(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-05-13
(45)【発行日】2024-05-21
(54)【発明の名称】除毛デバイス
(51)【国際特許分類】
B26B 19/10 20060101AFI20240514BHJP
【FI】
B26B19/10 Z
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2022120300
(22)【出願日】2022-07-28
【審査請求日】2022-08-05
(32)【優先日】2021-07-29
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(73)【特許権者】
【識別番号】508117514
【氏名又は名称】ブラウン ゲーエムベーハー
(74)【代理人】
【識別番号】110001243
【氏名又は名称】弁理士法人谷・阿部特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】レナータ バーガート
(72)【発明者】
【氏名】ジャン ラスク
(72)【発明者】
【氏名】アーニャ ワイゲル
(72)【発明者】
【氏名】ラインホルト アイヒホルン
【審査官】マキロイ 寛済
(56)【参考文献】
【文献】米国特許第02706332(US,A)
【文献】特表2012-501700(JP,A)
【文献】特表2013-536054(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B26B 19/04 - 19/42
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
除毛デバイス、特に毛髪トリマー又はシェーバー又はシェーバーの毛髪トリマー部分であって、モータ(80)及び除毛ヘッド(40)を有するハンドル(60)を備え、前記除毛ヘッド(40)には、外刃(21)及び内刃(22)を有する、少なくとも第1の毛髪切断ユニット(20)が設けられ、前記内刃(22)は、前記外刃(21)に対して第1の軸(30)に沿って往復移動可能であり、前記外刃(21)は、毛髪を切断するために前記内刃(22)と協働する歯列(23、24)を含み、各歯(1)は、歯底(7)から、前記第1の軸(30)に直交する第2の軸(31)に平行な歯先(3)までの長手方向延長部を有し、第3の軸(32)が、前記第1の軸及び前記第2の軸(30、31)と直交するように画定されており、前記歯底(7)は、隣接する歯底(7)と相互接続されて歯底の列を形成し、前記歯列(23、24)に歯先(3)の列が設けられ、
前記除毛デバイスは、互いに対向する第1及び第2の皮膚支持面(4a、4b、5)であって、第1及び第2の皮膚支持面(4a、4b、5)の両方の間に間隙(27)があり、皮膚接触のために設けられた皮膚支持面(4a、4b、5)を更に備え、前記第1の皮膚支持面
(4a)は、前記歯底の列に
、前記歯先の列より近くかつ隣接し、かつ前記歯先の列
に対して前記歯底の列より遠くに配置され、前記第2の皮膚支持面(4b、5)は、前記歯先の列に
対して前記歯底の列より近く、かつ前記歯底の列
に対して前記歯先の列より遠くに配置され、前記歯(1)及び前記歯先(3)には、ユーザの皮膚に面するように意図された皮膚側と、前記内刃(22)に面する、反対側の歯の内側とが設けられた、除毛デバイスにおいて、
前記歯先(3)の前記皮膚側は、前記第3の軸(32)に平行かつ前記ハンドル(60)に向かう方向において、前記第1及び第2の皮膚支持面(4a、4b、5)の少なくとも1つよりも下方に設けられ、および/又は、前記歯先(3)の前記皮膚側は、前記第2の軸(31)に平行な、前記第1及び第2の皮膚支持面(4a、4b、5)の間の接続線(70、70a)と交差しないよう
に構成され、前記第1の皮膚支持面(4a)と前記歯先(3)との間の前記皮膚側の輪郭線(2)が、前記第2の軸(31)に平行に延在し、かつ前記歯(1)の前記皮膚側に凹状に湾曲した部分を含むことを特徴とする、除毛デバイス。
【請求項2】
前記第1及び第2の皮膚支持面(4a、4b、5)のうちの少なくとも1つは、前記歯先(3)の前記皮膚側に対する高さの差(h)が0~1mm、又は好ましくは0~0.5mmであるように設けられている、請求項1に記載の除毛デバイス。
【請求項3】
前記第1及び第2の皮膚支持面(4a、4b、5)のうちの少なくとも1つは、前記歯先(3)の前記皮膚側に対する高さの差(h)が0.005~0.1mmであるように設けられている、請求項2に記載の除毛デバイス。
【請求項4】
前記歯先(3)は、厚さが前記第3の軸(32)に平行な方向において0.2mm未満であり、幅が前記第1の軸(30)に平行な方向において0.5mm未満であり、
前記厚さおよび前記幅は、前記歯先の最も外側の点から測定して、前記第2の軸(31)に平行な方向における歯底(7)までが0.225mm
の深さ(m)の位置で測定した値である、請求項1に記載の除毛デバイス。
【請求項5】
前記歯(1)は、歯底(7)から前記第2の軸(31)に平行な前記歯の長手方向延長部に沿って歯先(3)までの前記歯の長さが、3mm未満、2mm未満、又は1mm未満であるように構成されている、請求項1に記載の除毛デバイス。
【請求項6】
前記第1の皮膚支持面(4a)と前記歯先(3)との間の前記皮膚側の前記輪郭線(2)は、前記第2の軸(31)に平行に延在し、前記第1の皮膚支持面(4a)に凸状に湾曲した部分を含み、および/又は、前記歯(1)の前記皮膚側が窪みを含む、請求項1に記載の除毛デバイス。
【請求項7】
前記歯先(3)と前記第2の皮膚支持面(4b、5)との間の前記第2の軸(31)に平行な線に沿った距離dが1~2.5mmである、請求項1に記載の除毛デバイス。
