることができる。キャビティは、キャビティを排気するために使用される同じポート、またはキャビティまたは真空チャネルに接続する1つまたは複数のポートを通じて通気され得る。エンボス加工部品は、ツールの表面と真直角な方向に均一に引っ張ることによって取り外され得るか、または部品の片側から持ち上げて、剥離動作で徐々に取り外され得る。エジェクタピンを金型に組み込むことによって、ツールからの部品の取り外しを助けることができる。エジェクションピンは、機械的に、電気的に、または空気圧で作動され得る。エジェクションピンは、メインキャビティ内または、代替的に、エジェクション後に取り除かれる領域にピンが接触するオーバーフローキャビティ内に位置し得る。エジェクションピンは、エラストマー層の下に隠され得、作動すると、ピンが、エラストマー層を変形させて突き出させ、成形された部分を突くことができる。この構成により、エジェクタピンと、周囲のツール材料との間の不連続性に関連付けられた可視の特徴が部品上に現れることなく、エジェクタピンを使用して、成形部品を突き出すことが可能になる。自動化装置を使用して、ブランクおよびエンボス加工部品の配置および取り外しを容易にして、スループットを高め、労力を削減することができる。
【0057】
ツール形成構造およびその使用方法
ツール形成構造、およびツール形成構造を使用して本明細書に記載のツールを作製する方法を含む、熱可塑性成形ツールおよびアセンブリを作製する方法も提供される。ツール形成構造は、所望の幾何学形状の複製の開始点であるマスター構造を含む。ツール形成構造は、複製のための関心の幾何学形状を含む加工されたピースまたは領域を保持することと、熱成形プロセスで使用されるツーリングを定義する、関心の幾何学形状の外側の他の領域を定義することと、の2つの機能を提供し得る。
【0058】
インサートと呼ばれる、フレーム内に保持される加工されたピースは、典型的には、マイクロ加工されたシリコンウエハまたはガラスウエハであるが、任意の天然または人工的な方法によって形成される所望の幾何学形状を含む任意の材料であり得る。例としては、天然のマイクロ特徴材料、またはCNC加工された、3Dプリントされた、もしくは事前に熱成形されたプラスチック、金属、またはゴムのピースが挙げられる。マイクロ特徴基材を加工する他の方法としては、以下に限定されないが、ナノインプリントリソグラフィ、転写プリント、熱エンボス加工、レーザー彫刻、ダイヤモンドスクライビング、3Dプリンティング、セルフアセンブリ、レーザー誘導エッチング、LIGA、電気化学的微細加工、紫外線、電子ビーム、またはX線リソグラフィが挙げられる。
【0059】
インサートは、熱成形およびCNC加工の組み合わせなどの複数の方法を使用して加工され得る。インサートはまた、例えば、より厚く、より剛性の高いキャリアに接着した薄いマイクロ構造シリコンウエハなど、複数の構成要素で構成され得る。マスター構造は、ツールが鋳造され得る、フレームとインサートとの組み合わせから作成される。ツールは、典型的には、対になって、特定のサイズ、明瞭度、全体的な均一性、および全体的なマイクロ特徴品質のポリマーを熱成形する閉じたキャビティを形成し、かつ元のインサートから関心の幾何学形状を再現するように設計される。フレームは、典型的には、用途に応じて、あるタイプのプラスチック、金属、またはその両方で作製される。アクリルブロックのCNCフライス加工が、標準的な手順の一例である。シリコンウエハと、光学的に透明なインサートとが、真空を使用して、ともにそして接着剤、または何らかの他の方法によって、機械的にマスター構造に固定される。両面テープ、スプレー接着剤、またはのりなど、いくつかのタイプの接着剤が適用され得る。インサートを機械的に固定するために、フレームは、間にインサートがクランプされ得る、上部ピースと下部ピースとからなり得る。マスター構造は、軟質耐熱エラストマーツールを鋳造するために使用される。
【0060】
