(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-05-13
(45)【発行日】2024-05-21
(54)【発明の名称】可変曲げステーションを備えたガラス処理システム
(51)【国際特許分類】
C03B 23/03 20060101AFI20240514BHJP
【FI】
C03B23/03
(21)【出願番号】P 2021553302
(86)(22)【出願日】2020-03-19
(86)【国際出願番号】 US2020023497
(87)【国際公開番号】W WO2020197911
(87)【国際公開日】2020-10-01
【審査請求日】2023-02-06
(32)【優先日】2019-03-22
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】507367091
【氏名又は名称】グラステック インコーポレイテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100079108
【氏名又は名称】稲葉 良幸
(74)【代理人】
【識別番号】100109346
【氏名又は名称】大貫 敏史
(74)【代理人】
【識別番号】100117189
【氏名又は名称】江口 昭彦
(74)【代理人】
【識別番号】100134120
【氏名又は名称】内藤 和彦
(72)【発明者】
【氏名】シュナーベル,ジュニア,ジェームズ ピー.
【審査官】酒井 英夫
(56)【参考文献】
【文献】米国特許第05122177(US,A)
【文献】国際公開第2018/220394(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
C03B 23/023,23/03-23/035
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ガラス処理システムであって
ガラス板を加熱するための加熱ステーションと、
前記加熱されたガラス板を曲げるために前記加熱ステーションの下流に配置された曲げステーションであって、前記曲げステーションが、前記ガラス処理システムが第1モードで動作するときに第1及び第2鋳型を独立して移動させるように、並びに前記ガラス処理システムが第2モードで動作するときに第3鋳型を協働して移動させるように構成された第1及び第2独立移動機構を含む曲げステーションと、
前記移動機構を制御するための制御システムであって、前記ガラス処理システムが前記第1モードで動作するときにそれら移動機構が独立して動作するように、及び前記ガラス処理システムが前記第2モードで動作するときにそれら移動機構が同時に動作するように前記移動機構を制御するための制御システムと
を含むガラス処理システム。
【請求項2】
前記加熱ステーションが加熱ステーションハウジングを有し、前記曲げステーションが、前記ガラス処理システムが前記第1モードで動作するときに前記第1及び第2鋳型を収容するために前記加熱ステーションハウジングより幅が広い曲げステーションハウジングを有する、請求項1に記載のガラス処理システム。
【請求項3】
前記曲げステーションハウジングが前記加熱ステーションハウジングよりも少なくとも12インチ幅が広い、請求項
2に記載のガラス処理システム。
【請求項4】
前記第1及び第2鋳型がそれぞれ第1及び第2上鋳型を含み、前記ガラス処理システムが前記第1モードで動作するとき、前記曲げステーションが、移動可能
な鋳型支持体に取り付けられるとともに前記第1及び第2上鋳型の下に位置付け可能である下鋳型をさらに含み、前記第1上鋳型が横方向に固定されるように前記第1上鋳型が第1支持体に取り付けられ、前記第2上鋳型が横方向に移動し得るように前記第2上鋳型が第2支持体に取り付けられ、前記下鋳型が前記第1上鋳型の下に位置付けられたときに前記第1上鋳型との前記下鋳型の整列を可能にするように前記下鋳型が前記鋳型支持体に対して移動可能であり、前記下鋳型が前記第2上鋳型の下に位置付けられ前記第2上鋳型が前記下鋳型と整列するために横方向に移動可能であるときに前記下鋳型が前記鋳型支持体に動かないように取り付けられるように構成される、請求項1に記載のガラス処理システム。
【請求項5】
前記第2支持体が、前記第2上鋳型の横方向移動を可能にするために揺動するように構成される、請求項4に記載のガラス処理システム。
【請求項6】
前記第2支持体が少なくとも1つのチェーン又は可撓性部材を含む、請求項5に記載のガラス処理システム。
【請求項7】
前記ガラス処理システムが、前記ガラス板を急冷するための前記曲げステーションに隣接して位置付けられた急冷ステーションをさらに含み、前記曲げステーションが、各ガラス板が前記曲げステーションから前記急冷ステーションへ通過することを可能にするための開口と、開位置と前記開口を覆うための閉位置との間で移動可能なドアとを有し、前記ガラス処理システムが前記第1モードで動作するとき、前記第1及び第2鋳型がそれぞれ第1及び第2上鋳型を含み、前記曲げステーションが、前記ガラス板の第1セットの各ガラス板を前記第1上鋳型に対して引くための前記第1上鋳型と流体連通する真空システムをさらに含み、前記制御システムが、前記第1上鋳型が前記開口より上の上昇位置にあり前記ドアが前記開位置にあるときに前記第1セットの第1ガラス板を前記第1上鋳型に対して少なくとも3秒間保持するように前記真空システムを制御するように構成される、請求項1に記載のガラス処理システム。
【請求項8】
前記ガラス
処理システムが、前記ガラス板を急冷するための前記曲げステーションに隣接して位置付けられた急冷ステーションをさらに含み、前記曲げステーションが搬送の水平面に沿ってガラス板を搬送するためのコンベア配置構成と、各ガラス板が前記曲げステーションから前記急冷ステーションへ通過することを可能にするための開口と、開位置と前記開口を覆うための閉位置との間で移動可能なドアとを含み、前記ガラス処理システムが前記第1モードで動作するとき、前記制御システムが、前記ドアが前記閉位置にあるときに前記
ガラス板の第1セットの任意のガラス板が前記開口と横方向に整列して前記コンベア配置構成に位置付けられるのみであるように前記ガラス板の
前記第1セットを搬送するように前記コンベア配置構成の動作を制御するように構成される、請求項1に記載のガラス
処理システム。
【請求項9】
前記ガラス処理システムが前記第1モードで動作するとき、前記第1及び第2鋳型がそれぞれ第1及び第2上鋳型を含み、前記曲げステーションが、ガラス板の前記第1セットの各ガラス板を前記コンベア
配置構成から離れ前記第1上鋳型に向かって持ち上げるように構成されたリフトシステムをさらに含み、前記制御システムが、前記ドアが前記閉位置にあるときに前記第1セットの第1ガラス板を前記コンベア配置構成から上方へ前記第1上鋳型に向かって持ち上げるために前記リフトシステムを動作させるように構成される、請求項8に記載のガラス処理システム。
【請求項10】
前記曲げステーションが、搬送の水平面に沿って前記ガラス板を搬送するためのコンベア配置構成と、前記コンベア配置構成の下の下室を画定するハウジングと、前記下室の第1及び第2部分を分離する仕切り壁とを含み、前記仕切り壁が、空気が前記第2部分から前記第1部分へ通過するのを妨げるように構成される、請求項1に記載のガラス処理システム。
【請求項11】
前記加熱ステーションが前記加熱ステーションに沿って長手方向に前記ガラス板を搬送するためのコンベア配置構成を含み、前記ガラス処理システムが前記第1モードで動作するとき、前記
ガラス板の第1セットの各ガラス板の中心が前記加熱ステーションの長手方向中心線の第1側に位置付けられるように前記コンベア配置構成が前記ガラス板の
前記第1セットを搬送するように動作可能であり、前記ガラス処理システムが前記第2モードで動作するとき、前記
ガラス板の第2セットの各ガラス板の中心が前記加熱ステーションの前記長手方向中心線の反対側の第2側に位置付けられるように前記コンベア配置構成が前記ガラス板の
前記第2セットを搬送するように動作可能である、請求項1に記載のガラス処理システム。
【請求項12】
前記ガラス処理システムが前記第1モードで動作するとき、前記第1セットの各ガラス板の前記中心が、前記加熱ステーションの前記長手方向中心線の前記第1側で前記加熱ステーションの前記長手方向中心線から少なくとも2インチ離れて位置付けられるように前記コンベア配置構成が前記ガラス板の前記第1セットを搬送するように動作可能であり、前記ガラス処理システムが前記第2モードで動作するとき、前記第2セットの各ガラス板の前記中心が、前記加熱ステーションの前記長手方向中心線の前記第2側で前記加熱ステーションの前記長手方向中心線から少なくとも2インチ離れて位置付けられるように前記コンベア配置構成が前記ガラス板の前記第2セットを搬送するように動作可能である、請求項11に記載のガラス処理システム。
