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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-05-13
(45)【発行日】2024-05-21
(54)【発明の名称】物流作業を実行するための施設及び方法
(51)【国際特許分類】
   B65G 1/137 20060101AFI20240514BHJP
   G06Q 10/083 20240101ALI20240514BHJP
【FI】
B65G1/137 A
G06Q10/083
【請求項の数】 8
(21)【出願番号】P 2022172625
(22)【出願日】2022-10-27
(65)【公開番号】P2024064206
(43)【公開日】2024-05-14
【審査請求日】2022-10-27
(73)【特許権者】
【識別番号】521418528
【氏名又は名称】アリー ロジスティック プロパティ カンパニー,リミテッド
(73)【特許権者】
【識別番号】522422539
【氏名又は名称】艾立運能股▲ふん▼有限公司
【氏名又は名称原語表記】ALLY TRANSPORT SYSTEM CO., LTD.
【住所又は居所原語表記】No. 1, Ln. 1, Fengzilai Rd., Ruifang Dist., New Taipei City 22449, Taiwan
(74)【代理人】
【識別番号】110002262
【氏名又は名称】TRY国際弁理士法人
(72)【発明者】
【氏名】穰 穎堅
(72)【発明者】
【氏名】呉 恆波
(72)【発明者】
【氏名】林 ▲すあん▼伯
【審査官】板澤 敏明
(56)【参考文献】
【文献】特開2020-196131(JP,A)
【文献】特表2021-507857(JP,A)
【文献】特表2021-529712(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2015/0151912(US,A1)
【文献】特開2021-185111(JP,A)
【文献】特表2022-527287(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B65G 1/00 - 1/20
G06Q 10/083
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
フロアと、前記フロアに定義されている複数のエリアとを含み、前記エリアは、仕分け領域と、前記仕分け領域に連通する出荷領域とを含む倉庫施設と、
前記仕分け領域の複数の設置点に固定して設置され、仕分けロボットと、前記仕分けロボットの周囲に位置する複数の第1配置点と、第2配置点とを含む複数の再積込みステーションと、
それぞれ、未仕分けの在庫コンテナを前記再積込みステーションに移送するように構成される複数の第1自律型運搬車と、
それぞれ、積み込む対象となる製品コンテナを移送するように構成される複数の第2自律型運搬車と、
前記仕分けロボット、前記第1自律型運搬車及び前記第2自律型運搬車と通信して接続されるサーバとを含み、且つ、
前記サーバは注文組み合わせを受信するステップであって、前記注文組み合わせは複数の注文を含み、前記注文はそれぞれ複数種のパラメータを含むステップと、
前記サーバは前記注文組み合わせの前記複数のパラメータに基づいて、前記複数の注文を履行するために前記第1自律型運搬車及び前記第2自律型運搬車の移動すべき最短距離と前記仕分けロボットの操作すべき最小回数との間の最良のバランスを計算して、複数の仕分けモードの中から1つを選んで実行するステップとを実行するように構成される、物流作業を実行するための施設。
【請求項2】
前記複数の仕分けモードは、
前記第1自律型運搬車は最初に前記未仕分けの在庫コンテナを前記再積込みステーションの前記第1配置点に移送し、次に前記第2自律型運搬車は積み込む対象となる前記製品コンテナを前記再積込みステーションの前記第2配置点に移送し、且つ、前記仕分けロボットは前記複数の注文に基づいて前記在庫コンテナ内の商品を前記製品コンテナに移動させる第1仕分けモードと、
