(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-05-13
(45)【発行日】2024-05-21
(54)【発明の名称】官能性有機シラノール化合物を調製する方法
(51)【国際特許分類】
C07F 7/18 20060101AFI20240514BHJP
C07B 61/00 20060101ALN20240514BHJP
【FI】
C07F7/18 X CSP
C07B61/00 300
(21)【出願番号】P 2021538106
(86)(22)【出願日】2019-12-20
(86)【国際出願番号】 US2019068025
(87)【国際公開番号】W WO2020142281
(87)【国際公開日】2020-07-09
【審査請求日】2022-12-06
(32)【優先日】2018-12-31
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】590001418
【氏名又は名称】ダウ シリコーンズ コーポレーション
(73)【特許権者】
【識別番号】502141050
【氏名又は名称】ダウ グローバル テクノロジーズ エルエルシー
(74)【代理人】
【識別番号】100108453
【氏名又は名称】村山 靖彦
(74)【代理人】
【識別番号】100110364
【氏名又は名称】実広 信哉
(74)【代理人】
【識別番号】100133400
【氏名又は名称】阿部 達彦
(72)【発明者】
【氏名】エルドレッド、ドナルド ヴィ.
(72)【発明者】
【氏名】ジェレティック、マシュー
(72)【発明者】
【氏名】ロバーツ、ジョン
(72)【発明者】
【氏名】イヴォン ベセット、アンドレ
【審査官】前田 憲彦
(56)【参考文献】
【文献】特開2016-150906(JP,A)
【文献】特開昭48-078300(JP,A)
【文献】特開2000-169482(JP,A)
【文献】特表2003-500411(JP,A)
【文献】Izvestiya Akademii Nauk SSSR, Seriya Khimicheskaya,1959年,P.1041-1048
【文献】Chemical Communications(Cambridge, United Kingdom),2004年,(2),P.206-207
【文献】Russian Journal of General Chemistry ,2007年,77(1),P.55-61
【文献】Applied Surface Science,2016年,371,P.453-467
【文献】Journal of Organic Chemistry,2004年,69(5),P.1741-1743
【文献】Chemistry - A European Journal,2012年,18(32),P.9789-9792,Supporting Information S5-6
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
C07F 7/
CAplus/REGISTRY(STN)
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
有機シラノール化合物を調製する方法であって、
(A)初期の有機ケイ素化合物と(B)水とを、(C)(C1)[(C
8H
12)IrCl]
2、(C2)[(p-シメン)RuCl
2]
2、および(C3)Pd/Cから選択される触媒の存在下で反応させ、それによって、前記有機シラノール化合物を調製することを含み、
前記初期の有機ケイ素化合物(A)が、以下の一般式を有し、
【化1】
前記有機シラノール化合物が、以下の一般式を有し、
【化2】
式中、各Rは、独立して選択されたヒドロカルビル基であり、
下付き文字aは、0または1であり、各Yは、独立して、式-D-R
1
のものであり、Dは、式-(CH
2
)
m
-の炭化水素基を含む二価の連結基であり、下付き文字mは1から6であり、及び
式中、R
1
は、以下の式のアルコキシシリル基であり、
【化3】
式中、各R
2
は、独立して選択されたヒドロカルビル基であり、下付き文字cは、0、1、または2であり、又は
R
1
は、以下の式(I)および(II)のうちの1つを有するエポキシ基であり、
【化4】
【化5】
又は、
R
1
は、以下の式のアクリロキシ基であり、
【化6】
式中、R
3
は、独立して、ヒドロカルビル基およびHから選択され、
ただし、前記触媒(C)が、(C3)Pd/Cである場合、
R
1
は、前記アクリロキシ
基以外である、方法。
【請求項2】
以下の一般式を有する有機シラノール化合物であって、
【化7】
式中、各Rは、独立して選択されたヒドロカルビル基であ
り、Dは、
式-(CH
2
)
m
-の炭化水素基を含む二価の連結基であり、
下付き文字mは1から6であり、下付き文字aは、0または1であり、
及び
式中、R
1
は、以下の式のアルコキシシリル基であり、
【化8】
式中、各R
2
は、独立して選択されたヒドロカルビル基であり、下付き文字cは、0、1、または2であり、又は
R
1
は、以下の式(I)および(II)のうちの1つを有するエポキシ基であり、
【化9】
【化10】
又は、
R
1
は、以下の式のアクリロキシ基であり、
【化11】
式中、R
3
は、独立して、ヒドロカルビル基およびHから選択され、
ただし、各Rが-CH
3である場合、aは、1であり、R
1は、メタクリロキシであり、Dは、-(CH
2)
3-である、有機シラノール化合物。
【請求項3】
有機シラノール化合物を含む組成物であって、前記有機シラノール化合物が、請求項
2に記載の有機シラノール化合物である、組成物。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
本出願は、2018年12月31日に出願された米国仮特許出願第62/786,885号の優先権およびすべての利点を主張し、その内容は、参照により本明細書に組み込まれる。
【0002】
本発明は、概して、有機ケイ素化合物、より具体的には、有機シラノール化合物を調製する方法、およびそれによって調製された有機シラノール化合物に関する。
【背景技術】
【0003】
有機ケイ素材料は、当技術分野において既知であり、無数の最終用途および環境において利用されている。例えば、それによって調製される有機ポリシロキサンは、多くの産業、ホームケア、およびパーソナルケア配合物に利用されている。そのようなハイブリッド材料は、従来シリコーン材料または有機材料のみに関連付けられた組み合わされた利益を呈し得るので、シリコーンと有機官能性との両方を有するハイブリッド材料が、そのような配合物についてますます利用されている。しかしながら、ハイブリッド材料を調製する多くの方法は、合成および/または利用することが多くの場合困難である官能性有機ケイ素化合物を必要とする。特に、特定の官能性有機ケイ素化合物を調製する従来の方法は、多くのシリコーン材料と相溶性がないことが多く(例えば、シリコーン転位の促進、非選択的反応、分解、官能基の加水分解などを介して)、収率および純度の低下をもたらし、そのような方法の一般的な応用性を限定する。