【請求項13】
ガラス処理システムであって
ガラス板を加熱するための加熱ステーションと、
前記加熱されたガラス板を曲げるために前記加熱ステーションの下流に配置された曲げステーションであって、前記曲げステーションが、前記ガラス処理システムが第1モードで動作するときに第1及び第2鋳型を独立して移動させるように、並びに前記ガラス処理システムが第2モードで動作するときに第3鋳型を移動させるように構成された移動配置構成を含む曲げステーションと、
前記ガラス処理システムが前記第1モードで動作するとき前記移動配置構成を前記第1及び第2鋳型を独立して移動させるように、並びに、前記ガラス処理システムが前記第2モードで動作するときに前記第3鋳型を移動させるように制御するためのコントローラと
を含む、ガラス処理システム。
【請求項14】
前記移動配置構成が、前記ガラス処理システムが前記第1モードで動作するとき前記第1及び第2鋳型を独立して持ち上げるように、並びに前記ガラス処理システムが前記第2モードで動作するときに前記第3鋳型を持ち上げるように互いに協働するように構成された第1及び第2独立リフト機構を含む、請求項13に記載のガラス処理システム。
【請求項15】
前記加熱ステーションが加熱ステーションハウジングを有し、前記曲げステーションが、前記ガラス処理システムが前記第1モードで動作するときに前記第1及び第2鋳型を収容するために前記加熱ステーションハウジングより幅が広い曲げステーションハウジングを有する、請求項13に記載のガラス処理システム。
【請求項16】
前記第1及び第2鋳型がそれぞれ第1及び第2上鋳型を含み、前記ガラス処理システムが前記第1モードで動作するとき、前記曲げステーションが、移動可能プレスリング支持体に取り付けられるとともに前記第1及び第2上鋳型の下に位置付け可能であるプレスリングをさらに含み、前記第1上鋳型が横方向に固定されるように前記第1上鋳型が第1支持体に取り付けられ、前記第2上鋳型が横方向に移動し得るように前記第2上鋳型が第2支持体に取り付けられ、前記プレスリングが前記第1上鋳型の下に位置付けられたときに前記第1上鋳型との前記プレスリングの整列を可能にするために前記プレスリングが前記プレスリング支持体に対して移動可能であり、前記プレスリングが前記第2上鋳型の下に位置付けられ前記第2上鋳型が前記プレスリングと整列するように横方向に移動可能であるときに前記プレスリングが前記プレスリング支持体に動かないように取り付けられるように構成される、請求項13に記載のガラス処理システム。
【請求項17】
前記第2支持体が、前記第2上鋳型の横方向移動を可能にするために揺動するように構成される、請求項16に記載のガラス処理システム。
【請求項18】
前記ガラス処理システムが、前記ガラス板を急冷するための前記曲げステーションに隣接して位置付けられた急冷ステーションをさらに含み、前記曲げステーションが、各ガラス板が前記曲げステーションから前記急冷ステーションへ通過することを可能にするための開口と、開位置と前記開口を覆うための閉位置との間で移動可能なドアとを有し、前記ガラス処理システムが前記第1モードで動作するとき、前記第1及び第2鋳型がそれぞれ第1及び第2上鋳型を含み、前記曲げステーションが、前記ガラス板の第1セットの各ガラス板を前記第1上鋳型に対して引くための前記第1上鋳型と流体連通する真空システムをさらに含み、前記コントローラが、前記第1上鋳型が前記開口より上の上昇位置にあるときに前記第1セットの第1ガラス板を前記第1上鋳型に対して、前記ドアが前記開位置にあるときの少なくとも3秒間を含み少なくとも少なくとも5秒間保持するために、前記真空システムを制御するように構成される、請求項13に記載のガラス処理システム。
【請求項19】
前記ガラス
処理システムが、前記ガラス板を急冷するための前記曲げステーションに隣接して位置付けられた急冷ステーションをさらに含み、前記曲げステーションが搬送の水平面に沿って前記ガラス板を搬送するためのコンベア配置構成と、各ガラス板が前記曲げステーションから前記急冷ステーションへ通過することを可能にするための開口と、開位置と前記開口を覆うための閉位置との間で移動可能なドアとを含み、前記ガラス処理システムが前記第1モードで動作するとき、前記ドアが前記閉位置にあるときに前記
ガラス板の第1セットの任意のガラス板が前記開口と横方向に整列して前記コンベア配置構成に位置付けられるのみであるように前記コンベア配置構成が前記ガラス板の
前記第1セットを搬送するように動作可能である、請求項13に記載のガラス
処理システム。
【請求項20】
前記曲げステーションが、前記ガラス板を搬送の平面に沿って搬送するためのコンベア配置構成と、前記コンベア配置構成の下に延在する下室とを含み、前記下室が仕切り壁により分離された第1及び第2部分を含み、前記仕切り壁が空気が前記第2部分から前記第1部分へ通過するのを妨げるように構成される、請求項13に記載のガラス処理システム。
【請求項21】
前記加熱ステーションが、前記ガラス板を搬送の平面に沿って長手方向に搬送するためのコンベア配置構成を含み、前記ガラス処理システムが前記第1モードで動作するとき、前記
ガラス板の第1セットの各ガラス板の中心が前記加熱ステーションの長手方向中心線の第1側に位置付けられるように前記コンベア配置構成が前記ガラス板の
前記第1セットを搬送するように動作可能であり、前記ガラス処理システムが前記第2モードで動作するとき、前記
ガラス板の第2セットの各ガラス板の中心が前記加熱ステーションの前記長手方向中心線の反対側の第2側に位置付けられるように前記コンベア配置構成が前記ガラス板の
前記第2セットを搬送するように動作可能である、請求項13に記載のガラス処理システム。
【請求項22】
前記ガラス処理システムが前記第1モードで動作するとき、前記第1セットの各ガラス板の前記中心が、前記加熱ステーションの前記長手方向中心線の前記第1側で前記加熱ステーションの前記長手方向中心線から少なくとも2インチ離れて位置付けられるように前記コンベア配置構成が前記ガラス板の前記第1セットを搬送するように動作可能であり、前記ガラス処理システムが前記第2モードで動作するとき、前記第2セットの各ガラス板の前記中心が、前記加熱ステーションの前記長手方向中心線の前記第2側で前記加熱ステーションの前記長手方向中心線から少なくとも2インチ離れて位置付けられるように前記コンベア配置構成が前記ガラス板の前記第2セットを搬送するように動作可能である、請求項21に記載のガラス処理システム。
【請求項23】
第1及び第2移動機構を備えた曲げステーションを有するガラス処理システムを使用してガラス板を処理するための方法であって、前記方法が、
前記ガラス処理システムを、前記曲げステーションがそれぞれ前記第1及び第2移動機構に接続された第1及び第2鋳型を含む第1モードで動作させることであって、前記第1モードが、前記第1及び第2鋳型を独立して移動させるために前記移動機構を独立して動作させることを含む、第1モードで動作させることと、
前記ガラス処理システムを、前記曲げステーションが前記第1及び第2移動機構に接続された第3鋳型を含む第2モードで動作させることであって、前記第2モードが、前記第3鋳型を移動させるために前記移動機構を同時に動作させることを含む、第2モードで動作させることと
を含む方法。
【請求項24】
前記第1及び第2鋳型がそれぞれ第1及び第2上鋳型を含み、前記ガラス処理システムが前記第1モードで動作するとき、前記曲げステーションが、移動可能鋳型支持体に取り付けられるとともに前記第1及び第2上鋳型の下に位置付け可能である下鋳型をさらに含む、請求項23に記載の方法。
【請求項25】
前記第3鋳型が第3上鋳型を含み、前記ガラス処理システムが前記第2モードで動作するとき、前記曲げステーションが、移動可能鋳型支持体に取り付けられるとともに前記第3上鋳型の下に位置付け可能である下鋳型をさらに含む、請求項23に記載の方法。
【請求項26】
前記第1及び第2鋳型がそれぞれ第1及び第2上鋳型を含み、
前記ガラス処理システムが前記第1モードで動作するとき、前記曲げステーションが、移動可能鋳型支持体に取り付けられる下鋳型をさらに含み、前記移動可能鋳型支持体が、前記下鋳型を前記第1上鋳型の下の位置から前記第2上鋳型の下の位置へと移動させるように横方向に移動可能であり、それにより、前記下鋳型が前記第1上鋳型から横方向に離間して配置される、請求項1に記載のガラス処理システム。
【請求項27】
前記ガラス処理システムが前記第1モードで動作するとき、前記第1移動機構が、前記第1上鋳型をコンベアシステム上のガラス板に近接して位置付け、それにより、前記ガラス板を前記第1上鋳型に移すことが可能となるように動作可能であり、前記鋳型支持体が、前記下鋳型を前記第1上鋳型の下の前記位置へと移動させて前記第1上鋳型から前記ガラス板を受け取るように横方向に移動可能であり、前記鋳型支持体が、その後、前記下鋳型及び前記ガラス板を前記第2上鋳型の下の前記位置へと移動させるように横方向に移動可能であり、前記第2移動機構が、前記第2上鋳型を前記下鋳型に向けて移動させることで前記第2上鋳型と前記下鋳型との間で前記ガラス板をプレス成形するように動作可能である、請求項26に記載のガラス処理システム。
