(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-05-13
(45)【発行日】2024-05-21
(54)【発明の名称】蓋本体組立体及び調理器具
(51)【国際特許分類】
A47J 27/00 20060101AFI20240514BHJP
【FI】
A47J27/00 103B
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2022187466
(22)【出願日】2022-11-24
【審査請求日】2022-11-25
(31)【優先権主張番号】202221333188.8
(32)【優先日】2022-05-30
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(73)【特許権者】
【識別番号】515117198
【氏名又は名称】佛山市▲順▼▲徳▼区美的▲電▼▲熱▼▲電▼器制造有限公司
【氏名又は名称原語表記】FOSHAN SHUNDE MIDEA ELECTRICAL HEATING APPLIANCES MANUFACTURING CO., LTD.
【住所又は居所原語表記】San Le Road #19,Beijiao,Shunde Foshan,Guangdong 528311 China
(74)【代理人】
【識別番号】100141139
【氏名又は名称】及川 周
(74)【代理人】
【識別番号】100205785
【氏名又は名称】▲高▼橋 史生
(74)【代理人】
【識別番号】100203297
【氏名又は名称】橋口 明子
(74)【代理人】
【識別番号】100175824
【氏名又は名称】小林 淳一
(74)【代理人】
【識別番号】100135301
【氏名又は名称】梶井 良訓
(72)【発明者】
【氏名】▲羅▼ ▲飛▼▲龍▼
(72)【発明者】
【氏名】胡 修▲澤▼
(72)【発明者】
【氏名】▲羅▼ ▲シン▼
(72)【発明者】
【氏名】▲龍▼ ▲韋▼▲韋▼
(72)【発明者】
【氏名】黄 ▲韋▼▲銘▼
(72)【発明者】
【氏名】邱 金生
(72)【発明者】
【氏名】▲劉▼ 化勇
(72)【発明者】
【氏名】瞿 月▲紅▼
(72)【発明者】
【氏名】羊 小▲亮▼
(72)【発明者】
【氏名】潘 嘉健
【審査官】木村 麻乃
(56)【参考文献】
【文献】特開2010-214038(JP,A)
【文献】特開2006-247372(JP,A)
【文献】中国特許出願公開第111012208(CN,A)
【文献】登録実用新案第3143015(JP,U)
【文献】国際公開第2018/179050(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A47J 27/00-27/64
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
調理器具に適用される蓋本体組立体であって、
前記蓋本体組立体は、
パネル蓋とパネル板とを備える蓋本体であって、前記パネル板と前記パネル蓋とが互いに被装されて外部と連通する取付空間を囲んで形成しており、前記パネル蓋の前記パネル板に面する面には導風溝が設けられ、前記導風溝の溝底壁に前記調理器具の調理チャンバと連通する空気通過口が開けられ、前記パネル板が前記導風溝の溝口を閉じて導風ダクトを形成している蓋本体と、
前記取付空間に設置されている送風モジュールであって、前記調理チャンバが前記空気通過口、前記導風ダクト及び前記送風モジュールを経由して外部環境と気体を交換するように、前記導風ダクトの前記空気通過口から離れた一端と連通する送風モジュールと、
を備え
、
前記パネル蓋の前記パネル板に向かう面には位置制限溝が凹設され、前記位置制限溝の溝側壁には前記導風溝と連通する導通口が開けられ、前記送風モジュールは、前記位置制限溝内に設置され、前記導通口と連通することを特徴とする蓋本体組立体。
【請求項2】
前記導風溝の前記空気通過口に位置する一端の溝壁は、前記導風溝から離れる側へ凹設された弧面を形成している
ことを特徴とする請求項1に記載の蓋本体組立体。
【請求項3】
前記パネル蓋の前記パネル板に向かう面にはシール溝が設けられており、前記シール溝の溝底壁に導風リブが凸設されており、
前記導風リブが前記シール溝の周方向に沿って繞設されて前記導風溝を囲んで形成しており、前記導風リブと前記シール溝の溝側壁の少なくとも一部とが間隔をおいて設置されてシール隙間を形成しており、前記パネル板は前記シール溝に被せられている
ことを特徴とする請求項1に記載の蓋本体組立体。
【請求項4】
前記シール溝の溝底壁にはさらに補強リブが凸設されており、前記補強リブは前記シール溝の溝側壁と前記導風リブとの間に設けられ、前記シール溝の溝側壁と前記導風リブとにそれぞれ接続されている
ことを特徴とする請求項3に記載の蓋本体組立体。
【請求項5】
前記送風モジュールは渦流遠心ファンであり、前記渦流遠心ファンの空気吸込口が前記パネル板に向かって設置され、前記パネル板から間隔をおいて設置されており、前記渦流遠心ファンの空気排出口は、外部の空気を前記調理チャンバに導入するように、前記導通口に向かって設置されている
ことを特徴とする請求項
1に記載の蓋本体組立体。
【請求項6】
前記蓋本体はさらに内蓋を備え、前記内蓋は前記パネル蓋の前記パネル板から離れた側に覆設されて、前記パネル蓋とで囲んで外部環境と連通する導風空間を形成し、前記内蓋には前記空気通過口と連通する内蓋貫通孔が開けられ、前記位置制限溝の溝壁には前記導風空間と前記位置制限溝とを連通させるファン空気吸込口が開けられている
ことを特徴とする請求項
5に記載の蓋本体組立体。
【請求項7】
前記蓋本体にはさらに蒸気ダクトが設けられており、前記蒸気ダクトは一端が前記パネル蓋に貫設され、他端が前記パネル板に貫設されており、前記調理チャンバ内の気体が前記蒸気ダクトを通して流出し、
且つ/又は、前記蓋本体組立体はさらに一方向弁が設けられ、気体が前記送風モジュールから前記調理チャンバへ一方向に導通するように、前記一方向弁は前記空気通過口に設置されている
ことを特徴とする請求項
5に記載の蓋本体組立体。
【請求項8】
前記パネル板は前記パネル蓋と取り外し可能に接続されている
請求項
1に記載の蓋本体組立体。
【請求項9】
器具本体及び請求項1から
8までの何れか一項に記載の蓋本体組立体を含むことを特徴とする、調理器具。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本願は調理器具の技術分野に関するものであり、特に蓋本体組立体及び調理器具に関するものである。
【背景技術】
