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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-05-13
(45)【発行日】2024-05-21
(54)【発明の名称】放射線像の読取装置
(51)【国際特許分類】
   G03B 42/02 20210101AFI20240514BHJP
【FI】
G03B42/02 B
【請求項の数】 10
(21)【出願番号】P 2022033323
(22)【出願日】2022-03-04
(65)【公開番号】P2023128752
(43)【公開日】2023-09-14
【審査請求日】2023-06-30
(73)【特許権者】
【識別番号】000138185
【氏名又は名称】株式会社モリタ製作所
(74)【代理人】
【識別番号】100088672
【弁理士】
【氏名又は名称】吉竹 英俊
(74)【代理人】
【識別番号】100088845
【弁理士】
【氏名又は名称】有田 貴弘
(72)【発明者】
【氏名】藤井 優輔
【審査官】越河 勉
(56)【参考文献】
【文献】特開平04-240843(JP,A)
【文献】特開2001-075204(JP,A)
【文献】特開2003-172979(JP,A)
【文献】国際公開第2006/064648(WO,A1)
【文献】実開平05-008558(JP,U)
【文献】特開2012-013952(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2006/0124875(US,A1)
【文献】特開2007-007251(JP,A)
【文献】特開平01-104521(JP,A)
【文献】特開昭59-007945(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G03B 42/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
イメージングプレートから放射線像を読取る放射線像の読取装置であって、
前記イメージングプレートを保持するステージと、
前記ステージに保持された前記イメージングプレートに励起光を照射する励起光源と、
前記励起光による前記イメージングプレートからの発光光を検出する光検出器と、
を備え、
前記ステージが、
前記イメージングプレートの裏面に面接触可能な支持面を有するステージ本体と、
前記支持面上に支持された前記イメージングプレートの縁部分に対して接触し、前記支持面の延在方向において前記縁部分をその外側から位置決めすると共に前記縁部分を前記支持面に押付ける位置決め面を有する位置決め機構と、
を有し、
前記位置決め機構は、一対の開閉位置決め部を含み、
前記一対の開閉位置決め部のうち対向する2つの面のうちの少なくとも一方が前記位置決め面の少なくとも一部をなし、
前記一対の開閉位置決め部の少なくとも一方が移動することで、前記一対の開閉位置決め部の間隔が調整され、
前記ステージを、前記ステージに対して前記イメージングプレートがセットされるセット位置と前記励起光源からの励起光に応じて前記光検出器が前記放射線像を読取る読取位置との間で移動させるステージ移動機構と、
前記ステージ移動機構によって前記ステージが前記セット位置から前記読取位置に移動するのにあわせて前記一対の開閉位置決め部を閉動作させる位置決め部動作機構と、
をさらに備える放射線像の読取装置。
【請求項2】
請求項1に記載の放射線像の読取装置であって、
前記位置決め機構は、前記位置決め面として、少なくとも前記支持面から前記イメージングプレートの厚み寸法分突出するように設けられ、前記支持面から離れるにつれて前記支持面に覆い被さる方向に向う形状に形成されたガイド位置決め面を含む、放射線像の読取装置。
【請求項3】
請求項2に記載の放射線像の読取装置であって、
前記ガイド位置決め面は、前記支持面に対する角度が90゜未満であるガイド面を含む、放射線像の読取装置。
【請求項4】
請求項1から請求項3のいずれか1つに記載の放射線像の読取装置であって、
前記一対の開閉位置決め部は、前記位置決め面を前記支持面上の前記イメージングプレートの縁部分に対向させる接触位置と前記位置決め面を前記支持面上の前記イメージングプレートの縁部分から退避させる退避位置との間で位置変更可能な可変位置決め部を含む、放射線像の読取装置。
【請求項5】
請求項4に記載の放射線像の読取装置であって、
前記ステージ移動機構は、前記ステージを前記読取位置に対して前記セット位置よりも離れた排出位置に移動させ、
前記可変位置決め部は、前記ステージが前記セット位置と前記読取位置との間に位置する状態では前記接触位置に保たれ、前記ステージが前記排出位置に位置する状態では、前記退避位置に位置変更される、放射線像の読取装置。
【請求項6】
請求項1から請求項5のいずれか1つに記載の放射線像の読取装置であって、
前記位置決め部動作機構は、前記ステージ移動機構によって前記ステージが前記読取位置から前記セット位置に移動するのにあわせて、前記一対の開閉位置決め部を開動作させる、放射線像の読取装置。
【請求項7】
請求項1から請求項6のいずれか1つに記載の放射線像の読取装置であって、
前記ステージの移動中において、一定位置に配置される固定配置部分をさらに備え、
前記位置決め部動作機構は、前記ステージの少なくとも一部の区間の移動によって前記固定配置部分に接することで、前記ステージ移動機構が前記ステージを動かす力を受ける受部を含み、
前記受部が、前記ステージ移動機構が前記ステージを動かす力を受けて、前記一対の開閉位置決め部の閉動作及び開動作の少なくとも一方を行わせる、放射線像の読取装置。
【請求項8】
イメージングプレートから放射線像を読取る放射線像の読取装置であって、
前記イメージングプレートを保持するステージと、
前記ステージに保持された前記イメージングプレートに励起光を照射する励起光源と、
前記励起光による前記イメージングプレートからの発光光を検出する光検出器と、
を備え、
前記ステージが、
前記イメージングプレートの裏面に面接触可能な支持面を有するステージ本体と、
前記支持面上に支持された前記イメージングプレートの縁部分に対して接触し、前記支持面の延在方向において前記縁部分をその外側から位置決めすると共に前記縁部分を前記支持面に押付ける位置決め面を有する位置決め機構と、
を有し、
前記位置決め機構は、一対の開閉位置決め部を含み、
前記一対の開閉位置決め部のうち対向する2つの面のうちの少なくとも一方が前記位置決め面の少なくとも一部をなし、
前記一対の開閉位置決め部の少なくとも一方が移動することで、前記一対の開閉位置決め部の間隔が調整され、
前記位置決め機構は、前記一対の開閉位置決め部として、一対の第1開閉位置決め部と、一対の第2開閉位置決め部とを含み、
前記一対の第1開閉位置決め部と前記一対の第2開閉位置決め部とが、互いに異なる方向に開閉する、放射線像の読取装置。
【請求項9】
イメージングプレートから放射線像を読取る放射線像の読取装置であって、
前記イメージングプレートを保持するステージと、
前記ステージに保持された前記イメージングプレートに励起光を照射する励起光源と、
前記励起光による前記イメージングプレートからの発光光を検出する光検出器と、
を備え、
前記ステージが、
前記イメージングプレートの裏面に面接触可能な支持面を有するステージ本体と、
前記支持面上に支持された前記イメージングプレートの縁部分に対して接触し、前記支持面の延在方向において前記縁部分をその外側から位置決めすると共に前記縁部分を前記支持面に押付ける位置決め面を有する位置決め機構と、
を有し、
前記支持面が重力方向に対して傾斜しており、
前記位置決め機構が、前記位置決め面として、前記支持面に沿って下方に移動する前記イメージングプレートの下側の縁部分を受ける面を含む、放射線像の読取装置。
【請求項10】
請求項1から請求項9のいずれか1つに記載の放射線像の読取装置であって、
前記ステージと前記励起光源と前記光検出器とを収容する筐体を備え、
前記筐体に、前記イメージングプレートを前記支持面に向けて案内するセット用ガイド面が設けられている、放射線像の読取装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この開示は、放射線像の読取装置に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1は、イメージングプレートを搬送する搬送機構を備える放射線像の読取装置を開示している。搬送機構として、イメージングプレートを保持するベルトと、ベルトを周回させるベルト駆動機構とを備える例が開示されている。イメージングプレートは、ベルトの一部である保持面上に載置された状態で、搬送される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2011-53459号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1のように、イメージングプレートがベルトの保持面上に載置される構成では、イメージングプレートが放射線像の読取りに適した正規姿勢から傾いた姿勢で保持される可能性がある。また、イメージングプレートの反り等が原因で、イメージングプレートの一部が保持面から離れた状態で保持される可能性がある。特許文献1の他にも、一部に磁性体部材を設けたイメージングプレートが磁石の磁力によって保持面上に保持される構成の装置があるが、磁力の及ばない位置にイメージングプレートがある場合には、イメージングプレートが保持面から脱落したり、正規姿勢ではない状態で保持されてしまうことでイメージングプレートの潜像の正しい読取ができなかったりするなどの可能性がある。
【0005】
そこで、本開示は、イメージングプレートを正規姿勢でかつ支持面に接触させた状態で保持できるようにすることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決するため、放射線像の読取装置は、イメージングプレートから放射線像を読取る放射線像の読取装置であって、前記イメージングプレートを保持するステージと、前記ステージに保持された前記イメージングプレートに励起光を照射する励起光源と、前記励起光による前記イメージングプレートからの発光光を検出する光検出器と、を備え、前記ステージが、前記イメージングプレートの裏面に面接触可能な支持面を有するステージ本体と、前記支持面上に支持された前記イメージングプレートの縁部分に対して接触し、前記支持面の延在方向において前記縁部分をその外側から位置決めすると共に前記縁部分を前記支持面に押付ける位置決め面を有する位置決め機構と、を有する。
【発明の効果】
【0007】
この放射線像の読取装置によると、イメージングプレートの縁部分が位置決め面に接することによって、イメージングプレートが正規姿勢に保たれるようになる。また、位置決め面によってイメージングプレートの縁部分が支持面に押付けられる。これにより、イメージングプレートを正規姿勢でかつ支持面に接触させた状態で保持できる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】第1実施形態に係る読取装置を示す概略斜視図である。
図2】読取装置の内部構造を示す斜視図である。
図3】読取装置の内部構造を示す斜視図である。
図4】読取装置の内部構造を示す部分的な正面図である。
図5】読取装置の内部構造を示す側面図である。
図6】ステージを示す正面図である。
図7】位置決め機構におけるステージの部分を示す背面図である。
図8図6のVIII-VIII線部分断面図である。
図9図6のIX-IX線断面図である。
図10】ステージを示す斜視図である。
図11】ステージを示す背面図である。
図12】ステージを示す背面図である。
図13】変形例に係る位置決め面を示す部分断面図である。
図14】変形例に係る位置決め面を示す部分断面図である。
図15】変形例に係る位置決め面を示す部分断面図である。
図16】変形例に係る位置決め面を示す部分断面図である。
図17】変形例に係る位置決め面を示す部分断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
{第1実施形態}
<全体構成>
以下、第1実施形態に係る放射線像の読取装置について説明する。図1は読取装置20を示す概略斜視図である。図2及び図3は読取装置20の内部構造を示す斜視図である。図2はステージ60がセット位置にある状態を示しており、図3はステージ60がセット位置よりも内側(読取位置)にある状態を示している。放射線像の読取装置20は、イメージングプレート10から放射線像を読取る装置である。
【0010】
イメージングプレート10は、放射線像形成層11を有する平たい形状であり、放射線像を記憶する記憶媒体である。放射線像形成層11は、照射された放射線のエネルギーを蓄積し、蓄積されたエネルギーに応じた発光光を発する層である。例えば、放射線像形成層11は、樹脂で形成されたフィルムの一方主面に輝尽性蛍光体を塗布することによって形成される。X線発生器からのX線が撮影対象物を透過してイメージングプレート10に照射されると、X線の強度に応じたエネルギーが放射線像形成層11に蓄積される。X線の強度は、撮影対象物におけるX線吸収領域の分布に基づいたものであるため、放射線像形成層11に蓄積されたエネルギーの分布は、X線による撮影対象物の放射線像である。このように、イメージングプレート10は、X線による放射線像を潜像として記憶する。
【0011】
読取装置20は、放射線像形成層11から放射線像を読取り、放射線像の画像データを生成する装置である。読取装置20は、ステージ60と、励起光源92と、光検出器94とを備える。ステージ60は、イメージングプレート10を保持する。ステージ60に保持されたイメージングプレート10に対して励起光源92からの励起光が照射される。イメージングプレート10に励起光が照射されることによって、イメージングプレート10の放射線像形成層11が発光する。この発光光を光検出器94が検出する。光検出器94の検出信号に基づいて放射線像の画像データが生成される。
【0012】
なお、イメージングプレート10のうち放射線像形成層11が形成された表面は、励起光照射面と把握されてもよい。また、当該表面とは反対側の裏面は、ステージ60の支持面64Fと対面し、当該支持面64Fに接触する接触面であると把握されてもよい。イメージングプレート10が表裏に関して正しくステージ60にセットされた場合には、イメージングプレート10のうち支持面64Fが向く方向と同じ方向を向く表面は、潜像を記憶可能な記憶面であり、また、記憶した潜像が読取られる読取り面である。
【0013】
読取装置20の各部構成について説明する。
【0014】
<ケースについて>
読取装置20は、筐体30を備えており(図1参照)、この筐体30内に、ステージ60と、励起光源92と、光検出器94とが収容される。
【0015】
筐体30に、セット部31及び取出口32が設けられる。例えば、セット部31は、筐体30のうち上向き面に設けられる。セット部31は、イメージングプレート10が通過可能なスリット31Sを有する。本読取装置20の利用者は、スリット31Sを通じてイメージングプレート10を読取装置20内に入れることができる。読取装置20内に入れられたイメージングプレート10は、ステージ60にセットされる。取出口32は、筐体30の下部、例えば、筐体30の一側面のうちの下側部分に設けられる。取出口32は、外方に開口しており、ステージ60から排出されたイメージングプレート10が当該取出口32に排出される。読取装置20の利用者は、取出口32の外向き開口を通じて読取済のイメージングプレート10を回収することができる。
【0016】
筐体30に、各種指示を受付けるためのスイッチ33が設けられる。スイッチ33は、例えば、電源スイッチ、読取り開始を指示するためのスタートスイッチ等である。
【0017】