【請求項28】
前記ガラス処理システムが前記第1モードで動作するとき、前記鋳型支持体が、前記下鋳型を前記第1上鋳型の下の前記位置へと移動させて前記第1上鋳型からガラス板を受け取るように横方向に移動可能であり、前記鋳型支持体が、その後、前記下鋳型及び前記ガラス板を前記第2上鋳型の下の前記位置へと移動させるように横方向に移動可能である、請求項26に記載のガラス処理システム。
【請求項29】
前記ガラス処理システムが前記第1モードで動作するとき、前記第2移動機構が、前記下鋳型が前記第2上鋳型の下の前記位置にあるときに前記第2上鋳型を前記下鋳型に向けて移動させることで前記第2上鋳型と前記下鋳型との間で前記ガラス板をプレス成形するように動作可能である、請求項28に記載のガラス処理システム。
【請求項30】
前記第1、第2及び第3鋳型がそれぞれ第1、第2及び第3上鋳型を含み、
前記ガラス処理システムが前記第1モードで動作するとき、前記第1上鋳型が前記第1移動機構に接続され、前記第2上鋳型が前記第2移動機構に接続され、前記曲げステーションが、移動可能鋳型支持体に取り付けられる下鋳型をさらに含み、前記移動可能鋳型支持体が、前記下鋳型を前記第1上鋳型の下の位置から前記第2上鋳型の下の位置へと移動させるように横方向に移動可能であり、
前記ガラス処理システムが前記第2モードで動作するとき、前記第3鋳型が前記第1及び第2移動機構に接続される、請求項1に記載のガラス処理システム。
【請求項31】
各移動機構がアクチュエータを含む、請求項1に記載のガラス処理システム。
【請求項32】
前記第1及び第2鋳型がそれぞれ第1及び第2上鋳型を含み、前記ガラス処理システムが前記第1モードで動作するとき、前記第1及び第2上鋳型が各々前記移動配置構成に接続され、それにより、前記第1及び第2上鋳型が独立して移動可能となり、前記曲げステーションが、移動可能鋳型支持体に取り付けられる下鋳型をさらに含み、前記移動可能鋳型支持体が、前記下鋳型を前記第1上鋳型の下の位置から前記第2上鋳型の下の位置へと移動させるように横方向に移動可能であり、それにより、前記下鋳型が前記第1上鋳型から横方向に離間して配置される、請求項13に記載のガラス処理システム。
【請求項33】
前記第1及び第2鋳型がそれぞれ第1及び第2上鋳型を含み、前記ガラス処理システムが前記第1モードで動作するとき、前記曲げステーションが、移動可能鋳型支持体に取り付けられる下鋳型をさらに含み、前記移動可能鋳型支持体が、前記下鋳型を前記第1上鋳型の下の位置から前記第2上鋳型の下の位置へと移動させるように横方向に移動可能であり、それにより、前記下鋳型が前記第1上鋳型から横方向に離間して配置される、請求項23に記載の方法。
【請求項34】
前記第3鋳型が第3上鋳型を含み、前記ガラス処理システムが前記第2モードで動作するとき、前記曲げステーションが、前記移動可能鋳型支持体に取り付けられるとともに前記第3上鋳型の下に位置付け可能な追加の下鋳型をさらに含む、請求項33に記載の方法。
【請求項35】
前記ガラス処理システムを前記第1モードで動作させることが、前記第1移動機構を使用して前記第1上鋳型をコンベアシステム上のガラス板に近接して位置付けることと、前記第1移動機構を使用して前記第1上鋳型を前記ガラス板とともに上昇させることと、前記下鋳型を前記第1上鋳型の下の前記位置に移動させることと、前記ガラス板を前記第1上鋳型から前記下鋳型に移すことと、その後、前記第2上鋳型の下の前記位置へと前記下鋳型を横方向に移動させることと、前記第2移動機構を使用して前記第2上鋳型と前記下鋳型との間で前記ガラス板をプレス成形することと、を含む、請求項33に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
技術分野
本開示は、ガラス板を曲げるためのガラス処理システムに関する。
【背景技術】
【0002】
背景
ガラス板を処理するための先行技術のシステムが米国特許第7,958,750号及び同第9,452,948号において開示されている。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0003】
概要
本開示によるガラス処理システムは、ガラス板を加熱するための加熱ステーションと、加熱されたガラス板を曲げるために加熱ステーションの下流に配置された曲げステーションとを含み得る。曲げステーションは、ガラス処理システムが第1モードで動作するときに第1及び第2鋳型を独立して移動させるように、並びにガラス処理システムが第2モードで動作するときに第3鋳型を協働して移動させるように構成された第1及び第2独立移動機構を含み得る。システムは、移動機構を制御するための制御システムであって、ガラス処理システムが第1モードで動作するときにそれら移動機構が独立して動作するように、及びガラス処理システムが第2モードで動作するときにそれら移動機構が同時に動作するように移動機構を制御するための制御システムをさらに含む。
【0004】
本開示の少なくとも1つの実施形態によるガラス処理システムは、ガラス板を加熱するための加熱ステーションと、加熱されたガラス板を曲げるために加熱ステーションの下流に配置された曲げステーションとを含み得る。曲げステーションは、ガラス処理システムが第1モードで動作するときに第1及び第2鋳型を独立して移動させるように、並びにガラス処理システムが第2モードで動作するときに第3鋳型を移動させるように構成された移動配置構成を含み得る。システムは、ガラス処理システムが第1モードで動作するとき移動配置構成を第1及び第2鋳型を独立して移動させるように、並びに、ガラス処理システムが第2モードで動作するときに第3鋳型を移動させるように制御するためのコントローラをさらに含む。
【0005】
方法がまた、第1及び第2移動機構を備えた曲げステーションを有するガラス処理システムを使用してガラス板を処理するために提供される。方法は、ガラス処理システムを、曲げステーションがそれぞれ第1及び第2移動機構に接続された第1及び第2鋳型を含む第1モードで動作させることと、ガラス処理システムを、曲げステーションが第1及び第2移動機構に接続された第3鋳型を含む第2モードで動作させることとを含み得る。第1モードは、第1及び第2鋳型を独立して移動させるために移動機構を独立して動作させることを含み、第2モードは、第3鋳型を移動させるために移動機構を同時に動作させることを含む。
【0006】
例示的な実施形態が図示及び開示されたが、そのような開示は特許請求の範囲を限定するものとして解釈されるべきではない。様々な修正及び代替的設計が本発明の範囲から逸脱すること無しになされ得ることが予測される。
【図面の簡単な説明】
【0007】
図面の簡単な説明
【
図1】ガラス板を加熱するための加熱ステーションと、各加熱されたガラス板を望ましい形状へと形成又は曲げるための形成又は曲げステーションと、各ガラス板を冷却するように構成された冷却ステーションと、加熱ステーション、曲げステーション及び冷却ステーションの動作を制御するための制御システムとを含む本開示によるガラス処理システムの概略上面図である。
【
図2】曲げステーションが第1及び第2上鋳型を含む第1動作モードにおいて示された
図1のガラス処理システムの概略上面図である。
【
図3】線3-3に沿った、矢印の方向に沿ってみたときの
図2のガラス処理システムの概略図であり、第1上鋳型が、曲げステーションのコンベアシステムからガラス板を受けるために低下位置において示され、第2上鋳型が上昇位置において示されている。
【
図4】第1上鋳型を中間位置において示す
図3と同様の概略図であり、下鋳型が、第1上鋳型からのガラス板を受けるために第1上鋳型の下に位置付けられている。
【
図5】下鋳型が第2上鋳型の下に位置付けられ、第2上鋳型がガラス板を第2上鋳型と下鋳型との間で押圧するために低下位置に移動させられた状態を示す
図3と同様の概略図であり、第1上鋳型が、曲げステーションのコンベアシステムから第2ガラス板を受けるために低下位置において示されている。
【
図6】第2上鋳型が中間位置にあり、送達鋳型が、第2上鋳型から形成されたガラス板を受けるために第2上鋳型の下に位置付けられた状態を示す
図3と同様の概略図であり、第1上鋳型が、第2ガラス板が第1上鋳型に対して保持された状態で上昇位置において示されている。
【
図7】曲げステーションが第3上鋳型と呼ばれ得る単一の上鋳型を含む第2動作モードにおいて示された
図1のガラス処理システムの概略上面図である。
【
