(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-05-13
(45)【発行日】2024-05-21
(54)【発明の名称】ギアセット投与量システムを備えた薬剤送出装置
(51)【国際特許分類】
A61M 5/315 20060101AFI20240514BHJP
【FI】
A61M5/315 510
A61M5/315 550A
A61M5/315 550P
(21)【出願番号】P 2022031910
(22)【出願日】2022-03-02
(62)【分割の表示】P 2021500462の分割
【原出願日】2020-03-19
【審査請求日】2022-03-09
(32)【優先日】2019-03-29
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
【前置審査】
(73)【特許権者】
【識別番号】594197872
【氏名又は名称】イーライ リリー アンド カンパニー
(74)【代理人】
【識別番号】100092783
【氏名又は名称】小林 浩
(74)【代理人】
【識別番号】100095360
【氏名又は名称】片山 英二
(74)【代理人】
【識別番号】100103182
【氏名又は名称】日野 真美
(74)【代理人】
【識別番号】100147762
【氏名又は名称】藤 拓也
(72)【発明者】
【氏名】ジュドソン,ジャレド アルデン
【審査官】中村 一雄
(56)【参考文献】
【文献】特表2007-530241(JP,A)
【文献】特表2012-510326(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61M 5/315
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
長手方向軸の周りに画定されるハウジングと、
内部に設けられるピストンを備える薬剤カートリッジと、
前記薬剤カートリッジ内の前記ピストンを駆動するための端部を備えた細長い本体を有するプランジャであって、前記細長い本体は、互いに長手方向に離間して配置された複数のラチェット歯部を含む、プランジャと、
前記プランジャを遠位方向に前進させるように構成されるプランジャ駆動システムであって、前記プランジャ駆動システムは、前記プランジャの前記ラチェット歯部と移動可能に結合された1つ以上の爪端部を有する出力駆動部材と、前記出力駆動部材と前記ハウジングとの間に動作可能に係合する少なくとも1つのピニオン駆動部と、前記少なくとも1つのピニオン駆動部およびボタン端部に結合される結合端部を有するアクチュエータとを含み、前記アクチュエータは、伸長位置と後退位置との間で長手方向に移動可能であり、前記アクチュエータは隆起突起部を備える、プランジャ駆動システムと、
全投与量設定を画定する前記伸長位置よりも少ない、少ない投与量設定位置へ前記アクチュエータが移動することを可能とするように構成される投与量セレクタであって、前記投与量セレクタは少なくとも1つの軸方向中子を備え、前記投与量セレクタは、前記アクチュエータが前記全投与量設定を画定する前記伸長位置に移動可能となるように、第1の位置へ回転可能であり、前記少なくとも1つの軸方向中子と前記アクチュエータの前記隆起突起部との間の係合に応じて、前記アクチュエータが前記少ない投与量設定位置に移動可能となるように、第2の位置へ回転可能である、投与量セレクタと
を備え、
前記アクチュエータの前記後退位置から前記伸長位置または前記少ない投与量設定位置への移動に応答して、前記少なくとも1つのピニオン駆動部の回転は、第1の方向において前記プランジャに対して前記出力駆動部材を軸方向に並進させ、前記出力駆動部材の前記1つ以上の爪端部が、前記プランジャの前記ラチェット歯部に沿って移動し、
前記アクチュエータの前記伸長位置から前記後退位置への移動に応答して、前記少なくとも1つのピニオン駆動部の回転は、第2の方向において前記出力駆動部材を軸方向に並進させ、前記出力駆動部材の前記1つ以上の爪端部が、前記プランジャの前記ラチェット歯部と係合して、これにより遠位方向に前記プランジャを前進させる、
薬剤送出装置。
【請求項2】
前記アクチュエータの表面は、前記出力駆動部材の表面に沿って摺動可能に係合される、請求項1に記載の装置。
【請求項3】
前記アクチュエータまたは前記出力駆動部材の一方がガイド要素を含み、前記アクチュエータまたは前記出力駆動部材の他方が、前記ガイド要素と摺動可能に接触するレール要素を含む、請求項1に記載の装置。
【請求項4】
前記アクチュエータが前記レール要素を含み、前記出力駆動部材が前記ガイド要素を含む、請求項3に記載の装置。
【請求項5】
前記少なくとも1つのピニオン駆動部は、前記出力駆動部材の反対側に沿って配置された第1のピニオン駆動部および第2のピニオン駆動部を含み、前記出力駆動部材は第1のラックおよび第2のラックを含み、前記第1のピニオン駆動部は前記第1のラックと係合し、前記第2のピニオン駆動部は前記第2のラックと係合する、請求項1に記載の装置。
【請求項6】
前記アクチュエータは、前記第1のピニオン駆動部のピンを受け入れる第1のスロットと、前記第2のピニオン駆動部のピンを受け入れる第2のスロットとを含む、請求項5に記載の装置。
【請求項7】
前記出力駆動部材は、前記プランジャを受け入れる通路を受け入れるプランジャ部材を画定するためにU字型本体によって画定され、前記U字型本体は、第3の側部によって相互接続された一対の平行な側部を含む、請求項1に記載の装置。
【請求項8】
前記U字型本体の前記第3の側部はタブを含み、前記プランジャは、前記タブを受け入れるように構成された長手方向スロットを画定し、前記長手方向スロットは、前記タブに接触して、前記薬剤送出装置に薬剤がないときの前記出力駆動部材と前記プランジャとの間のさらなる相対移動を防止するように構成された近位リップによって画定される、請求項7に記載の装置。
【請求項9】
前記投与量セレクタは、少なくとも1つの軸方向に延在する中子および中子のない領域を含む内面を有する投与量ノブを備える、請求項1に記載の装置。
【請求項10】
前記少なくとも1つの軸方向に延在する中子は、全投与量設定のためのいくつかのラチェット歯部よりも短い1つのラチェット歯部の移動距離に対応する長さサイズを有する第1の中子を備える、請求項9に記載の装置。
【請求項11】
前記少なくとも1つの軸方向に延在する中子は、全投与量設定のためのいくつかのラチェット歯部よりも短い2つのラチェット歯部の移動距離に対応する長さサイズを有する第2の中子を備える、請求項10に記載の装置。段39
【請求項12】
前記投与量ノブは、ロック領域を有する内部リップを含み、前記投与量ノブがロック位置にあるときに前記内部リップのロック領域が前記アクチュエータの前記伸長位置への移動を物理的に妨害するように構成される、請求項9に記載の装置。
【請求項13】
前記アクチュエータへの投入力が所定の力よりも大きいときに前記アクチュエータの移動を阻止するように構成された負荷ブレーキ爪部および歯部機構をさらに含む、請求項1に記載の装置。
【請求項14】
前記負荷ブレーキ爪部および歯部機構は、前記ボタン端部と前記結合端部との間に配置され、前記投入力が前記所定の力よりも大きい場合に、前記ハウジングによって画定されるブレーキ要素と係合するように半径方向に移動可能である可撓性ブレーキ要素を含む、請求項13に記載の装置。
【請求項15】
前記プランジャによって画定される複数の感知される歯部を含む投与量検出センサシステムと、ハウジングに結合され、薬剤の投与中の前記プランジャの移動中に感知される歯部を段階的に検出するように構成された測定センサと、をさらに備える、請求項1に記載の装置。
【請求項16】
前記投与量検出センサシステムは、電気機械式スイッチを備える前記測定センサと通信するプロセッサであって、前記複数の感知される歯部のうちの1つが前記電気機械式スイッチに接触するたびに示す位置信号を受信するように構成されたプロセッサを含む、請求項15に記載の装置。
【請求項17】
前記薬剤カートリッジは薬剤を含む、請求項1に記載の装置。
【請求項18】
後退位置から伸長位置へ長手方向に薬剤送出装置のアクチュエータが動くステップであって、これにより生じた少なくとも1つのピニオン駆動部材の回転が、第1の方向において、出力駆動部材をプランジャに対して軸方向に並進させ、前記出力駆動部材の1つ以上の爪端部が、前記プランジャのラチェット歯部に沿って滑動することであって、前記薬剤送出装置は、長手方向軸の周りに画定されるハウジングと、薬剤を保持し、内部に設けられるピストンと出口とを備える薬剤カートリッジと、前記薬剤カートリッジ内の前記ピストンを駆動するための端部を備えた細長い本体を有する前記プランジャと、互いに長手方向に離間して配置された複数のラチェット歯部を含む前記細長い本体と、前記出力駆動部材と前記ハウジングとの間に動作可能に係合する少なくとも1つのピニオン駆動部と、前記少なくとも1つのピニオン駆動部およびボタン端部に結合される結合端部を有するアクチュエータとを含む、アクチュエータが動くステップと、
前記伸長位置から前記後退位置へ長手方向に前記アクチュエータが移動するステップであって、これにより生じた前記少なくとも1つのピニオン駆動部の回転が、第2の方向において、出力駆動部材を軸方向に並進させ、前記出力駆動部材の前記1つ以上の爪端部が、前記プランジャの前記ラチェット歯部と係合して前記プランジャを前進させ、前記ピストンが遠位方向に前記出口から前記薬剤を排出する、前記アクチュエータが移動するステップとを備える方法であって、
前記アクチュエータは隆起突起部を含み、前記薬剤送出装置は、全投与量設定を画定する前記伸長位置よりも少ない、少ない投与量設定位置に前記アクチュエータが移動することを可能にするように構成される投与量セレクタを含み、前記投与量セレクタは、少なくとも1つの軸方向中子を備え、
前記方法は、
前記伸長位置に前記アクチュエータ
が移動するステップに先立ち、前記アクチュエータが前記全投与量設定を画定する前記伸長位置に移動可能となるように、第1の位置へ前記投与量セレクタ
が回転し、または、前記少なくとも1つの軸方向中子と前記アクチュエータの前記隆起突起部との間の係合に応じて、前記アクチュエータが前記少ない投与量設定位置に移動可能となるように、第2の位置へ前記投与量セレクタ
が回転するステップをさらに備える、
薬剤送出方法。
【請求項19】
前記アクチュエータへの投入力が所定の力よりも大きいときに、
負荷ブレーキ爪部および歯部機構が、前記後退位置への前記アクチュエータの移動を阻止することをさらに含む、請求項18に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【背景技術】
【0001】
本開示は、薬剤投薬装置、特に、インジェクタペンなどの携帯型薬剤投薬装置に関する
。
【0002】
多くの異なる病気に苦しんでいる患者は、しばしば自分自身に薬を注射しなければなら
ない。人が便利かつ正確に薬を自己投与できるようにするために、インジェクタペンまた
はインジェクションペンとして広く知られている様々な装置が開発されてきた。一般に、
これらのペンには、ピストンを含み、複数回投与量分の薬液を含むカートリッジが装備さ
れている。インジェクタペンの基部内から延在し、駆動部材の動きを制御するペンの典型
的にはより後方の機構と動作可能に接続された駆動部材は、前方に移動可能であり、収容
された薬剤を、カートリッジの反対側の端部にある出口から、典型的には、反対側の端部
にあるストッパーを貫通する針を通して投薬するような方法で、カートリッジ内のピスト
ンを前進させる。使い捨てペンでは、ペンを使用してカートリッジ内の薬剤の供給を使い
果たした後、ペン全体が使用者によって廃棄され、その後、使用者は新しい交換用ペンの
使用を開始する。再利用可能なペンでは、ペンを使用してカートリッジ内の薬剤の供給を
使い果たした後、ペンを分解して使用済みカートリッジを新しいカートリッジと交換でき
るようにし、その後、次の使用のためにペンを再組み立てする。
【0003】
異なるサイズの投与量に対応する、またはこれらおよび従来技術の他の欠点の1つ以上
を克服することができる投与量検出感知システムなどの改善された機能を備えた薬剤投薬
装置を提供することが望ましいであろう。
【発明の概要】
【0004】
(関連出願の相互参照)
本出願は、米国特許法第119条(e)の下で、2019年3月29日に出願された米
国特許仮出願第62/826,232号の利益及び優先権を主張し、それが教示するすべ
てのことおよびすべての目的のために、その全体が参照により本明細書に組み込まれる。
【0005】
1つ以上のハウジングラック歯部を含むハウジングと、薬剤カートリッジバレル内に配
置されたピストンを駆動するためのプランジャであって、プランジャ本体は複数のラチェ
ット歯部を含むプランジャと、プランジャを遠位方向に前進させるように構成されたプラ
ンジャ駆動システムとを含む、薬剤送出装置。プランジャ駆動システムは、プランジャの
ラチェット歯部と移動可能に結合された1つ以上の爪端部を有する出力駆動部材を含む。
少なくとも1つのピニオン駆動部は、出力駆動部材の駆動歯部およびハウジングのハウジ
ングラック歯部と係合している。アクチュエータは、少なくとも1つのピニオン駆動部に
結合されている。一実施形態では、アクチュエータは、ボタン端部とハウジング内に配置
された結合端部との間に延在する単一部品本体を有する。アクチュエータは、投与量設定
のための伸長位置と投与量送出のための後退位置との間で長手方向に移動可能である。ア
クチュエータの後退位置から伸長位置への移動に応答して、駆動歯部に沿った第1の方向