【0002】
保存中に米が老化すると、炊飯の加熱段階で老化米から老化臭い物質が揮発し、鍋の外に適時排出しなければ、最終的に米飯の臭い匂いにつながる。例示的な技術では、ファンなどの送風モジュールを用いて調理チャンバ内に空気を供給することで、調理チャンバ内の老化臭い物質を流出させるようにしているが、送風モジュールと協働するための部品を追加する必要があるため、組立工程が増加し、生産効率が低下する
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
本発明の主な目的は、調理器具の組立工程を簡略化し、生産効率を向上させることを意図する蓋本体組立体及び調理器具を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0004】
上記の目的を達成するために、本発明は蓋本体組立体を提案し、前記蓋本体組立体は、
パネル蓋とパネル板とを備える蓋本体であって、前記パネル板と前記パネル蓋とが互いに被装されて外部と連通する取付空間を囲んで形成しており、前記パネル蓋の前記パネル板に面する面には導風溝が設けられ、前記導風溝の溝底壁に前記調理器具の調理チャンバと連通する空気通過口が開けられ、前記パネル板が前記導風溝の溝口を閉じて導風ダクトを形成している蓋本体と、
前記取付空間に設置されている送風モジュールであって、前記調理チャンバが前記空気通過口、前記導風ダクト及び前記送風モジュールを経由して外部環境と気体を交換するように、前記導風ダクトの前記空気通過口から離れた一端と連通する送風モジュールと、を備える。
【0005】
本願の蓋本体組立体の一実施例において、前記導風溝の前記空気通過口に位置する一端の溝壁は、前記導風溝から離れる側へ凹設された弧面を形成している。
【0006】
本願の蓋本体組立体の一実施例において、前記パネル蓋の前記パネル板に向かう面にはシール溝が設けられており、前記シール溝の溝底壁に導風リブが凸設されており、前記導風リブが前記シール溝の周方向に沿って繞設されて前記導風溝を囲んで形成しており、前記導風リブと前記シール溝の溝側壁の少なくとも一部とが間隔をおいて設置されてシール隙間を形成している。
【0007】
前記パネル板は、前記シール溝に被せられている。
【0008】
本願の蓋本体組立体の一実施例において、前記シール溝の溝底壁にはさらに補強リブが凸設されており、前記補強リブは前記シール溝の溝側壁と前記導風リブとの間に設けられ、前記シール溝の溝側壁と前記導風リブとにそれぞれ接続されている。
【0009】
本願の蓋本体組立体の一実施例において、前記パネル蓋の前記パネル板に向かう面には位置制限溝が凹設され、前記位置制限溝の溝側壁には前記導風溝と連通する導通口が開けられ、前記送風モジュールは、前記位置制限溝内に設置され、前記導通口と連通する。
【0010】
本願の蓋本体組立体の一実施例において、前記送風モジュールは渦流遠心ファンであり、前記渦流遠心ファンの空気吸込口が前記パネル板に向かって設置され、前記パネル板から間隔をおいて設置されており、前記渦流遠心ファンの空気排出口は、外部の空気を前記調理チャンバに導入するように、前記導通口に向かって設置されている。
【0011】
本願の蓋本体組立体の一実施例において、前記蓋本体はさらに内蓋を備え、前記内蓋は前記パネル蓋の前記パネル板から離れた側に覆設されて、前記パネル蓋とで囲んで外部環境と連通する導風空間を形成し、前記内蓋には前記空気通過口と連通する内蓋貫通孔が開けられ、前記位置制限溝の溝壁には前記導風空間と前記位置制限溝とを連通させるファン空気吸込口が開けられている。
【0012】
本願の蓋本体組立体の一実施例において、前記蓋本体にはさらに蒸気ダクトが設けられており、前記蒸気ダクトは一端が前記パネル蓋に貫設され、他端が前記パネル板に貫設されており、前記調理チャンバ内の気体が前記蒸気ダクトを通して流出し、
且つ/又は、前記蓋本体組立体はさらに一方向弁が設けられ、気体が前記送風モジュールから前記調理チャンバへ一方向に導通するように、前記一方向弁は前記空気通過口に設置されている。
【0013】
本願の蓋本体組立体の一実施例において、前記パネル板は前記パネル蓋と取り外し可能に接続されている。
【0014】
本願はさらに、器具本体と上記の何れか一項に記載の蓋本体組立体とを備える調理器具を提案する。
【0015】
本発明の技術案によれば、蓋本体のパネル蓋に導風溝を設けることにより、蓋本体組立体を組み立てる際に、パネル蓋とパネル板とで互いに囲んで気流を案内する導風ダクトを自然に形成している。このようにして、送風モジュールをパネル蓋とパネル板との間の取付空間に取り付けるだけでよく、送風モジュールと嵌合するための部品を追加的に組み付ける必要がないため、蓋本体組立体の部品構成、蓋本体組立体と調理器具の組立工程が簡略化され、生産効率を効果的に向上させることができる。
【0016】
本発明の実施例及び従来技術の技術案をより明確に説明するために、以下では、実施例又は従来技術の説明に必要とされる添付図面を簡単に紹介する。下記説明における添付図面は本考案の一部の実施例に過ぎないことは明らかであって、当業者にとって、創造的な労働を行わないことを前提に、これらの添付図面に示す構造に基づいて他の添付図面を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【
図1】本発明の調理器具の一実施例の構成図である。
【
図3】
図1の調理器具の蓋が開いた状態の構成図である。
【
図4】本発明の蓋本体組立体の一実施例のパネル板が取り外された構成図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
添付図面を参照して、実施例と組み合わせて本発明の目的の実現、機能特徴及び長所をさらに説明する。
【0019】
以下では、本発明の実施例における添付図面と組み合わせ、本発明の実施例における技術案を明確且つ完全に説明する。説明される実施例は本発明の全ての実施例ではなく、本発明の一部の実施例に過ぎないことは、明らかである。本発明における実施例に基づいて、当業者が創造的な労働を行わないことを前提に得られた全ての他の実施例は、本発明の保護する範囲に属す。
本発明の実施例での全ての方向性指示(例えば上、下、左、右、前、後...)は、当該方向性指示はある特定の姿勢(添付図面に示す)における各部品間の相対的位置関係、移動状況等を説明するためだけに用いられ、もし当該特定の姿勢が変わる場合、当該方向性指示もそれ相当に変わることは説明しておく必要がある。
【0020】
