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特許7488275無線駆動式相互作用型ゲスト装置のためのシステム及び方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-05-13
(45)【発行日】2024-05-21
(54)【発明の名称】無線駆動式相互作用型ゲスト装置のためのシステム及び方法
(51)【国際特許分類】
   H02J 50/80 20160101AFI20240514BHJP
   H02J 50/20 20160101ALI20240514BHJP
   G06F 3/01 20060101ALI20240514BHJP
【FI】
H02J50/80
H02J50/20
G06F3/01 510
【請求項の数】 18
(21)【出願番号】P 2021551790
(86)(22)【出願日】2020-02-27
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2022-04-20
(86)【国際出願番号】 US2020020233
(87)【国際公開番号】W WO2020180631
(87)【国際公開日】2020-09-10
【審査請求日】2023-02-10
(31)【優先権主張番号】62/815,190
(32)【優先日】2019-03-07
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】16/735,397
(32)【優先日】2020-01-06
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】511077292
【氏名又は名称】ユニバーサル シティ スタジオズ リミテッド ライアビリティ カンパニー
(74)【代理人】
【識別番号】100094569
【弁理士】
【氏名又は名称】田中 伸一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100103610
【弁理士】
【氏名又は名称】▲吉▼田 和彦
(74)【代理人】
【識別番号】100109070
【弁理士】
【氏名又は名称】須田 洋之
(74)【代理人】
【識別番号】100067013
【弁理士】
【氏名又は名称】大塚 文昭
(74)【代理人】
【識別番号】100086771
【弁理士】
【氏名又は名称】西島 孝喜
(74)【代理人】
【氏名又は名称】上杉 浩
(74)【代理人】
【識別番号】100120525
【弁理士】
【氏名又は名称】近藤 直樹
(74)【代理人】
【識別番号】100139712
【弁理士】
【氏名又は名称】那須 威夫
(74)【代理人】
【識別番号】100210239
【弁理士】
【氏名又は名称】富永 真太郎
(72)【発明者】
【氏名】イエ ウェイ チェン
(72)【発明者】
【氏名】コセアート トラビス ジョン
(72)【発明者】
【氏名】クラウトハマー アキヴァ メイア
【審査官】川口 貴裕
(56)【参考文献】
【文献】特表2014-516244(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2017/0230916(US,A1)
【文献】特表2012-523217(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2017/0270734(US,A1)
【文献】特開2009-253360(JP,A)
【文献】特開2012-223070(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H02J 50/00 - 50/90
G06F 3/01
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
無線電力システムであって、
環境に電波を出力するように構成された制御システムであって、実行時に前記制御システムに制御システム信号を出力させる命令を記憶するように構成された制御システムと、
前記環境内に位置する複数のゲスト装置と、
を備え、前記複数の装置の各ゲスト装置は、前記電波からエネルギーを取り込むように構成され、前記電波から取り込まれた前記エネルギーは、各それぞれのゲスト装置のコンポーネントに給電するように構成され、
前記複数のゲスト装置のうちの第1のゲスト装置は、前記制御システム信号を受け取り、前記制御システム信号を受け取ったことに応答して第1の装置インジケータを作動させ、前記制御システム信号を受け取ったことに応答して二次信号を出力するように構成され、
前記複数のゲスト装置のうちの第2のゲスト装置は、前記二次信号を受け取り、前記受け取られた二次信号に基づいて前記第2のゲスト装置の第2のインジケータを作動させ、前記受け取られた二次信号に少なくとも部分的に基づいて三次信号を出力するように構成される、
ことを特徴とする無線電力システム。
【請求項2】
前記第2のゲスト装置は前記制御システム信号に応答せず、従って前記第2のインジケータは、前記制御システム信号に応答して作動しない、
請求項1に記載の無線電力システム。
【請求項3】
前記第1のゲスト装置は前記二次信号及び前記三次信号に応答せず、従って前記第1のインジケータは、前記二次信号又は前記三次信号に応答して作動しない、
請求項2に記載の無線電力システム。
【請求項4】
前記第1のゲスト装置は、前記制御システム信号を受け取ったことに応答して第1の状態から第2の状態に切り替わり、前記第2のゲスト装置は、前記二次信号を受け取ったことに応答して前記第1の状態から前記第2の状態に切り替わる、
請求項1に記載の無線電力システム。
【請求項5】
前記複数のゲスト装置のうちの前記第1のゲスト装置及び前記第2のゲスト装置の各々は、前記取り込まれたエネルギーを蓄積するように構成されるとともに、前記コンポーネントに電力を供給するために前記取り込まれたエネルギーを出力するように構成されたキャパシタを含む、
請求項1に記載の無線電力システム。
【請求項6】
前記制御システム信号は赤外線信号である、
請求項1に記載の無線電力システム。
【請求項7】
前記複数のゲスト装置のうちの前記第1のゲスト装置は、前記赤外線信号を前記制御システムの検出器に選択的に反射するように構成された少なくとも1つの電気的に切り替え可能な反射体を含む、
請求項6に記載の無線電力システム。
【請求項8】
前記複数のゲスト装置のうちの前記第1のゲスト装置は、前記赤外線信号を選択的にフィルタリングしてフィルタリング済み赤外線信号を生成し、該フィルタリング済み赤外線信号を前記制御システムの検出器に反射するように構成される、