前記第2自律型運搬車は最初に積み込む対象となる前記製品コンテナを前記再積込みステーションの前記第1配置点に移送し、次に前記第1自律型運搬車は前記未仕分けの在庫コンテナを前記再積込みステーションの前記第2配置点に移送し、且つ、前記仕分けロボットは前記複数の注文に基づいて前記在庫コンテナ内の商品を前記製品コンテナに移動させる第2仕分けモードと、を含む、請求項1に記載の施設。
【請求項3】
前記倉庫施設は前記仕分け領域に連通する保存領域をさらに含み、前記保存領域には保存棚アレイが設置されており、前記保存棚アレイには複数の前記在庫コンテナが配置されている、請求項1又は2に記載の施設。
【請求項4】
前記サーバは、計算ユニットと、保存ユニットと、送信ユニットとを含み、前記保存ユニットは、前記注文組み合わせを保存するために用いられ、前記計算ユニットは、前記複数のパラメータで計算して前記最良のバランスを得、前記送信ユニットは前記最良のバランスに基づいて前記仕分けロボット、前記第1自律型運搬車及び前記第2自律型運搬車を制御して前記仕分けモードを実行させる、請求項1又は2に記載の施設。
【請求項5】
前記パラメータは、物品種類、物品サイズ及び物品数量のいずれか又はその組み合わせを含む、請求項1又は2に記載の施設。
【請求項6】
フロアと、前記フロアに定義されている複数のエリアとを含み、前記エリアは、仕分け領域と、前記仕分け領域に連通する出荷領域とを含む倉庫施設と、
前記仕分け領域の複数の設置点に固定して設置され、仕分けロボットと、前記仕分けロボットの周囲に位置する複数の第1配置点及び少なくとも1つの第2配置点とを含む複数の再積込みステーションと、
それぞれ、未仕分けの在庫コンテナを前記再積込みステーションに移送するように構成される複数の第1自律型運搬車と、
それぞれ、積み込む対象となる製品コンテナを移送するように構成される複数の第2自律型運搬車と、
前記仕分けロボット、前記第1自律型運搬車及び前記第2自律型運搬車と通信して接続されるサーバとを含み、且つ、複数の仕分けモードの中から1つを選んで実行するように構成され、前記複数の仕分けモードは、
前記第1自律型運搬車は最初に前記未仕分けの在庫コンテナを前記再積込みステーションの前記第1配置点に移送し、次に前記第2自律型運搬車は積み込む対象となる前記製品コンテナを前記再積込みステーションの前記第2配置点に移送し、且つ、前記仕分けロボットは数の注文に基づいて前記在庫コンテナ内の商品を前記製品コンテナに移動させる第1仕分けモードと、
前記第2自律型運搬車は最初に積み込む対象となる前記製品コンテナを前記再積込みステーションの前記第1配置点に移送し、次に前記第1自律型運搬車は前記未仕分けの在庫コンテナを前記再積込みステーションの前記第2配置点に移送し、且つ、前記仕分けロボットは数の注文に基づいて前記在庫コンテナ内の商品を前記製品コンテナに移動させる第2仕分けモードと、
前記第1自律型運搬車は第1在庫コンテナを前記再積込みステーションの前記第1配置点に移送し、前記第2自律型運搬車は第2在庫コンテナを前記再積込みステーションの前記第2配置点に移送し、且つ、前記仕分けロボットは前記第1在庫コンテナの商品と前記第2在庫コンテナの商品を交換する第3仕分けモードとを含む、物流作業を実行するための施設。
【請求項7】
前記倉庫施設は前記仕分け領域に連通する保存領域をさらに含み、前記保存領域には保存棚アレイが設置されており、前記保存棚アレイには複数の前記第1在庫コンテナ及び複数の前記第2在庫コンテナが配置されている、請求項6に記載の施設。
【請求項8】
サプライチェーンの商品供給源から1つ又は複数のコンテナを請求項1又は6に記載の施設に輸送するステップと、
前記施設は前記複数のコンテナに仕分け作業を行うステップと、
前記仕分け作業を経た前記複数のコンテナを前記サプライチェーンの下流点に輸送するステップとを含む、物流作業を実行するための方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、物流作業を実行するための施設及び方法に関し、特に、仕分けモードを動的に調整する物流作業を実行するための施設及び方法に関する。
【背景技術】
【0002】
貨物の運送と保管は、物流作業の重要な部分であり、物流の効率とコストに影響を与える。ネットワークの構成の複雑化、市場のグローバル化、サプライヤーの形態や消費者のニーズなどの要因の影響で、物流業者、製造業者及び輸出入業者は、物流作業でますます大きなチャレンジに直面するようになる。
