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特許7488339二重偏波変数基盤ブライトバンド探知結果を利用した反射因子補正方法とこれを遂行するための記録媒体および装置
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-05-13
(45)【発行日】2024-05-21
(54)【発明の名称】二重偏波変数基盤ブライトバンド探知結果を利用した反射因子補正方法とこれを遂行するための記録媒体および装置
(51)【国際特許分類】
   G01W 1/00 20060101AFI20240514BHJP
【FI】
G01W1/00 C
【請求項の数】 18
(21)【出願番号】P 2022535114
(86)(22)【出願日】2022-04-04
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2023-08-28
(86)【国際出願番号】 KR2022004786
(87)【国際公開番号】W WO2022265200
(87)【国際公開日】2022-12-22
【審査請求日】2022-06-08
(31)【優先権主張番号】10-2021-0077356
(32)【優先日】2021-06-15
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(73)【特許権者】
【識別番号】522228252
【氏名又は名称】大韓民国 気象庁長
【氏名又は名称原語表記】KOREA METEOROLOGICAL ADMINISTRATION
【住所又は居所原語表記】61,Yeouidaebang-ro 16-gil,Dongjak-gu Seoul 07062,Republic of Korea
(74)【代理人】
【識別番号】100130111
【弁理士】
【氏名又は名称】新保 斉
(72)【発明者】
【氏名】クォン、ス ヒョン
(72)【発明者】
【氏名】イ、ジョン ウン
(72)【発明者】
【氏名】ジョン、ソン ファ
【審査官】福田 裕司
(56)【参考文献】
【文献】米国特許出願公開第2015/0145717(US,A1)
【文献】韓国登録特許第10-2194427(KR,B1)
【文献】韓国登録特許第10-2113673(KR,B1)
【文献】Jeong-Eun Lee et al.,Characteristics of the Bright Band Based on Quasi-Vertical Profiles of Polarimetric Observations from an S-Band Weather Radar Network,Remote Sensing,2020年,No.12,4061,pp.1-18,DOI:10.3390/rs12244061
【文献】M.A.Rico-Ramirez et al,Correction of the bright band using dual-polarisation radar,Atmospheric Science Letters,2005年,Vol.6,PP.40-46,DOI:10.1002/asl.89
【文献】Alexander Ryzhkov et al.,Quasi-Vwertical Profiles - A New Way to Look at Polarimetric Radar Data,American Meteorological Society,2016年,Vol.33,pp.551-562,DOI:10.1175/JTECH-D-15-0020.1
【文献】中北 英一 他,最新型偏波レーダを用いた氷相降水粒子タイプの混在状態推定に関する研究,京都大学防災研究所年報,2010年,第53号B,pp.433-445
【文献】真木 雅之 他,X-バンド偏波レーダーによる降水観測技術の開発及び社会実装,天気,Vol.64,No.12,2017年,pp.849-872
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G01W 1/00~1/17
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
二重偏波変数の観測誤差を補正し偏波抑圧比(D を算出する前処理段階;
特定仰角データから生成された準鉛直プロファイルから抽出されたブライトバンド(BB)の高度を利用して、ブライトバンド(BB)と非ブライトバンド(nonBB)領域の二重偏波変数を分析して各特性変数のメンバーシップ関数(MF)および加重値を算出するファジィ分類器生成段階;
仰角別にファジィ分類器と偏波抑圧比(D を利用してブライトバンド(BB)を探知するブライトバンド探知段階;および、
仰角別にブライトバンド(BB)領域の反射因子(Z)データを平均して生成した反射因子見かけプロファイルを利用して算出した補正係数に基づいて探知されたブライトバンド(BB)領域の反射因子過大観測を補正する反射因子補正段階;を含み、
前記前処理段階は、(1)一定仰角以上である特定仰角及び特定仰角未満の仰角での二重偏波レーダの観測値から、観測誤差を補正して偏波抑圧比(D を算出し、
(2)前記一定仰角以上である特定仰角に対応する特定高度における二重偏波レーダの観測値から、準鉛直プロファイルを生成し、
前記ファジィ分類器生成段階は、(3)前記特定高度における該準鉛直プロファイルから抽出されたブライトバンド(BB)の領域を利用して、ブライトバンド(BB)と非ブライトバンド(nonBB)領域の反射因子(Z)、反射因子差(Z DR )、偏波間相関係数(ρ hv )、偏波抑圧比(D である二重偏波変数の少なくとも2つを分析し、該二重偏波変数について、該二重偏波変数の値毎の正規化された頻度であるメンバーシップ関数(MF)および二重偏波変数の値毎のブライトバンド(BB)と非ブライトバンド(nonBB)についてのメンバーシップ関数(MF)におけるグラフの下部領域が重複する部分の面積に対応する加重値を算出し、ファジィ分類器として生成し、
前記ブライトバンド探知段階は、(4)特定仰角未満の仰角における二重偏波変数に前記メンバシップ関数(MF)及び加重値を適用して、二重偏波変数毎の加重値を用いて算出されるブライトバンド(BB)による影響度を示すメンバーシップ関数(MF)値を計算し、総メンバーシップ関数値(MVtotal)と特定仰角未満の仰角における偏波抑圧比(D を利用してブライトバンド(BB)を探知し、
特定仰角とは異なる仰角については、特定仰角で求めたメンバーシップ関数(MF)と観測データから二重偏波変数毎の加重値を用いて算出されるブライトバンド(BB)による影響度を示す総メンバーシップ関数値(MVtotal)を求めて、ブライトバンド(BB)の上下限を求め、
(5)探知した前記特定仰角未満の仰角におけるブライトバンド領域の反射因子(Z)データについて、同一高度のデータを異なる方位で平均して反射因子見かけプロファイルを生成し、
前記反射因子補正段階は、(6)生成した該反射因子見かけプロファイルを利用して補正係数を算出し、
(7)算出した該補正係数に基づいてブライトバンド(BB)領域の反射因子過大観測を補正する
ことを特徴とする二重偏波変数基盤ブライトバンド探知結果を利用した反射因子補正方法。
【請求項2】
前記前処理段階は、
反射因子(Z)および反射因子差(Z DR に対して遮蔽による電力損失を補正する段階;
反射因子(Z)および反射因子差(Z DR に対して降雨減衰補正を遂行する段階;
