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特許7488417鉄道分岐器レール底部融雪のための熱伝導クランプ装置
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-05-13
(45)【発行日】2024-05-21
(54)【発明の名称】鉄道分岐器レール底部融雪のための熱伝導クランプ装置
(51)【国際特許分類】
   E01B 7/24 20060101AFI20240514BHJP
   E01B 19/00 20060101ALI20240514BHJP
   E01H 8/08 20060101ALI20240514BHJP
【FI】
E01B7/24
E01B19/00 A
E01H8/08
【請求項の数】 6
(21)【出願番号】P 2023506272
(86)(22)【出願日】2022-04-19
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2023-09-06
(86)【国際出願番号】 KR2022005601
(87)【国際公開番号】W WO2022234981
(87)【国際公開日】2022-11-10
【審査請求日】2023-01-27
(31)【優先権主張番号】10-2021-0057188
(32)【優先日】2021-05-03
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(73)【特許権者】
【識別番号】523031596
【氏名又は名称】韓国交通大学校産学協力団
【氏名又は名称原語表記】KOREA NATIONAL UNIVERSITY OF TRANSPORTATION INDUSTRY-ACADEMIC COOPERATION FOUNDATION
【住所又は居所原語表記】50,Daehak-ro,Daesowon-myeon Chungju-si Chungcheongbuk-do 27469 Republic of Korea
(74)【代理人】
【識別番号】100135220
【弁理士】
【氏名又は名称】石田 祥二
(72)【発明者】
【氏名】イ ヒョン ウ
(72)【発明者】
【氏名】パク チャン ベ
(72)【発明者】
【氏名】イ ジェ ボム
(72)【発明者】
【氏名】キム ジン チュル
(72)【発明者】
【氏名】ジョン ゴ チョル
(72)【発明者】
【氏名】イム ジョン ソク
(72)【発明者】
【氏名】ノ ソン チャン
【審査官】湯本 照基
(56)【参考文献】
【文献】特開平08-105001(JP,A)
【文献】実開平05-087002(JP,U)
【文献】特開平09-025602(JP,A)
【文献】特開2001-115404(JP,A)
【文献】特開平11-172602(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2006/0150563(US,A1)
【文献】実開昭62-181620(JP,U)
【文献】中国特許出願公開第105256673(CN,A)
【文献】韓国登録特許第10-2286149(KR,B1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
E01B 7/24
E01B 19/00
E01H 8/08
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
内側板、上板、外側板が折り曲げられて、主レールに設置されたヒーティング装置を上方から嵌め込んで収容するホルダーと、前記ホルダーの一端から主レールの腹部の一部または全部をカバーするように延びる第1延長板部、そして、前記ホルダーの一端から主レールの底部の傾斜面に沿って延びる第2延長板部を含む熱伝導板ユニット;
前記主レールと接触する前記熱伝導板ユニットの接触面に設けられた断熱材;及び
前記ヒーティング装置が収容された熱伝導板ユニットを前記主レールに固定するクランプを含んで構成され、
前記主レールの腹部と接触する前記ホルダーの内側板は、所定の角度で内側にしなって形成され、
前記第1延長板部は、主レールの頭部まで延びて形成され、
前記熱伝導板ユニット、前記断熱材、及び前記クランプによって、前記ヒーティング装置の駆動時に、前記主レールに伝達される熱は最小化しつつ、トングレールとの間の空間である前記主レールの腹部と底部に積もった雪や氷晶を溶かすことを特徴とする、熱伝導クランプ装置。
【請求項2】
主レールに設置されたヒーティング装置を側面方向から嵌め込んで収容するように、内側板、上板、外側板、及び下板が折り曲げられて形成された空間部を有するホルダーと、前記ホルダーの一端から主レールの腹部の一部または全部をカバーするように延びる第1延長板部、そして、前記ホルダーの一端から主レールの底部の傾斜面に沿って延びる第2延長板部、とを含む熱伝導板ユニット;