【請求項8】
前記外刃(21)は、前記歯底(7)が互いに反対側を向いた2つの歯列(23、24)を含み、1つの歯列(23、24)の隣接する歯(1)は当該隣接する歯の間のスロット(9)によって隔てられており、双方の歯列は前記間隙(27)によって隔てられている、請求項1に記載の除毛デバイス。
【請求項9】
前記外刃(21)の双方の歯列(23、24)は、前記1つの歯列(23、24)の前記歯先(3)が前記対向する歯列(23、24)のスロット(9)に面するように互いにオフセットされている、請求項8に記載の除毛デバイス。
【請求項10】
前記皮膚側の形状が、双方の歯列(23、24)の全ての歯(1)で同じである、請求項8に記載の除毛デバイス。
【請求項11】
前記外刃(21)は1枚の鋼板部分から作製され、前記第1及び第2の皮膚支持面(4a、4b)は、前記第1の軸(30)に平行な外縁部分と、前記歯列の前記長手方向延長部との両方で前記外刃(21)の一部として延在する、請求項8に記載の除毛デバイス。
【請求項12】
前記第1の皮膚支持面(4a)は、前記第1の軸(30)に平行に延在する外縁部分で前記外刃(21)の一部を形成し、前記第2の皮膚支持面(5)は、前記第1の軸にも平行に延在するガード部材として構成され、特に前記ガード部材は、前記第2の皮膚支持面で凸状に形成されている、請求項1に記載の除毛デバイス。
【請求項13】
前記除毛デバイスは、全て横並びに配置された少なくとも2つの更なる毛髪切断ユニットを含むシェーバー処理ヘッドの一部である毛髪トリマーである、請求項1に記載の除毛デバイス。
【請求項14】
3つの前記毛髪切断ユニットの各々は、他の毛髪切断ユニットとは異なるように設計され、および/又は異なる毛髪切断刃ユニットを有する、請求項13に記載の除毛デバイス。
【請求項15】
除毛デバイス、特に毛髪トリマー又はシェーバー又はシェーバーの毛髪トリマー部分であって、モータ(80)及び除毛ヘッド(40)を有するハンドル(60)を備え、前記除毛ヘッド(40)には、外刃(21)及び内刃(22)を有する少なくとも第1の毛髪切断ユニット(20)が設けられ、前記内刃(22)は、前記外刃(21)に対して第1の軸(30)に沿って往復移動可能であり、前記外刃(21)は、毛髪を切断するために前記内刃(22)と協働する歯列(23、24)を含み、各歯(1)は、歯底(7)から、前記第1の軸(30)に直交する第2の軸(31)に平行な歯先(3)までの長手方向延長部を有し、第3の軸(32)が、前記第1の軸及び前記第2の軸(30、31)と直交するように画定されており、前記歯底(7)は、隣接する歯底(7)と相互接続されて歯底の列を形成し、前記歯列(23、24)に歯先の列が設けられ、
前記除毛デバイスは、互いに対向する第1及び第2の皮膚支持面(4a、4b、5)であって、第1及び第2の皮膚支持面(4a、4b、5)の両方の間に間隙(27)があり、皮膚接触のために設けられた皮膚支持面(4a、4b、5)を更に備え、前記第1の皮膚支持面
(4a)は、前記歯底の列に
、前記歯先の列より近くかつ隣接し、かつ前記歯先の列
に対して前記歯底の列より遠くに配置され、前記第2の皮膚支持面(4b、5)は、前記歯先の列に
対して前記歯底の列より近く、かつ前記歯底の列
に対して前記歯先の列より遠くに配置され、前記歯(1)及び前記歯先(3)には、ユーザの皮膚に面するように意図された皮膚側と、前記内刃(22)に面する反対側の歯の内側とが設けられた、除毛デバイスにおいて、
前記歯(1)の前記皮膚側は、前記第2の軸(31)に平行な線に対して
当該皮膚側に対して凹状に湾曲した輪郭(2)で歯底(7)から歯先(3)まで延在することを特徴とする、除毛デバイス。
【請求項16】
前記内刃(22)に面する前記歯の前記内側に面する側は、前記ハンドル(60)から離れて前記第3の軸(32)に平行な方向において上方に、および/又は実質的に真っ直ぐに、歯底(7)から前記歯先の前記内側まで延在する、請求項15に記載の除毛デバイス。
【請求項17】
前記歯の皮膚側はヘイフォーク形状であり、および/又は凹形状部分を含む、請求項1に記載の除毛デバイス。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、除毛デバイス、特に毛髪トリマー又はシェーバー又はシェーバーの毛髪トリマー部分であって、モータ及び除毛ヘッドを有するハンドルを備え、当該除毛ヘッドには、外刃及び内刃を有する、少なくとも第1の毛髪切断ユニットが設けられ、当該内刃は、外刃に対して第1の軸に沿って往復移動可能であり、当該外刃は、毛髪を切断するために当該内刃と協働する歯列を含み、各歯は、歯底から、第1の軸に直交する第2の軸に平行な歯先までの長手方向延長部を有し、第3の軸が、第1の軸及び第2の軸と直交するように画定されており、歯底は、隣接する歯底と相互接続されて歯底の列を形成し、当該歯列に歯先の列が設けられ、除毛デバイスは、互いに対向する第1及び第2の皮膚支持面であって、第1及び第2の皮膚支持面の両方の間に間隙があり、皮膚接触のために設けられた皮膚支持面を更に備え、当該第1の皮膚支持面は、歯底の列にはより近くかつ隣接し、かつ歯先の列からはより遠くに配置され、当該第2の皮膚支持面は、当該歯先の列にはより近く、かつ歯底の列からはより遠くに配置され、当該歯及び歯先には、ユーザの皮膚に面するように意図された皮膚側と、内刃に面する、反対側の歯の内側とが設けられた、除毛デバイスに関する。
【背景技術】
【0002】