信号対雑音比(SNR)を利用して偏波間相関係数(ρ hv を補正する段階;および、
偏波間相関係数(ρ hv および反射因子差(Z DR に基づいて偏波抑圧比(D を算出する段階;を含む
請求項1に記載の二重偏波変数基盤ブライトバンド探知結果を利用した反射因子補正方法。
【請求項3】
前記ブライトバンド探知段階は、
各特性変数の加重値を利用して観測データのブライトバンド(BB)による影響度を表す総メンバーシップ関数値(MVtotal)を算出する段階;
総メンバーシップ関数値(MVtotal)と偏波抑圧比(D を利用してブライトバンド(BB)を判別する段階;
各仰角で方位角を基準として各セクター別総メンバーシップ関数値(MVtotal)を高度により平均して生成した総メンバーシップ関数値(MVtotal)プロファイルおよびレーダビームの中心温度を高度により平均した温度平均プロファイルを利用して誤探知された領域を除去する段階;および、
中間値フィルタを適用してブライトバンド(BB)探知結果を平滑化する段階;を含む
請求項1に記載の二重偏波変数基盤ブライトバンド探知結果を利用した反射因子補正方法。
【請求項4】
前記ブライトバンド(BB)を判別する段階は、
偏波間相関係数(ρ hv が予め設定された第1しきい値以下である場合、総メンバーシップ関数値(MVtotal)が予め設定された第2しきい値を超過する場合、および偏波間相関係数(ρ hv が前記第1しきい値を超過する場合、偏波抑圧比(D が予め設定された第3しきい値以上の場合、ブライトバンド(BB)の候補として区別する段階;を含む
請求項3に記載の二重偏波変数基盤ブライトバンド探知結果を利用した反射因子補正方法。
【請求項5】
前記ブライトバンド(BB)を判別する段階は、
ブライトバンド(BB)の候補のうちレーダから距離によりSNRが予め設定された第4しきい値を超過するか、反射因子(Z)が予め設定された第5しきい値を超過するか、レーダビーム上端部の温度が予め設定された第6しきい値未満であるかまたはレーダビーム下端部の温度が予め設定された第7しきい値を超過する場合、ブライトバンド(BB)として判別する段階;をさらに含む
請求項4に記載の二重偏波変数基盤ブライトバンド探知結果を利用した反射因子補正方法。
【請求項6】
前記誤探知された領域を除去する段階は、
各仰角で方位角を基準として各セクター別総メンバーシップ関数値(MVtotal)を高度により平均して総メンバーシップ関数値(MVtotal)プロファイルおよびレーダビームの中心温度を高度により平均して温度平均プロファイルを生成する段階;
予め設定した値以上の高仰角に対して平均総メンバーシップ関数値(MVtotal)が最大である高度を基準高度に設定して、平均総メンバーシップ関数値(MVtotal)が予め設定された第8しきい値未満となる最初の高度をブライトバンド(BB)の上限および下限高度に設定する段階;および、
予め設定した値未満の低仰角に対して平均温度が0℃である高度を基準高度に設定して、ブライトバンド(BB)の上限および下限高度を基準高度より予め設定した高度だけ高いか低く、総メンバーシップ関数値(MVtotal)の平均が前記第8しきい値未満である高度に設定する段階;を含む
請求項3に記載の二重偏波変数基盤ブライトバンド探知結果を利用した反射因子補正方法。
【請求項7】
前記誤探知された領域を除去する段階は、
仰角にかかわらず平均温度が一定範囲内である高度内で、平均総メンバーシップ関数値(MVtotal)の最大値が前記第8しきい値未満であり特定距離で平均温度が零下である場合、上限高度を再設定する段階;をさらに含む
請求項6に記載の二重偏波変数基盤ブライトバンド探知結果を利用した反射因子補正方法。
【請求項8】
前記反射因子補正段階は、
各仰角別降水エコー対比ブライトバンド(BB)エコーの比が一定の比以上である場合、ブライトバンド(BB)領域の反射因子(Z)データを平均して反射因子見かけプロファイルを生成する段階;
見かけプロファイルからブライトバンド(BB)上端部-最頂点、最頂点-下端部、上端部-下端部に対する高度による反射因子傾きを算出する段階;
ブライトバンド(BB)として探知された領域に対してブライトバンド(BB)の最頂点を基準として反射因子補正係数を計算する段階;
算出された補正係数に基づいて観測された反射因子(Z)と補正後の反射因子(Z)の差値である反射因子補正値を算出する段階;および、
算出された補正値を観測された反射因子(Z)に適用する段階;を含む
請求項1に記載の二重偏波変数基盤ブライトバンド探知結果を利用した反射因子補正方法。
【請求項9】
補正された反射因子(Z)および反射因子補正値を保存する結果保存段階;をさらに含む
請求項1に記載の二重偏波変数基盤ブライトバンド探知結果を利用した反射因子補正方法。
【請求項10】
請求項1ないし9のいずれかに記載された前記二重偏波変数基盤ブライトバンド探知結果を利用した反射因子補正方法を遂行するためのコンピュータプログラムが記録された
ことを特徴とするコンピュータで読み取り可能な保存媒体。
【請求項11】
二重偏波変数観測誤差を補正して偏波抑圧比(D を算出する前処理部;
特定仰角データから生成された準鉛直プロファイルから抽出されたブライトバンド(BB)の高度を利用して各特性変数のメンバーシップ関数(MF)および加重値を生成するファジィ分類器生成部;
仰角別に総メンバーシップ関数値(MVtotal)と偏波抑圧比(D を利用してブライトバンド(BB)を探知するブライトバンド探知部;および、
仰角別にブライトバンド(BB)領域の反射因子(Z)データを平均して生成した反射因子見かけプロファイルを利用して算出した補正係数に基づいて探知されたブライトバンド(BB)領域の反射因子過大観測を補正する反射因子補正部;を含み、
前記前処理部は、(1)一定仰角以上である特定仰角及び特定仰角未満の仰角での二重偏波レーダの観測値から、観測誤差を補正して偏波抑圧比(D を算出し、
(2)前記一定仰角以上である特定仰角に対応する特定高度における二重偏波レーダの観測値から、準鉛直プロファイルを生成し、
前記ファジィ分類器生成部は、(3)前記特定高度における該準鉛直プロファイルから抽出されたブライトバンド(BB)の領域を利用して、ブライトバンド(BB)と非ブライトバンド(nonBB)領域の反射因子(Z)、反射因子差(Z DR )、偏波間相関係数(ρ hv )、偏波抑圧比(D である二重偏波変数の少なくとも2つを分析し、該二重偏波変数について、該二重偏波変数の値毎の正規化された頻度であるメンバーシップ関数(MF)および二重偏波変数の値毎のブライトバンド(BB)と非ブライトバンド(nonBB)についてのメンバーシップ関数(MF)におけるグラフの下部領域が重複する部分の面積に対応する加重値を算出し、ファジィ分類器として生成し、
前記ブライトバンド探知部は、(4)特定仰角未満の仰角における二重偏波変数に前記メンバシップ関数(MF)及び加重値を適用して、二重偏波変数毎の加重値を用いて算出されるブライトバンド(BB)による影響度を示す総メンバーシップ関数値(MVtotal)を計算し、メンバーシップ関数(MF)値と特定仰角未満の仰角における偏波抑圧比(D を利用してブライトバンド(BB)を探知し、
特定仰角とは異なる仰角については、特定仰角で求めたメンバーシップ関数(MF)と観測データから二重偏波変数毎の加重値を用いて算出されるブライトバンド(BB)による影響度を示す総メンバーシップ関数値(MVtotal)を求めて、ブライトバンド(BB)の上下限を求め、