図8】線8-8に沿った、矢印の方向に沿ってみたときの
図7のガラス処理システムの概略図であり、第3上鋳型が、曲げステーションのコンベアシステムからガラス板を受けるために低下位置において示されている。
【
図9】第3上鋳型の下に位置付けられた下鋳型を示す
図8と同様の概略図であり、第3上鋳型は、ガラス板を第3上鋳型と下鋳型との間で押圧するための中間位置において示されている。
【
図10】送達鋳型が、第3上鋳型から形成されたガラス板を受けるために第3上鋳型の下に位置付けられた
図8と同様の概略図である。
【
図11】第1モードにおけるガラス処理システムの様々なコンポーネントの動作を示す複数のグラフを含むタイミングチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0008】
詳細な説明
必要に応じて本発明の詳細な実施形態が本明細書において開示されるが、しかしながら、本開示された実施形態は様々な及び代替的な形で実現され得る本発明の例に過ぎないことを理解されたい。図は必ずしも縮尺通りでなく、いくつかの特徴は特定のコンポーネントの詳細を示すために誇張されることも又は最小限に評価されることもある。したがって本明細書において開示された特定の構造的及び機能的詳細は、限定として解釈されるものではなく、単に本発明を様々に用いるために当業者に教示するための代表的な基本原理として解釈されるものである。
【0009】
図1を参照すると、ガラス板G、G’を処理するためのガラス処理システム10が示されている。システム10は、ガラス板G、G’を加熱するための加熱装置又はステーション、例えば炉12と、各加熱されたガラス板G、G’を望ましい形状へと形成する又は曲げるための形成又は曲げステーション14と、各ガラス板G、G’を冷却するように構成された冷却ステーション、例えば焼きなましステーション又は急冷ステーション16と、炉12、曲げステーション14及び急冷ステーション16の動作を制御するための制御システム18とを含む。以下で詳細に説明されるとおり、ガラス処理システム10は少なくとも第1及び第2モードで動作するように構成され、曲げステーション14は有利には、動作のモードに依存して異なる成形又は曲げ動作を実施するための異なる工具又は鋳型と共に動作するように構成される。
【0010】
炉12はガラス板G、G’を加熱するための任意の好適な構成を有し得る。例えば、炉12は、コンベア配置構成又はコンベアシステム20より上及び/又は下に位置付けられた任意の好適な加熱要素(図示せず)を備えたハウジング19を含んでもよく(
図1でハウジング19は炉12の長さ全体に延在し得るコンベアシステム20の2つのロール又はローラを示すために切り開かれている)、コンベア配置構成又はコンベアシステム20はガラス板G、G’を炉12を通じた搬送の水平面Cに沿って搬送するために使用され得る。より詳細な例として加熱要素は放射熱要素、例えば電気ヒータ、及び/又は対流加熱要素、例えば高温ガス又は高温空気分配器を含み得る。コンベアシステム20は、参照により本明細書に組み込まれる米国特許第3,806,312号McMaster、同第3,934,970号McMasterら、同第3,947,242号McMasterら、及び同第3,994,711号McMasterらにより開示されたもののようなローラを含むローラコンベアタイプであってもよい。
【0011】
曲げステーション14は炉12の下流に配置されるとともに、以下でさらに詳細に説明されるとおりの曲げ動作を実施するための1つ又は複数の工具又は鋳型を受け入れるためのハウジング23を含む。
図1に示されるとおり、以下でさらに詳細に説明されるとおり、曲げステーション14のハウジング23は炉12のハウジング19に対してオフセットされるとともに、様々な工具又は鋳型を収容するためにハウジング19より幅が広い(例えば少なくとも12又は15インチ幅が広い)。曲げステーション14は、加熱されたガラス板G、G’を炉12から受け入れるための及び加熱されたガラス板G、G’を曲げステーション14内で搬送の水平面Cに沿って搬送するための、個別のコンベアシステムであっても又はコンベアシステム20の一部であってもよいコンベア配置構成又はコンベアシステム24をさらに含む。ハウジング23は、コンベアシステム24のロール又はローラを示すために
図1において切り開かれており、コンベアシステム24のロール又はローラは、炉12から曲げステーション14に受け入れられた任意の工具又は鋳型の下流縁へ延在し得る。加えて曲げステーション14は、特定の動作のモードと関連する特定の曲げ動作の間に1つ又は複数の工具又は鋳型を移動させるための移動配置構成、例えばリフト配置構成25を含む。例えば、上で言及された動作の第1モードは多段階(例えば三段階)曲げ動作を含んでもよく、上で言及された動作の第2モードは一段階の曲げ動作を含んでもよい。
【0012】
図2及び3を参照すると、動作の第1モードは曲げステーション14におけるそれぞれ第1及び第2鋳型、26及び28の使用を伴い得、リフト配置構成25は、当該第1モードにおいて第1及び第2鋳型を独立して移動させる(例えば上昇及び/又は低下させる)ように構成され得る。
図7及び8を参照すると、動作の第2モードは曲げステーション14における単一の型、例えば第3鋳型30の使用を伴い得、リフト配置構成25は、動作の第2モードにおいて第3鋳型30を移動させる(例えば上昇及び低下させる)ように構成され得る。
【0013】
図3に戻ると、曲げステーション14のリフト配置構成25は、ガラス処理システム10が第1モードで動作するときにそれぞれ第1及び第2鋳型26及び28を独立して移動させる(例えば上昇させる及び/又は低下させる)ように構成されたそれぞれ第1及び第2独立移動機構、例えば第1及び第2リフト機構32及び34を含み得る。
図8を参照すると、第1及び第2リフト機構32及び34はそれぞれ、ガラス処理システム10が第2モードで動作するときに第3鋳型30を協働して移動させ得る(例えば上昇させる)。リフト機構32及び34は各々任意の好適なリフト機構、例えばアクチュエータであり得る。さらに、制御システム18はリフト機構32及び34を、ガラス処理システム10が第1モードで動作するときにそれら移動機構が独立して動作するように、及び、ガラス処理システム10が第2モードで動作するときにそれら移動機構が同時に動作するように制御するように構成され得る。
【0014】
図3を参照すると、ガラス処理システム10が第1モードで動作するとき、第1及び第2鋳型26及び28はそれぞれ、それぞれ第1及び第2接続部又は駆動部材36及び38で第1及び第2リフト機構32及び34にそれぞれ接続されるそれぞれ第1及び第2上鋳型であってもよい。図示の実施形態において第1鋳型26は、第1鋳型26が横方向に固定されるように1つ又は複数の第1支持体39に取り付けられ、第2鋳型28は、第2鋳型28を横方向に移動させることを可能にする1つ又は複数の第2支持体40に取り付けられる。例えば、第1支持体39は、第1鋳型26の垂直移動を案内するとともに第1鋳型26の横方向移動を妨げる剛性案内部、例えば柱又はロッドであってもよい。対照的に、第2支持体40は、第2鋳型28の横方向移動を可能にするために揺動するように構成され得る。例えば、第2支持体40は各々可撓性部材(例えばチェーン、ケーブル、ストラップなど)又は他の移動可能部材を含み得る。第2鋳型28と第2リフト機構34との間の接続部38も同様に第2鋳型28の横方向移動を可能にするために可撓性であってもよい。
【0015】
第1モードで動作するとき、ガラス処理システム10は、移動可能鋳型支持体、例えばプレスリングシャトル又は支持体43に取り付けられるとともに、それぞれ第1及び第2鋳型26及び28の下に位置付けられる下鋳型、例えばプレスリング42をさらに含み得る。プレスリング支持体43は、プレスリング支持体43及びプレスリング42を曲げステーション14のハウジング23に出入りするように移動させるように動作可能なアクチュエータ44にさらに接続される。図示の実施形態において、プレスリング42は、プレスリング42が第1鋳型26の下に位置付けられ、第1鋳型26がプレスリング42に向かって移動させられるときに第1鋳型26とのプレスリング42の整列を可能にするために、プレスリング支持体43から係止解除可能、解放可能若しくは取り外し可能である(例えば締めることが可能ではない)、及び/又は、プレスリング支持体43に対して移動可能(例えば摺動可能)である。さらに、プレスリング42は、プレスリング42が第2鋳型28の下に位置付けられ、第2鋳型28がプレスリング42と整列するために横方向に移動可能であるときに、プレスリング支持体43に動かないように取り付けられるか係止される(例えば締め付けられる)ように構成される。例えば、プレスリング42及び/又はプレスリング支持体43は、プレスリング42を(例えば電動アクチュエータにより)プレスリング支持体43に固定するように動作可能な1つ又は複数の好適な係止デバイス、例えば枢動可能ロック又はクランプを含んでもよく、それらはプレスリング支持体43に対するプレスリング42の移動を可能にするために係止解除可能又は解放可能である。例示的な動作可能係止又は締付デバイスが、その全体が参照により本明細書に援用される米国特許第5,900,034号において開示されている。さらに、第1及び第2鋳型26及び28それぞれ及びプレスリング42の好適な構成の追加的な詳細及び他の詳細が、その全体が参照により本明細書に援用される米国特許第9,452,948号において見出され得る。