請求項6に記載の無線電力システム。
【請求項9】
前記複数のゲスト装置のうちの前記第1のゲスト装置は、反射面と、該反射面の1又は2以上の部分を選択的に遮断して反射パターンを形成するように構成された閉塞装置とを含み、前記反射パターンは、前記赤外線信号を前記制御システムの検出器に反射するように構成される、
請求項6に記載の無線電力システム。
【請求項10】
前記複数のゲスト装置の各ゲスト装置は発信機を含む、
請求項1に記載の無線電力システム。
【請求項11】
前記発信機は赤外光エミッタである、
請求項10に記載の無線電力システム。
【請求項12】
無線電力システムであって、
環境に電波を出力するように構成された制御システムと、
複数のポータブル装置と、
を備え、前記複数のポータブル装置の各ポータブル装置は、インジケータと、前記電波を受け取り、該電波からのエネルギーを直流電圧に変換して前記インジケータに電力を供給するように構成された環境発電素子とを含み、
前記複数のポータブル装置のうちの第1の装置は、前記第1の装置の状態に少なくとも部分的に基づいて第1の装置信号を出力するように構成され、
前記複数のポータブル装置のうちの第2の装置は、前記第1の装置信号を受け取り、該受け取られた第1の装置信号に少なくとも部分的に基づいて第2の装置インジケータを作動させるように構成された発信機を含む、
ことを特徴とする無線電力システム。
【請求項13】
前記第1の装置の前記状態は、複数の状態のうちの第1の状態であり、前記第1の装置は、前記複数の状態間で切り替わるように構成され、前記複数の状態の各状態は、前記第1の装置信号において異なる情報を送信するように構成される、
請求項12に記載の無線電力システム。
【請求項14】
前記制御システムは、制御システム信号を出力するように構成され、前記制御システム信号は、前記第1の装置に、前記制御システム信号に基づいて前記複数の状態のうちの前記第1の状態から前記複数の状態のうちの第2の状態に切り替わらせるように構成される、
請求項13に記載の無線電力システム。
【請求項15】
前記複数のポータブル装置のうちの前記第1の装置は、該第1の装置の前記状態を感知するように構成されたセンサを含む、
請求項12に記載の無線電力システム。
【請求項16】
前記センサは位置センサである、
請求項15に記載の無線電力システム。
【請求項17】
前記第1の装置は、前記第1の装置信号を出力するように構成された発信機を含む、
請求項12に記載の無線電力システム。
【請求項18】
前記発信機は光学発信機である、
請求項17に記載の無線電力システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
〔関連出願との相互参照〕
本出願は、2019年3月7日に出願された「無線駆動式相互作用型ゲスト装置のためのシステム及び方法(SYSTEMS AND METHODS FOR A WIRELESSLY POWERED INTERACTIVE GUEST DEVICE)」という名称の米国仮特許出願第62/815,190号に基づく優先権及びその利益を主張するものであり、この文献はその全体が全ての目的で引用により本明細書に組み入られる。
【0002】
本開示は、一般に遊園地の分野に関する。具体的には、本開示の実施形態は、アトラクション内の相互作用装置を制御する技術に関する。
【背景技術】
【0003】
本節は、以下で説明する本開示の様々な態様に関連し得る技術の様々な態様を読者に紹介するためのものである。本考察は、読者に背景事情を示して本開示の様々な態様のより良い理解を促す上で役立つと考えられる。従って、これらの記載は、先行技術を認めるものとしてではなく、上記の観点から読むべきものであると理解されたい。
【0004】
遊園地は、20世紀初頭以来大幅に人気が高まってきた。この人気の高まりを維持するために、新たな遊園地アトラクションは、来園客に独特な没入的体験を提供するように設計されている。遊園地アトラクションの中には、遊園地アトラクションとの個人的相互作用を可能にしてゲストの没入的体験を向上させるものもある。しかしながら、遊園地アトラクションと相互作用するために使用される装置の機能性によって、これらの個人的相互作用の没入的体験が妨げられることがある。例えば、認識可能な電子装置(例えば、携帯電話機、コントローラ、バッテリ駆動式装置)は、ゲスト入力によってアクセスされる機能を含むことができ、これによって遊園地アトラクションのテーマ環境へのゲストの没入感が低下してしまうことがある。従って、今では、これらの遊園地アトラクションを改善することが望ましいと認識することができる。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0005】
以下、当初の特許請求の範囲の主題と同一範囲のいくつかの実施形態を要約する。これらの実施形態は、本開示の範囲を限定するものではなく、むしろいくつかの開示する実施形態の概要を示すものにすぎない。実際には、本開示は、以下に示す実施形態と類似し得る又は異なり得る様々な形態を含むことができる。
【0006】
1つの実施形態によれば、無線電力システムが、環境に電波を出力するように構成された制御システムと、電波を受け取り、受け取られた電波からエネルギーを取り込むように構成された環境発電素子(energy harvesting device)を有するウェアラブル装置とを含む。ウェアラブル装置は、プロセッサと、ウェアラブル装置の状態を検出してプロセッサに状態信号を出力するように構成されたセンサとをさらに含む。プロセッサは、検出された状態信号に基づいて装置制御信号を出力するように構成される。ウェアラブル装置は、プロセッサから装置制御信号を受け取り、ウェアラブル装置の状態に基づいて制御システムに出力を提供するように構成された発信機(communicator)をさらに含む。少なくともプロセッサ、センサ又は発信機は、環境発電素子によって取り込まれたエネルギーを介して電力を受け取る。
【0007】
別の実施形態によれば、無線電力システムが、環境に電波を出力するように構成された制御システムであって、実行時に制御システムに制御システム信号を出力させる命令を記憶するように構成された制御システムを含む。無線電力システムは、環境内に位置する複数のゲスト装置も含む。複数の装置の各ゲスト装置は、電波からエネルギーを取り込むように構成される。電波から取り込まれたエネルギーは、各それぞれのゲスト装置のコンポーネントに給電するように構成される。また、複数のゲスト装置のうちの第1のゲスト装置は、制御システム信号を受け取り、制御システム信号を受け取ったことに応答して第1の装置インジケータを作動させ、制御システム信号を受け取ったことに応答して二次信号を出力するように構成される。さらに、複数のゲスト装置のうちの第2のゲスト装置は、二次信号を受け取り、受け取られた二次信号に基づいて第2のゲスト装置の第2のインジケータを作動させ、受け取られた二次信号に少なくとも部分的に基づいて三次信号を出力するように構成される。