本発明において、別途明確な規定や限定がない限り、「接続」、「固定」などの術語は広義に理解すべきである。例えば、「固定」は固定的な接続でもよく、取り外し可能な接続でもよく、或いは一体としてもよい。機械的接続でもよく、電気的接続でもよい。直接つながってもよく、中間にある媒介によって間接的につながってもよく、二つの素子内部の連通或いは二つの素子の相互作用関係であってもよい。当業者にとって、具体的な状況により上記術語の本発明における具体的な意味を理解できる。
【0021】
また、本発明の実施例において「第一」、「第二」等の説明は説明のために利用されるだけであって、その相対的重要性を提示又は暗示する、或いは提示される技術的特徴の数を暗示的に指定するように理解すべきではない。これにより、「第一」、「第二」に限定された特徴は明示的或いは暗示的に少なくとも一つの当該特徴を含んでもよい。
【0022】
また、各実施例の技術案は互いに組み合わせることができる。ただし、当業者が実現できることはその基礎である。技術案の組み合わせに矛盾が生じるか、実現できない場合には、このような技術案の組み合わせが存在せず、且つ本発明が保護を求めようとする範囲にないと理解すべきである。
【0023】
本発明は調理器具1000の組立工程を簡略化し、生産効率を向上させることができる蓋本体組立体100及び調理器具1000を提案する。
【0024】
以下、具体的な実施例について、本願の態様を説明する。
【0025】
図3から
図6を参照し、本願の蓋本体組立体100のいくつかの実施例において、前記蓋本体組立体100は、
パネル蓋11とパネル板12とを備える蓋本体10であって、前記パネル板12と前記パネル蓋11とが互いに被装されて外部と連通する取付空間121を囲んで形成しており、前記パネル蓋11の前記パネル板12に面する面には導風溝113が設けられ、前記導風溝113の溝底壁に前記調理器具1000の調理チャンバ29と連通する空気通過口111が開けられ、前記パネル板12が前記導風溝113の溝口を閉じて導風ダクト15を形成している蓋本体10と、
前記取付空間121に設置されている送風モジュール30であって、前記調理チャンバ29が前記空気通過口111、前記導風ダクト15及び前記送風モジュール30を介して外部環境と気体を交換するように、前記導風ダクト15の前記空気通過口111から離れた一端と連通する送風モジュール30と、を備える。
【0026】
本願が提案する調理器具1000は、炊飯器、オンオイルフライヤ、電気ポット、高速ブレンダ、オーブンなどを含むが、それらに限定されない。調理器具1000は器具本体200と、器具本体200に覆設された蓋本体組立体100とを備える。蓋本体組立体100と器具本体200とで囲んで調理チャンバ29を形成している。この場合、蓋本体組立体100を開くだけで、使用者が食べ物を出し入れできるように調理チャンバ29を開放させることできる。蓋本体組立体100と器具本体200との間の接続方式は、フリップカバーであってもよく、着脱可能な接続又は引き出し式の挿接構造であってもよいが、ここでは限定しない。さらに、本願の蓋本体組立体100には、調理チャンバ29が外部環境と気体を交換するように、送風モジュール30が設けられている。一方では、調理中の老化臭い物質を鍋の外に排出して、米飯の匂いに対する老化臭い物質の影響を低減することができる。他方では、調理チャンバ29の内部と外部の気体を流通させることにより、調理チャンバ29内の温度降下過程を速めて、使用者が食べやすいように、食べ物の温度を食事の適温まで迅速に下げることができる。
【0027】
さらに、本発明にかかる蓋本体10は、互いに被装されるパネル蓋11とパネル板12とを備え、パネル板12はパネル蓋11の外面に被せられ、外観部品として使用できる。本実施例において、パネル蓋11内には片側が開口した収容溝が形成されており、パネル板12が収容溝の溝口に被せられて、パネル板12とで囲んで外部と連通する取付空間121を形成している。この場合、パネル板12が収容溝の溝口を完全に閉じずに隙間があってもよく、パネル板12またはパネル蓋11に外部と連通する連通口が開けられていてもよい。また、収容溝の溝底壁には、導風溝113が設けられており、導風溝113は導風溝113の長手方向に沿って互いに離間された二つの端部を有する。一方の端部の溝底壁には、導風溝113と調理空間とを連通させる空気通過口111が設けられ、導風溝113の他方の端部は送風モジュール30と連通する。パネル板12は、収容溝の溝口に覆設されるとともに導風溝113の溝口を閉じて、導風溝113によって送風モジュール30と空気通過口111とを連通させる導風ダクト15を形成する。すなわち、本実施例において、蓋本体組立体100を組み立てる際に、パネル蓋11とパネル板12とで互いに囲んで気流を案内する導風ダクト15を自然に形成している。このようにして、送風モジュール30をパネル蓋11とパネル板12との間の取付空間121に取り付けるだけでよく、送風モジュール30と嵌合するための部品を追加的に組み付ける必要がないため、蓋本体組立体100の部品構成、蓋本体組立体100と調理器具1000の組立工程が簡略化され、生産効率を効果的に向上させることができる。
【0028】
なお、本実施例において、送風モジュール30は、外部の気体を調理チャンバ29内に送り込むようにしてもよく、この場合、送風モジュール30の空気排出口33を導風ダクト15に連通させ、取付空間121内の気体を抽出して、気体を導風ダクト15及び空気通過口111を介して調理チャンバ29内に入れる。もちろん、送風モジュール30は、調理チャンバ29内の気体を抽出して外に排出するようにしてもよく、この場合、送風モジュール30の空気吸込口31が導風ダクト15と連通することにより、調理チャンバ29内の気体が空気通過口111及び導風ダクト15を順次通って外に流出する。なお、従来の場合、調理器具1000の調理チャンバ29は完全な密閉状態にあるわけではなく、蓋本体組立体100と器具本体200との間に隙間がある場合や、蓋本体10に調理チャンバ29と外部環境とを連通させる通路が設けられている場合がある。この場合、送風モジュール30によって調理チャンバ29に空気を吹き入れたり、調理チャンバ29内の気体を抽出したりすると、調理チャンバ29内において、内部の気圧変化により、蓋本体組立体100と器具本体200との間存在する隙間、又は蓋本体10に設けられた調理チャンバ29と外部環境とを連通させる通路を介して、外部へ排気したり、外部の気体を吸い込んだりして、気体交換を行うことができる。
【0029】