皮膚に面する固定外刃と、移動可能なモータ駆動内刃とを備えた毛髪切断デバイスによって毛髪を除去することが広く知られている。毛髪トリマー又はバリカンは、通常、1列又は2列の毛髪切断歯を備え、外刃の厚さよりも長い毛髪を切断することができる。シェーバーは、皮膚が湿式カミソリの使用後と同様に滑らかになるように毛髪をより短く切断すると理解される。ほとんどの電気シェーバーは、2つ以上の切断ユニットを備える。例えば、短毛を剃るためのものと、長毛を刈り込むためのものとの2つ以上の切断ユニットが横並びに配置されている。
【0003】
欧州特許出願公開第2425939A1号は、電気シェーバーの一部としての長毛トリミングユニットに関する。この場合、(櫛歯の列が外側を向き、両者の間に間隙がなく、歯先が互いから離れる方向を向いているより伝統的な方式とは対照的に)固定刃の一部としての2列の外側櫛歯が、互いに対向し、したがって内側を向き、したがって、両者の間の毛髪捕捉間隙によって隔てられている。櫛要素の歯が皮膚に向かって上方に隆起しているので、特に首回りに多くあり得る水平に寝た毛髪を持ち上げる毛髪持ち上げ性能は、従来の既存のトリマーユニットに対する改善である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明の目的は、更に改善された除毛デバイスを提供することである。本発明のより具体的な目的は、皮膚刺激の回避を更に改善しながら、水平に寝た毛髪を持ち上げて切断する能力を更に改善した除毛デバイスを提供することである。
【0006】
この目的は、除毛デバイス、特に毛髪トリマー又はシェーバー又はシェーバーの毛髪トリマー部分であって、モータ及び除毛ヘッドを有するハンドルを備え、当該除毛ヘッドには、外刃及び内刃を有する、少なくとも第1の毛髪切断ユニットが設けられ、当該内刃は、外刃に対して第1の軸に沿って往復移動可能であり、当該外刃は、毛髪を切断するために当該内刃と協働する歯列を含み、各歯は、歯底から、第1の軸に直交する第2の軸に平行な歯先までの長手方向延長部を有し、第3の軸が、第1の軸及び第2の軸と直交するように画定されており、歯底は、隣接する歯底と相互接続されて歯底の列を形成し、当該歯列に歯先の列が設けられ、除毛デバイスは、互いに対向する第1及び第2の皮膚支持面であって、第1及び第2の皮膚支持面の両方の間に間隙があり、皮膚接触のために設けられた皮膚支持面を更に備え、当該第1の皮膚支持面は、歯底の列にはより近くかつ隣接し、かつ歯先の列からはより遠くに配置され、当該第2の皮膚支持面は、当該歯先の列にはより近く、かつ歯底の列からはより遠くに配置され、当該歯及び歯先には、ユーザの皮膚に面するように意図された皮膚側と、内刃に面する、反対側の歯の内側とが設けられ、当該歯先の当該皮膚側は、第3の軸に平行かつ当該ハンドルに向かう方向において、当該第1及び第2の皮膚支持面の少なくとも1つよりも下方又はこれと同じレベルに設けられ、及び/又は、当該歯先の当該皮膚側は、当該第2の軸に平行な、当該第1及び第2の皮膚支持面の間の接続線と交差しないように、又はこれを越えて延在するように構成された、除毛デバイスによって達成される。
【0007】
皮膚支持面の外縁を越えて突出しない歯先を提供することにより、歯先が毛穴に入り得る可能性を低減させ、したがって皮膚刺激が回避されることが見出された。更に驚くべきことに、非常に水平に寝た毛髪を持ち上げる毛髪持ち上げ能力は、既存の従来技術の毛髪トリマー又は除毛デバイスと比較して、この設計によって増強されることが見出された。
【0008】
この目的はまた、除毛デバイス、特に毛髪トリマー又はシェーバー又はシェーバーの毛髪トリマー部分であって、モータ及び除毛ヘッドを有するハンドルを備え、当該除毛ヘッドには、外刃及び内刃を有する、少なくとも第1の毛髪切断ユニットが設けられ、当該内刃は、外刃に対して第1の軸に沿って往復移動可能であり、当該外刃は、毛髪を切断するために当該内刃と協働する歯列を含み、各歯は、歯底から、第1の軸に直交する第2の軸に平行な歯先までの長手方向延長部を有し、第3の軸が、第1の軸及び第2の軸と直交するように画定されており、歯底は、隣接する歯底と相互接続されて歯底の列を形成し、当該歯列に歯先の列が設けられ、当該歯及び歯先には、ユーザの皮膚に面するように意図された皮膚側と、内刃に面する、反対側の歯の内側とが設けられ、当該歯の当該皮膚側は、当該第2の軸に平行に、又は当該第2の軸に平行な線に対して内刃に向かって湾曲して窪んだ輪郭で、歯底から歯先まで延在する、除毛デバイスによって達成される。
【0009】
したがって、歯の皮膚表面側に少なくとも1つの平坦な水平延長部を提供することによって、又は歯の皮膚側の窪み/湾曲もしくは凹状湾曲によって、皮膚刺激の回避と、非常に水平に寝た毛髪の良好な毛髪持ち上げ及び毛髪切断との双方を達成することができる。歯が毛穴に入りにくい。「凹状」又は「凸状」という用語は、この文脈では一定の半径セグメント又は円セグメントを必要とせず、内向き(凹状の場合)又は外向き(凸状の場合)のいずれかに湾曲した同様の湾曲形状も包含し得る。
【0010】
上記及び下記の外刃又は内刃の歯列への言及は、少なくとも3つの隣接する歯を包含し得るが、歯列全体を包含するとは限らないことを理解されたい。歯列へのそのような言及は、歯と隣接するスロット又は開口部とが交互になるような櫛状構造によって提供されてもよい。「1つの」列は、本明細書では、内刃及び外刃の少なくとも1列の歯列を意味する。内刃及び外刃の双方に、鋏の原理に従って毛髪を切断するための鋭利な歯側縁部を有するこのような櫛状構造が設けられている。外刃は、好ましくは固定されて移動不可能であり、内刃は、外刃に対して往復運動するように設けられている。歯の歯底は、歯が櫛状構造内で離隔され始め、その結果、歯を離隔している隣接するスロットも開始する場所の隣から始まるように画定されてもよい。
【0011】
更なる有利な態様は、従属請求項の特徴によって提供される。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【
