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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-05-13
(45)【発行日】2024-05-21
(54)【発明の名称】プロテクタ
(51)【国際特許分類】
   H02G 3/04 20060101AFI20240514BHJP
【FI】
H02G3/04 087
【請求項の数】 4
(21)【出願番号】P 2022080758
(22)【出願日】2022-05-17
(65)【公開番号】P2023169568
(43)【公開日】2023-11-30
【審査請求日】2023-09-19
(73)【特許権者】
【識別番号】000006895
【氏名又は名称】矢崎総業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100083806
【弁理士】
【氏名又は名称】三好 秀和
(74)【代理人】
【識別番号】100101247
【弁理士】
【氏名又は名称】高橋 俊一
(74)【代理人】
【識別番号】100095500
【弁理士】
【氏名又は名称】伊藤 正和
(74)【代理人】
【識別番号】100098327
【弁理士】
【氏名又は名称】高松 俊雄
(72)【発明者】
【氏名】ジャン ヨンホ
【審査官】遠藤 尊志
(56)【参考文献】
【文献】特開2015-053804(JP,A)
【文献】特開2021-150996(JP,A)
【文献】特開2013-068304(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2020/0194987(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H02G 3/04
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ワイヤーハーネスを収容するベース部と、
前記ベース部に接続されて前記ベース部を覆うカバー部と、を備え、
前記ベース部及び前記カバー部の少なくとも一方には、前記ワイヤーハーネスの延在方向と交差する方向に延びるように配置されて前記ワイヤーハーネスに当接する弾性片が設けられ
前記弾性片は、
前記交差する方向に延びるように前記カバー部に設けられ、前記ワイヤーハーネスに当接する第1弾性片と、
前記交差する方向に延びるように前記ベース部に設けられ、前記第1弾性片とは反対側から前記ワイヤーハーネスに当接する第2弾性片と、を含み、
前記第1弾性片及び前記第2弾性片は、一端が固定端であり、他端が自由端であり、
前記第1弾性片及び前記第2弾性片は、前記交差する方向の一方側に固定端が配置され、前記交差する方向の他方側に自由端が配置される、
プロテクタ。
【請求項2】
ワイヤーハーネスを収容するベース部と、
前記ベース部に接続されて前記ベース部を覆うカバー部と、を備え、
前記ベース部及び前記カバー部の少なくとも一方には、前記ワイヤーハーネスの延在方向と交差する方向に延びるように配置されて前記ワイヤーハーネスに当接する弾性片が設けられ、
前記弾性片は、
前記交差する方向に延びるように前記カバー部に設けられ、前記ワイヤーハーネスに当接する第1弾性片と、
前記交差する方向に延びるように前記ベース部に設けられ、前記第1弾性片とは反対側から前記ワイヤーハーネスに当接する第2弾性片と、を含み、
前記第1弾性片及び前記第2弾性片は、前記交差する方向の両端が固定端であり、前記交差する方向の両端の間の部分が前記ワイヤーハーネスに向けて凸となるように湾曲する形状を有する
プロテクタ。
【請求項3】
前記第1弾性片及び前記第2弾性片は、前記交差する方向の両端の間の部分における前記ワイヤーハーネスとの当接面が平面である、請求項に記載のプロテクタ。
【請求項4】
前記第1弾性片及び前記第2弾性片は、前記交差する方向の両端の間の部分における前記ワイヤーハーネスとの当接面が曲面である、請求項に記載のプロテクタ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、プロテクタに関する。
【背景技術】
【0002】
