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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-05-13
(45)【発行日】2024-05-21
(54)【発明の名称】巻尺用測定補助具
(51)【国際特許分類】
   G01B 3/1071 20200101AFI20240514BHJP
   G01B 3/1061 20200101ALI20240514BHJP
【FI】
G01B3/1071
G01B3/1061
【請求項の数】 1
(21)【出願番号】P 2022097430
(22)【出願日】2022-06-16
(65)【公開番号】P2023183756
(43)【公開日】2023-12-28
【審査請求日】2022-11-02
(73)【特許権者】
【識別番号】391011836
【氏名又は名称】新潟精機株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100092691
【弁理士】
【氏名又は名称】黒田 勇治
(74)【代理人】
【識別番号】100199543
【弁理士】
【氏名又は名称】黒田 隆史
(72)【発明者】
【氏名】五十嵐 利行
【審査官】國田 正久
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第2020/208329(WO,A1)
【文献】米国特許出願公開第2017/0322007(US,A1)
【文献】米国特許第08832958(US,B2)
【文献】米国特許出願公開第2015/0113821(US,A1)
【文献】米国特許第04998356(US,A)
【文献】特開平11-351803(JP,A)
【文献】米国特許第03744134(US,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G01B 3/10-3/1094
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
表面が凹状で裏面が凸状の断面円弧形状に形成され、該表面に長さ目盛が形成され、該断面円弧形状に依拠する固有の直線保持性を有する巻尺用の巻尺テープであって、該巻尺テープの裏面を受承可能な略矩形形状の受承部材及び該巻尺テープの表面を支承可能な支承部材からなり、該巻尺テープは該受承部材及び該支承部材に対して摺動自在に設けられ、上記受承部材の上記巻尺テープの長さ目盛の基点側と反対側の後側辺縁部に上記巻尺テープの長手方向と直交して上記長さ目盛を読み取るための読取辺縁部が形成され、上記受承部材に上記断面円弧形状の巻尺テープの裏面を受承する受承面部及び巻尺テープの長手方向の両側辺縁部を位置規正案内可能な左右一対の案内面部が形成され、上記受承部材の上記巻尺テープの長手方向の側辺縁部に沿う一方辺縁部に上記支承部材の一方辺縁部を支点軸及び軸穴からなる支点軸部により開閉揺動自在に配設し、該受承部材の他方辺縁部と該支承部材の他方辺縁部とを着脱自在とする係止凸部及び係止穴部からなる着脱機構を設け、支承部材の他方辺縁部に吊下穴が形成され、該支承部材に該巻尺テープの表面を支承する支承面部が形成され、該支承部材に嵌合穴が形成され、該支承部材の嵌合穴に断面円弧形状の巻尺テープの凹状の表面を圧接可能な起倒部材が軸受溝穴及び軸部により上記巻尺テープの長手方向に起倒自在に設けられ、該起倒部材の上記巻尺テープの長手方向の起立操作又は倒伏操作により上記受承部材に対する上記巻尺テープの圧接固定及び解除釈放可能な起倒操作機構を設け、上記受承部材の上記読取辺縁部側に上記巻尺テープの長手方向の湾曲を許容する拡張幅部を形成し、上記読取辺縁部に上記巻尺テープの長さ目盛を読み取るための三角穴形状の対向一対の読取指標部が形成され、上記受承部材の上記巻尺テープの長さ目盛の基点側の前側辺縁部に上記巻尺テープの長手方向と直交して上記長さ目盛を読み取るための深さ読取辺縁部が形成され、上記支承部材の深さ読取辺縁部側に巻尺テープの長さ目盛が露呈する円弧窓部が形成されてなることを特徴とする巻尺用測定補助具。