の少なくとも1つのピニオン駆動部の回転は、プランジャに対して出力駆動部材を軸方向
に並進させ、出力駆動部材の1つ以上の爪端部が、プランジャのラチェット歯部に沿って
摺動するように構成される。アクチュエータの伸長位置から後退位置への移動に応答して
、駆動歯部に沿った第2の方向の少なくとも1つのピニオン駆動部の回転は、出力駆動部
材を軸方向に並進させ、出力駆動部材の1つ以上の爪端部が、プランジャのラチェット歯
部と係合して、出力駆動部材がプランジャに対して軸方向に並進するのを防ぎ、それによ
って遠位方向にプランジャを前進させるように構成される。一実施形態では、アクチュエ
ータによって設定された投与量の変化を可能にするために、投与量セレクタが含まれ得る
。一実施形態では、投与量検出センサシステムは、検出される投与量を外部制御システム
に対して検出、決定、表示、および/または通信するために組み込まれ得る。一実施形態
では、アクチュエータはまた、負荷ブレーキシステムを含み得る。
【図面の簡単な説明】
【0006】
本発明の上記および他の利点および目的、ならびにそれらを達成する方法は、添付の図
面と併せて取られる本発明の実施形態の以下の説明を参照することにより、本発明自体が
よりよく理解されるであろう。
【0007】
【
図3】
図3は、装置ハウジングの半分の斜視図である。
【
図4】
図4は、装置ハウジングの半分の斜視図である。
【
図5】
図5は、プランジャの一例の異なる斜視図である。
【
図5A】
図5Aは、プランジャの別の一例の異なる斜視図である。
【
図6】
図6は、プランジャの一例の異なる斜視図である。
【
図6A】
図6Aは、プランジャの別の一例の異なる斜視図である。
【
図7】
図7は、
図1の送出装置における例示的なプランジャ駆動システムの連続操作ステップを示している。
【
図8】
図8は、
図1の送出装置における例示的なプランジャ駆動システムの連続操作ステップを示している。
【
図9】
図9は、
図1の送出装置における例示的なプランジャ駆動システムの連続操作ステップを示している。
【
図10】
図10は、プランジャ駆動システムにおける出力駆動要素の一例の異なる斜視図である。
【
図10A】
図10Aは、プランジャ駆動システムにおける出力駆動要素の別の一例の異なる斜視図である。
【
図11】
図11は、プランジャ駆動システムにおける出力駆動要素の一例の異なる斜視図である。
【
図11A】
図11Aは、プランジャ駆動システムにおける出力駆動要素の別の一例の異なる斜視図である。
【
図12】
図12は、プランジャ駆動システムにおけるアクチュエータの一例の異なる斜視図である。
【
図13】
図13は、プランジャ駆動システムにおけるアクチュエータの一例の異なる斜視図である。
【
図14】
図14は、プランジャ駆動システムにおけるアクチュエータの一例の異なる斜視図である。
【
図17】
図17は、プランジャ駆動システムにおけるピニオン駆動要素、出力駆動要素、およびプランジャのアセンブリの斜視図である。
【
図18】
図18は、
図1の送出装置における例示的なプランジャ駆動システムの連続的な動作ステップを示している。
【
図19】
図19は、
図1の送出装置における例示的なプランジャ駆動システムの連続的な動作ステップを示している。
【
図20】
図20は、送出装置に十分な残存投与量が残っていない場合の装置コンポーネントの動作を示している。
【
図21】
図21は、投与量セレクタ機能を備えた投与量ノブの分解部分斜視図である。
【
図24】
図24は、
図1の送出装置の近位部分の断面図であり、投与量検出システムの一例の配置を示している。
【
図25】
図25は、投与量検出システムの電子機器アセンブリの一例の斜視図である。
【
図26】
図26は、データを遠隔装置に通信する薬剤送出装置のブロック図の図である。
【
図27】
図27は、投与量検出システムを含む薬剤送出装置の別の一例の分解部分斜視図である。
【
図28】
図28は、ある投与量の薬剤を送出する前の、キャップおよび前部遠位ハウジングピースが取り外された、
図27の薬剤送出装置の正面図である。
【
図29】
図29は、キャップおよび前部遠位ハウジングピースが取り外された、投与量送出操作中の
図27の薬剤送出装置の正面図である。
【0008】
対応する参照文字は、いくつかの図全体を通して対応する部分を示す。図面は本発明の
実施形態を表すが、図面は必ずしも原寸に比例しておらず、本発明をよりよく図示および
説明するために、いくつかの図面では特定の構成が誇張または省略されている場合がある
。
【発明を実施するための形態】
【0009】
図1に示される装置は、概して20で示されるペン型の薬剤注入装置の一例であり、こ
れは、投与量を選択的に設定し、次にその設定投与量を注入するために使用者によって手
動で取り扱われる。一例では、装置20は、投与量検出感知システムを含むことができる
。感知システムは、異なる構造のペン型の薬剤注入装置、異なる形状の注入装置、および
注入装置を含む、様々に構成された薬剤送出装置での使用に適合させることができる。図
1または他の図のいずれかに関するこの詳細な説明における方向参照(右または左、上ま
たは下、または上または下など)は、説明の便宜を目的としており、それ自体が本開示を
、またはそのコンポーネントのいずれかを特定の位置または空間方向に限定するものでは
ない。使用される場合、「遠位」および「近位」という用語は、使用者およびアクチュエ
ータボタンに関連して使用され、一般に、患者が装置を使用する間、針端部などの遠位端
は、患者に近接して最も近く、遠位端の反対側の近位端は、患者からさらに近接している
であろう。
【0010】
長手方向軸AAの周りに配置された細長い円筒状のハウジング21を含む装置20が示
されているが、他の形態も本開示の範囲内である。装置20は、その中に含まれる薬剤の
量が装置の複数の操作によって使い果たされた後、リセットされて代替の薬剤容器が再装
填されるのではなく、装置全体が廃棄されるという点で使い捨てとすることができる。装
置20は、固定投与量、すなわち、装置の特定の設計によって決定され、装置を再設計せ
ずに変更することができない特定の量の投与量を使用者に送出するように繰り返し動作可
能であり得る。あるいはまた、装置20は、複数の異なる投与量サイズのうちの1つを繰
り返し送出するように、使用者、製造業者、薬剤師、または医療提供者によって構成可能
であり得る。いくつかの実施形態では、装置20は、製造業者、薬剤師、または医療提供
者が投与量サイズを設定できるが、使用者が一度設定された投与量サイズを変更すること
を防止するように構成され得る。
【0011】
装置20は、概して、遠位部分22および近位部分24を含む。遠位部分22は、ペン
操作時にその遠位端に出口となる薬液を含む。遠位部分22の出口端は、装置がキャップ
されていない状態にあるときに、注射針(図示せず)を受け入れるように構成される。ペ
ン用のキャップ36を設けてもよい。キャップ36は、針の有無にかかわらず、装置に適
合するサイズにすることができる。近位部分24は、含まれる薬剤を針先から押し出すた
めに使用される注入機構を含む。
【0012】
装置ハウジング21は、射出成形プラスチックなどの軽量材料から、単一または複数の
部品構造で形成することができる。
図2~
図4に示されるように、ハウジング21は、2
つの長手方向に延在する半分30および31を有することが示されている。ハウジングの
半分30および31は、そこに設けられた嵌合ピンおよびくぼみを介して位置合わせされ
、接着剤または超音波溶接などを介して製造中に共にしっかりと固定される。装置ハウジ
ング21は、概して60で示される軸方向に前進可能なプランジャ駆動システムが少なく
とも略長手方向軸に沿って延在する内部中空32を画定する。
【0013】
図2をさらに参照すると、遠位部分22は、カートリッジ48を保持するように構成さ
れた管状カートリッジリテーナ34を含み得る。カートリッジリテーナ34は、ハウジン
グに結合されているか、またはハウジング21の遠位延長部として部分的に形成され得る
別個のコンポーネントとして示されている。リテーナ34は、針アセンブリに解放可能に
結合するように構成された段下遠位端35を含み得る。一例では、リテーナ端部35は、
針アセンブリとのねじ込み係合のために構成される。リテーナ34の近位端37は、装置
ハウジング21に結合するための円筒形の延長部を画定することができる。
【0014】
針アセンブリ(図示せず)は、一端に遠位先端を有し、他端に近位点を有する両端針カ
ニューレまたは注射針を含み得る。注射針は、リテーナ端部のねじ切りにねじ込み可能で
あるように、リテーナ端部35とねじ込み係合するように構成された管状ハブを含む。ス
ナップオン接続を含む他のタイプの接続タイプが、針アセンブリとカートリッジリテーナ
との間に提供され得る。遠位先端は、ハブに結合された管状シールド、ならびに、例えば
、装置ハウジング21に解放可能に取り付け可能な装置キャップ36によって保護される
ことができ、装置20が薬を注入するために使用されるとき、装置キャップ36および/
またはシールドは取り外される。装置20と共に使用され得る針アセンブリは、1つ以上
の短縮された注射針を備えたアセンブリを含み得る。
【0015】
カートリッジ48は、流体薬剤をリザーバ50内に保持するためにカートリッジ内壁と
軸方向に摺動可能かつ密閉可能に係合するピストン52によって、その近位端で閉じられ
る薬剤充填リザーバ50を画定する。カートリッジリザーバ50の遠位の出口端部53は
、一般に端部53に示される隔壁54によって密閉されている。針アセンブリがリテーナ
端部35に取り付けられると、注射針の近位点がカートリッジ隔壁54を貫通して、装置
20の動作中にカートリッジリザーバ50内の薬剤を針先から投薬することができる流体
流路を提供する。カートリッジ48は、使用中のカートリッジの軸方向の移動を防止する
ために、
図24に示されるように、その近位端がハウジングの半分30および31に設け
られた内部隔壁44に接触するように、リテーナ34の内面の間に挟まれている。あるい
はまた、ハウジングに対してカートリッジを捕捉する他の方法を採用することができる。
【0016】
装置20は、カートリッジ48などの薬剤をさらに含み得る。別の一実施形態では、シ
ステムは、装置20および薬剤を含む1つ以上の装置を備え得る。「薬剤」という用語は
、インスリン、インスリンリスプロまたはインスリングラルギンなどのインスリン類似体
、インスリン誘導体、デュラグルチドまたはリラグルチドなどのGLP-1受容体作動薬
、グルカゴン、グルカゴン類似体、グルカゴン誘導体、胃抑制ポリペプチド(GIP)、
GIP類似体、GIP誘導体、オキシントモジュリン類似体、オキシントモジュリン誘導
体、治療用抗体、および上記の装置によって送出することができる任意の治療薬を含むが
これらに限定されない1つ以上の治療薬を指す。装置で使用される場合の薬剤は、1つ以
上の賦形剤を配合することができる。装置は、人に薬剤を送出するために、患者、介護者
、または医療専門家によって一般的に上記のように操作される。
【0017】
ハウジングの半分30および31の内面は、それぞれ、位置合わせを維持し、ハウジン
グ21内に配置された装置コンポーネントの動きを案内するのに役立つ様々なリブおよび
隔壁で形成された
図3~4に示されている。ハウジングの半分30および31は、それぞ
れ、遠位に突出する湾曲したフランジ57、59を含む。製造中、カートリッジを組み立
てられたハウジングに取り付けるために、フランジ57、59は、最初に、リテーナの近
位端の周囲または内側に外部から挿入されるなど、リテーナ近位端37に結合され、次に
、接着剤や超音波溶接などを介してリテーナにしっかりと固定される。リテーナ34およ
びハウジング21がそのように固定されると、カートリッジ48は軸方向に挟まれる。ハ
ウジング21の近位端は、少なくとも部分的に近位端壁部46を画定する。近位端壁部4
6に隣接するハウジング21の部分は、
図2および
図24に示されるように、回転可能な
ノブ56を受け入れるように構成された縮小された断面積を有し得る。
【0018】
図2および
図5~
図16を参照すると、装置20の近位部分24は、プランジャ駆動シ
ステム60を含み、これは、概して62で示されるギアセット、概して64で示されるプ
ランジャ部材、出力駆動要素68、およびアクチュエータ90を含む。ギアセット62は
、一対として示される1つまたは2つのピニオン駆動要66、67、およびプランジャ部
材64を遠位方向に前進させるように動作可能に協働する出力駆動要素68を含む。プラ
ンジャ、出力駆動要素、およびギアセットコンポーネントはそれぞれ、ポリマーまたはプ
ラスチック材料から単一の部品に射出成形することができる。
【0019】
図5~
図7をさらに参照すると、プランジャ部材64は、ピストン52と係合するため
に、近位端70と、プランジャ部材64の本体の遠位端71に形成された荷重分散ディス
ク状足部72との間で軸方向に延在する矩形の棒状の本体を有する。足部72は、プラン
ジャ部材64の一般的な本体の横断面積よりも大きな断面積を有し、ピストン前進中にカ
ートリッジピストン52にかかる荷重を分散させる。
【0020】
駆動部材コンポーネントは、ハウジングの半分30および31の内部形状によって、そ
の中で軸方向に並進可能であるように拘束されている。プランジャ部材64は、遠位方向
に移動可能であり、ハウジング21に対して近位方向に移動することを防止され、一方、
出力要素68は、プランジャ部材64にクラッチ可能に接続されて、それに対して遠位方
向ではなく近位方向に移動可能である。これらの一方向の軸方向動作を提供するために、