自動車等の車両の内部には、複数本の電線類を束ねたワイヤーハーネスが多数配索され、それらワイヤーハーネスには、電線類を保護するプロテクタを装着することがある。プロテクタは、ワイヤーハーネスを収容するベース部と、ベース部に接続されてベース部を覆うカバー部とを備える(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2015-53804号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1に開示されているプロテクタでは、ベース部とカバー部との間に弾性部材により形成される振動吸収部が設けられているため、ワイヤーハーネスがプロテクタ内で動いて異音が発生することは抑制され得る。しかしながら、様々な外径のワイヤーハーネスにプロテクタが装着されるため、ワイヤーハーネスの外径によっては前述の振動吸収部との間に隙間が生じ、ワイヤーハーネスがプロテクタ内で動いて異音が発生し得る。なお、ワイヤーハーネスの外周にテープ等を巻いてワイヤーハーネスの外径を調整することにより、ワイヤーハーネスがプロテクタ内で動かないようにすることはできるが、この方法では製造コストの上昇を招くため好ましくない。
【0005】
本発明は、このような従来技術が有する課題に鑑みてなされたものである。そして本発明の目的は、ワイヤーハーネスを保持することで、異音の発生を抑制するのに有利なプロテクタを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の態様に係るプロテクタは、ワイヤーハーネスを収容するベース部と、ベース部に接続されてベース部を覆うカバー部と、を備え、ベース部及びカバー部の少なくとも一方には、ワイヤーハーネスの延在方向と交差する方向に延びるように配置されてワイヤーハーネスに当接する弾性片が設けられる。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、ワイヤーハーネスを保持することで、異音の発生を抑制するのに有利なプロテクタを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】第1実施形態に係るプロテクタの一例を示す要部の斜視図である。
図2】第1実施形態に係るプロテクタの要部の正面図である。
図3】第1実施形態に係るプロテクタの要部を分解した正面図である。
図4】第1実施形態に係るプロテクタの要部の平面図である。
図5】第1実施形態に係るプロテクタの要部の底面図である。
図6】第2実施形態に係るプロテクタの一例を示す要部の斜視図である。
図7】第2実施形態に係るプロテクタの要部の正面図である。
図8】第2実施形態に係るプロテクタの要部を分解した正面図である。
図9】第2実施形態に係るプロテクタの要部の平面図である。
図10】第2実施形態に係るプロテクタの要部の底面図である。
図11】第3実施形態に係るプロテクタの一例を示す要部の斜視図である。
図12】第3実施形態に係るプロテクタの要部の正面図である。
図13】第3実施形態に係るプロテクタの要部を分解した正面図である。
図14】第3実施形態に係るプロテクタの要部の平面図である。
図15】第3実施形態に係るプロテクタの要部の底面図である。
図16】第4実施形態に係るプロテクタの一例を示す要部の斜視図である。
図17】第4実施形態に係るプロテクタの要部の正面図である。
図18】第4実施形態に係るプロテクタの要部を分解した正面図である。
図19】第4実施形態に係るプロテクタの要部の平面図である。
図20】第4実施形態に係るプロテクタの要部の底面図である。
図21】第5実施形態に係るプロテクタの一例を示す要部の斜視図である。
図22】第5実施形態に係るプロテクタの要部の正面図である。
図23】第5実施形態に係るプロテクタの要部を分解した正面図である。
図24】第5実施形態に係るプロテクタの要部の平面図である。
図25】第5実施形態に係るプロテクタの要部の底面図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、図面を用いて本実施形態に係るプロテクタについて詳細に説明する。なお、図面の寸法比率は説明の都合上誇張されており、実際の比率と異なる場合がある。また、各実施形態では、同一構成のものには同一の符号を付し、それぞれ対応する関係にある。
【0010】
[第1実施形態]
図1は、第1実施形態に係るプロテクタ1Aを示す要部の斜視図である。
【0011】