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は例えば、コンベックスルール、鋼製巻尺などの巻尺に用いられる巻尺用測定補助具に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、この種の巻尺用測定補助具として、表面が凹状で裏面が凸状の断面円弧形状に形成され、表面に長さ目盛が形成され、断面円弧形状に依拠する固有の直線保持性を有する巻尺用の巻尺テープであって、巻尺テープの裏面を受承可能な略矩形形状の受承部材及び巻尺テープの表面を支承可能な支承部材からなり、巻尺テープは受承部材及び支承部材に対して摺動自在に設けられ、上記受承部材の上記巻尺テープの長さ目盛の基点側と反対側の後側辺縁部に上記巻尺テープの長手方向と直交して上記長さ目盛を読み取るための読取辺縁部が形成されてなる構造のものが知られている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】国際公開2020/208329号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら上記従来構造の場合、上記受承部材に上記巻尺テープを長さ目盛方向に位置規正案内可能な案内構造が無いため、受承部材と巻尺テープとの相対位置関係が不正確となり易く、巻尺テープの長手方向の両側辺縁部と長さ目盛の方向とが同方向に定まらず、上記読取辺縁部による長さ目盛の読み取りが不正確となり易く、それだけ、測定精度及び測定作業性が低下することがあるという不都合を有している。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明はこれらの不都合を解決することを目的とするもので、本発明のうちで、請求項1記載の発明は、表面が凹状で裏面が凸状の断面円弧形状に形成され、該表面に長さ目盛が形成され、該断面円弧形状に依拠する固有の直線保持性を有する巻尺用の巻尺テープであって、該巻尺テープの裏面を受承可能な略矩形形状の受承部材及び該巻尺テープの表面を支承可能な支承部材からなり、該巻尺テープは該受承部材及び該支承部材に対して摺動自在に設けられ、上記受承部材の上記巻尺テープの長さ目盛の基点側と反対側の後側辺縁部に上記巻尺テープの長手方向と直交して上記長さ目盛を読み取るための読取辺縁部が形成され、上記受承部材に上記断面円弧形状の巻尺テープの裏面を受承する受承面部及び巻尺テープの長手方向の両側辺縁部を位置規正案内可能な左右一対の案内面部が形成され、上記受承部材の上記巻尺テープの長手方向の側辺縁部に沿う一方辺縁部に上記支承部材の一方辺縁部を支点軸及び軸穴からなる支点軸部により開閉揺動自在に配設し、該受承部材の他方辺縁部と該支承部材の他方辺縁部とを着脱自在とする係止凸部及び係止穴部からなる着脱機構を設け、支承部材の他方辺縁部に吊下穴が形成され、該支承部材に該巻尺テープの表面を支承する支承面部が形成され、該支承部材に嵌合穴が形成され、該支承部材の嵌合穴に断面円弧形状の巻尺テープの凹状の表面を圧接可能な起倒部材が軸受溝穴及び軸部により上記巻尺テープの長手方向に起倒自在に設けられ、該起倒部材の上記巻尺テープの長手方向の起立操作又は倒伏操作により上記受承部材に対する上記巻尺テープの圧接固定及び解除釈放可能な起倒操作機構を設け、上記受承部材の上記読取辺縁部側に上記巻尺テープの長手方向の湾曲を許容する拡張幅部を形成し、上記読取辺縁部に上記巻尺テープの長さ目盛を読み取るための三角穴形状の対向一対の読取指標部が形成され、上記受承部材の上記巻尺テープの長さ目盛の基点側の前側辺縁部に上記巻尺テープの長手方向と直交して上記長さ目盛を読み取るための深さ読取辺縁部が形成され、上記支承部材の深さ読取辺縁部側に巻尺テープの長さ目盛が露呈する円弧窓部が形成されてなることを特徴とする巻尺用測定補助具にある。
【発明の効果】
【0006】