筐体30に、表示装置34が設けられてもよい。表示装置34は、例えば、液晶表示パネル、有機EL(electro-luminescence)表示パネルにより構成される。この表示装置34に、読取られた放射線像が表示されてもよい。表示装置34に、操作のための諸情報が表示されてもよい。表示装置34には、読取り開始後に読取り終了までの残り時間等の読取り進捗状況に関する情報が表示されてもよい。読取表示装置34に、読取装置20に対する誤操作等に対する警告、注意、あるいはエラー情報が表示されてもよい。表示装置34は、表示機能及びタッチの検出機能を備えたタッチパネルであってもよい。この場合、上記スイッチの少なくとも一部の機能が、タッチパネルに組込まれてもよい。表示装置34は、省略されてもよい。
【0018】
イメージングプレート10を読取ることによって生成された放射線像の画像データが表示装置34に表示されることは必須ではない。放射線像の画像データは、無線通信又は有線通信によって、読取装置20と通信可能な他のコンピュータ(不図示)に送信されてもよい。放射線像の画像データは、本読取装置20に着脱可能なデータ記録媒体(例えば、フラッシュメモリ)に記録されてもよい。
【0019】
筐体30に、イメージングプレート10を収容可能なプレート収容ケース38、39が設けられてもよい。図1に示す例では、筐体30の上面に、プレート収容ケース38、39が設けられる。プレート収容ケース38は仕切り付きのケースであり、プレート収容ケース39は、蓋付きのケースである。例えば、撮影前、撮影後、読取前、読取後等、イメージングプレート10の使用状態に応じてケース38、39を使い分けるなどして、ケース38、39にイメージングプレートを保管することができる。なお、プレート収容ケース38、39は省略されてもよい。
【0020】
読取装置20に、ACアダプタ37が接続されており、外部から読取装置20に電力供給がなされる。なお、読取装置20に対する電源供給は、外部からなされてもよいし、読取装置20が内蔵する電源からなされてもよい。読取装置20が充電式の電池を備える仕様の場合は、ACアダプタは読取装置20の充電用として用いられてもよい。
【0021】
<ケース内部構成について>
筐体30の内部に設けられる各部構成について説明する。
【0022】
筐体30の内部に、支持部材40が設けられる。この支持部材40によって、ステージ60と励起光源92と光検出器94とが支持される。
【0023】
<支持部材について>
図2及び図3に示すように、支持部材40は、ベース板41と、一対の側板42と、背板43と、天井板44と、支持枠45とを備える。
【0024】
ベース板41は、筐体30の内部空間における下部に水平方向(重力方向に対して垂直な方向)に沿って配置される板状部材である。ここでは、ベース板41は、細長い方形板状に形成されている。
【0025】
ベース板41上に一対の側板42が立設状態で支持される。一対の側板42は、間隔をあけて互いに平行姿勢で設けられる。一対の側板42は、四角い形状、例えば、上底が下底よりも短い台形板状に形成される。一対の側板42の下底側の辺部分がベース板41にネジ止等によって固定される。
【0026】
天井板44は、細長い板状に形成されている。天井板44は、一対の側板42の上底側の辺部分間を塞ぐように、一対の側板42にネジ止等によって固定される。なお、前述の各種板の固定方法は溶接等の他の方法であってもよい。
【0027】
側板42のうち上底と下底とを結ぶ一方の側辺は、下底に対して90゜未満の角度をなして斜めに傾斜する傾斜辺部分を有する。支持枠45は、短辺部分45aと、一対の長辺部分45bとを有する。短辺部分45aは、前記傾斜辺部分に応じた長さに形成されている。一対の長辺部分45bは、一対の側板42間の間隔に対応する長さに形成されている。一対の長辺部分45bは、短辺部分45aの両端部から短辺部分45aに対して垂直姿勢で同方向に向けて延びている。一対の長辺部分45bの先端部が一方(図2の右側)の側板42の傾斜辺部分にネジ止等によって固定されると共に、短辺部分45aが他方(図2の左側)の側板42の傾斜辺部分にネジ止等によって固定される。これにより、支持枠45は、重力方向に対して斜めに傾いた姿勢で一対の側板42により支持される。この状態で、支持枠45の外向き面は、ベース板41の上向き面に対して90゜を超える角度をなして、斜め上方を向いている。この支持枠45に励起光源92及び光検出器94が取付けられる。以下の説明において、便宜上、励起光源92及び光検出器94が設けられる側を前方、その反対側を後方という場合がある。
【0028】
背板43は細長い方形板状に形成されている。背板43の長手方向両端側の辺部分が、一対の側板42のうち上底と下底とを結ぶ他方の側辺部分にネジ止等によって固定される。これにより、背板43が、一対の側板42の間で後方側開口を閉じる。
【0029】
天井板44は、細長い方形板状に形成されている。天井板44の長手方向両端側の辺部分が、一対の側板42のうち上底側の辺部分にネジ止等によって固定される。これにより、天井板44が一対の側板42の間で上方開口を閉じる。
【0030】
支持枠45における一対の長辺部分45bの長手方向中間部の外向き面に、励起光源92及び光検出器94がネジ止等によって固定される。ステージ60は、支持枠45における一対の長辺部分45bの間で、励起光源92及び光検出器94の内側を移動可能に支持されている。以下の説明において、励起光源92及び光検出器94に対するステージ60の相対的な移動方向を主走査方向A1として参照する場合がある。ステージ60によって保持されたイメージングプレート10が励起光源92及び光検出器94の内側を通過する際に、励起光源92からの励起光がイメージングプレート10に照射され、励起光によるイメージングプレート10の発光光が光検出器94によって検出される。
【0031】
<励起光源及び光検出器について>
励起光源92は、ステージ60によって保持されたイメージングプレート10に対して励起光を照射する。励起光は、放射線像形成層11を励起させるための光であり、例えば、放射線像形成層11を励起させる特定波長のレーザ光である。放射線像形成層11に励起光が照射されると、放射線像形成層11に蓄積されたエネルギーの分布に応じて放射線像形成層11が発光する。
【0032】
励起光源92は、励起光としてレーザ光を発するレーザ光源とMEMS(Micro Electro Mechanical Systems)ミラーとを含む構成であってもよい。例えば、レーザ光源からのレーザ光の照射先が、放射線像形成層11の表面11Sに対して、主走査方向A1に対して交差(直交)する副走査方向A2方向に沿って移動するように、レーザ光源がMEMSミラーによって反射される構成であってもよい。なお、ミラーの構成は、MEMS(Micro Electro Mechanical Systems)ミラーの代わりに、ガルバノミラーやポリゴンミラー等を用いることもできる。ミラーの構成によっては、レンズ系の構成が別途必須となることがあるが、適宜の組み合わせにより本発明に利用できる。
【0033】
光検出器94は、励起光によるイメージングプレート10からの発光による光を検出し、その強度に応じた信号を出力するセンサである。この光検出器94からの信号に基づいて、放射線像の画像データが生成される。
【0034】
光検出器94は、光を検出する素子が一列に並んだ構成であってもよい。例えば、光検出器94は、素子の配列方向を副走査方向A2と平行にした姿勢に配置されてもよい。光を検出する素子は、シリコン光電子増倍管、光電子増倍管、フォトダイオード等であってもよい。
【0035】
本実施形態では、励起光源92と光検出器94とは、読取ユニット90として一体化されている。例えば、励起光源92と光検出器94とは、モジュールケース91内に収容された状態で、一体化されている。モジュールケース91のうち支持部材40側を向く部分に、副走査方向A2に沿って細長い読取用スリット90Sが形成されている。励起光は、当該読取用スリット90Sを通ってイメージングプレート10に向けて照射される。イメージングプレート10の発光光は、当該読取用スリット90Sを通って光検出器94によって検出される。
【0036】
主走査方向A1に沿うステージ60の移動中に、励起光源92によるレーザ光がステージ60に保持されたイメージングプレート10の放射線像形成層11の表面に入射し、その照射先が副走査方向A2に沿って移動する。これにより、放射線像形成層11の表面が副走査方向A2に沿うラインに沿って順次発光光を生じる。
【0037】
光検出器94は、励起光源92からのレーザ光によって生じた放射線像形成層11の発光光を検出可能な位置に設けられる。例えば、励起光源92は、イメージングプレート10に対して斜め方向からレーザ光を照射するように配置され、光検出器94は、イメージングプレート10に対してレーザ光が照射する位置の正面に配置される。そして、放射線像形成層11の表面が副走査方向A2に沿うラインに沿って順次発光光を生じると、当該発光光が光検出器94によって検出される。
【0038】
ステージ60の移動中に、副走査方向A2における励起光源92の走査及び光検出器94による走査が繰返し行われることによって、イメージングプレート10の広い面、例えば、イメージングプレート10の全面の放射線像が光検出器94によって読取られる。
【0039】
なお、ステージ60が移動することは必須ではない。例えば、ステージ60が停止した状態で、励起光源92及び光検出器94が移動する構成であってもよい。また、ステージ60と、励起光源92及び光検出器94の両方が移動する構成であってもよい。
【0040】
<ステージ及びその移動のための構成について>
図4は読取装置20の内部構造を示す部分的な正面図であり、図5は読取装置20の内部構造を示す側面図である。図4及び図5において筐体30の外形が二点鎖線で示される。
【0041】
ステージ60は、イメージングプレート10を保持するように構成されている。例えば、ステージ60は、イメージングプレート10よりも大きく広がる板状部分を含む。イメージングプレート10がステージ60の一方主面側の支持面64Fに接した状態で、当該イメージングプレート10に対して一定位置及び一定姿勢で保持される。ステージ60がイメージングプレート10を保持する構成が後により具体的に説明される。
【0042】
ステージ60は、イメージングプレート10を保持した状態で主走査方向A1に沿って移動する。ステージ60を移動可能に支持するための構成について説明する。
【0043】
一方の側板42のうちの傾斜辺部分に、ステージ60の板状部分の上下幅及び厚みに応じた凹部42gが形成される。ステージ60は、当該凹部42gを通ることによって、主走査方向A1に沿って、一方の側板42の外側に突出する位置(図2参照)と当該一対の側板42間の位置(図3参照)との間で往復移動することができる。
【0044】
ステージ60は、ステージ移動機構50によって移動駆動可能に構成される。ステージ移動機構50は、移動駆動部52と(図2及び図3参照)、一対のガイドロッド56とを含む。
【0045】
移動駆動部52は、ステージ60に対して主走査方向A1に沿った駆動力を付与する部分である。本実施形態では、移動駆動部52は、モータ53と(図2及び図3参照)、ネジ軸部54とを含む。ネジ軸部54は、周囲にネジ溝が形成された棒状部材である。ネジ軸部54は、一対の側板42間に掛渡すようにして、一対の側板42に回転可能に支持されている。モータ53は、支持部材40に対して回転不能に固定されている。例えば、モータ53は、他方の側板42の外面に回転不能に固定されている。モータ53のシャフトがネジ軸部54に相対回転不能に固定されており、モータ53の正転方向又は逆転方向の回転に応じて、ネジ軸部54が正転方向又は逆転方向に回転駆動される。モータ53のシャフトの回転運動は、ギヤ、プーリー等の伝達装置を介してネジ軸部54に伝達されてもよい。このネジ軸部54の回転によって、ステージ60が主走査方向A1に沿って移動するように駆動される。このための構成が後にさらに詳述される。
【0046】
ガイドロッド56は細長い棒状部材であり、一対の側板42の間に掛渡すように、一対の側板42に固定されている。ガイドロッド56は、ステージ60に形成されたガイド孔62h2に挿通されている。これにより、ガイドロッド56は、ステージ60がネジ軸部54周りに回転することを抑制する役割を果すことができる。ここでは、ガイドロッド56は、複数(2つ)設けられているが、1つであってもよい。
【0047】
移動駆動部52は、ステージ60を移動させるアクチュエータであればよく、上記構成の他、リニアモータ等であってもよい。
【0048】
ステージ60は、ステージ移動機構50によって、セット位置P1と、読取位置P2との間で往復移動される。
【0049】
セット位置P1は、ステージ60に対してイメージングプレート10をセット可能な位置である(図2に示す位置参照)。本実施形態では、セット位置P1は、一方の側板42の外側に突出する位置に設定される。セット位置P1において、ステージ60の一側寄りの部分が一方の側板42の凹部42gに配置され、ステージ60の長手方向中間部及び他側部が一方の側板42から外方に延出する状態となる(図2及び図4参照)。セット位置P1においては、セット部31にセットされるイメージングプレート10の配設領域(複数サイズのイメージングプレート10が想定される場合には最大配設領域、図2において直線R1と直線R2との間の領域参照)が、側板42の外方に配置される。
【0050】
この状態において、ステージ60の支持面64Fは重力方向に対して傾斜している。ここでは、支持面64Fは、側板42の傾斜辺部分と同じ傾き方向に沿って傾斜している。つまり、支持面64Fは斜め上方を向くように傾斜している。
【0051】
セット位置P1に位置するステージ60は、セット部31から挿入されたイメージングプレート10を受けることができる。より具体的には、セット位置P1は、セット部31におけるスリット31Sの下側に設けられている(図4参照)。装置20の外側からイメージングプレート10がスリット31Sに挿入されると、自重によってイメージングプレート10が下側つまり重力方向に移動する。イメージングプレート10の下縁部分が支持面64Fに達すると、イメージングプレート10の下縁部分が支持面64Fの傾きに従って斜め下方向に滑り落ちる。これにより、イメージングプレート10が支持面64Fの傾きに従って傾き、イメージングプレート10の裏面が当該支持面64Fに対して面接触し得る状態となる。この状態で、イメージングプレート10がステージ60に設けられた位置決め機構(後述する)によって位置決め保持される。本実施例ではこのように、イメージングプレート10を正規姿勢に誘導する際に重力を利用する構成となっている。
【0052】
筐体30には、イメージングプレート10を支持面64Fに向けて案内するセット用ガイド面31GSが形成されてもよい。本実施形態では、スリット31Sの周りから筐体30内に向うプレートガイド部31Gが形成される。プレートガイド部31G内には、スリット31Sと連続するガイド通路31GPが形成されている。ガイド通路31GPは、スリット31Sから下方、ここでは、真下に延びている。ガイド通路31GPは、スリット31Sから斜め下方に向っていてもよい。ガイド通路31GPの下端部は、セット位置P1に位置するステージ60の支持面64Fよりも上に位置している。ガイド通路31GPの下端部と支持面64Fとは離れているとよい。プレートガイド部31Gのうちガイド通路31GPを形成する内周面が、イメージングプレート10を支持面64Fに向けて案内するセット用ガイド面31GSである。
【0053】
そして、イメージングプレート10がスリット31Sに挿入されると、セット用ガイド面31GSによってイメージングプレート10の厚み方向及び幅方向の位置が規制された状態で、イメージングプレート10がガイド通路31GP内を滑り落ちる。このため、イメージングプレート10が支持面64Fから外れずに当該支持面64Fに向けて案内される。
【0054】