【0003】
注文の処理で言えば、顧客の注文に基づいてピッキングとタリーを行う作業は、物流作業の作業時間とコストに占める割合が高い。従来の搬送プロセスの殆どでは、既に無人化自動設備が導入されているが、各自動化設備を互いに効果的に連動させられなければ、ハードウェアコストが増えるだけで、作業効率と各設備の稼働率を実際に改善することができない。また、モノのインターネットの発展及び各業界のサプライチェーンの高度な分業により、物流作業が製品又は商品のサプライチェーンで重要な位置づけを得る。サプライチェーンの各ステーションの間又はステーション内の貨物の運送と保管でも、上記の課題が存在している。
【0004】
そこで、どうすれば、自動化搬送設備に基づいて、各ハードウェア設備を効率的に連動させられるかは、特に重要である。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明は、上記の課題を解決するために、物流作業を実行するための施設及び方法を提供し、物品を搬送する自律型運搬車の移動する距離又は時間を減らし、且つ、各ステーションのアイドル状態を減らすことによって、搬送と出荷の効率を効果的に高めることができる。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、上記の目的を達成するために、物流作業を実行するための施設を提供し、当該施設は、フロアと、当該フロアに定義されている複数のエリアとを含み、当該エリアは、仕分け領域と、当該仕分け領域に連通する出荷領域とを含む倉庫施設と、当該仕分け領域の複数の設置点に固定して設置され、仕分けロボットと、当該仕分けロボットの周囲に位置する複数の第1配置点と、第2配置点とを含む複数の再積込みステーションと、それぞれ、未仕分けの在庫コンテナを当該再積込みステーションに移送するように構成される複数の第1自律型運搬車と、それぞれ、積み込む対象となる製品コンテナを移送するように構成される複数の第2自律型運搬車と、当該仕分けロボット、当該第1自律型運搬車及び当該第2自律型運搬車と通信して接続されるサーバとを含み、且つ、当該サーバは注文組み合わせを受信するステップであって、当該注文組み合わせは複数の注文を含み、当該注文はそれぞれ複数種のパラメータを含むステップと、当該サーバは当該注文組み合わせの当該複数のパラメータに基づいて、当該複数の注文を履行するために当該第1自律型運搬車及び当該第2自律型運搬車の移動すべき最短距離と当該仕分けロボットの操作すべき最小回数との間の最良のバランスを計算して、複数の仕分けモードの中から1つを選んで実行するステップとを実行するように構成される。
【0007】
本発明は、上記の目的を達成するために、さらに、物流作業を実行するための施設を提供し、当該施設は、フロアと、当該フロアに定義されている複数のエリアとを含み、当該エリアは、仕分け領域と、当該仕分け領域に連通する出荷領域とを含む倉庫施設と、当該仕分け領域の複数の設置点に固定して設置され、仕分けロボットと、当該仕分けロボットの周囲に位置する複数の第1配置点及び少なくとも1つの第2配置点とを含む複数の再積込みステーションと、それぞれ、未仕分けの在庫コンテナを当該再積込みステーションに移送するように構成される複数の第1自律型運搬車と、それぞれ、積み込む対象となる製品コンテナを移送するように構成される複数の第2自律型運搬車と、当該仕分けロボット、当該第1自律型運搬車及び当該第2自律型運搬車と通信して接続されるサーバとを含み、且つ、複数の仕分けモードの中から1つを選んで実行するように構成される。
【0008】
本発明は、上記の目的を達成するために、さらに、サプライチェーンの商品供給源から1つ又は複数のコンテナを前記施設に輸送するステップと、当該施設は当該複数のコンテナに仕分け作業を行うステップと、当該仕分け作業を経た当該複数のコンテナを当該サプライチェーンの下流点に輸送するステップとを含む、物流作業を実行するための方法を提供する。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】本発明の物流作業を実行するための施設の構成模式図である。