図12A~12Kに示されるように、剛性ツール本体1210上にコンフォーマルなエラストマー層1230をコーティングするために使用され得る第1の例示的なツール形成構造1200が記載されている。ツール形成構造1200は、コーティングされたときに、コンフォーマルなエラストマー層内にキャビティ形成面を画定するためのインサート1220を受容するように構成された、機械加工されたポケット1202を含む。機械加工されたポケット1202は、コンフォーマルなエラストマー層のコーティングを作成するために、閉位置にあるときに剛性ツール本体1210に接触するリッジ1204に囲まれている。ツール形成構造1200は、剛性ツール本体を整列させるための基準タブ1206をさらに含み得る。剛性ツール本体は、例えば、機械加工されたアルミツール本体を含み得る。機械加工されたポケット1202は、
図12A~12Kに示されるように、凹状であり得る。これは、剛性ツール本体1210が突起1211を有するときに効果を発揮する。インサート1220は、特徴形成面1231を画定するために、ネガティブとしてエラストマー層1230上に転写され得る特徴面1221を有するマイクロ加工されたシリコンインサートであり得る。エラストマー層は、10マイクロメートル~5ミリメートルの厚さを有し得る。実際には、250マイクロメートル~500マイクロメートルの層の厚さが、50マイクロメートル~5ミリメートルの厚さの最終プラスチック部品の熱成形に最も実用的であった。機械加工されたアルミバッキングは、典型的には、厚さ2ミリメートル~20ミリメートルであり、典型的には、エンボス加工中に均一な熱分布を提供するために、可能な限り均一である。
【0061】
剛性ツール本体1310上にコンフォーマルなエラストマー層1330をコーティングするために使用され得る第2の例示的なツール形成構造1300が示されている。ツール形成構造1300は、コーティングされたときに、コンフォーマルなエラストマー層内にキャビティ形成面を画定するためのインサート1320を受容するように構成された、機械加工されたポケット1302を含む。機械加工されたポケット1302は、コーティングされたときにコンフォーマルなエラストマー層の厚さを画定する隆起したプラットフォーム1304上にある。ツール形成構造1300は、剛性ツール本体を整列させるための基準タブ1306をさらに含み得る。剛性ツール本体1310は、例えば、機械加工されたアルミツール本体を含み得る。機械加工されたポケット1302は、
図13A~13Kに示されるように、隆起したプラットフォーム1302上にあり得る。これは、剛性ツール本体1310が凹部1311を有するときに効果を発揮する。インサート1320は、光学的に透明な表面1331を画定するために、ネガティブとしてエラストマー層1330上に転写され得る光学アクリルインサートであり得る。
【0062】
剛性ツール本体上へのエラストマーの鋳造
鋳造の準備において、ウエハの表面を化学的に不活性化して、鋳造中の任意のエラストマーの付着を回避するために、シリコンウエハのシラン化処理が使用される。このプロセスは、オゾン衝撃によるシリコン表面の活性化、続いて真空下でのシラン蒸気への曝露を伴う。ヒドロキシル基でシリコン表面を活性化するための他の方法としては、プラズマもしくはコロナ衝撃、またはピラニアエッチが挙げられるが、これらに限定されない。アンチスティクション層としては、溶液または物理的蒸着から適用されるアルキルシランおよびフルオロアルキルシランが挙げられるが、これに限定されない。PTFE(ポリテトラフルオロエチレン)などのアンチスティクションコーティングも、プラズマ蒸着を介して適用され得る。
【0063】
エラストマーを鋳造するための別の方法の一例が、マスターと、剛性バッキングとの間のキャビティ内に未硬化液体エラストマーを注入することである。この例では、1つ以上の注入ポートおよび出口ポートが、マスターまたは剛性バッキングのいずれか内に作成されて、マスターおよびバッキングが一緒に着座およびクランプされるときに、それらの間に形成されるキャビティ内にエラストマーを注入するための経路を提供する。混合され、脱気された未硬化エラストマーが、出口ポート上で真空引きするか、入口ポートでエラストマーに正圧を印加するか、またはこれらの両方によって、キャビティに注入される。