図示の実施形態ではラチェットが使用されているが、他の要素を使用してもよい。例えば
、硬いが適合した(例えば、金属製の)1つまたは複数の歯付き部材は、表面の特徴を欠
く滑らかな(例えば、円筒形の)比較的柔らかい部材と緊密に係合して提供されることが
でき、これらの1つの金属歯部/複数の金属歯部は、他の部材の動作を一方向にのみ許容
するように配置され、反対方向では、1つの歯部/複数の歯部が比較的柔らかい表面を掘
り下げて変形させ、その方向へのさらなる動作を妨げるくさび作用を生み出す。
【0021】
一例では、プランジャ部材64の本体は、その本体の2つの反対側を向く側部75、7
7上に一列の一方向傾斜ラチェット歯部74を含み、これらの歯部74は、本体の軸方向
長さの一部に沿って途切れることなく続いている。プランジャの他の例には、ラチェット
歯部の片側が含まれ得る。歯部の各列がそれぞれの側部に沿って広がることができる軸方
向の位置および長さは、以下でさらに詳細に説明するように、装置20の総注入量および
個別注入回数など、様々な爪の位置および使用目的の関数である。歯部74は、1つ以上
の歯あたりの所望の固定投与量に対応するように互いに軸方向に間隔を置いて配置され、
これはまた、1クリック当たりの投与量、2クリック当たりの投与量など、クリック数当
たりの投与量と相関する。
図5~
図6は、例えば、1クリック当たり100マイクロリッ
トルなど、より少ない投与量用に構成されたプランジャ部材64の歯部74の比較的狭い
間隔を示している。クリックは、固定爪部76を通過した1つの歯部74によるプランジ
ャ部材64の前進中に生成される。
図5Aおよび
図6Aは、例えば、1クリック当たり2
50マイクロリットルなど、より大きな投与量用に構成されたプランジャ部材64aの歯
部74と比較してより大きい歯部74a間の間隔を示している。プランジャ64aは、プ
ランジャ64のすべての機能を有することができることが示されている。ラチェット歯部
74は、ハウジングの半分31と固定されて一体的に形成された一対の正反対に向かい合
った弾性のあるハウジングタブまたは爪部76(
図4を参照)によって係合される。
図7
~
図9にさらに示されるように、プランジャ部材64が使用中に遠位に前進すると、爪部
76は、歯部74に沿って上を摺動するが、プランジャ部材64が近位方向に後退するの
を防止するために、歯部74の横方向の近位面に当接する。
【0022】
図10~
図11をさらに参照すると、出力駆動要素68は、出力駆動要素68が近位に
後退されたときに固定ハウジング爪部76の近位に配置され、プランジャ部材64の本体
の両側75、77の同じ列のラチェット歯部74にも係合する、一対の正反対に向かい合
った弾性爪部78を含む。
図7~
図9を参照すると、駆動要素68が遠位方向に移動する
と、爪部78は、固定ハウジング爪部76を越えて遠位方向に移動し、固定爪部76がプ
ランジャ部材のラチェット歯部をクリックしたことを確実にする。
図9に示すように、爪
部78および固定爪部76は各々、ラチェット歯部74の異なる表面部分に沿って配置さ
れている。例えば、爪部78は、ラチェット歯部の上部に係合し、固定爪部76は、ラチ
ェット歯部の下部に係合し、爪部78が固定爪部76を通過するときに、固定爪部78が
爪部76の下にあるようにする。爪部78が固定された爪部76を越えて移動しない場合
、次に投与量が設定されたときにプランジャ部材64のラチェットが後退する可能性があ
り、これは不正確な投与量につながる可能性がある。クリックオーバーが発生することを
保証するために(すなわち、固定爪部76が投与の終わりに正しい数のラチェット歯部7
4をクリックしたことを保証するために)、爪部78の移動終了位置は、「クリックオー
バーマージン」と呼ばれる距離だけ爪部76の固定位置の遠位にある。上記のラチェット
歯部の片側を備えたプランジャの場合、出力駆動要素は、単一の爪部を含み得る。出力爪
部78は、出力駆動要素68が装置のコッキング中に近位に後退されるとき、1つ以上の
歯部74に沿って上を摺動するが、注入中の出力駆動要素68の遠位前進中に歯部74の
少なくとも1つと当接係合する。爪部78が歯部74上を摺動するとき、投与量設定中に
カチッという音が発生することがある。当接することにより、出力駆動要素68は、移動
が終了するまでプランジャ部材64を遠位方向にシフトする。各隣接する歯部74の横方
向面の間のピッチまたは距離は、製造業者によって事前に決定された固定投与量を送出す
るためにピストン52を前進させる必要がある距離であり得る。
【0023】
出力駆動要素68は、通路87を受け入れるプランジャ部材を画定するために、側部8
1、83を横切る第3の側部85によって相互接続される、一対の長手方向に延在する平
行な対向する側部81、83を有するU字形本体80を有することが示されている。長手
方向に延在する第1の歯部ラック82は、本体80の一方の側81から突出し、長手方向
に延在する第2の歯部ラック84は、本体80の反対側83から突出する。本体80は、
プランジャ部材64の本体に適合するようなサイズになっている。この目的のために、結
合されると、プランジャ部材64の本体は、本体80の通路87内で軸方向に受け入れら
れ、その結果、側部81、83は、プランジャ部材64の歯部側部75、77と向かい合
って重なり合う関係にあり、第3の側部85は、プランジャ部材64の本体の歯のない側
部91と向かい合って重なり合う関係にある。歯のない側部91は、プランジャ本体の側
部75、77を相互接続することができる。この構成では、爪部78はここで、プランジ
ャ部材64の歯部74と係合可能である。爪部78は、側部81、83の遠位面から延在
することができる。
【0024】
機械的特徴は、IRD構成を備えたカートリッジ48内に不十分な残存投与量(IRD
)がある場合に装置の操作を防止するために含まれ得る。図示の例では、第3の側部85
は、ラック82、84を越えて延在する遠位延長部88を含む。遠位延長部88は、爪部
78間に配置されて示されている。遠位延長部88は、爪部78間に画定された空間内に
おいて、遠位延長部88の内面から延在するIRDタブ89を含み得る。IRDタブ89
は、部材64の歯のない側部91に画定されたIRDスロット93内に嵌合するように構
成され、IRDタブ89およびスロット93は、IRD配置を画定する。IRDスロット
93は、足部72と近位端70との間に延在する。物理的停止リップ95は、プランジャ
部材64によって近位端70に向かって画定され、IRDタブに接触して、出力駆動要素
のさらなる移動を物理的に防止し、したがって、残りの投与量が不十分であることを示す
投与量設定中の(以下で説明される)アクチュエータ90のさらなる近位引き戻しを防止
するように構成される。
図10~
図11は、
図5~
図6に示されるプランジャ部材68と
共に使用するために、例えば、1クリック当たり100マイクロリットルなどのより少な
い投与量用に構成された出力駆動要素68用の歯部ラック82、84のより低い位置およ
び数を示す。
図10A~
図11Aは、
図5A~
図6Aに示されるプランジャ部材68aと
共に使用するために、例えば、1クリック当たり250マイクロリットルなどのより大き
な投与量用に構成された出力駆動要素68a用の歯部ラック82a、84aの比較的上部
の位置およびより少ない数を示す。出力駆動要素68aは、出力駆動要素68aのすべて
の機能を有することができることが示されている。
【0025】
装置20のハウジング21を越えて近位方向に伸長可能なアクチュエータ90は、アク
チュエータを後退構成から拡張投与量設定構成へと装置ハウジングから近位方向に引き出
すことによって、使用者が装置の内部ギアセットを操作して、注入のために装置20を準
備することを可能にするために、ならびに伸長構成から後退した投与量送出構成へと遠位
方向にアクチュエータを押すことによって注入を実行するために提供される。
図2では、
アクチュエータ90は、入力端部92とボタン端部94との間に延在する軸方向に延在す
る本体を含む。図示されていないが、アクチュエータとハウジングとの間に結合されたば
ねが、アクチュエータを後退位置などの所定の位置に向けて付勢するため、および/また
はアクチュエータの移動を減衰させるために含まれ得る。
【0026】
図12~
図14を参照すると、アクチュエータ90のボタン端部94は、使用者が作動
投入力を加えるとき、残りの本体と比較した場合、大きな断面ボタン198を含む。入力
端部92において、アクチュエータは、ピニオン駆動要素に結合するように構成されたピ
ニオン結合機構を含む。例えば、アクチュエータ90は、第1のピニオン結合機構100
Aを備えた第1の側部96を含み、第1のピニオン駆動要素66によって画定される第1
の横方向に延在するピン104を受け入れるようにサイズ設定および構成されたスロット
画定壁部を備えた第1の側部96に画定されたスロット102として示される。アクチュ
エータ90は、第2のピニオン結合機構100Bを備えた、第1の側部96の反対側の第
2の側部98を含む場合、第2のピニオン駆動要素67によって画定される第2の横方向
に延在するピン108を受け入れるようにサイズ設定および構成されたスロット画定壁部
を備えた第2の側部98に画定されたスロット106として示される。アクチュエータと
ピニオン駆動要素との間のピニオン結合機構は、両方のピニオン駆動要素の対向する面の
間に延在するピンロッドを上端部または下端部から受け入れるための上部内部スロットを
含むアクチュエータまたはピニオン駆動要素で画定されたスロットが受け取るピン構成な
どの他の構成を含み得る。
【0027】
アクチュエータ90は、アクチュエータの軸方向の移動を制御するために、ハウジング
および/またはコンポーネントとインターフェース接続するためのガイドレール要素11
0を含み得る。ガイドレール要素110は、ボタン端部94から軸方向に離れて延在し、
第1の側部96と第2の側部98との間で軸方向に延在して配置することができる。ガイ
ドレール要素110の遠位端112は、スロット102、106を越えて遠位に延在する
ことを含めて、第1および第2の側部96、98の遠位端を越えて遠位に延在することが
できる。ガイドレール要素110の上端部114は、それぞれ第1および第2の側部96
、98のスロット102、106を画定する壁部を越えて半径方向に延在することができ
る。軸方向に延在する上端部114は、ハウジングの半分30の内面117に応じて、軸
方向に延在する一対の平行ガイドリブ116内に嵌合し、その間に摺動可能に配置される
サイズの材料の厚さを有する(
図3および
図23を参照)。上端部114の反対側の軸方
向に延在する下端部118は、出力駆動要素68の第3の側部85から離れて延在する一
対の軸方向に延在する平行ガイドリブ120内に嵌合し、その間に摺動可能に配置される
サイズの材料の厚さを有する(
図10を参照)。棚部122は、ガイドレール要素110
の片側または両側から横方向に延在することができる。棚部122は、
図18~
図19に
示すように、レール110の上端部114と下端部118との間に所望の距離で配置され
て、リブ120間の空間への棚部122の貫入深さを設定し、リブ120の上面に沿った
アクチュエータ90の摺動を安定させることができる。他の実施形態では、ガイドリブを
画定するのはアクチュエータであり、出力部材のガイドレールはガイドリブ内に存在する
。ガイドレール要素110は、アクチュエータ本体の剛性部分を画定することができる。
【0028】
装置20で利用されるギアセット62は、第1の軸方向距離のアクチュエータの動作を
、第1の距離よりも小さい第2の軸方向距離の駆動部材の動作に変換するように構成され
る。ギアセット62の第1および第2のピニオン駆動要素66、67は、プラスチックな
どの軽量材料から作製することができる。ピニオン駆動要素66、67の各々は、例えば
、ハウジングの半分31などのハウジング21と、出力駆動要素68およびアクチュエー
タ90との間に結合されている。
【0029】
ピニオン駆動要素66、67も同様に構成することができる。
図15は、ピニオン駆動
要素66の片側を示し、
図16は、異なる視点からのピニオン駆動要素67の片側を示し
、それぞれのピニオン駆動要素66、67の反対側については隠されている。言い換えれ
ば、
図16および
図15は、それぞれ、ピニオン駆動要素66、67の隠れた側部を示す
ために使用され得る。ピニオン駆動要素66は、ハウジング21のハウジングの半分31
によって画定される、
図4の破線によって位置付けられて示される、第1のラック134
Aの歯部と噛み合う外部ギア歯部132Aの弧状セクションを含む第1のまたはより大き
なサイズのピニオン130Aを含む。ピニオン駆動要素67は、ハウジング21のハウジ
ングの半分31によって画定される第2のラック134Bの歯部と噛み合う外部ギア歯部
132Bの弧状セクションを含む第1のまたはより大きなサイズのピニオン130Bを含
む。ラックの歯部134A、134Bは、それぞれ、
図4に示され、平行な関係で互いに
間隔を置いて配置されたハウジングの半分31の内面から配置されている。ギアの歯部の
弧状セクションは、示されるペンの使用に必要なピニオンの、例えば約90度±5度の回
転角度またはローリングなどの小さな回転角度のために必要なすべてであり、示されるギ
ア比によって提供される1.5:1から6:1の機械効率の公称範囲により、小さな角度
または部分的なローリングが可能である。他のギア比が、上記の公称範囲よりも小さいま
たは大きい望ましい機械効率のために構成されてもよい。
【0030】
ピニオン駆動要素66は、出力駆動要素68の第2のラック84の歯部と噛み合う外部