図2】本発明の保存棚アレイの模式図である。
図3】本発明の物流作業を実行するための施設の一例の構成模式図である。
図4】本発明の物流作業を実行するための施設の別の例の構成模式図である。
図5】本発明の物流作業を実行するための施設のさらに別の構成模式図である。
図6】本発明の第1実施例の物流作業を実行するステップのプロセス模式図である。
図7】本発明の第2実施例の物流作業を実行するステップのプロセス模式図である。
図8】本発明の第3実施例の物流作業を実行するステップのプロセス模式図である。
図9】本発明の一実施例の物流作業の実行の模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
本明細書で使用される用語は、本発明を限定せず、特定の実施例を説明することを目的とする。文脈で明記されない限り、本明細書で使用される単数形の「1つ」及び「当該」には複数形も含まれる。
【0011】
本明細書は、フローチャートの形で、実施例に基づいて実行するステップを説明し、なお、各ステップは必ずしも本明細書で説明されているのと全く同じ順番で実行するとは限らない。むしろ、当該複数のステップは、逆の順番で又は同時の処理で実行されてもよい。さらに、別のステップをプロセスに加え、又はそれらのプロセスから特定の1つ又は複数のステップの操作を削除してもよい。
【0012】
図1及び図2を参照し、図1は、本発明の物流作業を実行するための施設の構成模式図である。本発明は、物流作業を実行するための施設を開示し、当該施設は、倉庫施設10と、保存棚アレイ20と、複数の再積込みステーション30(container reload station)と、複数の第1自律型運搬車41と、複数の第2自律型運搬車42と、サーバ50とを含み、本実施例で、第1自律型運搬車41は、仕分ける対象となる商品を移動させるために用いられ、第2自律型運搬車42は、仕分けていた商品を移動させるために用いられ、商品の仕分けは、再積込みステーション30によって行われる。下記では保存棚アレイ20を含むという前提で説明するが、本発明はこれに限定されず、別の実施例では、保存棚アレイ20なしで、即ちクロスドッキング(Cross docking)を採用してもよい。下記の各例は、例を挙げて倉庫施設10の異なる構成を説明する。
【0013】
異なる例として、倉庫施設10に位置する再積込みステーション30の構成形態は異なってもよい。特定の実施例で、1つの倉庫施設10の再積込みステーション30、第1自律型運搬車41、第2自律型運搬車42(以下、これらをまとめて「仕分け搬送モジュール」という)は、共同で異なる時間に、異なる注文の状況に基づいて異なる仕分けモードを実行してもよいし(例えば、A期間でいずれも第1仕分けモードを実行し、B期間でいずれも第2仕分けモードを実行する)、あるいは特定の実施例で、1つの倉庫施設10の当該仕分け搬送モジュールは、同じ時間に、一部が特定の仕分けモードを実行し、もう一部が別の仕分けモードを実行してもよい(例えば、A期間に、一部の当該仕分け搬送モジュールは当該第1仕分けモードを実行し、一部の当該仕分け搬送モジュールは当該第2仕分けモードを実行する)。言い換えれば、当該仕分け搬送モジュールは、作業目的によって、その作業方式を動的に調整して、異なる作業方式の組み合わせを利用して効率の最適化を果たす。サーバ50は、動的な注文組み合わせ、対応する商品の特徴、積み重ねた商品の安定性、キャリアの積載効率、注文商品の輸送時間の制限などの要因及び/又は制限に基づき、注文を履行するための最短時間(若しくは最も正確な時間)、又は在庫商品の最良の荷積み効率(スペースの最低使用)、又はそれらの組み合わせを実現するために、最適な仕分けモードを計算することができる。
【0014】
倉庫施設10は、フロアFと、フロアFに定義されている複数のエリアとを含み、当該エリアは、仕分け領域11と、出荷領域12と、保存領域13と、コンテナ保管領域14とを含み、出荷領域12、保存領域13及びコンテナ保管領域14はそれぞれ仕分け領域11に連通する。保存棚アレイ20は保存領域13に設置されており、保存棚アレイ20には複数の在庫コンテナ60が配置されており、在庫コンテナ60は、パレット、プラスチック製収納箱、カートン、収容箱、収容ボックス又は別の形態の容器であってもよい。コンテナ保管領域14には複数の製品コンテナ70(注文箱ともいう)が配置されており、製品コンテナ70は、顧客の注文した物品を収容するように構成され、製品コンテナ70の形態は、収納箱、出荷カートン、陳列棚などであってもよい。一例では、1つの製品コンテナ70が1つの注文に関連付けられ、製品コンテナ70は当該注文の商品を収容するために用いられる。