【0064】
エラストマー層を、複数の鋳造で、剛性バッキング上に鋳造して、オーバーモールド特徴を作成することができる。一例として、所与のセットのマイクロ構造およびマクロ構造を有する1つのマスター構造を使用して、第1のエラストマー層が、上述のように、剛性バッキング上に鋳造されて、予備鋳物を成形する。次いで、予備鋳物および第2のマスターを使用して、二次鋳造が実施される。第2のマスターは、予備鋳物上にオーバーモールドされる特徴を含む。オーバーモールドされる特徴は、重なり得るが、特徴予備鋳物と共にではない。
【0065】
硬化したエラストマーからの剥離を助けるために、ジクロロメタンを使用して、機械加工されたアクリルマスターに蒸気研磨処理が適用される。各アクリルマスターは、脱気中の液体エラストマーの漏洩を防止するために、すべての側面にテープが貼られる。シリコーンモノマーと架橋剤との10:1混合物が、各アクリルフレーム内に注がれ、1.5時間脱気される。エラストマーとアルミを接合するために、サンドペーパーを使用して接触面を研磨する。次に、テープが、アクリルフレームから取り外されて、クランプするためにガラス板上に配置される。アルミバッキングが、アクリルフレームの基準タブに一致してしっかり配置され、過剰なエラストマーがすべて流出するまで、別のガラス板でクランプされる。硬化プロセスは、クランプ状態での70℃で3~4時間の硬化と、クランプ解除状態での200℃で24時間の最終硬化とからなる。初期硬化後、へらを使用して、エラストマーが接合されたアルミハイブリッドツールからアクリルマスターを徐々にこじって離す。次いで、ハイブリッドツールが、最終硬化に供される。ハイブリッドツールが冷却され、追加のエラストマーフラッシュが、クリッパーで切除される。
【0066】
本開示による特定の態様
上記の開示は、特許請求の範囲と混同されるべきではない以下の番号付けされた態様を読むと、より良く理解されるであろう。いくつかの例では、番号付けされた態様の1つ以上が、本開示から逸脱することなく、本明細書に記載される他の態様と組み合わされ得る。
【0067】
態様1.精密なマイクロスケール特徴と、再現可能なマクロスケール寸法と、を有する熱可塑性構成要素を成形するための熱可塑性成形アセンブリであって、(a)第1のキャビティ形成側を有する第1の剛性ツール本体と、第1のキャビティ形成側の少なくとも一部をコンフォーマルにコーティングし、第1のキャビティ形成面を作成する第1のエラストマー層と、を備える上部ツールと、(b)底部ツールであって、第2の剛性ツール本体は、第2のキャビティ形成側と、第2のキャビティ形成側の少なくとも一部をコンフォーマルにコーティングし、第2のキャビティ形成面を作成する第2のエラストマー層と、を有する、を備える、底部ツールと、を備える、熱可塑性成形アセンブリ。
【0068】
態様2.閉位置にあるとき、第1のキャビティ形成面と、第2のキャビティ形成面とが、熱可塑性構成要素を成形するためのキャビティを画定する、態様1~37のいずれか1つに記載の熱可塑性成形アセンブリ。
【0069】
態様3.第1のキャビティ形成面および第2のキャビティ形成面の一方または両方が、熱可塑性構成要素を成形する際に、精密なマイクロスケール特徴を画定する特徴形成面を備える、態様1~37のいずれか1つに記載の熱可塑性成形アセンブリ。
【0070】
態様4.第1の剛性ツール本体および第2の剛性ツール本体が、成形されるときに、熱可塑性構成要素内に再現可能なマクロスケール寸法を提供するのに有効である、態様1~37のいずれか1つに記載の熱可塑性成形アセンブリ。
【0071】
態様5.第1のエラストマー層および第2のエラストマー層が、成形されるときに、熱可塑性構成要素内に精密なマイクロスケール特徴を形成し、かつ精密なマイクロスケール特徴を剥離するのに有効である、態様1~37のいずれか1つに記載の熱可塑性成形アセンブリ。