図1】シェーバーデバイスの毛髪トリマーユニットの斜視図である。
【
図2】
図1の断面D1で見た時の
図1のシェーバーデバイスの毛髪トリマーユニットの断面詳細図である。
【
図4】櫛歯の輪郭を示すための、
図3の線A-Aに沿った断面図である。
【
図5】櫛歯の輪郭、皮膚支持面、及び皮膚支持面と歯先との間の高さの差を示すための、
図4と同様の断面詳細図である。
【
図6a】皮膚支持部を示す
図4と同様の略断面図である。
【
図6b】皮膚支持部を示す
図4と同様の略断面図である。
【
図6c】皮膚支持部を示す
図4と同様の略断面図である。
【
図7】除毛デバイス、特に、
図1の毛髪トリマーユニットを備えるシェーバーの斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
図は、除毛デバイス、特に毛髪トリマー又はシェーバー又はシェーバーの毛髪トリマー部分であって、モータ及び除毛ヘッドを有するハンドルを備え、当該除毛ヘッドには、外刃及び内刃を有する、少なくとも第1の毛髪切断ユニットが設けられ、当該内刃は、外刃に対して第1の軸に沿って往復移動可能であり、当該外刃は、毛髪を切断するために当該内刃と協働する歯列を含み、各歯は、歯底から、第1の軸に直交する第2の軸に平行な歯先までの長手方向延長部を有し、第3の軸が、第1の軸及び第2の軸と直交するように画定されており、歯底は、隣接する歯底と相互接続されて歯底の列を形成し、当該歯列に歯先の列が設けられ、除毛デバイスは、互いに対向する第1及び第2の皮膚支持面であって、第1及び第2の皮膚支持面の両方の間に間隙があり、皮膚接触のために設けられた皮膚支持面を更に備え、当該第1の皮膚支持面は、歯底の列にはより近くかつ隣接し、かつ歯先の列からはより遠くに配置され、当該第2の皮膚支持面は、当該歯先の列にはより近く、かつ歯底の列からはより遠くに配置され、当該歯及び歯先には、ユーザの皮膚に面するように意図された皮膚側と、内刃に面する、反対側の歯の内側とが設けられ、当該歯先の当該皮膚側は、第3の軸に平行かつ当該ハンドルに向かう方向において、当該第1及び第2の皮膚支持面の少なくとも1つよりも下方又はこれと同じレベルに設けられ、及び/又は、当該歯先の当該皮膚側は、当該第2の軸に平行な、当該第1及び第2の皮膚支持面の間の接続線と交差しないように、又はこれを越えて延在するように構成された、除毛デバイスを示す。当該歯先の当該皮膚側は、少なくとも部分的に凹形状である。第1及び第2の皮膚支持面という用語は、第3の軸に沿った垂直方向において皮膚に最も近い、言い換えればハンドルから最も遠い位置にある部分を指す。歯先という用語は、内刃とは反対側に面する歯先の部分を指し、その皮膚側に属し、歯の自由端を形成する。これにより、第1の皮膚支持面と第2の皮膚支持面との間の第3の軸に沿った相対的な垂直高さ位置は、皮膚に向かってより突出するか、又は歯先と同じ垂直高さレベルにある。第1及び第2の皮膚支持面は、好ましくは第1の毛髪切断ユニットのいずれかの部分であり、より好ましくは外刃部分の一部であるか、又は第1の毛髪切断ユニットに直接隣接して位置するガード部材の一部である。
【0014】
一態様によれば、第1及び第2の皮膚支持面の少なくとも一方は、歯先の皮膚側に対する高さの差(h)が0~1mm、又は好ましくは0~0.5mmとなるように設けられる/構成される。更に任意選択的に、第1及び第2の皮膚支持面の少なくとも一方は、歯先の皮膚側に対する高さの差(h)が0.005~0.1mmとなるように設けられる。より好ましくは、高さの差は、0.005mm~0.005mm又は0~0.003mmの範囲内である。歯先の皮膚側に対する第1及び/又は第2の皮膚支持面のこのかなり小さい突出は、皮膚刺激を有意に低減することが明らかになった。シェービングストローク中、皮膚は、第1及び第2の皮膚支持面上で伸張されてもよく、歯先は、より低い垂直レベルにあるにもかかわらず、依然として水平に寝た毛髪を捕捉することができる。
【0015】
更なる態様によれば、当該歯先は、厚さが第3の軸に平行な方向において0.3mm未満又は0.2mm未満であり、幅が第1の軸に平行な方向において0.6mm未満又は0.5mm未満である。歯先の最も外側の点から測定して、第2の軸に平行な方向における歯底までが0.225mmである。これは、良好な毛髪持ち上げ能力にも寄与する。先端領域がこのようなかなり小さな寸法の歯は、場合によっては毛穴に入りやすいため、皮膚刺激を回避したいという要望には反し得るが、皮膚側での垂直方向高さが歯先よりも高い皮膚支持面を設けることにより、皮膚刺激が引き起こされなくなる。
【0016】
歯は、歯底から第2の軸に平行な歯の長手方向延長部に沿って歯先までの歯の長さが、3mm未満、2mm未満、又は1mm未満であるように構成されている。
【0017】
別の一態様によれば、当該第1の皮膚支持面と当該歯先との間の皮膚側に、輪郭線が第2の軸に平行に延在し、第1の皮膚支持面に凸状に湾曲した部分を含み、歯の皮膚側に凹状に湾曲した部分を含み、及び/又は、歯の皮膚側が窪みを含む。当該第1の皮膚支持面と当該歯先との間の皮膚側の輪郭線は、第2及び第3の軸に平行な断面で見られる。そのような輪郭線の結果として、第1の皮膚支持面は、その湾曲によって柔らかい皮膚感触を提供する湾曲した又は外向きに膨らんだ部分であり、この湾曲はその後、歯底から歯先までの歯の更なる延長部に沿って、内向きに膨らんだ、又は湾曲した窪みとして反対に変化する。歯の皮膚側は、ピッチフォーク形状又はヘイフォーク形状である。したがって、毛髪を容易に持ち上げることができる。
【0018】