プロテクタ1Aは、自動車等の車両に設置され、車両の内部に配索されるワイヤーハーネス100を保持する。ワイヤーハーネス100は、複数本の電線類を束ねたものである。プロテクタ1Aの保持対象とされるワイヤーハーネス100の形状又は構造については、特に限定されるものではない。なお、以下の各図では、ワイヤーハーネス100が二点鎖線で概略的に示されている。
【0012】
プロテクタ1Aは、車両の内部にあるボディパネル等のパネル(図示せず)に固定されるプロテクタ本体2を有している。プロテクタ本体2の材質は、例えば、合成樹脂材である。
【0013】
プロテクタ1Aは、図示しないパネルに支持される。そこで、以下の各図では、プロテクタ1Aがパネルに設置される上下方向をZ方向と規定する。また、Z方向に垂直な仮想平面内で互いに垂直な二つの方向をX方向及びY方向と規定する。このうち、Y方向は、ワイヤーハーネス100の被取付時の延在方向に沿う。
【0014】
図2は、第1実施形態に係るプロテクタ1Aの要部の正面図であり、図3は、第1実施形態に係るプロテクタ1Aの要部を分解した正面図である。図3に示すプロテクタ1Aは、ワイヤーハーネス100を保持する前の状態にある。また、図4は、第1実施形態に係るプロテクタ1Aの要部の平面図であり、図5は、第1実施形態に係るプロテクタ1Aの要部の底面図である。
【0015】
プロテクタ本体2は、ベース部3と、カバー部4とを備えている。
【0016】
ベース部3は、ワイヤーハーネス100を収容する。ベース部3は、底壁部3aと、一対の下部側壁部3b,3bとを有する断面視U字状に形成されている。ベース部3の一対の下部側壁部3b,3bの一方には、ヒンジ部5を介してカバー部4が接続されており、一対の下部側壁部3b,3bの他方には、カバー部4の係止部6に係止される爪部7が形成されている。
【0017】
カバー部4は、ベース部3に接続されてベース部3を覆う。カバー部4は、天壁部4aと、一対の上部側壁部4b,4bとを有する断面視逆U字状に形成されている。カバー部4の一対の上部側壁部4b,4bの一方には、ヒンジ部5を介してベース部3が接続されており、一対の上部側壁部4b,4bの他方には、ベース部3の爪部7が係止される係止部6が形成されている。
【0018】
ベース部3の開口側にカバー部4を被せ、爪部7を係止部6へ係止させることにより、カバー部4がベース部3に装着される。
【0019】
カバー部4は、ワイヤーハーネス100の延在方向(Y方向)と交差する方向(本実施形態では、X方向)に延びるように配置されてワイヤーハーネス100に当接する弾性片11を含む。金型の成立性を考慮して、カバー部4における底壁部3aと対向する部分である天壁部4aには貫通孔(第1貫通孔4h)が設けられ、第1貫通孔4hの周縁部から弾性片11が延出している。
【0020】
カバー部4の弾性片11は、一端11aが固定端であり、他端11bが自由端である。つまり、弾性片11は、カバー部4に対して片持ち支持されている。弾性片11は、X方向の一方側(図2中の左側)に固定端が配置され、X方向の他方側(図2中の右側)に自由端が配置されている。
【0021】
本実施形態では、弾性片11はカバー部4に設けられているが、これに限定はされず、弾性片11がベース部3に設けられていてもよい。
【0022】
次に、プロテクタ1Aの作用について説明する。
【0023】
先ず、ワイヤーハーネス100をベース部3に収納し、次いで、ベース部3の開口側にカバー部4を被せる。
【0024】
ベース部3にカバー部4を装着した際に、弾性片11がワイヤーハーネス100の外径に応じて変形して、その反力によりワイヤーハーネス100を保持することにより、ワイヤーハーネス100がプロテクタ1A内で動くことを抑制することができる。
【0025】
次に、プロテクタ1Aの効果について説明する。
【0026】
本実施形態の態様に係るプロテクタ1Aは、ワイヤーハーネス100を収容するベース部3と、ベース部3に接続されてベース部3を覆うカバー部4とを備える。ベース部3及びカバー部4の少なくとも一方には、ワイヤーハーネス100の延在方向(Y方向)と交差する方向(X方向)に延びるように配置されてワイヤーハーネス100に当接する弾性片11が設けられる。
【0027】
本実施形態に係るプロテクタ1Aによれば、ベース部3及びカバー部4の少なくとも一方に弾性片11を設けることにより、弾性片11をワイヤーハーネス100の外径に応じて変形させて、その反力によりワイヤーハーネス100を保持できる。このため、プロテクタ1A内に配置されるワイヤーハーネス100の外径に係わらず、ワイヤーハーネス100がプロテクタ1A内で動いて異音が発生することを抑制することが可能になる。