【0072】
態様6.第1のキャビティ形成面および第2のキャビティ形成面のうちの一方または両方が、凹部を備える、態様1~37のいずれか1つに記載の熱可塑性成形アセンブリ。
【0073】
態様7.第2の剛性ツール本体の第2のキャビティ形成側が、凹部をコンフォーマルにコーティングする第2のエラストマー層を有する凹部を備える、態様1~37のいずれか1つに記載の熱可塑性成形アセンブリ。
【0074】
態様8.第2のエラストマー層が、凹部を備える、態様1~37のいずれか1つに記載の熱可塑性成形アセンブリ。
【0075】
態様9.第1の剛性ツール本体の第1のキャビティ形成側が、少なくとも1つの突起を備え、第1のエラストマー層が、上記少なくとも1つの突起の少なくとも一部をコンフォーマルにコーティングしている、態様1~37のいずれか1つに記載の熱可塑性成形アセンブリ。
【0076】
態様10.凹部が、閉位置にあるときに、少なくとも1つの突起を受容するように構成されている、態様1~37のいずれか1つに記載の熱可塑性成形アセンブリ。
【0077】
態様11.第1のエラストマー層が、少なくとも1つの突起を備える、態様1~37のいずれか1つに記載の熱可塑性成形アセンブリ。
【0078】
態様12.凹部が、閉じる位置にあるときに、少なくとも1つの突起を受容するように構成されている、態様1~37のいずれか1つに記載の熱可塑性成形アセンブリ。
【0079】
態様13.第1のエラストマー層および第2のエラストマー層のうちの一方または両方が、約50マイクロメートル~約5ミリメートルの範囲の厚さを有する、態様1~37のいずれか1つに記載の熱可塑性成形アセンブリ。
【0080】
態様14.第1のエラストマー層の厚さの変動、および第2のエラストマー層の厚さの変動のうちの一方または両方が、約10%以下である、態様1~37のいずれか1つに記載の熱可塑性成形アセンブリ。
【0081】
態様15.第1の剛性ツール本体および第2の剛性ツール本体のうちの一方または両方が、アルミ、銅、鋼、プラスチック、セラミック、またはそれらの合金を含む、態様1~37のいずれか1つに記載の熱可塑性成形アセンブリ。
【0082】
態様16.第1のエラストマー層および第2のエラストマー層のうちの一方または両方が、シリコーンゴム、フルオロシリコーン、フルオロエラストマー(FKM)、ペルフルオロエラストマー(FFKM)、エチレンアクリルエラストマー、ニトリルブタジエンゴム(NBR)、水素化ニトリルブタジエンゴム(HNBR)、エチレンプロピレンジエンモノマー(EPDM)ゴム、ブチルゴム、およびこれらの組み合わせからなる群から選択されるエラストマーを含む、態様1~37のいずれか1つに記載の熱可塑性成形アセンブリ。
【0083】
態様17.閉位置にあるときに、キャビティの周囲における第1のエラストマー層と、第2のエラストマー層との間の界面にキャビティシャットオフを備える、態様1~37のいずれか1つに記載の熱可塑性成形アセンブリ。
【0084】
態様18.閉位置にあるときに、第1のキャビティ形成側の一部と、第2のキャビティ形成側の一部とが接触し、底部ツールおよび上部ツールの圧縮度を制限する剛性接触を形成する、態様1~37のいずれか1つに記載の熱可塑性成形アセンブリ。
【0085】
態様19.閉位置にあるときに、第1のエラストマー層と、第2のエラストマー層とが、キャビティの周囲に沿ってボイドスペースを形成する、態様1~37のいずれか1つに記載の熱可塑性成形アセンブリ。
【0086】
態様20.キャビティシャットオフが、ボイドスペースと、キャビティとの間に位置するボイドスペースの側面を形成する、態様1~37のいずれか1つに記載の熱可塑性成形アセンブリ。
【0087】
態様21.キャビティシャットオフおよびボイドスペースのうちの一方または両方が、キャビティの全周の周りに延在する、態様1~37のいずれか1つに記載の熱可塑性成形アセンブリ。