【0015】
本発明の一実施例の保存棚アレイの模式図である図2を併せて参照する。保存棚アレイ20は、保存領域13に固定して設置され、且つ、保存棚アレイ20は複数の多段保存棚21を含む。一例では、多段保存棚21は複数にして互いに積み重ねて並ぶように保存領域13に設置されてもよく、多段保存棚21は、フレーム211と、フレーム211に設置される複数の仕切り板212とを含み、仕切り板212は、複数の在庫コンテナ60を担持するために用いられる。
【0016】
在庫コンテナ60は、複数の商品を配置するために用いられ、なお、当該商品には複数の種類があり、1つの在庫コンテナ60内に配置される当該商品は一般に同じであるが、異なる在庫コンテナ60内に配置される当該商品は商品の数量及び保管スペースによって同じでもよいし異なってもよいということが理解できる。下記の実施例では、説明の便宜上、次のように規定する。在庫コンテナ60は、少なくとも1つの第1在庫コンテナ61と1つの第2在庫コンテナ62とを含み、第1在庫コンテナ61は、1つの第1容器611と、少なくとも1つの第1商品612とを含み、第1商品612は第1容器611に配置され、第2在庫コンテナ62は1つの第2容器621と、少なくとも1つの第2商品622とを含み、第2商品622は第2容器621に配置される。なお、第1容器611と第2容器621は、異なる又は同じ積載量又は収容量を有する。
【0017】
一例では、多段保存棚21は、自動化機械構造(不図示)を含んでもよく、当該自動化機械構造は、在庫コンテナ60を第1自律型運搬車41に移送するために用いられる。又は、第1自律型運搬車41は、自動化機械構造(不図示)を含んでもよく、当該自動化機械構造は、多段保存棚21から在庫コンテナ60を取得できる。
【0018】
再積込みステーション30は、予め仕分け領域11の複数の設置点に固定して設置され、再積込みステーション30は、複数の第1配置点31と、1つの第2配置点32と、1つの仕分けロボット33とを含む。第1配置点31及び第2配置点32は仕分けロボット33の周囲に位置し、仕分けロボット33は、例えば、自動化ロボットアームとして実現されてもよく、本発明はこれに限定されず、仕分けロボット33は、任意の可能な機械機構として実現されてもよく、且つ、再積込みステーション30は、サーバ50と通信して接続される。
【0019】
第1自律型運搬車41は、仕分け領域11と保存領域13との間に設定され、それぞれ、未仕分けの在庫コンテナ60を再積込みステーション30に移送して仕分け作業を行わせる。第2自律型運搬車42は、仕分け領域11、出荷領域12とコンテナ保管領域14の間に設定され、それぞれ、積み込む対象となる製品コンテナ70を再積込みステーション30に移送して積み込み作業を行わせ、そして積み込まれた製品コンテナ70を出荷領域12に移送する。第1自律型運搬車41及び第2自律型運搬車42は、例えば、無人搬送車(Automation Guided Vehicle、AGV)として実現されてもよい。
【0020】
サーバ50は、仕分けロボット33、第1自律型運搬車41及び第2自律型運搬車42と通信して接続され、且つ、サーバ50は、計算ユニット51と、送信ユニット52と、保存ユニット53とを含む。
【0021】
上から見ると、保存領域13は、仕分け領域11の上方に位置し、出荷領域12及びコンテナ保管領域14は、それぞれ、仕分け領域11の両側に設けられ、さらに、再積込みステーション30は対向して並ぶように仕分け領域11に設置され、且つ、複数の再積込みステーション30の間には、第1自律型運搬車41及び第2自律型運搬車42が通行できるように、走行路15が設置される。
【0022】