(5)探知した前記特定仰角未満の仰角におけるブライトバンド(BB)領域の反射因子(Z)データについて、同一高度のデータを異なる方位で平均して反射因子見かけプロファイルを生成し、
前記反射因子補正部は、(6)生成した該反射因子見かけプロファイルを利用して補正係数を算出し、
(7)算出した該補正係数に基づいてブライトバンド(BB)領域の反射因子過大観測を補正する
ことを特徴とする二重偏波変数基盤ブライトバンド探知結果を利用した反射因子補正装置。
【請求項12】
前記前処理部は、
反射因子(Z)および反射因子差(Z DR に対して遮蔽による電力損失を補正するビーム遮蔽補正部;
反射因子(Z)および反射因子差(Z DR に対して降雨減衰補正を遂行する降雨減衰補正部;
信号対雑音比(SNR)を利用して偏波間相関係数(ρ hv を補正するρhv補正部;および、
偏波間相関係数(ρ hv および反射因子差(Z DR に基づいて偏波抑圧比(D を算出するD計算部;を含む
請求項11に記載の二重偏波変数基盤ブライトバンド探知結果を利用した反射因子補正装置。
【請求項13】
前記ブライトバンド探知部は、
各特性変数の加重値を利用して観測データのブライトバンド(BB)による影響度を表す総メンバーシップ関数値(MVtotal)を算出するメンバーシップ関数値算出部;
総メンバーシップ関数値(MVtotal)と偏波抑圧比(D を利用してブライトバンド(BB)を判別するブライトバンド判別部;
各仰角で方位角を基準として各セクター別総メンバーシップ関数値(MVtotal)を高度により平均して生成した総メンバーシップ関数値(MVtotal)プロファイルおよびレーダビームの中心温度を高度により平均した温度平均プロファイルを利用して誤探知された領域を除去する誤探知除去部;および、
中間値フィルタを適用してブライトバンド(BB)探知結果を平滑化する平滑化部;を含む
請求項11に記載の二重偏波変数基盤ブライトバンド探知結果を利用した反射因子補正装置。
【請求項14】
前記ブライトバンド判別部は、
偏波間相関係数(ρ hv が予め設定された第1しきい値以下である場合、総メンバーシップ関数値(MVtotal)が予め設定された第2しきい値を超過する場合、および偏波間相関係数(ρ hv が前記第1しきい値を超過する場合、偏波抑圧比(D が予め設定された第3しきい値以上の場合、ブライトバンド(BB)の候補として区別する
請求項13に記載の二重偏波変数基盤ブライトバンド探知結果を利用した反射因子補正装置。
【請求項15】
前記ブライトバンド判別部は、
ブライトバンド(BB)の候補のうちレーダから距離によりSNRが予め設定された第4しきい値を超過するか、反射因子(Z)が予め設定された第5しきい値を超過するか、レーダビーム上端部の温度が予め設定された第6しきい値未満であるかまたはレーダビーム下端部の温度が予め設定された第7しきい値を超過する場合、ブライトバンド(BB)として判別する
請求項14に記載の二重偏波変数基盤ブライトバンド探知結果を利用した反射因子補正装置。
【請求項16】
前記誤探知除去部は、
各仰角で方位角を基準として各セクター別総メンバーシップ関数値(MVtotal)を高度により平均して総メンバーシップ関数値(MVtotal)プロファイルおよびレーダビームの中心温度を高度により平均して温度平均プロファイルを生成し、
予め設定した値以上の高仰角に対して平均総メンバーシップ関数値(MVtotal)が最大である高度を基準高度に設定して、平均総メンバーシップ関数値(MVtotal)が予め設定された第8しきい値未満となる最初の高度をブライトバンド(BB)の上限および下限高度に設定し、
予め設定した値未満の低仰角に対して平均温度が0℃である高度を基準高度に設定して、ブライトバンド(BB)の上限および下限高度を基準高度より予め設定した高度だけ高いか低く、総メンバーシップ関数値(MVtotal)の平均が前記第8しきい値未満である高度に設定し、
仰角にかかわらず平均温度が一定範囲内である高度内で、平均総メンバーシップ関数値(MVtotal)の最大値が前記第8しきい値未満であり特定距離で平均温度が零下である場合、上限高度を再設定する
請求項13に記載の二重偏波変数基盤ブライトバンド探知結果を利用した反射因子補正装置。
【請求項17】
前記反射因子補正部は、
各仰角別降水エコー対比ブライトバンド(BB)エコーの比が一定の比以上である場合、ブライトバンド(BB)領域の反射因子(Z)データを平均して反射因子見かけプロファイルを生成するプロファイル生成部;
見かけプロファイルからブライトバンド(BB)上端部-最頂点、最頂点-下端部、上端部-下端部に対する高度による反射因子傾きを算出する変化率算出部;
ブライトバンド(BB)として探知された領域に対してブライトバンド(BB)の最頂点を基準として反射因子補正係数を計算する補正係数算出部;
算出された補正係数に基づいて観測された反射因子(Z)と補正後の反射因子(Z)の差値である反射因子補正値を算出する補正値算出部;および、
算出された補正値を観測された反射因子(Z)に適用する補正値適用部;を含む
請求項11に記載の二重偏波変数基盤ブライトバンド探知結果を利用した反射因子補正装置。
【請求項18】
補正された反射因子(Z)および反射因子補正値を保存する結果保存部;をさらに含む
請求項11に記載の二重偏波変数基盤ブライトバンド探知結果を利用した反射因子補正装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は二重偏波変数基盤明るい帯探知結果を利用した反射度補正方法、これを遂行するための記録媒体および装置に関し、さらに詳細にはファジィ論理と偏波消滅度を利用して明るい帯を探知し、反射度見かけプロファイルの生成を通じて反射度補正係数を算出して明るい帯による反射度過大観測を補正する技術に関する。
【背景技術】
【0002】
明るい帯は、レーダビームが降雪粒子が0℃高度を通過しながら降雨粒子に変わる融解層を通過して反射度Zが過大観測される現象をいう。降雪粒子は0℃付近で溶け始め、誘電率の変化によってZが高くなる。
【0003】
明るい帯によるZ過大観測は、Zに基づいた降水量推定時に過大推定を引き起こすため、正確な降水推定のためには明るい帯を探知し補正しなければならない。
【0004】
単偏波レーダを利用した研究は殆どZプロファイルから明るい帯を探知した。Z鉛直構造に基づいた明るい帯の探知は、非気象エコー(地形エコーなど)が混在され明るい帯がレーダを中心に同心円の形態で現れない低高度角資料の明るい帯を探知するのに限界がある。また、夏場を除いて地上の近くに現れる明るい帯は全体の構造を観測することができないため活用が制限的であるという問題がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【文献】大韓民国登録特許第10-1255966号
【文献】大韓民国登録特許第10-1483617号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明の技術的課題はこのような点に鑑みたもので、本発明の目的は二重偏波変数基盤明るい帯探知結果を利用した反射度補正方法を提供することである。
【0007】
本発明の他の目的は、前記二重偏波変数基盤明るい帯探知結果を利用した反射度補正方法を遂行するためのコンピュータプログラムが記録された記録媒体を提供することである。
【0008】
本発明のさらに他の目的は、前記二重偏波変数基盤明るい帯探知結果を利用した反射度補正方法を遂行するための装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