【発明の概要】
【0004】
有機シラノール化合物を調製する方法が提供される。本方法は、(A)初期の有機ケイ素化合物と(B)水とを、(C)触媒の存在下で反応させることを含む。触媒(C)は、(C1)[(C
8H
12)IrCl]
2、(C2)[(p-シメン)RuCl
2]
2、および(C3)Pd/Cから選択される。初期の有機ケイ素化合物(A)は、以下の一般式を有し、
【化1】
、
有機シラノール化合物は、以下の一般式を有し、
【化2】
、
式中、各Rは、独立して選択されたヒドロカルビル基であり、Yは、アルコキシシリル部分、エポキシド部分、およびアクリロキシ部分から選択される官能性部分を含み、ただし、触媒(C)が、(C3)Pd/Cである場合、Yは、アクリロキシ部分以外であり、下付き文字aは、0または1である。
【0005】
本方法によって調製された有機シラノール化合物も提供される。
【発明を実施するための形態】
【0006】
有機シラノール化合物を調製する方法が開示される。調製された有機シラノール化合物は、多様な最終用途において利用され得る。例えば、有機シラノール化合物は、例えば、共重合、グラフト化などを介して、シリコーン-有機ハイブリッド材料を調製する際の出発成分として利用され得る。
【0007】
本方法は、(A)初期の有機ケイ素化合物と(B)水とを、(C)触媒の存在下で反応させることを含む。触媒(C)は、以下でさらに詳細に記載されるように、(C1)[(C8H12)IrCl]2、(C2)[(p-シメン)RuCl2]2、および(C3)Pd/Cから選択される。一般に、初期の有機ケイ素化合物(A)と水(B)とを反応させることは、初期の有機ケイ素化合物(A)と水(B)とを、触媒(C)の存在下で組み合わせることを含む。別の言い方をすると、一般に、初期の有機ケイ素化合物(A)と水(B)とを、触媒(C)の存在下で組み合わせることの他に、反応還元に必要な積極的工程はない。当業者によって理解されるように、反応は、加水分解反応、例えば、選択的加水分解反応、触媒的加水分解反応、加水分解変換反応などとして定義され得るか、または別様に特徴付けられ得る。
【0008】
初期の有機ケイ素化合物(A)は、以下の式(I)を有し、
【化3】
、
式中、各Rは、独立して選択されたヒドロカルビル基であり、Yは、アルコキシシリル部分、エポキシド部分、およびアクリロキシ部分から選択される官能性部分を含み、ただし、触媒(C)が、(C3)Pd/Cである場合、Yはアクリロキシ部分以外であり、下付き文字aは、0または1である。
【0009】
各Rは、独立して選択されたヒドロカルビル基である。好適なヒドロカルビル基は、置換または非置換であり得る。そのようなヒドロカルビル基に関して、「置換された」という用語は、1つ以上の水素原子が、水素以外の原子(例えば、ハロゲン原子、例えば、塩素、フッ素、臭素など)で置き換えられるか、炭化水素の鎖内の炭素原子が、鎖内の炭素以外の原子(すなわち、Rは、1つ以上のヘテロ原子(酸素、硫黄、窒素など)を含むで置き換えられるかのいずれか、またはその両方の炭化水素部分を説明する。したがって、Rは、Rがエーテルなどを含み得るか、またはエーテルなどであり得るように、その炭素鎖/骨格内および/または上に(すなわち、付加および/または一体に)置換基を有し得る炭化水素部分を含むことが理解される。
【0010】
一般に、Rに好適なヒドロカルビル基は、独立して、線状、分岐状、環状、またはこれらの組み合わせであり得る。環状ヒドロカルビル基は、アリール基、ならびに飽和または非共役環状基を包含する。環状ヒドロカルビル基は、独立して、単環式または多環式であり得る。線状および分岐状ヒドロカルビル基は独立して、飽和または不飽和であり得る。線状と環状ヒドロカルビル基との組み合わせの一例は、アラルキル基である。ヒドロカルビル基の一般的な例としては、アルキル基、アリール基、アルケニル基、ハロカーボン基など、ならびにこれらの誘導体、変性体、および組み合わせが挙げられる。好適なアルキル基の例としては、メチル、エチル、プロピル(例えば、イソ-プロピルおよび/またはn-プロピル)、ブチル(例えば、イソブチル、n-ブチル、tert-ブチル、および/またはsec-ブチル)、ペンチル(例えば、イソペンチル、ネオペンチル、および/またはtert-ペンチル)、ヘキシル、ならびに6~18個の炭素原子を有する分岐状飽和炭化水素基が挙げられる。好適なアリール基の例としては、フェニル、トリル、キシリル、ナフチル、ベンジル、およびジメチルフェニルが挙げられる。好適なアルケニル基の例としては、ビニル、アリル、プロペニル、イソプロペニル、ブテニル、イソブテニル、ペンテニル、ヘプテニル、ヘキセニル、およびシクロヘキセニル基が挙げられる。好適な一価のハロゲン化炭化水素基(すなわち、ハロカーボン基)の例としては、ハロゲン化アルキル基、アリール基、およびこれらの組み合わせが挙げられる。ハロゲン化アルキル基の例としては、1個以上の水素原子が、ハロゲン原子、例えば、FまたはClなどで置き換えられている上記のアルキル基が挙げられる。ハロゲン化アルキル基の具体的な例としては、フルオロメチル、2-フルオロプロピル、3,3,3-トリフルオロプロピル、4,4,4-トリフルオロブチル、4,4,4,3,3-ペンタフルオロブチル、5,5,5,4,4,3,3-ヘプタフルオロペンチル、6,6,6,5,5,4,4,3,3-ノナフルオロヘキシル、および8,8,8,7,7-ペンタフルオロオクチル、2,2-ジフルオロシクロプロピル、2,3-ジフルオロシクロブチル、3,4-ジフルオロシクロヘキシル、および3,4-ジフルオロ-5-メチルシクロヘプチル、クロロメチル、クロロプロピル、2-ジクロロシクロプロピル、および2,3-ジクロロシクロペンチル基、ならびにこれらの誘導体が挙げられる。ハロゲン化アリール基の例としては、1個以上の水素原子が、ハロゲン原子、例えば、FまたはClなどで置き換えられている上記のアリール基が挙げられる。ハロゲン化アリール基の具体的な例としては、クロロベンジルおよびフルオロベンジル基が挙げられる。
【0011】
各Rは、初期の有機ケイ素化合物(A)中の任意の他のRと同じであってもよいか、または異なっていてもよい。特定の実施形態では、各Rは、同じである。他の実施形態では、少なくとも1つのRは、初期の有機ケイ素化合物(A)の少なくとも1つの他のRとは異なる。典型的には、各Rは、独立して、アルキル基、例えば、メチル基、エチル基などから選択される。特定の実施形態では、各Rは、メチルである。
【0012】
下付き文字aは、0または1である。したがって、特定の実施形態では、下付き文字aは、0であり、初期の有機ケイ素化合物(A)は、以下の一般式を有し、
【化4】
、
式中、各RおよびYは、本明細書で定義される通りである。他の実施形態では、下付き文字aは、1であり、初期の有機ケイ素化合物(A)は、以下の一般式を有し、
【化5】
、
式中、各RおよびYは、本明細書で定義される通りである。
【0013】
当業者は、初期の有機ケイ素化合物(A)が、下付き文字aが0である場合、ジシロキサンとして、下付き文字aが1である場合、トリシロキサンとして定義され得ることを容易に理解する。同様に、式-Si(R)2-[Si(R)2O]a-OSi(R)2-の部分は、初期の有機ケイ素化合物(A)の「シロキサン骨格」と称され得る。