図3を参照すると、本実施例の一例で、仕分け領域11は、それぞれ、保存領域13に近い端から保存領域13から離れた端に延伸している複数の細長い仕分け領域11a、11b、11c、11dを含む。複数の仕分け領域11a、11b、11c、11dは、並んで設置される。本実施例で、図1と比べると、仕分け領域11がさらに複数のサブエリアに分割され、且つ当該サブエリア内及びその間にはいずれも当該自律型運搬車が移動するための通路が設定され、このようにして、複数の仕分け領域11a、11b、11c、11d(サブエリア)はそれぞれ且つ独立して異なる仕分けモードを同時に実行することができ、異なる仕分けモードの組み合わせによって、最良の利用効率を得る。仕分けモードの操作の詳細について以下に詳しく説明する。
【0023】
図4を参照すると、本実施例の別の例で、仕分け領域11は、リング状のエリアとして構成され、このようにして、再積込みステーション30は、リング状に並んで仕分け領域11に設置される。
【0024】
図5を参照すると、本実施例のさらに別の例で、仕分け領域11は、フロアFの中央エリアに沿って略U字状の構成として形成され、仕分け領域11は、第1部分と、第2部分と、第3部分とを含み、当該第1部分は、保存領域13に近く、当該第2部分と当該第3部分は、それぞれ、当該第1部分の両端から保存領域13から遠ざかる方向に向かって延伸して構成される。当該中央エリアは、コンテナ保管領域14として構成されてもよく、仕分け領域11とコンテナ保管領域14との間には、第1自律型運搬車41及び第2自律型運搬車42が通行できるように、走行路15が設置される。保存領域13は、フロアFの仕分け領域11の周縁の一部に沿って設置してするように構成され、出荷領域12は、仕分け領域11の周縁に位置し且つ保存領域13の側から離れている。
【0025】
上記で説明した当該施設の構成は、所定の期間内で受け取った複数の注文の内容に基づき、複数の仕分けモードの中から最良の効率を得る1つを動的に選ぶためのものである。あるいは、当該施設の構成として可能であれば、1つの当該施設内において、2つ以上の仕分けモードを同時に実行して、当該施設の稼働に最良の効率を得るようにしてもよい。例えば、図3の例で、仕分け領域11a、11cが当該第1仕分けモードを実行し、仕分け領域11b、11dが当該第2仕分けモードを実行するようにしてもよい。
【0026】
前記施設は、サプライチェーンのサプライヤー、商品提供者又は物流サービス業者が貨物を運送及び保管するために用いる物流貯蔵システムであってもよく、本発明は、上記に挙げた施設の例に基づいて、下記で説明する操作を実行する。本発明の第1実施例の物流作業を実行するステップのプロセス模式図である図6を参照し、図6に示す方法は、前記いずれかの例の施設に基づいて実行できる。
【0027】
最初に、サーバ50は、注文組み合わせ(ステップS101)を受信し、当該注文組み合わせは、複数の注文、例えば、所定の期間内の大量の注文を含み、当該注文組み合わせのデータが保存ユニット53に保存されてもよい。当該注文はそれぞれ複数種のパラメータを含み、さらに、当該注文は、様々な情報、例えば、注文者情報を含んでもよく、当該パラメータは、物品種類、物品サイズ及び物品数量のいずれか又はその組み合わせを含む。本例は、当該施設を物品購入注文を処理するために用いるのを例に挙げて説明する。なお、物品購入注文を実行しない物流貯蔵システムの場合に、当該注文組み合わせは別の適切な情報、例えば、出荷指示又は配送指示に置き換えられてもよいということが理解できる。
【0028】
サーバ50は、当該注文組み合わせの当該複数のパラメータに基づいて最良のバランスを計算して(ステップS102)、複数の仕分けモードの中から1つを選んで実行する。当該最良のバランスは、サーバ50の計算ユニット51が当該パラメータに基づいて、当該複数の注文(又は当該複数の指示)を履行するために第1自律型運搬車41及び第2自律型運搬車42の移動すべき最短距離と仕分けロボット33の操作すべき最小回数の組み合わせとして計算される。計算ユニット51は、当該最良のバランスの結果に基づいて複数の指令を生成し、送信ユニット52によって仕分けロボット33、第1自律型運搬車41及び第2自律型運搬車42に送信することによって、対応する仕分けモードを実行するよう指示する。当該最良のバランスは最適化計算によって得られる。
【0029】