セット位置P1が上記位置に設定されていることは必須ではなく、例えば、一対の側板42の間に設定されていてもよい。
【0055】
読取位置P2は、励起光源92と光検出器94とが放射線像を読取る位置、即ち、励起光源92からの励起光に応じて光検出器94がイメージングプレート10の放射線像を読取る位置である。本実施形態では、読取位置P2は、一対の側板42、42の間の位置に設定される。すなわち、励起光源92と光検出器94とを含む読取ユニット90は、支持枠45の一対の長辺部分45bの外向き部分にネジ止等によって固定される。読取ユニット90は、一対の側板42の間であって上記セット位置P1寄りに位置する。読取ユニット90のうち筐体30の内側を向く面に、読取用スリット90Sが形成される。読取ユニット90内の励起光源92からの励起光が読取用スリット90Sを通ってステージ60上のイメージングプレート10に照射される。また、この励起光によって励起されるイメージングプレート10からの発光光が読取用スリット90Sを通って光検出器94に入射する。図2においては、読取用スリット90Sを通る直線R3に対して、セット位置P1から遠い側の位置が読取位置P2である。
【0056】
セット位置P1においてステージ60にイメージングプレート10がセットされると、イメージングプレート10は主走査方向A1に沿って支持部材40内に向けて移動する。ステージ60にセットされたイメージングプレート10が上記読取用スリット90Sと向い合う位置に達すると、読取ユニット90によってイメージングプレート10の放射線像の読取りが開始される。ステージ60の移動に伴って、読取ユニット90によってイメージングプレート10の放射線像が順次読取られる。イメージングプレート10が読取用スリット90Sを経過すると、読取ユニット90による読取りが終了する。本実施形態のように、ステージ60が移動することによって放射線像の読取りがなされる場合、読取位置P2は、ステージ60上のイメージングプレート10(複数サイズのイメージングプレート10が想定される場合には、最も広いイメージングプレート10)が上記直線R3に達して読取りが開始される位置と把握されてもよい。
【0057】
上記例とは異なり、一定位置に静止したイメージングプレート10に対して読取ユニット90が主走査方向A1に沿って移動して放射線像を読取る場合、あるいは、一定位置に静止したイメージングプレート10に対して3次元センサによって放射線像を読取る場合も想定される。この場合、一定位置に静止したイメージングプレート10を保持する位置が、読取位置P2である。
【0058】
本実施例では、ステージ60は、ステージ移動機構50によって、排出位置P3にも移動する。排出位置P3は、ステージ60にセットされたイメージングプレート10を排出するための位置である。排出位置P3は、読取位置P2に対してセット位置P1よりも離れた位置に設定される(図2及び図4において二点鎖線で示すステージ60参照)。本例に限られず、排出位置P3とは異なる位置、例えば、セット位置P1においてステージ60のイメージングプレート10が、別途の機構によって、排出されてもよい。
【0059】
取出口32は、排出位置P3の下方に設けられる。例えば、排出位置P3におけるステージ60の下方に、イメージングプレート10を下方に向けて案内する排出ガイド32gが設けられる。排出ガイド32gの下方に、筐体30の側方に開口する排出空間を形成する取出口32が形成される。排出位置P3におけるステージ60から排出されたイメージングプレート10は、排出ガイド32gを通って取出口32に滑り落ち、取出口32の底面上に排出される。
【0060】
本実施例では、ステージ60は、ステージ移動機構50によって、奥側位置P4にも移動する。奥側位置P4は、読取位置P2に対してセット位置P1とは反対側の位置にある。すなわち、ステージ60は、セット位置P1から読取位置P2を経過して奥側位置P4に移動することができる。奥側位置P4では、ステージ60上のイメージングプレート10は、読取ユニット90によって覆われずに露出した状態となっていてもよい。
【0061】
上記ステージ移動機構50の動作制御は、制御部100(図5参照)によってなされる。制御部100は、例えば、少なくとも1つのプロセッサと、記憶部とを備えるコンピュータによって構成される。プロセッサは、CPU(Central Processing Unit)等であり、電気回路によって構成される。プロセッサが読取プログラムを実行することによって、読取りのための各種機能が実現される。この制御部100によって、上記モータ53の回転方向及び回転量の制御がなされることによって、主走査方向A1に沿ったステージ60の移動制御がなされる。
【0062】
本制御部100によって、読取ユニット90による励起光源92及び光検出器94の制御がなされてもよい。本制御部100によって、光検出器94によって検出された信号に基づいて放射線画像を生成するための各種信号処理、画像処理、表示装置34による表示処理等がなされてもよい。
【0063】
<ステージの全体構成について>
ステージ60の全体構成について説明する。図2から図5に示すように、ステージ60は、ステージ本体61と、位置決め機構70とを備える。
【0064】
ステージ本体61は、イメージングプレート10の裏面に面接触可能な支持面64Fを有する。本実施形態では、ステージ本体61は、可動支持体62と、板状部64とを含む。
【0065】
可動支持体62は、直方体状に形成されている。可動支持体62に、貫通孔62h1が形成されている(図3参照)。貫通孔62h1はネジ溝を有する貫通孔である。モータ53によって正逆両方向に回転駆動可能なネジ軸部54が当該貫通孔62h1に螺合される。ネジ軸部54が正転方向に回転することによってステージ60がネジ軸部54に沿って一方側に移動し、ネジ軸部54が逆転方向に回転することによってステージ60がネジ軸部54に沿って他方側に移動することができる。かかる構造は、例えば、ボールネジと呼ばれる構造である。
【0066】
可動支持体62には、上記貫通孔62h1と平行なガイド孔62h2が形成されている(図3参照)。このため、可動支持体62は、ガイド孔62h2に挿通されたガイドロッド56によるガイド下、貫通孔62h1に螺合するネジ軸部54の正転方向又は逆転方向の回転に応じて、主走査方向A1に沿って両方向に移動駆動される。
【0067】
板状部64は、イメージングプレート10よりも大きく板状に広がる形状、ここでは、方形板状に形成されている。板状部64が方形板状に形成されていることは必須ではなく、楕円形状等他の形状に形成されていてもよい。
【0068】
板状部64の一方側の面に支持面64Fが設けられる。支持面64Fは、イメージングプレート10よりも大きく広がっていてもよい。イメージングプレート10として複数のサイズが想定される場合には、支持面64Fは、最も大きいイメージングプレート10よりも大きく広がっていてもよい。
【0069】
より具体的には、板状部64は、一方向(ここでは主走査方向A1)に沿って長い長方形状に形成されている。板状部64の他方側の面(支持面64Fとは反対側の面)のうち、板状部64の長手方向の一方側の部分が可動支持体62に固定されている。固定は、例えば、ねじ止によってなされる。板状部64は、可動支持体62から主走査方向A1に沿ってセット位置P1側に向って延出するように、可動支持体62によって片持ち状に支持されている。板状部64の一方側の面のうち可動支持体62によって支持される側の部分は、他の部分(支持面64Fを含む部分)よりも段部を介して突出している。板状部64の一方側の面のうち可動支持体62から主走査方向A1に沿って延び出る部分に、イメージングプレート10の裏面に面接触可能な支持面64Fが設けられる。
【0070】
上記支持状態で、板状部64及び支持面64Fは重力方向(下方向)に対して傾斜し、支持面64Fは斜め上方向を向いている。本実施形態では、板状部64及び支持面64Fの傾斜角度は、側板42の傾斜辺部分の傾斜角度と一致している。板状部64及び支持面64Fは、一定の傾斜角度を保った状態で、ガイドロッド56によるガイド下、主走査方向A1に沿って移動する。可動支持体62が一方の側板42寄りに移動すると、板状部64のうち可動支持体62から延び出る部分は、側板42の凹部42gを通る。この状態で、支持面64Fが斜め上を向くように傾斜しているため、スリット31Sを通じて挿入されたイメージングプレート10を、支持面64F上で受けることができる。
【0071】
位置決め機構70は、支持面64F上に支持されたイメージングプレート10の縁部分に対して接触し、支持面64Fの延在方向において当該縁部分をその外側から位置決めすると共に当該縁部分を支持面64Fに押付ける位置決め面72AF、72BF、72CF、72DFを有する(図4参照)。
【0072】
なお、イメージングプレート10の縁部分とは、イメージングプレート10を平面視した状態で外側を向く面(例えば、側面)だけを意味するのでは無く、当該外側を向く面から内側に入った部分を含んでもよい。例えば、イメージングプレート10の縁部分とは、イメージングプレート10を平面視した状態で外側を向く面(例えば、側面)と、イメージングプレート10の表面のうちの外周部分とを含んでもよい。
【0073】
位置決め機構70は、位置決め面72AF、72BF、72CF、72DFを少なくとも1つ有していればよい。位置決め機構70が、イメージングプレート10を少なくとも2方向において位置決めするためには、位置決め機構70は、互いに異なる方向(例えば互いに直交する方向)を向く位置決め面72AF、72BF、72CF、72DFを少なくとも2つ有していればよい。本実施形態では、位置決め機構70は、水平方向の位置決め機構と、上下方向の位置決め機構とを有している。このため、イメージングプレート10は、水平方向及び上下方向において一定位置に位置決めされる。
【0074】
イメージングプレート10は、位置決め機構70によってイメージングプレート10を正規姿勢に保持した状態で、読取位置P2に移動する。読取位置P2において、ステージ60に正規姿勢で保持されたイメージングプレート10の放射線像が、読取ユニット90によって読取られる。正規姿勢とは、ステージ60を基準として予め設定されたイメージングプレート10の姿勢であり、読取ユニット90による読取りに適した所定の姿勢である。本実施形態では、ステージ60の支持面64Fにおいて位置決め面72AF、72CFが一定位置に配置されている。イメージングプレート10の一側の縁部分が位置決め面72AFに接触すると共に、イメージングプレート10の下側の縁部分が位置決め面72CFに接した状態が、正規姿勢である。
【0075】
以下、位置決め機構についてより詳細な説明がなされる。
【0076】
<位置決め機構について>
図6はステージ60を示す正面図である。図7は位置決め機構におけるステージ60を示す背面図である。図6は、図2及び図4と同様に、イメージングプレート10がセット位置P1に位置する状態を示している。図7は、イメージングプレート10が読取位置P2に位置する状態を示している。図6には複数サイズのイメージングプレート10が二点鎖線で示されている。図7では位置決め機構を動作させるための固定配置部分の例として一方の側板42及び作動片46が示されている。図8図6のVIII-VIII線部分断面図であり、図9図6のIX-IX線断面図である。
【0077】
図2から図9に示すように、位置決め機構70は、4つの位置決め部72A、72B、72C、72Dを含む。位置決め部72A、72Bによってイメージングプレート10が水平方向に位置決めされ、位置決め部72C、72Dによってイメージングプレート10が上下方向に位置決めされる。イメージングプレート10がセット位置P1に位置する状態では、左右の位置決め部72A、72Bが開いた状態になり、上下の位置決め部72C、72Dも開いた状態になる(図2図4図6図8及び図9参照)。この状態で、イメージングプレート10をステージ60にセットできる。イメージングプレート10が読取位置P2に位置する状態では、左右の位置決め部72A、72Bが接近した状態になり、上下の位置決め部72C、72Dも接近した状態になる(図3及び図7参照)。この状態では、ステージ60にイメージングプレート10が保持される。
【0078】
<水平方向の位置決め機構について>
位置決め部72Aは、板状部64のうち水平方向における一方の側部に沿って突出する細長い部分である。位置決め部72Aは、支持面64Fを囲む境界のうち水平方向における一方側の境界に沿って上下方向に延在している。位置決め部72Aは、支持面64Fから突出している。位置決め部72Aの長さは、支持面64F上に支持されるイメージングプレート10の上下寸法(複数サイズが想定される場合には最大の上下寸法)よりも長くてもよい。
【0079】
位置決め部72Aのうち内側を向く面が、位置決め面72AFに形成されている。より具体的には、位置決め面72AFは、少なくとも支持面64Fからイメージングプレート10の厚み寸法分突出するように設けられており、支持面64Fから離れるにつれて支持面64Fに覆い被さる方向に向うガイド位置決め面に形成されている(図8参照)。位置決め面72AFは、イメージングプレート10の縁部分を、イメージングプレート10の厚み方向と当該縁部分の内外に向う方向との両方に対して斜めとなる方向に沿って、支持面64Fに向けて案内する面であると把握されてもよい。
【0080】
本実施形態では、位置決め部72Aは、板状部64に対して一体形成されている。例えば、金属の母材を切削加工等することにより、板状部64と位置決め部72Aとが一体形成される。板状部64と位置決め部72Aとは別々に製造され、位置決め部72Aが板状部64に対してねじ止等によって固定されてもよい。本実施形態では、位置決め面72AFは、支持面64Fと鋭角をなして連なっているが、これは必須ではない。
【0081】
位置決め部72Bは、上記位置決め部72Aに対して間隔をあけて対向して設けられる。ここでは、位置決め部72Bは、位置決め部72Aに対して水平方向に沿って間隔をあけて設けられる。
【0082】
より具体的には、板状部64のうち可動支持体62に固定される側の部分に、水平方向に沿うスリット65が形成されている。板状部64の他方側の面のうちスリット65の周囲部分に、当該他方側の面から凹む凹部65gが形成されている(図7及び図8参照)。位置決め部72Bは、板状部64とは別体であり、スリット65に沿って移動可能に配置される。より具体的には、位置決め部72Bの一部がスリット65内に配置可能な形状に形成される。より具体的には、位置決め部72Bは、スリット65の延在方向に沿って長い板状に形成される。位置決め部72Bの厚みは、板状部64のうち凹部65gが形成された部分の厚みよりも大きい。位置決め部72Bの厚み方向中間部がスリット65内に配置される。位置決め部72Bは、スリット65の両側縁部分に対して板状部64の両面から接触可能な凸部72Bpを有している。凸部72Bpがスリット65の両側縁部分に板状部64の両面から接触した状態で位置決め部72Bがスリット65に沿った方向(主走査方向A1)に沿って往復移動可能に支持される。
【0083】
位置決め部72Bのうち位置決め部72A側を向く部分、即ち、位置決め面72AFと対向する部分に、位置決め面72BFが形成されている。位置決め面72BFは、位置決め面72AFと同様に、支持面64Fに対する角度が90゜未満である平面に形成されている。ここでは、位置決め面72BFは、スリット65内において支持面64Fよりも奥側の部分から、支持面64Fから突出するように延在する(図8参照)。
【0084】
位置決め部72Bは、位置決め部72Aに対して離れた離間位置(図2図4図5参照)と、位置決め部72Aに対して離間位置よりも近づいた接近位置(図3図6図7参照)との間で移動可能である。ステージ60がセット位置P1に位置する状態では、位置決め部72Bは、離間位置に位置する。ステージ60が読取位置P2に位置する状態では、位置決め部72Bは接近位置に移動可能となる。
【0085】