【0014】
本明細書に記載される条件に従い、Yは、一般に、アルコキシシリル部分、エポキシド部分、およびアクリロキシ部分から選択される官能性部分を含む。別の言い方をすると、官能性部分Yは、以下でさらに詳細に記載されるように、少なくとも1つのアルコキシシリル、エポキシド、またはアクリロキシ置換基を含む。官能性部分Yのアルコキシシリル、エポキシド、またはアクリロキシ置換基は、初期の有機ケイ素化合物(A)のシロキサン骨格に直接的に(例えば、共有結合を介して)または間接的に(例えば、二価の連結基を介して)結合され得る。特定の実施形態では、官能性部分Yのアルコキシシリル、エポキシド、またはアクリロキシ置換基は、以下に記載されるように、Y自体が、アルコキシシリル、エポキシド、またはアクリロイル基を表すように、初期の有機ケイ素化合物(A)のシロキサン骨格に直接的に結合される。
【0015】
いくつかの実施形態では、官能性部分Yは、式-D-R1を有し、式中、Dは、二価の連結基であり、R1は、アルコキシシリル基、アクリロキシ基、またはエポキシド基を含む。
【0016】
一般に、Dは、二価の連結基であり、線状または分岐状、置換または非置換であり得る。典型的には、Dは、二価の置換または非置換炭化水素基から選択される。例えば、いくつかの実施形態では、Dは、式-(CH2)m-を有する炭化水素部分を含み、式中、下付き文字mは、1~16、代替的に1~6である。これらのまたは他の実施形態では、Dは、置換炭化水素、すなわち、少なくとも1つのヘテロ原子(例えば、O、N、Sなど)を有する骨格を含む炭化水素基を含み得る。例えば、いくつかの実施形態では、Dは、エーテル部分を含む骨格を有する炭化水素である。特定の実施形態では、初期の有機ケイ素化合物(A)は、二価の基Dに関して互いに異なる上記の一般式の化合物の混合物を含む。いくつかのそのような実施形態では、各Dは、線状または分岐状炭化水素基であり、初期の有機ケイ素化合物(A)は、50:50、代替的に65:35、代替的に>90:10、代替的に>95:5(線状:分岐状)の線状または分岐状基Dを有する化合物の比を含む。特定の実施形態では、各Dは、上記の一般式を有する、利用される分子の少なくとも70、代替的に少なくとも75、代替的に少なくとも80、代替的に少なくとも85、代替的に少なくとも90、代替的に少なくとも95モル%において線状炭化水素基である。
【0017】
一般に、R1は、独立して、アルコキシシリル基、アクリロキシ基、およびエポキシド基から選択される。これらの群は、特に限定されず、以下の一般的および具体的な例によって例示される。したがって、代替のアルコキシシリル基、アクリロキシ基、および/またはエポキシド基は、本明細書の記載を考慮して、当業者によって容易に想定される。
【0018】
特定の実施形態では、R
1は、以下の式のアルコキシシリル基であり、
【化6】
、
式中、各R
2は、独立して選択されたヒドロカルビル基であり、下付き文字cは、0、1、または2である。そのような実施形態では、各R
2は、アルコキシシリル基中の任意の他のR
2と同じであってもよいか、または異なっていてもよい。R
2に好適なヒドロカルビル基の例としては、上記のRに関して記載されたものが挙げられる。典型的には、各R
2は、独立して、アルキル基、例えば、メチル基、エチル基などから選択される。特定の実施形態では、各R
2は、メチルである。
【0019】
アルコキシシリル基が、それぞれ、トリアルコキシシリル、ジアルコキシアルキルシリル、またはアルコキシルジアルキルシリル基として定義され得るように、下付き文字cは、0、1、または2である。典型的には、アルコキシシリル基が、少なくとも2つのアルコキシ基を含むように、下付き文字cは、0または1である。特定の実施形態では、R1が、トリメトキシシリル基である(例えば、式-Si(OCH3)3である)ように、下付き文字cは、0であり、各R2は、メチルである。
【0020】
いくつかの実施形態では、R1は、エポキシド基である。エポキシド基は、特に限定されるものではなく、エポキシド(例えば、2炭素3原子環状エーテル)を含む任意の基であり得る。例えば、R1は、環状エポキシドまたは線状エポキシドであり得る。当業者によって理解されるように、エポキシド(エポキシド基)は、一般に、2つのエポキシド炭素が構成する炭素骨格(例えば、アルケンのエポキシ化から誘導されるエポキシアルカン)に関して記載される。例えば、線状エポキシドは、一般に、同じ酸素原子に結合している2個の隣接する炭素原子を含む線状炭化水素を含む。同様に、環状エポキシドは、一般に、同じ酸素原子に結合している2個の隣接する炭素原子を含む環状炭化水素を含み、ここで、少なくとも1つ、しかし典型的には両方の隣接する炭素原子は、環状構造の環内にある(すなわち、エポキシド環および炭化水素環両方の一部である)。エポキシドは、末端エポキシドまたは内部エポキシドであり得る。好適なエポキシドの具体的な例としては、エポキシアルキル基、例えば、エポキシエチル基、エポキシプロピル基、エポキシヘキシル基など、エポキシシクロアルキル基、例えば、エポキシシクロペンチル基、エポキシシクロヘキシル基などが挙げられる。当業者は、そのようなエポキシド基が、置換または非置換であり得ることを理解する。
【0021】
特定の実施形態では、R
1は、以下の式のエポキシエチル基である。
【化7】
。
他の実施形態では、R
1は、以下の式のエポキシシクロヘキシル基である。
【化8】
。
R
1がエポキシド基である場合、Yは、3-グリシドキシプロピル基、4-グリシドキシブチル基、または同様のグリシドキシアルキル基;2-(3,4-エポキシシクロヘキシル)エチル基、3-(3,4-エポキシシクロヘキシル)プロピル基、または同様のエポキシシクロヘキシルアルキル基;および4-オキシラニルブチル基、8-オキシラニルオクチル基であり得る。
【0022】
特定の実施形態では、R
1は、以下の式のアクリロキシ基であり、
【化9】
、
式中、R
3は、独立して、ヒドロカルビル基およびHから選択される。R
3に好適なヒドロカルビル基の例としては、上記のRに関して記載されたものが挙げられる。
【0023】
特定の実施形態では、R1がアクリレート基として定義され得るように、R3は、Hである。他の実施形態では、R3は、置換または非置換ヒドロカルビル基、例えば、Rに関して上記のもののいずれかなどから選択される。いくつかのそのような実施形態では、R1がアルキルアクリレート基として定義され得るように、R3は、アルキル基である。特定の実施形態では、R1が、メタクリレート基として定義され得るように、R3は、メチルである。
【0024】
特定の実施形態では、Yは、アルキルグリシジルエーテル基、例えば、メチルグリシジルエーテル基、エチルグリシジルエーテル基、プロピルグリシジルエーテル基などを含むか、代替的にこれらである。いくつかの実施形態では、Yは、エポキシシクロヘキシルアルキル基、例えば、エポキシシクロヘキシルメチル基、エポキシシクロヘキシルエチル基、エポキシシクロヘキシルプロピル基などを含むか、代替的にこれらである。特定の実施形態では、Yは、アルコキシシリルアルキル基、例えば、トリメトキシシリルメチル基、トリメトキシシリルエチル基、ジエトキシメチルシリルブチル基などを含むか、代替的にこれらである。