【0008】
別の実施形態によれば、無線電力システムが、環境に電波を出力するように構成された制御システムを含む。無線電力システムは、複数のポータブル装置も含む。複数のポータブル装置の各ポータブル装置は、インジケータと、電波を受け取り、電波からのエネルギーを直流電圧に変換してインジケータに電力を供給するように構成された環境発電素子とを含む。また、複数のポータブル装置のうちの第1の装置は、第1の装置の状態に少なくとも部分的に基づいて第1の装置信号を出力するように構成される。さらに、複数のポータブル装置のうちの第2の装置は、第1の装置信号を受け取り、受け取られた第1の装置信号に少なくとも部分的に基づいて第2の装置インジケータを作動させるように構成された近距離発信機を含む。
【0009】
全体を通じて同じ要素を同じ記号で示す添付図面を参照しながら以下の詳細な説明を読めば、本開示のこれらの及びその他の特徴、態様及び利点がより良く理解されるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1】無線電力システムの実施形態の斜視図である。
図2図1の無線電力システムの制御システム及びゲスト装置の実施形態のブロック図である。
図3】制御システムとゲスト装置との間の通信の実施形態のフロー図である。
図4】ゲスト装置間の通信の実施形態のフロー図である。
図5】ゲスト装置間の通信の別の実施形態の斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、本開示の1又は2以上の具体的な実施形態について説明する。これらの実施形態を簡潔に説明するために、本明細書では実施の特徴を全て説明していない場合もある。あらゆる工学又は設計プロジェクトにおいて見られるようなあらゆるこのような実施の開発においては、実施によって異なり得るシステム関連及びビジネス関連の制約の順守などの開発者の個別の目的を達成するために、数多くの実施固有の決定を行わなければならないと理解されたい。さらに、このような開発努力は複雑で時間が掛かる場合もあるが、本開示の恩恵を受ける当業者にとっては設計、製作及び製造という日常的な取り組みであると理解されたい。
【0012】
本開示の様々な実施形態の要素を紹介する場合、「a」、「an」及び「the」といった冠詞は、これらの要素が1つ又は2つ以上存在することを意味するものとする。「備える(comprising)」、「含む(including)」及び「有する(having)」という用語は、包括的なものとして意図されており、列記する要素以外のさらなる要素が存在し得ることを意味する。また、本開示の「1つの実施形態」又は「ある実施形態」についての言及は、記載する特徴も含むさらなる実施形態の存在を排除するものとして解釈されるように意図するものではないと理解されたい。
【0013】
テーマパーク又は遊園地アトラクションはますます人気が高まってきており、乗客に独特な没入的体験を提供する様々な遊園地アトラクションが創出されている。遊園地アトラクションの中には、ゲストが無線装置などのゲスト関連装置を介して遊園地アトラクションと相互作用することを可能にしてゲストの没入的体験を向上させるものもある。例えば、ゲストは、モバイル装置上のソフトウェアアプリケーションにアクセスして、特定のアトラクションに関するより多くの情報を入手することができる。しかしながら、ゲストとモバイル装置との相互作用は、ゲストの注意をアトラクションから引き離しがちである。例えば、いくつかのアトラクションは、ひなびた又は歴史的なアトラクション環境を有することができ、モバイル装置はこのような環境の文脈に合わない。また、よりテクノロジーに精通したゲストがモバイル装置を介して複雑な機能にアクセスする能力によって他のゲストが気を散らされることもある。さらに、アトラクションの最中にゲストがモバイル装置を保持することを全てのアトラクションが認めているわけではない。
【0014】
本明細書では、遊園地内の1又は2以上のアトラクションと共に動作する専用機能を有するように構成された無線で動作する無線駆動式ゲスト装置を提供する。いくつかの実施形態では、この機能をアトラクション内の適切な時点で自動的に、或いはゲスト装置の機能を作動させるためにゲストがユーザ入力を操作又は提供する必要があるような、アトラクションとの特定のゲスト相互作用時に作動させることができる。このようにすると、ゲストの注意がアトラクションから引き離されない。このような装置は、コスト及び/又は重量を抑えるために比較的単純なものとすることができる。例えば、これらの装置は、バッテリのさらなる重量を伴わずに、無線発信機によって取り込まれたエネルギーによって駆動することができる。さらに、無線駆動式装置のコンポーネントを様々なテーマ別装置(例えば、お守り、指輪、腕輪、たいまつ、杖、テディベアなど)に収容して、ゲストがテーマ別装置を使用して遊園地アトラクションと相互作用できるようにすることもできる。また、没入的体験を向上させるために、無線駆動式装置は、遊園地アトラクションだけでなく他の無線駆動式装置とも相互作用するように構成することができる。
【0015】
図1は、遊園地アトラクション12の無線電力システム10の実施形態の斜視図である。無線電力システム10は、遊園地アトラクション12の環境16内(例えば、乗り物軌道の一部、部屋など)に位置するゲスト装置14に無線電力を供給するように配置することができる。いくつかの実施形態では、無線電力システム10が、遊園地アトラクション12全体及び/又は遊園地全体を通じてゲスト装置14(例えば、無線駆動式装置)に無線電力を供給するように構成される。無線電力システム10は、環境16に電波22を出力するように構成されたエミッタ20を有する制御システム18を含む。電波22は、ゲスト装置14に無線電力を供給する。また、制御システム18は、ゲスト装置14に通信信号26を送るように構成された通信回路24(例えば、トランシーバ32)を含むこともできる。通信回路24は、通信回路24の検出器28を介してゲスト装置14から通信信号を受け取るように構成することもできる。
【0016】