前記の本発明の目的を具現するための一実施例に係る二重偏波変数基盤明るい帯探知結果を利用した反射度補正方法は、二重偏波変数の観測誤差を補正して偏波消滅度を算出する前処理段階;特定高度角資料から生成された準-鉛直分布から抽出された明るい帯の高度を利用して、明るい帯と非明るい帯領域の二重偏波変数を分析して各特性変数の所属関数および加重値を算出するファジィ分類器生成段階;高度角別にファジィ分類器と偏波消滅度を利用して明るい帯を探知する明るい帯探知段階;および高度角別に明るい帯領域の反射度資料を平均して生成した反射度見かけプロファイルを利用して算出した補正係数に基づいて探知された明るい帯領域の反射度過大観測を補正する反射度補正段階;を含む。
【0010】
本発明の実施例で、前記前処理段階は、反射度および差等反射度に対して遮蔽による電力損失を補正する段階;反射度および差等反射度に対して降雨減衰補正を遂行する段階;信号対雑音比(SNR)を利用して交差相関係数を補正する段階;および交差相関係数および差等反射度に基づいて偏波消滅度を算出する段階;を含むことができる。
【0011】
本発明の実施例で、前記ファジィ分類器生成段階は、一定高度角以上の特定高度角資料から準-鉛直分布を生成する段階;生成された準-鉛直分布から明るい帯の高度を抽出する段階;抽出された明るい帯の高度を基準として明るい帯と非明るい帯領域を区分する段階;および正規化された頻度分布から各特性変数の所属関数(MF)を算出し、所属関数から加重値を決定する段階;を含むことができる。
【0012】
本発明の実施例で、前記明るい帯探知段階は、各特性変数の加重値を利用して観測資料の明るい帯による汚染度を表す総所属値を算出する段階;総所属値と偏波消滅度を利用して明るい帯を判別する段階;各高度角で方位角を基準として各セクター別総所属値を高度により平均して生成した総所属値プロファイルおよびレーダビームの中心温度を高度により平均した温度平均プロファイルを利用して誤探知された領域を除去する段階;および中間値フィルタを適用して明るい帯探知結果を平滑化する段階;を含むことができる。
【0013】
本発明の実施例で、前記明るい帯を判別する段階は、交差相関係数が予め設定された第1しきい値以下である場合、総所属値が予め設定された第2しきい値を超過する場合、および交差相関係数が前記第1しきい値を超過する場合、偏波消滅度が予め設定された第3しきい値以上の場合、明るい帯の候補として区別する段階;を含むことができる。
【0014】
本発明の実施例で、前記明るい帯を判別する段階は、明るい帯の候補のうちレーダから距離によりSNRが予め設定された第4しきい値を超過するか、反射度が予め設定された第5しきい値を超過するか、レーダビーム上端部の温度が予め設定された第6しきい値未満であるかまたはレーダビーム下端部の温度が予め設定された第7しきい値を超過する場合、明るい帯として判別する段階;をさらに含むことができる。
【0015】
本発明の実施例で、前記誤探知された領域を除去する段階は、各高度角で方位角を基準として各セクター別総所属値を高度により平均して総所属値プロファイルおよびレーダビームの中心温度を高度により平均して温度平均プロファイルを生成する段階;予め設定した値以上の高高度角に対して平均総所属値が最大である高度を基準高度に設定して、平均総所属値が予め設定された第8しきい値未満となる最初の高度を明るい帯の上限および下限高度に設定する段階;および予め設定した値未満の低高度角に対して平均温度が0℃である高度を基準高度に設定して、明るい帯の上限および下限高度を基準高度より予め設定した高度だけ高いか低く、総所属値の平均が前記第8しきい値未満である高度に設定する段階;を含むことができる。
【0016】
本発明の実施例で、前記誤探知された領域を除去する段階は、高度角にかかわらず平均温度が一定範囲内である高度内で、平均総所属値の最大値が前記第8しきい値未満であり特定距離で平均温度が零下である場合、上限高度を再設定する段階;をさらに含むことができる。
【0017】
本発明の実施例で、前記反射度補正段階は、各高度角別降水エコー対比明るい帯エコーの比が一定の比以上である場合、明るい帯領域の反射度資料を平均して反射度見かけプロファイルを生成する段階;見かけプロファイルから明るい帯上端部-最頂点、最頂点-下端部、上端部-下端部に対する高度による反射度傾きを算出する段階;明るい帯として探知された領域に対して明るい帯の最頂点を基準として反射度補正係数を計算する段階;算出された補正係数に基づいて観測された反射度と補正後の反射度の差値である反射度補正値を算出する段階;および算出された補正値を観測された反射度に適用する段階;を含むことができる。
【0018】
本発明の実施例で、前記二重偏波変数基盤明るい帯探知結果を利用した反射度補正方法は、補正された反射度および反射度補正値を保存する結果保存段階;をさらに含むことができる。
【0019】
前記本発明の他の目的を具現するための一実施例に係るコンピュータで読み取り可能な保存媒体には、前記二重偏波変数基盤明るい帯探知結果を利用した反射度補正方法を遂行するためのコンピュータプログラムが記録されている。
【0020】
前記本発明のさらに他の目的を具現するための一実施例に係る二重偏波変数基盤明るい帯探知結果を利用した反射度補正装置は、二重偏波変数観測誤差を補正して偏波消滅度を算出する前処理部;特定高度角資料から生成された準-鉛直分布から抽出された明るい帯の高度を利用して各特性変数の所属関数および加重値を生成するファジィ分類器生成部;高度角別に総所属値と偏波消滅度を利用して明るい帯を探知する明るい帯探知部;および高度角別に明るい帯領域の反射度資料を平均して生成した反射度の見かけプロファイルを利用して算出した補正係数に基づいて探知された明るい帯領域の反射度過大観測を補正する反射度補正部;を含む。
【0021】
本発明の実施例で、前記前処理部は、反射度および差等反射度に対して遮蔽による電力損失を補正するビーム遮蔽補正部;反射度および差等反射度に対して降雨減衰補正を遂行する降雨減衰補正部;信号対雑音比(SNR)を利用して交差相関係数を補正するρhv補正部;および交差相関係数および差等反射度に基づいて偏波消滅度を算出するD計算部;を含むことができる。
【0022】
本発明の実施例で、前記ファジィ分類器生成部は、一定高度角以上の特定高度角資料から準-鉛直分布を生成するQVP生成部;生成された準-鉛直分布から明るい帯の高度を抽出する明るい帯高度抽出部;明るい帯の高度を基準として明るい帯と非明るい帯領域を区分する明るい帯区別部;および正規化された頻度分布から各特性変数の所属関数(MF)を算出し、所属関数から加重値を決定する加重値決定部;を含むことができる。
【0023】
本発明の実施例で、前記明るい帯探知部は、各特性変数の加重値を利用して観測資料の明るい帯による汚染度を表す総所属値を算出する総所属値算出部;総所属値と偏波消滅度を利用して明るい帯を判別する明るい帯判別部;各高度角で方位角を基準として各セクター別総所属値を高度により平均して生成した総所属値プロファイルおよびレーダビームの中心温度を高度により平均した温度平均プロファイルを利用して誤探知された領域を除去する誤探知除去部;および中間値フィルタを適用して明るい帯探知結果を平滑化する平滑化部;を含むことができる。
【0024】
本発明の実施例で、前記明るい帯判別部は、交差相関係数が予め設定された第1しきい値以下である場合、総所属値が予め設定された第2しきい値を超過する場合、および交差相関係数が前記第1しきい値を超過する場合、偏波消滅度が予め設定された第3しきい値以上の場合、明るい帯の候補として区別することができる。