【0025】
初期の有機ケイ素化合物(A)は、任意の形態、例えば、ニート(すなわち、溶媒、担体ビヒクル、希釈剤などを含まない)で利用され得るか、または担体ビヒクル、例えば、溶媒または希釈剤に配置され得る。担体ビヒクルは、存在する場合、有機溶媒(例えば、芳香族炭化水素、例えば、ベンゼン、トルエン、キシレンなど;脂肪族炭化水素、例えば、ヘプタン、ヘキサン、オクタンなど;ハロゲン化炭化水素、例えば、ジクロロメタン、1,1,1-トリクロロエタン、クロロホルムなど;エーテル、例えば、ジエチルエーテル、テトラヒドロフランなど)、シリコーン流体、またはこれらの組み合わせを含み得る。典型的には、本方法は、極性成分、例えば、エーテル、アセトニトリル、ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシドなど、またはこれらの組み合わせを含む、担体ビヒクルまたは溶媒の存在下で実施される。特定の実施形態では、担体ビヒクルは、上記のものなどのハロゲン化炭化水素を含む。そのような実施形態では、一般に担体ビヒクル、および/または特にハロゲン化炭化水素は、典型的には精製され、かつ/またはそこから任意の塩酸(HCl)を還元するか、代替的に除去するように処理される。初期の有機ケイ素化合物(A)は、成分(B)と(C)との組み合わせ前、中、または後に、担体ビヒクルと組み合わされ得ることが理解される。
【0026】
いくつかの実施形態では、本方法は、初期の有機ケイ素化合物(A)および/または触媒(C)と反応性である担体ビヒクル/揮発性物質の不在下で実施される。例えば、特定の実施形態では、本方法は、初期の有機ケイ素化合物(A)と、揮発性物質および/または溶媒(例えば、水、反応性溶媒など)との混合物をストリッピングすることを含み得る。初期の有機ケイ素化合物(A)をストリッピングするための技術は、当技術分野において既知であり、加熱、乾燥、減圧/真空の適用、溶媒との共沸、モレキュラーシーブの利用など、およびこれらの組み合わせを含み得る。
【0027】
初期の有機ケイ素化合物(A)は、当業者によって選択される任意の量で、例えば、選択される特定の触媒(C)、採用される反応パラメータ、反応の規模(例えば、変換される成分(A)および/または調製される有機シラノール化合物の総量)に応じて利用され得る。
【0028】
水(B)は一般に限定されず、ニート(すなわち、担体ビヒクル/溶媒を含まない)、高純度(すなわち、鉱物および/または他の不純物を含まないか、または実質的に含まない)などが利用され得る。例えば、水(B)は、成分(A)との反応前に処理されてもよいか、または処理されなくてもよい。使用され得るプロセスの例としては、水(B)が脱イオン、蒸留、精製などされ得るように、蒸留、濾過、脱イオン、精製など、およびこれらの組み合わせが挙げられる。特定の実施形態では、水(B)は、未処理(例えば、水道水であり得る、すなわち、都市用水システムによって提供され得る)である。いくつかの実施形態では、水(B)は、成分(A)との反応の前に精製される。特定の実施形態では、水(B)は、初期の有機ケイ素化合物(A)に関して上に列挙されたもののうちのいずれかなどの担体ビヒクル/溶媒を含む混合物(例えば、溶液、懸濁液など)として利用される。
【0029】
水(B)は、当業者によって選択される任意の量で、例えば、選択される特定の触媒(C)、採用される反応パラメータ、反応の規模(例えば、変換される成分(A)および/または調製される有機シラノール化合物の総量)に応じて利用され得る。
【0030】
利用される初期の有機ケイ素化合物(A)および水(B)の相対量は、例えば、選択される特定の初期の有機ケイ素化合物(A)、選択される特定の触媒(C)、採用される反応パラメータなどに基づいて異なり得る。当業者によって理解されるように、水(B)を用いる初期の有機ケイ素化合物(A)の加水分解は、1:1の(A):(B)の理論的最大モル比で起こる。しかしながら、例えば、形成される反応生成物の精製を単純化するために、成分のうちの1つの過剰は、典型的には、化合物(A)または(B)のうちの1つを完全に消費するために利用される。例えば、特定の実施形態では、水(B)は、初期の有機ケイ素化合物(A)の有機シラノール化合物への変換率を最大化するために、比較的過剰に利用される。
【0031】
特定の実施形態では、初期の有機ケイ素化合物(A)および水(B)は、10:1~1:10の(A):(B)のモル比で反応する。例えば、特定の実施形態では、初期の有機ケイ素化合物(A)および水(B)は、1:1~1:9、例えば、1:1~1:7、代替的に1:1~1:5、代替的に1:1~1:4、代替的に1:1~1:3.5、代替的に1:1.1~1:3.5、代替的に1:1.15~1:3.5などの(A):(B)のモル比で反応する。これらの範囲外の比率も利用され得ることが理解される。例えば、特定の実施形態では、水(B)は、反応中に水(B)が担体(すなわち、溶媒、希釈剤など)として利用される場合など、総過剰(例えば、初期の有機ケイ素化合物(A)のモル量の≧10倍、代替的に≧15倍、代替的に≧20倍の量)で利用される。
【0032】
上記で紹介されたように、触媒(C)は、(C1)[(C8H12)IrCl]2、(C2)[(p-シメン)RuCl2]2、および(C3)Pd/Cから選択される。利用される特定の触媒(C)は、加水分解される特定の成分(A)の関数である。特に、官能性部分Yの選択は、どの触媒(C)が利用され得るかを制御する。一般に、触媒(C1)および(C2)[(C8H12)IrCl]2の使用は限定されず、上記の初期の有機ケイ素化合物(A)のうちのいずれかとともに利用され得る。したがって、特定の実施形態では、触媒(C)が[(C8H12)IrCl]2であるように、触媒(C1)が利用される。他の実施形態では、触媒(C)が[(p-シメン)RuCl2]2であるように、触媒(C2)が利用される。
【0033】
触媒(C3)Pd/Cが利用され得、その時には、初期の有機ケイ素化合物(A)の官能性部分Yは、アクリロキシ部分以外である。したがって、触媒(C3)は、一般に、初期の有機ケイ素化合物(A)がアルコキシシリルまたはエポキシド官能性有機ケイ素化合物である場合に使用するために選択され得る。したがって、特定の実施形態では、初期の有機ケイ素化合物(A)は、アルコキシシリルまたはエポキシド官能性有機ケイ素化合物であり、触媒(C)がPd/Cであるように、触媒(C3)が利用される。
【0034】
触媒(C1)、(C2)、および(C3)を調製する方法は、当技術分野で周知であり、触媒および/またはそれを調製するために使用される化合物は、様々な供給業者から市販されている。したがって、触媒(C)は、方法の一部として調製され得るか、または別様に得られ得る(すなわち、調製された化合物として)。触媒(C)の調製物は、成分(A)および(B)の反応の前、またはその場で(すなわち、成分(A)および(B)の反応中に)形成され得る。
【0035】