【0016】
図8を参照すると、ガラス処理システム10が第2モードで動作するとき、第3鋳型30は、接続部又は駆動部材45でリフト機構32及び34の両方に取り付けられた上鋳型であり得る。さらに、上で言及したとおり、制御システム18はリフト機構32及び34の動作を、それらリフト機構32及び34が第3鋳型30を上方又は下方へ移動させるために同時に動作するように制御し得る。
【0017】
同様に、第2モードでの動作時、ガラス処理システム10は、移動可能鋳型支持体、例えばプレスリングシャトル又は支持体43’に取り付けられるとともに第3鋳型30の下に位置付け可能な下鋳型、例えばプレスリング42’をさらに含み得る。処理される鋳型及び/又はガラス板の構成に依存してプレスリング42’はプレスリング42と同じであっても又は異なっていてもよく、及び/又はプレスリング支持体43’はプレスリング支持体43と同じであっても又は異なっていてもよい。さらに、ガラス処理システム10は、曲げステーション14に接続されるとともに、プレスリングを高温に保つためにプレスリングが曲げステーション14に位置付けられていないときにプレスリング42又は42’を受けるように構成された加熱された領域、例えば高温ステーション又はボックス46を含み得る。
【0018】
加えて、
図3及び8を参照すると、曲げステーション14は、真空システム48であって、加熱されたガラス板G、G’をコンベアシステム24又は他のコンポーネントから出るように及び鋳型の1つ又は複数に対して引くように、及び/又は加熱されたガラス板を鋳型26、28及び30に対して保持するように、制御システム18と連通するとともに鋳型26、28及び30と協働するように構成された真空システム48を含み得る。例えば、曲げステーション14が第1モードで動作しているとき、真空システム48の真空源50は第1鋳型26と流体連通していることができ、空気を第1鋳型26の鋳型表面に形成された穴を通じて吸い込むことにより、ガラス板Gをコンベアシステム24から上方へ及び第1鋳型26の鋳型表面に向かって引くために、及び/又はガラス板Gを第1鋳型26の鋳型表面に対して保持するために、制御システム18は真空システム48を制御するように構成され得る。同様に、曲げステーション14が第2モードで動作しているとき、真空源50は第3鋳型30と流体連通していることができ、制御システム18は、第3鋳型30の鋳型表面に形成された孔を通じて空気を吸い込むことにより、ガラス板G’をコンベアシステム24から上方へ及び第3鋳型30の鋳型表面に向かって引くために、及び/又はガラス板G’を第3鋳型30の鋳型表面に対して保持するために、真空システム48を制御するように構成され得る。
【0019】
曲げステーション14は、コンベアシステム24の下に位置付けられるとともに、コンベアシステム24から離れるように及び鋳型の1つ又は複数に向かって又は鋳型の1つ又は複数に対してガラス板G、G’を上昇させることを円滑にするように構成されたガスリフトジェット配列54を有するリフトデバイス又はシステム52をさらに含み得る。例えば、曲げステーション14が第1モードで動作しているとき、リフトジェット配列54は曲げステーション14の左側又は縁に近接して位置付けられ得るとともに、ガラス板Gをコンベアシステム24から上方へ及び第1鋳型26に向かって上昇させるために複数の、間を空けて配されたリフトジェット出口又はガスジェット出口56、例えばノズル、スパウト、又はポンプを通じて加圧ガス(例えば空気)ジェットを提供するように構成され得る。同様に、曲げステーション14が第2モードで動作しているとき、リフトジェット配列54は曲げステーション14の中央部分に近接して位置付けられ得るとともに、ガラス板G’をコンベアシステム24から上方へ及び第3鋳型30に向かって上昇させるために加圧ガスジェットを提供するように構成され得る。
【0020】
リフトシステム52は、ガラス板をコンベアシステム24から鋳型26又は30のうちの1つへ移すための主システム又は機構であってもよく、真空システム48はこのとき各ガラス板を特定の鋳型に対して保持するために機能し得る。別の実施形態において、真空システム48は、ガラス板をコンベアシステム24から鋳型26又は30のうちの1つに移すための、並びにまた各ガラス板を特定の鋳型に対して保持するための主システム又は機構であってもよい。
【0021】
リフトシステム52は、例えば鋳型構成及び/又は曲げられることになるガラス板に依存して各動作モードについて同じであっても又は異なっていてもよい。例えば、動作の第2モードで処理されることになるガラス板G’が動作の第1モードで処理されることになるガラス板Gより大きい場合、リフトジェット配列54は、動作の第1モードにおいてと比較して動作の第2モードにおいてより大きくてもよい。しかしながら、リフトジェット配列54が動作の各モードについて同じであったとしても、リフトジェット配列54の位置は動作のモード間で異なり得る。その関連で、リフトジェット配列54は、ガラス処理システム10が第1モードで動作するとき第1上鋳型26の下に(例えば曲げステーション14の左側に近接して)配置されてもよく、ガラス処理システム10が第2モードで動作するとき第3鋳型30の下に(例えば曲げステーション14の中央部分に近接して)配置されてもよい。
【0022】
さらに、
図3及び8を参照すると、リフトジェット配列54は、コンベア配置構成24の下に延在する曲げステーション14の下室58の第1部分57に位置付けられてもよい。曲げステーション14のハウジング23は、下室58、及び鋳型26、28、30を受け入れるための上室を画定する。曲げステーション14は、下室58の第1部分57を下室58の第2部分60から分離する仕切り壁59をさらに含んでもよく、この第2部分60は急冷ステーション16に隣接して位置付けられる。仕切り壁59は、ガラス板が曲げステーション14から出るように移動するときに第1部分57が高温のままであり得るように空気が第2部分60から第1部分57へ通過することを妨げるように構成される。曲げステーション14は、第2部分60に入り得る比較的冷たい空気を加熱するために第2部分60に位置付けられた1つ若しくは複数の加熱デバイス61a、例えば1つ若しくは複数のガスバーナ若しくは放射熱要素、及び/又は、第1部分57が高温に維持されることを確実にするために第1部分57に位置付けられた(例えば仕切り壁59に取り付けられた)1つ若しくは複数の加熱デバイス61b、例えば1つ若しくは複数のガスバーナ又は放射熱要素をさらに含み得る。加えて、曲げステーション14は、プレスリングが第2鋳型28又は第3鋳型30の下に位置付けられるときにプレスリング支持体
43、43’及び/又はプレスリング42、42’を支持し得る1つ又は複数の支持体62、62’、例えばスタンプを含み得る。下室58と関連する上述の特徴は
図3及び8においてのみ示されているが、これらの特徴はまた
図4~6、9及び10に含まれてもよい。
【0023】
加えて、ガラス処理システム10は、曲げステーション14が第1モードで動作しているときに曲げステーション14から急冷ステーション16へ送達するために第2鋳型28から形成されたガラス板Gを受け取る、又は曲げステーション14が第2モードで動作しているときに曲げステーション14から急冷ステーション16へ送達するために形成されたガラス板G’を第3鋳型30から受け取る送達鋳型、例えば急冷リング64を含み得る。急冷リング64は、急冷リング64を曲げステーション14と急冷ステーション16との間で移動させるためのアクチュエータ66に接続された移動可能鋳型支持体、例えば急冷リングシャトル又は支持体65に取り付けられ得る。さらに、例えば、急冷リング64及び/又は急冷リング支持体65は各動作モードについて同じであってもよく、又は鋳型構成及び/又はガラス板構成に依存して異なっていてもよい。曲げステーション14はまた、曲げステーション14から急冷リング64上で急冷ステーション16へ通過するのを可能にするためのハウジング23に形成された開口68と、開口68を覆うために開位置と閉位置との間で移動可能なドア70とを有する。
【0024】