したがって、本発明の技術案によれば、蓋本体10のパネル蓋11に導風溝113を設けることにより、蓋本体組立体100を組み立てる際に、パネル蓋11とパネル板12とで互いに囲んで気流を案内する導風ダクト15を自然に形成している。このようにして、送風モジュール30をパネル蓋11とパネル板12との間の取付空間121に取り付けるだけでよく、送風モジュール30と嵌合するための部品を追加的に組み付ける必要がないため、蓋本体組立体100の部品構成、蓋本体組立体100と調理器具1000の組立工程が簡略化され、生産効率を効果的に向上させることができる。
【0030】
いくつかの実施例において、蓋本体組立体100はさらに制御モジュール90を備え、制御モジュール90は、制御プログラムを記憶し、制御指令を受信又は生成して、対応する動作を実行するように対応する機能モジュールを制御するように構成されている。制御モジュール90は取付空間121に設置され、導線35を介して送風モジュール30と接続されており、取付空間121を合理的に利用するとともに、制御モジュール90に対する保護機能を果たし、制御モジュール90の性能の安定性を保証する。
【0031】
図7を参照し、本願の蓋本体組立体100の一実施例において、前記導風溝113の前記空気通過口111に位置する一端の溝壁は、前記導風溝113から離れる側へ凹設された弧面を形成している。
【0032】
本実施例において、導風溝113の空気通過口111に位置する一端の溝壁に、前記導風溝から離れる側へ凹設された弧面を形成させている。空気通過口111が導風溝113の溝底壁に設けられているため、この場合、導風溝113の空気通過口111に位置する一端の溝側壁を溝底壁と垂直に設置すると、気流が導風ダクト15から空気通過口111に入る際に、気流はまず溝側壁にぶつかり、あるいは、空気通過口111から導風ダクト15に入る際に、気流がパネル板12に直接ぶつかり、ぶつかった気流の一部が元の方向に戻り、大きなエネルギー散逸を伴う逆流領域や渦を形成するため、気流が導風ダクト15に沿って安定して流れなくなり、調理チャンバ29と外部環境との間の気体交換に影響してしまう。導風溝113の空気通過口111に位置する一端の溝壁に、導風溝113から離れた側へ凹設された弧面を形成させることは、すなわち、導風ダクト15と空気通過口111との間に流線型の気流案内面が存在するようにすることで、気流が衝撃逆流現象を起こすことなく、弧面に沿って空気通過口111と通風ダクト15との間を遷移することができ、気流は、空気通過口111と通風ダクト15とを安定して通過することができるので、エネルギー散逸を減少させ、換気効率を向上させる。
【0033】
図3と
図4を参照し、本願の蓋本体組立体100の一実施例において、前記パネル蓋11の前記パネル板12に向かう面にはシール溝118が設けられており、前記シール溝118の溝底壁に導風リブ114が凸設されており、前記導風リブ114が前記シール溝118の周方向に沿って囲繞するように設置されることで前記導風溝113を囲んで形成しており、前記導風リ114と前記シール溝118の溝側壁の少なくとも一部とが間隔をおいて設置されてシール隙間を形成している。前記パネル板12は、前記シール溝118に被せられている。
【0034】
本実施例において、パネル蓋11のパネル板12に向かう面にはシール溝118が設けられており、シール溝118の溝底壁に導風リブ114が凸設されており、導風リブ114が上記導風溝113を囲んで形成しており、シール溝118の溝側壁の少なくとも一部と導風リ114とが間隔をおいて設置されてシール隙間を形成している。パネル板12をパネル蓋11の収容溝の溝口に被装すると、パネル板12がシール溝118を閉じる。この場合、シール溝118と導風リブ114とで二次シールを形成して、気密性を強化する役割を果たすので、導風ダクト15内の気流が外へ漏れて取付空間121内に流入して換気効率に影響するのを回避することができるとともに、送風モジュール30が調理チャンバ29内の蒸気を抽出する際に、蒸気が取付空間121内に入り込んで他の部品を侵食することを回避することもできる。
【0035】
図3と
図5を参照し、本願の蓋本体組立体100の一実施例において、前記シール溝118の溝底壁にはさらに補強リブ119が凸設されており、前記補強リブ119は前記シール溝118の溝側壁と前記導風リブ114との間に設けられ、前記シール溝118の溝側壁と前記導風リブ114とにそれぞれ接続されている。
【0036】
本実施例において、シール溝118の溝底壁には補強リブ119が凸設されており、補強リブ119はシール溝118の溝側壁と導風リブ114との間に設けられ、シール溝118の溝側壁と導風リブ114とにそれぞれ接続されている。補強リブ119を設置することにより、導風リブ114の構造的強度を効果的に高めて、加工や組立時に導風リブ114が破損したり変形したりして、組立完了後の導風ダクト15の気密性への影響を回避することができる。いくつかの実施例において、補強リブ119が複数設けられており、構造的強度をさらに補強する役割を果たして、全体としての構造安定性と気密性を保証するために、複数の補強リブ119は導風リブ114の長手方向に沿って間隔をおいて設置されている。
【0037】
図4と
図5を参照し、本願の蓋本体組立体100の一実施例において、前記パネル蓋11の前記パネル板12に向かう面には位置制限溝115が凹設され、前記位置制限溝115の溝側壁には前記導風溝113と連通する導通口115aが開けられ、前記送風モジュール30は、前記位置制限溝115内に設置され、前記導通口115aと連通する。
【0038】
本実施例において、パネル蓋11のパネル板12に向かう面に送風モジュール30を取り付けるための制限溝115が形成されており、位置制限溝115の溝側壁に導風溝113の一端と連通する導通口115aが開けられているので、送風モジュール30が位置制限溝115内に設置された場合、送風モジュール30の空気排出口33が導通口115aに向かって設置されているので、他の接続構造を設けることなく、送風モジュール30によって抽出された外部気流を導風溝113内に直接吹き入れることができる。また、位置制限溝115を設けることにより、送風モジュール30の取付空間121における設置位置の安定性を向上させて、蓋本体組立体100全体の構造安定性を向上させることができる。
【0039】
図4と
図5を参照し、本願の蓋本体組立体100の一実施例において、前記送風モジュール30は渦流遠心ファンであり、前記渦流遠心ファンの空気吸込口31が前記パネル板12に向かって設置され、前記パネル板12から間隔をおいて設置されており、前記渦流遠心ファンの空気排出口33は、外部の気体を前記調理チャンバ29に導入するように、前記導通口11aに向かって設置されている。
【0040】