更なる一態様によれば、歯先と第2の皮膚支持面との間の第2の軸に平行な線に沿った距離dは、1~2.5mmである。この距離内に、間隙と、任意選択的に外刃用の第2の歯列とが設けられている。したがって、この距離は、第2の皮膚支持面と、双方の間の間隙27(及び任意選択的に更なる歯列)によって隔てられた歯先との間の距離を指し、同じ側の同じ歯の歯先に属する歯底に隣接する第1の皮膚支持面との間の距離を指すのではない。外刃は2つの歯列を有し、歯底は互いに反対向きであり、1つの列の隣接する歯は、当該隣接する歯の間のスロットによって隔てられている。間隙が、外刃の対向する歯先で双方の歯列を隔てている。歯底は、1つの歯列内で相互に接続されている。
【0019】
別の一態様によれば、外刃の双方の歯列は、1つの歯列の歯先が対向する歯列のスロットに面するように互いにオフセットされている。任意選択的に、皮膚側の形状は、外刃の双方の歯列の全ての歯で同じである。
【0020】
更に別の一態様によれば、外刃は1枚の金属板部分及び/又は鋼板部分から作製され、第1及び第2の皮膚支持面は、第1の軸に平行な外縁部分と、当該第1及び第2の皮膚支持面の間の歯列の長手方向延長部との両方で当該外刃の一部として延在する。
【0021】
あるいは、第1の皮膚支持面は、第1の軸に平行に延在する外縁部分で外刃の一部を形成し、第2の皮膚支持面は、第1の軸にも平行に延在するガード部材として構成されている。第2の皮膚支持面を提供するそのようなガード部材は、外刃とは別個であるが外刃に直接隣接していてもよい。これは、例えば、第1の軸に平行な長手方向延長部を有する平坦な形状、湾曲した形状、又はリップ/バー形状であり得る。したがって、トリマーは、外刃に2つの対向する歯列を有する上記の構成とは反対に、皮膚上でデバイスの1つのみの移動方向において機能するように構成されている。
【0022】
別の一態様によれば、当該除毛デバイスは、全て横並びであり、それぞれが他とは異なるように設計されており、及び/又は、異なる毛髪切断刃ユニットを有する少なくとも2つの更なる毛髪切断ユニットを含むシェーバー処理ヘッド/除毛ヘッドの一部である毛髪トリマー(として有効)である。
【0023】
一態様によれば、除毛デバイス、特に毛髪トリマー又はシェーバー又はシェーバーの毛髪トリマー部分であって、モータ及び除毛ヘッドを有するハンドルを備え、当該除毛ヘッドには、外刃及び内刃を有する、少なくとも第1の毛髪切断ユニットが設けられ、当該内刃は、外刃に対して第1の軸に沿って往復移動可能であり、当該外刃は、毛髪を切断するために当該内刃と協働する歯列を含み、各歯は、歯底から、第1の軸に直交する第2の軸に平行な歯先までの長手方向延長部を有し、第3の軸が、第1の軸及び第2の軸と直交するように画定されており、歯底は、隣接する歯底と相互接続されて歯底の列を形成し、当該歯列に歯先の列が設けられ、除毛デバイスは、互いに対向する第1及び第2の皮膚支持面であって、第1及び第2の皮膚支持面の両方の間に間隙があり、皮膚接触のために設けられた皮膚支持面を更に備え、当該第1の皮膚支持面は、歯底の列にはより近くかつ隣接し、かつ歯先の列からはより遠くに配置され、当該第2の皮膚支持面は、当該歯先の列にはより近く、かつ歯底の列からはより遠くに配置され、当該歯及び歯先には、ユーザの皮膚に面するように意図された皮膚側と、内刃に面する、反対側の歯の内側とが設けられ、当該歯の当該皮膚側は、当該第2の軸に平行に、又は当該第2の軸に平行な線に対して湾曲して歯底から歯先まで延在する、除毛デバイスが提供される。湾曲は、好ましくは凹状の曲線形状に類似している。したがって、歯は、少なくともその皮膚側に形成されたヘイフォーク形状に類似している。
【0024】
一態様によれば、歯の内側に面する側は、ハンドルから離れて第3の軸に平行な方向において上方に、及び/又は実質的に真っ直ぐに、歯底から歯先まで延在する。したがって、歯の内側は、垂直な第3の軸に沿って皮膚に向かって真っ直ぐかつ上方に成形され、歯の外側の皮膚側は、それとは異なる形状、すなわち、水平方向に平坦であるか、又はヘイフォーク状の湾曲した窪みを有するかのいずれかである。外刃の内側に面する内側切断移動刃表面のこの上向き延長部は、短い毛髪切断長を可能にし、一方
【0025】
図1には、第1の切断ユニット20の斜視図が示されており、第1の切断ユニット20は、より長い毛髪も切断するように構成されていることから、長毛トリマー切断ユニット又は長毛トリマーとも呼ばれる。第1の軸30が内刃22の移動方向に沿って第1の切断ユニットの長手方向に延びる三次元軸システムが示されている。第2の軸31が横方向に、かつ第1の軸30に垂直に延びている。第1の軸及び第2の軸の両方に垂直に、第3の軸32が垂直方向に延びている。第1の切断ユニット20は、
図1に示すように、シェーバー50(
図7を参照)の除毛ヘッド40の一部である。除毛ヘッドは、4つの切断ユニット、すなわち、外側ホイル型短毛切断ユニット42、43及び、これらの間の長毛トリマー切断ユニット20、41を含む。ここで、短毛カッターの刃は同様又は同一の設計であり、長毛トリマーは各々、異なる種類の長毛を把持し、持ち上げて切断することができるように、刃の形状が異なる。
図7に更に示されるように、当該シェーバーは、当該ヘッド40がハンドル60に対して旋回又は枢動することができるように、除毛ヘッドが移動可能に接続されているハンドル60を備える。当該ハンドルは、第1の軸30に沿ってその内刃を駆動するために除毛ヘッド40の切断ユニットに接続された回転式又はリニアモータ型のモータ70(これはハウジングの内側にあるので破線で概略的にのみ示されている)を更に備える(内刃22の動きを示す
図1の矢印29を参照)。第1の毛髪切断ユニット20は、モータ70の駆動トレインとの駆動可能な接続のための駆動カプラ28を含む。
【0026】