図1、3及び8を参照すると、急冷ステーション16は曲げステーション14に隣接して位置付けられ、曲げた後にガラス板G、G’を急冷するための任意の好適な構成を有し得る。例えば、急冷ステーション16は、
図3及び8に示されるとおりそれぞれ下及び上急冷ヘッド72及び74を含み得る。急冷ヘッド72及び74は各動作モードについて同じであってもよく、又は異なってもよい。例えば、急冷ヘッド72及び74は各々、各動作モードについて形成されたガラス板の大きさ及び/又は形状に基づき特定の大きさ及び/又は形状を有し得る。
図1に示されるとおり、ガラス処理システム10は、各ガラス板をさらに冷却するためにそれぞれ第1及び第2噴出ステーション76及び78などそれぞれ1つ又は複数の追加的な冷却ステーションをさらに含んでもよい。
【0025】
制御システム18は上記のコンポーネントの動作を制御するための任意の好適な構成を有し得る。例えば、制御システム18は、システム10の様々なコンポーネントに(直接的に又は無線で)接続された1つ又は複数の制御ユニット又はコントローラを含み得る。図示の実施形態において制御システム18は、制御ユニット又はコントローラ80であって、ガラス処理システム10の様々なコンポーネント、例えば炉12の加熱要素、コンベアシステム20、コンベアシステム24、第1リフト機構32、第2リフト機構34、アクチュエータ44及び66、真空システム48、リフトシステム52並びに急冷ステーション16との接続のための接続部82の束を有する制御ユニット又はコントローラ80を含む。さらに、コントローラ80は、適切な電気回路、例えば1つ又は複数の適切にプログラムされたプロセッサ(例えば、中央処理装置(CPU)を含む1つ又は複数のマイクロプロセッサ)及び関連するメモリを含んでもよく、電気回路は、当該電気回路の動作を制御するための並びに、互いの間の相互作用及び/又は互いとの協働を含む本明細書において説明された様々な機能及び/又は動作により表された特定のアルゴリズムを実施するための、プロセッサにより実行可能な格納されたOSソフトウェア及び/又はアプリケーションソフトウェアを含み得る。そのようなプロセッサの1つ又は複数、並びに他の電気回路及び/又はハードウェアは、別個にパッケージされるかSoC(システムオンチップ)に組み込まれるか、単一のASIC(特定用途向け集積回路)に含まれてもよく、又はいくつかのプロセッサ並びに様々な電気回路及び/又はハードウェアは、いくつかの個別のコンポーネント間で分配されてもよい。接続部82に代わり、コントローラ80は代わりに、上記コンポーネントの1つ又は複数に無線で接続されてもよい。さらに、コントローラ80は、互いと連通するように構成された複数の制御ユニット又はコントローラを含んでもよい。
【0026】
ガラス処理システム10の動作がここで図面を参照してより詳細に説明される。上で言及したとおり、ガラス処理システム10は少なくとも第1及び第2モードで動作するように構成される。さらに、第1及び第2モードはそれぞれガラス板の第1及び第2セットを処理するために使用されてもよく、ガラス板の第1及び第2セットは異なっていてもよく(例えば異なるガラス板サイズ及び/又は形状)、及び/又は望ましい処理構成がセット間で異なってもよい。
【0027】
図1~6を参照すると、第1モードでのガラス処理システム10の動作が第1に説明される。
図1に示されるとおり、及び上で言及したとおり、曲げステーション14は炉12に対してオフセットされ得る。例えば、曲げステーション14のハウジング23の左側は炉12のハウジング19の最も左の側と略整列していてもよく、曲げステーション14のハウジング23の右側は、炉12のハウジング19の最も右の側の右へ10~20インチ(例えば13~15インチ、又は少なくとも12インチ)延在してもよい。同様に、第1及び第2鋳型26及び28はそれぞれ、
図2に示されるとおり、炉12の長手方向中心線84に対してオフセットされ得る。例えば、第1鋳型26の中心線86は、炉中心線84の左へ少なくとも2又は6インチ(例えば約12 3/4インチ)のところに位置付けられてもよく、第2上鋳型28の中心線88は、炉中心線84の右に少なくとも12又は16インチ(例えば約21 3/4インチ)のところに位置付けられてもよい。このような構成で、第1モードでガラス処理システム10を動作させる方法は、ガラス板の第1セットの各ガラス板Gの中心が炉12の中心線84の第1側(例えば
図2に示された実施形態において左側)に位置付けられるようにガラス板Gの第1セットを炉12を通じてコンベアシステム20に沿って搬送することを含み得る。例えば、第1セットの各ガラス板Gの中心が第1側で炉12の中心線84から少なくとも2インチ離れるように位置付けられるように、及び/又は第1セットの各ガラス板Gが炉12の使用可能空間の左縁に近接して位置付けられるように、制御システム18はコンベアシステム20の動作を、ガラス板の第1セットを炉12を通じて搬送するように、制御し得る。別の例として、コンベアシステム20は、第1セットの各ガラス板Gの中心が第1鋳型26の中心線86と整列させられるようにガラス板の第1セットを炉12を通じて搬送するように動作し得る。さらに、搬送中、第1セットの各ガラス板Gは曲げステーション14に入る前に十分に加熱され得る。
【0028】
図3を参照すると、第1セットの特定のガラス板Gが曲げステーション14においてガスジェット配列54より上に位置付けられると、第1鋳型26が第1リフト機構32によりコンベアシステム24上のガラス板G(
図3において想像線で示されている)に近接した位置へ移動させられた(例えば低下させられた)状態で、ガスジェット配列54は、第1鋳型26に対するガラス板G(
図3においてガラス板Gは第1鋳型26に対して実線で示されている)の初期形成のために、ガラス板Gをコンベアシステム24から離れるように、並びに第1鋳型26の鋳型表面に向かって及び第1鋳型26の鋳型表面に対して上昇するように動作し得る。真空システム48はまた、ガラス板Gを鋳型表面に向かって引くのを支援するため、及び/又はガラス板を鋳型表面に対して保持するために、第1鋳型26の鋳型表面で真空を作り出すように動作し得る。第1鋳型26の鋳型表面は直線要素(例えば横方向に延在する直線要素)を有してもよいとともに、例えば、米国特許第9,452,948号に開示された部分的円筒形状又は部分的円すい形状を備えて形成されてもよい。
【0029】
図4を参照すると、第1鋳型26は次いで、プレスリング42がアクチュエータ44により第1上鋳型26の下の位置へ移動させられ得るように第1リフト機構32により中間位置へ上昇させられ得る。第1上鋳型26は次いで、必要な場合、例えば重力による垂下によりガラス板Gのさらなる形成がプレスリング42で生じ得るようにガラス板Gが第1上鋳型26からプレスリング42へ移動させられ得るように、第1リフト機構32によりわずかに低下させられ得る。ガラス板は
図4において第1鋳型26に対して実線で示されており、プレスリング42へ移されたものは想像線で示されている。上で言及したとおり、プレスリング42が第1鋳型26の下に位置付けられ、第1鋳型26がプレスリング42に向かって移動させられるときに第1鋳型26とのプレスリング42の整列を可能にするために、プレスリング42はプレスリング支持体43から係止解除可能(例えば締めることが可能ではない)であってよく、及び/又は、プレスリング支持体43に対して移動可能(例えば摺動可能)であってもよい。
【0030】
次に、
図5を参照すると、プレスリング42は、ガラス板Gが第2鋳型28とプレスリング42との間でプレス成形され得るようにアクチュエータ44により第2鋳型28の下の位置へ横方向に移動させられ得る。プレス成形する前に、プレスリング42は、プレスリング42がプレスリング支持体43に対して移動しないようにプレスリング支持体43に再係止され得る。プレス成形中、第2鋳型28がプレスリング42と整列し得るように、上で言及された第2支持体40の構成を原因として、第2リフト機構34は第2上鋳型28をプレスリング42に向かって移動させるように動作し、第2鋳型28は横方向に移動し得る。さらに、ガラス板Gが比較的複雑な3D形状を備えて形成されるように、第2鋳型28は任意の好適な構成、例えば凸状表面構成を備えた鋳型表面を有し得る。加えて、真空システム48はプレス成形中、第2鋳型28に対するガラス板Gの成形を円滑にするように動作し得る。
【0031】
プレス成形中、第1鋳型26はまた、コンベアシステム24から第1セットの別の(例えば第2の)ガラス板Gを受けるために、第1リフト機構32によりその低下位置まで低下させられ得る(第2ガラス板Gはコンベアシステム24上で想像線で、第1鋳型26に対して実線で示される)。第1鋳型26は次いで、プレス成形されたガラス板Gが曲げステーション14を出ることを可能にするためにドア70が開位置に移動させられる前に、第2ガラス板Gと共に上昇位置へ移動させられ得る。
【0032】