本実施例において、送風モジュール30は、渦流遠心ファンであり、渦流遠心ファンは、ボリュートケーシングと、ボリュートケーシング内に設置された羽根車とを備えており、ボリュートケーシングの内部には風路が設けられ、ボリュートケーシングの片側には内部の風路と連通する吸気口が形成され、ボリュートケーシングの巻き始め部には、排気口112が形成されている。この場合、渦流遠心ファンの吸気口は、パネル板12に向かって設置されているとともに、吸気口が位置する平面とパネル板12とが間隔をあけて設置されて空気吸込隙間が形成されているので、渦流遠心ファンの運転時に、渦流遠心ファンの吸気口側とパネル板12との間に空気層が形成されるようにし、吸気口側の空間が密閉されることで空気が順調に流れられず、安定した気流を形成できないことを回避し、気流が調理チャンバ29内へ安定して導かれて注入されることを保証し、気体交換効率を向上させることができる。
【0041】
また、動力源として渦流遠心ファンを用いるので、占有スペースが小さく、蓋本体10の内部空間を占有することが少なく、レイアウトが容易になる。渦流遠心ファンは、比較的少ない仕事量で比較的大きな風量を実現でき、しかも騒音が小さくて良い静粛効果を有する。好ましくは、渦流遠心ファンの回転速度を2000r/min~6000r/minとし、この範囲内の回転速度によって比較的大きな風量と静粛効果を実現できる。
【0042】
いくつかの実施例において、パネル板12には表示窓122が開けられており、使用者が渦流遠心ファンの羽根車の回転状態を容易に観察できるように、表示窓122は渦流遠心ファンの空気排出口33に対向して設けられている。
【0043】
図6を参照し、本願の蓋本体組立体100の一実施例において、前記蓋本体10はさらに内蓋13を備え、前記内蓋13は前記パネル蓋11の前記パネル板12から離れた側に覆設されて、前記パネル蓋11とで囲んで外部環境と連通する導風空間133を形成し、前記内蓋13には前記空気通過口111と連通する内蓋貫通孔131が開けられ、前記位置制限溝115の溝壁には前記導風空間133と前記位置制限溝115とを連通させるファン空気吸込口117が開けられている。
【0044】
本実施例において、蓋本体組立体100はさらに内蓋13を備え、内蓋13はパネル蓋11のパネル板12から離れた側に覆設されて、パネル蓋11とで囲んで外部環境と連通する導風空間133を形成しているとともに、渦流遠心ファンと位置制限溝115とが間隔をおいて設置されており、位置制限溝115の溝壁には導風空間133と位置制限溝115とを連通させるファン空気吸込口117が開けられている。こうして、渦流遠心ファンは、それぞれ取付空間121と導風空間133を介して、外部の気流を抽出することができる。パネル板12をパネル蓋11に覆設したときに位置制限溝115の溝口を閉じると、渦流遠心ファンは順に、空気吸込隙間、位置制限溝115の溝壁とファンと間の隙間、ファン空気吸込口117、及び導風空間133を介して気流を抽出して調理チャンバ29内に注入することもできる。このように構成することで、渦流遠心ファンは取付空間121から抽気することがないので、位置制限溝115が閉じられずに抽気する際に位置制限溝115と導風溝113との間の導通口115aで発生する気流乱れ現象により、導風ダクト15内の送風過程に影響するのを回避することで、送風モジュール30での空気吸込と送風の安定性を保証する。
【0045】
図5を参照し、本願の蓋本体組立体100のいくつかの実施例において、前記位置制限溝115の側壁には位置制限リブ116が凸設されており、前記位置制限リブ116は前記位置制限溝115の深さ方向に沿って徐々に内側へ傾斜しており、前記渦流遠心ファンは、前記位置制限溝115の溝壁と間隔をおいて配置されるように、前記位置制限リブ116に支持されている。
【0046】
本実施例において、前記位置制限溝115の溝側壁には位置制限リブ116が凸設されており、位置制限リブ116の一つの側面は、位置制限溝115の深さ方向に沿って位置制限溝115の中央部に向かって徐々に傾斜している。位置制限リブ116は複数設けられており、複数の位置制限リブ116は位置制限溝116の周方向に間隔をおいて配置されている。この場合、送風モジュール30が位置制限溝115に設置されると、送風モジュール30は位置制限リブ116上に支持されるので、送風モジュール30が制限溝115の溝側壁及び溝底壁のいずれとも間隔をおいて配置されることになり、構造が簡単で取り付けが容易であり、送風モジュール30と位置制限溝115との間に空気吸込隙間と連通する十分な隙間を設けて、送風モジュール30が安定して気流を抜き取ることができることを保証する。
【0047】
図2を参照し、本願の蓋本体組立体100の一実施例において、前記蓋本体10にはさらに蒸気ダクト17が設けられており、前記蒸気ダクト17は一端が前記パネル蓋11に貫設され、他端が前記パネル板12に貫設されており、前記調理チャンバ29内の気体が前記蒸気ダクト17を通して流出する。
【0048】
本実施例において、蓋本体組立体100内にはさらに蒸気ダクト17が設けられており、蒸気ダクト17の一端が排気口112と連通し、他端は、調理器具1000の蓋が閉まった時に外部に露出して外部環境と連通するように、蓋本体10に貫設されている。このように構成することで、調理器具1000の換気、排気又は冷却を必要とする場合、外部の空気は導風空間133、送風モジュール30、及び吸気口を順に経由して調理チャンバ29内に入り、調理チャンバ29内の気体は蒸気ダクト17を経由して直接外部へ排出され、調理チャンバ29の吸気と排気の過程が互いに影響することがないので、調理チャンバ29から取り除かれた老化臭い物質や高温ガスが再び調理チャンバ29内に引き戻される現象、すなわち気流の短絡現象の発生を回避して、調理チャンバ29の換気過程の安定性を保証できる。
【0049】
図6と
図7を参照し、本願の蓋本体組立体100の一実施例において、前記蓋本体組立体100はさらに一方向弁50を備え、気体が前記送風モジュール30から前記調理チャンバ29へ一方向に導通するように、前記一方向弁50は前記空気通過口111に設置されている。
【0050】
本実施例において、蓋本体組立体100はさらに、空気通過口111に設置された一方向弁50を備えて、一方向弁50により、気体が送風モジュール30から調理チャンバ29へ一方向にのみ流入できるようになり、調理チャンバ29内の老化臭い物質と高温蒸気が送風モジュールと取付空間121内に逆流することが原因で、取付空間121内の送風モジュール30と制御モジュール90などが蒸気に侵されて損傷することを避けるとともに、高温蒸気が取付空間121内で凝縮した液体が残り細菌が繁殖し、調理器具1000の寿命や使用時の安全性に影響することを避けることができる。
【0051】