一例では、当該複数の仕分けモードは、第1仕分けモード及び第2仕分けモードの少なくとも1つを含んでもよい。
【0030】
当該第1仕分けモードにおいて、第1自律型運搬車41は最初に複数の当該未仕分けの在庫コンテナ60を再積込みステーション30の複数の第1配置点31に移送し、次に第2自律型運搬車42は積み込む対象となる製品コンテナ70を再積込みステーション30の第2配置点32に移送し、且つ、仕分けロボット33は当該複数の注文に基づいて在庫コンテナ60内の商品を製品コンテナ70に移動させる。例えば、当該注文組み合わせの商品種類が多く且つ種類ごとの商品数量が少なく、又は1つの当該注文が、複数の在庫コンテナ60内に位置する異なる商品を含む(即ち1つの注文の商品種類が多い)場合には、当該第1仕分けモードを実行するのが適切であり、最初に複数の種類の商品を仕分けロボット33の周囲の複数の第1配置点31に配置することによって、仕分けロボット33は注文に基づいて複数の種類の商品を1つの製品コンテナ70に移すことが可能になる。
【0031】
当該第2仕分けモードにおいて、第2自律型運搬車42は最初に積み込む対象となる製品コンテナ70を再積込みステーション30の第1配置点31に移送し、次に第1自律型運搬車41は当該未仕分けの在庫コンテナ60を再積込みステーション30の第2配置点32に移送し、且つ、仕分けロボット33は当該複数の注文に基づいて在庫コンテナ60内の商品を製品コンテナ70に移動させる。例えば、当該注文組み合わせの商品種類が少なく且つ種類ごとの商品数量が多いか、複数の当該注文が在庫コンテナ60内に位置する同じ商品を含む(即ち1つの注文は同じ商品の数量が多い)場合には、当該第2仕分けモードを実行するのが適切であり、最初に複数の製品コンテナ70を仕分けロボット33の周囲の複数の第1配置点31に配置することによって、仕分けロボット33は注文に基づいてわずかな種類か単一種類の大量の商品を複数の製品コンテナ70に移すことが可能になる。
【0032】
仕分けロボット33、第1自律型運搬車41及び第2自律型運搬車42が指示を受け取った後、当該第1仕分けモード、当該第2仕分けモードから1つを選んで実行し、又は、仕分けロボット33、第1自律型運搬車41及び第2自律型運搬車42の一部は当該第1仕分けモードを実行し、仕分けロボット33、第1自律型運搬車41及び第2自律型運搬車42のもう一部は当該第2仕分けモードを実行する(即ち同時に実行する)(ステップS103)。
【0033】
本発明の第2実施例の物流作業を実行するステップを示す図7を参照し、図7に示す方法は、前記いずれかの例の施設に基づいて実行されてもよく、次のステップを含む。
サーバ50は、注文組み合わせ及び在庫データに関するパラメータを受信する(ステップS201)。
【0034】
サーバ50は、注文組み合わせ及び当該在庫データのパラメータに基づいて最良のバランスを計算して、複数の仕分けモードの中から1つを選んで実行する(ステップS202)。一例では、当該複数の仕分けモードは、当該第1仕分けモード、当該第2仕分けモード及び第3仕分けモードの少なくとも2つを含んでもよい。
【0035】
当該第3仕分けモードにおいて、第1自律型運搬車41は第1在庫コンテナ61を再積込みステーション30の第1配置点31に移送し、第2自律型運搬車42は第2在庫コンテナ62を再積込みステーション30の第2配置点32に移送し、且つ、仕分けロボット33は第1在庫コンテナ61と第2在庫コンテナ62の商品を搬送して交換する。なお、当該第3仕分けモードを採用する場合には、一部の第1配置点31は第2配置点32とされてもよく、即ち第1配置点31と第2配置点32はそれぞれ複数であるということが理解できる。実際の用途としては、当該第3仕分けモードとはニーズにより特定の商品をある規格の容器から別の規格の容器に移し替えることであり、例えば、後の輸送に備え、特定の商品を大サイズのパレットから小サイズのパレットに移送することである。
【0036】
本発明の第3実施例の物流作業を実行するステップのプロセス模式図である図8を参照し、図8に示す方法は、前記いずれかの例の施設に基づいて実行されてもよく、次のステップを含む。
S301で、サプライチェーンの商品供給源から1つ又は複数のコンテナを前記いずれかの例の施設に輸送する。
【0037】