ギアの歯部138Aの弧状セクションを含む第2のまたはより小さいサイズのピニオン1
36Aを含む。ピニオン駆動要素67は、出力駆動要素68の第1のラック82の歯部と
噛み合う外部ギアの歯部138Bの弧状セクションを含む第2のまたはより小さいサイズ
のピニオン136Bを含む。より小さいサイズのピニオン136A、136Bの各々は、
それぞれのピニオン駆動要素の、対応するより大きいサイズのピニオン130A、130
Bと同じ回転軸RAを有する。ギアの歯部138A、138Bは、対応するギアの歯部1
32A、132Bのピッチ直径よりも小さいピッチ直径を有し得る。図示の実施形態では
、そのような直径は、ギアの歯部の直径の約70~80%の範囲内にあり、その比率は、
名目上4~6対1の機械効率を提供する。1.5~2対1の機械効率を実現する40~5
0%の範囲内の減速などのより小さな比率を使用することができ、16対1の機械効率の
比率を実現するなどのより大きな比率を使用することができる。ハウジング、ピニオン、
および出力駆動要素の歯部およびラックのサイズおよび/または数は、相対的なサイズに
応じてその機械効率を変えることができる機械効率構造を提供する。ピニオン130A、
130Bおよび対応するピニオン136A、136Bの各々は一体的に形成することがで
きるが、これらのコンポーネントは別々に形成され、共に組み立てることができる。ピン
104または108は、そのような軸RAに配置され、ピニオンと一体的に形成されて示
されている。ピン104、108の各々は、使用中にアクチュエータ90で画定されたそ
れぞれのスロット102、106に嵌合し、その中で枢動または部分的に回転するような
サイズおよび形状である。他の実施形態では、ピニオン駆動要素と出力駆動要素との間の
結合は、ラック/ピニオン構成ではない。例えば、ピニオン駆動要素の各々は、出力駆動
要素の外側に画定された対応するスロット内に挿入されたピンを含み得る。別の一例では
、ピニオン駆動要素の各々は、出力駆動要素の側部から外側に延在する対応する1つ以上
のピンとの転がり係合のための1つ以上のカム面を含み得る。別の一例では、ピニオン駆
動要素の各々は、出力駆動要素の側部によって画定される対応するスロット内に挿入され
た突出した非円形の歯部を含み得る。別の一例では、ピニオン駆動要素の各々は、出力駆
動要素の側部から外側に延在する対応する長方形の歯部を受け入れるためのスロットを画
定することができる。
図15~
図16は、出力駆動要素68およびプランジャ部材64と
共に使用するために、例えば、1クリック当たり100マイクロリットルなどのより少な
い投与量に構成された、ピニオン66、67のそれぞれに対して、より低い半径方向位置
(半径方向軸RAからより遠い)およびより多くの数のピニオン歯部138A、138B
を示す。
図15A~
図16Aは、出力駆動要素68aおよびプランジャ部材64aと共に
使用するために、例えば、1クリック当たり250マイクロリットルなどのより大きな投
与量用に構成された、(半径方向軸RAに近接してより近くの)比較的上部の半径方向位
置、およびピニオン66A、67Aのそれぞれに対するより少ない数のピニオン歯部13
8A’、138B’を示す。ピニオン66A、67Aは、ピニオン66、67のすべての
特徴を有することができることが示されている。
【0031】
図17は、プランジャ部材64を前進させるために、ピニオン駆動要素66、67のよ
り大きなサイズのピニオンとハウジングの半分31の固定ラック(ラック134Bが図示
される)との回転相互作用、およびピニオン駆動要素66、67のより小さなサイズのピ
ニオンと、ピニオンによって視界から遮られている出力駆動要素68または68aのそれ
ぞれのラック82、84または82a、84aとの回転相互作用を示している。
【0032】
図18~
図19、ならびに
図7~
図9は、装置20の動作を示しており、装置の内部を
明確にするためにいくつかのコンポーネントが省略されている。例えば、
図18に示され
る装置は、アクチュエータ90がその後退位置にあり、この位置で、装置は、設定される
準備ができているか、または投与量が送出されている。
図7は、アクチュエータがその後
退位置にあるときのプランジャ部材64に対する出力駆動要素68の遠位端の位置を示し
ている。アクチュエータの不注意な投与量設定を防止するために、例えばノブ56などで
ロックが使用される場合、使用者は装置のロックを解除する。使用者は、(矢印140で
示される)近位方向にアクチュエータ90に力を加えて、アクチュエータをその後退位置
から引き出して、ギアセット62のピニオン駆動要素66、67、したがって、出力駆動
要素68のラックアンドピニオンカップリングの位置決めを可能にし、矢印142によっ
て示されるように、静止したままであるプランジャ部材64上で軸方向に近位方向に要素
68を移動する。
図8は、アクチュエータがその後退位置から矢印149によって示され
る近位方向に引き出されているときの、プランジャ部材64に対する出力駆動要素68の
遠位端の位置を示している。ハウジング爪部76は、要素68が移動している間、プラン
ジャ部材64が近位方向に移動するのを防止するために、ラチェット歯部74と当接して
係合している。出力駆動要素68とプランジャ部材64との間のこの相対移動は、出力要
素68上の爪部78がプランジャ部材64のラチェット歯部74上を近位方向に摺動可能
に移動する機能によって可能になる。
図19に示される装置は、その拡張投与量設定構成
のアクチュエータ90を備えており、この位置で、アクチュエータは、注入を実行するた
めに引き出されている。使用者は、アクチュエータ90に対して(矢印144で示される
)遠位方向の力を加えて、アクチュエータをその後退位置に押し、ギアセット62のピニ
オン駆動要素66、67、したがって、出力駆動要素68のラックアンドピニオンカップ
リングの作動を可能にし、矢印146によって示されるように、プランジャ部材64と共
に遠位方向に要素68を前進させる。この移動は、プランジャ部材64が出力駆動要素6
8に対して軸方向に近位方向に移動するのを防止するラチェット歯部74に対する爪部7
8の係合からである。
図9は、アクチュエータが投与量送出のためにプランジャ部材を遠
位方向に前進させるためにその伸長位置から矢印147によって示される遠位方向に完全
に押し込まれたときの、プランジャ部材64に対する出力駆動要素68の遠位端の位置を
示す。
【0033】
図20は、アクチュエータ90が引き出されるのを阻害することにより、残存投与量が
不十分な場合に、本明細書に記載の装置が完全な動作を防止することができることを示し
ている。出力駆動要素68は、
図20に示されるように、プランジャ部材64のストップ
リップ95と係合してIRD配置を設定することによって、IRDスロット93内に摺動
可能に配置されたIRDタブ89によって、プランジャ64に対して近位方向にそれ以上
移動できないことが示されている。停止位置に到達する前に、出力駆動要素68は、
図9
に示されるように、IRDタブ89がIRDスロット93内を摺動可能に移動するときに
、プランジャ部材64に対して移動することができる。IRD構成は、使用者が所望の投
与量を達成することを阻止するために、投与量設定中に設定され得る。例えば、IRD構
成は、2回のクリックに関連する所望の投与量単位の投与量設定を防止し、シングルクリ
ック後のIRD配置の設定は、所望の投与量を1クリック下回る。この目的のために、使
用者は、残りの投与量を送出するために別の装置を必要とする場合がある。
【0034】
図21~
図22において、ノブ56は、ハウジング21の近位端を取り囲むように嵌合
するサイズの円筒形本体150を含む。ノブ56は、組み立て中にハウジング21の端部
がノブ本体150内に挿入されると、ハウジング端部と係合するための内部ラジアルリッ
プ152を含み得る。ノブ56は、
図18に示されるように、ロック位置まで回転させる
ことができる。アクチュエータをロックするための他の構成を利用してもよい。ノブ56
は、そのロック位置にあるとき、アクチュエータ90が投与量設定のために移動されるの
を防止する。
図19に示されるロック解除位置に回転された場合にのみ、使用者は、アク
チュエータ90を引き出して投与量を設定することができる。一例では、
図12をさらに
参照すると、アクチュエータ90は、アクチュエータ90のレール110の上端部114
に沿って配置されたインターロック停止突起部158を含む。インターロック停止突起部
158は、レール110の階段状領域160として画定することができ、インターロック
停止突起部および階段状領域160の高さは、インターロック停止突起部158に近位で
ある隣接する凹状領域162の上方にある。そのロック位置で、ノブ56の内部リップ1
52の領域164は、インターロック停止突起部158の移動経路を横切って配置され、
アクチュエータ90がさらに近位に移動するのを物理的に妨害する。そのロック解除位置
では、内部リップ152のスロット付き領域(概して、166として示される)が、イン
ターロック停止突起部158の移動経路を横切って配置され、アクチュエータ90が投与
量設定のために近位に移動できるようにする。スロット付き領域166は、インターロッ
ク停止突起部158およびそれを通る階段状領域160を受け入れ、通過させることがで
きるサイズである。
【0035】
本明細書に記載の装置の一態様は、そのように構成されている場合、固定量の投与量を
一度に送出する能力、または固定量の投与量を複数回繰り返し送出する能力である。装置
の一実施形態では、使用者または医療提供者が、例えば滴定ルーチン中などの処置中に固
定した投与量を変化させることが望ましい場合がある。この目的のために、装置20は、
投与量設定中のアクチュエータ90の移動を、単一注入のための固定投与量体積の100
%に対応する全移動未満の位置に制限するように構成された投与量セレクタ170を含み
得る。投与量セレクタ170は、装置が2つを超える設定のために構成されている場合、
少なくとも2つの位置間または2つを超える位置の間で移動可能であり得る。投与量セレ
クタ170が第1の位置にあるとき、アクチュエータ90は、100%の固定投与量体積
を可能にするために全距離を移動することができる。投与量セレクタ170が第2の位置
にあるとき、アクチュエータ90は、100%未満のいくらかの固定投与量体積の送出を
可能にするために、その距離よりも短い距離を移動することができる。投与量セレクタ1
70は、装置の任意の部分に含まれ得る。一例では、その位置の少なくとも1つにある投
与量セレクタ170は、アクチュエータ90と係合して、アクチュエータのその100%
投与量位置への移動を阻止する。一例では、投与量セレクタ170は、使用者が別の位置
にシフトするために投与量セレクタに力を加えることができるように、使用者が接触可能
な部分を含む。一例では、装置20は、どの投与量が投与量セレクタによって選択されて
いるかを使用者に示すために、および/またはロックされた位置を示すために、投与量イ
ンジケータ172を含み得る。
【0036】
ノブ本体150およびインジケータ172は、単一の部品に一体的に形成され得る。図
21では、ノブ本体150は、装置ハウジングへの組み立てを容易にするためにクラムシ
ェル設計を有し得る。インジケータ172は、本体150に結合する別個の部品であり得
る。例えば、ノブ本体150は、ノブ本体150のスロット175に沿って配置された一
対の外部結合軸方向リップ174を備えて示され、インジケータ172は、締まりばめで
リップ174の上に嵌合する本体178を有する。
図22に示されるように、インジケー
タ178の近位端は、装置ハウジング21の近位端壁部46と重なるポインタ要素180
を含み得る。近位端壁部46は、概して182として示されるマーキング、デボス、エン
ボス、ステッカー、または他の模様を有することができ、ノブ56が回転されたときの固
定投与量のサイズを示すためにポインタ要素180が関連付けられる。
【0037】
図21~
図22は、装置の投与量セレクタ170の一例を示している。ここで、投与量
セレクタ170は、スロット付き領域および/または1つ以上の軸方向中子を含むノブ5
6によって画定される。複数の中子185が提供される場合、中子185は、互いに対し
て円周方向に配置される。中子185の各々は、異なる軸方向長さで遠位方向に延在する
ことができる。中子185の各々は、ノブ56の回転時に制御可能に配置されて、
図12
に示される、アクチュエータ90のレール110の上端部114に沿って配置された隆起
突起部190と係合する。隆起突起部190は、インターロック停止突起部158の遠位
に配置される。隆起突起部190は、レールの第2の階段状領域192として画定される
ことができ、第2の階段状領域192の高さは、隆起突起部190の近位にある隣接する
階段状領域160の上方にある。
【0038】
一例では、中子185は、ノブ本体の内面194に沿って配置されている。
図21は、
スロット付きまたは中子のない領域200、第1の中子202、および第1の中子202
よりも長い第2の中子204を示し、各々が内面194に沿って互いに対して円周方向に
配置されて、3つの投与量設定位置を画定する。中子のない領域200は、ラジアルリッ
プ152の第1のスロット付き領域201につながり、アクチュエータ90が完全な10
0%の固定投与量設定または大投与量設定のために近位に引き出されることを可能にする
。中子がない場合、隆起突起部190は、第1のスロット付き領域201まで移動して、
ラジアルリップ152の対応するセクションと係合する。第1の中子202は、ラジアル