本発明は上述の如く、請求項1記載の発明にあっては、巻尺テープの基点を一方の測定点に合致させ、巻尺テープを他方の測定点に合致させ、他方の測定点に対応する長さ目盛を読み取って2点間の長さ寸法を測定することになり、例えば、角部の存在により巻尺テープを湾曲させることはできても他方の測定点に合致させることができない場合、巻尺テープに対して受承部材を摺動させて上記受承部材の読取辺縁部を他方の測定点に当接させ、この当接状態において、上記起倒操作機構の上記断面円弧形状の巻尺テープの凹状の表面を圧接可能な起倒部材を上記巻尺テープの長手方向に起立操作させ、上記巻尺テープを上記受承部材に圧接固定し、この圧接固定状態において、巻尺テープの湾曲部分を直線状に展伸させ、巻尺テープが直線状に展伸した状態で上記受承部材の上記読取辺縁部に対応する巻尺テープの長さ目盛を読み取ることにより一方の測定点から他方の測定点までの2点間の長さ寸法を正確に読み取ることができ、この際、上記受承部材に上記断面円弧形状の巻尺テープの裏面を受承する受承面部及び巻尺テープの長手方向の両側辺縁部を位置規正案内可能な左右一対の案内面部が形成されているから、この巻尺テープの長手方向の両側辺縁部を位置規正案内可能な左右一対の案内面部により巻尺テープと受承部材との案内構造が構成され、巻尺テープの摺動時及び停止時において、受承部材と巻尺テープとの相対位置関係を正確に保持することができ、巻尺テープの長手方向の両側辺縁部と長さ目盛との方向を同方向に維持することができ、長さ目盛と上記読取辺縁部とによる長さ目盛の読み取りを正確に行うことができ、それだけ、測定精度及び測定作業性を向上することができ、さらに、上記起倒操作機構の起倒部材の上記巻尺テープの長手方向の起立操作又は倒伏操作により上記受承部材に対する上記巻尺テープの圧接固定及び解除釈放を行うことができ、長さ測定時には受承部材を摺動させて読取辺縁部を他方の測定点に当接合致し、この当接合致の後に、起倒部材を上記巻尺テープの長手方向に起立操作して上記巻尺テープを受承部材に圧接固定し、受承部材に対する巻尺テープの不測の摺動を防ぐことができ、読取辺縁部により長さ目盛を正確に読み取ることができ、又、非測定時や不使用時には、起倒部材を上記巻尺テープの長手方向に倒伏操作して上記巻尺テープに対する受承部材の圧接を解除し、圧接解除により巻尺テープを受承部材から釈放し、受承部材に対する巻尺テープの脱着を容易に行うことができ、使用の作業性及び利便性を向上することができ、長さ測定を容易に行うことができ、測定作業性及び測定精度を向上することができ、かつ、上記受承部材の上記巻尺テープの長手方向の側辺縁部に沿う一方辺縁部に上記支承部材の一方辺縁部を支点軸及び軸穴からなる支点軸部により開閉揺動自在に配設し、受承部材の他方辺縁部と支承部材の他方辺縁部とを着脱自在とする係止凸部及び係止穴部からなる着脱機構を設け、支承部材に嵌合穴が形成され、支承部材の嵌合穴に巻尺テープの表面を圧接可能な起倒部材が軸受溝穴及び軸部により上記巻尺テープの長手方向に起倒自在に設けられてなるから、上記受承部材に対する上記巻尺テープの脱着を容易に行うことができ、使用の作業性及び利便性を向上することができ、長さ測定を容易に行うことができ、測定作業性及び測定精度を向上することができ、かつ、上記受承部材の上記読取辺縁部側に上記巻尺テープの長手方向の湾曲を許容する拡張幅部を形成しているから、巻尺テープを長手方向に容易に湾曲させることができ、測定作業性を向上することができ、さらに、上記読取辺縁部に上記巻尺テープの長さ目盛を読み取るための三角穴形状の対向一対の読取指標部が形成されているから、巻尺テープの長さ目盛を正確に読み取ることができ、測定精度を向上することができ、さらに、上記受承部材の上記巻尺テープの長さ目盛の基点側の前側辺縁部に上記巻尺テープの長手方向と直交して上記長さ目盛を読み取るための深さ読取辺縁部が形成され、上記支承部材の深さ読取辺縁側に巻尺テープの長さ目盛が露呈する円弧窓部が形成されているから、例えば、一方の段差面と他方の段差面との段差寸法や止り穴の深さを測定することができ、使用の融通性を高めることができる。
【図面の簡単な説明】