位置決め部72Bが離間位置に位置する状態では、位置決め面72AFと位置決め面72BFとの間隔寸法は、イメージングプレート10の幅よりも大きく設定される。ステージ60に複数のサイズのイメージングプレート10が選択的にセットされる場合には、前記間隔寸法は、複数のサイズのイメージングプレート10の中で最も大きい幅よりも大きく設定される。
【0086】
位置決め部72Bが接近位置に位置する状態では、位置決め面72AFと位置決め面72BFとの間隔寸法は、イメージングプレート10の幅よりも小さく設定される。ステージ60に複数のサイズのイメージングプレート10が選択的にセットされる場合には、前記間隔寸法は、複数のサイズのイメージングプレート10の中で最も小さい幅よりも小さく設定される。
【0087】
このため、位置決め部72Bが離間位置に位置する状態で、位置決め面72AF、72BFの間にイメージングプレート10を配置することができる。また、位置決め部72Bが離間位置から接近位置に移動することによって、位置決め面72AF、72BFの間にイメージングプレート10を挟込むことができる。
【0088】
より具体的には、位置決め部72Bが離間位置に位置し、位置決め面72AFと位置決め面72BFとが離れた状態で、支持面64F上にイメージングプレート10が配置される(図6及び図8参照)。この状態で、位置決め面72BFが接近位置(位置決め面72AF)に向けて移動する。すると、位置決め面72BFによってイメージングプレート10の一方の縁部分がその内側に押され、支持面64F上を滑って位置決め面72AF側に移動する。すると、イメージングプレート10のうち位置決め面72AF側の縁部分が、位置決め面72AFに押付けられ、位置決め面72AF側への移動が規制される。
【0089】
上記したように、位置決め面72BFは、支持面64Fに対して90゜未満の角度をなしている。このため、イメージングプレート10のうち位置決め面72BF側の縁部分は、その縁部分の内側及び支持面64F側に押される(矢符F1参照)。
【0090】
また、位置決め面72AFは、上記位置決め面72BFとは逆側に傾斜し、支持面64Fに対して90゜未満の角度をなしている。このため、イメージングプレート10のうち位置決め面72AF側の縁部分は、位置決め面72BFによって当該縁部分の外側に押されつつ、支持面64F側に押される(矢符F2参照)。
【0091】
つまり、イメージングプレート10の水平方向両側の縁部分が、位置決め面72AF、72BFで挟込まれることによって、イメージングプレート10が水平方向において位置決めされる。また、両方の縁部分がそれぞれ位置決め面72AF、72BFによって支持面64F側に押付けられる。これにより、イメージングプレート10のうち水平方向両側の縁部分は、支持面64Fから浮かずに、支持面64Fに接触した状態となるように案内される。このように位置決め面72AFと72BFとでV字を描く(つまり、面72AF、72BFが、支持面64Fから離れるにつれて近づく方向に傾斜する、図8参照)特徴的な傾斜を形成する構成にした場合では、イメージングプレート10を挟み込みながら支持面64Fに押し付ける作用が働き易くなり、イメージングプレート10が正規姿勢で維持されることを容易にサポートできるので好ましい。
【0092】
本実施形態において、位置決め部72A及び位置決め部72Bは、一対の開閉位置決め部の一例である。本実施形態では、一対の開閉位置決め部(位置決め部72A及び位置決め部72B)のうち対向する2つの面のうちの両方が位置決め面72AF、72BFをなしており、一対の開閉位置決め部(位置決め部72A及び位置決め部72B)の一方(位置決め部72B)が移動することで、一対の開閉位置決め部(位置決め部72A及び位置決め部72B)の間隔が調整される例が説明された。
【0093】
しかしながら、位置決め部72A及び位置決め部72Bの対向する面のうちの一方が、イメージングプレート10の縁部分をその外側から位置決めすると共に前記縁部分を支持面64Fに押付けるという意味での位置決め面であってもよい。また、一対の開閉位置決め部(位置決め部72A及び位置決め部72B)の両方が移動することで、それらの間隔が調整されてもよい。
【0094】
なお、位置決め部72A及び位置決め部72Bの少なくとも一方が移動する代りに、位置決め部72A及び位置決め部72Bに対してイメージングプレート10を支持したステージ60が移動してもよい。例えば、対向する位置決め面72AF、72BFが間隔をあけてV字状に配置されており、イメージングプレート10を保持したステージ60が位置決め面72AF、72BF間に間隔が広い方から狭まる方向に移動することによって、イメージングプレート10の両縁部分を対向する位置決め面72AF、72BFに押し当てるようにしてもよい。これによっても、イメージングプレート10が位置決め面72AF、72BFの間において支持面64Fに対して押付けるように支持され得る。
【0095】
位置決め部72A及び位置決め部72Bの両方が、イメージングプレート10の縁部分をその外側から位置決めすると共に当該縁部分を支持面64Fに押付けるという意味での位置決め面を有する必要は無い。例えば、位置決め部72A及び位置決め部72Bの一方は、支持面64Fから垂直に延びてイメージングプレート10の縁部分をその外側から位置決めするが、支持面64Fに向けて押付ける機能は持たない面を有していてもよい。この場合でも、位置決め部72A及び位置決め部72Bの他方が、イメージングプレート10の縁部分をその外側から位置決めし、かつ、支持面64Fに向けて押付けることができる。
【0096】
上下の一対の位置決め部72C、72Dの少なくとも一方が、イメージングプレート10の縁部分を支持面64Fに押付ける機能を有する場合、左右の一対の位置決め部72A、72Bがイメージングプレート10の縁部分を支持面64Fに押付ける必要は無い。この場合、一対の位置決め部72A、72Bは、イメージングプレート10の縁部分をその外側から位置決めするが、支持面64Fに向けて押付ける機能は持たない面、例えば、支持面64Fに対して垂直な面を有していてもよい。さらに、この場合において、位置決め部72A及び位置決め部72Bの一方が省略され、他方がイメージングプレート10の縁部分を水平方向の一方向のみから位置規制してもよい。
【0097】
<上下方向の位置決め機構について>
位置決め部72Cは、板状部64のうち上下方向における一方の側部、ここでは、下側の側部に沿って突出する細長い部分である。位置決め部72Cは、支持面64Fを囲む境界のうち下側の境界に沿って水平方向に延在している。位置決め部72Cは、支持面64Fよりも当該支持面64Fから突出している。位置決め部72Cの長さは、支持面64F上に支持されるイメージングプレート10の左右寸法(複数サイズが想定される場合には最大の左右寸法)よりも長くてもよい。
【0098】
位置決め部72Cのうち内側(上側)を向く面が、位置決め面72CFに形成されている。本実施形態では、位置決め面72CFは、支持面64Fに対する角度が90゜未満であるガイド面(ここでは平面)に形成されている。位置決め面72CFは、重力方向に対して傾斜する支持面64Fの下側に位置していることから、支持面64Fに沿って下方に移動するイメージングプレート10の下側の縁部分を受ける面の一例である。
【0099】
本実施形態では、位置決め部72Cは、板状部64とは別体に形成されている。位置決め部72Cは、接触位置と退避位置との間で姿勢変更可能に構成される(図9参照)。接触位置は、位置決め面72CFを支持面64F上のイメージングプレート10の縁部分に対向させる位置であり、退避位置は、位置決め面72CFを、支持面64F上のイメージングプレート10の縁部分から退避させる位置である。
【0100】
より具体的には、板状部64のうち可動支持体62より延出する部分の下側部分が他の部分よりも凹んでいる。その凹み部分の両端部に、さらに内側に凹む一対の凹部66gが形成されている。位置決め部72Cは、細長い位置決め本体部73Caと、一対の回転支持部73Cbとを含む。位置決め本体部73Caは、一対の凹部66g間に延在し得る長さに設定されている。位置決め本体部73Caの周囲を囲む面のうちの1つの面が上記位置決め面72CFに形成されている。位置決め本体部73Caの両端部から一対の回転支持部73Cbが延出している。一対の回転支持部73Cbが上記一対の凹部66g内に配置されている。一対の回転支持部73Cb及び一対の凹部66gの一方に設けられた支軸部(不図示)が他方に設けられた凹部又は孔部(いずれも不図示)に嵌め込まれることで、位置決め部72Cが支軸部周りに回転可能に支持される。
【0101】
位置決め部72Cが接触位置に位置する状態では、上記したように、位置決め面72CFが支持面64Fの下方延長上に交差するように位置し、支持面64Fに対する角度が90゜未満に保たれた状態となる。このため、支持面64Fを滑り落ちるイメージングプレート10の下側の縁部分が位置決め面72CFに接触することができる(図9において実線で示す位置決め部72C参照)。
【0102】
位置決め面72CFが退避位置に位置変更されると、位置決め面72CFが支持面64Fから退避する(図9において二点鎖線で示す位置決め部72C参照)。すなわち、退避位置にあるときの位置決め面72CFは、支持面64Fに沿って下方に移動したイメージングプレート10の下側の縁部分を受けるポジションには位置しなくなる。本実施形態では、位置決め面72CFは、支持面64Fの正面側に離れる方向に退避する。位置決め面72CFは、支持面64F上のイメージングプレート10の縁部分に覆い被さり得る。このため、位置決め面72CFは、支持面64Fの正面側に離れる方向に円滑に退避し得る。位置決め面72CFは、支持面64Fの奥側に退避移動してもよい。位置決め面72CFが退避位置に移動すると、支持面64Fの下側延長上に、イメージングプレート10が脱出可能な隙間が形成される。当該隙間は、板状部64の下側から見て、支持面64Fと位置決め面72CFとの間に形成されるスリット状の隙間である。隙間の長さは、イメージングプレート10の左右寸法(複数サイズが想定される場合には最大の左右寸法)よりも長い。
【0103】
このため、位置決め面72CFが退避位置に移動すると、位置決め面72CFによって下方を支えられていたイメージングプレート10が、隙間を通って下方に排出され得る。
【0104】
位置決め部72Dは、上記位置決め部72Cに対して間隔をあけて対向して設けられる。ここでは、位置決め部72Dは、位置決め部72Cに対して支持面64Fに沿った斜め上方に間隔をあけて設けられる。
【0105】
より具体的には、板状部64のうち上側の部分に、その内側の縁部分から下側に向うスリット67が形成されている。ここでは、スリット67は、水平方向に間隔をあけて複数(2つ)形成される。板状部64の他方側の面のうち上側の部分に、当該他方側の面から凹む凹部67gが形成されている(図7及び図9参照)。位置決め部72Dは、板状部64とは別体であり、スリット67に沿って移動可能に配置される。位置決め部72Dは、位置決め本体部72Daと、連結延在部72Dbとを含む。
【0106】
連結延在部72Dbは、凹部67gが形成された部分において水平方向に延在している。連結延在部72Dbは、複数のスリット67を結ぶ方向に延在し、さらに、可動支持体62側にも延びている。
【0107】
位置決め本体部72Daは、スリット67に対応して設けられる。ここでは、複数(2つ)の位置決め本体部72Daが、複数(2つ)のスリット67に対応する数及び間隔で設けられる。位置決め本体部72Daは、連結延在部72Dbに対してスリット67側に一体形成されている。位置決め本体部72Daは、スリット67を通って支持面64F側に突出する。位置決め本体部72Daの幅は、スリット67を移動可能な大きさに設定されている。位置決め部72Dは、スリット67の両側縁部分に対して支持面64Fから接触可能な凸部72Dpを有している。連結延在部72Dbが凹部67gの底に接触すると共に、凸部72Dpがスリット65の両側縁部分に支持面64F側から接触した状態で、位置決め本体部72Daがスリット67に沿った方向(副走査方向A2)に沿って往復移動可能に支持される。
【0108】
位置決め本体部72Daのうち位置決め部72C側を向く部分、即ち、位置決め面72CFと対向する部分に、位置決め面72DFが形成されている。位置決め面72DFは、位置決め面72AFと同様に、支持面64Fに対する角度が90゜未満である平面に形成されている。位置決め面72DFは、スリット67内において支持面64Fよりも奥側の部分から、支持面64Fから突出するように延在する(図8参照)。
【0109】
位置決め部72Dは、位置決め部72Cに対して離れた離間位置(図2図4図6図9参照)と、位置決め部72Cに対して離間位置よりも近づいた接近位置(図3図7参照)との間で移動可能である。ステージ60がセット位置P1に位置する状態では、位置決め部72Dは、離間位置に位置する。ステージ60が読取位置P2に位置する状態では、位置決め部72Dは接近位置に移動可能となる。
【0110】
位置決め部72Dが離間位置に位置する状態では、位置決め面72CFと位置決め面72DFとの間隔寸法は、イメージングプレート10の高さよりも大きく設定される。ステージ60に複数のサイズのイメージングプレート10が選択的にセットされる場合には、前記間隔寸法は、複数のサイズのイメージングプレート10の中で最も大きい高さよりも大きく設定される。
【0111】
位置決め部72Dが接近位置に位置する状態では、位置決め面72CFと位置決め面72DFとの間隔寸法は、イメージングプレート10の高さよりも小さく設定される。ステージ60に複数のサイズのイメージングプレート10が選択的にセットされる場合には、前記間隔寸法は、複数のサイズのイメージングプレート10の中で最も小さい高さよりも小さく設定される。
【0112】
このため、位置決め部72Dが離間位置に位置する状態で、位置決め面72CF、72DFの間にイメージングプレート10を配置することができる。また、位置決め部72Dが離間位置から接近位置に移動することによって、位置決め面72CF、72DFの間にイメージングプレート10を挟込むことができる。
【0113】
より具体的には、位置決め部72Dが離間位置に位置し、位置決め面72CFと位置決め面72DFとが離れた状態で、イメージングプレート10がステージ60上に配置される(図6及び図9参照)。この状態で、イメージングプレート10は重力によって支持面64F上を滑り落ちるので、イメージングプレート10の下縁部分が位置決め面72CFに接した状態となる。位置決め面72DFは、位置決め面72CFよりもイメージングプレート10の高さ以上離れているので、イメージングプレート10は、位置決め面72CF、72DFの間に収って、イメージングプレート10の裏面を支持面64Fに面接触させることが可能な状態となる。
【0114】
この状態で、位置決め面72DFが接近位置(位置決め面72CF)に向けて移動する。すると、イメージングプレート10が位置決め面72DFによって押され、イメージングプレート10のうち下側の縁部分が、位置決め面72CFに押付けられる。
【0115】
上記したように、位置決め面72DFは、支持面64Fに対して90゜未満の角度をなしている。このため、イメージングプレート10のうち上側の縁部分は、その縁部分の内側及び支持面64F側に押される(矢符F4参照)。
【0116】
また、位置決め面72CFは、上記位置決め面72DFとは逆側に傾斜し、支持面64Fに対して90゜未満の角度をなしている。このため、イメージングプレート10のうち下側の縁部分は、位置決め面72DFによって当該縁部分の外側に押されつつ、支持面64F側に押される(矢符F3参照)。
【0117】