図示の実施形態では、環境16が複数のエミッタ20及び通信回路24を有することによって、制御システム18とゲスト装置14との間の電力放出及び通信を改善することができる。上述したように、通信回路24のトランシーバは、通信信号26(例えば、制御システム信号30)を出力するように構成することができる。制御システム信号30は、赤外線信号とすることができる。複数のトランシーバ32を環境16の周辺に様々な向きで配置すると、ゲスト装置14を複数のトランシーバ32のうちの少なくとも1つのトランシーバ32の範囲内又はこのトランシーバ32との見通し線内に留まらせることによって、赤外線信号を使用した時の制御システム18とゲスト装置14との間の通信を改善することができる。
【0017】
ゲスト装置14は、遊園地アトラクション12におけるゲストに提供することができる。ゲスト装置14は、遊園地アトラクション12のテーマに特化したテーマ別装置とすることができる。例えば、地下の財宝探掘をテーマにした遊園地アトラクションでは、ゲスト装置14がたいまつの形を有することができる。ゲストが環境16のテーマ的熱源(例えば、キャンプファイアの特殊効果)に近い位置にゲスト装置14(例えば、たいまつ)を動かすと、制御システム18は、ゲスト装置14(例えば、たいまつ)を点火させる制御システム信号30を出力することができる。いくつかの実施形態では、各ゲストが異なるゲスト装置14を有することができる。例えば、第1のゲスト装置34をお守りとすることができ、第2のゲスト装置36を腕輪とすることができる。
【0018】
図2は、無線電力システム10の制御システム18及びゲスト装置14の実施形態のブロック図である。制御システム18は、ゲスト装置14に無線電力を供給するように構成される。さらに、制御システム18は、ゲスト装置14と通信するように構成される。制御システム18は、アンテナ、無線トランシーバ回路及び信号処理ハードウェア及び/又はソフトウェア(例えば、ハードウェア又はソフトウェアフィルタ、A/Dコンバータ、マルチプレクサ、増幅器)、又はこれらの組み合わせなどの通信回路24を含むことができ、赤外線(IR)無線通信、衛星通信、放送無線、マイクロ波無線、Bluetooth、Zigbee、Wifi、UHF、NFCなどを介して無線通信経路を通じて通信するように構成することができる。1つの実施形態では、通信回路24が、遊園地アトラクションの環境内に配置された複数のIRトランシーバを含む。
【0019】
制御システム18は、システムプロセッサ38及びメモリ40を含むことができる。システムプロセッサ38は、1又は2以上の処理装置を含むことができ、メモリ40は、1又は2以上の有形の非一時的機械可読媒体を含むことができる。一例として、このような機械可読媒体は、RAM、ROM、EPROM、EEPROM、又は光ディスクストレージ、磁気ディスクストレージ又は他の磁気記憶装置、或いは機械実行可能命令又はデータ構造の形の所望のプログラムコードを保持又は記憶するために使用することができてシステムプロセッサ38又は他のプロセッサベースの装置(例えば、モバイル装置)がアクセスできる他のいずれかの媒体を含むことができる。いくつかの実施形態では、メモリ40が、様々な制御システム信号30を出力するためにシステムプロセッサ38によって実行可能な命令を記憶するように構成される。例えば、システムプロセッサ38は、第1のゲスト装置34、他のゲスト装置14からの通信、及び/又はタイマからのデータ、アトラクションイベントスケジュールなどに基づいて、第1のゲスト装置34のインジケータ42を作動させる制御システム信号30を出力する命令を実行することができる。
【0020】
制御システム18は、エミッタ44を含むことができる。エミッタ44は、環境16に無線電力を供給する電波22を出力するように構成される。いくつかの実施形態では、電波22が極超短波無線周波数識別波(ultra-high frequency radio frequency identification waves:UHF RFID)である。しかしながら、あらゆるタイプの好適な電波22を放出して環境に無線電力を供給することができる。いくつかの実施形態では、制御システム18が複数のエミッタ44を有することができる。
【0021】
ゲスト装置14は、そのそれぞれの環境発電素子46(例えば、第1の環境発電素子66、第2の環境発電素子68など)を介して制御システム18から電力を受け取るように構成される。環境発電素子46は、制御システム18のエミッタ44から放出された電波22をアンテナ124(例えば、第1のアンテナ126、第2のアンテナ128など)を介して受け取り、電波22からエネルギーを取り込むように構成される。いくつかの実施形態では、電波22から取り込まれたエネルギーが、ゲスト装置14のコンポーネント(例えば、センサ48、プロセッサ52、発信機56など)に直接出力される。一方で、いくつかの実施形態では、ゲスト装置14が、ゲスト装置14のコンポーネントにエネルギーを出力する前に環境発電素子46からエネルギーを受け取るように構成されたキャパシタ60(例えば、第1のキャパシタ62、第2のキャパシタ64など)を含む。しかしながら、ゲスト装置14は、環境発電素子46からのエネルギーを蓄積するように構成されたバッテリを有していない。さらに、ゲスト装置14はバッテリを有しておらず、従ってゲスト装置14のコンポーネントはいずれもバッテリ駆動式ではない。また、ゲスト装置14は有線接続によって駆動されない。
【0022】
ゲスト装置14は、ゲスト装置14の状態を検出するように構成されたセンサ48(例えば、第1のセンサ50、第2のセンサ54など)を有する。センサ48は、検出されたゲスト装置14の状態に基づいて状態信号80を出力するように構成することができる。いくつかの実施形態では、センサ48が、ゲスト装置14の位置を検出するように構成された位置センサである。位置センサは、状態信号80を介してゲスト装置14の位置を出力するように構成することができる。他の実施形態では、センサ48を、加速度計、ジャイロスコープ、圧力センサ、光学センサ、音響センサ、赤外線センサ、又はこれらの何らかの組み合わせとすることができる。
【0023】
ゲスト装置14は、センサ48から状態信号80を受け取るように構成されたプロセッサ52(例えば、第1のプロセッサ72、第2のプロセッサ74など)を含むことができる。プロセッサ52は、状態信号80及び/又はその他の入力に基づいて装置制御信号82(例えば、第1の装置制御信号84、第2の装置制御信号86など)を生成して出力するように構成することができる。プロセッサ52は、マイクロプロセッサとすることができる。いくつかの実施形態では、ゲスト装置14が、メモリデバイスを使用せずに動作するように構成される。他の実施形態では、ゲスト装置14が、様々な装置制御信号82を出力するためにゲスト装置14のプロセッサ52によって実行可能な命令を記憶するメモリデバイスを含む。
【0024】