前記主レールと接触する前記熱伝導板ユニットの接触面に設けられた断熱材;及び
前記ヒーティング装置が収容された熱伝導板ユニットを前記主レールに固定するクランプを含んで構成され、
前記第1延長板部は、主レールの頭部まで延びて形成され、
前記熱伝導板ユニット、前記断熱材、及び前記クランプによって、前記ヒーティング装置の駆動時に前記主レールに伝達される熱を最小化しつつ、トングレールとの間の空間である前記主レールの腹部と底部とに積もった雪または氷晶を溶かすことを特徴とする、熱伝導クランプ装置。
【請求項3】
前記熱伝導板ユニットの幅とクランプの幅は、異なるように形成される、請求項1または2に記載の、熱伝導クランプ装置。
【請求項4】
前記熱伝導板ユニットの幅とクランプの幅は、同一に形成される、請求項1または2に記載の、熱伝導クランプ装置。
【請求項5】
前記第2延長板部は、主レールの底部の側面まで延びて形成される、請求項1または2に記載の、熱伝導クランプ装置。
【請求項6】
前記ヒーティング装置が誘導装置(Induction Device)であることができ、
前記ホルダーの外側板の内面に前記誘導装置の誘導発熱のための金属部材が取り付けられる、請求項1または2に記載の、熱伝導クランプ装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、主レール(stock rail)に装着されたヒーティング装置を覆うように設計され、主レール(stock rail)に熱が伝導されるのを遮断するとともに、主レール(stock rail)とトングレール(tongue rail)との間の空間に存在する雪と氷晶を速やかに溶かすことができるようにした、熱伝導クランプ装置に関する。
【背景技術】
【0002】
鉄道システムにおける分岐器は、鉄道の安全な運営のために最も重要な核心装置のうちの一つであって、鉄道システムの定時性と安全性の確保のためには、線路転換機の円滑な運営が非常に重要である。
【0003】
図1に示したように、線路転換機は、鉄道車両が主レールから別の方向のレールに進入することができるようにするために、レールの分岐地点に設置され、主レール(stock rail)の側面に位置したトングレール(tongue rail)を主レール側に寄せたり、または分離させる用途で使用される。
【0004】
ところが、列車の進行方向を決める主レールとトングレールとの間の空間に雪が積もり、トングレールの反復的な動作によって、主レールとの間の空間に積もった雪が圧搾されて氷晶に変わるようになると、列車を目的の方向に進入させることができず、トングレールの移動が完全且つ十分になされないことがあり、この場合、列車が軌道から脱線する憂慮がある。
【0005】
これまで、このような問題を解決しようと、図2に示したように、主レール(stock rail)とトングレール(tongue rail)との間にヒーティング装置(Heating Device)が設置された構成が提案されたところがある。図2で見られるように、ヒーティング装置は、主レールの外側面に取り付けられて主レールを加熱する構造である。
【0006】
ところが、従来のヒーティング装置を利用する場合、相対的に体積が大きい主レールに熱を奪われるようになって、主レールとトングレールとの間の空間に形成された氷晶を溶かすのに少なくない時間を要する問題が存在した。
【0007】
また、トングレールの動作に伴って、レールの底部にあった雪がレールの腹部まで上がってきて結氷することもあるが、従来のヒーティング装置は、レールの腹部の結氷した雪を全く溶かすこともできない。
【0008】
また、従来のヒーティング装置は、主レールの外側面に単純に取り付けられる構造であって、ヒーティング装置を効果的に固定することができなかった。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
よって、本発明の目的は、上記の問題点を解決するためのもので、主レールのレール底部はもちろん、レール腹部に積もった雪や氷晶を効果的に溶かすことができる、熱伝導クランプ装置を提供することである。
【0010】
本発明の他の目的は、主レールに伝達される熱を最小化して、主レールとトングレールとの間の空間に形成された氷晶を速やかに溶かすことができるようにする、熱伝導クランプ装置を提供することである。
【0011】
本発明のまた他の目的は、ヒーティング装置を容易に固定しつつも、ヒーティング装置に容易に結合することができる、熱伝導クランプ装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0012】