つまり、イメージングプレート10の上下両側の縁部分が、位置決め面72CF、72DFで挟込まれることによって、イメージングプレート10が上下方向において位置決めされる。また、両方の縁部分がそれぞれ位置決め面72CF、72DFによって支持面64F側に押付けられる。これにより、イメージングプレート10のうち上下両側の縁部分は、支持面64Fから浮かずに、支持面64Fに接触した状態となるように案内される。このように位置決め面72CFと72DFとでV字を描く(つまり、面72CF,72DFが支持面64Fから離れるにつれて近づく方向に傾斜する、図9参照)特徴的な傾斜を形成する構成にした場合では、イメージングプレート10を挟み込みながら支持面64Fに押し付ける作用が働き易くなり、イメージングプレート10が正規姿勢で維持されることを容易にサポートできるので好ましい。
【0118】
本実施形態において、位置決め部72C及び位置決め部72Dは、一対の開閉位置決め部の一例である。本実施形態では、一対の開閉位置決め部(位置決め部72C及び位置決め部72D)のうち対向する2つの面のうちの両方が位置決め面72CF、72DFをなしており、一対の開閉位置決め部(位置決め部72C及び位置決め部72D)の一方(位置決め部72D)が移動することで、一対の開閉位置決め部(位置決め部72C及び位置決め部72D)の間隔が調整される例が説明された。
【0119】
しかしながら、位置決め部72C及び位置決め部72Dの対向する面のうちの一方が、イメージングプレート10の縁部分をその外側から位置決めすると共に前記縁部分を支持面64Fに押付けるという意味での位置決め面であってもよい。また、一対の開閉位置決め部(位置決め部72C及び位置決め部72D)の両方が移動することで、それらの間隔が調整されてもよい。
【0120】
なお、位置決め部72C及び位置決め部72Dの少なくとも一方が移動する代りに、位置決め部72C及び位置決め部72Dに対してイメージングプレート10を支持したステージ60が移動してもよい。例えば、対向する位置決め面72CF、72DFが間隔をあけてV字状に配置されており、イメージングプレート10を保持したステージ60が位置決め面72CF、72DF間に間隔が広い方から狭まる方向に移動することによって、イメージングプレート10の両縁部分を対向する位置決め面72CF、72DFに押し当てるようにしてもよい。これによっても、イメージングプレート10が位置決め面72CF、72DFの間において支持面64Fに対して押付けるように支持され得る。
【0121】
一対の位置決め部72A、72Bと、一対の位置決め部72C、72Dとは、互いに異なる方向に開閉することによって、イメージングプレート10を異なる2方向において位置決めして挟持することができる。よって、一対の位置決め部72A、72Bは、一対の第1開閉位置決め部の一例であり、一対の位置決め部72C、72Dは、一対の第2開閉位置決め部の一例である。
【0122】
上記位置決め面72BF、72CF、72DFが、平面であることは必須ではないことは、位置決め面72AFについて述べた通りである。すなわち、位置決め面72BF、72CF、72DFは、少なくとも支持面64Fからイメージングプレート10の厚み寸法分突出するように設けられ、支持面64Fから離れるにつれて支持面64Fに覆い被さる方向に向う形状に形成されたガイド位置決め面を含む形状であればよい。また、位置決め面72BF、72CF、72DFは、支持面64Fに対する角度が90゜未満であるガイド面を含む形状に形成されていてもよい。位置決め面72AF、72BF、72CF、72DFに関する各種変形例が後に説明される。
【0123】
<位置決め部の駆動機構について>
上記位置決め部72B、位置決め部72C、位置決め部72Dの駆動は、どのような構成によってなされてもよい。例えば、位置決め部72B、位置決め部72C、位置決め部72Dは、ステージ60を駆動する力を利用して駆動されてもよい。位置決め部72B、位置決め部72C、位置決め部72Dは、ステージ60を駆動するモータ等の駆動部とは別の駆動部(例えば、モータ、ソレノイドアクチュエータ)によって実現されてもよい。
【0124】
本実施形態では、位置決め部72B、位置決め部72C、位置決め部72Dは、ステージ60を駆動する力を利用して駆動されており、そのための構成が以下に説明される。
【0125】
<位置決め部72Bを移動させるための構成について>
位置決め部72Bを移動させるための構成について説明する。図2図4図6図8に示すように、位置決め部72Bは、ステージ本体61に対して離間位置と接近位置との間で移動可能に支持されている。ステージ本体61における位置決め部72Bの移動方向は、主走査方向A1に沿ったステージ本体61の移動方向と同じである。このため、位置決め部72Bは、ステージ60の移動方向に沿ってステージ本体61に対して移動可能に支持された可動位置決め部の一例である。
【0126】
位置決め部72Bは、付勢部72Bsによって閉方向、即ち、離間位置から接近位置に向けて常時付勢されている。本実施形態では、付勢部72Bsは、板状部64の裏面側において、位置決め部72Bのうちの位置決め部72A側の端部と、スリット65の奥側部分との間に、伸長された状態で掛渡されたコイルばねである(図2図6図7図8参照)。この付勢部72Bsとしてのコイルばねが縮む力によって、位置決め部72Bが離間位置から接近位置に向けて常時付勢されている。
【0127】
位置決め部72Bに受部72Bqが一体的に形成されている。受部72Bqは、位置決め部72Bのうち支持面64Fとは反対側を向く部分に設けられている。ここでは、受部72Bqは、位置決め部72Bの長手方向中間部に設けられる。受部72Bqは、板状部64の裏面よりも突出している。ステージ60の位置に拘らず、受部72Bqは、一対の側板42の間に位置することができる。この受部72Bqは、ステージ60の移動経路における少なくとも一部において、固定配置部分の一例である一方の側板42に接することで、ステージ60を動かす力を受けることができる。
【0128】
ステージ60がセット位置P1に位置する状態では、受部72Bqが一方の側板42の傾斜辺部分に読取位置P2側から接触する。これにより、付勢部72Bsによる引張り力に抗して受部72Bqがスリット65の開口側に向けて押され、位置決め部72Bが離間位置に保たれる(図2図4参照)。つまり、一対の位置決め部72A、72Bが開状態に保たれる。
【0129】
ステージ60が読取位置P2に位置する状態では、受部72Bqと一方の側板42との接触状態が解除される。これにより、付勢部72Bsによる引張り力によって、位置決め部72Bがスリット65の奥側、即ち、接近位置に向うように付勢される(図3及び図7参照)。これにより、一対の位置決め部72A、72Bが、イメージングプレート10のうち対向する2箇所の側縁部分を挟込んだ状態に保たれる。
【0130】
ステージ60がセット位置P1から読取位置P2に移動する少なくとも一部の区間(初期区間)においては、付勢部72Bsの引張り力によって受部72Bqが一方の側板42に向けて押された状態のまま、ステージ60が読取位置P2に向けて移動する。ステージ本体61を基準に考えると、位置決め部72Bは、ステージ本体61の移動に応じて徐々に接近位置に向けて移動する。これにより、一対の位置決め部72A、72Bが閉動作される。なお、上記一方の側板42は、ステージ60の移動中において一定位置に配置される固定配置部分の一例である。
【0131】
この際、一対の位置決め部72A、72Bの間にイメージングプレート10が存在しないと、位置決め部72Bは接近位置まで移動する。一対の位置決め部72A、72Bの間にイメージングプレート10が存在する場合、一対の位置決め面72AF、72BFの間にイメージングプレート10が挟込まれることによって、位置決め部72Bの移動が規制されるまで、当該位置決め部72Bが接近位置に向けて移動する。この状態では、付勢部72Bsの付勢力によって、イメージングプレート10は、一対の位置決め面72AF、72BFの間に挟込まれた状態に保たれる。このように、ステージ60が動かされる力によって、受部72Bqがステージ本体に対して移動し、これにより、受部72Bqが、接近位置への位置決め部72Bの移動を許容し、もって、位置決め部72Bに開動作を行わせる。
【0132】
上記とは逆に、ステージ60が読取位置P2からセット位置P1に向けて移動する少なくとも一部の区間(後期区間)では、受部72Bqと一方の側板42とが接触することによって、一方の側板42に対して位置決め部72Bが一定位置に保たれたままステージ本体61がセット位置P1に向けて移動する。ステージ本体61を基準に考えると、位置決め部72Bは、付勢部72Bsの付勢力に抗してステージ本体61の移動に応じて徐々に離間位置に向けて移動する。これにより、一対の位置決め部72A、72Bの間のイメージングプレート10の保持が解除される。つまり、一対の位置決め部72A、72Bを開動作させる。このように、受部72Bqが、ステージ60を動かす力によって、位置決め部72Bを離間位置に向けて移動させ、もって、位置決め部72Bに開動作を行わせる。
【0133】
なお、本実施形態では、ステージ60は、セット位置P1からさらに(読取位置P2とは反対側に)遠ざかる排出位置P3に移動可能である。受部72Bqを側板42に接触させたまま、ステージ60が排出位置P3に移動すると、位置決め部72Bは離隔位置よりも位置決め部72Aから離れた離隔排出位置に移動することができる。
【0134】
本実施形態では、付勢部72Bsが位置決め部72Bを閉方向に付勢する構成、及び、ステージ60の移動途中において受部72Bqが側板42に接触する構成によって、ステージ60がセット位置P1から読取位置P2に移動するのにあわせて一対の位置決め部72A、72Bを閉動作させる位置決め部動作機構が実現されている。
【0135】
なお、位置決め部動作機構は、ステージ60が移動する力を受けて一対の位置決め部72A、72Bを閉動作させる必要は無く、例えば、制御部100(図5参照)の制御に基づき、ステージ移動機構50とは別のモータ、ソレノイドアクチュエータ等の駆動によって閉動作を行ってもよい。
【0136】
<位置決め部72Dを移動させるための構成について>
位置決め部72Dを移動させるための構成について説明する。
【0137】
図2図4図6図7図9に示すように、位置決め部72Dは、ステージ本体61に対して離間位置と接近位置との間で移動可能に支持されている。ステージ本体61における位置決め部72Dの移動方向は、主走査方向A1に沿ったステージ本体61の移動方向に対して交差する副走査方向A2に沿っている。このため、位置決め部72Dは、ステージ60の移動方向に対して交差する方向に沿ってステージ本体61に対して移動可能に支持された変換方向可動位置決め部の一例である。
【0138】
位置決め部72Dの連結延在部72Dbは、主走査方向A1に沿って位置決め本体部72Daから可動支持体62に向けて延び出ている。可動支持体62の下部が板状部64の裏面側に固定されており、可動支持体62の上部と板状部64の上部との間には隙間が設けられている。連結延在部72Dbは、可動支持体62の上部と板状部64の上部との間の隙間に向けて延在している(図7参照)。
【0139】
板状部64のうち連結延在部72Dbの先端部に対応する部分に、板状部64の上縁部分から下方に向うスリット68が形成されている。連結延在部72Dbの先端部に、補助ガイド部72Dcがねじ止等によって固定されている。補助ガイド部72Dcの両端部が、スリット68の両側縁部分に板状部64の正面側から接している。連結延在部72Db自体は、板状部64に対して裏面側から接触している。このため、連結延在部72Dbの先端部は、スリット68によってガイドされた状態で、主走査方向A1と交差する副走査方向A2に沿って移動可能に支持される(図6図7参照)。
【0140】
位置決め部72Dは、付勢部72Dsによって、閉方向、即ち、離間位置から接近位置に向けて常時付勢されている。本実施形態では、付勢部72Dsは、板状部64の裏面側において、連結延在部72Dbの先端部とスリット68の奥側部分との間で、伸長された状態で掛渡されたコイルばねである(図4図6図7参照)。この付勢部72Dsとしてのコイルばねが縮む力によって、位置決め部72Dが、離間位置から接近位置に向けて常時付勢されている。
【0141】
位置決め部72Dに、ローラ72Dqが一体的に組合わされている。ここでは、連結延在部72Dbの先端部であって支持面64Fとは反対側を向く部分に、ローラ72Dqが回転可能に支持されている。ローラ72Dqの回転軸は、主走査方向A1及び副走査方向A2に直交する方向である。ローラ72Dqは、板状部64の裏面よりも奥側に配置される。ステージ60の位置に拘らず、ローラ72Dqは、一対の側板42の間に位置することができる。
【0142】
一方の側板42に、ローラ72Dqに接触可能な作動片46が設けられる(図11も参照)。作動片46は、一方の側板42の凹部42gの底の一部から他方の側板42に向けて延びる細長い板状に形成されている。作動片46は、ステージ60の移動に伴うローラ72Dqの移動軌跡の途中に位置している。作動片46の先端部は、ステージ60の移動方向に対して斜めに傾斜する傾斜面46gに形成されている。ここでは、傾斜する傾斜面46gは、ステージ60の移動方向に沿ってセット位置P1に向うに連れて上方に向う形状に形成されている。作動片46の上向き面46uは、ステージ60の移動方向に沿う形状に形成されている。作動片46は、ステージ60の移動中において、一定位置に配置される固定配置部分の一例である。
【0143】
ローラ72Dqは、ステージ60の移動経路における少なくとも一部の区間において、固定配置部分である作動片46に接することで、ステージ60を動かす力を受けることができる受部の一要素となり得る。
【0144】
ステージ60がセット位置P1に位置する状態では、ローラ72Dqが作動片46の上向き面46uに上方から接触する。これにより、付勢部72Dsによる引張り力に抗してローラ72Dqが上方に持上げられた状態に保たれ、位置決め部72Dが離間位置に保たれる(図2図4参照)。つまり、一対の位置決め部72C、72Dが開状態に保たれる。
【0145】
ステージ60が読取位置P2に位置する状態では、ローラ72Dqは作動片46の先端側に離れ、当該作動片46に対して非接触状態となる。すると、付勢部72Dsの引張り力によって連結延在部72Dbが下側に引寄せられ、位置決め部72Dが接近位置に向うように付勢される(図3図7参照)。これにより、一対の位置決め部72C、72Dが、イメージングプレート10のうち対向する上下の側縁部分を挟込んだ状態に保たれる。
【0146】
ステージ60がセット位置P1から読取位置P2に移動する少なくとも一部の区間である初期区間において、ローラ72Dqが作動片46の上向き面46uに接触した状態に保たれる。よって、位置決め部72Dが離間位置に保たれたまま、ステージ60が読取位置P2に向けて移動する。
【0147】
ステージ60がセット位置P1から読取位置P2に向う途中で、ローラ72Dqが上記傾斜面46gに達する。すると、付勢部72Dsによる付勢力によって、ステージ60の移動に伴って、ローラ72Dqが傾斜面46gに沿って徐々に下降する。これにより、位置決め部72Dが接近位置に向かって移動し、一対の位置決め部72C、72Dが閉動作される。
【0148】
この際、一対の位置決め部72C、72Dの間にイメージングプレート10が存在しないと、位置決め部72Dは接近位置まで移動する。一対の位置決め部72C、72Dの間にイメージングプレート10が存在する場合、一対の位置決め面72CF、72DFの間にイメージングプレート10が挟込まれることによって、位置決め部72Cの移動が規制されるまで、当該位置決め部72Dが接近位置に向けて移動する。この状態では、付勢部72Dsの付勢力によって、イメージングプレート10は、一対の位置決め面72CF、72DFの間に挟込まれた状態に保たれる。このように、ローラ72Dqが、ステージ60を動かす力を受けて、接近位置への位置決め部72Dの移動を許容する状態に変り、もって、開動作を行わせる。
【0149】