リップ152の第2のスロット付き領域203につながり、アクチュエータ90が、完全
な100%固定投与量設定または中投与量設定に対して、完全位置よりも小さい位置に近
位に引き出されることを可能にする。第2の中子204は、ラジアルリップ152の第3
のスロット付き領域205につながり、アクチュエータ90が、完全な100%固定投与
量に対する完全位置よりも小さく、第1の中子によって許容される投与量設定または少量
の設定に対する前記位置よりも小さい位置まで近位に引き出されることを可能にする。第
1および第2の中子202、204を用いて、隆起突起部190は、アクチュエータの全
移動未満までの引き出し中にそれぞれの中子と係合して、それぞれのスロット付き領域を
通る完全な移動を阻止する。別の一実施形態では、中子は、配置されたときにそれに応じ
て様々な投与量を提供する階段状中子と一体であり得る。
【0039】
軸方向中子の長さと数は、様々な可変固定投与量に対応するように選択および変更され
得る。一実施形態では、中子の長さは、いくつかのラチェット歯部に対応する。他の実施
形態では、中子202、204は、ノブ本体を越えて延在することができる。例えば、投
与量セレクタは、100%固定投与量、66%固定投与量、および33%固定投与量に対
して配置され得る。他のパーセンテージが提供されてもよい。一実施形態では、大投与量
設定は3つのラチェット歯距離移動を可能にし、中投与量設定は2つのラチェット歯距離
移動を可能にし、小投与量設定は単一のラチェット歯距離移動を可能にする。この目的の
ために、第1の中子の軸方向の長さは、1つのラチェット歯部によって100%の投与量
を減らすようなサイズであり、第2の中子の軸方向の長さは、2つのラチェット歯部によ
って100%の投与量を減らすようなサイズである。
【0040】
図23は、装置のコンポーネントに損傷を与える可能性のある投与量送出中のアクチュ
エータ90に加えられた高負荷がギアセット62およびプランジャ部材64に伝達される
のを阻止するために、装置20に負荷ブレーキシステム210を提供する一例を示す。ア
クチュエータ90は、負荷ブレーキシステム210を画定するために、ハウジング21内
に固定的に配置されたブレーキ要素214と係合可能な少なくとも1つの歯部を有するブ
レーキ爪部212を含み得る。アクチュエータ90は、第1の側部96を画定する第1の
屈曲性部材220と、ボタン端部94から軸方向に延在する第2の側部98を画定する第
2の屈曲性部材224とを含むように示されている。第1および第2の屈曲性部材220
、224は、剛性ガイドレール要素110の反対側に平行に間隔を置いて配置されている
。屈曲性部材220は、ガイドレール要素110に面する部材220の半径方向内面22
1に沿って配置されたブレーキ爪部212を含む。屈曲性部材224は、ガイドレール要
素110に面する部材224の半径方向内面225に沿って配置されたブレーキ爪部21
3を含む。
図3をさらに参照すると、ブレーキ要素214は、ハウジングの半分30のリ
ブ116のうちの1つの外面に沿って長手方向に配置された複数のラチェットブレーキ歯
部として示されている。ハウジング21はまた、ブレーキ爪部213と係合するために、
ハウジングの半分30のリブ116の他の外面に沿って配置されて示される、軸方向に延
在するラチェットブレーキ歯部215を含み得る。ブレーキ爪部は、ピンカップリングと
ボタン端部94との間に配置することができる。
【0041】
カートリッジ内のピストンを駆動して針から薬剤を排出するために必要な負荷力は、例
えば、針カニューレのサイズ、ピストンのサイズ、薬剤の粘度、シリンジバレルの潤滑剤
、駆動機構の摩擦損失など、装置の様々な要因に起因する可能性がある。静的な状態でピ
ストンに打ち勝つための最初の力は、動的な移動の間にピストンを移動し続ける力よりも
大きい。装置は、ピストンの静的および動的な移動中に所定の負荷アクチュエータ力要件
を使用して設計され、内部コンポーネントに損傷を与える可能性のある過度の力を抑制す
ることができる。アクチュエータ90の屈曲性部材220、224の各々の本体は、使用
者によってアクチュエータ90に提供される所定の軸方向の力で、その自然な構成から半
径方向内側に屈曲して座屈するように構成される。この所定の軸力よりも大きいこのよう
な荷重は、屈曲性部材にモーメント(トルク)を生成し、屈曲性部材を屈曲させる。屈曲
性部材220、224の半径方向の屈曲(
図23の矢印223、227の方向)は、それ
ぞれのブレーキ爪部212、213を、対応するラチェットブレーキ歯部214、215
から歯の裏側の1つと係合させて配置し、ハウジングに対するアクチュエータ90のそれ
以上の動きを阻止する。力が減少すると、屈曲性部材220、224は、その自然な構成
(
図23に示される)に戻るための弾力性を有することができ、ここで、それぞれのブレ
ーキ爪部212、213は、対応するラチェットブレーキ歯部214、215の歯から係
合解除され、クリアされ、アクチュエータのさらなる前進を可能にする。他の実施形態で
は、対の代わりに単一の屈曲性部材を使用することができる。他の実施形態では、屈曲性
部材は、アクチュエータに対して外側に配置することができるラチェット歯部と係合する
ように外側または上方に屈曲するように構成することができる。荷重が所定の軸力、つま
り垂直荷重力よりも小さい場合、係合の程度まで屈曲性部材が曲がることはなく、したが
って、負荷ブレーキシステムは、垂直荷重の下で駆動システムに追加の摩擦損失を提供し
ない可能性がある。
【0042】
屈曲性部材220、224の有無にかかわらず、アクチュエータ90は、入力結合端部
からボタン端部までの単一部品とすることができ、これは複数のコンポーネントの組み立
ておよび作動負荷減衰のためのばねの使用を回避し得る。別の一例では、屈曲性部材22
0、224の有無にかかわらず、アクチュエータ90は、屈曲性部材220、224のよ
うないくつかのコンポーネントを固定される方法で組み立てて単一部品を形成することに
よって製造され得る。一例では、屈曲性部材220、224および本明細書に記載の他の
構成の1つ以上を備えたアクチュエータ90は、例えば、射出成形プラスチックプロセス
から成形可能な単一部品である。屈曲性部材220、224を備えたアクチュエータ90
は、負荷ブレーキ機能がアクチュエータとのらせんばね構成なしで発生するので、ばねな
しアクチュエータと呼ばれ得る。
【0043】
図24は、装置20内に投与量検出システム300を含めることを示し、その結果、装
置20は、スマートフォンまたはサーバーなどの外部装置へ投与量注入データを検出する
、示す、表示する、および/または通信するように構成できる。本明細書に記載の投与量
検出システムは、薬剤送出装置の部材に結合された感知するコンポーネント302および
感知されるコンポーネント304を使用する。感知するコンポーネント302は、部材上
に直接配置されるか、部材内に受け入れられるか、部材と一体であるか、またはその他の
方法で部材に接続されることによって、装置20の部材に取り付けられ得る。接続には、
例えば、摩擦係合、スプライン、スナップまたは圧入、音波溶接または接着剤によって形
成された接続が含まれ得る。
【0044】
感知するコンポーネント302は、感知されるコンポーネント304の相対位置を検出
することができる任意のコンポーネントを指す。感知するコンポーネント302は、感知
する要素、または「センサ」を、感知する要素を操作するための関連する電気コンポーネ
ントと共に含む。感知されるコンポーネント304は、感知するコンポーネント302が
感知するコンポーネント302に対する感知されるコンポーネント304の位置および/
または移動を検出することができる任意のコンポーネントを指す。投与量送出検出システ
ムの場合、感知されるコンポーネントは、感知するコンポーネントに対して軸方向に並進
し、感知するコンポーネントは、感知されるコンポーネントの長手方向位置および/また
は長手方向の移動を検出し、感知されるコンポーネントの位置または移動を表す出力を提
供することができる投与量型検出システム300の場合、感知するコンポーネント302
は、感知されるコンポーネント304の相対的な長手方向位置を検出する。感知するコン
ポーネント302は、1つ以上の感知する要素を含むことができ、感知されるコンポーネ
ント304は、1つ以上の感知される要素を含むことができる。
【0045】
システム300は、感知されるコンポーネントの異なる長手方向位置および/または総
移動距離を決定するように動作可能である。感知するコンポーネント302は、感知され
るコンポーネント304の位置または移動量を表す出力を生成する。例えば、感知するコ
ンポーネント302は、投与量送出中の投与量設定部材の移動距離を決定することができ
る出力を生成するように動作可能であり得る。システム300は、出力を受信するために
感知するコンポーネント302に動作可能に接続された処理回路(図示せず)を備え得る
。一態様では、システム300は、出力から、薬剤送出装置の動作によって送出される投
与量を決定するように構成される。
【0046】
送出された投与量との既知の関係を有する長手方向距離の範囲で、システム300は、
投与量注入の開始から投与量注入の終了までの長手方向の移動量を検出するように動作可
能である。例えば、ペンインジェクタに対する典型的な関係は、プランジャの長手方向の
変位が、任意の増分単位を使用して、1、2、3、4、5、6、またはそれ以上などの所
定の投与量単位量に相当することである。システム300は、そのようなデータが送出さ
れる投与量を決定するために使用されるために、投与量送出中の投与量設定部材の総長手
方向変位を決定するように動作可能である。代替のアプローチは、相対的に移動する部材
の開始位置と停止位置を検出し、それらの位置間の差として送出される投与量を決定する
ことである。これのための様々な方法は、十分に当業者の範囲内であり、移動距離、した
がって送出される単位の数を評価するために、増分の数、すなわちラチェット歯部を「カ
ウントする」ことを含み得る。
【0047】
2つの部材の相対位置を検出することができる様々な感知技術のいずれかを組み込むこ
とができる。そのような技術は、例えば、触覚、振動、光学的、誘導的、容量的または電
気的測定に基づく技術を含み得る。そのような技術は、磁場などの場に関連する感知され
るパラメータの測定を含み得る。いくつかの実施形態では、感知する要素に対する感知さ
れる領域内の感知される要素の移動および/または位置は、場の検出可能なパラメータを
変化させ、検出可能なパラメータのこの変化は、感知する要素によって感知または測定さ
れ得る。そのような実施形態では、感知されるパラメータは、静電容量、コンダクタンス
、抵抗、インピーダンス、電圧、インダクタンスなどであり得る。例えば、ホール効果セ
ンサは、印加された磁場の歪みに起因する電圧の変化を検出する。
【0048】
図示の例では、感知するコンポーネント302は、装置ハウジング21の一部に取り付
けられ、感知されるコンポーネント304は、プランジャ部材64として示される投与量
設定部材のコンポーネント内に画定される。感知されるコンポーネント304はまた、ア
クチュエータなどの投与量設定部材を備え得る。システム300は、投与量送出中に、感
知されるコンポーネント304、したがってプランジャ部材64の相対的な長手方向の移
動を検出し、そこから、薬剤送出装置によって送出される投与量が決定される。例示的な
一実施形態では、感知するコンポーネント302は、回転して長手方向に固定される方法
で装置ハウジング21に取り付けられている。この実施形態では、感知されるコンポーネ
ント304は、プランジャ部材64である投与量設定部材に回転して長手方向に固定され
、プランジャ部材64は、投与量送出中に装置本体に対して長手方向に移動する。
【0049】
マイクロコントローラのプロセッサに送信される電気出力信号を生成するために2つ以
上の位置の間で移動可能なトリガーアーム322を有する電気機械式スイッチ320を含
む感知するコンポーネント302が示されている。感知されるコンポーネント304は、
投与量設定部材に結合された一連の感知される歯部330を含む。一例では、感知される
歯部330は、
図6に示されるように、プランジャ部材64の側部331に沿って画定さ
れ得る。側部331は、プランジャ本体の歯のない側91の反対側であり得る。感知され
る歯部330は、プランジャ部材64の本体側331内に一体的に画定され得る。感知さ
れる歯部330は、ギャップ332によって互いに間隔を置いて、互いに長手方向に変位
して示されている。ギャップ332は、トリガーアーム322の少なくとも一部を受け入
れるようなサイズになっている。トリガーアーム322は、感知される歯部330がトリ
ガーアーム322に対して移動することによって感知する接触位置にトリガーされること
ができ、感知される歯部がトリガーアーム322を通過すると、トリガーアーム322は
、自然な静止位置に戻るように付勢される。トリガーアーム322がその感知接触位置へ
移動し、次にその自然な静止位置に戻る1回の移動は、マイクロコントローラのプロセッ
サによって単一のカウントとして認識され得る。投与量検出は、増分(またはスイッチを
トリガーする検出される歯部の総数)をカウントして、送出された投与量を決定すること
によって実現される。一例では、システム300は、各々の繰り返しが所定の程度の長手
方向変位の指標となるように、感知される要素の繰り返しパターンを使用することができ
る。好都合なことに、パターンは、各々の繰り返しが、薬剤送出装置で設定することがで
きる投与量の最小増分に対応するように確立することができる。代替のアプローチは、相