【0028】
以上のように、本実施形態によれば、ワイヤーハーネス100を保持することで、異音の発生を抑制するのに有利なプロテクタ1Aを提供することができる。
【0029】
また、本実施形態の態様に係るプロテクタ1Aにおいては、弾性片11は、一端11aが固定端であり、他端11bが自由端である。
【0030】
さらに、本実施形態の態様に係るプロテクタ1Aにおいては、弾性片11は、ワイヤーハーネス100の延在方向(Y方向)と交差する方向(X方向)の一方側に固定端が配置されている。弾性片11は、ワイヤーハーネス100の延在方向(Y方向)と交差する方向(X方向)の他方側に自由端が配置されている。
【0031】
このように弾性片11を構成することにより、ベース部3にカバー部4を装着した際に、弾性片11をワイヤーハーネス100の外径に応じて変形させて、その反力によりワイヤーハーネス100を保持できる。
【0032】
[第2実施形態]
次に、第2実施形態に係るプロテクタ1Bについて説明する。なお、上述のプロテクタと実質的に同一の構成部分は同一符号を付して、その説明を省略する。
【0033】
図6は、第2実施形態に係るプロテクタ1Bを示す要部の斜視図である。また、図7は、第2実施形態に係るプロテクタ1Bの要部の正面図であり、図8は、第2実施形態に係るプロテクタ1Bの要部を分解した正面図である。図8に示すプロテクタ1Bは、ワイヤーハーネス100を保持する前の状態にある。さらに、図9は、第2実施形態に係るプロテクタ1Bの要部の平面図であり、図10は、第2実施形態に係るプロテクタ1Bの要部の底面図である。
【0034】
カバー部4は、ワイヤーハーネス100の延在方向(Y方向)と交差する方向(X方向)に延びるように配置され、ワイヤーハーネス100に当接する第1弾性片21を含む。金型の成立性を考慮して、カバー部4における底壁部3aと対向する部分である天壁部4aには第1貫通孔4hが設けられ、第1貫通孔4hの周縁部から第1弾性片21が延出している。
【0035】
第1弾性片21は、一端21aが固定端であり、他端21bが自由端である。つまり、第1弾性片21は、カバー部4に対して片持ち支持されている。第1弾性片21は、X方向の一方側(図7中の左側)に固定端が配置され、X方向の他方側(図7中の右側)に自由端が配置されている。
【0036】
ベース部3は、X方向に延びるように配置され、第1弾性片21とは反対側からワイヤーハーネス100に当接する第2弾性片22を含む。金型の成立性を考慮して、ベース部3における天壁部4aと対向する部分である底壁部3aには第2貫通孔3hが設けられ、第2貫通孔3hの周縁部から第2弾性片22が延出している。
【0037】
第2弾性片22は、一端22bが固定端であり、他端22aが自由端である。つまり、第2弾性片22は、ベース部3に対して片持ち支持されている。第2弾性片22は、X方向の一方側(図7中の左側)に自由端が配置され、X方向の他方側(図7中の右側)に固定端が配置されている。
【0038】
次に、プロテクタ1Bの効果について説明する。
【0039】
第2実施形態に係るプロテクタ1Bにおいては、弾性片は、ワイヤーハーネス100の延在方向(Y方向)と交差する方向(X方向)に延びるようにカバー部4に設けられ、ワイヤーハーネス100に当接する第1弾性片21を含む。弾性片は、ワイヤーハーネス100の延在方向(Y方向)と交差する方向(X方向)に延びるようにベース部3に設けられ、第1弾性片21とは反対側からワイヤーハーネス100に当接する第2弾性片22を含む。
【0040】
また、第2実施形態に係るプロテクタ1Bにおいては、第1弾性片21及び第2弾性片22は、一端21a,22bが固定端であり、他端21b,22aが自由端である。
【0041】
さらに、第2実施形態に係るプロテクタ1Bにおいては、第1弾性片21は、ワイヤーハーネス100の延在方向(Y方向)と交差する方向(X方向)の一方側に固定端が配置され、交差する方向(X方向)の他方側に自由端が配置される。第2弾性片22は、ワイヤーハーネス100の延在方向(Y方向)と交差する方向(X方向)の一方側に自由端が配置され、交差する方向(X方向)の他方側に固定端が配置される。
【0042】