触媒(C)は、任意の形態、例えば、ニート(すなわち、溶媒、担体ビヒクル、希釈剤などを含まない)で利用され得るか、または担体ビヒクル、例えば、溶媒または希釈剤(例えば、初期の有機ケイ素化合物(A)に関して上に列挙されたもののうちのいずれかなど)などに配置され得る。いくつかの実施形態では、触媒(C)は、水、および/または初期の有機ケイ素化合物(A)および/または(すなわち、成分(A)と(B)とが組み合わされるまで)触媒(C)自体と反応する担体ビヒクル/揮発性物質を含まない形態で利用される。例えば、特定の実施形態では、本方法は、触媒(C)と、揮発性物質および/または溶媒(例えば、水、有機溶媒など)とをストリッピングすることを含み得る。触媒(C)をストリッピングするための技術は、当技術分野において既知であり、加熱、乾燥、減圧/真空の適用、溶媒との共沸、モレキュラーシーブの利用など、およびこれらの組み合わせを含み得る。
【0036】
触媒(C)は、当業者によって選択される任意の量で、例えば、選択される特定の触媒(C)、採用される反応パラメータ、反応の規模(例えば、成分(A)および(B)の総量)などに応じて利用され得る。反応に利用される触媒(C)と、成分(A)および/または(B)とのモル比は、有機シラノール化合物を調製するための加水分解の速度および/または量に影響を及ぼし得る。したがって、成分(A)および/または(B)と比較した触媒(C)の量、ならびにそれらの間のモル比は、異なり得る。典型的には、これらの相対量およびモル比は、成分(A)の有機シラノール化合物への加水分解を最大化すると同時に、触媒(C)の配合量を最小化するように選択される(例えば、反応の経済効率の向上、形成される反応生成物の精製の容易さの向上などのため)。
【0037】
特定の実施形態では、触媒(C)は、利用される成分(A)の総量に基づいて、0.001~10モル%の量で反応に利用される。例えば、触媒(C)は、利用される成分(A)の総量に基づいて、0.005~10、代替的に0.005~5、代替的に0.01~5モル%の量で使用され得る。
【0038】
いくつかの実施形態では、例えば、初期の有機ケイ素化合物(A)が、アクリロキシ官能性である場合、反応抑制剤(D)は、重合抑制剤を含むか、代替的に重合抑制剤である。重合抑制剤の例としては、ラジカルスカベンジャー、酸化防止剤、光安定剤、UV吸収剤など、ならびにこれらの組み合わせが挙げられる。そのような化合物は、当技術分野において既知であり、一般に、フリーラジカルと相互作用して、例えば、それとの共有結合の形成を通したフリーラジカルの除去を介して、フリーラジカルを不活性化し得る化学化合物または部分であるか、またはこれらを含む。重合抑制剤は、重合遅延剤、すなわち、ラジカル重合の開始および/または伝播の速度を低減する化合物であり得るか、または代替的にそれである。例えば、いくつかの実施形態では、重合抑制剤は、酸素ガスを含むか、代替的に酸素ガスである。一般に、重合抑制剤は、初期の有機ケイ素化合物(A)のラジカル重合を介して形成され得る副生成物、および/または有機シラノール化合物の形成を防止および/または抑制するために利用される。重合抑制剤の一般的な例としては、フェノール化合物、キノンおよび/またはヒドロキノン化合物、N-オキシル化合物、フェノチアジン化合物、ヒンダードアミン化合物、およびこれらの組み合わせが挙げられる。特定の実施形態では、反応抑制剤は、アミン、例えば、エチレンジアミン四酢酸など;芳香族アミン、例えば、N、N’-p-フェニレンジアミン、N、N’-ジ-β-ナフチル-p-フェニレンジアミン、およびフェノチアジンなど;キニーネ;ヒドロキノン、例えば、ヒドロキノンモノメチルエーテルなど;立体障害のあるフェノール、例えば、2,6-ジ-tertブチルフェノール、2,6-ジ-tert-ブチル-4-メチルフェノール、2,6-ジ-tert-ブチル-4-(N、N-ジメチルアミノ)メチルフェノール、およびブチル化ヒドロキシトルエンなど;安定したフリーラジカル;ならびにこれらの組み合わせから選択される。特定の実施形態では、反応阻害剤(D)は、(2,2,6,6-テトラメチルピペリジン-1-イル)オキシル(TEMPO)、4-ヒドロキシ(2,2,6,6-テトラメチルピペリジン-1-イル)オキシル(4HT)、ビス(2,2,6,6-テトラメチルピペリジン-1-イル)オキシルセバケート(Bis-TEMPO)、ポリマー結合TEMPO、またはこれらの組み合わせを含むか、代替的にこれらである。
【0039】
利用される場合、反応抑制剤(D)は、別個の成分として反応に添加され得るか、または成分(A)および(B)の反応の前に別の成分(例えば、成分(A))と組み合わされ得る。反応抑制剤(D)は、当業者によって選択される任意の量で、例えば、選択される特定の反応抑制剤(D)、採用される反応パラメータ、反応の規模(例えば、成分(A)および/または(B)の総量、反応の雰囲気、反応の温度および/または圧力など)に応じて利用され得る。特定の実施形態では、反応抑制剤(D)は、50~2000ppmの量、例えば、約50、代替的に約100、代替的に約250、代替的に約500、代替的に約1000、代替的に約1500、代替的に約2000ppmの量で反応中に存在する。しかしながら、当業者は、例えば、反応規模および/または条件が、追加量の反応抑制剤(D)を必要とする場合、これらの範囲外の量および例示的な量も利用され得ることを容易に理解する。反応抑制剤(D)は、成分(A)および(B)の反応前、反応中、および反応後を含めて、いつでも本方法において利用され得る。追加的に、反応抑制剤(D)は、反応自体の中で使用することに加えて、方法中に周辺的、例えば、真空トラップ、蒸留、および/または受けポット内などで利用され得る。
【0040】
典型的には、有機シラノール化合物を調製するための成分(A)および(B)の反応は、槽または反応器内で実施される。以下に記載されるように、反応が高温または低温で実施される場合、槽または反応器は、例えば、ジャケット、マントル、交換器、浴、コイルなどを介して、任意の好適な様式で加熱または冷却され得る。
【0041】
成分(A)、(B)、および(C)、ならびに任意選択的に(D)は、一緒にまたは別々に槽に供給され得るか、または任意の添加順序および任意の組み合わせで槽内に配置され得る。例えば、特定の実施形態では、成分(B)および(C)は、成分(A)、および任意選択的に成分(D)を含有する槽に添加され得る。そのような実施形態では、成分(B)および(C)は、添加前に最初に組み合され得るか、または順次槽に添加され得る(例えば、(C)、次いで(B))。一般に、本明細書における「反応混合物」への言及は、一般に、成分(A)、(B)、および(C)を含む混合物(例えば、上記のように、そのような成分を組み合わせることによって得られるような)を指す。もちろん、利用される場合、成分(D)も反応混合物に含まれ得る。
【0042】