対的に移動する部材の開始位置と停止位置を検出し、それらの位置間の差として送出され
る投与量を決定することである。
【0050】
図25は、投与量検出に使用される装置内に統合することができるシステム300の電
子機器アセンブリ340の一例を示している。電子機器アセンブリ340は、複数の電子
部品を有するプリント回路基板(PCB)342を含み得る。電子機器アセンブリは、感
知された相対的な長手方向の変位を表すセンサからの信号を受信するために(
図26に示
される)プロセッサ350と動作可能に通信する電気機械式スイッチ320などの感知す
るコンポーネントを含む。電子機器アセンブリは、
図26に示されるような他のコンポー
ネントをさらに含む。アセンブリは、コンポーネントに電力を供給するための電池344
、例示的にはコイン電池を含む。マイクロコントローラのプロセッサは、ハウジングに対
する投与量設定部材の検出された変位に基づいて薬剤送出装置によって送出される投与量
を検出することを含む、本明細書に記載の操作を実行するように動作する制御ロジックを
含む。
【0051】
本明細書で使用される場合、「ロジック」または「制御ロジック」または「アプリケー
ション」という用語は、1つ以上のプログラマブルプロセッサ、特定用途向け集積回路(
ASIC)、フィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA)、デジタルシグナルプ
ロセッサ(DSP)、ハードワイヤードロジック、またはそれらの組み合わせ上で実行す
るソフトウェアおよび/またはファームウェアを含み得る。したがって、実施形態によれ
ば、様々なロジックは、任意の適切な方法で実装されることができ、本明細書に開示され
た実施形態に従ってとどまるであろう。
【0052】
図26では、システム300は、装置20のメモリ352に格納されたソフトウェアお
よび/またはファームウェアを実行する少なくとも1つのプロセッサ350を含む。ソフ
トウェア/ファームウェアコードは、プロセッサ350によって実行されると、システム
コントローラ310に本明細書で説明される機能を実行させる命令を含む。少なくとも1
つのプロセッサ350は、例示的に、ハウジング/感知する要素に対する感知される要素
の検出された変位に基づいて薬剤送出装置によって送出される投与量を検出することを含
む、本明細書に記載の動作を実施するように動作する制御ロジック/アプリケーション3
51を含む。プロセッサ350は、検出された投与量、時間、および他のデータを示すデ
ータをメモリ352に格納するように動作することができる。メモリ352は、プロセッ
サ350によってアクセス可能な任意の適切なコンピュータ可読媒体である。メモリ35
2は、単一の記憶装置または複数の記憶装置とすることができ、プロセッサ350の内部
または外部に配置されることができ、揮発性媒体および不揮発性媒体の両方を含み得る。
例示的なメモリ352は、ランダムアクセスメモリ(RAM)、読み取り専用メモリ(R
OM)、電気的に消去可能なプログラム可能なROM(EEPROM)、フラッシュメモ
リ、磁気記憶装置、光ディスク記憶装置、またはデータを記憶するように構成され、プロ
セッサ350によってアクセス可能である任意の他の適切な媒体を含む。システム300
は、Bluetooth低エネルギー(BLE)または、例えば、近距離通信(NFC)
、WIFI、またはセルラーネットワークなどの他の適切な短距離または長距離無線通信
プロトコルを介して、使用者のスマートフォンなどの対の遠隔電子装置360に検出され
た投与量を表す信号358を無線で送信および/または受信するようにさらに動作する通
信装置356を含み得る。装置20と同様に、遠隔装置360は、プロセッサ、メモリ、
通信装置を含み、また、ユーザインターフェースのためのディスプレイを含み得る。遠隔
装置360は、例示的に、スマートフォンなどのモバイル装置を含む。あるいはまた、例
えば、ラップトップ、デスクトップ、タブレット、またはサーバーコンピュータを含むが
これらに限定されない、任意の適切なコンピューティング装置を使用することができる。
【0053】
上記で簡単に説明したように、投与量検出または感知システムは、様々に構成された薬
剤送出装置での使用に適合させることができる。例えば、投与量検出システムは、他のタ
イプの機械効率構造を含む薬剤送出装置での使用に適合させることができる。より具体的
には、投与量検出システムは、米国特許出願公開第2018/0064882号に開示さ
れている装置のいずれかなど、収束ランプを介して機械効率を提供する薬剤送出装置での
使用に適合させることができ、その開示は、すべての目的のためにその全体が参照により
本明細書に組み込まれる。より具体的な例として、
図27を参照すると、投与量検出シス
テム402を含み、収束ランプを介して機械効率を提供する薬剤送出装置400が示され
ている。概して、薬剤送出装置400は、薬剤カートリッジ406(例えば、カートリッ
ジ48を含む、本明細書に記載の薬剤カートリッジのいずれかであり得る)を運ぶハウジ
ング404と、薬剤カートリッジ406から1回以上の投与量の薬剤を送出するための機
械効率促進駆動機構408と、投与量検出システム402とを含む。ハウジング404は
、例えば、図示のように、共に駆動機構408を運ぶハウジング前部ピース410および
ハウジング後部ピース412を含む。ハウジング前部ピース410およびハウジング後部
ピース412はまた、薬剤カートリッジ406を取り外し可能に運ぶカートリッジリテー
ナ414に結合する。カートリッジリテーナ414は、取り外し可能なキャップ416を
運び、これは、薬剤カートリッジ406からの薬剤の1回以上の送出を促進するために、
使用者によって取り外し可能である。
【0054】
図27を引き続き参照すると、駆動機構408は、薬剤カートリッジ406にそこから
1回以上の投与量の薬剤を送出させる並進可能に駆動可能である細長い駆動要素またはプ
ランジャ部材418を含む。図示のように、プランジャ部材418は、ハウジング404
に対して一方向に駆動され得る。より具体的には、プランジャ部材418は、薬剤カート
リッジ406に向かう方向(すなわち、遠位方向)に駆動可能であり得るが、反対方向(
すなわち、近位方向)に移動することを阻止され得る。この動作を促進するために、プラ
ンジャ部材418は、ハウジング404の爪部422と係合する複数のラチェット歯部4
20を含み得る。さらに、以下でさらに詳細に説明するように、プランジャ部材418は
また、投与量検出システム402に動作可能に結合する。
【0055】
図27をさらに参照すると、駆動機構408はまた、ハウジング404内で並進可能に
運ばれる駆動部または駆動要素424を含む。駆動要素424は、ハウジング404に対
してプランジャ部材418を一方向に駆動するように構成される。すなわち、駆動要素4
24は、(1)プランジャ部材418と共に移動し、プランジャ部材418を薬剤カート
リッジ406に向かって遠位方向に駆動し、(2)プランジャ部材418に対して近位方
向に並進する。この動作を促進するために、駆動要素424は、プランジャ部材418の
ラチェット歯部420に係合する爪部(図示せず)を含む。駆動要素424はまた、以下
でさらに詳細に説明されるように、駆動要素424の駆動を促進する引張面426を含む
。駆動要素424は、傾斜面428をさらに含み、これは、以下でさらに詳細に説明され
るように、薬剤カートリッジ406から薬剤の1回以上の投与量を送出するための機械効
率を提供することを促進する。
【0056】
図27を引き続き参照すると、駆動機構408は、使用者によって移動可能に操作可能
なアクチュエータ430をさらに含む。アクチュエータ430は2つのアーム432を含
み、2つのアーム432は、それらの近位端434で枢動可能に結合されている。アクチ
ュエータアーム432は、以下でさらに詳細に説明するように、各々が駆動要素424と
係合するように構成された中間グライド436および遠位グライド438を含む。
【0057】
ここで
図28および
図29を参照すると、薬剤送出装置400の駆動機構408の動作
が一般的に説明されている。
図28は、ある投与量の薬剤を送出する前の駆動機構408
を示している。この位置から、使用者は、アクチュエータアーム432の近位端434を
近位方向に、または投与量設定方向に引っ張る。
図29に示されるように、ハウジング4
04は、アクチュエータアーム432を互いに向かって枢動させる。アクチュエータ43
0が投与量設定方向に近位方向に移動し続けると(移動は特に図示されていない)、アク
チュエータアーム432の中間グライド436は、駆動要素424の引張面426と係合
する。次に、駆動要素424は、アクチュエータ430によって近位方向に移動し、プラ
ンジャ部材418は、(プランジャ部材418のラチェット歯部420およびハウジング
404の爪部422(両方とも他の場所に図示される)のため)ハウジング404に対し
て静止したままである。次に、この位置から、使用者は、アクチュエータ430を遠位に
、または投与量送出方向に押す。この動作は、アクチュエータアーム432の遠位グライ
ド438が駆動要素424の傾斜面428上を摺動するので、より短い距離ではあるが(
したがって、より遅い速度で)駆動要素424を遠位に駆動する。アクチュエータアーム
432と駆動要素424との間のこの相互作用は、機械効率を提供する-すなわち、駆動
要素424は、(駆動要素424の爪部(図示せず)およびプランジャ部材418のラチ
ェット歯部420(他の場所に図示される)を介して)増加した力でプランジャ部材41
8を駆動する。アクチュエータ430の投与量送出方向への継続的な遠位移動時に、プラ
ンジャ部材418は、薬剤カートリッジ406に薬剤の投与量を送出させ、薬剤送出装置
400は、一般的に、
図28に示される位置に戻る。より具体的には、アクチュエータア
ーム432および駆動要素424は、プランジャ部材418が遠位方向に前進したままで
あるが、
図28に示される位置に戻る。薬剤カートリッジ406が使い果たされるまで、
および/またはプランジャ部材418がその移動範囲の終わりに達するまで、操作を繰り
返して、追加投与量の薬剤を送出することができる。
【0058】
投与量感知システム402は、一般的に、感知するコンポーネントおよび感知されるコ
ンポーネントを含み、感知するコンポーネントは、感知されるコンポーネントの移動を検
出して、薬剤送出装置400によって送出される投与量の量を決定する。
図27に示され
るように、感知するコンポーネントは、トリガーアーム442を有する電気機械式スイッ
チ440を含み得る。トリガーアーム442は、電気的作動信号を生成するために2つ以
上の位置の間で移動可能であり得る。
図30A~
図30Bを参照すると、プランジャ部材
418は、感知されるコンポーネントを形成する複数の感知される歯部444を含む。感
知される歯部444は、プランジャ部材の側壁部の端壁部に沿って付けられ得るか、ある
いはまた、
図6および
図6Aで歯部が配置される方法と同様に、端壁部によって画定され
る空洞の底壁部に沿って配置され得る。一般的に、電気機械式スイッチ440および感知
される歯部444、ならびに投与量検出システム402の他のコンポーネントは、
図24
~
図26に示される投与量検出システムのコンポーネントと同様であり得る。例えば、ト
リガーアーム442は、感知される歯部444がトリガーアーム442に対して移動する
ことによって作動することができ、感知される歯部444がトリガーアーム442を通過
した後、トリガーアーム442は、その初期位置に戻るように付勢される。トリガーアー
ム442の単一の作動および戻りは、投与量検出システム402によって1回のカウント
として認識され得る。投与量検出は、増分(またはスイッチ440をトリガーする感知さ
れる歯部444の総数)をカウントして、送出された投与量を決定することによって達成
することができる。送出された投与量は、スマートフォンまたはサーバーなどの外部装置
(図示せず)を介して示され、表示され、および/または通信され得る。
【0059】
本発明は、好ましい設計を有するものとして示され、説明されてきたが、本発明は、本
開示の趣旨および範囲内で修正され得る。したがって、本出願は、その一般原理を使用し
て、本発明の任意の変形、使用、または適合を網羅することを意図している。さらに、本
出願は、本発明が関係する当該技術分野における既知のまたは慣習的な慣例の範囲内にあ
るような本開示からの逸脱を網羅することを意図している。
【0060】
本開示では、以下の態様を含むがこれらに限定されない様々な態様が記載されている。
【0061】
(態様1)
長手方向軸の周りに画定され、1つ以上のハウジングラック歯部を含むハウジングと、
薬剤カートリッジバレル内に配置されたピストンを駆動するための端部を備えた細長い
本体を有するプランジャであって、本体は、互いに長手方向に離間して配置された複数の
ラチェット歯部を含む、プランジャと、
プランジャを遠位方向に前進させるように構成され、プランジャのラチェット歯部と移
動可能に結合された1つ以上の爪端部を有し、1つ以上の駆動歯部を有する出力駆動部材
と、出力駆動部材の駆動歯部およびハウジングのハウジングラック歯部と係合する少なく
とも1つのピニオン駆動部と、少なくとも1つのピニオン駆動部に結合された結合端部を
有し、ボタン端部とハウジング内に配置された結合端部との間に延在する単一部品本体を
有し、投与量設定のための伸長位置と投与量送出のための後退位置との間で長手方向に移
動可能であるアクチュエータとを含む、プランジャ駆動システムとを含む、薬剤送出装置