図6を参照すると、第2鋳型28は次いで、プレスリング42が高温ボックス46へ戻され得るように、並びに、第2鋳型28からプレス成形されたガラス板Gを受けるために急冷リング64がアクチュエータ66により第2鋳型28の下の位置へ移動させられ得るように、第2リフト機構34により十分に上昇させられ得る。第2鋳型28は次いで、必要な場合、プレス成形されたガラス板Gを急冷リング64へ移すためにわずかに低下させられ得る(プレス成形されたガラス板Gは第2鋳型28に対して実線で示され、急冷リング64へ移されたものは想像線で示されている)。真空システム48はまた、第2鋳型28が上昇させられるとガラス板が保持鋳型表面に対して保持され得るように第2鋳型28の鋳型表面で真空引きを行うように動作してもよく、次いで、真空システム48は、第2鋳型28が急冷リング64に近接した位置へ低下させられた後でガラス板を第2鋳型28から急冷リング64へ移すために動作を停止させられ得る。
【0033】
同様に
図6に示されているとおり、第1鋳型26が第2ガラス板Gと共に上昇位置へ移動させられた後で、第1鋳型26は、ドア70が開位置にあり急冷リング64が曲げステーション14に入る及び出るように移動させられるときに、ハウジング23において形成された開口68より上にある上昇位置において保持される。結果として、真空システム48により第1鋳型26に対して保持されている第2ガラス板Gは、第2ガラス板Gが熱的に保護される(例えば第2ガラス板Gの任意の偶然の冷却が最小化され得るか阻止され得る)ように、ドア70が開位置にあるときに曲げステーション14の上部分に位置付けられてもよい。例えば、制御システム18は、真空システム48を、第1鋳型26が上昇位置にありドア70が開位置にあるときに少なくとも3、4、5、6、又は7秒間、第2ガラス板Gを第1鋳型26に対して保持するように制御するように構成され得る。第1鋳型26はまた、ドア70が開位置にある時間よりも長い時間の間、第2ガラス板Gと共に上昇位置に保持され得る。例えば、ドア70は、少なくとも3秒(例えば3~5秒)開位置にあってもよく、第1鋳型26及び第2ガラス板Gは、ドア70が開位置にあるときの時間を含み少なくとも5秒(例えば5~8秒)上昇位置に保持されてもよい。さらに、ガラス処理システム10が第1モードで動作するとき、ドア70が閉位置にあるときに第1セットの任意のガラス板が開口68と横方向に整列してコンベア配置構成24上に位置付けられるのみであるようにガラス板Gの第1セットはコンベア配置構成24上を搬送され得る。
【0034】
図6をなお参照すると、ガラス板Gが急冷リング64へ移された後、急冷リング64は次いで、ガラス板Gの急冷のために曲げステーション14を出て急冷ステーション16に入るように横方向に移動させられ得る。例えば、急冷リング64は、急冷ヘッド72及び74が、ガラス板Gを十分に急冷するために急冷流体(例えば空気)を提供し得るように、(例えば
図5に示された)急冷ヘッド72と74との間に位置付けられ得る。ガラス処理システム10はまた、
図1に示された1つ又は複数の追加的な冷却ステーション、例えば噴出ステーション76及び78を含み得る。図示されないさらなる冷却ステーションが、各ガラス板Gを周囲温度へさらに冷却するために使用されてもよい。
【0035】
上記プロセスは第1セットの各ガラス板Gについて繰り返され得る。さらに、リフト機構32及び34の独立した制御を通じて独立して移動可能である第1及び第2鋳型26及び28をそれぞれ使用することにより、ガラス処理システム10は、曲げステーション14及び急冷ステーション16を通じた各ガラス板Gのためのサイクル時間が30秒未満(例えば約28.5秒)となるように動作し得る。加えて、新たなガラス板Gが約12秒毎に曲げステーション14入り得る。
【0036】
図11を参照すると、第1モードにあるガラス処理システム10の動作の様々なコンポーネントを示す複数のグラフを含む例示的タイミングチャートが示されている。CONと表示されたグラフは経時的なコンベアシステム24の速度プロファイルを示し、Sは低速を示し、Iは中程度の速度(例えば低速の少なくとも2倍及び/又は炉12のコンベアシステム20と同じ速度)を示し、Hは高速(例えば、中程度の速度の少なくとも3倍又は4倍)を示す。LJAと表示されたグラフはリフトジェット配列54がいつオン又はオフにされ得るかを示す。MOLD1と表示されたグラフは経時的な第1鋳型26の垂直位置を示す。MOLD1グラフについて、CLEARは第1鋳型26(
図6に示されている)の上昇した垂直位置を示し、PRは、第1鋳型26からプレスリング42へのガラス板移動のためにプレスリング42が第1鋳型26の下に位置付けられたときの(
図4に示された)第1鋳型26の中間の垂直位置を示し、PUは、第1鋳型26がガラス板ピックアップのためにコンベアシステム24に近接して位置付けられたときの第1鋳型26(
図3に示された)の低下位置を示す。PRと表示されたグラフは、経時的なプレスリング42の横方向位置を示す。PRグラフについて、HBはプレスリング42が(
図3に示された)高温ボックス46に位置付けられたときを示し、M1はプレスリング42が(
図4に示された)第1鋳型26の下に位置付けられたときを示し、M2はプレスリング42が(
図5に示された)第2鋳型28の下に位置付けられたときを示す。MOLD2と表示されたグラフは経時的な第2鋳型28の垂直位置を示す。MOLD2グラフについて、CLEARは、(
図3及び4に示された)第2鋳型28の上昇した位置垂直位置を示し、PRは(
図5に示された)、プレス成形及びプレスリング42から第2鋳型28へのガラス板移動のためにプレスリング42が第2鋳型28の下に位置付けられたときの第2鋳型28の低下した垂直位置を示し、QRは、第2鋳型28から急冷リング64へのガラス板移動のために急冷リング64が第2鋳型28の下に位置付けられたときの(
図6に示された)第2鋳型28の中間位置を示す。DOORと表示されたグラフは曲げステーション14のドア70がいつ開放又は閉鎖されるかを示す。最後に、QRと表示されたグラフは経時的な急冷リング64の横方向位置を示す。QRグラフについて、M2は、第2鋳型28から急冷リング64へのガラス板移動のために急冷リング64が(
図6に示された)第2鋳型28の下に位置付けられたときを示し、QSは、急冷ステーション16において急冷ヘッド72及び74の間に急冷リング64が位置付けられたときを示し、B1は急冷リング64が第1噴出ステーション76において位置付けられたときを示す。
【0037】
図11における各グラフの太い実線部分又はセグメントは、特定のガラス板Gが経時的に曲げステーション14及び急冷ステーション16の様々な工具にわたって前進するときの特定のガラス板Gの位置を示す。
図11に示されるとおり、当該特定のガラス板Gはコンベアシステム24から急冷ステーション16へ進行するために24秒未満(例えば約23.24秒)かかる。さらに、MOLD1グラフ及びDOORグラフを参照すると、ドア70が開いている間にガラス板熱的に保護されるように第1鋳型26が上昇した垂直位置(すなわちCLEAR位置)にあり、ドア70が開位置にあるときにガラス板Gは第1鋳型26に対して保持される。
【0038】
図7~10を参照して、第2モードでのガラス処理システム10の動作がここで説明される。
図7及び8に示されるとおり、曲げステーション14は第2モードでの動作のために再構成される。その関連で、第1及び第2鋳型26及び28は除去され、第3上鋳型30が代わりに提供される。さらに、第3鋳型30は、真空システム48だけでなく、リフト機構32及び34の両方に接続される。第3鋳型30はまた、リフト機構32及び34並びに真空システム48との接続を円滑にするために鋳型支持体又はフレーム90を含み得る。
図8を参照すると、第3鋳型30(例えば鋳型フレーム90)は、一端で1つ又は複数の第1支持体39により、他端で1つ又は複数の第2支持体40により案内されてもよく、このことは、それぞれ第1及び第2鋳型26及び28に関連して上で説明されている。上で言及したとおり、第2支持体40は横方向に移動可能であるため、第3鋳型30の熱膨張を収容できる。加えて、第3鋳型30は、第3鋳型30の中心が炉12の中心線84に対してオフセットされるように位置付けられ得る。例えば、第3上鋳型30の中心は、中心線84の右に約2~7インチ(例えば4.5インチ)のところに位置付けられ得る。そのような構成で、動作の第2モードは、ガラス板の第2セットの各ガラス板G’の中心が炉12の中心線84の第2側(例えば