ゲスト装置14は、プロセッサ52から装置制御信号82を受け取って、ゲスト装置の状態及び/又はその他の入力に基づいて制御システム18及び/又は他のゲスト装置14に出力88を提供するように構成された発信機56(例えば、第1の発信機76、第2の発信機78など)を有する通信回路を含むことができる。いくつかの実施形態では、発信機56が、長距離発信機及び/又は近距離発信機を含む。別の実施形態では、発信機56が中距離発信機を含む。
【0025】
いくつかの実施形態では、発信機56(例えば、第1の発信機76、第2の発信機78など)が、制御システム18の検出器に赤外線信号を出力するように構成された赤外発光ダイオードを含む。赤外線信号は、ゲスト装置14と制御システム18との間で情報を送信するように構成される。いくつかの実施形態では、ゲスト装置18から出力される赤外線信号が、他のゲスト装置14に情報を送信するように構成される。発信機56は、制御システム18及び/又は他のゲスト装置14から赤外線信号を介して通信を受け取ることができるように、赤外線信号を介して通信を受け取るように構成することができる。
【0026】
いくつかの実施形態では、制御システム18が、環境16に赤外光を放出するように構成される。発信機56は、電気的に切り替え可能な反射体(electrically switchable reflector)を使用して制御システム18及び/又は他のゲスト装置14に情報を送信するように構成することができる。電気的に切り替え可能な反射体は、制御システム18から放出された赤外光を選択的に環境に反射するように構成することができる。電気的に切り替え可能な反射体は、ゲスト装置14からの情報を送信するように構成されたパターン又はシーケンスで選択的に赤外光を反射することができる。制御システム18及び/又は他のゲスト装置14は、選択的に反射された赤外光を受け取り、パターン又はシーケンスに基づいてゲスト装置14からの情報を特定するように構成することができる。電気的に切り替え可能な反射体は、回転して赤外光の反射角を制御してパターン又はシーケンスを生成するように構成された反射面を有することができる。
【0027】
いくつかの実施形態では、発信機56が、赤外線信号を選択的にフィルタリングしてフィルタリング済み赤外線信号を生成し、このフィルタリング済み赤外線信号を制御システム18の検出器に反射するように構成される。フィルタリング済み赤外線信号は、ゲスト装置14からの情報を制御システム18及び/又は他のゲスト装置14に送信するように構成することができる。別の実施形態では、発信機56が、反射面と、反射面の1又は2以上の部分を選択的に遮断して制御システム18及び/又は他のゲスト装置14に赤外光を反射するように構成された反射パターンを形成するように構成された閉塞装置(occluding device)とを含む。例えば、閉塞装置は、2×2の格子状に配置された4つの反射部分を有する反射面を覆うことができる。閉塞装置は、左上の反射部分を遮断して、他の3つの反射部分のみが赤外光を反射するようにすることができる。閉塞装置を使用して反射面の異なる部分を選択的に覆うことで、異なる情報を伝えることができる。発信機56は、反射面の異なる部分を選択的に覆う閉塞装置を介してゲスト装置14から制御システム18及び/又は他のゲスト装置14に情報を送信するように構成することができる。
【0028】
いくつかの実施形態では、少なくとも第1の環境発電素子66、第1のプロセッサ72、第1のセンサ50及び第1の発信機76が、全て第1のゲスト装置34の第1のハウジング90内に収容される。同様に、少なくとも第2の環境発電素子68、第2のプロセッサ74、第2のセンサ54及び第2の発信機78は、全て第2のゲスト装置36の第2のハウジング92内に収容される。
【0029】
図3は、制御システム18とゲスト装置14との間の通信の実施形態のフロー図である。制御システム18は、実行時に制御システム18に制御システム信号30を出力させる命令を記憶するように構成される。制御システム18は、タイマ又はアトラクションイベントに基づいて命令を実行するように構成することができる。例えば、遊園地アトラクションは、所定の時点で特殊効果(例えば、突風)を発生させるように構成することができる。制御システム18は、特殊効果(例えば、突風)に応答してゲスト装置14(例えば、たいまつ)を消灯させる(例えば、インジケータ42をオフにする)ように構成された制御システム信号30を出力するように構成することができる。別の実施形態では、制御システム18が、(単複の)ゲスト装置14から通信を受け取るように構成される(ブロック128)。制御システムは、(単複の)ゲスト装置14から受け取られた通信に基づいて実行される命令から制御システム信号130を特定するように構成される(ブロック130)。これらの命令は、制御システムに制御システム信号30を出力させることができる(ブロック132)。制御システム信号30は、ゲスト装置14(例えば、たいまつ)を点灯させるように構成することができる。制御システム18は、それぞれが異なる条件又はトリガ(例えば、タイマ、乗り物イベント、受け取られた通信など)に基づいて実行するように構成された複数の命令を含むことができる。
【0030】
第1のゲスト装置34は、制御システム18から制御システム信号30を受け取るように構成することができる(ブロック134)。第1のプロセッサは、制御システム信号30を受け取ったことに応答して第1の装置制御信号84を生成するように構成される(ブロック136)。いくつかの実施形態では、第1のプロセッサが、制御システム信号30及び第1のセンサ48からの第1の状態信号80の両方に基づいて装置制御信号84を生成するように構成される。第1のセンサは、第1のゲスト装置の状態を検出し(ブロック138)、第1のゲスト装置の状態を示す第1の状態信号を第1のプロセッサに出力することができる。第1のプロセッサは、第1のセンサから状態信号を受け取るように構成される(ブロック140)。例えば、制御システム18は、第1のゲスト装置34を点灯させるように構成された制御システム信号30を出力することができる。しかしながら、第1のゲスト装置34(例えば、たいまつ)は、第1のゲスト装置34を「湿らせる」又は湿った状態にするテーマ的水源に位置し、又は最近そのような場所に位置していた場合がある。第1のプロセッサは、第1のゲスト装置34(例えば、たいまつ)が「湿っている」ため点灯することができないと判断し、制御システム信号30及び状態信号80の両方に基づいて、第1のゲスト装置34が一時的に点灯した後に消えるようにする、又は消灯したままにする第1の装置制御信号84を送信することができる。別の例では、ゲストが、第1のゲスト装置34(例えば、たいまつ)を素早くテーマ的熱源に通すことがある。制御システム信号30は、第1のゲスト装置34(例えば、たいまつ)がテーマ的熱源の近くに位置する時に第1のゲスト装置34を点灯させるように構成されているが、第1のプロセッサは、状態信号80からの第1のゲスト装置34の速度に基づいて、第1のゲスト装置34(例えば、たいまつ)を点灯できないと判断することができる。