【0007】
図1】本発明の実施の形態例の全体斜視図である。
図2】本発明の実施の形態例の全体分解斜視図である。
図3】本発明の実施の形態例の全体平面図である。
図4】本発明の実施の形態例の縦断面図である。
図5】本発明の実施の形態例の横断面図である。
図6】本発明の実施の形態例の使用状態の平面図である。
図7】本発明の実施の形態例の使用状態の横断面図である。
図8】本発明の実施の形態例の使用状態図である。
図9】本発明の実施の形態例の使用状態の部分縦断面図である。
図10】本発明の実施の形態例の使用状態の部分横断面図である。
図11】本発明の実施の形態例の使用状態の部分横断面図である。
図12】本発明の実施の形態例の使用状態の部分縦断面図である。
図13】本発明の実施の形態例の使用状態の部分拡大平面図である。
図14】本発明の実施の形態例の使用状態図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
図1乃至図14は本発明の実施の形態例を示し、大別して、表面が凹状で裏面が凸状の断面円弧形状に形成され、表面に長さ目盛Mが形成され、断面円弧形状に依拠する固有の直線保持性を有する巻尺用の巻尺テープTであって、この場合、巻尺テープTは巻尺ケースCに引出巻取自在に内装された、所謂、コンベックスルールが用いられ、上記巻尺テープTの裏面を受承可能な略矩形形状の受承部材1及び巻尺テープTの表面を支承可能な支承部材2からなり、巻尺テープTは受承部材1及び支承部材2に対して摺動自在に設けられ、上記受承部材1の上記巻尺テープTの長さ目盛Mの基点T側と反対側の後側辺縁部1aに上記巻尺テープTの長手方向と直交して上記長さ目盛Mを読み取るための読取辺縁部Rが形成され、上記受承部材1に上記断面円弧形状の巻尺テープTの裏面を受承する受承面部1b及び巻尺テープTの長手方向の両側辺縁部T・Tを位置規正案内可能な左右一対の案内面部1c・1cが形成され、左右一対の案内面部1c・1c間の規正幅Bの寸法は巻尺テープTの断面円弧形状の巻尺テープTの両側辺縁部T・T間の距離と略同寸法に形成され、例えば、平坦状態での巻尺テープTの幅が25mmの場合、巻尺テープTの両側辺縁部T・T間の距離は23mmのため、左右一対の案内面部1c・1c間の規正幅Bの寸法は巻尺テープTを摺動案内可能な23mmより若干幅広に形成され、上記受承部材1に上記支承部材2が開閉自在に配設され、支承部材2に巻尺テープTの表面を支承する支承面部2a・2aが形成され、支承部材2に巻尺テープTの表面を圧接可能な起倒部材3が上記巻尺テープTの長手方向に起倒自在に設けられ、この場合、支承部材2に嵌合穴2eを形成し、嵌合穴2eに軸受溝穴2f・2fが形成され、軸受溝穴2f・2fに起倒部材3の軸部3a・3aを嵌着して起倒部材3は上記巻尺テープTの長手方向に起倒自在に設けられ、この起倒部材3による巻尺テープTの表面への圧接により上記巻尺テープTは上記受承部材1に圧接固定され、この起倒部材3の起立操作Sによる巻尺テープTの圧接固定は、軸部3a・3aの軸芯と起倒部材3による巻尺テープT表面への圧接点との相互の位置関係に依る所謂、反転機構(スナップアクション機構)により維持され、この起倒部材3の上記巻尺テープTの長手方向の起立操作S又は倒伏操作Dにより上記受承部材1に対する上記巻尺テープTの圧接固定及び解除釈放可能な起倒操作機構Kを設けて構成している。
【0009】
この場合、図1図2図3の如く、上記受承部材1の上記読取辺縁部R側に上記巻テープTの長手方向の湾曲を許容する拡張幅部1d・1dが形成され、この場合、図10図11の如く、拡張幅部1d・1d間の幅寸法は上記左右一対の案内面部1c・1c間の規正幅Bの寸法よりも大きな寸法の逃がし幅Bに形成され(B<B)、例えば、平坦状態での巻尺テープTの幅が25mmの場合、左右一対の案内面部1c・1c間の規正幅Bは23mmより若干幅広に形成されているから、逃がし幅Bの寸法は25mmより若干幅広の26mmとされ、更に、拡張幅部1dに連続してC面取状の逃げ部1eが形成され、例えば、1.5mmのC面とされ、又、この場合、図6図14の如く、上記読取辺縁部Rに上記巻尺テープTの長さ目盛Mを読み取るための巻尺テープTの両側辺縁部T・Tに対峙する三角穴形状の対向一対の読取指標部R・Rが形成されている。