本方法は、反応混合物を攪拌することをさらに含み得る。攪拌は、例えばこの反応混合物において、組み合わされた場合、成分(A)、(B)、および(C)の混合および接触を促進し得る。そのような接触は、攪拌を伴う(例えば、同時または順次)か、または伴わない(すなわち、攪拌から独立して、代替的にその代わりに)かにかかわらず、他の条件を独立して使用し得る。他の条件は、初期の有機ケイ素化合物(A)と水(B)との接触、したがって反応(すなわち、加水分解)を促進して、有機シラノール化合物を形成するように適応され得る。他の条件は、反応収率を高めるため、または有機シラノール化合物とともに反応生成物内に含まれる特定の反応副生成物の量を最小化するための結果に有効な条件であり得る。
【0043】
特定の実施形態では、成分(A)および(B)の反応は、上記のもののうちの1つ以上などの担体ビヒクルまたは溶媒の存在下で実施される。例えば、担体ビヒクルまたは溶媒の一部は、初期の有機ケイ素化合物(A)、水(B)、触媒(C)、および/または反応抑制剤(D)(すなわち、存在する場合)に、個別に、成分(A)、(B)、(C)、および/または(D)の混合物とまとめて、または反応混合物全体として、添加され得るか、または別様に組み合わされ得る。反応混合物中に存在する担体ビヒクル/溶媒の総量は、例えば、選択される特定の成分(A)、選択される特定の触媒(C)、採用される反応パラメータなど)に基づいて、当業者によって選択される。
【0044】
いくつかの実施形態では、反応は、低温で実施される。低温は、選択される特定の有機ケイ素化合物(A)、選択される特定の触媒(C)、調製中の特定の有機シラノール化合物、およびこれらの組み合わせに応じて選択および制御される。したがって、低温は、選択される反応条件およびパラメータ、ならびに本明細書の記載を考慮して、当業者によって容易に選択される。低温は、典型的に、-78℃~周囲温度未満、例えば、-30~25、代替的に-15~25、代替的に-10~25、代替的に-10~20、代替的に-5~20℃である。いくつかの実施形態では、反応は、約0℃の温度で実施される(例えば、氷および/または0℃の設定点を使用するサーキュレータまたはチラーの使用による)。いくつかの実施形態では、反応は、室温(すなわち、20~25℃)で実施される。
【0045】
反応温度もまた、上記の範囲とは異なり得ることを理解されたい。同様に、成分(A)および(B)の反応中に、反応パラメータが変更され得ることも理解されたい。例えば、温度、圧力、および他のパラメータは、反応中に独立して選択または変更され得る。これらのパラメータのいずれかは、独立して、周囲パラメータ(例えば、室温および/または大気圧)、および/または非周囲パラメータ(例えば、低温もしくは高温、および/または低圧もしくは高圧)であり得る。任意のパラメータはまた、動的に変更され得るか、リアルタイムで、すなわち、方法中に変更され得るか、または静的であり得る(例えば、反応の持続時間中、またはその任意の部分の間)。
【0046】
有機シラノール化合物を調製するための成分(A)および(B)の反応が実施される時間は、規模、反応パラメータおよび条件、特定の成分の選択などの関数である。特定の実施形態では、反応が実施される時間は、0超~48時間、例えば、1分~48時間である。比較的大規模(例えば、1、代替的に5、代替的に10、代替的に50、代替的に100kg超)では、反応は、当業者によって容易に決定されるように(例えば、初期の有機ケイ素化合物(A)の変換、有機シラノール化合物の生成などを、例えば、クロマトグラフィーおよび/または分光法などを介して監視することによって)、1~48、代替的に2~36、代替的に4~24、代替的に6、12、18、24、36、または48時間などの時間実施され得る。比較的小規模(グラム規模、または10、代替的に5、代替的に1kg未満)では、反応は、1分~4時間、例えば、1分~1時間、5~30分、または10、15、もしくは20分などの時間実施され得る。
【0047】
一般に、成分(A)と(B)との反応は、有機シラノール化合物を含む反応生成物を調製する。特に、反応の過程で、成分(A)、(B)、(C)、および(D)(存在する場合)を含む反応混合物は、増加する有機シラノール化合物の量および減少する成分(A)および(B)の量を含む。反応が完了すると(例えば、成分(A)または(B)のうちの1つが消費され、追加の有機シラノール化合物が調製されていないなど)、反応混合物は、有機シラノール化合物を含む反応生成物と称され得る。この様式において、反応生成物は、典型的には、成分(A)、(B)、(C)、および(D)(存在する場合)の任意の残量、ならびにこれらの分解および/または反応生成物(例えば、任意の蒸留、ストリッピングなどを介して先に除去されなかった材料)を含む。反応が任意の担体ビヒクルまたは溶媒中で実施される場合、反応生成物はまた、そのような担体ビヒクルまたは溶媒を含み得る。
【0048】
特定の実施形態では、本方法は、有機シラノール化合物を反応生成物から単離および/または精製することをさらに含む。本明細書で使用される場合、有機シラノール化合物の単離は、典型的には、有機シラノール化合物の相対濃度の、有機シラノール化合物との組み合わせの(例えば、反応生成物またはその精製物中の)他の化合物と比較しての増加として定義される。したがって、当技術分野で理解されるように、単離/精製は、他の化合物をそのような組み合わせから除去すること(すなわち、例えば、反応生成物中の有機シラノール化合物と組み合わされた不純物の量を減少させること)、および/または有機シラノール化合物自体を、組み合わせから取り出すことを含み得る。単離のための任意の好適な技術および/またはプロトコルが利用され得る。好適な単離技術の例としては、蒸留、ストリッピング/蒸発、抽出、濾過、洗浄、分配、相分離、クロマトグラフィーなどが挙げられる。当業者によって理解されるように、これらの技術のいずれかは、任意の別の技術と組み合わせて(すなわち、順次に)使用されて、有機シラノール化合物を単離し得る。単離は、有機シラノール化合物の精製を含み得、したがって、有機シラノール化合物の精製と称され得ることを理解されたい。しかしながら、有機シラノール化合物の精製は、有機シラノール化合物の単離に利用されるものと比較して、代替および/または追加の技術を含み得る。選択される特定の技術(複数可)に関係なく、有機シラノール化合物の単離および/または精製は、反応自体と順番に(すなわち、インラインで)実施され得、したがって自動化され得る。他の事例では、精製は、有機シラノール化合物を含む反応生成物が供される独立した手順であり得る。
【0049】
特定の実施形態では、有機シラノール化合物を単離することは、揮発性物質を反応生成物から蒸留および/またはストリッピングすることを含む。例えば、担体ビヒクルが利用される場合などの特定の実施形態では、揮発性物質は、有機シラノール化合物を含む反応混合物から蒸留および/またはストリッピングされる。これらまたは他の実施形態では、有機シラノール化合物を単離することは、反応生成物を濾過して、触媒(C)の残留量および/またはそれから形成された固体を除去することを含む。両方またはいずれかの場合(例えば、ストリッピング/蒸留および/または濾過を介して揮発性物質および/または固体を除去した後)、反応生成物は、単離された有機シラノール化合物と称され得る。
【0050】