このように第1弾性片21及び第2弾性片22を構成することにより、ベース部3にカバー部4を装着した際に、第1弾性片21及び第2弾性片22をワイヤーハーネス100の外径に応じて変形させて、その反力によりワイヤーハーネス100を保持できる。
【0043】
以上のように、第2実施形態によれば、第1実施形態と同様に、ワイヤーハーネス100を保持することで、異音の発生を抑制するのに有利なプロテクタ1Bを提供することができる。
【0044】
[第3実施形態]
次に、第3実施形態に係るプロテクタ1Cについて説明する。なお、上述のプロテクタと実質的に同一の構成部分は同一符号を付して、その説明を省略する。
【0045】
図11は、第3実施形態に係るプロテクタ1Cを示す要部の斜視図である。また、図12は、第3実施形態に係るプロテクタ1Cの要部の正面図であり、図13は、第3実施形態に係るプロテクタ1Cの要部を分解した正面図である。図13に示すプロテクタ1Cは、ワイヤーハーネス100を保持する前の状態にある。さらに、図14は、第3実施形態に係るプロテクタ1Cの要部の平面図であり、図15は、第3実施形態に係るプロテクタ1Cの要部の底面図である。
【0046】
カバー部4は、ワイヤーハーネス100の延在方向(Y方向)と交差する方向(X方向)に延びるように配置され、ワイヤーハーネス100に当接する第1弾性片31を含む。金型の成立性を考慮して、カバー部4における底壁部3aと対向する部分である天壁部4aには第1貫通孔4hが設けられ、第1貫通孔4hの周縁部から第1弾性片31が延出している。
【0047】
第1弾性片31は、一端31aが固定端であり、他端31bが自由端である。つまり、第1弾性片31は、カバー部4に対して片持ち支持されている。第1弾性片31は、X方向の一方側(図12中の左側)に固定端が配置され、X方向の他方側(図12中の右側)に自由端が配置されている。
【0048】
ベース部3は、X方向に延びるように配置され、第1弾性片31とは反対側からワイヤーハーネス100に当接する第2弾性片32を含む。金型の成立性を考慮して、ベース部3における天壁部4aと対向する部分である底壁部3aには第2貫通孔3hが設けられ、第2貫通孔3hの周縁部から第2弾性片32が延出している。
【0049】
第2弾性片32は、一端32aが固定端であり、他端32bが自由端である。つまり、第2弾性片32は、ベース部3に対して片持ち支持されている。第2弾性片32は、X方向の一方側(図12中の左側)に固定端が配置され、X方向の他方側(図12中の右側)に自由端が配置されている。
【0050】
次に、プロテクタ1Cの効果について説明する。
【0051】
第3実施形態に係るプロテクタ1Cにおいては、弾性片は、ワイヤーハーネス100の延在方向(Y方向)と交差する方向(X方向)に延びるようにカバー部4に設けられ、ワイヤーハーネス100に当接する第1弾性片31を含む。弾性片は、ワイヤーハーネス100の延在方向(Y方向)と交差する方向(X方向)に延びるようにベース部3に設けられ、第1弾性片31とは反対側からワイヤーハーネス100に当接する第2弾性片32を含む。
【0052】
また、第3実施形態に係るプロテクタ1Cにおいては、第1弾性片31及び第2弾性片32は、一端31a,32aが固定端であり、他端31b,32bが自由端である。
【0053】
さらに、第3実施形態に係るプロテクタ1Cにおいては、第1弾性片31及び第2弾性片32は、ワイヤーハーネス100の延在方向(Y方向)と交差する方向(X方向)の一方側に固定端が配置され、交差する方向(X方向)の他方側に自由端が配置される。
【0054】
このように第1弾性片31及び第2弾性片32を構成することにより、ベース部3にカバー部4を装着した際に、第1弾性片31及び第2弾性片32をワイヤーハーネス100の外径に応じて変形させて、その反力によりワイヤーハーネス100を保持できる。
【0055】
以上のように、第3実施形態によれば、第1~第2実施形態と同様に、ワイヤーハーネス100を保持することで、異音の発生を抑制するのに有利なプロテクタ1Cを提供することができる。
【0056】
[第4実施形態]
次に、第4実施形態に係るプロテクタ1Dについて説明する。なお、上述のプロテクタと実質的に同一の構成部分は同一符号を付して、その説明を省略する。
【0057】