【0025】
本発明の実施例で、前記明るい帯判別部は、明るい帯の候補のうちレーダから距離によりSNRが予め設定された第4しきい値を超過するか、反射度が予め設定された第5しきい値を超過するか、レーダビーム上端部の温度が予め設定された第6しきい値未満であるかまたはレーダビーム下端部の温度が予め設定された第7しきい値を超過する場合、明るい帯として判別することができる。
【0026】
本発明の実施例で、前記誤探知除去部は、各高度角で方位角を基準として各セクター別総所属値を高度により平均して総所属値プロファイルおよびレーダビームの中心温度を高度により平均して温度平均プロファイルを生成し、予め設定した値以上の高高度角に対して平均総所属値が最大である高度を基準高度に設定して、平均総所属値が予め設定された第8しきい値未満となる最初の高度を明るい帯の上限および下限高度に設定し、予め設定した値未満の低高度角に対して平均温度が0℃である高度を基準高度に設定して、明るい帯の上限および下限高度を基準高度より予め設定した高度だけ高いか低く、総所属値の平均が前記第8しきい値未満である高度に設定し、高度角にかかわらず平均温度が一定範囲内である高度内で、平均総所属値の最大値が前記第8しきい値未満で平均温度が零下である場合、上限高度を再設定することができる。
【0027】
本発明の実施例で、前記反射度補正部は、各高度角別降水エコー対比明るい帯エコーの比が一定の比以上である場合、明るい帯領域の反射度資料を平均して反射度見かけプロファイルを生成するプロファイル生成部;見かけプロファイルから明るい帯上端部-最頂点、最頂点-下端部、上端部-下端部に対する高度による反射度傾きを算出する変化率算出部;明るい帯として探知された領域に対して明るい帯の最頂点を基準として反射度補正係数を計算する補正係数算出部;算出された補正係数に基づいて観測された反射度と補正後の反射度の差値である反射度補正値を算出する補正値算出部;および算出された補正値を観測された反射度に適用する補正値適用部;を含むことができる。
【0028】
本発明の実施例で、前記二重偏波変数基盤明るい帯探知結果を利用した反射度補正装置は、補正された反射度および反射度補正値を保存する結果保存部;をさらに含むことができる。
【発明の効果】
【0029】
このような二重偏波変数基盤明るい帯探知結果を利用した反射度補正方法によると、明るい帯の二重偏波変数特性を分析してファジィ論理によって明るい帯汚染度を算出し、探知された明るい帯に対する反射度見かけプロファイルを利用して反射度補正係数を算出する。したがって、レーダボリューム資料の格子基盤明るい帯を探知して過大観測された反射度資料を補正することができ、補正された反射度を利用して降水量推定正確度を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0030】
図1】本発明の一実施例に係る二重偏波変数基盤明るい帯探知結果を利用した反射度補正装置のブロック図である。
図2図1の前処理部の詳細ブロック図である。
図3図1のファジィ分類器生成部の詳細ブロック図である。
図4】明るい帯と非明るい帯領域の定義を説明するための図面である。
図5a】明るい帯と非明るい帯領域で特性変数別所属関数を示す図面である。
図5b】明るい帯と非明るい帯領域で特性変数別所属関数を示す図面である。
図5c】明るい帯と非明るい帯領域で特性変数別所属関数を示す図面である。
図5d】明るい帯と非明るい帯領域で特性変数別所属関数を示す図面である。
図6図1の明るい帯探知部の詳細ブロック図である。
図7】明るい帯領域での総所属値分布を示す図面である。
図8a】セクター別総所属値と温度平均プロファイルの例示を示す図面である。
図8b】セクターとウインドウの大きさの定義を説明するための図面である。
図9図1の反射度補正部の詳細ブロック図である。
図10a】反射度見かけプロファイルを示す図面である。
図10b】補正係数の算出の例示を示す図面である。
図11】本発明の一実施例に係る二重偏波変数基盤明るい帯探知結果を利用した反射度補正方法のフローチャートである。
図12図11の明るい帯探知段階を説明する詳細フローチャートである。
図13図11の明るい帯探知段階を説明する詳細フローチャートである。
図14図11の反射度補正段階を説明する詳細フローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0031】
後述する本発明に対する詳細な説明は、本発明が実施され得る特定の実施例を例示として図示する添付図面を参照する。これら実施例は当業者が本発明を実施できるように充分かつ詳細に説明される。本発明の多様な実施例は互いに異なるが相互に排他的である必要はないことが理解されるべきである。例えば、ここに記載されている特定の形状、構造および特性は、一実施例に関連して本発明の精神および範囲を逸脱することなく他の実施例で具現され得る。また、それぞれの開示された実施例内の個別構成要素の位置または配置は、本発明の精神および範囲を逸脱することなく変更され得る。したがって、後述する詳細な説明は限定的な意味ではなく、本発明の範囲は、適切に説明されるのであれば、その請求項が主張するものと均等なすべての範囲とともに添付された請求項によってのみ限定される。図面で類似する参照符号は多様な側面に亘って同一または類似する機能を指し示す。
【0032】
以下、図面を参照して本発明の好ましい実施例をより詳細に説明することにする。
図1は、本発明の一実施例に係る二重偏波変数基盤明るい帯探知結果を利用した反射度補正装置のブロック図である。
【0033】
本発明に係る二重偏波変数基盤明るい帯探知結果を利用した反射度補正装置(10、以下、装置)は、二重偏波変数で算出した偏波消滅度をファジィ分類器に追加して明るい帯を探知し、反射度見かけプロファイルを利用して明るい帯領域の過大観測された反射度補正技術を提供する。
【0034】
図1を参照すると、本発明に係る装置10は前処理部110、ファジィ分類器生成部130、明るい帯探知部150および反射度補正部170を含む。前記装置10は結果保存部190をさらに含むことができる。
【0035】
本発明の前記装置10は二重偏波変数基盤明るい帯探知結果を利用した反射度補正を遂行するためのソフトウェア(アプリケーション)が設置されて実行され得、前記前処理部110、前記ファジィ分類器生成部130、前記明るい帯探知部150、前記反射度補正部170および前記結果保存部190の構成は、前記装置10で実行される前記二重偏波変数基盤明るい帯探知結果を利用した反射度補正を遂行するためのソフトウェアによって制御され得る。
【0036】
前記装置10は別途の端末であるかまたは端末の一部のモジュールであり得る。また、前記前処理部110、前記ファジィ分類器生成部130、前記明るい帯探知部150、前記反射度補正部170および前記結果保存部190の構成は統合モジュールで形成されるか、一つ以上のモジュールからなり得る。しかし、これとは反対に各構成は別途のモジュールからなってもよい。
【0037】
前記装置10は移動性を有するか固定され得る。前記装置10は、サーバー(server)またはエンジン(engine)の形態であり得、デバイス(device)、機構(apparatus)、端末(terminal)、UE(user equipment)、MS(mobile station)、無線機器(wireless device)、携帯機器(handheld device)等の他の用語で呼ばれ得る。
【0038】