【0031】
いくつかの実施形態では、第1のゲスト装置34が、第1のセンサ50から制御システム18に状態信号80を出力するように構成される(ブロック142)。上述したように、状態信号80は、制御システム18に様々な命令を実行させることができる。制御システム18は、第1のゲスト装置34が遊園地アトラクション12の環境16の特定のエリア(例えば、テーマ的熱源の近く)に位置する時に制御システム信号30を出力するように構成することができる。また、制御システム18は、第1のゲスト装置34の他の状態(例えば、位置、動きなど)に基づいて制御システム信号30を出力するように構成することもできる。制御システム18は、第1のゲスト装置34の位置、加速度、速度、圧力、温度、音響、論理状態などに基づいて制御システム信号30を出力するように構成することができる。
【0032】
第1のプロセッサ72は、第1のゲスト装置34の第1のインジケータ94を修正する第1の装置制御信号84を出力するように構成することができる(ブロック144)。第1の装置制御信号84は、第1のインジケータ94を停止させ(ブロック146)、第1のインジケータ94を作動させ(ブロック148)、又は第1のインジケータ94の設定を調整する(ブロック150)ことができる。例えば、第1のインジケータ94はLEDライトとすることができ、第1のインジケータ94を停止させるとLEDライトがオフになり、第1のインジケータ94を作動させるとLEDライトがオンになり、第1のインジケータ94の設定を調整するとLEDが暗くなったり、明るくなったり、色を変化させたりすることができる。
【0033】
第1のプロセッサは、第1のゲスト装置34の第1の発信機に第1の装置制御信号84を出力するように構成することができる。第1の発信機は、第1の装置制御信号84を受け取ったことに応答して二次信号98を出力するように構成することができる(ブロック152)。二次信号98は、第1の制御システム信号84からの情報を別のゲスト装置14(例えば、第2のゲスト装置36)に中継するように構成することができる。第2のゲスト装置36は、二次信号98を受け取り(ブロック154)、二次信号98に基づいて第2のゲスト装置36の第2のインジケータ96を作動させるように構成することができる。例えば、第1のゲスト装置34及び第2のゲスト装置36をたいまつとすることができる。上述したように、第1のゲスト装置34(例えば、たいまつ)は、テーマ的熱源(例えば、キャンプファイア)の近くに位置する時に、制御システム信号30に基づいて点灯することができる。その後、第1のゲスト装置34を、第2のゲスト装置36が第1のゲスト装置34に近接する位置に移動した時に第1のゲスト装置34が第2のゲスト装置36(例えば、たいまつ)を点灯させることができるような二次信号98を出力するように構成することにより、たいまつが別のたいまつに火を付ける特殊効果を生み出すことができる。
【0034】
いくつかの実施形態では、第1のゲスト装置34の第1のプロセッサ72と同様の第2のゲスト装置36の第2のプロセッサが、第2のセンサ54から検出されて(ブロック158)第2のプロセッサによって受け取られた(ブロック160)二次信号98及び第2の状態信号102の両方に基づいて第2の装置制御信号86を生成することができる(ブロック156)。第2の装置制御信号86は、第1のゲスト装置34の第2のインジケータ96を修正することができる(ブロック162)。第2の装置制御信号84は、第1のインジケータ94を停止させ(ブロック164)、第1のインジケータ94を作動させ(ブロック166)、又は第1のインジケータ94の設定を調整する(ブロック168)ことができる。また、第2のゲスト装置36は、第2の発信機を介して、第2のゲスト装置36(例えば、たいまつ)が第3のゲスト装置(例えば、たいまつ)を点灯させることができるような三次信号100を出力するように構成することができる(ブロック170)。さらに、第2のゲスト装置36は、第2のセンサ54から制御システム18に第2の状態信号102を出力するように構成することができる(ブロック172)。
【0035】
いくつかの実施形態では、制御システム18を、複数のゲスト装置14の状態に基づいて制御システム信号30を出力するように構成することができる。さらに、制御システム18は、遊園地アトラクション12の特殊効果装置と通信するように構成することができる。例えば、第1のゲスト装置34を有する第1のゲストと、第2のゲスト装置36を有する第2のゲストとが、遊園地アトラクションの環境内の特殊効果装置126(例えば、落とし戸(trap door))の近くに立つことができる。落とし戸は、少なくとも2人のゲストが落とし戸の近くに位置する時に開くように構成することができる。第1及び第2のゲスト装置34、36は、それぞれの状態(例えば、ゲスト装置の位置)を制御システム18に出力することができる。制御システム18は、特殊効果装置126(例えば、落とし戸)を開かせる第1の制御システム信号104を特殊効果装置126に出力するように構成することができる。いくつかの実施形態では、落とし戸が開くと特殊効果イベント(例えば、突風)が発生することができ、従って制御システム18は、第1及び/又は第2のゲスト装置34、36に、ゲスト装置にそれぞれのインジケータ94、96を停止させてゲスト装置34、36(例えば、たいまつ)を「消灯」させる第2の制御システム信号106を出力することができる。いくつかの実施形態では、制御システム18が、環境16内の全てのゲスト装置14に、全てのゲスト装置14のそれぞれのインジケータを同時に停止させる制御システム信号30を出力する。一方で、いくつかの実施形態では、制御システム14が、特殊効果装置126(例えば、落とし戸)の最も近くに位置するゲスト装置14(例えば、第1のゲスト装置)に制御システム信号30を出力するように構成される。特殊効果(例えば、突風)は、落とし戸から発生することができる。従って、第1のゲスト装置34は、たいまつに吹き付けるリアルな突風の効果を模倣するように第1のインジケータ94を停止させる。その後、第1のゲスト装置34は、第1のゲスト装置34の最も近くに位置するゲスト装置14(例えば、第2のゲスト装置36)に二次信号98を出力することができる。各ゲスト装置14は、特殊効果の突風に対する時間遅延された応答を引き起こすようにそれぞれのインジケータ42を停止させる命令を受け取って出力するように構成することができる。プロセッサは、他のゲスト装置14への出力88を遅らせて、時間遅延された応答の長さを増加させるように構成することができる。