切断ユニット20、41、42、43は、除毛ヘッド40内に懸架されて、軸32に沿って垂直に浮いてもよく、及び/又は傾斜してもよい。
【0027】
第1の切断ユニット20の外刃21は、エッチング及び/又はPECM(pulsed electrochemical machining:パルス電気化学機械加工)によって特定の櫛歯形状が製造された、実質的に平坦な鋼板材料である。シェーバー刃の製造に使用される他の製造技術も同様に、又は代替的に使用することができる。外刃は、歯1がスロット9と交互になっているヘアコームのようにそれぞれが配置された、2つの歯列23、24を有する。各歯1は歯先3を有し、歯列23、24は、対向する歯列23、24の歯先3が互いに対向し、間隙27が両方の列を互いから隔てるように、互いに内向きに対向している。
【0028】
図2は、
図1に示す切欠きD1内の、第2及び第3の軸に平行な平面に沿った断面を示す。内刃22は、U字形に曲げられた鋼板材であり、両方のU脚18は、外側トリマーハウジング17内で内刃22を案内する役割を果たす。U字の連結部は、スライス(
図1を参照)され、垂直方向にわずかに上方に延在する内刃毛髪切断部19で構成され、これらの切断部は互いに内向きに対向し、薄いV字形のブリッジ16で連結されている。内刃22は、内刃をモータと接続する駆動トレインの一部であるドライバ要素26と接続されている。
【0029】
外刃21は、ハンドルから垂直方向に更に離れて設けられ、内刃22と協働して毛髪切断鋏動作を行うように構成されている。外刃21は、内刃22を包囲する外側トリマーハウジング17に接続されている。D1の断面切欠きによれば、
図2において、右側の歯列では、外刃は断面で示す歯1を有し、対向する左側の歯列では、外刃の互いに内向きに対向する歯列が第1の軸30に沿って相互にオフセットされているために、外刃はスロット又は開口部9を有する。
【0030】
図1及び
図2から分かるように、外刃はまた、その長手方向両端部に、皮膚に向かって垂直方向に隆起した歯のない延長部35a、35bを有する。第1の軸30に沿った中間領域には、外刃の互いに対向する歯列の間に設けられた間隙27と位置合わせされた端部窪み36a、36bが設けられている。これらの端部窪み36a、36bは、皮膚を間隙27により近付けるのに役立ち、したがって長毛をより短く切断するのに寄与する。
【0031】
外刃21の長辺外縁部には、上方に隆起し、外側に膨らんだ長手方向バー6a、6bが設けられており、この長手方向バー6a、6bの第3の軸32に沿った垂直方向にハンドルから離れた最も外側の部分が、第1及び第2の皮膚支持面4a、4bを形成する。これらのバー6a、6b並びに、外刃21の長辺に沿った第1及び第2の皮膚支持面4a、4b及び外刃21の短辺の隆起した延長部35a、35bは、フレームであって、皮膚に向かって隆起し、そのフレーム部分に対して凹んだ中央凹部37を取り囲むフレームを形成する。この中央凹部37内に、2つの歯列と、これらの列を隔てる間隙とが設けられている。
【0032】
図3は、外刃の上面図を内刃22なしで示す。外刃21は、端部が丸みを帯びた略矩形状である。図から分かるように、第1の歯列38aの歯は、内向きに対向する第2の歯列38bに対してオフセットされており、その結果、各歯1は、対向する歯列のスロット9に面している。
【0033】
図4は、スロット9を有する外刃21の左側及び歯1を有する外刃21の右側を通る、
図3の線A-Aに沿った断面図を示す。外刃21は、皮膚に面する側(
図4の上側)と、その反対側に内刃に面する側とを有する。各歯1は、歯底又は歯根7を有し、皮膚側のその自由端に向かって歯先3まで延在する。歯1の内刃に面する側に向かう縁部には、移動する内刃と協働して毛髪を切断するための鋭利な切断刃が設けられている。内刃に面する側は、実質的に逆V字形であり、Vの理論的な連結部分に間隙27を有する。したがって、歯1の内刃に面する側は平面状であり、断面が直線であり、歯底から歯先の内刃側まで上方に延びている。
【0034】
外刃21の外側の皮膚側の輪郭は、皮膚支持面の領域に凸状の丸みを有する左側の第1の歯列で始まり、その後、湾曲の種類を、外向き又は凸状の湾曲から、歯先に向かう方向に内向きに凹状となった湾曲へと変化させる。次いで、同じ輪郭が、間隙27を間に有する第2の歯列に属する反対側の歯で鏡像反転される。歯1の長手方向延長部における皮膚側のこのヘイフォーク形状は、良好な毛髪持ち上げに役立つ。
【0035】
バー6a、6bの垂直方向に最も外側の点、すなわち皮膚支持面4a、4bを接続する
図4の破線70によって分かるように、歯先3の皮膚側は破線70のレベルより下にあり、これと交差せず、これを超えて延在する。
【0036】
図5は、バー6a及び第1の皮膚支持面4aを有する外刃の一部と共に、単一の歯1の断面を概略的に示す。ここでも、第1の皮膚支持面4aと歯先3の皮膚側との間の垂直方向の高さの差hが示されており、歯先は第1の皮膚支持面よりも垂直方向に下方にある。高さの差hは、0~1mm、又は0~0.5mm、又は0.005~0.1mm、又は0.005mm~0.05mm、又は0~0.04mm、又は0.005~0.03mmである。歯先は、0.3mm未満又は0.22mm未満、又は0.2mm未満の厚さを有する。歯幅w(
図3を参照)は、0.6mm未満、又は0.5mm未満であるが、0.3mm超、又は0.35mm超である。t及びwのこれら全ての値は、最も外側の歯先から歯底に向かって、歯の長手方向延長部に沿って、又は第2の軸に沿って、0.225mmの深さmで測定される。
【0037】
間隙27は、第1の歯列23の歯先3と第2の歯列24の歯先3との間に、第2の軸31に沿って、又は歯1の長手方向延長部に平行に、好ましくは0.9~1.3mmの範囲の開口幅を有する。歯1は、第2の軸31に沿って、好ましくは1.2mm未満又は1mm未満の長手方向延長部を有する。