図7を参照し、蓋本体組立体100のいくつかの実施例において、前記一方向弁50は、
前記吸気口111を覆うように設置された弁座51であって、前記空気通過口111の方向に沿って前記弁座51を貫通する弁座排気口511が開かれている弁座51と、
前記弁座排気口511に移動可能に設置された弁体53とを備え、
空気を吸い込む必要がない場合、前記弁体53によって前記弁座排気口511を閉塞して、空気を吸い込む必要がある場合、前記弁体53を退けて前記弁座排気口511を開放することで、前記調理チャンバ29に気流を入れる。
【0052】
本実施例において、気体交換の必要が無くなったときに吸気口111を閉じて調理チャンバ29内の蒸気が蓋本体10の内部空間に入ることを避けるように、蓋本体10の調理チャンバ29内へ吸気する吸気口111に一方向弁50が設けられている。具体的には、一方向弁50は弁本体と弁体53とを備え、弁本体は、吸気口111を被装するように吸気口111に取り付けられており、弁本体には、風路と調理チャンバ29とを連通させるように構成できる弁本体排気口112が設けられており、弁体53は弁本体排気口112に移動可能に設けられており、通気する必要がない場合、弁体53は弁本体排気口112を閉塞して風路と調理チャンバ29とを遮断し、通気する必要がある場合、弁体53を弁本体排気口112から退ける。
【0053】
なお、本実施例において、一方向弁50は、電気制御弁とすることができる。すなわち、弁体53の移動は、モータによる駆動または電磁吸着原理による駆動で制御できる。また、一方向弁50は、下記の実施例における、空気を吸い込む時の気流を利用して弁体53を押し開く空気弁としてもよい。本実施例において、一方向弁50の具体的な構成を限定しない。
【0054】
図7を参照し、本願の蓋本体組立体100のいくつかの実施例において、前記弁体53には逆止めパッド531が設けられており、前記逆止めパッド531は前記弁座51の空気排出側に取り付けられ、前記弁座排気口511に被せられている。
【0055】
前記逆止めパッド531は、外部の気流に押し開かれ、前記弁座排気口511を開放するか、あるいは、前記逆止めパッド531は、前記調理チャンバ29内の気流に押し付けられて、前記弁座51に貼設されて前記弁座排気口511を閉塞する。
【0056】
本実施例において、弁体53は逆止めパッド531を備え、逆止めパッド531は、略シート状であり、逆止めパッド531が力を受けていないときの初期構造によって、弁座排気口511を完全に覆うことができる。送風モジュール30によって一方向弁50に気流を吹き付ける場合、逆止めパッド531が気流に押し開かれて弁座51から離れるが、逆止めパッド531は、一定の弾性を有し、気流の押す力の作用の下で弁座51から離れる側へ弾性変形して弁座排気口511を開放することができる。一方、送風モジュール30が起動していない場合、調理チャンバ内の気流が逆止めパッド531を押し付けて弁座51に貼設することにより、弁座排気口511を閉塞し、調理チャンバ29内の気体が吸気口111から逆流するのを回避する。
【0057】
図7を参照し、本願の蓋本体組立体100のいくつかの実施例において、前記逆止めパッド531の厚さはdであり、3mm≦d≦8mmの条件を満たす。
【0058】
本実施例において、逆止めパッド531の厚さをdとして、3mm≦d≦8mmの条件を満たすようにすることで、逆止めパッド531が弁本体排気口112を閉塞するのに十分な構造的強度を有することを保証するとともに、逆止めパッド531の構造が強すぎて空気流によって押し開きにくくなることを回避する。その中で、dの厚さの値は3mm、3.5mm、4mm、4.5mm、5mm、5.5mm、6mm、6.5mm、7mm、7.5mm、8mm、或いは3mmから8mmの間の何れか一つの値を取ることができるが、それらに限定されない。d<3mmであれば、逆止めパッド531の構造的強度は比較的に小さく、送気モジュールが起動していないが、その他の原因により風路に気流が発生した場合、逆止めパッド531が押し開かれる可能性があり、また、逆止めパッド531はシリコーンゴム材質で作られることが多く、厚さが比較的小さければ、加工や成形が比較的に困難になる。d>8mmであれば、逆止めパッド531の構造的強度が高すぎて、気流によって押し開きにくいという問題が存在し、調理チャンバ29の冷却効率に影響を与える可能性がある。
【0059】
本願の蓋本体組立体100のいくつかの実施例において、前記逆止めパッド531は円形または多角形であり、前記逆止めパッド531の面積は176mm2≦S≦491mm2の条件を満たす。
【0060】
本実施例において、逆止めパッド531を円形または多角形として、逆止めパッド531の面積が176mm2≦S≦491mm2の条件を満すようにすることで、逆止めパッド531が弁本体排気口112を閉塞するのに十分な構造的強度を有することを保証するとともに、逆止めパッド531の構造が強すぎて空気流によって押し開きにくくなることを回避する。例として、逆止めパッド531を円形とすると、逆止めパッド531の直径をD1とする場合、D1は15mm≦D1≦25mmの条件を満たす。ここで、D1の値は15mm、17mm、19mm、20mm、21mm、23mm、25mm、又は15mmから25mmの間の何れか一つの値を取ることができるが、それらに限定されない。D1<15mmであれば、逆止めパッド531の面積が小さく、縁部位置が接続部533から近いため、逆止めパッド531の縁部が気流によって押し開きにくく、また、逆止めパッド531が弁本体排気口112を完全に被る必要があるので、この場合、弁本体排気口112の開口面積がそれなりに小さくなり、換気効率が低くなる。D1>25mmであれば、シール構造75全体の占有空間が比較的大きくなる。
【0061】
本願の蓋本体組立体100のいくつかの実施例において、前記弁座排気口511の前記逆止めパッド531上への投影面積をDとして、20mm2≦D≦50mm2の条件を満たす。
【0062】
本実施例において、前記弁座排気口511の前記逆止めパッド531上への投影面積をDとして、20mm2≦D≦50mm2の条件を満たすようにすることで、送風モジュール30の作動時に弁座排気口511から逆止めパッド531へ十分な気流が吹き付けられて逆止めパッド531を押し開き、気流が調理チャンバ29内に入り調理チャンバ29と気体交換を行うことで、調理チャンバ29内の老化臭い物質が流出したり、調理チャンバ29内の食べ物に対して急速な冷却処理を行ったりすることを保証する。
【0063】