【0036】
本技術を使用して、第1の時点で送信された初期制御システム信号30にいくつかの装置のみ(すなわち、全てのゲスト装置14のうちのサブセットのみ)が応答し、この応答が、作動した装置のサブセットのみにおける特定の装置機能の作動である、一群のゲスト装置14間のカスケード作動効果(cascading activation effect)をトリガすることができる。次に、これらの作動した装置14は、その後の時点で装置14の異なるサブセットに独自の作動信号を送出する。このカスケードは、環境内の全ての装置14が作動するまで継続することができる。1つの例では、カスケード型作動を使用することによって、装置14内の波又は光カスケード(wave or light cascade)を形成することができる。いくつかの実施形態では、ユーザによる装置14の操作を伴わずに環境内で自動的にカスケードが作動する。
【0037】
装置14のサブセットの作動順の選択は、センサとの近接性、又は各個々の装置14に関連するユーザ情報に基づくことができる。いくつかの実施形態では、第1のゲスト装置34が環境16内のどこであっても制御システム信号30を受け取ることができるように、制御システム18が環境全体に制御システム信号30を出力するように構成される。一方で、いくつかの実施形態では、制御システム信号30が、第1のゲスト装置34のみ、及び/又は(例えば、ランダムに又は装置タイプ別に選択された)ゲスト装置14のサブセットのみにおいて応答を引き起こすように構成される。各ゲスト装置14は、制御システム18が特定のゲスト装置14に制御システム信号30を送信できるように個々の識別を有することができる。従って、第2のゲスト装置36は、第1のゲスト装置34向けの制御システム信号出力30に応答しないことができ、従って第2のインジケータ96は、制御システム信号30を受け取ったことに応答して作動しないようになる。同様に、第1のゲスト装置34は、第2のゲスト装置36、第3のゲスト装置などのために出力された制御システム信号30に応答しないことができる。これに代えて又はこれに加えて、制御システム18は、各ゲスト装置14の個々の状態に基づいてどのゲスト装置14に制御システム信号を送信すべきかを判定することもできる。
【0038】
いくつかの実施形態では、第1のゲスト装置36が二次信号98及び三次信号100に応答せず、従って第1のインジケータ94は、二次信号98又は三次信号100に応答して作動しない。例えば、制御システム信号30を、第1のゲスト装置34を一時的に点灯させるように構成することができる。次に、第1のゲスト装置34が、第2のゲスト装置36を一時的に点灯させる二次信号98を出力することができる。その後、第2のゲスト装置36が三次信号100を出力することができる。第1のゲスト装置34は、三次信号100の範囲内に存在できるにもかかわらず、三次信号100に応答して再び点灯しないことができる。
【0039】
各ゲスト装置14は、複数の通信状態間で切り替わるように構成することができる。ゲスト装置14は、ゲスト装置14の現在の通信状態に基づいて異なる情報を受け取るように構成することができる。例えば、ゲスト装置14は、第1の通信状態では特定の信号のみを受け取り、他の通信状態(例えば、第2の通信状態、第3の通信状態など)では他の信号を受け取るように構成することができる。さらに、ゲスト装置14は、ゲスト装置14の現在の通信状態に基づいて異なる情報を送信するように構成することができる。例えば、第1のゲスト装置34は、第1の通信状態では、第2のゲスト装置36に第2のインジケータ96を作動させる命令を含む二次信号98を出力し、第2の通信状態では、第2のゲスト装置36に第2のインジケータ96を停止させる命令を含む二次信号98を出力するように構成することができる。さらに、いくつかの実施形態では、第1の通信状態を、発信機56からの受信及び/又は送信を無効にするように構成することができ、第2の通信状態は、発信機56からの受信及び/又は送信を有効にすることができる。
【0040】
いくつかの実施形態では、第1のゲスト装置34が、制御システム信号30を受け取ったことに応答して第1の通信状態から第2の通信状態に、又はこの逆に切り替わることができる。さらに、第2のゲスト装置36は、二次信号98を受け取ったことに応答して第1の通信状態から第2の通信状態に、又はこの逆に切り替わることができる。制御システム18は、環境16内の各ゲスト装置14に、それぞれのゲスト装置14の通信状態の切り替え/制御を行う制御システム信号30を出力するように構成することができる。制御システム18は、それぞれのゲスト装置14の状態に基づいてそれぞれのゲスト装置14の通信状態の切り替え/制御を行うように構成することができる。例えば、制御システム18は、第1のゲスト装置34から制御システム18によって受け取られた状態信号80が、第1のゲスト装置34が環境16の特定のエリア内に位置することを示す時に、二次信号98の送信を無効にする制御システム信号30を第1のゲスト装置34に出力するように構成することができる。
【0041】
図4は、ゲスト装置14間の通信の実施形態のフロー図である。図示の実施形態では、第1のゲスト装置34及び第2のゲスト装置36(例えば、ウェアラブル装置)が互いに通信している。ゲスト装置14は、制御システムからの通信とは無関係に互いに通信することができる。いくつかの実施形態では、制御システムを、主にゲスト装置14に電力を供給するように構成することができる。上述したように、制御システムは、エミッタを介して環境に電波を出力するように構成される。各ゲスト装置14(例えば、ポータブル装置)は、電波を受け取り、電波からのエネルギーを直流電圧に変換してゲスト装置14のそれぞれのインジケータ42及びゲスト装置14の他のコンポーネントに電力を供給するように構成された環境発電素子を有する。
【0042】
上述したように、ゲスト装置14は、制御システムからの通信とは無関係に互いに相互作用又は通信するように構成することができる。ゲスト装置14間の通信は、ゲスト装置14のそれぞれの状態に基づくことができる。上述したように、第1のゲスト装置34の第1のセンサは、第1のゲスト装置34の状態を検出して(ブロック138)第1のゲスト装置34の第1のプロセッサに状態信号80を出力することができる。第1のプロセッサは、第1のセンサから状態信号80を受け取ることができる(ブロック140)。第1のプロセッサは、第1のゲスト装置34の状態に基づいて第1の装置制御信号84を生成するように構成することができる(ブロック136)。第1の装置制御信号84は、第1のインジケータ94を修正する(ブロック144)(例えば、作動させる(ブロック148)、停止させる(ブロック146)、インジケータ設定を調整する(ブロック150)、など)ことができる。第1の装置制御信号84は、第1の発信機に第1の装置信号108を出力させる(ブロック176)ように構成することもできる。第1の発信機は、近距離発信機とすることができる。