【0038】
図6aは、上述のような外刃設計による、対向する歯先を有する2つの歯と皮膚(
図6aでは外刃の上方に位置する)との相互作用を、
図3の断面B-Bに沿って示す。
図6aから分かるように、第2の軸に沿った方向のうちの1つにおけるシェービングストローク移動中に、皮膚は、突出した第1及び第2の皮膚支持面4a、4bの間で伸張されるが、依然として歯先3と快適に接触しているので、水平に寝た毛髪は、これらの毛髪が間隙27に入り、次いで歯1の間のスロット9に向けられた時に、把持され、持ち上げられて切断され得る。
【0039】
図6bは、第1の歯列を有する外刃の一部によって第1の皮膚支持面4aが設けられているが、第1の歯列の歯先に面する対向する歯先を有する第2の歯列は設けられていない1つの代替形態を示す。しかしながら、外向きに配向された第2の歯列が外刃に存在してもよい。第2の皮膚支持面を提供するために、ガード部材5が歯先3に面して設けられている。歯先の皮膚側とガード5(その垂直に見た最も外側の皮膚側も指す)との間の距離dは、0.4mm~2.5mm、又は1.3~2.5mmであり得る。これにより、ガードは、歯先が皮膚を直接引っ掻くこと及び毛穴に入ることを防止することができるが、皮膚は第1及び第2の皮膚接触面4a及び5上で伸張させることができる。ここでも、破線70aは、ガードと第1の皮膚接触面との理論的な接続線を示し、歯先3の皮膚側が接続線より垂直方向に下方にあることを示している。
【0040】
図6cは、上述の設計の1つによる、皮膚の水平に寝た毛髪と外刃の歯との間の相互作用を概略的に示す。毛髪は、男性の首回りでは珍しいことではないが、α=10度以下のように皮膚上に水平に寝ている場合すらあり得る。図から分かるように、上向きの歯先を形成する歯の凹状に湾曲した皮膚側は、ヘイフォークと同様に効果的であり、水平に寝た毛髪さえも持ち上げることができる。2つの対向する第1及び第2の皮膚接触面間の伸張した皮膚に対してわずかに低い歯先レベルは、これに有利に寄与する。
【0041】
図3~
図6cのいずれもが、毛髪トリマー又は除毛デバイスの内刃又は他の部分を示していないにもかかわらず、視覚化されていない全ての部分は、従来技術から知られているように、又は
図1、
図2及び
図7の文脈で上述したように提供されることに留意されたい。
【0042】
長毛トリマーの第1の切断ユニットを備える乾式電気シェーバーの文脈におけるこれらの図にもかかわらず、除毛デバイスは、例えば、トリマー又はバリカンデバイスと同様に、1列のみの協働する切断歯を有するか、歯先が互いに反対側を向いた2列の協働する切断歯を有するか、又は異なる変形形態の異なる種類のものであってもよい。外向きの歯を有する変形形態の場合、外刃の一方又は両方の歯列に対して、
図6bによるガードを設ける必要がある。
【0043】
本明細書に開示される寸法及び値は、列挙された正確な数値に厳密に限定されるものとして理解されるべきではない。その代わりに、特に指示がない限り、そのような寸法は各々、列挙された値とその値を囲む機能的に同等な範囲との両方を意味することが意図される。例えば、「40mm」と開示された寸法は、「約40mm」を意味することが意図される。
【0044】
本実施形態の開示は以下の構成を含む。
[構成1]
除毛デバイス、特に毛髪トリマー又はシェーバー又はシェーバーの毛髪トリマー部分であって、モータ(80)及び除毛ヘッド(40)を有するハンドル(60)を備え、前記除毛ヘッド(40)には、外刃(21)及び内刃(22)を有する、少なくとも第1の毛髪切断ユニット(20)が設けられ、前記内刃(22)は、前記外刃(21)に対して第1の軸(30)に沿って往復移動可能であり、前記外刃(21)は、毛髪を切断するために前記内刃(22)と協働する歯列(23、24)を含み、各歯(1)は、歯底(7)から、前記第1の軸(30)に直交する第2の軸(31)に平行な歯先(3)までの長手方向延長部を有し、第3の軸(32)が、前記第1の軸及び前記第2の軸(30、31)と直交するように画定されており、前記歯底(7)は、隣接する歯底(7)と相互接続されて歯底の列を形成し、前記歯列(23、24)に歯先(3)の列が設けられ、
前記除毛デバイスは、互いに対向する第1及び第2の皮膚支持面(4a、4b、5)であって、第1及び第2の皮膚支持面(4a、4b、5)の両方の間に間隙(27)があり、皮膚接触のために設けられた皮膚支持面(4a、4b、5)を更に備え、前記第1の皮膚支持面(4a、4b、5)は、前記歯底の列にはより近くかつ隣接し、かつ前記歯先の列からはより遠くに配置され、前記第2の皮膚支持面(4b、5)は、前記歯先の列にはより近く、かつ前記歯底の列からはより遠くに配置され、前記歯(1)及び前記歯先(3)には、ユーザの皮膚に面するように意図された皮膚側と、前記内刃(22)に面する、反対側の歯の内側とが設けられた、除毛デバイスにおいて、
前記歯先(3)の前記皮膚側は、前記第3の軸(32)に平行かつ前記ハンドル(60)に向かう方向において、前記第1及び第2の皮膚支持面(4a、4b、5)の少なくとも1つよりも下方に設けられ、および/又は、前記歯先(3)の前記皮膚側は、前記第2の軸(31)に平行な、前記第1及び第2の皮膚支持面(4a、4b、5)の間の接続線(70、70a)と交差しないように、又はこれを越えて延在するように構成され、前記第1の皮膚支持面(4a)と前記歯先(3)との間の前記皮膚側の輪郭線(2)が、前記第2の軸(31)に平行に延在し、かつ前記歯(1)の前記皮膚側に凹状に湾曲した部分を含むことを特徴とする、除毛デバイス。
[構成2]