特定の実施形態では、本方法は、有機シラノール化合物を精製することをさらに含む。精製のための任意の好適な技術が利用され得る。特定の実施形態では、有機シラノール化合物の精製は、有機シラノール化合物を取り出す(例えば、留出物として)か、またはそこから他の化合物/成分をストリッピングする(すなわち、有機シラノール化合物を、反応混合物または精製された反応混合物の高沸点成分としてポット内に残す)ための蒸留を含む。当業者によって理解されるように、有機シラノール化合物を精製および/または単離するための反応生成物または精製された反応生成物の蒸留は、典型的には、高温および減圧で実施される。高温および減圧は、例えば、反応の特定の成分、調製される特定の有機シラノール化合物、利用される他の単離/精製技術などに基づいて独立して選択され、当業者によって容易に決定される。いくつかの実施形態では、有機シラノール化合物を精製することは、単離された有機シラノール化合物を精製することとして定義され得る(例えば、精製は、有機シラノール化合物の単離に続いて実施される)。
【0051】
本方法に従って調製された有機シラノール化合物は、以下の一般式を有し、
【化10】
式中、各Rは、独立して選択されたヒドロカルビル基であり、Yは、アルコキシシリル部分、エポキシド部分、およびアクリロキシ部分から選択される官能性部分を含む。本明細書の記載を考慮して当業者によって理解されるように、本方法で利用される初期の有機ケイ素化合物(A)は、サブ式-Si(R)
2-[Si(R)
2O]
a-OSi(R)
2-Y、すなわち、ケイ素結合ヒドロキシル基HO-を除く化合物全体によって表される有機ケイ素部分に対応する有機シラノール化合物の一部を形成する。したがって、式、構造、部分、基、または他のそのようなモチーフが、有機シラノール化合物と初期の有機ケイ素化合物(A)との間で共有される場合、そのような共有モチーフに関する上記の記載は、有機シラノール化合物についても同様に記載し得る(例えば、各R、下付き文字a、官能性部分Yなどに関して)。
【0052】
例えば、特定の実施形態では、有機シラノール化合物は、以下の一般式を有し、
【化11】
、
式中、各Rは、独立して選択されたヒドロカルビル基であり、R
1は、アルコキシシリル基、エポキシド基、またはアクリロキシ基を含み、Dは、二価の連結基であり、下付き文字aは、0または1であり、ただし、各Rが-CH
3である場合、aは、1であり、R
1は、メタクリロキシであり、Dは、-(CH
2)
3-である。いくつかのそのような実施形態では、Dは、式-(CH
2)
m-を有する炭化水素部分を含み、式中、下付き文字mは、1~6である。これらのまたは他の実施形態では、Dは、炭化水素であり、任意選択的に(例えば、その骨格中の)エーテル部分を含む。
【0053】
いくつかの実施形態では、R
1は、以下の式のアルコキシシリル基であり、
【化12】
、
式中、各R
2は、独立して選択されたヒドロカルビル基であり、下付き文字cは、0、1、または2である。特定の実施形態では、各R
2は、メチルである。これらのまたは他の実施形態では、下付き文字cは、0または1である。特定の実施形態では、下付き文字cは、0である。
【0054】
特定の実施形態では、R
1は、環状エポキシドまたは線状エポキシド基である。いくつかのそのような実施形態では、R
1は、以下の式のエポキシエチル基である。
【化13】
。
他の実施形態では、R
1は、以下の式のエポキシシクロヘキシル基である。
【化14】
。
【0055】
特定の実施形態では、R
1は、以下の式のアクリロキシ基であり、
【化15】
、
式中、R
3は、独立して、ヒドロカルビル基およびHから選択される。いくつかのそのような実施形態では、R
3は、Hである。他のそのような実施形態では、R
3は、メチルである。
【0056】
全体としての有機シラノール化合物に関して、特定の実施形態では、各Rは、メチルである。これらのまたは他の実施形態では、下付き文字aは、0である。特定の実施形態では、Yは、エチルグリシジルエーテル基、エポキシシクロヘキシルエチル基、トリメトキシシリルメチル基、またはトリメトキシシリルエチル基を含むか、代替的にこれらである。
【0057】
有機シラノール化合物を含む組成物も提供される。組成物は、一般に、有機シラノール化合物、および少なくとも1つの他の成分、例えば、非反応性成分(例えば、担体ビヒクル、溶媒など)、反応性成分(例えば、有機シラノール化合物と反応性であるか、または反応性にするように作製され得る化合物)、またはこれらの組み合わせなどを含む。本開示の有機シラノール化合物、およびそれを含む組成物は、当業者によって容易に想定されるように、様々な最終用途に利用され得る。
【0058】
添付の特許請求の範囲は、「発明を実施するための形態」に記載される表現および特定の化合物、組成物、または方法に限定されないことが理解されるべきであり、添付の特許請求の範囲の範疇にある特定の実施形態間で異なる場合がある。様々な実施形態の特定の特徴または態様を説明するための本明細書に依拠する任意のマーカッシュグループに関して、他のすべてのマーカッシュメンバーから独立した各々のマーカッシュグループの各メンバーから異なる、特別な、かつ/または予期しない結果が得られる可能性がある。マーカッシュグループの各メンバーは、個別に、およびまたは組み合わせて依拠され得、添付の特許請求の範囲の範疇の特定の実施形態に適切なサポートを提供する。
【0059】
さらに、本発明の様々な実施形態の説明に依拠する任意の範囲および部分範囲は、添付の特許請求の範囲の範疇に独立してかつ集合的に含まれ、かかる値が本明細書に明示的に書かれていない場合であっても、それらの全体および/または小数値を含むすべての範囲を説明および企図すると理解される。当業者は、列挙された範囲および部分範囲が本発明の様々な実施形態を十分に説明し、有効にし、かつかかる範囲および部分範囲が関連する半分、3分の1、4分の1、5分の1などにさらに詳しく説明され得ることを容易に認識する。単なる一例として、「0.1~0.9の」範囲は、下3分の1、すなわち0.1~0.3、中3分の1、すなわち0.4~0.6、および上3分の1、すなわち0.7~0.9にさらに詳しく説明され、これは、個別および集合的に添付の特許請求の範囲の範疇にあり、個別および/または集合的に依拠され、添付の特許請求の範囲の範疇の特定の実施形態に適切なサポートを提供する。加えて、「少なくとも」、「より大きい」、「未満」、「以下」などの範囲を定義または修飾する文言に関して、かかる文言は部分範囲、および/または上限もしくは下限を含むことを理解されたい。別の例として、「少なくとも10」という範囲には、少なくとも10~35の部分範囲、少なくとも10~25の部分範囲、25~35の部分範囲などが本質的に含まれ、各部分範囲は、個別および/または集合的に依拠され、添付の特許請求の範囲の範疇の特定の実施形態に適切なサポートを提供する。最後に、開示された範囲内の個別の数字は、依拠され、添付の特許請求の範囲の範疇の特定の実施形態に適切なサポートを提供する。例えば、「1~9」という範囲には、3などの様々な個別の整数、ならびに4.1などの小数点(または小数)を含む個別の数値が含まれ、これは、依拠され、添付の特許請求の範囲の範疇の特定の実施形態に適切なサポートを提供する。
【0060】