このような目的を達成するために、本発明の一実施例による熱伝導クランプ装置は、内側板、上板、外側板が折り曲げられて、主レールに設置されたヒーティング装置を上方から嵌め込んで収容するホルダーと、前記ホルダーの一端から主レールの腹部の一部または全部をカバーするように延びる第1延長板部、そして、前記ホルダーの一端から主レールの底部の傾斜面に沿って延びる第2延長板部、とを含む熱伝導板ユニット;前記主レールと接触する前記熱伝導板ユニットの接触面に設けられた断熱材;及び前記ヒーティング装置が収容された熱伝導板ユニットを前記主レールに固定するクランプ、を含んで構成され、前記主レールの腹部と接触する前記ホルダーの内側板は、所定の角度で内側にしなって形成され、前記ヒーティング装置の駆動時に前記主レールに伝達される熱を最小化しつつ、前記トングレールとの間の空間である前記主レールの腹部と底部に積もった雪や氷晶を溶かすことを特徴とする。
【0013】
また、本発明の他の実施例による熱伝導クランプ装置は、主レールに設置されたヒーティング装置を側面方向から嵌め込んで収容するように、内側板、上板、外側板、及び下板が折り曲げられて形成された空間部を有するホルダーと、前記ホルダーの一端から主レールの腹部の一部または全部をカバーするように延びる第1延長板部、そして、前記ホルダーの一端から主レールの底部の傾斜面に沿って延びる第2延長板部、とを含む熱伝導板ユニット;前記主レールと接触する前記熱伝導板ユニットの接触面に設けられた断熱材;及び前記ヒーティング装置が収容された熱伝導板ユニットを前記主レールに固定するクランプを含んで構成され、前記ヒーティング装置の駆動時に前記主レールに伝達される熱を最小化しつつ前記トングレールとの間の空間である前記主レールの腹部と底部に積もった雪または氷晶を溶かすことを特徴とする。
【0014】
ここで、本発明は、熱伝導板ユニットの幅とクランプの幅は、異なるように形成するか、同一に形成することができる。
【0015】
また、第1延長板部は、主レールの頭部まで延びて形成されることができる。
【0016】
また、第2延長板部は、主レールの底部の側面まで延びて形成されることができる。
【0017】
そして、本発明は、前記ヒーティング装置が誘導装置(Induction Device)であることができ、前記ホルダーの外側板の内面に、前記誘導装置の誘導発熱のための金属部材が取り付けられることができる。
【発明の効果】
【0018】
以上のような本発明の熱伝導クランプ装置によれば、主レールと協働するトングレールの反復的な動作によって、主レールの腹部の領域まで上って来て積もる雪や氷晶を容易に溶かすことができる。
【0019】
また、主レールとの接触面に断熱材を設置して、ヒーティング装置の駆動時に主レールに伝達される熱を最小化することができ、主レールとトングレールとの間の雪や氷晶をさらに速やかに溶かすことができる。
【0020】
また、主レールに設置されたヒーティング装置に熱伝導板ユニットを嵌合方式で容易に設置することができ、熱伝導板ユニットとともに主レールの底部をクランプで覆って固定させることができ、主レールからヒーティング装置が離脱することを防止することができるのはもちろん、熱伝導クランプ装置を容易に装着することができ、作業者の作業能率を向上させる効果も期待できる。
【図面の簡単な説明】
【0021】
図1図1は、線路転換機の構成を説明した図面である。
図2図2は、主レールとトングレールとの間にヒーティング装置が設置された例を示す図面である。
図3図3は、本発明の第1実施例による熱伝導クランプ装置の斜視図である。
図4図4は、本発明の第1実施例による熱伝導クランプ装置の側面図である。
図5図5a及び図5bは、本発明の第1実施例による熱伝導クランプ装置が主レールに設置された装着図面である。
図6図6は、本発明の第2実施例による熱伝導クランプ装置の斜視図である。
図7図7は、本発明の第2実施例による熱伝導クランプ装置の側面図である。
図8図8a及び図8bは、本発明の第2実施例による熱伝導クランプ装置が主レールに設置された装着図面である。
図9図9は、本発明の熱伝導板ユニット内に誘導発熱のための金属部材が取り付けられた例を説明した図面である。
【発明を実施するための形態】
【0022】
本発明は、多様な変換を加えることができ、様々な実施例を有することができるところ、特定の実施例を図面に例示し詳細に説明することとする。しかし、これは、本発明の特定の実施形態について限定しようとするものではなく、本発明の思想及び技術範囲に含まれる全ての変換、均等物乃至代替物を含むものと理解されるべきである。本発明を説明するにおいて、関連する公知技術に対する具体的な説明が、本発明の要旨を曖昧にし得ると判断される場合、その詳細な説明を省略する。
【0023】
第1、第2等の用語は、多様な構成要素を説明するのに使用されることができるが、前記構成要素は、前記用語によって限定されてはならない。前記用語は、一つの構成要素を別の構成要素と区別する目的でのみ使用される。
【0024】