前記装置10は運営体制(Operation System;OS)、すなわちシステムに基づいて多様なソフトウェアを実行するか製作することができる。前記運営体制はソフトウェアが装置のハードウェアを使用できるようにするためのシステムプログラムであって、アンドロイド(登録商標)OS、iOS、ウインドウモバイルOS、バダOS、シンビアンOS、ブラックベリーOSなどのモバイルコンピュータ運営体制およびウインドウ系列、リナックス(登録商標)系列、ユニックス系列、MAC、AIX、HP-UXなどのコンピュータ運営体制をすべて含むことができる。
【0039】
前記前処理部110は二重偏波変数の観測誤差を補正して偏波消滅度を算出する。
【0040】
融解層で溶けている降雪粒子をレーダが観測すると誘電率によってZが増加し、大気水象体の形に関連した差等反射度が増加する。レーダビームの観測ボリューム内大気水象体の種類の均質性に関連した交差相関係数(ρhv)、大気水象体の軸比(axis ratio)に関連した線形消滅度(linear depolarization ratio、LDR)も明るい帯探知に有用なレーダ観測変数である。
【0041】
LDR変数観測のためには一つの偏波モードのみ送信する特別な観測戦略が要求されるので、水平偏波と垂直偏波を同時送受信(simultaneous transmission and receiving、STAR)する現業用二重偏波レーダはLDR資料を獲得できない。
【0042】
最近、STARモードで運営されるレーダで観測可能な変数であるρhv、ZDR資料を利用して偏波消滅度(depolarization ratio、D)を算出することによって、LDR変数に代わって品質管理、明るい帯探知、ひょうの探知、降雪粒子の形の区分などに活用している。したがって、本発明はZ、ZDR、ρhv、Dをファジィ分類器の特性変数として使い、各変数に対して観測誤差を補正する前処理過程を遂行する。
【0043】
図2を参照すると、本発明の一実施例に係る前処理部110はビーム遮蔽補正部111、降雨減衰補正部113、ρhv補正部115およびD計算部117を含むことができる。
【0044】
前記ビーム遮蔽補正部111および前記降雨減衰補正部113は、レーダで観測された資料である反射度Zと差等反射度ZDRに対して部分ビーム遮蔽、降雨減衰による反射度損失を補正する。遮蔽率は遮蔽による電力損失率を意味し、水平に約30m解像度の数値標高モデル(digital elevation model、DEM)資料を利用して標準大気でのビーム屈折とガウシアンビームパターンを仮定して算出した(BBF=1は完全損失を意味する)。観測誤差別Z、ZDR補正値は以下の数式1および数式2のように計算され得る。
【0045】
【数1】
【0046】
【数2】
【0047】
ρhvはレーダ受信機、導波管、アンテナなどによる雑音の影響を受ける。前記ρhv補正部115は雑音によって偏向された(biased)ρhvを補正するために、以下の数式3のように信号対雑音比(signal to noise ratio、SNR)を利用することができる。
【0048】
【数3】
【0049】
【0050】
計算部117は交差相関係数および差等反射度に基づいて偏波消滅度を算出する。DはSTARモードで運営されるレーダのρhvとZDR資料を利用して以下の数式4のように算出することができる。
【0051】
【数4】
【0052】
【0053】
前記ファジィ分類器生成部130は、準-鉛直分布から抽出された明るい帯の高度内での二重偏波変数の分布を利用して加重値および所属関数を生成する。図3を参照すると、前記ファジィ分類器生成部130はQVP生成部131、明るい帯高度抽出部133、明るい帯区別部135および加重値決定部137を含むことができる。
【0054】
一般的に、低高度角(例えば、0.7°)と高高度角(例えば、7.5°)に対するZ、ρhv映像を比較すると、高高度角ではZ、ρhv領域ですべて明るい帯の境界が明確に区分されるが、ρhv映像で明るい帯領域が反射度映像に比べて多少狭い。低高度角ではZ映像で明るい帯の境界を把握し難い反面、ρhv映像で明るい帯の境界が明確に現れる。
【0055】
前記QVP生成部131は明るい帯の形態がレーダを中心に同心円で現れる高高度角の資料を利用して、準-鉛直分布を生成して明るい帯と非明るい帯領域での特性変数を分析する。明るい帯特性分析結果に基づいてファジィ分類器生成のための訓練した資料として使うことができる。
【0056】
一実施例で、ファジィ分類器生成のための明るい帯特性値析のために、7°高度角資料から生成した準-鉛直分布(Quasi-Vertical Profile、QVP)を利用した。準-鉛直分布は、特定高度角で二重偏波変数を方位角方向に平均して降水システムの鉛直構造を分析する技術である。高い高度角を利用すれば、二重偏波変数の雑音を最小化して降水システムの鉛直構造分析に有利である。前記明るい帯高度抽出部133は各二重偏波変数に対する準-鉛直分布と座標系回転方法を利用して明るい帯を探知することができる。
【0057】
その結果、準-鉛直分布で二重偏波変数の最大値または最小値で明るい帯の最頂点(略4.5km)が位置した。明るい帯領域でρhvは0.97以下と低く、Dは-20.0dB以上の値を見せた。
【0058】
例えば、前記明るい帯区別部135で明るい帯領域と非明るい帯領域の区分には、準-鉛直分布から抽出した明るい帯上端部、下端部を利用することができる。図4を参照すると、明るい帯領域は上端部~下端部(斜線を引いた領域)、非明るい帯領域は1.5km高度~下端部-5個のゲート、上端部+5個のゲート~最大距離までに設定した。
【0059】
前記加重値決定部137は正規化された頻度分布から各特性変数の所属関数(MF)を算出し、所属関数から加重値を決定することができる。明るい帯特性変数別所属関数(membership function、MF)は以下の数式5のように正規化された頻度分布から算出することができる。
【0060】
【数5】
【0061】
ここで、F(i)は正規化された頻度分布、MF(i)は所属関数、iは特性変数(Z、ZDR、ρhv、D)を意味する。図5a~図5dは各変数別所属関数であり、所属関数の算出には総7個の層雲形降水の事例を利用した。各特性変数に対する加重値(weighting、W(i))は以下の数式6のように所属関数を利用して算出することができる。
【0062】
【数6】
【0063】
ここで、Aiは明るい帯と非明るい帯の所属関数重なり領域の面積を意味する。
【0064】
前記明るい帯探知部150はファジィ分類器およびセクター別総所属値/温度プロファイルを利用して明るい帯を探知する。
【0065】
図6は、ファジィ分類器を利用した明るい帯探知部に対するブロック図である。前記明るい帯探知部150は前記ファジィ分類器生成部130で生成されたファジィ分類器に基づいて観測資料の明るい帯による汚染度(総所属値)を算出し、総所属値とDを利用して明るい帯を判別する。また、セクター基盤総所属値/温度平均プロファイルを利用して非気象エコー(青など)や低品質の観測資料によって明るい帯として誤探知された領域を除去し、中間値フィルタを適用して明るい帯探知結果を平滑化する。
【0066】
このために、前記明るい帯探知部150は総所属値算出部151、明るい帯判別部153、誤探知除去部155および平滑化部157を含むことができる。
【0067】
前記総所属値算出部151で総所属値(MVtotal)は以下の数式7のように各変数別加重値を利用して算出することができる。
【0068】
【数7】
【0069】