S302で、当該施設は当該複数のコンテナに仕分け作業を行う。
【0038】
S303で、当該仕分け作業を経た当該複数のコンテナを当該サプライチェーンの下流点に輸送する。当該下流点は、別の前記施設、店舗、最終顧客であってもよく、言い換えれば、当該サプライチェーンは、複数の当該施設によって当該仕分け作業を行うことができ、各当該施設のサーバ50は中央コンピュータに接続されてもよく、当該中央コンピュータは、最良の仕分けモードを計算し、複数の当該注文組み合わせを複数のグループに分けて、最適な当該施設に配ることによって、当該最良の仕分けモードで仕分けを行うために用いられる。さらに、当該施設内の無人キャリア(即ち第1自律型運搬車41、第2自律型運搬車42)がロボットアーム(即ち仕分けロボット33)に結合されている他に、当該サプライチェーンの上流から下流までの間の各ステーションでの搬送の方も、例えば、自動運転トラック又は自動運転貨物車を用いることによって、完全無人化サプライチェーンを形成させることが可能である。
【0039】
S304で、最後に当該下流点に位置する当該複数のコンテナを当該商品供給源に回収する。このようにして、当該複数のコンテナを繰り返し利用して、環境保全と持続可能の目的を達成できる。
【0040】
図9を併せて参照し、図9にはサプライチェーン80が示される。サプライチェーン80は、商品供給源81と、自動貯蔵施設82と、仕分け施設83と、店舗84と、最終顧客85とを含む。商品供給源81は、生産工場、サプライヤーであってもよく、自動貯蔵施設82は、仕分け施設83に組み込まれてもよいし、又は図9に示すように分離且つ独立したハードウェアであってもよいし、又は、サプライチェーン80では自動貯蔵施設82が省略されてもよい。次に、自動貯蔵施設82が存在することを例に挙げて説明する。
【0041】
商品供給源81が商品を下流に輸送しようとする時に、最初に、一時保存のために、当該複数のコンテナで自動貯蔵施設82に輸送する。続いて、商品が収容されている当該複数のコンテナが仕分け施設83に送られ、そして仕分け施設83は、前述したように、仕分け作業を経て所望により店舗84又は最終顧客85に送る。
【0042】
一例では、同じ配送地域の複数の注文に基づいて、当該複数のコンテナで当該複数の商品の輸送を行う時には、当該複数のコンテナを目標エリアの仕分け施設83(又は店舗84若しくは最終顧客85)に輸送して、仕分けが完了すると、当該複数のコンテナを元の保存場所に戻すことで、循環と繰り返し利用を実現できる。さらに、当該複数のコンテナの循環では、コンピュータシステムが各ノードの保管量及び供給を管理する。
【0043】
前述したように、本発明において開示される施設は、特定の搬送プロセスに限定されず、動的にニーズに基づいて、異なる仕分けモードを切り替えることができる。注文のニーズを満たすことに関しては、注文が大量にあるという性質上、最も効率的な仕分けモード及びプロセスを提供できる。さらに、異なる規格の容器を入れ替える仕分けモード(前記第3仕分けモード)を加えることで、出荷のニーズを満たすこともできる。当該複数の仕分けモードの入れ替えを利用して、ハードウェアの運用の柔軟性と効率を最大にする。
【符号の説明】
【0044】
10 倉庫施設
11、11a、11b、11c、11d 仕分け領域
12 出荷領域
13 保存領域
14 コンテナ保管領域
15 走行路
20 保存棚アレイ
21 多段保存棚
211 フレーム
212 仕切り板
30 再積込みステーション
31 第1配置点
32 第2配置点
33 仕分けロボット
41 第1自律型運搬車
42 第2自律型運搬車
50 サーバ
51 計算ユニット
52 送信ユニット
53 保存ユニット
60 在庫コンテナ
61 第1在庫コンテナ
611 第1容器
612 第1商品
62 第2在庫コンテナ
621 第2容器
622 第2商品
70 製品コンテナ
80 サプライチェーン
81 商品供給源
82 自動貯蔵施設
83 仕分け施設
84 店舗
85 最終顧客
F フロア
S101、S102、S103、S201、S202 ステップ
S301、S302、S303、S304 ステップ
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9