図16は、第4実施形態に係るプロテクタ1Dを示す要部の斜視図である。また、図17は、第4実施形態に係るプロテクタ1Dの要部の正面図であり、図18は、第4実施形態に係るプロテクタ1Dの要部を分解した正面図である。図18に示すプロテクタ1Dは、ワイヤーハーネス100を保持する前の状態にある。さらに、図19は、第4実施形態に係るプロテクタ1Dの要部の平面図であり、図20は、第4実施形態に係るプロテクタ1Dの要部の底面図である。
【0058】
カバー部4は、ワイヤーハーネス100の延在方向(Y方向)と交差する方向(X方向)に延びるように配置され、ワイヤーハーネス100に当接する第1弾性片41を含む。金型の成立性を考慮して、カバー部4における底壁部3aと対向する部分である天壁部4aには第1貫通孔4hが設けられ、第1貫通孔4hの周縁部から第1弾性片41が延出している。
【0059】
第1弾性片41は、X方向の両端41a,41bが固定端である。つまり、第1弾性片41は、カバー部4に対して両端支持されている。また、第1弾性片41は、X方向の両端41a,41bの間の部分がワイヤーハーネス100に向けて凸となるように湾曲する形状の第1湾曲部41cを有する。第1弾性片41は、X方向の両端41a,41bの間の部分である第1湾曲部41cにおけるワイヤーハーネス100との当接面が平面である(図17参照)。
【0060】
ベース部3は、X方向に延びるように配置され、第1弾性片41とは反対側からワイヤーハーネス100に当接する第2弾性片42を含む。金型の成立性を考慮して、ベース部3における天壁部4aと対向する部分である底壁部3aには第2貫通孔3hが設けられ、第2貫通孔3hの周縁部から第2弾性片42が延出している。
【0061】
第2弾性片42は、X方向の両端42a,42bが固定端である。つまり、第2弾性片42は、ベース部3に対して両端支持されている。また、第2弾性片42は、X方向の両端42a,42bの間の部分がワイヤーハーネス100に向けて凸となるように湾曲する形状の第2湾曲部42cを有する。第2弾性片42は、X方向の両端42a,42bの間の部分である第2湾曲部42cにおけるワイヤーハーネス100との当接面が平面である(図17参照)。
【0062】
次に、プロテクタ1Dの効果について説明する。
【0063】
第4実施形態に係るプロテクタ1Dにおいては、弾性片は、ワイヤーハーネス100の延在方向(Y方向)と交差する方向(X方向)に延びるようにカバー部4に設けられ、ワイヤーハーネス100に当接する第1弾性片41を含む。弾性片は、ワイヤーハーネス100の延在方向(Y方向)と交差する方向(X方向)に延びるようにベース部3に設けられ、第1弾性片41とは反対側からワイヤーハーネス100に当接する第2弾性片42を含む。
【0064】
また、第4実施形態に係るプロテクタ1Dにおいては、第1弾性片41及び第2弾性片42は、ワイヤーハーネス100の延在方向(Y方向)と交差する方向(X方向)の両端41a,41b,42a,42bが固定端である。第1弾性片41及び第2弾性片42は、ワイヤーハーネス100の延在方向(Y方向)と交差する方向(X方向)の両端41a,41b,42a,42bの間の部分がワイヤーハーネス100に向けて凸となるように湾曲する形状を有する。
【0065】
さらに、第4実施形態に係るプロテクタ1Dにおいては、第1弾性片41及び第2弾性片42は、ワイヤーハーネス100の延在方向(Y方向)と交差する方向(X方向)の両端の間の部分におけるワイヤーハーネス100との当接面が平面である。
【0066】
このように第1弾性片41及び第2弾性片42を構成することにより、ベース部3にカバー部4を装着した際に、第1弾性片41及び第2弾性片42をワイヤーハーネス100の外径に応じて変形させて、その反力によりワイヤーハーネス100を保持できる。
【0067】
以上のように、第4実施形態によれば、第1~第3実施形態と同様に、ワイヤーハーネス100を保持することで、異音の発生を抑制するのに有利なプロテクタ1Dを提供することができる。
【0068】
[第5実施形態]
次に、第5実施形態に係るプロテクタ1Eについて説明する。なお、上述のプロテクタと実質的に同一の構成部分は同一符号を付して、その説明を省略する。
【0069】
図21は、第5実施形態に係るプロテクタ1Eを示す要部の斜視図である。また、図22は、第5実施形態に係るプロテクタ1Eの要部の正面図であり、図23は、第5実施形態に係るプロテクタ1Eの要部を分解した正面図である。図23に示すプロテクタ1Eは、ワイヤーハーネス100を保持する前の状態にある。さらに、図24は、第5実施形態に係るプロテクタ1Eの要部の平面図であり、図25は、第5実施形態に係るプロテクタ1Eの要部の底面図である。