図7は総5個の降水事例に対する反射度準-鉛直分布で探知した明るい帯領域での総所属値分布である。明るい帯領域で総所属値はほとんど0.7~1.0の間に分布し、0.3を明るい帯探知のためのしきい値に決定した。0.3以下の値は準-鉛直分布内で高いρhvを見せた領域である。準-鉛直分布で明るい帯領域に含まれるがρhvが高い領域が存在する。
【0070】
このような短所を解決するために、前記明るい帯判別部153は、ρhvが低い領域はファジィ分類器、ρhvが高い領域はDを利用して明るい帯探知を探知する。
【0071】
前記明るい帯判別部153は、格子基盤の明るい帯探知のために開発したファジィ分類器とDしきい値を利用して明るい帯を探知する。この時、ρhv範囲によりファジィ論理とDを適用する。
【0072】
例えば、ρhvが0.97以上である領域に対して総所属値が0.3以上、0.97を超過する領域に対してDが-20.dB以上であれば、明るい帯に分類することができる。
【0073】
高度角によるSNRとρhv分布で、低高度角では低いSNR領域でビーム遮蔽によってρhvが低く、高高度角では降雪領域でρhvが低い。高度角が高いほど明るい帯の位置がレーダから近くなる。したがって、明るい帯とビーム遮蔽または降雪領域を区分するために、反射度が15dBZ以上であり、以下の数式8のようにレーダから距離によりSNRしきい値以上であれば、明るい帯として探知することができる。
【0074】
【数8】
【0075】
ここで、rangeはレーダから距離(km)を意味する。
【0076】
また、明るい帯可能域を制限するために、レーダビーム上端部(Tbtop)と下端部(Tbbot)の温度がそれぞれ10℃より低く、-10℃より高い時に明るい帯として探知することができる。
【0077】
前記誤探知除去部155はセクター基盤で総所属値/温度平均プロファイルを利用して誤探知された領域を除去する。
【0078】
【0079】
各高度角で方位角を基準として各セクター別総所属値プロファイルは総所属値を高度により平均して生成し、温度プロファイルはレーダビームの中心温度を高度により平均して生成する。
【0080】
図8aはセクター別総所属値と温度平均プロファイル、図8bはセクター/ウインドウの大きさを示す。ウインドウの大きさは総所属値と温度平均プロファイル計算範囲を、セクターの大きさはしきい値適用範囲を意味する。明るい帯プロファイル生成時に観測ノイズを減らすために、セクターよりウインドウの大きさを広く設定することができる。
【0081】
【0082】
【0083】
これに伴い、青エコー以外にも低高度角で残っている非降水エコーを明るい帯として誤探知する現象を改善することができる。本発明は低品質の二重偏波変数は明るい帯を誤探知する原因となり、総所属値/温度平均プロファイルの適用を通じてこれを改善することができる。
【0084】
前記平滑化部157は中間値フィルタを適用して明るい帯探知結果を平滑化する。ここで、中間値フィルタは点エコー形態の探知結果を除去するために適用する。
【0085】
例えば、該当ゲートを基準として、両側の方位角5個のゲート(3°x5gate)ウインドウ内でエコーが50%未満に存在すれば非明るい帯(NBB)に分類し、ウインドウ内でエコーが50%以上存在する場合、中間値で代替することができる。
【0086】
前記反射度補正部170は反射度見かけプロファイルを利用して算出した補正係数で明るい帯領域の反射度過大観測を補正する。
【0087】
図9は、前記明るい帯探知部150の明るい帯探知結果を利用した反射度補正部のブロック図である。図9を参照すると、前記反射度補正部170はプロファイル生成部171、変化率算出部173、補正係数算出部175、補正値算出部177および補正値適用部179を含む。
【0088】
前記反射度補正部170は明るい帯によって汚染された領域の反射度を平均した見かけプロファイルから反射度変化率を算出して反射度補正係数を算出する。算出された補正係数を観測された反射度に適用して明るい帯による反射度過大観測を補正する。
【0089】
前記プロファイル生成部171は明るい帯による反射度過大観測を補正するために、反射度見かけプロファイル(Apparent vertical profile of reflectivity、AVPR)を生成する。AVPRは高度角別に明るい帯領域の反射度資料を平均して生成した。この時、該当距離で降水エコー対比明るい帯エコーの数が例えば、10%以上である場合にのみ反射度を平均することができる。
【0090】
【0091】
前記変化率算出部173は明るい帯上端部-最頂点(α)、最頂点-下端部(β)、上端部-下端部(γ)に対する高度による反射度変化量(または反射度傾き)は最小自乗法を利用して算出することができる。
【0092】
【0093】
【0094】
前記補正値適用部179は算出された補正値を観測された反射度に適用する。明るい帯の高度が方位角別に大きい差を見せる場合、CFをレーダ方位角を基準として各セクタ別にAVPRを生成することができ、同じ過程をセクター別に繰り返して反射度を補正することができる。
【0095】
【数9】
【0096】
【数10】
【0097】
【数11】
【0098】
【数12】
【0099】
本発明に係るレーダ2.1°、3.2°高度角資料に対する明るい帯補正結果、明るい帯によって過大観測された反射度領域で反射度補正後の反射度が減少したし、水平的に連続的な分布を見せた。
【0100】
【0101】
図11は、本発明の一実施例に係る二重偏波変数基盤明るい帯探知結果を利用した反射度補正方法のフローチャートである。
【0102】
本実施例に係る二重偏波変数基盤明るい帯探知結果を利用した反射度補正方法は、図1の装置10と実質的に同じ構成で進行され得る。したがって、図1の装置10と同じ構成要素は同じ図面番号を付与し、重複する説明は省略する。
【0103】
また、本実施例に係る二重偏波変数基盤明るい帯探知結果を利用した反射度補正方法は、二重偏波変数基盤明るい帯探知結果を利用した反射度補正を遂行するためのソフトウェア(アプリケーション)により実行され得る。
【0104】
本発明は明るい帯の二重偏波変数特性を分析して、レーダボリューム資料で明るい帯によって汚染された領域を探知して過大観測されたZ資料を補正する。
【0105】
図11を参照すると、本実施例に係る二重偏波変数基盤明るい帯探知結果を利用した反射度補正方法は、二重偏波変数の観測誤差を補正し、偏波消滅度を算出する前処理過程を遂行する(段階S10)。
【0106】
これに伴い、前記前処理段階(段階S10)は、反射度および差等反射度に対して遮蔽による電力損失率を補正する段階、反射度および差等反射度に対して降雨減衰補正を遂行する段階、信号対雑音比(SNR)を利用して交差相関係数を補正する段階および交差相関係数および差等反射度に基づいて偏波消滅度を算出する段階を含むことができる。
【0107】
前処理が完了すると、特定高度角資料から生成された準-鉛直分布から抽出された明るい帯の高度を利用して、明るい帯と非明るい帯領域の二重偏波変数を分析して各特性変数の所属関数および加重値を算出してファジィ分類器を生成する(段階S30)。ここで、特性変数は反射度Z、差等反射度ZDR、交差相関係数(ρhv)、偏波消滅度(D)を含むことができる。
【0108】
ファジィ分類器を生成する段階(段階S30)は、一定高度角以上の特定高度角資料から準-鉛直分布を生成する段階、生成された準-鉛直分布から明るい帯の高度を抽出する段階、明るい帯の高度を基準として明るい帯と非明るい帯を区分する段階および正規化された頻度分布から各特性変数の所属関数(MF)を算出し、所属関数から加重値を決定する段階を含むことができる。