であって、
アクチュエータの後退位置から伸長位置への移動に応答して、駆動歯部に沿った第1の
方向の少なくとも1つのピニオン駆動部の回転は、プランジャに対して出力駆動部材を軸
方向に並進させ、出力駆動部材の1つ以上の爪端部が、プランジャのラチェット歯部に沿
って摺動するように構成され、
アクチュエータの伸長位置から後退位置への移動に応答して、駆動歯部に沿った第2の
方向の少なくとも1つのピニオン駆動部の回転は、出力駆動部材を軸方向に並進させ、出
力駆動部材の1つ以上の爪端部が、プランジャのラチェット歯部と係合して、出力駆動部
材がプランジャに対して軸方向に並進するのを防ぎ、それによって遠位方向にプランジャ
を前進させるように構成される、薬剤送出装置。
【0062】
(態様2)
長手方向軸の周りに画定されるハウジングと、
薬剤カートリッジバレル内に配置されたピストンを駆動するための端部を備えた細長い
本体を有するプランジャと、
プランジャを遠位方向に前進させるように構成され、投与量設定のための完全伸長位置
と投与量送出のための後退位置との間で長手方向に移動可能であるアクチュエータを含む
、プランジャ駆動システムと、
全投与量送出のために完全伸長位置までアクチュエータを移動可能にするための第1の
位置まで回転可能であり、部分的全投与量送出のために完全伸長位置までアクチュエータ
が移動するのを阻止するためにアクチュエータと係合する位置に中子を配置するための別
の位置まで回転可能である回転式投与量セレクタとを含む、薬剤送出装置。
【0063】
(態様3)
長手方向軸の周りに画定されるハウジングと、
薬剤カートリッジバレル内に配置されたピストンを駆動するための端部を備えた細長い
本体を有するプランジャであって、本体は、互いに長手方向に離間して配置された複数の
ラチェット歯部を含む、プランジャと、
プランジャを遠位方向に前進させるように構成され、プランジャのラチェット歯部と移
動可能に結合された1つ以上の爪端部を有する出力駆動部材を含む、プランジャ駆動シス
テムと、
投与量設定のための伸長位置と投与量送出のための後退位置との間で長手方向に移動可
能であるアクチュエータとを含み、
出力駆動部材はタブを含み、プランジャは、タブを受け入れるように構成された長手方
向スロットを画定し、長手方向スロットは、少なくとも部分的に近位リップによって画定
され、
投与量設定中のアクチュエータの後退位置から伸長位置への移動に応答して、プランジ
ャは静止したままであるように構成され、
アクチュエータの伸長位置から後退位置への移動に応答して、プランジャは、遠位方向
に遠位に前進するように構成され、
タブは、投与量設定中に長手方向スロットの近位リップに接触して、薬剤送出装置に薬
剤がないことを示す出力駆動部材とプランジャとの間の相対的な移動を防止するように構
成される、薬剤送出装置。
【0064】
(態様4)
長手方向軸の周りに画定され、1つ以上のハウジングラック歯部を含むハウジングと、
薬剤カートリッジバレル内に配置されたピストンを駆動するための端部を備えた細長い
本体を有するプランジャであって、本体は、互いに長手方向に離間して配置された複数の
ラチェット歯部を含む、直線的に変位可能なプランジャと、
プランジャを遠位方向に前進させるように構成され、プランジャと移動可能に結合され
た出力部材と、出力駆動部材に結合された結合端部を有し、投与量設定のための伸長位置
と投与量送出のための後退位置との間で長手方向に移動可能であるアクチュエータとを含
む、プランジャ駆動システムと、
プランジャの移動中に感知される歯部を検出するためにハウジング内に配置されたスイ
ッチ、およびスイッチと通信し、複数の感知される歯部のうちの1つがスイッチに接触す
る回数に基づき位置信号を受信するように構成されたプロセッサを含む電子アセンブリを
含む投与量検出システムとを含み、
アクチュエータの後退位置から伸長位置への移動に応答して、出力駆動部材は、プラン
ジャに対してプランジャに沿った設定位置に移動するように構成され、
アクチュエータの伸長位置から後退位置への移動に応答して、出力駆動部材は、プラン
ジャをハウジングに対して遠位方向に遠位に前進させるように構成される、薬剤送出装置
。
【0065】
(態様5)
装置は薬剤を含む、態様1~4のいずれか1つに記載の装置。
【0066】
(態様6)
アクチュエータの表面は、出力駆動部材の表面に沿って摺動可能に係合される、態様1
~5のいずれか1つに記載の装置。
【0067】
(態様7)
アクチュエータまたは出力駆動部材の一方がガイド要素を含み、アクチュエータまたは
出力駆動部材の他方が、ガイド要素と摺動可能に接触するレール要素を含む、態様1~6
のいずれか1つに記載の装置。
【0068】
(態様8)
アクチュエータがレール要素を含み、出力駆動部材がガイド要素を含む、態様7に記載
の装置。
【0069】
(態様9)
ガイド要素は、出力駆動部材に沿って延在する一対の軸方向に延在する平行なガイドリ
ブを含み、アクチュエータの下面が、ガイドリブによって画定される空間内に適合するサ
イズのレール要素を画定する、態様8に記載の装置。
【0070】
(態様10)
アクチュエータは、アクチュエータの片側または両側から横方向に延在する横棚を含み
、横棚は、アクチュエータの上面と下面との間に配置され、ガイドリブの上面と滑り接触
している、態様9に記載の装置。
【0071】
(態様11)
少なくとも1つのピニオン駆動部は、出力駆動部材の反対側に沿って配置された第1の
ピニオン駆動部および第2のピニオン駆動部を含み、駆動歯部は、出力駆動部材によって
画定される第1のラックおよび第2のラックを含み、第1のピニオン駆動部材は第1のラ
ックと係合し、第2のピニオン駆動部材は第2のラックと係合する、態様1~10のいず
れか1つに記載の装置。
【0072】
(態様12)
アクチュエータは、第1のピニオン駆動部材のピンを受け入れる第1のスロットと、第
2のピニオン駆動部材のピンを受け入れる第2のスロットとを含む、態様11に記載の装
置。
【0073】
(態様13)
出力駆動部材は、プランジャを受け入れる通路を受け入れるプランジャ部材を画定する
ためにU字型本体によって画定され、U字型本体は、第3の側部によって相互接続された
一対の平行な側部を含み、平行な側部の各々は、爪端部の1つを含む、態様1~12のい
ずれか1つに記載の装置。
【0074】
(態様14)
U字型本体の第3の側部はタブを含み、プランジャは、タブを受け入れるように構成さ
れた長手方向スロットを画定し、長手方向スロットは、タブに接触して、送出装置に薬剤
がないときの出力駆動部材とプランジャとの間のさらなる相対移動を防止するように構成
された近位リップによって画定される、態様13に記載の装置。
【0075】
(態様15)
アクチュエータへの投入力が所定の力よりも大きいときにアクチュエータの移動を阻止
するように構成された負荷ブレーキ爪部および歯部機構をさらに含む、態様1~14のい
ずれか1つに記載の装置。
【0076】
(態様16)
負荷ブレーキ爪部および歯部機構は、ボタン端部と結合端部との間に配置され投入力が
所定の力よりも大きい場合にハウジングによって画定されるブレーキ要素と係合するよう
に半径方向に移動可能である可撓性ブレーキ要素を含む、態様15に記載の装置。
【0077】
(態様17)
アクチュエータは、ブレーキ要素のブレーキ歯部と係合するように構成されたブレーキ
爪部を有する可撓性ブレーキ要素を含む、態様16に記載の装置。
【0078】
(態様18)
アクチュエータは、ボタン端部と結合端部との間のアクチュエータの剛体要素の反対側
に結合され、それに沿って配置された第1の可撓性ブレーキ要素および第2の可撓性ブレ
ーキ要素
を含み、ハウジングは、第1のブレーキ要素および第2のブレーキ要素を含み、第1お
よび第2のブレーキ要素の各々は、複数のラチェットブレーキ歯部を含み、アクチュエー
タへの投入力が所定の力よりも大きいことに応答して、第1および第2の可撓性ブレーキ
要素は半径方向に内側に屈曲して、対応する第1および第2のブレーキ要素のラチェット
ブレーキ歯部と係合して、アクチュエータのさらなる遠位方向の移動を阻止し、アクチュ
エータへの投入力が所定の力よりも小さいことに応答して、第1および第2の可撓性ブレ
ーキ要素は、対応する第1および第2のブレーキ要素のラチェットブレーキ歯部をクリア
にして、アクチュエータのさらなる遠位方向の移動を可能にする自然な構成を有する、態
様16に記載の装置。
【0079】
(態様19)
アクチュエータの伸長位置は、全投与量設定のための完全に伸長された位置を含み、装
置は、アクチュエータが完全に伸長された位置よりも少ない投与量設定位置に移動するこ
とを可能にする投与量セレクタをさらに含む、態様1~18のいずれか1つに記載の装置
。
【0080】
(態様20)
投与量セレクタは、アクチュエータに沿って配置された隆起突起部と係合するように選
択的に移動可能な少なくとも1つの軸方向に延在する中子を含む、態様19に記載の装置
。
【0081】
(態様21)
投与量セレクタは、少なくとも1つの軸方向に延在する中子を含む内面を有する投与量
ノブを含み、投与量ノブは、隆起突起部を少なくとも1つの軸方向に延在する中子と選択
的に係合するように回転可能であり、隆起突起部は、アクチュエータの上面に沿って配置
される、態様20に記載の装置。
【0082】
(態様22)
投与量送出を検出するように構成された投与量検出センサシステムをさらに含む、態様
1~21のいずれか1つに記載の装置。
【0083】
(態様23)
投与量検出センサシステムは、プランジャによって画定される複数の感知される歯部と
、ハウジングに結合され、プランジャの移動中に感知される歯部を段階的に検出するよう
に構成された測定センサとを含む、態様22に記載の装置。
【0084】
(態様24)
投与量検出センサシステムは、電気機械式スイッチを備える測定センサと通信するプロセッサであって、複数の感知される歯部のうちの1つが電気機械式スイッチに接触するたびに示す位置信号を受信するように構成されたプロセッサを含む、態様23に記載の装置。
【0085】
(態様25)
プランジャ駆動システムは、アクチュエータによって駆動されるように構成され、アク
チュエータから出力駆動部材への力の伝達を可能にする結合手段を介して出力駆動部材に
結合されたピニオン駆動要素を含む、態様1~24のいずれか1つに記載の装置。
【0086】
(態様26)
薬剤を運ぶ薬剤カートリッジを運ぶように構成された薬剤送出装置であって、
薬剤カートリッジを運ぶように構成されたハウジングと、
ハウジングによって運ばれ、ハウジングに対して、投与量設定方向および反対の投与量
送出方向に移動可能である、アクチュエータと、
ハウジングによって運ばれ、ハウジングに対して、第1の方向と、第1の方向とは反対
である第2の方向に移動可能である、駆動要素と、
アクチュエータを駆動要素に結合する機械効率構造であって、(1)アクチュエータに
第1の力を加えてアクチュエータを投与量送出方向に移動すると、駆動要素は、第1の力
よりも大きい第2の力によって第1の方向に移動し、(2)アクチュエータが投与量設定
方向に移動すると、駆動要素は、第2の方向に移動するように構成される、機械効率構造
と、
ハウジングによって運ばれるプランジャ部材であって、ハウジングに対して第1の方向
に移動可能であり、駆動要素が第1の方向に移動すると第1の方向に駆動されて、薬剤カ
ートリッジに、そこから薬剤の投与量を送出させる、プランジャ部材と、
薬剤カートリッジからの薬剤の投与量の送出を検出するように構成された投与量検出シ
ステムとを含む、薬剤送出装置。
【0087】
(態様27)
投与量検出システムは、プランジャ部材の位置および移動のうちの少なくとも1つを検
出し、それによって、薬剤カートリッジからの薬剤の投与量の送出を検出する、態様26
に記載の装置。
【0088】
(態様28)
投与量検出システムは、プランジャ部材によって運ばれる複数の歯部と、ハウジングに
よって運ばれるセンサとを含み、センサは、複数の歯部を検出するように構成される、態
様27に記載の装置。
【0089】
(態様29)
センサは、複数の歯部と係合して作動されるように構成されたスイッチを含み、スイッ
チは、複数の歯部のうちの1つがスイッチを作動させたときに信号を送信するように構成
される、態様28に記載の装置。
【0090】
(態様30)
プランジャ部材は、第1の方向および第2の方向に実質的に平行な長手方向に伸長され、複数の歯部は、長手方向に離間している、態様29に記載の装置。
本願発明は、以下の発明を含む。
(発明1)
長手方向軸の周りに画定され、1つ以上のハウジングラック歯部を含むハウジングと、
薬剤カートリッジバレル内に配置されたピストンを駆動するための端部を備えた細長い本体を有するプランジャであって、前記本体は、互いに長手方向に離間して配置された複数のラチェット歯部を含む、プランジャと、
前記プランジャを遠位方向に前進させるように構成され、前記プランジャの前記ラチェット歯部と移動可能に結合された1つ以上の爪端部を有し、1つ以上の駆動歯部を有する出力駆動部材と、前記出力駆動部材の前記駆動歯部および前記ハウジングの前記ハウジングラック歯部と係合する少なくとも1つのピニオン駆動部と、前記少なくとも1つのピニオン駆動部に結合された結合端部を有し、ボタン端部と前記ハウジング内に配置された前記結合端部との間に延在する単一部品本体を有し、投与量設定のための伸長位置と投与量送出のための後退位置との間で長手方向に移動可能であるアクチュエータとを含む、プランジャ駆動システムとを備える、薬剤送出装置であって、