なお、水平方向の一対の位置決め部72A、72Bがイメージングプレート10を挟持した後、上下の一対の位置決め部72C、72Dがイメージングプレート10を挟持するように、一対の位置決め部72A、72Bの開閉タイミングと、一対の位置決め部72C、72Dの開閉タイミングとが設定されていてもよい。例えば、ステージ60が読取位置P2に向う途中で、受部72Bqが側板42から離れて位置決め部72Bが接近位置に向けて移動した後、ローラ72Dqが傾斜面46gに達して位置決め部72Dが接近位置に向うように設定されてもよい。本実施形態では、作動片46を、一方の側板42から他方の側板42に向けて伸すことによって、ステージ60が読取位置P2に向う際に、ローラ72Dqが傾斜面46gに達するタイミングを遅らせ、もって、位置決め部72Dが接近位置に向けて移動するタイミングを遅らせている。
【0150】
上記のように設定することで、ステージ60に対してイメージングプレート10が精度よく位置決めされる。すなわち、イメージングプレート10がステージ60上に落下した状態では、イメージングプレート10は自重によって位置決め面72CFに乗っかることによって上下方向に位置決めされる。これに対して、左右方向については、イメージングプレート10の位置の自由度が大きい。そこで、一対の位置決め部72C、72Dによって挟持されていないイメージングプレート10を、一対の位置決め部72A、72Bによって左右方向に位置決めする。この後、一対の位置決め部72C、72Dによって上下方向に挟持する。これにより、上下左右両方向において、ステージ60に対してイメージングプレート10が精度よく位置決めされる。
【0151】
上記とは逆に、ステージ60が読取位置P2からセット位置P1に向けて移動する少なくとも一部の区間である後期区間では、ローラ72Dqと作動片46の傾斜面46gが接触すると、ローラ72Dqが傾斜面46gに沿って上方に移動する。これにより、位置決め部72Dが離間位置に向けて移動する。ステージ本体61を基準に考えると、位置決め部72Dは、付勢部72Dsの付勢力に抗してステージ本体61の移動に応じて徐々に離間位置に向けて移動する。これにより、一対の位置決め部72C、72Dの間のイメージングプレート10の保持が解除される。つまり、ステージ60が読取位置P2からセット位置P1に移動する少なくとも一部の区間において、ローラ72Dqが傾斜面46gに接して、位置決め部72Dをステージ60の移動方向に対して交差する方向に沿って移動させることによって、一対の開閉位置決め部72C、72Dを動作させる。ローラ72Dqが作動片46の上向き面46uに達すると、ローラ72Dqは当該上向き面46u上を移動する。このため、位置決め部72Dは、離間位置に位置する状態に保たれる。
【0152】
このように、ローラ72Dqが、ステージ60を動かす力を受けて、位置決め部72Dを離間位置に向けて移動させ、もって、位置決め部72Dに開動作を行わせる。
【0153】
本実施形態では、付勢部72Dsが位置決め部72Dを閉方向に付勢する構成、及び、ステージ60の移動途中においてローラ72Dqが作動片46に接触する構成によって、ステージ60がセット位置P1から読取位置P2に移動するのにあわせて、一対の位置決め部72A、72Bを閉動作させる位置決め部動作機構が実現されている。
【0154】
なお、位置決め部動作機構は、ステージ60が移動する力を受けて一対の位置決め部72C、72Dを閉動作させる必要は無く、例えば、制御部100(図5参照)の制御に基づき、ステージ移動機構50とは別のモータ、ソレノイドアクチュエータ等の駆動によって閉動作を行ってもよい。
【0155】
位置決め部72C及び位置決め部72Dの両方が、イメージングプレート10の縁部分をその外側から位置決めすると共に当該縁部分を支持面64Fに押付けるという意味での位置決め面を有する必要は無い。例えば、位置決め部72C及び位置決め部72Dの一方は、支持面64Fから垂直に延びてイメージングプレート10の縁部分をその外側から位置決めするが、支持面64Fに向けて押付ける機能は持たない面を有していてもよい。この場合でも、位置決め部72C及び位置決め部72Dの他方が、イメージングプレート10の縁部分をその外側から位置決めし、かつ、支持面64Fに向けて押付けることができる。
【0156】
左右の一対の位置決め部72A、72Bの少なくとも一方が、イメージングプレート10の縁部分を支持面64Fに押付ける機能を有する場合、上下の一対の位置決め部72C、72Dがイメージングプレート10の縁部分を支持面64Fに押付ける必要は無い。この場合、一対の位置決め部72C、72Dは、イメージングプレート10の縁部分をその外側から位置決めするが、支持面64Fに向けて押付ける機能は持たない面、例えば、支持面64Fに対して垂直な面を有していてもよい。さらに、この場合において、上側の位置決め部72Dが省略され、下側の位置決め部72Cがイメージングプレート10の縁部分を下から支えて上下方向の位置決めを行ってもよい。
【0157】
以上のとおり、方向の異なる2種類の、一対の位置決め部72A、72B(主走査方向A1の位置決め)ならびに、72C、72D(副走査方向A2の位置決め)について説明を行った。なお、位置決め部動作機構の構成は上記に限定されるものではない。イメージングプレートの正規姿勢を確実に維持するには、上記は好ましい構成であるが、少なくとも副走査方向の位置決め(本実施例では位置決め部72Dならびに72Cを用いた位置決め)を備えていることが好ましい。段落0149で、精度の良い位置決めについて述べたが、さらに付記する。イメージングプレートを用いた歯牙のX線撮影中に、イメージングプレートが大きく撓む(湾曲する)場合は、撓みを低減した状態でイメージングプレートの潜像が読取られることは明瞭精細な画像データを得るために肝要である。従って、位置決めの順序は、イメージングプレートの長辺に接触する補正(本実施例では、位置決め部72Dを移動させる位置決め)の後にイメージングプレートの短辺に接触する補正(本実施例では、位置決め部72Bを移動させる位置決め)であることが望ましい。イメージングプレートに発生した大きな撓みが位置決め部72Dおよび位置決め面72DFによって最初に矯正されることで、副走査方向A2の位置決め(位置決め部72Dおよび72Cによる位置決め)と、これに続く主走査方向A1の位置決め(位置決め部72Bおよび72Aによる位置決め)とによって、イメージングプレートを確実に挟持するのを、容易にできる。
【0158】
<位置決め部72Cを移動させるための構成について>
位置決め部72Cを移動させるための構成について説明する。図10はステージ60を示す斜視図である。図9及び図10において接触位置にある位置決め部72Cが実線で示され、退避位置にある位置決め部72Cが二点鎖線で示される。
【0159】
図9及び図10に示すように、位置決め部72Cは、接触位置と退避位置との間で移動可能に支持されている。また、位置決め部72Cは、付勢部72Csによって、接触位置に向うように付勢されている。付勢部72Csは、例えば、ねじりコイルばねである。例えば、かかるねじりコイルばねが、位置決め部72Cを回転可能に支持する軸部に装着され、一端部が板状部64に連結され、他端部が位置決め部72Cに連結されることで、位置決め部72Cが接触位置に向けて付勢される。ステージ60がセット位置P1と読取位置P2に位置する状態では、付勢部72Csの付勢力によって、接触位置に保たれる。
【0160】
位置決め部72Cの一端部から延び出る延長軸部72Caが板状部64のうち可動支持体62側の部分を貫通して板状部64の側面に突出する。延長軸部72Caは、位置決め部72Cに対して相対回転不能に設けられており、位置決め部72Cと共に回転する。
【0161】
ステージ60がセット位置P1から排出位置P3に移動すると、位置決め部72Bが離間位置からさらに位置決め部72Aから遠ざかる方向に移動する。すると、位置決め部72Bを移動させる力が、中継片78を介して延長軸部72Caに伝達される。これにより、延長軸部72Caが回転し、付勢部72Csの付勢力に抗して、位置決め部72Cが接触位置から退避位置に回転することができる。つまり、ステージ60をセット位置P1から排出位置P3に移動させる力が、位置決め部72B及び中継片78を介して、位置決め部72Cを接触位置から退避位置に移動させる力として伝達される。
【0162】
より具体的には、ステージ本体61のうち可動支持体62側の部分に中継片78が移動可能に支持される。中継片78の移動方向は、位置決め部72Bの移動方向に対して交差する方向、ここでは、副走査方向A2である。
【0163】
中継片78は、長尺形状に形成されている。可動支持体62のうち板状部64が固定された側の面において、当該板状部64の側面から離れた位置に副走査方向A2に沿って延びるガイド突部62gが形成されている。中継片78は、可動支持体62のうち板状部64が固定された側の面とガイド突部62gと板状部64の側面と延長軸部72Caとで囲まれた空間内で、移動可能に支持されている。
【0164】
位置決め部72Bのうち位置決め面72BFとは反対側の端部に、位置決め部72Bが離間位置に移動する方向に向けて上向き傾斜する斜面72Bgが形成されている。中継片78の上側の端部は、上記斜面72Bgと対向している。この端部に、位置決め部72Bが離間位置に移動する方向に向けて上向き傾斜する斜面78gが形成されている。斜面72Bgと斜面78gとは、互いに平行な位置関係であってもよい。位置決め部72Bが接近位置にある状態では、斜面72Bgと斜面78gとの間に隙間が設けられる。位置決め部72Bが離間位置にある状態では、斜面72Bgと斜面78gとの間に(僅かな)隙間が設けられるか、斜面72Bgと斜面78gとが接触を開始した状態となる。位置決め部72Bが、離間位置からさらに位置決め部72Aに対して遠ざかる方向に移動すると、斜面72Bgが斜面78gを押し、中継片78を下方に押下げる。
【0165】
中継片78の長手方向中間部は、延長軸部72Caと交差している。中継片78のうち延長軸部72Caと交差する部分に凹部78hが形成されている。中継片78の端部は、凹部78h内に配置されている。このため、中継片78の可動範囲は、延長軸部72Caの端部が凹部78h内を動ける範囲に規制される。
【0166】
凹部78hの底にピン状部78pが突設されている。延長軸部72Caの端部に、ピン状部78pが嵌る凹部が形成されている。延長軸部72Caが凹部78h内に配置された状態で、ピン状部78pが延長軸部72Caの凹部に嵌っている。この状態で、ピン状部78pが延長軸部72Caと延長軸部72Caの凹部の内周面との間には隙間が形成されている。
【0167】
通常状態では、付勢部72Csの付勢力によって、位置決め部72Cは常時接触位置に向けて付勢されている。この付勢力によって、延長軸部72Caも回転付勢され、この付勢力によって、当該延長軸部72Caに形成された凹部が凹部78h内において斜め上方を向く。これにより、ピン状部78pが上方に持上げられ、中継片78が上方に持上げられる。位置決め部72Bが離間位置又は当該離間位置よりも接近位置に存在する状態では、付勢部72Csの付勢力によって、中継片78は上寄りに位置する。
【0168】
位置決め部72Bが離間位置よりも位置決め部72Aから離れる方向に移動すると、斜面72Bgが斜面78gを押す。これにより、中継片78が押下げられる。すると、ピン状部78pも下がるので、当該ピン状部78pが嵌っていた延長軸部72Caの凹部が斜め下方を向く。これにより、延長軸部72Caが回転して、付勢部72Csの付勢力に抗して、位置決め部72Cが接触位置から退避位置に回転移動するようになる。すると、位置決め面72CF上に支持されていたイメージングプレート10が、支持面64Fと位置決め面72CFとの間の隙間を通って、排出される。
【0169】
位置決め部72Cが離間位置に戻ると、付勢部72Csの付勢力によって位置決め部72Cが退避位置から接触位置に戻り、上記通常状態に戻る。
【0170】
本実施形態では、ステージ60が移動する力によって、位置決め部72Cを接触位置と退避位置との間で移動させているが、必ずしもその必要は無い。制御部100の制御によって、ステージ60を移動させるモータとは別の駆動部(例えば、モータ、ソレノイドアクチュエータ等)を動作させて、位置決め部72Cを移動させるようにしてもよい。
【0171】
<動作>
本読取装置20の動作例について説明する。
【0172】
初期状態においては、ステージ60はセット位置P1に位置している(図2図4参照)。この状態では、図11に示すように、位置決め部72Bの受部72Bqが一方の側板42に接触しているため、位置決め部72Bは離間位置に位置している(図6図10参照)。このため、一対の位置決め部72A、72Bは開状態となっている。また、ローラ72Dqは、作動片46の上向き面46u上に接した状態となっているため、位置決め部72Dは離間位置に位置している(図6図10)。また、付勢部72Csの付勢力によって、位置決め部72Cは接触位置に位置した状態となっている(図9図10参照)。なお、図11はステージ60がセット位置P1に位置する状態において、ステージ60を裏面側から見た状態を示している。
【0173】
この状態で、セット部31におけるスリット68にイメージングプレート10が挿入される(図4及び図5参照)。イメージングプレート10は、セット用ガイド面31GSによってガイドされつつ、ステージ60の支持面64Fに達する。イメージングプレート10の下縁部分は、支持面64Fを滑り落ちて、下側の位置決め部72C上に載置された状態となる。また、イメージングプレート10は、支持面64F側に倒れるように傾斜した状態となり、イメージングプレート10の裏面が支持面64Fに対向した状態となる。
【0174】
読取装置20における読取のための指示が入力されると、ステージ移動機構50の駆動によってステージ60がセット位置P1から読取位置P2に向けて移動する。図12に示すように、ステージ60が側板42に対して移動するにつれて、受部72Bqに接していた側板42が位置決め部72A側に相対移動することになるので、位置決め部72A側への位置決め部72Bの移動が許容されるようになる。すると、付勢部72Bsによる付勢力によって、位置決め部72Bが板状部64に対して相対移動し、位置決め部72Aに対して接近する。位置決め部72Bの移動中に、位置決め面72BFがイメージングプレート10の一方側の側縁部分に接触すると、イメージングプレート10が反対側の位置決め面72AFに向けて押される。イメージングプレート10が下側の位置決め面72CF上を滑って移動し、イメージングプレート10の反対側の側縁部分が位置決め面72AFに接触すると、一対の位置決め面72AF、72BFがイメージングプレート10の両側縁部分を左右両側から挟込む状態となる。一対の位置決め面72AF、72BFが、支持面64Fに対して90゜未満の角度をなしているため、一対の位置決め面72AF、72BFは、イメージングプレート10を左右方向に位置決めしつつ、イメージングプレート10の両側縁部分を支持面64Fに向けて押え込む(図8参照)。
【0175】
また、図12に示すように、ステージ60がセット位置P1から読取位置P2に達する途中で、ローラ72Dqが作動片46の上向き面46uから傾斜面46gに達する。すると、位置決め部72Dが離間位置から接近位置に移動可能となる。付勢部72Dsの付勢力によって、位置決め部72Dが接近位置に向けて付勢されるので、ステージ60の移動に伴って、ローラ72Dqが傾斜面46gに沿って下り、位置決め部72Dが接近位置に向けて移動する。位置決め部72Dの移動中に、位置決め面72DFがイメージングプレート10の上側の縁部分に接触すると、イメージングプレート10の下側の縁部分が下側の位置決め面72CFに向けて押される。これにより、一対の位置決め面72CF、72DFがイメージングプレート10の上下の縁部分を上下両側から挟込む状態となる。一対の位置決め面72CF、72DFが、支持面64Fに対して90゜未満の角度をなしているため、一対の位置決め面72CF、72DFは、イメージングプレート10を上下方向に位置決めしつつ、イメージングプレート10の上下の両縁部分を支持面64Fに向けて押え込む(図9参照)。