【0088】
態様22.閉位置にあるときに、第1のエラストマー層と、第2のエラストマー層とが、第1のキャビティ形成側および第2のキャビティ形成側の両方に実質的に垂直な界面で接触し、ボイドスペースをシールするガスケットを形成する、態様1~37のいずれか1つに記載の熱可塑性成形アセンブリ。
【0089】
態様23.第1の剛性ツール本体および第2の剛性ツール本体のうちの一方または両方のための加熱素子をさらに備える、態様1~37のいずれか1つに記載の熱可塑性成形アセンブリ。
【0090】
態様24.第1の剛性ツール本体および第2の剛性ツール本体のうちの一方または両方のための冷却素子をさらに備える、態様1~37のいずれか1つに記載の熱可塑性成形アセンブリ。
【0091】
態様25.熱可塑性構成要素を熱エンボス加工するための金型、または熱可塑性構成要素を射出成形するための金型を備える、態様1~37のいずれか1つに記載の熱可塑性成形アセンブリ。
【0092】
態様26.マイクロスケール特徴が、約1:50~約50:1のアスペクト比を有する、態様1~37のいずれか1つに記載の熱可塑性成形アセンブリ。
【0093】
態様27.マイクロスケール特徴が、非負の抜き勾配を有する、態様1~37のいずれか1つに記載の熱可塑性成形アセンブリ。
【0094】
態様28.マイクロスケール特徴が、負の抜き勾配を有する、態様1~37のいずれか1つに記載の熱可塑性成形アセンブリ。
【0095】
態様29.マイクロスケール特徴が、約100nm~約1mm、または約10μm~約250μmの寸法を有する、態様1~37のいずれか1つに記載の熱可塑性成形アセンブリ。
【0096】
態様30.第1の剛性ツール本体が第1の厚さを有し、第2の剛性ツール本体が第2の厚さを有する、態様1~37のいずれか1つに記載の熱可塑性成形アセンブリ。
【0097】
態様31.上記第1の厚さおよび上記第2の厚さのうちの一方または両方が、約500μm~50mmである、態様1~37のいずれか1つに記載の熱可塑性成形アセンブリ。
【0098】
態様32.底部ツールが、複数の凹部を備える、態様1~37のいずれか1つに記載の熱可塑性成形アセンブリ。
【0099】
態様33.複数の凹部の各凹部が、複数の第2のキャビティ形成面を作成するように、凹部をコンフォーマルにコーティングするエラストマー層でコーティングされている、態様1~37のいずれか1つに記載の熱可塑性成形アセンブリ。
【0100】
態様34.上部ツールが、複数の突起を備える、態様1~37のいずれか1つに記載の熱可塑性成形アセンブリ。
【0101】
態様35.複数の突起の各突起が、突起をコンフォーマルにコーティングするエラストマー層でコーティングされて、複数の第1のキャビティ形成面を形成する、態様1~37のいずれか1つに記載の熱可塑性成形アセンブリ。
【0102】
態様36.複数の第1のキャビティ形成面と、複数の第2のキャビティ形成面とが、閉位置にあるときに、複数の熱可塑性構成要素を成形するためのキャビティを形成する、態様1~37のいずれか1つに記載の熱可塑性成形アセンブリ。
【0103】
態様37.複数の上部ツールを備え、上部ツールの各々が、突起であって、上記突起をコンフォーマルにコーティングし、複数の上部ツールのうちの上部ツールの各々上に第1のキャビティ形成面を形成するエラストマー層でコーティングされた、突起を備え、複数の第1のキャビティ形成面と、複数の第2のキャビティ形成面とが、閉位置にあるときに、複数の熱可塑性構成要素を成形するためのキャビティを形成する、態様1~36のいずれか1つに記載の熱可塑性成形アセンブリ。
【0104】
強調されるべきは、本開示の上記の態様は、可能性のある実装の例に過ぎず、本開示の原理の明確な理解のためにのみ記載されていることである。本開示の趣旨および原理から実質的に逸脱することなく、本開示の上記の実施形態に対して多くの変形および修正がなされ得る。すべてのそのような修正および変形は、本明細書において、本開示の範囲内に含まれることが意図される。