【0043】
第2のゲスト装置36は、第2の発信機を介して第1の装置信号108を受け取るように構成することができる(ブロック178)。第2の発信機も、近距離発信機とすることができる。第2のゲスト装置36の第2のセンサは、第2のゲスト装置36の状態を検出して(ブロック158)第2のゲスト装置36の第2のプロセッサ74に第2の状態信号102を出力することができる。第2のプロセッサは、第1のセンサから第2の状態信号102を受け取ることができる(ブロック160)。第2のプロセッサは、第2のゲスト装置36の状態及び第1の装置信号108の両方に基づいて第2の装置制御信号86を生成するように構成することができる(ブロック156)。第2の装置制御信号86は、第2のインジケータ96を修正する(ブロック162)(例えば、作動させる(ブロック166)、停止させる(ブロック164)、インジケータ設定を調整する(ブロック168)、など)ことができる。第2の装置制御信号86は、第2の発信機に第2の装置信号110を出力させるように構成することもできる(ブロック180)。
【0044】
いくつかの実施形態では、第1のゲスト装置34が、第2の装置信号110を受け取るように構成される。その後、第1のゲスト装置34の第1のプロセッサ72は、第1のゲスト装置34の状態及び第2の装置信号110の両方に基づいて第1の装置制御信号84を決定するように構成される。しかしながら、別の実施形態では、第3のゲスト装置が第2の装置信号110を受け取るように構成される。
【0045】
いくつかの実施形態では、ゲストがゲスト装置14間の通信を開始することができる。例えば、第1のゲスト182は、第1のゲスト装置34を特定のパターンで動かすことができる。第1のゲスト装置34の第1のセンサは、このパターン(例えば、一定時間にわたる位置、一定時間にわたる速度など)を検出し、状態信号80を介して第1のプロセッサに出力することができる。第1のプロセッサは、パターンを認識し、ユーザが開始した第1のゲスト装置34のパターンに基づいて第1のゲスト装置34に第1の装置信号108を出力させるように構成される。第1の装置信号108は、第2のゲスト装置36の第2のインジケータ96を点灯させるように構成することができる。いくつかの実施形態では、第1のプロセッサが複数のパターンを認識するように構成される。
【0046】
図5は、ゲスト装置14間の通信の別の実施形態の斜視図である。上述したように、第1のゲスト装置34は、第1の装置信号108を出力するように構成することができる。図示の実施形態では、第1の装置信号108が複数のゲスト装置14に出力されるように構成され、従って第2のゲスト装置36、第3のゲスト装置112及び第4のゲスト装置114が第1の装置信号108を受け取るように構成される。しかしながら、各ゲスト装置14は、第1の装置信号108に対して異なる反応を示すことができる。第2のゲスト装置は、第1の装置信号108に応答して第2のインジケータ96を作動させることができる。第2のインジケータ96は、青色光120を放出するLEDライトとすることができる。第3のゲスト装置112及び第4のゲスト装置114は、第1の装置信号108に応答して赤色光122を放出するようにそれぞれのインジケータ116、118(例えば、LEDライト)を作動させることができる。インジケータ42は、それぞれの装置制御信号に基づいて異なる形で作動することができる。さらに、インジケータ42は、ゲスト装置14の状態についての指示を提供するように異なる形で作動することができる。インジケータ42は、単色発光ダイオード、多色発光ダイオード、オーディオ出力装置、又はこれらの何らかの組み合わせを含むことができる。いくつかの実施形態では、インジケータ42が、音響装置、触覚装置、又は他のいずれかのタイプの特殊効果を含む。インジケータ42は、複数の特殊効果の組み合わせを含むことができる。
【0047】
別の実施形態では、インジケータ42が、それぞれのゲスト装置14の個々の識別(ID)に基づいて作動するように構成される。ゲストは、それぞれのゲスト装置14に保存された個々のIDを有することができる。いくつかの実施形態では、ゲストをそのIDに基づいてチームに分割することができる。これらのIDは、ゲスト装置14に制御システム及び/又は他の装置14と特定の方法で相互作用させることができる。例えば、第1のゲスト及び第2のゲストを第1のチームに設定し、第3のゲスト及び第4のゲストを第2のチームに設定すると、第1のゲストに対応する第1のゲスト装置34から放出された第1の装置信号108は、第2のゲスト装置36から、第3のゲスト装置112及び第4のゲスト装置114とは異なる応答を引き出すことができるようになる。ゲスト装置14の対応するチームに起因して、第2のゲスト装置36は、第1の装置信号108に応答して青色光120を放出することができ、第2及び第3のゲスト装置112、114は、第1の装置信号108に応答して赤色光122を放出することができる。
【0048】
本明細書では、本開示のいくつかの特徴のみを図示し説明したが、当業者には多くの修正及び変更が思い浮かぶであろう。従って、添付の特許請求の範囲は、本開示の実際の趣旨に含まれる全てのこのような修正及び変更も対象とすることが意図されていると理解されたい。
【0049】
本明細書に示して特許請求する技術は、本技術分野を確実に改善する、従って抽象的なもの、無形のもの又は純粋に理論的なものではない実際的性質の有形物及び具体例を参照し、これらに適用される。さらに、本明細書の最後に添付するいずれかの請求項が、「...[機能]を[実行]する手段」又は「...[機能]を[実行]するステップ」として指定されている1又は2以上の要素を含む場合、このような要素は米国特許法112条(f)に従って解釈すべきである。一方で、他のいずれかの形で指定された要素を含むあらゆる請求項については、このような要素を米国特許法112条(f)に従って解釈すべきではない。
【符号の説明】
【0050】
10 無線電力システム
12 遊園地アトラクション
14 ゲスト装置
16 環境
18 制御システム
20 エミッタ
22 電波
24 通信回路
26 通信信号
28 検出器
30 制御システム信号
32 トランシーバ
34 第1のゲスト装置
36 第2のゲスト装置
図1
図2
図3
図4
図5