【0176】
このため、イメージングプレート10の上下左右の縁部分が一定位置で支持面64Fに押え付けられた状態で、イメージングプレート10が保持される。この状態で、ステージ60が読取位置P2に達し、読取位置P2において、読取ユニット90によってイメージングプレート10の潜像が読取られる。
【0177】
読取ユニット90による読取り終了後、ステージ60はセット位置P1に戻る。その移動途中で、上記と逆の動作が行われ、ステージ60におけるイメージングプレート10の保持が解除される。
【0178】
すなわち、ステージ60が読取位置P2からセット位置P1に戻る途中で、ローラ72Dqが作動片46の傾斜面46gに接触する。ステージ60の移動に伴って、ローラ72Dqが傾斜面46gに沿って上方に移動し、位置決め部72Dが離間位置に移動する(図10参照)。ローラ72Dqが作動片の上向き面46uに沿って移動することで、ステージ60がセット位置P1及び排出位置P3に位置する状態で、位置決め部72Dが離間位置に移動した状態が保たれる。
【0179】
また、ステージ60が読取位置P2からセット位置P1に戻る途中で、受部72Bqが一方の側板42に接触する(図10参照)。受部72Bqが一方の側板42に接触して位置規制された状態で、ステージ60が移動することによって、位置決め部72Bが離間位置に向けて移動する。ステージ60がセット位置P1に達した状態においても、受部72Bqが側板42に接触した状態に保たれるため、位置決め部72Bが離間位置に位置する状態に保たれる。
【0180】
この状態では、位置決め部72Bが主走査方向A1に沿って位置決め部72Aから離れる方向に移動し、一対の位置決め部72A、72Bの間の距離が大きくなり、主走査方向A1においてイメージングプレート10を挟持する状態が解除される。また、位置決め部72Dが副走査方向A2に沿って位置決め部Cから離れる方向に移動し、一対の位置決め部72C、72Dの間の距離が大きくなり、副走査方向A2においてイメージングプレート10を挟持した状態が解除される。
【0181】
ステージ60がセット位置P1から排出位置P3に向けて移動すると、位置決め部72Cの斜面72Bgが中継片78の斜面78gに接触し、中継片78を押下げる(図10参照)。これにより、延長軸部72Caが回転し、位置決め部72Cを回転させる。すると、位置決め面72CFが接触位置から退避位置に移動し、位置決め面72CF上に支持されていたイメージングプレート10が、支持面64Fと位置決め面72CFとの間の隙間を通って、取出口32に排出される(図4及び図5参照)。
【0182】
この後、ステージ60が排出位置P3からセット位置P1に戻る。すると、付勢部72Csの付勢力によって位置決め面72CFが接触位置に戻るように、位置決め部72Cが回転移動する。この状態で、上記したように、セット位置P1のステージ60にイメージングプレート10をセットすることができる。
【0183】
<効果等>
このように構成された放射線像の読取装置20によると、イメージングプレート10の縁部分が位置決め面72AF、72BF、72CF、72DFに接することによって、イメージングプレート10が正規姿勢に保たれるようになる。また、位置決め面によってイメージングプレートの縁部分が支持面に押付けられる。これにより、イメージングプレート10が正規姿勢でかつ支持面に接触された状態で保持され得る。
【0184】
仮に、ステージ60上で磁力等によって吸着してイメージングプレート10を保持しようとすると、イメージングプレート10がステージ60上で傾いてしまう可能性がある。あるいは、イメージングプレート10が磁力の働かない位置に不慮に配置された場合に、イメージングプレート10がステージから脱落してしまう可能性もある。また、支持面64Fに対して垂直な位置決め面だけでイメージングプレート10を保持しようとすると、イメージングプレート10が反るように曲って(撓んで)いる場合に、イメージングプレート10が支持面64Fから部分的に浮いてしまう恐れがある。このような場合、イメージングプレート10の読取り面の各部と、読取ユニット90からの距離が変動してしまうため、読取った像がぼやけてしまう可能性がある。ここで、イメージングプレートの撓みの発生について付記する。イメージングプレートを用いた歯牙のX線撮影では、イメージングプレートを撮影対象である人や動物の口腔内に挿入する。この時、撮影方法や撮影手段によっては、曲線を形成する歯列にイメージングプレートを沿わせる必要があるため、その際に口腔内で受ける外力によって、イメージングプレートは、撮影に使用する前の平らな状態から撓んでしまう、ということが起きることがある。この口腔内にセットした際にイメージングプレートに対して加えられた外力によって生じたイメージングプレートの撓みが、撮影した像の精細な読取りの障壁になることがある。
【0185】
本読取装置20によると、ステージ60上において、イメージングプレート10が正規姿勢でかつ支持面64Fに面接触した状態で保持されるため、放射線像を所定の正規姿勢で、かつ、鮮明に読取ることができる。
【0186】
また、位置決め機構70は、位置決め面として、少なくとも支持面64Fからイメージングプレート10の厚み寸法分突出するように設けられ、支持面64Fから離れるに連れて支持面64Fに覆い被さる方向に向う形状に形成された位置決め面72AF、72BF、72CF、72DFを含むため、位置決め面72AF、72BF、72CF、72DFがイメージングプレート10の縁部分に相対的に押付けられることで、イメージングプレート10の縁部分が支持面64F内において位置決めされつつ、支持面64Fに押付けられる。
【0187】
例えば、位置決め面72AF、72BF、72CF、72DFが、支持面64Fに対する角度が90゜未満であるガイド面を含めば、イメージングプレート10の縁部分がガイド面の傾斜を利用して円滑に支持面に押付けられる。
【0188】
また、位置決め機構70が、一対の開閉位置決め部として、一対の位置決め部72A、72B(又は一対の位置決め部72C、72D)を含み、それらの少なくとも一方が移動することで、一対の位置決め部72A、72B(又は一対の位置決め部72C、72D)の間隔が調整される。このため、一対の位置決め部72A、72B(又は一対の位置決め部72C、72D)が開いた状態で、それらの間にイメージングプレート10が容易に配置される。この状態で、一対の位置決め部72A、72B(又は一対の位置決め部72C、72D)の間隔を小さくするように閉じると、一対の位置決め部72A、72B(又は一対の位置決め部72C、72D)のうち対向する2つの位置決め面72AF、72BF(又は一対の位置決め面72CF、72DF)によって、イメージングプレート10のうち対向する2箇所の縁部分が挟み込まれて、イメージングプレート10が正規姿勢に保たれると共に、イメージングプレート10が支持面64Fに接触するようになる。
【0189】
また、ステージ60がセット位置P1から読取位置P2に移動するのにあわせて、一対の位置決め部72A、72B(又は一対の位置決め部72C、72D)を閉動作させることで、セット位置P1では、一対の位置決め部72A、72B(又は一対の位置決め部72C、72D)を開いたイメージングプレート10を容易にセットできる。また、イメージングプレート10をセットした後、ステージ60を読取位置P2に移動させることで、イメージングプレート10が正規姿勢でかつ支持面64Fに接触した状態で保持され、装置の一部が動いても安定して保持され得る。
【0190】
また、一対の位置決め部72C、72Dは、接触位置と退避位置との間で位置変更可能な可変位置決め部としての位置決め部72Cを含む。このため、位置決め部72Cを退避位置に移動させることで、イメージングプレート10をステージ60から容易に取外すことができる。
【0191】
また、ステージ60がセット位置P1と排出位置P3との間で移動可能であり、ステージ60がセット位置P1に位置する状態では位置決め部72Cが接触位置に位置し、ステージ60が排出位置P3に位置する状態では位置決め部72Cが排出位置に移動する。これにより、ステージ60を排出位置に位置させることで、位置決め面72CF上のイメージングプレート10を、位置決め面72CF側に移動させて、イメージングプレート10をステージ60から容易に取外すことができる。
【0192】
また、ステージ移動機構50によってステージ60が読取位置P2からセット位置P1に移動するのにあわせて、(一対の位置決め部72A、72B(又は一対の位置決め部72C、72D))を開動作させるため、イメージングプレート10の読取り後、イメージングプレート10がステージ60から容易に取外される。
【0193】
また、ステージ60の少なくとも一部の区間の移動によって、受部72Bq(又は受部としてのローラ72Dq)が側板42(又は作動片46)に接してステージ60を動かす力を受ける。そして、受部72Bq(又はローラ72Dq)が、一対の位置決め部72A、72B(又は一対の位置決め部72C、72D)を閉動作又は開動作の少なくとも一方を行わせる。これにより、モータ等の駆動機構を少なくすることができる。
【0194】
また、位置決め部動作機構は、一対の位置決め部72A、72B(又は一対の位置決め部72C、72D)に閉方向の力を常時作用させる付勢部72Bs(又は付勢部72Ds)を含んでいる。そして、ステージ60が読取位置P2からセット位置P1に移動する少なくとも一部の区間においては、受部72Bq(又はローラ72Dq)が、側板42(又は作動片46)に接することで、一対の位置決め部72A、72B(又は一対の位置決め部72C、72D)を開動作させ、ステージ60がセット位置P1に位置する状態では、一対の位置決め部72A、72B(又は一対の位置決め部72C、72D)を開状態に保つ。さらに、ステージ60がセット位置P1から読取位置P2に移動する少なくとも一部の区間においては、付勢部72Bs(又は付勢部72Ds)の付勢力によって、一対の位置決め部72A、72B(又は一対の位置決め部72C、72D)を閉動作させ、ステージ60が読取位置P2に位置する状態では、付勢部72Bs(又は付勢部72Ds)の付勢力によって、一対の位置決め部72A、72B(又は一対の位置決め部72C、72D)によってイメージングプレート10のうち対向する2箇所の縁部分が挟まれた状態に保たれる。このため、ステージ60の移動に伴って、一対の位置決め部72A、72B(又は一対の位置決め部72C、72D)を開いたり、閉じたりできる。ステージ60が読取位置P2に位置する状態では、付勢部72Bs(又は付勢部72Ds)の付勢力によって、一対の位置決め部72A、72B(又は一対の位置決め部72C、72D)がイメージングプレートの2箇所の縁部分を挟込むことで、より確実にイメージングプレート10を保持できる。
【0195】
また、イメージングプレート10の水平方向の位置決めに関し、位置決め部72Bがステージ60の移動方向に沿ってステージ本体61に対して移動可能に支持されており、受部72Bqが位置決め部72Bと一体的に構成されている。そして、ステージ60が読取位置P2からセット位置P1に移動する少なくとも一部の区間において、受部72Bqが側板42に接して、位置決め部72Bをステージ60の移動方向に沿って移動させて、一対の位置決め部72A、72Bを動作させる。このため、簡易な構成で、一対の位置決め部72A、72Bを開閉させることができる。
【0196】
また、イメージングプレート10の上下方向の位置決めに関し、位置決め部72Dは、ステージ60の移動方向に対して交差する方向に沿ってステージ本体61に対して移動可能に支持されており、作動片46がステージ60の移動方向に対して傾斜する傾斜面46gを含む。ステージ60が読取位置P2からセット位置P1に移動する少なくとも一部の区間において、ローラ72Dqが傾斜面46gに接して、位置決め部72Dをステージ60の移動方向に対して交差する方向に沿って移動させて、一対の位置決め部72C、72Dを動作させる。このため、ステージ60の移動方向と交差する方向において、一対の位置決め部72C、72Dを動作させることができる。
【0197】
なお、作動片46側にローラが設けられ、位置決め部72Dに、ローラではなく傾斜面46gと同じ傾斜の傾斜面が設けられてもよい。この場合でも、上記と同様に、ローラに傾斜面が押し当てられることで、位置決め部72Dが上方に移動することができ、上記と同様に、一対の位置決め部72C、72Dを動作させることができる。
【0198】
また、一対の開閉位置決め部として、一対の位置決め部72A、72Bと、一対の位置決め部72C、72Dとを含み、それらが互いに異なる方向に開閉する。このため、イメージングプレート10を、異なる2方向において挟持することができる。
【0199】
また、支持面64Fが重力方向に対して傾斜しており、位置決め機構70が、位置決め面として、支持面64Fに沿って下方に移動するイメージングプレート10の下側の縁部を受ける位置決め面72CFを含む。このため、イメージングプレート10を斜め姿勢の支持面64F上に容易に配置することができ、かつ、イメージングプレート10が支持面64F上を滑り落ちることで、イメージングプレート10が位置決め面72CFによって容易に位置決めされる。
【0200】
また、筐体30に、イメージングプレート10を支持面64Fに向けて案内する位置、即ち、支持面64F上に向けて案内するセット用ガイド面31GSが設けられている。このため、イメージングプレート10が位置決め面72AF、72BF、72CF、72DFを超えずに位置決め面によって位置決めされ易い。
【0201】
<位置決め面の変形例>
上記実施形態では、位置決め面72AF、72BF、72CF、72CFが、支持面64Fに対する角度が90゜未満であるガイド面を含み、かつ、そのガイド面が平面である例が説明された。
【0202】
位置決め面は、少なくとも支持面64Fからイメージングプレート10の厚み寸法分突出するように設けられ、支持面64Fから離れるにつれて支持面64Fに覆い被さる方向に向う形状に形成されたガイド位置決め面を含む形状であればよい。この形状例が、図13から図17に示される。
【0203】
また、位置決め面は、支持面64Fに対する角度が90゜未満であるガイド面を含む形状に形成されていてもよく、この場合において、ガイド面は平面でなく、曲面、又は平面と曲面との組合せであってもよい。ガイド面が曲面を含む場合、当該曲面の接平面が、支持面64Fに対して角度が90゜未満であればよい。この形状例が図13から図16に示される。
【0204】
図13から図17では、位置決め面72DFに代えて、位置決め面110、111、112、113、114が形成された例が示される。これらに説明された位置決め面110、111、112、113、114は、他の位置決め面72AF、72BF、72CFの代りの位置決め面としても適用可能である。
【0205】
図13に示す変形例では、位置決め面110は、複合的な曲面によって構成されている。位置決め部72Dの延在方向に対して直交する断面で観察したとき、位置決め面110のうち支持面64Fに近い側の部分は、外側に向けて凹となる曲面をなし、位置決め面110のうち支持面64Fから遠い側の部分は、外側に向けて凸となる曲面をなしている。つまり、S字を傾けたような曲面をなしている。支持面64Fに対する位置決め面110の角度は、支持面64Fから離れるにつれて、90゜未満の範囲で、90゜に近い角度から徐々に小さくなり、再度90゜に近く角度をなすように変化する。
【0206】
この場合、イメージングプレート10の縁部分に対して位置決め面110が近づくことによって、当該縁部分が支持面64Fの方向において一定位置に位置決めされると共に、当該縁部分が支持面64Fに対して押される。
【0207】