【0070】
カバー部4は、ワイヤーハーネス100の延在方向(Y方向)と交差する方向(X方向)に延びるように配置され、ワイヤーハーネス100に当接する第1弾性片51を含む。金型の成立性を考慮して、カバー部4における底壁部3aと対向する部分である天壁部4aには第1貫通孔4hが設けられ、第1貫通孔4hの周縁部から第1弾性片51が延出している。
【0071】
第1弾性片51は、X方向の両端51a,51bが固定端である。つまり、第1弾性片51は、カバー部4に対して両端支持されている。また、第1弾性片51は、X方向の両端51a,51bの間の部分がワイヤーハーネス100に向けて凸となるように湾曲する形状の第1湾曲部51cを有する。第1弾性片51は、X方向の両端51a,51bの間の部分である第1湾曲部51cにおけるワイヤーハーネス100との当接面が曲面である(図22参照)。
【0072】
ベース部3は、X方向に延びるように配置され、第1弾性片51とは反対側からワイヤーハーネス100に当接する第2弾性片52を含む。金型の成立性を考慮して、ベース部3における天壁部4aと対向する部分である底壁部3aには第2貫通孔3hが設けられ、第2貫通孔3hの周縁部から第2弾性片52が延出している。
【0073】
第2弾性片52は、X方向の両端52a,52bが固定端である。つまり、第2弾性片52は、ベース部3に対して両端支持されている。また、第2弾性片52は、X方向の両端52a,52bの間の部分がワイヤーハーネス100に向けて凸となるように湾曲する形状の第2湾曲部52cを有する。第2弾性片52は、X方向の両端52a,52bの間の部分である第2湾曲部52cにおけるワイヤーハーネス100との当接面が曲面である(図22参照)。
【0074】
次に、プロテクタ1Eの効果について説明する。
【0075】
第5実施形態に係るプロテクタ1Eにおいては、弾性片は、ワイヤーハーネス100の延在方向(Y方向)と交差する方向(X方向)に延びるようにカバー部4に設けられ、ワイヤーハーネス100に当接する第1弾性片51を含む。弾性片は、ワイヤーハーネス100の延在方向(Y方向)と交差する方向(X方向)に延びるようにベース部3に設けられ、第1弾性片51とは反対側からワイヤーハーネス100に当接する第2弾性片52を含む。
【0076】
また、第5実施形態に係るプロテクタ1Eにおいては、第1弾性片51及び第2弾性片52は、ワイヤーハーネス100の延在方向(Y方向)と交差する方向(X方向)の両端51a,51b,52a,52bが固定端である。第1弾性片51及び第2弾性片52は、ワイヤーハーネス100の延在方向(Y方向)と交差する方向(X方向)の両端51a,51b,52a,52bの間の部分がワイヤーハーネス100に向けて凸となるように湾曲する形状を有する。
【0077】
さらに、第5実施形態に係るプロテクタ1Eにおいては、第1弾性片51及び第2弾性片52は、ワイヤーハーネス100の延在方向(Y方向)と交差する方向(X方向)の両端の間の部分におけるワイヤーハーネス100との当接面が曲面である。
【0078】
このように第1弾性片51及び第2弾性片52を構成することにより、ベース部3にカバー部4を装着した際に、第1弾性片51及び第2弾性片52をワイヤーハーネス100の外径に応じて変形させて、その反力によりワイヤーハーネス100を保持できる。
【0079】
以上のように、第5実施形態によれば、第1~第4実施形態と同様に、ワイヤーハーネス100を保持することで、異音の発生を抑制するのに有利なプロテクタ1Eを提供することができる。
【0080】
以上、本実施形態を説明したが、本実施形態はこれらに限定されるものではなく、本実施形態の要旨の範囲内で種々の変形が可能である。
【符号の説明】
【0081】
1A,1B,1C,1D,1E プロテクタ
3 ベース部
3h 第2貫通孔
4 カバー部
4h 第1貫通孔
11 弾性片
21 第1弾性片
22 第2弾性片
31 第1弾性片
32 第2弾性片
41 第1弾性片
41c 第1湾曲部
42 第2弾性片
42c 第2湾曲部
51 第1弾性片
51c 第1湾曲部
52 第2弾性片
52c 第2湾曲部
100 ワイヤーハーネス
図1
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