【0010】
又、この場合、図1図2図3の如く、上記受承部材1の上記巻テープTの長手方向の側辺縁部Tに沿う一方辺縁部1fに上記支承部材2の一方辺縁部2bを支点軸4a及び軸穴4bからなる支点軸部4・4により開閉揺動自在に配設し、受承部材1の他方辺縁部1gと支承部材2の他方辺縁部2cとを着脱自在とする係止凸部5a及び係止穴部5bからなる着脱機構5が設けられ、さらに、支承部材2の他方辺縁部2cに吊下穴5cが形成され、又、この場合、図3図6図12の如く、上記受承部材1の上記巻尺テープTの長さ目盛Mの基点T側の前側辺縁部1hに上記巻尺テープTの長手方向と直交して上記長さ目盛Mを読み取るための深さ読取辺縁部Qが形成され、さらに、支承部材2の深さ読取辺縁部Q側に巻尺テープTの長さ目盛Mが露呈する円弧窓部2dが形成され、例えば、図14の如く、一方の段差面Eと他方の段差面Eとの段差寸法Hの測定に際し、深さ読取辺縁部Qを一方の段差面Eに当接し、巻尺テープTの基点Tを他方の段差面Eに当接して深さ読取辺縁部Qにより段差寸法Hを測定するように構成している。
【0011】
この実施の形態例は上記構成であるから、図8の如く、巻尺テープTの基点Tを一方の測定点に合致させ、巻尺テープTを他方の測定点Mに合致させ、他方の測定点Mに対応する長さ目盛Mを読み取って2点間の長さ寸法Lを測定することになり、この場合、例えば、一方の測定点Mとしての被測定物Gの測定面Fの壁部Wの角部Fから他方の測定点Mとしての壁部Wの角部Fまでの2点間の長さ寸法Lを測定することになり、巻尺テープTの先端の移動爪Tを測定面Fの壁部Wの角部Fに押し当て、巻尺テープTを他方の測定点Mに合致すべく湾曲させ、他方の測定点Mに対応する長さ目盛Mを読み取って2点間の長さ寸法Lを測定することになり、例えば、角部Fの存在により巻尺テープTを湾曲させることはできても他方の測定点Mに合致させることができない場合、巻尺テープTを他方の測定点Mに合致させるべく鋭角に折曲させることができず、このため、2点間の長さ寸法Lの測定が不正確となり、この際、図9の如く、巻尺テープTに対して受承部材1を摺動させて上記受承部材1の読取辺縁部Rを他方の測定点Mとしての壁部Wの角部Fに当接させ、この当接状態において、上記起倒操作機構Kの上記断面円弧形状の巻尺テープTの凹状の表面を圧接可能な起倒部材3を上記巻尺テープTの長手方向に起立操作Sさせ、上記巻尺テープTを上記受承部材1に圧接固定し、この圧接固定状態において、巻尺テープTを測定面Fの上方に離反し、この離反により巻尺テープTの湾曲部分を直線状に展伸させ、図12図13の如く、巻尺テープTが直線状に展伸した状態で上記受承部材1の上記読取辺縁部Rに対応する巻尺テープTの長さ目盛Mを読み取ることにより一方の測定点Mとしての被測定物Gの測定面Fの壁部Wの角部Fから他方の測定点Mとしての壁部Wの角部Fまでの2点間の長さ寸法Lを正確に読み取ることができる。
【0012】
この際、図1図2図3の如く、上記受承部材1に上記断面円弧形状の巻尺テープTの裏面を受承する受承面部1b及び巻尺テープTの長手方向の両側辺縁部T・Tを位置規正案内可能な左右一対の案内面部1c・1cが形成され、左右一対の案内面部1c・1c間の規正幅Bの寸法は巻尺テープTの断面円弧形状の巻尺テープTの両側辺縁部T・T間の距離と略同寸法に形成されているから、この巻尺テープTの長手方向の両側辺縁部T・Tを位置規正案内可能な左右一対の案内面部1c・1cにより巻尺テープTと受承部材1との案内構造が構成され、巻尺テープTの摺動時及び停止時において、受承部材1と巻尺テープTとの相対位置関係を正確に保持することができ、巻尺テープTの長手方向の両側辺縁部T・Tと長さ目盛Mとの方向を同方向に維持することができ、長さ目盛Mと上記読取辺縁部Rとによる長さ目盛Mの読み取りを正確に行うことができ、それだけ、測定精度及び測定作業性を