図7を参照し、本願の蓋本体組立体100のいくつかの実施例において、前記弁体53はさらに接続部533を備え、前記接続部533は前記逆止めパッド531の前記弁座51に向かう側に設置され、前記逆止めパッド531の中部に位置し、前記弁座51に接続されている。
【0064】
前記弁座排気口511は、前記接続部533の部分に沿って周方向に繞設されている。
【0065】
本実施例において、弁座排気口511を弁座51の周方向に沿って繞設するとは、複数の弁座排気口511を周方向に間隔をおいて設けてもよく、連続したスプリットリング状構造の弁座排気口511を設けてもよく、ここでは限定しない。この場合、接続部533は弁座排気口511の中部に設けられており、送風モジュール30によって一方向弁50に流れるように気流を移動させるとき、縁部にある逆止めパッド531が接続部533から最も離れているため、空気流によって押し開きやすく、弁座排気口511の面積を大きくして吸気効率及び降温効率を向上させることができる。
【0066】
図7を参照し、本願の蓋本体組立体100のいくつかの実施例において、前記弁座51の前記逆止めパッド531から離れた表面には当接部513が設けられており、前記接続部533の外側壁には前記逆止めパッド531に向かう逆鉤535が凸設されており、前記接続部533は前記当接部513に貫設されており、前記逆鉤535は、前記当接部513の前記逆止めパッド531から離れた一端に掛止されている。
【0067】
本実施例において、接続部533は、略柱状構造であるので、接続部533が逆止めパッド531側から弁座51に貫設され、接続部533の外側壁には、逆止めパッド531側に向かう逆鉤535が設けられており、逆止めパッド531は当接部513の逆止めパッド531から離れる端部に掛止される。このようにして、逆鉤535と当接部513との嵌合により、弁体53を弁本体に設置できる。逆止めパッド531を押し開くように気流を逆止めパッド531に吹き付ける際も、弁体53が弁本体から抜けないことを保証し、全体の構造安定性を向上させることができる。
【0068】
図7を参照し、本願の蓋本体組立体100のいくつかの実施例において、前記弁座51の前記内蓋13に向かう面には、挿接部135と挿接溝515とのうちの一方が設けられ、前記内蓋13の前記弁座51に向かう面には、挿接部135と挿接溝515とのうちの他方が設けられ、前記挿接部135は前記挿接溝515に挿設されている。
【0069】
前述の実施形態の技術案において、パネル蓋11の調理チャンバ29に向かう側にはさらに内蓋13が覆設され、内蓋13にはパネル蓋11の吸気口111に連通する内蓋貫通孔131が開かれている。本実施例において、一方向弁50を内蓋13の内蓋貫通孔131に設置している。具体的には、一方向弁50の弁座51には、挿接部135と挿接溝515とのうちの一方が設けられ、内蓋13には、挿接部135と挿接溝515とのうちの他方が設けられることで、挿接部135を挿接溝515に挿設することにより、一方向弁50と内蓋13との間の接続強度を向上させるとともに、一方向弁50に対する位置制限の機能を果たして、一方向弁50が気流の衝撃を受けたことによる位置ずれを回避し、蓋本体組立体100の全体的な構造安定性及び気密性を向上させることができる。また、挿接部135と挿接溝515とを、空気通過口の周方向に沿って繞設して、接続強度をさらに向上させるようにしてもよい。
【0070】
さらに
図7を参照し、本願の蓋本体組立体100のいくつかの実施例において、前記一方向弁50はさらにシール部55を備え、前記シール部55は前記弁座51の前記パネル蓋11に向かう側に設けられるとともに、前記弁座51の周方向に沿って繞設されており、前記シール部55は前記弁座51と前記パネル蓋11との間に挟まれて設置されている。
【0071】
本実施例において、弁座51のパネル蓋11に向かう側にシール部55が設けられており、シール部55は吸気口111の周方向に沿って繞設されるので、一方向弁50とパネル蓋11との間をシールして、一方向弁50とパネル蓋11との間の空気漏れを避ける。シール部55は、弾性を有するものが多く、ゴムやシリコーンゴム等の材質としてもよく、パネル蓋11に密着して、全体構造の気密性を向上させることができる。
【0072】
本願の蓋本体組立体100のいくつかの実施例において、前記パネル板12は前記パネル蓋11と取り外し可能に接続されている。
【0073】
本実施例において、パネル板12とパネル蓋11とを取り外し可能に接続するとは、スナップフィット接続、ねじによる接続、ねじ込み式接続、または2種類以上の接続方法の組み合わせとすることができる。このようにして、取付空間121内の部品の修理や交換のためのパネル板12を容易に着脱させることができる。
【0074】
図2を参照し、本願の蓋本体組立体100のいくつかの実施例において、前記蓋本体組立体100はさらに可動蓋板70を備え、前記可動蓋板70は前記蓋本体10の前記器具本体200に向かう面を覆うように設置され、前記可動蓋板70には前記吸気口111に対応して設置された貫通孔71と、前記排気口112に対応して設置された蒸気口73とが開かれている。
【0075】
本実施例において、蓋本体組立体100内にはさらに可動蓋板70が設けられており、蓋本体10が器具本体200に覆設された場合、可動蓋板70は、蓋本体10の器具本体200に向かう側に被せられている。可動蓋板70の設置により、蒸気を遮断する役割を果たして、調理チャンバ29の蒸気が蓋本体10上に直接上昇して蓋本体10の温度を上昇させ、ファンや制御モジュール90等の蓋本体10の内部部品の性能に影響するのを回避できる。また、蓋本体10の昇温により蓋本体10内の風路の気体の温度が上昇して、降温効率に影響するのを避けることも可能である。可動蓋板70を設けることにより、蒸気が蓋本体10に直接上昇することを回避できるとともに、可動蓋板70と蓋本体10との間の隙間や空気の熱抵抗を利用して、調理チャンバ29の熱が蓋本体10に伝わることを阻止することができる。
【0076】
気体交換を実現するためには、調理チャンバ29と外部環境との間の気体交換に影響しないように、可動蓋板70にはさらに排気口112に対応する蒸気口73および吸気口111に対応する貫通孔71を開ける必要がある。
【0077】
図6と
図7を参照すると、本願の蓋本体組立体100のいくつかの実施例において、前記蓋本体組立体100はさらにシール構造75を備え、前記シール構造75は前記可動蓋板70と前記蓋本体10との間に挟まれるように設置されるとともに、前記貫通孔71の周方向に沿って繞設される。
【0078】