前記アクチュエータの前記後退位置から前記伸長位置への移動に応答して、前記駆動歯部に沿った第1の方向の前記少なくとも1つのピニオン駆動部の回転は、前記プランジャに対して前記出力駆動部材を軸方向に並進させ、前記出力駆動部材の前記1つ以上の爪端部が、前記プランジャの前記ラチェット歯部に沿って摺動するように構成され、
前記アクチュエータの前記伸長位置から前記後退位置への移動に応答して、前記駆動歯部に沿った第2の方向の前記少なくとも1つのピニオン駆動部の回転は、前記出力駆動部材を軸方向に並進させ、前記出力駆動部材の前記1つ以上の爪端部が、前記プランジャの前記ラチェット歯部と係合して、前記出力駆動部材が前記プランジャに対して軸方向に並進するのを防ぎ、それによって遠位方向に前記プランジャを前進させるように構成される、薬剤送出装置。
(発明2)
前記アクチュエータの表面は、前記出力駆動部材の表面に沿って摺動可能に係合される、発明1に記載の装置。
(発明3)
前記アクチュエータまたは前記出力駆動部材の一方がガイド要素を含み、前記アクチュエータまたは前記出力駆動部材の他方が、前記ガイド要素と摺動可能に接触するレール要素を含む、発明1に記載の装置。
(発明4)
前記アクチュエータが前記レール要素を含み、前記出力駆動部材が前記ガイド要素を含む、発明3に記載の装置。
(発明5)
前記ガイド要素は、前記出力駆動部材に沿って延在する一対の軸方向に延在する平行なガイドリブを含み、アクチュエータの下面が、前記ガイドリブによって画定される空間内に適合するサイズの前記レール要素を画定する、発明4に記載の装置。
(発明6)
前記アクチュエータは、前記アクチュエータの片側または両側から横方向に延在する横棚を含み、前記横棚は、前記アクチュエータの上面と下面との間に配置され、前記ガイドリブの上面と滑り接触している、発明5に記載の装置。
(発明7)
前記少なくとも1つのピニオン駆動部は、前記出力駆動部材の反対側に沿って配置された第1のピニオン駆動部および第2のピニオン駆動部を含み、前記駆動歯部は、前記出力駆動部材によって画定される第1のラックおよび第2のラックを備え、前記第1のピニオン駆動部材は前記第1のラックと係合し、前記第2のピニオン駆動部材は前記第2のラックと係合する、発明1に記載の装置。
(発明8)
前記アクチュエータは、前記第1のピニオン駆動部材のピンを受け入れる第1のスロットと、前記第2のピニオン駆動部材のピンを受け入れる第2のスロットとを含む、発明7に記載の装置。
(発明9)
前記出力駆動部材は、前記プランジャを受け入れる通路を受け入れるプランジャ部材を画定するためにU字型本体によって画定され、前記U字型本体は、第3の側部によって相互接続された一対の平行な側部を含み、前記平行な側部の各々は、前記爪端部の1つを含む、発明1に記載の装置。
(発明10)
前記U字型本体の前記第3の側部はタブを含み、前記プランジャは、前記タブを受け入れるように構成された長手方向スロットを画定し、前記長手方向スロットは、前記タブに接触して、前記送出装置に薬剤がないときの前記出力駆動部材と前記プランジャとの間のさらなる相対移動を防止するように構成された近位リップによって画定される、発明9に記載の装置。
(発明11)
前記アクチュエータへの投入力が所定の力よりも大きいときに前記アクチュエータの移動を阻止するように構成された負荷ブレーキ爪部および歯部機構をさらに備える、発明1~10のいずれか一項に記載の装置。
(発明12)
前記負荷ブレーキ爪部および歯部機構は、前記ボタン端部と結合端部との間に配置され、前記投入力が前記所定の力よりも大きい場合に前記ハウジングによって画定されるブレーキ要素と係合するように半径方向に移動可能である可撓性ブレーキ要素を含む、発明11に記載の装置。
(発明13)
前記アクチュエータは、前記ブレーキ要素のブレーキ歯部と係合するように構成されたブレーキ爪部を有する前記可撓性ブレーキ要素を含む、発明12に記載の装置。
(発明14)
前記アクチュエータは、前記ボタン端部と前記結合端部との間の前記アクチュエータの剛体要素の両側に結合され、それに沿って配置された第1の可撓性ブレーキ要素および第2の可撓性ブレーキ要素を含み、前記ハウジングは、第1のブレーキ要素および第2のブレーキ要素を含み、前記第1および第2のブレーキ要素の各々は、複数のラチェットブレーキ歯部を含み、前記アクチュエータへの前記投入力が前記所定の力よりも大きいことに応答して、前記第1および第2の可撓性ブレーキ要素は半径方向に内側に屈曲して、前記対応する第1および第2のブレーキ要素の前記ラチェットブレーキ歯部と係合して、前記アクチュエータのさらなる遠位方向の移動を阻止し、前記アクチュエータへの前記投入力が前記所定の力よりも小さいことに応答して、前記第1および第2の可撓性ブレーキ要素は、前記対応する第1および第2のブレーキ要素の前記ラチェットブレーキ歯部をクリアにして、前記アクチュエータのさらなる遠位方向の移動を可能にする自然な構成を有する、発明11に記載の装置。
(発明15)
前記アクチュエータの前記伸長位置は、全投与量設定のための完全に伸長された位置を含み、前記装置は、前記アクチュエータが前記完全に伸長された位置よりも少ない投与量設定位置に移動することを可能にする投与量セレクタをさらに備える、発明1に記載の装置。
(発明16)
前記投与量セレクタは、前記アクチュエータに沿って配置された隆起突起部と係合するように選択的に移動可能な少なくとも1つの軸方向に延在する中子を備える、発明15に記載の装置。
(発明17)
前記投与量セレクタは、前記少なくとも1つの軸方向に延在する中子を含む内面を有する投与量ノブを備え、前記投与量ノブは、前記隆起突起部を前記少なくとも1つの軸方向に延在する中子と選択的に係合するように回転可能であり、前記隆起突起部は、前記アクチュエータの上面に沿って配置される、発明16に記載の装置。
(発明18)
投与量送出を検出するように構成された投与量検出センサシステムをさらに備える、発明1に記載の装置。
(発明19)
前記投与量検出センサシステムは、前記プランジャによって画定される複数の感知される歯部と、前記ハウジングに結合され、前記プランジャの移動中に前記感知される歯部を段階的に検出するように構成された測定センサとを含む、発明18に記載の装置。
(発明20)
前記投与量検出センサシステムは、電気機械式スイッチを備え、前記複数の感知される歯部のうちの1つが前記電気機械式スイッチに接触するたびに示す位置信号を受信するように構成された前記測定センサと通信するプロセッサを含む、発明18に記載の装置。
(発明21)
長手方向軸の周りに画定されるハウジングと、
薬剤カートリッジバレル内に配置されたピストンを駆動するための端部を備えた細長い本体を有するプランジャと、
前記プランジャを遠位方向に前進させるように構成され、投与量設定のための完全伸長位置と投与量送出のための後退位置との間で長手方向に移動可能であるアクチュエータを含む、プランジャ駆動システムと、
全投与量送出のために前記完全伸長位置まで前記アクチュエータを移動可能にするための第1の位置まで回転可能であり、部分的全投与量送出のために前記完全伸長位置まで前記アクチュエータが移動するのを阻止するために前記アクチュエータと係合する位置に中子を配置するための別の位置まで回転可能である回転式投与量セレクタとを備える、薬剤送出装置。
(発明22)
前記回転投与量セレクタの前記中子は、前記アクチュエータに沿って配置された隆起突起部と係合するように選択的に移動可能な少なくとも1つの軸方向に延在する中子を含む、発明21に記載の装置。
(発明23)
前記投与量セレクタは、前記少なくとも1つの軸方向に延在する中子を含む内面を有する投与量ノブを備え、前記投与量ノブは、前記隆起突起部を前記少なくとも1つの軸方向に延在する中子と選択的に係合するように回転可能であり、前記隆起突起部は、前記アクチュエータの上面に沿って配置される、発明22に記載の装置。
(発明24)
長手方向軸の周りに画定されるハウジングと、
薬剤カートリッジバレル内に配置されたピストンを駆動するための端部を備えた細長い本体を有するプランジャであって、前記本体は、互いに長手方向に離間して配置された複数のラチェット歯部を含む、プランジャと、
前記プランジャを遠位方向に前進させるように構成され、前記プランジャの前記ラチェット歯部と移動可能に結合された1つ以上の爪端部を有する出力駆動部材を含む、プランジャ駆動システムと、
投与量設定のための伸長位置と投与量送出のための後退位置との間で長手方向に移動可能であるアクチュエータとを備える、薬剤送出装置であって、
前記出力駆動部材はタブを含み、前記プランジャは、前記タブを受け入れるように構成された長手方向スロットを画定し、前記長手方向スロットは、少なくとも部分的に近位リップによって画定され、
投与量設定中の前記アクチュエータの前記後退位置から前記伸長位置への移動に応答して、前記プランジャは静止したままであるように構成され、
前記アクチュエータの前記伸長位置から前記後退位置への移動に応答して、前記プランジャは、遠位方向に遠位に前進するように構成され、
前記タブは、投与量設定中に前記長手方向スロットの前記近位リップに接触して、前記薬剤送出装置に薬剤がないことを示す前記出力駆動部材と前記プランジャとの間の相対的な移動を防止するように構成される、薬剤送出装置。
(発明25)
前記出力駆動部材は、前記プランジャを受け入れる通路を受け入れるプランジャ部材を画定するためにU字型本体によって画定され、前記U字型本体は、第3の側部によって相互接続された一対の平行な側部を含み、前記平行な側部の各々は、前記爪端部の1つを含む、発明24に記載の装置。
(発明26)
前記U字型本体の前記第3の側部は前記タブを含む、発明25に記載の装置。
(発明27)
前記プランジャ駆動システムは、前記アクチュエータによって駆動されるように構成され、前記アクチュエータから前記出力駆動部材への力の伝達を可能にする結合手段を介して前記出力駆動部材に結合されたピニオン駆動要素を含む、発明25に記載の装置。
(発明28)
長手方向軸の周りに画定され、1つ以上のハウジングラック歯部を含むハウジングと、
薬剤カートリッジバレル内に配置されたピストンを駆動するための端部を備えた細長い本体を有する直線的に変位可能なプランジャであって、前記本体は、互いに長手方向に離間して配置された複数のラチェット歯部を含む、直線的に変位可能なプランジャと、
前記プランジャを遠位方向に前進させるように構成され、前記プランジャと移動可能に結合された出力部材と、前記出力駆動部材に結合された結合端部を有し、投与量設定のための伸長位置と投与量送出のための後退位置との間で長手方向に移動可能であるアクチュエータとを含む、プランジャ駆動システムと、
前記プランジャの移動中に前記感知される歯部を検出するために前記ハウジング内に配置されたスイッチ、および前記スイッチと通信し、前記複数の感知される歯部のうちの1つが前記スイッチに接触する回数に基づき位置信号を受信するように構成されたプロセッサを含む電子アセンブリを含む投与量検出システムとを備える、薬剤送出装置であって、
前記アクチュエータの前記後退位置から前記伸長位置への移動に応答して、前記出力駆動部材は、前記プランジャに対して前記プランジャに沿った設定位置に移動するように構成され、
前記アクチュエータの前記伸長位置から前記後退位置への移動に応答して、前記出力駆動部材は、前記プランジャを前記ハウジングに対して遠位方向に遠位に前進させるように構成される、薬剤送出装置。
(発明29)
前記装置は薬剤を含む、発明1~28のいずれか一項に記載の装置。
(発明30)
薬剤を運ぶ薬剤カートリッジを運ぶように構成された薬剤送出装置であって、
前記薬剤カートリッジを運ぶように構成されたハウジングと、
前記ハウジングによって運ばれ、前記ハウジングに対して、投与量設定方向および反対の投与量送出方向に移動可能である、アクチュエータと、
前記ハウジングによって運ばれ、前記ハウジングに対して、第1の方向と、前記第1の方向とは反対である第2の方向に移動可能である、駆動要素と、
前記アクチュエータを前記駆動要素に結合する機械効率構造であって、(1)前記アクチュエータに第1の力を加えて前記アクチュエータを投与量送出方向に移動すると、前記駆動要素は、前記第1の力よりも大きい第2の力によって前記第1の方向に移動し、(2)前記アクチュエータが前記投与量設定方向に移動すると、前記駆動要素は、前記第2の方向に移動するように構成される、機械効率構造と、
前記ハウジングによって運ばれるプランジャ部材であって、前記ハウジングに対して前記第1の方向に移動可能であり、前記駆動要素が前記第1の方向に移動すると前記第1の方向に駆動されて、前記薬剤カートリッジに、そこから前記薬剤の投与量を送出させる、プランジャ部材と、
前記薬剤カートリッジからの前記薬剤の前記投与量の送出を検出するように構成された投与量検出システムとを備える、薬剤送出装置。
(発明31)
前記投与量検出システムは、前記プランジャ部材の位置および移動のうちの少なくとも1つを検出し、それによって、前記薬剤カートリッジからの前記薬剤の前記投与量の送出を検出する、発明30に記載の薬剤送出装置。
(発明32)
前記投与量検出システムは、前記プランジャ部材によって運ばれる複数の歯部と、前記ハウジングによって運ばれるセンサとを備え、前記センサは、前記複数の歯部を検出するように構成される、発明30に記載の薬剤送出装置。
(発明33)
前記センサは、前記複数の歯部と係合して作動されるように構成されたスイッチを備え、前記スイッチは、前記複数の歯部のうちの1つが前記スイッチを作動させたときに信号を送信するように構成される、発明32に記載の薬剤送出装置。
(発明34)
前記プランジャ部材は、前記第1の方向および前記第2の方向に実質的に平行な長手方向に伸長され、前記複数の歯部は、前記長手方向に離間している、発明32に記載の薬剤送出装置。