図7に示された実施形態において右側)に位置付けられるようにガラス板G’の第2セットを炉12を通じてコンベアシステム20に沿って搬送することを含み得る。例えば、制御システム18は、第2セットの各ガラス板G’の中心が第2側の炉12の中心線84から少なくとも2インチ離れるように位置付けられるように、コンベアシステム20を、ガラス板G’の第2セットを炉12に沿って搬送するように制御し得る。別の例として、コンベアシステム20は、第2セットの各ガラス板G’の中心が第3鋳型30の中心の中心線と整列するように、ガラス板の第2セットを炉12を通じて搬送するように動作し得る。さらに、搬送中、第2セットの各ガラス板G’は曲げステーション14に入る前に十分に加熱され得る。
【0039】
第2セットの特定のガラス板G’がガスジェット配列54より上に位置付けられるとき、第3鋳型30がコンベアシステム24上でガラス板G’に近接した位置(
図8において想像線で示されている)まで移動させられた状態で、ガスジェット配列54はガラス板G’をコンベアシステム24から離れ第3鋳型30の鋳型表面に向かって上昇させるように動作し得る(ガラス板G’は、
図8において第3鋳型30に対して実線で示される)。真空システム48はまた、ガラス板G’を鋳型表面に向かって引くのを支援するために、及び/又はガラス板G’を第3鋳型30の鋳型表面に対して保持するために第3鋳型30の鋳型表面で真空を作り出すように動作し得る。
【0040】
図9を参照すると、プレスリング42’がアクチュエータ44により第3鋳型30の下の位置へ移動させられ得るように第3鋳型30は中間位置へ上昇させられてもよく、次いで第3鋳型30は、ガラス板G’が第3鋳型30とプレスリング42’との間でプレス成形され得るように低下させられてもよい。
図9に示されるとおり、リフト機構32及び34は両方共第3鋳型30に接続され、制御システム18は、第3鋳型30が望まれるとおりに上げられ得るとともに下げられ得るように、リフト機構32及び34を同時に動作させるように構成される。さらに、動作の第1モードにおけるプレスリング42のように、プレスリング42’は、プレスリング42’が第3鋳型30の下に位置付けられ第3鋳型30がプレスリング42’に向かって移動させられるときに第3鋳型30とのプレスリング42’の整列を可能にするために、プレスリング支持体43’から係止解除可能、解放可能又は取り外し可能(例えば締めることが可能ではない)及び/又はプレスリング支持体43’に対して移動可能(例えば摺動可能)であり得る。
【0041】
図10を参照すると、プレスリング42’が高温ボックス46に戻され得るように、並びに急冷リング64が第3鋳型30からプレス成形されたガラス板G’を受けるために第3鋳型30の下に位置付けられ得るように、第3鋳型30はリフト機構32及び34により十分に上昇させられ得る。プレスリング42’はまた、プレスリング42’を高温ボックス46に戻す前にプレスリング支持体43’に再び係止され得る又は再び取り付けられ得る(例えば再び締め付けられ得る)。第3鋳型30は次いで、必要な場合、プレス成形されたガラス板G’を急冷リング64へ搬送するためにわずかに低下させられ得る(プレス成形されたガラス板G’は第3鋳型30に対して実線で示され、急冷リング64へ移されたものは想像線で示されている)。
【0042】
真空システム48はまた、第3鋳型30が上昇させられたときにガラス板G’が保持鋳型表面に対して保持され得るように、第3鋳型30の鋳型表面で真空引きを行うように動作してもよく、次いで真空システム48は、ガラス板G’を第3鋳型30から急冷リング64へ移動させるために動作を停止させられ得る。
【0043】
次に、アクチュエータ66は、ガラス板G’の急冷のために、急冷リング64を曲げステーション14から出て急冷ステーション16に入るように横方向に移動させるように動作し得る。例えば、急冷リング64は、ガラス板G’を十分に急冷するために急冷ヘッド72及び74が急冷流体(例えば空気)をガラス板に提供し得るように急冷ヘッド72及び74の間に位置付けられ得る。上で言及したとおり、ガラス処理システム10はまた1つ又は複数の追加的な冷却ステーション、例えば
図1に示された噴出ステーション76及び78を含み得る。各ガラス板G’を周囲温度までさらに冷却するために、図示されないさらなる冷却ステーションが使用されてもよい。
【0044】
ガラス板G’を備えた急冷リング64が曲げステーション14から出るように移動させられ、ドア70が閉位置へ移動させられた後で、第2セットの別のガラス板G’が、上記プロセスが繰り返され得るようにコンベアシステム24により第3鋳型30の下の位置へ移動させられ得る。さらに、上記プロセスは第2セットの各ガラス板G’のために繰り返され得る。
【0045】
上記の構成で、ガラス処理システム10は、ガラス板を異なるやり方で処理するために異なるモードで動作し得る。例えば、上で言及したとおり、第1動作モードは三段階曲げ動作を提供することができ、これは、各形成されたガラス板Gについて複雑な3次元形状(比較的高い曲率半径を有する成形部分)を効率的に達成するために有益であり得る。三段階曲げ動作の追加的な詳細が米国特許第9,452,948号において開示されており、これは上で言及したとおり、その全体が参照により本明細書に援用される。第2動作モードは一段階曲げ動作を提供することができ、これは、各形成されたガラス板G’についてあまり複雑でない形状、例えば自動車のための略平らの又はわずかに曲がった窓を効率的に達成するために有益であり得る。
【0046】
さらに、炉12の利用可能空間の幅が50インチ未満(例えば48インチ)であり、曲げステーション14の利用可能空間の幅が62インチ未満(例えば60インチ)であるガラス処理システム10の動作の第1モードにおいて、最大で22.5インチの高さ又は横方向幅を有するガラス板Gが処理され得る。加えて、ガラス処理システム10の動作の第2モードにおいて、最大で46インチの高さ又は横方向幅を有するガラス板G’が、同じ利用可能幅の炉12及び曲げステーション14で処理され得る。
【0047】
上で言及したとおり、多くのシステムコンポーネントは動作モード間で同じであってもよい。例えば、炉12、急冷ステーション16、制御システム18、リフト機構32及び34、プレスリング支持体43、43’、アクチュエータ44、66、及び真空システム48は各動作モードについて同じであってもよい。さらに、他のシステムコンポーネントは動作モードに依存して効率的に変えられ得る。例えば、鋳型26及び28は、動作の第1及び第2モード間で切り替える際に第3鋳型30と交換され得る。同様に、プレスリング42は、第1モードから第2モードへ切り替える際にプレスリング42’と交換され得る。加えて、リフトジェット配列54及び急冷リング64は動作モードに依存して必要に応じて変えられ得る。
【0048】
第1動作モードにおけるプレスリング支持体
43のストロークは、第2動作モードにおけるプレスリング支持体
43’のストロークと異なり得ることにもまた留意されるべきである。その関連で、
図5及び9を参照すると、プレスリング支持体
43のためのストロークは、曲げステーション14における第3鋳型30の位置に対する第2鋳型28の位置を原因として、プレスリング支持体
43’のストロークより大きくてもよく、例えば5%~10%大きくても(例えば7%大きくても)よい。同様に、送達鋳型64のストロークは動作モードに依存して異なっていてもよい。例えば、
図5、6、9及び10を参照すると、第2動作モードにおける送達鋳型64のストロークは、曲げステーション14における第2鋳型28の位置に対する第3鋳型30の位置を原因として、第1動作モードにおける送達鋳型64のストロークより大きくてもよく、例えば10%~20%大きくても(例えば14.6%大きくても)よい。
【0049】
さらに、上で言及したとおり、リフトジェット配列54の位置は2つの動作のモード間で異なり得る。例えば、リフトジェット配列54の位置は、リフトジェット配列54を炉12のコンベアシステム20上の各ガラス板G又はG’の位置と整列させるために、及び/又は第1モードで動作しているときに第1鋳型26の位置に基づき、若しくは第2モードで動作しているときに第3鋳型30の位置に基づき選択又は調整され得る。
【0050】
リフトジェット配列54が各動作モードについて異なる場合、コンベアシステム24のコンベアローラの位置は、出口56の異なる位置及び/又は構成の原因となるように必要に応じて調整され得る。その関連で、
図3に示されるとおり、コンベアローラが、例えばローラ移動装置でコンベアローラ間の間隔を調整するために接近可能であるように、各コンベアローラは曲げステーション14の全幅にわたって延在し得る。
【0051】
例示的な実施形態が上で説明されたが、これらの実施形態が本開示による全ての可能な形を説明することは意図されていない。その関連で、本明細書において使用される言葉は、限定のためのものというよりも説明のためのものであり、本開示の趣旨及び範囲から逸脱すること無しに様々な変更がなされ得ることが理解される。追加的に、様々な実装形態の特徴が本開示によるさらなる実施形態を形成するために組み合わされ得る。