前記第1及び第2の皮膚支持面(4a、4b、5)のうちの少なくとも1つは、前記歯先(3)の前記皮膚側に対する高さの差(h)が0~1mm、又は好ましくは0~0.5mmであるように設けられている、構成1に記載の除毛デバイス。
[構成3]
前記第1及び第2の皮膚支持面(4a、4b、5)のうちの少なくとも1つは、前記歯先(3)の前記皮膚側に対する高さの差(h)が0.005~0.1mmであるように設けられている、構成2に記載の除毛デバイス。
[構成4]
前記歯先(3)は、厚さが前記第3の軸(32)に平行な方向において0.2mm未満であり、幅が前記第1の軸(30)に平行な方向において0.5mm未満であり、前記歯先の最も外側の点から測定して、前記第2の軸(31)に平行な方向における歯底(7)までが0.225mmである、構成1~3のいずれか一項に記載の除毛デバイス。
[構成5]
前記歯(1)は、歯底(7)から前記第2の軸(31)に平行な前記歯の長手方向延長部に沿って歯先(3)までの前記歯の長さが、3mm未満、2mm未満、又は1mm未満であるように構成されている、構成1~4のいずれか一項に記載の除毛デバイス。
[構成6]
前記第1の皮膚支持面(4a)と前記歯先(3)との間の前記皮膚側の前記輪郭線(2)は、前記第2の軸(31)に平行に延在し、前記第1の皮膚支持面(4a)に凸状に湾曲した部分を含み、および/又は、前記歯(1)の前記皮膚側が窪みを含む、構成1~5のいずれか一項に記載の除毛デバイス。
[構成7]
前記歯先(3)と前記第2の皮膚支持面(4b、5)との間の前記第2の軸(31)に平行な線に沿った距離dが1~2.5mmである、構成1~6のいずれか一項に記載の除毛デバイス。
[構成8]
前記外刃(21)は、前記歯底(7)が互いに反対側を向いた2つの歯列(23、24)を含み、1つの歯列(23、24)の隣接する歯(1)は当該隣接する歯の間のスロット(9)によって隔てられており、双方の歯列は前記間隙(27)によって隔てられている、構成1~7のいずれか一項に記載の除毛デバイス。
[構成9]
前記外刃(21)の双方の歯列(23、24)は、前記1つの歯列(23、24)の前記歯先(3)が前記対向する歯列(23、24)のスロット(9)に面するように互いにオフセットされている、構成8に記載の除毛デバイス。
[構成10]
前記皮膚側の形状が、双方の歯列(23、24)の全ての歯(1)で同じである、構成8又は9に記載の除毛デバイス。
[構成11]
前記外刃(21)は1枚の鋼板部分から作製され、前記第1及び第2の皮膚支持面(4a、4b)は、前記第1の軸(30)に平行な外縁部分と、前記歯列の前記長手方向延長部との両方で前記外刃(21)の一部として延在する、構成8~10のいずれか一項に記載の除毛デバイス。
[構成12]
前記第1の皮膚支持面(4a)は、前記第1の軸(30)に平行に延在する外縁部分で前記外刃(21)の一部を形成し、前記第2の皮膚支持面(5)は、前記第1の軸にも平行に延在するガード部材として構成され、特に前記ガード部材は、前記第2の皮膚支持面で凸状に形成されている、構成1~7のいずれか一項に記載の除毛デバイス。
[構成13]
前記除毛デバイスは、全て横並びに配置された少なくとも2つの更なる毛髪切断ユニットを含むシェーバー処理ヘッドの一部である毛髪トリマーである、構成1~12のいずれか一項に記載の除毛デバイス。
[構成14]
3つの前記毛髪切断ユニットの各々は、他の毛髪切断ユニットとは異なるように設計され、および/又は異なる毛髪切断刃ユニットを有する、構成13に記載の除毛デバイス。
[構成15]
除毛デバイス、特に毛髪トリマー又はシェーバー又はシェーバーの毛髪トリマー部分であって、モータ(80)及び除毛ヘッド(40)を有するハンドル(60)を備え、前記除毛ヘッド(40)には、外刃(21)及び内刃(22)を有する少なくとも第1の毛髪切断ユニット(20)が設けられ、前記内刃(22)は、前記外刃(21)に対して第1の軸(30)に沿って往復移動可能であり、前記外刃(21)は、毛髪を切断するために前記内刃(22)と協働する歯列(23、24)を含み、各歯(1)は、歯底(7)から、前記第1の軸(30)に直交する第2の軸(31)に平行な歯先(3)までの長手方向延長部を有し、第3の軸(32)が、前記第1の軸及び前記第2の軸(30、31)と直交するように画定されており、前記歯底(7)は、隣接する歯底(7)と相互接続されて歯底の列を形成し、前記歯列(23、24)に歯先の列が設けられ、
前記除毛デバイスは、互いに対向する第1及び第2の皮膚支持面(4a、4b、5)であって、第1及び第2の皮膚支持面(4a、4b、5)の両方の間に間隙(27)があり、皮膚接触のために設けられた皮膚支持面(4a、4b、5)を更に備え、前記第1の皮膚支持面(4a、4b、5)は、前記歯底の列にはより近くかつ隣接し、かつ前記歯先の列からはより遠くに配置され、前記第2の皮膚支持面(4b、5)は、前記歯先の列にはより近く、かつ前記歯底の列からはより遠くに配置され、前記歯(1)及び前記歯先(3)には、ユーザの皮膚に面するように意図された皮膚側と、前記内刃(22)に面する反対側の歯の内側とが設けられた、除毛デバイスにおいて、
前記歯(1)の前記皮膚側は、前記第2の軸(31)に平行な線に対して湾曲した輪郭(2)で歯底(7)から歯先(3)まで延在することを特徴とする、除毛デバイス。
[構成16]
前記内刃(22)に面する前記歯の前記内側に面する側は、前記ハンドル(60)から離れて前記第3の軸(32)に平行な方向において上方に、および/又は実質的に真っ直ぐに、歯底(7)から前記歯先の前記内側まで延在する、構成1~15のいずれか一項に記載の除毛デバイス。
[構成17]
前記歯の皮膚側はヘイフォーク形状であり、および/又は凹形状部分を含む、構成1~16のいずれか一項に記載の除毛デバイス。