以下の実施例は、本発明を例示することを意図しており、決して本発明の範囲を限定するものと見なされるべきではない。
【0061】
実施例1:AMAコンバータのIrCODC1二量体触媒加水分解。
【化16】
【0062】
100mLフラスコに、5.0098gのAMAコンバータ、10mLのTHF、および100μLのIr(COD)Cl二量体(トルエン中0.025M)を添加した。溶液を撹拌し、次いで、400μLの脱イオン水(1.15当量)を室温で添加した。反応は、穏やかに発熱し、激しい泡立ちが起こった(H2放出)。反応物を15分間撹拌し、次いで、ほとんどのTHFをストリッピングで除去した。1H NMRは、約4%低減した(マイナー)生成物を示した。次いで、材料を、74ミリトールおよび65℃で蒸留した。4.5g(85%)、純度95%を回収した。1H(400Mhz、ベンゼン-d6):メジャーδ 6.15(m,1H,CCH2)、5.22(p、J=1、1H、CCH2)、4.08(t、J=8Hz、2H、OCH2)、3.17(br s、1H、OH)、1.84(dd、J=1Hz、J=1Hz、3H、CCH3)、1.66(m、2H、OCH2CH2)、0.49(m、2H、SiCH2)、0.14(s、6H、SiCH3)、0.10(s、6H、SiCH3)。マイナーδ4.04(t、J=8Hz、2H、OCH2)、3.17(br s、1H、OH)、2.39(sept、J=8Hz、1H、CH)、1.66(m、2H、OCH2CH2)、1.07(d、J=4Hz、J=1Hz、6H、CH(CH3)2)、0.49(m、2H、SiCH2)、0.14(s、6H、SiCH3)、0.10(s、6H、SiCH3)。29Si:δ7.5(MR)、-12.0(MOH)。
【0063】
実施例2:ETMコンバータのIr触媒加水分解
【化17】
【0064】
40mLシンチレーションバイアルに、2.0078gのETMコンバータ、4mLのTHF、および40μLのIr(COD)Cl二量体(トルエン中0.025M)を添加した。溶液を撹拌し、次いで、400μLの脱イオン水(3.15当量)を室温で添加した。反応物を15分間撹拌し、次いで、ほとんどのTHFをストリッピングで除去した。GCMSは、85%で生成物が存在することを示した。
【0065】
実施例3:ETMコンバータのPd触媒加水分解
【化18】
【0066】
100mLフラスコに、10.00gのETMコンバータ、12mLのTHF、および50mgのPd/C(10%)を添加した。溶液を撹拌し、次いで、700μLの脱イオン水(1.10当量)を室温で添加した。反応物を20分間撹拌し、次いで、ほとんどのPd/Cを濾別した。次いで、生成物を74ミリトールおよび50℃で蒸留し、90%の収率で主生成物を得た。1H(400MHz、ベンゼン-d6):δ 3.47(m、9H、OCH3)、0.77(s、4H、SiCH2CH2)、0.16(s、6H、SiCH3)、0.15(s、6H、SiCH3)。29Si:メジャーδ 8.2(MR)、-12.5(MOH)、-41.8(Si(OMe)3)。マイナーδ 8.7(MR)、-11.1(Si(Me)2OMe)、-42.1(Si(OMe)2OH)。
【0067】
実施例4:VCMXコンバータのPd触媒加水分解
【化19】
【0068】
100mLの3つ口フラスコに、THF(6.4mL)、VCMXコンバータ(4.96g、20ミリモル)、およびPd/C(5重量%、0.1モル%、42mg粉末)を添加した。フラスコを、窒素下で攪拌した。次いで、水(0.47mL、26ミリモル)を、セプタムを通して約5分かけて添加した。GCMSを、30分(83%生成物)および66分(97%生成物)で取得した。66分後、反応混合物をセライトを通して濾過し、THFをストリッピングで除去した。2.52gを回収した(47%)。
【0069】
実施例5:AGEコンバータのPd触媒加水分解
【化20】
【0070】
100mLの3つ口に、THF(6.4mL)、AGEコンバータ(5.16g、20ミリモル)、およびPd/C(5重量%、0.1モル%、42mg粉末)を添加した。フラスコを、窒素下で攪拌した。次いで、水(0.47mL、26ミリモル)を、セプタムを通して約5分かけて添加した。150分後、反応混合物を、セライトを通して濾過し、溶媒をストリッピングで除去して、2.65gの生成物(48%)を得た。
【0071】
実施例6:AMAコンバータのRu(p-シメン)Cl二量体触媒加水分解
【化21】
【0072】
20mLバイアルに、1gのAMAコンバータ、1gのTHF、および9mgのRu(p-シメン)Cl2二量体(0.19モル%)を添加した。溶液を撹拌し、次いで、90μLの脱イオン水(1.3当量)を室温で添加した。反応物を10分間撹拌し、次いで、1H NMR試料を採取し、約10%の水素化生成物を示す。ストリッピング後、1H NMRおよびGC-MSは、複数の生成物が存在することを示した。生成物純度は43%である。
【0073】
実施例7:ETMコンバータのPd触媒加水分解
【化22】
【0074】
16.92gのETMコンバータ(10ミリモル)と16.92gのTHFとを、2オンスのバイアル(ストック溶液)内で混合した。次いで、2オンスのバイアルに、攪拌バー、21mgのPd/C(5重量%)、および5.65gのストック溶液(0.1モル%まで)を充填した。次いで、0.23mLの水を添加した。次いで、バイアルを、両側から出ているホースに接続されたニードルを有するプラスチック製の瓶に入れた。1本のホースは、窒素に接続され、もう1本は、バブラーに接続された。次いで、バイアルを、室温で100分間撹拌した。反応の結果を、さらに下の表2に記載する。
【0075】
比較例1:AMAコンバータのPd触媒加水分解
250mLの2つ口フラスコに、200mgの10%Pd/C、75mLのアセトン、および10gのAMAコンバータを添加した。次いで、反応物を、窒素雰囲気下の氷中に置き、1時間撹拌した。撹拌を、室温でさらに2時間続けた。次いで、反応物を、セライトのプラグを通して濾過し、アセトンを、室温の高真空ラインでストリッピングした。1H NMRスペクトルは、90%の還元生成物、10%の非還元生成物を示した。
【0076】
比較例2~6:ETMコンバータの加水分解用の他の担持金属。
【化23】
【0077】
16.92gのETMコンバータ(10ミリモル)と16.92gのTHFとを、2オンスのバイアル(ストック溶液)内で混合した。5x2オンスのバイアルに、攪拌バー、および以下の担持金属(0.1モル%)を添加した。
【0078】
【0079】
次いで、5.65gのストック溶液を、各バイアルに分配した。次いで、0.23mLの水を添加した。バイアルを、両側から出ているホースに接続されたニードルを有するプラスチック製の瓶に入れた。1本のホースは、窒素に接続され、もう1本は、バブラーに接続された。次いで、バイアルを、室温で100分間撹拌した。
【0080】
【0081】
本発明を例示的に説明してきたが、使用されている用語は、限定ではなく説明の言葉の性質であることを意図していることを理解されたい。明らかに、上記の教示に照らして、本発明の多くの修正および変形が可能である。本発明は、具体的に記載された以外の方法で実践され得る。