向上することができ、さらに、図4図5図9図10の如く、上記起倒操作機構Kの起倒部材3の上記巻尺テープの長手方向の起立操作S又は倒伏操作Dにより上記受承部材1に対する上記巻尺テープTの圧接固定及び解除釈放を行うことができ、図8図9の如く、長さ測定時には受承部材1を摺動させて読取辺縁部Rを他方の測定点Mに当接合致し、この当接合致の後に、起倒部材3を上記巻尺テープの長手方向に起立操作Sして上記巻尺テープTを受承部材1に圧接固定し、受承部材1に対する巻尺テープTの不測の摺動を防ぐことができ、読取辺縁部Rにより長さ目盛Mを正確に読み取ることができ、又、非測定時や不使用時には、図6図7の如く、起倒部材3を上記巻尺テープの長手方向に倒伏操作Dして上記巻尺テープTに対する受承部材1の圧接を解除し、圧接解除により巻尺テープTを受承部材1から釈放し、受承部材1に対する巻尺テープTの脱着を容易に行うことができ、使用の作業性及び利便性を向上することができ、長さ測定を容易に行うことができ、測定作業性及び測定精度を向上することができる。
【0013】
又、この場合、図1図2図3の如く、上記受承部材1の上記読取辺縁部R側に上記巻テープTの長手方向の湾曲を許容する拡張幅部1d・1dを形成しているから、巻尺テープTを長手方向に容易に湾曲させることができ、測定作業性を向上することができ、又、この場合、図6図14の如く、上記読取辺縁部Rに上記巻尺テープTの長さ目盛Mを読み取るための読取指標部R・Rが形成されているから、巻尺テープTの長さ目盛Mを正確に読み取ることができ、測定精度を向上することができる。
【0014】
又、この場合、図1図2図3の如く、上記受承部材1の上記巻テープTの長手方向の側辺縁部Tに沿う一方辺縁部1fに上記支承部材2の一方辺縁部2bを支点軸部4・4により開閉揺動自在に配設し、受承部材1の他方辺縁部1gと支承部材2の他方辺縁部2cとを着脱自在とする係止凸部5a及び係止穴部5bからなる着脱機構5を設け、支承部材2に嵌合穴2eが形成され、支承部材2の嵌合穴2eに巻尺テープTの表面を圧接可能な起倒部材3が軸受溝穴2f・2f及び軸部3a・3aにより上記巻尺テープTの長手方向に起倒自在に設けられてなるから、上記受承部材1に対する上記巻テープTの脱着を容易に行うことができ、使用の作業性及び利便性を向上することができ、長さ測定を容易に行うことができ、測定作業性及び測定精度を向上することができ、又、この場合、図3図6図12の如く、上記受承部材1の上記巻尺テープTの長さ目盛Mの基点T側の前側辺縁部1hに上記巻尺テープTの長手方向と直交して上記長さ目盛Mを読み取るための深さ読取辺縁部Qが形成され、上記支承部材2の深さ読取辺縁部Q側に巻尺テープTの長さ目盛Mが露呈する円弧窓部2dが形成されているから、例えば、図14の如く、一方の段差面Eと他方の段差面Eとの段差寸法Hの測定、又は、図示省略の止り穴の深さを測定することができ、使用の融通性を高めることができる。
【0015】
尚、本発明は上記実施の形態例に限られるものではなく、巻尺テープT、長さ目盛M、起倒操作機構K、読取辺縁部R、読取指標部R・R、受承部材1、支承部材2、起倒部材3、支点軸部4・4、着脱機構5の構造や形態等は適宜変更して設計される。
【0016】
以上、所期の目的を充分達成することができる。
【符号の説明】
【0017】
T 巻尺テープ
基点
側辺縁部
M 長さ目盛
S 起立操作
D 倒伏操作
K 起倒操作機構
R 読取辺縁部
読取指標部
Q 深さ読取辺縁部
一方の段差面
他方の段差面
段差寸法
1 受承部材
1a 後側辺縁部
1b 受承面部
1c 案内面部
1d 拡張幅部
1f 一方辺縁部
1g 他方辺縁部
1h 前側辺縁部
2 支承部材
2a 支承面部
2b 一方辺縁部
2c 他方辺縁部
2d 円弧窓部
2e 嵌合穴
2f 軸受溝穴
3 起倒部材
3a 軸部
4 支点軸部
4a 支点軸
4b 軸穴
5 着脱機構
5a 係止凸部
5b 係止穴部
5c 吊下穴
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14