図14に示す変形例では、位置決め面111は、単調に曲る曲面によって構成されている。位置決め部72Dの延在方向に対して直交する断面で観察したとき、位置決め面111は、外側に向けて凹となる弧状曲面をなしている。支持面64Fに対する位置決め面111の角度は、支持面64Fから離れるにつれて、90゜未満の範囲で、90゜に近い角度から徐々に小さくなるように変化する。
【0208】
この場合でも、イメージングプレート10の縁部分に対して位置決め面111が近づくことによって、当該縁部分が支持面64Fの方向において一定位置に位置決めされると共に、当該縁部分が支持面64Fに対して押される。
【0209】
図15に示す変形例では、位置決め面112は、複数の斜面によって構成されている。位置決め部72Dの延在方向に対して直交する断面で観察したとき、位置決め面112のうち支持面64Fに近い側の部分は、第1斜面112aをなし、位置決め面112のうち支持面64Fから遠い側の部分は、第2斜面112bをなしている。支持面64Fに対する第1斜面112aの角度は、支持面64Fに対する第2斜面112bの角度よりも大きい。
【0210】
この場合でも、イメージングプレート10の縁部分に対して位置決め面112が近づくことによって、当該縁部分が支持面64Fの方向において一定位置に位置決めされると共に、当該縁部分が支持面64Fに対して押される。
【0211】
図16に示す変形例では、位置決め面113は、上記位置決め面72DFと同様に、平面によって形成された斜面を有している。位置決め面113よりも支持面64Fから遠い側に、支持面64Fに対して90゜以上の角度をなす斜面113fが形成されている。このように、位置決め面113に対して支持面64Fから離れた側に、支持面64Fに対して90゜以上の角度をなす面が形成されていてもよい。
【0212】
図17に示す変形例では、位置決め面114は、複数の斜面によって構成されている。位置決め部72Dの延在方向に対して直交する断面で観察したとき、位置決め面114は、支持面64Fに対して直交する直交面114aと、支持面64Fに対して平行な平行面114bとが交互に形成された構成とされている。つまり、位置決め面114は、支持面64Fから離れるにつれて支持面64Fに覆い被さるように、階段状に突出する形状に形成されている。
【0213】
この場合、イメージングプレート10の縁部分に対して位置決め面114が近づくと、当該縁部分は複数段の直交面114aに対して支持面64Fに近づく方向のみに変位しつつ位置決め面114に押し当てられる。このため、イメージングプレート10の縁部分が、支持面64Fに対して押付けられつつ、位置決めされることが期待される。特に、階段幅が狭ければ(例えば、イメージングプレート10の厚み又は厚みの1/2よりも小さければ)、イメージングプレート10の縁部分は、支持面64F側に順次近づくように変位していくことが期待される。この位置決め面114によっても、イメージングプレート10の縁部分が支持面64Fの方向において一定位置に位置決めされると共に、当該縁部分が支持面64Fに対して押される。なお、階段状の他にも、位置決め面が波状(不図示)である構成でもよい。すなわち、支持面64Fと直交する直交面(114aに相当)と、支持面64Fと並行な並行面(114bに相当)とが曲面を介して連なっていてもよい。あるいは、連続的な波を描く連続的な曲面が、全体として支持面64Fから離れるにつれて支持面64Fに覆い被さる方向に向うように延在していてもよい。
【0214】
{変形例}
上記実施形態において、ステージ60の移動方向、ステージ60におけるイメージングプレート10の保持姿勢等、各種方向、姿勢は任意である。例えば、ステージ60は、上下方向(鉛直方向)又は上下方向から傾く方向に沿って移動してもよい。また、イメージングプレート10の長手方向を上下方向に沿わせる姿勢(本実施例のイメージングプレート10の姿勢を左右いずれかに90度回転させた姿勢)で、イメージングプレート10がステージ60に保持されてもよい。図1のような横型の読取装置の実施形態に限らず、縦型の読取装置の実施形態であっても、本発明を実施することができる。また、ステージ60の支持面64Fは平面以外にも曲面で構成されていてもよい。イメージングプレート10に撓みが生じている場合には、支持面64Fが緩やかな曲面であれば、イメージングプレート10の撓みと支持面64Fの曲面の接触部分を多くすることができるので、正規位置へ誘導がしやすくなる。
【0215】
なお、上記実施形態及び各変形例で説明した各構成は、相互に矛盾しない限り適宜組合わせることができる。
【0216】
上記した説明は、すべての局面において、例示であって、この発明がそれに限定されるものではない。例示されていない無数の変形例が、この発明の範囲から外れることなく想定され得るものと解される。
【0217】
<付記>
本明細書及び図面は下記各態様を開示する。
【0218】
第1の態様は、イメージングプレートから放射線像を読取る放射線像の読取装置であって、前記イメージングプレートを保持するステージと、前記ステージに保持された前記イメージングプレートに励起光を照射する励起光源と、前記励起光による前記イメージングプレートからの発光光を検出する光検出器と、を備え、前記ステージが、前記イメージングプレートの裏面に面接触可能な支持面を有するステージ本体と、前記支持面上に支持された前記イメージングプレートの縁部分に対して接触し、前記支持面の延在方向において前記縁部分をその外側から位置決めすると共に前記縁部分を前記支持面に押付ける位置決め面を有する位置決め機構と、を有する、放射線像の読取装置である。
【0219】
第1の態様によると、イメージングプレートの縁部分が位置決め面に接することによって、イメージングプレートが正規姿勢に保たれるようになる。また、位置決め面によってイメージングプレートの縁部分が支持面に押付けられる。これにより、イメージングプレートが正規姿勢でかつ支持面に接触された状態で保持され得る。
【0220】
第2の態様は、第1の態様に係る放射線像の読取装置であって、前記位置決め機構は、前記位置決め面として、少なくとも前記支持面から前記イメージングプレートの厚み寸法分突出するように設けられ、前記支持面から離れるにつれて前記支持面に覆い被さる方向に向う形状に形成されたガイド位置決め面を含むものである。この場合、ガイド位置決め面は、支持面から離れるにつれて支持面に覆い被さる方向に向うように形成されているため、イメージングプレートの縁部分が支持面に押付けられるように働く。
【0221】
第3の態様は、第2の態様に係る放射線像の読取装置であって、前記ガイド位置決め面は、前記支持面に対する角度が90゜未満であるガイド面を含むものである。この場合、イメージングプレートの縁部分がガイド面に押付けられることによって、当該縁部分が円滑に支持面に押付けられる。
【0222】
第4の態様は、第1から第3のいずれか1つの態様に係る放射線像の読取装置であって、前記位置決め機構は、一対の開閉位置決め部を含み、前記一対の開閉位置決め部のうち対向する2つの面のうちの少なくとも一方が前記位置決め面の少なくとも一部をなし、前記一対の開閉位置決め部の少なくとも一方が移動することで、前記一対の開閉位置決め部の間隔が調整されるものである。
【0223】
この場合、一対の開閉位置決め部が開いた状態で、一対の開閉位置決め部の間にイメージングプレートを容易に配置できる。この状態で、一対の開閉位置決め部の間隔を小さくするように閉じると、一対の開閉位置決め部のうち対向する2つの面によって、イメージングプレートのうち対向する2箇所の縁部分が挟み込まれて、イメージングプレートが正規姿勢に保たれる。この際、ガイド面がイメージングプレートの縁部分を支持面に向けてガイドするので、イメージングプレートが支持面に接触するようになる。
【0224】
第5の態様は、第4の態様に係る放射線像の読取装置であって、前記ステージを、前記ステージに対して前記イメージングプレートがセットされるセット位置と前記励起光源からの励起光に応じて前記光検出器が前記放射線像を読取る読取位置との間で移動させるステージ移動機構と、前記ステージ移動機構によって前記ステージが前記セット位置から前記読取位置に移動するのにあわせて前記一対の開閉位置決め部を閉動作させる位置決め部動作機構と、をさらに備える。この場合、セット位置において、一対の開閉位置決め部を開いてイメージングプレートを容易にセットできる。イメージングプレートのセット後、ステージを読取位置に移動させることで、イメージングプレートが正規姿勢でかつ支持面に接触された状態で装置の一部が動いても安定して保持され得る。
【0225】
第6態様は、第5の態様に係る放射線像の読取装置であって、前記一対の開閉位置決め部は、前記位置決め面を前記支持面上の前記イメージングプレートの縁部分に対向させる接触位置と前記位置決め面を前記支持面上の前記イメージングプレートの縁部分から退避させる退避位置との間で位置変更可能な可変位置決め部を含む。これにより、位置決め面を退避位置に移動させて、イメージングプレートをステージから容易に取外すことができる。
【0226】
第7の態様は、第6の態様に係る放射線像の読取装置であって、前記ステージ移動機構は、前記ステージを前記読取位置に対して前記セット位置よりも離れた排出位置に移動させ、前記可変位置決め部は、前記ステージが前記セット位置と前記読取位置との間に位置する状態では前記接触位置に保たれ、前記ステージが前記排出位置に位置する状態では、前記退避位置に位置変更されるものである。これにより、ステージを排出位置に位置させることで、位置決め面上のイメージングプレートを、可変位置決め部側に移動させて、イメージングプレートをステージから容易に取外すことができる。
【0227】
第8の態様は、第5から第7のいずれか1つの態様に係る放射線像の読取装置であって、前記位置決め部動作機構は、前記ステージ移動機構によって前記ステージが前記読取位置から前記セット位置に移動するのにあわせて、前記一対の開閉位置決め部を開動作させるものである。この場合、イメージングプレートの読取り後、イメージングプレートが読取位置からセット位置に移動すると、一対の開閉位置決め部が開かれる。これにより、イメージングプレートがステージから容易に取外される。
【0228】
第9の態様は、第5から第8のいずれか1つの態様に係る放射線像の読取装置であって、前記ステージの移動中において、一定位置に配置される固定配置部分をさらに備え、前記位置決め部動作機構は、前記ステージの少なくとも一部の区間の移動によって前記固定配置部分に接することで、前記ステージ移動機構が前記ステージを動かす力を受ける受部を含み、前記受部が、前記ステージ移動機構が前記ステージを動かす力を受けて、前記一対の開閉位置決め部の閉動作及び開動作の少なくとも一方を行わせるものである。これにより、ステージ移動機構がステージを動かす力によって、前記一対の開閉位置決め部の閉動作及び開動作の少なくとも一方を行わせることができ、モータ等の駆動機構を少なくすることができる。
【0229】
第10の態様は、第9の態様に係る放射線像の読取装置であって、前記位置決め部動作機構は、前記一対の開閉位置決め部に閉方向への力を常時作用させる付勢部を含み、前記受部は、前記ステージが前記読取位置から前記セット位置に移動する少なくとも一部の区間においては、前記固定配置部分に接することで、前記一対の開閉位置決め部を開動作させ、前記ステージが前記セット位置に位置する状態では、前記一対の開閉位置決め部を開状態に保ち、前記ステージが前記セット位置から前記読取位置に移動する少なくとも一部の区間においては、前記付勢部の付勢力によって、前記一対の開閉位置決め部を閉動作させ、前記ステージが前記読取位置に位置する状態では、前記付勢部の付勢力によって前記イメージングプレートのうち対向する2箇所の縁部分が前記一対の開閉位置決め部によって挟まれた状態に保たれるものである。
【0230】
これにより、ステージの移動に伴って、一対の開閉位置決め部を開いたり、閉じたりできる。ステージが読取位置に位置する状態では、付勢部の付勢力によって、一対の開閉位置決め部がイメージングプレートの2箇所の縁部分を挟込むことで、より確実にイメージングプレートを保持できる。
【0231】
第11の態様は、第9又は第10の態様に係る放射線像の読取装置であって、前記一対の開閉位置決め部は、前記ステージの移動方向に沿って前記ステージ本体に対して移動可能に支持された可動位置決め部を含み、前記受部は、前記可動位置決め部と一体的に構成され、前記ステージが前記読取位置から前記セット位置に移動する少なくとも一部の区間においては、前記受部が前記固定配置部分に接して、前記可動位置決め部を前記ステージの移動方向に沿って移動させて、前記一対の開閉位置決め部を動作させるものである。これにより、ステージの移動方向において、一対の開閉位置決め部を開閉させることができる。
【0232】
第12の態様は、第9から第11のいずれか1つの態様に係る放射線像の読取装置であって、前記一対の開閉位置決め部は、前記ステージの移動方向に対して交差する方向に沿って前記ステージ本体に対して移動可能に支持された変換方向可動位置決め部を含み、前記受部及び前記固定配置部分の一方が前記ステージの移動方向に対して傾斜する傾斜面を含み、前記受部及び前記固定配置部分の他方が前記傾斜面に沿って移動可能なローラを含み、前記ステージが前記読取位置から前記セット位置に移動する少なくとも一部の区間において、前記ローラが前記傾斜面に接して、前記変換方向可動位置決め部を前記ステージの移動方向に対して交差する方向に沿って移動させて、前記一対の開閉位置決め部を動作させるものである。これにより、ステージの移動方向と交差する方向において、一対の開閉位置決め部を開閉させることができる。
【0233】
第13の態様は、第4から第12のいずれか1つの態様に係る放射線像の読取装置であって、前記位置決め機構は、前記一対の開閉位置決め部として、一対の第1開閉位置決め部と、一対の第2開閉位置決め部とを含み、前記一対の第1開閉位置決め部と前記一対の第2開閉位置決め部とが、互いに異なる方向に開閉するものである。これにより、イメージングプレートを異なる2方向において挟持することができる。
【0234】
第14の態様は、第1から第13のいずれか1つの態様に係る放射線像の読取装置であって、前記支持面が重力方向に対して傾斜しており、前記位置決め機構が、前記位置決め面として、前記支持面に沿って下方に移動する前記イメージングプレートの下側の縁部分を受ける面を含むものである。これにより、イメージングプレートを斜め姿勢の支持面上に容易に配置することができ、かつ、イメージングプレートが支持面上を滑り落ちることで、位置決め面によって容易に位置決めされる。
【0235】
第15の態様は、第1から第14のいずれか1つの態様に係る放射線像の読取装置であって、前記ステージと前記励起光源と前記光検出器とを収容する筐体を備え、前記筐体に、前記イメージングプレートを前記支持面に向けて案内するセット用ガイド面が設けられているものである。この場合、イメージングプレートが位置決め面を越えずに位置決め面によって位置決めされ易い。
【符号の説明】
【0236】
10 イメージングプレート
11 放射線像形成層
20 読取装置
31 セット部
50 ステージ移動機構
52 移動駆動部
60 ステージ
61 ステージ本体
64 板状部
64F 支持面
70 位置決め機構
72A、72B、72C、72D 位置決め部
72AF、72BF、72CF、72DF 位置決め面
72Bs、72Cs、72Ds 付勢部
72Bg、72g 斜面
72Dc 補助ガイド部
72Dq ローラ
72Dp 凸部
73Ca 位置決め本体部
73Cb 回転支持部
78 中継片
78g 斜面
78h 凹部
78p ピン状部
90 読取ユニット
91 モジュールケース
92 励起光源
94 光検出器
100 制御部
110、111、112、113、114 位置決め面
112a 第1斜面
112b 第2斜面
113f 斜面
114a 直交面
114b 平行面
A1 主走査方向
A2 副走査方向
P1 セット位置
P2 読取位置
P3 排出位置
P4 奥側位置
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17