本発明で使用した用語は、単に特定の実施例を説明するために使用されたもので、本発明を限定しようとする意図ではない。単数の表現は、文脈上、明白に異なって意味するのではない限り、複数の表現を含む。この出願において、「含む」または「有する」等の用語は、明細書上に記載された特徴、数字、段階、動作、構成要素、部品、またはこれらを組み合わせたものが存在することを指定しようとするもので、一つまたはそれ以上の他の特徴や数字、段階、動作、構成要素、部品、またはこれらを組み合わせたものの存在または付加の可能性をあらかじめ排除しないものと理解されるべきである。
【0025】
空間的に相対的な用語である下(below、beneath、lower)、上(above、upper)等は、図面に示されているところように、一つの素子または構成要素と別の素子または構成要素との相関関係を容易に記述するために使用されることができる。空間的に相対的な用語は、図面に示されている方向に加えて、使用時または動作時の素子の互いに異なる方向を含む用語として理解されなければならない。例えば、図面に示されている素子を裏返す場合、別の素子の下(below、beneath)と記述された素子は、別の素子の上(above、upper)となることができる。よって、例示的な用語である下は、下と上の方向をいずれも含み得る。素子は、別の方向にも配向されることができ、これによって、空間的に相対的な用語は、配向によって解釈されることができる。
【0026】
本発明において使用される「部」または「部分」等の一部分を表わす表現は、該当構成要素が特定の機能を含み得る装置、特定の機能を含み得るソフトウェア、または特定の機能を含み得る装置及びソフトウェアの結合を表わすことができることを意味するが、必ずしも表現された機能に限定されるというものではなく、これは、本発明のより全般的な理解を助けるために提供されたものに過ぎず、本発明が属する分野で通常の知識を有する者であれば、このような記載から多様な修正及び変形が可能である。
【0027】
また、本発明で使用される全ての電気信号は、一例示であって、本発明の回路に反転機等を追加で備える場合、以下で説明される全ての電気信号の符号が反対に変わり得ることに留意しなければならない。よって、本発明の権利範囲は、信号の方向に限定されない。
【0028】
よって、本発明の思想は、説明された実施例に極限されて定められてはならず、後述の特許請求の範囲のみならず、この特許請求の範囲と均等であるとか、等価的な変形のある全てのものは、本発明の思想の範疇に属するといえる。
【0029】
以下、図面に示した実施例に基づいて、本発明についてさらに詳細に説明する。
【0030】
図3及び図4は、本発明の第1実施例による熱伝導クランプ装置の斜視図及び側面図であり、図5は、本発明の第1実施例による熱伝導クランプ装置が主レールに設置された装着図面である。
【0031】
図面に示したように、熱伝導クランプ装置は、熱伝導板ユニット(100)、断熱材(140)、クランプ(300)を含んで構成される。
【0032】
熱伝導板ユニット(100)は、主レール(stock rail)に設置されるヒーティング装置(200)を上方から嵌め込んで収容することができるように、内側板(112)、上板(114)、外側板(116)が折り曲げられる形状のホルダー(110)と、前記ホルダー(110)の一端から主レールの腹部の方向に延びる第1延長板部(120)、前記ホルダー(110)の一端から主レールの底部の傾斜面に沿って延びる第2延長板部(130)を含んで構成される。
【0033】
ホルダー(110)、第1延長板部(120)、第2延長板部(130)は、ヒーティング装置(200)の熱を十分によく伝達することができるように、熱伝導率に優れ、剛性と弾性のある材料で製造されることが好ましい。
【0034】
ホルダー(110)は、その下部が開放される構造である。よって、熱伝導板ユニット(100)をヒーティング装置(200)の上方から下方に移動させながら嵌め込むことができる。即ち、ある締結手段なしに、熱伝導板ユニット(100)をヒーティング装置(200)に容易に締結することが可能である。そして、前記主レールの腹部と接触するホルダー(110)の内側板(112)は、図面のように、所定の角度で内側にしなる形状である。平常時に内側にしなった状態であり、ホルダー(110)にヒーティング装置(200)を嵌め込むと、弾性によってヒーティング装置(200)を堅固に締めるようになって、安定的に固定された状態を維持することができる。
【0035】
第1延長板部(120)は、主レールの腹部の方向まで延びて形成される。これは、主レールと接触するとか、分離するトングレールの周期的な繰り返しの動きによって、主レールの底部に積もった雪が上がって腹部側に積もったり凍ったりすることがあるが、このように主レールの腹部側に積もる雪や氷晶を除去するためである。従来は、図2に示したバーのように、主レールに所定のサイズのヒーティング装置が単純に取り付けられる構造であって、主レールの腹部側に積もる雪や氷晶を除去することができなかった。結論として、第1延長板部(120)と第2延長板部(130)が協働して主レールの腹部及び底部にある雪や氷晶を容易に除去することが可能である。
【0036】