【0109】
ファジィ分類器が生成されると、各特性変数の加重値、偏波消滅度およびセクター別総所属値と温度プロファイルを利用して明るい帯を探知する(段階S50)。
【0110】
図12を参照すると、明るい帯を探知する段階(段階S50)は、まず各特性変数の加重値を利用して観測資料の明るい帯による汚染度を表す総所属値を算出する(段階S51)。
【0111】
総所属値と偏波消滅度を利用して明るい帯を判別する(段階S51)。例えば、交差相関係数が予め設定された第1しきい値(例えば、0.97)以下である場合(段階S52)、総所属値が予め設定された第2しきい値(例えば、0.3)を超過する場合(段階S53)および交差相関係数が前記第1しきい値を超過する場合(段階S52)、偏波消滅度が予め設定された第3しきい値(例えば、20)以上の場合、明るい帯の候補として区別することができる(段階S54)。その他の場合には非明るい帯として判別する(段階S57)。
【0112】
その後、明るい帯の候補のうち、レーダから距離によりSNRが予め設定された第4しきい値を超過するか、反射度が予め設定された第5しきい値(例えば、15.0)を超過するか、レーダビーム上端部の温度が予め設定された第6しきい値(例えば、10℃)未満であるかまたはレーダビーム下端部の温度が予め設定された第7しきい値(例えば、-10℃)を超過する場合(段階S55)、明るい帯として判別することができる(段階S56)。その他の場合には非明るい帯として判別する(段階S57)。
【0113】
明るい帯を判別した後、各高度角で方位角を基準として、各セクター別総所属値を高度により平均して生成した総所属値プロファイルおよびレーダビームの中心温度を高度により平均した温度平均プロファイルを利用して誤探知された領域を除去することができる。
【0114】
図13を参照すると、前記誤探知された領域を除去する段階は、各高度角でセクター別に総所属値を高度により平均して総所属値プロファイルおよびレーダビームの中心温度を高度により平均して温度平均プロファイルを生成する(段階S61)。
【0115】
予め設定した値(例えば、3°)以上の高高度角に対して(段階S62)、平均総所属値が最大である高度を基準高度に設定して、平均総所属値が予め設定された第8しきい値(例えば、0.2)未満となる最初の高度を明るい帯の上限および下限高度に設定することができる(段階S64)。
【0116】
予め設定した値未満の低高度角に対して(段階S62)、平均温度が0℃である高度を基準高度に設定して、明るい帯の上限および下限高度を基準高度より予め設定した高度だけ高いか低く、総所属値の平均が前記第8しきい値(例えば、0.2)未満の高度に設定することができる(段階S63)。
【0117】
また、高度角にかかわらず平均温度が一定範囲内である高度内で、平均総所属値の最大値が前記第8しきい値未満であり特定距離で平均温度が零下である場合(段階S65)、該当高度(例えば、10番目のビン)を上限高度に再設定することができる(段階S66)。
【0118】
誤探知された領域を除去後、中間値フィルタを適用して明るい帯探知結果を平滑化することができる。
【0119】
高度角別に明るい帯領域の反射度資料を平均して生成した反射度見かけプロファイルを利用して算出した補正係数に基づいて探知された明るい帯領域の反射度過大観測を補正する(段階S70)。
【0120】
図14を参照すると、前記反射度補正段階(段階S70)は、各高度角別に降水エコー対比明るい帯エコーの比が一定の比以上である場合、明るい帯領域の反射度資料を平均して反射度見かけプロファイルを生成する(段階S71)。
【0121】
見かけプロファイルから明るい帯上端部-最頂点、最頂点-下端部、上端部-下端部に対する高度による反射度傾きを算出し(段階S72)、明るい帯として探知された領域に対して明るい帯の最頂点を基準として反射度補正係数を計算する(段階S73)。
【0122】
算出された補正係数に基づいて観測された反射度と補正後の反射度の差値である反射度補正値を算出し(段階S74)、算出された補正値を観測された反射度に適用することができる(段階S75)。
【0123】
また、二重偏波変数基盤明るい帯探知結果を利用した反射度補正方法は補正された反射度および反射度補正値を保存する結果保存段階(段階S90)をさらに含むことができる。
【0124】
本発明は、二重偏波変数で算出した偏波消滅度をファジイ分類器に追加して、明るい帯探知に活用したし、総所属値/温度プロファイルを利用して明るい帯探知正確度を向上させた。また、反射度見かけプロファイルを利用した明るい帯補正技術を開発した。
【0125】
このような、二重偏波変数基盤明るい帯探知結果を利用した反射度補正方法は、アプリケーションで具現されたり多様なコンピュータ構成要素を通じて遂行され得るプログラム命令語の形態で具現されてコンピュータ読み取り可能な記録媒体に記録され得る。前記コンピュータ読み取り可能な記録媒体はプログラム命令語、データファイル、データ構造などを単独でまたは組み合わせて含むことができる。
【0126】
前記コンピュータ読み取り可能な記録媒体に記録されるプログラム命令語は、本発明のために特別に設計されて構成されたものであり、コンピュータソフトウェア分野の当業者に公知になっている使用可能なものであってもよい。
【0127】
コンピュータ読み取り可能な記録媒体の例には、ハードディスク、フロッピーディスクおよび磁気テープのような磁気媒体、CD-ROM、DVDのような光記録媒体、フロプティカルディスク(floptical disk)のような磁気-光媒体(magneto-optical media)、およびROM、RAM、フラッシュメモリなどのようなプログラム命令語を保存し遂行するように特別に構成されたハードウェア装置が含まれる。
【0128】
プログラム命令語の例には、コンパイラによって作られるような機械語コードだけでなく、インタープリタなどを使ってコンピュータによって実行され得る高級言語コードも含まれる。前記ハードウェア装置は本発明に係る処理を遂行するために一つ以上のソフトウェアモジュールとして作動するように構成され得、その逆も同じである。
【0129】
以上、実施例を参照して説明したが、該当技術分野の熟練した当業者は下記の特許請求の範囲に記載された本発明の思想および領域から逸脱しない範囲内で本発明を多様に修正および変更できる。
【産業上の利用可能性】
【0130】
気象レーダ資料は降水量の推定、実況予測、水文気象などで重要な資料として活用されるため、気象および防災サービス分野、土木および水文分野などに有用に活用することができる。また、関連民間機関と学界で高い正確度のレーダ資料を確保するために該当技術に対する関心度が高いため、市場性や企業化の展望が明るい。
【符号の説明】
【0131】
10:二重偏波変数基盤明るい帯探知結果を利用した反射度補正装置
110:前処理部
130:ファジィ分類器生成部
150:明るい帯探知部
170:反射度補正部
190:結果保存部
111:ビーム遮蔽補正部
113:降雨減衰補正部
115:ρhv補正部
117:Dr計算部
131:QVP生成部
133:明るい帯高度抽出部
135:明るい帯区別部
137:加重値決定部
151:総所属値算出部
153:明るい帯判別部
155:誤探知除去部
157:平滑化部
171:プロファイル生成部
173:変化率算出部
175:補正係数算出部
177:補正値算出部
179:補正値適用部
図1
図2
図3
図4
図5a
図5b
図5c
図5d
図6
図7
図8a
図8b
図9
図10a
図10b
図11
図12
図13
図14