本実施例において、調理器具1000がさらにシール構造75を備え、シール構造75が可動蓋板70と蓋本体10との間に挟まれるように設置されるとともに、貫通孔71の周方向に沿って繞設されるようにすることで、可動蓋板70と蓋本体10との間の密閉性を向上させ、すなわち、空気通過口から流出した気体が可動蓋板70と蓋本体10との間に入ってから調理チャンバ29内に再び漏れて降温効率に影響することを回避するとともに、調理チャンバ29内の蒸気が貫通孔71と空気通過口との隙間から可動蓋板70と蓋本体10との間に流入して蓋本体10の温度を上昇させることを回避する。もちろん、いくつかの実施例において、蒸気口73と排気口112との間にシール構造75を設けてもよく、ここでは限定しない。
【0079】
図7を参照し、蓋本体組立体100のいくつかの実施例において、前記シール構造75は、
前記貫通孔71に挿設され、気孔が開かれた本体部751と、
前記本体部751の前記蓋本体10に向かう側に設けられ、前記貫通孔71の周方向に沿って繞設された気密部753であって、前記可動蓋板70と前記蓋本体10との間に挟まれるように設置された気密部753とを備える。
【0080】
本実施例において、シール構造75がさらに本体部751と気密部753とを備え、本体部751が貫通孔71に挿設され、気密部753が本体部751の蓋本体10に向かう側に設けられるとともに、可動蓋板70と蓋本体10との間に挟まれるように設置されて、可動蓋板70と蓋本体10との間の隙間をシールして、気密性を向上させるようにすることで、シール構造75を取り付ける際に、シール構造75を可動蓋板70の貫通孔71内に挿接してから、可動蓋板70とシール構造75と一体として蓋本体10に取り付けることかできるので、取付の利便性を向上させるが可能である。また、シール構造75を貫通孔71に挿設することにより、シール構造75と可動蓋板70および蓋本体10の接続後の位置安定性を向上させ、シール構造75が可動蓋板70と蓋本体10との間から外れたり、ずれたりしてシール効果に影響することを回避することができる。
【0081】
図7を参照し、本願の蓋本体組立体100のいくつかの実施例において、前記本体部751の外側壁には取付溝755が開けられており、前記取付溝755は前記貫通孔71の周方向に沿って繞設されており、前記貫通孔71の縁部は前記取付溝755に係設されている。
【0082】
前述した実施例の技術案において、シール構造75における本体部751の設置により、シール構造75の位置安定性及びそれによるシール効果を向上させることができる。本実施例において、本体部751の外壁に取付溝755が開けられ、貫通孔71の外側の部分を取付溝755内に係設することで、シール構造75と可動蓋板70との接続強度をさらに高め、シール構造75が可動蓋板70と蓋本体10との間から外れたり、ずれたりすることを回避する。
【0083】
図1から
図3を参照し、本願はさらに調理器具1000を提案し、前記調理器具1000は器具本体200と、上記の何れか一項に記載の蓋本体組立体100とを備え、前記蓋本体組立体100は器具本体の開口に覆設されて器具本体と囲んで前記調理チャンバ29を形成する。本願が提案する調理器具1000に前記すべての実施例のすべての技術案が適用されたので、少なくとも前記すべての技術案がもたらすすべての効果を有し、ここでは説明を省く。
【0084】
図2を参照し、本願の調理器具1000のいくつかの実施例において、前記器具本体200は、
組立空間が内部に形成され、前記組立空間が前記蓋本体10に向かう取付口を有するハウジング21と、
前記組立空間に挿設され、前記蓋本体10に向かって開口する収容溝を形成した内鍋23であって、前記開口に前記蓋本体10が覆設されて前記収容溝とで囲んで前記調理チャンバ29を形成している内鍋23と、
前記組立空間に設けられ、前記内鍋23を加熱するように構成された加熱モジュール25とを備える。
【0085】
本実施例において、器具本体200は、支持のベースとなるハウジング21と、前記ハウジング21内に設けられ、食べ物を乗せるための内鍋23とを備え、ハウジング21と内鍋23の開口は何れも蓋本体10に向かって設置され、内鍋23はハウジングの取付口を閉じる。この場合、蓋本体10がハウジング21及び内鍋23に覆設された場合、蓋本体10は内鍋23の収容溝を閉じて、前記調理チャンバ29を囲で形成し、蓋本体10の空気通過口及び蒸気口73は何れも内鍋23の開口の投影範囲内にある。同時に、ハウジング21内にはさらに加熱モジュール25が設置され、加熱モジュール25は組立空間に設けられ、内鍋23を加熱するように構成されている。
【0086】
図2を参照し、本願の調理器具1000のいくつかの実施例において、前記器具本体200はさらに感温センサ27を備え、前記感温センサ27は前記内鍋23の下方に設置され、前記内鍋23の温度を検出するように構成されている。
【0087】
本実施例において、内鍋23の下方に感温センサ27が設けられており、感温センサ27により内鍋23の温度を検出でき、感温センサ27を内鍋23に直接接触させて他の部品や環境に干渉されることなく、内鍋23や食品の温度変化を直接検知することができる。感温センサ27はまた、内鍋23の温度が高すぎる際に制御モジュール90により動作停止するように加熱モジュール25を制御して、加熱モジュール25による持続的な加熱により、内鍋23の温度が高くなり続けて安全上の危険性が生じることを回避することができる。
【0088】
以上に述べたことは本発明の好ましい実施例に過ぎず、それによって本発明の発明範囲を制限するわけではない。本発明の発明構想の下で、本発明の明細書及び添付図面の内容を利用して行った均等構造変換、或いは他の関連する技術分野への直接/間接的な応用は、何れも本発明の保護範囲に含まれる。
【符号の説明】
【0089】
1000 調理器具
100 蓋本体組立体
10 蓋本体
11 パネル蓋
111 空気通過口
112 排気口
113 導風溝
114 導風リブ
115 位置制限溝
115a 導通口
116 位置制限リブ
117 ファン空気吸込口
118 シール溝
119 補強リブ
12 パネル板
121 取付空間
122 表示窓
13 内蓋
131 内蓋貫通孔
133 導風空間
135 挿接部
15 導風ダクト
17 蒸気ダクト
30 送風モジュール
31 空気吸込口
33 空気排出口
35 導線
50 一方向弁
51 弁座
511 弁座排気口
513 当接部
515 挿接溝
53 弁体
531 逆止めパッド
533 接続部
535 逆鉤
55 シール部
70 可動蓋板
71 貫通孔
73 蒸気口
75 シール構造
751 本体部
753 気密部
755 取付溝
90 制御モジュール
200 器具本体
21 ハウジング
23 内鍋
25 加熱モジュール
27 感熱センサ
29 調理チャンバ