断熱材(140)は、主レールと接触する熱伝導板ユニット(100)の接触面に設けられる。断熱材(140)は、ヒーティング装置(200)の駆動によって発生する熱が主レール側に伝達されることを防止したり、最小化するためのものである。ヒーティング装置(200)の熱が主レールに容易に伝達されると、その分余計に、主レールとトングレールとの間の空間にある雪や氷晶を溶かすのに時間を要するからである。
【0037】
クランプ(300)は、熱伝導板ユニット(100)を主レールに固定するための構成である。クランプ(300)は、底板(310)、底板(310)の両端から延びる第1、第2折り曲げ部(312a、312b)、前記第1折り曲げ部(312a)から延びて前記主レールの底部の一側傾斜面上に配置される第1傾斜板部(314a)、前記第2折り曲げ部(312b)から延びて前記主レールの底部の他側傾斜面上に配置される第2傾斜板部(314b)、そして、第2傾斜板部(314b)から延びてホルダー(110)の上板(114)と外側板(116)を覆って熱伝導板ユニット(100)を固定支持する固定板部(316)で構成される。
【0038】
よって、主レールに配置されたヒーティング装置(200)に熱伝導板ユニット(100)を設置し、その後、クランプ(300)を主レールと熱伝導板ユニット(100)とを覆うように設置すれば、主レールに熱伝導板ユニット(100)を固定することができる。
【0039】
このような構成を有する第1実施例は、ヒーティング装置(200)の駆動によってヒーティング装置(200)で発生する熱が、熱伝導板ユニット(100)に伝達されるといえ、さらに、ヒーティング装置(200)の熱は、断熱材(140)によって、主レールへの伝達が遮断されるとか、最小化されるので、主レールとトングレールとの間の空間中の主レールの底部と腹部領域にある雪や氷晶を速やかに溶かすことができる。
【0040】
図6及び図7は、本発明の第2実施例による熱伝導クランプ装置の斜視図及び側面図であり、図8は、本発明の第2実施例による熱伝導クランプ装置が主レールに設置された装着図面である。
【0041】
本発明の第2実施例は、先に説明した第1実施例と大部分の構成は同一であり、ただ、主レールに設置されるヒーティング装置(200)を収容する熱伝導板ユニット(100)の構造のみ相違する。第1実施例と同一の構成に対しては、同一の符号を付与する。
【0042】
即ち、図面のように、第2実施例による熱伝導板ユニット(100)において、ホルダー(110)は、内側板(112)、上板(114)、外側板(116)、及び下板(118)が折り曲げられて、空間部(119)を形成する構造である。よって、第2実施例は、第1実施例のように熱伝導板ユニット(100)をヒーティング装置(200)の上方から嵌め込むのではなく、熱伝導板ユニット(100)をヒーティング装置(200)の側面から嵌め込むものである。
【0043】
第2実施例も、主レールに配置されたヒーティング装置(200)に熱伝導板ユニット(100)を設置し、クランプ(300)を利用して熱伝導板ユニット(100)を主レールに固定することができる。そして、ヒーティング装置(200)で発生する熱は、大部分が主レールの腹部及び底部側の領域に伝達されるので、そこにある雪や氷晶をさらに速やかに溶かすことができる。
【0044】
図9は、本発明の熱伝導板ユニット内に誘導発熱のための金属部材が取り付けられた例を説明する図面である。
【0045】
本発明に適用されるヒーティング装置は、電熱線を利用して熱を発生させたり誘導発熱機能を利用することができる。本発明の実施例による誘導発熱を利用したヒーティング装置の場合、熱伝導板ユニット(100)内には誘導装置(Induction Device、200a)が装着されることができる。この時、誘導装置(200a)と熱伝導板ユニット(100)(即ち、ホルダーの外側板)との間には、誘導発熱に効果的である金属材質(Induction Heat Material)(400)を取り付けることができる。
【0046】
このようにすれば、先に説明したように、誘導装置(200a)の誘導発熱による熱は、断熱材によって主に熱伝導板ユニット(100)にのみ伝達され、よって、主レールとトングレールとの間の空間中の主レールの底部と腹部の領域にある雪や氷晶を速やかに溶かすことができるといえる。
【0047】
以上のように、本発明の図示された実施例を参考にして説明したが、これは、例示的なものに過ぎず、本発明が属する技術分野の通常の知識を有する者であれば、本発明の要旨及び範囲を逸脱することなく多様な変形、変更及び均等な他の実施例が可能であることが明白であるといえる。従って、本発明の真の技術的な保護範囲は、添付の請求の範囲の技術的な思想によって定められなければならないといえる。
【0048】
本発明は、鉄道システムの定時性と安全性の確保のためのレール分岐器、線路転換機などに利用されることができる。
図1
図2
図3
図4
図5a
図5b
図6
図7
図8a
図8b
図9